JP2015044342A - 画像記録方法及びそれに用いる画像記録装置 - Google Patents

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Nobuyuki Kuwabara
伸行 桑原
小板橋 規文
Norifumi Koitabashi
規文 小板橋
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Kenji Shinjo
健司 新庄
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Abstract

【課題】印刷用紙等の記録媒体の風合いを損なうことなく、カール及びコックリングを防止しながら画像を記録することが可能な画像記録方法を提供する。
【解決手段】色材を含有する水性インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に付与するインク付与工程と、記録媒体に、水溶性樹脂を含有する第1の液体組成物を付与する第1の液体組成物付与工程と、記録媒体に、色材及び水溶性樹脂と反応する反応剤を含有する第2の液体組成物を付与する第2の液体組成物付与工程とを有する画像記録方法である。第1の液体組成物付与工程と第2の液体組成物付与工程が、インク付与工程に先立って行われ、インク付与工程の後に、さらに、記録媒体に形成された画像から水分を除去する水分除去工程を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、画像記録方法、及びそれに用いる画像記録装置に関する。
インクジェット方式の画像記録方法に用いるインクとしては、色材及び水を含有し、それ以外の成分として、各種溶剤、樹脂、及び界面活性剤等の添加物をさらに含有する水性インクが一般的である。このような水性インクをインクジェット方式によって印刷用紙等の記録媒体に付与して画像を記録すると、カールやコックリングといった記録媒体の平坦性が損なわれる現象が発生する場合がある。印刷用紙中に浸透したインク液滴は、セルロース繊維間の水素結合の切断や再結合を生じさせたり、紙の繊維を膨潤させたりするため、印刷用紙にはカールやコックリングが引き起こされる。なお、インクジェット用の水性インクには、一般的に水が6〜8割程度含まれている。このため、インクジェット方式によって画像を記録する際には、インク中の水と、印刷用紙を構成するセルロース繊維との接触は避けられない。
一般的な印刷用紙としては、アート紙及びコート紙等の塗工紙や、上質紙等の非塗工紙がある。水との親和性が比較的低い樹脂層が基紙上に形成された塗工紙であっても、樹脂層の厚みは2乃至30μm程度であるため、インク中の水の基紙中への浸透を完全に防止することはできない。
印刷用紙にカールやコックリング等が生ずるのを抑制すべく、インク中にアルコール等の溶剤を添加する、或いはインクを付与した直後に乾燥する等の方法が提案されている。しかしながら、いずれの方法であってもあらゆる印刷用紙に対して十分な効果を示すとは言えなかった。また、記録媒体上に遮断層を形成し、この遮断層によって水性インク中の溶媒(水)が記録媒体中へと浸透するのを遮断する方法が提案されている(特許文献1及び2)。
特開2009−214491号公報 特開2009−226598号公報
特許文献1及び2において提案された方法では、液状の遮断層構成材料を記録媒体に塗布した後に、遮断層構成材料中のポリマーを皮膜化して遮断層を形成する。その後、インク中の成分を固定化する素材と樹脂粒子を含む固定化層をさらに形成する。そして、形成された遮断層によってインク中の水の浸透を抑制している。しかしながら、上記の方法では、ポリマーが皮膜化した遮断層と、樹脂粒子を含む固定化層の二層が記録媒体上に積層されるため、印刷用紙等の記録媒体が本来有する風合いが損なわれてしまうといった新たな課題が生じる場合があった。
したがって、本発明の目的は、印刷用紙等の記録媒体の風合いを損なうことなく、カール及びコックリングを防止しながら画像を記録することが可能な画像記録方法を提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記画像記録方法に用いる画像記録装置を提供することにある。
上記の目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明によれば、色材を含有する水性インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に付与するインク付与工程と、前記記録媒体に、水溶性樹脂を含有する第1の液体組成物を付与する第1の液体組成物付与工程と、前記記録媒体に、前記色材及び前記水溶性樹脂と反応する反応剤を含有する第2の液体組成物を付与する第2の液体組成物付与工程と、を有する画像記録方法であって、前記第1の液体組成物付与工程と前記第2の液体組成物付与工程が、前記インク付与工程に先立って行われ、前記インク付与工程の後に、さらに、前記記録媒体に形成された画像から水分を除去する水分除去工程を有することを特徴とする画像記録方法が提供される。
