JP2015024625A - 成形用金型及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高い密着力を有するDLC膜を備えた成形用金型及びその製造方法を提供する。
【解決手段】成形用金型は、金属からなる金型本体と、該金型本体の少なくとも成形材料と接する箇所に被着され、少なくとも窒素を含むニッケル合金からなる多孔質層を有するニッケル系被膜と、該ニッケル系被膜の表面に形成されたDLC系被膜とを備える。
【選択図】図2
【解決手段】成形用金型は、金属からなる金型本体と、該金型本体の少なくとも成形材料と接する箇所に被着され、少なくとも窒素を含むニッケル合金からなる多孔質層を有するニッケル系被膜と、該ニッケル系被膜の表面に形成されたDLC系被膜とを備える。
【選択図】図2
Description
本発明は、DLC系膜を備えた成形用金型及びその製造方法に関する。
樹脂や溶融金属の成形や鋳造といった各種成形品製造工程における成形品の生産性を高めるために、成形品の成形促進や金型からの離型性を高める技術は重要視されている。各種成形方法の中でも、アルミダイカスト鋳造などにおいては、金型の焼き付きや割れの防止に対する対策はこれまで十分に確立されておらず、その解決策が求められている。対策の一つとしては、金型温度の低減が挙げられる。近年、金型温度を下げるために、鋳造冷却技術,離型剤塗布,表面処理などによる防止策がとられてきたが、未だ十分な対策とはなっていない。
特許文献1には、金型の内壁に接触して形成される鋳物表層の少なくとも一部が、溶湯から晶出した初晶の二次デンドライトアーム間隔(DAS2)が2μm以下である微細凝固組織チル層となっていることを特徴とするアルミ合金ダイカスト鋳物が開示されている。このアルミ合金ダイカスト鋳物によれば、従来のダイカスト鋳物と異なり、表層の凝固組織が超微細なチル層からなるため、金型との間で焼き付きや表面割れ等がほとんど生じず、表面性状に優れたAl合金ダイカスト鋳物を歩留まりよく得ることができる。表層の微細凝固組織チル層を形成するためには、ダイカスト鋳造時の冷却速度を高める必要があり、そのために熱伝導性に優れた銅合金の金型を使用している。
特許文献2には、鋳造成形において、成形材料の鋳造型への焼き付きを抑制し、製品の離型抵抗を低減する離型効果をより一層長く持続させる表面処理方法が開示されている。該表面処理方法においては、鋳造型の表面をカーボンナノコイル,カーボンナノチューブ等のナノカーボン類を含む炭素膜で被覆し、さらにその表面にフラーレン類を塗布する。鋳造型のキャビティ面等の成形材料の溶湯が接触する面に対してこの表面処理方法を行うと、鋳造型の焼き付きが抑制され、製品の離型抵抗が低減されるので、離型効果が向上する。さらに、従来の炭素膜よりも離型効果が長期間持続する。
特許文献3においては、溶融材料の充填性の向上とその凝固時間の短縮を図れる金型が開示されている。該金型は、成形材料と接触する接触表面部にカーボンナノコイル,カーボンナノチューブ等のナノカーボン類を含む炭素繊維が起毛した繊維層を有している。繊維層が形成された箇所は充填中の溶融材料の温度低下を抑制するので、繊維層のある接触表面部と繊維層のない接触表面部を適切に組み合わせて調整することにより、充填中の溶融材料の温度降下を抑制しつつ、溶融材料の凝固時間の短縮などを図ることができる。
特許文献1においては、銅合金の金型を使用している。金型温度が高くなる等鋳造条件の厳しい場合においては、銅合金金型ではアルミニウムによる溶損や焼き付きが発生するおそれがあった。
一般的なセラミックコーティング等の表面処理と比較して特許文献2で示された炭素膜や特許文献3で示された繊維層(以下、炭素系コーティングと総称する)はアルミニウムとの反応が起きにくいので、金型の焼き付きに有効であると考えられる。しかし、これらの炭素系コーティングの材料は多くの場合繊維状であり、金型表面へのアルミニウムの浸透を完全に防ぐことは難しいため、実際には金型が損傷を受けやすく、耐アルミ焼き付き性は十分とは言えないという問題があった。
DLC(Diamond-like Carbon)膜等の炭素膜は、特許文献2,3で開示された炭素系コーティングと比較すると、連続した膜を形成することが可能なので、金型表面へのアルミニウムの浸透は炭素系コーティングと比べて生じにくく、アルミニウムの焼き付き防止効果が期待できる。しかし、銅合金の金型表面にDLC膜を直接形成しても、DLC膜の銅合金への密着力が低いため、DLC膜は金型表面から簡単に剥離するという問題があった。また、ニッケルめっきやクロムめっきを中間層として銅合金の金型表面に形成し、中間層の上にDLC膜を形成した場合であっても、DLC膜は中間層に対して必要な密着力が得られないため容易に剥離するという問題があった。
