JP2015032796A - 受光素子、その製造方法、および光センサ装置 - Google Patents

受光素子、その製造方法、および光センサ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 pn接合を形成するための選択拡散において、拡散深さを高精度に制御することが可能な、プレーナ型受光素子等を提供する。【解決手段】 タイプ2の多重量子井戸構造の受光層と、拡散濃度分布調整層と、窓層と、選択拡散マスクパターンとを備え、亜鉛(Zn)が該開口部から深さ方向に分布して深さ先端部にpn接合が位置し、拡散濃度分布調整層、または窓層および拡散濃度分布調整層に、n型不純物がドープされている深さ部分を含み、該深さ部分は、Znが分布する深さ先端部から上方に離れている。【選択図】 図2

Description

本発明は、受光素子、その製造方法、および光センサ装置に関し、なかでもとくに近赤外〜赤外域の受光素子、その製造方法、および光センサ装置に関するものである。
近赤外を含む赤外域の光は、動植物などの生体や環境に関連した吸収スペクトル域に対応するため、受光層にIII−V族化合物半導体を用いて、その赤外域の検出器の開発が行われている。とくに近赤外から長波長側へと受光感度の拡大が推進されている。これら受光素子では、近赤外から長波長側に感度拡大をはかるためタイプ2の(InGaAs/GaAsSb)多重量子井戸構造(MQW:Multi-Quantum Well)を受光層とした単一画素の受光素子の提案がなされている(非特許文献1)。複数の画素が独立性を保って配列されたタイプ2の(InGaAs/GaAsSb)多重量子井戸構造の受光素子については、選択拡散によって窓層から不純物を導入することで画素を形成するプレーナ型受光素子が提案されている(特許文献1)。選択拡散によって画素を形成する方式は、機械的な溝によって画素を形成する方式に比べて暗電流が低くなる利点を有する。上記のタイプ2の多重量子井戸では、受光時に、ヘテロ界面をわたるようにGaAsSbの価電子帯からInGaAsの伝導帯に電子の遷移が生じるので、感度を確保するためには、量子井戸のペア数を大きくしなければならない。たとえばInGaAs/GaAsSb多重量子井戸の場合、InGaAs/GaAsSbを1ペアとして250ペア程度積層する。
上記のタイプ2のInGaAs/GaAsSb多重量子井戸は、しかしながら、不純物に対して脆弱であり、上記のプレーナ型受光素子の選択拡散に際して、多重量子井戸内には最小限の不純物しか許容されない。このため、選択拡散マスクパターンが設けられる窓層と、多重量子井戸構造との間に、拡散濃度分布調整層を挿入する。この拡散濃度分布調整層には、窓層における不純物の高濃度(1〜5E18cm−3程度)から、受光層に至る低濃度(1〜5E16cm−3程度)の不純物へと不純物濃度が急峻に変化する領域が含まれるようにする。この拡散濃度分布調整層では、その不純物の拡散速度が遅くなるような材料が用いられる。タイプ2のInGaAs/GaAsSb多重量子井戸の場合、p型不純物である亜鉛(Zn)が選択拡散されるが、拡散濃度分布調整層にはInGaAsが用いられる。InGaAsはZnの拡散速度を抑えるので、上記の高濃度から低濃度へと急峻に変化する領域を、当該InGaAs層内にとどめやすい。
このような方策をとった場合でも、不純物Znの選択拡散による深さを把握することは難しい。それは、ZnがInPなどIII−V族半導体中で、2種類の拡散をするからである(非特許文献2)。
特許第4662188号
R.Sidhu, et al.,"A Long-Wavelength Photodiode on InP Using Lattice-Matched GaInAs-GaAsSb Type-II Quantum Wells",IEEE Photonics Technology Letters, Vol.17, No.12(2005), pp.2715-2717 M.Yamada, et al.,"Double zinc diffusion fronts in InP-Theory and experiment",Appl. Phys. Lett., 43, 594(1983)
