JP2015029605A - 生体リズムの測定方法および生体リズム測定装置 - Google Patents

生体リズムの測定方法および生体リズム測定装置 Download PDF

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圭吾 佐伯
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賢史 大林
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祥一 ▲高▼宮
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Abstract

【課題】被験者に苦痛を与えることなく、簡易な方法で経時的に生体リズムを測定する。
【解決手段】人体について、深部温度と、皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温と、を少なくとも一度同時に測定し、得られた測定値と、経時的に測定した上記皮膚表面の温度および上記外気温の測定値とを用いて、深部温度の経時的な推定値を求める。
【選択図】図7

Description

本発明は生体リズムの測定方法および生体リズム測定装置に関する。具体的には、被験者に苦痛を与えることなく、簡易な方法で経時的に生体リズムを測定することを可能とする生体リズムの測定方法、および、当該方法を実施するための生体リズム測定装置に関する。
生体機能にみられる、内在性の調節機構によって一定の周期の変動を繰り返している現象を一般に生体リズムという。生体リズムとしては、地球の自転によりもたらされる約1日(概日)のリズム、月の公転と地球の自転との関係がもたらす潮の満ち干き(概潮汐)の24.8時間のリズム、月の満ち欠けによってもたらされる約1ヶ月(概月)のリズム、地球が太陽の周りを公転することによる約1年(概年)のリズムなどがある。また、生体リズムのうちには、呼吸や脈拍のように一分以下の周期のリズム、ヒトのレム睡眠出現に見られる約90分のリズムのように短い周期のものもある。
このように、生体リズムには周期を異にするさまざまなリズムがあるが、そのうち、約24時間を周期とするものをサーカディアンリズム(Circadian rhythm:「概日リズム」ともいう。)という。
ヒトに関して言えば、従来、直腸温、鼓膜温等の深部温度がサーカディアンリズムの指標となることが知られている。そのため、深部温度を経時的に測定することができれば、その値を多項式でグラフ化することによって、サーカディアンリズムを求めることができる。
直腸温を測定する方法としては、肛門の括約筋から約10cmの位置までプローブを挿入する方法等が知られている。また、鼓膜温を測定する方法としては外耳道にプローブを挿入して鼓膜温を測定する方法、および、イヤホンタイプのセンサを耳に装着して鼓膜温を測定する方法等が知られている。
しかし、深部温度を経時的に測定することを考えた場合、日常生活において長時間(例えば48時間以上)連続して直腸温または鼓膜温を測定することは、身体的、精神的負荷が大きく、苦痛を伴う上、一般には受け入れがたく現実的ではない。
これに対し、非特許文献1には、熱流補償法による深部温度測定器が開示されており、当該深部温度測定器は、手術時および術後等、被験者が動かない状態において、被検体に苦痛を伴わせることなく深部温度を測定することができる。
また、特許文献1には、被検温体の体温によって定まる物理量(第1共振信号、第2共振信号)を測定して、当該物理量を外部装置に無線送信する無線式体温計が開示されており、親端末から遠隔で体温検出トリガを無線式体温計へ与えることによって深部温度を精度よく算出できるとされている。
さらに、非特許文献2には、いくつかのサーカディアンマーカーのリズムから得られる情報を、手首の皮膚温、活動、および体の位置に基づくTAPと称する変数に統合することによって、体温や活動等の個々の変数を用いて推定する場合の誤差を減らし、感度、特異度、正確度を向上させた、サーカディアンシステムの状態を評価する方法が開示されている。
特開2012−168155号公報(2012年9月6日公開)
テルモ株式会社ホームページ、〔平成25年6月19日検索〕、インターネット<URL:http://www.terumo.co.jp/medical/products/06_monitoring/monitoring_04.html> PLoS Computational Biology, vol 6, issue 11, 1-11, 2010.
しかしながら、非特許文献1に開示の装置は、大型であり、携帯することは困難である上、日常生活のように動きを伴う場合に深部温度の測定を行うことはできないという問題がある。
また、非特許文献2、特許文献1に開示の方法は、絶対的な体温を求めるものであるが、日内変動・周期等の生体リズムを測定するためには、例えば相対的な体温(体温の変化量)を求める方法であれば十分である。そのため、生体リズムを測定するためには、絶対的な体温を求める方法のように高精度である必要はなく、むしろ、簡易な方法で体温等の変化量を経時的に求めることができる方法であることが望ましい。しかしながら、そのような方法はこれまで見出されていなかった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、被験者に苦痛を与えることなく、簡易な方法で経時的に生体リズムを測定することを可能とする生体リズムの測定方法、および、当該方法を実施するための生体リズム測定装置を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、人体について、深部温度と、皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温と、を少なくとも一度同時に測定し、測定したこれらの温度と、経時的に測定した皮膚表面の温度と、経時的に測定した上記皮膚表面の近傍の外気温と、に基づいて深部温度の推定値を経時的に求めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明にかかる生体リズムの測定方法は、人体について、深部温度と、皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温と、を少なくとも一度同時に測定する工程iと、
上記工程iで測定した上記深部温度と、上記皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温とに基づいて、皮下組織および筋層の厚さと、皮下組織および筋層の熱伝導率との比を求める工程iiと、
上記皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温とを経時的に測定する工程iiiと、
上記工程iiで求めた上記比と、上記工程iiiで測定した上記皮膚表面の温度と、上記工程iiiで測定した上記皮膚表面の近傍の外気温と、に基づいて、深部温度の経時的な推定値を求める工程ivと、を含むことを特徴としている。
本発明者は、深部温度と、皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温と、を少なくとも一度同時に測定して、基本となる係数である皮下組織および筋層の厚さと、皮下組織および筋層の熱伝導率との比を求めることによって、経時的に測定した皮膚表面の温度と、経時的に測定した上記皮膚表面の近傍の外気温と、当該比とに基づいて、計算式によって深部温度の経時的な推定値を求め得ることを見出した。また、当該推定値を求めるために、複数の計算式を用いうることも見出した。
したがって、上記構成によれば、少なくとも一度、深部温度と、皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温と、を測定し、後は皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温とを経時的に測定する、という非常に簡易な方法によって深部温度の経時的な推定値を求めることができる。
そのため、被験者に違和感および苦痛を与えることなく、経時的に深部温度の推定値を求めることができ、上記推定値に基づいて個人レベルの生体リズムを簡易に求めることができる。
本発明にかかる生体リズムの測定方法では、上記工程iiは、上記工程iで測定した上記深部温度をB、上記皮膚表面の温度をG、上記外気温をCとし、人体の平均対流熱伝達率をJ、皮膚表面の放射率をF、シュテファン−ボルツマン定数をσ、皮下組織および筋層の厚さをD、皮下組織および筋層の熱伝導率をEとしたときに、以下の式1に基づいてE/Dの値を求めることによって行い、
上記工程ivは、上記工程iiiで測定した上記皮膚表面の温度をG、上記工程iiiで測定した上記外気温をCとしたときに、上記Gと、上記Cと、上記E/Dの値とを以下の式2;
に代入することによって、深部温度の経時的な推定値B’を求める工程であることが好ましい。
上記構成によれば、深部温度を少なくとも一度実測すれば、後は、皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温とを測定するだけで、式1および式2に基づいて、深部温度の推定値を経時的に求めることができる。
上記皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温とは、プローブを用いた直腸温の測定のように被験者に苦痛を与えることなく、容易に測定することが可能である。また、非特許文献1に開示の装置のような大型の装置を用いて測定する必要もない。
