JP2015064260A - 汚染水処理システム、汚染水処理方法および汚染水処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】汚染水処理システム10は、放射性核種を吸着する吸着塔11に流入する汚染水Wの入口水質、汚染水Wの積算流量および吸着塔11に封入された吸着材13の性能を第1指標量Lとして受け付ける第1受付部21と、第1指標量Lから吸着塔11の出口23から流出する処理水Waの出口水質の経時変化を出口水質関数として推算する出口水質推算部24と、第1指標量Lから吸着材13の放射性核種の吸着量の経時変化を吸着分布関数として推算する吸着量推算部25と、出口水質関数および吸着分布関数の少なくとも一方および既定の交換閾値Hに基づいて交換時期Pを導出する第1導出部29と、を備える。
【選択図】 図2
Description
すると、吸着塔の入口付近の吸着材は利用効率が高いが出口付近では吸着容量に未だ余力があるといった状態となる。
そこで、このような場合にも吸着塔に封入した吸着材の処理容量を十分に活用することができる吸着塔の交換技術が研究されている(例えば、特許文献3)。
図1は、本実施形態にかかる汚染水処理システム10(以下、単に「システム10」という)の判断部20(20a,20b,20c)で各々の吸着塔11(11a,11b,11c)を監視している様子を示す概略図である。
各実施形態では、図1に示されるように、同一の種類の放射性核種を吸着する3つの吸着塔11(11a,11b,11c)について説明する。
そして、各々の吸着塔11は、海水成分や地下水成分を含むとともに放射性核種を含む汚染水Wから封入された吸着材13の種類で決定される除去対象核種を除去する。
吸着塔11は、除去対象核種を十分に除去できなくなるとき、吸着塔11の内部に過剰の水素が発生する恐れがあるときまたは吸着塔11の内部で許容以上の発熱の恐れがあるときのいずれかに該当する前に交換される必要がある。
つまり、吸着塔11の交換時期Pは、交換後の保管の際発生する水素発生量または発熱量を予測して、これらが過剰に発生しうる吸着量となる前に設定されるべきである。
すなわち、除去対象核種の出口濃度および吸着材13の吸着量を定量化して交換時期Pを決定することが必要となる。
第1実施形態にかかるシステム10は、図1または図2に示されるように、放射性核種を吸着する吸着塔11に流入する汚染水Wの入口水質、汚染水Wの処理流量および積算流量および吸着塔11に封入された吸着材13の性能を第1指標量Lとして受け付ける第1受付部21と、第1指標量Lから吸着塔11の出口23から流出する処理水Waの出口水質の経時変化を出口水質関数として推算する出口水質推算部24と、第1指標量Lから吸着材13の放射性核種の吸着量の経時変化を吸着分布関数として推算する吸着量推算部25と、出口水質関数および吸着分布関数の少なくとも一方および既定の交換閾値Hに基づいて交換時期Pを導出する第1導出部29と、を備える。
なお、上述したこれらの部材は、いずれも判断部20を構成する。
例えば、汚染水Wに含まれる海水成分の各濃度、地下水成分の各濃度またはその吸着塔11における除去対象核種の濃度などの吸着塔11の内部の吸着量の経時変化に影響する物理量である。
これら第1指標量Lは、入力部27から運転員によって入力される。
ただし、入口水質などは、先頭の吸着塔11aの前段に備えられる貯蔵タンク(図示せず)に設置された既存の入口水質測定部59から取得したものを第1受付部21に直接出力させてもよい。
処理水Waとは、各々の吸着塔11から流出する放射性核種の除去処理を行った後の水のことである。
この出口水質のうちで、交換時期Pを予測または判断するのに重要となる指標は、除去対象核種の濃度である。
汚染水Wの通水が進行するにつれ、放射性核種の吸着が主に起こる吸着圏Zaは徐々に出口側に移動する。
そして、吸着圏Zaが出口23に到達すると処理水Waにおける放射性濃度は急激に増大することが予想される。
そして、放射性核種の出口濃度の経時変化(出口水質関数)を計算する。
この固定層吸着における物質収支式は(1)式で示される。
u(∂C/∂z)+∂C/∂t=−(∂q/∂t)/m (1)
このうち境膜内拡散および粒内拡散は律速であるため、(1)式は(2)式で表される。
∂C/∂t=−Dp/(ρpKd){∂2C/∂b2+2/b(∂C/∂b)} (2)
Cout/Cin=0.5[1+erf{(3Y/2X−1)/2(v/X)1/2}] (3)
X=3ρpKd(1−φ)Z/(φub2) (4)
ν=ρpKd/(hfb) (5)
Y=2b2(t−Z/u) (6)
また、(6)式からもわかるように、この出口濃度/入口濃度比ψに代表される出口水質関数は積算流量または時間の関数であり、出口濃度/入口濃度比ψの経時関数が得られたこととなる。
