JP2015023150A - 半導体装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体装置の性能を向上させる。【解決手段】半導体基板SB内に、フォトダイオードPD用のp型ウエルPW1を形成し、半導体基板SB内にp型ウエルPW1に内包されるように、フォトダイオードPD用のn型半導体領域NWを形成し、n型半導体領域NWの表層部分に、p+型半導体領域PRを形成する。p+型半導体領域PRは、複数のホウ素原子と複数の水素原子とからなるクラスタをイオン注入することにより形成される。【選択図】図20

Description

本発明は、半導体装置の製造方法に関し、例えば、固体撮像素子を含む半導体装置の製造方法に好適に利用できるものである。
固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いた固体撮像素子(CMOSイメージセンサ)の開発が進められている。このCMOSイメージセンサは、フォトダイオードと転送用トランジスタとを有する複数の画素を含んで構成される。
特開2008−226925号公報(特許文献1)には、ボロンを少なくともその一部が6個のボロンからなる8面体構造のクラスタの形態で含有する不純物領域が半導体層または半導体基板の所定領域に設けられている半導体装置に関する技術が記載されている。
特開2008−226925号公報
フォトダイオードを有する半導体装置があるが、そのような半導体装置においても、できるだけ性能を向上させることが望まれる。または、製造歩留まりを向上させることが望まれる。あるいは、性能を向上させ、かつ、製造歩留まりを向上させることが望まれる。
その他の課題と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
一実施の形態によれば、半導体基板内にフォトダイオード用のp型の第1半導体領域を形成する工程と、前記半導体基板内に前記フォトダイオード用のn型の第2半導体領域を形成する工程と、前記半導体基板内にp型の第3半導体領域を形成する工程とを有している。前記第2半導体領域は前記第1半導体領域に内包され、前記第3半導体領域は前記第2半導体領域の表層部分に形成される。前記第3半導体領域は、複数のホウ素原子と複数の水素原子とからなるクラスタをイオン注入することにより形成される。
一実施の形態によれば、半導体装置の性能を向上させることができる。
または、半導体装置の製造歩留まりを向上させることができる。
あるいは、半導体装置の性能を向上させ、かつ、半導体装置の製造歩留まりを向上させることができる。
一実施の形態の半導体装置の構成例を示す回路ブロック図である。 画素の構成例を示す回路図である。 一実施の形態の半導体装置の画素を示す平面図である。 各プラグの結線例を示す平面図である。 一実施の形態の半導体装置が形成される半導体ウエハおよびチップ領域を示す平面図である。 一実施の形態の半導体装置の周辺回路領域に形成されるトランジスタを示す平面図である。 一実施の形態の半導体装置の画素領域に形成される複数の画素を示す平面図である。 一実施の形態の半導体装置の要部断面図である。 一実施の形態の半導体装置の要部断面図である。 一実施の形態の半導体装置の製造工程を示す工程フロー図である。 一実施の形態の半導体装置の製造工程を示す工程フロー図である。 一実施の形態である半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図12と同じ半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図12に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図14と同じ半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図14に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図16と同じ半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図16に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図18と同じ半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図18に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図20と同じ半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図20に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図22と同じ半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図22に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図24と同じ半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図24に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図26と同じ半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図26に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図28と同じ半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図28に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図30と同じ半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図30に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図32と同じ半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図32に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図34と同じ半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 型半導体領域の結晶構造を模式的に示す説明図である。 シート抵抗を比較した結果を示すグラフである。 シート抵抗を比較した結果を示すグラフである。 暗電流を比較した結果を示すグラフである。 白点の発生率を比較した結果を示すグラフである。 他の実施の形態の半導体装置の要部断面図である。 他の実施の形態である半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図42に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図43に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図44に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図45に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。 図46に続く半導体装置の製造工程中の要部断面図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。また、以下の実施の形態では、特に必要なとき以外は同一または同様な部分の説明を原則として繰り返さない。
また、実施の形態で用いる図面においては、断面図であっても図面を見易くするためにハッチングを省略する場合もある。また、平面図であっても図面を見易くするためにハッチングを付す場合もある。
(実施の形態1)
以下、図面を参照しながら本実施の形態1の半導体装置の構造および製造工程について詳細に説明する。本実施の形態1では、半導体装置が、半導体基板の表面側から光を入射する表面照射型のイメージセンサとしてのCMOSイメージセンサである例について説明する。
<半導体装置の構成>
図1は、本実施の形態の半導体装置の構成例を示す回路ブロック図である。図2は、画素の構成例を示す回路図である。なお、図1では、アレイ状(行列状)に配置された4行4列(4×4)の16個の画素を示すが、画素の配列数はこれに限定されず、種々変更可能であり、例えば、実際にカメラなどの電子機器に使用される画素数は数百万のものがある。
図1に示す画素領域1Aには、複数の画素PUがアレイ状に配置され、その周囲には、垂直走査回路VSCや水平走査回路HSCなどの駆動回路が配置されている。各画素(セル、画素ユニット)PUは、選択線SLおよび出力線OLの交点に配置されている。選択線SLは垂直走査回路VSCと接続され、出力線OLはそれぞれ列回路CLCと接続されている。列回路CLCはスイッチSWTを介して出力アンプAPと接続されている。各スイッチSWTは水平走査回路HSCと接続され、水平走査回路HSCにより制御される。
例えば、垂直走査回路VSCおよび水平走査回路HSCにより選択された画素PUから読み出された電気信号は、出力線OLおよび出力アンプAPを介して出力される。
画素PUの構成は、例えば、図2に示されるように、フォトダイオードPDと、4つのトランジスタRST,TX,SEL,AMIとで構成される。これらのトランジスタRST,TX,SEL,AMIは、それぞれnチャネル型のMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)により形成される。このうち、トランジスタRSTはリセットトランジスタ(リセット用トランジスタ)であり、トランジスタTXは転送トランジスタ(転送用トランジスタ)であり、トランジスタSELは選択トランジスタ(選択用トランジスタ)であり、トランジスタAMIは増幅トランジスタ(増幅用トランジスタ)である。なお、転送トランジスタTXは、フォトダイオードPDにより生成された電荷を転送する転送用トランジスタである。また、これらのトランジスタの他に、他のトランジスタや容量素子などの素子が組み込まれることもある。また、これらのトランジスタの接続形態には種々の変形・応用形態がある。
図2に示す回路例においては、接地電位(GND)とノードN1との間にフォトダイオードPDと転送トランジスタTXとが直列に接続されている。ノードN1と電源電位(電源電位線)VDDとの間にはリセットトランジスタRSTが接続されている。電源電位VDDは、電源電位線LVDD(後述する図4参照)の電位である。電源電位VDDと出力線OLとの間には、選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMIが直列に接続されている。この増幅トランジスタAMIのゲート電極はノードN1に接続されている。また、リセットトランジスタRSTのゲート電極はリセット線LRSTに接続されている。また、選択トランジスタSELのゲート電極は選択線SLと接続され、転送トランジスタTXのゲート電極は転送線(第2選択線)LTXと接続されている。
例えば、転送線LTXおよびリセット線LRSTを立ち上げ(Hレベルとし)、転送トランジスタTXおよびリセットトランジスタRSTをオン状態とする。この結果、フォトダイオードPDの電荷が抜かれて空乏化される。その後、転送トランジスタTXをオフ状態とする。
この後、例えば、カメラなどの電子機器のメカニカルシャッターを開くと、シャッターが開いている間、フォトダイオードPDにおいて、入射光によって電荷が発生し、蓄積される。つまり、フォトダイオードPDは、入射光を受光して電荷を生成する。
次いで、シャッターを閉じた後、リセット線LRSTを立ち下げ(Lレベルとし)、リセットトランジスタRSTをオフ状態とする。さらに、選択線SLおよび転送線LTXを立ち上げ(Hレベルとし)、選択トランジスタSELおよび転送トランジスタTXをオン状態とする。これにより、フォトダイオードPDにより生成された電荷が転送トランジスタTXのノードN1側の端部(後述の図3および図4のフローティングディフュージョンFDに対応)に転送される。このとき、フローティングディフュージョンFDの電位は、フォトダイオードPDから転送された電荷に応じた値に変化し、この値が、増幅トランジスタAMIにより増幅され出力線OLに表れる。この出力線OLの電位が、電気信号(受光信号)となり、列回路CLCおよびスイッチSWTを介して出力アンプAPから出力信号として読み出される。
図3は、本実施の形態の半導体装置の画素を示す平面図である。また、図4は、各プラグの結線例を示す平面図であり、図3に結線状態を追加して示したものである。
図3および図4に示されるように、本実施の形態の半導体装置の画素PU(図1参照)は、フォトダイオードPDと転送トランジスタTXとが配置されている活性領域AcTPと、リセットトランジスタRSTが配置されている活性領域AcRとを有している。さらに、画素PUは、選択トランジスタSELと増幅トランジスタAMIとが配置されている活性領域AcASと、接地電位線LGNDと接続されているプラグPgが配置されている活性領域AcGとを有している。
