JP2015028325A - 保持シール材、及び、排ガス浄化装置 - Google Patents

保持シール材、及び、排ガス浄化装置 Download PDF

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Abstract

【課題】無機繊維の飛散を低減することができ、かつ、保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体を金属ケーシングに圧入する際に、保持シール材が排ガス処理体からずれ金属ケーシングの端部からはみ出すことを防止でき、保持シール材からフィルムが剥がれることを防止する。
【解決手段】無機繊維を含む平面視矩形のマット31からなる保持シール材30であって、上記第1の主面32、及び、上記第2の主面33はフィルム40により被覆されており、上記フィルムは、連続して上記マットを巻回するように貼付されており、上記第2の主面には上記フィルムの巻回開始部、及び、巻回終了部が存在し、上記巻回開始部、及び、上記巻回終了部の間には上記フィルムが存在せず上記第2の主面が露出する露出部38が形成されており、上記巻回開始部を構成する辺、及び、上記巻回終了部を構成する辺のうち少なくとも一方の辺は、上記マットの長手方向と平行でない。
【選択図】図1

Description

本発明は、保持シール材、及び、排ガス浄化装置に関する。
ディーゼルエンジン等の内燃機関から排出される排ガス中には、パティキュレートマター(以下、PMともいう)が含まれており、近年、このPMが環境や人体に害を及ぼすことが問題となっている。また、排ガス中には、COやHC、NOx等の有害なガス成分も含まれていることから、この有害なガス成分が環境や人体に及ぼす影響についても懸念されている。
そこで、排ガス中のPMを捕集したり、有害なガス成分を浄化したりする排ガス浄化装置として、炭化ケイ素やコージェライトなどの多孔質セラミックからなる排ガス処理体と、排ガス処理体を収容する金属ケーシングと、排ガス処理体と金属ケーシングとの間に配設される無機繊維からなる保持シール材とから構成される排ガス浄化装置が種々提案されている。この保持シール材は、自動車の走行等により生じる振動や衝撃により、排ガス処理体がその外周を覆う金属ケーシングと接触して破損するのを防止することや、排ガス処理体と金属ケーシングとの間から排気ガスが漏れることを防止すること等を主な目的として配設されている。
また、保持シール材は、無機繊維からなるので、刺激性のある微細な無機繊維(例えば、直径約3〜8μm程度の繊維)を多量に含んでいる。このような保持シール材を用いて排ガス処理体を作製しようとすると、作業者が保持シール材を扱う際に、保持シール材から周囲に無機繊維が飛散し、作業環境が悪化するという問題がある。
さらに、保持シール材を排ガス処理体に巻き付ける際に、保持シール材の外面に裂け目等が生じることがある。微小な無機繊維は、このような裂け目からも飛散することがある。
特許文献1には、排ガス処理体側に配置されるセラミックファイバからなるマットと、金属ケーシング側に配置されるセラミックファイバからなるマットにより構成される2層構造の保持シール材が開示されている。
特許文献1に開示された保持シール材では、高温となる排ガス処理体側には耐熱性が優れるマットを配置し、金属ケーシング側には柔軟性に優れるマットを配置することにより保持シール材の変形、品質の劣化を防止し、排ガス処理体や金属ケーシングとの密着性を向上させている。
さらに、特許文献1の保持シール材では、保持シール材が気密シートにより密閉されることにより、セラミックファイバが損傷することを防止し、金属ケーシングへの組み付けを容易にしている。
特許文献2には、保持シール材からの無機繊維の飛散を低減するために、包装材の内部空間に収容された保持シール材が開示されている。
特開2003−129832号公報 特開2010−101308号公報
特許文献1に記載されたような構成の保持シール材を排ガス処理体に巻き付けると、保持シール材と、排ガス処理体との間には気密シートが存在するため、保持シール材と、排ガス処理体との密着性が低くなる。すなわち、保持シール材と、排ガス処理体とがずれやすくなる。特許文献1では、保持シール材を排ガス処理体に巻き付け、保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体を、二つに分離された金属ケーシングで上下から挟み、上下より加圧し、分離された金属ケーシングを密着させ、金属ケーシングの外周部をクリンチ加工等し固定することにより排ガス浄化装置を作製している。このような方法で排ガス浄化装置を作製する場合には、保持シール材と、排ガス処理体との密着性はほとんど問題にならないが、例えば、特許文献1に記載されたような構成の保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体を金属ケーシングに圧入しようとすると、保持シール材が排ガス処理体からずれ、金属ケーシングの端部からはみ出すという問題があった。すなわち、特許文献1に記載されたような構成の保持シール材は、圧入法に適していないという問題があった。特許文献2に記載されたような構成の保持シール材でも同様な問題があった。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、無機繊維の飛散を低減することができ、かつ、保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体を金属ケーシングに圧入する際に、保持シール材が排ガス処理体からずれ金属ケーシングの端部からはみ出すことを防止でき、保持シール材からフィルムが剥がれることを防止することができる保持シール材、及び、上記保持シール材が用いられた排ガス浄化装置を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の保持シール材は、第1の主面及び第1の主面と反対側の第2の主面を有する無機繊維を含む平面視矩形のマットからなる保持シール材であって、上記第1の主面、及び、上記第2の主面はフィルムにより被覆されており、上記フィルムは、連続して上記マットを巻回するように貼付されており、上記第2の主面には上記フィルムの巻回開始部、及び、巻回終了部が存在し、上記巻回開始部、及び、上記巻回終了部の間には上記フィルムが存在せず上記第2の主面が露出する露出部が形成されており、上記巻回開始部を構成する辺、及び、上記巻回終了部を構成する辺のうち少なくとも一方の辺は、全ての部分において、上記マットの長手方向と平行でないことを特徴とする。
本発明の保持シール材は、通常、排ガス処理体と、排ガス処理体を収容する金属ケーシングと、排ガス処理体と金属ケーシングとの間に配設される保持シール材とから構成される排ガス浄化装置に用いられる。本発明の保持シール材は、上記第1の主面が金属ケーシング側になり、上記第2の主面が排ガス処理体側になるように排ガス処理体に巻き付けられる。本発明の保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体は、金属ケーシングに圧入により収容される。本発明の保持シール材は、圧入の際に本発明の保持シール材に貼付されたフィルムの巻回開始部を構成する辺、及び、巻回終了部を構成する辺のうち、保持シール材を構成するマットの長手方向と平行でない辺が先に金属ケーシングに圧入されるように、排ガス処理体に巻き付けられる。
本発明の保持シール材では、上記第1の主面、及び、上記第2の主面はフィルムにより被覆されており、上記フィルムは、連続して上記マットを巻回するように貼付されている。
通常、無機繊維はマットの表面から飛散する。しかし、本発明の保持シール材のようにフィルムが被覆されていると、このような無機繊維の飛散を低減することができる。
本発明の保持シール材では、上記第2の主面には上記フィルムの巻回開始部、及び、巻回終了部が存在している。
すなわち、フィルムがマットの第1の主面及び側面を覆い、側面から第2の主面に折り返された構造となっている。
