JP2015067523A - ガラス基板の製造方法及びガラス基板製造装置 - Google Patents

ガラス基板の製造方法及びガラス基板製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】品質がよく、ガラス組成変動が少ないガラス基板を安定して製造する。
【解決手段】少なくともアルミニウム源を含むガラス原料を熔解して1520〜1620℃の熔融ガラスとする熔解工程を有し、アルミニウム源としては、少なくとも酸化アルミニウムを含む。酸化アルミニウムは、平均粒径が50〜200μmであり、かつ、粒径が38μm以下の粒子の割合が15%以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガラス基板の製造方法及びガラス基板製造装置に関する。
液晶ディスプレイに代表されるフラットパネルディスプレイ用のガラス基板は、ガラス中の泡数が少ないことが求められている。そのため、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板を製造する際には、清澄剤を用いて化学的に清澄を行っている。
また、TFT劣化防止の観点から、TFTを搭載するフラットパネルディスプレイ用ガラス基板は、アルカリ金属を含有しないことが求められている。そのため、他の用途の建築用、カバーガラス用などのアルカリガラスと比較して、TFTを搭載するフラットパネルディスプレイ用ガラスは熔融温度を100℃以上高くする必要があった。
しかし、熔融温度を高くしすぎると、熔解工程で清澄剤が還元されてしまい、清澄工程において酸素を放出して脱泡を促進する清澄剤として働く清澄剤が十分に残存していないという問題があった。他方、熔融温度を低くしすぎるとガラス原料を十分に熔解することができず、泡の発生及びガラスの均質性が低下するという問題があった。
上述した問題を解決するために、熔解工程の後にガラスを冷却し、低温で保持して清澄剤を酸化させ、その後、ガラスを加熱することで酸素を発生させ、清澄効果を得る技術が開示されている(特許文献1)。
特表2011−502934
しかし、特許文献1の技術では、エネルギー効率が悪く、かつ装置構成も複雑なため、低コストで泡や脈理の少ないガラス基板を安定して製造することが難しかった。また、近年のフラットディスプレイの高精細化に伴い、フラットディスプレイ用ガラス基板にも、より高い品質が求められている。中でも、ガラス中の泡、脈理に対する要求は益々厳しくなってきている。さらに、ガラス基板ごとのガラス組成及び品質のバラツキが小さいことも求められている。
そこで、本発明では、品質がよく、ガラス組成変動が少ないガラス基板を安定して製造することができるガラス基板製造方法及びガラス基板製造装置を提供することを目的とする。
[1]少なくともアルミニウム源を含むガラス原料を熔解して1520〜1620℃の熔融ガラスとする熔解工程と、熔融ガラスに含まれる清澄剤を用いて熔融ガラスの清澄を行う清澄工程と、を有し、アルミニウム源としては、少なくとも酸化アルミニウムを含み、酸化アルミニウムは、平均粒径が50〜200μmであり、かつ、粒径が38μm以下の粒子の割合が15%以下であるガラス基板の製造方法。
[2]ガラス基板は、アルカリ金属酸化物の含有量(ただし、アルカリ金属酸化物の含有量は、LiO、NaO及びKOのうち含有する成分の合計)は、0〜0.8質量%である、[1]記載のガラス基板の製造方法。
[3]ガラス基板は、SiO 50〜70質量%、B 0〜15質量%、Al 10〜25質量%、MgO 0〜10質量%、CaO 0〜20質量%、SrO 0〜20質量%、BaO 0〜15質量%、RO 5〜20質量%(ただしROは、MgO、CaO、SrOおよびBaOのうち含有する成分の合計)、を含有する、[1]又は[2]に記載のガラス基板の製造方法。
