JP2015030896A - スパッタリングターゲット及び酸化物透明導電膜 - Google Patents

スパッタリングターゲット及び酸化物透明導電膜 Download PDF

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健治 後藤
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Abstract

【課題】比抵抗が1500μΩcm以下であり、かつ波長550nmにおける屈折率が2.06以下である透明導電膜、及びその透明導電膜を製造することができるスパッタリングターゲットを提供する。
【解決手段】インジウム元素(In)及びゲルマニウム元素(Ge)を含む酸化物焼結体からなり、下記式(1)を満たすスパッタリングターゲット。
0.01≦Ge/(In+Ge)≦0.33 (1)
(式中、In、Geはそれぞれ各元素の原子比を示す。)
【選択図】なし

Description

本発明はスパッタリングターゲット及び酸化物透明導電膜に関する。
液晶表示装置や有機EL(エレクトロルミネッセンス)表示装置は、薄型で表示性能に優れ、かつ消費電力が少ないことから、スマートフォンやパーソナルコンピュータ、テレビジョン等の表示機器に広く用いられている。
そして、液晶表示装置は、いずれの表示機器においても液晶表示素子を透明導電膜により挟み込んだサンドイッチ構造を有している。また、有機EL表示装置は、いずれの表示機器においても有機EL層の光取出し側に透明導電膜を積層した構造を有している。
また、薄膜太陽電池やHIT構造の結晶シリコン太陽電池は、光電変換効率が高いため、広く用いられている。これらの太陽電池はいずれも光を取り込みかつ電力を取り出すために透明導電膜を光電変換層の上部に積層させた構造を有している。
また、抵抗膜式や静電容量式のタッチパネルは透過率が高く、入力精度が高いことから、スマートフォンやタブレット型パーソナルコンピュータ等の入力装置として広く用いられている。そして、これらのタッチパネルはセンサー電極として透明導電膜を積層した構造を有している。
従来より、透明導電膜用スパッタリングターゲットとして、Snをドーピングした材料が検討されている。特に、ITO(インジウム・錫酸化物:Indium Tin Oxide)が広く用いられている。
しかしながら、ITOの場合には、その比抵抗を下げるために、結晶化させる必要がある。そのため、高温で成膜するか、又は成膜後に所定の加熱処理を行う必要があった。
また、結晶化したITO膜のエッチング加工時には、強酸である王水(硝酸・塩酸の混合液)がエッチング液として用いられているが、強酸を使用することによる不具合の発生が、問題になる場合がある。即ち、TFT(Thin Film Transistor:薄膜トランジスタ)等を構成要素として使用する液晶表示装置では、ゲート線、ソース・ドレイン線(又は電極)として金属細線を使用することがある。この場合には、ITO膜のエッチング加工時に、王水によりこれら配線材料が断線したり、線細りが発生するという問題が生じる場合があった。
そこで、成膜時に、スパッタガス中に水素や水を存在させることにより、非晶質ITOを成膜し、成膜された非晶質ITOを弱酸でエッチングする方法が提案されている。しかしながら、ITO自身は結晶性であるため、弱酸でエッチングを行った場合には、エッチング残渣を発生してしまうことが問題となる場合があった。また、成膜時に、スパッタガス中に水素又は水を散在させると、ITOスパッタリングターゲット上に、ノジュールと呼ばれる突起が発生し、異常放電の原因にもなる恐れもあった。
一方、一般的に透明導電膜に添加されるSn以外の添加金属として、Znを添加するスパッタリングターゲットや導電材料、透明導電膜に関して、次のような文献が開示されている。
例えば、特許文献1には、InとZnを主成分とし、一般式In(ZnO)m(m=2〜20)で表される六方晶層状化合物を含むターゲットが開示されている。このターゲットによれば、ITO膜よりも耐湿性に優れるとともに、ITO膜と同等の導電性及び光透過率を有する透明導電膜が得られる。
また、特許文献2には、非晶質酸化物における亜鉛元素と、インジウム元素との原子比であるZn/(Zn+In)の値が、0.2〜0.9未満である液晶駆動用透明電極を備える液晶ディスプレイ用カラーフィルタであって、上記液晶駆動用透明電極に、クラックや剥離が生じにくい液晶ディスプレイ用カラーフィルタが開示されている。
また、特許文献3には、In及びZnを含有し、In/(In+Zn)の値が0.8〜0.9である導電性透明基材であって、エッチング特性、比抵抗の熱的安定性に優れた導電性透明基材が開示されている。
さらに、特許文献1〜3には、ノジュールの発生しないターゲットが得られることや、エッチング性に優れ、且つITOと同等の比抵抗を有する透明導電膜が得られることも示されている。
しかしながら、非晶質の透明導電膜では屈折率が高く、可視光域平均の光線透過率が低下し、反射率が高いという問題が生じる場合があった。
これに対して、特許文献4では、擬2元系酸化物の組成を調整することにより、屈折率を制御でき、かつ、透明性の高い透明導電膜を製造している。
しかしながら、屈折率を下げるためにMgOの添加量を増やすと比抵抗が増大し、IZO(In−ZnO)の可視光平均屈折率2.06を下回る2.00の屈折率を達成する組成では比抵抗が2000μΩcmとなっており、また、IZOと同程度の比抵抗である400μΩcmでは屈折率が2.4まで上昇している。そのため、低い屈折率と低い比抵抗の両立という点ではIZOを超えることはできなかった。
また、特許文献4には、抵抗率が低く、透過率が高い透明電極として、InにGeを添加した透明電極が開示されている。
しかし、主成分が結晶質のZnInであるため、成膜温度が350℃以上必要で、室温成膜で十分な透明導電性を出すことが困難であった。膜が結晶質であるため、エッチングには強酸が必要になり、強酸による不具合が懸念される。また、屈折率は2.4と高い。
特許文献5には、抵抗率が低く、透過率が高い透明電極として、InにGeに添加した透明電極が開示されている。
特許文献6には、抵抗率が低く、透過率が高い透明電極として、InにGe、さらにSnを添加した結晶膜の透明電極が開示されている。
また、特許文献7には、酸化インジウムに酸化ゲルマニウムを添加したターゲットとして、ビックスバイト構造とトルトバイタイト構造を含むターゲットの製造方法が開示されているが、酸化インジウムに酸化ゲルマニウムを添加しただけの組成では、低抵抗膜を得るために基板温度を上げて結晶化しなければならない。また、非晶質構造の膜が得られる組成の酸化インジウムと酸化亜鉛を含む系は六方晶層状化合物が生成するため、特許文献7の方法では、高い密度かつ低いターゲット抵抗にすることは難しいと考えられる。
さらに、特許文献1及び3には、酸化インジウム及び酸化亜鉛を主成分とする六方晶層状化合物を含むスパッタリングターゲットの製造方法と、それに正3価以上の第3元素を含有するスパッタリングターゲットの製造方法が開示されている。
しかし、これらに酸化ゲルマニウムを添加する場合については具体的な方法は開示されていない。酸化ゲルマニウムの融点はおよそ1100℃であり、単純に混合して焼結するだけでは、均一にゲルマニウムが分散した焼結体を作ることは難しい。酸化ゲルマニウムの融点以下の温度で焼結を行えば、酸化インジウム及び酸化亜鉛が十分に焼結しない。逆に酸化インジウムと酸化亜鉛の焼結に適した1300℃以上の温度で焼結すると、酸化ゲルマニウムが溶けて分離若しくは濃度ムラが発生することが懸念される。
特開平06−234565号公報 特開平07−120612号公報 特開平07−235219号公報 特開平08−264021号公報 特開平11−322333号公報 特開2004−241296号公報 特開2003−342068号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたものである。本発明の目的は、比抵抗が1500μΩcm以下であり、かつ波長550nmにおける屈折率が2.06以下である透明導電膜、及びその透明導電膜を製造することができるスパッタリングターゲットを提供することである。
