JP2015010104A - ポリエチレン系樹脂からなる中空成形体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明に係る中空成形体は、エチレンと炭素数4以上10以下のα-オレフィンとの共重合体である特定のエチレン系重合体(α)と、エチレンと炭素数4以上10以下のα-オレフィンとの共重合体である別のエチレン系重合体(β)とを含むエチレン系重合体組成物(γ)からなり、前記組成物(γ)において、前記エチレン系重合体(α)の重量分率〔Wα〕が0.1以上0.9以下であり、前記エチレン系重合体(β)の重量分率〔Wβ〕が0.1以上0.9以下である(WαとWβの合計を1.0とする)。
【選択図】なし
Description
エチレンと炭素数4以上10以下のα-オレフィンとの共重合体であり、且つ、下記要件(1)〜(5)を同時に満たすエチレン系重合体(α)と、
エチレンと炭素数4以上10以下のα-オレフィンとの共重合体であり、且つ、下記要件(1')〜(3')を同時に満たすエチレン系重合体(β)とを含むエチレン系重合体組成物(γ)からなる層を少なくとも1層含む中空成形体であって、
前記組成物(γ)において、前記エチレン系重合体(α)の重量分率〔Wα〕が0.1以上0.9以下であり、前記エチレン系重合体(β)の重量分率〔Wβ〕が0.1以上0.9以下であり(WαとWβの合計を1.0とする)、密度が875kg/m3以上935kg/m3以下であることを特徴とする。
(1)190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.01g/5分以上10g/10分以下である;
(2)密度が875kg/m3以上945kg/m3以下である;
(3)13C−NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数〔Me(/1000C)〕とエチル分岐数〔Et(/1000C)〕との和〔(Me+Et)(/1000C)〕が1.80以下である;
(4)200℃におけるゼロせん断粘度〔η0(P)〕と、GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量の6.8乗(Mw6.8)の比、η0/Mw6.8が、0.03×10-30以上7.5×10-30以下である;
(5)135℃デカリン中で測定した極限粘度〔[η](dl/g)〕と、GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量の0.776乗(Mw0.776)の比、[η]/Mw0.776が、0.90×10-4以上1.65×10-4以下である;
エチレン系重合体(β):
(1')190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1g/10分以上10g/10分以下である;
(2')13C−NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数〔Me(/1000C)〕とエチル分岐数〔Et(/1000C)〕との和〔(Me+Et)(/1000C)〕が1.80以下である;
(3')135℃デカリン中で測定した極限粘度〔[η](dl/g)〕と、GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量の0.776乗(Mw0.776)の比、[η]/Mw0.776が、1.90×10-4以上2.80×10-4以下である。
また、前記エチレン系重合体組成物(γ)は、前記エチレン系重合体(α)および前記エチレン重合体(β)のいずれでもない熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。
また、本発明の多層中空成形体は、少なくとも1層が、上記エチレン系重合体組成物(γ)からなる層から形成されている。
エチレン系重合体(α)
本発明に係るエチレン系重合体(α)は、エチレンと炭素数4以上10以下のα-オレフィン、好ましくはエチレンと炭素数6〜10のα-オレフィンとの共重合体である。炭素数4のα-オレフィンを使用する場合には、炭素数6〜10のα-オレフィンもあわせて使用することが好ましい。エチレンとの共重合に用いられる炭素数4〜10のα-オレフィンとしては、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセンなどが挙げられる。
(1)190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.01g/10分以上10g/10分以下である。下限は好ましくは0.05g/10分、より好ましくは0.1g/10分であり、上限は好ましくは5g/10分である。メルトフローレート(MFR)が上記下限値以上の場合、エチレン重合体組成物(γ)においてせん断粘度が高すぎず、成形性が良好である。メルトフローレート(MFR)が上記上限値以下の場合、エチレン重合体組成物(γ)の耐ドローダウン性および引張強度や衝撃強度などの機械的強度が良好になる。
なお、エチレン系重合体(α)についての上記MFRは、後述するエチレン系重合体(β)についてのMFRとの区別のため、「MFRα」と呼ぶ場合がある。
(3)13C−NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数〔Me(/1000C)〕とエチル分岐数〔Et(/1000C)〕との和〔(Me+Et)(/1000C)〕が1.80以下、好ましくは1.30以下、より好ましくは0.80以下、さらにより好ましくは0.50以下である。なお、本発明で定義したメチル分岐数およびエチル分岐数は、後述するように1000カーボン当たりの数で定義される。
測定はブルカー・バイオスピン(株)製AVANCE III cryo-500型核磁気共鳴装置を用い、以下の条件にて実施する。
測定プローブ:5mmクライオプローブ(DCH型)
測定核:13C(125MHz)
測定モード:シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング
パルス幅:45°(5.00μ秒)
ポイント数:64k
観測範囲:250ppm(-55〜195ppm)
繰り返し時間:5.5秒
積算回数:256回
測定溶媒:オルトジクロロベンゼン/ベンゼン-d6(4/1 v/v)
試料濃度:60mg/0.6ml
測定温度:120℃
