JP2015048910A - 止水弁 - Google Patents
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Abstract
Description
この従来例の止水弁は、ケーシングと、弁体と、弁座と、弁軸と、弾発機構と、から構成されている。
ケーシングは、一端は外部に開放され、他端は流体管に接続され、後述する弁体、弁座、弁軸、弾発機構を内部に備える。
弁体は、上面視円形状であって、EPDM等のゴムやエラストマーからなる弾性部材から構成される。尚、本従来例においては、弁座より下方に下降する第一の弁体及び、弁座より上方に上昇する第二の弁体と、2個の弁体を構成している。
弁座は、前記ケーシングに構成され、ケーシング内壁から中心方向に向かって飛び出して構成される平板であって、弁体が着座する着座面と、当該着座面より内方に開口されている通気口と、から構成される。本従来例では、二つの弁座が並列して配置されており、弁座より下方に下降する第一の弁体に対応する弁座の着座面は下面に構成され、弁座より上方に上昇する第二の弁体に対応する弁座の着座面は上面に構成される。また、ケーシング内の両弁座間の空間は弁室として機能している。
弁軸は、弁体中心部から垂直方向に構成されるものであって、弁体が当該弁軸を軸として上下動するものである。当該従来例では、ABS等の硬質合成樹脂から構成されている。また、本従来例では、弁座より下方に下降する第一の弁体には、弁体より下方に垂下して構成される。また、弁座より上方に上昇する第二の弁体には、弁体より垂直方向上方に構成される。また、弁軸と弁体は係止部材によって取付固定されている。
弾発機構は、常時軸方向に向けて弾発する方向で圧縮されたスプリングが第一の弁体の弁軸の外周に配置されている。この弾発機構は、常時弁体を弁座に着座する方向で弁体を押圧している。また、第二の弁体は、弁体の自重により弁座に着座している。(特許文献1)
本従来例の止水弁は、図11に示すように、槽体と、排水口と、排水管と、弁体と、操作部と、レリースワイヤと、から構成される。
止水弁が取り付けられる遠隔操作式排水栓装置の構造については以下に説明する。
槽体は、箱体であって、底部に後記する排水口が開口される。又、本従来例では、浴室の浴槽が槽体である。
排水口は、槽体の底部に開口された孔であって、排水口には、最終的には下水管と接続される排水管が接続されていて、内部に封水を構成して下水からの臭気や異臭を室内側へ逆流させないように排水トラップなどを介して配管し、槽体内部の排水を下水管へと排水するよう配管されている。また、排水口には、後記するレリースワイヤを排水口中心に固定されるよう、ワイヤー受け部材を配置構成している。また、当該排水口の上面は、後述する止水弁の止水構造である弁体が着座して止水面を構成する弁座を構成する。
機器部としてのワイヤー受け部材は、排水口に着脱可能に取り付けられる部材である。
操作部は、ボタン部と、保持機構部と、から構成される。
弁体は、遠隔的に操作されて上下動するものであり、止水構造であるEPDM等からなるパッキンを備え、前記弁座である排水口を閉塞/開口するための部材である。当該弁体は、後述する弁軸を着脱自在に備える。この弁軸が取り付けられる為の凹部を弁体裏面の中央部に構成し、弁軸の係合部と着脱自在に係合するように構成されている。弁体が上昇した際にはパッキンが弁座から離間して排水口が開口し排水を行い、弁体が下降した際にはパッキンが排水口である弁座に着座し排水口を閉塞するので槽体内に水を貯水することができる。
ボタン部は、槽体の上縁部に配置構成される部材であって、使用者が押し操作する毎に弁体が上昇・下降する為の部材で、押し釦状になっている。
保持機構部は、操作部側に構成され、インナーワイヤの進退を保持/保持解除する部材である。本実施例では、ボールペンなどに用いられるスラストロック機構を備える。