本発明によれば、以下のスパッタリングターゲット等が提供される。
1.インジウム元素(In)及びゲルマニウム元素(Ge)を含む酸化物焼結体からなり、下記式(1)を満たすスパッタリングターゲット。
0.01≦Ge/(In+Ge)≦0.33 (1)
(式中、In、Geはそれぞれ各元素の原子比を示す。)
2.さらに、前記焼結体が、亜鉛元素(Zn)及び錫元素(Sn)の少なくとも1つを含む1に記載のスパッタリングターゲット。
3.下記式(2)〜(4)を満たす2に記載のスパッタリングターゲット。
0.38≦In/(In+Ge+Zn+Sn)≦0.99 (2)
0.01≦Ge/(In+Ge+Zn+Sn)≦0.33 (3)
0≦(Zn+Sn)/(In+Ge+Zn+Sn)≦0.29 (4)
(式中、In、Ge、Zn、Snはそれぞれ各元素の原子比を示す。)
4.前記焼結体がInで表されるビックスバイト構造を含む1〜3のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
5.前記焼結体が亜鉛元素(Zn)を含み、In(ZnO)(m=2〜20)で表される六方晶層状化合物を含む1〜4のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
6.ゲルマニウムが、前記ビックスバイト構造及び前記六方晶層状化合物の少なくとも1つに固溶している4又は5に記載のスパッタリングターゲット。
7.前記焼結体が錫元素(Sn)を含み、錫が前記ビックスバイト構造及び前記六方晶層状化合物の少なくとも1つに固溶している4〜6のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
8.前記焼結体が亜鉛元素(Zn)を含み、Ga(ガリウム)サイトがGeに置換されたInGaZnOのホモロガス構造を含む1〜7のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
9.インジウム化合物、並びに亜鉛化合物及び錫化合物から選択される1以上に、ゲルマニウム化合物を加えて混合する工程と、前記混合工程で得られた混合物を仮焼する工程と、前記仮焼工程で得られた仮焼物を成型し、焼結して焼結体を得る工程とを含む1〜8のいずれかに記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
10.前記インジウム化合物、亜鉛化合物、錫化合物及びゲルマニウム化合物が酸化物である9に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
11.前記仮焼を800℃〜1100℃で行い、前記焼結を1200℃〜1800℃で行う9又は10に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
12.インジウム元素(In)及びゲルマニウム元素(Ge)を含む酸化物からなり、比抵抗が1500μΩcm以下であり、かつ波長550nmにおける屈折率が2.06以下である透明導電膜。
13.下記式(5)を満たす12に記載の透明導電膜。
0.01≦Ge/(In+Ge)≦0.11 (5)
(In、Geはそれぞれ各元素の原子比を示す。)
14.亜鉛元素(Zn)及び錫元素(Sn)から選択される少なくとも1つを含む12又は13に記載の透明導電膜。
15.下記式(4)、(6)、(7)を満たす14に記載の透明導電膜。
0.6≦In/(In+Ge+Zn+Sn)≦0.99 (6)
0.01≦Ge/(In+Ge+Zn+Sn)≦0.11 (7)
0≦(Zn+Sn)/(In+Ge+Zn+Sn)≦0.29 (4)
(式中、In、Ge、Zn、Snはそれぞれ各元素の原子比を示す。)
16.非晶質である12〜15のいずれかに記載の透明導電膜。
17.結晶質を含む12〜16のいずれかに記載の透明導電膜。
18.Inで表されるビックスバイト構造を含む17に記載の透明導電膜。
19.<111>方向の配向膜である18に記載の透明導電膜。
20.シュウ酸でエッチングすることができる12〜19のいずれかに記載の透明導電膜。
21.スパッタリングによる成膜工程、エッチング工程、及びアニール工程を含み、前記エッチング工程の後に前記アニール工程を行う12〜20のいずれかに記載の透明導電膜の製造方法。
22.タッチパネル、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、有機EL照明、液晶ディスプレイ及び太陽電池のいずれかの透明電極製造用である1〜8のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
23.タッチパネル、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、有機EL照明、液晶ディスプレイ及び太陽電池のいずれかの透明電極に用いられる12〜20のいずれかに記載の透明導電膜。
24.12〜20のいずれかに記載の透明導電膜を備えた電子機器。
本発明によれば、比抵抗が1500μΩcm以下であり、かつ波長550nmにおける屈折率が2.06以下である透明導電膜、及びその透明導電膜を製造することができるスパッタリングターゲットが提供できる。
[スパッタリングターゲット]
本発明のスパッタリングターゲットは、インジウム元素(In)及びゲルマニウム元素(Ge)を含む酸化物焼結体からなり、下記式(1)を満たす。
0.01≦Ge/(In+Ge)≦0.33 (1)
(式中、In、Geはそれぞれ各元素の原子比を示す。)
原子比は、焼結体のICP(誘導結合プラズマ発光分光)分析装置による測定により測定する。具体的には実施例に記載の通りである。
上記式(1)において、Ge/(In+Ge)は、0.03〜0.24であることが好ましく、0.06〜0.15がより好ましい。
本発明のスパッタリングターゲットは、上記構成とすることで高密度化、及び、低抵抗化することができる。
上記酸化物焼結体は、亜鉛元素(Zn)及び錫元素(Sn)の少なくとも1つを含むことができる。この場合、下記式(2)〜(4)を満たすことが好ましい。
0.38≦In/(In+Ge+Zn+Sn)≦0.99 (2)
0.01≦Ge/(In+Ge+Zn+Sn)≦0.33 (3)
0≦(Zn+Sn)/(In+Ge+Zn+Sn)≦0.29 (4)
(In、Ge、Zn、Snはそれぞれ各元素の原子比を示す。)
上記式(2)において、In/(In+Ge+Zn+Sn)は、0.70〜0.95であることが好ましく、0.75〜0.90がより好ましい。この範囲であるとスパッタリングターゲットを使用して成膜した膜の低抵抗化に優れる。
上記式(3)において、Ge/(In+Ge+Zn+Sn)は、0.04〜0.24であることが好ましく、0.06〜0.15がより好ましい。この範囲であるとスパッタリングターゲットを使用して成膜した膜の透明導電性に優れる。
上記式(4)において、(Zn+Sn)/(In+Ge+Zn+Sn)は、0.04〜0.25であることが好ましく、0.10〜0.20がより好ましい。この範囲であるとスパッタリングターゲットを使用して成膜した膜の低抵抗化に優れる。
また、上記酸化物焼結体はInで表されるビックスバイト構造を含むと好ましい。そのようにすると、ターゲットの抵抗値が低くなる点に優れる。
また、上記酸化物焼結体はIn(ZnO)(m=2〜20)で表される六方晶層状化合物を含むと好ましい。mは、好ましくは3〜7である。
これら構造を含むことはX線回折測定により判断する。具体的には実施例に記載の通りである。
上記焼結体において、ゲルマニウムが、上記ビックスバイト構造及び上記六方晶層状化合物の少なくとも1つに固溶していることが好ましい。そのようにすると、ターゲットの抵抗値が低くなる点に優れる。また、上記焼結体が錫元素(Sn)を含む場合、錫が上記ビックスバイト構造及び上記六方晶層状化合物の少なくとも1つに固溶していることが好ましい。そのようにすると、ターゲットの抵抗値が低くなる点に優れる。
