JP2015021086A - 樹脂組成物、樹脂シート、プリプレグ、積層板、プリント配線板、及び半導体装置 - Google Patents
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Abstract
Description
その理由は、導体回路幅が狭くなる場合、特に、微細配線回路と呼ばれるサイズになる場合には、導体回路と絶縁層の接触面積が小さくなるため、絶縁層に対する導体回路の密着性が悪くなり、いわゆる、めっきピールと呼ばれる導体回路の剥離が発生するためである。
樹脂組成物により形成される絶縁層表面に微細な粗化形状を形成し、そのような微細な粗化形状を有する絶縁層上に微細配線回路を形成することにより、微細配線回路の密着性を高めることが可能である。しかし、微細配線回路の密着性を充分に高くするためには、絶縁層表面の粗さを大きくする必要がある。絶縁層表面の粗さが大きすぎる場合には、絶縁層表面にフォトプロセスで導体回路のパターンを形成する際に、露光の焦点が合わなくなるため、精確にパターンを形成することが困難になる。
従って、微細な粗化形状を形成することにより、導体回路と絶縁層との間のめっきピール強度を高める方法には、限界がある。
[1](A)下記一般式(1)で表されるナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、(B)シアネートエステル樹脂、(C)水酸基を少なくとも1つ含有する芳香族ポリアミド樹脂、及び(D)無機充填剤を必須成分として含有することを特徴とする樹脂組成物。
[2]前記(C)水酸基を少なくとも1つ含有する芳香族ポリアミド樹脂の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対して5重量%以上15重量%以下である[1]に記載の樹脂組成物。
[3]前記(B)シアネートエステル樹脂は、ノボラック型シアネートエステル樹脂である[1]または[2]に記載の樹脂組成物。
[4]前記(D)無機充填剤は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、溶融シリカ、タルク、焼成タルク、及びアルミナよりなる群から選ばれる少なくとも1種類以上である[1]ないし[3]のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[5]前記(D)無機充填剤の平均粒子径は、5.0μm以下である[1]ないし[4]のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[6]前記(D)無機充填剤が平均粒子径10nm〜150nmのシリカナノ粒子を含む[1]ないし[5]のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
[7][1]ないし[6]のいずれか一項に記載の樹脂組成物を基材に含浸させてなるプリプレグ。
[8][7]に記載のプリプレグの少なくとも片面上に金属層を配置してなる積層板。
[9][1]ないし[6]のいずれか一項に記載の樹脂組成物を支持フィルム又は金属箔上に配置してなる樹脂シート。
[10][7]に記載のプリプレグ、[8]に記載の積層板、[9]に記載の樹脂シートから形成されたプリント配線板。
[11][10]に記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体装置。
本発明に用いる樹脂組成物は、(A)下記一般式(1)で表されるナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、(B)シアネートエステル樹脂、(C)水酸基を少なくとも1つ含有する芳香族ポリアミド樹脂、及び(D)無機充填剤を必須成分とすることを特徴とする。これにより、熱膨張係数が小さく耐熱性の高い樹脂組成物とすることができ、かつ、絶縁層を形成した際に、絶縁層表面に微細な粗化形状を形成でき、導体回路と絶縁層との高い密着性(めっきピール強度)を得ることができる。また、多層プリント配線板に用いたときに、多層プリント配線板の反りを抑えることができる。
ノボラック型シアネートエステル樹脂としては、例えば、下記一般式(I)で示されるものを使用することができる。
シアネートエステル樹脂のMwは、例えば、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー、標準物質:ポリスチレン換算)で測定することができる。
また、ジエン骨格を有する少なくとも4つ以上の炭素鎖が繋がったセグメントを有することが好ましく、粗化されやすいジエン骨格を含むことで、微視的スケールで選択的に粗化されるため微細な粗化形状を形成することができる。
