JP2015082395A - 電力用開閉装置、プログラム及び電力用開閉装置の監視方法 - Google Patents

電力用開閉装置、プログラム及び電力用開閉装置の監視方法 Download PDF

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慧 小川
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Abstract

【課題】磨耗に伴う消耗部品の形状変化や振動による位置ずれの検出を可能とすること。
【解決手段】固定部53と可動部54の開閉操作で主回路を断続する電力用開閉装置10において、装置内部の圧力/温度を検出する圧力/温度センサ15A〜15Eと、各検出出力を集約する測定値集約部21と、固定部53及び可動部54の必要部品の形状を記録した部品形状記録部24と、各検出出力、部品形状及び差分修正係数から流体−電磁場連成演算の計算条件を生成する計算条件生成部22と、計算条件により流体−電磁場演算を関連付けて行う流体−電磁場演算処理部25と、その演算結果と各検出出力とを比較し、比較結果に応じて装置内部の予測結果または差分修正係数を出力する実測計算比較部23と、装置内部の予測結果と破壊条件記憶部27に記憶した縁破壊条件から消耗部品及び接点部の状態を判定する状態判定部26とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力用開閉装置、プログラム及び電力用開閉装置の監視方法に関する。
近年、送電系統は社会基盤の1つとしてますます重要なものとなっている。このため、変電所または開閉所に設置する電力用開閉装置には高い信頼性が要求されている。また、電力自由化の時代背景などにより、電力用機器に対するコスト低減の要求も高まっている。
一方、国内外を問わず各電力会社には、据え付けから長期間の運用を経て老朽化が進んだ遮断器が多数存在している。
電力用開閉装置の寿命は、一定の操作回数や、例えば20年といった更新期間などを目安として定められている。電力用開閉装置はこれらの寿命目安に基づいて計画的に管理、交換、及び提起点検が実施されている。
ところで、開閉装置の内部には接点部(電極接点)があり、当該接点部を開くことで通電電流を遮断する。また、当該接点を閉じることで通電を開始する。これらの開閉操作の際に接点間でアーク放電が発生し、発生したアーク放電からの光及び熱により接点部や周辺の部品に摩耗を生じる場合がある。また、長年にわたる開閉操作や、輸送、設置環境から与えられた振動の結果、接点部周辺に備えられた部品の位置がずれる可能性がある。
接点部の状態を監視する為に、接点部の近傍部位に何らかの測定手段を設置して監視することを考えた場合、アーク放電により当該測定手段が電気的、熱的に破損し、あるいは急速な摩耗を生じることにより、監視が困難となるか、または測定手段自体が故障する虞がある。そのため、測定手段は接点付近からできるだけ離れた、アーク放電の影響を受けにくい場所に設置することが求められる。
この種の分野で、具体的に各種監視を行なうための装置が考えられている。(例えば、特許文献1,2)
特開2003−281976号公報 特許第3716691号公報
前記特許文献1には、ガス遮断器の接点部近傍の消耗部品の消耗状態を検出するために、遮断操作時に消耗部品がアーク放電による熱エネルギーにより蒸発することで遮断器内部に生じる圧力変化を測定し、測定で得た最大ガス圧を参照することで、消耗部品の蒸発量でもある消耗量を得る技術が記載されている。
また前記特許文献2には、遮断器の開閉速度を正確に予測するために、現在の電流、電圧、環境温度を基に記憶媒体上のテーブルに格納されているデータを参照して、次回の開閉時間を予測する技術が記載されている。
前記特許文献1に記載された技術では、入力信号としてガス圧の最大値を計測し、消耗部品の消耗量を測定する。しかしながら、遮断器の内部から圧力センサに到達するまでの経路には内部の部品が入り組んで配置されるため、それらの配置の関係でセンサにより検知される圧力値が減衰する可能性があった。
また前記特許文献2に記載された技術では、格納されている過去のテーブルデータに基づいて動作時間の予測を行っており、センサから集めた情報を集めて動作時間を予測するものであって、内部の摩耗に伴う消耗部品の状態変化を取扱うことはしていない。
