JP2015028551A - 屈折率分布素子を有する光学系 - Google Patents
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Abstract
【課題】諸収差を良好に低減できる屈折率分布素子を有する光学系および光学機器を提供する。【解決手段】屈折率分布素子Ggiは第1光学材料と第2光学材料の組成比が変化している混合体からなり、屈折率分布素子を構成する第j(j=1,2)光学材料の波長λにおける屈折率をnjλ、d線に関するアッベ数をνjdとし、屈折率分布素子を有するレンズユニットの屈折力をφG、屈折率分布素子の媒質の屈折力をφgi、屈折率分布素子のg線とF線に関する等価異常分散性をΔΘgFとする時、以下の条件式を満足する。0.035<|ΔΘgF|<0.600、(n1d−1)/ν1d?α>(n2d−1)/ν2d?α、φG?φgi?ΔΘgF<0、但し、α=(n2d−n1d)/|n2d−n1d|とする。【選択図】図1
Description
本発明は、媒質が屈折率分布を有する光学素子を有する光学系に関する。
デジタルカメラやビデオカメラ等の光学機器に用いられる光学系には高性能であり、かつ小型軽量であることが求められている。一般に、光学系は小型化を図るほど諸収差、特に軸上色収差や倍率色収差に代表される色収差が多く発生し、光学性能が低下する。
既存のガラス等の光学材料のみを用いた光学系では、高性能化と小型軽量化を同時に満足することは難しい。このため、光学系の一部に、媒質が屈折率分布を有する光学素子を用いることで諸収差を補正(低減)する方法が知られている。
このような屈折率分布を有する光学素子は、その媒質の屈折率が均質な光学素子と比較して収差補正の自由度が大きい。色収差補正のために屈折率分布を有する光学素子を含む光学系が特許文献1および特許文献2に開示されている。
また、光軸に直交する方向に屈折率分布を有するレンズにおいて、分散を考慮して2次スペクトルを補正した光学系が特許文献3に開示されている。
しかしながら、特許文献1〜3にて開示された光学系では、屈折率分布による屈折作用の波長分散特性が十分に考慮されていない。屈折率分布を有する光学素子を、屈折率分布を持たない屈折光学素子と等価なものとして扱い、焦点距離、アッベ数および部分分散比の値を等価的に定義する。この場合の屈折率分布による媒質の屈折作用における波長分散は、それら等価的に定義されたアッベ数(本明細書では等価アッベ数という)および部分分散比(本明細書では等価部分分散比という)等によって表すことができる。
特に、F線(486.1nm)、d線(587.6nm)およびC線(656.3nm)にg線(435.8nm)を含めた4波長の光線に対する屈折率分布による屈折作用の分散特性を考慮すれば、2次スペクトルを良好に補正することが可能である。
また、特許文献1〜3には、屈折率分布を有する光学素子を作成するための材料の特性等についての記載が十分ではなく、目標とする屈折率分布を実現するための方法が明確ではない。
本発明は、諸収差を良好に低減できる屈折率分布素子を有する光学機器を提供する。
屈折率分布素子を有する光学系において、
前記屈折率分布素子は第1光学材料と第2光学材料の組成比が変化している混合体からなり、
前記屈折率分布素子を構成する第j(j=1,2)光学素子の波長λにおける屈折率をnjλとし、
前記屈折率分布素子を構成する第j(j=1,2)光学素子のd線に関するアッベ数をνjdとし、
前記屈折率分布素子を有するレンズユニットの屈折力をφG、
前記屈折率分布素子の媒質の屈折力をφgi、
前記屈折率分布素子のg線とF線に関する等価異常分散性をΔΘgF
とする時、以下の条件式を満足することを特徴とする光学系。
前記屈折率分布素子は第1光学材料と第2光学材料の組成比が変化している混合体からなり、
前記屈折率分布素子を構成する第j(j=1,2)光学素子の波長λにおける屈折率をnjλとし、
前記屈折率分布素子を構成する第j(j=1,2)光学素子のd線に関するアッベ数をνjdとし、
前記屈折率分布素子を有するレンズユニットの屈折力をφG、
前記屈折率分布素子の媒質の屈折力をφgi、
前記屈折率分布素子のg線とF線に関する等価異常分散性をΔΘgF
とする時、以下の条件式を満足することを特徴とする光学系。
0.035<|ΔΘgF|<0.600
(n1d−1)/ν1d×α>(n2d−1)/ν2d×α
φG×φgi×ΔΘgF<0
但し、d線に関する等価アッベ数Vd及びg線とF線に関する等価部分分散比ΘgFを各々
Vd=(n2d−n1d)/{(n2F−n1F)−(n2C−n1C)}
ΘgF={(n2g−n1g)−(n2F−n1F)}
/{(n2F−n1F)−(n2C−n1C)}
とする時、g線とF線に関する等価異常分散性ΔΘgFは
ΘgF0=−1.665×10−7|Vd|3+5.213×10−5|Vd|2
−5.656×10−3|Vd|+0.7278
ΔΘgF=ΘgF−ΘgF0
で表され、αを
α=(n2d−n1d)/|n2d−n1d|
とする。
(n1d−1)/ν1d×α>(n2d−1)/ν2d×α
φG×φgi×ΔΘgF<0
但し、d線に関する等価アッベ数Vd及びg線とF線に関する等価部分分散比ΘgFを各々
Vd=(n2d−n1d)/{(n2F−n1F)−(n2C−n1C)}
ΘgF={(n2g−n1g)−(n2F−n1F)}
/{(n2F−n1F)−(n2C−n1C)}
とする時、g線とF線に関する等価異常分散性ΔΘgFは
ΘgF0=−1.665×10−7|Vd|3+5.213×10−5|Vd|2
−5.656×10−3|Vd|+0.7278
ΔΘgF=ΘgF−ΘgF0
で表され、αを
α=(n2d−n1d)/|n2d−n1d|
とする。
本発明によれば、屈折率分布素子を有する光学系であって、色収差等の諸収差を十分に低減する(補正する)ことが可能な光学系を実現することができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
まず、後述する本発明の実施例に共通する事項について説明する。実施例の光学系は、媒質中に屈折率分布を有する光学素子を有する。そして、該屈折率分布の波長特性について、後述する条件を満足する。
実施例の光学系は、デジタルスチルカメラ、銀塩フィルムカメラ、ビデオカメラ、望遠鏡、双眼鏡、複写機、プロジェクタ等の光学機器の一部に用いられる。
実施例の光学系に適用した光学素子を構成する「光学材料」とは、光学系に適用して使用する状態で固体となっている材料である。製造時等の光学系に使用する前の状態では、どのような状態であってもよい。例えば、製造時には液体材料であっても、それを硬化させて固体材料としたものも光学材料に該当する。
実施例の光学系におけるレンズユニット(レンズ群)とは、フォーカスやズームや防振等に際して一体となって動く、単独もしくは複数枚のレンズのことを指す。
実施例の光学系に適用した屈折率分布を有する光学素子は、媒質中の屈折率分布によって入射した光線に位相差を与え、屈折率分布を持たない媒質(均質媒質)による凸レンズや凹レンズのような光線収束作用又は光線発散作用を有する。
屈折率分布の種類としては、光軸に直交する方向に屈折率分布があるラジアル屈折率分布や、光軸方向に屈折率分布があるアキシャル屈折率分布等がある。
また、屈折率分布を有する光学素子では、界面での屈折に加えて、媒質中で光線を屈折させる。このため、均質媒質の光学素子と比較すると、収差補正の自由度が大きい。
媒質中に屈折率分布を形成する方法は種々提案されており、イオン交換法、ゾルゲル法、3次元プリンティング技術等がある。
イオン交換法では、イオン交換が可能なイオンを含有する材料を、溶液に浸水させて屈折率分布を得る。ゾルゲル法では、シリコンを主成分としたゾルを調合してゲルを得て、ゲルに所望の屈折率分布を付与し、乾燥・焼結等によりガラス体を得る。3次元プリンティング技術では、屈折率の異なる媒質を複数層成形して、屈折率分布を付与する。
これらの方法では、媒質中の複数材料に、所望の組成比率の分布を作成することで屈折率分布を得ている。
屈折率分布の波長分散を考えると、各波長について同様の屈折率分布があるならば、媒質による屈折成分としては色収差が発生しない。しかし、上記のように複数材料の組成比率を変化させて屈折率分布を作る場合には、各波長での屈折率分布量、すなわち屈折率分布の波長分散が存在する。
本発明の屈折率分布素子は第1光学材料と第2光学材料の組成比が変化している混合体からなる。屈折率分布素子を構成する第j材料(j=1,2)の波長λにおける屈折率をnjλとし、d線に関するアッベ数をνjdとする。フラウンフォーファ線であるg線(435.8nm)、F線(486.1nm)、d線(587.6nm)およびC線(656.3nm)に関する屈折率を用ると、第j材料のd線に関するアッベ数νjd及び、g線とF線に関する部分分散比θjgFは以下のように表される。
νjd=(njd−1)/(njF−njC)
θjgF=(njg−njF)/(njF−njC)
屈折率分布素子のd線に関する等価アッベ数をVd、g線とF線に関する等価部分分散比をΘgF、g線とd線に関する等価異常分散性をΔΘgFとする。媒質の屈折におけるg線とF線に関する等価異常分散性ΔΘgFは、d線に関する等価アッベ数Vdを用いて以下のように表す。
θjgF=(njg−njF)/(njF−njC)
屈折率分布素子のd線に関する等価アッベ数をVd、g線とF線に関する等価部分分散比をΘgF、g線とd線に関する等価異常分散性をΔΘgFとする。媒質の屈折におけるg線とF線に関する等価異常分散性ΔΘgFは、d線に関する等価アッベ数Vdを用いて以下のように表す。
Vd=(n2d−n1d)/{(n2F−n1F)−(n2C−n1C)}
ΘgF={(n2g−n1g)−(n2F−n1F)}
/{(n2F−n1F)−(n2C−n1C)}
ΘgF0=−1.665×10−7|Vd|3+5.213×10−5|Vd|2
−5.656×10−3|Vd|+0.7278
ΔΘgF=ΘgF−ΘgF0
上記異常分散性を表す式は、一般的な光学材料のd線に関するアッベ数νd及び、g線とF線に関する部分分散比θgFと置き換えることが可能である。
ΘgF={(n2g−n1g)−(n2F−n1F)}
/{(n2F−n1F)−(n2C−n1C)}
ΘgF0=−1.665×10−7|Vd|3+5.213×10−5|Vd|2
−5.656×10−3|Vd|+0.7278
ΔΘgF=ΘgF−ΘgF0
上記異常分散性を表す式は、一般的な光学材料のd線に関するアッベ数νd及び、g線とF線に関する部分分散比θgFと置き換えることが可能である。
θgF0=−1.665×10−7|νd|3+5.213×10−5|νd|2
−5.656×10−3|νd|+0.7278
ΔθgF=θgF−θgF0
θgF0は一般的な光学材料のd線に関するアッベ数νdとg線とF線に関する部分分散比θgFの関係を示しており、高分散の材料ほどg線とF線に関する部分分散比θgFが大きくなる傾向があることを表している。
−5.656×10−3|νd|+0.7278
ΔθgF=θgF−θgF0
θgF0は一般的な光学材料のd線に関するアッベ数νdとg線とF線に関する部分分散比θgFの関係を示しており、高分散の材料ほどg線とF線に関する部分分散比θgFが大きくなる傾向があることを表している。
また、実施例にいう媒質の屈折におけるg線とF線に関する異常分散性ΔΘgFおよび等価アッベ数Vdは次の通りである。
屈折率が媒質中で均質である光学素子(以下、均質レンズという)において、光線は媒質と雰囲気との界面で屈折するが、媒質中では屈折しない。媒質の屈折率は波長によって変化するため、均質レンズの界面で屈折する光線は波長によって屈折角が異なり、色収差が生じる。
屈折作用とは光束の位相差から生じる現象であり、均質レンズにおいては形状の変化により位相差を与えている。形状の変化とは、例えば均質レンズの界面を球面形状とすることである。
一方、媒質が屈折率分布を有する光学素子(以下、屈折率分布レンズという)では、光線は、媒質と雰囲気との界面で屈折するのに加え、媒質中でも屈折する。そして、屈折率分布の波長分散によって、媒質中での屈折においても色収差が発生する。
媒質中の屈折率分布による位相差は、媒質中の基準となる位置での屈折率と、光線が通過する位置での屈折率の差分によって生じる。このときの波長分散は、各波長の屈折率の差分によって決まる。
屈折率分布レンズの媒質の波長分散を、均質レンズで発生する色収差と等しくなるような波長分散特性を有する仮想ガラスの波長分散として置き換えて考えることで、媒質の屈折におけるアッベ数及び部分分散比を等価的に扱うことが可能となる。つまり、媒質中の屈折における波長分散は、等価アッベ数および等価部分分散比を用いることで、仮想的な屈折レンズと置き換えることが可能となる。
媒質中において、光軸に直交する方向に屈折率が変化する屈折率分布をラジアル屈折率分布という。ラジアル屈折率分布の波長λにおける屈折率は、該光軸を基準として、該光軸に直交する方向の距離をrとすると、係数Nλ2iRを用いて次式で表すことができる。