活性領域AcRには、ゲート電極Grが配置され、その両側のソース・ドレイン領域上にはプラグPr1,Pr2が配置されている。このゲート電極Grとソース・ドレイン領域とによりリセットトランジスタRSTが構成される。
活性領域AcTPには、ゲート電極Gtが配置され、平面視において、ゲート電極Gtの両側のうちの一方には、フォトダイオードPDが配置され、他方には、フローティングディフュージョンFDが配置されている。フォトダイオードPDは、PN接合ダイオードであり、例えば、複数のn型またはp型の不純物拡散領域(半導体領域)により構成される。また、フローティングディフュージョンFDは、電荷蓄積部または浮遊拡散層としての機能を有しており、例えば、n型の不純物拡散領域(半導体領域)で構成される。このフローティングディフュージョンFD上には、プラグPfdが配置されている。
活性領域AcASには、ゲート電極Gaおよびゲート電極Gsが配置され、活性領域AcASのゲート電極Ga側の端部にはプラグPaが配置され、活性領域AcASのゲート電極Gs側の端部にはプラグPsが配置されている。ゲート電極Gaおよびゲート電極Gsの両側は、ソース・ドレイン領域であり、このゲート電極Gaおよびゲート電極Gsとソース・ドレイン領域とにより、直列に接続された選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMIが構成されている。
活性領域AcGの上部にはプラグPgが配置されている。このプラグPgは、接地電位線LGNDと接続される。よって、活性領域AcGは、半導体基板のウエル領域に、接地電位GNDを印加するための給電領域である。
また、ゲート電極Gr、ゲート電極Gt、ゲート電極Gaおよびゲート電極Gs上には、プラグPrg、プラグPtg、プラグPagおよびプラグPsgがそれぞれ配置されている。
上記プラグPr1,Pr2,Pg,Pfd,Pa,Ps,Prg,Ptg,Pag,Psgを、複数の配線層(例えば後述する図8に示される配線M1〜M3)により必要に応じて接続する。これにより、上記図1および図2に示される回路を形成することができる。図4には、プラグの結線例の一例が示されている。
図5は、本実施の形態の半導体装置が形成される半導体ウエハおよびチップ領域を示す平面図である。図5に示すように、半導体ウエハWF(後述の半導体基板SBに相当する半導体ウエハ)は、複数のチップ領域CHPを有し、図1に示す画素領域1Aは、周辺回路領域2Aとともに1つのチップ領域CHPに形成される。この周辺回路領域2Aには、論理回路(ロジック回路)が配置されている。この論理回路は、例えば、画素領域1Aから出力される出力信号を演算し、この演算結果に基づき画像データが出力される。チップ領域CHPは、そこから1つの半導体チップが取得される領域であり、半導体ウエハWFにおける各チップ領域CHPは、それぞれ同じ構成(画素領域1Aおよび周辺回路領域2A)が形成される。半導体ウエハWFは、後でダイシングにより切断され、個片化された個々のチップ領域CHPが、半導体チップとなる。
図6は、本実施の形態の半導体装置の周辺回路領域に形成されるトランジスタを示す平面図である。
図6に示されるように、周辺回路領域2Aには、ロジックトランジスタとしての周辺トランジスタLTが配置されている。実際には、周辺回路領域2Aには、論理回路を構成するトランジスタとして、複数のnチャネル型MISFETと複数のpチャネル型MISFETとが形成されているが、図6には、論理回路を構成するトランジスタのうちの一つのnチャネル型MISFETが、周辺トランジスタLTとして示されている。
図6に示されるように、周辺回路領域2Aには、活性領域AcLが形成され、この活性領域AcLには、周辺トランジスタLTのゲート電極Gltが配置され、ゲート電極Gltの両側であって、活性領域AcLの内部には、後述するn型半導体領域SDを含む周辺トランジスタLTのソース・ドレイン領域が形成されている。また、周辺トランジスタLTのソース・ドレイン領域上には、プラグPt1、Pt2が配置されている。
図6においては、1つの周辺トランジスタLTのみを示しているが、実際には、周辺回路領域2Aには、複数のトランジスタが配置されている。これらの複数のトランジスタのソース・ドレイン領域上のプラグまたはゲート電極上のプラグを複数の配線層(後述の配線M1〜M3)により接続することで、論理回路を構成することができる。また、MISFET以外の素子、例えば、容量素子や他の構成のトランジスタなどが論理回路に組み込まれる場合もある。
なお、以下では、周辺トランジスタLTがnチャネル型MISFETである例を説明するが、周辺トランジスタLTはpチャネル型MISFETであってもよい。
図7は、本実施の形態の半導体装置の画素領域に形成される複数の画素を示す平面図である。
図7に示されるように、画素領域1Aには、図3に示す画素PUがX方向およびY方向に複数並んで配置され、画素アレイを構成している。図7では、例として2×2の合計4つの画素PUを示しているが、画素の配列数は種々変更可能である。
<画素領域および周辺回路領域の素子構造>
次に、本実施の形態の半導体装置の断面図(図8および図9)を参照しながら、本実施の形態の半導体装置の構造を説明する。図8および図9は、本実施の形態の半導体装置の要部断面図であり、図8は、上記図3のA−A線での断面図にほぼ対応し、図9は、上記図6のB−B線での断面図にほぼ対応している。
図8に示されるように、半導体基板SBの画素領域1Aの活性領域AcTPには、フォトダイオードPDと転送トランジスタTXとが形成されている。フォトダイオードPDは、半導体基板SBに形成されたp型ウエルPW1、n型半導体領域(n型ウエル)NWおよびp型半導体領域PRからなる。また、図9に示されるように、半導体基板SBの周辺回路領域2Aの活性領域AcLには、周辺トランジスタLTが形成されている。
半導体基板SBは、例えば、リン(P)またはヒ素(As)などのn型不純物(ドナー)が導入されたn型の単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)である。他の形態として、半導体基板SBを、いわゆるエピタキシャルウエハとすることもできる。半導体基板SBをエピタキシャルウエハとする場合、例えば、n型不純物(例えばヒ素(As))が導入されたn型の単結晶シリコン基板の主面上に、n型不純物(例えばリン(P))が導入されたn型単結晶シリコンからなるエピタキシャル層を成長させることにより、半導体基板SBを形成することができる。
活性領域AcTPの外周には、絶縁体からなる素子分離領域LCSが配置されている。このように、素子分離領域LCSで囲まれた半導体基板SBの露出領域が、活性領域AcTPおよび活性領域AcLなどの活性領域となる。
半導体基板SBの主面から所定の深さにわたって、p型ウエル(p型半導体領域)PW1,PW2が形成されている。p型ウエルPW1は、活性領域AcTP全体にわたって形成されている。すなわち、p型ウエルPW1は、フォトダイオードPDが形成されている領域と、転送トランジスタTXが形成されている領域とにわたって形成されている。また、p型ウエルPW2は、活性領域AcL全体にわたって形成されている。すなわち、p型ウエルPW2は、周辺トランジスタLTが形成される領域に形成されている。p型ウエルPW1およびp型ウエルPW2は、いずれも、ホウ素(B)などのp型不純物が導入されたp型の半導体領域である。
図8に示されるように、活性領域AcTPの半導体基板SBにおいて、p型ウエルPW1に内包されるように、n型半導体領域(n型ウエル)NWが形成されている。n型半導体領域NWは、リン(P)またはヒ素(As)などのn型不純物が導入されたn型の半導体領域である。
n型半導体領域NWは、フォトダイオードPDを形成するためのn型半導体領域であるが、転送トランジスタTXのソース領域もn型半導体領域NWにより形成される。すなわち、n型半導体領域NWは、主として、フォトダイオードPDが形成されている領域に形成されているが、n型半導体領域NWの一部は、転送トランジスタTXのゲート電極Gtと平面的に(平面視で)重なるような位置に、形成されている。n型半導体領域NW(の底面)の深さは、p型ウエルPW1(の底面)の深さよりも浅く、n型半導体領域NWは、p型ウエルPW1に内包されるように形成されている。
n型半導体領域NWの表面の一部には、p型半導体領域PRが形成されている。p型半導体領域PRは、ホウ素(B)などのp型不純物が高濃度で導入(ドープ)されたp型の半導体領域であり、p型半導体領域PRの不純物濃度(p型不純物濃度)は、p型ウエルPW1の不純物濃度(p型不純物濃度)よりも高い。このため、p型半導体領域PRの導電率(電気伝導率)は、p型ウエルPW1の導電率(電気伝導率)よりも高い。
型半導体領域PR(の底面)の深さは、n型半導体領域NW(の底面)の深さよりも浅い。p型半導体領域PRは、主として、n型半導体領域NWの表層部分(表面部分)に形成される。このため、半導体基板SBの厚さ方向に見ると、最上層のp型半導体領域PRの下にn型半導体領域NWが存在し、n型半導体領域NWの下にp型ウエルPW1が存在する状態となる。
また、n型半導体領域NWが形成されていない領域において、p型半導体領域PRの一部はp型ウエルPW1に接している。すなわち、p型半導体領域PRは、直下にn型半導体領域NWが存在してそのn型半導体領域NWに接する部分と、直下にp型ウエルPW1が存在してそのp型ウエルPW1に接する部分とを有している。
p型ウエルPW1とn型半導体領域NWとの間には、PN接合が形成される。また、p型半導体領域PRとn型半導体領域NWとの間には、PN接合が形成される。p型ウエルPW1(p型半導体領域)とn型半導体領域NWとp型半導体領域PRとによって、フォトダイオード(PN接合ダイオード)PDが形成される。
型半導体領域PRは、半導体基板SBの表面に多数形成されている界面準位に基づく電子の発生を抑制する目的で形成される領域である。すなわち、半導体基板SBの表面領域では、界面準位の影響により、光が照射されていない状態でも電子が発生し、暗電流の増加を引き起こす場合がある。このため、電子を多数キャリアとするn型半導体領域NWの表面に、正孔(ホール)を多数キャリアとするp型半導体領域PRを形成することにより、光が照射されていない状態での電子の発生を抑制し、暗電流の増加を抑制することができる。従って、p型半導体領域PRは、フォトダイオード最表面から湧き出る電子をそのp型半導体領域PRのホールと再結合させて、暗電流を低下させる役割がある。
フォトダイオードPDは、受光素子である。また、フォトダイオードPDは、光電変換素子とみなすこともできる。フォトダイオードPDは、入力された光を光電変換して電荷を生成し、生成した電荷を蓄積する機能を有し、転送トランジスタTXは、フォトダイオードPDで蓄積された電荷をフォトダイオードPDから転送する際のスイッチとしての役割を有している。
また、n型半導体領域NWの一部と平面的に重なるように、ゲート電極Gtが形成されている。このゲート電極Gtは、転送トランジスタTXのゲート電極であり、半導体基板SB上にゲート絶縁膜GOXを介して形成(配置)されている。ゲート電極Gtの側壁上には、側壁絶縁膜としてサイドウォールスペーサSWが形成されている。
活性領域AcTPの半導体基板SB(p型ウエルPW1)において、ゲート電極Gtの両側のうちの一方の側には、上記n型半導体領域NWが形成されており、他方の側には、n型半導体領域NRが形成されている。n型半導体領域NRは、リン(P)またはヒ素(As)などのn型不純物が高濃度で導入(ドープ)されたn型半導体領域であり、p型ウエルPW1内に形成されている。n型半導体領域NRは、フローティングディフュージョン(浮遊拡散層)FDとしての半導体領域であり、転送トランジスタTXのドレイン領域でもある。
n型半導体領域NRは、転送トランジスタTXのドレイン領域として機能するが、フローティングディフュージョン(浮遊拡散層)FDとみなすこともできる。また、n型半導体領域NWは、フォトダイオードPDの構成要素であるが、転送トランジスタTXのソース用の半導体領域としても機能することができる。すなわち、転送トランジスタTXのソース領域は、n型半導体領域NWにより形成される。このため、n型半導体領域NWとゲート電極Gtとは、ゲート電極Gtの一部(ソース側)が、n型半導体領域NWの一部と平面的に(平面視で)重なるような位置関係となっていることが好ましい。n型半導体領域NWとn型半導体領域NRとは、転送トランジスタTXのチャネル形成領域(ゲート電極Gtの直下の基板領域に対応)を挟んで互いに離間するように形成されている。
フォトダイオードPD(図3参照)の表面、すなわちn型半導体領域NWおよびp型半導体領域PRの表面には、キャップ絶縁膜CPが形成されている。このキャップ絶縁膜CPは、半導体基板SBの表面特性、すなわち界面特性を良好に保つために形成される。このキャップ絶縁膜CP上には、反射防止膜ARFが形成されている。すなわち、反射防止膜ARFは、n型半導体領域NWおよびp型半導体領域PR上に、キャップ絶縁膜CPを介して形成されている。反射防止膜ARFの一部(端部)は、ゲート電極Gt上に乗り上げることもできる。
