JP2015030659A - 単結晶の製造方法 - Google Patents

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裕彌 鈴木
智明 古庄
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智明 古庄
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洋介 中西
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Abstract

【課題】本発明は、高品質な単結晶を再現性よく得ることができる単結晶の製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明に関する単結晶の製造方法は、(a)種結晶1の接着面において放電加工を行い、加工変質層3を形成する工程と、(b)接着剤5を用いて、接着面に形成された加工変質層3を台座としてのグラファイト台座6に貼り付ける工程と、(c)工程(b)の後、接着面の反対側の面である成長面において単結晶を成長させる工程とを備える。【選択図】図7

Description

本発明は、単結晶の製造方法に関し、特にSiC等の単結晶の製造方法に関するものである。
炭化珪素(SiC)は熱的および化学的に優れた特性を有し、禁制帯幅が珪素(Si)に比べ大きく、電気的にも優れた特性を有する半導体材料として知られている。特に、4H型の炭化珪素は、電子移動度および飽和電子速度が大きいことから、パワーデバイス向け半導体材料として実用化が始まっている。
ところで、半導体としての単結晶を得る方法として、改良レイリー法(昇華法)が広く用いられている。現在、直径6インチまでの基板が市販されているが、このような基板では結晶欠陥密度が高く、半導体装置の用途として用いるにはさらに結晶欠陥密度を下げる必要がある。
昇華法とは、種結晶と原料とを坩堝内で対向させて配置し、原料の昇華点である約2300℃付近まで坩堝内を加熱し、昇華したガスを種結晶上で再結晶化させることにより結晶を成長させる方法である。
坩堝の加熱方式としては、高周波による誘導加熱を用いる方法が一般的である。このため、坩堝の材質としては導電性があり、かつ、高温で耐えうるものである必要があり、グラファイトを用いるのが一般的である。
坩堝の形状としては、高周波誘導加熱による表皮効果に起因する温度不均一をなくすため、また加工を容易にするために、円筒状の坩堝が用いられる。さらに、坩堝からの熱輻射を抑制し、効率よく加熱するために、坩堝は断熱材で覆われている。この断熱材は、導電性がなく、かつ、2400℃の高温で耐えうる必要があるため、グラファイト断熱材が用いられる。
高品質な結晶を成長させるためには、高品質な種結晶を用いる必要があり、種結晶の品質によって成長から得られる結晶の質が大きく左右される。種結晶は、グラファイト製台座に保持されるが、保持する方法としては、機械的に保持する方法または接着剤等を用いた化学反応によって坩堝に貼り付ける方法が考えられる。
いずれの方法においても、種結晶はグラファイト台座に密着性よく取り付けられる必要がある。種結晶と台座の間に空間が存在すると、結晶成長中に種結晶が昇華し、結晶中にマイクロパイプと呼ばれる中空状の欠陥または六角形状の面上欠陥を発生させる原因となるためである。
種結晶をグラファイト台座に密着性よく取り付ける方法として、種結晶の接着面側にダイヤモンド研磨材を用いた機械研磨を実施し、機械研磨により種結晶研磨面の表面が非晶質化した層または歪み層等の加工変質層を形成させた後、当該加工変質層を接着面として、カーボン接着剤を用いてグラファイト台座に種結晶を貼り付ける方法が開示されている(特許文献1)。
また、他の方法として、例えば放電加工により種結晶に形成された凹部に対してのみ接着剤を介して支持棒を嵌め込み、種結晶とグラファイト台座とを固定する方法が開示されている(特許文献2)。