上記問題に鑑み、本発明は、高い密着力を有するDLC膜を備えた成形用金型及びその製造方法を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る成形用金型の特徴構成は、金属からなる金型本体と、該金型本体の少なくとも成形材料と接する箇所に被着され、少なくとも窒素を含むニッケル合金からなる多孔質層を有するニッケル系被膜と、前記ニッケル系被膜の表面に形成されたDLC系被膜とを備える点にある。
このような特徴構成とすれば、ニッケル系被膜は多孔質層を有するので、ニッケル系被膜上にDLC系被膜を形成すると、DLC系被膜はニッケル系被膜との境界において多孔質層の空孔に入り込み、それがDLC系被膜をNi系被膜に密着させるアンカーの役割を果たしてDLC系被膜はNi系被膜に密着する。また、金型本体は金属であるため、一般的にニッケル系被膜との密着性は高い。従って、高い密着力を有するDLC系被膜を備えた成形用金型の提供が可能になる。
本発明に係る成形用金型においては、前記金型本体の材料が銅又は銅合金であると好適である。
銅や銅合金は熱伝導度が高いため、成形用金型に用いると冷却効果が高く、金型温度を低下させることができる。これにより、成形材料の焼き付きを防止することもできる。
本発明に係る成形用金型においては、前記ニッケル系被膜の厚さが1μm以上100μm以下であると好適である。
ニッケル系被膜の膜厚が薄すぎると多孔質層も薄くなり、DLC系被膜が剥離しやすくなるという問題が生じる。一方、ニッケル系被膜の膜厚が厚すぎるとニッケル系被膜自身の割れや剥離が生じ易くなり好ましくない。ニッケル系被膜の厚さが1μm以上100μm以下であれば、DLC系被膜を高い密着力で安定してニッケル系被膜に被着させることができる。
本発明に係る成形用金型においては、前記多孔質層において、最表面に開口した空孔の平均孔径が前記多孔質層の膜厚の1%〜20%の大きさであると好適である。
平均孔径が過小では多孔質層の効果が十分に発揮されず、平均孔径が過大では多孔質層の強度が低下して好ましくない。平均孔径が多孔質層の膜厚の1%〜20%の大きさであれば、DLC系被膜が空孔に入り込み、高い密着力で安定してニッケル系被膜に被着させることができる。
本発明に係る成形用金型においては、前記DLC系被膜には、3原子%から40原子%のシリコンが含有されていると好適である。
シリコン含有量が過少では、DLC系被膜の表面に酸素の拡散を阻止できるような緻密なSiO2膜が形成されないために耐酸化性が低く、成形を繰り返すうちにDLC系被膜が酸化及び熱により損傷するおそれがある。また、シリコン含有量が過大では、DLC系被膜の硬度が高くなり、膜の柔軟性が低下し、Ni系被膜への密着力が低下する。シリコン含有量が3原子%から40原子%であれば、DLC系被膜の耐酸化性と柔軟性を両立させることができる。
本発明に係る成形用金型の製造方法の特徴は、銅合金又はアルミ合金からなる金型本体の基材の少なくとも成形材料と接する箇所に、ニッケルを含むめっき層を形成するめっき工程と、該めっき層上に窒素プラズマを供給しつつ前記金型本体を加熱して多孔質層を形成する窒化工程と、該多孔質層の表面にDLC系被膜を形成するコーティング工程とを含む点にある。
このような特徴とすれば、簡便な方法で、高い密着力を有するDLC系被膜を備えた成形用金型を製造することができる。
以下、本発明の実施形態に係る成形用金型(以下、単に金型とも称する)及びその製造方法について詳細に説明する。
〔成形用金型〕
(1)金型本体
本実施形態に係る金型本体は、銅又はベリリウム銅(BeCu)やクロム銅(CrCu)等の銅合金からなる。銅や銅合金は熱伝導度が高いため、鋳造用金型に用いると冷却効果が高く、金型温度を低下させる効果があり、溶融材料(成形材料)の焼き付きを防止する効果を有する。銅及び銅合金の金型本体の熱伝導率は60W/m・K以上がよく、80W/m・K以上であることがより好ましい。金型本体は銅、銅合金に限らず、アルミ合金であってもよい。アルミ合金を金型本体とする成型用金型は、主に樹脂成形時に用いられる。以下、銅合金、アルミ合金と言うときには、銅及びアルミニウムも含むものとする。
(1)金型本体