本発明によれば、印刷用紙等の記録媒体の風合いを損なうことなく、カール及びコックリングを防止しながら画像を記録することが可能な画像記録方法を提供することができる。また、本発明によれば、この画像記録方法に用いる画像記録装置を提供することができる。
本発明の画像記録装置の一実施形態を示す模式図である。 液体の浸透が抑制される機構を説明する模式図である。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
<画像記録方法>
本発明の画像記録方法は、インク付与工程、第1の液体組成物付与工程、及び第2の液体組成物付与工程を有するとともに、記録媒体に形成された画像から水分を除去する水分除去工程をさらに有する。そして、第1の液体組成物付与工程と第2の液体組成物付与工程は、インク付与工程に先立って行われる。
インク付与工程は、色材を含有する水性インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に付与する工程である。第1の液体組成物付与工程は、水溶性樹脂を含有する第1の液体組成物を記録媒体に付与する工程である。そして、第2の液体組成物付与工程は、色材及び水溶性樹脂と反応する反応剤を含有する第2の液体組成物を記録媒体に付与する工程である。以下、本発明の画像記録方法の詳細について説明する。
本発明においては、水溶性樹脂と反応剤を印刷用紙等の記録媒体中で反応させ、水溶性樹脂を不溶化して析出させることを利用する。反応剤は、例えば、第2の液体組成物中でイオン性を有する状態で存在しているため、色材以外のイオン性物質とも反応しうる。すなわち、例えば、水溶性樹脂が溶液中で電離しうる末端基を有するものであれば、このような水溶性樹脂と反応剤を反応させることができる。
第1の液体組成物中の水溶性樹脂は、インク中の水が記録媒体に浸透するのを抑制する要素のうちの一つとして機能する成分である。第1の液体組成物を記録媒体に付与した後に、第2の液体組成物をさらに付与することで、記録媒体中に存在する溶解した水溶性樹脂と、第2の液体組成物中の反応剤が接触して反応する。その結果、水溶性樹脂の水に対する溶解度が低下し、水溶性樹脂は析出及び凝集する。すなわち、水溶性樹脂は固体状へと変化して水との親和性が低下した状態となり、記録媒体への水の浸透を抑制する機能が発現する。
記録媒体に付与された第1の液体組成物は液状であるため、記録媒体の表面だけに留まるのではなく、記録媒体の細孔を通じて記録媒体の内部へと進入する。また、第2の液体組成物も液状であるため、記録媒体の内部にまで進入した水溶性樹脂と反応剤をより確実に反応させることができる。
記録媒体中への水の浸透を抑制する成分として用いる水溶性樹脂は、通常、第1の液体組成物中で親水性基が電離している。このため、第1の液体組成物が記録媒体に付与された後であっても、第1の液体組成物が液状である間は、水溶性樹脂の反応性は高い状態で維持されている。したがって、この親水性基と電気的に結び付きやすい反応剤が接触すれば瞬時に凝集反応が生じ、水溶性樹脂が不溶化する。この凝集反応によって生成した凝集体は、インク中の水の進入経路を阻害し、記録媒体中への水の浸透を抑制することができる。さらに、水溶性樹脂は高分子物質であるため、その凝集体の体積が大きく、記録媒体中への水の浸透を抑制する効果も高い。
第1の液体組成物は、それに含まれる水溶性樹脂が反応剤と反応するまでは記録媒体中に浸透しようとする。また、記録媒体に存在する細孔の大きさや存在箇所は一定ではないため、水溶性樹脂の凝集体は記録媒体の表面だけでなく細孔の内部にも存在し、記録媒体の表面及び内部に不規則に点在した状態となる。すなわち、水溶性樹脂の凝集体は記録媒体の表面上で層又は皮膜を形成するのではないため、印刷用紙等の記録媒体の風合いが損なわれることはない。
第1の液体組成物中の水溶性樹脂は、記録媒体の表面に配置されるだけでなく、記録媒体の細孔内にも進入する。このため、第1の液体組成物付与工程において記録媒体に付与される水溶性樹脂の量を適切に制御することが好ましい。具体的には、記録媒体に対する水溶性樹脂の付与量は、0.1g/m2以上5.0g/m2以下であることが好ましく、0.3g/m2以上3.0g/m2以上であることがさらに好ましい。水溶性樹脂の付与量の適正値は、使用する記録媒体の種類によって異なる。例えば、記録媒体として塗工紙を使用する場合、水溶性樹脂の付与量は前述の数値範囲のなかでも比較的少ない方が好ましい。一方、記録媒体として非塗工紙を使用する場合、水溶性樹脂の付与量は前述の数値範囲のなかでも比較的多い方が好ましい。
