JP2015072181A - 赤血球含有サンプル中の対象物を検出するためのイムノクロマトグラフィー用テストストリップ、および該テストストリップを使用するイムノクロマトグラフィー - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1には、合成の水溶性ポリマーからなる赤血球凝集剤の一例としてポリブレンが挙げられている。
特許文献2には、赤血球凝集化物質としてポリブレンを含むクロマトグラフィー用のガラス繊維製血球分離膜が記載されている。そして、ポリブレン単独では血液が血球分離膜を通過する際に溶血を伴うために、該溶血を避けるため前記血球分離膜をPVAで被覆する技術が開示されている。
このように赤血球凝集剤としてポリブレンが一般的に知られているものの、ポリブレンを金属コンジュゲートを検出試薬として採用しているイムノクロマトグラフィーに使用した場合には、全血中の赤血球を凝集させるだけではなく、金属コンジュゲートをも凝集させてしまうという問題があった(特許文献3)。
特許文献3には、そのような金属コンジュゲートの凝集を防止するための技術が開示されている。すなわち、赤血球分離剤としてポリブレンなどのポリカチオンをクロマトグラフィー担体の上流に結合させ、その下流にポリカチオンを中和するためのポリアニオンを結合させたイムノクロマトグラフィーアッセイデバイスが開示されている。本技術によれば、ポリカチオンの正電荷がポリアニオンの負電荷により中和されるため、セレンからなる金属コンジュゲートの凝集を防止することができたというものである。
本発明は、ポリアニオンを有効成分とする赤血球凝集剤としてポリブレン、検出試薬として金コロイドコンジュゲートを用いた場合に、血液中の赤血球を凝集させて分離除去しつつ、金コロイドコンジュゲートの凝集を起こさない、イムノクロマトグラフィー用テストストリップの提供、および該テストストリップを使用するイムノクロマトグラフィーの提供を課題とする。
[1] イムノクロマトグラフィー用テストストリップであって、以下の構成を有するテストストリップ。
(1)少なくともサンプル供給部、展開部および検出部とを備えた多孔質体からなるメンブレンを有し、
展開部の一部には、金コロイドで標識された抗検出対象物抗体コンジュゲートが溶出可能に保持されたコンジュゲート保持部を有し、さらに展開部の一部であって前記コンジュゲート保持部分より下流側に、固定化抗体が固定化されている検出部を有する
(2)サンプル供給部から、展開部のコンジュゲート保持部の上流側まで、のすくなくとも一部に赤血球凝集剤であるポリブレンによる前記コンジュゲートの凝集を抑制するための添加剤が、サンプル供給部を通過して提供されるポリブレンと接触可能に含まれている
[2] ポリブレンが、サンプル供給部に含まれている[1]に記載のテストストリップ。
[3] 前記添加剤が、コンジュゲート保持部に含まれている[1]または[2]に記載のテストストリップ。
[4] 赤血球凝集剤としてのポリブレンのカチオンを中和するための、中和剤としてのポリアニオンを含まない[1]〜[3]のいずれかに記載のテストストリップ。
[5] 前記添加剤が、(A)2価金属の塩、(B)硫酸と金属又はオニウムとの塩、(C)亜硫酸と金属の塩、(D)カルボン酸キレーター、(E)ポリ塩基性アミノ酸、に属する化合物からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物である[1]〜[4]のいずれかに記載のテストストリップ。
[6] イムノクロマトグラフィーを利用した検出方法であって、
(A)少なくともサンプル供給部、展開部および検出部とを備えた多孔質体からなるメンブレンを有し、
展開部の一部には、対象物に対する抗体が固定化された金コロイドを含むコンジュゲートが溶出可能に保持されたコンジュゲート保持部を有し、さらに展開部の一部であってコンジュゲート保持部分より下流側に、固定化抗体が固定化されている検出部を有する、テストストリップ、
のサンプル供給部にサンプルを供給する工程
(B)サンプル供給部において、または、サンプル供給部の上流において、ポリブレンとサンプルを接触させて、サンプル中の血液由来成分を凝集させる工程
(C)(B)の工程により得られた、凝集物をサンプルより分離除去する工程
(D)(C)の工程により得られた、凝集物が分離除去されたサンプル成分、を金コロイドを含むコンジュゲートと接触させる工程であって、ポリブレンによる前記コンジュゲートの凝集を抑制する能力を有する添加剤の存在下に行う工程
(E)(D)の工程により得られた、サンプル成分中の対象物とコンジュゲートの複合体、を検出部において検出する工程
[7] ポリブレンがサンプル供給部に含まれている[6]に記載の検出方法。
[8] 前記添加剤が、コンジュゲート保持部に含まれている[6]または[7]に記載の検出方法。
[9] 赤血球凝集剤としてのポリブレンのカチオンを中和するための、中和剤としてのポリアニオンを含まない[6]〜[8]のいずれかに記載の検出方法。
「10」 サンプルが、ヘパリン採血検体またはEDTA採血検体である[6]〜[9]のいずれかに記載の検出方法。
[11] 前記添加剤が、(A)2価金属の塩、(B)硫酸と金属又はオニウムとの塩、(C)亜硫酸と金属の塩、(D)カルボン酸キレーター、(E)ポリ塩基性アミノ酸、に属する化合物からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物である[6]〜[10]のいずれかに記載のテストストリップ。
本発明のイムノクロマトグラフィー用テストストリップは、少なくとも「サンプル供給部」、「展開部」、「検出部」とを備えた多孔性のメンブレンであって、検出対象物に対する標識抗体が、サンプルとの接触後に展開部を通過して検出部に到達できるよう、展開部の展開開始部位に溶出可能に保持され、さらに固定化抗体が展開部の一部に固定化され検出部を構成する構造を有している。
これらを具現化する一例として、サンプル供給部を担うサンプルパッド、検出対象物に対する標識抗体が溶出可能に保持され、展開部の一部を担うコンジュゲートパッド、固定化抗体が一部に固定化され、展開部および検出部を担う多孔性のメンブレン、を含むテストストリップが挙げられる。すなわち、本発明の典型的なイムノクロマトグラフィー用テストストリップは以下の構成を有する。
(1)サンプルが供給されるサンプルパッド
