JP2015077540A - 最終処分場の底版構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】最終処分場の内部からの保有水の漏水及び内部への地下水の浸入を確実に防止することができる最終処分場の底版構造を提供する。
【解決手段】最終処分場の底部を閉蓋する底版構造体20は、地盤GR側から順に、地盤GR上に設けた第1の砕石層21と、第1の防水ユニット22と、第2の砕石層23と、第2の防水ユニット24と、保護砂層25とで構成する。第1の防水ユニット22及び第2の防水ユニット24は、遮水シート22bと保護マット22aとを積層して形成する。第1の砕石層21に、地下水を集水して排出する有孔の排水用集水管26を設ける。第2の砕石層23に、最終処分場の内部の水を集水する有孔の検査用集水管27を設ける。
【選択図】図2

Description

本発明は、無機廃棄物を含む盛土材を圧密成形体として埋め立てる最終処分場の底版構造に関する。
従来、この種の最終処分場の底版構造としては、本願出願人により出願された下記特許文献1に記載のものがある。その最終処分場の底版構造は、最終処分場の底部を遮水シートで覆い、その上下に排水管を設けた構造となっている。
それらの排水管のうち、遮水シートの上側の排水管は、オープン型(屋根のない)最終処分場において、場内に降った雨水を集水するためのものであり、遮水シートの下側の排水管は、最終処分場の内部から雨水を含む保有水が漏水していないことを検証するためのものである。
特許第4317260号公報
ここで、本願出願人は、さらなる鋭意の試験研究により、最終処分場、特に地下水が多い地域に建設される最終処分場において、最終処分場の内部からの保有水の漏水及び内部への地下水の浸入を防止して、より高いレベルでの安全性能を実現することを検討した。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、最終処分場の内部からの保有水の漏水及び内部への地下水の浸入を確実に防止することができる最終処分場の底版構造を提供することを目的とする。
上記課題を達成するために、本発明の最終処分場の底版構造は、無機廃棄物を含む盛土材を圧密成形体として埋め立てる最終処分場の底版構造であって、最終処分場の外周に立設された垂直壁と、垂直壁に囲まれた最終処分場の底部を閉蓋する底版構造体とを備え、底版構造体は、地盤側から順に、地盤上に設けた第1の砕石層と、第1の防水ユニットと、第2の砕石層と、第2の防水ユニットと、保護砂層とで構成され、第1の防水ユニット及び第2の防水ユニットは、遮水シートとその遮水シートの表面を覆って保護する保護マットとを積層して形成され、第1の砕石層に、地下水を集水して排出する有孔の排水用集水管が設けられ、第2の砕石層に、最終処分場の内部の水を集水する有孔の検査用集水管が設けられたことを特徴とする。
このように、本発明の最終処分場の底版構造では、防水ユニットは遮水シートとその遮水シートを保護する保護マットとで形成されており、砕石層や保護砂層で防水ユニットに加わる荷重を分散、低減しているので、遮水シートが破損することがない。そのため、防水ユニットによって、確実に最終処分場の内部からの保有水の漏水が防止される。
また、第1の防水ユニットの上側に、検査用集水管を備えている。そのため、この検査用集水管を監視することにより、最終処分場の内部からの保有水の漏水の有無を確実に判定することができる。
さらに、第1の防水ユニットの下側に、地下水を排出するための排水用集水管を備えている。そのため、この排水用集水管から地下水を排出することにより、底版構造の下側から最終処分場の内部への地下水の浸入を防止することができる。
したがって、本発明の最終処分場の底版構造によれば、地下水が多い地域に建設される最終処分場においても、内部からの保有水の漏水及び内部への地下水の浸入を確実に防止することができる。