非特許文献2によれば、Znは、InP中で、格子間を移動する格子間拡散と、格子に位置する原子(元素)を置換しながら移動する置換型拡散との、2種類の拡散をする。当然のことながら格子間拡散の速度は、置換型拡散に比べて大きい。Znには、格子間拡散があるため、選択拡散における深さ方向の先端部の位置制御のばらつきが大きくなる。
本発明は、画素ごとにpn接合を形成するための選択拡散において、拡散深さを高精度に制御することが可能な、受光素子、その製造方法、および光センサ装置を提供することを目的とする。
本発明の受光素子は、III−V族半導体の基板上にp型不純物である亜鉛の選択拡散による画素を備えるIII−V族半導体の受光素子である。この受光素子は、半導体基板の上に位置するタイプ2の多重量子井戸構造の受光層と、受光層上に接して位置する拡散濃度分布調整層と、拡散濃度分布調整層上に接して位置する窓層と、窓層上に接して位置し、画素ごとに開口部がある選択拡散マスクパターンとを備え、開口部ごとに亜鉛(Zn)が該開口部から深さ方向に分布して深さ先端部にpn接合が位置し、拡散濃度分布調整層、または窓層および拡散濃度分布調整層に、n型不純物が全面にわたってドープされている深さ部分を含み、該n型不純物がドープされている深さ部分は、Znが分布する深さ先端部から上方に離れている。
本発明の受光素子によれば、画素ごとにpn接合を形成するための選択拡散において、拡散深さを高精度に制御することが可能となる。
本発明の実施の形態における受光素子を示す図である。 図1の受光素子のp型領域の縦断面における不純物の濃度分布を示す模式図である(Si濃度リニア分布)。 図1の受光素子のp型領域の縦断面における不純物の濃度分布を示す模式図である(Si濃度階段状分布)。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
1.受光素子:
(1)構造:
本発明の受光素子は、III−V族半導体の基板上にp型不純物である亜鉛の選択拡散による画素を備えるIII−V族半導体の受光素子である。この受光素子は、半導体基板の上に位置するタイプ2の多重量子井戸構造の受光層と、受光層上に接して位置する拡散濃度分布調整層と、拡散濃度分布調整層上に接して位置する窓層と、窓層上に接して位置し、画素ごとに開口部がある選択拡散マスクパターンとを備え、開口部ごとに亜鉛(Zn)が該開口部から深さ方向に分布して深さ先端部にpn接合が位置し、拡散濃度分布調整層、または窓層および拡散濃度分布調整層に、n型不純物が全面にわたってドープされている深さ部分を含み、該n型不純物がドープされている深さ部分は、Znが分布する深さ先端部から上方に離れている。n型不純物はIII−V族半導体中でZnの格子間拡散の妨げとなるので、拡散速度が比較的小さいZnの原子置換による拡散を主に考えればよくなり、pn接合の位置の制御を精度よく行うことが可能となる。すなわち、n型不純物がドープされている深さ部分を、選択拡散を行う前に、窓層もしくは拡散濃度分布調整層、または窓層および拡散濃度分布調整層に、形成しておくことで、選択拡散における温度や時間を制御して、深さ先端部に形成するpn接合を精度よく配置することができる。
(2)III−V族半導体中の亜鉛の拡散:
上述のように、Znは、InPなどIII−V族半導体中で、2種類の拡散をするといわれている。その一つは、原子が配列している格子の間を通り抜けてゆく格子間拡散である。Znは、すべてではないが所定の割合の原子が、格子間位置を占めることができる。他の一つは、格子(席)に位置を占める原子と席を交換する、またはその原子がどこかの席に移動すると、そのあいた席に移動する、という置換拡散である。原子置換拡散と呼ぶ場合もある。格子点を占めるZnも一定割合、存在する。ここで、格子点を占めるZnが常に置換拡散をして、格子間位置を占めるZnが常に格子間拡散をする、というわけではない。Znは、拡散中に、ある時に格子間拡散をし、また他の時には置換拡散をする。拡散速度は、格子間拡散が置換拡散よりも相当大きい。この2種類の拡散が、半導体全体で並行して進行すると、見かけ上、拡散速度に大きなばらつきがあることになり、pn接合を精度よく配置することが非常に困難となる。
