JP2014508119A - 二酸化炭素と水素との反応によってギ酸を製造するための方法 - Google Patents

二酸化炭素と水素との反応によってギ酸を製造するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、水素化反応器(I)内での、周期律表の第8族、第9族または第10族からの元素を含有する触媒、1分子当たり少なくとも12個の炭素分子を含有する第3級アミン、ならびにメタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノールから選択される1つ以上のモノアルコールを含有する極性溶媒の存在下で二酸化炭素(1)と水素(2)との反応によりギ酸を製造するための方法であって、引き続いて熱分解されるギ酸/アミン付加物が中間体として形成され、ギ酸より少なくとも5℃高い沸点を有する第3級アミンが使用され、前記水素化反応器(I)内での反応において、前記反応器から排出物(3)として排出される前記極性溶媒、前記ギ酸/アミン付加物、前記第3級アミンおよび前記触媒を含有する反応混合物が形成される方法に関する。

Description

本発明は、水素化反応器内での、周期律表の第8族、第9族または第10族からの1つの元素を含有する触媒、第3級アミンおよび極性溶媒の存在下で二酸化炭素と水素との反応によるギ酸を製造するための方法であって、ギ酸/アミン付加物が中間体として形成され、これが引き続いて熱分解される方法に関する。
ギ酸および第3級アミンからの付加物は、遊離ギ酸および第3級アミンに熱分解可能なため、ギ酸の製造における中間体として役立つ。
ギ酸は、重要な多方面で使用可能な生成物である。ギ酸は、例えば飼料を製造する際の酸性化のため、保存料として、殺菌剤として、繊維工業および皮革工業における助剤として、航空機ならびに離陸用および着陸用の滑走路からの除氷のためにそれらの塩との混合物として、さらに化学工業における建設用合成石材として使用されている。
ギ酸および第3級アミンからの上述の付加物は、様々なやり方で、例えば(i)第3級アミンとギ酸との直接的反応によって、(ii)第3級アミンの存在下でのギ酸メチルからギ酸への加水分解によって、または(iii)第3級アミンの存在下でのギ酸への一酸化炭素の接触水和もしくは二酸化炭素の水素化によって製造することができる。最後に挙げた二酸化炭素を接触水素化する方法は、二酸化炭素が大量に入手可能であり、その入手源に関して柔軟性があるという特別な長所を有している。
大規模技術的には、特に、アミンの存在下での二酸化炭素の接触水素化が有望であると思われる(W. Leitner, Angewandte Chemie 1995, 107, Seiten 2391 bis 2405;P.G. Jessop, T. Ikariya, R. Noyori, Chemical Reviews 1995, 95, Seiten 259 bis 272)。この場合にギ酸およびアミンから形成される付加物は、ギ酸と、水素化へ再循環可能な使用されたアミンとに熱分解することができる。
この反応のために必要な触媒は、周期律表の第8族、第9族または第10族からの1つ以上の元素、つまりFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Irおよび/またはPtを含んでいる。好ましくは、該触媒は、Ru、Rh、Pd、Os、Irおよび/またはPt、特に好ましくはRu、Rhおよび/またはPd、および極めて特に好ましくはRuを含んでいる。
経済的な方法を可能にするためには、使用される触媒は、以下の2つの理由から、できる限り完全に生成物流から隔離して反応へ再循環されなければならない:
(1)費用のかさむ大量の触媒の消失は極めて高額の追加費用の原因となり、この方法の経済的な操業が妨害されるであろう。
(2)ギ酸/アミン付加物の熱分解においては、触媒がCO2および/またはH2圧の非存在下では逆反応もまた触媒するので、これにより形成されたギ酸の消失がもたらされる可能性があり、したがって触媒はできる限り少量で存在すべきである。
Figure 2014508119
ギ酸の遷移金属触媒性分解は、特に近年詳細に報告されてきた:C. Fellay, N. Yan, P.J. Dyson, G. Laurenczy Chem. Eur. J. 2009, 75, 3752−3760;C. Fellay, P.J. Dyson, G. Laurenczy Angew. Chem. 2008, 120, 4030−4032;B. Loges, A. Boddien, H. Junge, M. Beller Angew. Chem. 2008, 120, 4026−4029;F. Joo ChemSusChem 2008, 1, 805−808;S. Enthaler ChemSusChem 2008, 1, 801−804;S. Fukuzumi, T. Kobayashi, T. Suenobu ChemSusChem 2008, 1, 827−834;A. Boddien, B. Loges, H. Junge, M. Beller ChemSusChem 2008, 1, 751−758。
この場合に使用された触媒は、基本的にはCO2からギ酸への水素化のためにも適合する(P.G. Jessop, T. Ikariya, R. Noyori Chem. Rev. 1995, 95, 259−272;P.G. Jessop, F. Joo, C.C. Tai Coord. Chem. Rev. 2004, 248, 2425−2442;P.G. Jessop, Homogeneous Hydrogenation of Carbon Dioxide, in:The Handbook of Homogeneous Hydrogenation, Hrsg.:J.G. de Vries, C.J. Elsevier, Volume 1, 2007, Wiley−VCH, S. 489−511)。したがって、水素化触媒は、望ましくないギ酸分解を防止するために熱分解の前に分離されなければならない。
国際公開第2008/116.799号パンフレットは、溶液中に懸濁もしくは均質に溶解した第VIII副族(第8族、第9族または第10族)の遷移金属を含有する触媒、少なくとも1つのヒドロキシル基を有する第3級アミンおよび極性溶媒の存在下での二酸化炭素のギ酸および第3級アミンからの付加物への水素化のための方法について開示している。第3級アミン内のヒドロキシル基によって、さもなければ通例使用されるトリエチルアミンに比較して上昇した二酸化炭素溶解性が達成される。好ましい均一系触媒としては、リンをベースとする一座リガンドLを有するRuH24およびリンをベースとする二座リガンドLLを有するRuH2(LL)2、および特に好ましくはRuH2[P(C6534が挙げられている。極性溶媒としては、標準圧におけるそれらの沸点がギ酸の沸点より少なくとも5℃高いアルコール、エーテル、スルホラン、ジメチルスルホキシドおよびアミドが挙げられている。さらに好ましくは使用する第3級アミンは、ギ酸の沸点より高い沸点を有する。相分離が決して発生しないので、全ての反応排出物の後処理は、場合によっては事前の触媒の分離後に蒸留によって実施されるが、このときギ酸および第3級アミンから形成される付加物は熱分解され、放出されるギ酸は頂部生成物として得られる。第3級アミン、極性溶媒および場合によっては触媒を含む底部生成物は、水素化段階のために再循環される。
この方法の短所は、場合によっては別個の方法工程、例えば抽出工程、吸着工程または限外濾過工程による均一系触媒の直列の特別な分離後の熱分解および蒸留のための装置内への全液状反応排出物の供給である。その結果として、熱分解および蒸留のための装置は相当に高い液体負荷に関しても特異的な分離特性に関してもより大きく複雑に構築しなければならず、これは特に(例えば、技術能力、材料、面積需要による)投資コストに現れる。さらに、相当に高い液体負荷もまた相当に高いエネルギー需要を引き起こす。
それでも二酸化炭素のギ酸への接触水素化についての基本的な研究は、1970年代および1980年代には既に実施されていた。欧州特許第0095321(A)号明細書、同第0151510(A)号明細書および同第0181078(A)号明細書におけるBP Chemicals社から出願された特許もまたその表れであると理解することができよう。これら全3件の文献は、第VIII副族(第8族、第9族または第10族)の遷移金属を含有する均一系触媒、第3級アミンおよび極性溶媒の存在下で二酸化炭素のギ酸および第3級アミンからの付加物へ水素化について記載している。好ましい均一系触媒として、欧州特許第0095321(A)号明細書および同第0181078(A)号明細書に各々ルテニウムをベースとするカルボニル、ハロゲン化物および/またはトリフェニルホスフィンを含有する錯体触媒、ならびに欧州特許第0151510(A)号明細書にロジウム/ホスフィン錯体が挙げられている。好ましい第3級アミンは、C1−C10−トリアルキルアミン、特に短鎖C1−C4−トリアルキルアミン、ならびに環状および/または架橋アミン、例えば1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ピリジンもしくはピコリンである。水素化は、6MPa(60bar)までの二酸化炭素部分圧、25MPa(250bar)までの水素部分圧およびほぼ室温〜200℃までの温度で実施される。
