JP2015050518A - アンテナ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】反射板(3)の水平方向の幅が送信周波数(>受信周波数)の1波長よりも大きく設定されているアンテナである。ダイポール素子(1)の各先端の外方側に位置した反射板(3)上の各部位にそれぞれ立設された相対向する指向性調整板(3)と、各指向性調整板(3)の外方側に位置した反射板(3)の各部位にそれぞれ形成されたくり抜き孔(3)と、を備え、各くり抜き孔(3)と各指向性調整板(3)とによって水平面内指向性を調整される。
【選択図】図13
Description
特許文献1に係るアンテナの反射板は、バックローブ等を抑制して所望の水平角度範囲以外の不要な放射を少なくするように作用する。しかし、この反射板は、水平方向幅が低い側の周波数帯の偏波の波長に基づいて設定されるので、その幅を高い周波数帯側の偏波の波長に換算した場合、該偏波の1波長を超える場合がある。この場合、高い周波数帯の偏波のビーム幅と低い側の周波数帯の偏波のビーム幅との相違が増大し、また、干渉方向レベル比となるフロントサイド比、フロントバック比も劣化する。
また、第2の発明に係るアンテナによれば、反射板の水平方向の幅が各周波数帯中における最も周波数の高い周波数帯の偏波の1波長よりも大きく設定されているにもかかわらず、上記最も周波数の高い周波数帯の偏波のビーム幅と他の周波数帯の偏波のビーム幅の差を小さくすることが可能であり、また、干渉方向レベル比も改善することが可能である。
ダイポール素子1は、使用周波数帯の水平偏波を送受すべく、その長手軸線が水平方向(x方向)に向く形態で反射板3の中央部上方に配置されている。反射板3は、その長手軸線が垂直方向(z方向)に向く形態で配置され、その両側端には側面反射板部3aがそれぞれ立上げ形成されている。
反射板3の水平方向幅Wは、低い方の周波数である受信周波数1.9GHzに適合するように該受信周波数の波長λ1.9に基づいて設定される。このため、この反射板3の幅Wを高い方の周波数である送信周波数2.2GHzの波長λ2.2に換算した場合、1.0×λ2.2を超える場合がある。
反射板3の水平方向幅Wが波長λ2.2の大きさを超えると、図2に示すように1.9GHzビーム幅と2.2GHzビーム幅との差が大きくなり、また、図3に示すように干渉方向レベル比となるフロントサイド比(以下、FS比という)及びフロントバック比(以下、FB比という)も劣化する。
なお、このアンテナでは、反射板3の水平方向幅Wが1.28λ2,2に、側面反射板部3aの高さが0.11λ2.2に、反射板3の面からのダイポール素子1の高さが0.33λ2.2にそれぞれ設定されている。
図6及び図7から明らかなように、指向性調整板5のみでは1.9GHzビーム幅及び2.2GHzビーム幅の差を十分に小さくすることができず、また、FS比及びFB比も改善されない。これは、指向性調整板5によって回折された電波がその先にある反射板3の影響を受けているためである。
図2を参照して前述したように、反射板3の水平方向幅Wが1.0×λ2,2を超えると指向性が劣化する。上記くり抜き孔7は、このような考察に基づき、低い方の周波数である受信周波数1.9GHzについての動作への影響を抑制しながらダイポール素子1の配置部位における反射板3の水平方向幅を狭くする、という意図で形成したものである。
また、図11に上記くり抜き孔7の水平方向長LHの変化に対する1.9GHzビーム幅及び2.2GHzビーム幅の変化を示し、図12に上記水平方向長LHの変化に対する1.9GHzFS比、1.9GHzFB比、2.2GHzFS比及び2.2GHzFB比の変化を示す。
この図9〜図12から明らかなように、くり抜き孔7のみによっては1.9GHzビーム幅及び2.2GHzビーム幅の差を十分に小さくすることができず、また、FS比及びFB比も改善されない。
本実施形態に係るアンテナは、図1のアンテナに図5に示す指向性調整板5及び図8に示すくり抜き孔7を設けた構成を有する。この場合、各くり抜き孔7は、各指向性調整板5の外方側に位置した反射板3の各部位にそれぞれ形成される。このアンテナにおいても、反射板3の水平方向幅Wが1.28×λ2.2に設定されるとともに、側面反射板部3aの高さが0.11λ2.2に設定され、また、指向性調整板5のy方向長、z方向長がそれぞれ0.168λ2.2、0.293λ2.2に設定されている。なお、指向性調整板5は、対応するくり抜き孔7の内方側縁端に臨む反射板3の部位に立設されている。
この図16及び図17から明らかなように、くり抜き孔7の垂直方向長LVが0.25λ2.2以上である場合に、1.9GHzビーム幅と2.2GHzビーム幅の差が小さくなるとともに、干渉方向レベル比が改善される。
図18及び図19から明らかなように、くり抜き孔7の水平方向長LHが0.15λ2.2以上である場合に、送信周波数2.2GHzのビーム幅特性と受信周波数1.9GHzのビーム幅特性の差が小さくなるとともに、干渉方向レベル比が改善される。
このように、本実施形態に係るアンテナによれば、反射板3の水平方向幅が波長λ2.2を超える場合においても、ダイポール素子1の送信周波数及び受信周波数についての水平面内ビーム幅特性の差を小さくすることが可能であり、かつ、干渉方向のレベルも大きく改善することが可能となる。