レリースワイヤは、レリースワイヤは一方を操作部に、他方の端部を止水弁側に連結接続して成り、インナーワイヤと、アウターチューブと、弾発機構である付勢スプリングと、弁軸と、から構成される。
インナーワイヤは、金属の圧縮コイル状からなり、後記アウターチューブ内に進退自在に内包されている。
アウターチューブは、円筒状の可撓性を有した例えば四フッ化エチレンなどを用いた樹脂製の管体からなり、内部にインナーワイヤを内包している。
弾発機構である付勢スプリングは、アウターチューブ内に内蔵されるバネ体であり、前記保持機構部によって保持されたインナーワイヤが、保持機構部の解除の際に、進行した分だけバネの弾発力により元の箇所に後退するようにする機構である。
弁軸は、インナーワイヤの弁体側端部にカシメ固定される部分であり、インナーワイヤの進退動作を止水弁に伝達するように先端が弁体に着脱自在に取り付けられている。また、弁軸はワイヤー受け部材によって排水口内に配置されるように成っている。また、弁軸はOリングからなる係合部が構成されており、前記弁体の凹部に着脱自在に係合される。(特許文献2)
浴槽を設置後、若しくは設置前に、槽体の上縁部に操作部を取付け、その後操作部と排水口までホースなどの管体で連結し、操作部からレリースワイヤを挿入する。するとレリースワイヤはホースなどの管体内を通り排水口まで管体でガイドされ挿通される。
排水口に挿通されたレリースワイヤは、施工者により排水口から引き出される。排水口から引き出したレリースワイヤをワイヤー受け部材の軸受け部に取り付ける。その後、施工者によりワイヤー受け部材を排水口内にセットし、軸受け部内に配置されるレリースワイヤの弁軸に弁体を取付け、施工が完了する。
槽体の排水口の弁体が下降している際に、操作部を押動すると、レリースワイヤのインナーワイヤが操作部の押動に対応し前進する。このとき、弾発機構である付勢スプリングは圧縮される。そうすると、レリースワイヤは弁軸を介して弁体に接続されているので、インナーワイヤの前進に伴い弁体が押し上げられ上昇し、弁体が排水口より離間し弁座との着座が解除される。この状態時に、保持機構部が働き、インナーワイヤの前進量を保持することとなり、弁体の上昇が保持されることによって槽体の排水口が開口され、槽体内の排水が排水口から排水管、排水トラップを介して下水管へと排水される。また、この状態から操作部をさらに押動すると、インナーワイヤが少量前進し、保持機構部のインナーワイヤの保持が解除され、弾発機構である圧縮された付勢スプリングが保持機構部の解除に伴い圧縮が解除され、当該圧縮解除の付勢力によりインナーワイヤが後退する。そうすると、インナーワイヤの後退に併せて弁軸も降下し弁体も下降するため、弁体が弁座である排水口に着座し、排水口を閉口することができる。この状態においては、排水口が閉口される為、槽体内部に水を貯水することができる。尚、これ以降は操作部の押動操作により上記の弁体の開閉作用が繰り返されることとなる。
前記した従来例の止水弁の構造では弁体が弾発機構により強制的に着座する方向に付勢されている為、弁軸が斜めになったまま作動してしまうことが多発する。このように弁軸が斜めに配置されたまま弁体が作動すると、弁軸に取り付けられた弁体も弁軸に合わせて斜めになってしまうことになり、弁座は弁体に対し水平に配置構成されているため、弁体の止水構造(パッキン)が斜めに弁座に着座し、一部離間した状態になることにより完全に弁座に着座できない。このように、弁体が完全に着座できない事態になってしまうと止水弁として機能することができなくなってしまい、通気漏れや漏水の発生等の問題が発生してしまう。