また、本発明の最終処分場の底版構造においては、第1の砕石層は、地盤側に突出する凸部を有し、排水用集水管は、凸部に設けられていることが好ましい。
このように、第1の砕石層が地盤側に突出する凸部を有する、すなわち、地盤上に凹部を形成すれば、地盤側から湧き上った地下水は、地盤上にある第1の砕石層の内部を通って、その凹部に集中し、その凹部に配置された排水用集水管から排出されることになる。その結果、さらに容易に地下水が排出されることになるので、最終処分場の内部への地下水の浸入を、さらに確実に防止することができる。
また、本発明の最終処分場の底版構造においては、第2の砕石層は、複数の層とその複数の層の間に配置された第3の防水ユニットで形成され、第3の防水ユニットは、遮水シートとその遮水シートの表面を覆って保護する保護マットとを積層して形成されていることが好ましい。
このように、第2の砕石層を複数の層で形成し、その複数の層の間に第3の防水ユニットを配置するようにすれば、仮に第1の防水ユニットや第2の防水ユニットが破損した場合であっても、第3の防水ユニットにより、最終処分場の内部からの保有水の漏水及び内部への地下水の浸入を防止することができる。
また、本発明の最終処分場の底版構造においては、垂直壁は、その垂直壁の内側面を被覆する第4の防水ユニット及びその第4の防水ユニットの表面を被覆するウレタン層を有し、第4の防水ユニットは、遮水シートとその遮水シートの表面を覆って保護する保護マットとを積層して形成され、ウレタン層は、第4の防水ユニットの表面を被覆するウレタンとウレタンの表面に吹付けられた不燃性の吹付体とで形成され、第1の防水ユニット及び第2の防水ユニットは、第4の防水ユニットに接続されていることが好ましい。
ウレタン層を第4の防水ユニットの表面に被覆すれば、ウレタン層がバッファーとなるので、第4の防水ユニットの損傷を防ぐことができる。また、第4の防水ユニットの表面側が硬化した状態になるので、第4の防水ユニットを構成する保護マットや遮水シートが損傷を受けた場合には、その損傷部位が部分的に裂けることになる。そのため、損傷部位を視覚的に特定することができ、迅速な補修処置等も可能になる。
さらに、このように、垂直壁の内側面を覆う第4の防水ユニットに、最終処分場の内部と外部とを区切る第1の防水ユニット及び第2の砕石層を覆う第2の防水ユニットを接続すれば、水の浸入や漏水をさらに確実に防止することができる。
その結果、最終処分場の内部からの保有水の漏水及び内部への地下水の浸入を、さらに確実に防止することができる。
また、本発明の最終処分場の底版構造においては、垂直壁支持体上に配置された基礎擁壁と、基礎擁壁の上端部で支持され、最終処分場の上方全体を覆う屋根部とを備えていることが好ましい。
このように、最終処分場を屋根部を有するクローズ型最終処分場にすれば、最終処分場の直上からの雨水の浸入がなくなるので、最終処分場の内部からの保有水の漏水を、さらに確実に防止することができる。
最終処分場の構成を示す断面図。 図1の最終処分場における底版構造体、垂直壁及び垂直壁支持体の構成を示す断面図。 図1の最終処分場における排出用集水管の配置を示す模式図。 図1の最終処分場における検査用集水管の配置を示す模式図。 図1の最終処分場における周辺部防水構造体、垂直壁及び垂直壁支持体の構成を示す断面図。
以下、図1〜図5を参照して、本発明の最終処分場の底版構造を備えた最終処分場の実施形態を説明する。
本実施形態の最終処分場は、図1に示すように、地上面GLに対し掘り下げて、地盤GR上に、無機廃棄物を含む盛土材を圧密成形体として埋め立てるための埋立空間を形成している。
その最終処分場は、その外周に立設された垂直壁10と、垂直壁10に囲まれた最終処分場の底部を閉蓋する底版構造体20と、垂直壁10を支持する垂直壁支持体30と、最終処分場の建屋の周辺部に設けられた周辺部防水構造体40と、埋立空間の上方全体を覆う屋根部50と、最終処分場の外部から内部への進入路60とを備える。