このとき、d線に関するアッベ数νd(r)、g線とF線に関する部分分散比θgF(r)はそれぞれ次のように表される。
νd(r) ={nd(r)−1}/{nF(r)−nC(r)}
θgF(r) ={ng(r)−nF(r)}/{nF(r)−nC(r)}
ラジアル屈折率分布では、光軸上の屈折率を基準として、rにおける媒質中の屈折率差δnλ(r)は以下の式で表すことができる。
θgF(r) ={ng(r)−nF(r)}/{nF(r)−nC(r)}
ラジアル屈折率分布では、光軸上の屈折率を基準として、rにおける媒質中の屈折率差δnλ(r)は以下の式で表すことができる。
δnλ(r)=nλ(r)−nλ(0)
また、r(≠0)におけるラジアル屈折率分布素子の等価アッベ数Vd(r)および等価部分分散比ΘgF(r),Θgd(r)は以下のように表される。
また、r(≠0)におけるラジアル屈折率分布素子の等価アッベ数Vd(r)および等価部分分散比ΘgF(r),Θgd(r)は以下のように表される。
Vd(r)=δnd(r)/{δnF(r)−δnC(r)}
ΘgF(r)={δng(r)−δnF(r)}/{δnF(r)−δnC(r)}
媒質の屈折におけるg線とF線に関する異常分散性ΔΘgFはそれぞれ以下のように表される。
ΘgF(r)={δng(r)−δnF(r)}/{δnF(r)−δnC(r)}
媒質の屈折におけるg線とF線に関する異常分散性ΔΘgFはそれぞれ以下のように表される。
ΔΘgF(r)=ΘgF(r)−ΘgF0(r)
と表される。但し、ΘgF0(r)はそれぞれ、等価アッベ数Vd(r)を用いて以下のように表される。
と表される。但し、ΘgF0(r)はそれぞれ、等価アッベ数Vd(r)を用いて以下のように表される。
ΘgF0(r)=−1.665×10−7Vd(r)3+5.213×10−5Vd(r)2
−5.656×10−3Vd(r)+0.7278
屈折率分布素子の厚みをtとする時、ラジアル屈折率分布素子のd線における近軸屈折力をφgiは以下のように表される。
−5.656×10−3Vd(r)+0.7278
屈折率分布素子の厚みをtとする時、ラジアル屈折率分布素子のd線における近軸屈折力をφgiは以下のように表される。
φgi≒−2t×Nd2R
媒質中において、光軸方向に屈折率が変化する屈折率分布を、アキシャル屈折率分布という。アキシャル屈折率分布の波長λにおける屈折率は、媒質中の最も光入射側の点から光軸方向への距離tとすると、次の式で表すことができる。
媒質中において、光軸方向に屈折率が変化する屈折率分布を、アキシャル屈折率分布という。アキシャル屈折率分布の波長λにおける屈折率は、媒質中の最も光入射側の点から光軸方向への距離tとすると、次の式で表すことができる。
このとき、d線に関するアッベ数νd(t)、g線とF線に関する部分分散比θgF(t)、媒質中の屈折率差δnλ(t)、等価アッベ数Vd(t)および等価部分分散比ΘgF(t)、媒質の屈折におけるg線とF線に関する異常分散性ΔΘgFは、上記のラジアル屈折率分布の各数値において、rをtに置き換え、屈折率の基準となる位置を光軸上から媒質の最も光入射側の点に置き換えることで計算可能である。
屈折率分布素子を有するレンズユニットの屈折力をφGとする。前記屈折率分布素子の媒質による屈折力をφgiとする。このとき、本発明の光学系が有する屈折率分布レンズは、以下の条件を満足する。
0.035<|ΔΘgF|<0.60 …(1)
(n1d−1)/ν1d×α>(n2d−1)/ν2d×α …(2)
φG×φgi×ΔΘgF<0 …(3)
このとき条件(2)のαは以下のように表される。
(n1d−1)/ν1d×α>(n2d−1)/ν2d×α …(2)
φG×φgi×ΔΘgF<0 …(3)
このとき条件(2)のαは以下のように表される。
α=(n2d−n1d)/|n2d−n1d|
条件(1)は媒質の屈折におけるg線とF線の異常分散性の数値範囲を規定しており、上記数値範囲を満足する場合には光学系の色収差を良好に低減することが可能となる。条件(1)の式が下限値を下回る場合には、屈折率分布による屈折作用の異常分散性が弱まり、色収差を低減するためには大きなパワーを必要とする。このとき、媒質内の屈折率差を大きくとる必要があるが、材料選択範囲が限られており、異なる材料を比較的高濃度で分散させることは困難である。また、媒質の屈折力を強めていくと、色収差以外の諸収差の変化も顕著となるため、諸収差と色収差の両者を良好に低減することが困難となる。上記数値範囲の上限を超える特性を得るには、限られた材料選択範囲からは困難である。更には、短波長側の異常分散性だけではなく、長波長側の異常分散性も適切な範囲にしなければ、可視域全域の色収差を補正することができない。
条件(1)は媒質の屈折におけるg線とF線の異常分散性の数値範囲を規定しており、上記数値範囲を満足する場合には光学系の色収差を良好に低減することが可能となる。条件(1)の式が下限値を下回る場合には、屈折率分布による屈折作用の異常分散性が弱まり、色収差を低減するためには大きなパワーを必要とする。このとき、媒質内の屈折率差を大きくとる必要があるが、材料選択範囲が限られており、異なる材料を比較的高濃度で分散させることは困難である。また、媒質の屈折力を強めていくと、色収差以外の諸収差の変化も顕著となるため、諸収差と色収差の両者を良好に低減することが困難となる。上記数値範囲の上限を超える特性を得るには、限られた材料選択範囲からは困難である。更には、短波長側の異常分散性だけではなく、長波長側の異常分散性も適切な範囲にしなければ、可視域全域の色収差を補正することができない。
条件(2)は屈折率分布レンズを構成する材料の光学特性の関係を規定したものである。条件(2)を満足する場合には、d線に関する等価アッベ数Vdは負の値をとる。つまり、d線のアッベ数νdが正の値をとる一般の光学材料とは逆の波長分散特性をとることになる。このとき、d線に関するアッベ数νdが正の値をとる一般の光学材料と同符号の屈折力を与えるときに色消しが可能となり、ペッツバール和の符号が異符号となる。これによれば像面特性を補正することが容易となる。
条件(3)は光学系の色収差を低減するための数値範囲を表している。一般的に、光学系は分散の異なる凸レンズと凹レンズを組み合わせて色収差を低減させる。
例えば、正の屈折力を有するレンズユニットの色消しをする場合、低分散の凸レンズと高分散の凹レンズを組み合わせることが考えられる。しかし、可視域全域での色収差補正を考える場合には、分散もしくはd線に関するアッベ数νdに加えて、例えばg線とF線に関する部分分散比θgFまで考慮する必要がある。前述の正の屈折力を有するレンズユニットの色消しをする場合には、低分散の凸レンズと高分散の凹レンズ各々のg線とF線に関する部分分散比θgFの値が同程度となれば、可視域全域において色消しが可能となる。但し、一般的な光学材料は高分散になるほどg線とF線に関する部分分散比θgFが大きくなる傾向にあるため、短波長側の色収差が残存しやすい。そこで、条件式(1)で表される一般的な光学材料の部分分散特性とは異なる光学要素を用いることで、色収差を低減することが可能となる。このとき、一般的な光学材料で残存しやすい短波長側の色収差を低減するためには条件(3)を満足する必要がある。条件式(3)を満足しない場合には、一般的な光学材料で残存しやすい短波長側の色収差を増長してしまうため好ましくない。特に、ズームやフォーカスによってレンズユニットが動く場合には、各レンズユニットでの色収差を低減することが好ましいので、条件(3)には屈折率分布レンズを有するレンズユニットの屈折力φGが含まれている。
屈折率分布レンズを作成する方法として、屈折率分布レンズを構成する媒質が、ベース光学材料と、少なくとも1つの光学材料分散体との混合体からなる場合を考える。屈折率分布を作るには、該ベース光学材料と該光学材料分散体との組成比率を媒質中で分布(変化)させればよい。
本発明で適用する屈折率分布レンズを実現するには、例えば固体材料に微粒子を混合させ、その混合比率を媒質中で変化させる方法がある。これによれば、屈折率分布レンズの諸特性は条件(1)〜(3)を満足する。
混合する微粒子としては、例えば、Al2O3(nd=1.7214,νd=70.05)、ZrO2(nd=1.9162,νd=38.99)、YAG(nd=1.8320,νd=52.00)、Y2O3(nd=1.9160,νd=36.64)等がある。
散乱を考慮すると、これらの微粒子の粒径は50nm程度以下が好ましく、凝集を抑えるために分散剤等を添加してもよい。
なお、上記条件(1)〜(3)を満足すれば、製法および材料は上述したものに限定されない。
微粒子を分散させた混合体において、波長λでの屈折率N(λ)は、Maxwell−Garnet理論に基づく関係式から導き出すことができる。
但し、波長λの関数であるεavは混合体の比誘電率、εpは分散する微粒子等の比誘電率であり、εmは微粒子等を分散させる母材の比誘電率であり、ηは母材の体積に対する微粒子等の総体積の分率である。各波長における混合体の比誘電率から屈折率は以下の式を用いて計算することができる。
また、複数の固体材料を混合させた場合の屈折率についても、同様にMaxwell−Garnet理論に基づく関係式から計算することが可能である。
上式より混合比を変化させた場合の等価アッベ数Vd及び等価部分分散比ΘgFを計算することが可能となるが、その数値は濃度によって大きく変化しない。つまり、混合する材料同士の光学特性の関係により等価アッベ数Vd及び等価部分分散比ΘgFの値を計算することが可能となる。
表1に上記各微粒子及び、微粒子を分散させるベース材料しての固体材料の各波長での屈折率、d線に関するアッベ数νd、g線とF線に関する部分分散比θgFおよびg線とd線に関する部分分散比θgdを示す。
実施例における屈折率分布を有する光学素子では、媒質中の位置pに応じて固体材料と光学材料の組成比率を変化させている。これによれば、媒質中の位置pに応じてg線とF線に関する部分分散比θgF(p)が変化することとなる。このとき、媒質中の位置pに関して、部分分散比θgF(p)の変化量を大きくするほど、媒質での屈折に関する等価部分分散比の異常分散性ΔΘgF(p)の絶対値が大きくなる傾向にある。ΔΘgF(p)の絶対値が大きいほど、以下で説明する色収差補正効果をより得やすくなる。
実施例では、一般的な光学材料の部分分散比と比較して、g線とF線に関する等価部分分散比ΘgFの値が大きい又は小さい光学素子を用いることにより、良好な色収差補正を可能としている。
光学材料の屈折率の波長分散特性において、等価アッベ数は分散特性曲線の傾きを表し、等価部分分散比は分散特性曲線の曲がり具合を表す。これは均質媒質を構成する材料のアッベ数及び部分分散比と同様である。
一般的に光学材料で屈折率分布素子を作成すると、短波長側の屈折率分布が長波長側の屈折率分布よりも変化が大きく、d線に関する等価アッベ数、g線とF線に関する等価部分分散比、g線とd線に関する等価部分分散比はそれぞれ正の値となる。このため、分散特性曲線(波長に対する屈折率の特性)は下に凸状の形状となる。さらに、短波長側ほど波長の変化に対する屈折率分布の変化が大きくなる。
また、一般の光学材料において、部分分散比はアッベ数に対して低分散領域ではほぼ直線的な変化をし、高分散になるにつれて変化の度合いは大きくなる傾向にある。このような分布から外れたものが異常分散性を有する光学材料である。
本発明の光学系に適用されている異常分散性を有する屈折率分布素子を用いることにより、光学系の色収差、特に可視光領域における短波長側の2次スペクトルを良好に補正することが可能となる。
実施例の光学系に適用されている光学素子は、一般の光学材料と組み合わせて、色収差をはじめとする諸収差を補正する。このため、等価部分分散比は異常分散性を持つことが収差補正上必要ではあるが、異常分散性が大き過ぎると色収差の補正が困難となる。
一般の光学材料とかけ離れた特性を有する材料からなるレンズを用いた場合、色収差係数の波長依存特性の変化は特に大きくなる。その大きな変化を補正し、色収差補正をするには、他のレンズのパワーも大きく変化させる必要がある。但し、パワーを大きく変化させると球面収差やコマ収差や非点収差等の収差に大きな影響を及ぼすため、収差補正が困難となる。
このため、屈折率分布レンズの波長分散に関する条件(1)の数値範囲を以下の範囲とすれば、更に良好に色収差を補正することができる。
0.040<|ΔΘgF|<0.58 …(1a)
また、収差補正の観点から、更に望ましくは、(1a)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
また、収差補正の観点から、更に望ましくは、(1a)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
0.050<|ΔΘgF|<0.57 …(1b)