また、上記の問題から、弁体に弁軸が構成されている止水弁の弁体が斜めに作動することを防止するため、弁軸を上下動自在にガイドする筒状のガイド軸を構成することがある。このような弁軸がガイドされる止水弁では、弁軸が斜めに作動することは防止できるものの、斜め防止しようとして弁軸とガイド軸の隙間を少なくすると、実使用時に排水中に発生するゴミや砂が軸に入り込み、噛み込んでしまうことがある。このような砂噛みが発生すると、逆に弁軸とガイド軸が砂噛みによって円滑に上下動の作動が行われないという問題があった。従って、弁軸とガイド軸の隙間は砂噛みが発生しない程度の隙間は必要となる。しかし、上述のように、弁軸とガイド軸に隙間が生じると弁軸が斜めに作動してしまうという問題は解消されない。
このように、弁体が弁座に少しでも離間したまま着座すると当該離間の隙間から臭気や水が漏水してしまうという問題が発生する。
1.弁体を弁座に確実に着座させることができ、作動不良を発生させない。
2.水漏れや臭気漏れを発生させない。
3.砂噛み発生による作動不良を防止する。
請求項2に記載の本発明は、弁体1と弁軸3を一体的に構成したことから、弁体1と弁軸3が別パーツで構成される場合に発生する、組立の手間、施工の手間が、一体的に構成することによりその問題が解消する。また、弁体1と弁軸3が紛失したり脱落するという問題も解消する。
請求項3に記載の本発明は、揺動手段6を、弁体1及び弁軸3の接続箇所の一方又は両方を、弾性を有する素材としたことから自身の弾性により弁体1が弁軸3に対し揺動することができ、複雑な構成を採用せず簡単な構造とすることができる。
請求項4に記載の本発明は、揺動手段6を、球状頭部61及び該球状頭部61を揺動可能に収納する凹部62、から構成し、弁体1及び弁軸3にそれぞれ対応するよう球状頭部61と凹部62をそれぞれ構成したボールジョイント構造としたことから、弁体1を弁軸3に対し揺動可能に接続することができるようになった。
請求項5に記載の本発明は、揺動手段6を、前記弁体1と止水構造4の間に介装したスプリング63により構成したことから、弁体1を弁軸3に対し揺動可能に接続することが出きるようになった。
請求項6乃至請求項10に記載の本発明は、止水弁の使用用途を広げることができる。
請求項11に記載の本発明は、弁体1を基体と、基体から伸びるヒレ部43から構成し、当該ヒレ部43を、弁座2との着座する部分に構成したことから、弁体1と弁座2の密閉性、止水性が向上する。
請求項12に記載の本発明は、弁体1の弁座2と着座する箇所の周囲に、弁体1の外形とオフセットするように切り溝42を構成したことから、弁体1と弁座2の密閉性、止水性が向上する。
排水管Aは、管体であって、図1における浴室の洗い場に備えられる枝管Cが排水管Aとして機能する。この枝管Cを有する排水トラップBにおいて、浴槽からの排水を枝管Cで洗い場パンDに取り付けられた排水トラップBに合流させる際に、浴槽側に逆流させないように枝管C内に配置されるものである。
本実施例の止水弁は、図2に示すように、ケーシング7と、弁体1と、弁軸3と、軸受け部73と、弁座2と、弾発機構5と、から構成される。
ケーシング7は、排水管A内に脱着自在に配置される筒状の箱体であって、その外周にOリングなどの水密部材を配置して排水管A内周と水密的に当接させて配置される。また、ケーシング7上流側には流入口71が開口され、ケーシング7下流には流出口72が開口され、流出口72側の内面から軸方向に円筒部74が延出して構成され、その内周に、後述する弾発機構5の付勢スプリング51が配置される。また、ケーシング7内部には、後述する弁体1、弁軸3、軸受け部73、弁座2、弾発機構5が配置構成される。
弁体1は、上面視円形状であって、EPDM等のゴムやエラストマーからなる弾性部材から構成され、前記ケーシング7内部を軸方向に移動可能に配置される。
弁軸3は、弁体1中心部から垂直方向に弁体1と一体的に構成されている。よって、該弁軸3もEPDM等の弾性素材からなる。