ダイポール素子1として、2GHz帯において使用可能な半波長の水平偏波用ダイポール素子を用いる。
受信周波数を1.9GHzとし、送信周波数を2.2GHzとする。
反射板3の水平方向幅Wを1.28λ2.2に設定する。
側面反射板部3aの立上げ高さ(y方向高さ)を0.11λ2.2に設定する。
くり抜き孔7の水平方向長LH、垂直方向長LVをそれぞれ0.238λ2.2、0.33λ2.2に設定する。
指向性調整板5を対応するくり抜き孔7の内方側縁端部位に位置させ、この指向性調整板5のy方向長、z方向長をそれぞれ0.168λ2.2、0.293λ2。2に設定する。
本実施形態のアンテナは、0.8GHz帯で使用される水平偏波用ダイポール素子11と、2GHz帯で使用される水平偏波用ダイポール素子13と、0.8GHz帯で使用される垂直偏波用ダイポール素子15と、2GHz帯で使用される垂直偏波用ダイポール素子17と、これらのダイポール素子11〜17の背部に設けた反射板19とを備えている。ダイポール素子11〜17は、いずれも半波長ダイポール素子であり、その長さ等を変更することにより、上記とは異なる任意の使用周波数帯に適用可能である。
また、2GHz帯水平偏波用ダイポール素子13は、垂直方向に0.88λ2.2の間隔をおいて4段配列されている。この水平偏波用ダイポール素子13は、反射板19からの高さが例えば0.33λ2.2に設定され、かつ、その中心点が反射板19の長手軸線を含むyz平面内に位置されている。
2GHz帯垂直偏波用ダイポール素子17は、反射板19の長手軸線を含むyz平面を中心として対称に配置され、かつ、垂直方向(z方向)に0.88λ2.2の間隔をおいて4段配列されている。各垂直偏波用ダイポール素子17は、反射板19からの高さが例えば0.33λ2.2に設定され、かつ、水平方向(x方向)の配置間隔が0.416λ2.2に設定されている。
なお、前記したように、本実施形態に係るアンテナは、ダイポール素子11〜17の長さ等を変更することによって上記とは異なる二周波数帯にも適用可能である。また、本実施形態に係るアンテナは、三周波数帯以上の周波数帯に適用し得るように構成することも可能である。
3 反射板
3a 側面反射板部
5 指向性調整板
7 くり抜き孔
9 垂直偏波用ダイポール素子
11 水平偏波用ダイポール素子
13 水平偏波用ダイポール素子
15 垂直偏波用ダイポール素子
17 垂直偏波用ダイポール素子
19 反射板
19a 側面反射板部
21 くり抜き孔
23 指向性調整板
Claims (8)
- 水平偏波を送受信するダイポール素子と、該ダイポール素子の背部に配置された反射板とを有し、該反射板の水平方向の幅が送信周波数(>受信周波数)の1波長よりも大きく設定されているアンテナであって、
前記ダイポール素子の各先端の外方側に位置した前記反射板上の各部位にそれぞれ立設された相対向する指向性調整板と、
前記各指向性調整板の外方側に位置した前記反射板の各部位にそれぞれ形成されたくり抜き孔と、を備え、
前記各くり抜き孔と前記各指向性調整板とによって水平面内指向性を調整するようにしたことを特徴とするアンテナ。 - 垂直偏波を送受信するダイポール素子を更に備えることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
- 前記くり抜き孔は方形状に形成され、その水平方向長及び垂直方向長が前記送信周波数の波長の0.15倍以上及び0.25倍以上にそれぞれ設定されていることを特徴とする請求項1または2に記載のアンテナ。
- 前記反射板の両端に水平面内指向性を調整するための側面反射板部が立上げ形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアンテナ。
- 複数の異なる周波数帯に適用される個別の水平偏波用ダイポール素子と、該各水平偏波用ダイポール素子の背部に配置された反射板とを有し、該反射板の水平方向の幅が前記各周波数帯中における最も周波数の高い周波数帯の偏波の1波長よりも大きく設定されているアンテナであって、
前記最も周波数の高い周波数帯に適用されるダイポール素子の各先端の外方側に位置した前記反射板上の各部位にそれぞれ立設された相対向する指向性調整板と、
前記各指向性調整板の外方側に位置した前記反射板の各部位にそれぞれ形成されたくり抜き孔と、を備え、
前記各くり抜き孔と前記各指向性調整板とによって水平面内指向性を調整するようにしたことを特徴とするアンテナ。 - 前記複数の異なる周波数帯に適用する個別の垂直偏波用ダイポール素子を更に備えることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ。
- 前記くり抜き孔は方形状に形成され、その水平方向長及び垂直方向長が前記最も周波数の高い周波数帯の水平偏波の波長の0.15倍以上及び0.25倍以上にそれぞれ設定されていることを特徴とする請求項5または6に記載のアンテナ。
- 前記反射板の両端に水平面内指向性を調整するための側面反射板部が立上げ形成されていることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のアンテナ。
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