本実施形態に係る金型本体は、銅又はベリリウム銅(BeCu)やクロム銅(CrCu)等の銅合金からなる。銅や銅合金は熱伝導度が高いため、鋳造用金型に用いると冷却効果が高く、金型温度を低下させる効果があり、溶融材料(成形材料)の焼き付きを防止する効果を有する。銅及び銅合金の金型本体の熱伝導率は60W/m・K以上がよく、80W/m・K以上であることがより好ましい。金型本体は銅、銅合金に限らず、アルミ合金であってもよい。アルミ合金を金型本体とする成型用金型は、主に樹脂成形時に用いられる。以下、銅合金、アルミ合金と言うときには、銅及びアルミニウムも含むものとする。
(2)ニッケル系被膜
金型本体の少なくとも成形材料と接する箇所には、ニッケル系被膜(以下、ニッケルをNiと称することもある)が被着している。Ni系被膜とは、Ni合金からなる被膜と、純Niからなる被膜との両方を含む概念である。Ni系被膜は、多孔質層を有している。この多孔質層は、Ni系被膜全体に形成されていてもよいが、少なくとも成形材料と接する箇所に形成されていればよい。またNi系被膜全体が合金からなる場合、Ni系被膜の被膜材料全体がNi合金である必要はない。例えば、純Niからなる被膜の表面側に、Ni合金からなる多孔質層が形成される場合、その基材側は純Niのままでもよい。なお、金型本体とNi系被膜との密着性は高く、金型としての通常の使用においてNi系被膜が金型本体から剥離するおそれはない。また、Ni系被膜は、0.03原子%以下の微量の窒素を含有している。
金型本体の少なくとも成形材料と接する箇所には、ニッケル系被膜(以下、ニッケルをNiと称することもある)が被着している。Ni系被膜とは、Ni合金からなる被膜と、純Niからなる被膜との両方を含む概念である。Ni系被膜は、多孔質層を有している。この多孔質層は、Ni系被膜全体に形成されていてもよいが、少なくとも成形材料と接する箇所に形成されていればよい。またNi系被膜全体が合金からなる場合、Ni系被膜の被膜材料全体がNi合金である必要はない。例えば、純Niからなる被膜の表面側に、Ni合金からなる多孔質層が形成される場合、その基材側は純Niのままでもよい。なお、金型本体とNi系被膜との密着性は高く、金型としての通常の使用においてNi系被膜が金型本体から剥離するおそれはない。また、Ni系被膜は、0.03原子%以下の微量の窒素を含有している。
純NiやNi合金は銅合金よりも硬質である。従って、金型本体にNi系被膜が被着することにより、被着した箇所の金型本体の強度が補強される効果もある。
Ni系被膜の厚さは問わないが、例えば、1μm〜100μmがよく、さらには3μm〜50μmであると好ましい。この膜厚が薄すぎると多孔質層も薄くなり、DLC系被膜が剥離しやすくなる。その膜厚が厚すぎるとNi系被膜自身の割れや剥離が生じ易くなり好ましくない。Ni系被膜の厚さが1μm〜100μm以下、さらには3μm〜50μmであれば、DLC系被膜を高い密着力で安定してNi系被膜に被着させることができる。DLC系被膜についての詳細は後述する。なお、Ni系被膜の厚さとは、切断した断面を光学顕微鏡等で拡大して測定した値である。
Ni系被膜がNi合金からなる場合には、その具体的な組成は問わない。例えば、改質元素として例えばリン(P)を含んでいてもよい。この場合、全体を100質量%としたときにリンの重量が1質量%〜15質量%さらには2原子%〜10原子%であると好ましい。リンを含むことによりNi系被膜は硬質になるが、リンの量が過少ではその効果が乏しく、リンの量が過多になると脆性的となり好ましくない。Ni系被膜はリン以外の改質元素として、ボロン(B)やタングステン(W)を含有していてもよい。これらの改質元素は単体で含有されていても、複数の改質元素が含有されていてもよい。
(3)多孔質層
Ni系被膜の多孔質層には無数の空孔(以下、ポーラスとも称する)が形成されている。本実施形態においてポーラスの形態は問わないが、例えば、多孔質層の最表面に開口したポーラスの平均孔径が多孔質層の膜厚の1%〜20%の大きさであればよい。平均孔径が過小では多孔質層の効果が十分に発揮されない。平均孔径が過大では多孔質層の強度が低下して好ましくない。平均孔径が多孔質層の膜厚の1%〜20%の大きさであれば、DLC系被膜を高い密着力で安定してNi系被膜に被着させることができる。
Ni系被膜の多孔質層には無数の空孔(以下、ポーラスとも称する)が形成されている。本実施形態においてポーラスの形態は問わないが、例えば、多孔質層の最表面に開口したポーラスの平均孔径が多孔質層の膜厚の1%〜20%の大きさであればよい。平均孔径が過小では多孔質層の効果が十分に発揮されない。平均孔径が過大では多孔質層の強度が低下して好ましくない。平均孔径が多孔質層の膜厚の1%〜20%の大きさであれば、DLC系被膜を高い密着力で安定してNi系被膜に被着させることができる。
