JP2015069097A - 光学シート、面光源装置、表示装置および光学シートの製造方法 - Google Patents

光学シート、面光源装置、表示装置および光学シートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015069097A
JP2015069097A JP2013204737A JP2013204737A JP2015069097A JP 2015069097 A JP2015069097 A JP 2015069097A JP 2013204737 A JP2013204737 A JP 2013204737A JP 2013204737 A JP2013204737 A JP 2013204737A JP 2015069097 A JP2015069097 A JP 2015069097A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical sheet
prism
mat
layer
sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2013204737A
Other languages
English (en)
Inventor
上 益 井
Masu Inoue
上 益 井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2013204737A priority Critical patent/JP2015069097A/ja
Publication of JP2015069097A publication Critical patent/JP2015069097A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Elements Other Than Lenses (AREA)
  • Planar Illumination Modules (AREA)

Abstract

【課題】割れの発生を効果的に防止することができる光学シートの製造方法を提供する。【解決手段】製造方法は、対向する一対の表面20a,30aを有するシート材11を打ち抜くことによって、光学シート10を得る工程を含む。シート材は、基材層15と、拡散成分21およびバインダー樹脂22を含むマット層20と、複数の単位プリズム35を含むプリズム層30と、を有する。プリズム面の鉛筆硬度Hpおよびマット面の鉛筆硬度Hmが、次の条件(a)、(f)及び(g)を満たす。Hp ≰ Hm ・・・(a)Hp ≰ HB ・・・(f)Hm ≰ H ・・・(g)打ち抜く工程において、マット面の側からシート材に打ち抜き刃72を入れる。【選択図】図1