[4]清澄剤は、少なくとも酸化錫を含む、[1]〜[3]の何れか1項に記載のガラス基板の製造方法。このとき、ガラス基板は、酸化錫を、0.01〜0.5質量%含有していることが好ましい。さらに、ガラス基板は、酸化錫と酸化鉄を組み合わせて含有し、酸化錫を0.01〜0.5質量%含有し、酸化鉄を0.01〜0.1質量%含有する、ことが好ましい。
[5]ガラス基板は、歪点が660℃以上である、[1]〜[4]の何れか1項に記載のガラス基板の製造方法。このとき、歪点は、690℃以上である、ことが好ましい。
[6]ガラス基板は、熱収縮率が75ppm以下である、[1]〜[5]の何れか1項に記載のガラス基板の製造方法。
[7]ガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板である、[1]〜[6]の何れか1項に記載のガラス基板の製造方法。また、ガラス基板は、液晶ディスプレイ用ガラス基板又は有機ELディスプレイ用ガラス基板である、ことが好ましい。さらに、ガラス基板は、低温ポリシリコン・TFTディスプレイ用ガラス基板である、ことが好ましい。
[8]少なくともアルミニウム源を含むガラス原料を熔解して1520〜1620℃の熔融ガラスとするための熔解槽と、熔融ガラスに含まれる清澄剤を用いて熔融ガラスの清澄を行う清澄槽と、を有し、アルミニウム源としては、少なくとも酸化アルミニウム含み、酸化アルミニウムは、平均粒径が50〜200μmであり、かつ、粒径が38μm以下の粒子の割合が15%以下である、ガラス基板製造装置。
[9]ガラス基板は、[2]〜[3]、[5]〜[7]の何れか1項に記載のガラス基板である、[8]記載のガラス基板製造装置。
[10]清澄剤は、少なくとも酸化錫を含む、[8]又は[9]に記載のガラス基板製造装置。このとき、ガラス基板は、酸化錫を、0.01〜0.5質量%、含有していることが好ましい。さらに、ガラス基板は、酸化錫と酸化鉄を組み合わせて含有し、酸化錫を0.01〜0.5質量%含有し、酸化鉄を0.01〜0.1質量%含有する、ことが好ましい。
本発明のガラス基板の製造方法および製造装置によれば、品質がよく、ガラス組成変動が少ないガラス基板を安定して得ることができる。
本実施形態のガラス基板の製造方法の工程図である。 本実施形態のガラス基板の製造方法のうち、熔解工程〜切断工程を行う装置を模式的に示す図である。
<ガラス基板の製造方法>
ガラス基板は、少なくともアルミニウム源を含むガラス原料を熔解した後に成形することによって製造される。ガラス基板は、例えば下記の工程を順に経て製造される。
(1)少なくともアルミニウム源、必要に応じて珪砂、ホウ素源、アルカリ土類金属源、アルカリ金属源、清澄剤を、目標とするガラス基板の組成となるようにガラス原料を調整する工程
(2)調整した原料と必要に応じて添加されるカレットとを、熔解槽内に投入して熔解することで熔融ガラスとする工程(熔解工程ST1)
(3)清澄槽の内壁と熔融ガラス液面とで形成された気相空間を有する清澄槽において、熔融ガラスの清澄を行う工程(清澄工程ST2)
(4)熔融ガラスを、オーバーフローダウンドロー法又はフロート法等の成形法によって所定の厚さを有するシートガラスに成形する工程(成形工程ST5)、
(5)シートガラスの徐冷を行う工程(徐冷工程ST6)
(6)シートガラスを所定の大きさに切断してガラス基板を得る工程(切断工程ST7)
(アルミニウム源)
アルミニウム源としては、例えば、酸化アルミニウム、アルミニウムの水酸化物などを用いることができる。酸化アルミニウムとしては、例えばAlを用いることができる。また、アルミニウムの水酸化物としては、Al(OH)を用いることができる。本実施形態では、アルミニウム源として、少なくとも酸化アルミニウムを用いる。水酸化物の量が多くなると、ガラス中の泡数が増加し、ガラス基板の歪点が低下するため、ガラス原料中にAl(OH)を含有させる場合の含有量は、0〜50%であることが好ましい。
(酸化アルミニウム)