まず、最終処分場の外周に立設された垂直壁10について説明する。垂直壁10は、地盤GRに多数立設された鋼材(例えば、H鋼)と、それらの鋼材の間を埋めるコンクリートとで構成された鉄筋コンクリート製の構造物である。なお、垂直壁10は、このような鉄筋コンクリート製の構造物の他、ワイヤーを格子状にしたもの等で構成された構造物を用いてもよい。
また、垂直壁10は、図2に示すように、その内側面を被覆する垂直壁防水ユニット11(第4の防水ユニット)と、その垂直壁防水ユニット11の表面を被覆するウレタン層12とを有している。
垂直壁防水ユニット11は、保護マット11a及びその保護マット11aにより保護された遮水シート11bを2セット積層して形成されている。
ウレタン層12は、垂直壁防水ユニット11の表面に吹き付けられたウレタン12a、及び、そのウレタン12aの表面に吹き付けられた不燃性の吹付材12bで形成されている。
このように、ウレタン層12が垂直壁防水ユニット11の表面を被覆しているので、ウレタン層12がバッファーとなり、垂直壁防水ユニット11の損傷を防ぐことができる。また、垂直壁防水ユニット11の表面側が硬化した状態になり、垂直壁防水ユニット11を形成する保護マット11aや遮水シート11bが損傷を受けた場合には、その損傷部位が部分的に裂けることになる。そのため、損傷部位を視覚的に特定することができ、迅速な補修処置等が可能になっている。
次に、最終処分場の底部を閉蓋する底版構造体20について説明する。底版構造体20は、図2に示すように、地盤GR側から順に、地盤GR上に設けた第1の砕石層21と、第1の防水ユニット22と、第2の砕石層23と、第2の防水ユニット24と、保護砂層25とで構成されている。
また、第1の砕石層21には、地下水を集水して排出する有孔の排水用集水管26が配設されている。第2の砕石層23には、最終処分場の内部の水を集水する有孔の検査用集水管27が配設されている。
第1の砕石層21は、地盤GR上に敷設された砕石で形成されている。また、第1の砕石層21は、排水用集水管26が配設される位置に、地盤GR側に突出する凸部21aを有している。すなわち、地盤GRは、排水用集水管26が配設される位置に、凹部が形成されている。
第1の防水ユニット22は、2枚の保護マット22aとそれらの保護マット22aに挟まれるように配置することで保護された遮水シート22bとで形成されている。また、第1の防水ユニット22の端部は、垂直壁10の内側面を被覆する垂直壁防水ユニット11の下方の端部と溶着等の処理によって接続され、接続部28aを形成している。
第2の砕石層23は、地盤GR側から順に、第1層23aと区画用防水ユニット23b(第3の防水ユニット)と第2層23cとを積層して形成されている。第1層23aと第2層23cは、砕石を敷設して形成されている。区画用防水ユニット23bは、第1の防水ユニット22と同様に、遮水シートとそれを保護する保護マットとで形成されている。また、区画用防水ユニット23bの端部は、垂直壁防水ユニット11に溶着等の処理によって接続され、接続部28bが形成されている。
第2の防水ユニット24は、第1の防水ユニット22と同様に、遮水シートとそれを保護する保護マットとで形成されている。また、第2の防水ユニット24の端部は、垂直壁防水ユニット11に溶着等の処理によって接続され、接続部28cを形成している。
保護砂層25は、第2の防水ユニット24の上、すなわち、最終処分場の底部全体に敷設された保護砂で形成されている。
排水用集水管26は、図3に示すように、最終処分場が建設される地盤GR上、すなわち、第1の砕石層21の中で、網目状に配置されている。地盤GRから湧き上る地下水は、この排水用集水管26を介して、外周位置に設けられた排水桝26aから最終処分場の外部へと排出される。
検査用集水管27は、図4に示すように、第1の防水ユニット22上、すなわち、第2の砕石層23の最下層の第1層23aの中で、網目状に配置されている。この検査用集水管27の外周位置に設けられた検水パイプ27aを監視することにより、最終処分場の内部からの保有水の漏水の有無を確実に判定することができる。