次に、本発明にかかるプリプレグ100について説明する。図1は本実施形態におけるプリプレグ100の構成の一例を示す断面図である。本発明にかかるプリプレグは、上記樹脂組成物を基材101に含浸させてなるものである。基材としては、特に限定されることはないが、例えばガラス繊布、ガラス不繊布等のガラス繊維基材、ガラス以外の無機化合物を成分とする繊布、不繊布等の無機繊維基材、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂等の有機繊維で構成される有機繊維基材等が挙げられる。強度、吸水率の観点から、ガラス繊布、ガラス不繊布等のガラス繊維基材が好ましい。
次に、本発明にかかる積層板について説明する。本発明にかかる積層板は、上記プリプレグ100を含む成形品である。例えば、本発明による積層板は、上記プリプレグの少なくとも片面上に金属層を配置してなるものであることができる。また、上記積層板は、上記プリプレグを2枚以上積層したプリプレグ積層体の少なくとも片面上に金属層を配置してなるものであってもよい。本発明による積層板は、上記プリプレグの片面又は上下両面に金属箔及び/又は支持フィルムを重ねてよい。さらに、本発明による積層板は、少なくとも2枚の上記プリプレグが積層されたプリプレグ積層体の片面又は最も外側の上下両面に、金属箔及び/又は支持フィルムを重ねてもよい。本発明による積層体は、誘電率及び誘電正接が低く、耐熱性及び密着性に優れる。
次に、本発明にかかる樹脂シートについて説明する。本発明による樹脂シートは、上記樹脂組成物を支持フィルム又は金属箔上に配置してなるものである。上記樹脂シートは、上記樹脂組成物の固形分からなる絶縁層を支持フィルム又は金属箔上に形成することにより得られる。樹脂シートを形成する場合、上記樹脂組成物の固形分は、好ましくは45〜85質量%、より好ましくは55〜75質量%の範囲内である。上記樹脂組成物を、各種塗工装置を用いて、支持フィルム上及び/又は金属箔上に塗工した後乾燥するか、又は上記エポキシ樹脂組成物をスプレー装置により支持フィルム又は金属箔に噴霧塗工した後乾燥することにより、樹脂シートを作製することができる。樹脂シートに用いる支持フィルム及び金属箔は、上記積層板について説明したものと同じものを使用することができる。
次に、本発明にかかるプリント配線板および半導体パッケージ200について説明する。本発明にかかるプリント配線板は、上記プリプレグ、上記積層板又は上記樹脂シートから形成されるものである。本発明によるプリント配線板および半導体パッケージ200の製造方法は、特に限定されることはないが、例えば、以下のように製造することができる。
つづいて、本実施形態における半導体装置300について説明する。
半導体パッケージ200は、図3に示すような半導体装置300に用いることができる。半導体装置300の製造方法としてはとくに限定されないが、例えば、以下のような方法がある。
はじめに、得られた半導体パッケージ200のソルダーレジスト層201の開口部209に半田ペーストを供給し、リフロー処理をおこなうことによって半田バンプ301を形成する。また、半田バンプ301は、あらかじめ作製した半田ボールを開口部209に取り付けることによっても形成できる。
[1]樹脂ワニスの調製
一般式(3)で表されるナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製、HP−6000、エポキシ当量273、一般式(3)において、Rがいずれも水素原子で、n=1である成分とn=2である成分との混合物)16.2質量部;フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂(LONZA社製、PT−30)14.3質量部;水酸基を少なくとも1つ含有する芳香族ポリアミド樹脂(日本化薬社製、BPAM−155,水酸基当量4000)9.1質量部;硬化促進剤として1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール(四国化成社製1B2PZ)0.2質量部;カップリング剤として、エポキシシランカップリング剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、A187)0.2質量部;無機充填剤として溶融シリカ粒子(アドマテックス社製、SO−25R、平均粒径0.5μm)56.0質量部、シリカナノ粒子(トクヤマ社製、NSS−5N、平均粒子径70nm)4.0質量部に、N−メチルピロリドンを固形分が65質量%となるように加えて混合し、エポキシ樹脂組成物からなる樹脂ワニス(500グラム)を調製した。
上記樹脂ワニスを用いて、ガラス繊布(Tガラス、長さ530mm、幅530mm、厚さ0.05mm、日東紡績社製)100質量部に対して、樹脂ワニスを固形分で80質量部、ワニスディップ方式で含浸させて、190℃の乾燥炉で7分間乾燥させ、樹脂含有量44.4質量%のプリプレグを作製した。