酸化アルミニウムの平均粒径は、50〜200μmであり、60〜150μmであることが好ましい。酸化アルミニウムの熔融温度は、熔解しにくいとされる珪砂などの他のガラス原料よりも高い。そのため、酸化アルミニウムの平均粒径が大きすぎると、熔解工程において酸化アルミニウムを十分に熔解することができない。そのため、熔融ガラスの均質化を図ることが困難となり、脈理が発生する虞がある。また、熔解されずに残存した酸化アルミニウムの未熔解物は、核となって泡を発生させる虞がある。さらに、酸化アルミニウムの平均粒径が大きすぎるとガラス原料を調整する際にも、ガラス原料を均等に混合することが難しくなるため、熔解ガラスを均質化することも難しくなる。
他方、酸化アルミニウムの平均粒径が小さすぎると、熔解槽においてガラス原料が飛散しやすくなる。ガラス原料が飛散すると、本来熔融ガラスになるべき原料の一部が熔解されずに、例えば、熔解槽外に排出されてしまう。ここで、ガラス原料の飛散量は一定ではなく、ガラス原料の投入位置、ガラス原料の投入量、ガス燃焼手段のガス量、熔解槽内の気圧等によって変化する。飛散量が変化すると、製造されたガラス基板の組成が、製造された時期によって変動してしまう。ガラス基板の組成が変動すると、ガラス基板の透過率や歪点などのガラス特性が変動してしまうので好ましくない。
特に、酸化アルミニウムは、ガラス基板の重要な特性である歪点や耐酸性に対し大きな影響をあたえる成分である。例えば、酸化アルミニウム量が少なくなると、歪点が急激に小さくなる。近年、ディスプレイの高精細化に伴い、ガラス基板の熱収縮率を小さくすることが求められている。さらに、ガラス基板ごとに熱収縮率が変動しないことが特に求められている。ガラス基板中の酸化アルミニウム含有量が変化すると、ガラス基板の歪点が変化してしまうので、製造した時期によってガラス基板ごとの熱収縮も変化してしまう虞がある。そのため、酸化アルミニウムの平均粒径が小さすぎることは好ましくない。これは、特に熱収縮率の変動に対する要求が厳しい、LTPS・TFTを搭載した液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイで顕著となる問題である。そのため、熱収縮率の変動を低減できる本実施形態は、LTPS・TFTを搭載した液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイに好適である。
また、本実施形態の酸化アルミニウムは、粒径が38μm以下の粒子の割合が15%以下であり、8%以下であることがより好ましい。これにより、酸化アルミニウムの飛散量を効果的に低減できるので、ガラス基板の組成及び透過率、歪点、熱収縮率などのガラス特性の変動を効果的に低減できる。
(清澄剤)
本実施形態では、清澄剤として少なくとも酸化錫を用いる。酸化錫としては、例えば、SnOが挙げられる。本実施形態では、ガラス基板が酸化錫を0.01〜0.5質量%含有するように原料調整することが好ましい。酸化錫の含有量が少なすぎると十分に清澄効果を得られないので、ガラス基板中の泡数が増加する。他方、酸化錫の含有量が多すぎると、酸化錫の揮発量が増加し、揮発した酸化錫が凝集して形成された酸化錫異物が熔融ガラス中に混入する虞が高まる。また、酸化錫による失透が生じやすくなる。
さらに、酸化錫異物の混入を抑制しつつ清澄効果を高める観点からは、ガラス基板が、酸化錫と酸化鉄と含有することが好ましく、酸化錫を0.01〜0.5質量%含有し、酸化鉄を0.01〜0.1質量%含有するように原料調整することが好ましい。
なお、環境負荷の観点から、F及びClは実質的に含有しないことが好ましい。また、環境負荷の観点から、As、PbO、Sbも実質的に含まないことが好ましい。
(カレット)
カレットとは、ガラス基板の製造過程で排出されるガラス屑である。ガラス原料及びカレットの混合物100質量%としたときに、カレットの添加量は、10〜50質量%であることが好ましい。カレットを添加することで、初期の熔融性を確保することができる。また、カレット添加量が多すぎると、清澄剤による清澄効果が十分に得られないため好ましくない。なお、カレットは、目標とするガラス基板の組成と同じ組成を有するものを用いることが好ましい。
(製造工程・製造装置)