なお、平均孔径とは、めっき断面の10μm角の視野を走査型電子顕微鏡(SEM)で5万倍に拡大して、同視野にある孔の最大径を測定し、それら全てを積算した値を測定した孔数で割った値である。
また多孔質層の厚さも問わないが、0.1μm〜20μmさらには1μm〜10μmであると好ましい。この厚さが薄すぎると多孔質層の効果が十分に発現されない。その厚さが厚すぎると強度が低下し易くなり好ましくない。なお、多孔質層の厚さとは、切断したそれぞれの断面を光学顕微鏡等で拡大して測定した値である。
多孔質層は、窒素を含むNi合金からなるが、多孔質層中の窒素量は、Ni合金中の含有元素によって異なったり、粒界に局在したりして必ずしも均一ではないため一概には特定し難い。また、Ni中の窒素の固溶量は0.03原子%以下と極めて少量なため、Ni合金中における窒素量を特定することは難しい。しかし、敢えていうと、例えば、多孔質層の最表面近傍の窒素の量は、その全体を100原子%としたときに0.001原子%〜5原子%さらには0.005原子%〜1原子%であると好ましい。窒素の量が過少ではポーラスの形成や強度が不十分となり、窒素の量が過多ではポーラスが脆くなり好ましくない。
本明細書において「最表面近傍」は、最表面から100nm〜1000nmの深さ(厚さ)の領域をいう。この最表面近傍の窒素量は、X線マイクロアナライザー(EPMA)又は二次イオン質量分析器(SIMS)等により特定される。
Ni合金中にクロムやタングステン等が含まれる場合、窒素はそれらの元素と結合して窒化物を形成し易くなるため、ポーラスの形成が抑制される。逆にいうと、多孔質層を形成するNi合金の組成を調整することにより、ポーラスの形成を制御することも可能となる。
Ni系被膜は、少なくとも一部が結晶質(特に面心立方晶)からなると、硬質で高強度となり好ましい。なお、Ni系被膜がめっき層からなる場合、めっき直後のめっき層が非晶質であっても、多孔質層の形成時またはその後の適切な加熱により、結晶質めっき層へ容易に変態し得る。
(4)DLC系被膜
本実施形態に係る成形用金型において、Ni系被膜の少なくとも成形材料と接する箇所にはDLC(Diamond-like Carbon)系被膜が被着している。本実施形態においては、Ni系被膜は多孔質層を有するので、Ni系被膜上にDLC系被膜を形成すると、DLC系被膜はNi系被膜との境界においてポーラスに入り込み、それがDLC系被膜をNi系被膜に密着させるアンカーの役割を果たす。また、上述したように、Ni系被膜と金型本体の密着性は高い。これにより、金型本体が銅合金であっても剥離しないDLC系被膜の形成が可能となる。
本実施形態に係る成形用金型において、Ni系被膜の少なくとも成形材料と接する箇所にはDLC(Diamond-like Carbon)系被膜が被着している。本実施形態においては、Ni系被膜は多孔質層を有するので、Ni系被膜上にDLC系被膜を形成すると、DLC系被膜はNi系被膜との境界においてポーラスに入り込み、それがDLC系被膜をNi系被膜に密着させるアンカーの役割を果たす。また、上述したように、Ni系被膜と金型本体の密着性は高い。これにより、金型本体が銅合金であっても剥離しないDLC系被膜の形成が可能となる。
なお、DLC系被膜は、その組成を問わない。炭素だけでもよく、又炭素の他、種々の改質元素(水素,シリコン,ボロン,クロム等)も含んでいてもよい。アルミダイカストを成形するとき、金型内の環境は高温酸化雰囲気であると考えられ、DLC系被膜がそのような雰囲気中に暴露されると、DLC系被膜は金型内の酸素と反応して燃焼し、損傷する。そのような損傷を防ぐためにはDLC系被膜の耐酸化性を高める必要があり、そのためにはDLCにシリコンを添加することが有効である。シリコンが添加されたDLC被膜(以下、DLC−Si膜と称する)は、その表面にSiO2膜が形成されるので耐酸化性が高く、又、ビッカース硬度(Hv)が1000以上と硬質であるため、アルミダイカスト用の被膜として有効である。これにより、金型の焼き付きを防止すると共に、金型の寿命を延ばすこともできる。