そのため、本発明の保持シール材を扱う際に、衝撃や摩擦等によりフィルムが剥がれることを防止することができる。
本発明の保持シール材では、上記巻回開始部、及び、上記巻回終了部の間には上記フィルムが存在せず上記第2の主面が露出する露出部が形成されている。
このような露出部が存在せず、マットの主面と、排ガス処理体との間が完全にフィルムにより遮られていると、マットと排ガス処理体との間の密着性が低くなる。そのため、保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体を金属ケーシングに圧入する際に、保持シール材と、排ガス処理体とがずれやすくなり、金属ケーシングの端部から保持シール材がはみ出しやすくなる。しかし、本発明の保持シール材には、上記露出部があるので、マットと排ガス処理体との間にフィルムが存在しない部分が生じる。この部分では、マットに含まれる無機繊維が排ガス処理体に直接接触することになる。そのため、マットと、排ガス処理体との間の密着性が向上する。さらに、無機繊維と排ガス処理体との摩擦に起因して、本発明の保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体を金属ケーシングに圧入する際に、保持シール材と、排ガス処理体とがずれにくくなる。従って、金属ケーシングの端部から保持シール材がはみ出すことを防止することができる。
本発明の保持シール材では、上記巻回開始部を構成する辺、及び、上記巻回終了部を構成する辺のうち少なくとも一方の辺は、全ての部分において、上記マットの長手方向と平行でない。
保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体を金属ケーシングに圧入する際は、排ガス処理体を金属ケーシングに押し込むように、排ガス処理体に圧入方向の力が加えられる。
この際、排ガス処理体と接触する側の保持シール材の主面は摩擦力により、圧入方向に引っ張られることになる。また、金属ケーシングと接触する側の保持シール材の主面は、金属ケーシングとの摩擦力により、圧入方向と逆の方向に引っ張られることになる。
マットに貼付されているフィルムでも上記内容と同様のことが言える。すなわち、排ガス処理体に直接接触するフィルムの面は圧入方向に引っ張られる。また、マットの第2の主面に直接接触するフィルムの面は、圧入方向と逆の方向に引っ張られることになる。排ガス処理体に直接接触するフィルムの面を引っ張る力が、マットの主面と、マットの主面に直接接触するフィルムの面のとの間の最大静止摩擦力を越えると、フィルムがマットからめくれることになる。
ここで、マットの第2の主面に存在している巻回開始部にかかる力について述べる。
以下の説明では便宜上、巻回開始部が巻回終了部より先に金属ケーシングに圧入される場合を述べる。しかし、保持シール材を排ガス処理体の長手方向に垂直な軸を中心に180°回転させることにより、巻回開始部と巻回開始部との位置を入れ替えることができる。そのため、巻回開始部と巻回開始部とが逆であっても同様の論理が適用できる。
巻回開始部を構成する辺がマットの長手方向と平行であると、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けた際に、巻回開始部を構成する辺は圧入方向と垂直になる。そのため、巻回開始部には、フィルムを圧入方向に引っ張る力がそのままかかることになる。従って、巻回開始部からフィルムがめくれやすくなる。
しかし、巻回開始部を構成する辺が、マットの長手方向と平行でないと、保持シール材を排ガス処理体に巻き付けた際に、巻回開始部を構成する辺は圧入方向と垂直になることはない。そのため、巻回開始部には、フィルムを圧入方向に引っ張る力が分散されてかかることになる。従って、巻回開始部からフィルムがめくれることを防ぐことができる。
すなわち、本発明の構成を有する保持シール材は、圧入する際に、保持シール材からフィルムがめくれることを防ぐことができる。
本発明の保持シール材では、上記マットの長手方向と平行でない辺が直線であることが望ましい。
本発明の保持シール材に用いられるフィルムは、通常、大きなシートを作製し、そのシートからフィルムを切り出すことにより作製される。
上記マットの長手方向と平行でない辺が直線であると、シートからフィルムを切り出す際に、シートを直線状に裁断するだけでフィルムを作製することができるので、効率的に本発明の保持シール材を作製することができる。
本発明の保持シール材では、上記マットの長手方向と平行でない辺と、上記マットの長手方向に平行な直線とが形成する角の角度が、3〜30°であることが望ましい。
上記マットの長手方向と平行でない辺と、上記マットの長手方向に平行な直線とが形成する角の角度が3°未満であると、保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体を金属ケーシングに圧入する際、フィルムを圧入方向に引っ張る力を充分に分散させることができず、フィルムがめくれやすくなる。
上記マットの長手方向と平行でない辺と、上記マットの長手方向に平行な直線とが形成する角の角度が30°を超えると、マットの第2の主面においてマットの幅方向に露出部が形成されず、マットの幅方向の全てがフィルムで覆われている部分の割合が増加する。マットの長手方向に垂直な方向は、保持シール材を排ガス処理体に巻き付け金属ケーシングに圧入する際の圧入方向と一致する。そのため、マットの第2の主面においてマットの幅方向に露出部が形成されていない部分では、保持シール材と排ガス処理体とがずれることを防止する効果が得られにくくなる。従って、保持シール材と排ガス処理体とがずれやすくなる。
本発明の保持シール材では、上記マットの長手方向と平行でない辺が曲線であることが望ましい。
排ガス処理体の長手方向に垂直な断面が楕円形やレーストラック形である場合、保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体を金属ケーシングに圧入する際、曲率が高い部分では、排ガス処理体が周囲の摩擦抵抗の影響をより多く受けるので、排ガス処理体を圧入するのにより多くの力が必要となる。
そのため、フィルムを圧入方向に引っ張る力は、位置により異なる。すなわち、曲率の高い排ガス処理体の部分に配置されているマットの部分で、上記マットの長手方向と平行でない辺にかかる力は強くなる。従って、この部分では、フィルムがめくれやすくなる。しかし、上記マットの長手方向と平行でない辺を曲線とし、排ガス処理体の形状に合わせて該曲線の曲率を調節することにより上記マットの長手方向と平行でない辺にかかる力を分散することができる。これにより、フィルムがめくれることを防止することができる。
本発明の保持シール材では、上記露出部の面積は、上記第2の主面の面積の20〜80%であるであることが望ましい。
上記露出部の面積が、上記第2の主面の面積の20%未満であると、マットに含まれる無機繊維が排ガス処理体に直接接触する部分が少なくなりすぎるので、保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体を金属ケーシングに圧入する際に、保持シール材と、排ガス処理体とがずれやすくなる。
上記露出部の面積が、上記第2の主面の面積の80%を超えると、第2の主面におけるフィルムの折り返し部分が少なくなりすぎ、フィルムが剥がれやすくなる。
本発明の保持シール材では、上記フィルムの構成材料は、ポリエステル、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種からなることが望ましい。
上記のように、本発明の保持シール材は、通常、排ガス処理体に巻き付けられ、金属ケーシングに圧入される。この際、マットの第1の主面が、フィルムを介し金属ケーシングと接触することになる。
