JP2015006227A - ブラシ用毛材およびブラシ - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性および耐毛折れ性に優れ、長期間にわたって清掃性効果が得られるブラシ用毛材およびそれを用いたブラシの提供。【解決手段】ポリエステル系樹脂モノフィラメントのカットブリッスルからなるブラシ用毛材であって、前記カットブリッスルは曲率半径0.01〜0.06mmの角部を有する異形断面形状であり、かつカットブリッスルの固有粘度IVが0.80〜1.5の範囲にあることを特徴とするブラシ用毛材。【選択図】なし

Description

本発明は、耐摩耗性および耐毛折れ性に優れ、長期間にわたって清掃性効果が得られるブラシ用毛材およびそれを用いたブラシに関するものである。
従来からブラシ用毛材には、安価で容易に加工できることから合成樹脂モノフィラメントが主に使用されている。
合成樹脂モノフィラメントの中でもポリアミド系樹脂およびポリエステル系樹脂からなるものがブラシ用毛材の構成素材として特に使用されているが、ポリアミド系樹脂は吸水性というポリアミド系樹脂特有の性質を持っているため、特に歯ブラシなどの水を伴うブラシ用途に使用すると吸水してブラシ用毛材の毛腰が変わったり、使用を繰り返していくうちに毛が開いたりして耐久性が悪いことから、吸水性の小さいポリエステル系樹脂、特にポリブチレンテレフタレートを主としたブラシ用毛材が良く使用されている。
また、ポリブチレンテレフタレートは、近年歯ブラシ用毛材として主流になりつつあるテーパードブリッスル(例えば、特許文献1参照)の構成素材としても知られており、適度な硬さを持ち、ポリブチレンテレフタレートモノフィラメントの先端を水酸化ナトリウムなどのアルカリ性溶液に浸漬して溶かせば容易にテーパー加工できることから、ブラシ用毛材に特に好適な素材とされている。
さらにテーパードブリッスルのような高機能性ブリッスルの他にも、近年では表面に凹凸を備えたフィラメントをブラシ毛に使用した歯ブラシ(例えば、特許文献2参照)や合成樹脂モノフィラメントからなるカットブリッスルの少なくとも一端に、先鋭状のテーパー部と、このテーパー部の外周に捩じり形成された螺旋状の溝とを有することを特徴とするブラシ用毛材(例えば、特許文献3参照)など、ブラシ用毛材の形状を異形することで清掃性が向上したとの技術報告が既に知られている。
しかし、これらの異形ブラシ用毛材は、これまでの通常の丸断面ブラシ用毛材に比べると摩耗が早く、特に多角形の頂点や多葉形の凸部の先端部分となる角部は被洗浄体との接触やブラシ用毛材同士の接触により摩耗しやすく、ブラシの使い始めのころは清掃性を十分に持っているが、繰り返して使用するうちに角部が摩耗して清掃性が急激に落ちる問題を抱えていた。
また異形ブラシ用毛材は、その直径が通常の丸断面ブラシ用毛材と同じであっても、実質的には断面積が小さくなるため、繰り返して屈曲疲労を受けると折れてしまい、ブラシとしての機能が十分に発揮されにくい問題点を抱えていた。
特許第3145213号公報 特開平6−169816号公報 特開2003−189943号公報
本発明の目的は、耐摩耗性および耐毛折れ性に優れ、長期間にわたって清掃性効果が得られるブラシ用毛材およびそれを用いたブラシを提供することにある。
上記目的を達成するために本発明によれば、ポリエステル系樹脂モノフィラメントのカットブリッスルからなるブラシ用毛材であって、前記カットブリッスルを構成するポリエステル系樹脂の固有粘度IVが0.80〜1.5の範囲にあり、前記カットブリッスルの曲率半径が0.01〜0.06mmの角部を有する異形断面形状であるブラシ用毛材が提供される。
なお、本発明のブラシ用毛材においては、前記カットブリッスルの断面形状が3〜10個の角部を有する多角形、または3〜10個の角部を有する多葉形であること、
前記カットブリッスルの長さ方向に沿って角部がらせん状に存在すること、
前記角部のらせん状の回転周期が50〜300ターン/mであること、
前記カットブリッスルの少なくとも一端にテーパー部が形成されていること
