JP2015036499A - 地中埋設構造物の浮き上がりを防止する方法及び治具 - Google Patents

地中埋設構造物の浮き上がりを防止する方法及び治具 Download PDF

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Abstract

【課題】大型の施工設備を必要とせず、既存の埋め戻し施工法を用いて、耐震対策として新設及び既設の地下埋設管のいずれにも適用可能な浮上防止工法を提供する。
【解決手段】地中の埋設構造物1の浮き上がりを防止する方法であって、埋設構造物の上方に、角状治具などの浮上防止部材10を配置し、浮上防止部材による重力、及び、周辺地盤のせん断抵抗力によって、埋設構造物の浮上を抑制するための荷重を付加する。
【選択図】図1

Description

本発明は、下水管等の地中埋設構造物について、地震時における地盤の液状化によって生じる浮き上がり等の被害を防止するための方法及び治具に関する。
地震災害時の地盤の液状化により、地下に埋設された下水管などの埋設管が浮き上がる現象が知られている。この場合、自然流下機能を阻害することや埋設管の破損部から液状化した土砂が流入することで管が詰まり、ライフラインである下水管として機能しなくなる等の甚大な被害が発生するため、かかる埋設管の地震時液状化対策は、都市の地震耐久性向上にとって重要な課題となっている。埋設管の浮き上がりは、比重の小さい埋設管が液状化した地盤の浮力によって浮上することによるものであり、そして、埋設管等の地中構造物を設置する際に埋め戻した緩い砂の地盤がこの液状化の原因と考えられている。
この液状化対策として、従来は、埋戻し土を90%以上に締め固めること、埋め戻し材料に液状化しにくい砕石などを用いること、埋戻し土を固化させること等が行われてきた。また、その他の手法として、マンホール等の地下構造物の周囲に活性シリカなどの薬剤を注入して改良地盤とすることが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2008−202219号公報
しかしながら、従来の方法では、施工品質、浮上防止効果の確実性、施工時間の制約、施工コスト等の面で十分な対策となっていないため、現実に浮上防止対策が施されている下水管は多くないのが現状であった。さらに、既に埋設・設置されて地中にある埋設管については、管を掘り起こすことなく地上からの作業によって浮上防止対策を行う必要がある。
そこで、本発明は、大型の施工設備を必要とせず、既存の埋め戻し施工法を用いて、耐震対策として新設及び既設の地下埋設管のいずれにも適用可能な浮上防止工法を提供することを課題とするものである。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、埋設管等の地中埋設構造物の上方に、支圧板を有する角状治具又は充填剤による柱状の杭部材を安価な施工法により設置するだけで、その浮上抵抗力の付与によって液状化の際における埋設構造物の浮上を効果的に抑制することができることを見出し、これら知見に基づき、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一態様において、
(1)地中の埋設構造物の浮き上がりを防止する方法であって、前記埋設構造物の上方に浮上防止部材を配置し、前記浮上防止部材による重力及び周辺地盤のせん断抵抗力によって、前記埋設構造物の浮上を抑制するための荷重を付加することを特徴とする、方法;
(2)前記浮上防止部材が、支圧板よりなる上端部、前記埋設構造物と継合するための下端部、及び前記上端部と下端部とを連結する1以上の足部を有する角状治具である、上記(1)に記載の方法;
(3)前記上端部が略矩形又は略円形の支圧板よりなる、上記(2)に記載の方法;
(4)前記下端部が凹形の形状である、上記(2)又は(3)に記載の方法;
(5)前記浮上防止部材が、充填剤若しくは固化剤よりなる柱状の杭部材、又は筒状の収容具に充填された砕石若しくは鉄塊を含む杭部材である、上記(1)に記載の方法;