上記樹脂ワニスを、剥離可能なキャリア箔層と電解銅箔層とを貼り合わせた銅箔(三井金属鉱山社製、マイクロシンEx−3、キャリア箔層:銅箔(18μm)、電解銅箔層(3μm))の電解銅箔層に、コンマコーターを用いて乾燥後の樹脂層が40μmとなるように塗工し、これを150℃の乾燥装置で10分間乾燥して、樹脂シートを製造した。
上記プリプレグを4枚重ねたプリプレグ積層体の表裏に、長さ560mm、幅560mm、厚さ18μmの電解銅箔(日本電解製YGP−18)を重ねて、圧力4MPa、温度220℃で180分間加熱加圧成形を行い、厚さ0.2mmの両面銅張積層板を得た。
上記積層板に、0.1mmのドリルビットを用いてスルーホール加工を行った後、メッキによりスルーホールを充填した。さらに、両面にエッチングにより回路形成した後、表面の電解銅箔層に黒化処理を施し、内層回路基板として用いた。上記内層回路基板の表裏に、上記樹脂シートを重ね合わせ、これを、真空加圧式ラミネーター装置を用いて、温度100℃、圧力1MPaにて真空加熱加圧成形させた。これを、熱風乾燥装置にて170℃で60分間加熱し硬化させて、積層体を得た。
プリント配線板は、上記プリント配線板であって、半導体素子の半田バンプ配列に相当するニッケル金メッキ処理が施された接続用電極部を配したものを50mm×50mmの大きさに切断し使用した。半導体素子(TEGチップ、サイズ15mm×15mm、厚み0.8mm)は、Sn/Pb組成の共晶で形成された半田バンプを有し、半導体素子の回路保護膜はポジ型感光性樹脂(住友ベークライト社製CRC−8300)で形成されたものを使用した。半導体装置の組み立ては、まず、半田バンプにフラックス材を転写法により均一に塗布し、次にフリップチップボンダー装置を用い、多層プリント配線板上に加熱圧着により搭載した。次に、IRリフロー炉で半田バンプを溶融接合した後、液状封止樹脂(住友ベークライト社製、CRP−4152S)を充填し、液状封止樹脂を硬化させることで半導体装置を得た。尚、液状封止樹脂の硬化条件は、温度150℃、120分の条件であった。
ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製、HP−6000)を18.4質量部、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂(LONZA社製、PT−30)16.1質量部;水酸基を少なくとも1つ含有する芳香族ポリアミド樹脂(日本化薬社製、BPAM−155,水酸基当量4000)5.2質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製、HP−6000)を13.2質量部、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂(LONZA社製、PT−30)11.6質量部;水酸基を少なくとも1つ含有する芳香族ポリアミド樹脂(日本化薬社製、BPAM−155,水酸基当量4000)14.8質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製、HP−6000)を19.5質量部、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂(LONZA社製、PT−30)12.2質量部;水酸基を少なくとも1つ含有する芳香族ポリアミド樹脂(日本化薬社製、BPAM−155,水酸基当量4000)7.8質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製、HP−6000)を8.6質量部、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂(LONZA社製、PT−30)18.9質量部;水酸基を少なくとも1つ含有する芳香族ポリアミド樹脂(日本化薬社製、BPAM−155,水酸基当量4000)12.1質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製、HP−6000)を13.0質量部、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000、エポキシ当量285)3.2質量部;フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂(LONZA社製、PT−30)14.3質量部;水酸基を少なくとも1つ含有する芳香族ポリアミド樹脂(日本化薬社製、BPAM−155,水酸基当量4000)9.1質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