(3)Znの格子間拡散に対する妨害:
格子間拡散に限って、所定の不純物の格子間拡散は、反対導電型の不純物をドープすることで、妨げられる。すなわち、p型不純物のZnの格子間拡散は、シリコンなどn型不純物をドープすることで生じにくくなる。n型不純物がドープされた深さ部分を、pn接合が設けられる位置と、開口部との間に配置することで、格子間拡散がブロックされる。この結果、拡散速度は見掛け上、ばらつきの小さい、従って制御がしやすいものになる。
(4)n型不純物(シリコン等)の分布:
(i)n型不純物、たとえばシリコンの濃度は、前記シリコンがドープされている深さ部分で、深くなるほど高くなるように分布しているのがよい。これによって、格子間拡散に対して深くなるほど妨げる作用が強くなり、亜鉛の分布の深さ先端部に対して、格子間拡散の寄与をほとんど無視できる程度にまですることができる。その結果、深さ先端部におけるZn濃度を高めることができる。換言すれば、Siドープ深さ部分において深くなるほどSi濃度を高めることで、Zn選択拡散におけるZnの深さ先端部のZn濃度を高めることができる。この結果、Siドープ深さ部分を通ったあと、格子間拡散と置換拡散とが混在することになっても、pn接合の位置についてそれほど大きなばらつきは生じないようにできる。シリコン濃度の勾配の付け方は、線形に深い位置ほど濃度が高くなるようにしてもよいし、階段状に、深くなるほど高い段になるようにしてもよい。
(ii)シリコンは、拡散濃度分布調整層内の窓層側にドープされた深さ部分が配置されるようにしてもよい。また窓層から拡散濃度分布調整層にかけてシリコンがドープされていてもよい。どのようにシリコンが分布しても、深さが深くなるほどSi濃度を高くするのが好ましい。Znの集積度が、pn接合の位置に近い箇所で高くなり、シリコンがドープされた領域を通りすぎた後の先端部の把握が容易になるからである。
(iii)シリコンがドープされている深さ部分は、Znが拡散されている先端部から上方に離れていなければならない。pn接合に逆バイアス電圧を印加することで形成される空乏層が、Siをドープされた深さ部分に影響を受けないようにするためである。
(iv)n型不純物をシリコン(Si)としたとき、該シリコンがドープされている深さ部分で、該シリコンの濃度が5E16cm−3〜1E18cm−3とするのがよい。これによってシリコンの受光素子の機能に対する影響をほとんど生じることなく、亜鉛の格子間拡散をブロックすることに寄与することができる。
(v)上記(i)〜(iv)はシリコンについて説明したが、n型不純物としてはシリコン(Si)に限定されず、硫黄(S)、スズ(Sn)等であってもよい。すなわち、本発明では上記の(i)〜(iv)においてSiをS、Sn等に置き換えた説明がそのまま成り立つ。この後のn型不純物をSiとした場合の説明も同様である。
(5)亜鉛の分布形態:
拡散濃度分布調整層は、亜鉛が濃度1E18cm−3〜9E18cm−3の範囲のいずれかから0.3E16cm−3〜9E16cm−3の範囲のいずれかに低下する深さ部分を含む、ようにするのがよい。選択拡散マスクパターンの開口部に露出する窓層表面から導入された亜鉛は、その高い濃度(1E18cm−3〜9E18cm−3)を、窓層を経て拡散濃度分布調整層内にまで維持している。しかし、拡散濃度分布調整層内において、その高い濃度から、0.3E16cm−3〜9E16cm−3の範囲に急峻に低下する。これによって、高濃度の亜鉛が、タイプ2の多重量子井戸内に到達することはなくなる。亜鉛濃度が、高濃度から低濃度に急峻に低下する位置、および低濃度深さ部分の先端部(pn接合)の位置、これら2つの位置を精度よく配置することができるのは、上記のn型不純物がドープされている深さ部分があることによる。亜鉛が分布する深さ方向の先端部とは、pn接合が形成されている箇所であり、その位置は、拡散濃度分布調整層におけるn型不純物のバックグラウンド濃度と、Zn濃度とが同じになった位置(交点または交差面)である。