軸受け部73は、弁軸3が接続される部材であって、ケーシング7内を軸方向移動可能に配置されている。また、ケーシング7の円筒部74内に配置された弾発機構5の付勢スプリング51を介してケーシング7内に配置されており、当該弾発機構5の付勢スプリング51は常時軸方向に弾発する方向で付勢されている為、常時ケーシング7の上流側に開口された流入口71側に付勢されて配置される。そして、軸受け部73には弁軸3が取付固定されているから、弁軸3及び弁体1も弾発機構5の弾発によって常時流入口71に向かって付勢して取り付けられることとなる。
弁座2は、上記弁体1を受ける箇所であって、前記ケーシング7の流入口71側に構成され、弁体1が着座して止水する着座面21を構成する。当該着座面21は流入口71の周囲に構成される。本実施例では、着座面21は弁座2の流入口71の周縁に沿って凸リブを構成することによって形成し、止水性の向上及び弁体1の表面張力による貼り付きを防止している。
弾発機構5は、常時軸方向に向けて弾発する方向で圧縮された付勢スプリング51がケーシング7の円筒部74と軸受け部73間に配置されている。この弾発機構5は、常時軸方向に弾発して配置され、つまり弁体1を常時弁座2に着座する方向で弁体1を押圧している。
本実施例の止水弁は以下のように作用する。
排水管Aに通常の排水が合った場合は、排水はまずケーシング7の流入口71に流入する。ケーシング7の流入口71は弾発機構5の付勢スプリング51の付勢力により図2(a)のように常時閉口しているが、排水の水圧により図2(b)のように弾発機構5に抗して弁体1を弁座2より離間させて流入口71を開口させる。流入口71からケーシング7内に流入した排水は、軸受け部73、円筒部74などのケーシング7内を通過して、流出口72からケーシング7外へ排出される。ケーシング7外へ排水された排水は、そのまま排水管A内を流下し排水トラップBを介して最終的には下水管へと排水されることとなる。また、排水が終了して水圧が無くなると、図2(a)のように弁体1は弾発機構5の付勢スプリング51の付勢力により軸方向に軸受け部と共に弁体1が移動し、弁体1が弁座2に着座し、流入口71を塞ぐことになる。排水が排水されていない際や、排水があっても水圧が弱い場合は、図2(a)のように弁体1は常時弁座2に着座している。
また、例えば浴室の浴槽から大量の溢れ水が発生した際や、洗い場上に多量の排水が発生した際などに、洗い場の排水トラップBの排水能力が追いつかずに枝管C側に逆流することがある。枝管C側に排水が逆流すると、枝管Cが接続されている浴槽へ排水が逆流することとなってしまう。しかし、本実施例では、排水管Aである排水トラップBの枝管Cに、常時弾発機構5によって閉口して逆流防止弁として機能する止水弁を取り付けているから、浴槽側への排水の逆流を防止することができる。
ケーシング7の流出口72側から排水が流入しても、図2(a)のようにケーシング7の流入口71は弾発機構5の付勢スプリング51により弁体1が弁座2に当接して閉口されているので、流入口71から上流へ排水が逆流することがない。
本実施例の止水弁は、例えば洗面ボウルや台所のキッチンシンク、浴室、などの槽体8の排水口9に備えられた弁体1を、遠隔的に操作して開閉することができる図3のような遠隔操作式排水栓装置に用いたものである。
この止水弁は、図3のように浴室の槽体8である浴槽の排水口9に取り付けられる遠隔操作式排水栓装置の止水弁であって、当該遠隔操作式排水栓装置は、槽体8の上縁部などに釦を構成し、排水口9に取り付けられる止水弁をレリースワイヤG等を用いて上下動させ、槽体8内の排水を遠隔的に開口/閉口させることで槽体8の貯水/排水を使用者が操作することができるものである。
本実施例の止水弁は、図3及び図4に示すように、槽体8と、排水口9と、操作部Eと、レリースワイヤGと、本発明の止水弁と、から構成される。
止水弁が取り付けられる遠隔操作式排水栓装置の構造について以下に説明する。