また、上記焼結体が亜鉛元素(Zn)を含む場合、Ga(ガリウム)サイトがGeに置換されたInGaZnOのホモロガス構造を含むことが好ましい。そのようにすると、ターゲットの抵抗値が低くなる点に優れる。
これらのことはX線回折測定により判断する。具体的には実施例に記載の通りである。
上記焼結体は、In、Ge、Zn及びSnから選択される1以上を主成分とすることが好ましく、焼結体に含まれる金属元素に対し、これらを合計で50at%以上、80at%以上、90at%以上含むことが好ましく、実質的にIn、Ge、Zn及びSnから選択される1以上のみ、又はIn、Ge、Zn及びSnから選択される1以上のみから構成されてもよく、本発明の効果を損なわない範囲で不可避不純物を含んでもよい。
「実質的に」とは、焼結体中に含まれる全金属元素に対しIn、Ge、Zn及びSnから選択される1以上を合計で95at%以上、98at%以上含むことをいう。
本発明のスパッタリングターゲットの製造方法は、インジウム化合物と、亜鉛化合物及び/又は錫化合物にゲルマニウム化合物を加えて混合する工程と、上記工程で得られた混合物を仮焼する工程と、上記工程で得られた仮焼物を成型し、焼結して焼結体を得る工程とを含む。
上記インジウム化合物、亜鉛化合物、錫化合物及びゲルマニウム化合物として、酸化物を用いることが好ましい。酸化物としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化錫、酸化ゲルマニウム等が挙げられる。
焼結の際、仮焼を行わずに1200℃以上の高い温度で焼結を行うと、GeOの融点が1100℃程度と低いためにGeOが融け出して分離してしまい、均一で密度の高い焼結体を得ることができないおそれがある。逆に、1200℃以下の温度で焼結を行うと、酸化インジウム及び酸化亜鉛の固相反応が十分に進まないため、焼結体の密度を上げることが難しい。
そこで、上記原料化合物の原料粉を粉砕混合した後、800℃〜1100℃で5時間程度仮焼して、Geを置換固溶させてから、粉砕混合し、成型、焼結を行うことで、Geが分離せずに置換固溶した焼結体を得ることができる。
また、上記原料粉を粉砕混合した後、成型し、800℃〜1100℃までの少なくとも一つの温度まで昇温した後、1時間〜100時間一定温度に保持した後に焼結の最高温度(1200℃〜1800℃)まで昇温させて焼結を行うことで、Geが分離せずに置換固溶した焼結体を得ることができる。
上記のスパッタリングターゲットは、タッチパネル、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、有機EL照明、液晶ディスプレイ、太陽電池等の透明電極の製造に用いることができる。
[透明導電膜]
本発明の透明導電膜は、インジウム元素(In)及びゲルマニウム元素(Ge)を含む酸化物からなり、比抵抗が1500μΩcm以下であり、かつ波長550nmにおける屈折率が2.06以下である。
比抵抗は三菱化学社製のロレスタEPを用いて4探針法で測定する。
屈折率はSCI社のFilmTek3000を用いて、垂直入射光の透過率反射率をSCIモデルで解析して求める。
具体的には実施例に記載の通りである。
本発明の透明導電膜は、下記式(5)を満たすことが好ましい。
0.01≦Ge/(In+Ge)≦0.11 (5)
(式中、In、Geはそれぞれ各元素の原子比を示す。)
上記式(5)において、Ge/(In+Ge)は、0.01〜0.08であることが好ましく、0.02〜0.05がより好ましい。この範囲であると膜の高透過率、低抵抗という点に優れる。
本発明の透明導電膜は、亜鉛元素(Zn)及び錫元素(Sn)の少なくとも1つを含むことができる。この場合、下記式(4)、(6)、(7)を満たすことが好ましい。
0.6≦In/(In+Ge+Zn+Sn)≦0.99 (6)
0.01≦Ge/(In+Ge+Zn+Sn)≦0.11 (7)
0≦(Zn+Sn)/(In+Ge+Zn+Sn)≦0.29 (4)
(式中、In、Ge、Zn、Snはそれぞれ各元素の原子比を示す。)
上記式(6)において、In/(In+Ge+Zn+Sn)は、0.70〜0.95であることが好ましく、0.75〜0.90がより好ましい。この範囲であると導電性に優れる。
上記式(7)において、Ge/(In+Ge+Zn+Sn)は、0.01〜0.08であることが好ましく、0.02〜0.05がより好ましい。この範囲であると透明導電性に優れる。
上記式(4)において、(Zn+Sn)/(In+Ge+Zn+Sn)は、0.04〜0.25であることが好ましく、0.10〜0.20がより好ましい。この範囲であると導電性に優れる。
本発明の透明導電膜は、In、Ge、Zn及びSnから選択される1以上を主成分とすることが好ましく、膜に含まれる金属元素に対し、これらを合計で50at%以上、80at%以上、90at%以上含むことが好ましく、実質的にIn、Ge、Zn及びSnから選択される1以上のみ、又はIn、Ge、Zn及びSnから選択される1以上のみから構成されてもよく、本発明の効果を損なわない範囲で不可避不純物を含んでもよい。
「実質的に」とは、膜中に含まれる全金属元素に対しIn、Ge、Zn及びSnから選択される1以上を合計で95at%以上、98at%以上含むことをいう。
本発明の透明導電膜は、非晶質であっても結晶質を含むものであってもよい。
非晶質とは、X線回折でハローパターンが観測され特定の回折線を示さないものをいい、結晶質を含むものは、X線で特定の回折線を示すものの他、TEM(透過型電子顕微鏡)等の観察により非晶質中に微結晶が確認できるものを含む。
結晶質である場合、Inで表されるビックスバイト構造を含むことが好ましい。さらに<111>方向の配向膜であることが好ましい。これらのことは、X線回折測定から判断する。具体的には実施例に記載の通りである。
本発明の透明導電膜は、例えば、本発明のスパッタリングターゲットを使用して基板上に成膜することにより得られる。
基板としては、表示機器用途の場合、透明性の基板を用いるのが好ましく、ガラス基板、透明性の高い合成樹脂製のフィルム、シートを用いることができる。
スパッタリングターゲットを用いて成膜するにあたっては、DCマグネトロンスパッタリング装置が好適に用いられる。例えば、まず、基板をDCマグネトロンスパッタ装置に装着し、真空槽内を5×10−4Pa以下まで減圧し、この後、Arガス及びOガスを体積比でO/(Ar+O)=0.0〜3.0%となるように調整しながら0.1〜1.0Paまで導入し、出力0.25〜10.0W/cm、基板温度は室温(非加熱成膜)の条件でスパッタリングを行い、透明導電膜を成膜する。
得られた透明導電膜に、150〜300℃の大気雰囲気下で15〜120分間アニールを行うことが好ましい。アニールを行うことにより、低抵抗化できるという点に優れる。アニールは、Snを含む場合に行うことが好ましい。
本発明の透明導電膜は、好ましくはシュウ酸等の弱酸でエッチング可能である。透明導電膜をアニールする際、エッチング後に上記アニールを行うことが好ましい。このようにすることで、低抵抗化できるという点に優れる。Snを含む場合には、アニール前の非晶質の透明導電膜に対してエッチングを行うことが好ましい。アニール後の結晶質よりも非晶質の透明導電膜の方が、エッチング速度が大きいためである。
エッチング液としては、例えば、濃度3〜10質量%のシュウ酸水溶液を用いることができる。エッチング処理温度は、例えば、20〜90℃とすることができる。エッチングできることは、例えば、透明導電膜のエッチング速度が、0.03μm/min以上となることから確認することができる。エッチング速度は、0.03μm/min〜0.20μm/minとなることが好ましい。
透明導電膜の膜厚の調整は、スパッタ時間を調整することにより行う。透明導電膜の膜厚は、透明導電膜の用途によって異なるが、通常15〜1000nm、好ましくは20〜500nmである。
上記透明導電膜は、タッチパネル、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、有機EL照明、液晶ディスプレイ、太陽電池等の電子機器の透明電極に用いることができる。
