JP2015038461A - シンチレータパネルおよびその製造方法 - Google Patents

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弘 堀内
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博之 會田
篤也 吉田
Atsuya Yoshida
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Abstract

【課題】シンチレータ層の残像特性も含めた総合的な特性の改善と信頼性の向上ができるシンチレータパネルを提供する。
【解決手段】シンチレータパネル10は、X線16を透過する支持基板11と、支持基板11に接して外部から入射したX線16を光に変換するシンチレータ層13とを具備する。シンチレータ層13は、ハロゲン化物であるCsIにTlを賦活剤として含有する蛍光体であり、蛍光体中の賦活剤の濃度が1.6mass%〜2.0mass%でかつ面内方向および膜厚方向の賦活剤の濃度分布が±15%以内である。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、放射線を光に変換するシンチレータパネルおよびその製造方法に関する。
新世代のX線診断用画像検出器として、アクティブマトリクスや、CCDおよびCMOS等の固体撮像素子を用いた平面形の放射線検出器であるX線検出器が注目を集めている。このX線検出器にX線を照射することにより、X線撮影像またはリアルタイムのX線画像がデジタル信号として出力される。
X線検出器は、放射線を光に変換するシンチレータ層を有するシンチレータパネル、およびこのシンチレータパネルによって変換された光を電気信号に変換する光電変換基板を備えている。そして、入射X線によりシンチレータ層で変換された光が光電変換基板に到達することで電荷に変換され、この電荷が出力信号として読み出され、所定の信号処理回路等にてデジタル画像信号に変換される。
また、シンチレータ層にハロゲン化物であるCsIを用いた場合は、CsI単体では、入射X線を可視光に変換することができないことから、一般的な蛍光体と同様に入射X線に対する光の励起を活性化させるため、賦活剤を含有させている。
X線検出器においては、光電変換基板の受光感度のピーク波長が可視光領域の400nm〜700nm付近に存在することから、シンチレータ層にCsIを用いた場合は、入射X線により励起された光の波長が550nm付近となるTlが賦活剤として用いられている。
シンチレータ層がハロゲン化物であるCsIにTlを賦活剤として含有する蛍光体である場合、一般的な賦活剤を含有する蛍光体と同様に、シンチレータ層の特性が賦活剤であるTlの濃度および濃度分布に大きな影響を受けることとなる。
賦活剤を含有するシンチレータ層を有するシンチレータパネルにおいて、賦活剤の濃度および濃度分布が適正化されていない場合は、シンチレータ層の特性劣化を招くこととなり、シンチレータ層の発光特性に関連する感度(発光効率)および残像{n回目のX線画像に(n−1)回目以前のX線画像の被写体像が残留する現象}に影響が生じることとなる。
例えば、X線画像を用いた診断においては、被写体により撮影条件が大きく異なるため{入射X線の線量:0.0087mGy〜0.87mGy程度(部位によりX線透過率が異なるため)}、(n−1)回目のX線画像とn回目のX線画像の入射X線の線量に大きな差異が生じることがあり、(n−1)回目とn回目のX線画像の入射X線の線量差が(n−1)>nの場合、(n−1)回目のX線画像の非被写体部のシンチレータ層の発光特性が、入射X線の大きなエネルギーにより変化し、n回目のX線画像にまで、影響が残留することによって、残像が生じることとなる。
この残像特性は、X線画像を用いた診断においては、他のシンチレータ層の特性である感度(発光効率)や解像度(MTF)に比べても重要な特性となっている。
従来、感度(発光効率)や解像度(MTF)の向上を目的として、シンチレータ層の賦活剤の濃度や濃度分布を規定しようとした提案がある。
特開2007−232636号公報
従来、シンチレータ層の特性向上については感度(発光効率)や解像度(MTF)に関するものが多く、残像特性も含めた総合的な特性向上に関するものは少なかった。
本発明が解決しようとする課題は、シンチレータ層の残像特性も含めた総合的な特性の改善と信頼性の向上ができるシンチレータパネルおよびその製造方法を提供することである。