ウィンドウ関数:exponential(BF:1.0 Hz)
ケミカルシフト基準:δδシグナル 29.73ppm
0.03×10-30≦η0/Mw6.8≦7.5×10-3 --------(Eq-2)
を満たす。ここで、下限値は好ましくは0.05×10-30、より好ましくは0.08×10-30であり、上限値は好ましくは5.0×10-30、より好ましくは3.0×10-30である。
重量平均分子量(Mw)に対してゼロせん断粘度〔η0(P)〕を両対数プロットしたとき、長鎖分岐がなく直鎖状で、伸長粘度がひずみ硬化性を示さないエチレン系重合体は、傾きが3.4のべき乗則に則る。一方、比較的短い長鎖分岐を数多く有し、伸長粘度がひずみ速度硬化性を示すエチレン系重合体は、べき乗則よりも低いゼロせん断粘度〔η0(P)〕を示し、さらにその傾きは3.4よりも大きな値となることが知られており(C.Gabriel, H.Munstedt, J.Rheol., 47(3), 619(2003)、H. Munstedt, D.Auhl, J. Non-Newtonian Fluid Mech. 128, 62-69, (2005) )、傾き6.8は経験的に選択しうる。η0とMw6.8との比をとることについては特開2011-1545号公報にも開示されている。
これらのほか、長鎖分岐量を制御する重合条件について例えば国際公開第2007/034920号パンフレットに開示されている。
測定温度200℃におけるせん断粘度(η*)の角速度〔ω(rad/秒)〕分散を0.01≦ω≦100の範囲で測定する。測定にはアントンパール社製粘弾性測定装置Physica MCR301を用いる。サンプルホルダーは25mmφのパラレルプレートを用い、サンプル厚みは約2.0mmとした。測定点はω一桁当たり5点とする。歪み量は、測定範囲でのトルクが検出可能で、かつトルクオーバーにならないよう、3〜10%の範囲で適宜選択する。せん断粘度測定に用いたサンプルは、神藤金属工業所製プレス成形機を用い、予熱温度190℃、予熱時間5分間、加熱温度190℃、加熱時間2分間、加熱圧力100kgf/cm2、冷却温度20℃、冷却時間5分間、冷却圧力100kgf/cm2の条件にて、測定サンプルを厚さ2mmにプレス成形することで調製する。
ここで、λは時間の次元を持つパラメーター、nは材料の冪法則係数(power law index)を表す。なお、非線形最小二乗法によるフィッティングは下記数式(Eq-4)におけるdが最小となるよう行われる。
ガードカラムにはShodex AT-Gを用い、分析カラムにはAT-806MSを2本使用し、検出器として示差屈折計および3キャピラリー粘度計を用いる。カラム温度は145℃とし、移動相には、酸化防止剤としてBHT0.3重量%含むo-ジクロロベンゼンを用い、流速を1.0ml/分とし、試料濃度は0.1重量%とする。標準ポリスチレンは、東ソー社製を用いる。分子量計算は、粘度計と屈折計から実測粘度を算出し、実測ユニバーサルキャリブレーションより重量平均分子量(Mw)を算出する。
0.90×10-4≦[η]/Mw0.776≦1.65×10-4 --------(Eq-5)
を満たす。ここで、下限値は好ましくは0.95×10-4、より好ましくは1.00×10-4であり、上限値は好ましくは1.55×10-4、より好ましくは1.45×10-4である。
0.776Log(Mw)-4.046≦Log([η])≦0.776Log(Mw)-3.783 --------(Eq-5')
サンプル約20 mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定する。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定する。この希釈操作をさらに2回繰り返し、濃度(C)を0に外挿した時のηsp/C値を極限粘度[η]とした。(下式(Eq-6)参照)
[η]=lim(ηsp/C) (C→0) ----------(Eq-6)
エチレン系重合体(α)は、上記要件(1)〜(5)に加えて、下記要件(6)をさらに満たすことが好ましい。
1.0×10-4≦MTα/η*≦7.0×10-4 --------(Eq-7)
を満たすことが好ましい。ここで、上限値は好ましくは5.0×10-4、より好ましくは3.0×10-4である。
(7)GPC測定により得られた分子量分布曲線における最大重量分率での分子量(peak top M)が1.0×104.20以上1.0×104.60以下である。下限値は好ましくは1.0×104.30、上限値は好ましくは1.0×104.50である。
解析ソフト:クロマトグラフィデータシステムEmpower(Waters社)
カラム:TSKgel GMH6- HT×2+TSKgel GMH6-HTL×2
(内径7.5mm×長さ30cm,東ソー社)
移動相:o−ジクロロベンゼン(和光純薬 特級試薬)
検出器:示差屈折計(装置内蔵)
カラム温度:140℃
流速:1.0mL/分
注入量:500μL
サンプリング時間間隔:1秒
試料濃度:0.15%(w/v)
分子量較正:単分散ポリスチレン(東ソー社)/分子量495〜分子量2060万
本発明に係るエチレン系重合体(β)は、エチレンと炭素数4以上10以下のα-オレフィン、好ましくはエチレンと炭素数6〜10のα-オレフィンとの共重合体である。炭素数4のα-オレフィンを使用する場合には、炭素数6〜10のα-オレフィンもあわせて使用することが好ましい。エチレンとの共重合に用いられる炭素数4〜10のα-オレフィンとしては、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセンなどが挙げられる。
(1')190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1g/10分以上10g/10分以下である。ここで、下限値は好ましくは0.3g/10分、より好ましくは0.5g/10分であり、上限値は好ましくは8.0g/10分、より好ましくは5.0g/10分である。メルトフローレート(MFR)が上記下限値以上の場合、エチレン重合体組成物(γ)から得られた中空成形体のブツ等の外観が良好である。メルトフローレート(MFR)が上記上限値以下の場合、エチレン重合体組成物(γ)の溶融張力が高く耐ドローダウン性等の成形性および機械的強度が良好になる。