したがって、被験者が通常通り日常生活を送りながら、被験者に違和感および苦痛を与えることなく、長時間にわたって簡易かつ経時的に深部温度の推定値を求め、当該推定値の変化量を求めることができる。
よって、生体リズムを簡易に求めることができ、例えば被験者の生活習慣改善等に役立てることができる。また、基礎体温のリズムチェック、一般に体温感知能力が衰える老人の体温管理等を簡易に行うこともできる。
本発明にかかる生体リズムの測定方法では、上記工程iiは、上記工程iで測定した上記深部温度をB、上記皮膚表面の温度をG、上記皮膚表面近傍の外気温をCとし、皮下組織および筋層の厚さをD、皮下組織および筋層の熱伝導率をEとしたときに、以下の式3に基づいてD/Eの値を求めることによって行い、
上記工程ivは、上記工程iiiで測定した上記皮膚表面の温度をG、上記工程iiiで測定した上記外気温をCとしたときに、上記Gと、上記Cと、上記D/Eの値とを以下の式4;
に代入することによって、深部温度の経時的な推定値B’を求める工程であることが好ましい。
上記構成によっても、深部温度を少なくとも一度実測すれば、後は、皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温とを測定するだけで、式3および式4に基づいて、深部温度の推定値を経時的に求めることができる。
したがって、上記構成によっても、被験者に違和感および苦痛を与えることなく生体リズムを簡易に求めることができる。
本発明にかかる生体リズムの測定方法において、上記皮膚表面の近傍とは、上記皮膚表面と接していない位置であって、上記皮膚表面の温度を測定した位置からの距離が0cmより大きく5cm以下の位置であることが好ましい。
例えば皮膚表面の温度の測定位置が衣服の中にある場合、皮膚表面の温度は、上記測定位置が外気に露出している場合と比べて高くなる。このとき、例えば皮膚表面の温度を衣服の中で測定し、上記皮膚表面の外気温を衣服の外で測定すると、当該外気温が皮膚表面の温度からかけ離れたものになる可能性があるため、式1におけるE/D、および、式2におけるB´が、それぞれ実測値との誤差が大きいものとなる可能性がある。
上記構成によれば、皮膚表面の温度の測定位置が衣服の中にある場合でも、上記皮膚表面の外気温を、皮膚表面からの熱伝達を受け得る位置にある温度として測定することができる。つまり、上記外気温を、皮膚表面の温度との相関性がある温度として測定することができる。
したがって、深部温度の推定値を実測値により近いものとして得ることができ、簡易な方法によって生体リズムをより高い信頼性で測定することができる。
本発明にかかる生体リズムの測定方法において、上記生体リズムはサーカディアンリズムであることが好ましい。
上記構成によれば、日常生活下においても個人レベルのサーカディアンリズムを苦痛なく簡易に取得することができる。したがって、例えば個人レベルでのサーカディアンリズムの最適化等に資することができる。
本発明にかかる生体リズムの測定方法において、上記皮膚表面は体幹の皮膚表面であってもよい。
体幹とは、体の中軸部、すなわち頭部、頸部、胸部、腰背部および腹部を指し、上肢または下肢よりも深部温度の測定に好適であることが知られている。上記構成によれば、体幹の皮膚表面の温度、および、体幹の皮膚表面の近傍の外気温を測定対象とすることになるため、深部温度の推定値を深部温度の実測値により近いものとして得ることができる。
したがって、簡易な方法によって生体リズムをより高い信頼性で測定することができる。
本発明にかかる生体リズムの測定方法において、上記皮膚表面は上肢または下肢の皮膚表面であってもよい。
上記皮膚表面が上肢または下肢である場合、上記方法によって得られる深部温度の推定値は、皮膚血流量の変動の指標とすることができる。したがって、上記構成によれば、個人レベルの皮膚血流量の変動リズムを簡易な方法によって測定することができる。
本発明にかかる生体リズム測定装置は、本発明にかかる生体リズムの測定方法を実施するための生体リズム測定装置であって、皮膚表面の温度を測定するための温度測定手段Aと、上記皮膚表面の近傍の外気温を測定するための温度測定手段Bとを備えることを特徴としている。
上記構成によれば、皮膚表面の温度と上記皮膚表面の近傍の外気温とを、経時的に容易に測定することができるため、本発明にかかる生体リズムの測定方法を実施するために必要不可欠なデータを経時的に提供することができる。したがって、生体リズムの簡易な測定に資することができる。
本発明にかかる生体リズム測定装置において、上記温度測定手段Aおよび上記温度測定手段Bは、上記温度測定手段Aが有する面であって、上記皮膚表面の温度を測定する面である測定面と、上記温度測定手段Bが有する面であって、上記皮膚表面の近傍に存在する外気の温度を測定する面である測定面との距離が0cmより大きく5cm以下であり、かつ、上記温度測定手段Aと上記温度測定手段Bとは互いに離間して配置されることが好ましい。
温度測定手段Aは皮膚表面の温度を測定するための装置であるため、温度測定手段Aの上記測定面は、皮膚と接触し、皮膚表面の温度の測定に直接関与する部分である。温度測定手段Bは、上記皮膚表面の近傍の外気温を測定するための装置であるため、温度測定手段Bの上記測定面は、皮膚とは接触していない。
上記構成によれば、皮膚表面の温度の測定位置、すなわち上記温度測定手段Aの上記測定面の位置が、衣服の中にある場合でも、上記温度測定手段Bの上記測定面の位置をも当該衣服の中の収めることが十分に可能である。しかも、温度測定手段Aと温度測定手段Bとは互いに離間して配置されているため、相互に熱的な影響を与え合うことがない。
したがって、皮膚表面の温度の測定位置が衣服の中にある場合でも、温度測定手段Bによって測定する外気温を、上記皮膚表面からの熱伝達を受け得る位置の温度として測定することができる。つまり、上記外気温を、皮膚表面の温度の高さとの相関性がある温度として測定することができる。
よって、深部温度の推定値を、実測値により近い値として得ることに資することができる。
本発明にかかる生体リズム測定装置は、上記温度測定手段Aおよび温度測定手段Bが、温度データロガーであってもよい。
上記構成によれば、皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温とを経時的に測定し、データとして保存しておくことができる。そのため、生体リズムの迅速な測定に資することができる。
本発明は、被験者に違和感および苦痛を与えることなく、長時間にわたって簡易かつ経時的に深部温度の推定値を求め、当該推定値の変化量を求めることによって、生体リズムを簡易に求めることができるという効果を奏する。
断熱された平板における平板と断熱材との位置関係、並びに、平板の温度および外気温の測定位置を示す模式図である。 工業界において利用されている断熱計算式を用いた計算の例を説明するために上記計算式を開示する資料において示されている、四層の断熱層を備えた炉を厚さ方向から見た状態を示す模式図である。 本発明にかかる生体リズム測定装置の一実施形態を示す外観図である。図3の(a)は、一実施形態に係る生体リズム測定装置の正面図である。図3の(b)は、当該生体リズム測定装置を被験者の腹部に固定した様子を示す外観図である。 一実施形態に係る生体リズム測定装置が備える取り付け部の構造の一例を示す模式図である。図4の(a)は取り付け部の上面図、図4の(b)は取り付け部の側面図、図4の(c)は取り付け部の正面図である。 実施例で用いた生体リズム測定装置によって、腹部の皮膚表面温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温とを測定した結果を示すグラフである。 実施例1で得られた深部体温(深部温度)の経時的な推定値を、図5にプロットしたグラフである。 実施例1で得られた深部体温(深部温度)の経時的な推定値を、多項式でグラフ化したものである。 物体の表面温度および上記物体表面の近傍の外気温の測定と、物体内部の温度の測定とを同時に行うための装置の構造の概略を示す外観図である。図8の(a)は正面図、図8の(b)は縦断面図である。 疑似皮膚温、疑似外気温、および疑似深部体温(それぞれ実測値である)を連続的に測定した結果を示すグラフである。 図9に示した疑似皮膚温、疑似外気温、および疑似深部体温を連続的に測定した結果に、式1’および式2’を用いて求めた深部体温(深部温度)の推定値をさらにプロットしたグラフである。 図9に示した疑似深部体温と、図10に示した深部体温(深部温度)の推定値とを比較したグラフである。 実施例3で得られた深部体温(深部温度)の経時的な推定値と、当該推定値を最小二乗法の手法により多項式でグラフ化した結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態の一例について詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されない。なお、説明の便宜上、同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
<1.生体リズムの測定方法>
本発明にかかる生体リズムの測定方法は、人体について、深部温度と、皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温と、を少なくとも一度同時に測定する工程iと、上記工程iで測定した上記深部温度と、上記皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温とに基づいて、皮下組織および筋層の厚さと、皮下組織および筋層の熱伝導率との比を求める工程iiと、上記皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温とを経時的に測定する工程iiiと、上記工程iiで求めた上記比と、上記工程iiiで測定した上記皮膚表面の温度と、上記工程iiiで測定した上記皮膚表面の近傍の外気温と、に基づいて、深部温度の経時的な推定値を求める工程ivと、を含む。