またDLC系被膜の厚さも問わないが、0.5μm〜30μmさらには1μm〜15μmであると好ましい。また、DLC系被膜の耐酸化性を向上させるために添加されるシリコンの量は3原子%〜40原子%がよく、6原子%〜25原子%がより好ましい。シリコン含有量が過少では、DLC系被膜の表面に緻密なSiO2膜が形成されず耐酸化性が低下して、成形を繰り返すうちにDLC系被膜が損傷するおそれがある。また、シリコン含有量が過大では、DLC系被膜の硬度が高くなり、膜の柔軟性が低下し、Ni系被膜への密着力が低下する。シリコン含有量が3原子%から40原子%であれば、DLC系被膜の耐酸化性と柔軟性を両立させることができる。
熱伝導度が高い銅合金の金型は、アルミ合金の鋳造(アルミダイカスト)だけでなく、亜鉛合金の鋳造(亜鉛ダイカスト)、マグネシウム合金の鋳造(マグネシウムダイカスト)や樹脂の射出成形の樹脂にも使用される。このような成形材料においても、DLC系被膜の使用は金型の焼き付き防止に有効である。
〔成形用金型の製造方法〕
(1)めっき工程
本実施形態におけるめっき工程は、金型本体の表面上に、多孔質層の母層となるNi系被膜のめっき層(以下、Ni系めっき層とも称する)を形成する工程である。その際、めっき方法は問わない。例えば、めっき方法は、溶融めっき,気相めっき(PVD,CVD等),電気めっき(電解めっき),化学めっき(無電解めっき)など、いずれでもよい。金型本体の材質,めっき層の厚さ,生産性等を考慮して適切なめっき方法が採用される。
(1)めっき工程
本実施形態におけるめっき工程は、金型本体の表面上に、多孔質層の母層となるNi系被膜のめっき層(以下、Ni系めっき層とも称する)を形成する工程である。その際、めっき方法は問わない。例えば、めっき方法は、溶融めっき,気相めっき(PVD,CVD等),電気めっき(電解めっき),化学めっき(無電解めっき)など、いずれでもよい。金型本体の材質,めっき層の厚さ,生産性等を考慮して適切なめっき方法が採用される。
また、めっき工程後のNi系めっき層の組成は、純Niからなる単一めっき層でも、Ni合金からなる合金めっき層でも、微粒子等が分散した複合めっき層でもよい。通常、電解めっきでは純Niめっき層が形成され、無電解めっきでは、めっき液の組成により、Ni合金めっき層や複合めっき層が形成される。例えば、リンが含まれたNi−Pめっき層、ボロン(B)が含まれたNi−Bめっき層,タングステンが含まれたNi−Wめっき層,鉄(Fe)が含まれたNi−Feめっき層などを形成することができる。
Ni系めっき層の金型本体への密着性を促進するため、めっき工程前に、金型本体には適宜、前処理が施される。例えば、酸化被膜や機械加工等により金型本体の表面に付着した油汚れ等を除去するために、脱脂、エッチング、酸浸漬等の清浄工程がなされてもよい。また、例えば、難めっき材であるアルミ合金からなる金型本体の表面に無電解めっき等をする場合、金型本体表面に中間被膜となる亜鉛置換めっきを予め形成するジンケート処理工程がなされてもよい。また、ジンケート処理工程に替えて、金型本体表面にめっき形成を促進させる触媒活性元素(Fe、Ni等)を露出させるための活性化工程がなされてもよい。この活性化工程に関しては、特許2648716号公報等に詳述されている。
(2)ブラズマ工程
本実施形態に係るプラズマ工程は、上述したNi系めっき層に窒素プラズマを供給(照射)しつつ加熱することにより、その少なくとも一部をNi合金からなる多孔質層にしてNi系被膜を形成する工程である。窒素プラズマは、窒素ガス等がプラズマ化されて生じた窒素イオン又は窒素ラジカルからなる
本実施形態に係るプラズマ工程は、上述したNi系めっき層に窒素プラズマを供給(照射)しつつ加熱することにより、その少なくとも一部をNi合金からなる多孔質層にしてNi系被膜を形成する工程である。窒素プラズマは、窒素ガス等がプラズマ化されて生じた窒素イオン又は窒素ラジカルからなる
窒素プラズマの生成方法は種々あり、本実施形態においては、いずれの方法を用いてもよい。例えば、減圧状態下のチャンバー内に導入した窒素含有ガス(反応ガス,処理ガス)に、直流電圧,高周波電圧,マイクロ波等を印加することにより窒素プラズマを形成することが可能である。グロー放電を用いると、比較的簡易に安価で窒素プラズマを発生させ得る。
窒素含有ガスは、N2ガス単体、N2ガスとH2ガス等の混合ガス、NO2,CN,NH3などの化合物ガスなどからなる。窒素含有ガスは、適宜、H2や希ガスなどを希釈ガスとして含んでもよい。
窒素プラズマを供給して多孔質層を形成する領域は、前述したNi系めっき層の全面でも一部分でもよい。また形成される多孔質層の厚さも、Ni系めっき層の全体で同一厚さである必要はなく、部分により異なっていてもよい。ブラズマ工程によれば、高温ガス雰囲気に金型本体全体を曝す従来のガス窒化工程等とは異なり、多孔質層の形成範囲の調整も容易である。