(2')13C−NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数〔Me(/1000C)〕とエチル分岐数〔Et(/1000C)〕との和〔(Me+Et)(/1000C)〕が1.80以下、好ましくは1.30以下、より好ましくは0.80以下、さらにより好ましくは0.50以下である。メチル分岐数とエチル分岐数との和(A+B)が上記数値以下の場合、エチレン重合体組成物(γ)の機械的強度が良好である。
1.90×10-4≦[η]/Mw0.776≦2.80×10-4 --------(Eq-8)
を満たす。
0.776Log(Mw)-3.721≦Log([η])≦0.776Log(Mw)-3.553 --------(Eq-8')
エチレン系重合体(β)は、上記要件(1')〜(3')に加えて、下記要件(4')をさらに満たすことが好ましい。
本発明に係るエチレン系重合体組成物(γ)は、
上記エチレン系重合体(α)と、上記エチレン系重合体(β)を含み、
前記エチレン系重合体(α)の重量分率〔Wα〕と前記エチレン系重合体(β)の重量分率〔Wβ〕との合計を1.0として、Wαが0.1以上0.9以下であり、Wβが0.1以上0.9以下である。ここで、Wαは、好ましくは0.2以上0.8以下、より好ましくは0.3以上0.7以下である。該範囲内において、エチレン系重合体組成物(γ)の機械的強度と成型加工性のバランスが優れる。
ここで、前記WαおよびWβは、下記式(Eq-1-2)を満たすことが、より好ましく、
1.2<MTγ/(MTα×Wα+MTβ×Wβ)≦2.8 …(Eq-1-2)
下記式(Eq-1-3)を満たすことが、さらに好ましい。
上記式(Eq-1-1)〜(Eq-1-3)は、いずれも、本発明の好適な態様において、エチレン系重合体組成物(γ)の溶融張力(MTγ)は、溶融張力(MT)について重量分率による加成性が成立すると仮定して各構成成分のMTから求められる値の1.2倍よりも大きくなることを示している。MTγが大きいと耐ドローダウン性に優れる傾向がある。一方、MTγが上記上限値を超すと、得られた中空成形体の機械的強度が悪化する傾向がある。
前述のとおり、エチレン系重合体(α)は、[η]とMwとが特定の関係を満たし、長鎖分岐を有していると考えられる。本願発明者らは、エチレン系重合体(α)がエチレン系重合体(β)と共存することなく単独で存在している場合、エチレン系重合体(α)において長鎖分岐を有する分子鎖同士の強固な絡み合いは立体的障害のため形成されないと考えている。代わりに、長鎖分岐を有する分子鎖同士の緩い絡み合いや、長鎖分岐を有する分子鎖と当該長鎖分岐を有する分子鎖と共に含まれているであろう長鎖分岐を有さない低分子量体(MFR≧100g/10分)との絡み合いが主として形成され、これらがエチレン系重合体(α)において最も緩和しにくい成分になっていると考えている。
上記エチレン系重合体組成物(γ)においてブレンドしうる「他の熱可塑性樹脂」としては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステルおよびポリアセタールなどの結晶性熱可塑性樹脂;ポリスチレン、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体(ABS)、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアクリレートなどの非結晶性熱可塑性樹脂が用いられる。また、ポリ塩化ビニルも好ましく用いられる。
上記ABSとしては、アクリロニトリルから誘導される構成単位を20〜35モル%の量で含有し、ブタジエンから誘導される構成単位を20〜30モル%の量で含有し、スチレンから誘導される構成単位を40〜60モル%の量で含有するABSが好ましく用いられる。
上記ポリアクリレートとしては、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルアクリレートを用いることが好ましい。
本発明のエチレン系重合体組成物(γ)において、上記「他の熱可塑性樹脂」に加えて、本発明の目的を損なわない範囲で、耐候安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、核剤、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤などの添加剤をさらに配合してもよい。
次に、本発明におけるエチレン系重合体(α)、エチレン系重合体(β)およびエチレン系重合体組成物(γ)の製造方法に関して説明する。
本発明で用いられるエチレン系重合体(α)は、後述するエチレン系重合体製造用触媒の存在下、エチレンと炭素数4以上10以下のα−オレフィンとを重合することにより製造することができる。
液相重合法で用いられる不活性炭化水素媒体としては、具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカンおよび灯油などの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンおよびメチルシクロペンタンなどの脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエンおよびキシレンなどの芳香族炭化水素;ならびにエチレンクロリド、クロロベンゼンおよびジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素またはこれらの混合物などが挙げられる。また、α−オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
本発明のエチレン系重合体(α)は、成分(A)、成分(B)および成分(C)を含む触媒の存在下、エチレンと炭素数4以上10以下のα−オレフィンとを重合することによって効率的に製造することができる。
上記オレフィン重合用触媒で用いられる各成分について説明する。
本発明で用いることができる成分(A)は、下記一般式(I)で表される架橋型メタロセン化合物である。
本発明で用いることができる成分(B)は、下記一般式(II)で表される架橋型メタロセン化合物である。
一般式(II)で表される成分(B)の好ましい化合物の具体例として、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジブチルメチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(3,6−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロリドおよびジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドリドジベンズフルオレニル)ジルコニウムジクロリドが挙げられ、より好ましい具体例として、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