(2)サンプルパッドの下流に配置され、金コロイド表面に第一の抗体が感作されたコンジュゲートが溶出可能に保持されたコンジュゲートパッド
(3)コンジュゲートパッドの下流に配置され、コンジュゲートと検出対象物との複合体と結合する第二の抗体が固定化された多孔性のメンブレン
ここで、サンプルパッド、コンジュゲートパッド、多孔性のメンブレンはそれぞれが別々の担体を構成する場合、あるいは2つが1つの担体を構成する場合もあり、上流から下流に向かって、サンプルパッド、コンジュゲートパッド、多孔性のメンブレンの順序で構成されるものであればいずれの態様も含まれる。
イムノクロマトグラフィー用テストストリップは、上記構成のほかに、吸収パッド、3rdパッドのいずれか一以上をさらに配置装着されたものも含む。該テストストリップは、通常、プラスチック製粘着シートのような固相支持体上に配列させる。該固相支持体を、サンプルの毛管流を妨げない物質で構成することはもとより、接着剤の成分をサンプルの毛管流を妨げない物質とすることは当然である。なお、抗体が固定化された多孔性のメンブレンの機械的強度を上げ、かつアッセイ中の水分の蒸発(乾燥)を防ぐ目的でポリエステルフィルムなどをテストストリップにラミネート加工することも可能である。
本発明に用いられる赤血球凝集剤としては、公知のポリカチオン性の赤血球凝集剤が使用できる。なかでもポリブレンが好ましい。ポリブレンは、その化学名を臭化ヘキサジメトリンといい、CAS番号28728−55−4が付与されたカチオン性ポリマーの1種である。
本発明において、ポリブレンは、サンプルである全血中の赤血球を凝集させるために使用される。ポリブレンの使用態様としては、サンプルを希釈する希釈液にポリブレンを添加したり、サンプルに直接ポリブレンを添加する態様のほか、イムノクロマトストリップのサンプル供給部(サンプルパッド)にポリブレンを含ませておくことができる。このような使用態様により、ポリブレンは全血と接触し、全血中の赤血球が凝集される。赤血球凝集物は、何らかの濾過によりサンプルより除去されるが、イムノクロマトストリップにおいては、サンプル供給部を構成するフィルターをサンプルが通過する際にサンプル供給部上に大部分が残留することで除去される。本発明において、赤血球凝集物がサンプル供給部で除去され、展開部への供給をより確実に低減するためには、後述する3rd pad(血球分離膜)を併用することが望ましい。
ポリブレンの添加量は、全血サンプル中の検出対象物が所望の展開をできるよう、全血中の赤血球を凝集させて分離除去できる量であればよく、例えば、サンプルパッドに含ませておく場合には、サンプルが滴下された際のサンプルの液量に対して0.25%以上の濃度となることが好ましく、0.25〜2%がさらに好適である。サンプルパッドを製造する場合の観点からは、パッドに浸み込ませる溶液中の濃度として0.5%以上が好ましく、0.5〜4%がさらに好適である。
また、本発明においては、特許文献3のように、赤血球凝集剤としてのポリブレンのカチオンを中和するための、中和剤としてのポリアニオンは含まれないが、本発明の目的を逸脱せず、反応系に影響のない範囲において、必要に応じ通常使用されるポリアニオンの存在を排除するものではない。
本発明において、全血サンプル中の赤血球を凝集する目的で赤血球凝集剤(ポリブレン)を使用するがポリブレンは、赤血球だけではなく、金コロイドコンジュゲートまで凝集してしまうという問題がある。本発明では、このような金コロイドコンジュゲートが凝集しないよう添加剤を用いる必要がある。
本発明に用いられる添加剤としては、ポリブレンによる金コロイドコンジュゲート凝集を抑制する能力を有するものであればいずれでもよい。
このような能力を有する添加剤は、たとえば、金コロイドコンジュゲートおよびポリブレンを含む溶液中に添加し、コンジュゲートの凝集抑制軽減効果を観測することにより、本発明の添加剤を選定することができる。この選定方法は、さらに具体的には、金コロイドコンジュゲートに選定対象の添加剤溶液を加えておき、これにポリブレン溶液を添加し、極大吸収波長を測定し、添加剤無しの場合よりも極大吸収波長が小さいものを選定するという方法である。
特に金コロイドコンジュゲートと赤血球という2種類のポリアニオンが共存する状態で、一方のみを選択的に凝集させ、もう一方の凝集を抑制しうるという事実は、おどろくべきものである。
2価金属の塩は、さらに(A1)2価金属と酸との塩、(A2)2価金属とハロゲン元素との塩に分類することができる。ここで、2価の金属としてはマグネシウム、カルシウム、ニッケル、亜鉛などを例示することができ、酸としては、硫酸、硝酸などの無機酸、酢酸などの有機酸を例示することができ、ハロゲン元素としては、塩素、臭素などを例示することができる。これらのうち(A1)の具体的な化合物としては、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウムが好適であり、(A2)の具体的な化合物としては、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、塩化マンガン、塩化ニッケルが好適である。
(B)硫酸と金属又はオニウムとの塩
(B1)硫酸と金属の塩としては、硫酸と1価金属との塩または硫酸と2価金属との塩を挙げることができ、なかでも硫酸カリウム、硫酸マグネシウム(A1と重複)が好適である。(B2)硫酸とオニウムとの塩としては、硫酸アンモニウムが好適である。
(C)亜硫酸と金属の塩
亜硫酸と金属の塩としては、亜硫酸ナトリウムが好適である。
(D)カルボン酸キレーターおよびその塩
カルボン酸キレーターは、さらに(D1)ジカルボン酸キレーター、(D2)トリカルボン酸キレーター、(D3)テトラカルボン酸キレーター、(D4)ペンタカルボン酸キレーターに分類することができる。(D1)ジカルボン酸キレーターとしては、しゅう酸、コハク酸、酒石酸が好適であり、(D2)トリカルボン酸キレーターとしては、くえん酸が好適であり、(D3)テトラカルボン酸キレーターとしては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)が好適であり、(D4)ペンタカルボン酸キレーターとしては、ジエチルトリアミン五酢酸(DTPA)が好適である。これらのキレーターは、遊離酸あるいは金属塩として使用することができる。金属塩として使用する場合の具体例としては、くえん酸3ナトリウム、EDTA・2ナトリウムなどを挙げることができる。また前記した以外にも、グリコールエーテルジアミン四酢酸(EGTA)など、前記化合物の構造の一部を修飾・改変したものでも差し支えない。