更に望ましくは、(1b)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
更に望ましくは、(1b)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
0.060<|ΔΘgF|<0.56 …(1c)
各実施例では、条件式(1)〜(3)を満足する屈折率分布レンズを光学系中に使用している。これらの屈折率分布レンズの屈折面は非球面形状を有していてもよい。これによれば色の球面収差等の色収差フレアを補正することが容易となる。また、これらの光学素子と空気等の雰囲気や屈折率差が大きい光学材料とで境界面を形成すれば、境界面の僅かな曲率変化で色収差を比較的大きく変化させることができ、この結果、色収差の補正が容易となる。
各実施例では、条件式(1)〜(3)を満足する屈折率分布レンズを光学系中に使用している。これらの屈折率分布レンズの屈折面は非球面形状を有していてもよい。これによれば色の球面収差等の色収差フレアを補正することが容易となる。また、これらの光学素子と空気等の雰囲気や屈折率差が大きい光学材料とで境界面を形成すれば、境界面の僅かな曲率変化で色収差を比較的大きく変化させることができ、この結果、色収差の補正が容易となる。
屈折率分布レンズのd線に関する等価アッベ数Vdは、高分散の方が屈折力の変化に対する色収差の変化が大きくなるため、比較的小さいパワー変化で色収差をコントロールすることが可能となる。このため、d線に関する等価アッベ数Vdは以下の数値範囲を満足することが好ましい。
−80<Vd …(4)
更に望ましくは、(4)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
更に望ましくは、(4)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
−60<Vd …(4a)
更に望ましくは、(4a)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
更に望ましくは、(4a)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
−55<Vd …(4b)
更に望ましくは、(4b)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
更に望ましくは、(4b)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
−50<Vd …(4c)
更に望ましくは、(4c)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
更に望ましくは、(4c)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
−45<Vd …(4d)
また、可視光領域において良好な色消しを実現するためには、短波長域の部分分散比だけでなく、長波長域における部分分散比も考慮する必要がある。
また、可視光領域において良好な色消しを実現するためには、短波長域の部分分散比だけでなく、長波長域における部分分散比も考慮する必要がある。
ここで、g線とd線に関する部分分散比θgd及び、d線とC線に関する部分分散比θdCは以下で定義される。
θgd=(ng−nd)/(nF−nC)
θdC=(nd−nC)/(nF−nC)
一般的な光学材料において、可視光領域の短波長域の部分分散比と長波長域における部分分散比はほぼ一様に分布しており、以下の式で表すことができる。
θdC=(nd−nC)/(nF−nC)
一般的な光学材料において、可視光領域の短波長域の部分分散比と長波長域における部分分散比はほぼ一様に分布しており、以下の式で表すことができる。
θgd0=−1.687×10−7|νd|3+5.702×10−5|νd|2
−6.603×10−3|νd|+1.462
θdC0=−0.1968θgd+0.548
このとき、可視光領域の長波長域における異常分散性は以下の式で表される。
−6.603×10−3|νd|+1.462
θdC0=−0.1968θgd+0.548
このとき、可視光領域の長波長域における異常分散性は以下の式で表される。
Δθgd=θgd−θgd0
δθdC=θdC−θdC0
これらの波長分散特性を屈折率分布素子で考える場合には、等価アッベ数及び等価部分分散比等に置き換えることで、同様に扱うことが可能である。
δθdC=θdC−θdC0
これらの波長分散特性を屈折率分布素子で考える場合には、等価アッベ数及び等価部分分散比等に置き換えることで、同様に扱うことが可能である。
Θgd={(n2g−n1g)−(n2d−n1d)}
/{(n2F−n1F)−(n2C−n1C)}
Θdc={(n2d−n1d)−(n2C−n1C)}
/{(n2F−n1F)−(n2C−n1C)}
Θgd0=−1.687×10−7|Vd|3+5.702×10−5|Vd|2
−6.603×10−3|Vd|+1.462
ΘdC0=−0.1968Θgd+0.548
ΔΘgd=Θgd−Θgd0
δΘdC=ΘdC−ΘdC0
条件(1)を満足した上で、g線とd線に関する異常分散性ΔΘgdの値が以下の数値範囲を満足する場合、可視光領域全域において色収差を低減することが可能となる。
/{(n2F−n1F)−(n2C−n1C)}
Θdc={(n2d−n1d)−(n2C−n1C)}
/{(n2F−n1F)−(n2C−n1C)}
Θgd0=−1.687×10−7|Vd|3+5.702×10−5|Vd|2
−6.603×10−3|Vd|+1.462
ΘdC0=−0.1968Θgd+0.548
ΔΘgd=Θgd−Θgd0
δΘdC=ΘdC−ΘdC0
条件(1)を満足した上で、g線とd線に関する異常分散性ΔΘgdの値が以下の数値範囲を満足する場合、可視光領域全域において色収差を低減することが可能となる。
0.03<|ΔΘgd|<0.8 …(5)
更に望ましくは、(5)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
更に望ましくは、(5)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
0.035<|ΔΘgd|<0.7 …(5a)
更に望ましくは、(5a)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
更に望ましくは、(5a)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
0.04<|ΔΘgd|<0.65 …(5b)
更に望ましくは、(5b)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
更に望ましくは、(5b)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
0.05<|ΔΘgd|<0.6 …(5c)
媒質の屈折における、可視光領域の長波長域における異常分散性δΘdCが小さい値となる場合、一般的な光学材料と組み合わせて色消しをする場合に、可視光領域全域を良好に補正することが可能となる。可視光領域の長波長域における異常分散性δΘdCは以下の数値範囲を満足することが好ましい。
媒質の屈折における、可視光領域の長波長域における異常分散性δΘdCが小さい値となる場合、一般的な光学材料と組み合わせて色消しをする場合に、可視光領域全域を良好に補正することが可能となる。可視光領域の長波長域における異常分散性δΘdCは以下の数値範囲を満足することが好ましい。
|δΘdC|<0.5 …(6)
更に望ましくは、(6)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
更に望ましくは、(6)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
|δΘdC|<0.4 …(6a)
更に望ましくは、(6a)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
更に望ましくは、(6a)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
|δΘdC|<0.3 …(6b)
更に望ましくは、(6b)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
更に望ましくは、(6b)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
|δΘdC|<0.25 …(6c)
更に望ましくは、(6c)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
更に望ましくは、(6c)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
|δΘdC|<0.2 …(6d)
複数の光学材料の混合体から屈折率分布レンズを構成する場合、少なくとも1以上の光学材料が異常分散特性を有していることが好ましい。これによれば、諸収差を良好に低減し、コンパクトで、高性能な光学系が得られる。すなわち、屈折率分布レンズを構成する光学材料のうち、少なくとも1以上の光学材料において、g線とF線に関する異常分散性ΔθgFが以下の条件式を満足することが好ましい。
複数の光学材料の混合体から屈折率分布レンズを構成する場合、少なくとも1以上の光学材料が異常分散特性を有していることが好ましい。これによれば、諸収差を良好に低減し、コンパクトで、高性能な光学系が得られる。すなわち、屈折率分布レンズを構成する光学材料のうち、少なくとも1以上の光学材料において、g線とF線に関する異常分散性ΔθgFが以下の条件式を満足することが好ましい。
|ΔθgF|>0.025 …(7)
更に望ましくは、(7)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
更に望ましくは、(7)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
|ΔθgF|>0.030 …(7a)
更に望ましくは、(7a)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
更に望ましくは、(7a)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
|ΔθgF|>0.035 …(7b)
更に望ましくは、(7b)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
更に望ましくは、(7b)の数値範囲を以下に示す範囲とするのがよい。
|ΔθgF|>0.040 …(7c)
上述の屈折率分布レンズの等価的な波長分散は、2つの光学材料の特性から算出している。3以上の光学材料の混合体からなる屈折率分布レンズの等価的な波長分散を計算する場合には、2材料について上述の通りに等価的な波長分散を計算し、その混合体に更に別の光学材料を混合させることで、上述の式を3材料の混合体に拡張することが可能となる。
上述の屈折率分布レンズの等価的な波長分散は、2つの光学材料の特性から算出している。3以上の光学材料の混合体からなる屈折率分布レンズの等価的な波長分散を計算する場合には、2材料について上述の通りに等価的な波長分散を計算し、その混合体に更に別の光学材料を混合させることで、上述の式を3材料の混合体に拡張することが可能となる。
以下、上述の屈折率分布レンズを用いた光学系の具体的な実施例について説明する。
図1は実施例1の光学系のレンズ断面図である。図2は実施例1の光学系が無限遠物体に合焦したときの収差図である。図3は実施例2の光学系のレンズ断面図である。図4は実施例2の光学系が無限遠物体に合焦したときの収差図である。図5は実施例3の光学系のレンズ断面図である。図6は実施例3の光学系が無限遠物体に合焦したときの収差図である。図7は実施例4の光学系のレンズ断面図である。図8は実施例4の光学系が無限遠物体に合焦したときの収差図である。図9は実施例5の光学系の広角端におけるレンズ断面図である。図10(a),(b),(c)はそれぞれ、実施例5の光学系が広角端、中間ズーム位置、望遠端において無限遠物体に合焦したときの収差図である。図11は実施例6の光学系のレンズ断面図である。図12は実施例6の光学系が無限遠物体に合焦したときの収差図である。
各実施例の光学系は、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、銀塩フィルムカメラ等の撮像装置に用いられる撮影レンズ系である。レンズ断面図において、左方が物体側(前方)、右方が像側(後方)である。