が、さらに好ましい条件として挙げられる。
また、本発明のブラシは、前記ブラシ用毛材をブラシの少なくともの一部に使用したことを特徴とする。
本発明によれば、耐摩耗性および耐毛折れ性に優れ、長期間にわたって清掃性効果が得られるブラシ用毛材およびそれを用いたブラシを得ることができる。
本発明のブラシ用毛材の一例を示す模式図である。 本発明のブラシ用毛材の角部が放物線の一部である場合における曲率半径rの求め方を説明する模式図である。 本発明のブラシ用毛材の断面形状の一例を示す模式図である。 長さ方向に沿って角部がらせん状に存在する本発明のブラシ用毛材の一例を示す模式図である。
本発明のブラシ用毛材について、図1〜4に従って具体的に説明する。
図1の(a)および(b)は、それぞれ六角形断面の場合と8葉断面の場合を一例として示した拡大模式図であり、(c)および(d)は角部の説明図、(e)と(f)は角部を拡大して曲率半径を説明した図であり、1はブラシ用毛材、2は角部、3は曲率円、rは曲率半径を示す。つまり、曲率半径rとは図1の(e)および(f)に示すように、角部2に接する曲率円3の半径である。
次に、図2は角部が放物線の一部である場合のように、曲率円が取れない場合の曲率半径の求め方を説明する模式図である。この場合の曲率半径rの求め方は後述する。
図3の(a)〜(h)はブラシ用毛材1の断面形状の一例である。また図4は図1の(a)および(b)に示すブラシ用毛材1をその長さ方向に沿って捻り加工を施して長さ方向に沿って角部がらせん状に存在する形態とした場合のカットブリッスルの模式図である。
本発明のブラシ用毛材は、ポリエステル系樹脂モノフィラメントのカットブリッスルからなるブラシ用毛材であって、前記カットブリッスルを構成するポリエステル系樹脂の固有粘度IVが0.80〜1.5の範囲にあり、前記カットブリッスルの曲率半径が0.01〜0.06mmの角部を有する異形断面形状であることを特徴とする。
本発明のブラシ用毛材は曲率半径rが0.01〜0.06mmの角部2を有する異形断面形状であることを第1の特徴とし、この曲率半径rを持つ角部2が表面汚れを効果的に書き落とす機能を発揮する。
そのため、曲率半径rが上記範囲を下回る場合は優れた清掃性効果が得られるものの、角部2が被洗浄体やブラシ用毛材同士と集中的に接触するために摩耗しやすく、逆に曲率半径rが上記範囲を上回る場合は、角部2が丸く滑らかな状態となるため清掃性効果が得られにくくなる。
また、本発明の効果である、摩耗による毛材断面変形(以下、耐摩耗性という)と清掃性効果を十分に発揮するためには、角部2の曲率半径rは0.02〜0.05mmがさらに好ましい。
本発明における曲率半径rは、角部の輪郭が図1の(e)および(f)に示されように、円の一部である場合は、輪郭が重なる円の半径を曲率半径とし、角部の輪郭が図2に示されように放物線の一部であるなどして曲率円が取れない場合には、図2で示されるθで示す角が20°の2本の接線を角部の先端に作図し、輪郭との接点から接線の垂線を引き、垂線の交点を曲率円の中心として、曲率半径を求める。
本発明のブラシ用毛材1は、固有粘度IVが0.80〜1.5であることを第2の特徴とし、この固有粘度IVがかかる範囲を採ることにより上記曲率半径rの角部2を容易に形成させるのに加え、優れた耐摩耗性や耐毛折れ性を発揮する重要なパラメータとなる。
前記カットブリッスルを構成するポリエステル系樹脂の固有粘度IVが上記範囲を下回る場合は、ポリエステル系樹脂モノフィラメントを溶融紡糸するに際して、ポリエステル系樹脂が紡糸口金から押し出される際に生じるバラス効果によって、上記曲率半径rを有する角部2が形成されにくくなるばかりか、摩耗や毛折れしやすいブラシ用毛材となる。逆に固有粘度IVが上記範囲を上回る場合は、粘度が高すぎるため、ポリエステル系樹脂モノフィラメントを溶融紡糸するに際して、紡糸機内の圧力が高くなり溶融パック内のフィルター破れや溶融パックライフが短くなるなどの操業上のトラブルが発生しやすくなる。