(E)ポリ塩基性アミノ酸
ポリ塩基性アミノ酸としては、ポリ−L−アルギニンを挙げることができ、ポリ−L−アルギニン塩酸塩として使用するのが好適である。ポリ−L−アルギニン塩酸塩は、特許文献3において、ポリブレンと同様、正電荷を有する赤血球分離剤に区分されている化合物であり、ポリブレンと組み合わせた場合に、ポリブレンによる金コロイドコンジュゲートの凝集効果を増強するのではなく、低下させることは全く意外なことである。
添加剤をサンプル供給および/またはコンジュゲートパッドに含ませた態様には、液状の添加剤がパッドに含まれている態様のほかに、添加剤をパッドに含浸させた後、乾燥させて添加剤が乾燥状態でパッドに付着している態様も含まれる。
また、本発明の特定の添加剤はサンプル希釈液に添加して使用することもできる。
本発明において、上述のとおり、添加剤を特定の使用態様で使用することが必要であるが、その他の目的で上記以外の他の添加剤または上記以外の他の使用態様にて使用することを妨げるものではない。例えば、サンプル供給部から展開部のコンジュゲート固定化部位まで本発明の特定添加剤を含浸させ、展開部の抗体固定化部位は上記以外の添加剤を含浸させる態様とすることも本発明の範囲内に含まれることは言うまでもない。
本発明に用いる標識体としての金コロイドは、抗体を感作(固定化)させてコンジュゲートを構成することができ、サンプルと接触させてサンプル中の対象物(抗原)を検出する方法において標識体としての役割を担うことができるような金コロイドであればいずれでもよい。
金コロイドとしては、金コロイドのほかに白金コロイドも本発明の金コロイドに含まれるものとする。
金コロイド粒子の粒径は、検出感度に大きく影響することが知られているが、たとえば、イムノクロマトグラフィー用テストストリップに保持させて使用する場合、金コロイド粒子の粒径としては、20〜60nmが好ましく、より好ましくは30〜50nmであり、特に40nmが好ましい。上記の金コロイドは一般に知られている方法、例えば、加熱したテトラクロロ金(III)酸水溶液にクエン酸三ナトリウム水溶液やクエン酸三アンモニウム水溶液を滴下攪拌することによって製造することができる。本明細書では金コロイドを金コロイド粒子と呼ぶこともあるが、同義である。
検出対象物に対する抗体の金コロイドへの固定化は、通常、物理吸着によって行う。この際、抗体濃度は1〜5μg/mL緩衝液の濃度に調製されるのが好ましい。緩衝液の種類とpHは、2mmol/Lリン酸緩衝液(pH6.5〜8)または2〜10mmol/L TrisTris−塩酸緩衝液(pH7〜9)が好ましく、さらに好ましくは2〜10mmol/L Tris−塩酸緩衝液(pH7〜7.5)であるが、他の緩衝液の使用も含め、これに限定されるものではない。本明細書では、上記のような金コロイドに検出対象物に対する抗体、コントロール用抗体(あるいは抗原)が固定化されたものを「コンジュゲート」という。
本発明のコンジュゲートは、金コロイド表面において抗体が結合していない領域をブロッキング剤によりブロッキングすることもできる。
金コロイドコンジュゲートのブロッキング剤としては、生物由来成分が一般に用いられ、生物由来成分としては、生物に由来する成分であってブロッキング作用を有する成分であればいずれでもよく、たとえば動物性タンパクおよび動物性タンパク由来のペプチドが挙げられる。具体的には、牛血清アルブミンであるBSA、微生物由来であるBlocking Peptide Fragment(TOYOBO製)、絹タンパク質由来(セリシンの加水分解物)であるNEO PROTEIN SAVER(TOYOBO製)、StartingBlockTM(PBS)Blocking Buffer(PIERCE製)、Stabil CoatTM(SurModics社製)、Caseinが挙げられる。
生物由来成分の濃度としては、使用する成分により適宜決定すれば良い。例えば、1OD/mLに調整した金コロイド溶液に抗体液を加えて混合した後、該混合液に前記の生物由来成分を、終濃度が0.1〜10%の範囲で添加することによりブロッキングするものであり、より好ましくは0.2〜5%の範囲で使用する。
このほかに、非生物由来成分と生物由来成分の両者を混合したものを金コロイドのブロッキング剤として用いることもできる。
本発明において、「検出試薬」とは具体的には少なくともコンジュゲートを含有する溶液である。
検出試薬は、コンジュゲートを安定な状態に保ち、サンプルと混合されたときにコンジュゲートに固定化された抗体が検出対象物と特異的に反応するのを促進する、あるいはコンジュゲートを迅速かつ効果的に溶解、流動化する目的で、例えば1種類以上の安定化剤、溶解補助剤等を含み得る。該安定化剤、溶解補助剤等としては、例えばウシ血清アルブミン(BSA)、スクロース、カゼイン、アミノ酸類などをあげることができる。
また、検出試薬は、検出感度の向上を目的とし必要に応じて、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン等の公知の増感剤を含み得る。
更に検出試薬は、必要に応じてCa2+イオンのキレート剤であるEDTAやEGTAなども含み得る。
なお、本明細書において、「検出」又は「測定」という用語は、検出対象の存在の証明及び/又は定量などを含めて最も広義に解釈する必要があり、いかなる意味においても限定的に解釈してはならない。
本発明において、サンプル中の検出対象物の濃度に応じて、サンプルの希釈が必要な場合は、希釈液を用いることがある。希釈液は、抗原抗体反応を著しく阻害したり、または反対に著しく反応を促進して標識体が過凝集するために毛細管現象における展開不良を起こしたり、抗原濃度に応じた抗原抗体反応のシグナル検出が不可能にさえならなければ、いずれの組成の希釈液を用いても良い。
このような作用を有する希釈液としては、例えば、精製水、生理食塩水、pH6.0〜10.0の低濃度の緩衝液、例えば10〜20mmol/Lリン酸緩衝液や10〜20mmol/L Tris−塩酸緩衝液、10〜20mmol/L Bis−Tris緩衝液が挙げられる。また、サンプルのストリップでの展開速度を制御する目的で、これらの希釈液に界面活性剤を添加することも可能である。