一方、図9に示されるように、活性領域AcLのp型ウエルPW2上には、ゲート絶縁膜GOXを介して、周辺トランジスタLTのゲート電極Gltが形成されており、ゲート電極Gltの両側の側壁上には、サイドウォールスペーサSWが形成されている。また、ゲート電極Gltの両側のp型ウエルPW2中には、周辺トランジスタLTのソース・ドレイン領域が形成されている。周辺トランジスタLTのソース・ドレイン領域は、LDD(Lightly Doped Drain)構造を有しており、n型の低濃度半導体領域であるn型半導体領域NMと、n型の高濃度半導体領域であるn型半導体領域SDとからなる。
半導体基板SB上には、ゲート電極Gt、反射防止膜ARFおよびゲート電極Gltを覆うように、層間絶縁膜IL1が形成されている。層間絶縁膜IL1は、画素領域1Aおよび周辺回路領域2Aを含む半導体基板SBの主面全体上に形成されている。
層間絶縁膜IL1は、例えば、TEOS(Tetra Ethyl Ortho Silicate)を原料とした酸化シリコン膜により形成されている。層間絶縁膜IL1には、上記プラグPr1,Pr2,Pg,Pfd,Pa,Ps,Prg,Ptg,Pag,Psg,Pt1,Pt2などの導電性のプラグPGが埋め込まれている。例えば、図8に示されるように、フローティングディフュージョンFDとしてのn型半導体領域NR上にプラグPGとしてプラグPfdが形成されており、このプラグPfdは、層間絶縁膜IL1を貫通してn型半導体領域NRに達しており、n型半導体領域NRと電気的に接続されている。
上記プラグPr1,Pr2,Pg,Pfd,Pa,Ps,Prg,Ptg,Pag,Psg,Pt1,Pt2などの導電性のプラグPGは、層間絶縁膜IL1に形成されたコンタクトホールに、例えば、バリア導体膜とバリア導体膜上に形成されたタングステン膜とを埋め込むことにより形成されている。そのバリア導体膜は、例えば、チタン膜と該チタン膜上に形成された窒化チタン膜との積層膜(すなわちチタン/窒化チタン膜)からなる。
また、図8および図9には表れないが、上記リセットトランジスタRST、上記選択トランジスタSELおよび上記増幅トランジスタAMIも、半導体基板SBに形成されたp型ウエル上にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極と、ゲート電極の両側のp型ウエル中に形成されたソース・ドレイン領域とを有している(上記図3参照)。選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMIは直列に接続されているため、一方のソース・ドレイン領域を共有している(図3参照)。
プラグPG(Pr1,Pr2,Pg,Pfd,Pa,Ps,Prg,Ptg,Pag,Psg)が埋め込まれた層間絶縁膜IL1上には、例えば、層間絶縁膜IL2が形成されており、この層間絶縁膜IL2に配線M1が形成されている。
層間絶縁膜IL2は、例えば酸化シリコン膜により形成されるが、これに限定されるものではなく、酸化シリコン膜よりも誘電率の低い低誘電率膜により形成することもできる。低誘電率膜としては、例えば、SiOC膜を挙げることができる。
配線M1は、例えば、銅配線により形成されており、ダマシン法を用いて形成することができる。なお、配線M1は、銅配線に限定されるものではなく、アルミニウム配線により形成することもできる。配線M1が埋込銅配線(ダマシン銅配線)の場合(図8および図9はこの場合に対応)は、その埋込銅配線は、層間絶縁膜IL1に形成された配線溝内に埋め込まれているが、配線M1がアルミニウム配線の場合は、そのアルミニウム配線は、層間絶縁膜上に形成された導電膜をパターニングすることにより形成される。
配線M1を形成した層間絶縁膜IL2上には、例えば、酸化シリコン膜や低誘電率膜からなる層間絶縁膜IL3が形成されており、この層間絶縁膜IL3に配線M2が形成されている。また、配線M2を形成した層間絶縁膜IL3上には、層間絶縁膜IL4が形成されており、この層間絶縁膜IL4に配線M3が形成されている。配線M1〜M3は、配線層を形成している。配線M1〜M3は、フォトダイオードと平面的に重ならないように形成されている。これは、フォトダイオードに入射する光が配線M1〜M3によって遮られないようにするためである。
さらに、配線M3を形成した層間絶縁膜IL4上には、マイクロレンズMLが搭載されている。なお、マイクロレンズMLと層間絶縁膜IL4との間にカラーフィルタが設けられていてもよい。
図8において、光が画素PU(図1参照)に照射されると、まず、入射光は、マイクロレンズMLを通過する。その後、可視光に対して透明な層間絶縁膜IL4〜IL1を通過した後、反射防止膜ARFに入射する。反射防止膜ARFでは、入射光の反射が抑制されて充分な光量の入射光がフォトダイオードPDに入射する。フォトダイオードPDでは、入射光のエネルギーがシリコンのバンドギャップよりも大きいため、光電変換により入射光が吸収されて正孔電子対が生成される。このとき生成された電子は、n型半導体領域NWに蓄積される。そして、適切なタイミングで、転送トランジスタTXをオンする。具体的には、転送トランジスタTXのゲート電極Gtにしきい値電圧以上の電圧を印加する。すると、転送トランジスタTXのゲート絶縁膜GOX直下のチャネル形成領域にチャネル領域が形成され、転送トランジスタTXのソース領域としてのn型半導体領域NWと、転送トランジスタTXのドレイン領域としてのn型半導体領域NRとが、電気的に導通することになる。この結果、n型半導体領域NWに蓄積された電子は、チャネル領域を通ってドレイン領域(n型半導体領域NR)に達し、ドレイン領域(n型半導体領域NR)からプラグPfdおよび配線層を伝わって外部回路に取り出される。
<半導体装置の製造方法>
次に、本実施の形態の半導体装置の製造方法について、図10〜図35を参照して説明する。
図10および図11は、本実施の形態の半導体装置の製造工程の一部を示す工程フロー図である。図12〜図35は、本実施の形態の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。図12〜図35のうち、図12、図14、図16、図18、図20、図22、図24、図26、図28、図30、図32および図34は、上記図8に相当する断面図、すなわち、上記図3のA−A線に相当する位置での断面図である。図12〜図35のうち、図13、図15、図17、図19、図21、図23、図25、図27、図29、図31、図33および図35は、上記図9に相当する断面図、すなわち、上記図6のB−B線に相当する位置での断面図である。
本実施の形態の半導体装置を製造するには、まず、図12および図13に示されるように、半導体基板(半導体ウエハ)SBを用意(準備)する(図10のステップS1)。
半導体基板SBは、例えば、リン(P)またはヒ素(As)などのn型不純物が導入されたn型の単結晶シリコンなどからなる半導体基板(半導体ウエハ)である。他の形態として、半導体基板SBを、いわゆるエピタキシャルウエハとすることもできる。半導体基板SBをエピタキシャルウエハとする場合、例えば、n型不純物(例えばヒ素(As))が導入されたn型の単結晶シリコン基板の主面上に、n型不純物(例えばリン(P))が導入されたn型単結晶シリコンからなるエピタキシャル層を成長させることにより、半導体基板SBを形成することができる。
次に、半導体基板SBに素子分離領域LCSを形成する(図10のステップS2)。
素子分離領域LCSは、酸化膜などの絶縁膜からなる。例えば、半導体基板SBのうち、活性領域AcTPおよび活性領域AcL等の活性領域となる領域を窒化シリコン膜で覆った状態で、半導体基板SBを熱酸化することにより、窒化シリコン膜で覆われていない領域の半導体基板SBの主面に、熱酸化膜からなる素子分離領域LCSを形成することができる。このような素子分離領域の形成法をLOCOS(Local oxidation of silicon)法という。素子分離領域LCSにより、活性領域AcTPおよび活性領域AcL等の活性領域が区画(規定)される。
LOCOS法に代えてSTI(Shallow Trench Isolation)法を用いて素子分離領域LCSを形成してもよい。STI法を用いた場合、素子分離領域LCSは、半導体基板SBの溝内に埋め込まれた絶縁膜(例えば酸化シリコン膜)からなる。例えば、半導体基板SBのうち、活性領域AcTPおよび活性領域AcL等の活性領域となる領域を窒化シリコン膜で覆ってから、その窒化シリコン膜をエッチングマスクとして半導体基板SBをエッチングすることにより、半導体基板SBに素子分離用の溝を形成し、その後、その素子分離用の溝内に酸化シリコン膜などの絶縁膜を埋め込むことにより、素子分離領域LCSを形成することができる。
なお、活性領域AcTPは、画素領域1Aに形成され、活性領域AcLは、周辺回路領域2Aに形成される。
次に、図14および図15に示されるように、画素領域1Aの半導体基板SBにp型ウエル(p型半導体領域)PW1を形成し、周辺回路領域2Aの半導体基板SBにp型ウエル(p型半導体領域)PW2を形成する(図10のステップS3)。
p型ウエルPW1は、フォトダイオードPDを形成するためのp型半導体領域であり、また、nチャネル型の転送トランジスタTXを形成するためのp型ウエル領域でもある。p型ウエルPW2は、nチャネル型の周辺トランジスタLTを形成するためのp型ウエル領域である。
p型ウエルPW1,PW2は、それぞれ、半導体基板SBの主面から所定の深さにわたって形成される。p型ウエルPW1,PW2は、半導体基板SBに、例えばホウ素(B)などのp型の不純物をイオン注入することなどによって形成することができる。
p型ウエルPW1は、画素領域1Aにおいて、フォトダイオードPDが形成される予定領域と、転送トランジスタTXが形成される予定領域とにわたって形成される。すなわち、画素領域1Aにおいて、活性領域AcTP全体にp型ウエルPW1が形成される。p型ウエルPW2は、周辺回路領域2Aに形成される。p型ウエルPW1を形成するためのイオン注入と、p型ウエルPW2を形成するためのイオン注入とは、異なるイオン注入工程で行うか、あるいは、同じイオン注入工程で行う。
p型ウエルPW1,PW2の導電型はp型であり、半導体基板SBの導電型であるn型とは反対の導電型である。
なお、本実施の形態では、周辺回路領域2Aに形成される周辺トランジスタLTが、nチャネル型のMISFETの場合について説明しているが、導電型を逆にして、周辺トランジスタLTをpチャネル型のMISFETとすることもでき、あるいは、nチャネル型のMISFETとpチャネル型のMISFETの両方を周辺回路領域2Aに形成することもできる。
次に、図16および図17に示されるように、画素領域1Aにおいて、半導体基板SB(p型ウエルPW1)上にゲート絶縁膜GOXを介して転送トランジスタTX用のゲート電極Gtを形成し、周辺回路領域2Aにおいて、半導体基板SB(p型ウエルPW2)上にゲート絶縁膜GOXを介して周辺トランジスタLT用のゲート電極Gltを形成する(図10のステップS4)。
具体的には、ステップS4は、次のように行うことができる。
すなわち、まず、半導体基板SBの主面を洗浄処理などにより清浄化してから、半導体基板SBの主面にゲート絶縁膜GOX用の絶縁膜を形成する。このゲート絶縁膜GOX用の絶縁膜は、例えば酸化シリコン膜からなり、熱酸化法などを用いて形成することができる。他の形態として、ゲート絶縁膜GOX用の絶縁膜として、酸窒化シリコン膜や、あるいは、金属酸化物膜(例えばハフニウム酸化物膜)などの高誘電率絶縁膜を用いることもできる。それから、半導体基板SB上、すなわちゲート絶縁膜GOX用の絶縁膜上に、ゲート電極用の導電膜(例えば多結晶シリコン膜)をCVD(Chemical Vapor Deposition)法などを用いて形成した後、このゲート電極用の導電膜をフォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてパターニングする。これにより、パターニングされた導電膜(例えば多結晶シリコン膜)からなるゲート電極Gt,Gltを形成することができる。ゲート電極Gt,Gltの下に残存するゲート絶縁膜GOX用の絶縁膜が、ゲート絶縁膜GOXとなる。また、このゲート電極用の導電膜をパターニングするためのドライエッチング、あるいはそのドライエッチングの後のウェットエッチングにより、ゲート電極Gt,Gltで覆われていない領域のゲート絶縁膜GOX用の絶縁膜は除去され得る。ゲート電極用の導電膜をパターニングしてゲート電極Gt,Gltを形成する際に、例えば上記図3に示される他のトランジスタ、すなわちリセットトランジスタRST、選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMIのゲート電極Gr、ゲート電極Gsおよびゲート電極Gaを一緒に形成することもできる。
ゲート電極Gtは、転送トランジスタTXのゲート電極として機能し、画素領域1Aにおいて、半導体基板SB(p型ウエルPW1)上にゲート絶縁膜GOXを介して形成される。ゲート電極Gtの下のゲート絶縁膜GOXが、転送トランジスタTXのゲート絶縁膜として機能する。ゲート電極Gltは、周辺トランジスタLTのゲート電極として機能し、周辺回路領域2Aにおいて、半導体基板SB(p型ウエルPW2)上にゲート絶縁膜GOXを介して形成される。ゲート電極Gltの下のゲート絶縁膜GOXが、周辺トランジスタLTのゲート絶縁膜として機能する。