欧州特許第0095321(A)号明細書および同第0151510(A)号明細書は、極性溶媒としてのアルコールの使用について教示している。だが第1級アルコールはギ酸エステル(有機ギ酸塩)を形成する傾向があるので、第2級アルコール、特にイソプロパノールが好ましい。さらに、水の存在が有益であると記載されている。欧州特許第0095321(A)号明細書の実施例によると、反応排出物の後処理は直後に続く2工程の蒸留によって実施されるが、このとき第1工程には低沸点アルコール、水、第3級アルコールが、および第2工程には真空条件下でギ酸および第3級アミンからの付加物が頂部を経由して分離される。欧州特許第0151510(A)号明細書は、同様に、だが欧州特許第0126524(A)号明細書を参照して、遊離ギ酸を製出するための後に続く熱分解を達成するため、場合によっては最初に可能にするために、蒸留により分離される付加物中の第3級アミンの後に続くそれらの熱分解の前の低揮発性弱窒素塩基による交換を伴う蒸留による後処理について教示している。
欧州特許第0181078(A)号明細書は、同時に満たされなければならない下記の3つの本質的基準に基づく極性溶媒の適切な選択について教示している:
(i)該均一系触媒は、極性溶媒中に可溶性でなければならない;
(ii)該極性溶媒は、水素化に有害な影響を及ぼしてはならない;および
(iii)ギ酸および第3級アミンから形成される該付加物は、該極性溶媒から容易に分離可能でなければならない。
特に適切な極性溶媒として、様々なグリコールおよびフェニルプロパンが挙げられている。
欧州特許第0181078(A)号明細書の教示にしたがった反応排出物の後処理は、まず蒸発器内で気体状成分(特に未反応の出発物質である水素および二酸化炭素)が頂部を経由して、および極性溶媒中に溶解した均一系触媒が底部を経由して分離され、水素化工程に再循環される。ギ酸および第3級アミンからの付加物を含有する残りの液相から、その後に引き続いて遊離第3級アミンおよび場合によっては水がギ酸および第3級アミンからの付加物から分離され、該遊離アミンおよび場合によっては水を含有する該液相の残りの部分が水素化工程に再循環される。この分離は、蒸留または2相系の相分離(デカンテーション)によって実施することができる。
欧州特許第0181078(A)号明細書からのまた別の本質的教示は、遊離ギ酸を製出するための後に続く熱分解を達成するため、場合によっては最初に可能にするために、それらの熱分解の前の分離される付加物中の第3級アミンの低揮発性弱窒素塩基による強制的交換について教示している。特に適切な弱窒素塩基としては、イミダゾール誘導体、例えば1−n−ブチルイミダゾールが挙げられている。
欧州特許第0181078(A)号明細書に記載の方法の不都合は、
(i)蒸発器内での気体状成分ならびに均一系触媒および極性溶媒の分離および水素化工程への再循環;
(ii)蒸留塔または相分離装置内でのギ酸および第3級アミンからの付加物の分離および水素化工程への残りの液体流の再循環;
(iii)上に載せられた蒸留塔を装備した反応容器内でのギ酸および第3級アミンからの付加物内の第3級アミンの低揮発性弱窒素塩基による交換および遊離した第3級アミンの水素化工程への再循環;および
(iv)ギ酸および弱窒素塩基からの付加物の熱分解ならびに遊離した弱窒素塩基の塩基交換工程への再循環による反応排出物の費用が非常に高い4工程による後処理にある。
欧州特許第0181078(A)号明細書に記載の方法ならびに同第0095321(A)号明細書および同第0151510(A)号明細書に記載の方法に関するまた別の本質的短所は、蒸発器内での後処理における均一系触媒の存在下でのギ酸および第3級アミンからの付加物が一部は二酸化炭素および水素に逆分離されるという事実にある。そこで欧州特許第0329337(A)号明細書では、この問題の解決策として均一系触媒を可逆的に阻止する分解阻害剤の添加が提案されている。好ましい分解阻害剤としては、一酸化炭素および酸化剤が挙げられている。だがこの方法は、全方法へまた別の物質が導入される点、およびこの新たな使用の前に阻害された均一系触媒を再び活性化させる必要がある点で不都合がある。
欧州特許第0357243(A)号明細書もまた同第0181078(A)号明細書に記載の方法に記載のギ酸および第3級アミンからの付加物の部分的逆分離の短所に、蒸発器内の反応排出物の共通の後処理によって対応している。欧州特許第0357243(A)号明細書で提案された方法は、二酸化炭素のギ酸および第3級アミンからの付加物への接触水素化における第VIII副族(第8族、第9族または第10族)の遷移金属を含有する均一系触媒、第3級アミンおよび2種の異なる溶媒、つまり非極性および極性の、2つの非混和性液層を形成する各々不活性の溶媒の使用について教示している。非極性溶媒としては、脂肪族および芳香族炭化水素、さらに脂肪族および/または芳香族炭化水素残基を有するホスフィンが挙げられている。極性溶媒としては、水、グリセリン、アルコール、ポリオール、スルホランまたはそれらの混合物が挙げられており、水が好ましい。非極性溶媒中では、該均一系触媒、極性溶媒中ではギ酸および第3級アミンからの付加物が溶解する。この反応の終了後、2つの液相は、例えばデカンテーションによって分離され、該均一系触媒および非極性溶媒を含有する非極性相は水素化工程へ再循環される。ギ酸および第3級アミンからの付加物および該極性溶媒を含有する極性相は、その後遊離ギ酸を製出するための後に続く熱分解を達成するため、場合によっては最初に可能にするために、それらの熱分解の前の分離される付加物中の第3級アミンの低揮発性弱窒素塩基による強制的交換を受ける。同様に欧州特許第0181078(A)号明細書もイミダゾール誘導体、例えば1−n−ブチルイミダゾールを特に適切な弱窒素塩基として挙げている。
欧州特許第0357243(A)号明細書に記載の方法の短所は、
(i)両方の液相の分離ならびに均一系触媒および非極性溶媒を含有する相の水素化工程への再循環;
(ii)上に載せられた蒸留塔を装備した反応容器内でのまた別の相内のギ酸および第3級アミンからの付加物内の第3級アミンの低揮発性弱窒素塩基による交換および遊離した第3級アミンの水素化工程への再循環;および
(iii)ギ酸および弱窒素塩基からの付加物の熱分解および塩基交換工程への遊離した弱窒素塩基の再循環による反応排出物の極めて費用のかかる3工程による後処理にある。
欧州特許第0357243(A)号明細書に記載の方法についてのまた別の短所は、2つの溶媒の使用およびそれに伴う全方法内へのまた別の物質の導入にある。
または、欧州特許第0357243(A)号明細書は、溶媒を1つだけ使用する可能性を開示している。この場合には、さもなければギ酸および第3級アミンからの付加物が溶解されるであろう極性溶媒の添加が行われない。この場合に使用される唯一の溶媒は、その中に均一系触媒が溶解される非極性溶媒である。だがこの代替法においても、極めて費用のかかる、3工程の後処理が上述したように短所である。
独国特許第4431233(A)号明細書は、同様に第VIII副族(第8族、第9族または第10族)の遷移金属を含む触媒、第3級アミンならびに極性溶媒および水の存在下での二酸化炭素のギ酸および第3級アミンからの付加物への水素化について記載しているが、この場合、該触媒は不均一系で存在し、活性成分が不活性担体上へ供給される。好ましい第3級アミンは、C1−C8−トリアルキルアミン、2〜5個のアミノ基を有するポリアミン、芳香族窒素複素環、例えばピリジンもしくはN−メチルイミダゾール、ならびに環状および/または架橋アミン、例えばN−メチルピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エンもしくは1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンである。適切な極性溶媒としては、低沸点C1−C4−モノアルコールが挙げられており、この場合は欧州特許第0095321(A)号明細書と同様、第2級アルコールが好ましい。水素化は、4〜20MPa(40〜200bar)の全圧および50〜200℃の温度で実施される。ギ酸および第3級アミンから形成された付加物の後処理については、独国特許第4431233(A)号明細書は、欧州特許第0357243(A)号明細書において開示されたギ酸および第3級アミンからの付加物内での該第3級アミンの低揮発性弱窒素塩基による交換下での後処理を明示的に参照して、公知の方法の使用について教示している。欧州特許第0357243(A)号明細書に記載の方法と同様、独国特許第4431233(A)号明細書に記載の方法においても反応排出物の費用が非常に高い3工程の後処理は不都合である。
本発明の課題は、二酸化炭素の水素化によってギ酸を製造する方法であって、現行技術の上述の短所を全く、または顕著に低い程度にしか示さない、ならびに濃ギ酸を高収量および高純度で生じさせる方法を利用可能にすることであった。さらに本方法は、単純な、または少なくとも現行技術に記載されているより単純な方法実施、特に水素化反応器からの排出物の後処理のためのより単純な方法概念、より単純な方法工程、より小数の方法工程もしくはより単純な装置を可能にするはずである。さらに、本方法は、できる限り少ないエネルギー需要で実施できなければならない。特に、これまでは不十分にしか解決されなかった触媒の再循環の問題に対して、同時に水素化触媒の高い活性を保証する効率的な解決策が提案されている。
水素化反応器からの排出物の後処理は、特に追加の助剤を使用せずに該方法内に既に存在する物質だけを使用して実施されるが、これらの物質は、本方法において完全または十分完全にリサイクルされる。
この課題は、水素化反応器(I)内で、
− 周期律表の第8族、第9族または第10族からの1つの元素を含有する触媒、
− 1分子当たり少なくとも12個の炭素原子を含有する第3級アミン、ならびに
− メタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノールから選択された1つ以上のモノアルコールを含有する極性溶媒の存在下で二酸化炭素(1)と水素(2)とを反応させて、中間体としてギ酸/アミン付加物を形成させ、それを引き続き熱分解させることによってギ酸を製造するための方法であって、
ギ酸より少なくとも5℃高い沸点を有する第3級アミンが使用され、および
該水素化反応器(I)内での反応において該極性溶媒、該ギ酸/アミン付加物、該第3級アミンおよび該触媒を含有する、該反応器から排出物(3)として排出される反応混合物が形成される前記方法において、