本発明の希釈液には、前述のとおり、赤血球凝集剤としてのポリブレンを含ませておくことができる。
また、本発明の希釈液には、前述のとおり、ポリブレンの金コロイドコンジュゲートに対する凝集抑制能力を有する添加剤を含ませておくこともできる。
本発明において、「サンプルパッド」とは、サンプルを受け入れるサンプル供給部を担う部位であり、パッドに成型された状態で液体のサンプルを吸収し、液体と検出対象物の成分とが通り抜けることができる物質及び形態であればいずれのものをも含む。
本発明のサンプルパッドには、前述のとおり、赤血球凝集剤を含ませておくことができる。その場合、サンプルパッドの少なくとも一部に含まれていればよく、全部に含ませておくこともできる。
また、本発明のサンプルパッドには、前述のとおり、特定の添加剤を含ませておくこともできる。その場合、サンプルパッドの少なくとも一部に含まれていればよく、全部に含ませることもできる。ここで、本発明のサンプルパッドに赤血球凝集剤および特定の添加剤の両方を含ませておく場合には、両者をサンプルパッドの同じ部位に含ませておくこともできるし、共存しないようにそれぞれ異なる部位に含ませておくこともできる。また、サンプルパッドの全体に両者を含ませておくこともできる。
サンプルパッドに適した材料の具体例として、ガラス繊維(グラスファイバー)、アクリル繊維、親水性ポリエチレン材、乾燥紙、紙パルプ、織物等が含まれるが、これらに限定されない。好適には、グラスファイバー製パッドが用いられる。該サンプルパッドには、後述するコンジュゲートパッドの機能を併せ持たせることも出来る。また、サンプルパッドには、本発明の目的を逸脱せず、反応系に影響のない範囲において、必要に応じ通常使用されるブロッキング試薬を含ませることもできる。
本発明において、「コンジュゲートパッド」とは、検出対象物と特異的に反応する検出試薬を後述のコンジュゲートパッドに適した材料に含浸させて乾燥させたものである。コンジュゲートパッドは、サンプルが該コンジュゲートパッドを通過する際、検出試薬と検出対象物とが複合体を形成する機能を有する。該コンジュゲートパッドは、それ単独で抗体固定化メンブレンに接するように配置されていてもよい。あるいは、前記サンプルパッドと接触して配置され、毛細管流によってサンプルパッドを通過したサンプルを受入れ、引き続き該サンプルを毛細管流によって前記サンプルパッドとの接触面とは異なる面で接触する別のパッド(以下、「3rd Pad」ということがある)に移送するように配置してもよい。なお、サンプルパッド、コンジュゲートパッドの一種以上の部位の選択や、選択された部位を抗体固定化メンブレンにどのように配置するかは、適宜に変更可能である。
また、本発明のコンジュゲートパッドには、前述のとおり、特定の添加剤を含ませておくこともできる。その場合、コンジュゲートパッドの少なくともコンジュゲートが固定化されている部位の上流を含む一部に含まれていればよく、全部に含ませることもできる。
該コンジュゲートパッドに適した材料として、紙、セルロース混合物、ニトロセルロース、ポリエステル、アクリロニトリルコポリマー、ガラス繊維またはレーヨンのような不織繊維が挙げられるが、これらに限定されない。好適には、グラスファイバー製パッドが用いられる。
該コンジュゲートパッドには、必要に応じて、イムノクロマトグラフィーの信頼性を担保するための「コントロール試薬」、例えば、標識体で標識されたサンプル成分とは反応しない抗体や標識体で標識されたKLH(スカシ貝ヘモシアニン)などの高抗原性タンパク質などを含み得る。これらのコントロール試薬は、サンプル中に存在する可能性が考えられない成分(物質)であり、適宜に選択可能である。
本発明において、3rd Padとは、サンプルと検出試薬との反応成分のうち、検出対象物の検出に不要な成分を除去し、反応に必要な成分が、抗体が固定化された不溶性メンブレンをスムーズに展開できるようにすることを目的として配置させることができる。例えば、血球や不溶性の血球破砕物などは、検出に不要な成分として除去されることが望ましい。また、この3rd Padには、抗原抗体反応により生成する凝集体のうち、抗体固定化メンブレンに移動し、スムーズに展開できない位に大きくなった凝集体をあらかじめ除去するという付加的な効果を併せ持たせることも可能である。3rd Padとしては、液体と検出対象の成分とが通り抜けることができるどんな物質及び形態をも含む。具体例として、ガラス繊維(グラスファイバー)、アクリル繊維、親水性ポリエチレン材、乾燥紙、紙パルプ、織物等が含まれるが、これらに限定されない。
本発明において、前述の赤血球凝集剤とサンプルパッドのみでは除去しきれなかった血球をより確実に分離除去するため、血球分離膜を用いることが望ましい。
本発明のイムノクロマト試薬における検出対象物に対する抗体の不溶性メンブレンへの固定化は、一般に周知の方法で実施することができる。例えば、フロースルー式の場合、上記の抗体を所定の濃度に調製し、その液を一定量、点あるいは+など特定のシンボル状に、不溶性メンブレンに塗布する。またこの際、イムノクロマトグラフィーの信頼性を担保するため、コンジュゲートと結合できるタンパク質あるいは化合物を、検出対象物に対する抗体とは異なる位置に固定化して「コントロールライン」とすることが一般的である。また、前記のコントロール試薬に対する抗体を検出対象物に対する抗体とは異なる位置に固定化して「コントロールライン」とすることもできる。
本発明において、不溶性メンブレン(以下、単にメンブレンと記載することがある)としては、任意の材質のものが使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン類、ガラス、セルロースやセルロース誘導体などの多糖類あるいはセラミックス等が挙げられるがこれらに限定されない。具体的には、メルク社、東洋濾紙社、ワットマン社などより販売されているガラス繊維ろ紙やセルロースろ紙などをあげることができる。また、この不溶性メンブレンの孔径と構造を適宜選択することにより、金コロイド標識抗体と対象物との免疫複合体がメンブレン中を流れる速度を制御することが可能である。メンブレン中を流れる速度の制御により、メンブレンに固定化された上記抗体に結合する標識抗体量を調節することができるため、メンブレンの孔径と構造は、本発明のイムノクロマトグラフィー用テストストリップのほかの構成材料との組み合わせを考慮して最適化することが望ましい。