本発明者は、上記工程iiにおける皮下組織および筋層の厚さと、皮下組織および筋層の熱伝導率との比、および、上記工程ivにおける深部温度の経時的な推定値を、複数の異なる方法によって求め得ることを見出した。当該方法において用いられる計算式はそれぞれ異なるが、後述するように、いずれの計算式を用いて得られた結果も、十分に生体リズム測定の指標とすることができることを確認している。
したがって、本発明にかかる生体リズムの測定方法において、用いる計算式は特定の式に限定されるものではなく、少なくとも一度同時に測定した深部温度と、皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温と、に基づけば、上記比を求めることができ、上記比と、経時的に測定した上記皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温と、に基づけば深部温度の経時的な推定値を求めることができると言える。
以下、上記方法の実施形態および各工程について説明する。
〔1−1.実施の形態1〕
実施の形態1では、上記工程iiは、上記工程iで測定した上記深部温度をB、上記皮膚表面の温度をG、上記外気温をCとし、人体の平均対流熱伝達率をJ、皮膚表面の放射率をF、シュテファン−ボルツマン定数をσ、皮下組織および筋層の厚さをD、皮下組織および筋層の熱伝導率をEとしたときに、以下の式1に基づいてE/Dの値を求めることによって行い、
上記工程ivは、上記工程iiiで測定した上記皮膚表面の温度をG、上記工程iiiで測定した上記外気温をCとしたときに、上記Gと、上記Cと、上記E/Dの値とを以下の式2;
に代入することによって、深部温度の経時的な推定値B’を求める。
(1−1−1.工程iについて)
上記人体については、生体であればよく、人種、年齢、性別、体格等の条件は限定されるものではない。上記「深部温度」とは、体表面における温度に比べてより温度変化が少なく温度分布が安定した部位である生体の深部、例えば核心部などの温度のことをいう。したがって、深部温度とは、例えば核心温を意味する。なお、核心温とは、恒温動物の生態内部の温度状態において、循環調節や生体の外殻部に影響する環境への熱放散の変化によって変わらない温度をいい、理論的には核心部の平均温度をいう。本明細書では、深部温度を「深部体温」という場合もある。
深部温度は、直腸温、食道温、膀胱温または鼓膜温等を測定することによって得ることができる。深部温度の測定は、従来公知の温度測定手段を用いて行うことができる。深部温度を測定する温度測定手段としては接触式であっても非接触式であってもよいが、被験者に与える苦痛を低減することができるため非接触式であることが好ましい。
非接触式の温度測定手段としては、例えば温度プローブ、耳式体温計等を挙げることができる。例えば直腸温であれば、温度プローブを肛門の括約筋から約10cmの位置まで挿入することによって測定することができる。また、例えば鼓膜温であれば、耳式体温計のセンサを外耳道に沿って挿入し、センサの全視野を鼓膜に向けることによって測定することができる。
上記「皮膚表面」とは、生体の表皮のうち、外界に露出している部分をいう。皮膚表面は、生体のいずれの部位の皮膚表面であってもよい。例えば、体幹の皮膚の表面であってもよいし、四肢の皮膚の表面であってもよい。
ただし、皮膚表面の温度を測定する必要があるため、皮膚表面の温度の測定を比較的安定に行い得る部位の皮膚表面であることが好ましい。例えば、額、胸部、腹部、頸部、腰背部、上肢、下肢等は、比較的平面に近い形状を有する部位であり、温度測定手段が接触式である場合、測定面を皮膚表面に容易に密着させることができるため好ましい。また、皮膚表面は衣服に覆われていてもよいし、覆われていなくてもよい。
なお、上記「測定面」とは、温度測定手段が有する面のうち、温度測定を行うために測定対象に接触させる面をいう。例えば、温度測定手段が有するセンサが測定対象に直接接触しない温度測定手段の場合、当該センサによって測定対象の温度を測定する際に測定対象と接触させる面が、上記測定面に該当する。温度測定手段が有するセンサは、温度測定の際、測定対象に接触してもよいし、接触しなくてもよい。
「皮膚表面の温度」とは、皮膚表面において、温度測定手段のセンサによって温度が検知された部分の温度をいう。
皮膚表面の温度は、従来公知の温度測定手段を用いて測定することができる。温度測定手段としては、特に限定されるものではないが、温度測定手段の測定面と皮膚表面とを密着させることが、測定精度を向上させる観点から好ましいため、接触式であることが好ましい。
上記温度測定手段はセンサを備えており、センサによって皮膚表面の温度を検知する。センサの構成は特に限定されるものではない。例えば、熱電対、測温抵抗体、サーミスタ、バイメタルなど従来公知のセンサを用いることができる。
皮膚表面の温度を測定する温度測定手段としては、皮膚表面との密着性を高めることができるため、ボタン電池型の温度計(例えば米maxim社製のiButton(登録商標)温度ロガー等)、シート形状の熱電対などを好適に用いることができる。
上記皮膚表面が体幹の皮膚表面である場合、本発明にかかる生体リズムの測定方法によって求められる深部温度の推定値は、深部温度の実測値により近いものとなるため、当該推定値を深部温度の変動指標としてより好適に用いることができる。
一方、上記皮膚表面が上肢または下肢の皮膚表面である場合、上記測定方法によって得られる深部温度の推定値は、皮膚血流量の変動指標として用いることができる。
そのため、どの部位の皮膚表面を温度測定の対象とするかということは、求める生体リズムの種類に応じて適宜決定すればよい。
本明細書において「外気温」とは、皮膚表面に接していない空間における気温を指す。「上記皮膚表面の近傍」とは、表面温度を測定した皮膚表面の周囲の空間にある位置であって、上記皮膚表面に接しておらず、当該皮膚表面からの熱伝達を受け得る位置をいう。上記「熱伝達を受け得る」とは、皮膚表面から放射された熱が外気に伝達されることによって、当該外気の温度が上昇しうることをいう。
上記位置が上記皮膚表面からの熱伝達を受け得るかどうかについては、例えば皮膚表面からの距離と外気温との関係をグラフ化することなどにより知ることができる。皮膚表面からの距離が長くなるにしたがって外気温は低下するため、例えば皮膚表面からの距離を横軸に取り、外気温を縦軸に取ったグラフを作成して、外気温が略一定の温度に達する位置を求めることができる。このように、皮膚表面の温度を測定した位置からの距離が0cmより大きく、上記皮膚表面からの距離が離れるにしたがって低下した外気温が、略一定の温度に達したときの位置までを、上記皮膚表面の近傍ということができる。
上記皮膚表面の近傍に該当する位置としては、皮膚表面の温度の測定位置が衣服の中にあることが多いことに鑑みると、上記皮膚表面と接していない位置であって、上記皮膚表面の温度を測定した位置からの距離が0cmより大きく5cm以下の位置であることが好ましい。上記距離は0cmより大きく3cm以下であることがより好ましく、0cmより大きく1.5cm以下であることがさらに好ましい。
上記距離がこれらの範囲内にある位置では、皮膚表面の温度の測定位置が衣服の中にある場合も、外気温を、確実に、皮膚表面からの熱伝達を受け得る位置にある温度として測定することができると考えられる。
例えば皮膚表面の温度を衣服の中で測定し、外気温を衣服の外で測定すると、当該外気温が皮膚表面の温度からかけ離れたものになる可能性がある。
しかし、上記距離がこれらの範囲内にある位置(上記皮膚表面の近傍に該当する位置)では、外気温を、皮膚表面の温度との相関性がある温度として測定することができる。そのため、後述する式1におけるE/D、および、式2における深部温度の推定値B´をより実測値に近い値とすることができる。
上記皮膚表面の近傍の外気温は、従来公知の温度測定手段を、上記皮膚表面の近傍に設置することによって測定することができる。つまり、温度測定手段の測定面が、上記皮膚表面の近傍の外気と接触していればよい。温度測定手段としては、皮膚表面の温度を測定する温度測定手段と同じ種類のものを用いてもよいし、異なる種類のものであってもよいが、同じ種類のものであることが好ましい。
なお、後述する実施例では、皮膚表面の温度を測定する温度測定手段と、上記皮膚表面の近傍の外気温を測定する温度測定手段として、ボタン電池型の温度計であるmaxim社のi Button(登録商標)温度ロガーを用いているが、必ずしもこれに限られるものではない。
なお、皮膚表面の温度を測定する温度測定手段と、皮膚表面の近傍の外気温を測定するための温度測定手段との位置関係等については後述の<2.生体リズム測定装置>の項において詳述する。
上記皮膚表面の温度を測定した位置から上記皮膚表面の近傍に該当する位置までの距離としては、上記皮膚表面の温度を測定した位置から、上記皮膚表面の近傍に該当する位置まで引いた直線の長さが該当する。中でも、上記皮膚表面の近傍の外気温の測定位置としては、上記皮膚表面の温度を測定した位置から、鉛直上方にある位置であることが好ましく、その場合の好ましい上記距離は上述の通りである。