Description

本発明は、マット層及びプリズム層を有する光学シートに係り、とりわけ、マット層の剥離が生じにくい光学シート、並びに、この光学シートを含む面光源装置および表示装置に関する。
また、本発明は、マット層及びプリズム層を有する光学シートの製造方法に係り、とりわけ、割れの発生を効果的に防止することができる光学シートの製造方法に関する。
拡散成分およびバインダー樹脂を含むマット層と、リニア配列された単位プリズムを含むプリズム層と、を有する光学シートが、種々の産業分野において広く用いられてきた(例えば、特許文献1)。一例として、面状に光を発光する面光源装置に組み込まれて使用され得る。この面光源装置は、例えば、液晶表示パネルを背面側から照明するバックライトとして用いられ得る。
このようなマット層及びプリズム層を有した光学シートは、まずウェブ状(帯状)のシート材として形成され、このシート材から所望のサイズに切り出されるようになる。このような方法によれば、所望のサイズの枚葉状の光学シートを作製されていくことと比較して、光学シートの生産コストを低減することができる。
ただし、ウェブ状のシート材からエンドミル等の工具を用いて光学シートを切り出す(切り取る)場合、切り子や削りかす(切り屑)が発生してしまう。切り子や削りかすが光学シートに付着すると、当該切り子や削りかすが、光学シートに入射する光に対して意図しない光学作用を及ぼし、結果として輝点や欠点等の欠陥を生じさせる。このような不具合を回避するため、切り子や削りかす(切り屑)の発生しない打ち抜きによって、ウェブ状のシート材から光学シートを抜き出すことが検討されている。打ち抜きを行う際、プリズム面の側から打ち抜き刃をシート材に入れるようにして打ち抜き加工を実施する。このとき、シート材はマット面の側から定盤等によって支持されるので、打ち抜き加工を安定して実施することができる。
特開2000−338310号公報
しかしながら、昨今においては、携帯電話、スマートフォン、タブレットへの用途に代表される小型の表示装置が、急速に普及している。これらの小型の表示装置では、輝点や欠点といった欠陥が非常に目立ちやすくなる。そして、打ち抜き加工を採用してシート材から得られた光学シートを表示装置に組み込んだ場合にも、輝点や欠点といった欠陥が生じ得ることが本件発明者によって確認された。とりわけ、頂角が90°未満となる断面三角形形状の単位プリズムによって光学シートのプリズム層が形成されている場合や、短ピッチで配列された単位プリズムによって光学シートのプリズム層が形成されている場合に、この不具合がより顕著となった。
本件発明者がこの問題の解決に取り組んだところ、打ち抜き加工を行った際に、プリズム層の表面やマット層の表面に割れが発生していた。割れが発生すると、搬送や組み立てといったその後における光学シートの取り扱い中、さらには表示装置として使用されている間に、割れが発生した部分が打ち抜きカスとして剥離・脱落する。打ち抜きカスは、光学シートに付着して輝点や欠点を形成する。また、光学シートの取り扱い中に打ち抜きカスが光学シートに擦り付けられることにより、当該打ち抜きカスの何倍もの大きさの傷が形成され、この傷が輝点や欠点を形成する。
この不具合への対処方法の一つとして、単位プリズムの長手方向に対して打ち抜き刃を傾斜させれば、プリズム層の表面への割れの発生を抑制することができる。ただし、この方法を採用すると、光学シートの側縁に対して単位プリズムの長手方向が非平行となる。言い換えると、光学シートの側縁に対して単位プリズムの配列方向が非平行となる。光学シートの側縁に対して単位プリズムの長手方向や配列方向が傾斜した光学シートは、モアレ対策用として従来使用されてきたが、光学特性、とりわけ偏向機能(集光機能)を劣化させるといった不具合をともなう。したがって、この対処方法は、モアレ対策を必要とする光学シートに対してのみ採用されるべきである。またそもそも、この対処方法は、マット面への割れの発生を有効に抑制し得るものではない。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、割れの発生を効果的に防止することができる光学シートの製造方法を提供することを目的とする。
また、本件発明は、光学シートの製造方法を鋭意研究していく中で、マット層の剥離が生じにくい光学シートを発明するにいたった。すなわち、本発明は、マット層の剥離が生じにくい光学シート、並びに、この光学シートを含む面光源装置および表示装置を提供することも目的とする。
本発明による第1の光学シートは、
対向する一対の表面を有する光学シートであって、
シート状の基材層と、
拡散成分およびバインダー樹脂を含み、前記基材層の一方の側に設けられたマット層と、
一方向に配列された複数の単位プリズムであって、各々が前記一方向と交差する方向に線状に延びる、複数の単位プリズムを含み、前記基材層の他方の側に設けられたプリズム層と、を備え、
前記一対の表面のうちの一方が、前記マット層によるマット面として形成され、
前記一対の表面のうちの他方が、前記プリズム層の前記単位プリズムによるプリズム面として形成され、
JIS K5600−5−4(1999年)に準拠して測定(荷重1000g、速度1mm/s)された前記プリズム面の鉛筆硬度Hpおよび前記マット面の鉛筆硬度Hmが、次の条件(a)、(b)及び(c)を満たし、
Hp ≦ Hm ・・・(a)
2B ≦ Hp ≦ HB ・・・(b)
HB ≦ Hm ≦ H ・・・(c)
前記マット層は、前記マット面と、前記マット面とは反対側の面であって前記基材層に対面する内側面と、前記内側面と前記マット面との間の端面と、を含み、
前記端面は、前記光学シートの法線方向に沿った断面において、前記マット面と交わる外側端部よりも前記内側面と交わる内側端部において、前記法線方向に直交する方向に沿った外方に位置する。
本発明による第1の光学シートにおいて、前記光学シートの法線方向に沿った断面における前記端面の外輪郭は、前記外側端部から前記内側端部に向かうにつれて、前記法線方向に直交する方向においてしだいに外方にずれるようにしてもよい。
本発明による第1の光学シートにおいて、前記光学シートの法線方向に沿った断面における前記マット面の外輪郭は、前記端面の近傍である端部領域のうちの前記拡散粒子が存在しない領域において、この端面に前記法線方向に直交する方向に沿って接近するにつれて、前記法線方向においてしだいに前記基材層の側にずれるようにしてもよい。
本発明による第2の光学シートは、
対向する一対の表面を有する光学シートであって、
シート状の基材層と、
拡散成分およびバインダー樹脂を含み、前記基材層の一方の側に設けられたマット層と、
一方向に配列された複数の単位プリズムであって、各々が前記一方向と交差する方向に線状に延びる、複数の単位プリズムを含み、前記基材層の他方の側に設けられたプリズム層と、を備え、
前記一対の表面のうちの一方が、前記マット層によるマット面として形成され、
前記一対の表面のうちの他方が、前記プリズム層の前記単位プリズムによるプリズム面として形成され、
JIS K5600−5−4(1999年)に準拠して測定(荷重1000g、速度1mm/s)された前記プリズム面の鉛筆硬度Hpおよび前記マット面の鉛筆硬度Hmが、次の条件(a)、(b)及び(c)を満たし、
Hp ≦ Hm ・・・(a)
2B ≦ Hp ≦ HB ・・・(b)
HB ≦ Hm ≦ H ・・・(c)
前記マット層は、前記マット面と、前記マット面とは反対側の面であって前記基材層に対面する内側面と、前記内側面と前記マット面との間の端面と、を含み、
前記光学シートの法線方向に沿った断面における前記マット面の外輪郭は、前記端面の近傍である端部領域のうちの前記拡散粒子が存在しない領域において、この端面に前記法線方向に直交する方向に沿って接近するにつれて、前記法線方向においてしだいに前記基材層の側にずれる。
本発明による第1または第2の光学シートにおいて、前記プリズム面の前記鉛筆硬度Hpおよび前記マット面の鉛筆硬度Hmが、次の条件(d)及び(e)を満たすようにしてもよい。
2B ≦ Hp ≦ B ・・・(d)
HB ≦ Hm ≦ F ・・・(e)
本発明による第1または第2の光学シートにおいて、前記光学シートの法線方向及び前記一方向の両方に平行な主切断面において、前記単位プリズムは、前記基材層上に一辺が位置し且つ当該一辺に対する頂角の角度が70°未満となっている三角形形状の断面を有するようにしてもよい。
本発明による第1または第2の光学シートにおいて、前記単位プリズムの配列ピッチが60μm以下であるようにしてもよい。
本発明による面光電装置は、上述した本発明による第1及び第2の光学シートのいずれかを備える。
本発明による表示装置は、上述した本発明による面光源装置のいずれかを備える。
本発明による光学シートの製造方法は、
対向する一対の表面を有するシート材を打ち抜くことによって、光学シートを得る工程を備え、
前記シート材は、
シート状の基材層と、
拡散成分およびバインダー樹脂を含み、前記基材層の一方の側に設けられたマット層と、
一方向に配列された複数の単位プリズムであって、各々が前記一方向と交差する方向に線状に延びる、複数の単位プリズムを含み、前記基材層の他方の側に設けられたプリズム層と、を有し、
前記一対の表面のうちの一方が、前記マット層によるマット面として形成され、
前記一対の表面のうちの他方が、前記プリズム層の前記単位プリズムによるプリズム面として形成され、
JIS K5600−5−4(1999年)に準拠して測定(荷重1000g、速度1mm/s)された前記プリズム面の鉛筆硬度Hpおよび前記マット面の鉛筆硬度Hmが、次の条件(a)、(b)及び(c)を満たし、
Hp ≦ Hm ・・・(a)
Hp ≦ HB ・・・(f)
Hm ≦ H ・・・(g)
前記打ち抜く工程において、前記マット面の側から前記プリズム面の側へと前記シート材に打ち抜き刃を入れる。
本発明による光学シートの製造方法において、前記プリズム面の前記鉛筆硬度Hpおよび前記マット面の鉛筆硬度Hmが、次の条件(d)及び(e)を満たすようにしてもよい。
Hp ≦ B ・・・(h)
Hm ≦ F ・・・(i)
本発明による光学シートの製造方法において、前記シート材の法線方向及び前記一方向の両方に平行な主切断面にて、前記単位プリズムは、前記基材層上に一辺が位置し且つ当該一辺に対する頂角の角度が70°未満となっている三角形形状の断面を有するようにしてもよい。
本発明による光学シートの製造方法において、前記単位プリズムの配列ピッチが60μm以下であるようにしてもよい。
本発明による光学シートによれば、マット層の剥離を生じにくくすることができる。また、本発明による光学シートの製造方法によれば、光学シートの割れの発生を効果的に防止することができる。
図1は、本発明の一実施の形態を説明するための図であって、光学シートの一例を示す斜視図である。 図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。 図3は、シート材の製法方法の一例を説明するための図である。 図4は、シート材の製法方法の一例を説明するための図である。 図5は、図3および図4の製造方法で作製されたシート材から光学シートを製造する方法の一例を示す模式図である。 図6は、図5の打ち抜き加工における打ち抜き刃とシート材との位置関係を示す図である。 図7は、図5及び図6の製造方法を用いて製造され得る光学シートの一例を示す断面図である。 図8は、図7の点線で囲まれた部分を拡大して示す断面図である。 図9は、図1の光学シートを含む表示装置を示す縦断面図である。 図10は、各硬度のサンプルについての評価結果を示す図である。 図11は、打ち抜き加工後によって発生した割れを示す斜視図である。 図12は、打ち抜き加工後の各サンプルを示す写真である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図12の写真を除き、理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1〜図9は本発明による一実施の形態を説明するための図である。このうち図3〜図6は、光学シートの製造方法の一例を説明するための図であり、図1および図2は、図3〜図6の製造方法で作製対象となっている光学シートを示す図である。また、図7および図8は、図3〜図6の製造方法にて作製され得る光学シートの有用な構成を示す拡大断面図である。図9は、光学シートを含む表示装置の一例を示す縦断面図である。まず、図1、図2及び図9を参照して、以下の説明で作製対象とした光学シートについて説明し、その後、光学シートの製造方法について説明する。
図1および図2に示された光学シート10は、シート状の基材層15と、基材層15に一方の側から積層されたマット層20と、基材層15に他方の側から積層されたプリズム層30と、を有している。基材層15は、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂製フィルムから形成され、マット層20及びプリズム層30を支持する層として機能する。光学シート10は、一対の対向する主面を有している。光学シート10の一方の主面は、マット層20によるマット面20aとして形成されている。光学シート10の他方の主面は、プリズム層30によるプリズム面30aとして形成されている。
マット層20は、拡散成分21およびバインダー樹脂22を含んでいる。マット層20の拡散成分21は、アクリル系樹脂やスチレン系樹脂等の有機高分子からなる粒子、アルミナやシリカ等の金属化合物からなる粒子、気体を含有した多孔質物性の粒子等、種々の既知の粒子を用いることができる。また、拡散成分21は、図2に示された例のように球状である必要はなく、例えば回転楕円体形状や多面体形状等の種々の形状を有することができる。また、樹脂バインダー22としては、樹脂材料系として、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂等の樹脂系が用いられ、又硬化形態として、熱硬化型や電離放射線硬化型(これら硬化形態の樹脂は、熱硬化型樹脂や電離放射線硬化型樹脂とも呼称される)、或は熱可塑性樹脂からなる溶剤乾燥硬化型、加熱熔融冷却固化型等の硬化形態の既知の種々の樹脂材料が用いられ得る。
マット層20は、光学シート10の一方の側の表面をなすマット面20aと、マット面20aとは反対側の面であって基材層15に対面する内側面20bと、内側面20bとマット面20aとの間の端面20cと、含んでいる。図2によく示されているように、マット層20のマット面20aは、拡散成分21が存在する位置に対応して凸部が形成された凹凸面として、構成されている。すなわち、マット層20のマット面20aによって形成された光学シート10の一方の側の表面は、凹凸面として形成されており、光学シート10へ入射する光および光学シート10を透過する光を拡散させる光拡散機能を有している。
一方、図1および図2に示すように、プリズム層30は、基材層15上に形成されたシート状のランド部31と、ランド部31上に配列された多数の単位プリズム35と、を有している。ランド部31は、後述する製造方法に起因して形成されたものであり、単位プリズム35と同一の樹脂材料で一体的に形成されている。ランド部31の厚みは、通常、1〜10μm程度である。ただし、ランド部31は必須ではなく、ランド部31を設け無い(ランド部の厚みが0)形態としてもよい。