図2は、図1に示す熔解工程(ST1)〜切断工程(ST7)を行うガラス基板製造装置を模式的に示す図である。当該装置は、図2に示すように、主に熔解装置200と、成形装置300と、を有する。熔解装置200は、熔解槽201と、清澄槽本体202と、攪拌槽203と、ガラス供給管204,205,206と、を主に有する。
熔解工程(ST1)では、熔解槽201内に供給されたガラス原料を、少なくとも電極を用いた通電加熱により熔解することで、熔融ガラスを得る。電極を用いた通電加熱の他に、図示されないバーナなどのガス燃焼手段も用いてガラス原料を熔解して熔融ガラスを得てもよい。なお、熔解工程における熔融ガラスの最高温度は1520〜1620℃であり、1550〜1610℃であることが好ましい。
清澄工程(ST2)は、清澄槽本体202、ガラス供給管204,205において行われる。清澄工程では、清澄剤の酸化還元反応によって脱泡及び熔融ガラスに残存する泡の吸収が行われる。なお、清澄工程における熔融ガラスの最高温度は熔解工程における熔融ガラスの最高温度よりも高く、1610〜1700℃であることが好ましく、1630〜1660℃であることがより好ましい。
均質化工程(ST3)では、ガラス供給管205を通って供給された攪拌槽203内の熔融ガラスMGを、スターラ203aを用いて攪拌することにより、ガラス成分の均質化を行う。なお、均質化工程における熔融ガラス温度は清澄工程における熔融ガラスの最高温度よりも低く、例えば、1400〜1500℃である。
供給工程(ST4)では、ガラス供給管206を通して熔融ガラスが成形装置300に供給される。成形装置に供給されるときの熔融ガラス温度は、例えば、1100℃〜1350℃である。
成形装置300では、成形工程(ST5)及び徐冷工程(ST6)が行われる。
成形工程(ST5)では、熔融ガラスをシートガラスGに成形する。本実施形態では、オーバーフローダウンドロー法を用いる。徐冷工程(ST6)では、成形されたシートガラスGが、歪や熱収縮率の値が大きくならないように冷却される。
切断工程(ST7)では、切断装置400において、成形装置300から供給されたシートガラスGを所定の長さに切断することで、ガラス基板を得る。なお、切断工程(ST7)は、必ずしも徐冷工程(ST6)の直後に設けられなくてもよい。例えば、短面の研削・研磨を行った後に切断工程(ST7)が設けられてもよい。
(ガラス基板)
本実施形態により製造されるガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板に好適に用いられる。例えば、アルカリ金属酸化物(LiO、NaO、及びKO)を実質的に含有しない、あるいは、アルカリ金属酸化物の含有量(LiO、NaO、及びKOの合量)が、0.8質量%以下であるガラス組成を有することが、本実施形態の効果を効率よく発揮する点で好ましい。
ガラス基板は、SiO 50〜70質量%、B 0〜18質量%、Al 10〜25質量%、MgO 0〜10質量%、CaO 0〜20質量%、SrO 0〜20質量%、BaO 0〜15質量%、RO 5〜20質量%(ただし、ROは、MgO、CaO、SrOおよびBaOのうち含有する成分の合計)、を含有することが好ましい。
また、より高精細化が求められるガラス基板としては、例えば、SiO 55〜70質量%、B 0〜15質量%、Al 15〜25質量%、MgO 0〜10質量%、CaO 0〜20質量%、SrO 0〜10質量%、BaO 0〜15質量%、RO 7〜20質量%(ただし、ROは、MgO、CaO、SrOおよびBaOのうち含有する成分の合計)、を含有することが好ましい。
