JP2015057755A - ナトリウムイオン電池用負極活物質およびナトリウムイオン電池 - Google Patents

ナトリウムイオン電池用負極活物質およびナトリウムイオン電池 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、Na挿入容量の高いナトリウムイオン電池用負極活物質を提供することを主目的としている。【解決手段】上記目的を達成するために、本発明は、第1芳香族環および第2芳香族環が単結合した多環芳香族環と、上記多環芳香族環に結合した2以上のカルボン酸ナトリウム基またはカルボン酸リチウム基のカルボン酸塩基と、を有する多環カルボン酸塩化合物であることを特徴とするナトリウムイオン電池用負極活物質を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、Na挿入容量の高いナトリウムイオン電池用負極活物質に関するものである。
ナトリウムイオン電池は、Naイオンが正極および負極の間を移動する電池である。NaはLiに比べて豊富に存在するため、ナトリウムイオン電池は、リチウムイオン電池に比べて低コスト化を図りやすいという利点がある。一般的に、ナトリウムイオン電池は、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、正極活物質層および負極活物質層の間に形成された電解質層とを有する。
ナトリウムイオン電池に用いられる負極活物質として、Naを用いることが知られている。例えば、非特許文献1には、Naを負極活物質に用いたナトリウムイオン電池が開示されている。また、ナトリウムイオン電池ではないものの、非特許文献2には、Liを負極活物質に用いたリチウムイオン電池が開示されている。同様の記載が、特許文献1の従来技術にも記載されている。
特開2012−221754号公報
Liang Zhao et al., "Disodiumu Terephthalate(Na2C8H4O4) as High Performance Anode Material for Low-Cost Room=Temperatrure Sodiumu-Ion Battery", ADVANCED ENERGY MATERIALS, 2(2012)962-965 M.Armand et al., "Conjugated dicarboxylate anodes for Li-ion batteries", NATURE MATERIALS, VOL8(2009)120-125
Na挿入容量が高いナトリウムイオン電池が求められている。本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、Na挿入容量を高いものとすることができるナトリウムイオン電池用負極活物質を提供することを主目的とするものである。
本発明者等は、上記課題を解決すべく研究を重ねた結果、2つの芳香族環が縮合した多環芳香族構造(ナフタレン環)の末端に2つのCOONaが結合したものより、2つの芳香族環が単結合により結合された多環芳香族構造(ビフェニル環)の末端に2つのCOONaを結合したものの方が、Na挿入容量を高いものとすることを見出した。本発明は、このような知見に基づいてなされたものである。
すなわち、本発明は、2つの芳香族環構造が単結合した多環芳香族構造と、上記多環芳香族構造の末端に結合した2以上のCOOX基(XはLiまたはNaである。)と、を有する化合物であることを特徴とするナトリウムイオン電池用負極活物質を提供する。
本発明によれば、上記多環芳香族構造を有することにより、Na挿入容量の高いものとすることができる。
本発明は、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成された電解質層と、を有するナトリウムイオン電池であって、上記負極活物質が、上述のナトリウムイオン電池用負極活物質であることを特徴とするナトリウムイオン電池を提供する。
本発明によれば、上記負極活物質が、上述のナトリウムイオン電池用負極活物質であることにより、Na挿入容量の高いものとすることができる。
本発明は、Na挿入容量の高いナトリウムイオン電池用負極活物質を提供することができるという効果を奏する。
本発明のナトリウムイオン電池の一例を示す概略断面図である。 実施例1の充放電結果である。 実施例2の充放電結果である。 比較例1の充放電結果である。 比較例2の充放電結果である。 比較例3の充放電結果である。 比較例4の充放電結果である。 比較例5の充放電結果である。 比較例6の充放電結果である。 比較例7の充放電結果である。 比較例8の充放電結果である。 参考例1および比較例7の充放電結果である。 実施例2および比較例7のサイクル特性評価結果である。
本発明は、ナトリウムイオン電池用負極活物質およびそれを用いたナトリウムイオン電池に関するものである。
以下、本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質およびナトリウムイオン電池について詳細に説明する。