なお、ステップS4の工程(ゲート電極形成工程)については、ステップS3を行ってp型ウエルPW1,PW2を形成した後、後述するステップS10(n型半導体領域NR形成工程)を行う前の、いずれかの時点で行うことができる。
次に、図18および図19に示されるように、画素領域1Aの活性領域AcTPにおける半導体基板SBに、n型半導体領域NWをイオン注入により形成する(図10のステップS5)。n型半導体領域NWは、画素領域1Aの活性領域AcTPの半導体基板SBにリン(P)またヒ素(As)などのn型の不純物をイオン注入することによって、形成することができる。
n型半導体領域NWは、フォトダイオードPDを形成するためのn型半導体領域であり、n型半導体領域NW(の底面)の深さは、p型ウエルPW1(の底面)の深さよりも浅く、n型半導体領域NWは、p型ウエルPW1に内包されるように形成される。n型半導体領域NWは、p型ウエルPW1に内包されるように形成されるため、n型半導体領域NWの底面と側面とは、p型ウエルPW1に接している。
n型半導体領域NWは、画素領域1Aの活性領域AcTP全体に形成されるのではなく、活性領域AcTPの半導体基板SBにおけるゲート電極Gtの両側の領域のうち、一方の側(ソース側)に形成され、他方側(ドレイン側)には形成されない。
n型半導体領域NWは、具体的には、例えば次のようにして形成することができる。すなわち、図18および図19に示されるように、まず、半導体基板SB上にレジスト層としてフォトレジストパターン(フォトレジスト層)RS1を、フォトリソグラフィ技術を用いて形成する。フォトレジストパターンRS1は、画素領域1Aの活性領域AcTPにおけるゲート電極Gtの両側のうちの一方の側(ソース側)を開口(露出)する開口部OP1を有しており、画素領域1Aの活性領域AcTPにおけるゲート電極Gtの両側のうちの他方の側(ドレイン側)は、フォトレジストパターンRS1で覆われている。それから、このフォトレジストパターンRS1をマスク(イオン注入阻止マスク)として用いて、半導体基板SBにn型の不純物イオンをイオン注入する。これにより、画素領域1Aにおいて、開口部OP1に平面視で重なる位置の半導体基板SBにn型不純物がイオン注入され、それによって、画素領域1Aの活性領域AcTPの半導体基板SBに、p型ウエルPW1に内包されるように、n型半導体領域NWが形成される。その後、フォトレジストパターンRS1は除去される。
なお、n型半導体領域NWを形成するためのイオン注入工程においては、図19に示されるように、周辺回路領域2A全体にフォトレジストパターンRS1が形成されている、すなわち、周辺回路領域2A全体において、ゲート電極Gltを覆うように半導体基板SB上にフォトレジストパターンRS1が形成されている。このため、n型半導体領域NWを形成するためのイオン注入工程においては、周辺回路領域2Aの半導体基板SB(p型ウエルPW2)では、フォトレジストパターンRS1がマスク(イオン注入阻止マスク)として機能するため、イオン注入されない。つまり、n型半導体領域NWを形成するためのイオン注入の際には、n型半導体領域NW形成予定領域以外の半導体基板SBは、フォトレジストパターンRS1で覆っておき、n型半導体領域NW形成予定領域に選択的にn型不純物をイオン注入するのである。
次に、図20および図21に示されるように、画素領域1Aの活性領域AcTPにおける半導体基板SBに、p型半導体領域PRをイオン注入により形成する(図10のステップS6)。
ステップS6において、p型半導体領域PRは、複数のホウ素原子と複数の水素原子とからなるクラスタ(B、ここでx,yはそれぞれ2以上の整数)を半導体基板SBにイオン注入することによって形成する。
型半導体領域PRは、p型不純物が高濃度で導入(ドープ)されたp型の半導体領域であり、p型半導体領域PRの不純物濃度(p型不純物濃度)は、p型ウエルPW1の不純物濃度(p型不純物濃度)よりも高い。p型半導体領域PRは、複数のホウ素原子と複数の水素原子とからなるクラスタ(B)を半導体基板SBにイオン注入することによって形成されるため、p型半導体領域PRに導入されたp型不純物は、主としてホウ素(B:ボロン)である。
型半導体領域PR(の底面)の深さは、n型半導体領域NW(の底面)の深さよりも浅い。p型半導体領域PRは、主として、n型半導体領域NWの表層部分(表面領域)に形成される。このため、半導体基板SBの厚さ方向に見ると、最上層のp型半導体領域PRの下にn型半導体領域NWが存在し、n型半導体領域NWの下にp型ウエルPW1が存在する状態となる。
また、ステップS6で複数のホウ素原子と複数の水素原子とからなるクラスタ(B)が半導体基板SBにイオン注入されると、クラスタ(B)を構成していた複数のホウ素(B)原子および複数の水素(H)原子は、半導体基板SB(p型半導体領域PR)内で分散する。このため、p型半導体領域PRとなる半導体基板SB内では、ホウ素(B)はクラスタの状態で存在しているのではなく、個々のホウ素(B)原子が分散して存在している。
型半導体領域PRは、具体的には、例えば次のようにして形成することができる。すなわち、図20および図21に示されるように、まず、半導体基板SB上にレジスト層としてフォトレジストパターン(フォトレジスト層)RS2を、フォトリソグラフィ技術を用いて形成する。フォトレジストパターンRS2は、画素領域1Aの活性領域AcTPにおけるp型半導体領域PR形成予定領域を開口(露出)する開口部OP2を有している。それから、このフォトレジストパターンRS2をマスク(イオン注入阻止マスク)として用いて半導体基板SBに、複数のホウ素原子と複数の水素原子とからなるクラスタ(B、ここでx,yはそれぞれ2以上の整数)をイオン注入する。これにより、画素領域1Aにおいて、開口部OP2に平面視で重なる位置の半導体基板SB(具体的にはn型半導体領域NRの表層部分)に前記クラスタ(B)がイオン注入され、それによって、画素領域1Aの活性領域AcTPの半導体基板SB(具体的にはn型半導体領域NWの表層部分)にp型半導体領域PRが形成される。その後、フォトレジストパターンRS2は除去される。
なお、p型半導体領域PRを形成するためのイオン注入工程においては、図21に示されるように、周辺回路領域2A全体にフォトレジストパターンRS2が形成されている、すなわち、周辺回路領域2A全体において、ゲート電極Gltを覆うように半導体基板SB上にフォトレジストパターンRS2が形成されている。このため、p型半導体領域PRを形成するためのイオン注入工程においては、周辺回路領域2Aの半導体基板SB(p型ウエルPW2)では、フォトレジストパターンRS2がマスク(イオン注入阻止マスク)として機能するため、イオン注入されない。つまり、p型半導体領域PRを形成するためのイオン注入の際には、p型半導体領域PR形成予定領域以外の半導体基板SBは、フォトレジストパターンRS2で覆っておき、p型半導体領域PR形成予定領域に選択的に、複数のホウ素原子と複数の水素原子とからなるクラスタ(B)をイオン注入するのである。
また、n型半導体領域NWが形成されていない領域において、p型半導体領域PRの一部はp型ウエルPW1に接している。すなわち、p型半導体領域PRは、直下にn型半導体領域NWが存在してそのn型半導体領域NWに接する部分と、直下にp型ウエルPW1が存在してそのp型ウエルPW1に接する部分とを有している。
p型ウエルPW1は、フォトダイオードPDを形成するためのp型半導体領域であり、n型半導体領域NWは、フォトダイオードPDを形成するためのn型半導体領域であり、p型半導体領域PRは、フォトダイオードPDを形成するためのp型半導体領域である。p型ウエルPW1(p型半導体領域)とn型半導体領域NWとp型半導体領域PRとによって、フォトダイオード(PN接合ダイオード)PDが形成される。p型ウエルPW1とn型半導体領域NWとの間には、PN接合が形成され、また、p型半導体領域PRとn型半導体領域NWとの間には、PN接合が形成される。
フォトダイオード(PN接合ダイオード)PDは、主として、n型半導体領域NWとp型ウエルPW1とによって(すなわちn型半導体領域NWとp型ウエルPW1とのPN接合によって)、形成される。また、n型半導体領域NWは、転送トランジスタTXのソース領域としても機能するものであるため、n型半導体領域NWの一部は、転送トランジスタTXのゲート電極Gtと平面視において重なることが好ましい。なお、転送トランジスタTXは、フォトダイオードPDにより生成された電荷を転送する転送用トランジスタである。フォトダイオードPDは、受光素子である。また、フォトダイオードPDは、光電変換素子とみなすこともできる。
n型半導体領域NWの表面の一部にp型半導体領域PRが形成されるが、このp型半導体領域PRは、主として、半導体基板SBの表面に多数形成されている界面準位に基づく電子の発生を抑制する目的で形成される領域である。すなわち、半導体基板SBの表面領域では、界面準位の影響により、光が照射されていない状態でも電子が発生し、暗電流の増加を引き起こすことになる。このため、電子を多数キャリアとするn型半導体領域NWの表面に、正孔(ホール)を多数キャリアとするp型半導体領域PRを形成することにより、光が照射されていない状態での電子の発生を抑制し、暗電流の増加を抑制することができる。
また、ステップS6でp型半導体領域PRをイオン注入によって形成した後、結晶欠陥(主としてイオン注入に起因した結晶欠陥)を回復させるためのアニール処理、すなわち熱処理を行うことが好ましい。このアニール処理により、n型半導体領域NWおよびp型半導体領域PRの結晶欠陥を回復させることができる。
このステップS6のイオン注入後に行うアニール処理(熱処理)は、例えば、レーザアニール、マイクロ波アニール、RTA(Rapid thermal anneal)、またはファーネスアニール、あるいは、それらの組み合わせにより、行うことができる。このステップS6のイオン注入後に行うアニール処理(熱処理)の温度は、例えば300〜1200℃程度とすることができる。ここで、レーザアニールは、レーザを照射することによるアニール(熱処理)であり、マイクロ波アニールは、マイクロ波を照射することによるアニール(熱処理)であり、RTAは、ランプ加熱などを用いた短時間アニールであり、ファーネスアニールは、アニール炉で加熱することによるアニール(熱処理)である。
本実施の形態では、ステップS6のイオン注入の後にアニール処理(熱処理)を行うが、そのアニール処理(熱処理)を行った後は、ステップS6で注入されたホウ素(B)原子は、p型半導体領域PRにおいて、半導体基板SBを構成するシリコン結晶のシリコンサイト(Siの格子点)に位置している(後述の図36参照)。このため、p型半導体領域PRでは、ホウ素(B)はクラスタの状態で存在しているのではなく、シリコン結晶のSiサイト(Siの格子点)の一部がホウ素(B)原子に置換された状態になる。
また、このステップS6のイオン注入後に行うアニール処理(熱処理)によって、イオン注入された領域(例えばn型半導体領域NWおよびp型半導体領域PR)の結晶欠陥が回復するとともに、注入された不純物を活性化させることもできる。
また、ステップS6でp型半導体領域PRをイオン注入によって形成した後、p型半導体領域PRなどの結晶欠陥を回復させるためのアニール処理(熱処理)を行うことが好ましいが、この時点でアニール処理を行わなかった場合は、以降の工程のいずれかの段階でアニール処理(熱処理)を行う。また、ステップS6のイオン注入によって形成した後、後述のステップS11までアニール処理を行わなかった場合は、後述のステップS11のアニール処理(熱処理)が、p型半導体領域PRなどの結晶欠陥を回復させるためのアニール処理を兼ねることになる。
次に、図22および図23に示されるように、周辺回路領域2Aにおいて、ゲート電極Gltの両側の半導体基板SB(p型ウエルPW2)中に、n型半導体領域(ソース・ドレインエクステンション領域)NMをイオン注入により形成する(図10のステップS7)。
型半導体領域NMは、具体的には、例えば次のようにして形成することができる。すなわち、図22および図23に示されるように、まず、半導体基板SB上にレジスト層として周辺回路領域2Aを開口(露出)するフォトレジストパターン(フォトレジスト層)RS3を、フォトリソグラフィ技術を用いて形成する。それから、そのフォトレジストパターンRS3をマスク(イオン注入阻止マスク)として用いて、周辺回路領域2Aの半導体基板SB(p型ウエルPW2)に、リン(P)またはヒ素(As)などのn型不純物をイオン注入する。この際、周辺回路領域2Aでは、ゲート電極Gltがマスク(イオン注入阻止マスク)として機能するため、半導体基板SBにおけるゲート電極Gltの直下の領域では、不純物の注入が防止される。このため、周辺回路領域2Aの半導体基板SB(p型ウエルPW2)におけるゲート電極Gltの両側の領域に、n型の不純物がイオン注入されることにより、n型半導体領域NMが形成される。その後、フォトレジストパターンRS3は除去される。