(6)前記充填剤若しくは固化剤が、モルタル、セメント、コンクリート、及びベントナイトからなる群より選択される、上記(5)に記載の方法;
(7)前記杭部材が、既設の埋設構造物の上方を削孔することで生じた空間に前記充填剤を埋め戻すことによって形成される、上記(5)又は(6)に記載の方法;
(8)前記埋設構造物が、下水管である、上記(1)〜(7)のいずれか1に記載の方法;
(9)前記浮上防止部材の上端を地下水位より上方に位置させる、上記(1)〜(8)のいずれか1に記載の方法;
(10)前記浮上防止部材が、前記埋設構造物の100mあたり2〜20本の間隔で配置される、上記(1)〜(9)のいずれか1に記載の方法;
(11)前記浮上防止部材によって前記埋設構造物に作用する力が、以下の式で表される安全率(SF)が1.0以上となる関係を有する、上記(1)〜(10)のいずれか1に記載の方法;
安全率(SF)= 浮上抵抗力(F’)/浮力(F)
(ここで、浮力(F)= (PxAxγ)+(Vxγ)
浮上抵抗力(F’)= Wsurface+Ssurface+W
であり、
式中、Pは、浮上防止部材の設置間隔(m);Aは、埋設構造物の断面積(m);γは、地下水位より下方の液状化層における湿潤単位体積重量(kN/m);Vは、浮上防止部材の体積のうち地下水位より下方の液状化層内の体積(m);Wsurfaceは、浮上防止部材の上方に存在する表層土塊の重量(kN);Ssurfaceは、浮上防止部材の上方に存在する表層土塊と、その周辺地盤とのせん断抵抗力の鉛直成分(kN);及び、Wは、浮上防止部材の重量(kN)である。)
を提供するものである。
好ましい態様において、本発明は、
(12)前記浮上防止部材を配置する前に、撮影手段を前記埋設構造物中に挿入することによって、当該埋設構造物における継手部を探索する工程をさらに含む、上記(1)〜(11)のいずれか1に記載の方法;
(13)前記撮影手段が位置情報特定手段を有する、上記(12)に記載の方法;
(14)前記撮影手段がテレビカメラである、上記(12)又は(13)に記載の方法
を提供するものである。
また、別の側面において、本発明は、
(15)地中の埋設構造物の上方に配置されて当該埋設構造物の浮き上がりを防止するための角状治具であって、略矩形又は略円形の支圧板よりなる上端部、前記埋設構造物と継合するための凹形の下端部、及び前記上端部と下端部とを連結する1以上の足部を有することを特徴とする、該治具;
(16)前記上端部が略矩形又は略円形の支圧板よりなる、上記(15)に記載の治具;
(17)前記下端部が凹形の形状である、上記(15)又は(16)に記載の治具;
を提供するものである。
本発明によれば、埋設管等の地中埋設構造物の上方に浮上防止部材を設置するだけで、その浮上抵抗力の付与によって液状化の際における埋設構造物の浮上を効果的に抑制し、耐震補強を行うことができるという効果を奏する。当該大型の施工設備を必要とせず、従来の埋め戻し施工法を用いて行うことができるため、施工コストを低減することが可能である。
また、新設及び既設の地下埋設管のいずれにも適用可能であり、既に埋設・設置されて地中にある埋設管については、管を掘り起こすことなく地上からの作業によって浮上防止対策を行う必要がある。特に、新設の地下埋設管に適用する場合には、上記のように従来の砂の埋め戻し工程と同じ工程を用いて、支圧板を有する角状治具を地中埋設構造物の上方に埋設するだけで液状化の際の浮上を防止する効果を得ることができ、一方、既設の地下埋設管に適用する場合には、広い範囲を掘り起こすことなく、オーガー等の機械設備を用いて、地上より地中埋設構造物近傍まで削孔してモルタル等の充填剤や固化剤を注入固化する方法や削孔した空洞に筒状のネット等に充填した砕石や鉄塊等の比重の重い物によって浮上防止部材を形成することができる。この場合、浮上防止部材を形成させるための最小限の孔を設けるだけで済むため、施工のコスト及び労力を低減させる効果を奏する。