また、アルカリ金属酸化物は、ガラスから溶出してTFTの特性を劣化させる虞のある成分であることから、液晶ディスプレイ用ガラス基板や有機ELディスプレイ用ガラス基板として適用する場合には、含有量が制限される。アルカリ金属酸化物は、熔融ガラスの粘度を下げる効果があるため、アルカリ金属酸化物の含有量が制限された(例えば、0.8質量%以下の)ガラスは、アルカリ金属酸化物の含有量が制限されないガラス(例えば、0.8質量%超の)と比較して、熔融ガラスの粘度が高くなる。ここで、高温域の熔融ガラス粘度が高くなると、原料を十分に熔解するために熔解工程における熔融温度を高くする必要がある。しかし、熔解工程における熔融ガラス温度を上昇させると、熔解工程において清澄剤が還元してしまい清澄工程において清澄効果を十分に得られず、ガラス基板中の泡数が増加するという問題が顕著となる。つまり、アルカリ金属酸化物の含有量が0.8質量%以下のガラス基板を製造する場合には、熔解温度を過剰に上昇させずに未熔解物の発生を抑制できる本実施形態がより好適となる。
また、アルカリ金属酸化物は、ガラス中に敢えて特定量含有させることによって、TFTの特性の劣化を招くことなしに、ガラスの塩基性度を高め、価数変動する金属の酸化を容易にして、清澄性を発揮させることが可能である。また、アルカリ金属酸化物は熔融ガラス粘度を低下させ、熔融温度を低下させることができる。そこで、ガラス基板は、アルカリ金属酸化物を0.1〜0.8質量%含有することが好ましく、0.2〜0.5質量%含有することがより好ましい。なお、LiO,NaOは実質的に含有させずに、上記成分中でも、最もガラスから溶出してTFTの特性劣化を生じ難いKOを含有させることが好ましい。KOの含有量は、0〜0.1質量%であることが好ましく、0.1〜0.4質量%がより好ましい。
ガラス基板の歪点は、660℃以上であることが好ましい。また、熱収縮率を小さくできるという観点からは、680℃以上であることが好ましく、690℃以上であることがより好ましい。歪点を680℃以上とすることで、ガラス基板の熱収縮率の絶対値を小さくすることができる。これにより、ガラス基板の熱収縮率の変動も低減できる。歪点は、例えば、ビーム曲げ法により粘度を測定する粘度計を用いて測定される。
ガラス基板の熱収縮率は、例えば、75ppm以下であることが好ましい。このような低い熱収縮率を有するガラス基板は、熱安定性が高く、特に、LTPS・TFTが形成されるガラス基板として好ましい。また、徐冷工程ST6のみにおいて熱収縮低減処理を行う場合には、製造設備の巨大化及びコストを抑制するために、熱収縮率は10〜70ppmであることが好ましい。特に、徐冷工程の時間が制限されるオーバーフローダウンドロー法を用いる際には、熱収縮率は、15〜70ppmであることが好ましい。なお、本明細書における熱収縮率は、常温から10℃/分で昇温し、550℃で1時間保持し、その後、10℃/分で常温まで降温し、再び10℃/分で昇温し、550℃で1時間保持し、10℃/分で常温まで降温した後のガラス基板の収縮量を用いて、以下の式にて求めるものとする。
熱収縮率(ppm)={熱処理前後のガラスの収縮量/熱処理前のガラスの長さ}×10
ガラス基板は、フラットパネルディスプレイ用ガラス基板に好適である。フラットパネルディスプレイとしては、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等が挙げられる。中でも、熱収縮のバラつきを小さくできる点で、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイに好適である。また、本実施形態のガラス基板は、太陽電池用ガラス基板、カバーガラス、磁気ディスク用ガラス基板などにも適用できる。
ガラス基板を構成するガラスは、ガラス粘度がlogη=2.5のときのガラス温度が、1550℃〜1680℃であると熔解温度が高くなる傾向にあるため、本実施形態が好適となり、1570℃〜1680℃の範囲であると本実施形態がより好適となり、1590℃〜1680℃の範囲であると本実施形態がさらに好適となる。
(実施例1)
酸化アルミニウムの平均粒径及び粒径が38μm以下の粒子の割合を変化させ、飛散量を測定した。平均粒径及び粒径が38μm以下の粒子の割合を変化させた各酸化アルミニウム試料10gを高さ40cmの位置から直径90mmの受け皿に向かって落下させた。このとき、受け皿に乗った試料を計測し、受け皿に乗らなかった試料を飛散量として算出した。その結果、酸化アルミニウムの平均粒径を50μm以上とし、粒径が38μm以下の粒子の割合を15%以下とすることで、飛散量を3%以下に抑えられることがわかった。