なお、n型半導体領域NMを形成するためのイオン注入工程では、図22に示されるように、画素領域1Aにおいて、ゲート電極Gtの表面を含めて半導体基板SB上に、フォトレジストパターンRS3が形成されている。すなわち、画素領域1Aにおける活性領域AcTPはフォトレジストパターンRS3で覆われている。このため、n型半導体領域NMを形成するためのイオン注入工程においては、活性領域AcTPの半導体基板SBでは、フォトレジストパターンRS3がマスク(イオン注入阻止マスク)として機能するため、イオン注入されない。このため、n型半導体領域NMを形成するためのイオン注入工程では、活性領域AcTPのp型ウエルPW1、n型半導体領域NWおよびp型半導体領域PRにはイオン注入されない。
次に、図24および図25に示されるように、画素領域1Aの半導体基板SB上に、キャップ絶縁膜CPを形成する(図11のステップS8)。
キャップ絶縁膜CPは、例えば、半導体基板SBの主面上に絶縁膜を形成してから、この絶縁膜をフォトリソグラフィ法およびドライエッチング法を用いてパターニングすることにより、形成することができる。キャップ絶縁膜CPは、例えば、酸化シリコン膜または窒化シリコン膜により形成することができる。キャップ絶縁膜CPは、n型半導体領域NWおよびp型半導体領域PRの表面(露出面)上に形成される。このキャップ絶縁膜CPは、半導体基板SBの表面特性、すなわち界面特性を良好に保つために形成される。
次に、反射防止膜ARFとサイドウォールスペーサSWを形成する(図11のステップS9)。反射防止膜ARFは、キャップ絶縁膜CP上に形成され、サイドウォールスペーサSWは、ゲート電極Gt,Gltの側壁上に形成される。
反射防止膜ARFおよびサイドウォールスペーサSWは、例えば次のようにして形成することができる。すなわち、まず、半導体基板SBの主面上に、ゲート電極Gt,Gltを覆うように、絶縁膜ZMを形成する。この絶縁膜ZMは、反射防止膜ARF形成用の絶縁膜とサイドウォールスペーサSW形成用の絶縁膜とを兼ねている。それから、反射防止膜ARFを形成する予定領域の絶縁膜ZM上に、フォトレジストパターン(図示せず)を、フォトリソグラフィ技術を用いて形成する。それから、そのフォトレジストパターンをマスク(エッチングマスク)として用いて、絶縁膜ZMを異方性エッチングによりエッチバックする。これにより、ゲート電極Gt,Gltの側壁上に絶縁膜ZMを局所的に残すことにより、サイドウォールスペーサSWを形成するとともに、フォトレジストパターンの下に絶縁膜ZMを残すことにより、反射防止膜ARFを形成する。その後、フォトレジストパターンは除去され、図24および図25には、この段階が示されている。
反射防止膜ARFは、n型半導体領域NWおよびp型半導体領域PR上にキャップ絶縁膜CPを介して形成され、反射防止膜ARFの一部(端部)は、ゲート電極Gt上に乗り上げることもできる。
ゲート電極Gltの両側壁上にサイドウォールスペーサSWが形成されるが、ゲート電極Gtについては、ゲート電極Gtの両側壁上のうち、ドレイン側(フローティングディフュージョンFD側)の側壁上にサイドウォールスペーサSWが形成される。ゲート電極Gtのソース側の側壁は、反射防止膜ARFで覆われる。
ここでは、反射防止膜ARFとサイドウォールスペーサSWとを、同じ絶縁膜ZMを用いて同工程で形成する場合について説明し、図24および図25もその場合に対応している。
他の形態として、反射防止膜ARFとサイドウォールスペーサSWとを別々の工程で形成することもできる。その場合、まず、半導体基板SB上にゲート電極Gt,Gltを覆うように、サイドウォールスペーサSW形成用の絶縁膜を形成してから、その絶縁膜を異方性エッチングによりエッチバックすることにより、ゲート電極Gt,Gltの両側壁上にサイドウォールスペーサSWを形成する。それから、n型半導体領域NWおよびp型半導体領域PRの表面上に上記キャップ絶縁膜CPを形成してから、半導体基板SB上に反射防止膜ARF用の絶縁膜を形成し、その絶縁膜をパターニングすることにより、反射防止膜ARFを形成することができる。この場合は、ゲート電極Gtの両側壁上にサイドウォールスペーサSWが形成され、反射防止膜ARFは、ゲート電極Gtのソース側の側壁上のサイドウォールスペーサSWを覆い、反射防止膜ARFの一部(端部)が、ゲート電極Gt上に乗り上げることになる。
次に、図26および図27に示されるように、画素領域1Aの活性領域AcTPにおいて、ゲート電極Gtの両側のうちの他方の側(ドレイン側)の半導体基板SB(p型ウエルPW1)中に、n型半導体領域NRをイオン注入により形成する(図11のステップS10)。なお、ドレイン側は、n型半導体領域NWが形成されている側とは反対側に対応している。
n型半導体領域NRを形成するイオン注入工程では、反射防止膜ARFおよびゲート電極Gtがマスク(イオン注入阻止マスク)として機能することができるため、半導体基板SBにおける反射防止膜ARFおよびゲート電極Gtの直下の領域では、不純物の注入が防止される。これにより、図26に示されるように、転送トランジスタTXのゲート電極Gtの両側のうちの他方の側(ドレイン側、すなわちn型半導体領域NWが形成されている側とは反対側)の半導体基板SB(p型ウエルPW1)中に、n型半導体領域NRを形成することができる。また、反射防止膜ARFをフォトレジスト層(図示せず)で覆った状態で、n型半導体領域NRを形成するためのイオン注入を行うこともでき、その場合は、n型半導体領域NR形成予定領域は、そのフォトレジスト層から露出させておく。
従って、活性領域AcTPの半導体基板におけるゲート電極Gtの両側の領域のうち、一方の側(ソース側)にステップS5でn型半導体領域NWが形成され、他方の側(ドレイン側)にステップS10でn型半導体領域NRが形成される。
n型半導体領域NWとn型半導体領域NRとは、転送トランジスタTXのチャネル形成領域(ゲート電極Gtの直下の基板領域に対応)を挟んで互いに離間するように形成される。n型半導体領域NRは、転送トランジスタTXのドレイン領域として機能するn型の高濃度半導体領域である。n型半導体領域NRは、転送トランジスタTXのドレイン領域として機能するが、フローティングディフュージョン(浮遊拡散層)FDとみなすこともできる。
また、このステップS10では、周辺回路領域2Aにおいて、ゲート電極GltおよびサイドウォールスペーサSWの合成体の両側の半導体基板SB(p型ウエルPW2)中に、イオン注入によりn型半導体領域SDを形成する。n型半導体領域SDを形成するイオン注入の際には、ゲート電極Gltとその側壁上のサイドウォールスペーサSWとがマスク(イオン注入阻止マスク)として機能することができる。このため、周辺回路領域2Aの半導体基板SB(p型ウエルPW2)におけるゲート電極GltおよびサイドウォールスペーサSWの合成体の両側の領域に、n型の不純物がイオン注入されることにより、n型半導体領域SDが形成される。
型半導体領域SDは、n型半導体領域NMと同じ導電型(ここではn型)の半導体領域であるが、n型半導体領域NMよりも、不純物濃度(n型不純物濃度)が高く、かつ、深さ(接合深さ)が深い。これにより、周辺回路領域2Aにおいて、周辺トランジスタLTのソースまたはドレインとして機能する半導体領域(ソース・ドレイン領域)が、n型半導体領域SDおよびn型半導体領域NMにより形成される。従って、周辺トランジスタLTのソース・ドレイン領域は、LDD構造を有している。
なお、n型半導体領域NRとn型半導体領域SDとは、同じイオン注入工程により形成することができるが、別々のイオン注入により形成することも可能である。
また、このステップS10を利用して、例えば図3に示した他のトランジスタ、すなわちリセットトランジスタRST、選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMIのソース・ドレイン領域を形成することもできる。リセットトランジスタRST、選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMIのソース・ドレイン領域は、n型半導体領域NRおよびn型半導体領域SDの一方または両方と同じイオン注入工程により形成することができるが、n型半導体領域NRおよびn型半導体領域SDとは別のイオン注入により形成することも可能である。
また、周辺回路領域2Aにpチャネル型MISFETが形成される場合には、周辺回路領域2Aにおいて、p型MISFETのソース・ドレイン領域となるp型半導体領域を形成すればよい。例えば、周辺回路領域2Aの図示しないpチャネル型MISFETのゲート電極の両側のn型ウエル中にp型不純物をイオン注入することで、p型MISFETのソース・ドレイン領域となるp型半導体領域を形成することができる。この際、上記活性領域AcGにp型不純物をイオン注入してもよい。
次に、これまでのイオン注入で導入した不純物の活性化のためのアニール処理(熱処理)を行う(図11のステップS11)。
以上の工程により、半導体基板SBの各画素領域1Aに、フォトダイオードPD、転送トランジスタTX、ならびに、図26および図27の断面図に表れない他のトランジスタ、すなわちリセットトランジスタRST、選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMIが形成される(上記図3参照)。また、半導体基板SBの周辺回路領域2Aに、MISFETとしての周辺トランジスタLTが形成される。
次に、図28および図29に示されるように、サリサイド(Salicide:Self Aligned Silicide)技術により、n型半導体領域NRおよびn型半導体領域SDの上部(表層部)や、ゲート電極Gltの上部(表層部)などに、低抵抗の金属シリサイド層SILを形成する(図11のステップS12)。
この金属シリサイド層SILを形成するには、例えば、金属シリサイド層形成用の金属膜を半導体基板SB上に形成してから、熱処理を行うことにより、その金属膜をn型半導体領域NR、n型半導体領域SDおよびゲート電極Gltの表層部分と反応させてから、金属膜の未反応部分を除去する。これにより、n型半導体領域NRおよびn型半導体領域SDの上部(表層部)や、ゲート電極Gltの上部(表層部)などに、それぞれ金属シリサイド層SILを形成することができる。なお、この際、例えば図3に示した他のトランジスタ、すなわちリセットトランジスタRST、選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMIの、ゲート電極Gr、ゲート電極Gsおよびゲート電極Ga、ならびに、ソース・ドレイン領域の各上部(表層部)にも、金属シリサイド層SILを形成することができる。金属シリサイド層SILを形成することにより、拡散抵抗やコンタクト抵抗などを低抵抗化することができる。
また、金属シリサイド層形成用の金属膜を形成する前に、シリサイド化が不要なシリコン基板領域やゲート電極を覆うような絶縁膜(シリサイドブロック膜)を形成してもよく、そうすれば、その絶縁膜で覆われたシリコン基板領域やゲート電極には、金属シリサイド層形成用の金属膜が接しないため、金属シリサイド層SILは形成されなくなる。例えば、ゲート電極Gtおよび反射防止膜ARFを覆い、かつn型半導体領域NR、n型半導体領域SDおよびゲート電極Gltを露出するような絶縁膜(シリサイドブロック膜)を形成してから、金属シリサイド層形成用の金属膜を形成し、熱処理を行う。これにより、金属シリサイド層SILは、n型半導体領域NR、n型半導体領域SDおよびゲート電極Gltの上部に形成されるが、ゲート電極Gt上には形成されない。
また、この金属シリサイド層SILは形成しなくともよく、あるいは、n型半導体領域NR、n型半導体領域SDおよびゲート電極Gltのうち、金属シリサイド層SILを形成するものと、形成しないものとを設けることもできる。以降の図30〜図35は、金属シリサイド層SILを形成しない場合、すなわち、ステップS12の金属シリサイド層SIL形成工程を省略した場合について図示してあるが、以降の図30〜図35において、金属シリサイド層SILが形成されていてもよい。
次に、図30および図31に示されるように、半導体基板SBの主面(主面全面)上に、絶縁膜として層間絶縁膜IL1を形成する(図11のステップS13)。すなわち、ゲート電極Gt,Glt、サイドウォールスペーサSWおよび反射防止膜ARFを覆うように、半導体基板SB上に層間絶縁膜IL1を形成する。層間絶縁膜IL1として、例えば、TEOS(tetra ethyl ortho silicate)ガスを原料ガスとしたCVD法により酸化シリコン膜を半導体基板SB上に堆積することができる。
層間絶縁膜IL1の成膜後、層間絶縁膜IL1の表面(上面)をCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)法により研磨するなどして、層間絶縁膜IL1の上面を平坦化することもできる。層間絶縁膜IL1を成膜した段階で、下地段差に起因して層間絶縁膜IL1の表面に凹凸形状が形成されていても、成膜後に層間絶縁膜IL1の表面をCMP法により研磨することにより、その表面が平坦化された層間絶縁膜IL1を得ることができる。
次に、図32および図33に示されるように、層間絶縁膜IL1上に形成したフォトレジストパターン(図示せず)をエッチングマスクとして用いて、層間絶縁膜IL1をドライエッチングすることにより、層間絶縁膜IL1にコンタクトホール(貫通孔、孔、開口部)CTを形成する(図11のステップS14)。