該水素化反応器(I)からの該排出物(3)は、場合によっては水の添加後に、抽出装置(II)内に直接的に供給され、該排出物(3)の後処理は以下の方法工程:
1)抽出装置(II)における水素化反応器(I)からの該排出物(3)から該触媒を抽出する工程であって、抽出剤として該水素化で使用されたものと同一の第3級アミンが使用され、該第3級アミンおよび該触媒の主要部分を含有している抽出物(4)が得られて該水素化反応器(I)内へリサイクルされ、ならびに該極性溶媒および該ギ酸/アミン付加物の主要部分を含有しているラフィネート(5)が得られて蒸留装置(III)へ転送される工程、
2)蒸留を実施する工程であって、主として該極性溶媒を含有している頂部流れ(6)が得られて該水素化反応器(I)内へリサイクルされ、ならびに主として該ギ酸/アミン付加物および該第3級アミンを含有する底部流れ(7)が得られる工程
を含み、かつ前記底部流れは、方法工程にしたがって
3)相分離容器(IV)に供給され、その中で
a)相分離が実施されて、該触媒のための抽出剤として該抽出装置(II)内への流れ(11)としてリサイクルされる該第3級アミンを主として含有する上相、および熱分解装置(V)へ流れ(8)として供給される該ギ酸/アミン付加物を主として含有する下相が得られ、
b)熱分解が実施されて、該相分離容器(IV)内へ再循環される該第3級アミンを含有する流れ(9)および該ギ酸を含有する流れ(10)が得られるか、
または方法工程にしたがって
4)熱分解装置(V)に供給され、その中で
a)熱分解が実施されて、該ギ酸を含有する流れ(10)ならびに相分離容器(IV)に供給される該第3級アミンおよび該ギ酸/アミン付加物を含有する流れ(9)が得られ、
b)相分離が実施されて、該触媒のための抽出剤として該抽出装置(II)内への流れ(11)としてリサイクルされる該第3級アミンを主として含有する上相、および熱分解装置(V)へ流れ(8)として供給される該ギ酸/アミン付加物を主として含有する下相が得られることを特徴とする方法によって解決される。
本発明の一実施形態では、相分離容器(IV)からの該第3級アミンを含有する流れ(11)の部分流れだけが抽出装置(II)内へ触媒のための選択的抽出剤として誘導され、該第3級アミンを含有する流れの残りの部分は該水素化反応器(I)内へ直接誘導される。
本発明の範囲内での「抽出装置(II)に直接供給される」は、水素化反応器(I)からの排出物(3)が、場合によっては水の添加後に、それ以上の後処理工程を伴わずに抽出装置(II)へ供給されることを意味する。
そこで本発明による方法は、一実施形態において方法工程1)、2)および3)を含んでいる。また別の一実施形態では、本発明による方法は、工程1、2)および4)を含んでいる。
本発明による方法において二酸化炭素の水素化において使用する触媒は、好ましくは均一系触媒である。これは、周期律表(IUPACによる)の第8族、第9族または第10族からの1つの元素、つまりFe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Irおよび/またはPtを含んでいる。好ましくは、該触媒は、Ru、Rh、Pd、Os、Irおよび/またはPt、特に好ましくはRu、Rhおよび/またはPd、および極めて特に好ましくはRuを含んでいる。
上述の元素は、反応混合物中に均質に溶解した錯体様化合物の形態で存在する。該均一系触媒は、このとき同一液相(B)内で該第3級アミンと一緒に濃縮されるように選択しなければならない。「濃縮される」は、このとき該均一系の分配係数
P=[液相(B)内の均一系触媒の濃度]/[液相(A)内の均一系触媒の濃度]
が>1であると理解することができる。該均一系触媒の選択は単純な試験によって実施され、一般に、望ましい均一系触媒の分配係数は計画された方法条件下で実験により決定される。
液相(A)は、このとき方法工程2)におけるラフィネートである。
第3級アミンへのそれらの優れた溶解性のために、本発明による方法では、均一系触媒としては周期律表の第8族、第9族または第10族からの1つの元素および1〜12個の炭素原子を有する非分枝状もしくは分枝状、非環式もしくは環式の少なくとも1つの脂肪族残基を有する少なくとも1つのホスフィン基を有する錯化合物が使用され、個々の炭化水素原子は>P−と置換されてよい。したがって分枝状環式の脂肪族残基の意味には、例えば−CH2−C611のような残基もまた含まれている。適切な残基としては、例えば、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、1−(2−メチル)プロピル、2−(2−メチル)プロピル、1−ペンチル、1−ヘキシル、1−ヘプチル、1−オクチル、1−ノニル、1−デシル、1−ウンデシル、1−ドデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、1−(2−メチル)−ペンチル1−(2−エチル)−ヘキシル、1−(2−プロピル)ヘプチルおよびノルボニルが挙げられる。好ましくは、非分枝状もしくは分枝状の非環式もしくは環式の脂肪族残基は、少なくとも1から好ましくは最大10個までの炭素原子を含有している。環式残基だけの場合、上述の意味では炭化水素の数は3〜12個、好ましくは少なくとも4個ならびに好ましくは最大8個の炭素原子になる。好ましい残基は、エチル、1−ブチル、sec−ブチル、1−オクチルおよびシクロヘキシルである。
ホスフィン基は、1、2または3つの上述の非分枝状もしくは分枝状の、非環式もしくは環式の脂肪族残基を含有していてよい。これらは、同一であっても相違していてもよい。好ましくは、該ホスフィン基は、3つの上述の非分枝状もしくは分枝状の、非環式もしくは環式の脂肪族残基を含有しているが、特に好ましくは全3つの残基が同一である。好ましいホスフィンは、P(n−Cn2n+13(式中、nは1〜10に等しい)、特に好ましくはトリ−n−ブチルホスフィン、トリ−n−オクチルホスフィンおよび1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタンである。
さらに既に上記で述べたように、上記の非分枝状もしくは分枝状の非環式もしくは環式の脂肪族残基内では、個々の炭素原子は>P−と置換されてよい。したがって、多座の、例えば二座または三座のホスフィン−リガンドも含まれている。これは、好ましくは構造
Figure 2014508119
を含んでいる。
該ホスフィン基は、上述した非分枝状もしくは分枝状の非環式もしくは環式の脂肪族残基とはまた別の残基を含有しているので、一般には、さらに通例は錯体触媒のためのホスフィンリガンドにおいて使用される残基と一致する。例としては、フェニル、トリルおよびキシリルを挙げることができよう。
錯化合物は、少なくとも1つの非分枝状もしくは分枝状の非環式もしくは環式の脂肪族残基を有する1つ以上、例えば2、3または4つの上述のホスフィン基を有することができる。該錯体の残りのリガンドは、様々な性質であってよい。典型的な例としては、水素化物、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、カルボン酸塩、アセチルアセトナート、カルボニル、DMSO、水酸化物、トリアルキルアミン、アルコキシドを挙げることができよう。
該均一系触媒は、それらの活性形で直接的にも、または通例の標準錯体、例えば[M(p−シメン)Cl22、[M(ベンゾール)Cl2n、[M(COD)(アリル)]、[MCl3×H2O]、[M(アセチルアセトナート)3]、[M(DMSO)4Cl2](式中、Mは周期律表の第8族、第9族または第10族からの1つの元素に等しい)から場合によっては適切なホスフィンリガンドの添加後に初めて反応条件下で発生させることもできる。
本発明による方法では、好ましい均一系触媒は、[Ru(PnBu34(H)2]、[Ru(Pnオクチル34(H)2]、[Ru(PnBu32(1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン)(H)2]、[Ru(Pnオクチル32(1,2−ビス(ジシクロヘキシルホスフィノ)エタン)(H)2]、[Ru(PEt34(H)2]である。これらを用いると二酸化炭素の水素化において、1000h−1超のTOF値(ターンオーバー頻度)を達成することができる。
均一系触媒を使用した場合は、金属有機錯体中で使用される上述の金属成分の量は、水素化反応器内の全液体反応混合物に基づいて、一般には0.1〜5,000質量ppm、好ましくは1〜800質量ppmおよび特に好ましくは5〜800質量ppmである。
該均一系触媒の分配係数は、該アミン相およびギ酸/アミン付加物を含有する生成物相内のルテニウムの量に基づき、水素化後には0.5超、好ましくは1.0超、および特に好ましくは4超のPの範囲内にある。
本発明による方法において二酸化炭素の水素化において使用する第3級アミンは、ギ酸より少なくとも5℃高い沸点を有する。このとき、通例と同様、化合物の沸点の相対状況を記載する場合は、そのつど同一の圧力に一緒に合わせなければならない。第3級アミンは、このとき上相内の第3級アミンが水素化反応器内で濃縮されて存在するように選択され、極性溶媒を用いて調整される。「濃縮されて」は、重量部が、遊離の、つまり該上相内のギ酸/アミン付加物の形態に結合されていない第3級アミンが2つの液相内の遊離の第3級アミンの総量に基づいて>50%であると理解することができる。好ましくは、重量部は>90%である。該第3級アミンの選択は、一般に、2つの液相内の望ましい第3級アミンの溶解度が計画された方法条件下で実験により決定される単純な試験によって実施される。上相は、さらに極性溶媒ならびに非極性不活性溶媒の部分も含有することができる。
好ましくは、使用する第3級アミンは、ギ酸より少なくとも10℃、特に好ましくは少なくとも50℃および特に好ましくは少なくとも100℃高い沸点を有する。沸点についての上限値に関しての制限は必要ではないが、それは本発明による方法のためには該第3級アミンのできる限り低い蒸気圧が好都合であるからである。一般に、該第3級アミンの沸点は、1つの、場合によっては真空の公知の方法にしたがって絶対圧で1,013hPaの最終計算圧力で500℃より下にある。