A.ナトリウムイオン電池用負極活物質
まず、本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質について説明する。
本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質は、2つの芳香族環構造が単結合した多環芳香族構造と、上記多環芳香族構造の末端に結合した2以上のCOOX基(XはLiまたはNaである。)と、を有する化合物であることを特徴とするものである。
本発明によれば、上記多環芳香族構造を有することにより、Na挿入容量の高いものとすることができる。
ここで、上記多環芳香族構造を有することにより、Na挿入容量が高くなる理由については明確ではないが、以下のように推察される。
すなわち、上記COOX基を2以上有するような、金属(例えば上記X)と有機配位子(例えばCOO基)とを有する有機材料は、有機配位子を含む有機骨格層と金属を含む金属層とが層状に規則的配列した構造、いわゆるMetal−Organic Frameworks(MOF)構造を形成することから、有機MOF材料と称されることがある。
また、有機配位子を有する部位が、π電子共役雲を有する構造を含むものである場合、π電子共役雲を有する構造を含む有機骨格層がレドックスサイトとして機能する一方、金属層がNaイオン吸蔵サイトとして機能することにより、充放電、すなわち、エネルギーの貯蔵および放出を可能とすると考えられる。
ここで、本発明においては、上記π電子共役雲を有する構造として上記多環芳香族構造を有することにより、π電子共役雲が広く広がったものとすることができ、電子の受け渡しがスムーズなものとすることができる。
特に本発明においては、上記多環芳香族構造として、芳香族構造を2つ有することにより、より電子の受け渡しがスムーズなものとすることができる。
ここで、安定的なπ電子共役雲の広がり等の観点からは、多環芳香族構造として芳香族環同士が縮合した縮合構造を有する多環芳香族構造である方が電子の受け渡しがよりスムーズになるようにも思われる。
しかしながら、縮合構造を有することにより、例えば上記多環芳香族構造に結合されるCOOX基の数が2である場合、2つのCOOX基の結合箇所間を結ぶ方向を、金属層に対して垂直方向となるように配置することが困難となる。このため、金属層間に配置される有機骨格層にひずみが生じ、電子の受け渡しが妨げられる。
これに対して、上記多環芳香族構造が上記芳香族構造同士が単結合により結合された構造であることにより、2つのCOOX基の結合箇所間を結ぶ方向を、金属層に対して垂直方向となるように配置することが容易となる。このため、金属層間に配置される有機骨格層をひずみを少ないものとすることができ、電子の受け渡しがよりスムーズなものとすることができ、Na挿入容量の高いものとすることができると推察される。
以下、本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質である化合物について詳細に説明する。
1.化合物
本発明における化合物は、多環芳香族構造およびCOOX基を有するものである。
本発明における多環芳香族構造は、2つの芳香族環構造が単結合したものである。
上記芳香族環構造に含まれる芳香族環の種類としては、芳香族環の環構造を構成する元素が炭素のみである芳香族炭化水素であっても良いが、ヘテロ原子を有する芳香族複素環であっても良い。
上記芳香族環構造に含まれる芳香族環の環構造としては、芳香族性を示すものであれば良く、五員環や、下記一般式(1)に例示される六員環、七員環や八員環としても良いが、六員環であることが好ましい。安定な結晶構造となることができ、Na挿入容量の高いものとすることができるからである。
Figure 2015057755
上記芳香族環構造に含まれる芳香族環の数は1つであっても良く、2以上であっても良いが、1〜3の範囲内であることが好ましく、なかでも、1であることが好ましい。エネルギー密度を高めることができるからである。
なお、2以上含まれる場合、下記一般式(2)に例示されるように芳香族環同士が単結合により結合した多環構造を有するものであっても良く、下記一般式(3)や(4)に例示される様に芳香族環同士が縮合した縮合多環構造を有するものであっても良い。
Figure 2015057755
上記多環芳香族構造に含まれる2つの芳香族環構造は異なるものであっても良いが、同一であることが好ましい。安定な結晶構造となることができ、Na挿入容量の高いものとすることができるからである。
上記多環芳香族構造の具体例としては、下記一般式(5)〜(8)で示されるものを挙げることができ、なかでも、下記一般式(5)で示されるものを好ましく用いることができる。Na挿入容量の高いものとすることができるからである。
Figure 2015057755
本発明におけるCOOX基(XはLiまたはNaである。)は、上記多環芳香族構造に2以上結合されるものである。