本発明で用いることができる成分(C)は、下記(c−1)〜(c−3)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
Ra mAl(ORb)nHpXq・・・(III)
〔一般式(III)中、RaおよびRbは、炭素数が1〜15の炭化水素基を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、Xはハロゲン原子を示し、mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3の数であり、かつm+n+p+q=3である。〕
MaAlRa 4・・・(IV)
〔一般式(IV)中、MaはLi、NaまたはKを示し、Raは炭素数が1〜15の炭化水素基を示す。〕
Ra rMbRb sXt・・・(V)
〔一般式(V)中、RaおよびRbは、炭素数が1〜15の炭化水素基を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、MbはMg、ZnまたはCdを示し、Xはハロゲン原子を示し、rは0<r≦2、sは0≦s≦1、tは0≦t≦1であり、かつr+s+t=2である。〕
(c−3)成分(A)および成分(B)と反応してイオン対を形成する化合物、
から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
本発明で所要により用いることができる固体状担体(S)は、無機または有機の化合物であって、顆粒状または微粒子状の固体である。
多孔質酸化物としては、SiO2、Al2O3、MgO、ZrO、TiO2、B2O3、CaO、ZnO、BaOおよびThO2など、またはこれらを含む複合物または混合物、具体的には、天然または合成ゼオライト、SiO2−MgO、SiO2−Al2O3、SiO2−TiO2、SiO2−V2O5、SiO2−Cr2O3およびSiO2−TiO2−MgOなどが用いられる。これらのうち、SiO2を主成分とするものが好ましい。
本発明で所要により用いることができる成分(G)として、下記(g−1)〜(g−6)よりなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物が挙げられる。
(g−1)ポリアルキレンオキサイドブロック、
(g−2)高級脂肪族アミド、
(g−3)ポリアルキレンオキサイド、
(g−4)ポリアルキレンオキサイドアルキルエーテル、
(g−5)アルキルジエタノールアミン、および
(g−6)ポリオキシアルキレンアルキルアミン。
本発明で用いられるエチレン系重合体(α)製造用触媒の調製方法について記載する。
上記エチレン系重合体(α)製造用触媒は、成分(A)、成分(B)および成分(C)を不活性炭化水素中または、不活性炭化水素を用いた重合系中に添加することにより調製することができる。
i)成分(A)と成分(B)を混合接触させた後に、成分(C)を接触させ、重合系中に添加する方法
ii)成分(A)と成分(C)を混合接触させた接触物および成分(B)と成分(C)を混合接触させた接触物を重合系内に添加する方法
iii)成分(A)、成分(B)および成分(C)それぞれを連続的に重合系中に添加する方法、
などが挙げられる。
iv)成分(C)と固体状担体(S)とを接触させ、次いで成分(A)および成分(B)を接触させて固体触媒成分(X)を調製する方法
v)成分(A)、成分(B)および成分(C)を混合接触させた後に、固体状担体(S)を接触させて調製する方法
vi)成分(C)と固体状担体(S)とを接触させ、次いで成分(A)と接触させて調製した固体触媒成分(X1)と、成分(C)と固体状担体(S)とを接触させ、次いで成分(B)と接触させて調製した固体触媒成分(X2)とを用いる方法、
などが挙げられ、より好ましいのはiv)である。
GPC測定により得られる、エチレン系重合体(α)の分子量分布曲線は、実質的に3つのピークから構成される。この3つのピークのうち、1番低分子量側のピークは成分(A)由来ポリマーに起因するピークであり、2番目のピークは成分(B)由来ポリマーに起因するピークであり、3番目のピーク、すなわち最も高分子側にあるピークは成分(A)および成分(B)の両方用いたときのみに生成するピークである。そして、成分(A)由来ポリマーに起因するピーク(すなわち、上記1番低分子量側のピーク)と成分(B)由来ポリマーに起因するピーク(すなわち、上記2番目のピーク)との比率[=成分(A)由来ポリマーに起因するピーク/成分(B)由来ポリマーに起因するピーク]を、成分(A)および成分(B)由来のポリマー生成比率[=成分(A)の生成ポリマー量/成分(B)の生成ポリマー量]として定義する。
エチレン系重合体(α)の分子量分布曲線(G1)と、
成分(A)、成分(C)、固体状担体(S)からなる触媒(すなわち、成分(B)を含まない触媒)を用いたことを除き、エチレン系重合体(α)を得るときと同様の重合条件にて重合して得られたエチレン系重合体の分子量分布曲線(G2)と、
成分(B)、成分(C)、固体状担体(S)からなる触媒(すなわち、成分(A)を含まない触媒)を用いたことを除き、エチレン系重合体(α)を得るときと同様の重合条件にて重合して得られたエチレン系重合体の分子量分布曲線(G3)と
を用いて、下記の方法により実施した。なお、本明細書において、「分子量分布曲線」というときは、特に別の記載がない限り、微分分子量分布曲線を指していい、また、分子量分布曲線について「面積」というときは、分子量分布曲線とベースラインとの間に形成される領域の面積をいう。
Wa=S(G2)/S(G4)
Wb=S(G3)/S(G4)
ここで、S(G2)、S(G3)はそれぞれ強度を変更した後の(G2)、(G3)の面積であり、S(G4)は(G4)の面積である。
Wa=x/(x+y)
Wb=y/(x+y)
予備重合に使用する固体触媒成分(X)の形態としては、すでに述べたものを制限無く利用することができる。また、必要に応じて成分(C)が用いられ、特に(c−1)中の上記式(III)に示される有機アルミニウム化合物が好ましく用いられる。成分(C)が用いられる場合は、該成分(C)中のアルミニウム原子(Al−C)と遷移金属化合物とのモル比(成分(C)/遷移金属化合物)で、通常0.1〜10000、好ましくは0.5〜5000の量で用いられる。