前記2例の特許文献を示したように、現状で消耗部品の摩耗状態を精度良く監視できるものがなく、経年劣化した現地運用品をより正確に監視することが可能な手法が必要とされている。
本発明の目的は、経年機器の磨耗等に伴う消耗部品の形状変化や振動による位置ずれを、運用状態のままで精度良く監視することが可能な電力用開閉装置、プログラム及び電力用開閉装置の監視方法を提供することにある。
実施形態に係る電力用開閉装置は、主回路を装置内部の消耗部品と近接配置された接点部の開閉操作により断続する電力用開閉装置において、前記装置の操作時に主回路の通電電流を検出する電流検出手段と、前記装置に入力される電力の極間電圧を検出する電圧検出手段と、前記装置内部の圧力を検出する圧力検出手段と、前記装置内部の温度を検出する温度検出手段と、前記電流検出手段、前記電圧検出手段、前記圧力検出手段、および前記温度検出手段の各検出出力を集約する測定値集約手段と、前記消耗部品の運用開始時の形状を記録した部品形状記録手段と、前記測定値集約手段で集約した各検出出力、前記部品形状情報記録手段が記録した部品形状、および後記差分修正係数により流体−電磁場連成計算の計算条件を生成する計算条件生成手段と、前記計算条件生成手段で得た計算条件に基づいて流体演算及び電磁場計算を相互に関連付けて実行する流体−電磁場連成演算手段と、前記流体−電磁場連成演算手段で得た演算結果と前記測定値集約手段で集約した各検出出力とを比較し、その比較結果に応じて装置内部の予測結果、および差分修正係数の少なくとも一方を出力する実測計算比較手段と、絶縁破壊条件を記憶した破壊条件記憶手段と、前記実測計算比較手段が出力する装置内部の予測結果と前記破壊条件記憶手段で記憶した絶縁破壊条件とに基づいて前記消耗部品および接点部の状態判定を行なう状態判定手段とを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、経年機器の磨耗等に伴う消耗部品の形状変化や振動による位置ずれを、運用状態のままで精度良く監視することが可能となる。
一実施形態に係る電力用開閉装置の機能構成を示すブロック図。 同実施形態に係る内部状態監視処理の内容を示すフローチャート。 同実施形態に係る第1の変形例を示す部分ブロック図。
以下、図面を参照して実施形態について詳細に説明する。
(一実施形態の構成)
図1および図2により一実施形態に係る電力用開閉装置について説明する。
図1は、電力用開閉装置10およびこの電力用開閉装置10に付属する内部状態監視装置20の機能構成を示すブロック図である。
電力用開閉装置10は、主回路である可動側導体11と固定側導体12の間に組込まれ、内部の固定部53と可動部54を開閉操作することにより、主回路の制御を行なう。固定部53と可動部54を含んで電力用開閉装置10内には、絶縁媒体であるSF6(6フッ化硫黄)ガスが充填され、循環される。前記固定部53と可動部54は、ここで発生するアーク放電を消弧するべく前記SF6ガスの吹き付けを行うパッファシリンダ54dとガス流59の排気を行う絶縁ノズル54a、排気穴60、排気ガイド61から構成されている。
この固定アーク接触子53b、絶縁ノズル54a、可動アーク接触子54b、排気穴60、排気ガイド61が本実施形態での監視対象となる消耗部品であり、アーク放電からの光、熱、および熱ガスの接触により摩耗して形状が変化する。
また、電力用開閉装置10の容器内には、複数、例えば5個の圧力/温度センサ15A〜15Eを配置して、配置された位置における圧力と温度をそれぞれ検出する。
ここで、例えば電力用開閉装置10内のガス流が固定アーク接触子53bに対して絶縁ノズル54aにより図中の右から左に流れるものとした場合、ガス流の上流側の異なる位置に圧力/温度センサ15A,15Bを、固定部53と可動部54の開極時の間の直下とほぼ同位置に圧力/温度センサ15Cを、そしてガス流の下流側の異なる位置に圧力/温度センサ15D,15Eをそれぞれ配置する。
さらに主回路に流れる電流量を検出する主回路電流検出部16と、固定アーク接触子53bと可動アーク接触子54bの接点間に印加される電圧量を検出する極間電圧検出部17と設ける。