本発明において、吸収パッドとは、不溶性メンブレンを移動・通過したサンプルを吸収することにより、サンプルの展開を制御する液体吸収性を有する部位である。ラテラルフロー式においては、ストリップ構成の最下流に設ければよく、フロースルー式においては、例えば抗体固定化メンブレンの下部に設ければよい。該吸収パッドとしては、例えば、ろ紙を用いることができるが、これに限定されない。好適には、Whatman社の740−E等が用いられる。
本発明のイムノクロマトグラフィー用テストストリップは、ストリップの大きさや、サンプルの添加方法・位置、抗体固定化メンブレンにおける抗体の固定化位置、シグナルの検出方法などを考慮した適当な容器(ハウジング)に格納・搭載して使用することができ、このように格納・搭載された状態を「デバイス」という。
本明細書において、「不溶性メンブレン」を「固相」、抗原や抗体を不溶性メンブレンに物理的あるいは化学的に担持させることあるいは担持させた状態を「固定」、「固定化」、「固相化」、「感作」、「吸着」と表現することがある。
本発明の検出方法において検出対象物を含む「サンプル」とは、陰性荷電を表面に多数有する粒子状の成分が含まれる液体であり、生物サンプルとしては赤血球が含まれるものを挙げることができ、特に全血、遠心分離等により分離された赤血球、血漿等が挙げられる。
また、血液検体には、採血時にEDTAやヘパリンなどの抗凝固剤を添加した採血管により採血した血漿検体(以下単にEDTA検体、ヘパリン検体などということがある)も含まれる。
本発明によれば イムノクロマト法においてEDTA検体の測定値がヘパリンよりも低値化するという問題も解消され検体の種類を問わずに正確な測定ができるという効果も奏する。また、さらに、本発明の添加剤により、検出感度も上昇するという効果も得られた。したがって、添加剤の濃度や種類を所望のものに選定することでイムノクロマトデバイスの検出感度をコントロールすることも可能である。
本発明の検出対象物としては、血液(全血)、赤血球、血清、血漿、尿、唾液又は喀痰などの生物サンプル中に存在する物質で、例えば、CRP(C反応性タンパク)、IgA、IgG、IgMなどの炎症関係マーカー、フィブリン分解産物(例えばDダイマー)、可溶性フィブリン、TAT(トロンビン−アンチトロンビン複合体)、PIC(プラスミン−プラスミンインヒビター複合体)などの凝固・線溶マーカー、酸化LDL、BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)、H−FABP(心臓型脂肪酸結合タンパク)などの循環関連マーカー、アディポネクチンなどの代謝関連マーカー、CEA(癌胎児性抗原)、AFP(α−フェトプロテイン)、CA19−9、CA125、PSA(前立腺特異抗原)などの腫瘍マーカー、HBV(B型肝炎ウイルス)、HCV(C型肝炎ウイルス)、クラミジアトラコマティス、淋菌などの感染症関連マーカー、アレルゲン特異IgE(免疫グロブリンE)、ホルモン、薬物などが例示される。これらの中でも、サンプルとして全血を使用したいとする要望が高い、Dダイマー、CRP、BNP、H−FABPなどがより好ましい。
本発明に用いられる検出対象物に対する抗体は、検出対象物に対して特異的に反応する抗体であれば、作製する方法によって何ら限定されるものではなく、ポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよい。一般的に当該抗体を産生するハイブリドーマは、KohlerとMilsteinの方法(Nature、第256巻495頁(1975年)参照)に準じ、検出対象物を免疫原として免疫した動物の脾臓細胞と同種のミエローマ細胞(骨髄腫細胞)とを細胞融合して作製することができる。
ここで、いわゆるサンドイッチの形成により検出対象物を検出する測定法において用いられる抗体がモノクローナル抗体の場合、標識体固定化用抗体(第一の抗体)と不溶性メンブレン固定化用抗体(第二の抗体)の関係は、第一の抗体のエピトープが一価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と異なるものが用いられ、第一の抗体のエピトープが多価の場合は第二の抗体のエピトープは第一の抗体と同じであってもよいし、異なるものであってもよい。
後述する実施例1では抗H−FABPモノクローナル抗体を使用している。本発明で使用した抗H−FABPモノクローナル抗体の調製方法は次項に示すとおりであるが、本発明はこれに限らず、市販の抗H−FABPモノクローナル抗体を用いてもよい。市販の抗H−FABPモノクローナル抗体の例としては、Hytest社のclone#5B5、#10E1等や、Fitzgerald社のclone#M79188、#79189などが挙げられる(尚、モノクローナル抗体は便宜上それぞれを産生するハイブリドーマのクローン名で表すことがある。以下同じ)。
(1)ハイブリドーマの調製
PBSに溶解したヒト精製H−FABP(Hytest社製)を免疫原とした。この免疫原を完全フロイントアジュバンド(和光純薬工業社製)と1対1の液量で混和乳化してH−FABP濃度0.5mg/mLのエマルションを調製し、これを6週齢の雌BALB/Cマウスの皮下に100μL投与した。その後2ケ月半の間にH−FABP濃度0.2mg/mLのエマルション100μLを3回追加投与し、3回目の追加投与から10日後にPBSで溶解した0.2mg/mLのヒト精製H−FABP100μLを皮下に投与した。その3日後に脾臓、鼠頸部リンパ節および腸骨リンパ節を摘出し、得られた脾臓およびリンパ節細胞と骨髄腫細胞SP2/O−Ag14とを6対1の割合で混合し、50%ポリエチレングリコール1540(和光純薬工業社製)存在下にて細胞融合させた。融合細胞は脾臓細胞として2.5×106/mLになるようにHAT培地に懸濁し、96穴培養プレート(CORNING社製)に0.2mLずつ分注した。これを5%CO2インキュベーター中で37℃にて培養し、およそ1週間後に、ハイブリドーマの生育してきたウェルの培養上清について、ELISA法を用いてH−FABPに反応する抗体を産生する株を選択した。具体的には、まずマイクロプレート(NUNC社製)にヤギ抗マウスIgG(Fc)抗体(JACKSON社製)を介し、各培養上清中のIgGを固相化した後、H−FABPを反応させた。続いて、ビオチン標識抗H−FABPウサギポリクローナル抗体(Proteintech Group社製)を反応させ、さらにペルオキシダーゼ標識ストレプトアビジン(PIERCE社製)を反応性させた。その後、オルトフェニレンジアミン(東京化成社製)を含むペルオキシダーゼ基質溶液を加えて発色させ、1.5N硫酸を加え発色を停止した後、マイクロプレートリーダー(Abs.492nm)で測定し、H−FABPに対して高い反応性を示すハイブリドーマを選択した。選択されたハイブリドーマについて限界希釈法によるクローン化を行い、抗H−FABPモノクローナル抗体産生ハイブリドーマを10種類を確立した。
