JP2014520273A - 差動熱量測定用センサとその製造方法 - Google Patents

差動熱量測定用センサとその製造方法 Download PDF

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Abstract

この発明は、1つの温度測定セル(1)と他のセル(2)の2つのセルを備えた差動熱量測定センサであって、各セルは、第1表面と第2表面を有し、低熱伝導度の材料から造られた膜(10,20)と、高熱拡散係数を有する材料で作られ、膜の第1表面(100,200)に接触する膜支持手段(11,21)を備え、温度測定セル(1)は膜(10)の第1表面(100)の上に設置された少くとも2つの活性温度測定要素(12,13)を備え、2つのセル(1,2)は前記セルの膜の第2表面(101,102)が互いに対面するように組立てられるように意図され、測定を実施するために用いられるサンプルと基準が2つの膜の間に第2表面(101,102)に直接接触して選択的に設置され、前記セルの少くとも1つは膜(10,20)の第1表面に対面する封止手段(14,24)を備え、ガス用の自由空間(16,26)が前記封止手段と膜との間に形成されてなるセンサに関する。

Description

この発明は熱量測定の分野に関し、特に差動熱量測定センサ(differential calorimetric measurement sensor)とその製造方法に関する。
多くの熱量計がすでに知られているが、そのすべては化学反応や物質の変態(transformation)に伴う熱量を測定するように設計されている。
実際、例えば、相の転移のような物理的な変態の際に、物質と外部環境との間で熱交換が生じるが、その方向は転移のプロセスの吸熱又は放熱特性に依存する。
従って、熱量の測定によって、物質の構造状態に関する情報にアクセスすることができる。これが、多くの化学的分野、特に物理と化学、従って産業において熱量計が用いられる理由である。
特に影響をうける産業は、酸化還元反応と熱転移を研究する冶金技術、ポリマーの化学、生化学および農産食物産業である。
特に生物物理学においては、熱量測定法は、熱力学データ(熱力学の安定性、自由エネルギー、エントロピーなど)に直接アクセスできる唯一の方法である。
公知の熱量計は、種々の方法、特に差動走査熱量計法、断熱曲線熱量計法、等温熱量計法や交流熱量計法つまりAC熱量計法を実行する。
これらの方法の基礎をなす根本的な原理は同一である(温度測定要素、時には1つ以上の加熱要素、サンプルや基準に非常に良好に熱接触する等温領域の存在)。しかしながら、各々の方法はそれ自体に制約を有し、1つの測定方法に用いられる計器やセンサを他の方法に用いることは難しい。
例えば、センサの感度を増大するために、センサは断熱状態で作動するように設計されることが可能である。断熱性(R)は、サーマルバス(thermal bath)として考えられる外部に対して、サンプルを含む等温領域の熱的絶縁の程度を表わす。
R>>1の場合には、熱量測定は断熱状態で行われ、R<<1の場合には、行われない。
断熱性は、使用される熱量測定法の動力学に依存する相対的な基準である。断熱性の基準は、R=τ/Δtmesによって得られる値で定義され、τ=C/Kであり、熱量計の熱時定数である。Cはサンプルの熱容量であり(センサの熱容量そして等温領域の熱容量)、Kは熱交換係数つまり熱コンダクタンスであり、時には「熱漏洩」と呼ばれるが、これはサンプルとサーマルバス間の熱的結合を定義する。Δtmesは実験に基づく時間尺度である。それは、それに基づいて熱量測定が行われる独特の時間尺度である。それは使用される熱量測定方法に依存する。
AC熱量測定法の場合には、断熱の概念は、温度振動の周波数に対して定義される。この場合には、Δtmes=1/ω、ここで、ω=2πfであり、温度振動の角周波数である。
ガーデン他著「物理的ナノ物体から生物学的ナノ物体までのナノ熱量測定法による小形システムの熱力学」サーモチミカ・アクタ第492巻、第16−28頁、2009年8月10日の資料におけるこの方法が特に言及される。
この資料は、一体に組立てられることを意図された温度測定セルと加熱セルとを備え温度測定セルが活性要素を支持する膜を備えたAC熱量測定法用の測定センサを記載している。このセンサは、小さなサンプル用として意図されている。
このセンサにおいて、熱漏洩は膜を介して確立される。その測定は、比較的低いτ(小さいC)に対してさえ、R=ωτ>>1を有することが可能なように高い温度振動周波数を選択することにより、断熱状態において実行することが可能である。
この特許出願は、この発明によるセンサを設計するために使用されたDSC熱量測定法(DSCはDifferential Scanning Calorimetryを表わす)に焦点を合わせたものである。
この発明の分析技術は、それぞれが測定セルに設置された分析すべきサンプルと基準(reference)との間の熱交換の差を測定することにある。
今までのところでは、DSC熱量測定法の場合における公知の測定セルは断熱状態において作動するように設計されていない。