さらに、浮上防止部材を配置する前に、位置情報を特定可能なテレビカメラ等の撮影手段を用いて下水管の位置や深さ、継手の箇所を把握することによって、より正確で簡便な施工も可能となる点で、極めて実用的にも優れている。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る地盤中の断面図である。 図2は、本発明の第2の実施形態に係る地盤中の断面図である。 図3は、本発明において浮上防止部材に作用する浮上抵抗力を示す図である。 図4は、実験に用いた浮上防止部材の形状を示す図である。 図5は、実験に用いた模型地盤の構成を示す図である。 図6は、支圧板に作用する浮上力の測定結果を示すグラフである。 図7は、埋設管の浮き上がり変位の測定結果を示すグラフである。 図8は、埋設管の残留変位と安全率と関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施することができる。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る地中埋設構造物の浮き上がりを防止する方法における地盤中の断面を示す模式図である。
埋設構造物1は、特に限定はされないが、好ましくは下水管であり、一般に、円筒形状の塩化ビニール又は鉄筋コンクリートで構成される。その内部の空洞は生活排水や汚水等が流通され、両端は任意の間隔でマンホールに連結している。周辺の埋戻し地盤が液状化した場合に、埋設構造物1に作用する浮力は、地盤が液状化することによる泥水圧である。この液状化時に埋設構造物1の側面に作用する泥水圧は釣り合っているため、埋設構造物1の浮き上がりに影響する力は、鉛直方向に発生する泥水圧による浮力である。
図1に示すように、埋設構造物1の上方には、上端部11、足部12、及び下端部13を備えた角状形状を有する治具である浮上防止部材10が配置される。浮上防止部材10の設置は、以下の手順で行われる。まず、一般に下水管等の埋設が行われる場合と同様に、地盤2を所定の深さまで掘削した後に、埋設構造物1を設置する。そして、掘削した隙間に砂等を埋め戻す際に、埋設構造物1の上方に浮上防止部材10を設置したうえで埋め戻す。掘削した場所が道路の場合には、浮上防止部材10の上方にアスファルト舗装が設けられる。上記掘削及び埋め戻しは、当該技術分野において周知の任意の手段によって行うことができる。
浮上防止部材10の上端部11には、浮上防止部材の上方に存在する表層土塊と、その周辺地盤とのせん断抵抗力を生じさせるための平面状の支圧板が設けられている。当該支圧板は、好ましくは略矩形又は略円形であるが、これら以外の形状であることもできる。上端部11からは、好ましくは棒状の足部12が延び、下端部13に連結している。足部12は、1本以上であることができ、上端部11と下端部13の構造安定性の点からは好ましくは2本以上であり、より好ましくは4本である。足部12は、上端部11の支圧板に対して垂直下方に延びることが好ましいが、特定の角度で下方に延びるものであってもよい。
浮上防止部材10の下端部13は、埋設構造物1と安定的に継合するために凹形の形状を有していることが好ましい。埋設構造物1が下水管等の管状構造である場合には、当該管状構造に適合するために下端部13はU字型の断面を有するドーム状の部材であることが望ましい。ただし、埋設構造物1の浮力を受け止めることができるものであれば、その形状は特に限定されない。本明細書において、「継合」とは、浮上防止部材10の下端部13が埋設構造物1に接触又は結合している場合だけでなく、埋設構造物1の浮力を受け止めることができる限り、下端部13と埋設構造物1との隙間に土塊(埋め戻し土)が存在したり、或いは、当該隙間に柔軟性を有する材料を用いる態様をも包含する。
浮上防止部材10は、任意の材料で構成されることができ、好ましくは、金属製である。
好ましくは、浮上防止部材10の上端部11は、地盤中の地下水位より上方に位置する。これは、地下水位より上方では液状化現象が生じ難いため、地盤中で液状化が生じた場合でも埋設構造物1の浮力に抵抗するための支圧板によるせん断抵抗力を得ることができるためである。また、上端部11は、好ましくは、アスファルトの下の路盤・路床の下端に接するように設置することができ、この場合は、埋設構造物1に作用する浮力が路盤・路床に直接伝達されて、当該浮力に抵抗することによって埋設構造物1の浮き上がりを抑制することができる。