光学シート10の他方の側の表面をなすプリズム面30aは、単位プリズム35の表面、すなわちプリズム面を含んで形成されている。単位プリズム35は、光学シート10のシート面と平行な配列方向に沿って配列されている。各単位プリズム35は、その配列方向と交差する方向に線状に延びている。とりわけ図示する例において、各単位プリズム35は、配列方向と直交する方向に沿って、直線状に延びている。さらに、各単位プリズム35は、柱状に形成され、その長手方向に沿って同一の断面形状を有するようになっている。また、複数の単位プリズム35は、互いに同一に構成され、ランド部31上に隙間をあけることなく並べられている。したがって、図示された光学シート10において、プリズム面30aは、単位プリズム35の表面のみによって形成されている。
図2に示すように、単位プリズム35の配列方向(同図に於いては、左右方向)および光学シート10の法線方向ndの両方向に平行な断面(主切斷面とも呼称する)において、各単位プリズム35は、ランド部31上に一辺が位置する三角形形状となっている。また、図2に示された断面において、単位プリズム35の主切断面形状は、二等辺三角形形状となっており且つ法線方向ndを中心として対称性を有している。
以上に説明した光学シート10は、一例として、光を面状に発光し得る面光源装置40に組み込まれて使用され得る。面光源装置40は、図9に示された例において、液晶表示パネル46を背面側から照明するバックライトとして、表示装置45の一部分をなしている。
図9に示された面光源装置40は、一対の主面41a,41bと主面間に位置する側面41c,41dとを含む導光板41と、導光板41の対向する一対の側面41c,41dにそれぞれ対面して配置された光源42と、導光板41の背面側に位置する反射シート43と、を光学シート10の他に有している。各光源42からの光は、導光板41内に入射した後、導光板41の一方の主面41a,41bのうちの一方によって形成された出光面41aを介して、法線方向に対して大きく傾斜した方向に出射する。なお、出光面41aと対面する裏面41bを介して導光板41から出射する光も存在するが、この光は、反射シート43で反射して、導光板41へ再入射する。
光学シート10は、そのプリズム面30aが導光板41の出光面41aに対面するようにして、配置されている。単位プリズム35の配列方向は、光源42に対面する導光板41の一対の側面41c,41dを結ぶ方向と平行となっている。単位プリズム35は、配列方向に沿った一方の側のプリズム面から光を受け入れ、他方の側のプリズム面において全反射させる。単位プリズム35での全反射によって、光は、その進行方向が光学シート10の法線方向に対してなす角度が小さくなるように、進行方向を偏向される。このようにして、面光源装置40は、法線方向を中心とした狭い角度範囲内に進む光によって、表示装置45の液晶表示パネル46を背面側から照明する。この結果、液晶表示パネル46の各画素領域を選択透過する表示装置45からの光によって、画像が表示されるようになる。
なお、プリズム層30を通過した光は、光学シート10のマット層20で適度に拡散される。このため、面光源装置40の発光面上における輝度角度分布は、滑らかに変化するようになる。したがって、表示装置45を観察する観察角度の変更にともなって、表示装置45に表示される画像の明るさは少しずつ変化し、表示画像が急激に暗くなったり明るくなったりすることはない。
このような用途に用いられる光学シート10では、基材層15上に位置する単位プリズム35の一辺に対する当該単位プリズム35の頂角の角度θa(図2参照)は、当該光学シート10の主切断面において、鋭角となっており、典型的には55°以上75°未満となる。また、単位プリズム35の配列方向に沿った配置ピッチは、1μm以上100μm以下となり、とりわけ、携帯電話、スマートフォン、タブレットへの用途に代表される小型の表示装置への適用においては、60μm未満となる。
なお、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「光学シート」は光学フィルムや光学板とも呼ばれ得るような部品や部材等も含む概念である。
また、本明細書において、「シート面(フィルム面、層面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状の部品や部材等の平面方向と一致する面のことを指す。そして、本実施の形態においては、光学シート10のシート面は、基材層15の層面やマット層20の層面と平行である。また、本明細書において、シート状の部材に対する「法線方向」とは、当該シート状の部材のシート面への法線方向を意味する。
さらに、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、「三角形」、「平行」、「直交」、「対称」等の用語については、厳密な意味に縛られることなく、同様の光学的機能を期待し得る程度の誤差を含めて解釈することとする。
ところで、本件発明者が鋭意検討を重ねたところ、以上に説明した光学シート10において、次の条件が満たされることが好ましいことが確認された。次の条件を(a)〜(c)を満たす場合には、後述する打ち抜き加工法との組み合わせにおいて、小型の表示装置に適用されるプリズム層30及びマット層20を有した光学シート10においても、プリズム面30aまたはマット面20aへの欠陥の発生を効果的に防止することができた。
Hp < Hm ・・・(a)
2B ≦ Hp ≦ HB ・・・(b)
HB ≦ Hm ≦ H ・・・(c)
ここで、Hpは、JIS K5600−5−4(1999年)に準拠して測定(荷重1000g、速度1mm/s)されたプリズム面30aの鉛筆硬度Hpであり、Hmは、JIS K5600−5−4(1999年)に準拠して測定(荷重1000g、速度1mm/s)されたマット面20aの鉛筆硬度である。
上述した光学シート10は、面光源装置等の最終的な装置にアセンブリされる前、積み重ねられた状態にて或いは巻き取られた状態にて、保管や搬送等の取り扱いを受ける。すなわち、光学シート10は、そのプリズム面30aが、他の光学シート10のマット面20a又は同一の光学シート10の他の部分におけるマット面20aと接触した状態で、取り扱われるようになる。そしてこの取り扱い中、プリズム面30a及びマット面20aに擦り傷が発生してしまう可能性がある。擦り傷は、輝点や欠点等の欠陥の原因となる。とりわけ、小型の表示装置に適用される微細な単位プリズム35を有した光学シート10については、この不具合がより目立ちやすくなることが確認された。
アッセンブリ前に形成される擦り傷の対処法として、対面するプリズム面30aとマット面20aとの間に保護フィルムを挿入することが挙げられる。しかしながら、保護フィルムは、光学シート10の製造コストを直接的に増加させる。また、光学シート10の荷造り中に保護フィルムを挿入する手間が増えるだけでなく、光学シート10を使用する際にも、この保護フィルムの廃棄等にともなった作業を強いられる。
これに対して、本件発明者が鋭意研究を重ねたところ、次の条件を(a)、(b’)及び(c’)を満たす場合には、小型の表示装置に適用される微細な単位プリズム35を有した光学シート10においても、光学シート10のアッセンブリ前での取り扱い中に、プリズム面30aまたはマット面20aに傷が発生することを効果的に防止することができた。
Hp ≦ Hm ・・・(a)
2B ≦ Hp ・・・(b’)
HB ≦ Hm ・・・(c’)
条件(a)として、マット層20の鉛筆硬度Hmをプリズム層30の鉛筆硬度Hp以上とするのは、マット層20のマット面20aが、単位プリズム35の頂角によって傷付けられることを防止する観点からである。マット面20aの鉛筆硬度Hmがプリズム面30aの鉛筆硬度Hp未満になると、プリズム面30aと比較して、マット面20aに傷が発生しやすくなる。一方、プリズム面30aは外力が加えられた時は変形し外力から開放された時は元に戻る様に軟らかくしておくことによって、プリズム面30aの傷付きを防止することができる。この点、アッセンブリ前に生じる傷とは無関係であるが、マット面20aは、アッセンブリされた後の使用中にマット層20の十分な拡散機能を維持する観点や隣接する他の部材との光学密着を回避する観点から、変形し難く形成されていることが好ましい。加えて、マット面20aにおける凹凸の凸部は、拡散成分21に起因して点状突出部として形成されており、プリズム面30aをなす単位プリズム35の稜線と比較して、応力集中をより顕著に引き起こす。この応力集中に耐えるためにも、条件(a)として、マット層20の鉛筆硬度Hmをプリズム層30の鉛筆硬度Hp以上となっていることが好ましい。
また、プリズム面30aでの鉛筆硬度Hpが「2B」よりも低いと、一枚の光学シート10(シート材11)を巻き採る際、または、多数の光学シート10を積み重ねる際、保護フィルムを設ける必要が生じる。すなわち、保護フィルムを排除する観点から、条件(b’)が満たされる必要がある。同様に、マット面20aでの鉛筆硬度Hmが「HB」よりも低いと、一枚の光学シート10(シート材11)を巻き採る際、または、多数の光学シート10を積み重ねる際、保護フィルムを設ける必要が生じる。すなわち、保護フィルムを排除する観点から、条件(c’)が満たされる必要がある。
一方、詳しくは後述するように、条件(a)にともなって後述の打ち抜き加工法が有効になるが、後述の打ち抜き加工法との組み合わせにおいて、次の条件(b’’)及び(c’’)を満たす場合には、打ち抜き加工時にマット面20aやプリズム面30aに生じる割れの発生を効果的に防止することができた。そして、上述した条件(a)、(b’)及び(c’)に加えて、条件(b’’)及び(c’’)が満たされる場合、上述した条件(a)、(b)及び(c)が満たされることになる。したがって、条件(a)、(b)及び(c)が満たされる場合には、打ち抜き加工に関連した割れが光学シート10へ発生することを効果的に防止することができ、さらに、得られた光学シート10のその後の取り扱い中に欠陥が生じることを効果的に防止することも可能となる。
Hp ≦ HB ・・・(b’’)
Hm ≦ H ・・・(c’’)
次に以上のような構成からなる光学シート10の製造方法の一例について説明する。
以下に説明する光学シートの製造方法は、シート材11を作製する工程と、シート材の一部分を打ち抜いて当該一部分からなる光学シート10を作製する工程と、を有している。シート材を作製する工程では、上述してきた作製対象となる光学シート10の構成に対応して、基材層15をなすようになる樹脂製フィルム16と、樹脂製フィルム16上に形成されたマット層20およびプリズム層30と、を有するシート材11が作製される。そして、このシート材11を作製する工程は、樹脂製フィルム16上にマット層20を形成する工程と、樹脂製フィルム16上にプリズム層30を形成する工程と、を有している。以下、各工程について、各工程で用いられる装置とともに説明していく。
まず、シート材11を作製する工程のうちの、樹脂製フィルム16上にマット層20を形成する工程について、主に図3を参照しながら説明する。
この工程では、図3に示されたマット層形成装置60が使用される。マット層形成装置60は、拡散成分21を含んだ樹脂材料23を樹脂製フィルム16に塗布する塗布装置62と、樹脂製フィルム16上に塗布された樹脂材料23を硬化させる硬化装置64と、を有している。塗布装置62としては、図3に於いては、Tダイ型ノズルから液状樹脂材料を吐出する形式のコーターを用いているが、其の他、種々の既知なコーターも用いられ得る。また、硬化装置64は、塗布装置62から塗布される樹脂材料23の硬化特性に応じて適宜構成され得る。
帯状に延びる樹脂製フィルム16が、マット層形成装置60に供給されると、マット層形成装置60の塗布装置62から、拡散成分21を含んだ樹脂材料23が、樹脂製フィルム16の一方の面(図3においては上側面)に塗布される。塗布された樹脂材料23は、樹脂製フィルム16上を延び広がる。この樹脂性フィルム16は、最終的には光学シート10の基材層15をなすようになり、一例として、機械的特性(強度等)、化学的特性(安定性等)および光学的特性(光透過性等)が良好であるとともに安価に入手可能な二軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムとすることができる。
塗布装置62から供給される樹脂材料23は、マット層20のバインダー樹脂22を形成するようになる。この樹脂材料23としては、熱硬化型や電離放射線硬化型の種々の既知な樹脂材料を用いることができる。また、樹脂材料23中に分散された拡散成分21も、上述したように、種々の既知な材料からなり種々の既知な形状を有した粒子を用いることができる。以下に示す例においては、塗布装置62から電離放射線硬化型樹脂が供給される例について説明する。電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線(UV)を照射されることにより硬化するUV硬化型樹脂や、電子線(EB)を照射されることによって硬化するEB硬化型樹脂を選択することができる。
なお、最終的に形成されるべきマット層20のマット面20aによって、十分な光拡散機能を発揮し得る程度の凹凸面(マット面)が形成されるよう、拡散成分21の平均粒径や濃度等が設定される。例えば、拡散成分21の平均粒径(体積相当法で算出された粒径の算術平均)を、1μm以上10μm以下とすることができ、拡散成分21の濃度を、0.1重量%以上30重量%以下とすることができる。
拡散成分21が分散している電離放射線硬化型樹脂材料23を塗布された樹脂製フィルム16は、硬化装置64に対向する位置を通過する。このとき、硬化装置64からは、電離放射線硬化型樹脂材料23の硬化特性に応じた電離放射線が放射されている。したがって、樹脂製フィルム16上に塗布された電離放射線硬化型樹脂材料23は、電離放射線を照射され、硬化する。この結果、硬化した電離放射線硬化型樹脂材料23からなるバインダー樹脂22と、電離放射線硬化型樹脂材料23内に分散されていた拡散成分21と、からなるマット層20が樹脂製フィルム16上に形成される。
次に、シート材11を作製する工程のうちの、樹脂製フィルム16のマット層20が形成された側とは反対の側にプリズム層30を形成する工程について、主に図4を参照しながら説明する。この工程では、図4に示されたプリズム層形成装置50が使用される。
最初にプリズム層形成装置50について説明する。図4に示すように、プリズム層形成装置50は、略円柱状の外輪郭を有した成型用型52を有している。成型用型52の円柱の外周面(側面)に該当する部分に円筒状の型面(凹凸面)52aが形成されている。円柱状からなる成型用型52は、円柱の外周面の中心を通過する中心軸線CA、言い換えると、円柱の横断面の中心を通過する中心軸線CAを有している。型面52aには、光学シート10の単位プリズム35に対応する凹部(図示せず)が形成されている。すなわち、成型用型52は、中心軸線CAを回転軸線として回転しながら、プリズム層30を成型するロール型として構成されている。
図4に示すように、プリズム層形成装置50は、供給される帯状の樹脂製フィルム16と成型用型52の型面52aとの間に流動性を有した樹脂材料39を供給する材料供給装置54と、樹脂製フィルム16と成型用型52の凹凸面52aとの間の材料39を硬化させる硬化装置56と、をさらに有している。硬化装置56は、硬化対象となる材料39の硬化特性に応じて適宜構成され得る。