差動測定は、システムにノイズを付加することなしに、環境による温度ドリフトのほとんどを除去する利点を提供する。従って、研究すべき熱力学的変換によって生じる信号のみを検出することが差動測定によって可能になる。
一般的に、使用される方法に関係なく、熱量測定センサが存在して差動モード動作が望まれるときには、温度特性に関してできるだけ同一の2つのセンサが製造される。これらの2つのセンサは、共通の温度環境の中に置かれ、差動測定は2つの独立したセンサから生じる結果から得られる。
実際、この場合、2つのセンサは、センサ内に存在する活性要素に対して、同じ温度条件、つまり、同じ熱的絶縁と同じ熱対称を保持する。
実例により、自然科学の分野で、タンパク質の熱力学的傾向を研究するために、2つの同じセルが作られ、これらのセルは、熱的に均等な方法で環境に接続される。それらのセルの1つは或る体積の緩衝剤溶液で満たされて基準を構成し、他の1つは緩衝剤溶液とタンパク質からなる溶液で満たされてサンプルを構成する。
実際、その2つのセルは、一般的にランプ(ramps)による所定の方法で温度が変化するオーブン内に設置される。これはサンプルの物理的変質と、従って、サンプルとオーブンとの間で交換された熱の流れを引き起こす。2つの測定セル間の差動測定によって、サンプルと基準間の熱の流れが決定でき、従って、タンパク質によって生じる有役な信号を直接得ることができる。
多くの装置は、測定前の較正と、オーブンの雰囲気によるサンプルの反応を避けるために不活性ガスによる浄化とを含む差動走査熱量測定技術を使用する。
これらの装置は、それらによって相転移持に吸収又は放出される熱量を測定できるのみならず、ガス転移のような、より複雑な相変化を観察することが可能になるので、長い間、満足されてきた。
特に挙げることが可能な熱量計は、ティー・エー・インスツルーメンツ社、マイクロカル社、又はセタラム社からの自然科学に用いられるDSC熱量計と共に、セタラム社、メトラー社、トルド社、ネッツェ社、ティー・エー・インスツルーメンツ社およびマイクロカル社によって市販されているものを含む。
しかし、DSC熱量計は、測定を行うために必要な、サンプルの最小体積に特に関連する欠点を有する。実際、測定領域における体積は、数百マイクロリットルにすぎないが、その最小体積は、測定セルの体積と、セルに生成物を持ち込むために必要な最小体積の両方を考慮するために、ミリリットルのオーダの体積となる。
この最小体積は、研究するサンプルがとくにその合成コストのために非常に少量でしか利用できない自然科学の分野又は薬学の分野においてコストが法外であることを証明した。さらに、サンプル分子の濃度は、生化学的な相互作用や凝集の問題を制限するように、比較的低いことが好ましい。
最後に、公知の熱量計に関して、オーブンにおいて与えられる温度ランプの速度は、2℃/minに制限されるが、それは過大に高いランプはサンプルにおける温度勾配につながり、信頼できない測定につながるからである。これは、ガラスの転移のように早い速度で引き起こされる或る運動事象を観察するための障害となる。
メットラー・トレド社は、最近DSCタイプの熱量計を市販したが、それは少量のサンプルで作動することができ、走査速度は105Ksに達するが、これらの装置は固体サンプルの測定のみに適するものである。
欧州特許第1351052号および米国特許第6079873号は、小体積のサンプルの熱量測定法に適したマイクロおよびナノ製造技術によって得られる熱量測定装置を記載している。
しかしながら、これらの装置は工業生産に利用できない。
さらに、欧州特許第1351052号に記載の装置は、差動走査熱量測定分析を実施することができない。これは、それが一定温度で生じる生化学的又は生物学的相互作用の熱量測定の検出のみに用いられるからである。
米国特許第6079873号に記載された装置は、サンプルと基準のための支持体として働くシリコン性の2つの浮遊プラットホームを備える。
この装置は、生物学的サンプルを水溶液内で測定できないので、その用途が制限される。実際、それは、液体サンプルを受入れるように設計されていない。液体サンプルは非常に小さい体積のみを有することしか必要としない。しかしながら、この場合には、サンプルは非常に迅速に蒸発するので、蒸発によって誤った熱的結果を生じる。最後に、サンプルと基準は、プラットホーム上に設置される。熱がサンプル全体に伝播する時間を持たないので、これは、高い温度ランプ用の測定を混乱させる温度勾配を引き起こす非常に弱い熱結合に帰着する。
この発明の目的は、非常に小さい固体又は液体サンプルの体積用に設計され、今日、市場で入手可能な熱量計よりはるかに高い温度ランプで作動し、同じオーダーの分解能を提供し、かつ製造が単純である効率のよい差動熱量測定センサを提供することによって、これらの欠点を軽減することである。
従って、この発明は、温度測定セルと他のセルの2つのセルを備えた差動熱量測定センサであって、各セルは、
−第1表面と第2表面を有し、低熱伝導度の材料から作られた膜と、
−高熱拡散係数を示す材料で作られ、膜の第1表面に接触する膜用支持手段を備え、