上記COOX基中のXとしてはLiまたはNaのいずれを用いるものであっても良いが、Naであることが好ましい。充放電効率に優れたものとすることができるからである。
上記COOX基の上記多環芳香族環構造に結合される数としては、2以上であり、安定的なMOF構造を形成可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、2〜4の範囲内であることが好ましく、なかでも2であることが好ましい。Na挿入容量の高いものとすることができるからである。
上記COOX基の上記多環芳香族構造への結合箇所は、上記多環芳香族構造の末端に結合されるものである。
ここで、上記多環芳香族構造の末端に結合されるとは、上記多環芳香族構造に含まれる芳香族環の環構造を形成する炭素原子に結合することをいうものである。
このような結合箇所としては、安定的なMOF構造を形成可能であれば特に限定されるものではないが、上記多環芳香族構造に含まれる2つの芳香族環構造にそれぞれ1以上結合することが好ましく、なかでも、上記2つの芳香族環構造への結合数の差が1以下となるように結合することが好ましい。
例えば、上記COOX基の数が2の場合には、上記2つの芳香族環構造にそれぞれ1つずつ結合することが好ましく、結合数が3の場合には、一方の芳香族環構造および他方の芳香族環構造にそれぞれ1または2結合することが好ましい。
また、上記COOX基の数が2である場合には、上記多環芳香族構造の対角位置となる位置であることが好ましく、なかでも上記COOX基の上記結合箇所間が最大となる位置であることが好ましい。
ここで、上記多環芳香族構造の対角位置であるとは、上記結合箇所間を結ぶ線が多環芳香族構造に含まれる芳香族環内および芳香族環同士を結合する単結合上のみを通過するような位置であることをいうものである。
具体的には上記多環芳香族構造がビフェニル環であり上記COOX基の数が2である場合には、ビフェニル環の4および4´の位置に結合されることが好ましい。
上記化合物としては、具体的には、下記一般式(9)〜(12)で示されるものを挙げることができ、なかでも本発明においては、下記一般式(9)で示されるものを好ましく用いることができる。Na挿入容量の高いものとすることができるからである。
Figure 2015057755
上記化合物の製造方法としては、上述した化合物を得ることができる方法であれば特に限定されるものではないが、上記多環芳香族構造に2以上のカルボキシル基が結合した化合物を、水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウムにより中和する方法を挙げることができる。具体的には、上記多環芳香族構造に2以上のカルボキシル基が結合した化合物と、水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウムと、をエタノール中で攪拌した後、減圧乾燥等により乾燥する方法を挙げることができる。
2.ナトリウムイオン電池用負極活物質
本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質は、上記化合物であるが、導電化材と複合化していることが好ましい。Na脱離容量の高いものとすることができるからである。
複合化される導電化材としては、所望の電子伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば炭素材料および金属材料を挙げることができ、中でも炭素材料が好ましい。炭素材料としては、具体的には、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック;VGCF等の炭素繊維;グラファイト;ハードカーボン;コークス等を挙げることができる。金属材料としては、Fe、Cu、Ni、Al等を挙げることができる。「ナトリウムイオン電池用負極活物質と導電化材とが複合化されている」とは、通常、両者にメカノケミカル処理を行うことで得られる状態をいう。例えば、両者がナノオーダーで互いに密着するように分散している状態、および、一方の表面上に他方がナノオーダーで密着するように分散している状態等がある。なお、両者の間に化学結合が存在していても良い。複合化していることは、例えば、SEM観察、TEM観察、TEM−EELS法、X線吸収微細構造(XAFS)等により確認することができる。また、メカノケミカル処理としては、例えば、機械的エネルギーを付与できる処理を挙げることができ、例えば、ボールミル等を挙げることができる。また、市販の複合化装置(例えば、ホソカワミクロン社製ノビルタ)等を用いることもできる。
また、ナトリウムイオン電池用負極活物質が導電化材と複合化している場合、複合化した導電化材の割合は、例えば1重量%〜30重量%の範囲内であることが好ましく、5重量%〜20重量%の範囲内であることがより好ましい。複合化した導電化材の割合が少なすぎると、Na脱離容量の向上を十分に図ることができない可能性があり、複合化した導電化材の割合が多すぎると、相対的に活物質の量が減り、容量が低下してしまう可能性があるからである。複合化した導電化材が炭素材料である場合、炭素材料の結晶性は高いことが好ましい。具体的には、後述するように、層間距離d002またはD/G比が所定の値となるように炭素材料が複合化されていることが好ましい。