前記主回路電流検出部16で得る主回路電流値信号a、前記極間電圧検出部17で得る極間電圧値信号b、前記圧力/温度センサ15A〜15Eで得る各圧力値信号cおよび温度値信号dは、内部状態監視装置20内の測定値集約部21に随時一括して集約される。
内部状態監視装置20は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータ技術によって構成されるもので、図示しないハードディスク装置等の記憶媒体に記憶された動作プログラムや各種データ等をCPUが読出してメインメモリに展開し、展開した動作プログラムを順次CPUが実行する。この図1では、前記CPUが実行するプログラム処理上の機能回路に基づいてブロック化した構成を説明している。
内部状態監視装置20内において、測定値集約部21で集約された各種信号は、デジタルデータ化され、測定値信号gとして実測計算比較部23に送られる一方で、特に動作開始当初の初期測定値信号fは計算条件生成部22にも送られる。
計算条件生成部22にはまた、部品形状記録部24から読出された部品形状信号eが入力される。部品形状記録部24は、前述したハードディスク装置等の記憶媒体の一部に相当し、固定アーク接触子53b、絶縁ノズル54a、可動アーク接触子54b、排気穴60、排気ガイド61の形状データを格納する。この部品形状記録部24から読出された形状データからなる部品形状信号eが計算条件生成部22に入力される。
計算条件生成部22は、前記部品形状記録部24からの部品形状信号e、測定値集約部21からの初期測定値信号f、そして後述する実測計算比較部23からの修正係数信号jにより内部の計算に必要な計算領域および計算定数を設定するための計算条件信号hを生成して流体−電磁場連成計算部25へ出力する。
流体−電磁場連成計算部25は、計算条件信号hに基づいて流体−電磁場連成計算を実行し、算出した計算結果信号iを前記実測計算比較部23へ出力する。
流体−電磁場連成計算部25は、機能構成上、計算制御部25A、計算実行部25B、および計算手順記録部25Cからなる。計算制御部25Aは、前記CPUに相当する。計算実行部25Bは、前記CPUおよびメインメモリに相当する。計算手順記録部25Cは、前記ハードディスク装置等の記憶媒体に相当し、動作プログラムや各種データとして記憶する一部を構成する、流体−電磁場連成計算に用いる基礎方程式の離散化手法や並列化手法、必要な物性情報等を予め記憶している。
流体−電磁場連成計算部25全体では、物理法則に沿った流体力学に基づく計算と電磁気学に基づく計算とを相互に関連して行い、算出した計算結果信号iを実測計算比較部23へ出力する。
実測計算比較部23は、測定値集約部21からの測定値信号gと、流体−電磁場連成計算部25からの計算結果信号iに基づき、電力用開閉装置10内部の圧力の分布、および温度の分布に関する測定値と計算値を比較し、その差が予め指定された範囲以内で条件を満たすか否かを判断する。
ここで指定された範囲以内で条件を満たしていない場合に実測計算比較部23は、計算条件を変更する際の修正割合となる修正係数信号jを生成して前記計算条件生成部22へ出力する。一方、指定された範囲以内で条件を満たすものとなっている場合、実測計算比較部23は計算の結果から内部予測結果信号kを生成して状態判定部26へ出力する。
状態判定部26は、実測計算比較部23からの内部予測結果信号kと、絶縁破壊条件記録部27への照会信号m1に応答して出力される絶縁破壊条件の応答信号m2とにに基づき、固定アーク接触子53b、絶縁ノズル54a、可動アーク接触子54bが健全であるか否かの判定を行い、判定結果を出力するか、あるいは本図では図示しない外部のディスプレイ装置あるいはプリンタ装置により出力する。
(一実施形態の動作)
次に前記実施形態の動作について以下に説明する。
図2は、前記電力用開閉装置10の運転時に主として内部状態監視装置20により実行される動作の処理内容を示すフローチャートである。前述した如く同図で示すフローチャートは、内部状態監視装置20を構成するハードウェア回路としてのコンピュータにより実行されるもので、CPUがプログラムを実行することで実現される。
その運転動作の処理当初には、測定値集約部21にて初期測定値として主回路電流検出部16から主回路電流値信号aを、極間電圧検出部17から極間電圧値信号bを、電力用開閉装置10内の各圧力/温度センサ15A〜15Eからそれぞれ圧力値信号cおよび温度値信号dを集約して取得し、測定値集約部21が初期測定値信号fとして計算条件生成部22に、また測定値信号gとして実測計算比較部23にそれぞれ与える(ステップS01)。