温度測定セルは膜の第1表面の上に設置された少くとも2つの活性温度測定要素を備え、2つのセルは前記セルの膜の第2表面が互いに対面する方法で組立てられるように意図され、測定を実施するために用いられるサンプルと基準が2つの膜の間に、第2表面に直接接触して設置可能であり、前記セルの少くとも1つは膜の第1表面に対面する閉鎖手段を備え、ガス用の自由空間が前記閉鎖手段と膜との間に形成されてなるセンサに関する。
従って、活性要素は、測定を行うために用いられるサンプルに決して接触しない。
さらに、すべての活性要素は同じ膜上で製造されるので、製造方法が簡略化される。
好ましい実施形態においては、他のセルは加熱セルであり、少くとも2つの活性加熱要素がこの他のセルの膜の第1表面の上に設置され、前記活性加熱要素の各々は前記活性温度測定要素の1つと実質的に一列に並べられ、前記2つのセルが一体に組立てられるとき、測定を実行するために用いられるサンプルと基準が2つのセルの各々の2つの活性要素の間に設置可能である。
この場合、測定の対象であるサンプルは、加熱セルの活性加熱要素と、対面する温度測定セルの活性温度測定要素との間で膜の第2表面に接触するように設置され、基準は加熱セルの他の活性加熱要素と、温度測定セルの他の活性温度測定要素との間に設置される。
一般的に、この発明による測定センサは、センサの内部温度を調整し、かつ選択的に温度ランプを適用することを可能にするオーブンの中に設置されることが意図される。
センサが加熱セルを備えるとき、オーブンはセンサの内部に設置されたサンプルを一定温度で加熱するために用いることができる。加熱セルは、ほとんど瞬時にサンプルに温度ランプを適用することを可能にする。
都合のよいことには、少くとも1つのセルの膜の第2表面は、前記少くとも2つの活性要素に対面して、通常、1cm当りおよび1ケルビン当り1ワット(W/cm.K)より大きい高熱伝導度を示す材料から作られた層を備える。
この層は、特に、金で作られ、各活性温度測定要素の温度を均一にすることを可能にする。
都合のよいことに、前記支持手段は、膜の周辺に設置される。
この配置は、膜によって、各セルの活性要素を前記支持手段に対して熱的に絶縁することを可能にする。
好ましくは、各セルの活性要素は電気的絶縁材料の層で被覆される。
この層の存在によってセルの活性要素の機械的な保護も保証される。
従って、この発明による測定センサによれば、活性温度測定および加熱要素は、膜支持手段と同じ側に設置されるので、機械的強度が増大する。
この発明は、この発明による測定センサと、その中に前記センサが配置されるオーブンと、冷却手段とを備える差動熱量計に関する。
この熱量計は、都合のよいことに、測定センサ内に形成された自由空間に流体的に連通する圧縮ガス供給手段を備える。
この発明はまた、低熱伝導度の材料から作られた膜を備える温度測定セルと、他のセルの2つのセルを製造することからなり、少くとも2つの活性要素が膜の第1表面の上に同時に製造される工程(a1)と、高熱拡散係数を示す支持手段が膜の第1表面の上に固定される工程(a2)とを備え、他のセルは先の工程(a2)を実行することによって得られ、前記2つのセルは、前記2つのセルの各膜の第2表面が互いに対面するように一体的に組立てられることを意図されている、この発明による測定センサを製造する方法に関する。
好ましくは、工程(a1)の前に、膜がセラミック材料から作られたリングの上に固定され、このリングが膜の第2表面に接触する工程(a0)が実行され、工程(a1)の後に工程(a2)を実行し、次にリングが除去される工程(a3)を実行する。
この方法の好ましい実施形態においては、他のセルが前の工程(a1)と(a2)を実行することによって得られる加熱セル(2)であり、少くとも2つの活性加熱要素が工程(a1)、可能であれば工程(a0)と(a3)において製造される。
都合のよいことに、この発明による方法は、工程(a1)の後で、電気絶縁樹脂の層(15,25)を堆積し、2つのセルの少くとも1つの活性要素を被覆することからなる補足工程を備える。
さらに、この方法は、都合のよいことに、工程(a1)の後で、2つのセルの少くとも1つの膜の第2表面の上に、高熱伝導度を示す層(121,131)を堆積し、対応する活性要素(12,13;22,23)と向い合わせる他の補足工程を備える。
温度測定セル(1)の製造のために、工程(a1)は、金属の層の堆積工程(b1)、リソグラフィ工程(b2)、およびイオンエッチング工程(b3)を備える。
好ましくは、工程(b1)で堆積される金属は、通常、2×10-3K-1より大きい高温度係数を示す。
加熱セルの製造のために、工程(a1)は、金属の層の堆積の工程(b'1)、リソグラフィ工程(b'2)、およびウェットエッチング工程(b'3)を備える。
添付図面を考慮して与えられる次の説明を読むと、この発明はよりよく理解され、この発明の他の目的、利点および特徴がさらにはっきりと明らかになるであろう。
図1は、この発明による代表的な測定センサの2つのセルを概略的に示す斜視図である。 図2はこの発明による測定センサの2つのセルの断面図である。 図3は、この発明によるセンサのセルの製造工程を概略的に示す。異なる図に共通の構成要素は、同じ参照符号によって示される。 図4は、この発明によるセンサのセルの製造工程を概略的に示す。異なる図に共通の構成要素は、同じ参照符号によって示される。 図5は、この発明によるセンサのセルの製造工程を概略的に示す。異なる図に共通の構成要素は、同じ参照符号によって示される。 図6は、この発明によるセンサのセルの製造工程を概略的に示す。異なる図に共通の構成要素は、同じ参照符号によって示される。