工程iでは、深部温度と、皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温と、を少なくとも一度同時に測定する。これらの温度を少なくとも一度同時に測定し、得られた測定値を工程iiで後述する式1に代入することによって、個人によって異なる値である、皮下組織および筋層の熱伝導率(E)と、皮下組織および筋層の厚さ(D)との比であるE/Dを求めることができる。
これらの温度を測定するタイミングは特に限定されるものではないが、皮膚表面の温度と上記皮膚表面の近傍の外気温とを経時的に測定してモニターし、皮膚表面の温度と上記外気温とが安定したことを確認した後、深部温度を測定することが、測定精度を高める上で好ましい。
工程iでは、深部温度と、皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温と、を少なくとも一度同時に測定すればよい。上記E/Dは個人によって異なるため、個人レベルでの生体リズムを測定するためには、深部温度を少なくとも一度測定する必要がある。
例えば、深部温度を複数回測定してその平均値を求めること等を行ってもよいが、深部温度の測定は通常一度行えば十分である。そして、得られた測定値に基づいて上記E/Dを求めた後は、後述するように、皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温とを測定するだけで深部温度の推定値を求めることができ、生体リズムを求めることができる。
つまり、本発明にかかる生体リズムの測定方法は、深部温度測定に伴う苦痛を被験者に長時間与えることを回避することができ、日常生活を通常どおり送りながら個人レベルの生体リズムを測定することができる。
(1−1−2.工程iiについて)
工程iiでは、上記工程iで測定した上記深部温度と、上記皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温とに基づいて、皮下組織および筋層の厚さと、皮下組織および筋層の熱伝導率との比を求める。
実施の形態1において、上記工程iiは、上記工程iで測定した上記深部温度をB、上記皮膚表面の温度をG、上記皮膚表面の近傍の外気温をCとし、人体の平均対流熱伝達率をJ、皮膚表面の放射率をF、シュテファン−ボルツマン定数をσ、皮下組織および筋層の厚さをD、皮下組織および筋層の熱伝導率をEとしたときに、以下の式1に基づいてE/Dの値を求めることによって行うことができる。
ここで、式1の導出について説明する。式1は、断熱された平板からの放熱量を求める際に工業界において利用されている式A(出典:株式会社八光電機ホームページ、〔平成25年6月20日検索〕、インターネット<URL:http://www.hakko.co.jp/qa/qakit/html/s01050.htm>)を応用したものである。
図1は、断熱された平板における平板と断熱材との位置関係、並びに、平板の温度および外気温の測定位置を示す模式図である。
図1において、300は平板、301は断熱材、302は外気、bは、図1に示した位置における平板300の温度、cは図1に丸印で示した位置における外気302の温度(外気温)、dは断熱材301の厚み、gは断熱材の表面温度を意味し、図中、内部に「H」と記載された矢印は放熱を表している。
このとき、以下の式Aより、式Bが成り立つ。
ここで、断熱材301をグラスウール保温材とした場合、Jはグラスウール保温材から外気への対流熱伝達率であり、7W/mK(定数)となる。Fは断熱材301の表面の放射率であり、0.5(無次元定数)である。当該放射率は、物体表面の放射率と、その雰囲気中の物体の放射率を同じとして計算している。σはシュテファン−ボルツマン定数で、5.67051×10−8である。eは断熱材301の熱伝導率であり、断熱材301がグラスウール保温材であるため、0.038W/mK(定数)となる。なお、上記c、b、gの単位はK、dの単位はmである。
このような放熱計算を利用することによって、断熱材301の厚みd、断熱材301の表面温度g、および外気302の温度cを測定し、得られた測定値を式Bに代入することによって、平板300の温度bを求めることができる。
本発明者は、工業界にて利用されている上記放熱計算を人体に応用し、人体の皮下組織および筋層を断熱材に見立て、上記式Bを人体に応用し、上記式1を導出した。その結果、工程iで少なくとも一度測定した深部温度と、皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温とを式1に代入することによって、個人によって異なる上記E/D(D:皮下組織および筋層の厚さ、E:皮下組織および筋層の熱伝導率)を求めることができることを見出した。
すなわち、人体では、断熱材の役割を果たすのは皮下組織および筋層であると考えられるため、上記式Bにおける断熱材301の厚みd、断熱材301の熱伝導率eの代わりに、式1では、皮下組織および筋層の厚さをD、皮下組織および筋層の熱伝導率をEとした。そして、工程iで実測した深部温度Bと、皮膚表面の温度Gと、上記皮膚表面の近傍の外気温Cを、それぞれ式Bにおけるb、g、cの代わりに用いて式1に代入し、E/Dを求めた。
さらに、上記E/Dを求めた後は、上記E/Dが定数となるため、皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温とを経時的に測定し、上記式1を変形した後述する式2(工程ivで後述)に代入するだけで、深部温度の経時的な推定値を求めることができ、深部温度の変化量を求めることができることを見出した。
つまり、上記E/Dは個人によって異なるため、少なくとも一度上記B,C,Gを測定して、式1よりE/Dを求める。そして、当該E/Dを定数とし、式2に代入することによって、皮下組織および筋層の厚さ、並びに、皮下組織および筋層の熱伝導率の個人ごとの違いを反映した、深部温度の経時的な推定値を得ることができる。
上記式1において、Jは人体の平均対流熱伝達率である。人体の場合、ヒトの生理特性を配慮して平均対流熱伝達率を求める必要がある。そこで、「人体についての平均対流熱伝達率、持田徹、日本人間工学会誌、18,5,261−268、1982.」において導出されている以下の式5に基づいてJを求めた。式5において、hcは人体の平均対流熱伝達率(単位:kcal/m2h℃)、Vは風速(単位:m/s)である。
衣服の中の風速をゼロに近い0.1m/sと想定した場合、式5より、hcは約3kcal/mh℃となる。よって、hc=3.488W/mKとなる。そこで、J=3.488W/mKと定め、式1に代入した。
上記式1において、Fは皮膚表面の放射率であり、無次元定数で値は0.97とした。この値は、「株式会社佐藤計量器製作所ホームページ〔平成25年6月20日検索〕、インターネット<URL:https://www.sksato.co.jp/html/doc/emissivity.html>」に記載の放射率表に示されている人間の皮膚の放射率の値に基づいている。なお、「株式会社チノー山形事業所ホームページ〔平成25年6月20日検索〕、インターネット<URL:http://www.yamagata-chino.co.jp/support/useful_info/useful_info_002.html>」には、人間の皮膚の放射率として0.99という値が開示されている。
放射率は材質、表面状態、測定時の温度等による影響を受けることが知られている。一方、本発明は生体リズムの測定方法にかかるものであり、既に述べたように、例えば日内変動・周期等の生体リズムを測定するためには、絶対的な体温を高精度に求めるものではなく、例えば相対的な体温(体温の変化量)を求める方法であれば十分である。そのため、測定精度は高い方が好ましいものの、放射率を定数として0.97と定めることによって、本発明の課題解決が妨げられるものではない。
(1−1−3.工程iiiおよび工程ivについて)
上述の式1を変形することにより、下記の式2が導かれる。式2は、皮膚表面の温度G、および、上記皮膚表面の近傍の外気温C以外は定数となる。よって、皮膚表面の温度G、および、上記皮膚表面の近傍の外気温Cを経時的に測定し(工程iii)、得られた測定値を以下の式2に代入し、計算することによって、深部温度の経時的な推定値B´を求めることができる(工程iv)。そして、後述する実施例に示すように、深部温度の経時的な推定値B´を多項式でグラフ化することにより、生体リズムを求めることができる。
よって、深部温度の実測は一度行うだけでよく、その後は皮膚表面の温度、および、上記皮膚表面の近傍の外気温を経時的に測定するという作業だけで、簡易に深部温度の推定値を求めることができ、深部温度の変化量を推定することができる。すなわち、被験者に苦痛および違和感を長時間与えることなく、日常生活を送りながら、個人によって異なる生体リズムを個人ごとに容易に得ることができる。
実施の形態1は、前項で説明した上記放熱計算を土台としているものではあるが、工業界で利用されている上記放熱計算に基づいては決して想到することができない課題である、「被験者に苦痛を与えることなく、長時間経時的に深部温度の変化量を求めることができ、当該被験者の個人レベルでの生体リズムを求める」という課題を解決したものである。さらに、深部温度、皮膚表面近傍の温度、および皮膚表面の温度を少なくとも一度測定すれば、その後は皮膚表面の温度、および、上記皮膚表面の近傍の外気温を経時的に測定するという作業だけで、簡易に深部温度の推定値を求めることができることを初めて見出したものである。
それゆえ、式Aおよび式Bによって断熱された平板の温度が求められることに基づいて、本実施形態に容易に想到することができるものではない。