次に、このプリズム層形成装置50を用いてプリズム層30を成型する方法について説明する。まず、マット層20を形成された帯状に延びる樹脂製フィルム16が、マット層形成装置60からプリズム層形成装置50に供給される。供給された樹脂製フィルム16は、図4に示すように、左方から成型用型52へと送り込まれ、成型用型52と一対のローラ58とによって、型52の凹凸面52aと対向するようにして保持されるようになる。なお、樹脂製フィルム16のうちのプリズム層が形成されていない側が、型52に対面するようになる。
また、図4に示すように、樹脂製フィルム16の供給にともない、樹脂製フィルム16と成型用型52の型面52aとの間に、材料供給装置54から流動性を有する材料39が供給される。この材料39は、単位プリズム35およびランド部31を形成するようになる。ここで、「流動性を有する」とは、成型用型52の型面52aへ供給された材料39が、型面52aの凹部(図示せず)内に入り込み得る程度の流動性を有することを意味する。
供給される材料39としては、成型に用いられ得る種々の既知な材料を用いることができる。以下に示す例においては、材料供給装置54からアクリレート系の電離放射線硬化型樹脂が供給される例について説明する。電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、紫外線(UV)を照射されることにより硬化するUV硬化型樹脂や、電子線(EB)を照射されることによって硬化するEB硬化型樹脂を選択することができる。
その後、成型用基材としての樹脂製フィルム16は、型52の型面52aとの間を電離放射線硬化型樹脂によって満たされた状態で、硬化装置56に対向する位置を通過する。このとき、硬化装置56からは、電離放射線硬化型樹脂39の硬化特性に応じた電離放射線が放射されており、電離放射線は樹脂製フィルム16を透過して電離放射線硬化型樹脂39に照射される。電離放射線硬化型樹脂39が紫外線硬化型樹脂の場合には、硬化装置56は、例えば、高圧水銀燈等の紫外線照射装置とする。この結果、型面52aと樹脂製フィルム16との間に充填されている電離放射線硬化型樹脂39が硬化して、硬化した電離放射線硬化型樹脂39からなり単位プリズム35およびランド部31を含むプリズム層30が樹脂製フィルム16上に形成されるようになる。
その後、図4に示すように、樹脂製フィルム16が型52から離間し、これにともなって、型面52aの凹部内に成型された単位プリズム35が、型52と樹脂製フィルム16との間に位置するランド部31とともに図4中右方のローラ58部にて型52から引き離される。なお、このような成型方法においては、ランド部31が存在することによって、成型された単位プリズム35が、離型時に、型52の凹部内に部分的に残留してしまうことを効果的に防止することができる。
以上のようにして、ロール型として構成された成型用型52がその中心軸線CAを中心として一回転している間に、流動性を有した材料39を型52内に供給する工程と、型52内に供給された材料39を型52内で硬化させる工程と、硬化した材料39を型52から抜く工程と、が型52の型面52a上において順次実施されていき、プリズム層30が成型される。
以上のようにして、樹脂製フィルム16と、樹脂製フィルム16の一方の側に形成されたマット層20と、樹脂製フィルム16の他方の側に形成されたプリズム層30と、を有するシート材11が作製される。なお、上述した例とは異なり、プリズム層30が樹脂製フィルム16上に先に形成され、次に、マット層20が樹脂製フィルム16上に形成されるようにしてもよい。
次に、シート材11を打ち抜いて光学シート10を得る工程について、主に図5及び図6を参照しながら説明する。
図5には、この工程で使用され得る打ち抜き装置70の一例が示されている。図5に示された打ち抜き装置70は、打ち抜き刃72を有した打ち抜きヘッド71と、打ち抜きヘッド71に対向して配置された定盤75と、打ち抜きヘッド71および定盤75の間にあるシート材11を搬送する搬送手段77と、得られた光学シート11を回収する回収手段80と、光学シート11が打ち抜かれた後のシート材11を巻き取る巻き取り手段85と、を有している。
打ち抜きヘッド71の打ち抜き刃72は、打ち抜かれるべき光学シート11の外輪郭に沿った平面視形状を有している。一例として、所定の大きさの矩形状の光学シート10を作製する場合には、当該矩形状の四辺に対応して延びる周状の打ち抜き刃72が用いられる。そして、打ち抜き刃72を有した打ち抜きヘッド71は、図示は略すが、流体圧駆動するピズトン及びシリンダ機構によって、定盤75に向けて進むこと及び定盤75から離間することが可能となっている。搬送手段77は、二以上の案内ローラ78と、案内ローラ78に掛け渡された無端(すなわち周状)のベルト状部材79と、を有している。案内ローラ78は、ベルト状部材79の移動経路の内側に定盤75が位置するよう、配置されている。打ち抜き刃72は、種々の既知の刃、例えば、トムソン刃、エッチング刃、彫刻刃等を採用することができる。また、打抜き刃72は、表面にシリコン樹脂を被覆した炭素鋼製のものを使用することができ、其の他、チタニウム等の金属、セラミクス等からなるものも使用し得る。
次に、この打ち抜き装置70を用いてシート材11に打ち抜き加工を施し、光学シート10を得る方法について説明する。まず、シート材11が、搬送手段77のベルト状部材79と、当該ベルト状部材79の上方に配置された誘導ローラ86と、の間に送り込まれる。その後、シート材11は、搬送手段77のベルト状部材79上に載置された状態で、ベルト状部材79の移動にともなって移動するようになる。
ここで、シート材11が、定盤75の上方で打ち抜きヘッド71に対面する位置まで進むと、打ち抜きヘッド71が定盤75に接近する方向に進み、打ち抜きヘッド71の打ち抜き刃72がシート材11に接触するようになる。さらに、打ち抜きヘッド71は定盤75に接近する方向に進み、矩形周状の打ち抜き刃72がシート材11を貫通してベルト状部材79に接触するようになる。この結果、シート材11から光学シート10が打ち抜かれ、打ち抜き刃72の形状に対応した所定の外輪郭を有した光学シート10が得られる。
なお、このような打ち抜き工程中、定盤75は、打ち抜き対象となるシート材11を打ち抜きヘッド71とは反対の側から支持する。ただし、定盤75は固いため、シート材11を貫通した打ち抜き刃72が定盤75に接触すると、打ち抜き刃72は損傷してしまう。したがって、ここで説明する方法では、打ち抜き対象となるシート材11の打ち抜きヘッド71とは反対の側であって、当該打ち抜き対象のシート材11と定盤75との間のベルト状部材79を打ち抜き刃72が貫通しない位置で、打ち抜きヘッド71への定盤の側へ向けた移動が停止する。
すなわち、この装置において、搬送手段77のベルト状部材79は、シート材11を打ち抜いた打ち抜き刃72と定盤75との衝突による、打ち抜き刃72の割れや定盤75の欠けを防止するための緩衝材としても機能している。このような観点からベルト状部材79は、或る程度の弾性を有した材料、例えば、比較的に廉価なポリエチレンテレフタレート等の樹脂から形成されて、また、何度のかの使用後に廃棄される使い捨てとしてもよい。
なお、打ち抜きヘッド71の進退は高速で行われるため、打ち抜き刃72がシート材11に突き刺さっている間、シート材11は必ずしも停止している必要はない。その一方で、打ち抜き加工の精度をあげるため、打ち抜きヘッド71が進退する際に、シート材11が停止するようにしてもよい。あるいは、打ち抜きヘッド71が、搬送手段77によるシート材11の搬送方向に移動可能に構成され、打ち抜きヘッド71がシート材11と同期して移動している状態で、打ち抜き加工が行われるようにしてもよい。
以上のような打ち抜き加工が、ウェブ状のシート材11に対して連続して施されていき、シート材11の打ち抜かれた部分からなる枚葉状の光学シート10が順次得られる。なお、打ち抜き加工によって得られた光学シート10は、必ずしも最終使用状態での大きさとなっている必要はなく、その後に、更に各光学シートの用途に合わせて適切なサイズとなるよう加工されてもよい。
なお、図示する例では、得られた光学シート10は、順次、回収手段80によって回収され積み重ねられていく。そして、枚葉状の光学シート10は、最終的な使用態様に至るまで、多数積み重ねられた状態で搬送等の取り扱いを受ける。一方、光学シートを打ち抜かれた後の打ち抜き済みシート材12は、もはや用済みである。打ち抜き済みシート材12は、誘導ローラ87によって、ベルト状部材79によって引き続き搬送されている光学シート10から(図5においては右上に向かって)引き離され、巻き取り手段85によって、廃棄物として巻き取られる。
以上のように打ち抜き加工によって帯状のシート材11から所定形状及び寸法の枚葉化された光学シート10を抜き出す製造方法によれば、切削加工等によってシート材から光学シートを切り出す場合と比較して、切り子、削りかす、切断ばりが発生しない点で好ましい。作製された光学シートに切り子、削りかす等が付着してしまうと、或いは、作製された光学シート10が当該切り子、削りかす、切断ばり等によって損傷を受けると、付着した部位または損傷を受けた部位が輝点や欠点等の欠陥として視認されるようになる。したがって、打ち抜き加工を採用した本実施の形態の製造方法によれば、当該光学シートおよび当該光学シートが組み込まれる装置に予定された光学特性を安定して付与することができる。また、切り子や削りかすが発生しないので、打ち抜き装置70の周囲を清浄に保つことができる。これにより、煩雑な清掃作業の回数を減らすことも可能となる。
また、切削加工等によってシート材から光学シートを切り出す場合、切り出すべき光学シートの外輪郭に沿って工具を周状に進める必要がある。これに対して、打ち抜き加工によってシート材11から光学シート10を抜き出す製造方法によれば、打ち抜きヘッド71の高速往復動によって、光学シート10を得ることができる。すなわち、打ち抜き加工を採用した本実施の形態の製造方法によれば、品質面だけでなく、生産効率の面でも優れており、結果として、光学シートの製造原価を低減することができる。
ところで、打ち抜き加工によってシート材11から光学シート10を抜き出す製造方法によれば、切削加工等によってシート材11から光学シート10を切り出す場合と比較して、切り子、削りかす、切断ばりが発生しない点は上述した通りである。しかしながら、本件発明者が鋭意研究を重ねたところ、打ち抜き加工によって、シート材11から光学シート10を抜き取る場合にも、切り子、削りかす、切断ばりが発生しているかのような不具合が生じ得ることが確認された。このような現象は、従来技術の欄で説明したように、表示装置の高精細化にともなって顕在化することとなった。すなわち、打ち抜き加工によって、シート材11から光学シート10を抜き取る場合にも、光学シート10に異物が付着し、或いは、光学シート10が異物によって損傷され、結果として、光学シート10および当該光学シート10が組み込まれた最終製品が、当該部位において局所的に予定された光学機能を発揮することができなくなることが生じた。
本件発明者は、打ち抜き加工で得られた光学シートへの異物付着や打ち抜き加工で得られた光学シートの損傷の原因について、鋭意研究を重ねた結果として、次のことを知見した。
不具合が生じる打ち抜き加工法では、打ち抜き刃をプリズム面の側からシート材(光学シート)に進入させていた。また、欠陥が生じた光学シート(シート材)において、上述した条件(a)が満たされ、マット面の鉛筆硬度Hmがプリズム面の鉛筆硬度Hp以上となっていた。一方、打ち抜き加工で得られた光学シートに付着した異物(打ち抜きカス)の多くが、マット層中のバインダー樹脂や光拡散成分であった。実際に、打ち抜き加工で形成された光学シートの縁部を顕微鏡で観察したところ、割れや、割れを起点とした剥離・脱落が、マット層に生じていた。また、打ち抜き加工によって形成された光学シートの端面は、荒れており、打ち抜き刃で形成された切断面というよりは、光学シートのシート面に沿った引っ張り力によって破断した破断面のようであった。
そして、本件発明者は、このようなことを踏まえてさらに鋭意研究を続け、次の条件1を満たす場合に、上述した方法での打ち抜き加工中に、マット層20及びプリズム層30に割れが発生すること及びマット層20及びプリズム層30の一部分が剥離または脱落することを効果的に防止し得ることを確認した。条件1が満たされる場合には、光学シート10のプリズム層30をなす単位プリズム35の構成(頂角の角度θaの大きさ、単位プリズム35の配列ピッチ)に大きく依存することなく、すなわち、単位プリズム35の構成が上述した一般的な範囲であれば、マット層20及びプリズム層30に割れが発生すること、及び、マット層20及びプリズム層30の一部分が剥離または脱落することを効果的に防止することができた。また、モアレ対策として、単位プリズムの長手方向に対して打ち抜き刃を傾斜させて打ち抜き加工を行う場合にも、以下の条件1を満たすことが、マット層20及びプリズム層30への割れの発生を防止する上で有効であることが確認された。なお、以下の条件1は、上述した条件(a)、(b’’)及び(c’’)と、打ち抜き加工に関する条件と、を足し合わせた条件である。
〔条件1〕
上述した条件(a)を満たすシート材11(光学シート10)に対して、図6に示すように、プリズム面30aよりも硬いマット面20aから打ち抜き刃72が当該シート材11に接触し始めるようにして、打ち抜き加工を施す。あわせて、JISのK5600−5−4(1999年)に準拠して測定(荷重1000g、速度1mm/s)されたマット面20aの鉛筆硬度Hmが「H」以下であり、且つ、JISのK5600−5−4(1999年)に準拠して測定(荷重1000g、速度1mm/s)されたプリズム面30aの鉛筆硬度Hpが「HB」以下である。
このような条件1によって、打ち抜き加工にともなって光学シート10へ割れが発生すること、並びに、割れを起点として剥離または脱落したマット層20やプリズム層30のカス(打ち抜きカス)が光学シート10に付着して輝点や欠点等の欠陥を生じさせることを効果的に防止し得る原因は、正確には不明であるが、以下の点が一因になっているものと推測される。ただし、本発明は、以下の推定に拘束されるものではない。
図6に示すように、打ち抜き刃72は、刃先72aにおける厚みが最も薄く、刃先72aから離間するに連れて厚みが厚くなる。したがって、厚みが薄い刃先72aのみがシート材11(光学シート10)へ突き入れられた際、刃先72aがシート材11を切断するようにシート材11内へ進む。しかしながら、図6に二点鎖線で示すように、刃先72aがシート材11内へ深く入り込んだとき、打ち抜き刃72の厚みが厚い部分までもがシート材11内へ入り込む。
このため、打ち抜き刃72がプリズム面30aの側からシート材(光学シート)へ進入していた従来の方法では、刃先72aがマット面20aに到達してさらにマット面20aを貫通する前に、シート材11(光学シート10)のシート面に沿った力によって、シート材11の硬いマット層20が引き裂かれていたものと推測される。この結果、打ち抜き刃72がプリズム面30aの側からシート材へ進入する従来の打ち抜き加工によって形成された光学シートの端面は、荒れた面となり、この荒れた端面の周辺となるマット層20に割れが生じていたものと考えられる。