槽体8は、箱体であって、底部に後記する排水口9が開口される。又、本実施例では、浴室の浴槽が槽体8である。
排水口9は、槽体8の底部に開口された孔であって、排水口9には、最終的には下水管と接続される排水管Aが接続されていて、内部に封水を構成して下水からの臭気や異臭を室内側へ逆流させないように排水トラップBなどを介して配管し、槽体8内部の排水を下水管へと排水するよう配管されている。また、排水口9には、後記するレリースワイヤGを排水口9中心に固定されるよう、ワイヤー受け部材Hを配置構成している。また、当該排水口9の上面は、後述する止水弁の止水構造4である弁体1が着座して止水面を構成する弁座2を構成する。
ワイヤー受け部材Hは、排水口9に着脱可能に取り付けられる部材であり、後述するレリースワイヤGを排水口9の中央部分に配置するための軸受けである。
操作部Eは、釦部と、保持機構部Fと、から構成される。釦部は、浴槽上縁部に構成され、使用者が当該釦部を押し操作することによって、槽体8内の排水口9の弁体1を上下動させるものである。また、操作部Eの釦部を使用者が押し操作することにより、レリースワイヤGが進行/後退して弁体1を上下動させることができるとともに、遠隔的に操作することがでる。保持機構部Fは、レリースワイヤGのインナーワイヤの進退動作を保持する機構であって、本実施例ではボールペンに採用されるスラストロック機構が採用されている。
レリースワイヤGは、レリースワイヤGは一方を操作部Eに、他方の端部を止水弁側に連結接続して成り、インナーワイヤと、アウターチューブと、弾発機構5である付勢スプリング51と、弁軸3と、から構成される。
インナーワイヤは、金属の圧縮コイル状からなり、後記アウターチューブ内に進退自在に内包されている。
アウターチューブは、円筒状の可撓性を有した例えば四フッ化エチレンなどを用いた樹脂製の管体からなり、内部にインナーワイヤを内包している。
止水弁の弾発機構5である付勢スプリング51は、アウターチューブ内に内蔵されるバネ体であり、常時軸方向に弾発して、前記保持機構部Fによって保持されたインナーワイヤが、保持機構部Fの解除の際に、進行した分だけバネの弾発力により元の箇所に後退するように常時付勢されている。
弁体1は、遠隔的に操作されて上下動するものであり、円盤形状の合成樹脂製である。また、弁体1の周囲には、止水構造4であるEPDM等からなるパッキンを備え、前記弁座2である排水口9を閉塞/開口するための部材である。当該弁体1は、後述する弁軸3を着脱自在に備える。この弁軸3が取り付けられる為の凹部62を弁体1裏面の中央部に構成し、弁軸3の係合部と着脱自在に係合するように構成されている。当該凹部62は、弁軸3の球状頭部61が嵌合するよう、球状の凹部62となっている。弁体1が上昇した際にはパッキンが弁座2から離間して排水口9が開口し排水を行い、弁体1が下降した際にはパッキンが排水口9である弁座2に着座し排水口9を閉塞するので槽体8内に水を貯水することができる。
弁軸3は、インナーワイヤの弁体1側端部にカシメ固定される部分であり、インナーワイヤの進退動作を止水弁に伝達するように先端が弁体1に着脱自在に取り付けられ、更にワイヤー受け部材Hによって排水口9中心部に配置されるように成っている。弁軸3の材質に関しては、合成樹脂製であってもかまわないし、金属製であってもよい。この弁軸3は、先端を球状にして球状頭部61を構成する。弁体1の凹部62と球状頭部61は嵌合すると球状関節またはボールジョイント構造となり、弁軸3に対して弁体1は揺動可能に接続される。
操作部Eを槽体8に取付け、槽体8の排水口9に排水管Aや排水トラップBを配管する。そして、操作部Eから排水口9まで中空の管体であるチューブ管で接続し、操作部EからレリースワイヤGを挿通させ、槽体8側の排水口9からレリースワイヤGを引き出す。ここで、ワイヤー受け部材HにレリースワイヤGの弁体1側端部を接続し、ワイヤー受け部材Hを排水口9に取付固定する。この状態時に、排水口9の中心部にレリースワイヤGの弁軸3が配置されることができる。