2週間前にプリスタン0.5mLを腹腔内に注射しておいた12週齢の雌BALB/Cマウスに、上記(1)で得られたハイブリドーマを細胞数0.2×105個の量で腹腔内に投与した。約14日後に腹水を採取し、遠心処理して上清を得た。上清を等量の吸着用緩衝液(3mol/L NaCl−1.5mol/L Glycine−NaOH、pH8.5)と混和後、濾過した。この濾液を吸着用緩衝液で平衡化したプロテインAカラム(GEヘルスケア社製)に通して濾液中の抗体をカラムに吸着させた後、0.1mol/Lクエン酸緩衝液(pH3.0)でカラムより抗体を溶出させ、抗H−FABPモノクローナル抗体(Clone#87203、及びClone#87212)を精製した。
金コロイドに由来するシグナルを定量する方法としては、公知の方法に従って行えばよく、吸光度あるいは反射光強度を測定すればよい。この吸光度もしくは反射光強度の変化量を既知濃度のサンプルの検量線に外挿して、対象物の濃度を測定することもできる。
本発明のイムノクロマトグラフィーを利用した検出方法は、少なくとも以下の(A)〜(E)の工程を有する方法であるが、典型的には、上述のイムノクロマトグラフィー用テストストリップを使用した検出方法である。
(A)少なくともサンプル供給部、展開部および検出部とを備えた多孔質体からなるメンブレンを有し、
展開部の一部には、金コロイドで標識された検出対象物に対する抗体(コンジュゲート)が溶出可能に保持され、さらに展開部の一部であってコンジュゲート保持部分より下流側に、固定化抗体が固定化されている検出部を有する、テストストリップ、のサンプル供給部にサンプルを供給する工程
(B)サンプル供給部において、または、サンプル供給部の上流において、ポリブレンとサンプルを接触させて、サンプル中の血液由来成分を凝集させる工程
(C)(B)の工程により得られた、凝集物をサンプルより分離除去する工程
(D)(C)の工程により得られた、凝集物が分離除去されたサンプル成分、を金コロイドを含むコンジュゲートと接触させる工程であって、ポリブレンによる前記コンジュゲートの凝集を抑制する能力を有する添加剤の存在下に行う工程
(E)(D)の工程により得られた、サンプル成分中の対象物とコンジュゲートの複合体、を検出部において検出する工程
〔実施例1〕本発明の添加剤の選定方法
ポリブレン溶液と、本発明の添加剤候補物質を添加したコンジュゲート液との混合液における吸収波長の測定を行い、本発明の添加剤の選定を行った。
1.各種溶液、コンジュゲートの調製
1)金コロイド標識抗H−FABPモノクローナル抗体(抗H−FABP抗体コンジュゲート)の調製
(i)金コロイド溶液の調製
73℃に加温した500mLの精製水に対し、5%(w/v)クエン酸三アンモニウム水溶液を1mL添加して攪拌混合した。続いて、5%(w/v)テトラクロロ金(III)水溶液を1mL添加し、攪拌しながら10分間反応させた後、反応液を沸騰させた。この後、氷水中で冷却し、平均粒子径が40nmの金コロイドの溶液を調製した。この平均粒子径が40nmの金コロイドの溶液を、2mmol/L Tris−塩酸緩衝液(pH7.0)にて、金コロイドの極大吸収波長での吸光度で1OD/mLに調整した。
(ii)抗H−FABP抗体コンジュゲートの調製
上記1OD/mLの金コロイド溶液(pH7.0)20mLに対し、2mmol/L Tris−塩酸緩衝液(pH7.0)で46.2μL/mLに希釈した抗H−FABPモノクローナル抗体(Clone#87212のF(ab‘)2断片)を1mL添加し、室温で10分間撹拌した。当該金コロイドと抗体との混合液に対し、0.1%(w/v)ブロッキング剤(NEO PROTEIN SAVER:東洋紡バイオケミカル社、No.NPS−301)を含む2mmol/L Tris−塩酸緩衝液(pH7.0)を1mL添加し、室温で5分間攪拌した。その後、10℃にて、11900×gで45分間遠心した。上清を除去した後、得られた沈渣に、コンジュゲート希釈液(Conjugate Dilution Buffer:SCRIPPS社、No.B0221)を1mL添加してコンジュゲートを懸濁し、抗H−FABP抗体コンジュゲートを得た。
(iii) 添加剤水溶液の調製
表1に記載の各添加剤を水に溶解させた。各々の水への溶解性に従って1mol/Lもしくは0.5mol/Lに調整した。
(iv)試験用懸濁液の調製
上記で調製した添加剤水溶液を(ii)で調製した抗H−FABP抗体コンジュゲートに加えて、添加剤が種々濃度になるように調整し、この懸濁液を試験用懸濁液とした。尚、各試験用懸濁液中での添加剤の濃度の組み合わせを表1に示す。
(v)ポリブレンの水溶液
ポリブレン(シグマ−アルドリッチ)を水に溶かし0.5%の濃度の水溶液に調製した。
試験用懸濁液にポリブレン水溶液を加えた際の吸収波長の測定を行った。
上記で調製した試験用懸濁液に等量の0.5%ポリブレン水溶液を加えた。次に、ポリブレン水溶液を加えた直後から1.5分後に分光光度計で400nm〜900nmの範囲で吸収波長を測定し、測定された吸収波長のスペクトルから極大吸収波長を算出した。得られた極大吸収波長が、添加剤無添加の場合(すなわち、金コロイドコンジュゲートの凝集あり)の極大吸収波長よりも小さければ、各添加剤により、ポリブレン存在下における凝集反応の軽減効果があると判定することができる。さらに、ポリブレン無しの場合(すなわち、金コロイドコンジュゲートの凝集なし)の極大吸収波長に近づけばより好ましい添加剤であると判定することができる。
各々の極大吸収波長を図1に示す。図1に記載の添加剤の濃度は表1に示す試験用懸濁液中の濃度である。以下、この濃度で各サンプルを識別、評価する。