ナフトールアラルキル型フェノール樹脂(新日鐵化学社製、SN485N、水酸基当量215g/eq)101g(0.47molの水酸基)をメチルイソブチルケトン(以下MIBK)400gに仕込み、室温で攪拌溶解した。溶解後、−10℃まで冷却を行った。−10℃にて臭化シアン(以下BrCN)110g(純度95%、0.987mol)を投入し、内温が−15℃になったら、トリエチルアミン(以下TEA)100g(0.99mol)とMIBK600gの混合液を1時間かけて滴下した。滴下後、さらに30分間熟成し、さらに約2時間熟成させ反応を完結させた。
得られた溶液に、純水400mlを加えて分液し、さらに5%塩化水素水溶液(HCl)1000mlを加えて分液した。さらに、10%食塩水500gで2回洗浄分液し、純水500mlにて2回洗浄した。
有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水後、溶剤を減圧除去し、固形の樹脂を得た。得られた固形物をヘキサンにて洗浄した後、減圧乾燥することにより、ナフトールアラルキル型シアネートエステル樹脂を得た。このようにして得られたナフトールアラルキル型シアネートエステル樹脂は、赤外吸収スペクトル測定(島津製作所社製IR Prestige−21、KBr透過法)により分析し、フェノール性水酸基の吸収帯である3200〜3600cm−1のピークが消失し、シアン酸エステルの二トリルの吸収帯である2264cm−1付近のピークを確認した。
ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製、HP−6000)を11.7質量部;合成例1で得られたナフトールアラルキル型シアネートエステル樹脂21.3質量部;水酸基を少なくとも1つ含有する芳香族ポリアミド樹脂(日本化薬社製、BPAM−155,水酸基当量4000)7.0質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製、HP−6000)を12.5質量部;ビスフェノールA型シアネートエステル樹脂(LONZA社製、BA230)20.1質量部;水酸基を少なくとも1つ含有する芳香族ポリアミド樹脂(日本化薬社製、BPAM−155,水酸基当量4000)7.0質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製、HP−6000)を12.1質量部、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂(LONZA社製、PT−30)10.7質量部;水酸基を少なくとも1つ含有する芳香族ポリアミド樹脂(日本化薬社製、BPAM−155,水酸基当量4000)6.8質量部;無機充填剤として溶融シリカ粒子(アドマテックス社製、SO−25R、平均粒径0.5μm)66.0質量部、シリカナノ粒子(トクヤマ社製、NSS−5N、平均粒子径70nm)4.0質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製、HP−6000)を20.3質量部、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂(LONZA社製、PT−30)17.9質量部;水酸基を少なくとも1つ含有する芳香族ポリアミド樹脂(日本化薬社製、BPAM−155,水酸基当量4000)11.4質量部;無機充填剤として溶融シリカ粒子(アドマテックス社製、SO−25R、平均粒径0.5μm)46.0質量部、シリカナノ粒子(トクヤマ社製、NSS−5N、平均粒子径70nm)4.0質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
無機充填剤として溶融シリカ粒子(アドマテックス社製、SO−25R、平均粒径0.5μm)46.0質量部、タルク(富士タルク社製、LMS−300、平均粒径4.8μm)10.0質量部、シリカナノ粒子(トクヤマ社製、NSS−5N、平均粒子径70nm)4.0質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
無機充填剤として溶融シリカ粒子(アドマテックス社製、SO−25R、平均粒径0.5μm)60.0質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製、HP−6000)を12.4質量部、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂(LONZA社製、PT−30)10.9質量部;水酸基を少なくとも1つ含有する芳香族ポリアミド樹脂(日本化薬社製、BPAM−155,水酸基当量4000)7.0質量部;硬化剤としてビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851−3H,水酸基当量220)9.6質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂を用いず、代わりにビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬社製、NC−3000、エポキシ当量285)16.2質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