そして、止水構造4であるパッキンを予め取り付けた弁体1の凹部62を弁軸3の球状頭部61に揺動可能に嵌合させ、施工が完了する。
図4(a)のように槽体8の排水口9の弁体1が弁座2に着座している際に、操作部Eを押動すると、レリースワイヤGのインナーワイヤが操作部Eの押動に対応し前進する。このとき、レリースワイヤGに内蔵された弾発機構5である付勢スプリング51は圧縮される。そうすると、レリースワイヤGは弁体1側に連絡されているので、図4(b)のようにインナーワイヤの前進に伴い弁体1が押し上げられ弁座2の着座状態から上昇し弁座2から離間する。この状態時に、操作部Eの保持機構部Fが働いてインナーワイヤの前進量を保持し、弁体1の上昇が保持されることによって槽体8の排水口9が開口され、槽体8内の排水が排水口9から排水トラップBを介して下水管へと排水される。また、この状態から操作部Eを押動すると、インナーワイヤが少量前進し、保持機構部Fのインナーワイヤの保持が解除され、インナーワイヤが前進した分だけ圧縮された弾発機構5の付勢スプリング51が保持機構部Fの解除に伴い圧縮が解除され、当該圧縮解除の弾発する付勢によりインナーワイヤが後退することとなる。そうすると、インナーワイヤの後退に併せて弁体1も弾発機構5の付勢力に伴うインナーワイヤの引き込みにより下降するため、図4(b)のように弁体1が排水口9の弁座2に着座し、排水口9を閉口することができる。この状態においては、排水口9が閉口される為、槽体8内部に水を貯水することができる。尚、これ以降は操作部Eの押動操作により上記の弁体1の開閉作用が繰り返されることとなる。
また、図4(c)のように仮に弁軸3とワイヤー受け部材Hの砂噛み防止の為に構成した隙間により弁軸3が軸方向に対して傾斜してしまい弁体1の止水構造4が排水口9の着座面21に対し斜めに配置されてしまっても、弁軸3と弁体1は凹部62と球状頭部61によるボールジョイント接続としているため、弁体1は弁軸3に対して揺動可能とすることができ、弁座2に着座した際に弁座2面に沿うように弁体1が揺動かつ傾斜して水密的に着座することができる。よって、止水不良、作動不良等が発生することがない。
本実施例の止水弁は、例えば洗面ボウルや台所のキッチンシンク、浴室、などの槽体8の排水口9に備えられた弁体1を、使用者が直接的に弁体1を押し操作することによって弁体1を開閉する排水栓装置に用いたものである。
この止水弁は、図5に示すような洗面ボウルに取り付けられ、槽体8である洗面ボウルの排水口9に取り付けられる。
本実施例の止水弁は、図5及び図6に示すように、槽体8と、排水口9と、蓋体Iと、本発明の止水弁と、保持機構部Fと、から構成される。
槽体8は、箱体であって、底部に後記する排水口9が開口される。又、本実施例では、洗面台の洗面ボウルが槽体8である。
排水口9は、槽体8の底部に開口された孔であって、排水口9には、最終的には下水管と接続される排水管Aが接続されていて、内部に封水を構成して下水からの臭気や異臭を室内側へ逆流させないように排水トラップBを介して配管し、槽体8内部の排水を最終的に下水管へと排水するよう配管されている。また、排水口9は、後述する弁体1の止水構造4が着座する弁座2を排水口9の孔の周囲に構成している。
蓋体Iは、排水口9にセットされ、当該蓋体Iを使用者が直接的に押し操作することによって、後述する弁体1や弁軸3、保持機構部Fを作動、作用させるものである。また、蓋体Iより下方に弁体1、弁軸3、弾発機構5等を接続して構成する。また、蓋体Iは円盤形状の合成樹脂製で、その表面を金属膜でカシメ被膜されている。
止水弁は、弁体1、止水構造4、弾発機構5、弁座2、弁軸3、から構成される。