皮膚表面の温度G、および、上記皮膚表面の近傍の外気温Cの経時的な測定は、既に説明した皮膚表面の温度G、および、上記皮膚表面の近傍の外気温Cの測定法を継続して行えば足りる。
すなわち、上述した温度測定手段の測定面を皮膚表面に接触させることによって皮膚表面の温度Gを測定するという動作、および、温度測定手段を、上記皮膚表面の近傍に設置することによって上記皮膚表面の近傍の外気温Cを測定するという動作を継続して行えばよい。測定時間は特に限定されるものではなく、求める生体リズムの種類に応じて適宜決定すればよい。
上記「経時的な測定」は、より実測値に近い深部温度のデータを得ることができるため、上記測定を連続的に行うものであることが好ましい。しかし、必ずしも連続的な測定を行うものに限られず、例えば、一定間隔または不定期な間隔を設定して、設定した時間ごとに測定を行うものでも構わない。
ただし、式1および式2に代入する皮膚表面の温度および上記皮膚表面の近傍の外気温は、同じ時刻に測定された温度であるため、皮膚表面の温度および上記皮膚表面の近傍の外気温の経時的な測定は、両者が同時進行で行われる時間帯があることが必要であり、温度の測定開始から終了まで、常に両者が同時進行で行われることが好ましい。
得られた測定値に基づく式2による計算は、測定終了後に、記録しておいた測定値に基づいて行ってもよい。また、温度測定手段は無線送信器を備えていてもよい。例えば、温度測定手段に無線送信器を接続し、当該無線送信器から測定データを受信器に送信して、受信機をPCに接続することにより、深部温度の推定値をリアルタイムでグラフ化し、生体リズムを確認することも可能である。このように、温度測定手段としては、無線機能付きの温度測定手段を用いてもよい。
本発明の測定対象である生体リズムは、特に限定されるものではなく、上述した概月のリズム、概年のリズム等であってもよい。
一方、本発明にかかる方法によって測定される深部温度の推定値は、直腸温、鼓膜温等の深部温度を少なくとも一度測定した上で得られる値であることから分かるように、直腸温、鼓膜温等の測定値の代替値となりうるものである。
直腸温、鼓膜温等はサーカディアンリズムの指標となることが知られているため、本発明にかかる方法は、サーカディアンリズムの測定に特に好適に用いることができる。サーカディアンリズムを測定する場合は測定時間を48時間以上とすることが好ましい。
深部温度を正確に求めるためには、皮下組織および筋層の厚さ、皮下組織および筋層の熱伝導率を正確に算出する必要がある。本実施形態では、皮下組織および筋層の厚さと、皮下組織および筋層の熱伝導率との比を式1によって求めているため、式2によって得られる深部温度は推定値となる。
しかし、本発明は、絶対的な深部温度を求めることではなく、深部温度の変化量、すなわち生体リズムを求めることを目的としている。生体リズムを求めるのであれば、深部温度の推定値は十分に生体リズムの指標となるため、絶対的な深部温度を求めることまでは必ずしも必要ではない。このことは、後述する実施例に示すように、深部温度の推定値に基づいてサーカディアンリズムを求めることができることが実証されていることからも理解できる。
以上のように、本発明にかかる生体リズム測定方法は、被験者に苦痛を与えることなく、簡易に個人レベルの生体リズムを測定することができる。このことに鑑みると、本発明にかかる生体リズム測定方法は、DPG(distal-proximal skin-temperature gradient)の測定にも使用できることは言うまでもない。
〔1−2.実施の形態2〕
実施の形態2では、実施の形態1で用いた式1および2とは異なり、後述する式3および式4を用いて、深部温度の経時的な推定値B’を求める。
本実施の形態も、上述した工程iを備えている。すなわち、人体について、深部温度と、皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温と、を少なくとも一度同時に測定することを要する。工程iおよび工程iiiについては、実施の形態1で述べた事項と共通するため、その説明を省略する。
(1−2−1.工程iiについて)
本実施形態において、上記工程iiは、上記工程iで測定した上記深部温度をB、上記皮膚表面の温度をG、上記皮膚表面近傍の外気温をCとし、皮下組織および筋層の厚さをD、皮下組織および筋層の熱伝導率をEとしたときに、以下の式3に基づいてD/Eの値を求めることによって行うことができる。
ここで、式3の導出について説明する。式3は、断熱材を備える炉の外壁の温度を求める際に工業界において利用されている断熱計算式(出典:インターネット<URL:http://okglass.fc2web.com/studio/conduction.html>に開示の資料、〔平成25年7月25日検索〕)を応用して導出したものである。
図2は、上記断熱計算式を用いた計算の例を説明するために上記資料において開示されている、四層の断熱層を備えた炉を厚さ方向から見た状態を示す模式図である。図2においてI〜IVはそれぞれ断熱層を示し、Txは炉内温度、Tyは外気温を示し、t1は断熱層Iと断熱層IIとの境界面の温度、t2は断熱層IIと断熱層IIIとの境界面の温度、t3は断熱層IIIと断熱層IVとの境界面の温度、t4は外壁の表面の温度を示す。
上記資料に記載されているように、断熱層Iの厚さが0.125m、熱伝導率が0.23、断熱層IIの厚さが0.075m、熱伝導率が0.20W/mK、断熱層IIIの厚さが0.050m、熱伝導率が0.10W/mK、断熱層IVの厚さが0.050m、熱伝導率が0.21W/mKであり、Txが1400℃、Tyが10℃であると仮定したとき、上記資料において計算に必要となる定数とされている定数Rは、R=0.125/0.23+0.075/0.20+0.050/0.10+0.50/0.21+1/10=1.756となる。
このとき、上記資料に記載されているように、断熱層I〜IVすべてを含んだときのt4の求め方として、下記の式C;
が成り立つ。
ここで、式Cを、断熱層が一層である場合における一般式にすると、下記の式D;
となる。
ここで、Txは物体内部の温度で単位は℃、Tyは外気温で単位は℃、dは断熱材の厚さで単位はm、eは断熱材の熱伝導率で単位はW/mKである。
そこで、式DにおけるTxを深部温度B(単位:℃)、Tyを皮膚表面近傍の温度C(単位:℃)、dを皮下組織および筋層の厚さD(単位:m)、eを皮下組織および筋層の熱伝導率E(単位:W/mK)、t4を皮膚表面の温度Gに置き換えると、式Dを以下の式E;
のように書き換えることができる。
ここで、式Eを整理すると、上記式3となる。式3によって求められるD/Eは、個人によって異なるため、少なくとも一度、上記深部温度B,皮膚表面近傍の温度C,皮膚表面の温度Gを測定して、式3よりD/Eを求める。そして、当該D/Eを定数とし、後述する式4に代入することによって、皮下組織および筋層の厚さ、並びに、皮下組織および筋層の熱伝導率の個人ごとの違いを反映した、深部温度の経時的な推定値を得ることができる。
上記深部温度B,皮膚表面近傍の温度C,皮膚表面の温度Gを測定するタイミングについては実施の形態1と同様である。
(1−2−2.工程ivについて)
上述の式3を変形することにより、下記の式4が導かれる。D/Eは式3によって求められた定数となるため、式4において、皮膚表面の温度G、および、上記皮膚表面の近傍の外気温C以外は定数となる。
よって、皮膚表面の温度G、および、上記皮膚表面の近傍の外気温Cを経時的に測定し(工程iii)、得られた測定値を式4に代入し、計算することによって、深部温度の経時的な推定値B´を求めることができる(工程iv)。そして、後述する実施例に示すように、深部温度の経時的な推定値B´を多項式でグラフ化することにより、生体リズムを求めることができる。
実施の形態2においても、深部温度の実測は一度行うだけでよく、その後は皮膚表面の温度、および、上記皮膚表面の近傍の外気温を経時的に測定するという作業だけで、簡易に深部温度の推定値を求めることができ、深部温度の変化量を推定することができる。すなわち、被験者に苦痛および違和感を長時間与えることなく、日常生活を送りながら、個人によって異なる生体リズムを個人ごとに容易に得ることができる。
実施の形態2で用いる式3および式4は、実施の形態1で用いる式1および式2とは異なり、シュテファン−ボルツマン定数を含んでいない。また、皮下組織および筋層の厚さ(D)と、皮下組織および筋層の熱伝導率(E)との比が、式1ではE/Dであるが、式3ではD/Eと逆数になっている。
このように、式3および式4は、それぞれ式1および式2とは異なる式であるが、実施の形態2は、実施の形態1と同様に生体リズムを求めることができる。このことから、本発明にかかる生体リズムの測定方法は、特定の式だけでなく、複数の異なる式を用いて生体リズムを求めることができることが分かる。
よって、上記工程iiは、特定の式を用いる実施形態に限定されず、上記工程iで測定した上記深部温度と、上記皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温とに基づいて、皮下組織および筋層の厚さと、皮下組織および筋層の熱伝導率との比を求める工程であればよい。また、上記工程ivは、特定の式を用いる実施形態に限定されず、上記工程iiで求めた上記比と、上記工程iiiで測定した上記皮膚表面の温度と、上記工程iiiで測定した上記皮膚表面の近傍の外気温と、に基づいて、深部温度の経時的な推定値を求める工程であればよい。