本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質の形状は、例えば粒子状であることが好ましい。また、その平均粒径(D50)は、例えば1nm〜100μmの範囲内、中でも10nm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
また、本発明のナトリウムイオン電池用負極活物質の製造方法は、上述した活物質を得ることができる方法であれば特に限定されるものではないが、芳香族環に2以上のカルボン酸が結合した芳香族カルボン酸化合物を、水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウムと共にエタノール中で攪拌する方法を挙げることができる。
B.ナトリウムイオン電池
次に、本発明のナトリウムイオン電池について説明する。
本発明のナトリウムイオン電池は、正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、前記正極活物質層および前記負極活物質層の間に形成された電解質層と、を有するナトリウムイオン電池であって、前記負極活物質が、上述のナトリウムイオン電池用負極活物質であることを特徴とするものである。
このような本発明のナトリウムイオン電池について図を参照して説明する。
図1は、本発明のナトリウムイオン電池の一例を示す概略断面図である。図1に示されるナトリウムイオン電池10は、正極活物質層1と、負極活物質層2と、正極活物質層1および負極活物質層2の間に形成された電解質層3と、正極活物質層1の集電を行う正極集電体4と、負極活物質層2の集電を行う負極集電体5と、これらの部材を収納する電池ケース6とを有するものである。本発明のナトリウムイオン電池は、負極活物質層2が、上記「A.ナトリウムイオン電池用負極活物質」に記載した負極活物質を含有することを大きな特徴とする。
本発明によれば、上記負極活物質が、上述のナトリウムイオン電池用負極活物質であることにより、Na挿入容量の高いものとすることができる。
本発明は、負極活物質層、正極活物質層および電解質層を少なくとも有するものである。
以下、本発明のナトリウムイオン電池の各構成について詳細に説明する。
1.負極活物質層
まず、本発明における負極活物質層について説明する。本発明における負極活物質層は、少なくとも負極活物質を含有する層である。また、負極活物質層は、負極活物質の他に、導電化材、結着材および固体電解質材料の少なくとも一つを含有していても良い。
本発明における負極活物質は、通常、上記「A.ナトリウムイオン電池用負極活物質」に記載した負極活物質である。
本発明における負極活物質層は、導電化材を含有することが好ましい。導電化材は、上記負極活物質と複合化したものであっても良く、複合化ではなく負極活物質層内で負極活物質と混合された状態で存在するものであっても良く、その両者であっても良い。導電化材としては、所望の電子伝導性を有するものであれば特に限定されるものではなく、上記「A.ナトリウムイオン電池用負極活物質」に記載した内容と同様である。中でも、導電化材は炭素材料であることが好ましく、特に、炭素材料の結晶性が高いことが好ましい。炭素材料の結晶性が高いと、Naイオンが炭素材料に挿入されにくくなり、Naイオン挿入による不可逆容量を低減できるからである。その結果、充放電効率の向上を図ることができる。炭素材料の結晶性は、例えば層間距離d002およびD/G比で規定できる。
上記炭素材料は、層間距離d002が、例えば3.5Å以下であることが好ましく、3.45Å以下であることがより好ましく、3.4Å以下であることがさらに好ましい。結晶性の高い炭素材料とすることができるからである。一方、層間距離d002は、通常3.3Å以上である。層間距離d002とは、炭素材料における(002)面の面間隔をいい、具体的にはグラフェン層間の距離に該当する。層間距離d002は、例えばCuKα線を用いたX線回折(XRD)法により得られるピークから求めることができる。
上記炭素材料は、ラマン分光測定により求められるD/G比が、例えば0.80以下であることが好ましく、0.6以下であることがより好ましく、0.4以下であることがさらに好ましく、0.2以下であることが特に好ましい。結晶性の高い炭素材料とすることができるからである。D/G比とは、ラマン分光測定(波長532nm)において観察される、1590cm−1付近のグラファイト構造に由来するG−bandのピーク強度に対する、1350cm−1付近の欠陥構造に由来するD−bandのピーク強度をいう。