図4は、上述のモデルで出口水質推算部24が推算した出口水質関数の計算値および実測値を示す図である。
この除去対象核種の濃度を入口水質として取得された同一の除去対象核種の濃度で除算した出口濃度/入口濃度比ψは、着目している吸着塔11の除去率の逆比を表すことになる。
図4に示されるように、計算値と実測値は略一致しており、計算値は妥当なものであるといえる。
吸着塔11を直列に接続した場合の推算の概要は下記のとおりである。
今、吸着塔11は直列に接続されているので、先頭の吸着塔11aの出口水質は、中央の吸着塔11bの入口水質となる。
同様に、吸着塔11bの出口水質は吸着塔11cの入口水質となり、出口水質推算部24は、吸着塔11cの出口水質となる。
以上のようにシミュレーションをして図5を得る。
このシミュレーションでは、交換閾値Hは、最後尾の吸着塔11cの出口濃度/入口濃度比(ψ3)に設定されている(図5では、1.2×10−4)。
最後尾の吸着塔11cの出口濃度がこの吸着塔11の全体の除去対象核種の除去能力を示すからである。
なお、図5は、新たに交換されて設置される吸着塔11は、最後尾に配置されるとして計算したものである。
この実測値は、吸着塔内のセシウム吸着量について検証試験を実施して求めた。
試験は封入高さ0.65mの吸着塔を用いて、放射性セシウム濃度1000 Bq/Lの試験液を処理する方法で実施した。
すなわち、吸着量推算部25および出口水質推算部24で推算される吸着分布関数および出口水質関数は実態を正確に表現することができ、交換時期Pを導出する関数とすることができることが分かった。
この曲線は、時間の経過とともに、距離の増加方向および放射性セシウム濃度の増加方向に移動していく。
このようにして吸着量の分布の経時変化(吸着分布関数)をシミュレートして推算することができる。
なお、第1実施形態において、交換閾値Hは、過去のデータや試験のデータなどに基づいて決定され、例えば第1閾値保持部26に保持されている。
また、出口濃度そのものに交換閾値Hを設定することもできる。
判定の信号は、第1判定部28に接続された通知部31に出力される。
このように、判定の信号によって、流量制御部30を制御することによって、システム10の自動化を高めることができる。
通知方法は、例えば表示部(図示せず)に色、数字またはマークなどで交換時期Pまでの残り時間や交換時期Pに達したことを表示する。
また、交換時期Pは音声や警報などで通知することもできる。
まず、吸着塔11への通水を開始する(ステップS11)。
そして、第1受付部21が、各々の吸着塔11に関する第1指標量Lを受け付ける(ステップS12)。
次に、出口水質推算部24が、第1受付部21が受け付けた第1指標量Lから出口水質関数を推算する(ステップS13)。
そして、第1導出部29が、出口水質関数および既定の交換閾値Hに基づいて交換時期Pを導出する(ステップS15)。
なお、第1導出部29は、吸着分布関数から交換時期Pを導出してもよい。
そして、通知部31が、交換時期Pを通知して(ステップS16)、吸着量および出口水質を監視する(ステップS17)。
吸着量および出口水質の少なくとも一方が交換閾値Hを超過した場合(ステップS18;YES)、第1判定部28が交換時期Pであると判定をする(ステップS19)。
判定の信号を受信した通知部31は、吸着塔11が交換時期Pであるという警告を通知する(ステップS20)。
また、判定の信号は流量制御部30にも出力され、信号を受信した流量制御部30が、自動で吸着塔11の入口14および出口23の開閉弁35を閉止してもよい。
図8は、第2実施形態にかかるシステム10の一部の構成を示す図である。
各々の吸着塔11の吸着量分布は、交換後の吸着材13の発熱状況、温度分布および水素発生量の評価に用いる。
この際、吸着材13に吸着していた放射性核種の崩壊に伴う発熱のため、放射性核種を吸着した吸着材13が発熱体となる。
そこで、保管予測部33は、吸着材13への放射性核種の吸着量と水素発生量および発熱量との関係を評価し、保管時の吸着塔11の内部の水素発生量および発熱量を予測する。
つまり、保管時に吸着材13そのものが健全性を維持できる温度を維持できるように吸着材13への放射性核種の吸着量の制限値を決定する。
水素発生速度は放射線量に依存するため、発生した水素が燃焼範囲の濃度になることが無いように吸着材13への放射性核種の吸着量の制限値を決定する。
図面においても、共通の構成または機能を有する部分は同一符号で示し、重複する説明を省略する。
図9は、第3実施形態にかかるシステム10の判断部20に新たに加わる構成の構成図である。
第3実施形態において、第2指標量Mは、各々の吸着塔11の表面線量である。