図1は、温度測定センサ1と加熱セル2を概略的に斜視図で示す。
これらのセルの各々は、膜10,20を備える。
この膜は手段11,21によって支持される。図示される実施例では、これらの支持手段は、膜10,20の周辺に設置されたリングの形を取る。
実際には、リング11,12は膜の第1表面100,200に固定される。
この同じ第1表面上に、膜10,20は2つの活性要素、つまり、温度測定要素12,13と加熱要素22,23を備える。
この発明は図示された実施形態に限定されず、支持手段は他の形を取ることができる。しかしながら、図1に示される環状の形によって、熱的な対称性を得ることができる。いずれにしても、保持されたその形によって、活性要素を支持手段から熱的に絶縁することが可能になる。さらに、活性の温度測定要素は、加熱要素と同様に、互いに熱的に絶縁されている。
製造方法についての次の説明から明らかになるが、活性の温度測定要素と活性の加熱要素は薄膜でリソグラフで作られた金属抵抗器であり、それは非常に速い熱応答を考慮したものである。
これらのすべての要素は、同じ製造工程で同時に製造されるが、それによって、センサの製造が単純化される。
これは、セルを製造するために用いられ、以下の説明に記載される微小製造技術によって容易に作られる。多数の活性要素を有するこの発明によるセンサは、多数のサンプルの上で並列に熱量測定することを考慮している。これは、生物学の分野で、特に医学のデザインの分野で興味がある。
1つの同じ膜の上に2つの活性要素を設置することは、以前から存在する欠点をもたらす。
以下の説明に見られるように、1つの同じ膜の上に複数の活性要素が存在することによってもたらされる熱的な問題は、センサの特定の動作によって解決される。
参照番号18と28は接触ワイヤを示し、それによって、各セルの活性要素を接点(contact)(図1に示さず)に連結することができる。
この発明によるセンサの他の特徴は、図2を参照して説明される。
この図は、組立て前の各位置におけるセンサの2つのセル1と2を示し、組立ては矢印Fの方向に行われる。
図1と比較すると、温度測定セル1はひっくり返されて、膜10と20の第2表面101と201が互いに直接対面している。
さらに、各セルの支持手段11,21の上に、閉鎖手段14,24(図1には示されない)が配置されている。
図2はこの発明によるセンサの好ましい実施形態を示し、そこでは各セル1,2の活性要素12,13と22,23が樹脂層15,25に被覆されている。この樹脂層は図1には示されていない。
図2は、閉鎖手段14,24と樹脂層15,25の寸法が、自由空間16,26が樹脂層15,25と閉鎖手段14,24との間に形成されるように選択されることを示す。この空間の利点は以下の説明文に記載される。
最後に、参照番号17,27は接点を示し、そこにワイヤ18,28が結合される。それらは支持手段11,21に形成された貫通孔110,210を介してアクセス可能である。
膜10,20は、10mW/cm.Kより小さい低熱伝導率を有する材料で作成される。
それらは、通常、デュポン社から市販されているカプトン(登録商標)で作成可能である。この材料は、1.2mW/cm.Kの熱伝導率λと、1.13J/gKの比熱を示す。
カプトン(商標登録)は広い温度範囲(−269℃から400℃)で安定であり、高い化学的慣性を示すという利点を示す。
宇部工業によってウピレックス(商標登録)という名で市販され、3mW/cmKの熱伝導率を示す他のポリイミドが使用可能である。
この膜は、通常10と100μmの間の、マイクロメータで測定する厚さを有する。この範囲の値において、膜は十分に抵抗力があり、低熱伝導率を有し、かつ、小容積のサンプルの測定に適した熱容量を示す。
従って、その膜は良好な熱絶縁を保証することを可能にすると共に、十分な機械的強度を示す。
その膜は、ガラスで作ることも可能で、その熱伝導率はほぼ10mW/cm.Kとなるであろう。
さらに、支持手段11,21は、通常1W/cm.Kより大きい高熱拡散係数を示す材料で作られる。
都合よく用いられる材料は銅である。それはその材料が良好な熱伝導率(4W/cm.K)を示す一方、適当な製造コストを有するからである。
閉鎖手段14,24もまた、銅で作成できる。
さらに、閉鎖手段14,24はそれぞれ図2に示されない穴を備え、この穴は空間16,26の各々に連通している。
これらの穴によって、この発明によるセンサを用いて、空間16,26に、ガス、特に窒素を大気圧で注入することができる。
この加圧されたガスの存在はそれが接触する膜の表面に力を及ぼし、それによって2つの膜10と20間の良好な熱的接触が保証され、2つのセルが一体に組立てられたとき、2つの膜はサンプル又は基準を挟む。
これによって、2つの膜の間に配置されたサンプルと基準をより良く包むことができる。