計算条件生成部22では、部品形状記録部24から消耗部品である固定アーク接触子53bと絶縁ノズル54a、可動アーク接触子54b、排気穴60、および排気ガイド61の初期の形状モデルの部品形状信号eを用いて計算領域を生成する。このとき、初期測定値信号fに含まれる主回路電流および極間電圧から固定アーク接触子53b及び可動アーク接触子54bに生じるアークエネルギーを求め、計算変数に設定する。さらに、電力用開閉装置10内の初期の圧力および温度が圧力/温度センサ15A〜15Eの出力として得られるので、初期の値として計算領域および境界条件に設定する。第1巡目の計算では実測計算比較部23からの修正係数信号jは使用しない。本設定結果を計算条件信号hとして流体−電磁場連成計算部25へ出力する(ステップS02)。
これを受けた流体−電磁場連成計算部25では、計算手順記録部25Cに記憶される基礎方程式の離散化手法や並列化手法、必要な物性情報等の手順に従って計算制御部25Aの制御の下に計算実行部25Bが物理法則に沿った流体力学計算および電磁気学計算を実行し、計算領域の物理値、圧力、温度、計算に用いた初期条件を含む計算結果信号iを実測計算比較部23へ出力する(ステップS03)。
実測計算比較部23は、流体−電磁場連成計算部25からの流体−電磁場連成結果信号iに含まれる計算結果から得られる電力用開閉装置10内部の圧力の分布、および温度の分布と、測定値集約部21が出力した測定値信号gから得られる、実測値としての電力用開閉装置10内部の圧力の分布、および温度の分布とを比較する。
その比較に基づいて実測計算比較部23では、計算に基づく各分布と、実測に基づく各分布の差が、予め指定した範囲の差以内となる条件を満たすかどうかを判断する(ステップS04)。
この判断結果に従い、条件が成立していないと判断した場合には(ステップS05のNO)、その度合いに応じた修正係数信号jを生成して計算条件生成部22へ出力した上で(ステップS06)、再び前記ステップS02からの処理に戻る。
第2巡目以降の前記ステップS02の処理では、計算条件生成部22が実測計算比較部23から入力した修正係数信号jを用いて流体−電磁場連成計算に必要な計算領域および計算定数を設定するための計算条件信号hを繰返し生成し、流体演算処理部25へ出力する。
この場合、計算により得られた内部状態と測定により得られた内部状態による差が大きい場合には、電力用開閉装置10の固定アーク接触子53b、絶縁ノズル54a、可動アーク接触子54b、排気穴60、および排気ガイド61の形状が変化したことによる内部で発生するガス流の変化や、位置がずれたことによる影響、演算の解析誤差が合計されたものであるとみなし、計算条件生成部22では、計算条件信号hに基づいて計算条件となる形状、初期圧力、初期温度、電圧波形、電流波形を修正し、これらの制約条件の元に最も結果に適した条件を探索する問題を最適化問題として解いて、再度計算条件を生成する。
こうして前記ステップS02〜S06の処理を繰返し実行することで、修正係数信号jによるフィードバックをかけて計算に基づく圧力と温度の各分布と、実測に基づく圧力と温度の各分布との差が、予め指定した範囲の差以内で条件を満たすようになるのを待機する。
そして、計算に基づく圧力と温度の各分布と、実測に基づく圧力と温度の各分布との差が、予め指定した範囲の差以内で条件を満たす状態となると、実測計算比較部23がそれを判断し(ステップS05のYES)、内部予測結果信号kを状態判定部26へ出力する(ステップS07)。
これを受けた状態判定部26は、内部予測結果信号kから得られる、消耗部品である固定アーク接触子53bと絶縁ノズル54a及び可動アーク接触子54bの形状、位置ずれ、内部のガスの分布から、様々な場合の絶縁破壊条件が記録された絶縁破壊条件記録部27に対して参照要求信号m1を発行し、これに対して絶縁破壊条件記録部27得られる応答信号m2を得た上で判定を行い、固定アーク接触子53bと絶縁ノズル54a、可動アーク接触子54b、排気穴60、および排気ガイド61が健全か否か、位置関係は適切であるか否かを判定した上で、その判定結果を出力する(ステップS08)。