なお、本発明でいう固有粘度IVは、以下の(1)から(4)の手順によって測定したものである。
(1)溶解用試験管(以降、試験管という)に、溶媒として25mLのオルソクロロフェノール(以降、OCPという)と約3mmにカットしたカットブリッスルの試料2g±0.001gを入れる。試料を投入した試験管をドライ・ブロックバスにセットし100℃で30分間加熱しながらカットブリッスル試料をOCPに溶解する(以降、カットブリッスル試料をOCPに溶解したものをOCP溶液という)。
(2)このOCP溶液を流水にて15分間冷却後、OCP溶液20mLをホールピペットで計量しオストワルド粘度管に採取する。
(3)引き続き、25℃に温度調整した恒温水槽に、OCP溶液を採取したオストワルド粘度管をセットし30分間放置、定法に従いオストワルド粘度管内を流下するOCP溶液の流下時間を測定する。
(4)以下の近似式に従って固有粘度値を算出する。
固有粘度=(K1×η)+K2
ここで、定数K1=0.0242、定数K2=0.2634である。
カットブリッスルを構成するポリエステル系樹脂の固有粘度IVは、使用原料のポリエステル系樹脂の固有粘度で調整することができるが、溶融紡糸する際の紡糸機内の温度とせん断応力でポリマー鎖が分断されて分子量が低下し、IVが低下する場合がある。そのためには溶融紡糸する際の紡糸温度と押出しスクリュウーの回転数・吐出量を適宜適正な範囲でコントロールすることが好ましい。そのため、溶融紡糸の際の紡糸内の混練性や圧力安定性なども考慮して、使用原料の固有粘度IVは1.0〜1.8の範囲が好ましく、また紡糸温度は250〜280℃の範囲が好ましい。
ここで、本発明でいうポリエステル系樹脂としては、特に限定はされないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート(以下、PBTという)、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリメチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリプロピレンナフタレートなどを挙げることができ、中でもブラシ用毛材として十分な物理特性が得られ、テーパー加工などの後加工に最適であることからPBTが特に好適である。
また、ポリエステル系樹脂には、本発明の目的を阻害しない範囲であれば、他のジカルボン酸成分およびジオール成分を共重合成分として含有せしめることができ、例えば、ジカルボン酸成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、シクロヘキサンジカルボン酸およびデカリンジカルボン酸などが挙げられ、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、オクタメチレングリコール、デカメチレングリコール、ネオペンチレングリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノールなどの脂肪族グリコール、o−キシリレングリコール、p−キシリレングリコール、m−キシリレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ビフェニル、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)フェニル]プロパン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシエトキシ)ジフェニルスルホンなどの芳香族グリコール、およびヒドロキノン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、レゾルシン、カテコール、ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシビフェニル、ジヒドロキシジフェニルスルホンなどのジフェノール類などが挙げられ、これらの中から2種以上を選択して適宜使用することもできる。