このように、底版構造体20では、防水ユニット22,23b,24が、いずれも砕石層21,23a,23cや保護砂層25によって保護されている。
そのため、砕石層21,23a,23cや保護砂層25によって、防水ユニット22,23b,24に加わる荷重が分散、低減されるので、通常の場合には、いずれの防水ユニット22,23b,24にも破損が生じることがない。
仮に、最終処分場が建設された地盤の一部に沈下が生じるなどの特別な状況が生じ、いずれかの防水ユニット22,23b,24に破損が生じてしまったような場合であっても、他の防水ユニット22,23b,24によって、最終処分場の内部からの保有水の漏水や内部への地下水の浸入は確実に防止される。
また、底版構造体20では、第1の防水ユニット22の地盤GR側に、第1の砕石層21が配置されており、その第1の砕石層21の凸部21a、すなわち、地盤GRの凹部には、排水用集水管26が配置されている。
そのため、地盤GR側から湧き上った地下水は、第1の防水ユニット22によって遮断され、地盤GR上にある第1の砕石層の内部を通って、凸部21aが形成された地盤GR上の凹部に集中し、その凹部に配置された排水用集水管26から排出されることになる。
また、底版構造体20では、底版構造体20を構成する防水ユニット22,23b,24は、垂直壁防水ユニット11に溶着等の処理によって接続されている。
そのため、底版構造体20を構成する防水ユニット22,23b,24と垂直壁防水ユニット11との間からの水の浸入や漏水は、確実に防止される。
したがって、本実施形態の最終処分場では、このような底版構造体20を備えた底版構造が形成されていることによって、地下水が多い地域に建設される最終処分場においても、内部からの保有水の漏水及び内部への地下水の浸入を確実に防止することができるようになっている。
次に、垂直壁10を支持する垂直壁支持体30について説明する。垂直壁支持体30は、図1に示すように、垂直壁10の外側に、垂直壁10を支持するように最終処分場の全周に亘って不透水性の改良土を配置して構成されている。
また、垂直壁支持体30は、その外周が地上面に向かって拡大するように形成されている。具体的には、図2に示すように、垂直壁支持体30は、外周面がテーパー面31と水平面32とで階段状に拡大している。
次に、最終処分場の建屋の周辺部に設けられた周辺部防水構造体40について説明する。周辺部防水構造体40は、図5に示すように、垂直壁支持体30上に配置された基礎擁壁41と、基礎擁壁41よりも外周側に設けられた排水溝42と、基礎擁壁41の側面から排水溝42までの領域、及び、排水溝42の外周面を覆うように配置された周辺部防水ユニット43と、基礎擁壁41から排水溝42までの領域の周辺部防水ユニット43上に配置された周辺部砕石層44とを備えている。
また、基礎擁壁41から排水溝42までの領域は、基礎擁壁41から排水溝に向かって傾斜している。一方、排水溝42よりも外周側には、ツツジ等が植栽された土壌70が設けられている。
基礎擁壁41は、逆T字型の部材であり、中央部の上方に延びる部分の外周側の側面には、溝部41aが形成されている。また、外周面の溝部41aよりも上方の領域には、撥水剤を塗布することによって、撥水加工が施されている。
排水溝42は、U字型の側溝421と、側溝421の下に配置された受台422と、受台422の下に配置された基礎砕石層423とで構成されている。
側溝421は、側部に多孔質のコンクリートにより形成され、水を通す浸透部421aを有している。
周辺部防水ユニット43は、基礎擁壁41の外周側の側壁と溝部41aの内周面の一部を覆う第1ユニット431と、基礎擁壁41から排水溝42までの領域を覆う第2ユニット432と、第1ユニット431を固定するためのフラットバー433と、第1ユニット431及びフラットバー433を覆うウレタン層434とで形成されている。