本発明で用いられるエチレン系重合体(β)は、エチレンと炭素数4以上10以下のα-オレフィンとを重合することによって得ることができるが、上記要件を満たすものが得られる限りにおいて、用いる重合触媒や重合条件は特に限定されない。エチレン系重合体(β)としては、例えば、直鎖低密度ポリエチレンやエチレン−α−オレフィンコポリマーや高密度ポリエチレン等の市販品を用いることができる。具体的な例としては、プライムポリマー製LLDPEエボリュー(登録商標)やウルトゼックス(登録商標)等から要件を満たすものを選択することができる。
エチレン系重合体組成物(γ)は、上記エチレン系重合体(α)と上記エチレン系重合体(β)とから得られ、たとえば上記エチレン系重合体(α)と上記エチレン系重合体(β)とを溶融混練することによって製造することができるし、あるいはエチレン系重合体(α)を造粒したペレットと、エチレン系重合体(β)のペレットとをドライブレンドすることによっても製造することができる。好適には、溶融混練により製造する方法を用いることができ、このとき、連続式押出機や密閉式混練機を用いることができる。例えば、一軸押出機、二軸押出機、ミキシングロール、バンバリーミキサー、ニーダー等の装置を挙げることができる。これらのうち、経済性、処理効率等の観点から一軸押出機及び/または二軸押出機を用いることが好ましい。
本発明に係るエチレン系重合体組成物(γ)を加工することにより、成形性に優れ、かつ機械的強度に優れた中空成形体、あるいは多層中空成形体が得られる。ここで、この多層中空成形体は、少なくとも一層が上記エチレン系重合体組成物(γ)からなる層から形成されている。この多層中空成形体において、エチレン系重合体組成物(γ)からなる層は、片面のみに形成されていてもよく、両面に形成されていてもよい。この多層中空成形体を構成する基材は、エチレン系重合体組成物(γ)からなるものであってもよく、あるいは、エチレン系重合体組成物(γ)以外の材料からなるものであってもよい。
合体、エチレン−ノルボルネン共重合体、ポリオレフィンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、スチレン-−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、イソプレンゴム、スチレン−イソプレンゴム、イソブチレンゴム、等とこれら樹脂の酸変性体や水添物等が挙げられる。
本発明のエチレン系重合体組成物(γ)は、公知の中空成形方法を用いて成形される。中空成形の方法としては、押出式、アキュムレーター式、ホットパリソン式、コールドパリソン式、射出式等があげられる。例えば、本発明の中空成形容器は、押出機から押し出して溶融パリソンを得、該パリソンを中空成形機の所望の容器形状を有する金型内にセットした後、これに圧縮ガスを吹き込んで金型内面壁まで膨らませ、しかる後、冷却させることにより得られる。また、連続成形機構としては、シャトル型、ロータリー型、サテライト型など形式があげられ、型締め方法としては、油圧式、電動式、トグル式などがあげられ、成形時に延伸を行ってもよい。
意匠やユニバーサルデザインの認知しやすさの観点から、100μm以上の凸モールド部を有する中空容器とすることが好ましく、150μm以上であることがさらに好ましい。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
エチレン系重合体およびエチレン系重合体組成物の物性の測定方法を以下に示す。
<メルトフローレート(MFR)>
ASTM D1238−89に従い、190℃、2.16kg荷重(kgf)の条件下で測定した。
JIS K7112に準拠し、MFR測定時に得られるストランドを100℃で1時間熱処理し、更に室温で1時間放置した後に密度勾配管法で測定した。
190℃における溶融張力(MT)(単位;g)は、一定速度で延伸したときの応力を測定することにより決定した。測定には東洋精機製作所社製キャピラリーレオメーター:キャピログラフ1Bを用いた。条件は樹脂温度190℃、溶融時間6分、バレル径9.55mmφ、押し出し速度15mm/分、巻取り速度24m/分(溶融フィラメントが切れてしまう場合には、巻取り速度を5m/分ずつ低下させる)、ノズル径2.095mmφ、ノズル長さ8mmとした。この値が大きいほど、中空成形時のドローダウンが抑制され、成形性がよいといえる。
200℃、角速度1.0rad/秒におけるせん断粘度〔η*(1.0)〕(P)は以下の方法により測定した。
13C-NMRにより測定されたメチル分岐数およびエチル分岐数は下記のように決定した。
測定はブルカー・バイオスピン(株)製AVANCE III cryo-500型核磁気共鳴装置を用い、以下の条件にて実施した。
測定プローブ:5mmクライオプローブ(DCH型)
測定核:13C(125MHz)
測定モード:シングルパルスプロトンブロードバンドデカップリング
パルス幅:45°(5.00μ秒)
ポイント数:64k
観測範囲:250ppm(-55〜195ppm)
繰り返し時間:5.5秒
積算回数:256回
測定溶媒:オルトジクロロベンゼン/ベンゼン-d6(4/1 v/v)
試料濃度:60mg/0.6ml
測定温度:120℃
ウィンドウ関数:exponential(BF:1.0 Hz)
ケミカルシフト基準:δδシグナル 29.73ppm
200℃におけるゼロせん断粘度(η0)(P)は以下の方法により求めた。
測定温度200℃にて、せん断粘度(η*)の角速度ω(rad/秒)分散を0.01≦ω≦100の範囲で測定する。測定にはアントンパール社製粘弾性測定装置Physica MCR301を用い、サンプルホルダーとして25mmφのパラレルプレートを用い、サンプル厚みを約2.0mmとした。測定点はω一桁当たり5点とした。歪み量は、測定範囲でのトルクが検出可能で、かつトルクオーバーにならないよう、3〜10%の範囲で適宜選択した。
ここで、λは時間の次元を持つパラメーター、nは材料の冪法則係数(power law index)を表す。なお、非線形最小自乗法によるフィッティングは下記式(Eq-4)におけるdが最小となるように行った。
ウォーターズ社製GPC−粘度検出器(GPC−VISCO)GPC/V2000を用い、以下のように測定した。