水酸基を少なくとも1つ含有する芳香族ポリアミド樹脂を用いず、代わりにポリアミドイミド樹脂(DIC社製、V−8000)9.1質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
水酸基を少なくとも1つ含有する芳香族ポリアミド樹脂を用いず、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製、HP−6000)を21.1質量部、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂(LONZA社製、PT−30)18.5質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
無機充填剤を用いず、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製、HP−6000)を40.8質量部、フェノールノボラック型シアネートエステル樹脂(LONZA社製、PT−30)35.8質量部;水酸基を少なくとも1つ含有する芳香族ポリアミド樹脂(日本化薬社製、BPAM−155,水酸基当量4000)22.9質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
シアネートエステル樹脂を用いず、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂(DIC社製、HP−6000)を18.8質量部、水酸基を少なくとも1つ含有する芳香族ポリアミド樹脂(日本化薬社製、BPAM−155,水酸基当量4000)7.0質量部、硬化剤としてビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(明和化成社製、MEH−7851−3H,水酸基当量220)13.8質量部とした以外は、実施例1と同様にして樹脂ワニスを調製し、プリプレグ、樹脂シート、積層板、プリント配線板、及び半導体装置を得た。
(1)線膨脹係数
[4]で得られた金属張積層板の金属箔をエッチングにより除去し、金属箔を除去した絶縁層から4mm×20mmの試験片を作製した。この試験片について、TMA(熱機械的分析)装置(TAインスツルメント社製,Q400)を用いて、温度範囲30〜300℃、10℃/分、荷重5gの条件で2サイクル目の50〜150℃における平面方向(XY方向)の線膨張係数(CTE)を測定した。
[4]で得られた金属張積層板の金属箔をエッチングにより除去し、金属箔を除去した絶縁層から6mm×25mmの試験片を作製した。この試験片について、DMA装置(TAインスツルメント社製動的粘弾性測定装置DMA983)を用いて5℃/分(周波数1Hz)で昇温し、tanδのピーク位置をガラス転移温度とした。
[4]で得られた金属張積層板から銅箔をエッチング除去し、60℃の膨潤液(アトテックジャパン社製、スウェリングディップ セキュリガント P)に10分間浸漬し、さらに80℃の過マンガン酸カリウム水溶液(アトテックジャパン株式会社製、コンセントレート コンパクト CP)に5分浸漬後、中和して粗化処理を行った。これを脱脂、触媒付与、活性化の工程を経た後、無電解銅メッキ皮膜を約1μm、電気メッキ銅を30μm形成させ、熱風乾燥装置にて200℃で60分間アニール処理を行った。JIS−C−6481に基づき100mm×20mmの試験片を作製し、23℃におけるメッキピール強度を測定した。
[4]で得られた金属張積層板を50mm×50mmにグラインダーソーでカットした後、エッチングにより銅箔を1/4だけ残した試料を作製し、JIS C 6481に準拠して評価した。評価は、121℃、100%、2時間、PCT吸湿処理を行った後に、288℃の半田槽に30秒間浸漬した後で外観の異常の有無を調べた。
基準は以下の通りである。
◎:はがれ、ふくれなし
○:微小なはがれ、ふくれあるが、実質上問題ない
×:はがれ、ふくれあり
[5]において、L/S=20/20μmの微細回路パターンを形成した後のプリント配線基板について、レーザー顕微鏡で細線の外観検査及び導通チェックにより評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:形状、導通ともに問題なし
○:配線幅にばらつきがあるが、ショート、配線切れはなく、実質上問題ない
×:ショート,配線切れあり