一方、条件1を採用した場合、打ち抜き刃72は、より硬いマット面20aの側からシート材11(光学シート10)へ進入する。したがって、打ち抜き刃72は、刃先72aによってマット層20を切断するように、シート材11へ進む。一方、最も大きな引き裂き力を加えられるプリズム層30は、マット層20と比較してより弾性を示す。したがって、打ち抜き刃72の刃先72aで切断される前に、プリズム層30が破断してしまうことを効果的に回避することができる。結果として、打ち抜き刃72は、より硬いマット面20aの側からシート材11へ進入する場合には、打ち抜き刃72の刃先72aが、シート材11の全厚み分に亘って当該シート材11を切断するようになる。この場合、打ち抜き加工によって形成された光学シート10の端面は、平坦な面となり、且つ、この端面の近傍におけるマット層20への割れの発生が効果的に抑制されるようになっているものと推測される。
またこのように、シート材11(光学シート10)が打ち抜き刃72の刃先72aによって切断されるようにして分断される場合、シート材が引き裂かれるようにして分断される従来と比較して、打ち抜きによって得られる際の光学シート10のシート面への移動が抑制される。図5及び図6に示された例では、打ち抜き加工時における光学シート10のベルト状部材79及び定盤75上での移動が抑制される。この結果、光学シート10(シート材11)を安定して支持しながら打ち抜き加工を行うことが可能となり、ベルト状部材79との擦れ等に起因した単位プリズム35の頂部の損傷やプリズム面30aへの割れの発生を効果的に抑制することができる。
なお、本件発明者が鋭意研究を重ねたところ、マット層20の側から打ち抜き刃72を入れる場合であっても、マット面20aの鉛筆硬度Hmが「2H」以上であると、マット層20の弾性が著しく低下して、割れや、この割れを起点とする剥離がマット層20に生じた。割れや剥離が生じた。また、割れや、この割れを起点とする剥離がマット層20に生じることをより確実に回避する観点からは、マット面20aの鉛筆硬度Hmは「F」以下であることが好ましい。同様に、マット層20の側から打ち抜き刃72を入れる場合であっても、プリズム面30aの鉛筆硬度が「F」以上であると、プリズム層30の弾性が著しく低下して、割れや、この割れを起点とする剥離がプリズム層30に生じた。また、割れや、この割れを起点とする剥離がプリズム層30に生じることをより確実に回避する観点からは、プリズム面30aの鉛筆硬度Hpは「B」以下であることが好ましい。
ところで、本件発明者は、打ち抜き加工の加工条件を最適化する研究を行う過程の中で、得られた光学シートのその後の取り扱い中や使用中に、マット層20が基材層15から剥離してしまうことを効果的に防止し得る光学シート10を見出すにいたった。以下、この光学シート10の構成について、主として図7および図8を参照しながら説明する。なお、以下に説明する図7および図8中の光学シート10は、上述した条件1を採用し、加工条件を通常用いられる範囲内で適宜調整することによって、作製され得る。
図7は、光学シート10の法線方向ndに沿った断面において、当該光学シート10を示している。図7に示すように、光学シート10の法線方向ndに沿った断面におけるマット層20のマット面20aの外輪郭は、端面20cの近傍である端部領域EZ内の拡散成分21が存在しない領域において、法線方向ndに直交する方向(言い換えると、光学シート10のシート面と平行な方向pd)に沿ってこの端面20cに接近するにつれて、法線方向ndにおいてしだいに基材層15の側にずれていっている。
なお、ここでいう、マット層20のマット面20aの外輪郭がしだいに基材層15の側にずれていくとは、マット層20のマット面20aの外輪郭が常に法線方向ndに沿って基材層15の側にずれ続けることのみを意味するのではなく、マット面20aの外輪郭が、一部の区域において、光学シート10のシート面と平行となっていてもよい。すなわち、法線方向ndに沿った断面におけるマット層20のマット面20aの外輪郭は、端部領域EZ内の拡散成分21が存在しない領域において、法線方向ndに直交する方向pdに対して傾斜した直線、曲線、または、法線方向ndに直交する方向pdに対して傾斜した直線と曲線との組み合わせ、或いは、これらと法線方向ndに直交する直線との組み合わせとして、画成される。
また、ここでいう端部領域EZとは、端面20cの近傍であって、光学シート10の表面10aがその他の領域に対して反っている領域のことである。言い換えると、端部領域EZとは、端面20cの近傍であって、表面20aが光学シート10のシート面と平行ではなくなっている領域のことである。
このような光学シート10によれば、例えば当該光学シート10のマット層20上に重ねられた他の光学シート10等の他の部材によって、当該光学シートが擦り付けられたとしても、他の部材からの摩擦力が、端部領域EZ内のマット層20に大きく加えられない。すなわち、マット層20の剥離の起点となりやすい端部領域EZにおいて、マット層20を基材層15から剥離させようとする力が、マット層20に加えられ辛くすることができる。この結果、このような光学シート10によれば、搬送等の取り扱い中や、他の部材と重ねられての使用中等に、マット層20が基材層15から剥離することが効果的に防止され、安定した品質を維持し続けることができる。
とりわけ、図7に示された例では、光学シート10の法線方向ndに沿った断面におけるマット層20のマット面20aの外輪郭は、端部領域EZ内の拡散成分21が存在しない領域において、この端面20cに向かって法線方向ndに直交する方向pdに沿って接近するにつれて、法線方向ndにおいて基材層15の側にずれ続けていく。このような態様によれば、上述した他の部材との擦り合わせが極めて滑らかとなり、上述した作用効果がより顕著に発揮されて、マット層20の剥離が極めて効果的に防止され得る。
また、図8は、光学シート10の法線方向ndに沿った断面において、当該光学シート10のマット層20端面20cを示している。とりわけ図8は、図7の点線で囲まれた領域を拡大して示している。
図8に示すように、マット層20の端面20cは、光学シート10の法線方向ndに沿った断面において、マット面20aと交わる外側端部20caよりも内側面20bと交わる内側端部20cbにおいて、法線方向ndに直交する方向pdに沿った外方に位置する。言い換えると、端面20cは、法線方向ndに沿った断面において、外側端部20caよりも内側端部20cbにおいて、光学シート10のシート面と平行な方向pdに沿って、外方に、すなわち、光学シート10の中央から離間する側に位置している。
さらに、図8に示すように、光学シート10の法線方向ndに沿った断面におけるマット層20の端面20cの外輪郭は、外側端部20caから内側端部20cbに向かうにつれて、法線方向ndに直交する方向においてしだいに外方にずれていっている。すなわち、法線方向ndに沿った断面における端面20cの外輪郭は、外側端部20caから内側端部20cbに向かうにつれて、光学シート10のシート面と平行な方向pdに沿って、外方に、すなわち、光学シート10の中央から離間する側にずれていっている。
なお、ここでいう、マット層20の端面20cの外輪郭が法線方向ndに直交する方向pdにおいてしだいに外方にずれていっているとは、マット層20の端面20cの外輪郭が常に法線方向ndに直交する方向pdに沿って外方にずれ続けることのみを意味するのではなく、端面20cの外輪郭が、一部の区域において、法線方向ndと平行になっていてもよい。すなわち、法線方向ndに沿った断面におけるマット層20の端面20cの外輪郭は、法線方向ndに対して傾斜した直線、曲線、または、法線方向ndに対して傾斜した直線と曲線との組み合わせ、或いは、これらと法線方向ndに平行な直線との組み合わせとして、画成される。
このような光学シート10によっても、マット層20の剥離の起点となりやすいマット層20の内側端部20cbに、マット層20を基材層15から剥離させようとする力が、マット層20の端面20cを介して、加えられ辛くすることができる。この結果、このような光学シート10によれば、搬送等の取り扱い中や使用中等に、例えば他の部材と法線方向ndに擦り付けられることに起因して、マット層20が基材層15から剥離することが効果的に防止され、安定した品質を維持し続けることができる。
とりわけ、図8に示された例では、光学シート10の法線方向ndに沿った断面におけるマット層20の端面20cの外輪郭は、外側端部20caから内側端部20cbに向かうにつれて、法線方向ndに直交する方向pdにおいて外方にずれ続けていく。このような態様によれば、上述した作用効果がより顕著に発揮されて、マット層20の剥離が極めて効果的に防止され得る。
以上のような本実施の形態によれば、光学シート10の割れの発生を効果的に防止することができる。また、以上のような本実施の形態によれば、光学シート10からマット層20が剥離しにくくすることができる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、変形の一例について説明する。
例えば、上述した実施の形態において、樹脂製フィルム16上にプリズム層30が先に形成され、その後、樹脂製フィルム16上にマット層20が形成される例を示したが、これに限られず、樹脂製フィルム16上にマット層20が先に形成され、その後、樹脂製フィルム16上にプリズム層30が形成されるようにしてもよい。
また、上述した実施の形態において、電離放射線硬化型樹脂を用いた賦型によってプリズム層30を樹脂製フィルム16上に形成する例を示したが、これに限られない。熔融押し出し成型によって、基材層15とプリズム層30とが同一の樹脂によって成型されてもよい。なお、この例においては、基材層15とプリズム層30との間に界面が存在しないようにすることができる。
さらに、上述した実施の形態では、光学シートの製造方法に、シート材11を作製する工程が含まれている例、すなわち、あたかも、シート材11が連続的に作製され、作製されてくシート材11に対して打ち抜き加工が実施されていくような例を示した。しかしながら、打ち抜き工程へのシート材11の供給にあわせて、都度、シート材11を作製する必要はない。まとめて作製しておいたシート材または別の場所で作製されて搬送されてきたシート材(例えばロール状に巻き取られて貯め置きされていたシート材)を、必要量だけ、打ち抜き装置70に供給するようにしてもよい。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
以下に説明するようにして、サンプル1〜32に係る光学シートを作製した。サンプル1〜16は、上述した実施の形態にて図3〜図6を参照しながら説明した製造方法にて、作製した。すなわち、まず、図3及び図4を参照して説明した方法にてシート材を作製し、次に図5及び図6を参照して説明した方法にて、マット面の側からプリズム面の側へとシート材に打ち抜き刃を入れる打ち抜き加工にて、各サンプルに係る光学シートを作製した。一方、サンプル17〜32については、サンプル1〜16と同様にしてシート材を作製し、次に、プリズム面の側からマット面の側へとシート材に打ち抜き刃を入れる打ち抜き加工にて、シート材から各サンプルに係る光学シートを得た。打ち抜き加工に用いた打ち抜き刃は、サンプル1〜32の間で共通とし、頂角が30°である鏡面仕上げの両刃となっているトムソン刃を用いた。
シート材は、厚さ125μmの二軸延伸ポリエチレンテレフタレート製の樹脂製フィルムの一方の面上に、以下のプリズム層形成用組成物A1〜A4のいずれか一つを用いて、ランド部及び単位プリズムからなるプリズム層を形成し、且つ、当該樹脂製フィルムの他方の面上に、以下のマット層形成用組成物B1〜B4のいずれか一つを用いて、マット層を形成した。サンプル1〜32の間で、マット層及びプリズム層の形成に用いられる組成物を変更したが、その他についてはマット層及びプリズム層を同一の条件にて形成した。プリズム層に含まれる複数の単位プリズムは、互いに同一に構成し、各単位プリズムは、図2の断面形状をその長手方向に沿った各位置にて有するものとした。プリズム層に含まれる複数の単位プリズムは、34μmのピッチで樹脂製フィルム上に隙間無く形成し、単位プリズムの頂角の角度θaを66°とした。
〔プリズム層形成用組成物A1:プリズム面の鉛筆硬度「2B」〕
・プレポリマー(カプロラクトン変性ウレタンアクリレート): 11質量部
・プレポリマー(トリレンジイソシアネート系ウレタンアクリレート):
8質量部
・2官能モノマー(ビスフェノールAジアクリレート): 52質量部
・3官能モノマー(グリセリンエポキシトリアクリレート): 25質量部
・開始剤(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド):
2.5質量部
・滑剤(リン酸エステル系滑剤): 1質量部
〔プリズム層形成用組成物A2:プリズム面の鉛筆硬度「B」〕
・プレポリマー(カプロラクトン変性ウレタンアクリレート): 11質量部
・プレポリマー(トリレンジイソシアネート系ウレタンアクリレート):
8質量部
・2官能モノマー(ビスフェノールAジアクリレート): 47質量部
・3官能モノマー(グリセリンエポキシトリアクリレート): 30質量部
・開始剤(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド):
2.5質量部
・滑剤(リン酸エステル系滑剤): 1質量部
〔プリズム層形成用組成物A3:プリズム面の鉛筆硬度「HB」〕
・プレポリマー(カプロラクトン変性ウレタンアクリレート): 11質量部
・プレポリマー(エチレンオキサイド変性ビフェニロキシエチルアクリレート):
8質量部
・2官能モノマー(ネオペンチルグリコールメタクリレート): 24質量部
・2官能モノマー(ビスフェノールAジアクリレート): 23質量部
・3官能モノマー(グリセリンエポキシトリアクリレート): 30質量部
・開始剤(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド):
2.5質量部
・滑剤(リン酸エステル系滑剤): 1質量部
〔プリズム層形成用組成物A4:プリズム面の鉛筆硬度「F」〕
・プレポリマー(カプロラクトン変性ウレタンアクリレート): 11質量部
・プレポリマー(エチレンオキサイド変性ビフェニロキシエチルアクリレート):
8質量部
・2官能モノマー(ネオペンチルグリコールメタクリレート): 30質量部
・2官能モノマー(ビスフェノールAジアクリレート): 17質量部
・3官能モノマー(グリセリンエポキシトリアクリレート): 35質量部
・開始剤(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド):
2.5質量部
・滑剤(リン酸エステル系滑剤): 1質量部
〔マット層形成用組成物B1:プリズム面の鉛筆硬度「HB」〕
・フッ素原子含有ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂 99質量部
・微粒子
(平均粒子径2.5μmで単分散の球形状の架橋アクリル系樹脂ビーズ):
1質量部
・光開始剤「Irgacure(登録商標)184」
(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン): 1質量部
・溶剤(メチルイソブチルケトン:シクロヘキサノン=1:1質量比):
適量
〔マット層形成用組成物B2:プリズム面の鉛筆硬度「F」〕