特開2003−119098号公報 特開2006−062936号公報
特許文献1に示されるように、カーボン接着剤を用いてグラファイト台座に種結晶を貼り付ける場合、接着剤中の残留有機溶媒を除去するために焼成を行う必要がある。焼成は1000℃での加熱工程(炭化工程)であるが、このときに種結晶とグラファイトとの熱膨張係数の違いに起因する熱応力が両者の接着界面に加わる。種結晶の接着面に機械研磨により加工変質層を形成しても、SiCとカーボン接着剤との親和性が低いために、焼成時の熱応力により種結晶と台座との界面に接着不良が発生する場合がある。これは、結晶成長中に種結晶が昇華し、結晶中に欠陥を発生させる原因となる。
また、結晶成長時においても種結晶は約2100℃に加熱されるため、前述のように、熱応力に起因する接着不良が発生し、結晶品質が劣化する場合がある。このため、成長により高品質な単結晶を得るためには、加熱時の熱応力に耐えうる程度の接着強度を確保する必要がある。
特許文献2に示される方法では、例えば放電加工により種結晶に形成された凹部に対してのみ接着剤を介して支持棒を嵌め込み、種結晶とグラファイト台座とを固定する。種結晶裏面全体の面積に対して、支持棒が接着されている面積を小さくすることによって、結晶成長時に接着界面に働く熱応力を抑制することができる。
しかしながら、種結晶に接触している支持部の面積が小さいことにより、成長時に原料ガスが再結晶化する際に発生する凝固熱を均一に結晶外に取り出すことができず、成長中の結晶内における温度分布が均一でなくなるため結晶内部に働く熱応力が大きくなり、結晶品質の劣化を引き起こすという問題がある。
本発明は、上記のような問題を解決するためになされたものであり、高品質な単結晶を再現性よく得ることができる単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に関する単結晶の製造方法は、(a)種結晶の接着面において放電加工を行い、加工変質層を形成する工程と、(b)接着剤を用いて、前記接着面に形成された前記加工変質層を台座に貼り付ける工程と、(c)前記工程(b)の後、前記接着面の反対側の面である成長面において単結晶を成長させる工程とを備えることを特徴とする。
本発明の上記態様によれば、接着面に加工変質層を形成することによって種結晶と台座との接着強度を向上させることができるため、高品質な結晶を再現性よく成長させることができる。
本発明の実施形態に関する単結晶の製造方法の製造工程を示す図である。 本発明の実施形態に関する単結晶の製造方法の製造工程を示す図である。 本発明の実施形態に関する放電加工後の種結晶表面の断面図である。 本発明の実施形態に関する単結晶の製造方法の製造工程を示す図である。 本発明の実施形態に関する単結晶の製造方法の製造工程を示す図である。 本発明の実施形態に関する坩堝構造を示す断面図である。 本発明の実施形態に関する坩堝構造を示す断面図である。 本発明の実施形態に関する単結晶の製造方法の製造工程を示す図である。
以下、添付の図面を参照しながら実施形態について説明する。
<第1実施形態>
図1〜図6は、本発明の第1実施形態における単結晶製造方法の製造工程を示す図である。また図6は、本発明の第1実施形態に関する坩堝構造を示す断面図である。
まず図1に示されるように、導電性支持部材2上に種結晶1を配置する。本実施形態では、<11−20>方向に8度のオフ角を有している4H−SiCの(000−1)カーボン面を種結晶1の成長面として用いる。種結晶1の直径は例えば3インチとする。なお、種結晶は、上記のSiCに限られるものではなく、半導体、特にワイドギャップ半導体を採用することができる。ここでワイドギャップ半導体とは、一般に、およそ2eV以上の禁制帯幅をもつ半導体を指し、GaNに代表される3族窒化物、ZnOに代表される2族窒化物、ZnSeに代表される2族カルコゲナイドおよびSiC等が知られている。
そして、種結晶1の台座との接着面(シリコン面)に放電加工を実施するために、導電性支持部材2に種結晶1の成長面を貼り付ける。