浮上防止部材10は、前記地中埋設構造物の100mあたり2〜20本、好ましくは100mあたり5〜20本の間隔で配置される。浮上防止部材10は、等間隔で配置されることが好ましい。なお、後述の式(1)及び(2)を用いて、前記埋設構造物の100m当たりに働く浮力に対して1本当たりの浮上抵抗力から求められる最適な本数とすることもできる。
以上で説明した第1の実施形態に係る方法は、埋設構造物1を新設する場合、又は地震等で被災してしまった埋設構造物1を一旦削孔したうえで修理・交換を行い再度埋め戻す場合に好適である。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る地中埋設構造物の浮き上がりを防止する方法における地盤中の断面を示す模式図である。
図2に示す第2の実施形態は、図1における上端部11、足部12、及び下端部13を備えた浮上防止部材10に代えて、柱状の浮上防止部材20を用いたこと以外は、図1で示した第1の実施形態と同様である。ただし、柱状の浮上防止部材20を用いる場合であっても、地盤の表層からの抵抗力を得るために、その上端に上記第1の実施形態の場合と同様の支圧板を設けることもできる。
浮上防止部材20は、充填剤や固化剤によって形成された柱状の杭部材、又は筒状の収容具に充填された砕石や鉄塊等の比重の大きい物を含む杭部材である、であり、好ましくは円筒状である。当該充填剤又は固化剤は、周囲の土壌よりも比重の高いものが用いられるが、例えばモルタル、セメント、コンクリート、又はベントナイトが好ましい。場合によって、当該浮上防止部材の総重量を増加させるため或いは強度を高めるために、金属や鋼材をこれらに混合してもよく、また、鉄製の心棒を有していてもよい。
第2の実施形態に係る方法を既設の埋設構造物1に対して適用する場合、オーガー等の当該技術分野において周知の掘削機械を用いて、埋設構造物1の深さまで地盤2を削孔し、それによって生じた空間に上記充填剤を注入し固化させることによって浮上防止部材20を形成させることができる。浮上防止部材を構成するための空間(穴)は、直径50〜200mmであることができ、好ましくは直径100〜200mmである。従って、当該技術分野において一般的に用いられている機械及び工法によって比較的狭い範囲を削孔するだけで実施できるため、既設の埋設構造物1を耐震補強する場合に有益である。
また、埋設構造物1の新設において第2の実施形態に係る方法を適用する場合には、上記第1の実施形態と同様に埋設構造物1を設置して埋め戻す際に、例えば、型枠として塩化ビニール管などを埋設構造物1の上方に設置し、その内部に上記充填剤を注入・固化することによって、浮上防止部材20を形成させることもできる。
上記第1の実施形態と同様に、浮上防止部材20の上端は、地盤中の地下水位より上方に位置することが好ましく、アスファルトの下の路盤・路床の下端に接する位置までの延びていることがより好ましい。
(埋設構造物内の事前探索工程)
本発明の方法では、浮上防止部材を配置する前に、撮影手段を下水管等の埋設構造物1の中に挿入することによって、その正確な位置や継手箇所等の継手部を探索する工程をさらに含むことができる。これによって、埋設構造物1のどの部分に浮上防止対策の施工を実施する必要があるか等を予め決定することができ、より正確で簡便な施工が可能となる。例えば、下水管の継ぎ手部分は、液状化による浮き上がりによって損傷を受ける可能性が高い箇所であり、本発明による耐震補強を行う必要が高いので、かかる箇所を予め施工位置として特定できることは実用上有益である。
当該撮影手段は、下水管等の埋設構造物1の内部の映像を撮影できるとともに、その位置情報を把握できる必要がある。例えば、GPS等によって位置情報を特定可能であり、かつ遠隔操作可能なテレビカメラであることが好ましい。
(浮上防止部材の安全率の算定)
本発明の方法において、地盤の液状化の際に埋設構造物1に作用する浮力(F)と浮上防止部材10又は20に作用する浮上抵抗力(F’)は、以下の式で表される関係を有する。
浮力(F)= (PxAxγ)+(Vxγ) …式(1)
浮上抵抗力(F’)= Wsurface+Ssurface+W …式(2)