図2に示される実施例では、2つの閉鎖手段14と24の高さが異なる。実際、温度測定セルの閉鎖手段14の高さは、膜10と閉鎖手段14の間のガスを介して所定の値の熱伝導をもたらすようになっている。これは測定の熱時定数を決定するものである。加熱セル2の閉鎖手段24の高さは、膜20と閉鎖手段24間のガスを介して無視できる値の熱伝導をもたらすようになっている。
実際、閉鎖手段24は、第2表面200側に置かれたガスの圧力と同じ大きさで削除されるので、2つの膜の間に作られる良好な接触を妨げない。
さらに、上述の実施例において、温度測定セルは、熱の漏洩が空間16に存在するガスによって確立される閉鎖手段14を備える。
しかしながら、加熱セル2はまた、閉鎖手段24と空間26によってこの機能を実行するように設計される。
同様に、その2つのセルは対称的に設計され、従って、熱漏洩は各セルにおいて均等である。
図2に示す閉鎖手段14,24は、省略できる。この場合、オーブンの熱は、センサの2つの膜の間に設置されたサンプルと基準へ、その膜を介して直接伝達される。
2つの内の少くとも1つが存在すると、一方の外部環境、通常はオーブンと、他方のサンプルおよび基準との間の熱伝導は、これらの手段の少くとも1つと空間16,26の1つにあるガスを介して、かつ、膜を介さずに得られる。これは、ガスを介しての熱伝導が、低熱伝導率の材料で作られた膜を介してのそれよりもはるかに大きいという事実に起因する。
閉鎖手段とガスによって、センサの時定数は、ガスの圧力又は空間16,26の容積、つまり、閉鎖手段と膜10,20間の距離を変更することにより調整可能であるということは、特筆される。各ガスは異なる熱伝導率をもっているので、ガスの性質を適当に選択することによっても、それは調整可能である。
これによって、センサを断熱状態において、温度ランプ(ramp)の値の関数として作動させることが可能になる。
従って、加圧されたガスは2つの機能をもっている。一方では、2つの膜の間にサンプルと基準を包んで十分な熱結合を保証し、他方でセンサの外部環境からサンプルと基準への熱の伝導を助長する。ガスが加圧されないとしても、低熱伝導はガスを通して得られる。熱伝導は、10-5又は10-6mbarのオーダーの圧力を有する、2次的な真空の場合にはもはや生じない。
従って、この発明のセンサにより、サンプルと熱的バス(bath)との間の熱結合は、膜の背後に存在するガスを介して生み出される。これによって、このセンサが、AC熱量測定法によって作動する公知のセンサから識別される。実際、これらのセンサが活性要素を支持する膜を備えるとき、サンプルと熱的バスとの間の熱結合は、この膜を介して確立される。
センサの作動により、1つの同じ膜上に複数の活性要素が存在することにつながる熱的な問題は、も早や生じない。実際、その膜は、サンプルと基準との間の熱結合の確立においても、センサの外部においても、も早や何の役も演じない。
さらに、この発明によるセンサにより、サンプルと基準における温度勾配が回避される。逆に、膜を介して温度勾配が確立されるときには、その膜はその温度勾配をサンプルと基準に課する。
図2は温度測定セルの活性要素12と13の各々を、層121と131に向かい合わせることを示している。この層は、通常1W/cm.Kより大きい高熱伝導率を示す材料で作られる。
使用される材料は、通常、金である。
これらの2つの層121と131は、膜10の表面101上、つまり、活性要素12と13を受け入れる表面100の反対の表面上に設置される。
しかしながら、この発明はこの実施形態に限定されず、高熱伝導率を有する材料で作られたこれらの層はまた、膜20の表面201上にも設けられ、活性要素22と23に向かい合う。そのような層は膜10と20の2つの表面101,201の上にも設けられることが可能である。
この発明による測定センサは次のように用いられる。サンプル3が温度測定セル1の要素121の上に設置され、基準4がセル1の要素131の上に設置される。次に、2つのセルは、例えばセル2を矢印Fに一致するように移動させ、膜20が要素121と131に接触するときにそれらを共に固定することにより、組立てられる。
従って、サンプルと基準は、膜10と20の第2表面101と201に接触する。一方、各セルの活性要素は、サンプルや基準に接触しない。それは活性要素がサンプルや基準から膜10,20によって分離されているからである。膜10,20は厚さが小さいにもかかわらず、サンプルや基準が液体(又は固体)に接触することを防ぐ。
さらに、膜10,20は、サンプル又は基準を支持手段11,21から、またサンプルを基準から熱的に絶縁し、センサの分解能の増大に貢献する。一方、温度測定要素12,13は、対応する加熱要素22,23に良好に熱的に接触する。膜の構成材料が低熱伝導率を示すほどに、膜をさらに熱絶縁性を有するように構成する必要はなく、それらの機械的強度は補強される。従って、膜の厚さは米国特許第6,079,873号に記載されたプラットフォームの厚さより大きい。