本実施形態のシンチレータパネルは、放射線を透過する支持基板と、支持基板に接して外部から入射した放射線を光に変換するシンチレータ層とを具備し、シンチレータ層は、ハロゲン化物であるCsIにTlを賦活剤として含有する蛍光体であり、蛍光体中の賦活剤の濃度が1.6mass%〜2.0mass%でかつ面内方向および膜厚方向の賦活剤の濃度分布が±15%以内である。
一実施形態を示すシンチレータパネルの第1の構造例の断面図である。 同上シンチレータパネルの第2の構造例の断面図である。 同上シンチレータパネルの第3の構造例の断面図である。 同上シンチレータパネルの第4の構造例の断面図である。 同上シンチレータパネルを用いた撮影装置の断面図である。 同上シンチレータパネルのシンチレータ層のTl濃度と感度比との相関を示すグラフである。 同上シンチレータ層のTl濃度とMTF比との相関を示すグラフである。 同上シンチレータ層のTl濃度と残像比との相関を示すグラフである。 同上シンチレータ層の積層周期と感度比との相関を示すグラフである。 同上シンチレータ層の積層周期とMTF比との相関を示すグラフである。 同上シンチレータ層の積層周期と残像比との相関を示すグラフである。 同上シンチレータ層の形成方法を示す模式図である。 同上シンチレータパネルを用いて特定の撮影条件下にて撮影したX線画像であり、(a)はTl濃度:0.1mass%の場合のX線画像、(b)はTl濃度:1.0mass%の場合のX線画像、(c)はTl濃度:1.2mass%の場合のX線画像、(d)はTl濃度:1.6mass%の場合のX線画像、(e)はTl濃度:2.0mass%の場合のX線画像である。 同上シンチレータパネルにおいてTl濃度:0.1mass%、1.0mass%、1.2mass%、1.6mass%、2.0mass%での各特性を示す表である。
以下、一実施形態を、図1ないし図14を参照して説明する。
図1ないし図4にはシンチレータパネル10の基本構成について第1ないし第4の構造例を示す。
まず、図1を参照して、シンチレータパネル10の第1の構造例を説明する。シンチレータパネル10は、放射線としてのX線を透過する支持基板11を有し、この支持基板11上に光を反射する反射層12が形成され、この反射層12上に放射線を可視光に変換するシンチレータ層13が形成され、このシンチレータ層13上にシンチレータ層13を密閉する保護層14が積層されて形成されている。
支持基板11は、遷移金属元素よりも軽元素を主成分とし、X線の透過率がよい物質から構成されている。
反射層12は、反射率の高いAl、Ni、Cu、Pd、Ag等の金属材料が用いられ、シンチレータ層13で発生した光を支持基板11とは反対方向へ反射させて光利用効率を高める。
シンチレータ層13は、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の気相成長法で、高輝度蛍光物質であるヨウ化セシウム(CsI)等のハロゲン化合物やガドリニウム硫酸化物(GOS)等の酸化物系化合物等の蛍光体を、支持基板11上に柱状に堆積させて成膜されている。そして、シンチレータ層13は、支持基板11の面方向に複数の短冊状の柱状結晶13aが形成された柱状結晶構造に形成されている。
そして、このように構成されたシンチレータパネル10において、支持基板11側からシンチレータ層13へと入射した放射線としてのX線16がこのシンチレータ層13の柱状結晶13aにて可視光17に変換され、支持基板11とは反対側のシンチレータ層13の表面(保護層14の表面)から可視光17が出射する。
また、図2にシンチレータパネル10の第2の構造例を示す。図1に示したシンチレータパネル10の第1の構造例において、反射層12を備えていないだけで、他の構成は同様である。
また、図3にシンチレータパネル10の第3の構造例を示す。図1に示したシンチレータパネル10の第1の構造例において、シンチレータ層13が柱状結晶13aをなしていないだけで、他の構成は同様である。
また、図4にシンチレータパネル10の第4の構造例を示す。図2に示したシンチレータパネル10の第2の構造例において、シンチレータ層13が柱状結晶13aをなしていないだけで、他の構成は同様である。
また、図5にはシンチレータパネル10を用いた例えばCCD−DR方式の撮影装置20を示す。撮影装置20は、筐体21を有し、この筐体21の一端にシンチレータパネル10が設置され、筐体21の内部に鏡面の反射板22および光学レンズ23が設置され、筐体21の他端に例えばCCD等の受光素子24が設置されている。そして、X線発生源(X線管)25から放射されたX線16がシンチレータパネル10に入射し、シンチレータ層13で変換した可視光17がシンチレータ層13の表面から出射される。このシンチレータ層13の表面にX線像が映し出され、このX線像を反射板22で反射するとともに光学レンズ23で集光して受光素子24に照射し、受光素子24でX線像を電気信号に変換して出力する。