コンタクトホールCTは、層間絶縁膜IL1を貫通するように形成される。コンタクトホールCTは、例えば、n型半導体領域NR上や、n型半導体領域SD上などに形成される。n型半導体領域NR上に形成されたコンタクトホールCTの底部では、n型半導体領域NRの表面(n型半導体領域NRの上部に金属シリサイド層SILが形成されている場合はその金属シリサイド層SILの表面)の一部が露出される。また、n型半導体領域SD上に形成されたコンタクトホールCTの底部では、n型半導体領域SDの表面(n型半導体領域SDの上部に金属シリサイド層SILが形成されている場合はその金属シリサイド層SILの表面)の一部が露出される。また、図示はしないけれども、ゲート電極Gt,Glt上にもコンタクトホールCTが形成され、また、上記図3に示した他のトランジスタ、すなわちリセットトランジスタRST、選択トランジスタSELおよび増幅トランジスタAMIの各ゲート電極(Gr,Gs,Ga)およびソース・ドレイン領域上にも、コンタクトホールCTが形成される。
次に、コンタクトホールCT内に、接続用の導電体部として、タングステン(W)などからなる導電性のプラグPGを形成する(図11のステップS15)。プラグPGは、例えば次のようにして形成することができる。
プラグPGを形成するには、まず、コンタクトホールCTの内部(底面および内壁上)を含む層間絶縁膜IL1上に、バリア導体膜を形成する。このバリア導体膜は、例えば、チタン膜と該チタン膜上に形成された窒化チタン膜との積層膜(すなわちチタン/窒化チタン膜)からなり、スパッタリング法などを用いて形成することができる。それから、タングステン膜などからなる主導体膜を、CVD法などによってバリア導体膜上にコンタクトホールCTを埋めるように形成する。その後、コンタクトホールCTの外部(層間絶縁膜IL1上)の不要な主導体膜およびバリア導体膜をCMP法またはエッチバック法などによって除去する。これにより、層間絶縁膜IL1の上面が露出し、層間絶縁膜IL1のコンタクトホールCT内に埋め込まれて残存するバリア導体膜および主導体膜により、プラグPGが形成される。なお、図面の簡略化のために、図32および図33では、プラグPGを構成するバリア導体膜と主導体膜とを一体化して示してある。
プラグPGには、上記プラグPr1,Pr2,Pg,Pfd,Pa,Ps,Prg,Ptg,Pag,Psg,Pt1,Pt2がある。このうち、プラグPfdは、n型半導体領域NR上に形成されたコンタクトホールCTに埋め込まれており、層間絶縁膜IL1を貫通してn型半導体領域NRに達して、n型半導体領域NRと電気的に接続されている。また、プラグPt1,Pt2のそれぞれは、n型半導体領域SD上に形成されたコンタクトホールCTに埋め込まれており、層間絶縁膜IL1を貫通してn型半導体領域SDに達して、n型半導体領域SDと電気的に接続されている。
次に、図34および図35に示されるように、プラグPGが埋め込まれた層間絶縁膜IL1上に、層間絶縁膜IL2〜IL4および配線M1〜M3を形成する。
例えば、層間絶縁膜IL1上に、層間絶縁膜IL2として窒化シリコン膜と該窒化シリコン膜上の酸化シリコン膜との積層膜をCVD法などを用いて形成してから、その積層膜に、フォトリソグラフィ技術およびドライエッチング技術を用いて配線溝を形成する。それから、配線溝の内部(底面および内壁上)を含む層間絶縁膜IL2上に、バリア導体膜を形成する。このバリア導体膜は、例えば、タンタル(Ta)膜と該タンタル膜上の窒化タンタル(TaN)膜との積層膜からなり、スパッタリング法などを用いて形成することができる。それから、バリア導体膜上にシード膜として薄い銅膜をスパッタリング法などで堆積してから、電解めっき法によりシード膜上に主導体膜として銅めっき膜を堆積し、この銅めっき膜により配線溝の内部を埋め込む。それから、配線溝の外部(層間絶縁膜IL2上)の不要な銅めっき膜、シード膜およびバリア導体膜をCMP法などにより除去することにより、配線溝内に、銅を主導電材料とする第1層目の配線M1を形成する。なお、図面の簡略化のために、図34および図35では、配線M1を構成する銅めっき膜、シード層およびバリア導体膜を一体化して示してある。このように、配線溝の内部にバリア膜、シード膜および銅めっき膜を埋め込むことにより、配線M1を形成することができる。
更に、同様にして、図34および図35に示されるように、配線M1を形成した層間絶縁膜IL2上に層間絶縁膜IL3を形成し、層間絶縁膜IL3中に配線M2を形成し、配線M2を形成した層間絶縁膜IL3上に層間絶縁膜IL4を形成し、層間絶縁膜IL4中に配線M3を形成する。配線M1は、シングルダマシン法により形成したが、配線M2および配線M3は、シングルダマシン法またはデュアルダマシン法により形成することができる。
なお、層間絶縁膜IL3中には、配線M2と配線M1との間に配置されて配線M2と配線M1とを接続するビア部も形成され、層間絶縁膜IL4中には、配線M3と配線M2との間に配置されて配線M3と配線M2とを接続するビア部も形成される。配線M2をデュアルダマシン法により形成した場合は、配線M2と配線M1とを接続するビア部は、配線M2と一緒に配線M2と一体的に形成されるが、配線M2をシングルダマシン法により形成した場合は、配線M2と配線M1とを接続するビア部は、配線M2とは別々に形成される。同様に、配線M3をデュアルダマシン法により形成した場合は、配線M3と配線M2とを接続するビア部は、配線M3と一緒に配線M3と一体的に形成されるが、配線M3をシングルダマシン法により形成した場合は、配線M3と配線M2とを接続するビア部は、配線M3とは別々に形成される。
次に、図34に示されるように、最上層の層間絶縁膜IL4上に、フォトダイオードPDを構成するn型半導体領域NWと平面視において重なるように、オンチップレンズとしてのマイクロレンズMLを取り付ける。なお、マイクロレンズMLと層間絶縁膜IL4との間にカラーフィルタを設けてもよい。また、不要であれば、マイクロレンズMLの取り付けは、省略することもできる。
以上の工程により、本実施の形態の半導体装置を製造することができる。
<本実施の形態の課題について>
固体撮像素子として、CMOSを用いた固体撮像素子(CMOSイメージセンサ)の開発が進められている。このCMOSイメージセンサは、フォトダイオードと転送トランジスタとを有する複数の画素を含んで構成される。CMOSイメージセンサデバイスにおいては、センサの処理性能の向上を図るために、周辺回路を微細化し、動作速度を向上させることが望まれる。一方、CMOSイメージセンサデバイスにおいて、撮像感度はフォトダイオードの容量に比例するため、微細化によりフォトダイオードの容量面積(接合面積)を小さくすると、撮像感度が低下してしまう。撮像感度の低下は、半導体装置の性能の低下につながる。このため、撮像感度は、できるだけ高くすることが望ましく、撮像感度を高めるためには、フォトダイオードの容量面積(接合面積)をできるだけ大きくすることが望まれる。一方、CMOSイメージセンサデバイスにおいて、電源電圧は、微細化に伴い小さくする必要があるが、電源電圧を小さくすることは、フォトダイオードに蓄積した電荷を転送トランジスタを介して転送しにくくなることにつながる。従って、フォトダイオードに蓄積した電荷の転送特性を低下させずに、かつ、撮像感度を保つためには、フォトダイオードの構造設計が重要となる。
一般的に使用されているフォトダイオードは、pnp型の埋め込みフォトダイオードであり、n型層(本実施の形態のn型半導体領域NWに相当するn型層)に電子を蓄積する構造である。フォトダイオードの平面寸法は、チップサイズや画素数などにより制約されてしまう。このため、フォトダイオードの容量を大きくするためには、n型層(本実施の形態のn型半導体領域NWに相当するn型層)の深さを深くすることが有効である。n型層の深さを深くすれば、フォトダイオードを構成するpn接合の面積が増えるため、フォトダイオードの容量を大きくすることができ、撮像感度を向上させることができる。しかしながら、単純にn型層の深さを深くすると、フォトダイオードに蓄積した電荷を転送トランジスタを介して転送しにくくなることにつながってしまう。これは、フォトダイオードに蓄積した電荷の転送特性を低下させ、また、電源電圧を低下させたときに、フォトダイオードに蓄積した電荷の転送不良を引き起こすことにつながってしまう。これは、半導体装置の性能の低下につながる。
そこで、本発明者は、フォトダイオードに蓄積した電荷を転送トランジスタを介して的確に転送できるようにするとともに、撮像感度を向上させるためには、pnp型のフォトダイオードにおける最上層のp型層(本実施の形態のp型半導体領域PRに相当するp型層)を浅く形成することが有効であることを見出した。pnp型のフォトダイオードにおいて、n型層の深さを変えずに最上層のp型層を浅くすれば、フォトダイオードを構成するpn接合の面積が増えるため、フォトダイオードの容量を大きくすることができ、撮像感度を向上させることができる。また、pnp型のフォトダイオードにおける最上層のp型層を浅くしても、フォトダイオードに蓄積した電荷の転送特性は低下しない。このため、半導体装置の性能を向上させることができる。
しかしながら、pnp型のフォトダイオードにおける最上層のp型層(本実施の形態のp型半導体領域PRに相当するp型層)をB(ホウ素)のイオン注入で形成すると、注入するイオンの原子量が小さいため、チャネリング現象が生じやすい。ここで、チャネリング現象とは、注入されたイオンが、原子配列の隙間を通して半導体基板の深い位置まで達する現象である。pnp型のフォトダイオードにおける最上層のp型層(p型半導体領域PRに相当するp型層)を形成するイオン注入でチャネリング現象が生じてしまうと、そのp型層(p型半導体領域PRに対応するp型層)を浅く均一に形成することが難しくなる。また、pnp型のフォトダイオードにおける最上層のp型層(p型半導体領域PRに相当するp型層)を浅く形成しようとすると、そのp型層(p型半導体領域PRに相当するp型層)を形成するためのイオン注入の注入エネルギーを小さくする必要があるが、注入エネルギーが小さいと、イオン注入時のイオンビームを安定して生成しにくいため、イオン注入を上手く行えなくなる虞がある。このため、pnp型のフォトダイオードにおける最上層のp型層(p型半導体領域PRに相当するp型層)を浅くすることは難しく、無理にそのp型層(p型半導体領域PRに相当するp型層)を浅くしようとすると、かえって半導体装置の性能の低下や、半導体装置の製造歩留まりの低下を引き起こしてしまう。
<本実施の形態の主要な特徴と効果について>
そこで、本実施の形態では、p型半導体領域PRを形成するためのイオン注入として、複数のホウ素(B)原子と複数の水素(H)原子とからなるクラスタをイオン注入する手法を採用しており、これを、本実施の形態の主張な特徴のうちの一つとしている。すなわち、ステップS6では、複数のホウ素(B)原子と複数の水素(H)原子とからなるクラスタをイオン注入することにより、p型半導体領域PRを形成している。
ここで、複数のホウ素(B)原子と複数の水素(H)原子とからなるクラスタは、複数のホウ素(B)原子と複数の水素(H)原子とからなる分子とみなすこともできる。また、複数のホウ素(B)原子と複数の水素(H)原子とからなるクラスタは、水素化ボロンのクラスタとみなすこともできる。
複数のホウ素(B)原子と複数の水素(H)原子とからなるクラスタは、B(ここでx,yはそれぞれ2以上の整数)と表記することができる。すなわち、上記ステップS6では、x個のホウ素(B)原子とy個の水素(H)原子とからなる分子であるB(ここでx,yはそれぞれ2以上の整数)をイオン注入することにより、p型半導体領域PRを形成する。
ステップS6でイオン注入するクラスタ(分子)が含むホウ素(B)原子の数は2以上(すなわちBと表記したときにxは2以上の整数)であるが、ステップS6でイオン注入するクラスタ(分子)が含むホウ素(B)原子の数が5以上(すなわちBと表記したときにxが5以上の整数)であれば、より好ましい。
ステップS6でイオン注入するクラスタ(分子)の例を挙げれば、B1014(デカボラン)またはB1822(オクタデカボラン)などがある。ここで、B1014(デカボラン)は、10個のホウ素(B)原子と14個の水素(H)原子とからなる分子であり、B1822(オクタデカボラン)は、18個のホウ素(B)原子と22個の水素(H)原子とからなる分子である。
本実施の形態では、複数のホウ素原子と複数の水素原子とからなるクラスタ(B)をイオン注入することによりp型半導体領域PRを形成しているが、これにより、次のような効果を得られる。
すなわち、クラスタをイオン注入する場合、1個のクラスタ当たりの質量が大きくなることを反映して、注入エネルギーを大きくすることになる。注入エネルギーが大きいと、イオン注入時のイオンビームを安定して生成することができるため、イオン注入を安定して行うことができる。本実施の形態では、複数のホウ素原子と複数の水素原子とからなるクラスタ(B)をイオン注入することによりp型半導体領域PRを形成するため、p型半導体領域PRを浅くしても、イオン注入の注入エネルギーを大きくすることができるので、イオンビームを安定して生成することができ、p型半導体領域PRを形成するためのイオン注入を安定して行うことができる。これにより、p型半導体領域PRを浅くしても、p型半導体領域PRを安定して的確に形成することができる。従って、半導体装置の性能を向上させることができる。また、半導体装置の製造歩留まりを向上させることができる。