本発明の透明導電膜を用いると、タッチパネルの反射を低減し,骨見えを低減する、有機EL素子の光取出し効率を向上させる、太陽電池の発電効率を向上させる、LCD(液晶ディスプレイ)パネルにおけるバックライトの透過率を向上させ、パネルの消費電力を低減させる等の効果を得ることができる。
実施例1
(1)ターゲット(焼結体)の製造
酸化インジウム433g、酸化亜鉛51.9g及び酸化ゲルマニウム15.0gを直径2mmのアルミナボールとともに容積800mlのポリイミド製のポットに入れ、エタノールを加えて遊星ボールミルで100時間粉砕混合した。その後1000℃で5時間仮焼し、さらに遊星ボールミルで24時間粉砕混合し、粉末を得た。
この粉末を直径4インチの金型に装入し、100kg/cmの圧力で金型プレス成型機にて予備成型を行なった。その後、冷間静水圧プレス成型機にて4t/cmの圧力で圧密化した後、炉内容積0.1mあたり3リットル/分の割合で焼結炉内の大気に酸素を導入した雰囲気において1300℃で3時間焼結し、焼結体を得た。
得られた焼結体は、X線回折測定の結果、ビックスバイト構造のInとIn(ZnO)の六方晶層状化合物であり、ゲルマニウムはこれらに置換固溶していることが確認された。この置換固溶は、X線回折におけるビックスバイト構造のInとIn(ZnO)の六方晶層状化合物の散乱ピークが広角側にシフトしたことで判断した。置換固溶の判断方法は、以下の実施例、比較例においても同様である。
X線回折の測定条件は、リガク社のMiniFlexIIを用い、薄膜法を用いた。
このようにして得られた焼結体の組成は、ICP(誘導結合プラズマ発光分光)分析装置(セイコー電子工業社製 SPS−1500VR)を用いたICP分析(以下、単に「ICP分析」と称する。)の結果、InZnGe酸化物として、x=0.802、y=0.164、z=0.034であった。また、焼結体の相対密度は95.7%、比抵抗は4.2mΩcmであった。
焼結体の相対密度は、アルキメデス法により測定した。また、比抵抗は、4探針法により測定した。結果を表1に示す。
(2)透明導電膜の製造
得られた焼結体を直径2インチに切出して、バッキングプレートにメタルInを用いてボンディングしたものをスパッタリングターゲットとして用い、以下のようにして透明導電膜を製造した。
まず、基板(厚さ0.7mmのガラス板)をDCマグネトロンスパッタ装置に装着し、真空槽内を5×10−4Pa以下まで減圧した。この後、Arガス及びOガスを体積比でO/(Ar+O)=1.0%となるように調整しながら0.2Paまで導入し、出力100W、基板加熱無しの条件(室温:RT)でスパッタリングを行い、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、非晶質であることが確認された。ICP分析の結果、透明導電膜の組成はInZnGe酸化物として、x=0.834、y=0.154、z=0.011であった。
また、透明導電膜の比抵抗ρは625μΩcmであり、波長550nmにおける屈折率nは2.02であった。透明導電膜の比抵抗は、4探針法で測定した。また、屈折率はSCI社のFilmTek3000を用い、垂直入射光の透過率及び反射率を用いてSCIモデルで解析して求めた。結果を表1に示す。
実施例2
(1)ターゲット(焼結体)の製造
原料を酸化インジウム420g、酸化亜鉛50.3g及び酸化ゲルマニウム30gとした他は、実施例1と同様に粉砕混合、仮焼、焼結を行って焼結体を製造し、評価した。
得られた焼結体は、X線回折測定の結果、ビックスバイト構造のInとIn(ZnO)の六方晶層状化合物であり、ゲルマニウム(Ge)はこれらに置換固溶していることが確認された。焼結体の組成は、ICP分析の結果、InZnGe酸化物として、x=0.773、y=0.158、z=0.069であった。また、相対密度は96.4%、比抵抗は3.6mΩcmであった。結果を表1に示す。
(2)透明導電膜の製造
得られた焼結体を実施例1と同様に切出し、ボンディングしたものをスパッタリングターゲットとして用い、実施例1と同様にスパッタリングを行い、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。また、実施例1と同様に評価した。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、非晶質であることが確認された。透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InZnGe酸化物として、x=0.824、y=0.152、z=0.024であった。また、透明導電膜の比抵抗は561μΩcmであり、550nmにおける屈折率は1.98であった。結果を表1に示す。
実施例3
(1)ターゲット(焼結体)の製造
原料を、酸化インジウム380g、酸化亜鉛45.5g及び酸化ゲルマニウム75.0gとした他は、実施例1と同様に粉砕混合、仮焼、焼結を行って焼結体を製造し、評価した。
得られた焼結体は、X線回折測定の結果、ビックスバイト構造のIn、In(ZnO)の六方晶層状化合物、及びInGaZnOのホモロガス構造のGaサイトがGeである化合物を含み、残りのゲルマニウムはビックスバイト構造のInとIn(ZnO)の六方晶層状化合物に置換固溶していることが確認された。X線回折において、InGaZnOのホモロガス構造と同様の回折ピークが確認されたが、原材料にGaを添加していないため、GaサイトがGeに置き換わった構造と判断した。また、残りのゲルマニウムについては、ビックスバイト構造のInとIn(ZnO)の六方晶層状化合物によるX線回折の回折ピークが純粋な組成のものに比べて広角側にシフトしているため、固溶したものと判断した。
得られた焼結体の組成は、ICP分析の結果、InZnGe酸化物として、x=0.69、y=0.141、z=0.169であった。また、焼結体の相対密度は97.8%、比抵抗は2.2mΩcmであった。結果を表1に示す。
(2)透明導電膜の製造
得られた焼結体を実施例1と同様に切出し、同様にボンディングしたものをスパッタリングターゲットとして用い、実施例1と同様にスパッタリングして、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。また、実施例1と同様に評価した。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、非晶質であることが確認された。透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InZnGe酸化物として、x=0.793、y=0.147、z=0.060であった。また、透明導電膜の比抵抗は831μΩcmであり、550nmにおける屈折率は2.00であった。結果を表1に示す。
実施例4
(1)ターゲット(焼結体)の製造
原料を、酸化インジウム436g、酸化亜鉛52.2g及び酸化ゲルマニウム12.0gとした他は、実施例1と同様に粉砕混合、仮焼、焼結を行って焼結体を製造し、評価した。
得られた焼結体は、X線回折測定の結果、ビックスバイト構造のInとIn(ZnO)の六方晶層状化合物であり、ゲルマニウムはこれらに置換固溶していることが確認された。焼結体の組成は、ICP分析の結果、InZnGe酸化物として、x=0.808、y=0.165、z=0.026であった。また、相対密度は95.8%、比抵抗は4.2mΩcmであった。結果を表1に示す。
(2)透明導電膜の製造
得られた焼結体を実施例1と同様に切出し、同様にボンディングしたものをスパッタリングターゲットとして用い、実施例1と同様にスパッタリングして、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。また、実施例1と同様に評価した。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、非晶質であることが確認された。透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InZnGe酸化物としてx=0.836、y=0.155、z=0.009であった。透明導電膜の比抵抗は480μΩcmであり、550nmにおける屈折率は2.03であった。結果を表1に示す。