・フッ素原子含有ウレタンアクリレート系紫外線硬化性樹脂 49.5質量部
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 49.5質量部
・微粒子
(平均粒子径2.5μmで単分散の球形状の架橋アクリル系樹脂ビーズ):
1質量部
・光開始剤「Irgacure(登録商標)184」
(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン): 1質量部
・溶剤(メチルイソブチルケトン:シクロヘキサノン=1:1質量比):
適量
〔マット層形成用組成物B3:プリズム面の鉛筆硬度「H」〕
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 99質量部
・微粒子
(平均粒子径2.5μmで単分散の球形状の架橋アクリル系樹脂ビーズ):
1質量部
・光開始剤「Irgacure(登録商標)184」
(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン): 1質量部
・溶剤(メチルイソブチルケトン:シクロヘキサノン=1:1質量比):
適量
〔マット層形成用組成物B4:プリズム面の鉛筆硬度「2H」〕
・ペンタエリスリトールトリアクリレート 49.5質量部
・ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 49.5質量部
・微粒子
(平均粒子径2.5μmで単分散の球形状の架橋アクリル系樹脂ビーズ):
1質量部
・光開始剤「Irgacure(登録商標)184」
(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン): 1質量部
・溶剤(メチルイソブチルケトン:シクロヘキサノン=1:1質量比):
適量
〔サンプル1:実施例1〕
プリズム層形成用組成物A1を用いてプリズム面の鉛筆硬度Hpが「2B」であるプリズム層と、マット層形成用組成物B1を用いてマット面の鉛筆硬度Hmが「HB」であるマット層と、を樹脂製フィルム上に形成することによりシート材を作製した。マット面の側からプリズム面の側へとシート材に打ち抜き刃を入れる打ち抜き加工にて、シート材からサンプル1に係る光学シートを作製した。
〔サンプル2:実施例2〕
プリズム層形成用組成物A1を用いてプリズム面の鉛筆硬度Hpが「2B」であるプリズム層をと、マット層形成用組成物B2を用いてマット面の鉛筆硬度Hmが「F」であるマット層と、を樹脂製フィルム上に形成することによりシート材を作製した。マット面の側からプリズム面の側へとシート材に打ち抜き刃を入れる打ち抜き加工にて、シート材からサンプル2に係る光学シートを作製した。
〔サンプル3:実施例3〕
プリズム層形成用組成物A1を用いてプリズム面の鉛筆硬度Hpが「2B」であるプリズム層と、マット層形成用組成物B3を用いてマット面の鉛筆硬度Hmが「H」であるマット層と、を樹脂製フィルム上に形成することによりシート材を作製した。マット面の側からプリズム面の側へとシート材に打ち抜き刃を入れる打ち抜き加工にて、シート材からサンプル3に係る光学シートを作製した。
〔サンプル4:比較例1〕
プリズム層形成用組成物A1を用いてプリズム面の鉛筆硬度Hpが「2B」であるプリズム層と、マット層形成用組成物B4を用いてマット面の鉛筆硬度Hmが「2H」であるマット層と、を樹脂製フィルム上に形成することによりシート材を作製した。マット面の側からプリズム面の側へとシート材に打ち抜き刃を入れる打ち抜き加工にて、シート材からサンプル4に係る光学シートを作製した。
〔サンプル5:実施例4〕
プリズム層形成用組成物A2を用いてプリズム面の鉛筆硬度Hpが「B」であるプリズム層と、マット層形成用組成物B1を用いてマット面の鉛筆硬度Hmが「HB」であるマット層と、を樹脂製フィルム上に形成することによりシート材を作製した。マット面の側からプリズム面の側へとシート材に打ち抜き刃を入れる打ち抜き加工にて、シート材からサンプル5に係る光学シートを作製した。
〔サンプル6:実施例5〕
プリズム層形成用組成物A2を用いてプリズム面の鉛筆硬度Hpが「B」であるプリズム層をと、マット層形成用組成物B2を用いてマット面の鉛筆硬度Hmが「F」であるマット層と、を樹脂製フィルム上に形成することによりシート材を作製した。マット面の側からプリズム面の側へとシート材に打ち抜き刃を入れる打ち抜き加工にて、シート材からサンプル6に係る光学シートを作製した。
〔サンプル7:実施例6〕
プリズム層形成用組成物A2を用いてプリズム面の鉛筆硬度Hpが「B」であるプリズム層と、マット層形成用組成物B3を用いてマット面の鉛筆硬度Hmが「H」であるマット層と、を樹脂製フィルム上に形成することによりシート材を作製した。マット面の側からプリズム面の側へとシート材に打ち抜き刃を入れる打ち抜き加工にて、シート材からサンプル7に係る光学シートを作製した。
〔サンプル8:比較例2〕
プリズム層形成用組成物A2を用いてプリズム面の鉛筆硬度Hpが「B」であるプリズム層と、マット層形成用組成物B4を用いてマット面の鉛筆硬度Hmが「2H」であるマット層と、を樹脂製フィルム上に形成することによりシート材を作製した。マット面の側からプリズム面の側へとシート材に打ち抜き刃を入れる打ち抜き加工にて、シート材からサンプル8に係る光学シートを作製した。
〔サンプル9:実施例7〕
プリズム層形成用組成物A3を用いてプリズム面の鉛筆硬度Hpが「HB」であるプリズム層と、マット層形成用組成物B1を用いてマット面の鉛筆硬度Hmが「HB」であるマット層と、を樹脂製フィルム上に形成することによりシート材を作製した。マット面の側からプリズム面の側へとシート材に打ち抜き刃を入れる打ち抜き加工にて、シート材からサンプル9に係る光学シートを作製した。
〔サンプル10:実施例8〕
プリズム層形成用組成物A3を用いてプリズム面の鉛筆硬度Hpが「HB」であるプリズム層をと、マット層形成用組成物B2を用いてマット面の鉛筆硬度Hmが「F」であるマット層と、を樹脂製フィルム上に形成することによりシート材を作製した。マット面の側からプリズム面の側へとシート材に打ち抜き刃を入れる打ち抜き加工にて、シート材からサンプル10に係る光学シートを作製した。
〔サンプル11:実施例9〕
プリズム層形成用組成物A3を用いてプリズム面の鉛筆硬度Hpが「HB」であるプリズム層と、マット層形成用組成物B3を用いてマット面の鉛筆硬度Hmが「H」であるマット層と、を樹脂製フィルム上に形成することによりシート材を作製した。マット面の側からプリズム面の側へとシート材に打ち抜き刃を入れる打ち抜き加工にて、シート材からサンプル11に係る光学シートを作製した。
〔サンプル12:比較例3〕
プリズム層形成用組成物A3を用いてプリズム面の鉛筆硬度Hpが「HB」であるプリズム層と、マット層形成用組成物B4を用いてマット面の鉛筆硬度Hmが「2H」であるマット層と、を樹脂製フィルム上に形成することによりシート材を作製した。マット面の側からプリズム面の側へとシート材に打ち抜き刃を入れる打ち抜き加工にて、シート材からサンプル12に係る光学シートを作製した。
〔サンプル13:比較例4〕
プリズム層形成用組成物A4を用いてプリズム面の鉛筆硬度Hpが「F」であるプリズム層と、マット層形成用組成物B1を用いてマット面の鉛筆硬度Hmが「HB」であるマット層と、を樹脂製フィルム上に形成することによりシート材を作製した。マット面の側からプリズム面の側へとシート材に打ち抜き刃を入れる打ち抜き加工にて、シート材からサンプル13に係る光学シートを作製した。
〔サンプル14:比較例5〕
プリズム層形成用組成物A4を用いてプリズム面の鉛筆硬度Hpが「F」であるプリズム層をと、マット層形成用組成物B2を用いてマット面の鉛筆硬度Hmが「F」であるマット層と、を樹脂製フィルム上に形成することによりシート材を作製した。マット面の側からプリズム面の側へとシート材に打ち抜き刃を入れる打ち抜き加工にて、シート材からサンプル14に係る光学シートを作製した。
〔サンプル15:比較例6〕
プリズム層形成用組成物A4を用いてプリズム面の鉛筆硬度Hpが「F」であるプリズム層と、マット層形成用組成物B3を用いてマット面の鉛筆硬度Hmが「H」であるマット層と、を樹脂製フィルム上に形成することによりシート材を作製した。マット面の側からプリズム面の側へとシート材に打ち抜き刃を入れる打ち抜き加工にて、シート材からサンプル15に係る光学シートを作製した。
〔サンプル16:比較例7〕
プリズム層形成用組成物A4を用いてプリズム面の鉛筆硬度Hpが「F」であるプリズム層と、マット層形成用組成物B4を用いてマット面の鉛筆硬度Hmが「2H」であるマット層と、を樹脂製フィルム上に形成することによりシート材を作製した。マット面の側からプリズム面の側へとシート材に打ち抜き刃を入れる打ち抜き加工にて、シート材からサンプル16に係る光学シートを作製した。
〔サンプル17〜32:比較例8〜23〕
サンプル17〜32に係る各光学シートは、プリズム面の側からマット面の側へとシート材に打ち抜き刃を入れる打ち抜き加工にて、シート材から各サンプルに係る光学シートを作製した。サンプル17〜32に係る各光学シートの作製に用いられたシート材は、それぞれ、サンプル1〜16に係る各光学シートの作製に用いられたシート材と同一とした。
なお、プリズム層形成用組成物A1〜A4を用いて形成される各プリズム層、並びに、マット層形成用組成物B1〜B4を用いて形成される各マット層のマルテンス硬度及び回復率を調査した。調査結果を表1に示す。なお、マルテンス硬さ(硬度)とは、硬度指標の一種であり、(株)フィッシャー・インストルメンツ製の微小硬さ試験機(PICODENTOR(登録商標) HM500、ISO14577−1)を用いて測定することができる。マルテンス硬さ試験に於ける回復率とマルテンス硬度は、上記HM500の微小硬さ試験機を用いて測定した特性値である。具体的には、該微小硬さ試験機を用いた硬さ試験で、一定の押し込み荷重のときの押し込み深さ(μm)から、算出された硬度を意味する。押し込み荷重は、光学シートに対する法線方向の荷重を意味し、押し込み深さは押し込まれる前の測定面の界面を0とし、荷重を加えたとき(荷重時)の前記界面の深を表す。そして、回復率(%)とは、下記〔式1〕で算出される。
打ち抜き加工を経て得られた各サンプルに係る光学シートについて、マット面およびプリズム面に割れが発生しているか否かについて調査した。結果を表2及び表3に示す。
表2及び表3における「プリズム層」の欄には、割れが確認されたサンプルに対して「×」を付し、割れは確認されなかったが、打ち抜き加工で形成された端面が荒れていたサンプルに対して「△」を付し、割れ及び端面の荒れが確認されなかったサンプルに対して「○」を付した。表2及び表3における「マット層」の欄には、マット面に割れが確認されなかったサンプルに対して「○」を付し、打ち抜き加工で形成された端面から10μm未満となるマット面上の領域に割れが発生していたサンプルに対して「△」を付し、打ち抜き加工で形成された端面から10μm以上離れたマット面上の領域に割れが発生していたサンプルに対して「×」を付した。なお、本件発明者らが実験を重ねたところ、打ち抜き加工で形成された端面から10μm未満となるマット面上の領域に割れが生じたとしても、当該割れを起点として剥離または脱落する打ち抜きカスは、非常に微小であり、この光学シートが表示装置に組み込まれたとしても欠陥を生じさせるものではなかった。
さらに、表2及び表3における「判定」の欄には、「プリズム層」の評価及び「マット層」の評価のいずれかが×となったサンプルに対して「×」を付し、「プリズム層」の評価及び「マット層」の評価が共に△となったサンプルに対して「△」を付し、「プリズム層」の評価及び「マット層」の評価のうち一方が○で他方が△となったサンプルに対して「○」を付し、「プリズム層」の評価及び「マット層」の評価が共に○となったサンプルに対して「◎」を付した。さらに、図10には、サンプル1〜16について、表2における「判定」の欄の結果を、各サンプルの表面の鉛筆硬度Hm,Hpとともに、示している。
マット面の側からプリズム面の側へとシート材に打ち抜き刃を入れる打ち抜き加工にて作製されたサンプルに係る光学シートのうち、条件(a)、(b’’)及び(c’’)を満たすサンプルに係る光学シートについては、判定が◎、○または△となった。
Hp ≦ Hm ・・・(a)
Hp ≦ HB ・・・(b’’)
Hm ≦ H ・・・(c’’)
また、マット面の側からプリズム面の側へとシート材に打ち抜き刃を入れる打ち抜き加工にて作製されたサンプルに係る光学シートのうち、条件(a)、(d’’)及び(e’’)を満たすサンプルに係る光学シートについては、判定が◎となった。
Hp ≦ Hm ・・・(a)
Hp ≦ B ・・・(d’’)
Hm ≦ F ・・・(e’’)
図11は、光学シートのマット面に発生した割れの状況を示す斜視図である。図11に示すように、マット面20aに発生した割れcは、打ち抜き加工で形成された光学シートの端面に沿って延びていた。端面から割れまでの最長距離da,dbは、マット面20aの鉛筆硬度Hmが硬くなるにつれて長くなる傾向が生じた。つまり、マット面20aの鉛筆硬度Hmが硬い光学シートにおいては、端面から遠く離れた位置にも、割れcが発生していた。また、プリズム層30の側から打ち抜き刃72を入れる打ち抜き加工で得られたサンプル17〜32に係る光学シートでは、マット面20a上に割れcが明瞭に確認される傾向があり、最長距離da,dbも長くなる傾向が生じた。一方、マット層20の側から打ち抜き刃72を入れる打ち抜き加工で得られたサンプルに係る光学シートのいくつかについても、マット面20aに割れが発生したが、最長距離da,dbは、プリズム層30の側から打ち抜き刃72を入れる打ち抜き加工で得られたサンプル17〜32に係る光学シートについての最長距離da,dbと比較して格段に短くなる傾向が生じた。さらに、プリズム層30の側から打ち抜き刃72を入れる打ち抜き加工で得られたサンプル17〜32に係る光学シートについては、マット層20の側から打ち抜き刃72を入れる打ち抜き加工で得られたサンプル1〜16に係る光学シートと比較して、打ち抜き加工で形成された端面が大きく荒れていた。
ここで図12には、サンプル6に係る光学シートと、このサンプル6と同一のシート材を用いて異なる打ち抜き加工により得られたサンプル22に係る光学シートと、を顕微鏡観察した写真が示されている。マット層20の側から打ち抜き刃72を入れる打ち抜き加工で得られたサンプル6に係る光学シートについては、打ち抜き加工で形成された端面が平坦であるであるのに対し、プリズム層30の側から打ち抜き刃72を入れる打ち抜き加工で得られたサンプル22に係る光学シートについては、打ち抜き加工で形成された端面が大きく荒れている。
10 光学シート
11 シート材
15 基材層
16 樹脂製フィルム
20 マット層
20a マット面
20b 内側面
20c 端面
20ca 外側端部
20cb 内側端部
21 拡散成分(拡散粒子)
22 バインダー樹脂
23 樹脂材料
30 プリズム層
30a プリズム面
31 ランド部
35 単位プリズム
39 材料
40 面光源装置
41 導光板
42 光源
45 表示装置
46 液晶表示パネル
50 プリズム層形成装置、賦型装置
60 マット層形成装置
70 打ち抜き装置、打ち抜き機
71 打ち抜きヘッド
72a 打ち抜き刃
72 刃先
75 定盤
77 搬送手段
79 ベルト状部材