表面線量は、図12に示されるように、各々の吸着塔11の上部および下部の外表に設置されて吸着塔11の表面線量を測定する線量計41(41a〜41f)からなる測定機器群40で測定される。
次に吸着塔11aの下部線量計41b、吸着塔11bの上部線量計41c、下部線量計41d、吸着塔11cの上部線量計41e、下部線量計41fの順番で線量値が上昇していく。
前述したように、吸着塔11の交換時期Pを直接的に決定する重要な指標の一つが保管時の水素発生量および発熱状況を決定する吸着量または吸着量の分布である。
吸着塔11の表面線量は吸着塔11の内部の吸着量および出口濃度のそれぞれの関数となるので、表面線量から吸着塔11が交換時期Pとなっているかを判断することができる。
そこで、対応関係保持部47に、例えば第3実施形態において第2指標量Mである表面線量と吸着量との対応関係を保持させる。
この交換閾値H’は、第2実施形態と同様に水素発生量および発熱量を考慮して決定されることが望ましい。
判定の信号は、第1実施形態と同様に通知部31に出力される。
以上が、図9に示される第2指標量Mを監視の対象とする場合に新たに付加される構成である。
すなわち、システム10は、第1実施形態の第1導出部29のように第2導出部48を備えることで、この関数および交換閾値H’から交換時期Pを導出することができる。
簡単のため、図9で示した第2導出部48を省略した図10で説明する。
例えば表面線量は、測定も容易で吸着塔11の内部の吸着状態を把握するのに有力な指標である。
吸着材13に過不足なく除去対象核種が吸着されて吸着塔11が交換されるためには、この交換時期Pをより精度よく予測または判断することが必要となる。
そこで、第1判定部28による判定と第2判定部39による判定とを組み合わせて交換時期Pの判断および予測を補強する。
判定を二重化することで、すなわち、温度取得部51および温度判定部52を備えることで、判定の精度を高めることができる。
なお、第1実施形態で示したシステム10そのものの動作手順のように、運転員の行う操作は、適宜自動化することができる。
次に、線量計41から送信される吸着塔11の表面線量を監視する(ステップS22)。
同時に、第1指標量Lから推算される出口濃度も監視すると、判定の信頼性をより向上させることができる。
第2指標量Mが交換閾値H’よりも小さい場合は、そのまま第2指標量Mの監視を継続する(ステップS23;NO;ステップS22へ)。
運転員は吸着塔11への開閉弁35を閉止して通水を停止し、一定時間この停止の状態を維持する(ステップS24)。
停止の状態の間、吸着塔11の内部の放射性核種は崩壊をして吸着塔11の内部の温度は上昇する。
すると、高温となった低流量の処理水Waが吸着塔11から流出する(ステップS26)。
この処理水Waを出口温度計57で測定する(ステップS27)。
この場合、吸着塔11は交換せずに、通常の通水を開始する(ステップS21へ)。
処理水Waの出口温度が、温度の既定値より高い場合(ステップS28;YES)、再度通水を停止する(ステップS29)。
そして、例えば先頭の吸着塔11aを新品の吸着塔11と交換する(ステップS30)。
図面においても、共通の構成または機能を有する部分は同一符号で示し、重複する説明を省略する。
なお、第2指標量Mであっても、出口23から直接測定した除去対象核種の出口濃度を監視する場合など、判断の精度が高いものについては、出口温度による最終判断を省略してもよい。
図14は、線量計41を測定機器群40として設置した様子を示す図である。
なお、線量計41による監視を継続したまま内部温度計42による監視を付加してもよい。
吸着材13の除去対象核種の吸着量に対応して、各々の吸着塔11の内部の温度が上昇する。
吸着塔11aのそれぞれの内部温度計42(42a〜42c)の指示値がほぼ同様に上昇し、さらに吸着塔11bの内部温度計42(42d〜42f)、吸着塔11cの内部温度計42(42g〜42i)との温度差が交換閾値H’を超過した場合、交換時期Pであると判断する。
ステップS41〜ステップS44は、監視の対象が表面線量であったことから内部温度へと変更したこと以外は、第3実施形態のステップS21〜ステップS24と同一である。
第4実施形態においては、吸着塔11の内部に内部温度計42が設置されているので、通常運転時の監視の対象とすることに加え、ステップS46の最終判断にもこの内部温度計42を利用することができる。
内部温度が既定値よりも高い場合(ステップS46;YES)、例えば先頭の吸着塔11aを交換する(ステップS47)。
図面においても、共通の構成または機能を有する部分は同一符号で示し、重複する説明を省略する。
図16は、第5実施形態にかかるシステム10の構成の一部を示す図である。