ポリブレン存在下で添加剤無しのサンプルの極大吸収波長は552nmであった。これに対し、ポリブレン存在下で実施例の添加剤を加えた各サンプルは、すべての場合において、添加剤無しのサンプルよりも極大吸収波長が低波長側にあり、ポリブレンが存在しないサンプルの極大吸収波長付近の波長であった。
一方、比較例の化合物では、極大吸収波長がポリブレン存在下で添加剤無しのサンプルの極大吸収波長より低波長であるものもあったが、その程度はわずかであり、極大吸収波長がポリブレン存在下で添加剤無しのサンプルの極大吸収波長より長波長であるものも存在した。
1.本発明のイムノクロマトデバイスの作製
1)金コロイド標識抗H−FABPモノクローナル抗体(抗H−FABP抗体コンジュゲート)の調製
(i)金コロイド溶液の調製
上記実施例1の(i)と同様に調製したものを使用した。
(ii)抗H−FABP抗体コンジュゲートの調製
上記実施例1の(ii)と同様に調製したものを使用した。
(iii)コントロールライン用金コロイド標識KLH(KLHコンジュゲート)の調製
上記1OD/mLの金コロイド溶液(pH6.1)20mLに対し、2mmol/Lリン酸緩衝液(pH6.1)で620μg/mLとなるよう溶解したKLH(シグマ社製)を1mL添加し、室温で10分間撹拌した。当該金コロイドとKLHとの混合液に対し、10%ウシ血清アルブミン(BSA)水溶液を1mL添加し、室温で5分間攪拌した。その後、10℃にて、11900×gで45分間遠心した。上清を除去した後、得られた沈渣に、上記コンジュゲート希釈液を1mL添加してコンジュゲートを懸濁し、KLHコンジュゲートを得た。
上記1)で調製した抗H−FABP抗体コンジュゲートに添加剤として、硫酸マグネシウム(30mmol/L、50mmol/L)、酢酸マグネシウム(30mmol/L、50mmol/L)、硫酸アンモニウム(30mmol/L)になるように溶解させた(A)。なお、各添加剤の濃度は終濃度である。
これら添加剤を含む抗H−FABP抗体コンジュゲートを3OD/mL、KLHコンジュゲートを0.75OD/mLとなるように、それぞれ2.5%NEO PROTEIN SAVER、2.4%ラクトースを含むTris−塩酸緩衝液と混合してコンジュゲート溶液を作製し、一定体積のグラスファイバー製パッド(日本ポール社、No.8964)に該パッド体積の1.2倍容量滲みこませた。ドライオーブン内で70℃、45分間加温することにより乾燥させ、コンジュゲートパッドとした。また、必要に応じ、増感剤などの添加剤を添加する場合には、前記コンジュゲート溶液に必要量を添加した後、同様の操作を行えばよい。
また、上記(A)試験とは別途、添加剤として硫酸マグネシウムを10mmol/Lの濃度になるように変更した以外は上記と同様の方法を用いてコンジュゲートパッド作製した。また、添加剤無しのコンジュゲートパッド(従来処方)も作製した(B)。
抗H−FABPモノクローナル抗体(Clone#87203)を3mg/mLとなるように、2.5%スクロースを含む10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.2)で希釈調製し、また、コントロールラインの発色を目的として、ウサギ抗KLHポリクローナル抗体(Bethyl社製)を0.5mg/mLとなるように、2.5%スクロースを含む10mmol/Lリン酸緩衝液(pH7.2)にて希釈調製し、ニトロセルロースメンブレン(メルク社、HF180、260mmx25mm)の短辺の一端の内側の位置に上記抗H−FABPモノクローナル抗体、そこの位置から約5mmの間隔をあけて抗KLHポリクローナル抗体をイムノクロマト用ディスペンサー「XYZ3050」(BIO DOT社)を用いて1μL/cmとなるよう設定し、ライン状に塗布した。ドライオーブン内で70℃、45分乾燥し、抗体固定化メンブレンとした。
グラスファイバー製パッド(Lydall社)を適宜必要な大きさにカットして1%ポリブレンを含むコンジュゲートパッドと同一の緩衝液(又は精製水)を該パッド体積の1.15倍容量浸み込ませ、ドライオーブン内で70℃、45分乾燥したものをサンプルパッドとして用いた。
プラスチック製粘着シート(a)に上記抗体固定化メンブレン(b)を貼り、展開上流部側に抗H−FABP抗体(c)、次いで抗KLH抗体(d)の順に塗布部を配置し、さらに血球分離膜(3rd Pad)(e)を装着した。次いで、上記2)で作製したコンジュゲートパッド(f)を配置装着し、さらにこのコンジュゲートパッドに重なるように上記4)で作製したサンプルパッド(g)を配置装着し、反対側の端には吸収パッド(h)を配置装着した。このように各構成要素を重ね合わせた構造物に切断してイムノクロマトグラフィー用テストストリップを作製した。該テストストリップは、アッセイの際、プラスチック性の専用のハウジング(サンプル添加窓部及び検出窓部を有する、図2中図示せず)に格納・搭載し、イムノクロマトテストデバイスの形態にした。図2にイムノクロマトグラフィー用テストストリップの模式構成図を示した。
検体120μLを上記で作成したイムノクロマトテストデバイスのサンプルパッド窓部に添加し、10分後にテストデバイスをイムノクロマトリーダーラピッドピア(浜松ホトニクス社)を用いての抗H−FABP抗体塗布部(検出部)の反射光強度を測定した。反射強度から、H−FABPの濃度を算出した。
LTIA法による測定はLTIA法測定用試薬リブリア(登録商標) H−FABP (DSファーマバイオメディカル Lot.S1KH06)を用いて自動分析装置、日立7170(日立製作所)で行った。尚、操作はリブリアR H−FABPの添付文書および日立7170の取扱説明書に従って行われた。前記自動分析装置によって定量された各検体のH−FABP 濃度を得た。
ヘパリン採血血漿を(A)の試験には24サンプル、(B)の試験には17サンプル、またEDTA採血血漿を(A)の試験には22サンプル、(B)の試験には29サンプル用いた。
検体ごとに、Y軸にイムノクロマトで得られたH−FABP濃度、X軸にLTIA法で得られたH−FABP濃度でプロットして、各添加剤による2つの測定法の相関性に与える影響を示した。結果を図3に示す。
従来法、即ち添加剤無添加の場合、EDTA採血検体がヘパリン採血検体に対して低値化するのに対し、添加剤を添加した際はいずれの場合もEDTA含有検体がヘパリン含有検体の相関性は従来法のそれと比べて近い相関性を示した。