またブラズマ工程によれば、環境負荷の大きいCNガスやNH3ガス等を必ずしも用いる必要がないので好ましい。さらにプラズマ工程により金型本体は加熱されるが、その温度は350℃〜600℃が好ましい。温度が350℃を下回ると多孔質層が十分に形成されず、600℃を超えると多孔質化が促進されすぎてポーラスの径が大きくなり、Ni系めっき層の硬度及び強度を低下させるので好ましくない。また、600℃を超えると、銅合金の硬度が低下し、変形してしまうおそれがあり好ましくない。
プラズマ工程の時間は所望の多孔質層の厚さや窒素含有ガス中の窒素濃度により変化し、5時間以下、1時間以下でもよく、窒素濃度が高ければ10分程度まで短くできる。
ちなみに、このプラズマ工程により、Ni系被膜の表面側のみならず、Ni系被膜の深部まで窒素が導入され、Ni系被膜が被着している界面近傍の基材が窒化されて窒化物が形成されたり、界面近傍に窒素の固溶体が形成され得る。このような現象が生じる理由は定かではないが、界面近傍における金型本体の窒化は、金型本体の硬質化や高強度化、Ni系被膜と金型本体の密着性の向上等に寄与し得ると考えられる。このような現象を利用する場合、金型本体は、窒化物や窒素の固溶体が形成されやすい組成からなると好ましい。
上述した工程で成形用金型を製造すれば、簡便な方法で、金型本体上に被着されたNi系材料の特性を損なうことなく被膜の表面に多孔質層を形成することができる。
(3)DLC系被膜形成工程
本実施形態におけるDLC系被膜形成工程は、Ni系被膜の上に、DLC系被膜を形成する工程である。形成には、PVD法又はプラズマCVD法を用いる。形成時の雰囲気の温度は、200℃〜600℃がよく、350℃〜550℃がより好ましい。200℃を下回ると、DLC系被膜のNi系被膜への密着性が確保できない。また、600℃を超えると銅合金の硬度が低下し、変形してしまうおそれがあり好ましくない。
本実施形態におけるDLC系被膜形成工程は、Ni系被膜の上に、DLC系被膜を形成する工程である。形成には、PVD法又はプラズマCVD法を用いる。形成時の雰囲気の温度は、200℃〜600℃がよく、350℃〜550℃がより好ましい。200℃を下回ると、DLC系被膜のNi系被膜への密着性が確保できない。また、600℃を超えると銅合金の硬度が低下し、変形してしまうおそれがあり好ましくない。
以下、具体的な実施例を挙げて本実施形態をより具体的に説明する。本実施例では、金型本体に相当する銅合金(以下、基材とも称する)にめっき工程、プラズマ工程及びDLC系被膜形成工程の異なる条件によりDLC系被膜を形成した6種類の試料である本実施例1〜6と、めっき工程やプラズマ工程といった一部の工程を省略したり、金型本体の材質を変更した5種類の試料である比較例1〜5とを用いて評価した。本実施例1〜6及び比較例1〜5の詳細な形成条件は、表1〜表3に示されている。
〔試料の製造〕
(1)基材
基材として、本実施例1〜4,6及び比較例1〜4にはCu−2%Be合金(ベリリウム銅)、本実施例5にはCu−1%Cr合金(クロム銅)、比較例5にはSKD61(ダイス鋼)を用いた。
(1)基材
基材として、本実施例1〜4,6及び比較例1〜4にはCu−2%Be合金(ベリリウム銅)、本実施例5にはCu−1%Cr合金(クロム銅)、比較例5にはSKD61(ダイス鋼)を用いた。
(2)めっき工程
基材の表面に、無電解めっき法によりめっき層を形成した。本実施例1は約10μmのNi−Pめっき層(リン濃度:2質量%)、本実施例2〜5及び比較例2,4は約10μmのNi−Pめっき層(リン濃度:7.5質量%)、本実施例6は約5μmのNi−Bめっき層(ボロン濃度:1%)を形成した。比較例1,3,5はめっき層を形成しなかった。Ni−Pめっき層の形成には、市販されている無電解ニッケルリンめっき液(奥野製薬工業株式会社製トップニコロン)を用いた。Ni−Bめっき層の形成には、市販されている無電解ニッケルボロンめっき液(奥野製薬工業株式会社製トップケミアロイ)を用いた。
基材の表面に、無電解めっき法によりめっき層を形成した。本実施例1は約10μmのNi−Pめっき層(リン濃度:2質量%)、本実施例2〜5及び比較例2,4は約10μmのNi−Pめっき層(リン濃度:7.5質量%)、本実施例6は約5μmのNi−Bめっき層(ボロン濃度:1%)を形成した。比較例1,3,5はめっき層を形成しなかった。Ni−Pめっき層の形成には、市販されている無電解ニッケルリンめっき液(奥野製薬工業株式会社製トップニコロン)を用いた。Ni−Bめっき層の形成には、市販されている無電解ニッケルボロンめっき液(奥野製薬工業株式会社製トップケミアロイ)を用いた。