以上で一連の処理を一旦終了し、その時点で電力用開閉装置10が操作中であれば再度前記ステップS01からの処理に戻って、前述した同様の制御処理を繰返し実行する。
(一実施形態の作用効果)
以上詳述した如く本実施形態によれば、圧力/温度センサ15A〜15Eにより得た観測値を用いて、流体−電磁場連成計算から予測した内部の圧力および温度の各分布を補正することで、電力用開閉装置10内の消耗部品である固定アーク接触子53bと絶縁ノズル54a、可動アーク接触子54b、排気穴60、および排気ガイド61の磨耗量だけでなく、磨耗に伴う形状変化や振動による位置ずれの検出が可能となる。
特に前記実施形態では、電力用開閉装置10に複数組の圧力/温度センサを分散して配置するものとしたので、固定アーク接触子53bと絶縁ノズル54a、および可動アーク接触子54bの現在の形状および互いの位置関係をより正確に把握することが可能となる。
この場合、圧力/温度センサ15A〜15Eを複数設けるものとした場合に、特に電力用開閉装置10内の絶縁ガス流の流れに応じ、固定アーク接触子53bと絶縁ノズル54a、可動アーク接触子54b、排気穴60、および排気ガイド61を中心としてその上流側および下流側にも圧力/温度センサを分散して配置することで、随時各時点で測定される測定結果と計算結果と照合して固定アーク接触子53bと絶縁ノズル54a、可動アーク接触子54b、排気穴60、および排気ガイド61の現在の形状および互いの位置関係をさらにより正確且つ詳細に把握することが可能となる。
(電力用開閉装置を実現するに際しての一実施形態の注釈)
上記内部状態監視装置20は、持ち運び可能なノートブック型のパーソナルコンピュータ(PC)を含む装置で実現することも考えられる。また、各部位をインターネット回旋もしくは専用線などを介して遠隔地に設置した信号処理回路もしくは信号処理装置で実現することも考えられる。
計算の負荷が高い流体−電磁場連成計算部25については、内部状態監視装置20全体の動作制御を司るCPUとは独立した異なるプロセッサ、例えばグラフィックス用のGPU(Graphics Processing Unit)を用いて実行させることも可能となる。
前記したように、内部状態監視装置20内全体の動作制御を司るCPUに対し、計算実行部25Bをグラフィックス用のプロセッサであるGPU等で構成するものとして、メインのプロセッサであるCPUとは処理を別系統化することにより、CPUの処理負担を軽減できると共に、一般的にCPUに対して低消費電力であるGPU等のプロセッサを用いて内部状態監視装置20全体の電力消費も低減できる。
もしくは、内部状態監視装置20を電力用開閉装置10に対して遠隔地に設置したPCクラスタやクラウド型のコンピュータシステムを用いて演算を実行することも考えられる。これにより、電力用開閉装置10が設置された場所で内部状態監視装置20への電源供給が困難な環境でも運転制御を実現できるという効果を奏する。また、内部状態監視装置20が実行すべき計算資源を前記したように内部状態監視装置20外に設けることにより、内部状態監視装置20をコンパクト化して可搬性に優れた構成とすることが可能となる。
さらに、監視対象としてアーク放電56に最も近い固定アーク接触子53b、絶縁ノズル54a、可動アーク接触子54b、排気穴60、および排気ガイド61を監視対象とする実施形態について説明したが、これに限ることなく、前記固定通電部53aのように電力用開閉装置10内部でガス流59の流路上に存在する他の部材を対象とする実施形態も考えられる。
(圧力/温度センサを複数組配置することに対しての一実施形態の注釈)
また前記一実施形態では、電力用開閉装置10内に計5組の圧力/温度センサ15A〜15Eを配置するものとして説明したが、圧力/温度センサの数を限定するものではなく、最小では1組の圧力/温度センサを配置するものや、1組の圧力/温度センサに加えて単体の圧力センサまたは単体の温度センサを組み合わせるような構成とすることも考えられる。
いずれにしても、構成を簡易化することで制御や計算式がより単純化され、計算を実行するプロセッサの負担を軽減できるようになるが、その反面、検出精度が低下する。一方で、より多くの組の圧力/温度センサを用いた検出を行なうことで、プロセッサの負担は大きくなる反面、検出精度をより高めて正確な監視を実現できる。