そして、図2に示されるように、この種結晶1の台座との接着面に放電加工を実施し、表面に加工変質層3を形成する。ただし、加工変質層3を用いることによる高い接着強度を得るためには、放電加工は、最適なパルス電圧、電流および周波数によって行われることが望ましく、接着面として適用可能な表面ラフネスを有する加工変質層3を形成する必要がある。
図3(a)は、SEM(Scanning Electron Microscope)により得られた、放電加工後の種結晶表面の断面図である。図3(b)は、図3(a)に示された種結晶最表面を拡大して示した断面図である。放電加工後の切断面の最表層には種結晶1とは異なるコントラストを示す加工変質層3が存在していることが示されている。
図3(b)によれば、加工変質層3の厚さはおよそ1〜10μm程度である。
エネルギー分散型X線分光法(Energy Dispersive X−ray Spectroscopy:EDX)を用いて加工変質層3の元素組成を調査すると、種結晶1のSiC結晶部と比較して、加工変質層3には炭素および酸素が多く含まれていることがわかっている。すなわち、加工変質層3はSiO、グラファイト(炭素)およびアモルファスSiCが混合した層となっている。また、種結晶表面は放電加工前よりも荒れており、算術平均粗さ(Ra)は約1μmである。加工変質層3は炭素を多く含むため、その後の工程において塗布するカーボン接着剤との界面自由エネルギーが小さく、強固な接着を実現することができる。加えて、放電加工後は表面のラフネスが増加することにより、接着剤によって被覆される種結晶1の表面積が増加するため、接着強度はさらに高まる。
その後、この種結晶1を導電性支持部材2から取り外し(取り外しの際には、種結晶1の台座との接着面ではなく、その側面等を介して接触する)、例えばアンモニアおよび過酸化水素水による洗浄、塩酸および過酸化水素水による洗浄および希フッ酸による洗浄を実施する。
次に図4に示されるように、種結晶1の成長面となるカーボン面の加工を行う。ワックス等を用いて、種結晶1の接着面側をセラミック製の研磨プレート4に貼り付ける。
この種結晶1の成長面を#320のダイヤモンド砥石で荒研削した後、#6000のダイヤモンド砥石で仕上げ研削を実施する。その後、粒径0.5μmの多結晶ダイヤモンドのスラリーを用いて種結晶1の成長面を機械研磨した後、CMP(Chemical Mechanical Polishing)によりダイヤモンド研磨によって生じたダメージ層を除去する(成長面研磨工程)。
種結晶1の成長面研磨工程後、研磨プレート4から種結晶1を取り外し、約50℃に加熱した純水中で超音波洗浄によりワックスを除去し、例えばIPAによる有機洗浄、アンモニアと過酸化水素水による洗浄、塩酸と過酸化水素水による洗浄および希フッ酸による洗浄を実施する。
その後図5に示されるように、接着剤5(例えばカーボン接着剤)を用いて、種結晶1の台座との接着面をグラファイト台座6に貼り付ける。すなわち、接着剤5を用いて、接着面に形成された加工変質層3をグラファイト台座6に貼り付ける。種結晶1(の接着面)に接着剤5を塗布し、さらに全面に伸ばす。その後、グラファイト台座6に種結晶1の接着面を貼り付け、さらに、恒温槽中で約200℃に加熱することにより接着剤5を硬化させる(硬化工程)。なお、グラファイト台座6は、グラファイトを含む材料から構成される台座である。
前工程においては接着剤5を硬化させたが、接着剤5中にはまだ有機溶媒成分が残っている。そこで、図6に示されるように、有機溶媒成分を完全に除去するための焼成工程を焼成用グラファイト坩堝7内において行う。この焼成工程では、結晶成長炉を用い誘導加熱で坩堝を加熱する。グラファイト台座6に貼り付けた種結晶1は焼成用グラファイト坩堝7内に配置され、焼成用グラファイト坩堝7周囲は、熱輻射を防止し効率よく加熱するために、断熱材(図示せず)で覆われている。