なお、各実施例の光学系をプロジェクタ等の投射レンズとして用いるときは、左方が投射面(スクリーン)側、右方が投射面に投射される原画側である。
レンズ断面図において、iは物体側からのレンズユニットの順番を示し、Liは第iレンズユニットである。SPは開口絞りである。IPは像面であり、撮像装置における固体撮像素子の撮像面や銀塩フィルムカメラのフィルム面に相当する感光面が配置される。
Ggiは屈折率分布レンズを表す。各実施例の光学系は、屈折率分布レンズを少なくとも1つ含む。
収差図において、d、g、C、Fはそれぞれd線、g線、C線およびF線に関する収差であることを示す。ΔMおよびΔSはそれぞれメリディオナル像面およびサジタル像面である。ωは半画角、FnoはFナンバーである。
[実施例1]
図1に示す実施例1(数値例1)の光学系は、物体側から像側へ順に、フォーカスに際して不動である正の屈折力を有する第1レンズユニットL1と、フォーカスのために光軸方向に移動する負の屈折力を有する第2レンズユニットL2と、フォーカスに際して不動である正の屈折力を有する第3レンズユニットL3とからなる。前記第3レンズユニットL3は、3つの部分群から構成され、負の屈折力を有する第3bレンズユニットは防振のために動く。この光学系は、倒立1回結像の縮小結像光学系である。
図1に示す実施例1(数値例1)の光学系は、物体側から像側へ順に、フォーカスに際して不動である正の屈折力を有する第1レンズユニットL1と、フォーカスのために光軸方向に移動する負の屈折力を有する第2レンズユニットL2と、フォーカスに際して不動である正の屈折力を有する第3レンズユニットL3とからなる。前記第3レンズユニットL3は、3つの部分群から構成され、負の屈折力を有する第3bレンズユニットは防振のために動く。この光学系は、倒立1回結像の縮小結像光学系である。
実施例1の光学系は、焦点距離が294mm、望遠比(第1レンズ面から像面までの光軸方向に沿う長さを焦点距離で割った値)0.82の望遠レンズである。
実施例1では、第1レンズユニットL1に、表1に示すポリカーボネート(PC)にAl2O3微粒子を組成比率を変化させて分散させた媒質により形成された屈折率分布レンズGgiを用いている。
この屈折率分布レンズGgiは、光軸に直交する方向(径方向)に屈折率が変化するラジアル屈折率分布レンズである。屈折率分布レンズGgiの媒質は、ポリカーボネート(PC)に対して、Al2O3微粒子を、体積比で最大で50.0%、最小で0%分散させた混合体である。濃度は径方向に、2次関数として変化している。屈折率分布レンズGgiの光軸から径方向にAl2O3微粒子の組成比率が減少している。このため、屈折率分布レンズGgiの媒質において、g線とF線に関する部分分散比は、光軸上で最小値をとり、径方向での最外有効位置(以下、有効径位置という)で最大値となる。
屈折率分布による媒質の屈折力は正である。媒質の屈折におけるg線とF線の異常分散性ΔΘgFは負である。
実施例1の光学系は物体側のレンズユニットの屈折力が正であり、像側のレンズユニットの屈折力が負である、テレフォトタイプのパワー配置となっている。本実施例では、開口絞りSPよりも物体側で、近軸軸上光線の通過位置が比較的高い、開口絞りSPよりも前方の第1レンズユニットL1に、屈折率分布レンズGgiを配置することで諸収差、特に色収差を良好に補正している。
本実施例では、屈折率分布レンズGgiの光入射面と光射出面のいずれも平面形状であるが、球面形状及び非球面形状としてもよい。
[実施例2]
図3に示す実施例2(数値例2)の光学系は、物体側から像側へ順に、フォーカスに際して不動である負の屈折力を有する第1レンズユニットL1と、フォーカスのために光軸方向に移動する正の屈折力を有する第2レンズユニットL2からなる。前記第2レンズユニットL2は、開口絞りSPを有している。この光学系は、倒立1回結像の縮小結像光学系である。
図3に示す実施例2(数値例2)の光学系は、物体側から像側へ順に、フォーカスに際して不動である負の屈折力を有する第1レンズユニットL1と、フォーカスのために光軸方向に移動する正の屈折力を有する第2レンズユニットL2からなる。前記第2レンズユニットL2は、開口絞りSPを有している。この光学系は、倒立1回結像の縮小結像光学系である。
実施例2の光学系は、焦点距離が24.5mm、半画角ωが41.5°の広角レンズである。
実施例2では、第2レンズユニットL2に、表1に示すポリカーボネート(PC)にAl2O3微粒子を組成比率を変化させて分散させた媒質により形成された屈折率分布レンズGgiを用いている。
この屈折率分布レンズGgiは、光軸に直交する方向(径方向)に屈折率が変化するラジアル屈折率分布レンズである。屈折率分布レンズGgiの媒質は、ポリカーボネート(PC)に対して、Al2O3微粒子を、体積比で最大で30.0%、最小で0%分散させた混合体である。濃度は径方向に、2次関数として変化している。屈折率分布レンズGgiの光軸から径方向にAl2O3微粒子の組成比率が減少している。このため、屈折率分布レンズGgiの媒質において、g線とF線に関する部分分散比は、光軸上で最小値をとり、有効径位置で最大値となる。
屈折率分布による媒質の屈折力は正である。媒質の屈折におけるg線とF線の異常分散性ΔΘgFは負である。
実施例2の光学系は、開口絞りSPより物体側の屈折力が負で、像側の屈折力が正となっており、レトロフォーカスタイプのパワー配置を有する。本実施例では、開口絞りSPよりも物体側で瞳近軸光線の通過位置が比較的高い、開口絞りSPを有する正の屈折力の第2レンズユニットL2内に屈折率分布レンズGgiを配置することで、諸収差、特に倍率色収差を良好に補正している。このとき、屈折率分布レンズGgiのΔΘgFは負となっており、媒質に正の屈折力を与えることで、可視域の全域において良好な色収差補正が可能となる。
本実施例では、屈折率分布レンズの光射出面を非球面形状としている。これによれば、複数材料の組成比を変化させて屈折率分布レンズGgiを形成する場合、濃度分布の自由度が増すため好ましい。
[実施例3]
図5に示す実施例3(数値例3)の光学系は、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズユニットL1により構成されており、前記第1レンズユニットL1は開口絞りSPを含む。この光学系はガウスタイプであり、焦点距離が51.7mmの倒立1回結像の縮小光学系である。
図5に示す実施例3(数値例3)の光学系は、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズユニットL1により構成されており、前記第1レンズユニットL1は開口絞りSPを含む。この光学系はガウスタイプであり、焦点距離が51.7mmの倒立1回結像の縮小光学系である。
実施例3では、開口絞りSPの近傍に、表1に示すUV硬化樹脂1にAl2O3微粒子を組成比率を変化させて分散させた媒質により形成された屈折率分布レンズGgiを配置している。
この屈折率分布レンズGgiは、光軸に直交する方向(径方向)に屈折率が変化するラジアル屈折率分布レンズである。屈折率分布レンズGgiの媒質は、UV硬化樹脂1に対して、Al2O3微粒子を、体積比で最大で40.0%、最小で0%分散させた混合体である。濃度は径方向に、2次関数として変化している。屈折率分布レンズGgiの光軸から径方向にAl2O3微粒子の組成比率が減少している。このため、屈折率分布レンズGgiの媒質において、g線とF線に関する部分分散比は、光軸上で最小値をとり、有効径位置で最大値となる。
屈折率分布による媒質の屈折力は正である。媒質の屈折におけるg線とF線の異常分散性ΔΘgFは負である。
実施例3の光学系は開口絞りSPに対して略対称のパワー配置となっている。本実施例では、開口絞りSP近傍で、近軸軸上光線の通過位置が比較的高い箇所に、屈折率分布レンズGgiを配置している。これによれば、瞳近軸光線の通過高さは低くなるため、軸上色収差を良好に補正することが可能となる。
本実施例では、屈折率分布レンズGgiの光入射面と光射出面のいずれも平面形状であるが、球面形状及び非球面形状としてもよい。
[実施例4]
図7に示す実施例4(数値例4)の光学系は、物体側から像側へ順に、フォーカスに際して不動である正の屈折力を有する第1レンズユニットL1と、フォーカスのために光軸方向に移動する負の屈折力を有する第2レンズユニットL2と、フォーカスに際して不動である正の屈折力を有する第3レンズユニットL3とからなる。この光学系は、倒立1回結像の縮小結像光学系である。
図7に示す実施例4(数値例4)の光学系は、物体側から像側へ順に、フォーカスに際して不動である正の屈折力を有する第1レンズユニットL1と、フォーカスのために光軸方向に移動する負の屈折力を有する第2レンズユニットL2と、フォーカスに際して不動である正の屈折力を有する第3レンズユニットL3とからなる。この光学系は、倒立1回結像の縮小結像光学系である。
実施例4の光学系は、焦点距離が294mm、望遠比(第1レンズ面から像面までの光軸方向に沿う長さを焦点距離で割った値)0.82の望遠レンズである。
実施例4では、第1レンズユニットL1に、表1に示すUV硬化樹脂3にYAG微粒子を組成比率を変化させて分散させた媒質により形成された屈折率分布レンズGgi1を用いている。また、第3レンズユニットL3には、ポリビニルカルバゾールにYAG微粒子を組成比率を変化させて分散させた媒質により形成された屈折率分布レンズGgi2を用いている。
これらの屈折率分布レンズGgi1及びGgi2は、光軸に直交する方向(径方向)に屈折率が変化するラジアル屈折率分布レンズである。屈折率分布レンズGgi1の媒質は、異常分散性を有するUV硬化樹脂3に対して、YAG微粒子を、体積比で最大で25.0%、最小で0%分散させた混合体である。濃度は径方向に、2次関数として変化している。屈折率分布レンズGgi1の光軸から径方向にYAG微粒子の組成比率が増加している。このため、屈折率分布レンズGgi1の媒質において、g線とF線に関する部分分散比は、光軸上で最大値をとり、有効径位置で最小値となる。屈折率分布レンズGgi2の媒質は、表1に示す異常分散性を有するポリビニルカルバゾールに対して、YAG微粒子を、体積比で最大で15.0%、最小で0%分散させた混合体である。濃度は径方向に、2次関数として変化している。屈折率分布レンズGgi2の光軸から径方向にYAG微粒子の組成比率が増加している。このため、屈折率分布レンズGgi2の媒質において、g線とF線に関する部分分散比は、光軸上で最大値をとり、有効径位置で最小値となる。
屈折率分布レンズGgi1の屈折率分布による媒質の屈折力は負である。媒質の屈折におけるg線とF線の異常分散性ΔΘgFは正である。屈折率分布レンズGgi2の屈折率分布による媒質の屈折力は負である。媒質の屈折におけるg線とF線の異常分散性ΔΘgFは正である。
実施例4の光学系は開口絞りSPより物体側に正の屈折力の第1レンズユニットL1、像側に負の屈折力の第2レンズユニットL2を有するテレフォトタイプのパワー配置となっている。本実施例では、開口絞りSPよりも物体側で、近軸軸上光線の通過位置が比較的高い、開口絞りSPよりも前方の第1レンズユニットL1に、屈折率分布レンズGgi1を配置することで諸収差、特に色収差を良好に補正している。また、瞳近軸光線の通過位置が比較的高い、開口絞りSPよりも後方の第3レンズユニットL3に、屈折率分布レンズGgi2を配置することで、諸収差、特に倍率色収差を良好に補正している。
本実施例では、屈折率分布レンズの光入射面と光射出面のいずれも球面形状であるが、非球面形状としてもよい。また、屈折率分布レンズGgi1では光入射面が他の材料との接合面となっている。屈折率分布レンズGgi2では光入射面及び光射出面の両方が他の材料との接合面となっている。これによれば、環境下で影響を受けやすい材料で屈折率分布レンズを形成する場合に、熱や吸湿等による変形を抑制できるために好ましい。
[実施例5]
図9に示す実施例5(数値例5)の光学系は、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズユニットL1と、負の屈折力を有する第2レンズユニットL2と、正の屈折力を有する第3レンズユニットL3、正の屈折力を有する第4レンズユニットL4を有する。この光学系は、ズーム比が約12倍の4レンズユニット構成のズームレンズである。
図9に示す実施例5(数値例5)の光学系は、物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズユニットL1と、負の屈折力を有する第2レンズユニットL2と、正の屈折力を有する第3レンズユニットL3、正の屈折力を有する第4レンズユニットL4を有する。この光学系は、ズーム比が約12倍の4レンズユニット構成のズームレンズである。
図9中の矢印は、広角端から望遠端へのズーミングの際の各レンズユニットの移動軌跡を示している。ズーミングに際して、各レンズユニットは、隣接するレンズユニット間の間隔が変化するように移動する。また、第4レンズユニットL4はフォーカスのために光軸方向に移動する。この光学系は、倒立1回結像の縮小結像光学系である。