実施の形態2は、前項で説明した断熱計算式を用いた式Cを土台としているものではあるが、工業界で利用されている上記断熱計算に基づいては決して想到することができない課題である、「被験者に苦痛を与えることなく、長時間経時的に深部温度の変化量を求めることができ、当該被験者の個人レベルでの生体リズムを求める」という課題を解決したものである。さらに、深部温度、皮膚表面近傍の温度、および皮膚表面の温度を少なくとも一度測定すれば、その後は皮膚表面の温度、および、上記皮膚表面の近傍の外気温を経時的に測定するという作業だけで、簡易に深部温度の推定値を求めることができることを初めて見出したものである。
それゆえ、式Cによって、断熱層を備えた炉の外壁の表面の温度が求められることに基づいて、本実施形態に容易に想到することができるものではない。
<2.生体リズム測定装置>
本発明にかかる生体リズム測定装置は、本発明にかかる生体リズムの測定方法を実施するための生体リズム測定装置であって、皮膚表面の温度を測定するための温度測定手段Aと、上記皮膚表面の近傍の外気温を測定するための温度測定手段Bとを備える。
上述したように、本発明にかかる生体リズムの測定方法では、皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温とを経時的に測定する必要がある。そこで、本発明にかかる生体リズム測定装置は、上記温度測定手段Aおよび温度測定手段Bを必須の構成としている。
上記温度測定手段Aおよび温度測定手段Bとしては、上記(1−1−1.工程iについて)で説明した温度測定手段を用いることができ、接触式温度計であることが好ましい。
温度測定手段Aは、上記皮膚表面の温度を測定する面である測定面を備え、温度測定手段Bは、上記皮膚表面の近傍に存在する外気の温度を測定する面である測定面を備えている。
温度測定手段Aにおいて、上記測定面とは、上記温度測定手段Aが有する面であって、上記皮膚表面の温度を測定するために上記皮膚表面と接触させる面である。例えばボタン電池型の温度計であれば、側面を除いた2つの面のうち、皮膚表面と接触させる方の面である。また、例えばシート形状の熱電対であれば、表面および裏面のうち、皮膚表面と接触させる方の面である。
温度測定手段Bにおいて、上記測定面とは、上記温度測定手段Bが有する面であって、上記外気の温度を測定するために上記皮膚表面の近傍に存在する外気と接触させる面である。つまり、温度測定手段Bが上記皮膚表面の近傍に存在する外気中に設置されたときに、温度測定手段Bが有する面のうち、当該外気と接触する面であって、温度測定手段Aから遠い側の面をいう。例えばボタン電池型の温度計であれば、側面を除いた2つの面のうち、温度測定手段Bより下側に位置する温度測定手段Aに相反する側の面、例えば後述する図3における測定面7である。
温度測定手段Aは、測定面を皮膚表面に接触させることによって、皮膚表面の温度を経時的に測定することができる。温度測定手段Bは、上記測定面を上記皮膚表面の近傍に設置することによって、上記皮膚表面の近傍の外気温を経時的に測定することができる。
本発明にかかる生体リズム測定装置において、上記温度測定手段Aおよび上記温度測定手段Bは、上記温度測定手段Aが有する面であって、上記皮膚表面の温度を測定する面である測定面と、上記温度測定手段Bが有する面であって、上記皮膚表面の近傍に存在する外気の温度を測定する面である測定面との距離が0cmより大きく5cm以下であり、かつ、上記温度測定手段Aと上記温度測定手段Bとは互いに離間して配置されることが好ましい。
温度測定手段Aの上記測定面と、温度測定手段Bの上記測定面との距離が0cmより大きく5cm以下である場合、皮膚表面の温度の測定位置が衣服の中にある場合も、上記皮膚表面の外気温を、皮膚表面の温度との相関性がある温度として測定することができる。そのため、上述した式1におけるE/D、および、式2における深部温度の推定値B´をより実測値に近い値とすることができる。
上記距離は、0cmより大きく3cm以下であることがより好ましく、0cmより大きく1.5cm以下であることがさらに好ましい。
温度測定手段Aと温度測定手段Bとは、互いに熱的な影響を与え合うことを排除するため、温度測定手段Aと温度測定手段Bとが互いに離間している。すなわち、温度測定手段Aと温度測定手段Bとの間に空気層を備える。上記空気層は、温度測定手段Aの上記測定面と反対側の面(以下、裏面Aと称する)と、温度測定手段Bの上記測定面と反対側の面(以下、裏面Bと称する)とに挟まれた空間である。例えば、図3の(a)に8で示す部分が空気層に該当する。裏面Aと裏面Bとの距離は0cmより大きいことを要する。裏面Aと裏面Bとの距離の上限は、温度測定手段Aの上記測定面と、温度測定手段Bの上記測定面との距離を、上述した好ましい距離(0cmより大きく5cm以下等)としうる範囲で適宜決定すればよい。
温度測定手段Aの上記測定面と、温度測定手段Bの上記測定面とは、これらの測定面間の距離を均一に保つ観点から、互いに略平行であることを要し、互いに平行であることがより好ましい。上記距離を均一に保つことによって、皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温とを精度よく、互いに相関性のある温度として測定することができる。
以上説明した温度測定手段Aと温度測定手段Bとの位置関係は、本発明にかかる生体リズムの測定方法を実施する際にも適用することができる。
上記温度測定手段Aおよび上記温度測定手段Bは、温度データロガーであることが好ましい。温度データロガーとは、任意の時間ごとに対象物の温度を測定し、そのデータを記録・保存する計測器である。
この場合、測定した温度のデータを、上記温度測定手段Aおよび上記温度測定手段Bが備えるデータ読み込み装置(フラッシュメモリ等)に保存しておくことができる。よって、上記温度データロガーを例えばPCと接続しておき、保存したデータを用いて上記式1,式2を用いた計算に供することにより、生体リズムを測定することができる。
また、上記温度データロガーは、無線機能付きであることがより好ましい。例えば、上記温度データロガーが無線送信器を備えることがより好ましい。この場合は、例えば上記温度データロガーに接続した無線送信器から測定データを受信器に送信し、受信機をPCに接続することにより、深部温度の推定値をリアルタイムでグラフ化し、生体リズムを測定することができる。上記無線送信器および受信機は従来公知のものを用いることができる。
本発明にかかる生体リズム測定装置は、本発明にかかる生体リズム測定方法を実施するためのものであるため、日常生活において長時間(好ましくは48時間以上)連続して深部温度推定値を求め、生体リズムを測定することが求められる。
そのため、本発明にかかる生体リズム測定装置は、長時間連続して装着しても人体に違和感を与えず、入浴など水と接するような場合も、上記皮膚表面温度および上記皮膚表面の近傍の外気温の測定を継続できるという特性を有することが必要である。
そこで、本発明にかかる生体リズム測定装置は、入浴中の上記装置に対する気化熱の影響を排除するため、温度測定手段の取り付け部は、水が溜まらない構造を有することが好ましい。
図3は、後述する実施例1で用いた、本発明にかかる生体リズム測定装置の一実施形態を示す外観図である。図3の(a)は、上記一実施形態に係る生体リズム測定装置100の正面図である。生体リズム装置100は、温度データロガーである温度測定手段Aと温度測定手段Bとの熱影響を排除すべく(互いに熱的な影響を与え合うことを排除すべく)空気層8を設け、温度測定手段Aが有する上記測定面6と、温度測定手段Bが有する上記測定面7との距離3が1.6cmとなるように、かつ、上記測定面6と7とが互いに平行となるようにして取り付け部1に固定し、さらに取り付け部1にベルト2を装着している。
図中、Aは温度測定手段A、Bは温度測定手段Bを表している。また、6は温度測定手段Aが有する、皮膚表面の温度を測定する面である測定面である。7は、温度測定手段Bが有する、上記皮膚表面の近傍に存在する外気の温度を測定する面である測定面である。
図3の(b)は、図3の(a)に示す生体リズム測定装置100を被験者の腹部に固定した様子を示す外観図である。
一実施形態において、取り付け部1は、ボタン電池型の温度計である、図3に示す温度測定手段AまたはBを圧入固定可能な、略U字状構造の溝4,5を有している。図4は、取り付け部1の構造の一例を示す模式図である。図4の(a)は取り付け部1の上面図、(b)は取り付け部1の側面図、(c)は取り付け部1の正面図である。図4において、5aは溝5の凸部を示し、9はベルト2の取り付け部、10は溝4と溝5との仕切り部である。また、4´、5’はそれぞれ溝4、5の内縁部であり、4”、5”はそれぞれ溝4、5の外縁部である。
図4の(c)に示すように、溝4は、取り付け部1の開口部(図4の(c)において紙面の手前側)において凸部を形成している仕切り部10の下面と、取り付け部1の凹部とによって形成されている。溝5は、仕切り部10の上面と、取り付け部1の凹部とによって形成されている。
図4の(a)には溝5が表れている。図4の(a)において、取り付け部1の開口部(図4の(a)において紙面の下側)から奥に向かった場合、溝5の内縁部5’と外縁部5”との距離が広がった後に、左右の内縁部5’と外縁部5”とがそれぞれ閉じることによって略U字状の構造が形成されている。内縁部5’と外縁部5”との距離とは、図4の(a)のように、取り付け部1を鉛直方向から見た場合において、内縁部5’から外縁部5”へ(あるいはその逆)下した垂線の長さのことである。溝5の内縁部5’と外縁部5”との距離が広がる箇所は、図4の(a)において5”aで示す箇所である。