フィルムの構成材料が、ポリエステル、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種からなっていると、マットの第1の主面と金属ケーシングとの間の摩擦力が小さくなる。そのため、本発明の保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体を滑らかに金属ケーシングに圧入することができる。
本発明の保持シール材では、上記フィルムは、接着材又は熱圧着により上記マットに固定されていることが望ましい。
接着材や熱圧着を用いると、フィルムをマットにしっかりと固定することができる。
本発明の排ガス浄化装置は、排ガス処理体と、上記排ガス処理体を収容する金属ケーシングと、上記排ガス処理体と上記金属ケーシングとの間に配設される保持シール材とから構成される排ガス浄化装置であって、上記金属ケーシングは、圧入口を有し、上記保持シール材は、第1の主面及び第1の主面と反対側の第2の主面を有する無機繊維を含む平面視矩形のマットからなり、上記第1の主面、及び、上記第2の主面はフィルムにより被覆されており、上記フィルムは、連続して上記マットを巻回するように貼付されており、上記第2の主面には上記フィルムの巻回開始部、及び、巻回終了部が存在し、上記巻回開始部、及び、上記巻回終了部の間には上記フィルムが存在せず上記第2の主面が露出する露出部が形成されており、上記巻回開始部を構成する辺、及び、上記巻回終了部を構成する辺のうち少なくとも一方の辺は、全ての部分において、上記マットの長手方向と平行でなく、上記露出部が上記排ガス処理体と接するように上記保持シール材が配置されており、上記マットの長手方向と平行でない辺から上記圧入口までの距離の方が、他方の辺から上記圧入口までの距離よりも長いことを特徴とする。
本発明の排ガス浄化装置では、上記本発明の保持シール材が用いられているので、上記効果を奏する。
図1は、本発明の排ガス浄化装置の一例を模式的に示す断面図である。 図2は、本発明の保持シール材の一例を模式的に示す斜視図である。 図3(a)〜(c)は、本発明の保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体を金属ケーシングに収容する工程の一例を模式的に示す図である。図3(a)は、保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体を金属ケーシングに収容する前の状態を模式的に示す模式図である。図3(b)は、保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体が金属ケーシングに圧入されている状態を模式的に示す模式図である。図3(c)は、図3(b)のA−A線断面図である。 図4(a)は、巻回開始部を構成する辺がマットの長手方向と平行である場合に、保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体を金属ケーシングに圧入する際の巻回開始部にかかる力を模式的に示す図である。図4(b)は、巻回開始部を構成する辺が、全ての部分において、マットの長手方向と平行でない場合に、保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体を金属ケーシングに圧入する際の巻回開始部にかかる力を模式的に示す図である。 図5は、巻回開始部を構成するマットの長手方向と平行でない辺と、マットの長手方向に平行な直線との関係を模式的にマットの第2の主面側から示した、保持シールの平面図である。 図6は、本発明の排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体の一例を模式的に示す斜視図である。
(発明の詳細な説明)
以下、本発明について具体的に説明する。しかしながら、本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する本発明の個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
図1は、本発明の排ガス浄化装置の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本発明の排ガス浄化装置の一例である排ガス浄化装置1は、排ガス処理体10と、排ガス処理体10の外方を覆う金属ケーシング20と、排ガス処理体10と金属ケーシング20との間に配置された保持シール材30とから構成されており、金属ケーシング20の排ガスが導入される側の端部には、エンジン等の内燃機関に連結された導入管21が接続されており、金属ケーシング20の他端部には、外部に連結された排出管22が接続されている。
また、保持シール材30は、マット31とフィルム40とを有している。マット31は、金属ケーシング20側の第1の主面32と、排ガス処理体10側の第2の主面33を有している。フィルム40は、第1の主面32と、第2の主面33とを被覆している。第2の主面33の一部には、フィルム40が存在せず、排ガス処理体10とが直接接触する露出部38が形成されている。
なお、図1に示す排ガス浄化装置1では、排ガス処理体10として、各々のセルにおけるいずれか一方が封止材13によって目封じされた排ガスフィルタ(ハニカムフィルタ)を用いている。
上記の構成を有する排ガス浄化装置1を排ガスが通過する場合について、図1を参照して以下に説明する。
図1に示すように、内燃機関から排出され、排ガス浄化装置1に流入した排ガス(図1中、排ガスをGで示し、排ガスの流れを矢印で示す)は、排ガス処理体10の排ガス流入側端面10aに開口した一のセル11に流入し、セル11を隔てるセル壁12を通過する。この際、排ガス中のPMがセル壁12で捕集され、排ガスが浄化されることとなる。浄化された排ガスは、排ガス流出側端面10bに開口した他のセル11から流出し、外部に排出される。
次に、本発明の保持シール材30について説明する。
図2は、本発明の保持シール材の一例を模式的に示す斜視図である。
図2に示す本発明の保持シール材30は、所定の長手方向の長さ(以下、単に全長ともいう。図2中、矢印Lで示す)、幅(図2中、矢印Wで示す)及び厚さ(図2中、矢印Tで示す)を有する無機繊維を含む平面視矩形のマット31からなる。
また、マット31は、第1の主面32と、第1の主面32と反対側の主面である第2の主面33とを有している。さらにマット31は、凸部34aが形成された端面34と、凹部35aが形成された端面35と、長手方向の側面である第1の側面36と、第1の側面36の反対側の側面である第2の側面37とを備えている。長手方向の側面とは、マット31を平面視した際に、矩形の長辺を形成する部分に位置する面のことである。凸部34a及び凹部35aは、排ガス浄化装置1を製造するために保持シール材30を排ガス処理体10に巻き付けた際に、ちょうど互いに嵌合するような形状である。
さらに、マット31の第1の主面32、及び、第2の主面33はフィルム40により被覆されており、フィルム40は、マット31の長手方向と垂直な方向に連続的に一周巻回してマット31を巻回するように貼付されている。従って、第1の側面36及び第2の側面37もフィルム40に被覆されている。
第2の主面33にはフィルム40の巻回開始部41、及び、巻回終了部42が存在し、巻回開始部41、及び、巻回終了部42の間には上記フィルム40が存在せず第2の主面33が露出する露出部38が形成されている。
巻回開始部41を構成する辺43は全ての部分において、マット31の長手方向と平行でない。
また、巻回終了部42を構成する辺44は、辺43と略平行である。
なお、フィルム40の巻回の方向を逆にすると、巻回終了部42が巻回を開始する場所となるので、巻回終了部と巻回開始部とは逆であってもよいが、ここでの説明においては、便宜上、上記の通りに扱う。
なお、本発明の保持シール材30において、巻回終了部42を構成する辺44は、巻回開始部41を構成する辺43と平行でなくてもよく、マット31の長手方向と平行であってもよい。
本発明の保持シール材30は、マット31の第1の主面32が金属ケーシング20側になり、第2の主面33が排ガス処理体10側になるように排ガス処理体10に巻き付けられる。本発明の保持シール材30が巻き付けられた排ガス処理体10は、金属ケーシング20に圧入により収容される。この際、本発明の保持シール材30が巻き付けられた排ガス処理体10は、巻回開始部41を構成する辺43が先に金属ケーシング20に圧入されるように圧入される。