イムノクロマト法における従来処方、即ち添加剤無しの場合、EDTA採血検体がヘパリン採血検体に対して低値化するのに対し、本発明の添加剤を添加した処方はいずれの場合も、そのようEDTA採血検体の低値化の問題は解消され、EDTA採血検体、ヘパリン採血検体ともにLTIA法との相関は同様の相関性を示した。
1. イムノクロマトデバイスの作製
上記実施例2の1.の2)コンジュゲートパッドの作製方法の(A)にある添加剤について、同様の方法で、硫酸マグネシウムを30mmol/Lもしくは50mmol/L、酢酸マグネシウムを30mmol/Lもしくは50mmol/L、硫酸アンモニウムを30mmol/Lの濃度になるように、それぞれの添加剤を含むコンジュゲートパッド、及び添加剤無しのコンジュゲートパッド作製(従来処方)を作成した(A)。
また、硫酸マグネシウムを10mmol/Lもしくは50mmol/L、塩化マグネシウム50mmol/Lの濃度になるように変更した以外は上記の方法と同様にして、それぞれの添加剤を含むコンジュゲートパッド、及び添加剤無しのコンジュゲートパッド(従来処方)作製を作成した(B)。
(A)、(B)いずれの場合もコンジュゲートパッドの作製方法以外は実施例2と同様にしてイムノクロマトデバイスを作製した。ただし(B)の場合は、添加剤もポリブレンも含まないデバイスも作製した。
ヘパリン採血血漿を(A)の試験には24サンプル、(B)の試験には17サンプル(ただし硫酸マグネシウム50mmol/Lと塩化マグネシウム50mmol/Lは10サンプルのみ)、またEDTA採血血漿を(A)の試験には22サンプル、(B)の試験には29サンプル用いた。
実施例2と同様に検体120μLを上記で作成したイムノクロマトテストデバイスのサンプルパッド窓部に添加し、10分後にテストデバイスをイムノクロマトリーダーラピッドピア(浜松ホトニクス社)を用いての抗H−FABP抗体塗布部(検出部)の反射光強度を測定した。各検体における添加剤無添加のデバイスの反射光強度も100%とし、各添加剤を加えたデバイスの反射光強度との比を算出し、その比の平均値を求めた。
結果を図5に示す。
いずれの添加剤を添加したデバイスでもEDTA含有検体を測定した場合、添加剤無しのデバイスと比べて反射光強度が増幅した((A):122.1%〜128.5%、(B):118.6%〜126.9%)。また、ヘパリン含有検体でも硫酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、硫酸アンモニウムを添加したデバイスにおいて一定の反射光強度の増幅が確認された((A):102.6%〜110.4%、(B):硫酸マグネシウム10mmol/Lは100.5%、硫酸マグネシウム50mmol/L は102.9%)。
(b)抗体固定化メンブレン
(c)抗H−FABP抗体
(d)抗KLH抗体
(e)血球分離膜(3rd Pad)
(f)コンジュゲートパッド
(g)サンプルパッド
(h)吸収パッド
Claims (11)
- イムノクロマトグラフィー用テストストリップであって、以下の構成を有するテストストリップ。
(1)少なくともサンプル供給部、展開部および検出部とを備えた多孔質体からなるメンブレンを有し、
展開部の一部には、金コロイドで標識された抗検出対象物抗体コンジュゲートが溶出可能に保持されたコンジュゲート保持部を有し、さらに展開部の一部であって前記コンジュゲート保持部分より下流側に、固定化抗体が固定化されている検出部を有する
(2)サンプル供給部から、展開部のコンジュゲート保持部の上流側まで、のすくなくとも一部に赤血球凝集剤であるポリブレンによる前記コンジュゲートの凝集を抑制するための添加剤が、サンプル供給部を通過して提供されるポリブレンと接触可能に含まれている - ポリブレンが、サンプル供給部に含まれている請求項1に記載のテストストリップ。
- 前記添加剤が、コンジュゲート保持部に含まれている請求項1または2に記載のテストストリップ。
- 赤血球凝集剤としてのポリブレンのカチオンを中和するための、中和剤としてのポリアニオンを含まない請求項1〜3のいずれかに記載のテストストリップ。
- 前記添加剤が、(A)2価金属の塩、(B)硫酸と金属又はオニウムとの塩、(C)亜硫酸と金属の塩、(D)カルボン酸キレーター、(E)ポリ塩基性アミノ酸、に属する化合物からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物である請求項1〜4のいずれかに記載のテストストリップ。
- イムノクロマトグラフィーを利用した検出方法であって、
(A)少なくともサンプル供給部、展開部および検出部とを備えた多孔質体からなるメンブレンを有し、
展開部の一部には、対象物に対する抗体が固定化された金コロイドを含むコンジュゲートが溶出可能に保持されたコンジュゲート保持部を有し、さらに展開部の一部であってコンジュゲート保持部分より下流側に、固定化抗体が固定化されている検出部を有する、テストストリップ、
のサンプル供給部にサンプルを供給する工程
(B)サンプル供給部において、または、サンプル供給部の上流において、ポリブレンとサンプルを接触させて、サンプル中の血液由来成分を凝集させる工程
(C)(B)の工程により得られた、凝集物をサンプルより分離除去する工程
(D)(C)の工程により得られた、凝集物が分離除去されたサンプル成分、を金コロイドを含むコンジュゲートと接触させる工程であって、ポリブレンによる前記コンジュゲートの凝集を抑制する能力を有する添加剤の存在下に行う工程
(E)(D)の工程により得られた、サンプル成分中の対象物とコンジュゲートの複合体、を検出部において検出する工程 - ポリブレンがサンプル供給部に含まれている請求項6に記載の検出方法。
- 前記添加剤が、コンジュゲート保持部に含まれている請求項6または7に記載の検出方法。
- 赤血球凝集剤としてのポリブレンのカチオンを中和するための、中和剤としてのポリアニオンを含まない請求項6〜8のいずれかに記載の検出方法。
- サンプルが、ヘパリン採血検体またはEDTA採血検体である請求項6〜9のいずれかに記載の検出方法。
- 前記添加剤が、(A)2価金属の塩、(B)硫酸と金属又はオニウムとの塩、(C)亜硫酸と金属の塩、(D)カルボン酸キレーター、(E)ポリ塩基性アミノ酸、に属する化合物からなる群より選ばれる1種または2種以上の化合物である請求項6〜10のいずれかに記載のテストストリップ。
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