弁体1は、止水構造4である水密パッキンを介して蓋体I裏面に接続される。弁体1の中心部からは後記する弁軸3が揺動手段6としてのスプリング63によって取付固定されている。
止水構造4は、蓋体Iと弁体1の間に挟んで弁体1に取付固定するものであり、その素材をゴムなどの弾性素材により構成している。この止水構造4であるパッキンは、弾発機構5としての蛇腹部52と、弁座2に着座する止水部41とを構成する。この弾発機構5である蛇腹部52は、常時止水部41を弁座2面に弾発する方向に作用する応力を自身の弾性により備えている。この蛇腹部52は、自身の弾性により保持機構部Fの保持/解除のための軸方向の遊びしろを吸収することができる。
弾発機構5は、前述のように、本実施例では弁体1に取り付けられた止水構造4の蛇腹部52分であり、止水構造4の止水部41が弁座2に着座した際には常時弁座2に向かう方向で弾発するように構成される。
弁座2は、前記した排水口9の孔の周囲に形成され、前記弁体1の止水構造4が着座する箇所である。
弁軸3は、弁体1中心部から垂下して構成される部材であって、弁体1と弁軸3の間にはスプリング63が介装されており、当該スプリング63の水平方向の変性により、弁体1は弁軸3に対して揺動可能に接続されることとなる。弁軸3の下方には後述する保持機構部Fが備えられる。
保持機構部Fは、弁軸3の進退動作を保持する機構であって、本実施例ではボールペンに採用されるスラストロック機構が採用されている。また、保持機構部Fには、常時弁軸3を上動させる方向に、リターンスプリングF1を付勢させて配置している。また、保持機構部Fは排水口9内に取付固定されている。
排水口9に取り付けられた弁体1が、図6(b)のように弁座2から離間した状態(つまり、排水口9から上昇した状態)から使用者が蓋体Iを直接的に押動させると、蓋体Iに取付固定された弁体1を介して弁軸3が下降し、弁体1の止水構造4の止水部41が弁座2に着座する。この状態から更に使用者が蓋体Iを下降させると弁軸3下端に取り付けられている保持機構部Fが作動し、弁軸3の下降を保持する。このとき、止水構造4は蛇腹部52が遊びの高さ分、圧縮して遊びを吸収する。弁軸3が保持されると、保持機構部F内のリターンスプリングF1の付勢力によって、ギアの歯が噛み合うまでの遊び分弁軸3が少し上昇する。弁軸3が遊び分少し上昇したとしても弁体1の止水構造4は止水部41が弾発機構5によって下方に弾発しているので、図6(a)のように良好に弁座2に押し当てるように着座する。このように弁座2に弁体1の止水構造4が着座するので、排水口9を弁体1によって閉塞することができ、槽体8内に水を貯水することができる。
また、この状態から使用者が蓋体Iを直接的に押動すると、保持機構部F内のリターンスプリングF1の付勢力に逆らって、ギアの歯の噛合を解除するまでの遊び分弁軸3が少し下降する。このとき、止水構造4の蛇腹部52が遊びの高さ分、圧縮して、高さ方向の遊びしろを吸収する。そして、保持機構部Fの弁軸3の保持が解除され、この解除に伴い、保持機構部F内のリターンスプリングF1が軸方向に開放されて当該付勢力により弁軸3が押し上げられる。そうすると弁軸3上端に取り付けられた弁体1と蓋体Iも合わせて上昇し、図6(b)のように排水口9の弁座2から弁体1の止水部41材が離間し、排水口9が開口する。この状態時において、槽体8内の排水が排水口9より下流に排水することができる。
例えば、図7に示したように、弁体1に基体からのびるヒレ部43を構成し、弁体1が弁座2に着座した際には弁体1のヒレ部43の弾性により湾曲してたわみ、より弁座2の形状にあうように着座することができ、止水性が工場する。
また、図8に示したように、弁体1の外形をオフセットした形状の切り溝42(図9の平面視参照)とすることで、切り溝42から作用して弁体1が弁座2に着座した際に湾曲してたわみ、より弁座2の形状にあうように着座することができ、止水性が向上する。また、ここでのオフセットとは、基準点(ここでの弁体1の外形)からの差(距離)で表した値(形状)をいう。