式中、Pは、浮上防止部材の設置間隔(m);Aは、埋設構造物の断面積(m);γは、地下水位より下方の液状化層における湿潤単位体積重量(湿潤密度ともいう。)(kN/m);Vは、浮上防止部材の体積のうち地下水位より下方の液状化層内の体積(m);Wsurfaceは、浮上防止部材の上方に存在する表層土塊の重量(kN);Ssurfaceは、浮上防止部材の上方に存在する表層土塊と、その周辺地盤とのせん断抵抗力の鉛直成分(kN);及び、Wは、浮上防止部材の重量(kN)である。
これらのパラメータについては、図3に模式的に示しているが、当業者であれば当該図面を参照することでその意味を容易に理解できるであろう。
そして、浮力(F)と浮上抵抗力(F’)を用いて安全率(SF)を以下のように表すことができる。
安全率(SF)= 浮上抵抗力(F’)/浮力(F) …式(3)
ここで、浮力(F)が浮上抵抗力(F’)より大きくなると(すなわち、SFが1.0未満)、埋設構造物1の浮き上がりが生じることになるから、安全率(SF)が1.0以上となる場合に、本発明の方法による浮き上がり防止効果が得られることが計算できる。 なお、図3では、第1の実施形態の浮上防止部材10を用いて示しているが、第2の実施形態の浮上防止部材20を用いる場合でも同様に上記の関係式が適用可能である。
上記の関係式から明らかなように、浮上抵抗力(F’)は、浮上防止部材の上面の面積に依存するから、所望の安全率(SF)を得るために、第1の実施形態では上端部11の支圧板の面積、及び第2の実施形態では柱状の杭部材の直径等を当該関係式を参照して適宜調整することが可能である。また、浮上防止部材自体の重量(W)もまた浮上抵抗力(F’)に影響するため、浮上防止部材の材料(特に、第2の実施形態における充填剤)を調整することで所望の重量とすることもできる。
一方、浮力(F)は、浮上防止部材の設置間隔(P)に依存するため、上記関係式に基づいて、浮上防止部材の設置間隔を予め設定することが可能である点で有益である。
本発明の方法における浮上防止部材による浮き上がり防止の効果を観測するため、小規模の模型地盤を用いて実験を行った。
実験に用いた浮上防止部材は、図4に示すように上記第1の実施形態に対応する角状治具である。当該治具の上端部の支圧板内には、埋設管の浮力を計測するためのロードセルを設けることで、上向きの力を計測することが可能である。地盤の表層を礫又は砂地盤とし、正方形の支圧板の1辺の長さ(L)及びその設置深度(D)を種々の値とした複数の条件につき実験を行った。条件を表1に示す。
Figure 2015036499
図5に実験に用いた模型地盤の概要を示す。長さ270cm、幅40cm、深さ50cmであり、底から20cmの位置に埋設管を設置した。埋設管の両端はヒンジ境界となるよう支持することで、実際のマンホールとの接続を再現している。
実施例1において、支圧板の位置を土槽に完全固定することで加振による埋設管の浮き上がり力を測定した結果を図6に示す。浮き上がり力の最大値は74.3Nであった。
同様に、実施例2〜5及び比較例1について、加振による埋設管の浮き上がり量(cm)の時間変化の結果を図7に示す。液状化の発生に伴い、全てのケースで埋設管の浮き上がりが観測されたが、実施例2及び3(Horn.2及び3)では、表層の礫地盤の沈下に伴う治具と埋設管のわずかな沈下が確認された。これは、浮き上がり力に対して十分な抵抗があったことを示すものである。一方のその他のケースでは、加振終了時まで浮上が観測されており、抵抗は不十分であったことが示唆される。
図8に、各実験条件における安全率(SF)を算定した結果に対する、加振後の浮き上がり量(残留変位)の実験結果のプロットを示す。図中の破線に示すように、安全率が1.0を上回ると浮き上がり変位が小さくなり、逆に1.0を下回ると変位が大きくなるという関係であることが分かる。これは、算出した安全率の値によって、液状化における埋設管の浮き上がり量を予測することが可能であることが実証するものである。

Claims (17)