そして、図1ないし図4に示される構造のシンチレータパネル10において、シンチレータ層13は、ハロゲン化物であるCsIにTlを賦活剤として含有する蛍光体であり、さらに次の(1)(2)(3)の特徴を有している。
(1):蛍光体中の賦活剤の濃度が1.6mass%〜2.0mass%で、かつ蛍光体の面内方向および膜厚方向における賦活剤の濃度分布が±15%以内である。
(2):少なくとも単位膜厚200nm以下の領域において、蛍光体の面内方向および膜厚方向における賦活剤の濃度分布が±15%以内であり、均一性が維持されている。
(3):シンチレータ層13は、CsIとTlIの2つの蒸発源を用いた真空蒸着法により形成され、かつ好ましくは短冊状の柱状結晶13aの構造を有している。
ここで、図1に示される第1の構造例のシンチレータパネル10において、シンチレータ層13の膜厚:350μm、賦活剤:Tlとし、シンチレータ層13中のTl濃度と各特性の相関を試験した結果を図6ないし図8に示し、また、シンチレータ層13中のTl濃度を一定とした場合のシンチレータ層13の積層周期{単位膜厚(基板1回転当りの形成膜厚)の形成周期}と各特性の相関を試験した結果を図9ないし図11に示す。
図6はシンチレータ層13中のTl濃度と感度比との相関である。試験条件は、入射X線:70kV−0.0087mGy、感度比:シンチレータ層13中のTl濃度が0.1mass%の場合の感度を基準とした比率であり、各試験サンプルのシンチレータ層形成条件(シンチレータ層13中のTl濃度を除く)は同一である。そして、図6に示すように、シンチレータ層13中のTl濃度が1.4mass%〜1.8mass%近辺において最も感度が向上した。
図7はシンチレータ層13中のTl濃度と解像度であるMTF比との相関である。試験条件は、入射X線:70kV−0.0087mGy、MTF比:シンチレータ層13中のTl濃度が0.1mass%の場合のMTF(at 2Lp/mm)を基準とした比率であり、各試験サンプルのシンチレータ層形成条件(シンチレータ層13中のTl濃度を除く)は同一である。そして、図7に示すように、シンチレータ層13中のTl濃度が2.0mass%付近までは略一定となった。
図8はシンチレータ層13中のTl濃度と残像比との相関である。試験条件は、(n−1)回目とn回目のX線画像の入射X線の線量差を(n−1)>nとし、(n−1)回目のX線画像では入射X線:70kV−0.87mGy、被写体:鉛板(板厚3mm)、X線画像取得間隔:60secとし、n回目のX線画像では入射X線:70kV−0.0087mGy、被写体:無し、X線画像取得間隔:60secとする。さらに、残像比:シンチレータ層13中のTl濃度が0.1mass%の場合の残像を基準とした比率であり、各試験サンプルのシンチレータ層形成条件(シンチレータ層13中のTl濃度を除く)は同一である。そして、図8に示すように、シンチレータ層13中のTl濃度が1.6mass%近辺において残像が最小レベルとなった。さらに、残像比が0.5(好ましくは0.4)以下の領域であって、シンチレータ層13中のTl濃度が1.6mass%±0.4mass%の領域では、残像が確認されなかった。
図9はシンチレータ層13の積層周期と感度比との相関である。試験条件は、入射X線:70kV−0.0087mGy、シンチレータ層13中のTl濃度:0.1mass%、感度比:シンチレータ層13の積層周期が200nmの場合の感度を基準とした比率であり、各試験サンプルのシンチレータ層形成条件(シンチレータ層13中のTl濃度を除く)は同一である。
図10はシンチレータ層13の積層周期とMTF比との相関である。試験条件は、入射X線:70kV−0.0087mGy、シンチレータ層13中のTl濃度:0.1mass%、MTF比:シンチレータ層13の積層周期が200nmの場合のMTF(at 2Lp/mm)を基準とした比率であり、各試験サンプルのシンチレータ層形成条件(シンチレータ層13中のTl濃度を除く)は同一である。