(6)窓層および拡散濃度分布調整層の材料:
窓層をInPとすることで、選択拡散マスクパターンを窒化シリコン(SiN)製の選択拡散マスクパターンとの間における漏れ電流を抑制することができる。またInGaAsを拡散濃度分布調整層に用いることで、亜鉛の置換拡散における拡散速度を抑制することができ、上記の亜鉛が高濃度から低濃度に急峻に低下する深さ部分を、当該拡散濃度分布調整層内にとどめることが容易になる。
(7)タイプ2の多重量子井戸構造:
タイプ2の多重量子井戸構造としては、(InGaAs/GaAsSb、InGaAs/GaInAs、およびInAs/GaSb)のうちのいずれかを用いるのがよい。これによって、ペルチエ素子で冷却する程度で、暗電流を低くすることができる、小型・軽量化された近赤外〜赤外域の感度を有する受光素子を得ることができる。
(8)光センサ装置:
上記のいずれかの受光素子と読み出し回路とを組み合わせることで、近赤外〜赤外域の光センサ装置を得ることができる。撮像(分析)対象の物が、複数の物質を含み、その複数の物質が吸収スペクトル帯を異にすれば、受光素子に入射する前の光を分光するなどして帯域化することにより、対象物における各物質の分布やその濃度を検知することができる。上記の光センサ装置を組み込んだスペクトルイメージング撮像システムは、このような帯域別の画像を得ることを可能にする。
2.受光素子の製造方法:
本発明の受光素子の製造方法は、III−V族半導体の基板上にp型不純物である亜鉛の選択拡散による画素を備えるIII−V族半導体の受光素子の製造方法である。この製造方法は、基板の上に位置する受光層、拡散濃度分布調整層、および窓層を、順次、エピタキシャル成長する工程と、窓層上に接して、画素ごとに開口部がある選択拡散マスクパターンを形成する工程と、選択拡散マスクパターンの開口部の窓層から亜鉛を選択拡散して該Znが分布する深さ先端部にpn接合を形成する工程とを備え、拡散濃度分布調整層、または拡散濃度分布調整層および窓層、の形成工程、およびpn接合形成工程では、Znが分布する深さ先端部よりも上方の離れた所定の深さ部分にn型不純物をドーピングする。この製造方法によって、Znの格子間拡散を妨げるn型不純物を、窓層および拡散濃度分布調整層のエピタキシャル成長中に、所定の深さ部分にドープすることができる。ここで深さ部分とは、窓層表面を基準にして、その窓層表面からの深さをさす。
[本願発明の実施形態の詳細]
次に、本願発明の実施形態の受光素子等の具体例を、図面を参照しながら説明する。なお、本願発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されている。
図1は、本発明の実施の形態における受光素子50を示す図である。図1に示す受光素子50は、次のIII−V族半導体のエピタキシャル層構造を有する。
(Feドープ半絶縁性InP基板1/n型バッファ層2/タイプ2のInGaAs/GaAsSb多重量子井戸構造の受光層3/InGaAs拡散濃度分布調整層4/InP窓層5)
複数の画素Pが配列されていて、各画素PにはZnを含むp型領域6が形成され、そのp型領域6の深さ先端部にはpn接合15が形成されている。画素Pは、隣の画素とは、p型不純物であるZnが選択拡散されていない領域で隔てられ、独立性を得ることができる。n型バッファ層2にはInP、InGaAsなどを用いることができる。InP基板1の裏面の入射面には反射防止膜(ARF:Anti-reflection film)35が成膜されている。p側電極である画素電極11が画素ごとに設けられ、画素Pに共通のn側電極であるグランド電極12とで、pn接合15に逆バイアス電圧を印加する。逆バイアス電圧をpn接合に印加することで、pn接合15から空乏層が、イントリンシックもしくは低濃度n型の受光層3の側に大きく張り出して、受光を待機する状態となる。