なお、記録媒体の種類にかかわらず、水溶性樹脂の付与量が0.1g/m2未満であると、記録媒体における水溶性樹脂の存在量が不足してしまい、水性インク中の水の浸透抑制効果が不十分となる場合がある。一方、水溶性樹脂の付与量が5.0g/m2を超えると、第1の液体組成物の粘度が高くなって記録媒体の細孔内に進入しにくくなる場合がある。このため、水溶性樹脂の凝集体の多くが記録媒体の表層付近に集まりやすくなり、記録媒体の風合いが変化しやすくなる傾向にある。第1の液体組成物中の水溶性樹脂の濃度は、第1の液体組成物の付与方式を考慮に入れ、水溶性樹脂の付与量が前述の数値範囲となるように適宜調整すればよい。また、第1の液体組成物に溶剤や界面活性剤等を添加して粘度や表面張力等の物性を適宜調整することも好ましい。
記録媒体として塗工層を有する塗工紙を使用する場合、水溶性樹脂の付与量を塗工層の細孔容積と同等程度とすることが好ましい。これにより、細孔内への進入及び細孔内への凝集体の充填を効率よく行うことができる。
反応剤の付与量は、水溶性樹脂の付与量に応じて変えることが好ましい。反応剤を含有する第2の液体組成物を記録媒体に付与することで、記録媒体の表面及び細孔の内部に存在する水溶性樹脂が反応剤と反応して凝集する。ただし、その後のインク付与工程で付与される水性インク中の色材と固着反応させるべく、未反応の反応剤を記録媒体の表面又は細孔の内部に残留させておくことが好ましい。したがって、記録媒体に対する反応剤の付与量は、質量基準で、水溶性樹脂の付与量の1倍以上3倍以下とすることが好ましい。反応剤の付与量が、質量基準で水溶性樹脂の付与量の3倍を超えると、水溶性樹脂及び色材と反応させた後の反応剤の残留分が多すぎてしまう。このため、記録媒体の表面上で層が形成されやすく、記録媒体の風合いが変化してしまう場合がある。より具体的には、記録媒体に対する反応剤の付与量は、0.1g/m2以上10.0g/m2以下であることが好ましく、0.5g/m2以上6.0g/m2以下であることがさらに好ましい。また、第2の液体組成物に溶剤や界面活性剤等を添加して粘度や表面張力等の物性を適宜調整することも好ましい。
また、第1の液体組成物及び第2の液体組成物に含まれる水が、記録媒体の内部に浸透しにくくなるように、記録媒体に対するそれぞれの液体組成物の浸透速度を適宜調整することが好ましい。具体的には、記録媒体に対する第1の液体組成物の浸透速度は、記録媒体に対する第2の液体組成物の浸透速度よりも遅いことが好ましい。それぞれの液体組成物の記録媒体に対する浸透速度を上記のように調整することで、カール及びコックリングをより有効に防止することができる。
液体の浸透速度を示す指標としては、Lucas−Washburn式から導かれるKa値が一般に知られている。記録媒体として塗工紙を使用する場合には、第1の液体組成物及び第2の液体組成物のKa値は0.5mL/(m2・ms0.5)以下であることが好ましく、0.3mL/(m2・ms0.5)以下であることがさらに好ましい。また、記録媒体として非塗工紙を使用する場合には、第1の液体組成物及び第2の液体組成物のKa値は1mL/(m2・ms0.5)以下であることが好ましく、0.3mL/(m2・ms0.5)以下であることがさらに好ましい。
記録媒体の内部に水が浸透しにくくなるように、第1の液体組成物及び第2の液体組成物のそれぞれの、水の含有量、付与量、及び物性を適切に設定することが好ましい。また、各工程相互の時間的な間隔についても適切に設定することが好ましい。使用する記録媒体の種類、第1の液体組成物及び第2の液体組成物の組成やKa値等によって適正な条件は変わりうるが、各工程相互の時間的な間隔を短く設定することが好ましい。このため、各工程を連続して行うことが有効である。
インク付与工程では、色材を含有する水性インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に付与する。本発明ではインク付与工程に先立ち、第1の液体組成物付与工程と第2の液体組成物付与工程を行う。このため、水溶性樹脂と反応剤の反応で生成した水溶性樹脂の凝集体により、記録媒体への水性インク中の水の浸透が抑制される。なお、画像を記録した直後には、水性インク中の水が記録媒体上に多く残留した状態となっている。この状態のままでは、残留した水が記録された画像を乱したり、微量の水が経時的に記録媒体に浸透したりする。このため、本発明の画像記録方法では、インク付与工程の後に、さらに、前記記録媒体に形成された画像から水分を除去する水分除去工程を有する。
(第1の液体組成物)
第1の液体組成物は水溶性樹脂を含有する。この水溶性樹脂は「水溶性」であるために、第1の液体組成物が少なくとも記録媒体に付与されるまでは第1の液体組成物中に溶解状態で存在している。このような水溶性樹脂としては、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体等のスチレン−アクリル酸樹脂;スチレン−マレイン酸;スチレン−無水マレイン酸共重合体及びこれらの塩を好適に用いることができる。