そして、被検塔54を監視して吸着塔11の交換時期Pを予測または判断する。
図16に示されるように、汚染水Wの一部を分岐して被検塔54に流入させる。
被検塔54を備えることで、例えば図16に示されるように、被検塔54の内部に蛍光体45およびこの蛍光体45の蛍光強度を監視する監視窓56を容易に設置または変更することができる。
蛍光体45からの蛍光は光センサ46に測定されて第2指標量Mとして判断部20に送られる。
例えば、蛍光体45の蛍光が90Srの放射するβ線に由来するものであることが分かっているときは、この蛍光の強度から測定が困難な難測定核種である90Srの出口濃度が分かる。
なお、例として蛍光体45、監視窓56および光センサ46を測定機器群40として説明したが、被検塔54には、その他の測定機器群40を設置してもよい。
図面においても、共通の構成または機能を有する部分は同一符号で示し、重複する説明を省略する。
また、蛍光体45および光センサ46を備えることで、90Srなどの難測定核種の出口濃度を推定することができる。
例えば、90Srは、測定するのに数日かかるとともに測定が複雑な難測定核種である。
汚染水Wには90Srなどの難測定核種とともに、137Csなどの逐次測定が容易な核種が含有される。
そこで、難測定核種を代替して易測定成分を測定することで、難測定核種の出口濃度などを推定する。
汚染水中にSrの放射性同位体で易測定である85Srが検出可能な濃度含まれている場合は、85Srを90Srの代替とすることができる。
また、易測定の他の放射性核種は例えば137Csである。
事前の測定の結果から算出された吸着性の比率や存在比を比率保持部58に保持させ、これらの比率から測定した易測定成分の出口濃度から90Srの出口濃度を推定する。
また、第1実施形態における出口成分の推算や、試験による確認で、一定量通水した後の出口23の難測定核種および易測定成分の濃度比を算出することもできる。
トレーサとなる放射性同位体はトレーサ保持部61に保持され、添加される量を把握されて汚染水Wに添加される。
85Srは放射性同位体であるため、吸着塔11における挙動は、90Srの挙動と変わらない。
上述した易測定成分の測定は、図17に示されるように、処理水Waを分岐させ、その一部をプラズマ化して出口水質を分析するICP発光分光分析器43を利用することができる。
図面においても、共通の構成または機能を有する部分は同一符号で示し、重複する説明を省略する。
これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
Claims (16)
- 放射性核種を吸着する吸着塔に流入する汚染水の入口水質、前記汚染水の処理流量および積算流量および前記吸着塔に封入された吸着材の性能を第1指標量として受け付ける第1受付部と、
前記第1指標量から前記吸着塔の出口から流出する処理水の出口水質の経時変化を出口水質関数として推算する出口水質推算部と、
前記第1指標量から前記吸着材の前記放射性核種の吸着量の経時変化を吸着分布関数として推算する吸着量推算部と、
前記出口水質関数および前記吸着分布関数の少なくとも一方および既定の交換閾値に基づいて交換時期を導出する第1導出部と、を備えることを特徴とする汚染水処理システム。 - 前記吸着分布関数の各時点の前記吸着量から前記各時点で通水を停止して保管した場合の前記吸着塔の水素発生量および発熱量を経時変化関数として算出する保管予測部と、
前記交換閾値を前記水素発生量および前記発熱量に基づいて決定する前記閾値決定部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の汚染水処理システム。 - 前記吸着塔に吸着した前記放射性核種の前記吸着量にともなって変化する物理量を第2指標量として受け付ける第2受付部と、
前記第2指標量と最後尾の吸着塔の内部の吸着量または前記吸着塔の出口濃度との対応関係データを保持する対応関係保持部と、
前記第2指標量から取得される前記出口濃度に対する交換閾値を保持する第2閾値保持部と、
前記出口濃度が前記交換閾値を超過した場合に前記交換時期であると判定をする第2判定部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の汚染水処理システム。 - 前記吸着量および前記出口水質の少なくとも一方が前記交換閾値を超過した場合に前記交換時期であると判定をする第1判定部を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の汚染水処理システム。
- 前記交換時期を通知するとともに前記判定の信号を受信して前記吸着塔が前記交換時期であるという警告を通知する通知部を備えることを特徴とする請求項3または請求項4に記載の汚染水処理システム。