このような構造を取ることによって、温度測定手段AまたはBがボタン電池型の温度計である場合、温度測定手段AまたはBを、取り付け部1の開口部側から溝5に例えば嵌入させ、奥側へ挿入してゆき、温度測定手段AまたはBにおいて直径を構成する2点が5”aを通過すると、温度測定手段AまたはBが取り付け部1にワンタッチで圧入固定される。図示しないが、溝4も図4の(a)に示す溝5と同じ構造を取るため、溝4に温度測定手段AまたはBを嵌入させた場合も同様に温度測定手段AまたはBをワンタッチで圧入固定することができる。なお、上記嵌入および挿入は、手指等で簡単に行うことができる。
溝4または5に圧入固定された温度測定手段AまたはBは、例えば取り付け部1の開口部を下に向けて振動を与えても外れることはないが、例えば手指等で、取り付け部1の奥側から開口部へ向けて圧力を加えることによって簡単に取り付け部1から外すことができる。しかし、この際、人によっては手指等で上記圧力を加えることが困難な場合もある。
そこで、上記溝4および溝5は、それぞれ凸部を備えていてもよい。図4の(a)に例示する上記溝5の凸部5aは、手指等で上記圧力を加えることが困難な人であっても、温度測定手段AまたはBを取り付け部1から容易に外すことができるように設けられているものである。
例えば、凸部5aに六角レンチやドライバー等を挿入し、開口部へ向けて押圧することによって、手指等で上記圧力を加えることが困難な人であっても温度測定手段AまたはBを容易に取り外すことができる。なお、図示しないが、溝4も、上記凸部5aと同様の凸部を備えていることが好ましい。
このように、生体リズム測定装置100の取り付け部1は、略U字状構造の溝4,5を有しているため、容易に温度測定手段AまたはBを圧入固定することができ、脱着ともに容易に行うことができる。
また、取り付け部1は、略U字状構造の溝を有することによって水が溜まらない構造とすることができるため、入浴中の上記装置に対する気化熱の影響を排除することができる。さらに、取り付け部1の材質としては、撥水性の高い材料を使用している。なお、上記溝4,5の寸法は、圧入固定する温度測定手段AまたはBの寸法に応じて適宜決定すればよい。
上述した構造の取り付け部1を用いることにより、上述したように、温度測定手段Aおよび温度測定手段Bを取り付け部1から簡単に脱着することができる。また、温度測定手段Aおよび温度測定手段Bを取り付け部1から外さなくても、データ読み込み装置を無理なく温度測定手段Aおよび温度測定手段Bに接続することができる。
ベルト2は、取り付け部1、温度測定手段A、および温度測定手段Bを違和感なく被験者の体に巻きつけるためのものである。ベルト2の材質としては、装着時の不快感(べっとりした感覚)を低減可能であることが好ましいため、伸縮性が良く、撥水性に優れた材料を使用することが好ましい。具体的には、独立発泡機能を持った生地、ニトリルゴム等の材料を挙げることができる。
また、取り付け部1は材質が硬いため、取り付け部1の近傍において、被験者にかぶれを生じさせる場合がある。そのため、取り付け部1のうち、皮膚と接触する部分には、例えば、上述した独立発泡機能を持った生地またはニトリルゴムのように、クッション性を有し、かつ、撥水性の良い材料を使用することが好ましい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明の趣旨を逸脱しない限り、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
上記生体リズム測定装置100を、図3の(b)に示すように、被験者(人体)の腹部に、温度測定手段Aが有する、皮膚表面の温度を測定する測定面6を腹部に密着させ、ベルト2で固定した。温度測定装置A,温度測定装置Bとしては、いずれも、米maxim社製のiButton(登録商標)DS1922L を用いた。
まず、生体リズム測定装置100を用いて、腹部の皮膚表面温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温とを測定し、記録した。結果を図5に示す。図5において、縦軸は温度(℃)を表し、横軸は測定時刻を表す。
測定開始から約15分経過した時点以降は、上記皮膚表面温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温との測定値が安定するため、深部体温(深部温度)はいつ測定してもよい。今回は、図5において「11:05」と示した時点で深部体温を測定した。なお、図5から分かるように、上記皮膚表面温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温との測定は連続して行っており、上記「11:05」の時点以降も測定を継続した。
深部体温は、耳式体温計(深部体温計)「DBTL-1」((有)シスコム製)を使用して鼓膜温を測定することによって求めた。上記DBTL-1は、センサヘッド部の直径が5mm、材質がシリコンゴムであり、外耳道の湾曲に沿って挿入できる。鼓膜温の測定は、上記センサヘッド部を鼓膜に近接させ、センサの全視野を鼓膜に向けることによって行った。
表1に、上記「11:05」と示した時点における腹部の皮膚表面温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温と、鼓膜温とを示した。
表1に記載した腹部の皮膚表面温度をG、上記外気温をCとし、鼓膜温をBとして、以下の式1;
に代入し、皮下組織および筋層の厚さDと、皮下組織および筋層の熱伝導率Eとの比であるE/Dの値を求めた。このとき、E/D=8.60となった。
次に、上記E/D=8.60を定数として、当該E/D、図5に示された腹部の皮膚表面温度G、および上記外気温Cを以下の式2;
に代入することによって、深部体温(深部温度)の経時的な推定値B’(図中、「計算による推定深部体温」と記載)を求めた。
図6は、式2から求めた上記推定値B´を図5にプロットしたグラフである。図6により、腹部の皮膚表面温度、腹部の皮膚表面近傍の外気温、および式2によって計算によって求めた深部体温(深部温度)の経時的な推定値との関係を理解することができる。
さらに、図7は、深部体温(深部温度)の経時的な推定値B’(図中、「計算による推定深部体温」と記載)と、上記推定値B´の値を多項式でグラフ化したもの(図中、「多項式(計算による推定深部体温)」と記載)とを示した図である。なお、多項式のグラフ化は、最小二乗法の手法により行った。
図7より、本発明にかかる生体リズム測定装置を用いて、本発明にかかる生体リズム測定方法を実施することによって、サーカディアンリズムを取得することができたことが分かる。つまり、式2によって求められた上記推定値B´は、サーカディアンリズムの十分な指標となる。
図7より、このサーカディアンリズムを持つ被験者の最も体温の低い時間は午前5時ごろであることから、この被験者の体内時計は約1時間遅れていると推察される。
以上の結果から、本発明にかかる生体リズム測定方法は、直腸温測定等の、被験者に苦痛および違和感を与える測定法を用いることなく、また、絶対的な体温を求めることなく、相対的な体温(体温の変化量)を求めることによって簡易的に生体リズムを測定することができることが分かった。
〔実施例2〕
実施例1で用いた生体リズム測定装置100を用いて求められる深部体温推定値が、深部体温の実測値に追従できているかどうかを調べるため、物体の表面温度および上記物体表面の近傍の外気温の測定と、物体内部の温度の測定とを同時に行うための装置(以下、装置aと称する)を作製し、上記測定を行った。
図8は、上記装置aの構造の概略を示す外観図であり、図8の(a)は正面図、図8の(b)は縦断面図である。図8において、100は生体リズム測定装置、Aは温度測定手段A、Bは温度測定手段B、6は温度測定手段Aが有する、皮膚表面の温度を測定する測定面、7は、温度測定手段Bが有する、上記皮膚表面の近傍に存在する外気の温度を測定する面である測定面、11は熱源、12は物体内部の温度を測定するための温度測定手段、8は空気層、13はプラスチック製シート、14は簡易断熱材である。簡易断熱材14としては市販のタオルを用いた。
まず、簡易断熱材14の上に熱源11を載置し、熱源11の上に温度測定手段12を載置して、熱源11および温度測定手段12の全体を覆うようにしてプラスチック製シート13を簡易断熱材14の上に載置した。さらに、生体リズム測定装置100を、温度測定手段Aの上記測定面6がプラスチック製シート13の表面に密着するように、プラスチック製シート13上に載置し、市販のテープによって固定した。
熱源11としては市販の使い捨てカイロを用いた。温度測定手段A、温度測定手段B、温度測定手段12としては、上述した米maxim社製のiButton(登録商標)DS1922L を用いた。測定面6と測定面7との距離は1.6cmである。プラスチック製シート13の材質はポリプロピレンである。
本実施例では、熱源11の温度を上記物体内部の温度、すなわち深部体温とみなし、当該温度を疑似深部体温と称する。また、プラスチック製シート13の表面温度を皮膚表面の温度とみなし、疑似皮膚温と称する。さらに、プラスチック製シート13の表面の近傍の外気温を、皮膚表面の近傍の外気温とみなし、疑似外気温と称する。
熱源11から熱を発生させ、熱源11の上面の温度を温度測定手段12によって連続的に測定した。それと共に、温度測定手段Aによってプラスチック製シート13の表面温度を測定し、温度測定手段Bによってプラスチック製シート13の表面の近傍の外気温を測定した。
次に、下記式1’;
を用いてE/Dを算出した。