  1. 地中の埋設構造物の浮き上がりを防止する方法であって、前記埋設構造物の上方に浮上防止部材を配置し、前記浮上防止部材による重力及び周辺地盤のせん断抵抗力によって、前記埋設構造物の浮上を抑制するための荷重を付加することを特徴とする、該方法。
  2. 前記浮上防止部材が、支圧板よりなる上端部、前記埋設構造物と継合するための下端部、及び前記上端部と下端部とを連結する1以上の足部を有する角状治具である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記上端部が略矩形又は略円形の支圧板よりなる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記下端部が凹形の形状である、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 前記浮上防止部材が、充填剤若しくは固化剤よりなる柱状の杭部材、又は筒状の収容具に充填された砕石若しくは鉄塊を含む杭部材である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記充填剤若しくは固化剤が、モルタル、セメント、コンクリート、及びベントナイトからなる群より選択される、請求項5に記載の方法。
  7. 前記杭部材が、既設の埋設構造物の上方を削孔することで生じた空間に形成される、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 前記埋設構造物が、下水管である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記浮上防止部材の上端を地下水位より上方に位置させる、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記浮上防止部材が、前記埋設構造物の100mあたり2〜20本の間隔で配置される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記浮上防止部材によって前記埋設構造物に作用する力が、以下の式で表される安全率(SF)が1.0以上となる関係を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法:
    安全率(SF)= 浮上抵抗力(F’)/浮力(F)
    (ここで、浮力(F)= (PxAxγ)+(Vxγ)
    浮上抵抗力(F’)= Wsurface+Ssurface+W
    であり、
    式中、Pは、浮上防止部材の設置間隔(m);Aは、埋設構造物の断面積(m);γは、地下水位より下方の液状化層における湿潤単位体積重量(kN/m);Vは、浮上防止部材の体積のうち地下水位より下方の液状化層内の体積(m);Wsurfaceは、浮上防止部材の上方に存在する表層土塊の重量(kN);Ssurfaceは、浮上防止部材の上方に存在する表層土塊と、その周辺地盤とのせん断抵抗力の鉛直成分(kN);及び、Wは、浮上防止部材の重量(kN)である。)。
  12. 前記浮上防止部材を配置する前に、撮影手段を前記埋設構造物中に挿入することによって、当該埋設構造物における継手部を探索する工程をさらに含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記撮影手段が位置情報特定手段を有する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記撮影手段がテレビカメラである、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 地中の埋設構造物の上方に配置されて当該埋設構造物の浮き上がりを防止するための角状治具であって、支圧板よりなる上端部、前記埋設構造物と継合するための下端部、及び前記上端部と下端部とを連結する1以上の足部を有することを特徴とする、該治具。
  16. 前記上端部が略矩形又は略円形の支圧板よりなる、請求項15に記載の治具。
  17. 前記下端部が凹形の形状である、請求項15又は16に記載の治具。
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