第1ユニット431は、保護マット431a及び遮水シート431bを2セット積層して形成されている。
第2ユニット432は、2枚の保護マット432aとそれらの保護マット432aに挟まれるように配置することで保護された遮水シート432bとで形成されている。また、第2ユニット432の端部は、第1ユニット431の端部と接続されている。
フラットバー433は、基礎擁壁41の溝部41a内部に配置されており、第1ユニット431の端部を固定するとともに保護するように配置されている。
ウレタン層434は、基礎擁壁41の溝部41aを埋めるようにして、第1ユニット431及びフラットバー433の表面に吹き付けられたれたウレタン434a、及び、そのウレタン434aの表面に吹き付けられた不燃性の吹付材434bで形成されている。
周辺部砕石層44は、砕石を敷設して形成されている。周辺部砕石層44の基礎擁壁41側の端部は、上面が基礎擁壁41の溝部41aの形成位置よりも上に位置し、下面が溝部41aの形成位置よりも下に位置している。すなわち、周辺部砕石層44は、上面が基礎擁壁41の溝部41aを埋設する厚さを有している。一方、周辺部砕石層44の排水溝42側の端部は、上面が排水溝42の側溝421の上側面とほぼ同じ高さに位置し、下面が側溝421の浸透部421aの形成位置の上端部よりも下に位置している。
このように、周辺部防水構造体40では、基礎擁壁41の外周側の側壁と溝部41aの内周面の一部、基礎擁壁41から排水溝42までの領域、及び、排水溝42の外周面を、周辺部防水ユニット43で覆う構成となっている。また、基礎擁壁41から排水溝42までの領域が、基礎擁壁41から排水溝42に向かって傾斜している。さらに、排水溝42の側溝421の浸透部421aは、水を通す多孔質のコンクリートで形成されており、その浸透部421aの上端部は、周辺部砕石層44の下面よりも上に位置している。
そのため、最終処分場の周辺部に降った雨水等は、周辺部防水ユニット43で遮断され、周辺部砕石層44の中を通り、浸透部421aから排水溝42の内部に集水され、その後、最終処分場の外部に排出される。その結果、最終処分場の周辺部に降った雨水等は、垂直壁支持体30にすら到達せず、最終処分場の側方から内部へ浸入することもない。
なお、排水溝42よりも外周側の領域に降った雨水等のうち、最終処分場側に流れた雨水等は、ツツジ等が植栽されている土壌70の表面を流れ、最終処分場の周辺部に降った雨水等と同様に、排水溝42を介して、最終処分場の外部に排出される。
また、周辺部防水構造体40では、周辺部防水ユニット43は、遮水シート431b,432bとその遮水シート431b,432bを保護する保護マット431a,432aとで形成されており、その上に周辺部砕石層44が配置されている。
そのため、周辺部砕石層44によって、周辺部防水ユニット43に加わる荷重が分散、低減されるので、周辺部防水ユニット43に破損が生じることがない。
また、周辺部防水構造体40では、周辺部防水ユニット43の基礎擁壁41側の端部、すなわち、第1ユニット431の第2ユニット432側との接続部とは反対側の端部は、基礎擁壁41の側面の溝部41aの内部において、フラットバー433によって固定され、ウレタン層434によって被覆されている。さらに、その溝部41aが形成された領域は、周辺部砕石層44によって、埋まった状態になっている。
そのため、周辺部防水ユニット43の端部が基礎擁壁41から剥がれることがないので、基礎擁壁41と周辺部防水ユニット43との接合部から最終処分場の内部へ雨水等が浸入することがない。
また、周辺部防水構造体40では、周辺部防水構造体40は、基礎擁壁41の外周面の溝部41aよりも上方の領域には、撥水剤を塗布することにより、撥水加工が施されている。
そのため、基礎擁壁41の外周面は、その撥水加工と周辺部防水ユニット43とによって、全ての領域に防水処理が施されることになるので、基礎擁壁41の側方から、最終処分場の内部へ雨水等が浸入することがない。