これらの水溶性樹脂と水を混合した後、pH調整剤を用いてpHを7乃至10に調整し、水溶性樹脂の塩を水に溶解させること等によって、第1の液体組成物を調製することができる。pH調整剤の具体例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機アミン;水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物等の無機アルカリ化合物等を挙げることができる。このようにアルカリ処理された水溶性樹脂の末端基は、第1の液体組成物中では電離した状態となっている。このため、第2の液体組成物中の反応剤と反応することで電離した末端基が中和され、水溶性樹脂はその溶解性が低下し、析出して凝集することになる。
水溶性樹脂の酸価は、第1の液体組成物の粘度及び第2の液体組成物中の反応剤との反応性を考慮し、70mgKOH/g以上150mgKOH/g以下であることが好ましい。また、水溶性樹脂の重量平均分子量は、5,000以上20,000以下であることが好ましい。
記録媒体への付与を安定的に行うために、溶媒や界面活性剤等の他の成分を第1の液体組成物に添加してもよい。また、印刷用紙の細孔への充填及び第1の液体組成物の物性等を考慮すると、第1の液体組成物中の水溶性樹脂の含有量(質量%)は、第1の液体組成物全量を基準として、10質量%以上60質量%以下であることが好ましい。
(第2の液体組成物)
第2の液体組成物は、水性インク中の色材と反応するとともに、第1の液体組成物中の水溶性樹脂とも反応する反応剤を含有する。インクジェット方式の画像記録に用いられる水性インク用の色材としては、染料や顔料がある。これらの染料や顔料等の色材はアニオン性のものが多い。このため、反応剤としてはカチオン性の化合物を用いることが有効である。
反応剤の具体例としては、塩酸、リン酸、硫酸、硝酸、ホウ酸等の無機酸;蓚酸、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ビリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸等の有機酸を挙げることができる。さらに、これらの化合物の誘導体又はこれらの塩を用いることもできる。なお、水溶性樹脂及び色材と十分に反応させることを考慮すると、第2の液体組成物中の反応剤の含有量(質量%)は、第2の液体組成物全量を基準として、5質量%以上50質量%以下であることが好ましい。
第2の液体組成物には、pH緩衝能を有する物質、すなわち緩衝剤をさらに含有させることが好ましい。緩衝剤を含有させると、水性インクによって見かけ上の第2の液体組成物中の反応剤の見かけ上の濃度が低下した場合であってもpHの変動は少なくて済むので、反応剤の反応性が低下しにくい。さらに、印刷用紙等の記録媒体が必要以上に酸性紙化するのを抑制することもできる。
緩衝剤の具体例としては、ナトリウム、カリウム、リチウム等の酢酸塩、リン酸水素塩、炭酸水素塩;フタル酸水素ナトリウム、フタル酸水素カリウム等の多価カルボン酸水素塩等を挙げることができる。なお、多価カルボン酸水素塩を構成するフタル酸以外の多価カルボン酸の具体例としては、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ダイマー酸、ピロメリット酸、トリメリット酸等を挙げることができる。
第2の液体組成物は、通常、適量の水性媒体を含有する。水性媒体としては、例えば、水、又は水と水溶性有機溶剤との混合溶媒を挙げることができる。水溶性有機溶媒の具体例としては、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール等のアルカンジオール類;ジエチレングリコールモノメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノエチル(又はブチル)エーテル等のグリコールエーテル類;エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第2ブタノール、第3ブタノール等の炭素数1乃至4のアルキルアルコール類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のカルボン酸アミド類;アセトン、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン又はケトアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類;グリセリン;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、1,2−又は1,4−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等のアルキレングリコール類;チオジグリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体等の多価アルコール類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等の含窒素化合物;ジメチルスルホキシド等の含硫黄化合物等を挙げることができる。これらの水溶性有機溶媒は、一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