また、クラスタをイオン注入する場合、1個のクラスタ当たりの質量が大きくなることを反映して、衝突エネルギーが大きくなるが、これは、チャネリング現象が生じにくくなることにつながる。これは、衝突エネルギーが大きいと、イオン注入された半導体基板の表層部分にアモルファス層が形成されやすく、アモルファス層が形成されるとチャネリング現象が起きにくくなるためである。本実施の形態では、複数のホウ素原子と複数の水素原子とからなるクラスタ(B)をイオン注入することによりp型半導体領域PRを形成することで、p型半導体領域PRを形成するためのイオン注入時にチャネリング現象が生じるのを抑制または防止することができる。これにより、p型半導体領域PRを浅く均一に形成することができる。従って、半導体装置の性能を向上させることができる。また、半導体装置の製造歩留まりを向上させることができる。
また、p型半導体領域PR内において、もしもクラスタの形態でホウ素(B)が存在していると、結晶が歪んでしまい、それが暗電流の増加につながってしまう。また、p型半導体領域PR内において、もしもクラスタの形態でホウ素(B)が存在していると、欠陥(転移)が生じやすく、それも暗電流の増加につながってしまう。これは、半導体装置の性能の低下や、半導体装置の製造歩留まりの低下につながる虞がある。
本実施の形態では、複数のホウ素原子と複数の水素原子とからなるクラスタ(B)をイオン注入することによりp型半導体領域PRを形成する。複数のホウ素原子と複数の水素原子とからなるクラスタ(B)が半導体基板SBにイオン注入されると、そのクラスタ(B)を構成していた複数のホウ素(B)原子および複数の水素(H)原子は、半導体基板SB内でばらばらになって分散する。すなわち、クラスタ(B)が半導体基板SBに衝突するまでは、複数のホウ素(B)原子と複数の水素(H)原子とからなるクラスタ(B)の状態が維持されているが、クラスタ(B)が半導体基板SBに衝突すると、そのクラスタ(B)を構成していた複数のホウ素(B)原子および複数の水素(H)原子は、ばらばらになって半導体基板SB内に侵入し拡散する。すなわち、p型半導体領域PRとなる半導体基板SB内では、ホウ素はクラスタの状態で存在しているのではなく、個々のホウ素原子が分散して存在している。
ステップS6のイオン注入(すなわちp型半導体領域PRを形成するためのイオン注入)の後に、結晶欠陥を回復させるためのアニール処理(熱処理)を行うと、図36に模式的に示されるように、ステップS6で注入されたホウ素(B)原子は、p型半導体領域PRにおいて、半導体基板SB(p型半導体領域PR)を構成するシリコン結晶のシリコン(Si)サイト(シリコンの格子点)に位置した状態になる。すなわち、p型半導体領域PRは、シリコン結晶のSiサイト(シリコンの格子点)の一部が、ホウ素(B)原子に置換された状態になる。ここで、図36は、p型半導体領域PRの結晶構造を模式的に示す説明図である。このとき、p型半導体領域PRにおいて、ホウ素(B)原子はある程度均一に分散しており、各ホウ素(B)原子に隣接する原子は、シリコン(Si)原子である。p型半導体領域PRにおいて、ホウ素(B)はクラスタの形態で存在しているのではなく、個々のホウ素(B)原子が分散して存在しているため、結晶の歪みや欠陥を防ぎやすく、暗電流を抑制または防止することができる。
本実施の形態においては、ステップS6でクラスタイオン注入によってp型半導体領域PRを形成するが、注入するクラスタとして、複数のホウ素(B)原子と複数の水素(H)原子とからなるクラスタ(B)を用いることが重要である。複数のホウ素(B)原子と複数の水素(H)原子とが互いに結合したクラスタ(B)は、結合力が弱いため、半導体基板SBに注入されたときに結合が切れてばらばらになりやすい。本実施の形態では、ステップS6で、複数のホウ素(B)原子と複数の水素(H)原子とからなるクラスタ(B)、すなわち複数のホウ素(B)原子と複数の水素(H)原子とが互いに結合したクラスタ(B)をイオン注入するで、p型半導体領域PR内で、ホウ素(B)がクラスタの状態で存在するのではなく、個々のホウ素(B)原子が分散して存在するようにしている。すなわち、ステップS6で複数のホウ素(B)原子と複数の水素(H)原子とからなるクラスタ(B)が半導体基板SBにイオン注入されると、クラスタ(B)を構成していた複数のホウ素(B)原子および複数の水素(H)原子は、半導体基板SB(p型半導体領域PR)内で分散する。これにより、p型半導体領域PRにおいて、結晶の歪みや欠陥(転移)を防ぐことができ、暗電流をより的確に抑制または防止することができる。従って、半導体装置の性能を向上させることができる。また、半導体装置の製造歩留まりを向上させることができる。
また、ステップS6でp型半導体領域PRを形成するためのイオン注入を行うが、そのイオン注入として、複数のホウ素(B)原子と複数の水素(H)原子とからなるクラスタ(B)のイオン注入を用いた場合、クラスタイオン注入を用いなかった場合に比べて、注入されたホウ素(B)原子の活性化率を高めることができる。このため、p型半導体領域PRによる暗電流の抑制効果を高めることができる。また、白点(暗時白点)の発生を抑制することができる。また、活性化率が高くなる分、イオン注入時のドーズ量を少なくすることができ、ドーズ量を少なくすることができる分、イオン注入時のダメージ(イオン注入された基板領域のダメージ)を小さくすることができるため、p型半導体領域PRを、より的確に形成することができ、p型半導体領域PRによる暗電流の抑制効果を高めることができる。従って、半導体装置の性能を向上させることができる。また、半導体装置の製造歩留まりを向上させることができる。
図37は、p型半導体領域PRに相当するp型半導体領域のシート抵抗を比較した結果を示すグラフである。ここで、図37のグラフには、B(x,yはそれぞれ2以上の整数)のイオン注入を用いてp型半導体領域PRに相当するp型半導体領域を形成した場合のそのp型半導体領域のシート抵抗と、B(ホウ素)のイオン注入を用いてp型半導体領域PRに相当するp型半導体領域を形成した場合のそのp型半導体領域のシート抵抗とを示してある。図37のグラフにも示されるように、複数のホウ素(B)原子と複数の水素(H)原子とからなるクラスタ(B)のイオン注入を用いた場合、クラスタイオン注入を用いなかった場合に比べて、イオン注入で形成されたp型半導体領域(p型半導体領域PRに相当)のシート抵抗を低くすることができる。これは、複数のホウ素(B)原子と複数の水素(H)原子とからなるクラスタ(B)のイオン注入を用いた場合、クラスタイオン注入を用いなかった場合に比べて、注入されたホウ素(B)原子の活性化率が高くなることを示唆している。
図38は、n型半導体領域NWに相当するn型半導体領域のシート抵抗を比較した結果を示すグラフである。ここで、図38のグラフには、注入エネルギーは同じにして、B(x,yはそれぞれ2以上の整数)のイオン注入を用いてp型半導体領域PRに相当するp型半導体領域を形成した場合と、B(ホウ素)のイオン注入を用いてp型半導体領域PRに相当するp型半導体領域を形成した場合についての、n型半導体領域NWに相当するn型半導体領域のシート抵抗を示してある。注入エネルギーが同じであれば、図38のグラフにも示されるように、p型半導体領域PRに相当するp型半導体領域を形成するのにBのクラスタイオン注入を用いた場合は、クラスタイオン注入を用いなかった場合に比べて、n型半導体領域NWに相当するn型半導体領域のシート抵抗を低くすることができる。これは、p型半導体領域PRに相当するp型半導体領域を形成するのに、Bのクラスタイオン注入を用いた場合は、クラスタイオン注入を用いなかった場合に比べて、n型半導体領域NWに相当するn型半導体領域の実効的な厚さが厚くなり、それによってそのn型半導体領域のシート抵抗が低くなることを示唆している。すなわち、p型半導体領域PRを形成するのにBのクラスタイオン注入を用いた場合は、クラスタイオン注入を用いなかった場合に比べて、p型半導体領域PRを浅くかつ高い活性化率で形成できるため、そのp型半導体領域PRの下のn型半導体領域NWの実効的な厚さを厚くすることができることを示唆している。n型半導体領域NWの実効的な厚さが厚くなることは、フォトダイオードPDを構成するpn接合(p型ウエルPW1とn型半導体領域NWとの間のpn接合)の実効的な面積が増加することにつながり、ひいては、撮像感度の向上につながる。
図39は、暗電流を比較した結果を示すグラフであり、図40は、白点の発生率を比較した結果を示すグラフである。ここで、図39および図40に示される「比較例」は、本実施の形態とは異なり、B(x,yはそれぞれ2以上の整数)のイオン注入を用いずにホウ素のイオン注入によりp型半導体領域PRを形成した場合に対応している。また、図39および図40に示される「実施形態1」は、B(x,yはそれぞれ2以上の整数)のイオン注入を用いてp型半導体領域PRを形成した場合に対応している。図39および図40のグラフにも示されるように、B(x,yはそれぞれ2以上の整数)のイオン注入を用いてp型半導体領域PRを形成することにより、暗電流を抑制することができ、また、白点の発生を抑制することができる。B(x,yはそれぞれ2以上の整数)のイオン注入によりp型半導体領域PRを形成したことで得られる暗電流の抑制効果や、白点の発生を抑制する効果は、p型半導体領域PRの深さによらず、得られる効果である。
また、p型半導体領域PRを形成するためのイオン注入において、ドーズ量が大きすぎると、イオン注入時のダメージが大きく、暗電流や白点の増加につながる懸念がある。このため、ステップS6で複数のホウ素(B)原子と複数の水素(H)原子とからなるクラスタ(B)をイオン注入することによってp型半導体領域PRを形成するが、その際のドーズ量は、1×1014/cm以下、例えば1×1013〜1×1014/cm程度が好ましい。ここで言うドーズ量は、1cmの面積当たりに注入されるホウ素(B)原子の数に対応している。これにより、ステップS6のイオン注入時のダメージを小さくすることができるため、p型半導体領域PRによる暗電流の抑制効果を的確に高めることができる。また、白点の発生を的確に抑制することができる。従って、半導体装置の性能を向上させることができる。また、半導体装置の製造歩留まりを向上させることができる。
本実施の形態では、ステップS6で複数のホウ素(B)原子と複数の水素(H)原子とからなるクラスタ(B)をイオン注入することによってp型半導体領域PRを形成することで、p型半導体領域PRの深さを浅くしたときの不具合を防止することができる。例えば、上述のように、イオン注入時のチャネリング現象を防止でき、また、イオン注入時のイオンビームを安定して生成することができる。このため、本実施の形態では、浅いp型半導体領域PRを的確に形成することができる。
従って、本実施の形態は、p型半導体領域PRの深さを浅くした場合に適用すれば効果が大きい。そして、p型半導体領域PRの深さを浅くすることで、フォトダイオードPDを構成するpn接合(p型ウエルPW1とn型半導体領域NWとの間のpn接合)の実効的な面積を増加させることができるため、フォトダイオードPDの容量を大きくすることができる。また、フォトダイオードPDの飽和電荷量を大きくすることができる。これにより、撮像感度を向上させることができる。また、p型半導体領域PRの深さを浅くしても、フォトダイオードPDに蓄積した電荷の転送特性は低下しない。従って、半導体装置の性能を向上させることができる。また、半導体装置の製造歩留まりを向上させることができる。
このため、本実施の形態は、p型半導体領域PRの深さを浅くした場合に適用すれば効果が大きく、特に、ステップS6で形成されたp型半導体領域PRの、半導体基板SBの表面からの深さT1が、30nm以下(T1≦30nm)の場合に適用すれば、特に効果が大きい。なお、p型半導体領域PRの深さT1は、図20に示されており、ステップS6でp型半導体領域PRを形成したときの、半導体基板SBの表面からp型半導体領域PRの底面までの距離(深さ)に対応している。従って、別の言い方をすると、本実施の形態は、ステップS6でp型半導体領域PRを形成したときに、半導体基板SBの表面からp型半導体領域PRの底面までの距離(すなわち深さT1)が30nm以下(T1≦30nm)である場合に、特に効果が大きい。なお、p型半導体領域PRを形成した領域では、半導体基板SBの表面は、p型半導体領域PRの上面となっているため、p型半導体領域PRの深さT1は、ステップS6で形成されたp型半導体領域PRの厚さとみなすこともできる。
型半導体領域PRの深さT1を30nm以下(T1≦30nm)にしようとすると、クラスタイオン注入を用いなければ、チャネリング現象が発生することや、イオン注入時のイオンビームを安定して生成できないことなどにより、p型半導体領域PRを上手く形成できなくなってしまう。それに対して、本実施の形態では、ステップS6で複数のホウ素(B)原子と複数の水素(H)原子とからなるクラスタ(B)をイオン注入することによってp型半導体領域PRを形成することにより、p型半導体領域PRの深さT1が30nm以下(T1≦30nm)であっても、p型半導体領域PRを的確に形成することができる。従って、本実施の形態では、深さが30nm以下のp型半導体領域PRを的確に形成することができるため、p型半導体領域PRの深さを浅くしたことによる効果、例えば、フォトダイオードPDを構成するpn接合の実効的な面積を増加させることによってフォトダイオードPDの容量を増大させ、撮像感度を向上させることができるという効果を、不具合を生じずに享受することができる。