結着材としては、化学的、電気的に安定なものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素系結着材、スチレンブタジエンゴム等のゴム系結着材、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等のオレフィン系結着材、カルボキシメチルセルロース(CMC)等のセルロース系結着材等を挙げることができる。また、固体電解質材料としては、所望のイオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、酸化物固体電解質材料、硫化物固体電解質材料を挙げることができる。なお、固体電解質材料については、後述する「3.電解質層」で詳細に説明する。
負極活物質層における負極活物質の含有量は、容量の観点からはより多いことが好ましく、例えば60重量%〜99重量%の範囲内、中でも70重量%〜95重量%の範囲内であることが好ましい。また、導電化材の含有量は、所望の電子伝導性を確保できれば、より少ないことが好ましく、例えば5重量%〜80重量%の範囲内、中でも10重量%〜40重量%の範囲内であることが好ましい。導電化材の含有量が少なすぎると、十分な電子伝導性が得られない可能性があり、導電化材の含有量が多すぎると、相対的に活物質の量が減り、容量が低下してしまう可能性があるからである。また、結着材の含有量は、負極活物質等を安定に固定化できれば、より少ないことが好ましく、例えば1重量%〜40重量%の範囲内であることが好ましい。結着剤の含有量が少なすぎると、十分な結着性が得られない可能性があり、結着剤の含有量が多すぎると、相対的に活物質の量が減り、容量が低下してしまう可能性があるからである。また、固体電解質材料の含有量は、所望のイオン伝導性を確保できれば、より少ないことが好ましく、例えば1重量%〜40重量%の範囲内であることが好ましい。固体電解質材料の含有量が少なすぎると、十分なイオン伝導性が得られない可能性があり、固体電解質材料の含有量が多すぎると、相対的に活物質の量が減り、容量が低下してしまう可能性があるからである。
また、負極活物質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば
0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
2.正極活物質層
次に、本発明における正極活物質層について説明する。本発明における正極活物質層は、少なくとも正極活物質を含有する層である。また、正極活物質層は、正極活物質の他に、導電化材、結着材および固体電解質材料の少なくとも一つを含有していても良い。
正極活物質としては、ナトリウムを含有しており電気的にナトリウム挿入脱離反応が可能なものであれば特に限定されるものではなく、例えば、層状活物質、スピネル型活物質、オリビン型活物質等を挙げることができる。正極活物質の具体例としては、NaFeO、NaNiO、NaCoO、NaMnO、NaVO、Na(NiMn1−X)O(0<X<1)、Na(FeMn1−X)O(0<X<1)、NaVPOF、NaFePOF、Na(PO等を挙げることができる。
正極活物質の形状は、粒子状であることが好ましい。また、正極活物質の平均粒径(D50)は、例えば1nm〜100μmの範囲内、中でも10nm〜30μmの範囲内であることが好ましい。正極活物質層における正極活物質の含有量は、容量の観点からはより多いことが好ましく、例えば60重量%〜99重量%の範囲内、中でも70重量%〜95重量%の範囲内であることが好ましい。なお、正極活物質層に用いられる、導電化材、結着材および固体電解質材料の種類ならびに含有量については、上述した負極活物質層に記載した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、正極活物質層の厚さは、電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内であることが好ましい。
3.電解質層
次に、本発明における電解質層について説明する。本発明における電解質層は、上記正極活物質層および上記負極活物質層の間に形成される層である。電解質層に含まれる電解質を介して、正極活物質と負極活物質との間のイオン伝導を行う。電解質層の形態は、特に限定されるものではなく、液体電解質層、ゲル電解質層、固体電解質層等を挙げることができる。
液体電解質層は、通常、非水電解液を用いてなる層である。非水電解液は、通常、ナトリウム塩および非水溶媒を含有する。ナトリウム塩としては、例えばNaPF、NaBF、NaClOおよびNaAsF等の無機ナトリウム塩;およびNaCFSO、NaN(CFSO、NaN(CSO、NaN(FSO、NaC(CFSO等の有機ナトリウム塩等を挙げることができる。非水溶媒としては、ナトリウム塩を溶解するものであれば特に限定されるものではない。例えば高誘電率溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)等の環状エステル(環状カーボネート)、γ−ブチロラクトン、スルホラン、N−メチルピロリドン(NMP)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)等を挙げることができる。