実施例5では、第1レンズユニットL1に、屈折率分布レンズGgiを用いている。屈折率分布レンズGgiは、UV硬化樹脂4にTiO2を体積比で20%分散させた材料に、Al2O3微粒子を組成比率を変化させて分散させた媒質により形成されている。
屈折率分布レンズGgiは、径方向に屈折率が変化するラジアル屈折率分布レンズである。屈折率分布レンズGgiの媒質は、表1に示すUV硬化樹脂4にTiO2を体積比で20%分散させた材料に対して、Al2O3微粒子を、体積比で最大で25.0%、最小で0.0%分散させた混合体である。光軸から径方向にAl2O3微粒子の組成比率が増加している。このため、屈折率分布レンズGgiにおいて、g線とF線に関する部分分散比は、光軸上で最大値となり、有効径位置で最小値となる。
実施例5の光学系に用いた屈折率分布レンズGgiの光入射側の面および光射出側の面は共に球面形状を有する。屈折率分布レンズGgiは、2つのレンズの間に配置され、それらレンズに密着接合されている。媒質の屈折力は負である。g線とF線における等価部分分散比は、一般的な光学材料と比較して大きい。
[実施例6]
図11に示す実施例6(数値例6)の光学系は、物体側から像側へ順に、フォーカスに際して不動である正の屈折力を有する第1レンズユニットL1と、フォーカスのために光軸方向に移動する負の屈折力を有する第2レンズユニットL2と、フォーカスに際して不動である正の屈折力を有する第3レンズユニットL3とからなる。この光学系は、倒立1回結像の縮小結像光学系である。
図11に示す実施例6(数値例6)の光学系は、物体側から像側へ順に、フォーカスに際して不動である正の屈折力を有する第1レンズユニットL1と、フォーカスのために光軸方向に移動する負の屈折力を有する第2レンズユニットL2と、フォーカスに際して不動である正の屈折力を有する第3レンズユニットL3とからなる。この光学系は、倒立1回結像の縮小結像光学系である。
実施例6の光学系は、焦点距離が294mm、望遠比(第1レンズ面から像面までの光軸方向に沿う長さを焦点距離で割った値)0.82の望遠レンズである。
実施例6では、正の屈折力を有する第1レンズユニットL1に、表1に示すポリビニルカルバゾールにZrO2微粒子を組成比率を変化させて分散させた媒質により形成された屈折率分布レンズGgi1を用いている。また、負の屈折率を有する第2レンズユニットL2に、表1に示すUV硬化樹脂2にYAG微粒子を組成比率を変化させて分散させた媒質により形成された屈折率分布レンズGgi2を用いている。更に、正の屈折力を有する第3レンズユニットL3には、表1に示すポリビニルカルバゾールにY2O3微粒子を組成比率を変化させて分散させた媒質により形成された屈折率分布レンズGgi3を用いている。
これらの屈折率分布レンズGgi1、Ggi2及びGgi3は、光軸に直交する方向(径方向)に屈折率が変化するラジアル屈折率分布レンズである。屈折率分布レンズGgi1の媒質は、異常分散性を有するポリビニルカルバゾールに対して、ZrO2微粒子を、体積比で最大で22.95%、最小で4.23%分散させた混合体である。濃度は径方向に、2次関数として変化している。屈折率分布レンズGgi1の光軸から径方向にZrO2微粒子の組成比率が増加している。このため、屈折率分布レンズGgi1の媒質において、g線とF線に関する部分分散比は、光軸上で最大値をとり、有効径位置で最小値となる。
屈折率分布レンズGgi2の媒質は、UV硬化樹脂2に対して、YAG微粒子を、体積比で最大で24.0%、最小で0%分散させた混合体である。濃度は径方向に、2次関数として変化している。屈折率分布レンズGgi2の光軸から径方向にYAG微粒子の組成比率が増加している。このため、屈折率分布レンズGgi2の媒質において、g線とF線に関する部分分散比は、光軸上で最小値をとり、有効径位置で最大値となる。屈折率分布レンズGgi3の媒質は、異常分散性を有するポリビニルカルバゾールに対して、Y2O3微粒子を、体積比で最大で9.57%、最小で0%分散させた混合体である。濃度は径方向に、2次関数として変化している。
屈折率分布レンズGgi3の光軸から径方向にY2O3微粒子の組成比率が増加している。このため、屈折率分布レンズGgi3の媒質において、g線とF線に関する部分分散比は、光軸上で最大値をとり、有効径位置で最小値となる。
屈折率分布レンズGgi1の屈折率分布による媒質の屈折力は負である。媒質の屈折におけるg線とF線の異常分散性ΔΘgFは正である。屈折率分布レンズGgi2の屈折率分布による媒質の屈折力は正である。媒質の屈折におけるg線とF線の異常分散性ΔΘgFは正である。屈折率分布レンズGgi3の屈折率分布による媒質の屈折力は負である。媒質の屈折におけるg線とF線の異常分散性ΔΘgFは正である。
実施例6の光学系は物体側のレンズユニットの屈折力が正であり、像側のレンズユニットの屈折力が負である、テレフォトタイプのパワー配置となっている。本実施例では、開口絞りSPよりも物体側で、近軸軸上光線の通過位置が比較的高い、開口絞りSPよりも前方の第1レンズユニットL1に、屈折率分布レンズGgi1を配置することで諸収差、特に軸上色収差を良好に補正している。また、フォーカスにより光軸方向に移動する負の屈折力を有するレンズユニットL2に、屈折率分布レンズGgi2を配置することで、フォーカスによる色収差の変動を良好に補正している。更に、瞳近軸光線の通過位置が比較的高い、開口絞りSPよりも後方の第3レンズユニットL3に、屈折率分布レンズGgi3を配置することで、諸収差、特に倍率色収差を良好に補正している。
本実施例では、屈折率分布レンズの光入射面と光射出面のいずれも球面形状であるが、非球面形状としてもよい。屈折率分布レンズGgi2及び屈折率分布レンズGgi3では光入射面及び光射出面の両方が他の材料との接合面となっている。これによれば、環境下で影響を受けやすい材料で屈折率分布レンズを形成する場合に、熱や吸湿等による変形を抑制できるために好ましい。
なお、上記条件(1)〜(7)を満足する屈折率分布レンズは、実施例1〜6の光学系に限らず、種々の光学系に用いることができる。
表2には、各実施例の屈折率分布レンズにおいて、それぞれの条件に対応する数値を記載する。
以下、各実施例(数値例)の具体的な数値データを示す。各実施例において、iは物体側から数えた面の番号を示す。riはi番目の光学面(第i面)の曲率半径であり、diは第i面と第(i+1)面との間の軸上間隔である。
ndi,νdiはそれぞれ、d線に対するi番目の光学部材の屈折率、アッベ数を表す。i番目の光学部材が屈折率分布レンズの場合は、Ngi,Vdと表記し、屈折率分布の波長分散については別途表記する。
また、非球面形状は、Xを光軸方向の面頂点からの変位量とし、hを光軸に直交する方向の光軸からの高さとし、rを近軸曲率半径とし、kを円錐定数とし、B,C,D,E,…を各次数の非球面係数とするとき、
で表す。
なお、各数値における「E±XX」は「×10±XX」を意味する。
各実施例においては、屈折率分布を以下の式で近似している。
ラジアル屈折率分布
アキシャル屈折率分布
なお、屈折率分布の近似式は上式に限定されるわけではなく、任意の近似式を用いることが可能である。
各実施例においては、屈折率分布特性として、d線、g線、C線、F線およびe線(546.1nm)での屈折率分布の近似式の係数を記載する。
(実施例1)
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 ∞ 2.00 Ngi Vd 70.95
2 ∞ 0.15 70.94
3 149.494 10.13 1.49700 81.5 70.88
4 -186.124 0.15 70.45
5 112.791 5.90 1.48749 70.2 66.49
6 483.609 3.66 65.46
7 -227.888 3.40 1.74950 35.3 65.32
8 518.559 32.62 63.60
9 53.068 6.78 1.48749 70.2 50.31
10 200.307 1.63 49.27
11 62.187 3.19 1.71300 53.9 46.18
12 40.749 9.82 42.70
13(絞り) ∞ 0.00 40.02
14 ∞ (可変) 41.17
15 1180.369 3.65 1.84666 23.8 38.00
16 -89.535 1.80 1.83481 42.7 37.59
17 81.708 (可変) 35.97
18 80.592 2.00 1.80000 29.8 32.84
19 34.362 8.00 1.63854 55.4 31.75
20 -101.284 (可変) 31.20
21 57.772 4.23 1.84666 23.8 27.86
22 -268.808 2.00 1.66672 48.3 27.09
23 24.939 6.47 25.10
24 -48.235 1.50 1.77250 49.6 25.35
25 1740.640 (可変) 26.45
26 47.640 7.94 1.58144 40.8 29.00
27 -34.387 2.00 1.84666 23.8 29.31
28 -89.116 (可変) 30.28
像面 ∞
各種データ
焦点距離 294.00
Fナンバー 4.14
画角 4.21
像高 21.64
レンズ全長 239.07
BF 83.42
物体距離 無限遠 -1500 -15000
d14 4.00 25.74 5.64
d17 23.24 1.50 21.60
d20 7.56 7.56 7.56
d25 1.84 1.84 1.84
d28 83.42 31.71 77.71
レンズユニットデータ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 147.11 79.43 -2.92 -66.27
2 15 -107.01 5.45 3.20 0.24
3a 18 88.09 10.00 2.88 -3.24
3b 21 -37.42 14.20 9.95 -1.32
3c 26 72.30 9.94 1.42 -4.82
ラジアル屈折率分布係数
g線 F線 e線 d線 C線
N0R 1.66448 1.65535 1.64823 1.64477 1.64057
N2R -4.3611E-05 -4.5481E-05 -4.7109E-05 -4.7951E-05 -4.9020E-05
N4R 2.0993E-10 2.3063E-10 2.4948E-10 2.5956E-10 2.7266E-10
(実施例2)
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 74.255 4.24 1.51633 64.1 43.28
2 367.260 0.15 41.22
3 55.359 1.20 1.83481 42.7 35.07
4 17.539 9.77 27.68
5 20.388 2.74 1.84666 23.8 22.66
6 27.952 (可変) 21.23
7 27.456 0.90 1.77250 49.6 16.89
8 12.819 2.30 15.01
9 84.122 3.15 1.83481 42.7 14.89
10 -57.243 3.46 13.91
11 -40.185 3.50 1.48749 70.2 12.47
12 133.619 1.17 13.51
13(絞り) ∞ 0.15 13.94
14 26.308 3.59 1.77250 49.6 14.44
15 -24.470 3.02 14.42
16 -18.370 2.50 1.83985 32.6 12.80
17 15.804 1.73 Ngi Vd 13.14
18* 33.868 0.68 13.34
19 123.026 3.17 1.64000 60.1 13.93
20 -16.968 0.15 15.10
21 -44.415 2.06 1.77250 49.6 16.24
22 -23.511 (可変) 17.07
像面 ∞
非球面データ
第18面
K = 0.00000E+00 B=-2.30387E-05 C=-2.87977E-07 D= 1.14906E-09
E= 1.24764E-11 F=-3.67110E-13
各種データ
焦点距離 24.48
Fナンバー 2.86
画角 41.47
像高 21.64
レンズ全長 92.00
BF 38.00
物体距離 無限遠 -1224 -250
d 6 4.37 3.80 0.15
d22 38.00 38.04 38.31
レンズユニットデータ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -92.15 18.11 -1.02 -16.60