実施例5
(1)ターゲット(焼結体)の製造
原料を、酸化インジウム371g、酸化亜鉛44.4g及び酸化ゲルマニウム85.0gとした他は、実施例1と同様に粉砕混合、仮焼、焼結を行って焼結体を製造し、評価した。
得られた焼結体はX線回折測定の結果、ビックスバイト構造のInとIn(ZnO)の六方晶層状化合物、及びInGaZnOのホモロガス構造のGaサイトがGeである化合物を含み、残りのゲルマニウムはビックスバイト構造のInとIn(ZnO)の六方晶層状化合物に置換固溶していることが確認された。焼結体の組成は、ICP分析の結果、InZnGe酸化物として、x=0.638、y=0.131、z=0.231であった。また、焼結体の相対密度は98.2%、比抵抗は1.9mΩcmであった。結果を表1に示す。
(2)透明導電膜の製造
得られた焼結体を実施例1と同様に切出し、同様にボンディングしたものをスパッタリングターゲットとして用い、実施例1と同様にスパッタリングして、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。また、実施例1と同様に評価した。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、非晶質であることが確認された。透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InZnGe酸化物として、x=0.773、y=0.143、z=0.084であった。また、透明導電膜の比抵抗は975μΩcmであり、550nmにおける屈折率は2.04であった。結果を表1に示す。
実施例6
(1)ターゲット(焼結体)の製造
原料を、酸化インジウム348g、酸化亜鉛41.7g及び酸化ゲルマニウム110gとした他は、実施例1と同様に粉砕混合、仮焼、焼結を行って焼結体を製造し、評価した。
得られた焼結体はX線回折測定の結果、ビックスバイト構造のInとIn(ZnO)の六方晶層状化合物、及びInGaZnOのホモロガス構造のGaサイトがGeである化合物を含み、残りのゲルマニウムはビックスバイト構造のInとIn(ZnO)の六方晶層状化合物に置換固溶していることが確認された。焼結体の組成は、ICP分析の結果、InZnGe酸化物として、x=0.590、y=0.121、z=0.289であった。また、焼結体の相対密度は97.5%、比抵抗は2.5mΩcmであった。結果を表1に示す。
(2)透明導電膜の製造
得られた焼結体を実施例1と同様に切出し、同様にボンディングしたものをスパッタリングターゲットとして用い、実施例1と同様にスパッタリングして、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。また、実施例1と同様に評価した。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、非晶質であることが確認された。透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InZnGe酸化物として、x=0.753、y=0.139、z=0.108であった。また、透明導電膜の比抵抗は1340μΩcmであり、550nmにおける屈折率は2.05であった。結果を表1に示す。
比較例1
(1)ターゲット(焼結体)の製造
原料を、酸化インジウム447gと酸化亜鉛53.5gとした他は、実施例1と同様に粉砕混合、仮焼、焼結を行って焼結体を製造し、評価した。
得られた焼結体はX線回折測定の結果、ビックスバイト構造のInとIn(ZnO)の六方晶層状化合物であった。焼結体の組成は、ICP分析の結果、InZn酸化物として、x=0.830、y=0.170であった。また、焼結体の相対密度は98.7%、比抵抗は4.5mΩcmであった。結果を表1に示す。
(2)透明導電膜の製造
得られた焼結体を実施例1と同様に切出し、同様にボンディングしたものをスパッタリングターゲットとして用い、実施例1と同様にスパッタリングして、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。また、実施例1と同様に評価した。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、非晶質であることが確認された。透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InZn酸化物として、x=0.844、y=0.156であった。また、比抵抗は450μΩcmであり、550nmにおける屈折率は2.06であった。結果を表1に示す。
比較例2
(1)ターゲット(焼結体)の製造
原料を、酸化インジウム326g、酸化亜鉛39.1g及び酸化ゲルマニウム135gとした他は、実施例1と同様に粉砕混合、仮焼、焼結を行って焼結体を製造し、評価した。
得られた焼結体はX線回折測定の結果、ビックスバイト構造のInとIn(ZnO)の六方晶層状化合物、及びInGaZnOのホモロガス構造のGaサイトがGeである化合物を含み、残りのゲルマニウムはビックスバイト構造のInとIn(ZnO)の六方晶層状化合物に置換固溶していることが確認された。焼結体の組成は、ICP分析の結果、InZnGe酸化物として、x=0.525、y=0.107、z=0.368であった。また、焼結体の相対密度は95.7%、比抵抗は4.2mΩcmであった。結果を表1に示す。
(2)透明導電膜の製造
得られた焼結体を実施例1と同様に切出し、同様にボンディングしたものをスパッタリングターゲットとして用い、実施例1と同様にスパッタリングして、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。また、実施例1と同様に評価した。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、非晶質であることが確認された。透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InZnGe酸化物として、x=0.723、y=0.134、z=0.143であった。また、透明導電膜の比抵抗は2860μΩcmであり、550nmにおける屈折率は2.01であった。結果を表1に示す。
比較例3
(1)ターゲット(焼結体)の製造
原料を、酸化インジウム313g、酸化亜鉛37.5g及び酸化ゲルマニウム150gとした他は、実施例1と同様に粉砕混合、仮焼、焼結を行って焼結体を製造し、評価した。
得られた焼結体はX線回折測定の結果、ビックスバイト構造のInとIn(ZnO)の六方晶層状化合物、及びInGaZnOのホモロガス構造のGaサイトがGeである化合物を含み、残りのゲルマニウムはビックスバイト構造のInとIn(ZnO)の六方晶層状化合物に置換固溶していることが確認された。焼結体の組成は、ICP分析の結果、InZnGe酸化物として、x=0.383、y=0.078、z=0.539であった。また、焼結体の相対密度は93.4%、比抵抗は7.8mΩcmであった。結果を表1に示す。
(2)透明導電膜の製造
得られた焼結体を実施例1と同様に切出し、同様にボンディングしたものをスパッタリングターゲットとして用い、実施例1と同様にスパッタリングして、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。また、実施例1と同様に評価した。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、非晶質であることが確認された。透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InZnGe酸化物として、x=0.646、y=0.119、z=0.235であった。また、透明導電膜の比抵抗は18000μΩcmであり、550nmにおける屈折率は1.94であった。結果を表1に示す。
実施例7
(1)ターゲット(焼結体)の製造