図1と2において、温度測定セル1と加熱セル2とを備えるセンサが示されている。しかしながら、そのセンサは、活性加熱要素を有するセル2なしに作動することができる。この場合、サンプルと基準の加熱は、センサの設置が意図されたオーブンによって保証される。加熱がオーブンのみによって保証されると、サンプルと基準の温度は、オーブンによって印加される温度ランプ(ramp)に、或る遅れをもって追随する。しかしながら、加熱がオーブンと加熱セルの両方によって保証されるときには、サンプルと基準の温度はオーブンによって与えられる温度ランプにほとんど即時に追随する。これによってより早い温度ランプを与えることができる。
この発明によるセンサの温度測定セルの製造工程は、図3〜6を参照して説明される。それらはこの発明によるセンサを製造する方法の好ましい実施形態に対応する。
図3は温度測定セルの膜10を示す。
実際、この膜はポリイミドシート、特にカプトン(商標登録)のシートから打ち抜くことによって得られる。
図1に示すように、この膜10は円形である。どのような他の形でも選ぶことが可能であるが、円形は熱的に対称であるという利点を有する。
参照番号11'は、セラミック材料で作られたリングを示す。より一般的には、そのリングは、通常10-5/℃より小さい、非常に低い熱拡散率を示すどのような機械的材料からでも作ることができる。
このリングは特に、コーニング株式会社によって市販されているセラミックであるマコー(商標登録)から作ることができる。
この材料は、高温で用いることができる。それは、平均熱伝導度(λ=1.46W/m/℃)と低熱拡散率(a=7.3×10-7m2/s)を示す。それはまた、低熱拡張率(114×10-7/℃, 20〜600℃)を示し、高温において剛性を維持して変形しないことが可能である。最後に、それは高い化学的慣性を示す。従って、それは、特にセルの活性要素を作成するために実行される微細製造を妨げるものではない。
膜10は、セラミック製のリング11'に接着されるように意図されている。
膜10の第1表面100の上に、図4に示される温度測定セルの活性要素12と13が、次に作成される。
これらの活性要素は、微細電子技術を用いた次の工程によって得られる。
金属の膜が、全てに先んじて、膜10の上に堆積される。
例えば、使用される材料は、マグネトロンスパッタリングによって堆積される白金である。
他の材料が使用可能である。一般的に、高温度係数を示す化学的に安定な材料がこの用途に適している。
好ましくは、いわゆるボンドコートが膜10の上に堆積され、次に白金が堆積される。このボンドコートは特に、タングステンとチタニウム合金から構成できる。クロニウムもまた、完全に適している。
白金の層の厚さは通常、0.36μmであり、ボンドコートの厚さは通常、0.01μmである。
薄い層における白金は、かなり高い温度係数(α=2×10-3-1〜3×10-3-1)を示し、その温度係数は白金に大きい温度感度を与える。これは、この金属が温度計の製造に非常に一般的に用いられる理由である。さらに、その高い化学的慣性は、高温においても非常に大きい時間的安定性を与えるが、それは一般的に熱電対の場合ではない。
次の工程は、白金の層の上に所望のパターンを得ることを可能にするリソグラフィ工程である。このパターンは樹脂の層の堆積によって保護され、硬化される。
最後の工程は、イオンエッチング工程であり、その工程によって、金属層が、パターンによって覆われていない領域において、膜の表面から除去される。
従って、この発明による方法によって、薄膜堆積の1つの同じ工程、1つの同じマイクロホトリソグラフィ工程、および1つの同じエッチング工程を実行することによって、活性要素を製造することが可能になる。従って、それらは同時に製造される。
従って、この製造方法は、それぞれが活性要素を備える2つの独立したセンサを製造することを含む方法に比べて、著しく単純化される。
さらに、活性要素が同じ製造工程によって同時に得られるので、それらはほぼ同一の電気的特性を示す。この同一性は差動測定に不可欠である。
好ましくは、温度測定要素12と13は、円盤の形を取り、膜10の中央部分に設置される。
円盤の形が好ましいのは、それによって温度対称が保証されるからである。しかしながら、他の形を予想することができる。さらに、膜の中央部分に設置されることによって、温度測定要素12,13はリング11に対して実質的に同じように絶縁される。
得られる温度測定要素は、0.652mJ/Kという非常に低い熱容量を示す。
このリソグラフィ工程において、接点17と接点ワイヤ18も作成される。はんだ付け工程は、ワイヤと接点間の電気的接触を保証するために実質的に適用される。
2つの温度測定要素がホイートストーンブリッジ型のスキームによって搭載され、サンプルと基準との間の温度差を直接得ることができる。
この方法の次の工程は、接点17を支持する膜の領域から離れた、膜10の第1表面100の全体に樹脂の層を堆積することを含む。
樹脂のこの層15によって、温度測定要素12と13を電気的に絶縁し、機械的な保護を保証することが可能になる。
この樹脂は特に、焼成工程後に硬化する感光ポリイミドとすることができる。一例として、富士フイルム株式会社によって市販されているポリイミド ポリフジ2210A(商標登録)を挙げることができる。
上述した工程が完了すると、図4に示す製品が得られる。
図5は他の工程を示し、そこでは、各温度測定要素12と13の温度を均一にすることを可能にする要素が膜10の第2表面101の上に作成される。これらの要素121,131は、以下、説明文では等温要素という。