焼成工程では、坩堝内の温度は1000℃付近まで上げる必要がある。この際、種結晶1とグラファイト台座6との接着界面には、種結晶1とグラファイト台座6との熱膨張係数の差異に起因する熱応力が発生し、接着不良が発生するという問題があった。接着不良が生じると、結晶成長中に種結晶裏面から雰囲気ガスに対してSiCの昇華反応が起こり、結晶中に結晶欠陥が発生するため、高品質な単結晶を成長させることができない。
しかし本実施形態では、種結晶1のグラファイト台座6との接着面に放電加工による加工変質層3が形成されているため、種結晶1とグラファイト台座6との接着強度を、焼成工程における熱応力に十分耐え得る程度にまで向上させることが可能である。
次に図7に示されるように、この種結晶1の成長面の結晶成長(結晶成長工程)を行う。結晶成長用坩堝8に原料9を充填し、グラファイト台座6が取り付けられた蓋10により、結晶成長用坩堝8を封止し、坩堝セット11を作製する。
その後、坩堝セット11の周囲に断熱材(図示せず)を配置し、これらを結晶成長炉の中に配置し、炉内を真空引きする。そして、炉内に不活性ガスであるアルゴンを充填し、誘導加熱により結晶成長用坩堝8の底部温度が2200℃(パイロメーターで測定)になるまで加熱する。この時、坩堝上部の温度は2100℃程度であり、原料9を昇華させることにより結晶成長を行うため、坩堝底部の温度が高くなるような温度勾配を設けている。
続いて、結晶成長用坩堝8の温度を維持したまま、炉内の圧力をSiCの結晶成長時の圧力まで変化させ、結晶成長を開始する。温度2200℃を維持したまま任意の時間結晶成長を実施する。
本実施形態では、種結晶1のグラファイト台座6との接着面に放電加工による加工変質層3が形成されているため、種結晶1とグラファイト台座6との接着強度を、成長工程における熱応力に十分耐え得る程度にまで向上させることが可能である。SiCは、特に高温での成長が必要であるので効果が大きい。
得られたインゴットをワイヤーソーにより厚さ約1mmにスライスした後、シリコン面を研磨する。そして、CMP処理を実施した後、溶融KOHエッチング処理を施し、エッチピットにより結晶を評価した。
その結果、種結晶1裏面の昇華により発生するマイクロパイプに起因するエッチピットはウェーハ全体で一つも存在しなかった。また、らせん転位もマイクロパイプと同様に種結晶1裏面の昇華により発生する結晶欠陥であるが、本実施形態により得られたウェーハでは、らせん転位に起因するエッチピットの密度は5.5個/cmと非常に少なく、種結晶1裏面の昇華により発生する結晶欠陥はほぼ発生していないことが確認できた。よって、本手法を用いることにより、非常に高品質な単結晶を得ることができることが確認できた。
なお、種結晶1に加工変質層3を形成せずに種結晶1をグラファイト台座6に貼り付けた場合、約60%の割合で種結晶1とグラファイト台座6との接着界面に接着不良が起こることが確認された。また、接着不良が発生している種結晶1をそのまま結晶成長させて得られた結晶を評価すると、マイクロパイプは例えば4個存在し、また、らせん転位密度は523個/cmであった。このことから、加工変質層3を形成せずに種結晶1をグラファイト台座6に貼り付けると、安定して高品質な単結晶が得られないことが分かる。
なお、種結晶1を貼り付けるグラファイト台座6の熱膨張係数は、種結晶1の材料であるSiCとできるだけ近いものとする。面方位により熱膨張係数が異なるので、種結晶1の面方位に合わせてグラファイト台座6の熱膨張を合わせ込むことが望ましい。
また、種結晶1は、グラファイト台座6に直接貼り付けるのではなく、グラファイト製の応力緩衝材に貼り付けた後、グラファイト台座6に貼り付けても良い。
本実施の形態では種結晶として4H−SiC(000−1)面を用いたが、本発明は種結晶の面方位およびポリタイプについて限定されるものではなく、いずれにおいても実施可能である。
なお本発明は、昇華法による結晶成長に限定するものではなく、例えば高温CVD(Chemical Vapor Deposition)法による単結晶インゴットの成長にも適用可能である。