したがって、本実施形態の最終処分場では、このような周辺部防水構造体40を備えた周辺部防水構造が形成されていることによって、側方から内部への雨水の浸入を確実に防止することができるようになっている。
次に、埋立空間の上方全体を覆う屋根部50について説明する。屋根部50は、図1に示すように、周辺部防水構造体40の基礎擁壁41の上端面に立設された複数の支持柱51と、支持柱51で支持され最終処分場の直上全体を覆う屋根52とを備えている。
このように、屋根部50を備えたクローズ型の最終処分場とすることで、最終処分場の直上からの雨水の浸入がなくなるので、最終処分場の内部からの保有水の漏水が、さらに確実に防止される。なお、この屋根部50は、必ずしも設ける必要はなく、屋根部50を設けないオープン型の最終処分場としてもよい。
次に、最終処分場の外部から内部への進入路60について説明する。進入路60は、図1に示すように、最終処分場の外部から埋立処分を行う廃棄物をトレーラやダンプトラック等で場内に搬入するための進入路であって、所定の傾斜角(例えば10%)で垂直壁10に沿って設けられている(場外の搬入路については図示省略する)。
以上、図示の実施形態について説明したが、本発明はこのような形態に限られるものではない。
例えば、上記実施形態においては、垂直壁防水ユニット11や周辺部防水ユニット43の第1ユニット431は、保護マット11a,431a及び遮水シート11b,431bを2セット積層して形成されている。しかし、それらの防水ユニットは、保護マット及び遮水シートを、1セットだけで形成してもよいし、3セット以上積層して形成してもよい。
また、上記実施形態においては、第2の砕石層23は、地盤GR側から順に、第1層23aと区画用防水ユニット23bと第2層23cとを積層して形成されている。しかし、第2の砕石層は、1つの層で形成してもよいし、3つ以上の層とそれらの間に配置された防水ユニットとで形成してもよい。
また、上記実施形態においては、第1の防水ユニット22や第2の防水ユニット24、周辺部防水ユニット43の第2ユニット432は、2枚の保護マット22a,432aとそれらの保護マット22a,432aに挟まれるように配置することで保護された遮水シート22b,432bとで形成されている。しかし、それらの防水ユニットは、遮水シートを保護マットで挟み込む形状となっていれば、遮水シートや保護マットをさらに多数積層して形成してもよい。
また、上記実施形態においては、周辺部防水構造体40の排水溝42のU字型の側溝421の浸透部421aは、多孔質のコンクリートによって形成されている。しかし、浸透部は、側溝の側方から雨水が浸透する構成であればよい。例えば、側壁部を通常のコンクリートで形成し、等間隔で水抜き孔を設けてもよい。
10…垂直壁、11…垂直壁防水ユニット(第4の防水ユニット)、11a…保護マット、11b…遮水シート、12…ウレタン層、12a…ウレタン、12b…吹付材、20…底版構造体、21…第1の砕石層、21a…凸部、22…第1の防水ユニット、22a…保護マット、22b…遮水シート、23…第2の砕石層、23a…第1層、23b…区画用防水ユニット(第3の防水ユニット)、23c…第2層、24…第2の防水ユニット、25…保護砂層、26…排水用集水管、26a…集水桝、27…検査用集水管、27a…検水パイプ、28a,28b,28c…接続部、30…垂直壁支持体、31…テーパー面、32…水平面、40…周辺部防水構造体、41…基礎擁壁、41a…溝部、42…排水溝、421…側溝、421a…浸透部、422…受台、423…基礎砕石層、43…周辺部防水ユニット、431…第1ユニット、
431a…保護マット、431b…遮水シート、432…第2ユニット、432a…保護マット、432b…遮水シート、433…フラットバー、434…ウレタン層、434a…ウレタン、434b…吹付材、44…周辺部砕石層、50…屋根部、51…支持柱、52…屋根、60…進入路、70…土壌、GL…地上面、GR…地盤。