また、前記実施例の他、本発明の止水弁を、例えば排水トラップに代替して臭気止め機構として用いることもできるし、更に、排水管に止水弁を構成して、排水管内の負圧を大気と同じ空気圧にするために空気を導入する通気弁として用いてもよい。
2 弁座
21 着座面
3 弁軸
4 止水構造
41 止水部
42 切り溝
43 ヒレ部
5 弾発機構
51 付勢スプリング
52 蛇腹部
6 揺動手段
61 球状頭部
62 凹部
63 スプリング
7 ケーシング
71 流入口
72 流出口
73 軸受け部
74 円筒部
8 槽体
9 排水口
A 排水管
B 排水トラップ
C 枝管
D 洗い場パン
E 操作部
F 保持機構部
F1 リターンスプリング
G レリースワイヤ
H ワイヤー受け部材
I 蓋体
Claims (12)
- 止水構造4を有している弁体1と、
弁体1が着座して、流路を閉塞する弁座2と、
弁体1の中心部に構成される弁軸3と、
弾発体の作用を直接的に弁体1に作用させる弾発機構5と、
から構成される止水弁において、
弁体1の止水構造4が弁軸3に対し、揺動手段6によって揺動可能に接続されることを特徴とする止水弁。 - 前記弁体1と弁軸3を一体的に構成したことを特徴とする前記請求項1に記載の止水弁。
- 前記揺動手段6を、弁体1及び弁軸3の接続箇所の一方又は両方を、弾性を有する素材としたことによって構成したことを特徴とする前記請求項1又は請求項2に記載の止水弁。
- 前記揺動手段6を、球状頭部61及び該球状頭部61を揺動可能に収納する凹部62、から構成し、弁体1及び弁軸3にそれぞれ対応するよう球状頭部61と凹部62をそれぞれ構成したボールジョイント構造としたことを特徴とする前記請求項1に記載の止水弁。
- 前記揺動手段6を、前記弁体1と止水構造4の間に介装したスプリング63により構成したことを特徴とする前記請求項1又は請求項2に記載の止水弁。
- 前記止水弁を、流路中に配置し、流路内における流体の逆流防止弁としたことを特徴とする前記請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の止水弁。
- 前記止水弁を、槽体8の排水口9における止水弁としたことを特徴とする前記請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の止水弁。
- 前記止水弁を、止水弁の直下に弾発機構5を配置し、止水弁を直接的に押動することによって止水弁を軸方向に移動可能に構成したことを特徴とする前記請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の止水弁。
- 前記止水弁を、流路内に配置し、流路の下流からの臭気や害虫の逆流を防止する臭気防止弁としたことを特徴とする前記請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の止水弁。
- 前記止水弁を、流体管の側面に配置し、管体内部が負圧になった際には弁体1と弁座2の当接が解除され、外部の空気を流路内に流入させる通気弁としたことを特徴とする前記請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の止水弁。
- 前記弁体1を基体と、基体から伸びるヒレ部43から構成し、当該ヒレ部43を、弁座2との着座する部分に構成したことを特徴とする前記請求項1乃至請求項10のいずれか一つに記載の止水弁。
- 前記弁体1の弁座2と着座する箇所の周囲に、弁体1の外形とオフセットするように切り溝42を構成したことを特徴とする前記請求項1乃至請求項11のいずれか一つに記載の止水弁。
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