第2の液体組成物には、適当な性状とするため又は所望の反応性を発揮させるために、必要に応じて、消泡剤、防腐剤、防かび剤等の添加剤をさらに含有させてもよい。
第1の液体組成物及び第2の液体組成物を記録媒体に付与する方法としては、従来公知の塗工方法を適用することができる。塗工方法の具体例としては、ローラーコーティング、ダイコーティング、ブレードコーティング、グラビアコーティング、及びこれらにオフセットローラーを組み合わせた方式等を挙げることができる。また、液体組成物を高速かつ高精度に付与することができるためにインクジェット方式が好適である。なお、各種の塗工方法に適合するように、第1の液体組成物及び第2の液体組成物の物性を適宜調整することが好ましい。
<画像記録装置>
本発明の画像記録装置は、上述の画像記録方法に用いる装置であり、第1の液体組成物付与部、第2の液体組成物付与部、インク付与部、及び水分除去部を備える。第1の液体組成物付与部は記録媒体に第1の液体組成物を付与する部分であり、第2の液体組成物付与部は記録媒体に第2の液体組成物を付与する部分である。また、インク付与部は水性インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に付与する部分であり、水分除去部は記録媒体に形成された画像から水分を除去する部分である。そして、本発明の画像記録装置は、これらの各部分を連続して備えるものである。以下、本発明の画像記録方法及びそれに用いる画像記録装置の詳細につき、それぞれの一例を挙げながら具体的に説明する。なお、以下の説明においては、「第1の液体組成物」と「第2の液体組成物」を併せて「前処理液」とも記す。
図1は、本発明の画像記録装置の一実施形態を示す模式図である。図1に示すように、第1の液体組成物付与部1は、その内部に第1の液体組成物を入れる貯留部11と、貯留部11から供給される第1の液体組成物を印刷用紙6に付与する、矢印方向に等速回転可能なロールコーター12とを有する。第2の液体組成物付与部2は、第1の液体組成物が付与された印刷用紙6に第2の液体組成物を付与する部分であり、例えばダイコーター等の部材を備える。
また、インクジェットプリントヘッド群3は、第1の液体組成物及び第2の液体組成物が付与された印刷用紙6に、インクジェット方式で水性インクを吐出して付与するインク付与部として機能する部分である。そして、温風乾燥炉4は、インクジェットプリントヘッド群3から吐出及び付与された水性インクで形成された画像に残留する水を蒸発させて除去する部分である。
本発明の画像記録装置で用いられる第1の液体組成物の組成(合計100質量部)の一例を「第1の液体組成物A」として以下に示す。
[第1の液体組成物A]
・水溶性樹脂1 50質量部
・ノニオン性界面活性剤 1質量部
・水 残部
また、本発明の画像記録装置で用いられる第2の液体組成物の組成(合計100質量部)の一例を「第2の液体組成物A」として以下に示す。
[第2の液体組成物A]
・マロン酸 20質量部
・メチルカルビトール 20質量部
・ノニオン性界面活性剤 1質量部
・水 残部
上記の「水溶性樹脂1」は、酸価120mgKOH/g及び重量平均分子量8,700のスチレン−アクリル酸共重合体を水酸化カリウムで中和し、20質量%の水溶液としたものである。25℃における第1の液体組成物Aの粘度は50mPa・sであり、表面張力は25mN/mである。また、25℃における第2の液体組成物Aの粘度は5mPa・sであり、表面張力は30mN/mである。
記録媒体として用いられる印刷用紙は、非塗工紙と塗工紙のいずれであってもよい。塗工紙は、その表層に設けられた塗工層の細孔径の分布範囲が、基紙の細孔径の分布範囲よりも狭いため、水溶性樹脂の凝集体が細孔を埋める率が相対的に大きくなる。このため、記録媒体として塗工紙を用いると、本発明の効果が特に有効に発現するために好ましい。
図1に示す画像記録装置による一連の印刷動作(画像記録)の詳細を以下に示す。まず、印刷の進行に同期して、印刷用紙積載器7内に積載された印刷用紙6が用紙排出口71から繰り出される。なお、印刷用紙6としては、例えば菊全判に断裁された上質紙(商品名「OKプリンス上質」(王子製紙製)等)を用いる。
印刷用紙積載器7から繰り出された印刷用紙6は、用紙排出口71から案内板8に沿ってその位置が調整された後に、搬送部である搬送ベルト5上へと移動する。搬送ベルト5上に載置された印刷用紙6は、矢印A方向に等速で移動して一連の処理がなされる。第1の液体組成物付与部1に進んだ印刷用紙6上には、ロールコーター12の動作によって第1の液体組成物Aが塗工される。第1の液体組成物Aの塗工量が1.0g/m2であれば、印刷用紙6に対する水溶性樹脂1の付与量は0.5g/m2となる。