なお、めっき処理前に、各基材には次のような前処理を施した。基材に対し、強アルカリ(奥野製薬工業株式会社製エースクリーン)による浸漬脱脂、陰極電解脱脂(奥野製薬工業株式会社製トップクリーナ+苛性ソーダ)をした後、36%塩酸で酸洗浄、36%塩酸で酸活性化処理を行い、最後にウッドNiストライクめっきを施した。なお、各工程間で水洗をした。
(3)プラズマ工程
本実施例1〜6に対して、各基材上に形成したNi系めっき層の上にプラズマ加熱処理を施して多孔質層を形成し、Ni系被膜を形成した。具体的には、直流グロー放電装置を用いて、真空排気したチャンバー内でプラズマ放電させることにより行った。このときのチャンバー内の雰囲気(導入ガス流量、ガス圧力)、処理温度及び処理時間の時系列を図1に示す。
本実施例1〜6に対して、各基材上に形成したNi系めっき層の上にプラズマ加熱処理を施して多孔質層を形成し、Ni系被膜を形成した。具体的には、直流グロー放電装置を用いて、真空排気したチャンバー内でプラズマ放電させることにより行った。このときのチャンバー内の雰囲気(導入ガス流量、ガス圧力)、処理温度及び処理時間の時系列を図1に示す。
図1に示すように、まず、Ni系めっき層が被着された基材を真空チャンバー内に設置し、常温のままロータリーポンプで0.6Paまで減圧した。次に、油拡散ポンプでさらに減圧しつつヒータをオンにして基材を加熱した。チャンバー内の到達真空度が7×10-3Paになり基材表面の温度が300℃になったら、チャンバー内に水素ガスを50ml/minの流量で導入し基材とチャンバーの間に電圧を印加して水素プラズマを発生させた。減圧状態下では熱の伝達効率が低下するためヒータでは昇温しにくいからである。このときのプラズマ電流は3Aで、チャンバー内の圧力は400Paとした。水素プラズマにより、基材をさらに加熱し基材温度を400℃にまで上昇させた。
基材温度が400℃に到達したら、水素ガスの供給を停止し、替わりに窒素ガスを導入した。これにより、チャンバー内は窒素プラズマが発生し、電離した窒素イオンがめっき層に衝突し、めっき層の表面が窒化されつつポーラスが形成された。このとき、窒素プラズマにより、基材の温度は400℃に維持されている。窒化処理時のチャンバー内圧力は300Pa、プラズマ電流は4A、窒素ガスの流量は40ml/minである。窒化処理は約1時間行われ、その後は窒素ガスの供給、電圧の印加を停止し、減圧状態下で常温まで自然冷却させた。基材が常温になった状態で、チャンバー内の圧力を常圧に戻した。このプラズマ工程により、Ni系めっき層は、0.03原子%以下の微量の窒素を含有するようになった。
(4)DLC系被膜形成工程
本実施例1〜6,比較例1〜5の全てに対して、プラズマCVD法により、DLC−Si膜を形成した。ただし、シリコンの濃度及び膜厚は試料により異なっており、本実施例6及び比較例5については7原子%で膜厚5μm、本実施例4については10原子%で膜厚3μm、本実施例1,2,5及び比較例1〜4については15原子%で膜厚3μm、本実施例3については25原子%で膜厚3μmとした。
本実施例1〜6,比較例1〜5の全てに対して、プラズマCVD法により、DLC−Si膜を形成した。ただし、シリコンの濃度及び膜厚は試料により異なっており、本実施例6及び比較例5については7原子%で膜厚5μm、本実施例4については10原子%で膜厚3μm、本実施例1,2,5及び比較例1〜4については15原子%で膜厚3μm、本実施例3については25原子%で膜厚3μmとした。
〔観察,測定〕
(1)断面観察
図2に、本実施例2のNi系被膜及びDLC−Si膜の断面をSEMで観察した写真を示す。多孔質層のポーラスにDLC−Si層が入り込むことにより、DLC−Si層がNi系被膜に密着しているのが観察される。
(1)断面観察
図2に、本実施例2のNi系被膜及びDLC−Si膜の断面をSEMで観察した写真を示す。多孔質層のポーラスにDLC−Si層が入り込むことにより、DLC−Si層がNi系被膜に密着しているのが観察される。
(2)密着力の測定
本実施例1〜3及び比較例1,2に対して、エディオニクス社のスクラッチ試験機を用いてDLC−Si膜の剥離発生荷重を測定することにより密着力の測定を行った。測定結果を表1に示す。
本実施例1〜3及び比較例1,2に対して、エディオニクス社のスクラッチ試験機を用いてDLC−Si膜の剥離発生荷重を測定することにより密着力の測定を行った。測定結果を表1に示す。