また、ステップS6で形成されたp型半導体領域PRの、半導体基板SBの表面からの深さT1は、5nm以上(T1≧5nm)であれば、更に好ましい。すなわち、本実施の形態は、ステップS6でp型半導体領域PRを形成したときに、半導体基板SBの表面からp型半導体領域PRの底面までの距離(すなわち深さT1)が5nm以上(T1≧5nm)であれば、更に好ましい。これにより、p型半導体領域PRを設けたことによる暗電流の抑制効果を的確に得ることができる。
従って、ステップS6で形成されたp型半導体領域PRの、半導体基板SBの表面からの深さT1は、5nm以上で30nm以下(5nm≦T1≦30nm)であれば、最も好ましい。
また、ステップS5で形成されたn型半導体領域NWの、半導体基板SBの表面からの深さT2は、例えば0.2〜1μm程度とすることができる(すなわち0.2μm≦T2≦1μm)。なお、n型半導体領域NWの深さT2は、図18に示されており、ステップS5でn型半導体領域NWを形成したときの、半導体基板SBの表面からn型半導体領域NWの底面までの距離(深さ)に対応している。
本実施の形態では、B(x,yはそれぞれ2以上の整数)のイオン注入によってp型半導体領域PRを形成することにより、イオン注入時のチャネリング現象を防止できる効果や、イオン注入時のイオンビームを安定して生成できる効果を得られるが、これは、浅いp型半導体領域PRを形成する場合に特に有益な効果である。更に、B(x,yはそれぞれ2以上の整数)のイオン注入によってp型半導体領域PRを形成することにより、暗電流の抑制効果や、白点の発生の抑制効果も得られるが、これは、p型半導体領域PRが浅い場合はもちろんのこと、p型半導体領域PRが浅くない場合であっても、得られる効果である。従って、本実施の形態は、浅いp型半導体領域PRを形成する場合に適用すれば特に効果が大きいが、p型半導体領域PRが浅くない場合であっても有効である。
(実施の形態2)
上記実施の形態1では、半導体装置が、半導体基板の表面側から光を入射する表面照射型のイメージセンサである例について説明した。一方、本実施の形態2では、半導体装置が、半導体基板の裏面側から光を入射する裏面照射型のイメージセンサである例について説明する。
例えば、表面照射型のイメージセンサ(上記実施の形態1の半導体装置に対応)では、マイクロレンズ(ML)に入射した光は、層間絶縁膜(IL1〜IL4)を透過してフォトダイオード(PD)に照射される。層間絶縁膜(IL1〜IL4)のうちフォトダイオード(PD)の上方に位置する部分には、配線(M1〜M3)は形成されておらず、光の透過領域となっているが、イメージセンサの画素数の増加や小型化に伴って、この光の透過領域の面積が小さくなり、表面照射型のイメージセンサでは、フォトダイオードに入射する光量が減少するおそれがある。
そこで、半導体基板の裏面側から光を入射させて、この入射光を効率よくフォトダイオードに到達させる裏面照射型のイメージセンサが提案されている。本実施の形態2では、この裏面照射型のイメージセンサへの適用例について説明する。
本実施の形態2の半導体装置の構成、および、周辺回路領域の素子構造については、上記図1〜図7および図9を用いて説明した上記実施の形態1の半導体装置の構成、および、周辺回路領域の素子構造と同様であり、その説明を省略する。
<画素領域の素子構造>
次いで、本実施の形態2の半導体装置の画素領域の素子構造を説明する。図41は、実施の形態2の半導体装置の構成を示す断面図である。図41は、本実施の形態2の半導体装置の要部断面図であり、上記図3のA−A線での断面図にほぼ対応しており、上記実施の形態1の上記図8に相当するものである。
図41に示されるように、半導体基板SBにフォトダイオードPDと転送トランジスタTXとが形成され、かつ、半導体基板SBの表面側(図41では下側に対応)に層間絶縁膜(IL1〜IL4)および配線層(M1〜M3)が形成されている点は、本実施の形態2も上記実施の形態1と同様である。そして、さらに、本実施の形態2では、図41に示されるように、層間絶縁膜(IL4)の下層に、密着膜OXFが形成されており、この密着膜OXFの下層に支持基板SSが配置されている。
また、本実施の形態2では、半導体基板SBの厚さが、上記実施の形態1における半導体基板SBの厚さに比べて薄くなっており、かつ、半導体基板SBの裏面(図41では上側の面に対応)に、例えば、酸窒化シリコン膜から形成された反射防止膜ARFが形成されており、この反射防止膜ARF上にマイクロレンズMLが搭載されている。なお、半導体基板SBと反射防止膜ARFとの間にp型半導体領域が形成されていてもよい。
このように構成されている画素領域1Aにおいて、マイクロレンズMLに光が入射されると、マイクロレンズMLに入射された光は、反射防止膜ARFを介して半導体基板SBの裏面に到達する。そして、半導体基板SBの裏面に到達した光は、半導体基板SBの内部に入り込み、フォトダイオードPDに照射される。
<半導体装置の製造方法>
次いで、本実施の形態2の半導体装置の製造方法について説明する。なお、以下では、画素領域における製造工程について説明する。図42〜図47は、実施の形態2の半導体装置の製造工程中の要部断面図である。なお、図42〜図47は、上記図41に相当する断面図、すなわち、上記図3のA−A線に相当する位置での断面図である。
本実施の形態2では、反射防止膜ARFを形成しないこと以外は、上記実施の形態1と同様の工程(上記ステップS1〜S9)を行って、上記図26に相当する図42の構造を得る。図42に示されるように、本実施の形態2では、ゲート電極Gtの両方の側壁上にサイドウォールスペーサSWが形成されるが、半導体基板SB上に反射防止膜ARFは、まだ形成されていない。本実施の形態2では、反射防止膜ARFは、後述の図47の工程で形成される。
次に、図43に示されるように、本実施の形態2においても、上記ステップS10を行ってn型半導体領域NRを形成する。n型半導体領域NRの形成位置や機能については、本実施の形態2も上記実施の形態1と基本的には同じであるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。なお、上記ステップS10は、本実施の形態2も上記実施の形態1とほぼ同様に行うことができるが、本実施の形態2では、反射防止膜ARFを形成していないため、転送トランジスタTXのゲート電極Gtの両側のうち、ソース側をフォトレジスト層(図示せず)で覆い、ドレイン側をフォトレジスト層から露出させた状態で、イオン注入を行ってn型半導体領域NRを形成する。
次に、本実施の形態2においても、上記実施の形態1と同様に、上記ステップS11〜S15と、上記層間絶縁膜IL2〜IL4および配線M1〜M3の形成工程とを行って、図44の構造を得る。なお、上記ステップS11〜S15と、上記層間絶縁膜IL2〜IL4および配線M1〜M3の形成工程とについては、本実施の形態2も上記実施の形態1と基本的には同じであるので、ここではその繰り返しの説明は省略する。但し、本実施の形態2では、反射防止膜ARFは、まだ形成されていない。
また、図44には、n型半導体領域NRの上部に上記金属シリサイド層SILを形成していない場合が示されているが、n型半導体領域NRの上部に上記金属シリサイド層SILを形成することもできる。
次に、図45に示されるように、配線M3を形成した層間絶縁膜IL4の表面を下側に向け、この層間絶縁膜IL4の表面に、例えば、酸化シリコン膜からなる密着膜OXFを介して支持基板SSを配置する。これにより、半導体基板SBの裏面が上を向いた状態で、半導体基板SBおよび絶縁膜IL1〜1L4からなる積層構造体が支持基板SSに固定される。それから、図46に示されるように、上を向いた半導体基板SBの裏面を研削する。これにより、半導体基板SBの厚さを薄くすることができる。
次に、図47に示されるように、半導体基板SBの裏面上に、例えば、酸窒化シリコン膜からなる反射防止膜ARFを形成する。なお、フォトリソグラフィ技術およびイオン注入法を使用することにより、半導体基板SBの上面側を向いている裏面に、ホウ素(B)などのp型不純物を導入し、半導体基板SBと反射防止膜ARFとの間にp型半導体領域を形成してもよい。
次に、図47に示されるように、反射防止膜ARF上に、フォトダイオードPDを構成するn型半導体領域NWと平面視において重なるように、マイクロレンズMLを取り付ける。以上のようにして、本実施の形態2におけるイメージセンサとしての半導体装置を製造することができる。
本実施の形態2も、フォトダイオードPDやトランジスタの形成法は、上記実施の形態1と同様である。このため、本実施の形態2においても、上記実施の形態1で説明したのとほぼ同様の効果を得ることができる。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
1A 画素領域
2A 周辺回路領域
AcAS、AcG、AcL、AcR、AcTP 活性領域
AMI 増幅トランジスタ
ARF 反射防止膜
AP 出力アンプ
CHP チップ領域
CLC 列回路
CP キャップ絶縁膜
CT コンタクトホール
FD フローティングディフュージョン
Ga、Glt、Gr、Gs、Gt ゲート電極
GND 接地電位
GOX ゲート絶縁膜
HSC 水平走査回路
IL1,IL2,IL3,IL4 層間絶縁膜
LCS 素子分離領域
LGND 接地電位線
LRST リセット線
LT 周辺トランジスタ
LTX 転送線
LVDD 電源電位線
M1,M2,M3 配線
ML マイクロレンズ
N1 ノード
NM n型半導体領域
NR,NW n型半導体領域
OL 出力線
OP1,OP2 開口部
OXF 密着膜
Pa,Pag,Pfd,Pg,Pr1,Pr2,Prg プラグ
PD フォトダイオード
PG プラグ
PR p型半導体領域
Ps、Psg、Pt1、Pt2、Ptg プラグ
PU 画素
PW1,PW2 p型ウエル
RS1,RS2,RS3 フォトレジストパターン
RST リセットトランジスタ
SB 半導体基板
SD n型半導体領域
SEL 選択トランジスタ
SIL 金属シリサイド層
SL 選択線
SS 支持基板
SWT スイッチ
SW サイドウォールスペーサ
TX 転送トランジスタ
VDD 電源電位
VSC 垂直走査回路
WF 半導体ウエハ

Claims (7)

  1. (a)半導体基板を用意する工程、
    (b)前記半導体基板内に、フォトダイオード用のp型の第1半導体領域を形成する工程、
    (c)前記半導体基板内に、前記フォトダイオード用のn型の第2半導体領域を形成する工程、
    (d)前記半導体基板内に、p型の第3半導体領域を形成する工程、
    を有し、
    前記第2半導体領域は、前記第1半導体領域に内包され、
    前記第3半導体領域は、前記第2半導体領域の表層部分に形成され、
    前記(d)工程では、複数のホウ素原子と複数の水素原子とからなるクラスタをイオン注入することにより、前記第3半導体領域が形成される、半導体装置の製造方法。
  2. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    (e)前記半導体基板上に、前記フォトダイオードにより生成された電荷を転送する転送用トランジスタのゲート電極を、ゲート絶縁膜を介して形成する工程、
    (f)前記半導体基板内に、前記転送用トランジスタのドレイン領域を形成する工程、
    を更に有し、
    前記第2半導体領域は、前記転送用トランジスタのソース領域としても機能する、半導体装置の製造方法。
  3. 請求項2記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(d)工程で前記クラスタが前記半導体基板にイオン注入されると、前記クラスタを構成していた複数のホウ素原子および複数の水素原子は、前記半導体基板内で分散する、半導体装置の製造方法。
  4. 請求項3記載の半導体装置の製造方法において、
    (g)前記(d)工程の後、熱処理を行う工程、
    を更に有し、
    前記(g)工程を行った後は、前記(d)工程で注入されたホウ素原子は、前記第3半導体領域において、前記半導体基板を構成するシリコン結晶のシリコンサイトに位置している、半導体装置の製造方法。
  5. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記(d)工程で形成された前記第3半導体領域の、前記半導体基板の表面からの深さは、30nm以下である、半導体装置の製造方法。
  6. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第3半導体領域の不純物濃度は、前記第1半導体領域の不純物濃度よりも高い、半導体装置の製造方法。
  7. 請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
    前記第3半導体領域の一部は、前記第1半導体領域に接している、半導体装置の製造方法。
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