酸化インジウム437g、酸化錫48.5g及び酸化ゲルマニウム15.0gを直径2mmのアルミナボールとともに容積800mlのポリイミド製のポットに入れ、エタノールを加えて遊星ボールミルで100時間粉砕混合した。その後1000℃で5時間仮焼し、さらに遊星ボールミルで24時間粉砕混合した。
この粉末を直径4インチの金型に装入し、100kg/cmの圧力で金型プレス成型機にて予備成型を行なった。その後、冷間静水圧プレス成型機にて4t/cmの圧力で圧密化した後、炉内容積0.1mあたり3リットル/分の割合で焼結炉内の大気に酸素を導入した雰囲気で、1300℃で3時間焼結し焼結体を得た。得られた焼結体はX線回折測定の結果、Inのビックスバイト構造であり、錫とゲルマニウムはこれに置換固溶していることが確認された。
このようにして得られた焼結体の組成は、ICP分析の結果、InSnGe酸化物として、x=0.878、y=0.090、z=0.032であった。また、焼結体の相対密度は96.5%、比抵抗は0.84mΩcmであった。
(2)透明導電膜の製造
得られた焼結体を実施例1と同様に切出し、同様にボンディングしたものをスパッタリングターゲットとして用い、Arガス及びOガスを体積比でO/(Ar+O)=2.0%とした他は、実施例1と同様にスパッタリングして、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。また、実施例1と同様に評価した。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、非晶質であることが確認された。透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InSnGe酸化物として、x=0.897、y=0.092、z=0.011であった。また、透明導電膜の比抵抗は620μΩcmであり、550nmにおける屈折率は2.04であった。
実施例8
(1)ターゲット(焼結体)の製造
原料を、酸化インジウム423g、酸化錫47.0g及び酸化ゲルマニウム30.0gとした他は、実施例7と同様に粉砕混合、仮焼、焼結を行って焼結体を製造し、評価した。
得られた焼結体は、X線回折測定の結果、Inのビックスバイト構造であり、錫とゲルマニウムはこれに置換固溶していることが確認された。焼結体の組成は、ICP分析の結果、InSnGe酸化物として、x=0.843、y=0.086、z=0.071であった。また、焼結体の相対密度は97.2%、比抵抗は0.72mΩcmであった。結果を表1に示す。
(2)透明導電膜の製造
得られた焼結体を実施例1と同様に切出し、同様にボンディングしたものをスパッタリングターゲットとして用い、実施例7と同様にスパッタリングして、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。また、実施例7と同様に評価した。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、非晶質であることが確認された。透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InSnGe酸化物として、x=0.885、y=0.091、z=0.024であった。また、透明導電膜の比抵抗は601μΩcmであり、550nmにおける屈折率は1.98であった。結果を表1に示す。
実施例9
(1)ターゲット(焼結体)の製造
原料を、酸化インジウム383g、酸化錫42.5g及び酸化ゲルマニウム75.0gとした他は、実施例7と同様に粉砕混合、仮焼、焼結を行って焼結体を製造し、評価した。
得られた焼結体はX線回折測定の結果、Inのビックスバイト構造であり、錫とゲルマニウムはこれに置換固溶していることが確認された。焼結体の組成は、ICP分析の結果、InSnGe酸化物として、x=0.746、y=0.076、z=0.178であった。また、焼結体の相対密度は98.4%、比抵抗は0.41mΩcmであった。結果を表1に示す。
(2)透明導電膜の製造
得られた焼結体を実施例1と同様に切出し、同様にボンディングしたものをスパッタリングターゲットとして用い、実施例7と同様にスパッタリングして、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。また、実施例7と同様に評価した。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、非晶質であることが確認された。透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InSnGe酸化物として、x=0.849、y=0.087、z=0.063であった。透明導電膜の比抵抗は931μΩcmであり、550nmにおける屈折率は1.99であった。結果を表1に示す。
実施例10
(1)ターゲット(焼結体)の製造
原料を、酸化インジウム439g、酸化錫48.8g及び酸化ゲルマニウム12.0gとした他は、実施例7と同様に粉砕混合、仮焼、焼結を行って焼結体を製造し、評価した。
得られた焼結体はX線回折測定の結果、Inのビックスバイト構造であり、錫とゲルマニウムはこれに置換固溶していることが確認された。焼結体の組成は、ICP分析の結果、InSnGe酸化物として、x=0.885、y=0.091、z=0.024であった。また、焼結体の相対密度は98.7%、比抵抗は0.84mΩcmであった。結果を表1に示す。
(2)透明導電膜の製造
得られた焼結体を実施例1と同様に切出し、同様にボンディングしたものをスパッタリングターゲットとして用い、実施例7と同様にスパッタリングして、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。また、実施例7と同様に評価した。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、非晶質であることが確認された。透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InSnGe酸化物として、x=0.899、y=0.093、z=0.008であった。また、透明導電膜の比抵抗は603μΩcmであり、550nmにおける屈折率は2.03であった。結果を表1に示す。
実施例11
(1)ターゲット(焼結体)の製造
原料を、酸化インジウム374g、酸化錫41.5g及び酸化ゲルマニウム85.0gとした他は、実施例7と同様に粉砕混合、仮焼、焼結を行って焼結体を製造し、評価した。
得られた焼結体はX線回折測定の結果、Inのビックスバイト構造であり、錫とゲルマニウムはこれに置換固溶していることが確認された。焼結体の組成は、ICP分析の結果、InSnGe酸化物として、x=0.686、y=0.070、z=0.244であった。また、焼結体の相対密度は99.3%、比抵抗は0.37mΩcmであった。結果を表1に示す。
(2)透明導電膜の製造
得られた焼結体を実施例1と同様に切出し、同様にボンディングしたものをスパッタリングターゲットとして用い、実施例7と同様にスパッタリングして、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。また、実施例7と同様に評価した。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、非晶質であることが確認された。透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InSnGe酸化物として、x=0.826、y=0.085、z=0.089であった。また、透明導電膜の比抵抗は1250μΩcmであり、550nmにおける屈折率は2.04であった。結果を表1に示す。
比較例4
(1)ターゲット(焼結体)の製造
原料を、酸化インジウム450g及び酸化錫50.0gとした他は、実施例7と同様に粉砕混合、仮焼、焼結を行って焼結体を製造し、評価した。
得られた焼結体はX線回折測定の結果、Inのビックスバイト構造であり、錫はこれに置換固溶していることが確認された。焼結体の組成は、ICP分析の結果、InSn酸化物として、x=0.907、y=0.093であった。また、焼結体の相対密度は99.6%、比抵抗は0.90mΩcmであった。結果を表1に示す。