上記課題を達成するために、本発明の最終処分場の底版構造は、地上面に対し掘り下げて形成された埋立空間に、無機廃棄物を含む盛土材を圧密成形体として埋め立てる最終処分場の底版構造であって、最終処分場の外周に立設された垂直壁と、垂直壁に囲まれた最終処分場の底部を閉蓋する底版構造体とを備え、垂直壁は、下端部を地盤に埋設することによって立設され、内側面を被覆する垂直壁防水ユニットを有し、底版構造体は、地盤側から順に、地盤上に設けた第1の砕石層と、第1の防水ユニットと、第2の砕石層と、第2の防水ユニットと、保護砂層とで構成され、第1の防水ユニット第2の防水ユニット及び垂直壁防水ユニットは、遮水シートとその遮水シートの表面を覆って保護する保護マットとを積層して形成され、第1の砕石層に、地下水を集水して排出する有孔の排水用集水管が設けられ、第2の砕石層に、最終処分場の内部の水を集水する有孔の検査用集水管が設けられ、第1の防水ユニットと垂直壁防水ユニットとは、第1の砕石層と第2の砕石層との間で接続され、第2の防水ユニットと垂直壁防水ユニットとは、第2の砕石層と保護砂層との間で接続されていることを特徴とする。
このように、本発明の最終処分場の底版構造では、防水ユニットは遮水シートとその遮水シートを保護する保護マットとで形成されており、砕石層や保護砂層で防水ユニットに加わる荷重を分散、低減しているので、遮水シートが破損することがない。また、第1の防水ユニットと垂直壁防水ユニットとは、第1の砕石層と第2の砕石層との間で接続され、第2の防水ユニットと垂直壁防水ユニットとは、第2の砕石層と保護砂層との間で接続されている。そのため、防水ユニットによって、確実に最終処分場の内部からの保有水の漏水や内部への地下水の浸入が防止される。
また、本発明の最終処分場の底版構造においては、垂直壁は、垂直壁防水ユニットの表面を被覆するウレタン層を有し、ウレタン層は、垂直壁防水ユニットの表面を被覆するウレタンとウレタンの表面に吹付けられた不燃性の吹付体とで形成されていることが好ましい。
ウレタン層を垂直壁防水ユニットの表面に被覆すれば、ウレタン層がバッファーとなるので、垂直壁防水ユニットの損傷を防ぐことができる。また、垂直壁防水ユニットの表面側が硬化した状態になるので、垂直壁防水ユニットを構成する保護マットや遮水シートが損傷を受けた場合には、その損傷部位が部分的に裂けることになる。そのため、損傷部位を視覚的に特定することができ、迅速な補修処置等も可能になる。
また、本発明の最終処分場の底版構造においては、垂直壁の外側に、その垂直壁を支持するように構成された垂直壁支持体と、垂直壁支持体上に配置された基礎擁壁と、基礎擁壁の上端部で支持され、最終処分場の上方全体を覆う屋根部とを備えていることが好ましい。
また、垂直壁10は、図2に示すように、その内側面を被覆する垂直壁防水ユニット11と、その垂直壁防水ユニット11の表面を被覆するウレタン層12とを有している。
周辺部防水ユニット43は、基礎擁壁41の外周側の側面の溝部41aの内周面の一部を覆う第1ユニット431と、基礎擁壁41から排水溝42までの領域を覆う第2ユニット432と、第1ユニット431を固定するためのフラットバー433と、第1ユニット431及びフラットバー433を覆うウレタン層434とで形成されている。
このように、周辺部防水構造体40では、基礎擁壁41の外周側の側面の溝部41aの内周面の一部、基礎擁壁41から排水溝42までの領域、及び、排水溝42の外周面を、周辺部防水ユニット43で覆う構成となっている。また、基礎擁壁41から排水溝42までの領域が、基礎擁壁41から排水溝42に向かって傾斜している。さらに、排水溝42の側溝421の浸透部421aは、水を通す多孔質のコンクリートで形成されており、その浸透部421aの上端部は、周辺部砕石層44の下面よりも上に位置している。