一方、低粘度溶媒としては、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等の鎖状エステル(鎖状カーボネート)、メチルアセテート、エチルアセテート等のアセテート類、2−メチルテトラヒドロフラン等のエーテル等を挙げることができる。高誘電率溶媒および低粘度溶媒を混合した混合溶媒を用いても良い。非水電解液におけるナトリウム塩の濃度は、例えば0.3mol/L〜5mol/Lの範囲内であり、0.8mol/L〜1.5mol/Lの範囲内であることが好ましい。ナトリウム塩の濃度が低すぎるとハイレート時の容量低下が生じる可能性があり、ナトリウム塩の濃度が高すぎると粘性が高くなり低温での容量低下が生じる可能性があるからである。なお、本発明においては、非水電解液として、例えばイオン性液体等の低揮発性液体を用いても良い。
ゲル電解質層は、例えば、非水電解液にポリマーを添加してゲル化することで得ることができる。具体的には、非水電解液に、ポリエチレンオキシド(PEO)、ポリアクリルニトリル(PAN)またはポリメチルメタクリレート(PMMA)等のポリマーを添加することにより、ゲル化を行うことができる。
固体電解質層は、固体電解質材料を用いてなる層である。固体電解質材料としては、Naイオン伝導性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば酸化物固体電解質材料および硫化物固体電解質材料を挙げることができる。酸化物固体電解質材料としては、例えばNaZrSiPO12、βアルミナ固体電解質(NaO−11Al等)等を挙げることができる。硫化物固体電解質材料としては、例えばNaS−P等を挙げることができる。
本発明における固体電解質材料は、非晶質であっても良く、結晶質であっても良い。また、固体電解質材料の形状は、粒子状であることが好ましい。また、固体電解質材料の平均粒径(D50)は、例えば1nm〜100μmの範囲内、中でも10nm〜30μmの範囲内であることが好ましい。
電解質層の厚さは、電解質の種類および電池の構成によって大きく異なるものであるが、例えば0.1μm〜1000μmの範囲内、中でも0.1μm〜300μmの範囲内であることが好ましい。
4.その他の構成
本発明のナトリウムイオン電池は、上述した負極活物質層、正極活物質層および電解質層を少なくとも有するものである。さらに通常は、正極活物質層の集電を行う正極集電体、および、負極活物質層の集電を行う負極集電体を有する。正極集電体の材料としては、例えばSUS、アルミニウム、ニッケル、鉄、チタンおよびカーボン等を挙げることができる。一方、負極集電体の材料としては、例えばSUS、銅、ニッケルおよびカーボン等を挙げることができる。また、正極集電体および負極集電体の形状としては、例えば、箔状、メッシュ状、多孔質状等を挙げることができる。
本発明のナトリウムイオン電池は、正極活物質層および負極活物質層の間に、セパレータを有していても良い。より安全性の高い電池を得ることができるからである。セパレータの材料としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、セルロース、ポリフッ化ビニリデン等の多孔膜;および樹脂不織布、ガラス繊維不織布等の不織布等を挙げることができる。また、セパレータは、単層構造(例えばPE、PP)であっても良く、積層構造(例えばPP/PE/PP)であっても良い。また、本発明に用いられる電池ケースには、一般的な電池の電池ケースを用いることができる。電池ケースとしては、例えばSUS製電池ケース等を挙げることができる。
5.ナトリウムイオン電池
本発明のナトリウムイオン電池は、上述した正極活物質層、負極活物質層および電解質層を有するものであれば特に限定されるものではない。また、本発明のナトリウムイオン電池は、電解質層が固体電解質層である電池であっても良く、電解質層が液体電解質層である電池であって良く、電解質層がゲル電解質層である電池であっても良い。さらに、本発明のナトリウムイオン電池は、一次電池であっても良く、二次電池であっても良いが、中でも、二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。また、本発明のナトリウムイオン電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型および角型等を挙げることができる。また、ナトリウムイオン電池の製造方法は、特に限定されるものではなく、一般的なナトリウムイオン電池における製造方法と同様である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
ナスフラスコにビフェニルー4,4´−ジカルボン酸、LiOH・HO、純水を入れ、環流下で攪拌した。その後、室温まで放冷し、EtOH洗浄した後、140℃で減圧乾燥し、環内にN窒素を導入したLi塩の有機材料(負極活物質)を得た。
[実施例2]