マット31は、無機繊維からなる素地マットに対してニードリング処理を施して得られるニードルマットである。なお、ニードリング処理とは、ニードル等の繊維交絡手段を素地マットに対して抜き差しすることをいう。マット31では、比較的平均繊維長の長い無機繊維がニードリング処理により3次元的に交絡している。このマット31は、長手方向に垂直な幅方向でニードリング処理されている。
なお、交絡構造を呈するために、無機繊維はある程度の平均繊維長を有しており、例えば、無機繊維の平均繊維長は、50μm〜100mm程度であればよい。
マット31を構成する無機繊維の平均繊維径は、1〜20μmであることが望ましく、3〜10μmであることがより望ましい。
無機繊維の平均繊維径が1〜20μmであると、無機繊維の強度及び柔軟性が充分に高くなり、マット31のせん断強度を向上させることができる。
無機繊維の平均繊維径が1μm未満であると、無機繊維が細く切れやすいので、無機繊維の引っ張り強度が不充分となる。一方、無機繊維の平均繊維径が20μmを超えると、無機繊維が曲がりにくいため、柔軟性が不充分となる。
マット31の目付量(単位面積あたりの重量)は、特に限定されないが、200〜4000g/mであることが望ましく、1000〜3000g/mであることがより望ましい。マット31の目付量が200g/m未満であると、保持力が充分ではなく、マット31の目付量が4000g/mを超えると、マット31の嵩が低くなりにくい。そのため、このようなマット31を用いて排ガス浄化装置1を製造する場合、排ガス処理体10が脱落しやすくなる。
また、マット31の嵩密度(巻き付ける前のマットの嵩密度)については、特に限定されないが、0.10〜0.30g/cmであることが望ましい。マット31の嵩密度が0.10g/cm未満であると、無機繊維の絡み合いが弱く、無機繊維が剥離しやすいため、マット31の形状を所定の形状に保ちにくくなる。
また、嵩密度が0.30g/cmを超えると、マット31が硬くなり排ガス処理体10への巻き付け性が低下し割れやすくなる。
マット31には、嵩高さを抑えたり、排ガス処理装置1の組み立て前の作業性を高めたりするために、さらに有機バインダ等のバインダが含まれていてもよい。
また、マット31の厚さは1.5〜15mmであることが望ましい。
通常、無機繊維は、無機繊維はマットの表面から飛散する。しかし、本発明の保持シール材30では、フィルム40がマット31の第1の主面32、第2の主面33、第1の側面36、及び、第2の側面37を被覆しているので、フィルム40の被覆部分では無機繊維の飛散を防止することができる。
なお、マット31は、単層マットであってもよく、積層マットであってもよい。
図2に示すように、本発明の保持シール材30では、第2の主面33にはフィルム40の巻回開始部41、及び、巻回終了部42が存在している。
すなわち、フィルム40が、マット31の第1の主面32、第1の側面36及び第2の側面37を覆い、各側面から第2の主面33に折り返された構造となっている。
そのため、本発明の保持シール材30を扱う際に、衝撃や摩擦等によりフィルム40が剥がれることを防止することができる。
本発明の保持シール材30では、巻回開始部41、及び、巻回終了部42の間にはフィルム40が存在せず第2の主面33が露出する露出部38が形成されている。
このような露出部が存在せず、マットの主面と、排ガス処理体との間が完全にフィルムにより遮られていると、マットと排ガス処理体との間の密着性が低くなる。そのため、保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体を金属ケーシングに圧入する際に、保持シール材と、排ガス処理体とがずれやすくなり、金属ケーシングの端部から保持シール材がはみ出しやすくなる。しかし、本発明の保持シール材30には、露出部38があるので、マット31と排ガス処理体10との間にフィルム40が存在しない部分が生じる。この部分では、マット31に含まれる無機繊維が排ガス処理体10に直接接触することになる。そのため、マット31と、排ガス処理体10との間の密着性が向上する。さらに、無機繊維と排ガス処理体10との摩擦力に起因して、本発明の保持シール材30が巻き付けられた排ガス処理体10を金属ケーシング20に圧入する際に、保持シール材30と、排ガス処理体10とがずれにくくなる。従って、金属ケーシング20の端部から保持シール材30がはみ出すことを防止することができる。
圧入の際に、保持シール材30と、排ガス処理体10とがずれにくくなる理由を以下に図面を用いて説明する。
図3(a)〜(c)は、本発明の保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体を金属ケーシングに収容する工程の一例を模式的に示す図である。図3(a)は、保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体を金属ケーシングに収容する前の状態を模式的に示す模式図である。図3(b)は、保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体が金属ケーシングに圧入されている状態を模式的に示す模式図である。図3(c)は、図3(b)のA−A線断面図である。
図3(a)に示すように、本発明の保持シール材30は、マット31の第2の主面33が排ガス処理体10と接触するように、排ガス処理体10に巻き付けられている。本発明の保持シール材30が巻き付けられた排ガス処理体10は、フィルム40の巻回開始部41が先に圧入口23に圧入されるように金属ケーシング20に収容される。図3(a)中矢印は、圧入の方向を示している。
金属ケーシング20は、主にステンレス等の金属からなり、その内径(排ガス処理体を収容する部分の内径)は、排ガス処理体10の端面の直径と排ガス処理体10に巻付けられた状態の保持シール材30の厚さとを合わせた長さより若干短くなっている。
図3(b)に示すように、排ガス処理体10の圧入方向後ろ側の端部(排ガス流入側端面)10aは、圧力Pを受けることにより金属ケーシング20に圧入されることになる。
このとき、保持シール材30が受ける力を図3(c)を用いて説明する。
排ガス処理体10の圧力方向後ろ側の端部10aが圧力Pを受けると、排ガス処理体10に直接接触する本発明の保持シール材30の露出部38及びフィルム40は、圧入方向に引っ張られることになる。この力をFと表す。
保持シール材30が巻き付けられた排ガス処理体10を金属ケーシング20に圧入する際は、第1の主面32が金属ケーシング20と接触するので、金属ケーシング20と、保持シール材30との間に摩擦力が生じ、保持シール材30には、圧入方向と逆の方向の力が働くことになる。金属ケーシング20と、保持シール材30との間に生じる摩擦抵抗が大きくなると、圧入には、より大きなPが必要となる。Pが大きくなれば、Fも大きくなる。Fが、保持シール材30と排ガス処理体10との間の最大静止摩擦力を超えると、保持シール材30は、排ガス処理体10からずれることになる。
本発明の保持シール材30には、露出部38が形成されており、露出部38は排ガス処理体10に直接接触している。上記の通り、露出部38では、マット31に含まれる無機繊維が排ガス処理体10に直接接触することになる。そのため、マット31の第2の主面33と排ガス処理体10との間がフィルム40により完全に遮られている場合と比較して、保持シール材30と、排ガス処理体10との間の最大静止摩擦力が大きいことになる。従って、保持シール材30と、排ガス処理体10とがずれにくくなる。
本発明の保持シール材30では、巻回開始部41を構成する辺43は、全ての部分において、マット31の長手方向と平行でない。
マット31に貼付されたフィルム40は、保持シール材30が巻き付けられた排ガス処理体10を金属ケーシング20に圧入する際に巻回開始部41からめくれることがある。