10…垂直壁、11…垂直壁防水ユニット、11a…保護マット、11b…遮水シート、12…ウレタン層、12a…ウレタン、12b…吹付材、20…底版構造体、21…第1の砕石層、21a…凸部、22…第1の防水ユニット、22a…保護マット、22b…遮水シート、23…第2の砕石層、23a…第1層、23b…区画用防水ユニット(第3の防水ユニット)、23c…第2層、24…第2の防水ユニット、25…保護砂層、26…排水用集水管、26a…集水桝、27…検査用集水管、27a…検水パイプ、28a,28b,28c…接続部、30…垂直壁支持体、31…テーパー面、32…水平面、40…周辺部防水構造体、41…基礎擁壁、41a…溝部、42…排水溝、421…側溝、421a…浸透部、422…受台、423…基礎砕石層、43…周辺部防水ユニット、431…第1ユニット、431a…保護マット、431b…遮水シート、432…第2ユニット、432a…保護マット、432b…遮水シート、433…フラットバー、434…ウレタン層、434a…ウレタン、434b…吹付材、44…周辺部砕石層、50…屋根部、51…支持柱、52…屋根、60…進入路、70…土壌、GL…地上面、GR…地盤。

Claims (5)

  1. 無機廃棄物を含む盛土材を圧密成形体として埋め立てる最終処分場の底版構造であって、
    前記最終処分場の外周に立設された垂直壁と、
    前記垂直壁に囲まれた前記最終処分場の底部を閉蓋する底版構造体と
    を備え、
    前記底版構造体は、地盤側から順に、前記地盤上に設けた第1の砕石層と、第1の防水ユニットと、第2の砕石層と、第2の防水ユニットと、保護砂層とで構成され、
    前記第1の防水ユニット及び前記第2の防水ユニットは、遮水シートと該遮水シートの表面を覆って保護する保護マットとを積層して形成され、
    前記第1の砕石層に、地下水を集水して排出する有孔の排水用集水管が設けられ、
    前記第2の砕石層に、前記最終処分場の内部の水を集水する有孔の検査用集水管が設けられたことを特徴とする最終処分場の底版構造。
  2. 請求項1に記載の最終処分場の底版構造であって、
    前記第1の砕石層は、前記地盤側に突出する凸部を有し、
    前記排水用集水管は、前記凸部に設けられていることを特徴とする最終処分場の底版構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の最終処分場の底版構造であって、
    前記第2の砕石層は、複数の層と該複数の層の間に配置された第3の防水ユニットで形成され、
    前記第3の防水ユニットは、遮水シートと該遮水シートの表面を覆って保護する保護マットとを積層して形成されていることを特徴とする最終処分場の底版構造。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の最終処分場の底版構造であって、
    前記垂直壁は、該垂直壁の内側面を被覆する第4の防水ユニット及び該第4の防水ユニットの表面を被覆するウレタン層を有し、
    前記第4の防水ユニットは、遮水シートと該遮水シートの表面を覆って保護する保護マットとを積層して形成され、
    前記ウレタン層は、前記第4の防水ユニットの表面を被覆するウレタンと前記ウレタンの表面に吹付けられた不燃性の吹付体とで形成され、
    前記第1の防水ユニット及び前記第2の防水ユニットは、前記第4の防水ユニットに接続されていることを特徴とする最終処分場の底版構造。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の最終処分場の底版構造であって、
    前記垂直壁支持体上に配置された基礎擁壁と、
    前記基礎擁壁の上端部で支持され、前記最終処分場の上方全体を覆う屋根部と
    を備えていることを特徴とする最終処分場の底版構造。
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