さらに、本発明のブラシ用毛材1には、発明の効果を阻害しない範囲であれば、その目的に応じて、各種無機粒子、各種金属粒子および架橋高分子粒子などの粒子類のほか、既知の抗酸化剤、耐光剤、耐侯剤、イオン交換剤、着色防止剤、耐電防止剤、各種着色剤、ワックス類、シリコーンオイル、各種界面活性剤および各種強化繊維類などを適宜含有せしめることも可能である。
本発明のブラシ用毛材1に使用するカットブリッスルは上記曲率半径rの角部2を有する異形断面形状であれば特に限定されず、例えば図3の(a)〜(h)に示すような多角形や多葉形の形状を挙げることができるが、3〜10個の角部2を有する多角形や3〜10個の凸状の角部2を有する多葉形は清掃性効果が得られやすいので好ましい。
さらに本発明のブラシ用毛材1は、図4に示すように、その長さ方向に沿って角部がらせん状に存在することが好ましい。かかるらせん形状はねじり加工により得ることができる。角部をらせん状に存在せしめる場合のらせん状の回転周期は50〜300ターン/mであると一層優れた清掃性効果がえられるため好ましい。かかるらせん形状をねじり加工によってせしめる場合、カットブリッスルを構成するポリエステル系樹脂の固有粘度IVが高すぎると捻り加工しにくくなるため、捻り加工を施す場合のカットブリッスルを構成するポリエステル系樹脂の固有粘度IVは0.80〜1.4、さらには0.80〜1.3が好ましい。
さらにまた、本発明のブラシ用毛材1は、カットブリッスルの少なくとも一端にテーパー部が形成されていると、毛先が先鋭な状態になるために触感性に優れたブラシ用毛材となる。特にこのブラシ用毛材を歯ブラシに使用した場合は、触感性に優れ、歯茎へのマッサージ効果が得られるのに加え、歯と歯の間の汚れや歯周ポケットの汚れを掻き出す隙間清掃性を遺憾なく発揮するなど高機能性を持った歯ブラシを提供することができる。
なお、テーパー部の形状は使用するブラシの種類によって適宜変えることが可能で、特に規定はされないが、例えばテーパー部の長さが4〜12mm、さらに好ましくは6〜10mmの場合は触感性や隙間清掃性に優れたブラシ用毛材が得られやすい。
次に、本発明のブラシ用毛材1の製造方法について説明する。
本発明のブラシ用毛材の製造方法については特に限定されないが、本発明では、例えば既知の溶融紡糸機を使用してポリエステル系樹脂モノフィラメントを紡糸し、得られたポリエステル系樹脂モノフィラメントをカットしてブリッスル状に加工する方法を採用することができる。
例えば、PBTを例に挙げて説明すると、予め乾燥したPBTペレットを溶融紡糸機に供給して、溶融紡糸機内で溶融混練した後、口金からポリエステル系樹脂の溶融物を共押し出しする。
その後、共押し出されたPBTの溶融物は、冷却浴中で冷却固化された後、延伸および熱セットされて、PBTモノフィラメントとなる。
さらにPBTモノフィラメントにその長さ方向に沿って捻り加工を施す場合は、例えば一旦巻き取られたPBTモノフィラメントを加熱槽内で捻りながら熱セットするなどの方法で加工することができる。
そして、得られたPBTモノフィラメントは必要な長さにカットされてブリッスルとなるが、さらにカットブリッスルの先端にテーパー部を形成する場合には、機械的研磨による加工や、先端をアルカリ溶液に浸漬して溶かす化学的減量法を採用することができる。アルカリ溶液を用いた化学的減量法を採用する場合は、カットブリッスルの先端の浸漬深さを適宜コントロールすればテーパー部の長さをコントロールするができることから好ましい。
こうして得られたブラシ用毛材は、耐摩耗性および耐毛折れ性に優れ、長期間にわたって清掃性効果が得られることから、歯ブラシ、ヘアブラシ、ボディブラシ、クリーニングブラシ、化粧ブラシ、画筆などの各種ブラシや、ロールブラシ、ホイールブラシ、カップブラシ、ナイブレットブラシなどの各種工業用ブラシに幅広く使用することができる。
以下、本発明のブラシ用毛材について、実施例を挙げて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に何ら限定されるものではない。
なお、清掃持続性評価には、以下仕様の歯ブラシで評価した。