この原因は、上記の圧入の際に保持シール材30が排ガス処理体10からずれる原因と同様である。
フィルム40が巻回開始部41からめくれる原因を図3(c)を用いて説明する。
圧入の際、排ガス処理体10に直接接触するフィルム40の面40aは、圧入方向に引っ張られる。この力をFとする。また、マット31の第2の主面33に直接接触するフィルム40の面40bは、圧入方向と逆の方向に引っ張られることになる。Fが、マット31の第2の主面33と、フィルム40の面40bとの間の最大静止摩擦力を超えると、フィルム40がマット31の第2の主面33からめくれることになる。
なお、フィルム40は巻回開始部41以外の部分、例えば巻回終了部42からめくれることはあまりない。上記のようにフィルム40の面40aは、圧入方向に引っ張られることになる。巻回開始部41以外のフィルム40の部分は、圧入方向と逆の方向に連続している。巻回開始部41以外の部分では、連続しているフィルム40とマット31との接触による摩擦力の影響を受けることになるので、巻回開始部41からよりもフィルム40がめくれにくくなっている。すなわち、圧入の際、フィルム40がめくれる場合は、巻回開始部41からめくれる場合がほとんどである。
ここで、マット31の第2の主面33に存在している巻回開始部41にかかる力を、以下に図面を用いて説明する。
図4(a)は、巻回開始部を構成する辺がマットの長手方向と平行である場合に、保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体を金属ケーシングに圧入する際の巻回開始部にかかる力を模式的に示す図である。
図4(b)は、巻回開始部を構成する辺が、全ての部分において、マットの長手方向と平行でない場合に、保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体を金属ケーシングに圧入する際の巻回開始部にかかる力を模式的に示す図である。
図4(a)では、巻回開始部41を構成する辺43´がマット31の長手方向と平行である。そのため、辺43´は圧入方向と垂直になる。従って、巻回開始部41には、フィルム40を圧入方向に引っ張る力(F)がそのままかかることになる。
一方、図4(b)では、巻回開始部41を構成する辺43が全ての部分において、マット31の長手方向と平行でない。フィルム40を圧入方向に引っ張る力(F)は、辺43と垂直な方向の力(F2a)と、辺43と平行な方向の力(F2b)とが合成された力として表すことができる。フィルム40がめくれる原因となる力は、辺43と垂直な方向の力(F2a)である。F2aはFよりも小さい力である。
以上より、巻回開始部41を構成する辺43が全ての部分において、マット31の長手方向と平行でない場合の方が、巻回開始部41を構成する辺43´がマット31の長手方向と平行である場合よりも、フィルム40がめくれにくくなる。
すなわち、本発明の構成を有する保持シール材30では、圧入する際に、保持シール材30からフィルム40がめくれることを防ぐことができる。
本発明の保持シール材30では、マット31の長手方向と平行でない辺43が直線である。
本発明の保持シール材30に用いられるフィルム40は、通常、大きなシートを作製し、そのシートからフィルム40を切り出すことにより作製される。
本発明の保持シール材30では、上記マット31の長手方向と平行でない辺43が直線なので、シートからフィルム40を切り出す際に、シートを直線状に裁断するだけでフィルム40を作製することができるので、効率的に本発明の保持シール材30を作製することができる。
本発明の保持シール材30では、上記マットの長手方向と平行でない辺43と、上記マットの長手方向に平行な直線αとが形成する角の角度が、3〜30°であることが望ましい。
図5は、巻回開始部を構成するマットの長手方向と平行でない辺と、マットの長手方向に平行な直線との関係を模式的にマットの第2の主面側から示した、保持シールの平面図である。
図5中、マット31の長手方向に平行な直線を直線αと表し、マット31の長手方向に垂直な直線をβとする。本発明において、マットの長手方向と平行でない辺と、上記マットの長手方向に平行な直線とが形成する角の角度とは、マット31の長手方向に平行でない辺43と、直線αと、直線βとが形成する三角形の角のうち、辺43と、直線αとが形成する角の角度θのことである。
上記マット31の長手方向と平行でない辺43と、上記マットの長手方向に平行な直線αとが形成する角の角度が3°未満であると、保持シール材30が巻き付けられた排ガス処理体10を金属ケーシング20に圧入する際、フィルム40を圧入方向に引っ張る力(F)を充分に分散させることができず、フィルム40がめくれやすくなる。
上記マット31の長手方向と平行でない辺43と、上記マット31の長手方向に平行な直線αとが形成する角の角度が30°を超えると、マット31の第2の主面33においてマットの幅方向に露出部38が形成されず、マット31の幅方向の全てがフィルム40で覆われている部分の割合が増加する。マット31の長手方向に垂直な方向は、圧入方向と一致する。そのため、マット31の第2の主面33においてマット31の幅方向に露出部38が形成されていない部分では、保持シール材30と排ガス処理体10とがずれることを防止する効果が得られにくくなる。
上記したように長手方向と平行でない辺43は直線であることが望ましいが、本発明の保持シール材30では、マット31の長手方向と平行でない辺43が曲線であってもよい。
排ガス処理体10の長手方向に垂直な断面が楕円形やレーストラック形である場合、保持シール材30が巻き付けられた排ガス処理体10を金属ケーシング20に圧入する際、曲率が高い部分では、排ガス処理体10が周囲の摩擦抵抗の影響をより多く受けるので、排ガス処理体10を圧入するのにより多くの力が必要となる。
そのため、フィルム40を圧入方向に引っ張る力(F)は、位置により異なる。すなわち、曲率の高い排ガス処理体10の部分に配置されているマット31の部分で、辺43にかかる力は強くなる。従って、この部分では、フィルム40がめくれやすくなる。しかし、辺43を曲線とし、排ガス処理体10の形状に合わせて辺43の曲率を調節することにより辺43にかかる力を分散することができる。これにより、フィルム40がめくれることを防止することができる。
本発明の保持シール材30では、露出部38の面積は、第2の主面33の面積の20〜80%であるであることが望ましい。
露出部38の面積が、第2の主面33の面積の20%未満であると、マット31に含まれる無機繊維が排ガス処理体10に直接接触する部分が少なくなりすぎるので、保持シール材30が巻き付けられた排ガス処理体10を金属ケーシング20に圧入する際に、保持シール材30と、排ガス処理体10とがずれやすくなる。
露出部38の面積が、第2の主面33の面積の80%を超えると、第2の主面33におけるフィルム40の折り返し部分が少なくなりすぎ、フィルム40が剥がれやすくなる。
本発明の保持シール材30では、フィルム40の構成材料は、ポリエステル、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種からなることが望ましい。
上記のように、本発明の保持シール材30は、通常、排ガス処理体10に巻き付けられ、金属ケーシング20に圧入される。この際、マット31の第1の主面32が、フィルム40を介し金属ケーシング20と接触することになる。
フィルム40の構成材料が、ポリエステル、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種からなっていると、マット31の第1の主面32と金属ケーシング20との間の摩擦力が小さくなる。そのため、本発明の保持シール材30が巻き付けられた排ガス処理体10を滑らかに金属ケーシング20に圧入することができる。
本発明の保持シール材30では、フィルム40は、接着材又は熱圧着によりマット31に固定されていることが望ましい。
接着材や熱圧着を用いると、フィルム40をマット31にしっかりと固定することができる。