- 前記第2指標量と最後尾の前記吸着塔の前記出口濃度との対応関係データを保持する対応関係保持部と、
前記第2閾値保持部に保持される前記交換閾値から交換時期を導出する第2導出部と、を備えることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の汚染水処理システム。 - 前記判定の出力を受信した場合に、前記出口に設置された出口温度計から微量に流出させた前記処理水の温度を取得する温度取得部と、
前記出口から流出する前記処理水の前記温度が既定値を超過している場合に前記吸着塔が真に前記交換時期であると最終判定をする温度判定部と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の汚染水処理システム。 - 前記吸着塔の上部および下部の外表に設置されて前記吸着塔の表面線量を測定する線量計と、
前記吸着塔の上部、中部、下部にそれぞれ内設されて前記吸着塔の内部温度を測定する内部温度計と、
分岐させた前記処理水の一部をプラズマ化して前記出口水質を分析するICP発光分光分析器と、
分岐させた前記処理水の一部の吸光スペクトルから前記出口水質を分析する原子吸光分析器と、
前記吸着塔の内部に設置されまたは前記吸着材とともに封入されて前記内部の放射線と反応して発光する蛍光体からの蛍光を測定する光センサと、から選択される少なくとも1つの測定機器群を備え、
前記第2指標量は、前記測定機器群の構成に対応して測定される前記表面線量、前記内部温度、前記出口水質、および前記蛍光の少なくとも1つであることを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか1項に記載の汚染水処理システム。 - 前記入口水質および前記出口水質には、それぞれ除去対象核種の入口濃度および出口濃度が含まれ、
前記第2指標量は、前記入口濃度に対する前記出口濃度の比率であることを特徴とする請求項3から請求項8のいずれか1項に記載の汚染水処理システム。 - 除去対象核種と易測定成分との吸着性能の比率および存在比を保持する比率保持部を備え、
前記除去対象核種に代替して前記易測定成分を前記第1指標量または前記第2指標量とすることを特徴とする請求項3から請求項9のいずれか1項に記載の汚染水処理システム。 - 前記易測定成分は、安定同位体、同族安定元素および易測定の放射性同位体の少なくとも1つであることを特徴とする請求項10に記載の汚染水処理システム。
- 前記汚染水に前記易測定成分を添加することを特徴とする請求項10または請求項11に記載の汚染水処理システム。
- 前記測定機器群は、前記吸着塔に併設されて前記放射性核種の蓄積状況を評価する被検塔に設置され、
前記汚染水の一部が分岐されて前記被検塔に流入することを特徴とする請求項8から請求項12のいずれか1項に記載の汚染水処理システム。 - 前記出口水質推算部、前記吸着量推算部および前記交換閾値は、実機の運転実績に基づいて自動的にチューニングされることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の汚染水処理システム。
- 放射性核種を吸着する吸着塔に流入する汚染水の入口水質、前記汚染水の積算流量および前記吸着塔に封入された吸着材の性能を第1指標量として受け付けるステップと、
前記第1指標量から前記吸着塔の出口から流出する処理水の出口水質の経時変化を出口水質関数として推算するステップと、
前記第1指標量から前記吸着材の前記放射性核種の吸着量の経時変化を吸着分布関数として推算するステップと、
前記吸着量および前記出口水質の少なくとも一方に対する交換閾値を保持するステップと、
前記出口水質関数および前記吸着分布関数の少なくとも一方および前記交換閾値から交換時期を導出するステップと、を含むことを特徴とする汚染水処理方法。 - コンピュータに、
放射性核種を吸着する吸着塔に流入する汚染水の入口水質、前記汚染水の積算流量および前記吸着塔に封入された吸着材の性能を第1指標量として受け付けるステップ、
前記第1指標量から前記吸着塔の出口から流出する処理水の出口水質の経時変化を出口水質関数として推算するステップ、
前記第1指標量から前記吸着材の前記放射性核種の吸着量の経時変化を吸着分布関数として推算するステップ、
前記吸着量および前記出口水質の少なくとも一方に対する交換閾値を保持するステップステップ、
前記出口水質関数および前記吸着分布関数の少なくとも一方および前記交換閾値から交換時期を導出するステップ、を実行させることを特徴とする汚染水処理プログラム。
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