次いで、印刷用紙6は搬送ベルト5の動作によって第2の液体組成物付与部2に移動する。第2の液体組成物付与部2に進んだ印刷用紙6上には、ダイコーター等の部材の動作によって第2の液体組成物Aが塗工される。塗工方式としては、印刷用紙6にすでに第1の液体組成物が付与されていることから、付与部と印刷用紙6が接触しない、ダイコーター等を用いた非接触式の塗工方式を採用することが好ましい。また、第2の液体組成物Aは第1の液体組成物に比して低粘度であるため、このような塗工方式で安定して塗工することができる。第2の液体組成物Aの塗工量が5.0g/m2であれば、印刷用紙6に対する反応剤(マロン酸)の付与量は1.0g/m2となる。
上記の工程を経ることにより、水溶性樹脂1のカルボキシ基の電離部分と、反応剤であるマロン酸とがイオン反応する。これにより、印刷用紙6内で水溶性樹脂1の溶解度が低下して凝集体が生成する。なお、第1の液体組成物付与部1から第2の液体組成物付与部2までは、上記の例では3秒を要する。第2の液体組成物Aの表面張力は、第1の液体組成物Aの表面張力よりも低いので、3秒の間に、塗工された第1の液体組成物Aは印刷用紙6に少しずつ浸透して細孔内に進入していく。そして、第1の液体組成物Aが細孔内に進入する途中過程で、第2の液体組成物Aが付与される。続いて付与された第2の液体組成物Aも印刷用紙6に浸透するが、印刷用紙6の細孔内及び表層の一部で第1の液体組成物Aと接触し、接触した箇所で水溶性樹脂1の凝集が進行する。
印刷用紙6に付与された第1の液体組成物A及び第2の液体組成物Aは、いずれも、液体であることから印刷用紙6の全面を濡らそうとし、かつ、印刷用紙の細孔に入り込もうとする。このため、第1の液体組成物A及び第2の液体組成物Aが印刷用紙6に塗工されると、印刷用紙6の細孔内で凝集体が生成される。
以上のように印刷用紙6内で水溶性樹脂1を不溶化させた後、インクジェットプリントヘッド群3を用いて画像を形成する。インクジェットプリントヘッド群3は複数のインクジェットプリントヘッド31,32,33,34を備える。それぞれのインクジェットプリントヘッド31,32,33,34は、菊全判の短辺寸法である636mm以上の長さでノズルが配列されている。インクジェットプリントヘッド31,32,33,34からは、ブラック、シアン、マゼンタ、及びイエローの水性インクをそれぞれ吐出して、多色の画像印刷を可能としている。印刷用紙6上には、第2の液体組成物A中の未反応の反応剤が残留しているため、この反応剤の作用によって水性インク中の色材を固着させて画像を形成することができる。
色材の固着に伴って水性インク中の固体と液体の分離が始まり、分離した液体は細孔を通じて印刷用紙6内に浸透しようとする。しかし、前処理液の塗工によって生成した凝集体によって細孔が塞がり、細孔の実質的な開口径が小さくなっている。このため、分離した水性インク中の液体は、印刷用紙6内に浸透しにくい状態になっている。このように、画像形成前の印刷用紙6上で水溶性樹脂を不溶化させて凝集体を生成させることによって、印刷用紙6への水性インク中の液体の浸透を抑制することができる。
画像を記録した直後には、水性インク中の水が印刷用紙6上に多く残留した状態となっている。この状態で印刷用紙6を放置しておくと、表面に残留している水が時間の経過とともに少しずつ印刷用紙6内に浸透する可能性がある。このため、本発明においては印刷用紙6内に浸透する前に残留した水を除去する。具体的には、水分除去部として機能する温風乾燥炉4内へと画像が形成された印刷用紙6を導入し、例えば80℃の温風を画像に当てて残留した水を強制的に蒸発させる。温風による乾燥を終えた印刷用紙6は、印刷完了品として搬送ベルト5から取り出され、不図示の完成品収納容器内に順次収納される。
次に、第1の液体組成物中の水溶性樹脂と第2の液体組成物中の反応剤との反応による凝集体の生成、印刷用紙の細孔内に凝集体が充填される詳細、及び印刷用紙に対する水の浸透抑制作用について、図2を参照しながら詳細に説明する。ここでは、第1の液体組成物付与部で第1の液体組成物Aを塗工する場合、及び第2の液体組成物付与部で第2の液体組成物Aを塗工する場合を例に挙げて説明する。
図2(A)では、印刷用紙6の表面付近の断面を模式的に示している。一般に、印刷用紙6等の紙の表面から内部にかけて、セルロース繊維の絡み合いによって形成された、或いは塗工層の内の空隙等に相当する細孔601,602,603,604,605,606が数多く存在している。このような細孔の径は1μm程度を中心にして広範囲にわたっている。印刷用紙6に第1の液体組成物Aを塗工すると、図2(B)に示すように、印刷用紙6上で液膜が形成されるとともに、第1の液体組成物は細孔内に入り込んでいく。次いで、印刷用紙6に第2の液体組成物Aを付与すると、付与された第2の液体組成物Aは印刷用紙6の表面上に広がるとともに、細孔内に入り込んでいく。これによって、先に付与した第1の液体組成物A中の水溶性樹脂1と、後に付与した第2の液体組成物A中のカチオン性物質であるマロン酸とが反応し、水に不溶な凝集体10が析出する(図2(C))。また、第1の液体組成物Aと第2の液体組成物Aは細孔内にも入り込んでいるため、凝集体10は印刷用紙6の表面だけでなく細孔内でも析出する。