Claims (13)

  1. 対向する一対の表面を有する光学シートであって、
    シート状の基材層と、
    拡散成分およびバインダー樹脂を含み、前記基材層の一方の側に設けられたマット層と、
    一方向に配列された複数の単位プリズムであって、各々が前記一方向と交差する方向に線状に延びる、複数の単位プリズムを含み、前記基材層の他方の側に設けられたプリズム層と、を備え、
    前記一対の表面のうちの一方が、前記マット層によるマット面として形成され、
    前記一対の表面のうちの他方が、前記プリズム層の前記単位プリズムによるプリズム面として形成され、
    JIS K5600−5−4(1999年)に準拠して測定(荷重1000g、速度1mm/s)された前記プリズム面の鉛筆硬度Hpおよび前記マット面の鉛筆硬度Hmが、次の条件(a)、(b)及び(c)を満たし、
    Hp ≦ Hm ・・・(a)
    2B ≦ Hp ≦ HB ・・・(b)
    HB ≦ Hm ≦ H ・・・(c)
    前記マット層は、前記マット面と、前記マット面とは反対側の面であって前記基材層に対面する内側面と、前記内側面と前記マット面との間の端面と、を含み、
    前記端面は、前記光学シートの法線方向に沿った断面において、前記マット面と交わる外側端部よりも前記内側面と交わる内側端部において、前記法線方向に直交する方向に沿った外方に位置する、光学シート。
  2. 前記光学シートの法線方向に沿った断面における前記端面の外輪郭は、前記外側端部から前記内側端部に向かうにつれて、前記法線方向に直交する方向においてしだいに外方にずれる、請求項1に記載の光学シート。
  3. 前記光学シートの法線方向に沿った断面における前記マット面の外輪郭は、前記端面の近傍である端部領域のうちの前記拡散粒子が存在しない領域において、この端面に前記法線方向に直交する方向に沿って接近するにつれて、前記法線方向においてしだいに前記基材層の側にずれる、請求項1又は2に記載の光学シート。
  4. 対向する一対の表面を有する光学シートであって、
    シート状の基材層と、
    拡散成分およびバインダー樹脂を含み、前記基材層の一方の側に設けられたマット層と、
    一方向に配列された複数の単位プリズムであって、各々が前記一方向と交差する方向に線状に延びる、複数の単位プリズムを含み、前記基材層の他方の側に設けられたプリズム層と、を備え、
    前記一対の表面のうちの一方が、前記マット層によるマット面として形成され、
    前記一対の表面のうちの他方が、前記プリズム層の前記単位プリズムによるプリズム面として形成され、
    JIS K5600−5−4(1999年)に準拠して測定(荷重1000g、速度1mm/s)された前記プリズム面の鉛筆硬度Hpおよび前記マット面の鉛筆硬度Hmが、次の条件(a)、(b)及び(c)を満たし、
    Hp ≦ Hm ・・・(a)
    2B ≦ Hp ≦ HB ・・・(b)
    HB ≦ Hm ≦ H ・・・(c)
    前記マット層は、前記マット面と、前記マット面とは反対側の面であって前記基材層に対面する内側面と、前記内側面と前記マット面との間の端面と、を含み、
    前記光学シートの法線方向に沿った断面における前記マット面の外輪郭は、前記端面の近傍である端部領域のうちの前記拡散粒子が存在しない領域において、この端面に前記法線方向に直交する方向に沿って接近するにつれて、前記法線方向においてしだいに前記基材層の側にずれる、光学シート。
  5. 前記プリズム面の前記鉛筆硬度Hpおよび前記マット面の鉛筆硬度Hmが、次の条件(d)及び(e)を満たす、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光学シート。
    2B ≦ Hp ≦ B ・・・(d)
    HB ≦ Hm ≦ F ・・・(e)
  6. 前記光学シートの法線方向及び前記一方向の両方に平行な主切断面において、前記単位プリズムは、前記基材層上に一辺が位置し且つ当該一辺に対する頂角の角度が70°未満となっている三角形形状の断面を有する、請求項1〜5に記載の光学シート。
  7. 前記単位プリズムの配列ピッチが60μm以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光学シート。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載された光学シートを備える面光源装置。
  9. 請求項8に記載の面光源装置を備える表示装置。
  10. 対向する一対の表面を有するシート材を打ち抜くことによって、光学シートを得る工程を備え、
    前記シート材は、
    シート状の基材層と、
    拡散成分およびバインダー樹脂を含み、前記基材層の一方の側に設けられたマット層と、
    一方向に配列された複数の単位プリズムであって、各々が前記一方向と交差する方向に線状に延びる、複数の単位プリズムを含み、前記基材層の他方の側に設けられたプリズム層と、を有し、
    前記一対の表面のうちの一方が、前記マット層によるマット面として形成され、
    前記一対の表面のうちの他方が、前記プリズム層の前記単位プリズムによるプリズム面として形成され、
    JIS K5600−5−4(1999年)に準拠して測定(荷重1000g、速度1mm/s)された前記プリズム面の鉛筆硬度Hpおよび前記マット面の鉛筆硬度Hmが、次の条件(a)、(b)及び(c)を満たし、
    Hp ≦ Hm ・・・(a)
    Hp ≦ HB ・・・(f)
    Hm ≦ H ・・・(g)
    前記打ち抜く工程において、前記マット面の側から前記プリズム面の側へと前記シート材に打ち抜き刃を入れる、光学シートの製造方法。
  11. 前記プリズム面の前記鉛筆硬度Hpおよび前記マット面の鉛筆硬度Hmが、次の条件(d)及び(e)を満たす、請求項10に記載の光学シートの製造方法。
    Hp ≦ B ・・・(h)
    Hm ≦ F ・・・(i)
  12. 前記シート材の法線方向及び前記一方向の両方に平行な主切断面において、前記単位プリズムは、前記基材層上に一辺が位置し且つ当該一辺に対する頂角の角度が70°未満となっている三角形形状の断面を有する、請求項10又は11に記載の光学シートの製造方法。
  13. 前記単位プリズムの配列ピッチが60μm以下である、請求項10〜12のいずれか一項に記載の光学シートの製造方法。
JP2013204737A 2013-09-30 2013-09-30 光学シート、面光源装置、表示装置および光学シートの製造方法 Pending JP2015069097A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013204737A JP2015069097A (ja) 2013-09-30 2013-09-30 光学シート、面光源装置、表示装置および光学シートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013204737A JP2015069097A (ja) 2013-09-30 2013-09-30 光学シート、面光源装置、表示装置および光学シートの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015069097A true JP2015069097A (ja) 2015-04-13