画素Pは、選択拡散マスクパターン36の開口部36hから導入されるZnがInGaAs拡散濃度分布調整層4およびInP窓層5に拡散した領域6を主要部として含んでいる。pn接合15は、受光層3とInGaAs拡散濃度分布調整層4との界面に近い、InGaAs拡散濃度分布調整層4の中に配置するようにする。すなわちInGaAs拡散濃度分布調整層4のn型不純物のバックグラウンド濃度Bに、Zn濃度が等しくなった点(交点または交差面)であるpn接合15を受光層3に近い部分に配置する。これにより、受光層3を形成するタイプ2のInGaAs/GaAsSb多重量子井戸構造に高濃度の亜鉛が拡散してゆくのを防止できる。
上記したように、Znは、III−V族半導体中で、格子間拡散と置換拡散を行い、Znの深さ方向の拡散プロファイルの傾きが変わり、pn接合の位置のばらつきの要因となりpn接合15を精度よく配置することが難しい。格子間拡散をブロックして見掛け上の拡散速度のばらつきを小さくするために、InGaAs拡散濃度分布調整層4にn型不純物のシリコン(Si)をドープした深さ部分Kが設けられている。
図2は、図1におけるp型領域6の縦断面における不純物濃度を示す模式図である。横軸はInP窓層5の表面からの深さを示し、縦軸は不純物濃度(cm−3)を示す。図2において、InGaAs拡散濃度分布調整層4の窓層5の側(上側)にシリコン(Si)がドープされている。すなわちSiがドープされている深さ部分Kは、InGaAs拡散濃度分布調整層4内にあり、InP窓層5に接している。Siの濃度分布は、Siドープ深さ部分Kにおいて深さが大きくなるほど濃度が高くなるように、線型(リニア)な勾配がついている。図2で、a点でのSi濃度は5E16cm−3程度であり、b点でのSi濃度は1E18cm−3程度である。これによって、Siドープ深さ部分Kにおいて、格子間拡散はブロックされて、見掛け上、拡散プロファイルの裾引きを抑制し急峻なプロファイルを実現できる。
注意すべき点は、Siドープ深さ部分K以外の位置で、Znは格子間拡散をするZnと、置換拡散をするZnとに分かれているわけではないという点である。所定の位置で格子間拡散をしていたZnが、次の位置では置換拡散をする場合もある。たしかに、Siドープ深さ部分Kで、格子間拡散はブロックされて、多くのZnは置換拡散をする。しかし、Siドープ深さ部分Kを通過したZnは、格子間拡散をするものと置換拡散をするものとが入れ替わりながら混在することになる。それでも、Siドープ深さ部分Kがあることで、そのSiドープ深さ部分Kにおいてある程度以上の濃度を有する先端部が形成される。このあと、格子間拡散と置換拡散との混在は抑制される。Zn先端部は、深さが深くなるほどSi濃度を高くすることで、Zn拡散プロファイルの裾引きを抑えることができる。
図3は、図2と同様に、Siをドープした深さ部分Kを、InGaAs拡散濃度分布調整層4の上側に設けた例を示す。図2では、Siをドープした深さ部分Kで、深さが増すほど線形(リニア)にSi濃度が高くなる分布をしていたが、図3に示す例では、深さが増すほど階段状にSi濃度が高くなる。このような階段状のSiの分布でも、この部分Kにおいて格子間拡散を抑えることで、上記図2における場合と同様の理由で、pn接合15を精度よく配置することが可能となる。Siがドープされた深さ部分Kは、窓層5および拡散濃度分布調整層4にわたって配置されていてもよい。
(受光に及ぼす「Siがドープされた深さ部分K」の影響):
n型不純物であるSiをドープする深さ部分Kを、少なくとも拡散濃度分布調整層に設けることで、拡散プロファイルが急峻になりpn接合の位置のばらつきが抑制されるとともに、空乏層の幅がMQW層にまで十分届くようになる。InGaAs拡散濃度分布調整層のバンドギャップエネルギは、タイプ2のInGaAs/GaAsSbの多重量子井戸構造のバンドギャップエネルギよりも大きい。このため、InGaAsで受光可能な波長の光(短波長側の光)は、タイプ2のInGaAs/GaAsSbの多重量子井戸構造でも受光することができる。基板裏面入射なので、タイプ2のInGaAs/GaAsSbの多重量子井戸構造で受光されずに通り抜けた短波長側の光が、InGaAsで受光される可能性がある。しかし、仮にInGaAs(第2のpn接合)で受光された光があったとしても、そこで発生した電子・正孔対は、同じ画素のタイプ2のInGaAs/GaAsSbの多重量子井戸構造で発生したものとしても、実用上、差し支えない。本来、受光層で受光されていてもおかしくないからである。