[5]で得られたプリント配線基板のL/S=20/20μmの微細回路パターン上に、ソルダーレジストの代わりにビルドアップ材(住友ベークライト社製、BLA−3700GS)を積層、硬化した試験サンプルを作製した。 この試験サンプルを用いて、温度130℃、湿度85%、印加電圧3.3Vの条件で連続湿中絶縁抵抗を評価した。尚、抵抗値106Ω以下を故障とした。評価基準は以下の通りである。
◎:300時間以上故障なし
○:150時間以上300時間未満で故障あり
×:150時間未満で故障あり
[6]で得られた半導体パッケージの常温(23℃)及び260℃での反りを温度可変レーザー三次元測定機(日立テクノロジーアンドサービス社製、形式LS220−MT100MT50)を用いて評価した。上記測定機のサンプルチャンバーに半導体素子面を下にして設置し、高さ方向の変位を測定し、変位差の最も大きい値を反り量とした。評価基準は以下の通りである。
常温(23℃)
◎ :反り量が150μm未満
○ :反り量が150μm以上200μm未満
× :反り量が200μm以上
260℃
◎ :反り量が100μm未満
○ :反り量が100μm以上150μm未満
× :反り量が150μm以上
表1から明らかなように、実施例1〜13は、本発明にかかる樹脂組成物、ならびに、これを用いた積層板、プリント配線板及び半導体装置であり、硬化後の高いガラス転移温度、低い線膨張係数及び弾性率の相乗効果として、半導体装置におけるプリント配線板の反りが抑制されていることが分かる。また、いずれの実施例も半田耐熱性に問題はなかった。また、いずれの実施例も十分なメッキピール強度を有し、細線加工性に問題はなかった。一方、表1から明らかなように、ナフチレンエーテル型エポキシ化合物(DIC製、HP−6000)を用いなかった比較例1は、半導体装置におけるプリント配線板の反りが顕著に大きくなった。また、水酸基を少なくとも1つ含有する芳香族ポリアミド樹脂を用いなかった比較例2は、半田耐熱性が悪化し、比較例3は、メッキピール強度が悪化した。無機充填剤を用いなかった比較例4は積層板の線膨張係数が低くならず、全体として基板の反りを抑制することができなかった。
101 繊維基材
103 樹脂層
200 半導体パッケージ
201 ソルダーレジスト層
203 半導体素子
205 接続端子
207 半田バンプ
209 開口部
211 封止材
213 積層板
215 スルーホール
300 半導体装置
301 半田バンプ
303 実装基板
305 接続端子
Claims (11)
- (A)下記一般式(1)で表されるナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、(B)シアネートエステル樹脂、(C)水酸基を少なくとも1つ含有する芳香族ポリアミド樹脂、及び(D)無機充填剤を必須成分として含有することを特徴とする樹脂組成物。
- 前記(C)水酸基を少なくとも1つ含有する芳香族ポリアミド樹脂の含有量は、樹脂組成物の全固形分に対して5重量%以上15重量%以下である請求項1に記載の樹脂組成物。
- 前記(B)シアネートエステル樹脂は、ノボラック型シアネートエステル樹脂である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
- 前記(D)無機充填剤は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、溶融シリカ、タルク、焼成タルク、及びアルミナよりなる群から選ばれる少なくとも1種類以上である請求項1ないし3のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記(D)無機充填剤の平均粒子径は、5.0μm以下である請求項1ないし4のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 前記(D)無機充填剤が平均粒子径10nm〜150nmのシリカナノ粒子を含む請求項1ないし5のいずれか一項に記載の樹脂組成物。
- 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の樹脂組成物を基材に含浸させてなるプリプレグ。
- 請求項7に記載のプリプレグの少なくとも片面上に金属層を配置してなる積層板。
- 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の樹脂組成物を支持フィルム又は金属箔上に配置してなる樹脂シート。
- 請求項7に記載のプリプレグ、請求項8に記載の積層板、または請求項9に記載の樹脂シートから形成されたプリント配線板。
- 請求項10に記載のプリント配線板に半導体素子を搭載してなる半導体装置。
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