LiOH・HOの代わりに、NaOHを用いた以外は、実施例1と同様にして、環内にN窒素を導入したNa塩の有機材料(負極活物質)を得た。
[比較例1]
ビフェニルー4,4´−ジカルボン酸の代わりにフマル酸を用い、純水の代わりにEtOHを用いた以外は、実施例1と同様にして、Li塩の有機材料(負極活物質)を得た。
[比較例2]
ビフェニルー4,4´−ジカルボン酸の代わりにtrans,trans−ムコン酸を用い、純水の代わりにEtOHを用いた以外は、実施例1と同様にして、Li塩の有機材料(負極活物質)を得た。
[比較例3]
ビフェニルー4,4´−ジカルボン酸の代わりにテレフタル酸を用い、純水の代わりにEtOHを用いた以外は、実施例1と同様にして、Li塩の有機材料(負極活物質)を得た。
[比較例4]
ビフェニルー4,4´−ジカルボン酸の代わりに2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いた以外は、実施例1と同様にして、Li塩の有機材料(負極活物質)を得た。
[比較例5]
ビフェニルー4,4´−ジカルボン酸の代わりにフマル酸を用い、NaOHの代わりにNaCOを用い、純水の代わりにEtOHを用いた以外は、実施例2と同様にして、Na塩の有機材料(負極活物質)を得た。
[比較例6]
ビフェニルー4,4´−ジカルボン酸の代わりにtrans,trans−ムコン酸を用い、純水の代わりにEtOHを用いた以外は、実施例2と同様にして、Na塩の有機材料(負極活物質)を得た。
[比較例7]
ビフェニルー4,4´−ジカルボン酸の代わりにテレフタル酸を用い、純水の代わりにEtOHを用いた以外は、実施例2と同様にして、Na塩の有機材料(負極活物質)を得た。
[比較例8]
ビフェニルー4,4´−ジカルボン酸の代わりに2,6−ナフタレンジカルボン酸を用いた以外は、実施例2と同様にして、Na塩の有機材料(負極活物質)を得た。
[参考例1]
比較例7で合成したNa塩の有機材料(負極活物質)と、結晶性の高いカーボン材料(VGCF)を重量比90%/10%で混合し、ZrOボールを用いて回転数180rpm×24時間ボールミル処理をして有機材料とカーボンを複合化した材料を合成した。この時に用いたVGCFは層間距離d002=3.37ÅÅであり、ラマンD/G比=0.07であった。
[評価用電池の作製]
得られた活物質を用いた評価用電池を作製した。まず、得られた活物質と、導電化材(アセチレンブラック)と、結着材(ポリフッ化ビニリデン、PVDF)とを、活物質:導電化材:結着材=85:10:5の重量比で混合し、混練することにより、ペーストを得た。次に、得られたペーストを、銅箔上にドクターブレードにて塗工し、乾燥し、プレスすることにより、厚さ20μmの試験電極を得た。
なお、参考例1については、複合化された負極活物質およびカーボン材料を本段落での活物質として用いた。
その後、CR2032型コインセルを用い、作用極として上記試験電極を用い、対極として金属Naを用い、セパレータとしてポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンの多孔質セパレータ(厚さ25μm)を用いた。電解液には、EC(エチレンカーボネート)およびDEC(ジエチルカーボネート)を同体積で混合した溶媒にNaPFを濃度1mol/Lで溶解させたものを用いた。これにより、評価用電池を得た。
(充放電試験)
実施例および比較例で得られた評価用電池に対して、充放電試験を行った。具体的には、環境温度25℃、C/50の電流値(上下限電圧2.5V〜10mV)で行った。
結果を図2〜図12に示す。図2〜図12は、それぞれ、実施例1〜2、比較例1〜8および参考例1の充放電結果を示すものである。また、図2〜12から、各材料を用いた場合のNa挿入容量、Na脱離容量、充放電効率および充放電電位差を求めた結果を下記表1に示す。
Figure 2015057755
(X線回折測定)
比較例7の活物質粉体の粉末X線回折測定を行った。測定は、放射線としてCuKα線(波長1.54051Å)を使用し、X線回折装置(リガク製RINT2200)を用いて行った。また、測定は、X線の単色化にはグラファイトの単結晶モノクロメーターを用い、印加電圧を40kV、電流30mAに設定し、4°/分の走査速度で2θ=10°〜90°の角度範囲で行った。その結果、比較例7は、空間群Pbc2に帰属される結晶構造を有していることが確認できた。
図2〜図11および表1より、Liイオン二次電池の負極材料として報告されているMOF(metal−organic framework)有機材料のNaイオン二次電池への適応を検討した結果、Naイオンが挿入脱離できる分子構造を明らかにした。
より詳細には、Liイオン電池で動作する全てのMOF材料がNaイオン電池で動作するのではなく、末端構造がCOOLiまたはCOONaであり、炭素数が6以上の環構造を有する構造がNaイオン電池として動作することが確認できた。
有機材料(負極活物質)のNaイオンとの反応メカニズムはいまだ明確ではないが、有機材料の末端COOHがCOONaになる反応とすると、分子構造内に2Naが反応することになる。