そのため、これら圧力/温度センサの構成数は電力用開閉装置10の規模や要求される検出精度等の応じ、前記トレードオフに基づいて適宜設定すればよい。
(一実施形態の第1の変形例)
図3は、一実施形態の第1の変形例を示すブロック図である。前記図1に示した圧力/温度センサ15A〜15Eと異なる構成を持つ流体−電磁場連成計算部25−1のみを記載し、それ以外の記載については図示および説明を省略する。
この変形例で流体−電磁場連成計算部25−1は、機能構成上、計算制御部25A、計算実行部25B、計算手順記録部25C、および初期値記憶部25Dからなる。計算制御部25A、計算実行部25B、および計算手順記録部25Cに関しては図1に示した流体演算処理部25と同様であるため、同一符号を用いてその説明は省略する。
初期値記憶部25Dは、内部状態監視装置20の電源遮断時にも記憶内容を保持可能な不揮発性の記憶部であり、前回の流体計算、および電磁気学計算で算出した結果をその時点での入力条件と関連付けて格納しておく。
計算制御部25Aは、運転開始当初に、初期値記憶部25Dに記憶される内容から、入力条件と近いものを選択して読出し、第1回目の計算結果として利用することで、動作当初の計算実行部25Bでの演算処理を大幅に簡略化できる。
加えて、運転当初には部品形状記録部24から読出す、工場出荷時の部品形状のデータではなく、前回の開閉動作に伴う演算の終了時に算出した、より現状の固定アーク接触子53bと絶縁ノズル54a、可動アーク接触子54b、排気穴60、大和排気ガイド61の形状を反映した演算結果を用いることになるため、前記図2のステップS02〜S06で示した処理ループの実行回数を短縮して、状態判定の応答性を高めることができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…電力用開閉装置、11…可動側導体、12…固定側導体、15A〜15E…圧力/温度センサ、16…主回路電流検出部、17…極間電圧検出部、20…内部状態監視装置、21…測定値集約部、22…計算条件生成部、23…実測計算比較部、24…部品形状記録部、25,25−1…流体−電磁場連成計算部、25A…計算制御部、25B…計算実行部、25C…計算手順記録部、25D…初期値記憶部、26…状態判定部、27…絶縁破壊条件記録部、51a…絶縁ガス、53…固定部、53a…固定通電部、53b…固定アーク接触子、54…可動部、54a…絶縁ノズル、54b…可動アーク接触子、54c…通電接触子、54d…パッファシリンダ、55…ピストン、56…アーク放電、57…支持絶縁物、58…操作機構、59…ガス流、60…排気穴、61…排気ガイド、a…主回路電流値信号、b…極間電圧値信号、c…圧力値信号、d…温度値信号、e…部品形状信号、f…初期測定値信号、g…測定値信号、h…計算条件信号、i…計算結果信号、j…修正係数信号、k…内部予測結果信号、m1…(絶縁破壊条件記録)参照要求信号、m2…(絶縁破壊条件記録)応答信号。

Claims (5)

  1. 主回路を装置内部の消耗部品と近接配置された接点部の開閉操作により断続する電力用開閉装置において、
    前記装置の操作時に主回路の通電電流を検出する電流検出手段と、
    前記装置に入力される電力の極間電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記装置内部の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記装置内部の温度を検出する温度検出手段と、
    前記電流検出手段、前記電圧検出手段、前記圧力検出手段、および前記温度検出手段の各検出出力を集約する測定値集約手段と、
    前記消耗部品の運用開始時の形状を記録した部品形状記録手段と、
    前記測定値集約手段で集約した各検出出力、前記部品形状情報記録手段が記録した部品形状、および後記差分修正係数により流体−電磁場連成計算の計算条件を生成する計算条件生成手段と、
    前記計算条件生成手段で得た計算条件に基づいて流体演算及び電磁場計算を相互に関連付けて実行する流体−電磁場連成演算手段と、
    前記流体−電磁場連成演算手段で得た演算結果と前記測定値集約手段で集約した各検出出力とを比較し、その比較結果に応じて装置内部の予測結果、および差分修正係数の少なくとも一方を出力する実測計算比較手段と、