本発明による方法では、好ましくは、使用する第3級アミンは、一般式(Ia):
NR123 (Ia)、
[式中、残基R1〜R3は、同一または相違しており、互いに独立して、各々1〜16個の炭素原子、好ましくは1〜12個の炭素原子を有する非分枝状もしくは分枝状の非環式もしくは環式の脂肪族、芳香脂肪族もしくは芳香族残基を表しており、個々の炭素原子は互いに独立して−O−および>N−基から選択されたヘテロ基で置換されてよく、かつ前記の2個もしくは全3個の残基は少なくともそのつど4個の原子を含む鎖を形成して相互に結合されてもよい]の1分子当たり少なくとも12個の炭素原子を含有するアミンである。
適切なアミンとしては、例えば:
・ トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリ−n−ウンデシルアミン、トリ−n−ドデシルアミン、トリ−n−トリデシルアミン、トリ−n−テトラデシルアミン、トリ−n−ペンタデシルアミン、トリ−n−ヘキサデシルアミン、トリ(2−エチルヘキシル)アミン、
・ ジメチルデシルアミン、ジメチルドデシルアミン、ジメチルテトラデシルアミン、エチル−ジ−(2−プロピル)アミン(Sdp1013hpa=127℃)、ジオクチル−メチルアミン、ジヘキシルメチルアミン、
・ トリシクロペンチルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリシクロヘプチルアミン、トリシクロオクチルアミンおよびそれらの1つ以上のメチル−、エチル−、1−プロピル−、2−プロピル−、1−ブチル−、2−ブチルまたは2−メチル−2−プロピル基で置換された誘導体、
・ ジメチル−シクロヘキシルアミン、メチル−ジシクロヘキシルアミン、ジエチル−シクロヘキシルアミン、エチルジシクロヘキシルアミン、ジメチル−シクロペンチルアミン、メチル−ジシクロペンチルアミン、
・ トリフェニルアミン、メチル−ジフェニルアミン、エチル−ジフェニルアミン、プロピル−ジフェニルアミン、ブチル−ジフェニルアミン、2−エチル−ヘキシル−ジフェニルアミン、ジメチル−フェニルアミン、ジエチル−フェニルアミン、ジプロピル−フェニルアミン、ジブチル−フェニルアミン、ビス(2−エチル−ヘキシル)−フェニルアミン、トリベンジルアミン、メチル−ジベンジルアミン、エチル−ジベンジルアミンおよびそれらの1つ以上のメチル−、エチル−、1−プロピル−、2−プロピル−、1−ブチル−、2−ブチルもしくは2−メチル−2−プロピル基で置換された誘導体、
・ N−C1−ビス−C12−アルキル−ピペリジン、N,N−ジ−C1−ビス−C12−アルキル−ピペラジン、N−C1−ビス−C12−アルキルピロリジン、N−C1−ビス−C12−アルキル−イミダゾールおよびそれらの1つ以上のメチル−、エチル−、1−プロピル−、2−プロピル−、1−ブチル−、2−ブチルもしくは2−メチル−2−プロピル基によって置換された誘導体、
・ 1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(「DBU」)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(「DABCO」)、N−メチル−8−アザビシクロ[3.2.1]オクタン(「トロパン」)、N−メチル−9−アザビシクロ[3.3.1]ノナン(「グラナタン」)、1−アザビシクロ[2.2.2]オクタン(「キヌクリジン」)を挙げることができよう。
本発明による方法では、当然ながら任意の数の様々な第3級アミンの混合物も使用することができる。
特に好ましくは、本発明による方法では、第3級アミンとして一般式(Ia)で示され、その式中、残基R1〜R3が、互いに独立して、C1−C12−アルキル、C5−C8−シクロアルキル、ベンジルおよびフェニル基の群から選択されるアミンが使用される。
特に好ましくは、本発明による方法では、第3級アミンとして、飽和アミン、つまり単一結合だけを含有する一般式(Ia)のアミンが使用される。
極めて特に好ましくは、本発明による方法では、第3級アミンとして一般式(Ia)[式中、残基R1〜R3は、互いに独立して、C5−C8−アルキル、特にトリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、ジオクチル−メチルアミンおよびジメチルデシルアミンの群から選択される]のアミンが使用される。
特別には、第3級アミンとして、一般式(Ia)で示され、その式中、残基R1〜R3が、互いに独立して、C5−およびC6−アルキルから選択されるアミンが使用される。
好ましくは、本発明による方法における第3級アミンは、全ての方法工程において液状で存在する。だがこれは、強制的な必要ではない。該第3級アミンは少なくとも適切な溶媒中に溶解していれば、十分であろう。適切な溶媒は、基本的には、二酸化炭素の水素化ならびに、付加物の熱分解に関して化学的に不活性であり、その中で該第3級アミン、および均一系触媒が使用される場合はこれも良好に溶解しているが、逆に極性溶媒ならびにギ酸/アミン付加物は不良にしか溶解していないような溶媒である。そこで基本的には、化学的に不活性の非極性溶媒、例えば脂肪族、芳香族もしくは芳香脂肪族炭化水素、例えばオクタンおよび高級アルカン、トルオール、キシロールが考慮の対象になる。
本発明による方法において二酸化炭素の水素化において使用する極性溶媒は、同一圧力でギ酸/アミン付加物を分離させるための必要とされる温度より少なくとも5℃低い沸点を有する。該極性溶媒は、このとき該極性溶媒が下相において濃縮されて存在するよう該第3級アミンを用いて調整できるように選択しなければならない。「濃縮された」は、上相内の極性溶媒の重量部が2つの液相内の極性溶媒の総量に基づいて>50%であると理解すべきである。好ましくは、該重量部は>70%である。該極性溶媒の選択は、一般に、2つの液相内の望ましい極性溶媒の溶解度が計画された方法条件下で実験により決定される単純な試験によって実施される。
極性溶媒には、純粋極性溶媒も相違する極性溶媒の混合物も、該溶媒に対して設定された沸点および相挙動に関する上述の条件が該当する限り含まれる。
好ましくは、使用する極性溶媒は、同一圧力で必要とされる温度においてギ酸/アミン付加物を分離させるための沸点より少なくとも10℃、特に好ましくは少なくとも50℃低い沸点を有する。溶媒混合物では、使用された溶媒混合物ないしは共沸混合物もしくはヘテロ共沸混合物の沸点は、同一圧力でギ酸/アミン付加物を分離させるために必要とされる温度より少なくとも10℃、特に好ましくは少なくとも50℃低い。
極性溶媒として適合する物質クラスとしては、特にアルコールならびにそれらのギ酸エステルおよび水が考慮の対象となる。アルコールは、該アルコールのギ酸を用いたエステル化をできる限り少なく維持するために、同一圧力で該ギ酸/アミン付加物を分離するために必要とされる温度より少なくとも10℃、特に好ましくは少なくとも50℃低い沸点を有する。
適切なアルコールとしては、水との混合物中でトリアルキルアンモニウムホルメートが好ましくは溶解し、この生成物相が遊離トリアルキルアミンを含む混合間隙を示すアルコールが挙げられる。適切なアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、2−メトキシエタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノールを挙げることができよう。極性溶媒としては、1つ以上のアルコールおよび水からの混合物も使用することができる。本発明の一実施形態では、極性溶媒としてメタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノールから選択される1つ以上のモノアルコールと水からの混合物が使用される。また別の一実施形態では、極性溶媒として、メタノールおよび/またはエタノールと水からの混合物が使用される。アルコール対水の比率は、トリアルキルアンモニウムホルメートおよびトリアルキルアミンとともに、該トリアルキルアンモニウムホルメートの大部分、水ならびに極性溶媒が下相に存在する2相の混合物が形成されるように選択しなければならないが、その比率は、一般には2つの液相中での望ましい極性溶媒混合物の溶解度が計画された方法条件下で実験によって決定される単純な試験によって決定される。
本発明による方法において使用する極性溶媒もしくは溶媒混合物対使用される第3級アミンのモル比は、一般には、0.5〜30、および好ましくは1〜20である。
本発明の一実施形態では、水素化反応器(I)からの排出物(3)には抽出装置(II)へ供給される前に水が加えられる。
そこで本発明の目的は、さらに水素化反応器(I)内での
− 周期律表の第8族、第9族または第10族からの1つの元素を含有する触媒、
− 1分子当たり少なくとも12個の炭素原子を含有する第3級アミン、ならびに
− メタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノールから選択された1つ以上のモノアルコールを含有する極性溶媒の存在下での二酸化炭素(1)と水素(2)との反応によってギ酸を製造するための方法であって、
引き続いて熱分解される中間体としてのギ酸/アミン付加物が形成される、
ギ酸より少なくとも5℃高い沸点を有する第3級アミンが使用され、および
該水素化反応器(I)内での反応において該極性溶媒、該ギ酸/アミン付加物、該第3級アミンおよび該触媒を含有する、該反応器から排出物(3)として排出される反応混合物が形成され、
該水素化反応器(I)からの該排出物(3)は、水の添加後に、直接的に抽出装置(II)内に供給され、該排出物(3)の後処理は以下の方法工程:
1)抽出装置(II)における水素化反応器(I)からの該排出物(3)から該触媒を抽出する工程であって、抽出剤として該水素化で使用されたものと同一の第3級アミンが使用され、該第3級アミンおよび該触媒の主要部分を含有している抽出物(4)が得られて該水素化反応器(I)内へリサイクルされ、ならびに該極性溶媒および該ギ酸/アミン付加物の主要部分を含有しているラフィネート(5)が得られて蒸留装置(III)へ転送される工程、
2)蒸留を実施する工程であって、主として該極性溶媒を含有している頂部流れ(6)が得られて該水素化反応器(I)内へリサイクルされ、ならびに主として該ギ酸/アミン付加物および該第3級アミンを含有する底部流れ(7)が得られる工程
を含み、かつ前記底部流れは、方法工程にしたがって
3)相分離容器(IV)に供給され、その中で
a)相分離が実施されて、該触媒のための抽出剤として該抽出装置(II)内への流れ(11)としてリサイクルされる該第3級アミンを主として含有する上相、および熱分解装置(V)へ流れ(8)として供給される該ギ酸/アミン付加物を主として含有する下相が得られ、
b)熱分解が実施されて、該相分離容器(IV)内へ再循環される該第3級アミンを含有する流れ(9)および該ギ酸を含有する流れ(10)が得られる工程、
または方法工程にしたがって
4)熱分解装置(V)に供給され、その中で
a)熱分解が実施されて、該ギ酸を含有する流れ(10)ならびに相分離容器(IV)に供給される該第3級アミンおよび該ギ酸/アミン付加物を含有する流れ(9)が得られ、
b)相分離が実施されて、該触媒のための抽出剤として該抽出装置(II)内への流れ(11)としてリサイクルされる該第3級アミンを主として含有する上相、および熱分解装置(V)へ流れ(8)として供給される該ギ酸/アミン付加物を主として含有する下相が得られる工程を含むことを特徴とする方法である。
実施された水素化後の水の添加は、該触媒の分配係数が水素化によって該アミン相内での同一物の濃縮にとって好都合に改良され、それによって該水素化活性を減少させることなく該触媒の効率的再循環を可能にするような作用を有する。水素化排出物は、各々使用された極性溶媒およびギ酸/アミン付加物の濃度にしたがって1相または2相であってよいが、このとき水の添加によって生成物相(ラフィネート相)内の該ギ酸/アミン付加物は濃縮される。好ましくは、極めて多量の水が添加されるので、ラフィネート(5)の含水量は該抽出装置(II)からのラフィネート(5)の全質量に基づいて0.1〜50質量%になり、特に好ましくは該抽出装置(II)からのラフィネート(5)の全質量に基づいて2〜30質量%になる。供給する水は、その中で該極性溶媒の最大部分ならびにラフィネート(5)からの水が分離される蒸留装置(III)からであってよい、および/または該工程に新しく供給される水であってもよい。この水は、該排出物(3)が取り出される場合には、該排出物の該水素化反応器からの正常圧への減圧後でも同一物の減圧前でも添加することができる。
本発明のまた別の一実施形態では、水素化反応器(I)からの排出物(3)には水が添加されない。そこで本発明の目的は、さらに水素化反応器(I)内での
− 周期律表の第8族、第9族または第10族からの1つの元素を含有する触媒、
− 1分子当たり少なくとも12個の炭素原子を含有する第3級アミン、ならびに
− メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールから選択された1つ以上のモノアルコールおよび水を含有する極性溶媒の存在下での二酸化炭素(1)と水素(2)との反応によってギ酸を製造するための方法であって、
引き続いて熱分解される中間体としてのギ酸/アミン付加物が形成される、
ギ酸より少なくとも5℃高い沸点を有する第3級アミンが使用され、および
該水素化反応器(I)内での反応において該極性溶媒、該ギ酸/アミン付加物、該第3級アミンおよび該触媒を含有する、該反応器から排出物(3)として排出される反応混合物が形成され、
該水素化反応器(I)からの該排出物(3)は、直接的に抽出装置(II)内に供給され、該排出物(3)の後処理は以下の方法工程:
1)抽出装置(II)における水素化反応器(I)からの該排出物(3)から該触媒を抽出する工程であって、抽出剤として該水素化で使用されたものと同一の第3級アミンが使用され、該第3級アミンおよび該触媒の主要部分を含有している抽出物(4)が得られて該水素化反応器(I)内へリサイクルされ、ならびに該極性溶媒および該ギ酸/アミン付加物の主要部分を含有しているラフィネート(5)が得られて蒸留装置(III)へ転送される工程、
2)蒸留を実施する工程であって、主として該極性溶媒を含有している頂部流れ(6)が得られて該水素化反応器(I)内へリサイクルされ、ならびに主として該ギ酸/アミン付加物および該第3級アミンを含有する底部流れ(7)が得られる工程
を含み、かつ前記底部流れは、方法工程にしたがって
3)相分離容器(IV)に供給され、その中で
a)相分離が実施されて、該触媒のための抽出剤として該抽出装置(II)内への流れ(11)としてリサイクルされる該第3級アミンを主として含有する上相、および熱分解装置(V)へ流れ(8)として供給される該ギ酸/アミン付加物を主として含有する下相が得られ、
b)熱分解が実施されて、該相分離容器(IV)内へ再循環される該第3級アミンを含有する流れ(9)および該ギ酸を含有する流れ(10)が得られる工程、
または方法工程にしたがって
4)熱分解装置(V)に供給され、その中で
a)熱分解が実施されて、該ギ酸を含有する流れ(10)ならびに相分離容器(IV)に供給される該第3級アミンおよび該ギ酸/アミン付加物を含有する流れ(9)が得られ、
b)相分離が実施されて、該触媒のための抽出剤として該抽出装置(II)内への流れ(11)としてリサイクルされる該第3級アミンを主として含有する上相、および熱分解装置(V)へ流れ(8)として供給される該ギ酸/アミン付加物を主として含有する下相が得られる工程を含むことを特徴とする方法である。
好ましくは、水素化反応器(I)内のモノアルコール、第3級アミンおよび水の比率は、ラフィネート(5)中の含水量が該抽出装置(II)からのラフィネート(5)の全質量に基づいて0.1〜50質量%になり、特に好ましくは該抽出装置(II)からのラフィネート(5)の全質量に基づいて2〜30質量%になるように選択される。
抽出装置(II)内に含有されている抽出物(4)は、第3級アミンおよび触媒の主要部分を含有している。抽出装置(II)内に含有されているラフィネート(5)は、極性溶媒およびギ酸/アミン付加物の主要部分を含有している。
抽出物(4)に関連する「主要部分」は、抽出物(4)が第3級アミンおよび触媒に関してラフィネート(5)よりも高い濃度を示すことを意味している。このとき第3級アミンは、遊離形で存在していてギ酸にギ酸/アミン付加物の形態で結合されていないアミンであると理解されている。
ラフィネート(5)に関連する「主要部分」は、該ラフィネート(5)が極性溶媒およびギ酸/アミン付加物に関して該抽出物(4)よりも高い濃度を示すことを意味している。
本発明による方法の一実施形態では、蒸留装置(III)内に含有されている底部流れ(7)の部分流れが相分離容器(IV)へ供給され、残りの底部流れ(7)は熱分解装置(V)へ供給される。底部流れ(7)の部分流れは方法工程3)にしたがって、および底部流の残りは方法工程4)にしたがって後処理される。
二酸化炭素の水素化において使用する二酸化炭素は、固体状、液体状または気体状で使用することができる。さらに、大規模技術的に利用可能な二酸化炭素を含有する混合ガスも、これらが二酸化炭素をほとんど含んでいない、つまり容積部が<1% COである限り、使用することができる。二酸化炭素の水素化において使用する水素は、一般には気体である。二酸化炭素および水素は、さらに不活性気体、例えば窒素または希ガスを含有することができる。だが有益には、それらの含量は水素化反応器内の二酸化炭素および水素の総量に基づいて10mol%未満である。これより多い量も場合によっては同様に許容されるが、一般には、反応器内での相当に高い圧力の使用が条件付けられているので、それによってさらなる圧縮エネルギーが必要になり、装置に関する費用が増大する。
二酸化炭素の水素化は、液相内において好ましくは20〜200℃の温度および絶対圧で0.2〜30MPaの全圧において実施される。好ましくは、温度は少なくとも30℃および特に好ましくは少なくとも40℃ならびに好ましくは高くても150℃、特に好ましくは高くても120℃、および極めて特に好ましくは高くても80℃である。全圧は、好ましくは少なくとも絶対圧で1MPaおよび特に好ましくは絶対圧で3MPaならびに好ましくは絶対圧で高くとも15MPaである。
二酸化炭素の部分圧は、一般には少なくとも0.5MPaおよび好ましくは少なくとも1MPaならびに一般には高くても8MPaである。水素の部分圧は、このとき一般には少なくとも0.5MPaおよび好ましくは少なくとも1MPaならびに一般には高くても25MPaおよび好ましくは高くても10MPaである。
水素化反応器内の供給物中の水素対二酸化炭素のモル比は、好ましくは0.1〜10および特に好ましくは0.2〜5、極めて特に好ましくは0.5〜3である。
水素化反応器内の供給物中の二酸化炭素対アミンのモル比は、一般に0.1〜10および好ましくは0.2〜5、特に好ましくは0.5〜3である。
水素化反応器としては、原則的には、気体/液体反応のために所定の温度および所定の圧力下で基本的に適合する全ての反応器を使用することができる。気−液および液−液反応系のために適切な標準反応器は、例えば、K.D. Henkel, ‘‘Reactor Types and Their Industrial Applications’’, in Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry, 2005, Wiley−VCH Verlag GmbH & Co. KGaA, DOI:10.1002/14356007.b04_087, Kapitel 3.3 ‘‘Reactors for gas−liquid reactions’’に記載されている。例としては、撹拌タンク反応器、管型反応器または気泡塔反応器を挙げることができよう。