次に、本発明の排ガス浄化装置1を構成する排ガス処理体10について説明する。
図6は、本発明の排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体の一例を模式的に示す斜視図である。
図6に示すように、排ガス処理体10は、主に多孔質セラミックからなり、その形状は略円柱状である。また、排ガス処理体10の外周には、排ガス処理体10の外周部を補強したり、形状を整えたり、排ガス処理体10の断熱性を向上させたりする目的で、外周コート層14が設けられている。
なお、排ガス処理体10の内部の構成については、本発明の排ガス浄化装置1の説明で既に述べた通りである(図1参照)。
なお、排ガス処理体10は、セルのいずれか一方の端部が封止されているフィルタであるが、本発明の排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体は、セルの端部が封止されていなくてもよい。このような排ガス処理体は、触媒担体として好適に使用することが可能となる。
また、排ガス処理体10は、一体型の排ガス処理体であるが、本発明の排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体は、複数のユニットが接着材層を介して結束されてなる集合型の排ガス処理体であってもよい。
さらに、排ガス処理体10の形状は、円柱形状であるが、本発明の排ガス浄化装置を構成する排ガス処理体は、楕円柱形状、角柱形状等の任意の形状であっても良い。
排ガス処理体10は、炭化ケイ素や窒化ケイ素などの非酸化多孔質セラミックであってもく、サイアロン、アルミナ、コーデェライト、ムライト等の酸化多孔質セラミックであってもよい。これらの中では、炭化ケイ素であることが望ましい。
排ガス処理体10が炭化ケイ素質の多孔質セラミックである場合、多孔質セラミックの気孔率は特に限定されないが、35〜60%であることが望ましい。
気孔率が35%未満であると、排ガス処理体がすぐに目詰まりを起こすことがあり、一方、気孔率が60%を超えると、排ガス処理体の強度が低下して容易に破壊されることがあるからである。
また、上記多孔質セラミックの平均気孔径は5〜30μmであることが望ましい。
平均気孔径が5μm未満であると、PMが容易に目詰まりを起こすことがあり、一方、平均気孔径が30μmを超えると、PMが気孔を通り抜けてしまい、PMを捕集することができず、フィルタとして機能することができないことがあるからである。
なお、上記気孔率及び気孔径は、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定の従来公知の方法により測定することができる。
排ガス処理体10の断面におけるセル密度は、特に限定されないが、望ましい下限は、31.0個/cm(200個/inch)、望ましい上限は、93.0個/cm(600個/inch)、より望ましい下限は、38.8個/cm(250個/inch)、より望ましい上限は、77.5個/cm(500個/inch)である。
排ガス処理体10には、排ガスを浄化するための触媒を担持させてもよく、担持させる触媒としては、例えば、白金、パラジウム、ロジウム等の貴金属が望ましく、この中では、白金がより望ましい。また、その他の触媒として、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、バリウム等のアルカリ土類金属を用いることもできる。これらの触媒は、単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。
これら触媒が担持されていると、PMを燃焼除去しやすくなり、有毒な排ガスの浄化も可能になる。
次に、本発明の保持シール材30が用いられた本発明の排ガス浄化装置1について説明する。
本発明の排ガス浄化装置1は、排ガス処理体10と、排ガス処理体10を収容する金属ケーシング20と、排ガス処理体10と金属ケーシング20との間に配設される保持シール材30とから構成される排ガス浄化装置1であって、金属ケーシング20は、圧入口23を有し、保持シール材30は、第1の主面32及び第1の主面32と反対側の第2の主面33を有する無機繊維を含む平面視矩形のマット31からなり、第1の主面32、及び、第2の主面33はフィルム40により被覆されており、フィルム40は、連続してマット31を巻回するように貼付されており、第2の主面33にはフィルム40の巻回開始部41、及び、巻回終了部42が存在し、巻回開始部41、及び、巻回終了部42の間にはフィルム40が存在せず第2の主面33が露出する露出部38が形成されており、巻回開始部41を構成する辺43、及び、巻回終了部42を構成する辺44のうち少なくとも一方の辺は、全ての部分において、マット31の長手方向と平行でなく、露出部38が排ガス処理体10と接するように保持シール材30が配置されており、マット31の長手方向と平行でない辺から圧入口23までの距離の方が、他方の辺から圧入口23までの距離よりも長いことを特徴とする。
本発明の排ガス浄化装置1では、本発明の保持シール材30が用いられているので、上記効果を奏する。
次に、本発明の保持シール材30、及び、本発明の排ガス浄化装置1の製造方法の一例について説明する。
(a)マット準備工程
まず、ニードルパンチング処理が施された無機繊維からなるマットを準備する工程を行う。
マットは、種々の方法により得ることができるが、例えば、以下の方法により製造することができる。すなわち、まず、例えば、塩基性塩化アルミニウム水溶液とシリカゾル等とを原料とする紡糸用混合物をブローイング法により紡糸して3〜10μmの平均繊維径を有する無機繊維前駆体を作製する。続いて、上記無機繊維前駆体を圧縮して所定の大きさの連続したシート状物を作製し、これにニードルパンチング処理を施し、その後、焼成処理を施する。このような工程を経てマット31を製造することができ、マット31を準備することができる。
(b)フィルム貼着工程
次に、マット31にフィルム40を貼着する工程を行う。
まず、フィルム40を裁断する。この際、巻回開始部41を構成する辺43がマット31の長手方向と、全ての部分において、平行とならないようにする。
続いて、フィルム40を、マット31の第2の主面33の巻回開始部41から巻回終了部42までマット31の長手方向と垂直な方向に連続的に一周巻回して貼着する。この際、マット31の第2の主面33の一部が露出する露出部38を形成するように巻回開始部41及び巻回終了部42を離間させる。
フィルム40の貼着については、あらかじめフィルム40に接着材を塗布し、マット31をフィルム40が覆うと同時に貼着させてもよく、マット31をフィルム40で覆った後に熱圧着により貼着してもよい。
これまでの工程を経たマット31は、本発明の保持シール材の一例である保持シール材30となる。
上記(a)マット準備工程には、有機バインダ及び無機バインダを無機繊維に付着させる工程が含まれていてもよい。
有機バインダ及び無機バインダを無機繊維に付着させる方法及び手順は特に限定されないが、例えば、焼成処理の後に、マットをバインダ含む溶液に浸漬することにより、マットにバインダを含浸させてもよく、カーテンコート法等の方法でバインダをマット上に落下させることにより、マットにバインダを含浸させてもよい。その後、バインダが付着したマットを吸引脱水することにより、バインダの付着量を調整することができる。
次に、上記保持シール材30を用いて、本発明の排ガス浄化装置の一例である排ガス浄化装置1を製造する方法の一例を説明する。
本発明の排ガス浄化装置1の製造方法は、排ガス処理体10と、排ガス処理体10を収容する金属ケーシング20と、上記排ガス処理体10と金属ケーシング20との間に配設される保持シール材30とから構成される排ガス浄化装置1を製造する方法であって、保持シール材30は、上記本発明の保持シール材の製造方法により製造された保持シール材であり、マット31の第1の主面32が金属ケーシング20側になり、第2の主面33が排ガス処理体10側となるように、保持シール材30を排ガス処理体10に巻き付ける工程と、保持シール材30が巻つけられた排ガス処理体10を、巻回開始部41が先に圧入されるように、金属ケーシング20の内部に圧入する工程とを含むことを特徴とする。