2 7 28.32 31.52 21.80 2.16
ラジアル屈折率分布係数
g線 F線 e線 d線 C線
N0R 1.64193 1.63183 1.62388 1.61998 1.61523
N2R -6.8855E-04 -7.1787E-04 -7.4338E-04 -7.5657E-04 -7.7332E-04
N4R 5.1090E-08 5.6037E-08 6.0535E-08 6.2935E-08 6.6052E-08
(実施例3)
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 79.051 3.76 1.88300 40.8 39.66
2 3420.436 0.15 39.35
3 33.249 5.62 1.88300 40.8 36.80
4 52.949 1.70 34.35
5 107.816 2.50 1.67270 32.1 34.16
6 23.571 8.27 29.71
7(絞り) ∞ 1.00 29.26
8 ∞ 2.00 Ngi Vd 29.11
9 ∞ 7.90 28.92
10 -24.378 1.20 1.67270 32.1 28.36
11 57.910 8.33 1.88300 40.8 31.99
12 -29.315 0.61 32.39
13 -27.236 1.20 1.73800 32.3 32.26
14 -2008.000 4.86 1.83481 42.7 34.26
15 -42.000 0.15 34.62
16* 164.527 7.25 1.77250 49.6 36.04
17 -62.350 (可変) 37.31
像面 ∞
非球面データ
第16面
K =-2.46282E+01 B=-1.68803E-06 C= 3.19726E-09 D=-1.19502E-11
E= 1.39100E-14
焦点距離 51.70
Fナンバー 1.30
画角 22.71
像高 21.64
レンズ全長 94.01
BF 37.50
物体距離 無限遠 -2500
d17 37.50 38.57
レンズユニットデータ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 51.70 56.51 49.15 -14.20
ラジアル屈折率分布係数
(8面)
g線 F線 e線 d線 C線
N0R 1.68357 1.67157 1.66236 1.65793 1.65260
N2R -1.1163E-04 -1.2728E-04 -1.3973E-04 -1.4581E-04 -1.5325E-04
N4R 1.2887E-09 1.6982E-09 2.0685E-09 2.2641E-09 2.5167E-09
(実施例4)
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 140.148 11.07 1.49700 81.5 70.95
2 -158.647 1.80 Ngi Vd 70.51
3 -158.647 0.15 70.33
4 128.071 6.48 1.48749 70.2 66.12
5 8139.989 3.15 64.99
6 -183.408 3.40 1.72047 34.7 64.84
7 257.808 26.10 62.66
8 55.806 7.89 1.48749 70.2 53.90
9 209.704 5.83 52.51
10 53.606 4.00 1.64000 60.1 46.55
11 38.036 10.34 42.67
12(絞り) ∞ 0.00 40.14
13 ∞ (可変) 41.18
14 374.867 3.93 1.84666 23.8 38.00
15 -96.293 1.80 1.88300 40.8 37.52
16 81.708 (可変) 35.89
17 80.478 2.00 1.80518 25.4 32.33
18 34.654 6.88 1.64850 53.0 31.25
19 -104.720 7.27 30.86
20 61.518 4.03 1.84666 23.8 27.72
21 -373.046 2.00 1.64850 53.0 27.07
22 24.738 6.67 25.14
23 -47.678 1.50 1.77250 49.6 25.43
24 824.304 1.51 26.58
25 48.149 8.10 1.61272 58.7 29.00
26 -32.732 0.50 Ngi Vd 29.32
27 -32.732 2.00 1.88300 40.8 29.41
28 -83.874 (可変) 30.45
像面 ∞
各種データ
焦点距離 294.00
Fナンバー 4.14
画角 4.21
像高 21.64
レンズ全長 240.00
BF 82.95
物体距離 無限遠 -1500 -15000
d13 4.00 27.15 5.74
d16 24.65 1.50 22.92
d28 82.95 31.34 77.24
レンズユニットデータ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 149.75 80.20 -5.44 -67.19
2 14 -112.96 5.73 3.85 0.75
3 17 562.59 42.46 -86.77 -105.51
ラジアル屈折率分布係数
(2面)
g線 F線 e線 d線 C線
N0R 1.67532 1.65604 1.64203 1.63555 1.62807
N2R 3.3403E-05 3.5291E-05 3.6572E-05 3.7024E-05 3.7474E-05
N4R 1.1780E-10 1.3355E-10 1.4506E-10 1.4940E-10 1.5393E-10
(26面)
g線 F線 e線 d線 C線
N0R 1.75164 1.72465 1.70503 1.69591 1.68528
N2R 6.2019E-05 7.2975E-05 8.0625E-05 8.3716E-05 8.7114E-05
N4R 3.7334E-10 5.2700E-10 6.5249E-10 7.0807E-10 7.7254E-10
(実施例5)
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 67.865 2.00 1.84666 23.8 29.56
2 31.697 0.65 Ngi Vd 26.80
3 33.788 4.81 1.48749 70.2 26.49
4 -272.409 0.15 25.01
5 32.184 2.48 1.77250 49.6 23.94
6 140.396 (可変) 23.64
7 64.916 0.90 1.88300 40.8 17.98
8 8.953 4.14 13.93
9 -29.487 0.75 1.62041 60.3 13.93
10 29.327 0.35 14.02
11 16.669 1.99 1.92286 18.9 14.46
12 49.349 (可変) 14.23
13(絞り) ∞ (可変) 6.74
14* 6.876 3.05 1.51633 64.1 8.74
15 -398.945 1.52 8.44
16 23.083 1.33 1.85026 32.3 7.88
17 6.615 0.92 7.22
18 21.428 1.70 1.74320 49.3 7.31
19 279.225 (可変) 7.53
20 16.390 2.70 1.77250 49.6 10.72
21 -14.094 0.80 1.72151 29.2 10.58
22 106.383 (可変) 10.18
像面 ∞
非球面データ
第14面
K =-4.36916E-01 B=-6.28424E-05 C=-6.12374E-07 D= 2.59010E-09
E=-2.45126E-10
各種データ
ズーム比 11.59
焦点距離 6.15 20.45 71.28
Fナンバー 2.88 3.71 3.69
画角 30.34 9.98 2.89
像高 3.60 3.60 3.60
レンズ全長 84.11 86.12 90.41
BF 11.74 15.68 8.50
d 6 0.80 15.51 28.51
d13 5.72 1.20 5.23
d19 4.13 9.26 16.61
d22 11.74 15.68 8.50
ズームレンズユニットデータ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 46.21 10.09 3.62 -2.74
2 7 -11.06 8.14 0.75 -5.64
3 14 25.56 8.51 -5.87 -10.15
4 20 22.55 3.50 -0.18 -2.15
ラジアル屈折率分布係数
(2面)
g線 F線 e線 d線 C線
N0R 1.69760 1.68053 1.66894 1.66361 1.65743
N2R 2.6383E-05 3.7880E-05 4.5184E-05 4.8461E-05 5.2201E-05
N4R 6.8901E-11 1.4401E-10 2.0682E-10 2.3893E-10 2.7860E-10
(実施例6)
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 128.108 11.05 1.49700 81.5 70.94
2 -180.000 2.10 Ngi Vd 70.45
3 -180.000 0.15 70.24
4 121.143 6.39 1.48749 70.2 66.18
5 1276.835 3.10 65.04
6 -213.265 4.00 1.72047 34.7 64.88
7 205.703 24.28 62.37
8 55.602 8.05 1.48749 70.2 54.61
9 206.683 7.16 53.22
10 47.867 3.85 1.64000 60.1 46.02
11 35.348 10.78 42.16
12(絞り) ∞ 0.00 39.71
13 ∞ (可変) 40.66
14 204.271 3.83 1.84666 23.8 37.38
15 -124.554 0.35 Ngi Vd 36.84
16 -124.554 1.82 1.88300 40.8 36.68
17 67.105 (可変) 34.86
18 73.234 2.00 1.80518 25.4 31.17
19 33.729 6.43 1.63854 55.4 30.10
20 -126.464 5.05 29.68
21 61.463 4.06 1.84666 23.8 28.00
22 -385.268 2.00 1.64850 53.0 27.38
23 26.059 6.64 25.56
24 -52.198 1.50 1.77250 49.6 25.86
25 335.908 1.22 26.95
26 50.200 7.45 1.61272 58.7 29.00
27 -38.462 0.40 Ngi Vd 29.35
28 -38.462 2.00 1.88300 40.8 29.42
29 -90.014 (可変) 30.29
像面 ∞
各種データ
焦点距離 293.97
Fナンバー 4.14
画角 4.21
像高 21.64
レンズ全長 239.98
BF 85.34
物体距離 無限遠 -1500 -15000
d13 4.00 27.34 5.75
d17 24.99 1.65 23.24
d29 85.34 33.66 79.63
レンズユニットデータ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 150.03 80.91 -6.69 -68.26
2 14 -110.79 6.00 4.83 1.51
3 18 517.02 38.74 -65.30 -85.58
ラジアル屈折率分布係数
(2面)
g線 F線 e線 d線 C線
N0R 1.75972 1.73326 1.71398 1.70500 1.69452
N2R 2.7624E-05 2.9436E-05 3.0614E-05 3.1079E-05 3.1599E-05
N4R 7.7552E-11 8.9906E-11 9.8715E-11 1.0243E-10 1.0674E-10
(15面)
g線 F線 e線 d線 C線
N0R 1.68106 1.66866 1.65896 1.65409 1.64804
N2R -1.3199E-04 -1.3451E-04 -1.3652E-04 -1.3715E-04 -1.3792E-04
N4R 1.8905E-09 1.9828E-09 2.0580E-09 2.0849E-09 2.1179E-09