析出した凝集体の量が多くなって細孔内が埋まっていくと、見かけ上の細孔径が小さくなる。その結果、細孔内への単位時間当たりの液体の進入量が少なくなり、浸透速度が低下する。また、第1の液体組成物Aの付与量を、第2の液体組成物Aの付与量よりも少なくしておけば、印刷用紙に付与した反応剤(マロン酸)の一部は水溶性樹脂1と反応せずに印刷用紙に残留する。
次に、細孔に凝集体10が充填された状態で画像を形成する。図2(C)に示す状態となった印刷用紙に水性インクを付与すると、図2(D)で示すように、未反応のマロン酸と色材が反応して色材凝集体30が生成する。それに伴い、水性インク中の液体が分離して印刷用紙内に浸透しようとするが、細孔内に充填された凝集体が液体の浸透を抑制する。
また、画像形成に伴い、分離した水性インク中の液体が印刷用紙の表面に残留する。印刷物として完成させるには残留した液体を除去する必要性があるため、図2(D)に示す状態の印刷用紙を温風乾燥炉等の水分除去部へと導入し、印刷用紙全体を加温する。これにより、残留した液体の温度も上がって蒸発するため、形成された画像から水分が除去される。なお、第1の液体組成物Aや第2の液体組成物Aに含まれていた水が残留している場合であっても、この水も同時に除去することができる。これにより、凝集した色材のみが印刷用紙の表面に残り、図2(E)に示す状態の印刷物を得ることができる。インクジェット用の水性インクには、通常、6〜8割程度の水が含まれている。しかし、上記の工程を経ることによって印刷用紙等の記録媒体の内部に水はほとんど入り込まなくなるため、カール及びコックリングを防止しながら画像を記録することが可能となる。
なお、水分除去工程に用いる手法としては、例示した温風乾燥炉を用いる手法に限定されず、従来公知の各種手法をいずれも好適に適用することができる。温風乾燥炉を用いる手法以外の手法としては、例えば、赤外線加熱による方法、低湿空気を送風する方法、減圧する方法、及びこれらを組み合わせる手法等を挙げることができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、下記の実施例によって何ら限定されるものではない。なお、成分量に関して「部」及び「%」と記載しているものは特に断らない限り質量基準である。
(実施例1)
図1に示す構成の画像記録装置を使用し、第1の液体組成物A、第2の液体組成物A、及び水性インクを用いて画像を記録した。また、印刷用紙6として上質紙(商品名「OKプリンス上質」、王子製紙製)を用いた。さらに、第1の液体組成物Aの塗工量を1.0g/m2として、印刷用紙6に対する水溶性樹脂1の付与量を0.5g/m2とした。また、第2の液体組成物Aの塗工量を5.0g/m2として、印刷用紙6に対するマロン酸の付与量を1.0g/m2とした。完成品収納容器内に収納される直前の画像が記録された印刷用紙6を抜き取り、平坦な台の上に静置した。25℃、60%RHの環境下で1日経過した後、印刷用紙6の平坦性(カール及びコックリングの発生状態)を目視により確認した。その結果、印刷用紙6の平坦性は印刷前と差異はなく、風合いにも変化はなかった。
(実施例2)
塗工紙である商品名「オーロラコート」(日本製紙製)を印刷用紙6として使用し、前述の実施例1と同様にして画像を記録した。なお、印刷用紙6の塗工層の細孔容積は、約2.5g/m2相当(水銀圧入法による)であった。塗工紙の塗工層の細孔容積は、非塗工紙の細孔容積よりも小さいため、第1の液体組成物A及び第2の液体組成物Aの塗工量は、前述の上質紙「OKプリンス」を用いる場合に比して少なくすることができる。このため、第1の液体組成物Aの塗工量を0.8g/m2として、印刷用紙6に対する水溶性樹脂1の付与量を0.4g/m2とした。また、第2の液体組成物Aの塗工量を3.0g/m2として、印刷用紙6に対するマロン酸の付与量を0.6g/m2とした。完成品収納容器内に収納される直前の画像が記録された印刷用紙6を抜き取り、平坦な台の上に静置した。25℃、60%RHの環境下で1日経過した後、印刷用紙6の平坦性(カール及びコックリングの発生状態)を目視により確認した。その結果、印刷用紙6の平坦性は印刷前と差異はなく、風合いにも変化はなかった。
(実施例3)
第2の液体組成物液Aに代えて、以下に示す組成(合計100部)の第2の液体組成物Bを用いたこと以外は、前述の実施例1と同様にして画像を記録した。なお、第2の液体組成物Bの25℃における粘度は3mPa・s、表面張力は32mN/mであった。完成品収納容器内に収納される直前の画像が記録された印刷用紙6を抜き取り、平坦な台の上に静置した。25℃、60%RHの環境下で1日経過した後、印刷用紙6の平坦性(カール及びコックリングの発生状態)を目視により確認した。その結果、印刷用紙6の平坦性は印刷前と差異はなく、風合いにも変化はなかった。