表1からわかるように、多孔質層の上に形成したDLC−Si膜を有する本実施例1〜3が高い密着力を示したのに対し、多孔質を有しない表面上にDLC−Si膜を形成した比較例1,2はDLC−Si膜との界面が銅合金かNi系被膜かに関わらず、全く密着しなかったことがわかる。本実施例2に対して本実施例3の密着力が低いのは、シリコンの含有量が増えるとDLC−Si膜が硬くなり、膜の柔軟性が低下したためであると考えられる。
(3)焼き付き高さの測定
本実施例4〜6及び比較例3〜5の試料はダイカストピンであり、表2及び表3に示すような条件で、基材に表面処理を施している。これらのダイカストピンを500トンのダイカストマシンにセットし、実際にアルミダイカスト製品を繰り返し製造し、ダイカストピンへのアルミ合金の付着量(焼き付き高さ)について測定した。測定結果を表2及び表3に示す。表2はダイカストピンを含む金型の内側に市販の水溶性離型剤を塗布した結果を示し、表3は離型剤を塗布しなかった結果を示すものである。
本実施例4〜6及び比較例3〜5の試料はダイカストピンであり、表2及び表3に示すような条件で、基材に表面処理を施している。これらのダイカストピンを500トンのダイカストマシンにセットし、実際にアルミダイカスト製品を繰り返し製造し、ダイカストピンへのアルミ合金の付着量(焼き付き高さ)について測定した。測定結果を表2及び表3に示す。表2はダイカストピンを含む金型の内側に市販の水溶性離型剤を塗布した結果を示し、表3は離型剤を塗布しなかった結果を示すものである。
表2より、比較例3,4については、ショット数15〜30回でアルミ合金の付着量が増大し、付着量の許容値である60μmを超えてしまった。これは、いずれもDLC−Si膜を最表面に有するものの、めっき層又は基材に多孔質層がないため初期、又は繰り返し製造するにつれてDLC−Si膜が剥離したためと考えられる。一方、多孔質層の上にDLC−Si膜を形成した本実施例4,5については、100ショットの時点でもアルミ合金の付着量は15μm以下でとどまった。また、アルミ合金の付着面積も比較例3,4の半分以下であることが確認された。
表3においては、離型剤を塗布していないため、本実施例6,比較例5とも繰り返し製造することによりアルミ合金の付着量が60μmを超えてしまった。しかし、比較例5が35ショットで60μmを超えたのに対し、本実施例6は50回で初めて60μmを超えた。これは、比較例5はDLC−Si膜を最表面に有するものの、基材に多孔質層がないため繰り返し製造するにつれてDLC−Si膜が剥離したためと考えられる。また、比較例5は基材がSKD61であり、本実施例6のCu−2%Be合金に比べて熱伝導性が悪く、ダイカストピンの温度が早期に上昇したためと考えられる。
本実施形態及び実施例においては、成形用金型について説明したが、本発明の適用範囲はこれだけに限られるものではない。軟質の基材の表面を硬化するあらゆる用途に適用することができる。
本発明は、DLC系膜を備えた成形用金型及びその製造方法に利用することが可能である。
Claims (6)
- 金属からなる金型本体と、
該金型本体の少なくとも成形材料と接する箇所に被着され、少なくとも窒素を含むニッケル合金からなる多孔質層を有するニッケル系被膜と、
前記ニッケル系被膜の表面に形成されたDLC系被膜とを備えた成形用金型。 - 前記金型本体の材料が銅又は銅合金である請求項1に記載の成形用金型。
- 前記ニッケル系被膜の厚さが1μm以上100μm以下である請求項1又は2に記載の成形用金型。
- 前記多孔質層において、最表面に開口した空孔の平均孔径が前記多孔質層の膜厚の1%〜20%の大きさである請求項1から3のいずれか一項に記載の成形用金型。
- 前記DLC系被膜には、3原子%から40原子%のシリコンが含有されている請求項1から4のいずれか一項に記載の成形用金型。
- 銅合金又はアルミ合金からなる金型本体の基材の少なくとも成形材料と接する箇所に、ニッケルを含むめっき層を形成するめっき工程と、
該めっき層上に窒素プラズマを供給しつつ前記金型本体を加熱して多孔質層を形成する窒化工程と、
該多孔質層の表面にDLC系被膜を形成するコーティング工程とを含む成形用金型の製造方法。
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2013
- 2013-07-29 JP JP2013156934A patent/JP2015024625A/ja active Pending
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