加工変質層表面の算術平均粗さRaは、500nm以上5μm以下が良い。算術平均粗さRaが500nmより小さいと、接着面積の増加による接着強度向上の効果を十分に得ることができず、5μmより大きいと、接着剤5が加工変質層表面を被覆する面積が小さくなり、接着強度が低下するためである。
なお、接着剤5としてSiC接着剤を用いた場合でも、熱応力に耐え得る十分な接着強度を得ることができる。
<効果>
本実施形態によれば、単結晶の製造方法が、(a)種結晶1の接着面において放電加工を行い、加工変質層3を形成する工程と、(b)接着剤5を用いて、接着面に形成された加工変質層3を台座としてのグラファイト台座6に貼り付ける工程と、(c)その後、接着面の反対側の面である成長面において単結晶を成長させる工程とを備える。
このような構成によれば、接着面に加工変質層3を形成することによって種結晶1とグラファイト台座6との接着強度(密着力)を向上させることができるため、欠陥密度の少ない高品質な結晶を再現性よく成長させることができる。
種結晶1に放電加工を行うことで形成される加工変質層3は、単結晶部と比べて炭素を多く含むため、カーボン接着剤と接合した場合の界面自由エネルギーが小さく、強固な接着が可能となる。また、加工変質層3表面が荒らされている(所定の表面粗さを有する)ことで、接着面積が増加し接着強度を高めることができる。
従って、接着面において加工変質層3が形成されることで、熱応力に耐え得る接着強度が得られ、欠陥密度の少ない高品質な単結晶を成長させることができる。
<第2実施形態>
図8は、本発明の第2実施形態における単結晶製造方法の製造工程を示す図である。本実施形態では、放電加工によって切り出された種結晶1の加工表面に形成された加工変質層3を利用して種結晶1の接着を行う。グラファイト台座6との接着から結晶成長までの工程は第1実施形態に示される場合と同様である。
図8に示されるように、種結晶1の成長面となるカーボン面の加工を行う。放電加工によりSiCインゴットから切り出された種結晶1の、その接着面側を、研磨プレート4にワックス等を用いて貼り付ける。種結晶1は放電加工により切り出されているため、すでに種結晶1の台座接着面には加工変質層3が形成されており、同時に成長面にも加工変質層12が形成されている。
ただし、加工変質層3を用いることによる高い接着強度を得るためには、種結晶1の切り出し時の放電加工において、最適なパルス電圧、電流および周波数が設定され、接着面として適用可能な表面ラフネスを有する加工変質層3を形成する必要がある。
この種結晶1の成長面に対して、第1実施形態に示す場合と同様に成長面研磨工程を実施し、成長面に形成された加工変質層12を研削することによって除去する。さらに、加工変質層3が形成されている接着面側をグラファイト台座6へ貼り付ける。その後、焼成を経て、結晶成長を実施する。
なお、本実施形態においては、成長面研磨工程において、#320のダイヤモンド砥石で荒研削する際、少なくとも種結晶1の成長面表面に形成された加工変質層12を除去可能な削り量を確保する必要がある。
上記の処理により得られたインゴットをワイヤーソーにより厚さ約1mmにスライスした後、シリコン面を研磨した。そして、CMP処理を実施した後、溶融KOHエッチング処理を施し、エッチピットにより結晶を評価した。
その結果、種結晶1裏面の昇華により発生するマイクロパイプに起因するエッチピットはウェーハ全体で一つも存在しなかった。また、らせん転位もマイクロパイプと同様に種結晶1裏面の昇華により発生する結晶欠陥であるが、本実施形態により得られたウェーハでは、らせん転位に起因するエッチピットの密度は5.3個/cmと非常に少なく、種結晶1裏面の昇華により発生する結晶欠陥はほぼ発生していないことが確認できた。よって、本手法を用いることにより、非常に高品質な単結晶を得ることができることが確認できた。
<効果>