比較例1,2、5および6では、充放電結果からNaイオンの挿入脱離反応はほとんど起こっていないことが確認できた。
実施例1および比較例3〜4(COOLi)では、0.4V vs Na/Na付近の電位に明確なプラトーが発現しており、Naイオンの挿入脱離反応が行っていることが明らかとなった。
実施例2および比較例7〜8(COONa)では、0.3 vs Na/Na付近の電位に明確なプラトーが発現しており、Naイオンの挿入脱離反応が行っていることが明らかとなった。
これらの結果から、有機MOF材料において−(CH−(n=6以上)が環構造を有し、かつ、COOLiおよびCOONaを有する場合に、Naイオンの挿入脱離反応がおこることが明らかとなった。
また、末端構造が末端がCOOLiおよびCOONaの場合では、その反応電位が異なり、末端構造により電位が制御できることが明らかとなった。
さらに、実施例1および2と、比較例4および8と、の比較より、2つの芳香族環構造が単結合された多環芳香族構造を有するものは、2つの芳香族環構造が縮合した構造のもの(比較例4および比較例8)と比較して、Na挿入容量の高いものなることが確認できた。
また、Na脱離容量(可逆容量)の高いものとなることが確認できた。この結果、電池としての可逆性(充放電効率)に優れたものとすることができることが確認できた。
図12(参考例1)に示すように、比較例7の有機材料(2Na反応時の理論容量=255mAh/g)と結晶性の高いカーボン材料を複合化することにより、可逆容量(比較例7:113mAh/g、0.89Na→参考例1:250mAh/g、1.96Na)および充放電効率(比較例7:56.5%→参考例1:68.8%)が飛躍的に向上することが明らかとなった。
Liイオン電池では、層間距離が大きく、D/G比が大きいものを用いても問題ないが、Naイオン電池では、層間距離が大きく、D/G比が大きい結晶性の悪いカーボン材料を用いると、不可逆なNa挿入脱離反応により電池としての可逆性(充放電効率)が悪くなってしまうことが確認できた。
[充放電サイクル特性評価用電池の作製]
実施例2および比較例7で得られた活物質を用いた評価用電池を作製した。まず、得られた活物質と、導電化材(カーボン材料、VGCF)と、導電化材(アセチレンブラック、AB)と、結着材(ポリフッ化ビニリデン、PVDF)とを、活物質:導電化材VGCF:導電化材AB:結着材=54:6:30:10の重量比で混合し、混練することにより、ペーストを得た。次に、得られたペーストを、銅箔上にドクターブレードにて塗工し、乾燥し、プレスすることにより、厚さ20μmの試験電極を得た。なお、カーボン材料であるVGCFについては、参考例1で用いたVGCFと同様のものを用いた。
その後、CR2032型コインセルを用い、作用極として上記試験電極を用い、対極として金属Naを用い、セパレータとしてポリプロピレン/ポリエチレン/ポリプロピレンの多孔質セパレータ(厚さ25μm)を用いた。電解液には、EC(エチレンカーボネート)およびDEC(ジエチルカーボネート)を同体積で混合した溶媒にNaPFを濃度1mol/Lで溶解させたものを用いた。これにより、評価用電池を得た。
[充放電サイクル特性の評価]
実施例2および比較例7で得られた評価用電池について、電池評価環境温度25℃、C/50の電流値にて充放電(上下限電圧2.5V〜10mV)を行った後、C/10の電流値にて充放電サイクル評価(50サイクル、上下限電圧2.5V〜10mV)を行った。1サイクル目のNa脱離容量と50サイクル後のNa脱離容量の比を容量維持率として評価した。充放電サイクル特性の評価結果を下記表2および図13に示す。
Figure 2015057755
表2および図13より、比較例7では50サイクルの充放電後の容量維持率は83.7%であるのに対して、実施例2では容量維持率が95.7%まで向上した。充放電耐久特性が向上した理由は定かではないが、有機骨格部のフェニルをビフェニルにすることにより、Na挿入脱離に伴う結晶構造の膨張収縮率が小さくなり、充放電耐久特性が向上したと推定される。
1 … 正極活物質層
2 … 負極活物質層
3 … 電解質層
4 … 正極集電体
5 … 負極集電体
6 … 電池ケース
10 … ナトリウムイオン電池

Claims (2)

  1. 2つの芳香族環構造が単結合した多環芳香族構造と、
    前記多環芳香族構造の末端に結合した2以上のCOOX基(XはLiまたはNaである。)と、
    を有する化合物であることを特徴とするナトリウムイオン電池用負極活物質。
  2. 正極活物質を含有する正極活物質層と、負極活物質を含有する負極活物質層と、前記正極活物質層および前記負極活物質層の間に形成された電解質層と、を有するナトリウムイオン電池であって、
    前記負極活物質が、請求項1に記載のナトリウムイオン電池用負極活物質であることを特徴とするナトリウムイオン電池。
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