    絶縁破壊条件を記憶した破壊条件記憶手段と、
    前記実測計算比較手段が出力する装置内部の予測結果と前記破壊条件記憶手段で記憶した絶縁破壊条件とに基づいて前記消耗部品および接点部の状態判定を行なう状態判定手段と
    を備えたことを特徴とする電力用開閉装置。
  2. 前記圧力検出手段、および前記温度検出手段を前記装置内部に複数組配置することを特徴とする請求項1記載の電力用開閉装置。
  3. 前記状態判定手段による開閉操作後の状態判定結果を次回起動時の初期値として記憶する初期値記憶手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1記載の電力用開閉装置。
  4. 主回路を装置内部の消耗部品と近接配置された接点部の開閉操作により断続する電力用開閉装置が内蔵したコンピュータが実行可能なプログラムであって、
    前記コンピュータに、
    前記装置の操作時に主回路の通電電流を検出する電流検出処理と、
    前記装置に入力される電力の極間電圧を検出する電圧検出処理と、
    前記装置内部の圧力を検出する圧力検出処理と、
    前記装置内部の温度を検出する温度検出処理と、
    前記電流検出処理、前記電圧検出処理、前記圧力検出処理、および前記温度検出処理の各検出出力を集約する測定値集約処理と、
    前記消耗部品の運用開始時の形状を記録させる部品形状記録処理と、
    前記測定値集約処理で集約した各検出出力、前記部品形状情報記録処理で記録した部品形状、および後記差分修正係数により流体−電磁場連成計算の計算条件を生成する計算条件生成処理と、
    前記計算条件生成処理で得た計算条件に基づいて流体演算及び電磁場計算を相互に関連付けて実行する流体−電磁場連成演算処理と、
    前記流体−電磁場連成演算処理で得た演算結果と前記測定値集約処理で集約した各検出出力とを比較し、その比較結果に応じて装置内部の予測結果、および差分修正係数の少なくとも一方を出力する実測計算比較処理と、
    絶縁破壊条件を記憶させる破壊条件記憶処理と、
    前記実測計算比較処理が出力する装置内部の予測結果と前記破壊条件記憶処理で記憶した絶縁破壊条件とに基づいて前記消耗部品および接点部の状態判定を行なう状態判定処理と
    を実行させることを特徴とするプログラム。
  5. 主回路を装置内部の消耗部品と近接配置された接点部の開閉操作により断続する電力用開閉装置の監視方法において、
    前記装置の操作時に主回路の通電電流を検出する電流検出工程と、
    前記装置に入力される電力の極間電圧を検出する電圧検出工程と、
    前記装置内部の圧力を検出する圧力検出工程と、
    前記装置内部の温度を検出する温度検出工程と、
    前記電流検出工程、前記電圧検出工程、前記圧力検出工程、および前記温度検出工程の各検出出力を集約する測定値集約工程と、
    前記消耗部品の運用開始時の形状を記録させる部品形状記録工程と、
    前記測定値集約工程で集約した各検出出力、前記部品形状情報記録工程で記録した部品形状、および後記差分修正係数により流体−電磁場連成計算の計算条件を生成する計算条件生成工程と、
    前記計算条件生成工程で得た計算条件に基づいて流体演算及び電磁場計算を相互に関連付けて実行する流体−電磁場連成演算工程と、
    前記流体−電磁場連成演算工程で得た演算結果と前記測定値集約工程で集約した各検出出力とを比較し、その比較結果に応じて装置内部の予測結果、および差分修正係数の少なくとも一方を出力する実測計算比較工程と、
    絶縁破壊条件を記憶させる破壊条件記憶工程と、
    前記実測計算比較工程が出力する装置内部の予測結果と前記破壊条件記憶工程で記憶した絶縁破壊条件とに基づいて前記消耗部品および接点部の状態判定を行なう状態判定工程と
    を有したことを特徴とする電力用開閉装置の監視方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN115033304A (zh) * 2022-06-27 2022-09-09 维沃移动通信有限公司 应用程序控制方法、装置及电子设备

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