(c)巻き付け工程
本発明の保持シール材30を、排ガス処理体10の周囲に巻き付ける工程を行う。
この工程では、従来公知の方法により作製した略円柱形状の排ガス処理体10の外周に、マット31の第2の主面33が接するように、保持シール材30を巻き付ける。この際、マット31の凸部34aと、凹部35aとを嵌合させ、マット31の凸部34aと、凹部35aとを嵌合させる。
(d)圧入工程
次に、図3(a)に示すように、保持シール材30が巻き付けられた排ガス処理体10を、フィルム40の巻回開始部41が先に圧入口23に圧入されるように、金属ケーシング20の内部に圧入方式(スタッフィング方式)により圧入する工程を行う。
これまでの工程を経て、本発明の排ガス浄化装置の一例である排ガス浄化装置1が製造される。
以下に、本発明の保持シール材及び排ガス浄化装置の作用効果について列挙する。
本発明の保持シール材は、上記のように本発明の排ガス浄化装置に用いられる。そのため、以下の効果を奏する。
(1)本発明の保持シール材では、第1の主面、及び、第2の主面はフィルムにより被覆されており、上記フィルムは、連続して上記マットを巻回するように貼付されている。
そのため、無機繊維の飛散を低減することができる。
(2)本発明の保持シール材では、第2の主面にはフィルムの巻回開始部、及び、巻回終了部が存在している。すなわち、フィルムがマットの第1の主面及び側面を覆い、側面から第2の主面に折り返された構造となっている。そのため、本発明の保持シール材を扱う際に、衝撃や摩擦等によりフィルムが剥がれることを防止することができる。
(3)本発明の保持シール材では、巻回開始部、及び、巻回終了部の間にはフィルムが存在せず第2の主面が露出する露出部が形成されている。そのため、マットと、排ガス処理体との間の密着性が向上する。さらに、無機繊維と排ガス処理体との摩擦に起因して、本発明の保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体を金属ケーシングに圧入する際に、保持シール材と、排ガス処理体とがずれにくくなる。従って、金属ケーシングの端部から保持シール材がはみ出すことを防止することができる。
(4)本発明の保持シール材では、巻回開始部を構成する辺、及び、巻回終了部を構成する辺のうち少なくとも一方の辺は、全ての部分において、マットの長手方向と平行でない。また、マットの長手方向と平行でない辺が先に圧入されるように、保持シール材が巻き付けられた排ガス処理体は、金属ケーシングに圧入される。
そのため、マットの長手方向と平行でない辺には、フィルムを圧入方向に引っ張る力が分散されてかかることになる。従って、マットの長手方向と平行でない辺からフィルムがめくれることを防ぐことができる。すなわち、圧入する際に、保持シール材からフィルムがめくれることを防ぐことができる。
(実施例)
以下、本発明をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明はこの実施例のみに限定されるものではない。
(実施例1)
(a)マット準備工程
(a−1)紡糸工程
Al含有量が70g/lであり、Al:Cl=1:1.8(原子比)となるように調製した塩基性塩化アルミニウム水溶液に対して、焼成後の無機繊維における組成比が、Al:SiO=72:28(重量比)となるようにシリカゾルを配合し、さらに、有機重合体(ポリビニルアルコール)を適量添加して混合液を調製した。
得られた混合液を濃縮して紡糸用混合物とし、この紡糸用混合物をブローイング法により紡糸して平均繊維長が100mm、平均繊維径が5.1μmである無機繊維前駆体を作製した。
(a−2)圧縮工程
上記工程(a−1)で得られた無機繊維前駆体を圧縮し、連続したシート状物を作製した。
(a−3)ニードルパンチング処理工程
上記工程(a−2)で得られたシート状物に対して、以下に示す条件を用いて連続的にニードルパンチング処理を行ってニードルパンチング処理体を作製した。
まず、ニードルが21個/cmの密度で取り付けられたニードルボードを準備した。次に、このニードルボードをシート状物の一方の表面の上方に配設し、ニードルボードをシート状物の厚さ方向に沿って一回上下させることによりニードルパンチング処理を行い、ニードルパンチング処理体を作製した。この際、ニードルの先端部分に形成されたバーブがシート状物の反対側の表面に完全に貫出するまでニードルを貫通させた。
(a−4)焼成工程
上記工程(a−3)で得られたニードルパンチング処理体を最高温度1250℃で連続して焼成し、アルミナとシリカとを含む無機繊維からなる焼成シート状物を作製した。無機繊維の平均繊維径は、5.1μmであり、無機繊維径の最小値は、3.2μmであった。このようにして得られたアルミナ繊維製保持シール材は、嵩密度が0.15g/cmであり、目付量が1400g/mである。
(a−5)切断工程
上記工程(a−4)で得られた焼成シート状物を切断し、切断シート状物を作製した。
(a−6)含浸工程
上記工程(a−5)で得られた切断シート状物に、有機バインダとしてアクリル系樹脂を含む有機バインダ溶液(アクリル系ラテックス)をフローコートして、切断シート状物に有機バインダを含浸させることにより、含浸シート状物を作製した。
(a−7)乾燥工程
上記工程(a−6)で得られた含浸シート状物から過剰な有機バインダ溶液を吸引除去した後に、圧縮乾燥させてその厚さを薄くし、その厚さが6.8mmのニードルパンチング処理マットを作製した。
(a−8)裁断工程
上記工程(a−7)で得られたマットを、平面視寸法が全長1089mm×幅371mmであって、一端に、長さが24.5mm、幅が100mmの凸部34aが形成され、他端にこの凸部34aと嵌合する凹部35aが成形されるように裁断することにより、マット31を成形した。
(b)フィルム貼着工程
ポリエステル粘着材付きフィルム(厚さ40μm;カトー精工製)を、全長1050mm×幅589mmの略長方形となるように裁断した。その後、巻回開始部41となる部分の辺43と、該フィルムの長手方向と平行な直線とが形成する角の角度が5°となるように上記略長方形の頂点から該フィルムを裁断した。さらに、巻回終了部42となる部分の辺44と、該フィルムの長手方向と平行な直線とが形成する角の角度が5°となるように、かつ、辺43と辺44とが平行になるように、上記略長方形の頂点から該フィルムを裁断した。このようにして裁断されたフィルムは、鋭角が85°であり、鈍角が95°であり、短辺が497mmであり、長辺が1054mmである平行四辺形となる。
次に、マット31の第2の主面33に、フィルムの巻回開始部41を配置した。マット31と巻回開始部41との位置関係は以下の通りである。上記平行四辺形の鋭角を形成する辺43の端部を、マット31の第1の側面36から第2の側面37の方向に102mmのところに配置した。同時に、上記平行四辺形の鈍角を形成する辺43の端部を、マット31の第1の側面36から第2の側面37の方向に10mmのところに配置した。
その後、マット31の第2の主面33の巻回開始部41を巻回の開始部として、フィルムをマット31の第2の主面33、第1の側面36、第1の主面32、第2の側面37、及び、第2の主面33に沿って、マット31の第2の主面33の巻回終了部42まで連続的に巻回し貼着した。
このようにして作製された保持シール材は、実施例1に係る保持シール材30となる。
(c)巻き付け工程
(c−1)排ガス処理体の成形体の作製
平均粒子径22μmを有する炭化ケイ素の粗粉末52.8重量%と、平均粒子径0.5μmの炭化ケイ素の微粉末22.6重量%とを混合し、得られた混合物に対して、アクリル樹脂2.1重量%、有機バインダ(メチルセルロース)4.6重量%、潤滑剤(日本油脂社製 ユニルーブ)2.8重量%、グリセリン1.3重量%、及び、水13.8重量%を加えて混練して湿潤混合物を得た後、押出成形し、図6に示す排ガス処理体10の成形体を作製した。