なお、プラスチックの熱放射率(F)は、「株式会社佐藤計量器製作所ホームページ〔平成25年6月20日検索〕、インターネット<URL:https://www.sksato.co.jp/html/doc/emissivity.html>」に記載の放射率表に示されているプラスチックの放射率の値(0.91〜0.95)に基づいている。なお、「株式会社チノー山形事業所ホームページ〔平成25年6月20日検索〕、インターネット<URL:http://www.yamagata-chino.co.jp/support/useful_info/useful_info_002.html>」には、プラスチックの放射率として0.90〜0.95という値が開示されている。
プラスチックの平均対流熱伝達率(J)は、7とした(出典:株式会社八光電機ホームページ、〔平成25年6月20日検索〕、インターネット<URL:http://www.hakko.co.jp/qa/qakit/html/s01050.htm>)。
図9は、疑似皮膚温、疑似外気温、および疑似深部体温(それぞれ実測値である)を連続的に測定した結果を示すグラフである。縦軸は温度、横軸は時刻を表す。式1に代入するB(疑似皮膚温)、C(疑似外気温)、G(疑似深部温度)としては、図9に示した19時00分における測定値を用いた。その結果、式1によって算出されたE/Dは78.88となった。
当該E/Dを定数とし、図9に示す疑似皮膚温Bおよび疑似外気温Cを以下の式2’;
に代入することによって深部体温(深部温度)の推定値B’を求めた。
図10は、図9に示した疑似皮膚温、疑似外気温、および疑似深部体温を連続的に測定した結果に、式1’および式2’を用いて求めた深部体温(深部温度)の推定値B’(図中、「計算結果」と表示)をさらにプロットしたグラフである。
図11は、図9に示した疑似深部体温と、図10に示した深部体温(深部温度)の推定値B’とを比較したグラフである。
図10および図11より、計算によって求めた深部体温(深部温度)の推定値B’は、実測した疑似深部体温に十分によく追従しており、この程度の誤差であれば、サーカディアンリズムを求めるに当たり問題にならないことが分かる。
よって、本発明にかかる生体リズム測定方法によって得られた深部体温(深部温度)の推定値B’に基づいて求めたサーカディアンリズムは、深部体温を実測して求めたサーカディアンリズムと良い一致を示すことが明らかとなったと言える。
したがって、本発明にかかる生体リズム測定方法は、直腸温測定等のように被験者に苦痛を与えることなく、十分に生体リズム測定の指標とすることができる深部体温(深部温度)の推定値B’を簡易に求めることができる。そのため、実測した深部体温に基づいて求めた生体リズムと良い一致を示す生体リズムを求めることができると言える。
〔実施例3〕
実施例3では、実施例1で用いた式1および式2の代わりに、以下の式3;
および式4;
を用いて深部体温(深部温度)の経時的な推定値B’を求めた。
まず、表1に記載した腹部の皮膚表面温度(G)と、上記皮膚表面の近傍の外気温(C)と、鼓膜温(B)とを式3に代入し、皮下組織および筋層の厚さDと、皮下組織および筋層の熱伝導率Eとの比であるD/Eの値を求めた。このとき、D/E=0.11となった。
次に、D/E=0.11を定数として、当該D/E、図5に示された腹部の皮膚表面温度G、および上記外気温Cを式4に代入することによって、深部体温(深部温度)の経時的な推定値B’を求めた。
図12は、実施例3で得られた深部体温(深部温度)の経時的な推定値(図中、「計算による推定深部体温」と記載)と、当該推定値を最小二乗法の手法により多項式でグラフ化した結果(図中、「多項式(計算による推定深部体温)」と記載)を示す図である。
図12より、本発明にかかる生体リズム測定装置を用いて、本発明にかかる生体リズム測定方法を実施することによって、サーカディアンリズムを取得することができたことが分かる。つまり、式4によって求められた上記推定値B´は、サーカディアンリズムの十分な指標となる。
図12より、このサーカディアンリズムを持つ被験者の最も体温の低い時間は午前5時ごろであることから、この被験者の体内時計は約1時間遅れていると推察される。
図12と、図7とは、別の計算式を用いて算出した結果を示しているが、同じ生体リズムを示している。よって、式1および式2を用いる場合に限られることなく、生体リズムを求めることができることが理解できる。
以上の結果から、本発明にかかる生体リズムの測定方法は、深部温度と、皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温と、を少なくとも一度同時に測定すれば、後は皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温とを経時的に測定するだけで、直腸の温度測定のような苦痛を被験者に与えることなく、簡易的に個人レベルの生体リズムを得ることができることが分かる。
本発明によれば、上述のように、被験者に苦痛を与えることなく、簡易に生体リズムのデータを取得することができる。よって、本発明は、生体リズムを利用した医療機器に関わる産業等において広く利用可能である。
A ・・・温度測定手段A
B ・・・温度測定手段B
1 ・・・取り付け部
2 ・・・ベルト
3 ・・・測定面6と、測定面7との距離
4,5・・溝
6 ・・・温度測定手段Aが有する、皮膚表面の温度を測定する測定面
7 ・・・温度測定手段Bが有する、皮膚表面の近傍に存在する外気の温度を測定する測定面
8 ・・・空気層
100・・・生体リズム測定装置

Claims (10)

  1. 人体について、深部温度と、皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温と、を少なくとも一度同時に測定する工程iと、
    上記工程iで測定した上記深部温度と、上記皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温とに基づいて、皮下組織および筋層の厚さと、皮下組織および筋層の熱伝導率との比を求める工程iiと、
    上記皮膚表面の温度と、上記皮膚表面の近傍の外気温とを経時的に測定する工程iiiと、
    上記工程iiで求めた上記比と、上記工程iiiで測定した上記皮膚表面の温度と、上記工程iiiで測定した上記皮膚表面の近傍の外気温と、に基づいて、深部温度の経時的な推定値を求める工程ivと、を含むことを特徴とする生体リズムの測定方法。
  2. 上記工程iiは、上記工程iで測定した上記深部温度をB、上記皮膚表面の温度をG、上記皮膚表面の近傍の外気温をCとし、人体の平均対流熱伝達率をJ、皮膚表面の放射率をF、シュテファン−ボルツマン定数をσ、皮下組織および筋層の厚さをD、皮下組織および筋層の熱伝導率をEとしたときに、以下の式1に基づいてE/Dの値を求めることによって行い、
    上記工程ivは、上記工程iiiで測定した上記皮膚表面の温度をG、上記工程iiiで測定した上記皮膚表面の近傍の外気温をCとしたときに、上記Gと、上記Cと、上記E/Dの値とを以下の式2;
    に代入することによって、深部温度の経時的な推定値B’を求める工程であることを特徴とする請求項1に記載の生体リズムの測定方法。
  3. 上記工程iiは、上記工程iで測定した上記深部温度をB、上記皮膚表面の温度をG、上記皮膚表面の近傍の外気温をCとし、皮下組織および筋層の厚さをD、皮下組織および筋層の熱伝導率をEとしたときに、以下の式3に基づいてD/Eの値を求めることによって行い、
    上記工程ivは、上記工程iiiで測定した上記皮膚表面の温度をG、上記工程iiiで測定した上記皮膚表面の近傍の外気温をCとしたときに、上記Gと、上記Cと、上記D/Eの値とを以下の式4;
    に代入することによって、深部温度の経時的な推定値B’を求める工程であることを特徴とする請求項1に記載の生体リズムの測定方法。
  4. 上記皮膚表面の近傍とは、上記皮膚表面と接していない位置であって、上記皮膚表面の温度を測定した位置からの距離が0cmより大きく5cm以下の位置であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の生体リズムの測定方法。
  5. 上記生体リズムがサーカディアンリズムであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の生体リズムの測定方法。
  6. 上記皮膚表面が体幹の皮膚表面であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の生体リズムの測定方法。
  7. 上記皮膚表面が上肢または下肢の皮膚表面であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の生体リズムの測定方法。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の生体リズムの測定方法を実施するための生体リズム測定装置であって、
    皮膚表面の温度を測定するための温度測定手段Aと、上記皮膚表面の近傍の外気温を測定するための温度測定手段Bとを備えることを特徴とする生体リズム測定装置。
  9. 上記温度測定手段Aおよび上記温度測定手段Bは、上記温度測定手段Aが有する面であって、上記皮膚表面の温度を測定する面である測定面と、上記温度測定手段Bが有する面であって、上記皮膚表面の近傍に存在する外気の温度を測定する面である測定面との距離が0cmより大きく5cm以下であり、かつ、上記温度測定手段Aと上記温度測定手段Bとは互いに離間して配置されることを特徴とする請求項8に記載の生体リズム測定装置。
  10. 上記温度測定手段Aおよび上記温度測定手段Bが、温度データロガーであることを特徴とする請求項8または9に記載の生体リズム測定装置。
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