二酸化炭素の水素化は、本発明による方法では、断続的または連続的に実施することができる。断続的運転方法では、望ましい液体および場合によっては固体の投入物質および助剤が反応器に装填され、引き続いて二酸化炭素および水素が望ましい温度において望ましい圧力で圧縮される。反応の終了後には、反応器は、通例は減圧され、2つの形成された液相が相互に分離される。連続的運転方法では、投入物質および助剤が、二酸化炭素および水素を含めて供給される。これに応じて、液相は連続的に反応器から取り出されるので、反応器内の液体状態は平均すると同一のままで存在する。好ましいのは、二酸化炭素の連続的水素化である。
水素化反応器内の平均滞留時間は、一般には5分間〜5時間である。
二酸化炭素の水素化において使用する触媒、極性溶媒および第3級アミンの存在下で形成されるギ酸/アミン付加物は、一般には一般式(IIa)
NR123・xiHCOOH (IIa)、
[式中、残基R1〜R3は、第3級アミン(Ia)において記載された残基に一致し、x1は0.4〜5に等しく、好ましくは0.7〜1.6である]を示す。そのつどの方法工程における生成物相内のアミン−ギ酸の比率のそのつどの平均的組成、つまり因数xiは、例えばフェノールフタレインに対するアルコール性KOH溶液を用いた滴定によるギ酸含有量およびガスクロマトグラフィーによるアミン含有量の決定によって決定することができる。ギ酸/アミン付加物の組成、つまり因子xiは、様々な方法工程中に変化させることができる。そこで、例えば一般には極性溶媒の除去後にx2>x1[式中、x2は1〜4である]を有するより高いギ酸含量を有する付加物が形成され、余剰の遊離アミンは第2相を形成することができる。
極性溶媒、ギ酸/アミン付加物、第3級アミンおよび触媒を含有し、さらに場合によっては水が添加された水素化反応器(I)からの排出物(3)は、適切な相分離容器から生じる遊離第3級アミンの流れから抽出され、該水素化反応器にリサイクルされる。これは、触媒を分離するために実施される。この抽出を行わないと、水素化触媒が第3級アミンおよびギ酸からの付加物の熱分解のために該装置に到達し、その場所でギ酸の分解が触媒され、そこでギ酸収量が低下する。水素および二酸化炭素からの残留物は、廃ガスとして廃棄される。
触媒の水素化反応器の排出物からの抽出は、例えばおよそ大気圧もしくはその近くへの減圧後、および該排出物(3)のおよそ周囲温度もしくはその前後への冷却後に実施することができる。
抽出において得られた、第3級アミンおよび触媒を含有する抽出物(4)は、水素化反応器(I)へリサイクルされる前に別個に反応圧力に導くことができる。リサイクルされるガス相および液相のためには、1つ以上の適切な、乗り越えなければならない圧力差に相応して指定された圧縮装置ないしはポンプを予定しなければならない。
本発明の範囲内において、驚くべきことに、抽出においてギ酸/アミン付加物ならびに極性溶媒とともに濃縮されたラフィネート(5)ならびに第3級アミンおよび均一系触媒を使用した場合には顕著に上昇した圧力においてもこの濃縮された抽出物(4)が一緒に得られることが見いだされた。そこで本発明による方法では、溶媒は、ギ酸/アミン付加物および極性溶媒とともに濃縮された1つの相の、第3級アミンとともに濃縮された他の相からの分離、ならびに該第3級アミンとともに濃縮された相を絶対圧で0.1〜30MPaの圧力で再循環されるように選択することができる。該水素化反応器内の全圧によると、この圧力は好ましくは高くても絶対圧で15MPaである。そこでさらに、事前の減圧を行わなくても、2つの液相を相互に分離し、抽出物(4)を抽出からの特記すべき圧力上昇を伴わずに水素化反応器へ再循環させることができる。この場合には、さらにほんのわずかな減圧しか行わない場合にも、場合によっては生じる気相の再循環を完全に放棄することができる。
本発明による方法は、一実施形態において、水素化反応器および抽出装置(II)内の圧力および温度が同一またはほぼ同一である方法であって、このときほぼ同一であるというのは、±5barまでの圧力差または±5℃までの温度差であると理解される方法で実施することができる。
驚くべきことに、さらに本システムにおいては2つの液相が反応温度に一致する高温においても極めて良好に相互に分離可能なことが見いだされた。この場合には相分離のために冷却もそれに続く再循環される上層の加熱も全く必要とされず、これは同様にエネルギーを節減する。
抽出は、好ましくは20〜100℃、特に好ましくは40〜80℃の範囲内の温度で実施される。
水素化触媒の抽出は、各々の適切な、当業者には公知の装置、好ましくは向流抽出カラム、ミキサー・セトラーカスケードまたはミキサー・セトラーとカラムとの組み合わせの中で実施することができる。
極性溶媒およびギ酸/アミン付加物の主要部分を含有している抽出装置(II)からのラフィネート(5)は、ギ酸/アミン付加物から極性溶媒もしくは溶媒混合物を分離するために蒸留装置(III)へ供給される。抽出装置(II)からの第3級アミンおよび水素化触媒を含有する相は、水素化反応器内へリサイクルされる。
状況によっては、抽出剤中の触媒とともに抽出しなければならない液相からの極性溶媒の個別成分の部分は、アミン流に溶解される。これは、本方法にとって短所ではない。なぜなら既に抽出された量の溶媒が溶媒分離に供給される必要がなく、このため状況によっては蒸発エネルギーおよび装置費用が節減されるからである。
抽出装置(II)および蒸留装置(III)の間には、有益にも痕跡量の水素化触媒を吸着するための装置を組み込むことができる。吸着のためには極めて多数の吸着剤が適合する。この例として、ポリアクリル酸およびそれらの塩、スルホン化ポリスチロールおよびそれらの塩、活性炭、モンモリロナイト、ベントナイト、シリカゲルならびにゼオライトが挙げられる。
抽出装置(II)内の排出物(3)からの該触媒の抽出においては、第3級アミンおよび触媒を含有する抽出物(4)、ならびに極性溶媒およびギ酸/アミン付加物を含有するラフィネート(5)が得られる。該ラフィネート(5)は、ギ酸/アミン付加物ならびに極性溶媒とともに濃縮されている。ギ酸/アミン付加物に関して、「濃縮されている」は、ギ酸/アミン付加物の分配係数
P=[液相(A)内のギ酸/アミン付加物(II)の濃度]/[液相(B)内のギ酸/アミン付加物(II)の濃度]
が>1であると理解することができる。好ましくは、該分配係数は≧2、および特に好ましくは≧5である。抽出物(4)は、第3級アミンとともに濃縮されている。均一系触媒を使用した場合は、これはラフィネート中においても同様に濃縮されて存在する。抽出物(4)は、水素化反応器内へリサイクルされる。
液相(A)および(B)は、このとき既に上記に規定した意味を有する。
場合によっては、分解されていない二酸化炭素および/または分解されていない水素を含有する気相の水素化反応器内への再循環もまた有益である。場合によっては、例えば望ましくない側方生成物もしくは不純物を排出するために、上相の一部および/または二酸化炭素もしくは二酸化炭素および水素を含有する液体状または気体状の相の一部を本方法から排出することが望ましい。
ラフィネート(5)の極性溶媒の大部分は、蒸留装置(III)内でギ酸/アミン付加物から熱分解され、蒸留によって除去された極性溶媒は、水素化反応器内(I)へ再循環される。蒸留装置(III)の底部には、純水のギ酸/アミン付加物ならびに遊離第3級アミンが沈積するが、これは極性溶媒の除去において低アミン含量を有するギ酸/アミン付加物が形成されることによって2相の底部混合物はアミン相およびギ酸/アミン付加物相から形成されるからである。
極性溶媒もしくは極性溶媒混合物(上記参照)の熱分解は、好ましくは所定の圧力では高い(1倍)または低い(2倍)アミン含量を有するギ酸/アミン付加物から遊離ギ酸が形成されない底部温度において実施される。一般には、該熱分解装置の底部温度は、少なくとも20℃、好ましくは少なくとも50℃および特に好ましくは少なくとも70℃、ならびに一般に高くとも210℃、好ましくは高くとも190℃である。圧力は、一般には少なくとも絶対圧で1hPa、好ましくは少なくとも絶対圧で50hPa、および特に好ましくは少なくとも絶対圧で100hPa、ならびに一般に高くとも絶対圧で1MPaおよび好ましくは絶対圧で0.1MPaである。
極性溶媒もしくは極性溶媒混合物の熱分解は、蒸留器内またはパッキン、充填体および/またはカラムプレートが充填されたカラムから構成される蒸留装置のいずれかで実施される。溶媒は、熱分解後に凝縮されるが、このとき放出される凝縮エンタルピーは、例えば抽出から生じたアミン/ギ酸化合物混合物を含む溶媒を蒸発温度へ加熱するために再利用することができる。
または、該溶媒混合物の一部だけを分離することもできる。これは特に、後に行われるギ酸蒸留において側方流れを通して分離することのできる溶媒成分について当てはまる。
該蒸留装置(III)内で極性溶媒もしくは極性溶媒混合物または該極性溶媒の一部の熱分解後に沈積するギ酸/アミン付加物は、その後熱分解装置(V)、例えば蒸留装置内の底部流れ(7)として遊離ギ酸および遊離第3級アミンに熱分解されるが、このとき形成される遊離ギ酸は蒸留によって除去され、該蒸留装置の底部内に含有された遊離第3級アミンは水素化反応器(I)へ再循環される。該蒸留装置(III)内の該極性溶媒の熱分解において第2相として沈積する遊離アミンは、事前に相分離容器に分離し、共通の相分離容器内ではギ酸分離のための熱分解装置(V)の底部生成物と一緒に、または2相の混合物として分離装置(V)へ直接的に再循環させることができる(一般的実施形態を参照されたい)。遊離したギ酸の採取は、例えば(i)頂部を通して、(ii)頂部を通して側方流出物として、または(iii)側方流出物のみとして実施することができる。ギ酸が頭部を通して採取される場合は、99.99質量%までのギ酸純度が可能である。側方流出物として採取される場合は、ギ酸水溶液が得られるが、この場合、実際上極めて重要であるのはおよそ85質量%のギ酸との混合物である。蒸留装置への供給物質の含水量に各々したがって、ギ酸は頂部生成物または側方生成物として採取される。必要に応じて、さらにギ酸を側方生成物のみとして採取することもまた可能であり、このときはその後に場合によっては必要な水量をさらに明白に供給することができる。ギ酸/アミン付加物の熱分解は、一般には現行技術において公知の圧力、温度ならびに装置に関する形態に関する方法パラメーターにしたがって実施される。例えば欧州特許第0181078(A)号明細書または国際公開第2006/021411号パンフレットの記述を参照されたい。使用する蒸留装置には、通例は、一般には充填体、パッキングおよび/またはカラムプレートを含有する蒸留カラムが含まれる。