(27面)
g線 F線 e線 d線 C線
N0R 1.75164 1.72465 1.70503 1.69591 1.68528
N2R 7.6939E-05 8.1460E-05 8.4317E-05 8.5481E-05 8.6835E-05
N4R 5.7730E-10 6.5847E-10 7.1447E-10 7.3866E-10 7.6753E-10
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 ∞ 2.00 Ngi Vd 70.95
2 ∞ 0.15 70.94
3 149.494 10.13 1.49700 81.5 70.88
4 -186.124 0.15 70.45
5 112.791 5.90 1.48749 70.2 66.49
6 483.609 3.66 65.46
7 -227.888 3.40 1.74950 35.3 65.32
8 518.559 32.62 63.60
9 53.068 6.78 1.48749 70.2 50.31
10 200.307 1.63 49.27
11 62.187 3.19 1.71300 53.9 46.18
12 40.749 9.82 42.70
13(絞り) ∞ 0.00 40.02
14 ∞ (可変) 41.17
15 1180.369 3.65 1.84666 23.8 38.00
16 -89.535 1.80 1.83481 42.7 37.59
17 81.708 (可変) 35.97
18 80.592 2.00 1.80000 29.8 32.84
19 34.362 8.00 1.63854 55.4 31.75
20 -101.284 (可変) 31.20
21 57.772 4.23 1.84666 23.8 27.86
22 -268.808 2.00 1.66672 48.3 27.09
23 24.939 6.47 25.10
24 -48.235 1.50 1.77250 49.6 25.35
25 1740.640 (可変) 26.45
26 47.640 7.94 1.58144 40.8 29.00
27 -34.387 2.00 1.84666 23.8 29.31
28 -89.116 (可変) 30.28
像面 ∞
各種データ
焦点距離 294.00
Fナンバー 4.14
画角 4.21
像高 21.64
レンズ全長 239.07
BF 83.42
物体距離 無限遠 -1500 -15000
d14 4.00 25.74 5.64
d17 23.24 1.50 21.60
d20 7.56 7.56 7.56
d25 1.84 1.84 1.84
d28 83.42 31.71 77.71
レンズユニットデータ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 147.11 79.43 -2.92 -66.27
2 15 -107.01 5.45 3.20 0.24
3a 18 88.09 10.00 2.88 -3.24
3b 21 -37.42 14.20 9.95 -1.32
3c 26 72.30 9.94 1.42 -4.82
ラジアル屈折率分布係数
g線 F線 e線 d線 C線
N0R 1.66448 1.65535 1.64823 1.64477 1.64057
N2R -4.3611E-05 -4.5481E-05 -4.7109E-05 -4.7951E-05 -4.9020E-05
N4R 2.0993E-10 2.3063E-10 2.4948E-10 2.5956E-10 2.7266E-10
(実施例2)
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 74.255 4.24 1.51633 64.1 43.28
2 367.260 0.15 41.22
3 55.359 1.20 1.83481 42.7 35.07
4 17.539 9.77 27.68
5 20.388 2.74 1.84666 23.8 22.66
6 27.952 (可変) 21.23
7 27.456 0.90 1.77250 49.6 16.89
8 12.819 2.30 15.01
9 84.122 3.15 1.83481 42.7 14.89
10 -57.243 3.46 13.91
11 -40.185 3.50 1.48749 70.2 12.47
12 133.619 1.17 13.51
13(絞り) ∞ 0.15 13.94
14 26.308 3.59 1.77250 49.6 14.44
15 -24.470 3.02 14.42
16 -18.370 2.50 1.83985 32.6 12.80
17 15.804 1.73 Ngi Vd 13.14
18* 33.868 0.68 13.34
19 123.026 3.17 1.64000 60.1 13.93
20 -16.968 0.15 15.10
21 -44.415 2.06 1.77250 49.6 16.24
22 -23.511 (可変) 17.07
像面 ∞
非球面データ
第18面
K = 0.00000E+00 B=-2.30387E-05 C=-2.87977E-07 D= 1.14906E-09
E= 1.24764E-11 F=-3.67110E-13
各種データ
焦点距離 24.48
Fナンバー 2.86
画角 41.47
像高 21.64
レンズ全長 92.00
BF 38.00
物体距離 無限遠 -1224 -250
d 6 4.37 3.80 0.15
d22 38.00 38.04 38.31
レンズユニットデータ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 -92.15 18.11 -1.02 -16.60
2 7 28.32 31.52 21.80 2.16
ラジアル屈折率分布係数
g線 F線 e線 d線 C線
N0R 1.64193 1.63183 1.62388 1.61998 1.61523
N2R -6.8855E-04 -7.1787E-04 -7.4338E-04 -7.5657E-04 -7.7332E-04
N4R 5.1090E-08 5.6037E-08 6.0535E-08 6.2935E-08 6.6052E-08
(実施例3)
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 79.051 3.76 1.88300 40.8 39.66
2 3420.436 0.15 39.35
3 33.249 5.62 1.88300 40.8 36.80
4 52.949 1.70 34.35
5 107.816 2.50 1.67270 32.1 34.16
6 23.571 8.27 29.71
7(絞り) ∞ 1.00 29.26
8 ∞ 2.00 Ngi Vd 29.11
9 ∞ 7.90 28.92
10 -24.378 1.20 1.67270 32.1 28.36
11 57.910 8.33 1.88300 40.8 31.99
12 -29.315 0.61 32.39
13 -27.236 1.20 1.73800 32.3 32.26
14 -2008.000 4.86 1.83481 42.7 34.26
15 -42.000 0.15 34.62
16* 164.527 7.25 1.77250 49.6 36.04
17 -62.350 (可変) 37.31
像面 ∞
非球面データ
第16面
K =-2.46282E+01 B=-1.68803E-06 C= 3.19726E-09 D=-1.19502E-11
E= 1.39100E-14
焦点距離 51.70
Fナンバー 1.30
画角 22.71
像高 21.64
レンズ全長 94.01
BF 37.50
物体距離 無限遠 -2500
d17 37.50 38.57
レンズユニットデータ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 51.70 56.51 49.15 -14.20
ラジアル屈折率分布係数
(8面)
g線 F線 e線 d線 C線
N0R 1.68357 1.67157 1.66236 1.65793 1.65260
N2R -1.1163E-04 -1.2728E-04 -1.3973E-04 -1.4581E-04 -1.5325E-04
N4R 1.2887E-09 1.6982E-09 2.0685E-09 2.2641E-09 2.5167E-09
(実施例4)
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 140.148 11.07 1.49700 81.5 70.95
2 -158.647 1.80 Ngi Vd 70.51
3 -158.647 0.15 70.33
4 128.071 6.48 1.48749 70.2 66.12
5 8139.989 3.15 64.99
6 -183.408 3.40 1.72047 34.7 64.84
7 257.808 26.10 62.66
8 55.806 7.89 1.48749 70.2 53.90
9 209.704 5.83 52.51
10 53.606 4.00 1.64000 60.1 46.55
11 38.036 10.34 42.67
12(絞り) ∞ 0.00 40.14
13 ∞ (可変) 41.18
14 374.867 3.93 1.84666 23.8 38.00
15 -96.293 1.80 1.88300 40.8 37.52
16 81.708 (可変) 35.89
17 80.478 2.00 1.80518 25.4 32.33
18 34.654 6.88 1.64850 53.0 31.25
19 -104.720 7.27 30.86
20 61.518 4.03 1.84666 23.8 27.72
21 -373.046 2.00 1.64850 53.0 27.07
22 24.738 6.67 25.14
23 -47.678 1.50 1.77250 49.6 25.43
24 824.304 1.51 26.58
25 48.149 8.10 1.61272 58.7 29.00
26 -32.732 0.50 Ngi Vd 29.32
27 -32.732 2.00 1.88300 40.8 29.41
28 -83.874 (可変) 30.45
像面 ∞
各種データ
焦点距離 294.00
Fナンバー 4.14
画角 4.21
像高 21.64
レンズ全長 240.00
BF 82.95
物体距離 無限遠 -1500 -15000
d13 4.00 27.15 5.74
d16 24.65 1.50 22.92
d28 82.95 31.34 77.24
レンズユニットデータ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 149.75 80.20 -5.44 -67.19
2 14 -112.96 5.73 3.85 0.75
3 17 562.59 42.46 -86.77 -105.51
ラジアル屈折率分布係数
(2面)
g線 F線 e線 d線 C線
N0R 1.67532 1.65604 1.64203 1.63555 1.62807
N2R 3.3403E-05 3.5291E-05 3.6572E-05 3.7024E-05 3.7474E-05
N4R 1.1780E-10 1.3355E-10 1.4506E-10 1.4940E-10 1.5393E-10
(26面)
g線 F線 e線 d線 C線
N0R 1.75164 1.72465 1.70503 1.69591 1.68528
N2R 6.2019E-05 7.2975E-05 8.0625E-05 8.3716E-05 8.7114E-05
N4R 3.7334E-10 5.2700E-10 6.5249E-10 7.0807E-10 7.7254E-10
(実施例5)
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 67.865 2.00 1.84666 23.8 29.56
2 31.697 0.65 Ngi Vd 26.80
3 33.788 4.81 1.48749 70.2 26.49
4 -272.409 0.15 25.01
5 32.184 2.48 1.77250 49.6 23.94
6 140.396 (可変) 23.64
7 64.916 0.90 1.88300 40.8 17.98
8 8.953 4.14 13.93
9 -29.487 0.75 1.62041 60.3 13.93