分子量分布曲線は、ウォーターズ社製ゲル浸透クロマトグラフ alliance GPC2000型(高温サイズ排除クロマトグラフ)を用い、以下のように測定した。
カラム:TSKgel GMH6− HT×2+TSKgel GMH6−HTL×2(内径7.5mm×長さ30cm,東ソー社)
移動相:o−ジクロロベンゼン(和光純薬 特級試薬)
検出器:示差屈折計(装置内蔵)
カラム温度:140℃
流速:1.0mL/分
注入量:500μL
サンプリング時間間隔:1秒
試料濃度:0.15%(w/v)
分子量較正:単分散ポリスチレン(東ソー社)/分子量495〜2060万
測定サンプル約20mgをデカリン15mlに溶解し、135℃のオイルバス中で比粘度ηspを測定した。このデカリン溶液にデカリン溶媒を5ml追加して希釈後、同様にして比粘度ηspを測定した。この希釈操作をさらに2回繰り返し、下記式(Eq-6)に示すように濃度(C)を0に外挿した時のηsp/Cの値を極限粘度[η](単位;dl/g)として求めた。
[η]=lim(ηsp/C) (C→0) --------(Eq-6)
<中空成形条件>
ポリエチレンのペレットを用いて下記の成形条件で中空成形を行い、内容量780ml、ボトル重量20gの単層の中空容器を成形した。
・成形機:日本製鋼(株)製、型番:JEB−7中空成形機
・押出機のシリンダー温度:180℃
・ダイ温度:180℃
・金型温度:20℃
・樹脂押出量:10kg/h
中空成形を行っている際にパリソンの形状保持性(ドローダウン性)を目視にて確認し、
a) パリソンが非常に安定していて形状保持に非常に優れるものを◎
b) パリソンの形状保持性に優れるものを○
c) パリソンの形状保持性がやや悪いが成形は可能であるものを△
d) パリソンの形状保持性が大きく、成形が出来ないものを×
とした。×から◎に近づくほどパリソン安定性がよく、好ましいことを示す。
外部ヘイズは以下の式により算出した。
外部ヘイズ=全ヘイズ−内部ヘイズ
外部ヘイズはASTM D1003に従って測定した。また、内部ヘイズは、シクロヘ
キサノールを充填したセルにフィルムを入れ、その後全ヘイズ同様にヘイズメーターを使
用して測定を実施した。
中空容器について、繰り返し落下試験を下記の方法に従って行なった。
内容量780ml、重量20gの単層ボトルをエチレングリコールで満杯にし、このボトルを縦にして−18℃の雰囲気下で一定の高さから落下を5回繰り返し、この5回の繰り返し落下試験でエチレングリコールがボトルから外部に漏れない最大落下高さを測定し、この最大落下高さをボトルの落下高さの指標とした。ボトルを落下させる床には、厚さ2mm以上の鉄板をコンクリート製の床に水平に置いたものを用いた。
ボトル片の衝撃強度は、JIS K 7160に従い、1型ダンベル形状で、23℃で行なった。試験片はボトルの平坦部から採取し、温度23℃、湿度%の恒温室に48時間以上保管した後、測定に用いた。
固体触媒成分(X−1)の調製
内容積270リットルの攪拌機付き反応器に、窒素雰囲気下、固体状担体(S)として、富士シリシア株式会社製シリカ(SiO2:平均粒径70μm、比表面積340m2/g、細孔容積1.3cm3/g、250℃焼成)10kgを77リットルのトルエンに懸濁させた後0〜5℃に冷却した。この懸濁液に成分(C)として、メチルアルミノキサンのトルエン溶液(Al原子換算で3.5mmol/mL)19.4リットルを30分間かけて滴下した。この際、系内の温度を0〜5℃に保った。引き続き0〜5℃で30分間反応させた後、約1.5時間かけて95〜100℃まで昇温して、引き続き95〜100℃で4時間反応させた。その後常温まで降温して、上澄み液をデカンテーションにより除去し、さらにトルエンで2回洗浄した後、全量115リットルのトルエンスラリーを調製した。得られたスラリー成分の一部を採取し濃度を調べたところ、スラリー濃度:122.6g/L、Al濃度:0.62mol/Lであった。
引き続き、上記で得られた固体触媒成分(X−1)のヘキサンスラリーを10℃まで冷却した後、ジイソブチルアルミニウムヒドリド(DiBAl−H)3.7molを添加した。さらに常圧下でエチレンを系内に連続的に数分間供給した。この間系内の温度は10〜15℃に保持し、次いで1−ヘキセン0.10リットルを添加した。1−ヘキセン添加後、1.4kg/hでエチレン供給を開始し、系内温度32〜37℃にて予備重合を行った。予備重合を開始してから30分毎に計5回、1−ヘキセン0.06リットルを添加し、予備重合開始から190分後にエチレン供給が4.3kgに到達したところで、エチレン供給を停止した。その後、上澄み液をデカンテーションにより除去し、ヘキサンを用いて4回洗浄した後、ヘキサンを加えて全量を50リットルとした。
内容積1.7m3の流動層型気相重合反応器において、予備重合触媒成分(XP−1)を用いて、エチレン・1−ヘキセン共重合体の製造を行った。
エチレン系重合体(α−2)の製造
エチレン系重合体(α−1)の製造において、反応器の内容積を1.0m3、予備重合触媒成分および重合条件を第1表に示す条件に変更した以外は、エチレン系重合体(α−1)の場合と同様にしてエチレン系重合体(α−2)パウダーを得た。
得られたエチレン系重合体(α−2)パウダーを用い、エチレン系重合体(α−1)の場合と同様の方法で測定用試料を作製し、物性測定を行った。結果を第2表に示す。
固体触媒成分(X−2)の調製
固体触媒成分(X−1)の調製において、成分(A)および成分(B)のモル比を(A)/(B)=20/80に変更し、固体状担体との反応を、内温を73〜76℃で2時間に変更した以外は、固体触媒成分(X−1)の調製と同様にして固体触媒成分(X−2)のヘキサンスラリーを調製した。
予備重合触媒成分(XP−1)の調製において、固体触媒成分(X−1)の代わりに固体触媒成分(X−2)を用いた以外は、予備重合触媒成分(XP−1)の調製と同様の方法にて予備重合触媒成分(XP−2)を得た。得られた予備重合触媒成分(XP−2)の組成を調べたところ、固体触媒成分1g当たり、Zr原子が0.54mg含まれていた。
エチレン系重合体(α−1)の製造において、予備重合触媒成分および重合条件を第1表に示す条件に変更した以外は、エチレン系重合体(α−1)の場合と同様にしてエチレン系重合体(α−3)パウダーを得た。
得られたエチレン系重合体(α−3)パウダーを用い、エチレン系重合体(α−1)の場合と同様の方法で測定用試料を作製し、物性測定を行った。結果を第2表に示す。
固体触媒成分(X−3)の調製