基台:ABS製(9mm×22mm)
植毛孔数:34箇
植毛本数:一つの孔につき20本
毛丈:10mm
[曲率半径]
得られたポリエステル系樹脂モノフィラメントをミクロトームで輪切りにし、その断面を(株)KEYENCE社製デジタルHDマイクロスコープVH−7000で観察し、断面の角部の写真を500倍で撮影し、当該写真を用いて曲率半径rを測定した。
[固有粘度]
溶解用試験管(以降、試験管という)に、溶媒として25mLのオルソクロロフェノール(以降、OCPという)と約3mmにカットしたカットブリッスル試料2g±0.001gを入れた。試料を投入した試験管をドライ・ブロックバスにセットし100℃で30分間加熱しながらカットブリッスル試料をOCPに溶解した(以降、カットブリッスル試料をOCPに溶解したものをOCP溶液という)。このOCP溶液を流水にて15分間冷却後、OCP溶液20mLをホールピペットで計量しオストワルド粘度管に採取した。
引き続き、25℃に温度調整した恒温水槽にOCP溶液を採取したオストワルド粘度管をセットし30分間放置、定法に従いオストワルド粘度管内を流下するOCP溶液の流下時間を測定しした。以下の近似式に従って固有粘度値を算出した。
固有粘度=(K1×η)+K2
ここで、定数K1=0.0242、定数K2=0.2634である。
[耐摩耗性評価]
JIS L1095:2010の第9.10.2項に規定されるB法に準じ、固定された直径1.0mmの摩擦子(硬質銅線(SWP−A))の上に接触させたポリエステル系樹脂モノフィラメントを、ポリエステル系樹脂モノフィラメントが摩擦子の左右各55°の角度で屈曲するように設けられた2個のフリーローラー(2個のローラー間の距離100mm)の下に掛け、さらに別の1個のフリーローラーの上を介してポリエステル系樹脂モノフィラメントの一端に0.196cN/dtexの荷重をかけてセットし、速度120往復/分、往復ストローク25mmでポリエステル系樹脂モノフィラメントを摩擦子に5000回往復接触させる。
その後、上記[曲率半径]に記載の方法に従って曲率半径を測定した。
そして、摩擦子に往復接触させる前の曲率半径r1(mm)と往復接触後の曲率半径r2(mm)とから摩耗比R(=r2/r1)を求めた。この摩耗比が大きいほど角部が多く摩耗していることを示す。
[耐毛折れ性評価]
JIS P8115:2001に準じて、ポリエステル系樹脂モノフィラメントの屈曲疲労試験を行い、往復折り曲げ回数5000回の時点で糸表面に割れや裂けが生じているかどうかを(株)KEYENCE社製デジタルHDマイクロスコープVH−7000を用い300倍から500倍まで順次倍率を上げて観察した。これを20本のポリエステル系樹脂モノフィラメントについて行い、割れや裂けが生じている本数で評価した。
[清掃持続性]
10mm立方のアクリル板の上表面に歯垢染色液(プラークチェック液)を均一に付着させ、作成したブラシを使用して、アクリル板上表面を、垂直荷重350g、振幅長30mm、且つ振幅速度180往復/分の条件で3分間ブラッシングを行い、除去された歯垢染色液の面積を測定し百分率(除去率%)で表した。
このブラッシングを40回繰り返し行い、1回目の歯垢染色液除去面積s1(%)と40回目の歯垢染色液除去面積s2(%)とから清掃持続比S(=s2/s1)を求めた。歯垢染色液の除去面積率が大きいほど清掃性が高く、また清掃持続比が大きいほど清掃性が持続されていることを示す。
[実施例1]
原料に東レ社製 PBT樹脂“トレコン”(登録商標)1200S(固有粘度IV=1.26)を使用した。予め乾燥したPBTペレットを溶融紡糸機に供給し、260℃の溶融紡糸機内で溶融混練した後、口金から溶融物を押し出した。
引き続き、押し出された溶融物を、20℃の冷却浴中で冷却固化した後、加熱延伸および熱セットを行って、固有粘度IVが1.15、曲率半径rが0.03mmの四角断面PBTモノフィラメント(一辺0.2mm)を得た。これを長さ30mmにカットしたカットブリッスルをブラシ用毛材として評価した。
[実施例2〜3]