本実施形態によれば、種結晶1の成長面において形成された加工変質層12を研削して除去することで、成長面を平坦化する。その後、接着剤5を用いて、放電加工された接着面をグラファイト台座6に貼り付ける。
このような構成によれば、放電加工によりSiCインゴットから切り出された種結晶1を用いる場合であっても、種結晶1とグラファイト台座6との接着強度を向上させることができるため、欠陥密度の少ない高品質な結晶を再現性よく成長させることができる。
上記実施形態では、各構成要素の材質、材料、実施の条件等についても記載しているが、これらは例示であって記載したものに限られるものではない。
なお本発明は、その発明の範囲内において、各実施形態の自由な組み合わせ、あるいは各実施形態の任意の構成要素の変形、もしくは各実施形態において任意の構成要素の省略が可能である。
1 種結晶、2 導電性支持部材、3,12 加工変質層、4 研磨プレート、5 接着剤、6 グラファイト台座、7 焼成用グラファイト坩堝、8 結晶成長用坩堝、9 原料、10 蓋、11 坩堝セット。

Claims (12)

  1. (a)種結晶の接着面において放電加工を行い、加工変質層を形成する工程と、
    (b)接着剤を用いて、前記接着面に形成された前記加工変質層を台座に貼り付ける工程と、
    (c)前記工程(b)の後、前記接着面の反対側の面である成長面において単結晶を成長させる工程とを備えることを特徴とする、
    単結晶の製造方法。
  2. 前記工程(a)が、SiCからなる前記種結晶の前記接着面において放電加工を行い、前記加工変質層を形成する工程であることを特徴とする、
    請求項1に記載の単結晶の製造方法。
  3. 前記工程(a)が、アモルファスSiC、SiOおよび炭素の混合物を含む材料から構成される前記加工変質層を形成する工程であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の単結晶の製造方法。
  4. 前記工程(a)が、算術平均粗さRaが500nm以上5μm以下である前記加工変質層を形成する工程であることを特徴とする、
    請求項1〜3のいずれかに記載の単結晶の製造方法。
  5. 前記工程(b)が、前記接着面を、グラファイトを含む材料から構成される前記台座に貼り付ける工程であることを特徴とする、
    請求項1〜4のいずれかに記載の単結晶の製造方法。
  6. (d)前記工程(a)の後、前記工程(b)の前に、前記成長面を平坦化する工程をさらに備えることを特徴とする、
    請求項1〜5のいずれかに記載の単結晶の製造方法。
  7. 前記工程(d)が、前記成長面をダイヤモンド研磨およびCMP処理することで平坦化する工程であることを特徴とする、
    請求項6に記載の単結晶の製造方法。
  8. 前記工程(d)が、前記工程(a)において前記成長面において形成された加工変質層を研削して除去することで、前記成長面を平坦化する工程であることを特徴とする、
    請求項6または7に記載の単結晶の製造方法。
  9. 前記工程(b)が、カーボン接着剤を用いて、前記接着面を前記台座に貼り付ける工程であることを特徴とする、
    請求項1〜8のいずれかに記載の単結晶の製造方法。
  10. 前記工程(b)が、加熱処理をすることで前記カーボン接着剤を硬化させ、当該カーボン接着剤を用いて前記接着面を前記台座に貼り付ける工程であることを特徴とする、
    請求項9に記載の単結晶の製造方法。
  11. 前記工程(b)が、SiC接着剤を用いて、前記接着面を前記台座に貼り付ける工程であることを特徴とする、
    請求項1〜8のいずれかに記載の単結晶の製造方法。
  12. 前記工程(b)が、焼成用グラファイト坩堝内で前記接着剤を焼成し、当該接着剤を用いて、前記接着面を前記台座に貼り付ける工程であることを特徴とする、
    請求項9〜11のいずれかに記載の単結晶の製造方法。
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