Family

ID=52835785

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013204737A Pending JP2015069097A (ja) 2013-09-30 2013-09-30 光学シート、面光源装置、表示装置および光学シートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2015069097A (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008203839A (ja) * 2007-01-24 2008-09-04 Mitsubishi Rayon Co Ltd 光拡散シート用アクリル樹脂、光拡散シート、レンズシート、面光源装置及び液晶表示装置
JP2008304524A (ja) * 2007-06-05 2008-12-18 Goyo Paper Working Co Ltd 耐擦傷性複層レンズフイルム
WO2009028439A1 (ja) * 2007-08-28 2009-03-05 Dic Corporation プリズムシート、それを用いたバックライトユニットおよび液晶表示装置
JP2012073372A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Dainippon Printing Co Ltd 光学シート、面光源装置、表示装置および光学シートの製造方法
JP2012083740A (ja) * 2010-09-16 2012-04-26 Dainippon Printing Co Ltd 光学シート、光学部材、面光源装置及び液晶表示装置
JP2013171056A (ja) * 2012-02-17 2013-09-02 Dainippon Printing Co Ltd 光学シート、面光源装置及び液晶表示装置

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008203839A (ja) * 2007-01-24 2008-09-04 Mitsubishi Rayon Co Ltd 光拡散シート用アクリル樹脂、光拡散シート、レンズシート、面光源装置及び液晶表示装置
JP2008304524A (ja) * 2007-06-05 2008-12-18 Goyo Paper Working Co Ltd 耐擦傷性複層レンズフイルム
WO2009028439A1 (ja) * 2007-08-28 2009-03-05 Dic Corporation プリズムシート、それを用いたバックライトユニットおよび液晶表示装置
JP2012083740A (ja) * 2010-09-16 2012-04-26 Dainippon Printing Co Ltd 光学シート、光学部材、面光源装置及び液晶表示装置
JP2012073372A (ja) * 2010-09-28 2012-04-12 Dainippon Printing Co Ltd 光学シート、面光源装置、表示装置および光学シートの製造方法
JP2013171056A (ja) * 2012-02-17 2013-09-02 Dainippon Printing Co Ltd 光学シート、面光源装置及び液晶表示装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20190179060A1 (en) Optical diffusion film and method for manufacturing optical diffusion film
JP5340460B2 (ja) 拡散シート、光源ユニット、及び液晶表示装置
US20150231854A1 (en) Layered structure and method for manufacturing same, and article
EP2266790A1 (en) Film for scattering prevention and process for producing the same
KR20140018998A (ko) 미세 요철 구조를 표면에 갖는 물품 및 이것을 구비한 영상 표시 장치
KR20060121812A (ko) 가요성 몰드, 그의 제조 방법 및 미세 구조체의 제조 방법
US9140831B2 (en) Optical sheet, optical member, surface light source device, and liquid crystal display device
CN103890617A (zh) 光学膜、面发光体和光学膜的制造方法
CN101715467A (zh) 生态光学片
KR20150045076A (ko) 플렉서블 디스플레이용 플라스틱 필름의 커팅 방법 및 이에 의하여 제조된 플렉서블 디스플레이용 플라스틱 필름
CN103998229A (zh) 层积结构体
TWI643005B (zh) Light guide, backlight unit and portable terminal
JP2008230057A (ja) シート状成形体およびその製造方法
KR20050092391A (ko) 플라즈마 디스플레이 패널(pdp)의 배면판을 위한 가요성몰드와, 몰드 및 배면판의 보호 방법
US20200386921A1 (en) Optical laminated sheet
JP2015069097A (ja) 光学シート、面光源装置、表示装置および光学シートの製造方法
JP2012209110A (ja) 導光板積層体およびその製造方法
JP2016210150A (ja) 積層体およびその製造方法と、物品
WO2017030101A1 (ja) 光学積層体、バックライトユニット、液晶表示装置及び光学積層体の製造方法
JP6700689B2 (ja) 導光シート、バックライトユニット、液晶表示装置及びバックライトユニット用導光シートの製造方法
JP2013119177A (ja) 賦型シート、樹脂被覆賦型シート及び光学シートの製造方法
JP2012073372A (ja) 光学シート、面光源装置、表示装置および光学シートの製造方法
JP2012198423A (ja) 光学シート、面光源装置及び画像表示装置
JP2012056041A (ja) ディスプレイ用粘着光学フィルタの切断方法及びこれを用いた製造方法
KR20190118671A (ko) 광학 시트 및 백라이트 유닛

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150715

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150721

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150924

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160226