(実施例2)
SiO 60質量%、Al 19.5質量%、B 10質量%、CaO 5.3質量%、SrO 5質量%、SnO 0.15質量%、Fe 0.05質量%を含有するガラス組成となるように調合されたガラス原料を、熔解槽で1580℃(=T3)にて熔融した後、清澄槽においてさらに1650℃まで昇温させて一定時間保持した。この後、攪拌、オーバーフローダウンドロー法による成形、徐冷、切断を行い、10日間連続して液晶ディスプレイ用ガラス基板を製造した。
このとき、酸化アルミニウムの平均粒径は85μmであり、粒径が38μm以下の粒子の割合が3.5%であった。
(実施例3)
酸化アルミニウムの平均粒径は55μmであり、粒径が38μm以下の粒子の割合が9.6%である以外は実施例2と同様の方法で液晶ディスプレイ用ガラス基板を製造した。
実施例2及び実施例3で製造したガラス基板の組成を検査したところ、Al含有量の変動を3%以下に抑えることができていた。なお、Alの変動量とは、目標Al含有量からの変動量を示すものとする。つまり、本発明がガラス基板のAl含有量の変動、ひいてはガラス基板の歪点及び熱収縮率の変動を抑制できることが明らかである。
また、SiO 61質量%、Al 19.5質量%、B 10質量%、CaO 9質量%、SnO 0.3質量%、アルカリ金属酸化物(LiO,NaO,KOの合計量) 0.2質量%を有するガラス基板(歪点700℃)の製造においても、上記と同様の結果が得られた。
200 熔解装置
201 熔解槽
202 清澄槽
203 攪拌槽
300 成形装置

Claims (5)

  1. 少なくともアルミニウム源を含むガラス原料を熔解して1520〜1620℃の熔融ガラスとする熔解工程と、
    前記熔融ガラスに含まれる清澄剤を用いて熔融ガラスの清澄を行う清澄工程と、を有し、
    前記アルミニウム源としては、少なくとも酸化アルミニウムを含み、
    前記酸化アルミニウムは、平均粒径が50〜200μmであり、かつ、粒径が38μm以下の粒子の割合が15%以下である、ガラス基板の製造方法。
  2. 前記ガラス基板は、アルカリ金属酸化物の含有量(ただし、アルカリ金属酸化物の含有量は、LiO、NaO及びKOのうち含有する成分の合計)は、0〜0.8質量%である、請求項1記載のガラス基板製造方法。
  3. 前記ガラス基板は、SiO 50〜70質量%、B 0〜15質量%、Al 10〜25質量%、MgO 0〜10質量%、CaO 0〜20質量%、SrO 0〜20質量%、BaO 0〜15質量%、RO 5〜20質量%(ただしROは、MgO、CaO、SrOおよびBaOのうち含有する成分の合計)、を含有する、請求項1又は2に記載のガラス基板の製造方法。
  4. 前記清澄剤は、少なくとも酸化錫を含む、請求項1〜3の何れか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  5. 少なくともアルミニウム源を含むガラス原料を熔解して1520〜1620℃の熔融ガラスとするための熔解槽と、
    前記熔融ガラスに含まれる清澄剤を用いて熔融ガラスの清澄を行う清澄槽と、を有し、
    前記アルミニウム源としては、少なくとも酸化アルミニウム含み、
    前記酸化アルミニウムは、平均粒径が50〜200μmであり、かつ、粒径が38μm以下の粒子の割合が15%以下である、ガラス基板製造装置。
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JP2018070430A (ja) * 2016-11-02 2018-05-10 日本電気硝子株式会社 アルミノシリケートガラスの製造方法

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