10 29.327 0.35 14.02
11 16.669 1.99 1.92286 18.9 14.46
12 49.349 (可変) 14.23
13(絞り) ∞ (可変) 6.74
14* 6.876 3.05 1.51633 64.1 8.74
15 -398.945 1.52 8.44
16 23.083 1.33 1.85026 32.3 7.88
17 6.615 0.92 7.22
18 21.428 1.70 1.74320 49.3 7.31
19 279.225 (可変) 7.53
20 16.390 2.70 1.77250 49.6 10.72
21 -14.094 0.80 1.72151 29.2 10.58
22 106.383 (可変) 10.18
像面 ∞
非球面データ
第14面
K =-4.36916E-01 B=-6.28424E-05 C=-6.12374E-07 D= 2.59010E-09
E=-2.45126E-10
各種データ
ズーム比 11.59
焦点距離 6.15 20.45 71.28
Fナンバー 2.88 3.71 3.69
画角 30.34 9.98 2.89
像高 3.60 3.60 3.60
レンズ全長 84.11 86.12 90.41
BF 11.74 15.68 8.50
d 6 0.80 15.51 28.51
d13 5.72 1.20 5.23
d19 4.13 9.26 16.61
d22 11.74 15.68 8.50
ズームレンズユニットデータ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 46.21 10.09 3.62 -2.74
2 7 -11.06 8.14 0.75 -5.64
3 14 25.56 8.51 -5.87 -10.15
4 20 22.55 3.50 -0.18 -2.15
ラジアル屈折率分布係数
(2面)
g線 F線 e線 d線 C線
N0R 1.69760 1.68053 1.66894 1.66361 1.65743
N2R 2.6383E-05 3.7880E-05 4.5184E-05 4.8461E-05 5.2201E-05
N4R 6.8901E-11 1.4401E-10 2.0682E-10 2.3893E-10 2.7860E-10
(実施例6)
面データ
面番号 r d nd vd 有効径
1 128.108 11.05 1.49700 81.5 70.94
2 -180.000 2.10 Ngi Vd 70.45
3 -180.000 0.15 70.24
4 121.143 6.39 1.48749 70.2 66.18
5 1276.835 3.10 65.04
6 -213.265 4.00 1.72047 34.7 64.88
7 205.703 24.28 62.37
8 55.602 8.05 1.48749 70.2 54.61
9 206.683 7.16 53.22
10 47.867 3.85 1.64000 60.1 46.02
11 35.348 10.78 42.16
12(絞り) ∞ 0.00 39.71
13 ∞ (可変) 40.66
14 204.271 3.83 1.84666 23.8 37.38
15 -124.554 0.35 Ngi Vd 36.84
16 -124.554 1.82 1.88300 40.8 36.68
17 67.105 (可変) 34.86
18 73.234 2.00 1.80518 25.4 31.17
19 33.729 6.43 1.63854 55.4 30.10
20 -126.464 5.05 29.68
21 61.463 4.06 1.84666 23.8 28.00
22 -385.268 2.00 1.64850 53.0 27.38
23 26.059 6.64 25.56
24 -52.198 1.50 1.77250 49.6 25.86
25 335.908 1.22 26.95
26 50.200 7.45 1.61272 58.7 29.00
27 -38.462 0.40 Ngi Vd 29.35
28 -38.462 2.00 1.88300 40.8 29.42
29 -90.014 (可変) 30.29
像面 ∞
各種データ
焦点距離 293.97
Fナンバー 4.14
画角 4.21
像高 21.64
レンズ全長 239.98
BF 85.34
物体距離 無限遠 -1500 -15000
d13 4.00 27.34 5.75
d17 24.99 1.65 23.24
d29 85.34 33.66 79.63
レンズユニットデータ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 150.03 80.91 -6.69 -68.26
2 14 -110.79 6.00 4.83 1.51
3 18 517.02 38.74 -65.30 -85.58
ラジアル屈折率分布係数
(2面)
g線 F線 e線 d線 C線
N0R 1.75972 1.73326 1.71398 1.70500 1.69452
N2R 2.7624E-05 2.9436E-05 3.0614E-05 3.1079E-05 3.1599E-05
N4R 7.7552E-11 8.9906E-11 9.8715E-11 1.0243E-10 1.0674E-10
(15面)
g線 F線 e線 d線 C線
N0R 1.68106 1.66866 1.65896 1.65409 1.64804
N2R -1.3199E-04 -1.3451E-04 -1.3652E-04 -1.3715E-04 -1.3792E-04
N4R 1.8905E-09 1.9828E-09 2.0580E-09 2.0849E-09 2.1179E-09
(27面)
g線 F線 e線 d線 C線
N0R 1.75164 1.72465 1.70503 1.69591 1.68528
N2R 7.6939E-05 8.1460E-05 8.4317E-05 8.5481E-05 8.6835E-05
N4R 5.7730E-10 6.5847E-10 7.1447E-10 7.3866E-10 7.6753E-10
次に上記各実施例に示した光学系を撮影光学系として用いたデジタルスチルカメラ(光学機器)を図13を用いて説明する。
図13において、20はカメラ本体である。21は各実施例で説明した光学系によって構成された撮影光学系である。22はカメラ本体20に内蔵され、撮影光学系21によって形成された被写体像を光電変換するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。
23は固体撮像素子22によって光電変換された被写体像に対応する画像情報を記録するメモリである。24は液晶ディスプレイパネル等によって構成され、固体撮像素子22上に形成された被写体像(つまりは画像情報)を観察するためのファインダである。
このように各実施例の光学系をデジタルスチルカメラに適用することにより、小型で高い光学性能を有するカメラを実現することができる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
諸収差を良好に補正できる屈折率分布光学素子を有する光学系とこれを用いた光学機器を提供できる。
Ggi 屈折率分布レンズ
IP 像面
ΔM メリディオナル像面
ΔS サジタル像面
IP 像面
ΔM メリディオナル像面
ΔS サジタル像面
Claims (11)
- 屈折率分布素子を有する光学系において、
前記屈折率分布素子は第1光学材料と第2光学材料の組成比が変化している混合体からなり、
前記屈折率分布素子を構成する第j(j=1,2)光学素子の波長λにおける屈折率をnjλとし、
前記屈折率分布素子を構成する第j(j=1,2)光学素子のd線に関するアッベ数をνjdとし、
前記屈折率分布素子を有するレンズユニットの屈折力をφG、
前記屈折率分布素子の媒質の屈折力をφgi、
前記屈折率分布素子のg線とF線に関する等価異常分散性をΔΘgF
とする時、以下の条件式を満足することを特徴とする光学系。
0.035<|ΔΘgF|<0.600
(n1d−1)/ν1d×α>(n2d−1)/ν2d×α
φG×φgi×ΔΘgF<0
但し、d線に関する等価アッベ数Vd及びg線とF線に関する等価部分分散比ΘgFを各々
Vd=(n2d−n1d)/{(n2F−n1F)−(n2C−n1C)}
ΘgF={(n2g−n1g)−(n2F−n1F)}
/{(n2F−n1F)−(n2C−n1C)}
とする時、g線とF線に関する等価異常分散性ΔΘgFは
ΘgF0=−1.665×10−7|Vd|3+5.213×10−5|Vd|2
−5.656×10−3|Vd|+0.7278
ΔΘgF=ΘgF−ΘgF0
で表され、αを
α=(n2d−n1d)/|n2d−n1d|
とする。 - 前記屈折率分布素子のd線に関する等価アッベ数Vdは以下の条件式を満足することを特徴とする請求項1に記載の光学系。
−80<Vd - 前記光学系は開口絞り、正の屈折力のレンズユニット、負の屈折力のレンズユニットを有し、前記開口絞りよりも物体側の正の屈折力のレンズユニットに屈折率分布素子を配置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学系。
- 前記光学系は、物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズユニット、負の屈折力の第2レンズユニット、正の屈折力を有する第3レンズユニットからなり、前記屈折率分布素子は第1レンズユニットに配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光学系。
- 前記光学系は、物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズユニット、負の屈折力の第2レンズユニット、正の屈折力を有する第3レンズユニットからなり、前記屈折率分布素子は第3レンズユニットに配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光学系。
- 前記光学系は、物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズユニット、負の屈折力の第2レンズユニット、正の屈折力の第3レンズユニット、正の屈折力の第4レンズユニットからなり、前記屈折率分布素子は第1レンズユニットに配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光学系。
- 前記光学系は開口絞り、正の屈折力のレンズユニット、負の屈折力のレンズユニットを有し、前記開口絞りよりも像側の正の屈折力のレンズユニットに屈折率分布素子を配置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学系。
- 前記光学系は、物体側より像側へ順に、負の屈折力の第1レンズユニット、正の屈折力の第2レンズユニットからなり、前記屈折率分布素子は第2レンズユニットに配置されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項7のいずれか1項に記載の光学系。
- 前記光学系は開口絞り、正の屈折力のレンズユニット、負の屈折力のレンズユニットを有し、前記開口絞りよりも像側の負の屈折力のレンズユニットに屈折率分布素子を配置することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の光学系。
- 前記光学系は、物体側より像側へ順に、正の屈折力の第1レンズユニット、負の屈折力の第2レンズユニット、正の屈折力を有する第3レンズユニットからなり、前記屈折率分布素子は第2レンズユニットに配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の光学系。
- 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の光学系を備えていることを特徴とする光学機器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2013158012A JP2015028551A (ja) | 2013-07-30 | 2013-07-30 | 屈折率分布素子を有する光学系 |
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-
2013
- 2013-07-30 JP JP2013158012A patent/JP2015028551A/ja active Pending
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