一般には、蒸留カラム(分離装置(V))内の底部温度は、少なくとも130℃、好ましくは少なくとも140℃、および特に好ましくは少なくとも150℃、ならびに一般には高くとも210℃、好ましくは高くとも190℃、および特に好ましくは高くとも185℃である。圧力は、一般に少なくとも絶対圧で1hPa、好ましくは少なくとも絶対圧で50hPa、および特に好ましくは少なくとも絶対圧で100hPa、ならびに一般に高くとも絶対圧で500MPaおよび好ましくは高くとも絶対圧で300MPaおよび特に好ましくは高くとも絶対圧で250hPaである。
場合によっては、側方生成物としてさらにギ酸の含水流が採取される。
本発明による方法は、欧州特許第181078(B1)号明細書および同第357243(B1)号明細書に記載された統合方法に比較して一連の長所を有する。水素化におけるギ酸の捕捉およびギ酸/アミン付加物の熱分解のために、同一の第3級アミンが使用される。熱分解において遊離して沈積するこのアミンは、その後触媒を抽出するために生成物相内で触媒を該アミンとともに反応容器内へリサイクルするために使用される。このアミンは、以前に記載されたN−アルキルイミダゾールより高い安定性を有している。貴金属の消失は実際的に発生しない。触媒が熱分解装置に到達してその中でギ酸の分解を触媒することが防止される。極めて有益であるのは、該アミンをその活性形で分離して再循環される点である。高いギ酸収量および高い生成物単位が達成される。2回の蒸留に代えて抽出が行われる。これによってエネルギーおよび投資コストが減少する。
本発明による方法は、二酸化炭素の水素化によって高い収量および高い純度で濃縮されたギ酸の産出を可能にする。現行技術に対してより単純な方法コンセプト、より単純な方法工程、より少ない方法工程数ならびにより単純な装置を示す特に単純な方法実施を特徴とする。例えば均一系触媒を使用する場合には第3級アミンおよび極性溶媒の適切な選択によってギ酸/アミン付加物の抽出によって分離され、それ以上の後処理工程なしで水素化反応器へリサイクルされる。抽出は、このとき圧力下でも実施することができる。形成されたギ酸/アミン付加物からの触媒の迅速な分離に基づいて、二酸化炭素および水素の分解下での逆反応が抑制される。
さらに本発明による方法では、費用のかかる別個の塩基置換が必要とされないので、水素化反応器内で形成されたギ酸/アミン付加物は熱分解のために直接的に使用することができる。低沸点溶媒の使用は、ギ酸の熱分解に先行する工程において、使用されたアルコールのエステル化およびギ酸の分解が最小限に抑えられる温和な条件下で、ほんの僅かなエネルギー需要しか必要とせず、より高純度のギ酸を達成することができる。より単純な方法コンセプトの結果、本発明による方法を実施するために必要とされる製造装置の現行技術に比較して、小さな空間需要および小数の装置の使用という意味においてコンパクトになる。これは、より少ない投資費用およびより少ないエネルギー需要を意味する。
以下、本発明を実施例および図面を参照しながらより詳細に説明する。
実施例A1〜4 水素化および触媒抽出および触媒の再使用
Hastelloy C社製の、ブレードまたは磁気式攪拌器を装備した100mLもしくは250mLのオートクレーブに、不活性条件下でトリアルキルアミン、極性溶媒および触媒を装填した。続いてこのオートクレーブを密封し、室温でCO2を圧入した。その後にH2を圧入し、この反応器を撹拌しながら(700〜1,000U/分)加温した。反応時間後、オートクレーブを冷却し、反応混合物を減圧した。反応後、反応排出物にトリアルキルアミンおよび場合によっては水を抽出のために加え、室温で10分間撹拌した。2相の生成物混合物が得られ、上相には第3級アミンおよび均一系触媒が、そして下相には極性溶媒および形成されたギ酸/アミン付加物が濃縮されていた。これらの層を引き続いて分離し、下相のギ酸含量を測定した。ルテニウム系触媒および遊離アミンを含有する上相は、その後以前と同一の溶媒を用いて同一の反応条件下で新たにCO2水素化のために使用した。反応が完了した後に、触媒を抽出するために新鮮なトリアルキルアミンを添加した。生成物相を引き続いて分離し、両方の相のギ酸含量ならびにルテニウム含量を測定した。ギ酸/アミン付加物中のギ酸の総含量は、MeOH中の0.1N KOHを用いた滴定によって「Mettler Toledo DL50」滴定装置を使用して電位差測定法により測定した。ルテニウム含量は、AASによって測定した。個々の試験のパラメーターおよび結果は、1.1〜2.2に報告した。
実施例A1〜A4は、活性触媒を生成物相の抽出によって分離し、水素化のために再使用可能なことを証明している。ルテニウムの相当に高い減耗率は、例えば同一量のアミンを用いたミキサーセトラー・カスケードまたは向流抽出におけるような、多数の抽出工程の単純な直列接続によって達成することができる。
Figure 2014508119
Figure 2014508119
実施例B1およびB2(トリアルキルアミン−溶媒−ギ酸混合物からの極性溶媒の熱分解およびギ酸/アミン付加物の分離;方法工程3および4):
アルコールおよび水を生成物相(ギ酸/アミン付加物を含有する)から減圧下で回転式蒸発器を用いて蒸留して取り出す。底部内には2相の混合物(トリアルキルアミン相およびギ酸/アミン付加物相)が発生するので、これら2相を分離する。蒸留物(メタノールならびに水の大部分を含有する)、上相(遊離トリアルキルアミンを含有する)および下相(ギ酸/アミン付加物を含有する)の組成は、ガスクロマトグラフィーおよびMeOH中の0.1N KOHに対するギ酸の滴定によって「Mettler Toledo DL50」滴定装置を使用して電位差測定法により測定した。ギ酸はその後、真空蒸留装置における第1工程から下相から10cmのビグリュー(Vigreux)カラムを通してトリアルキルアミンから熱分解する。このとき、ギ酸の完全な分解後、純粋トリアルキルアミンから構成される1相の底部が得られるが、これは触媒を抽出して水素化へ再循環させるために使用することができる。蒸留装置内では、ギ酸ならびに残留水が存在する。底部ならびに蒸留物の組成は、ガスクロマトグラフィーおよびMeOH中の0.1N KOHに対するギ酸の滴定によって「Mettler Toledo DL50」滴定装置を使用して電位差測定法により測定した。個々の試験のパラメーターおよび結果は、1.3に報告した。
実施例B−1およびB2は、本発明による方法における様々な極性溶媒を温和な条件下で生成物相から分離可能なことを示しているが、このときギ酸が豊富な下相ならびに主として第3級アミンから構成される上相が形成される。その後、このギ酸豊富な下相からギ酸をより高い温度でトリアルキルアミンから分離することができるが、このとき遊離トリアルキルアミンが沈積する。このようにして得られたギ酸は、まだ多少の水を含有しているが、水をカラムによって分離してより大きな容量のギ酸を得ることができる。溶媒の分離においても熱分解においても沈積したトリアルキルアミンは、工程2において生成物流から触媒を分解するために使用することができる。
Figure 2014508119
図面は、詳細には下記を示している。
図1は、本発明による方法の好ましい一実施形態のブロック図である。 図2は、本発明による方法の好ましい一実施形態のブロック図である。 図3は、本発明による方法のまた別の好ましい一実施形態のブロック図である。 図4は、本発明による方法の好ましい一実施形態のブロック図である。 図5Aは、図3による好ましい実施形態のための極性溶媒および水を分別分離するための様々な好ましい変形である。 図5Bは、図3による好ましい実施形態のための極性溶媒および水を分別分離するための様々な好ましい変形である。 図5Cは、図3による好ましい実施形態のための極性溶媒および水を分別分離するための様々な好ましい変形である。
図1による実施形態においては、二酸化炭素の流れ(1)および水素の流れ(2)が水素化反応器I内へ誘導される。これらは周期律表の第8族、第9族および第10族からの元素を含有する触媒、第3級アミンおよび極性溶媒の存在下でギ酸/アミン付加物へ変換される。1相性または2相性であってよい水素化反応器(I)からの排出物(流れ(3))は、抽出装置IIへ供給され、この中で該触媒は相分離容器(IV)からの第3級アミン(流れ(11))を用いて抽出される。第3級アミンは抽出装置(II)からの触媒(流れ(6))とともに水素化反応器(I)内へ再循環される。抽出装置(II)からの生成物相(5)は、該極性溶媒ならびに水をギ酸/アミン付加物から熱分解するために、熱分解装置(III)へ供給される。この流れ(5)は、さらに前もって吸着床を通して、この流れから最後の微量の触媒を除去するために誘導することができる。蒸留装置III内で熱分解される極性溶媒は、水素化反応器(I)内へ流れ(6)として再循環され、該ギ酸/アミン付加物および該第3級アミンを含有する蒸留装置(III)からの2相の底部混合物(流れ7)が相分離容器(IV)へ供給される。ギ酸/アミン付加物は、相分離容器(IV)内で分離されて蒸留装置(V)へ流れ(8)として供給され、その中で遊離ギ酸および第3級アミンに熱分解される。遊離ギ酸は、頂部生成物の流れ(10)として流出され、第3級アミンおよび分離されていないギ酸/アミン付加物の流れ(9)を含有する蒸留装置(V)からの2相性底部は、新たに相分離容器(IV)へ供給される。相分離容器(IV)内で分離される第3級アミンは、流れ(11)として抽出装置(II)へ、触媒を抽出するために供給される、または流れ(11)の一部は全トリアルキルアミンが抽出のために必要とされない場合には水素化反応器(I)へ直接再循環させることができる。