図11はシンチレータ層13の積層周期と残像比との相関である。試験条件は、(n−1)回目とn回目のX線画像の入射X線の線量差を(n−1)>nとし、(n−1)回目のX線画像では入射X線:70kV−0.87mGy、被写体:鉛板(板厚3mm)、X線画像取得間隔:60secとし、n回目のX線画像では入射X線:70kV−0.0087mGy、被写体:無し、X線画像取得間隔:60secとする。さらに、シンチレータ層13中のTl濃度:0.1mass%、残像比:シンチレータ層13の積層周期が200nmの場合の残像を基準とした比率であり、各試験サンプルのシンチレータ層形成条件(シンチレータ層13中のTl濃度を除く)は同一である。
そして、図9ないし図11に示すように、シンチレータ層13の積層周期が200nm以上の領域では、各特性が劣化する傾向となった。
これは、シンチレータ層13の発光波長のピ−ク波長は550nm付近であるが、シンチレータ層13の母材であるCsIの屈折率が1.8であるため、シンチレータ層13内を伝播する発光波長のピ−ク波長をλ1とすると、屈折率と波長との関係から、λ1=550nm/1.8=306nmと見なせるため、シンチレータ層13の積層周期がλ1よりも大きい場合は、シンチレータ層13の結晶性のばらつき、およびシンチレータ層13中のTl濃度のばらつき等に伴う光学特性の劣化(散乱・減衰等)の影響を受ける可能性が高くなることと合致するからである。
また、図6ないし図8に示されるように、シンチレータ層13中のTl濃度が1.2mass%〜2.0mass%の領域では、各特性が安定状態に近いため、シンチレータ層13中のTl濃度が変動(±15%程度)しても、各特性の変動は小さいこととなる。
さらに、図6ないし図8に示される相関から、シンチレータ層13中のTl濃度が1.2mass%〜2.0mass%の領域において最もシンチレータ層13の特性改善効果(特に残像特性)が大きく、かつ1.6mass%付近が最適値となるが、シンチレータ層13がハロゲン化物であるCsIにTlを賦活剤として含有する蛍光体の場合、次の(a)(b)(c)のような特性がある。
(a):CsIは、吸湿性が高く、大気中の水分と反応して潮解するが、TlIには吸湿性が無いため、シンチレータ層13中のTl濃度が高い程、シンチレータ層13の耐湿性が向上する。
(b):CsよりもTlの原子量が大きいことから、シンチレータ層13中のTl濃度が高い程、シンチレータ層13のDQE(X線吸収率)が向上するため、X線画像における量子ノイズが減少し、高SN比のX線画像を得ることが可能となる。
(c):CsよりもTlの原子量が大きいことから、シンチレータ層13中のTl濃度が高い程、シンチレータ層13のDQE(X線吸収率)が向上するため、透過X線による受光素子24等へのダメ−ジが軽減される。
このように、シンチレータ層13中のTl濃度が高い程、上記(a)〜(c)の効果が得られることとなる。
このため、シンチレータ層13中のTl濃度を1.6mass%〜2.0mass%とすれば、シンチレータ層13の残像特性を含む特性の改善とシンチレータパネル10の信頼性の向上とが可能となる。
さらに、シンチレータ層13中のTl濃度が1.6mass%〜2.0mass%の領域にあっても、シンチレータ層13の面内方向および膜厚方向におけるTl濃度分布に大きな偏りがあれば、各特性が大きく変動してしまいやすいので、シンチレータ層13の面内方向および膜厚方向におけるTl濃度分布が±15%以内にあることが好ましい。このTl濃度分布が±15%程度の変動範囲内であれば、各特性の変動は小さく影響は少ない。
したがって、上記(1)の特性のように、シンチレータ層13中のTl濃度が1.6mass%〜2.0mass%で、かつシンチレータ層13の面内方向および膜厚方向におけるTl濃度分布が±15%以内であることが好ましい。
また、シンチレータ層13の少なくとも単位膜厚200nm以下の領域において、シンチレータ層13の面内方向および膜厚方向におけるTl濃度分布に大きな偏りがあれば、各特性が大きく変動してしまいやすいので、上記(2)の特性のように、単位膜厚200nm以下の領域においてもシンチレータ層13の面内方向および膜厚方向におけるTl濃度分布が±15%以内であることが好ましい。
ここで、シンチレータ層13の形成方法の模式図を図12に示す。真空チャンバ30内に支持基板11を配置し、この支持基板11を回転させながら、真空チャンバ30内に設置されているCsIの蒸発源31からの蒸発粒とTlIの蒸発源32からの蒸発粒を支持基板11の積層面に蒸着する真空蒸着法により、シンチレータ層13の膜を積層形成する。