これらの等温要素は、第2表面101の上にマスクを設置し、次に金属層を特にマグネトロンスパッタリングによって堆積することによって得られる。
好ましくは、接着材料、例えばWTiの層が金属層の形成前に堆積される。
マスクは、2つの温度測定要素12,13に対面する2つの等温要素を作成することを可能にする。
使用される金属は、好ましくは、金である。接着材料の厚さは、通常0.01μmで、金の層の厚さは0.5μmである。その時、得られる製品は図5に示される。
従って、このセンサの構成要素の製造工程のすべては、膜がセラミック性のリング上に固定されている間に実行される。
その熱伸長率のため、このリング11'は、高温において剛性を有したままで、変形しない。その結果、膜10は、図3〜5を引用して説明された種々の工程を通して引張ひずみを受けることがない。
これは、もし膜10が銅製リング11に直接固定されていたら、そのような事態にはならないであろう。
図6はこの方法の最終工程を示し、そこでは、銅製リング11は膜10の第1表面100に接着される。
次に、リング11'を除去することができる。
この工程の完了時に、図1と2に示される温度測定セル1が得られる。
従って、この製造方法において、セラミック製のリングを使用することによって、温度測定要素12と13を、ひずみのない状態で製造することができる。さらに、銅製リングが固定された後に、これらの要素は、樹脂15の層の存在によってのみならず、リング11自体によっても保護されるであろう。
この発明による加熱セルの製造工程は、すでに述べた温度測定セルの製造工程と非常に似ている。
従って、加熱セルに関する説明は単純化され、前に説明した方法と比較された相違点のみが強調される。
従って、膜20の第1表面200上に金属層が、特にマグネトロンスパッタリングによって堆積される。
堆積された金属は、銅とニッケルの合金であることが好ましい。80%銅と20%ニッケルの比率を有することによってこの合金は、かなり低い温度係数(1度当たり数百ppm)を示すので、加熱に適した材料となる。
この金属は、膜20の第1表面200に直接堆積することができる。
活性加熱要素22と23はまた、微少フォトリソグラフィ法により得られる。
しかしながら、パターンに属さない金属層部分の除去を含む最終工程は、ウェットエッチング、つまり水溶液の中で化学的な浸触をもたらすことによって得られるエッチングによって実行される。
この合金は、温度の関数としてほとんど変化しない抵抗率を有するという利点を提供し、その温度係数は室温から100度までほぼ1.2×10-4K-1である。結果として、一定の大きさの電流が、広い温度範囲にわたって、ほぼ一定の熱発生パワーに変換される。
この代表的な実施形態において、活性加熱要素22と23の熱容量は、0.648mJ/Kである。
温度測定セル1に結合されたセル2が加熱要素を全く備えないとき、その製造は著しく単純化される。実際、それは、膜の第1表面200の上に支持手段21を固定することによって得られる。
従って、温度測定要素と加熱要素の膜の熱容量は非常に低く、熱の拡散と伝導性を与える。従って、良好な分解能を有するサンプルのサイズを小さくすることができる。さらに、サンプルのサイズはマイクロリットルのオーダーのものであり、温度ランプ(ramp)は重要であり、温度勾配が現われることなく、1分間当り百度程度まで広がることができる。
さらに、注目すべきことは、得られる測定感度は、温度測定要素の温度係数のみならず、それらの分極(polarization)(電圧又は電流)に依存することである。センサの感度は、従って、サンプルの物理化学に適合することができ、現存するセンサにない他の利点をセンサに与える。
一例として、測定感度は、温度計の分極を変えることによって適合することができる。測定すべき著しい変化に対して低い感度が選択され、測定すべき非常に微少な熱的事象に対しては、より大きい感度が、温度計をより強く極性化することによって選択される。勿論、この場合には、温度計によって生成されるパワーは大きくなり、感知領域と支持体との間の温度差が大きくなる。従って、温度計がホイートストーンブリッジ型スキームによって搭載されるとき、ホイートストーンブリッジの強い分極によって、高い感度が1度当りのボルトの表現で与えられる。
逆に、サーモパイル(受動センサ)の場合には、感度は、使用されるカップルの数のみに依存し、センサの製造時にその感度を選択できない。
最後に、活性加熱要素の微小製造の工程において、セラミック材料で作られたリングを使用することによって、膜20をあらゆるひずみから保護することができる。
説明したセンサは、センサが設置されるオーブンと共同して、差動熱量計内で使用できる。
実行されるテストは、この発明によるセンサによって、−20℃と170℃の間の温度範囲内で、0.001と100℃/minの間の温度ランプを得ることが可能になることを示す。
さらに、サンプル又は基準の体積は、0.001と0.01mlの間である。
そのテストはまた、この発明によるセンサが公知の熱量計よりも大きいパワー感度を有することを示す。