[第2の液体組成物B]
・グルタル酸 30部
・グリセリン 20部
・ノニオン性界面活性剤 1部
・水 残部
(実施例4)
図1中の第1の液体組成物付与部1及び第2の液体組成物付与部2を、それぞれインクジェットプリントヘッドに変更するとともに、第1の液体組成物付与部1から第2の液体組成物付与部2までの間を0.5秒とした。それ以外は前述の実施例1と同様にして画像を記録した。完成品収納容器内に収納される直前の画像が記録された印刷用紙6を抜き取り、平坦な台の上に静置した。25℃、60%RHの環境下で1日経過した後、印刷用紙6の平坦性(カール及びコックリングの発生状態)を目視により確認した。その結果、印刷用紙6の平坦性は印刷前と差異はなく、風合いにも変化はなかった。
第1の液体組成物の印刷用紙の細孔内への進入速度、及び水溶性樹脂1とマロン酸の反応速度は非常に速い。このため、第1の液体組成物付与部1から第2の液体組成物付与部2までの時間を短くしても、水の浸透抑制効果に差異がなかったことが分かる。
(比較例1)
図1中の第1の液体組成物付与部1及び第2の液体組成物付与部2を取り外し、第1の液体組成物A及び第2の液体組成物Aを印刷用紙6に付与しなかったこと以外は、前述の実施例1と同様にして画像を記録した。完成品収納容器内に収納される直前の画像が記録された印刷用紙6を抜き取って観察したところ、記録された画像におけるインク打ち込み量の多い箇所でコックリングが発生していることを確認した。また、画像が記録された印刷用紙6を平坦な台の上に静置し、25℃、60%RHの環境下で1日経過した後、印刷用紙6の平坦性を目視により確認した。その結果、印刷用紙6の端部にそりが見られ、カールが発生していることを確認した。さらに、記録された画像の濃度も低かった。
(比較例2)
図1中の第1の液体組成物付与部1を取り外し、第1の液体組成物Aを印刷用紙6に付与しなかったこと以外は、前述の実施例1と同様にして画像を記録した。完成品収納容器内に収納される直前の画像が記録された印刷用紙6を抜き取って観察したところ、記録された画像におけるインク打ち込み量の多い箇所でコックリングが発生していることを確認した。また、画像が記録された印刷用紙6を平坦な台の上に静置し、25℃、60%RHの環境下で1日経過した後、印刷用紙6の平坦性を目視により確認した。その結果、印刷用紙6の端部にそりが見られ、カールが発生していることを確認した。なお、記録された画像の濃度については、比較例1で記録した画像に比して高く、満足いくものであった。

Claims (8)

  1. 色材を含有する水性インクをインクジェット方式で吐出して記録媒体に付与するインク付与工程と、
    前記記録媒体に、水溶性樹脂を含有する第1の液体組成物を付与する第1の液体組成物付与工程と、
    前記記録媒体に、前記色材及び前記水溶性樹脂と反応する反応剤を含有する第2の液体組成物を付与する第2の液体組成物付与工程と、を有する画像記録方法であって、
    前記第1の液体組成物付与工程と前記第2の液体組成物付与工程が、前記インク付与工程に先立って行われ、
    前記インク付与工程の後に、さらに、前記記録媒体に形成された画像から水分を除去する水分除去工程を有することを特徴とする画像記録方法。
  2. 前記記録媒体に対する前記水溶性樹脂の付与量が、0.1g/m2以上5.0g/m2以下である請求項1に記載の画像記録方法。
  3. 前記記録媒体に対する前記反応剤の付与量が、0.1g/m2以上10.0g/m2以下である請求項1又は2に記載の画像記録方法。
  4. 前記記録媒体に対する前記第1の液体組成物の浸透速度が、前記記録媒体に対する前記第2の液体組成物の浸透速度よりも遅い請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  5. 前記記録媒体が、印刷用紙である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  6. 前記水分除去工程が、前記記録媒体に形成された画像に温風を当てる工程である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像記録方法。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像記録方法に用いる画像記録装置であって、
    前記記録媒体に前記第1の液体組成物を付与する第1の液体組成物付与部と、
    前記記録媒体に前記第2の液体組成物を付与する第2の液体組成物付与部と、
    前記水性インクをインクジェット方式で吐出して前記記録媒体に付与するインク付与部と、
    前記記録媒体に形成された画像から水分を除去する水分除去部と、を連続して備えることを特徴とする画像記録装置。
  8. さらに、前記記録媒体を搬送する搬送部を備える請求項7に記載の画像記録装置。
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