このとき、支持基板11の回転周期とCsIおよびTlIの蒸発とを制御すれば、シンチレータ層13の積層周期当りの面内方向および膜厚方向のTl濃度分布を任意に制御することができる。そのため、シンチレータ層13の形成時において、シンチレータ層13の積層周期当りの面内方向および膜厚方向のTl濃度分布の均一性を確保すれば、シンチレータ層13の全体の面内方向および膜厚方向のTl濃度分布の均一性も確保されることとなる。
よって、ハロゲン化物であるCsIにTlを賦活剤として含有する蛍光体からなるシンチレータ層13に、上記(a)〜(c)の特性を考慮して上記(1)〜(3)の特徴を付与すれば、シンチレータ層13の残像特性を含む特性の改善とシンチレータパネル10の信頼性の向上が可能となる。
また、図1に示される第1の構造例のシンチレータパネル10の実施例について説明する。この実施例では、シンチレータ層13の膜厚:350μm、シンチレータ層13の積層周期:150nm、シンチレータ層13の面内方向および膜厚方向の賦活剤の濃度分布:±15%、賦活剤:Tlとし、シンチレータ層13中の賦活剤の濃度:0.1mass%、1.0mass%、1.2mass%、1.6mass%、2.0mass%の5つのサンプルを作成する。
これら5つのサンプルについて、特定の撮影条件下にて被写体を撮影し、所定の画像処理条件にて撮影画像を処理した場合のX線画像(n回目)を図13(a)(b)(c)(d)(e)に示すとともに、特性の結果を図14の表に示す。図14において、感度比、MTF比、残像比は、シンチレータ層13中のTl濃度が0.1mass%の場合を基準とした値である。
撮影条件は、(n−1)回目とn回目のX線画像の入射X線の線量差を(n−1)>nとし、(n−1)回目のX線画像では入射X線:70kV−0.87mGy、被写体:鉛板(板厚3mm)、X線画像取得間隔:60secとし、n回目のX線画像では入射X線:70kV−0.0087mGy、被写体:無し、X線画像取得間隔:60secとする。
画像処理条件は、フラットフィールド補正(Flat Field Correction):有り、ウィンドウ処理:有り(画像のヒストグラム平均値±10%)とする。
図13(a)および(b)に示すように、賦活剤の濃度が0.1mass%および1.0mass%では、図中破線で囲む範囲に残像が確認されるが、図13(c)(d)(e)に示すように、賦活剤の濃度が1.2mass%、1.6mass%、2.0mass%では、図中破線で囲む範囲に残像は確認されなかった。
したがって、シンチレータ層13に本実施形態で規定される上記(1)〜(3)の特徴を付与すれば、感度やMTFも良好な状態で残像特性を改善できるため、シンチレータパネル10の高性能化と信頼性の向上が可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 シンチレータパネル
11 支持基板
13 シンチレータ層

Claims (5)

  1. 放射線を透過する支持基板と、
    前記支持基板に接して外部から入射した放射線を光に変換するシンチレータ層と
    を具備し、
    前記シンチレータ層は、ハロゲン化物であるCsIにTlを賦活剤として含有する蛍光体であり、前記蛍光体中の前記賦活剤の濃度が1.6mass%〜2.0mass%でかつ面内方向および膜厚方向の前記賦活剤の濃度分布が±15%以内である
    ことを特徴とするシンチレータパネル。
  2. 前記シンチレータ層は、単位膜厚200nm以下の領域において、面内方向および膜厚方向の前記賦活剤の濃度分布が±15%以下である
    ことを特徴とする請求項1記載のシンチレータパネル。
  3. 前記シンチレータ層は、柱状結晶構造を有する
    ことを特徴とする請求項1または2記載のシンチレータパネル。
  4. 前記支持基板は、遷移金属元素よりも軽元素を主成分とする物質から構成されている
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載のシンチレータパネル。
  5. 放射線を透過する支持基板と、前記支持基板に接して外部から入射した放射線を光に変換するシンチレータ層とを具備するシンチレータパネルの製造方法であって、
    前記シンチレータ層は、ハロゲン化物であるCsIにTlを賦活剤として含有する蛍光体であり、
    前記蛍光体中の前記賦活剤の濃度が1.6mass%〜2.0mass%でかつ面内方向および膜厚方向の前記賦活剤の濃度分布が±15%以内となるように、CsIとTlとを材料源とした気相成長法により前記シンチレータ層を形成する
    ことを特徴とするシンチレータパネルの製造方法。
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