これらのテストは、温度が30℃で、センサの2つの膜間と2対の活性要素間に同一のサンプルを設置することから構成される。
各加熱セルは2分間作動され、3つの異なる熱的パワー値(0.01mW,0.3mWおよび1mW)が、1.2;36と120mJの消散エネルギーに対応して消散される。
ブリッジの出力電圧は温度測定要素上で測定され、それは差動測定である。得られる結果は、約2.5mV/mWのセンサのパワー感度につながるが、公知のセンサは100μV/mWのオーダーの感度を示す。
請求項に見られる技術的特徴の後に挿入された参照符号は単に、その理解を助けるためであり、その範囲を限定するものではない。

Claims (13)

  1. 温度測定セル(1)と他のセル(2)の2つのセルを備えた差動熱量測定センサであって、各セルは、
    −第1表面と第2表面を有し、低熱伝導度の材料から作られた膜(10,20)と、
    −高熱拡散係数を示す材料で作られ、膜の第1表面(100,200)に接触する膜用支持手段(11,21)を備え、
    温度測定セル(1)は膜(10)の第1表面(100)の上に設置された少くとも2つの活性温度測定要素(12,13)を備え、2つのセル(1,2)は前記セルの膜の第2表面(101,201)が互いに対面する方法で組立てられるように意図され、測定を実施するために用いられるサンプルと基準が2つの膜の間に、第2表面(101,201)に直接接触して設置可能であり、前記セルの少くとも1つは膜(10,20)の第1表面に対面する閉鎖手段(14,24)を備え、ガス用の自由空間(16,26)が前記閉鎖手段と膜との間に形成されてなるセンサ。
  2. 他のセル(2)は加熱セルであり、少くとも2つの活性加熱要素(22,23)がこの他のセルの膜(20)の第1表面(200)の上に設置され、前記活性加熱要素の各々は前記活性温度測定要素(12,13)の1つと実質的に一列に並べられ、前記2つのセルが一体に組立てられるとき、測定を実行するために用いられるサンプルと基準が2つのセルの各々の2つの活性要素の間に設置可能である請求項1記載のセンサ。
  3. 少くとも1つのセルの膜(10,20)の第2表面(101,201)は、前記少くとも2つの活性要素(12,13;22,23)と向き合い、かつ、高い熱伝導度を示す材料で作られた層(121,131)を備える請求項1又は2記載のセンサ。
  4. 前記支持手段(11,21)は、膜(10,20)の周辺に設置される請求項1〜3のいずれか1つに記載のセンサ。
  5. 各セル(1,2)の活性要素(12,13;22,23)は電気絶縁材料の層(15,25)で覆われる請求項1〜4のいずれか1つに記載のセンサ。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の測定センサを備え、前記センサと冷却手段が配置されたオーブンを設けた差動熱量計。
  7. 低熱伝導度の材料から作られた膜(10)を備える温度測定セルと、他のセルの2つのセルを製造することからなり、少くとも2つの活性要素(12,13)が膜(10)の第1表面(100)の上に同時に製造される工程(a1)と、高熱拡散係数を示す支持手段が膜の第1表面(100)の上に固定される工程(a2)とを備え、他のセルは先の工程(a2)を実行することによって得られ、前記2つのセルは、前記2つのセルの各膜の第2表面が互いに対面するように一体的に組立てられることを意図されている、請求項1〜5のいずれか1つに記載の測定センサを製造する方法。
  8. 工程(a1)の前に、膜がセラミック材料から作られたリング(11')の上に固定され、このリングは膜の第2表面(101)に接触する工程(a0)が実行され、工程(a1)の後に工程(a2)を実行し、次にリング(11')が除去される工程(a3)を実行することからなる請求項7記載の方法。
  9. 他のセルが前の工程(a1)と(a2)を実行することによって得られる加熱セル(2)であり、少くとも2つの活性加熱要素が工程(a1)、可能であれば工程(a0)と(a3)において製造される請求項7又は8に記載の方法。
  10. 工程(a1)の後で、電気絶縁樹脂の層(15,25)を堆積し、2つのセル(1,2)の少くとも1つの活性要素を被覆することからなる補足工程を備える請求項7〜9のいずれか1つに記載の方法。
  11. 工程(a1)の後で、2つのセル(1,2)の少くとも1つの膜(10,20)の第2表面(101,201)の上に、高熱伝導度を示す層(121,131)を堆積し、対応する活性要素(12,13;22,23)と向い合わせる他の補足工程を備える請求項7〜10のいずれか1つに記載の方法。
  12. 温度測定セル(1)の製造のために、工程(a1)は、金属の層の堆積工程(b1)、リソグラフィ工程(b2)、およびイオンエッチング工程(b3)を備える請求項7〜11のいずれか1つに記載の方法。
  13. 加熱セルの製造のために、工程(a1)は、金属の層の堆積の工程(b'1)、リソグラフィ工程(b'2)、およびウェットエッチング工程(b'3)を備える請求項7〜11のいずれか1つに記載の方法。
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