固体触媒成分(X−2)の調製において、成分(A)および成分(B)のモル比を(A)/(B)=10/90に変更した以外は、固体触媒成分(X−2)の調製と同様にして固体触媒成分(X−3)のヘキサンスラリーを調製した。
予備重合触媒成分(XP−1)の調製において、固体触媒成分(X−1)の代わりに固体触媒成分(X−3)を用いた以外は、予備重合触媒成分(XP−1)の調製と同様の方法にて予備重合触媒成分(XP−3)を得た。得られた予備重合触媒成分(XP−3)の組成を調べたところ、固体触媒成分1g当たり、Zr原子が0.53mg含まれていた。
エチレン系重合体(α−1)の製造において、反応器の内容積を1.0m3、予備重合触媒成分および重合条件を第1表に示す条件に変更した以外は、エチレン系重合体(α−1)の場合と同様にしてエチレン系重合体(α−4)パウダーを得た。
得られたエチレン系重合体(α−4)パウダーを用い、エチレン系重合体(α−1)の場合と同様の方法で測定用試料を作製し、物性測定を行った。結果を第2表に示す。
固体触媒成分(X−4)の調製
固体触媒成分(X−2)の調製において、成分(A)および成分(B)のモル比を(A)/(B)=19/81に変更した以外は、固体触媒成分(X−2)の調製と同様にして固体触媒成分(X−4)のヘキサンスラリーを調製した。
予備重合触媒成分(XP−1)の調製において、固体触媒成分(X−1)の代わりに固体触媒成分(X−4)を用いた以外は、予備重合触媒成分(XP−1)の調製と同様の方法にて予備重合触媒成分(XP−4)を得た。得られた予備重合触媒成分(XP−4)の組成を調べたところ、固体触媒成分1g当たり、Zr原子が0.52mg含まれていた。
エチレン系重合体(α−1)の製造において、反応器の内容積を1.0m3、予備重合触媒成分および重合条件を第1表に示す条件に変更した以外は、エチレン系重合体(α−1)の場合と同様にしてエチレン系重合体(α−5)パウダーを得た。
得られたエチレン系重合体(α−5)パウダーを用い、エチレン系重合体(α−1)の場合と同様の方法で測定用試料を作製し、物性測定を行った。結果を第2表に示す。
エチレン系重合体(α−6)の製造
エチレン系重合体(α−5)の製造において、重合条件を第1表に示す条件に変更した以外は、エチレン系重合体(α−5)の場合と同様にしてエチレン系重合体(α−6)パウダーを得た。
得られたエチレン系重合体(α−6)パウダーを用い、エチレン系重合体(α−1)の場合と同様の方法で測定用試料を作製し、物性測定を行った。結果を第2表に示す。
株式会社プライムポリマーより市販されているエチレン・1−ヘキセン共重合体(商品名:エボリュー SP1510)を用いた。製品ペレットを測定試料とし、物性測定を行った結果を第2表、第3表に示す。
三井・デュポンポリケミカル株式会社より市販されている高圧ラジカル重合法によるポリエチレン(商品名:ミラソン50P)を用いた。製品ペレットを測定試料とし、物性測定を行った結果を第2表、第3表に示す。
*2 7.5×10-30×Mw6.8の値
*3 0.03×10-30×Mw6.8の値
*4 1.65×10-4×Mw0.776の値
*5 0.90×10-4×Mw0.776の値
株式会社プライムポリマーより市販されているエチレン・1−ヘキセン共重合体(商品名:エボリュー SP1510)を用いた。製品ペレットを測定試料とし、物性測定を行った結果を第3表に示す。
株式会社プライムポリマーより市販されているエチレン・1−ヘキセン共重合体(商品名:エボリュー SP1540)を用いた。製品ペレットを測定試料とし、物性測定を行った結果を第3表に示す。
内容積1Lの完全攪拌混合型連続重合反応容器に、乾燥したn−ヘキサンを5.5リットル/時間、ジ(p-トリル)メチレン(シクロペンタジエニル)(オクタメチルオクタヒドロジベンゾフルオレニル)ジルコニウムジクロリドのヘキサン溶液(0.16ミリモル/L)を0.0104ミリモル/時間、メチルアルミノキサン(MMAO−3A:東ソー・ファインケム社製)のトルエン溶液(80ミリモル/L)を5.2ミリモル/時間、トリイソブチルアルミニウムのヘキサン溶液(12ミリモル/L)を1.8ミリモル/時間の割合で導入した。水素は導入しなかった。同時に重合反応容器内にエチレンを480g/時間、1−オクテンを0.87kg/hで連続供給し、重合器内が反応圧力6.9MPaとなるように重合器上部から重合溶液を連続的に抜き出し、重合温度150℃、で重合反応を行った。重合器から連続的に抜き出された重合溶液に失活剤として少量のイソプロピルアルコールを添加し、耐熱安定剤としてIrganox1076(チバスペシャリティケミカルズ社製)を500ppm加えた後、大気圧までフラッシュしてポリマーを析出させた。その後、N2流通下で真空乾燥器にて120℃で8時間乾燥した。この重合のエチレン転化率は87.1%、エチレン系重合体収量は0.546kg/hであった。
株式会社プライムポリマーより市販されているエチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体(商品名:ウルトゼックス 1520L)を用いた。製品ペレットを測定試料とし、物性測定を行った結果を第3表に示す。
株式会社プライムポリマーより市販されているエチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体(商品名:ウルトゼックス 15150J)を用いた。製品ペレットを測定試料とし、物性測定を行った結果を第3表に示す。
スミライザー(登録商標)GP(住友化学株式会社製)850ppm、ステアリン酸カルシウム(日東化成工業社製)210ppmを添加したエチレン系重合体(α−1)パウダーとエチレン系重合体(β−1)とを80:20の重量比でブレンドし、株式会社東洋精機製作所製の二軸異方向20mmφ押出機を用い、設定温度200℃、スクリュー回転数100rpmの条件で溶融混練した後、ストランド状に押し出し、カットしてエチレン系重合体組成物(γ−1)のペレットを得た。得られたペレットを測定用試料として物性測定を行った結果を第4表に示す。さらに、得られたペレットを用いて中空成形を実施した。成形時のパリソン安定性、ボトル物性を第4表に示す。
実施例1において、エチレン系重合体(α)とエチレン系重合体(β)の種類、及びブレンド比を第4表に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様の方法にてエチレン系重合体組成物(γ)のペレット、及び中空成形体を得た。得られたペレットの物性、成形時のパリソン安定性、ボトル物性を第4表に示す。