(2)透明導電膜の製造
得られた焼結体を実施例1と同様に切出し、同様にボンディングしたものをスパッタリングターゲットとして用い、実施例7と同様にスパッタリングして、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。また、実施例7と同様に評価した。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、非晶質であることが確認された。また、この透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InSn酸化物として、x=0.909、y=0.094であった。
得られた透明導電膜の比抵抗は550μΩcmであり、550nmにおける屈折率は2.07であった。結果を表1に示す。
比較例5
(1)ターゲット(焼結体)の製造
原料を、酸化インジウム329g、酸化錫36.5g及び酸化ゲルマニウム135gとした他は、実施例7と同様に粉砕混合、仮焼、焼結を行って焼結体を製造し、評価した。
得られた焼結体はX線回折測定の結果、Inのビックスバイト構造と酸化ゲルマニウムを含み、錫はこれらに置換固溶していることが確認された。焼結体の組成は、ICP分析の結果、InSnGe酸化物として、x=0.556、y=0.057、z=0.387であった。また、焼結体の相対密度は96.4%、比抵抗は0.88mΩcmであった。結果を表1に示す。
(2)透明導電膜の製造
得られた焼結体を実施例1と同様に切出し、同様にボンディングしたものをスパッタリングターゲットとして用い、実施例7と同様にスパッタリングして、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。また、実施例7と同様に評価した。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、非晶質であることが確認された。透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InSnGe酸化物として、x=0.769、y=0.079、z=0.152であった。また、透明導電膜の比抵抗は3740μΩcmであり、550nmにおける屈折率は2.03であった。結果を表1に示す。
比較例6
(1)ターゲット(焼結体)の製造
原料を、酸化インジウム315g、酸化錫35.0g及び酸化ゲルマニウム150gとした他は、実施例7と同様に粉砕混合、仮焼、焼結を行って焼結体を製造し、評価した。
得られた焼結体はX線回折測定の結果、Inのビックスバイト構造と酸化ゲルマニウムを含み、錫はこれらに置換固溶していることが確認された。焼結体の組成は、ICP分析の結果、InSnGe酸化物として、x=0.399、y=0.041、z=0.561であった。また、焼結体の相対密度は94.8%、比抵抗は1.7mΩcmであった。結果を表1に示す。
(2)透明導電膜の製造
得られた焼結体を実施例1と同様に切出し、同様にボンディングしたものをスパッタリングターゲットとして用い、実施例7と同様にスパッタリングして、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。また、実施例7と同様に評価した。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、非晶質であることが確認された。透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InSnGe酸化物として、x=0.681、y=0.070、z=0.249であった。また、透明導電膜の比抵抗は25500μΩcmであり、550nmにおける屈折率は1.95であった。結果を表1に示す。
実施例12(透明導電膜の製造)
実施例7と同じスパッタリングターゲットを用い、Arガス及びOガスをO/(Ar+O)=0.5%とした他は、実施例7と同様にスパッタリングして、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。次に、この透明導電膜に300℃の大気雰囲気下で30分間のアニールを行った。
このようにして得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、アニール前は非晶質であり、アニール後は<111>方向に優先配向したInのビックスバイト構造を含むことが確認された。また、この透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InSnGe酸化物として、x=0.896、y=0.093、z=0.012であった。また、透明導電膜の比抵抗は334μΩcmであり、550nmにおける屈折率は1.99であった。結果を表1に示す。
実施例13(透明導電膜の製造)
実施例8と同じスパッタリングターゲットを用い、実施例12と同様にスパッタリングを行い、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。次に、この透明導電膜に300℃の大気雰囲気下で30分間のアニールを行った。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、アニール前は非晶質であり、アニール後は<111>方向に優先配向したInのビックスバイト構造を含むことが確認された。また、この透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InSnGe酸化物として、x=0.884、y=0.091、z=0.025であった。また、透明導電膜の比抵抗は368μΩcmであり、550nmにおける屈折率は1.94であった。結果を表1に示す。
実施例14(透明導電膜の製造)
実施例9と同じスパッタリングターゲットを用い、実施例12と同様にスパッタリングを行い、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。次に、この透明導電膜に300℃の大気雰囲気下で30分のアニールを行った。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、アニール前は非晶質であり、アニール後は<111>方向に優先配向したInのビックスバイト構造を含むことが確認された。また、この透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InSnGe酸化物として、x=0.848、y=0.088、z=0.064であった。また、透明導電膜の比抵抗は451μΩcmであり、550nmにおける屈折率は1.97であった。結果を表1に示す。
実施例15(透明導電膜の製造)
実施例10と同じスパッタリングターゲットを用い、実施例12と同様にスパッタリングを行い、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。次に、この透明導電膜に300℃の大気雰囲気下で30分間のアニールを行った。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、アニール前は非晶質であり、アニール後は<111>方向に優先配向したInのビックスバイト構造を含むことが確認された。また、この透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InSnGe酸化物として、x=0.898、y=0.093、z=0.009であった。また、透明導電膜の比抵抗は315μΩcmであり、550nmにおける屈折率は2.00であった。結果を表1に示す。
実施例16(透明導電膜の製造)