本発明の受光素子によれば、選択拡散におけるpn接合の位置を精度よく配置することができ、製造歩留まりを向上させることができる。
1 InP基板、2 バッファ層、3 タイプ2(InGaAs/GaAsSb)多重量子井戸構造、4 InGaAs拡散濃度分布調整層、5 InP窓層、6 p型領域、11 p側電極(画素電極)、12 グランド電極(n側電極)、15 pn接合、35 反射防止(AR)膜、36 選択拡散マスクパターン、36h 開口部、50 受光素子、B n型不純物バックグラウンド濃度、K Siがドープされた深さ部分、P 画素。

Claims (8)

  1. III−V族半導体の基板上にp型不純物である亜鉛の選択拡散による画素を備えるIII−V族半導体の受光素子であって、
    前記基板の上に位置するタイプ2の多重量子井戸構造の受光層と、
    前記受光層上に接して位置する拡散濃度分布調整層と、
    前記拡散濃度分布調整層上に接して位置する窓層と、
    前記窓層上に接して位置し、前記画素ごとに開口部がある選択拡散マスクパターンとを備え、
    前記開口部ごとに亜鉛(Zn)が該開口部から深さ方向に分布して深さ先端部にpn接合が位置し、
    前記拡散濃度分布調整層、または、窓層および拡散濃度分布調整層に、n型不純物が全面にわたってドープされている深さ部分を含み、該n型不純物がドープされている深さ部分は、前記Znが分布する深さ先端部から上方に離れている、受光素子。
  2. 前記n型不純物の濃度は、該n型不純物がドープされている深さ部分で、深くなるほど高くなるように分布している、請求項1に記載の受光素子。
  3. 前記n型不純物はシリコン(Si)であり、該シリコンがドープされている深さ部分で、該シリコンの濃度が5E16cm−3〜1E18cm−3である、請求項1または請求項2に記載の受光素子。
  4. 前記窓層がInPであり、前記拡散濃度分布調整層がInGaAsである、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の受光素子。
  5. 前記拡散濃度分布調整層は、前記亜鉛が濃度1E18cm−3〜9E18cm−3の範囲のいずれかから0.3E16cm−3〜9E16cm−3の範囲のいずれかに低下する深さ部分を含む、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の受光素子。
  6. 前記受光層が、(InGaAs/GaAsSb、InGaAs/GaInAs、およびInAs/GaSb)のうちのいずれかの多重量子井戸構造である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の受光素子。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の受光素子と読み出し回路とを備える、光センサ装置。
  8. III−V族半導体の基板上にp型不純物である亜鉛の選択拡散による画素を備えるIII−V族半導体の受光素子の製造方法であって、
    前記基板の上に位置する受光層、拡散濃度分布調整層、および窓層を、順次、エピタキシャル成長する工程と、
    前記窓層上に接して、前記画素ごとに開口部がある選択拡散マスクパターンを形成する工程と、
    前記選択拡散マスクパターンの開口部の窓層から亜鉛を選択拡散して該Znが分布する深さ先端部にpn接合を形成する工程とを備え、
    前記拡散濃度分布調整層、または前記拡散濃度分布調整層および窓層、の形成工程、およびpn接合形成工程では、前記Znが分布する深さ先端部よりも上方の離れた所定の深さ部分にn型不純物をドーピングする、受光素子の製造方法。
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