実施例1において、エチレン系重合体(α)とエチレン系重合体(β)の種類、及びブレンド比を第4表に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様の方法にてエチレン系重合体組成物(γ−22)のペレット、及び中空成形体を得た。得られたペレットの物性、成形時のパリソン安定性、ボトル物性を第4表に示す。比較例1は、エチレン系重合体(β−5)のMFRが要件(1')の上限値より大きい。このため、パリソン安定性、落下強度に劣る。
実施例1において、エチレン系重合体(α)とエチレン系重合体(β)の種類、及びブレンド比を第4表に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様の方法にてエチレン系重合体組成物(γ−23)、エチレン系重合体組成物(γ−24)、エチレン系重合体組成物(γ−25)のペレット、及び中空成形体を得た。得られたペレットの物性、成形時のパリソン安定性、ボトル物性を第4表に示す。比較例2、3、4は、エチレン系重合体(α−8)、エチレン系重合体(β−6)のメチル分岐数とエチル分岐数との和が要件(3)、(2')の上限値より大きい。このため、落下強度、衝撃強度に劣る。
実施例1において、エチレン系重合体(α)とエチレン系重合体(β)の種類、及びブレンド比を第4表に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様の方法にてエチレン系重合体組成物(γ−26)のペレットを得た。得られたペレットの物性を第4表に示す。比較例5は、エチレン系重合体(α−7)の[η]/Mw0.776が要件(5)の上限値よりも大きい。このため、成形性が劣り、中空成形にてボトルを得ることが出来なかった。
実施例1において、エチレン系重合体(α)とエチレン系重合体(β)の種類、及びブレンド比を第4表に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様の方法にてエチレン系重合体組成物(γ−27)のペレット、及び中空成形体を得た。得られたペレットの物性、成形時のパリソン安定性、ボトル物性を第4表に示す。比較例6は、エチレン系重合体(α−8)のメチル分岐数とエチル分岐数との和が要件(3)の上限値より大きい。このため、落下強度、衝撃強度に劣る。
実施例1において、エチレン系重合体(α)とエチレン系重合体(β)の種類、及びブレンド比を第4表に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様の方法にてエチレン系重合体組成物(γ−28)、エチレン系重合体組成物(γ−29)のペレット、及び中空成形体を得た。得られたペレットの物性、成形時のパリソン安定性、ボトル物性を第4表に示す。比較例7、8は、エチレン系重合体(β)の重量分率〔Wβ〕を満たさないため、落下強度、衝撃強度に劣る。
Claims (3)
- エチレンと炭素数4以上10以下のα-オレフィンとの共重合体であり、且つ、下記要件(1)〜(5)を同時に満たすエチレン系重合体(α)と、
エチレンと炭素数4以上10以下のα-オレフィンとの共重合体であり、且つ、下記要件(1')〜(3')を同時に満たすエチレン系重合体(β)とを含むエチレン系重合体組成物(γ)からなる層を少なくとも1層含む中空成形体であって、
前記組成物(γ)において、前記エチレン系重合体(α)の重量分率〔Wα〕が0.1以上0.9以下であり、前記エチレン系重合体(β)の重量分率〔Wβ〕が0.1以上0.9以下であり(WαとWβの合計を1.0とする)、密度が875kg/m3以上935kg/m3以下であることを特徴とする中空成形体。
エチレン系重合体(α):
(1)190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.01g/10分以上10g/10分以下である;
(2)密度が875kg/m3以上945kg/m3以下である;
(3)13C−NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数〔Me(/1000C)〕とエチル分岐数〔Et(/1000C)〕との和〔(Me+Et)(/1000C)〕が1.80以下である;
(4)200℃におけるゼロせん断粘度〔η0(P)〕と、GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量の6.8乗(Mw6.8)の比、η0/Mw6.8が、0.03×10-30以上7.5×10-30以下である;
(5)135℃デカリン中で測定した極限粘度〔[η](dl/g)〕と、GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量の0.776乗(Mw0.776)の比、[η]/Mw0.776が、0.90×10-4以上1.65×10-4以下である;
エチレン系重合体(β):
(1')190℃における2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1g/10分以上10g/10分以下である;
(2')13C−NMRにより測定された炭素原子1000個当たりのメチル分岐数〔Me(/1000C)〕とエチル分岐数〔Et(/1000C)〕との和〔(Me+Et)(/1000C)〕が1.80以下である;
(3')135℃デカリン中で測定した極限粘度〔[η](dl/g)〕と、GPC-粘度検出器法(GPC-VISCO)により測定された重量平均分子量の0.776乗(Mw0.776)の比、[η]/Mw0.776が、1.90×10-4以上2.80×10-4以下である。 - 前記エチレン系重合体組成物(γ)の190℃における溶融張力〔MTγ(g)〕と、前記エチレン系重合体(α)の溶融張力〔MTα(g)〕、前記エチレン系重合体(β)の溶融張力〔MTβ(g)〕、前記WαおよびWβとが、下記関係式(Eq-1-1)を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の中空成形体。
1.2<MTγ/(MTα×Wα+MTβ×Wβ)≦3.0 …(Eq-1-1) - 前記エチレン系重合体組成物(γ)が、前記エチレン系重合体(α)および前記エチレン重合体(β)のいずれでもない熱可塑性樹脂を、さらに含む請求項1または2に記載の中空成形体。
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