実施例11と同じスパッタリングターゲットを用い、実施例12と同様にスパッタリングを行い、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。次に、この透明導電膜に300℃の大気雰囲気下で30分間のアニールを行った。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、アニール前は非晶質であり、アニール後は<111>方向に優先配向したInのビックスバイト構造を含むことが確認された。また、この透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InSnGe酸化物として、x=0.825、y=0.085、z=0.090であった。また、透明導電膜の比抵抗は642μΩcmであり、550nmにおける屈折率は2.01であった。結果を表1に示す。
比較例7(透明導電膜の製造)
比較例5と同じスパッタリングターゲットを用い、実施例12と同様にスパッタリングして、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。次に、この透明導電膜に300℃の大気雰囲気下で30分間のアニールを行った。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、アニール前は非晶質であり、アニール後は<111>方向に優先配向したInのビックスバイト構造を含むことが確認された。また、この透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InSnGe酸化物として、x=0.768、y=0.079、z=0.153であった。また、透明導電膜の比抵抗は1620μΩcmであり、550nmにおける屈折率は1.98であった。結果を表1に示す。
比較例8(透明導電膜の製造)
比較例6と同じスパッタリングターゲットを用い、実施例12と同様にスパッタリングして、膜厚100nmの透明導電膜を成膜した。次に、この透明導電膜に300℃の大気雰囲気下で30分間のアニールを行った。
得られた透明導電膜は、X線回折測定の結果、アニール前は非晶質であり、アニール後は<111>方向に優先配向したInのビックスバイト構造を含むことが確認された。また、この透明導電膜の組成は、ICP分析の結果、InSnGe酸化物として、x=0.681、y=0.070、z=0.249であった。また、透明導電膜の比抵抗は7260μΩcmであり、550nmにおける屈折率は1.93であった。結果を表1に示す。
Figure 2015030896
Figure 2015030896
尚、実施例1〜11の透明導電膜は、40℃の3.5質量%のシュウ酸水溶液を用いて、0.03μm/min〜0.20μm/minの速度でエッチングすることができた。
また、実施例12〜16(ITOにGeを添加しアニールした実施例)では、アニール工程の前の非晶質の透明導電膜でエッチングすることができた。
本発明のスパッタリングターゲットは、タッチパネル、有機ELディスプレイ、有機EL照明、液晶ディスプレイ及び太陽電池等の透明電極製造用ターゲットとして用いることができる。

Claims (24)

  1. インジウム元素(In)及びゲルマニウム元素(Ge)を含む酸化物焼結体からなり、下記式(1)を満たすスパッタリングターゲット。
    0.01≦Ge/(In+Ge)≦0.33 (1)
    (式中、In、Geはそれぞれ各元素の原子比を示す。)
  2. さらに、前記焼結体が、亜鉛元素(Zn)及び錫元素(Sn)の少なくとも1つを含む請求項1に記載のスパッタリングターゲット。
  3. 下記式(2)〜(4)を満たす請求項2に記載のスパッタリングターゲット。
    0.38≦In/(In+Ge+Zn+Sn)≦0.99 (2)
    0.01≦Ge/(In+Ge+Zn+Sn)≦0.33 (3)
    0≦(Zn+Sn)/(In+Ge+Zn+Sn)≦0.29 (4)
    (式中、In、Ge、Zn、Snはそれぞれ各元素の原子比を示す。)
  4. 前記焼結体がInで表されるビックスバイト構造を含む請求項1〜3のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
  5. 前記焼結体が亜鉛元素(Zn)を含み、In(ZnO)(m=2〜20)で表される六方晶層状化合物を含む請求項1〜4のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
  6. ゲルマニウムが、前記ビックスバイト構造及び前記六方晶層状化合物の少なくとも1つに固溶している請求項4又は5に記載のスパッタリングターゲット。
  7. 前記焼結体が錫元素(Sn)を含み、錫が前記ビックスバイト構造及び前記六方晶層状化合物の少なくとも1つに固溶している請求項4〜6のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
  8. 前記焼結体が亜鉛元素(Zn)を含み、Ga(ガリウム)サイトがGeに置換されたInGaZnOのホモロガス構造を含む請求項1〜7のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
  9. インジウム化合物、並びに亜鉛化合物及び錫化合物から選択される1以上に、ゲルマニウム化合物を加えて混合する工程と、前記混合工程で得られた混合物を仮焼する工程と、前記仮焼工程で得られた仮焼物を成型し、焼結して焼結体を得る工程とを含む請求項1〜8のいずれかに記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
  10. 前記インジウム化合物、亜鉛化合物、錫化合物及びゲルマニウム化合物が酸化物である請求項9に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
  11. 前記仮焼を800℃〜1100℃で行い、前記焼結を1200℃〜1800℃で行う請求項9又は10に記載のスパッタリングターゲットの製造方法。
  12. インジウム元素(In)及びゲルマニウム元素(Ge)を含む酸化物からなり、比抵抗が1500μΩcm以下であり、かつ波長550nmにおける屈折率が2.06以下である透明導電膜。
  13. 下記式(5)を満たす請求項12に記載の透明導電膜。
    0.01≦Ge/(In+Ge)≦0.11 (5)
    (In、Geはそれぞれ各元素の原子比を示す。)
  14. 亜鉛元素(Zn)及び錫元素(Sn)から選択される少なくとも1つを含む請求項12又は13に記載の透明導電膜。
  15. 下記式(4)、(6)、(7)を満たす請求項14に記載の透明導電膜。
    0.6≦In/(In+Ge+Zn+Sn)≦0.99 (6)
    0.01≦Ge/(In+Ge+Zn+Sn)≦0.11 (7)
    0≦(Zn+Sn)/(In+Ge+Zn+Sn)≦0.29 (4)
    (式中、In、Ge、Zn、Snはそれぞれ各元素の原子比を示す。)
  16. 非晶質である請求項12〜15のいずれかに記載の透明導電膜。
  17. 結晶質を含む請求項12〜16のいずれかに記載の透明導電膜。
  18. Inで表されるビックスバイト構造を含む請求項17に記載の透明導電膜。
  19. <111>方向の配向膜である請求項18に記載の透明導電膜。
  20. シュウ酸でエッチングすることができる請求項12〜19のいずれかに記載の透明導電膜。
  21. スパッタリングによる成膜工程、エッチング工程、及びアニール工程を含み、前記エッチング工程の後に前記アニール工程を行う請求項12〜20のいずれかに記載の透明導電膜の製造方法。
  22. タッチパネル、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、有機EL照明、液晶ディスプレイ及び太陽電池のいずれかの透明電極製造用である請求項1〜8のいずれかに記載のスパッタリングターゲット。
  23. タッチパネル、有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、有機EL照明、液晶ディスプレイ及び太陽電池のいずれかの透明電極に用いられる請求項12〜20のいずれかに記載の透明導電膜。
  24. 請求項12〜20のいずれかに記載の透明導電膜を備えた電子機器。
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