口金を交換して曲率半径rを0.015mmと0.06mmに変更したこと意外は実施例1と同じ方法でブラシ用毛材を製造し評価した。
[実施例4〜5]
原料を東レ社製 PBT樹脂“トレコン”(登録商標)1100S(固有粘度IVが0.90)と1400S(固有粘度IVが1.70)に変更し、固有粘度IVが0.86と1.48の四角断面PBTモノフィラメントを紡糸したこと以外は実施例1と同じ方法でブラシ用毛材を製造し評価した。
[実施例6〜9]
口金を交換して断面形状を三角形(曲率半径rが0.02mm)、六角形(曲率半径rが0.05mm)、5葉形(曲率半径rが0.04mm)、8葉形(曲率半径rが0.03mm)に変更したこと意外は実施例1と同じ方法でブラシ用毛材をつくり評価した。
[実施例10]
実施例1で得られた四角形PBTモノフィラメントに200ターン/mの捻り加工を施し、それを30mmにカットしたカットブリッスルをブラシ用毛材として評価した。
[実施例11]
実施例10で捻り加工された四角形PBTモノフィラメントの一端を水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して先鋭なテーパー部を形成させ、これをブラシ用毛材として評価した。
[実施例12]
原料を東レ社製 PBT樹脂“トレコン”(登録商標)1400S(固有粘度IVが1.70)に変更して得られた実施例5の四角断面PBTモノフィラメント(固有粘度IVが1.48)に200ターン/mの捻り加工を施したが、固有粘度IVが高いために加工しにくく、120ターン/mに下げた。これをカットしたカットブリッスルをブラシ用毛材として評価した。
[比較例1〜2]
口金を交換して、丸断面(直径0.200mm)PBTモノフィラメントと曲率半径rが0.07mmの四角形PBTモノフィラメントに変更したこと意外は実施例1と同じ方法でブラシ用毛材を製造し評価した。
[比較例3]
原料をKOLON・PLASTIC社製 PBT樹脂 “SPESIN”(登録商標)(固有粘度IVが0.86)に変更し、固有粘度IVが0.78の四角断面PBTモノフィラメントを紡糸したこと以外は実施例1と同じ方法でブラシ用毛材を製造し評価した。
Figure 2015006227
表1に示す結果からも明らかなように、本発明のブラシ用毛材(実施例1〜11)は、摩耗による毛材断面の変形が小さく、長期間にわたって清掃性効果が得られることが分かる。
本発明のブラシ用毛材は、耐摩耗性および耐毛折れ性に優れ、長期間にわたって清掃性効果が得られることから、歯ブラシ、ヘアブラシ、ボディブラシ、クリーニングブラシ、化粧ブラシ、画筆などの各種ブラシの他にも、ロールブラシ、ホイールブラシ、カップブラシ、ナイブレットブラシなどの各種工業用ブラシに幅広く利用できるが、適用用途がこれらに限定されるものではない。
1 ブラシ用毛材
2 角部
3 曲率円
r 曲率半径

Claims (6)

  1. ポリエステル系樹脂モノフィラメントのカットブリッスルからなるブラシ用毛材であって、固有粘度IVが0.80〜1.5の範囲にあり、前記カットブリッスルの曲率半径が0.01〜0.06mmの角部を有する異形断面形状であるブラシ用毛材。
  2. 前記カットブリッスルの断面形状が3〜10個の角部を有する多角形、または3〜10個の角部を有する多葉形である請求項1に記載のブラシ用毛材。
  3. 前記カットブリッスルの長さ方向に沿って角部がらせん状に存在する請求項1または2に記載のブラシ用毛材。
  4. 前記角部のらせん状の回転周期が50〜300ターン/mである請求項3に記載のブラシ用毛材。
  5. 前記カットブリッスルの少なくとも一端にテーパー部が形成されている請求項1〜4のいずれかに記載のブラシ用毛材。
  6. 請求項1〜5に記載のブラシ用毛材を少なくとも一部に使用したブラシ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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