(c−2)乾燥工程
上記工程(c−1)で得られた排ガス処理体10の成形体を、マイクロ波乾燥機を用いて上記生の排ガス処理体10の成形体を乾燥させ、排ガス処理体10の乾燥体とした。
(c−3)脱脂工程
上記工程(c−2)で得られた排ガス処理体10の乾燥体を400℃で脱脂し、排ガス処理体10の脱脂体とした。
(c−4)焼成工程
上記工程(c−3)で得られた排ガス処理体10の脱脂体を常圧のアルゴン雰囲気下2200℃、3時間の条件で焼成工程を行い、気孔率が45%、平均気孔径が15μm、セルの数(セル密度)が300個/inch、セル壁の厚さが0.25mm(10mil)の炭化ケイ素焼結体を製造した。
(c−5)触媒担持工程
上記工程(c−4)で得られた排ガス処理体10の炭化ケイ素焼結体を、硝酸白金溶液に浸漬した後、600℃で1時間保持することにより、排ガス処理体10の炭化ケイ素焼結体のセル壁12に白金触媒を担持させた。
このようにして作製された炭化ケイ素焼結体は、実施例1の保持シール材30が巻き付けられる排ガス処理体10となる。排ガス処理体10は全長350mmの略円柱状であり、外径は326mmであった。
(c−6)保持シール材巻き付け工程
上記工程(c−5)で得られた排ガス処理体10の周囲に、本実施例の保持シール材30を巻き付けた。この際、マット31の第2の主面33が、排ガス処理体10と接触するように本実施例の保持シール材30を巻き付けた。さらに、マット31の凸部34aと、凹部35aとを嵌合させた。
(d)圧入工程
圧入方式(スタッフィング方式)により、巻回開始部41が先に圧入されるように、保持シール材30が巻き付けられた排ガス処理体10を金属ケーシング20に圧入した。保持シール材10の隙間嵩密度(GBH)は0.4g/cmとした。
このようにして作製された排ガス浄化装置は、実施例1に係る排ガス浄化装置1となる。
(比較例1)
フィルム貼着工程において、フィルムの裁断、及び、貼付を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして比較例1に係る排ガス浄化装置を作製した。
ポリエステル粘着材付きフィルムを、全長1050mm×幅497mmの略長方形となるように裁断した。
続いて、マット31の第2の主面33の巻回開始部41を巻回の開始部として、フィルムをマット31の第2の主面33、第1の側面36、第1の主面32、第2の側面37、及び、第2の主面33に沿って、マット31の第2の主面33の巻回終了部42まで連続的に巻回し貼着した。また、巻回開始部41は、マット31の第1の側面36から第2の側面37の方向に56mmのところに位置させ、巻回終了部42は、マット31の第2の側面37から第1の側面36の方向に56mmのところに位置させた。
(評価)
実施例1及び比較例1に係る排ガス浄化装置を、それぞれ5個製造し、保持シール材が金属ケーシングの端部からはみ出しているか否かを目視で確認した。
実施例1では、全ての排ガス浄化装置において、保持シール材が金属ケーシングからはみ出していなかった。一方、比較例1では、5個中3個の排ガス浄化装置において、保持シール材が金属ケーシングからはみ出していた。
また、各排ガス浄化装置から保持シール材を取り出し、フィルムの状態を目視で確認した。実施例1では、全ての保持シール材において、フィルムが保持シール材からめくれていなかった。一方、比較例1では、5個中3個の保持シール材について、フィルムが保持シール材からめくれていた。
本発明の保持シール材は、第1の主面及び第1の主面と反対側の第2の主面を有する無機繊維を含む平面視矩形のマットからなる保持シール材であって、上記第1の主面、及び、上記第2の主面はフィルムにより被覆されており、上記フィルムは、連続して上記マットを巻回するように貼付されており、上記第2の主面には上記フィルムの巻回開始部、及び、巻回終了部が存在し、上記巻回開始部、及び、上記巻回終了部の間には上記フィルムが存在せず上記第2の主面が露出する露出部が形成されており、上記巻回開始部を構成する辺、及び、上記巻回終了部を構成する辺のうち少なくとも一方の辺は、全ての部分において、上記マットの長手方向と平行でないことを必須の構成要件としている。
係る必須の構成要素に、本発明の詳細な説明で詳述した種々の構成(例えば、マットの長手方向と平行でない辺の形状、マットの長手方向と平行でない辺とマットの長手方向に平行な直線とが形成する角の角度、露出部の面積、フィルムの構成材料、フィルムの固定方法等)を適宜組み合わせることにより所望の効果を得ることができる。
1 排ガス浄化装置
10 排ガス処理体
11 セル
12 セル壁
13 封止材
14 外周コート層
20 金属ケーシング
21 導入管
22 排出管
23 圧入口
30 保持シール材
31 マット
32 第1の主面
33 第2の主面
34、35 端面
34a 凸部
35a 凹部
36 第1の側面
37 第2の側面
38 露出部
40 フィルム
41 巻回開始部
42 巻回終了部
43 巻回開始部を構成する辺
44 巻回終了部を構成する辺

Claims (8)

  1. 第1の主面及び第1の主面と反対側の第2の主面を有する無機繊維を含む平面視矩形のマットからなる保持シール材であって、
    前記第1の主面、及び、前記第2の主面はフィルムにより被覆されており、
    前記フィルムは、連続して前記マットを巻回するように貼付されており、
    前記第2の主面には前記フィルムの巻回開始部、及び、巻回終了部が存在し、
    前記巻回開始部、及び、前記巻回終了部の間には前記フィルムが存在せず前記第2の主面が露出する露出部が形成されており、
    前記巻回開始部を構成する辺、及び、前記巻回終了部を構成する辺のうち少なくとも一方の辺は、全ての部分において、前記マットの長手方向と平行でないことを特徴とする保持シール材。
  2. 前記マットの長手方向と平行でない辺が直線である請求項1に記載の保持シール材。
  3. 前記マットの長手方向と平行でない辺と、前記マットの長手方向に平行な直線とが形成する角の角度が、3〜30°である請求項2に記載の保持シール材。
  4. 前記マットの長手方向と平行でない辺が曲線である請求項1に記載の保持シール材。
  5. 前記露出部の面積は、前記第2の主面の面積の20〜80%である請求項1〜4のいずれかに記載の保持シール材。
  6. 前記フィルムの構成材料は、ポリエステル、高密度ポリエチレン、ポリプロピレンからなる群から選択される少なくとも1種からなる請求項1〜5のいずれかに記載の保持シール材。
  7. 前記フィルムは、接着材又は熱圧着により前記マットに固定されている請求項1〜6のいずれかに記載の保持シール材。
  8. 排ガス処理体と、前記排ガス処理体を収容する金属ケーシングと、前記排ガス処理体と前記金属ケーシングとの間に配設される保持シール材とから構成される排ガス浄化装置であって、
    前記金属ケーシングは、圧入口を有し、
    前記保持シール材は、第1の主面及び第1の主面と反対側の第2の主面を有する無機繊維を含む平面視矩形のマットからなり、
    前記第1の主面、及び、前記第2の主面はフィルムにより被覆されており、
    前記フィルムは、連続して前記マットを巻回するように貼付されており、
    前記第2の主面には前記フィルムの巻回開始部、及び、巻回終了部が存在し、
    前記巻回開始部、及び、前記巻回終了部の間には前記フィルムが存在せず前記第2の主面が露出する露出部が形成されており、
    前記巻回開始部を構成する辺、及び、前記巻回終了部を構成する辺のうち少なくとも一方の辺は、全ての部分において、前記マットの長手方向と平行でなく、
    前記露出部が前記排ガス処理体と接するように前記保持シール材が配置されており、
    前記マットの長手方向と平行でない辺から前記圧入口までの距離の方が、他方の辺から前記圧入口までの距離よりも長いことを特徴とする排ガス浄化装置。
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