図2による実施形態においては、二酸化炭素の流れ(1)および水素の流れ(2)が水素化反応器(I)内へ誘導される。これらは周期律表の第8族、第9族および第10族からの元素を含有する触媒、第3級アミンおよび極性溶媒の存在下でギ酸/アミン付加物へ変換される。1相性または2相性であってよい水素化反応器(I)からの排出物(流れ(3))は、抽出装置IIへ供給され、この中で該触媒は相分離容器(IV)からの第3級アミン(流れ(11))を用いて抽出される。該第3級アミンは抽出装置(II)からの触媒(流れ(6))とともに水素化反応器(I)内へ再循環される。抽出装置(II)からの生成物相(5)は、該極性溶媒ならびに水をギ酸/アミン付加物から熱分解するために、熱分解装置(III)へ供給される。この流れ(5)は、さらに前もって吸着床を通して、この流れから最後の微量の触媒を除去するために誘導することができる。蒸留装置III内で熱分解される極性溶媒は、水素化反応器(I)内へ流れ(6)として再循環され、該ギ酸/アミン付加物および該第3級アミン(流れ7)を含有する蒸留装置(III)からの2相の底部混合物は蒸留装置Vへ供給される。この方法では、ギ酸/アミン付加物はギ酸および第3級アミンに熱分解される。該遊離ギ酸は、例えば頂部生成物の流れ(10)として除去される。第3級アミンおよび分離されていないギ酸/アミン付加物から構成される蒸留装置(V)の2相性の底部の流れ(9)は、相分離容器(IV)へ供給される。相分離容器(IV)内で分離される第3級アミンは、抽出装置(II)へ流れ(11)として供給される。流れ(11)の一部は、アミン全部が抽出のために必要とされない場合は、水素化反応器(I)内へ直接的に再循環させることもできる。
図3による実施形態においては、二酸化炭素の流れ(1)および水素の流れ(2)が水素化反応器(I)内へ誘導される。これらは周期律表の第8族、第9族および第10族からの元素を含有する触媒、第3級アミンおよび極性溶媒の存在下でギ酸/アミン付加物へ変換される。1相性または2相性であってよい水素化反応器(I)からの排出物(流れ(3))は、蒸留容器(III)からの主として水を含有する流れ(12)を用いて、抽出においてより優れた相分離および触媒分布をより高い水素化活性で得るために分解される。この流れは、抽出装置(II)へ供給され、この中で触媒は相分離容器(IV)からの第3級アミン(流れ(11))を用いて抽出される。該第3級アミンは抽出装置(II)からの触媒(流れ(6))とともに水素化反応器(I)へ再循環される。抽出装置(II)からの生成物相(5)は、該極性溶媒ならびに水をギ酸/アミン付加物から熱分解するために、熱分解装置(III)へ供給される。流れ(5)は、このときさらに前もって吸着床を通して最後の微量の触媒をこの流れから除去するために誘導することができる。蒸留装置III内で熱分解される極性溶媒は、水素化反応器(I)内へ流れ(6)として再循環され、この水は流れ(12)として水素化反応器からの排出物(流れ(3))に再循環され、該ギ酸/アミン付加物および該第3級アミン(流れ(7))を含有する蒸留装置(III)からの2相性の底部混合物は、相分離容器(IV)へ供給される。ギ酸/アミン付加物は、相分離容器(IV)内で分離されて蒸留装置(V)へ流れ(8)として供給され、その中でこれらは遊離ギ酸および第3級アミンに分離される。該遊離ギ酸は、頂部生成物の流れ(10)として流出され、第3級アミンおよび分離されていないギ酸/アミン付加物流れ(9)を含有する蒸留装置(V)からの2相性の底部は、新たに相分離容器(IV)へ供給される。相分離容器(IV)内で分離される第3級アミンは、流れ(11)として抽出装置(II)へ、触媒を抽出するために供給される、または流れ(11)の一部はトリアルキルアミンの全部が抽出のために必要とされない場合には水素化反応器(I)へ直接再循環させることができる。
図4による実施形態は、2相性の底部混合物(流れ(7))の一部が相分離容器(IV)に供給され、2相性の底部混合物(流れ(7))の一部が蒸留装置(V)に供給される点が図1および2による実施形態とは相違する。
図5A、5Bおよび5Cは、図3による実施形態についての水および極性溶媒の熱分解のための様々な変形を各々略図によって示している。
図5Aは、側方流出口を有するカラム、さらに隔壁カラムであってよい唯一の蒸留カラム内での2つの流れ、つまり主として極性溶媒を含有する流れ(6)および主として水を含有する流れ(12)の分離を示している。
図5Bは、2カラム式変形(カラム(IIIa)および(IIIb))を用いる実施形態を略図により示しており、第1カラム(IIIa)では低沸点成分が、通例は極性溶媒、および極性溶媒から分解されている付加物流れ(5a)が供給される第2カラム(IIIb)では中沸点成分、通例は水が流れ(12)として分離される。
図5Cは、水および極性溶媒を分離するためのまた別の実施形態を示しており、第1蒸留カラム(IIIc)ではまずギ酸/アミン付加物ならびに第3級アミンを含有する相(7)が分離され、引き続いて第2蒸留カラム(IIId)では流れ(5b)が分離され、主として極性溶媒を含有する流れ(6)および主として水を含有する流れ(12)が得られる。
1、2、3、4、5、5a、5b、6、7、8、9、10、11、12 流れ、 I 水素化反応器、 II 抽出装置、 III 蒸留装置、 IIIa 第1カラム、 IIIb 第2カラム、 IIIc 第1蒸留カラム、 IIId 第2蒸留カラム、 IV 相分離容器、 V 蒸留装置、

Claims (15)

  1. 水素化反応器(I)内で
    − 周期律表の第8族、第9族または第10族からの1つの元素を含有する触媒、
    − 1分子当たり少なくとも12個の炭素原子を含有する第3級アミン、ならびに
    − メタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノールから選択された1つ以上のモノアルコールを含有する極性溶媒の存在下で二酸化炭素(1)と水素(2)とを反応させて、中間体としてギ酸/アミン付加物を形成し、それを引き続き熱分解させることによってギ酸を製造するための方法であって、
    ギ酸より少なくとも5℃高い沸点を有する第3級アミンが使用され、および
    前記水素化反応器(I)内での反応において前記極性溶媒、前記ギ酸/アミン付加物、前記第3級アミンおよび前記触媒を含有する、前記反応器から排出物(3)として排出される反応混合物が形成される前記方法において、
    前記水素化反応器(I)からの前記排出物(3)は、場合によっては水の添加後に、抽出装置(II)内に直接的に供給され、前記排出物(3)の後処理は以下の方法工程:
    1)前記抽出装置(II)における前記水素化反応器(I)からの前記排出物(3)から前記触媒を抽出する工程であって、抽出剤として前記水素化で使用されたものと同一の第3級アミンが使用され、前記第3級アミンおよび前記触媒の主要部分を含有している抽出物(4)が得られて前記水素化反応器(I)内へリサイクルされ、ならびに前記極性溶媒および前記ギ酸/アミン付加物の主要部分を含有しているラフィネート(5)が得られて蒸留装置(III)へ転送される工程、
    2)蒸留を実施する工程であって、主として前記極性溶媒を含有している頂部流れ(6)が得られて前記水素化反応器(I)内へリサイクルされ、ならびに主として前記ギ酸/アミン付加物および前記第3級アミンを含有する底部流れ(7)が得られる工程
    を含み、かつ前記底部流れ(7)は、方法工程にしたがって
    3)相分離容器(IV)に供給され、その中で
    a)相分離が実施されて、前記触媒のための抽出剤として前記抽出装置(II)内への流れ(11)としてリサイクルされる前記第3級アミンを主として含有する上相、および熱分解装置(V)へ流れ(8)として供給される前記ギ酸/アミン付加物を主として含有する下相が得られ、
    b)熱分解が実施されて、前記相分離容器(IV)内へ再循環される前記第3級アミンを含有する流れ(9)および前記ギ酸を含有する流れ(10)が得られるか、
    または方法工程にしたがって
    4)熱分解装置(V)に供給され、その中で
    a)熱分解が実施されて、前記ギ酸を含有する流れ(10)ならびに相分離容器(IV)に供給される前記第3級アミンおよび前記ギ酸/アミン付加物を含有する流れ(9)が得られ、
    b)相分離が実施されて、前記触媒のための抽出剤として前記抽出装置(II)内への流れ(11)としてリサイクルされる前記第3級アミンを主として含有する上相、および熱分解装置(V)へ流れ(8)として供給される前記ギ酸/アミン付加物を主として含有する下相が得られることを特徴とする方法。
  2. 前記底部流れ(7)の部分流れは方法工程3)にしたがって、残りの前記底部流れ(7)は方法工程4)にしたがって後処理されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 方法工程2)において分別蒸留が実施され、主として前記極性溶媒を含有している第1留分(6)が得られて前記水素化反応器(I)へリサイクルされ、および主として水を含有している第2留分(12)が得られて前記水素化反応器(I)からの排出物(3)へリサイクルされることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. 第3級アミンとして一般式(Ia)
    NR123 (Ia)、
    [式中、残基R1〜R3は、同一または相違しており、互いに独立して、各々1〜6個の炭素原子を有する非分枝状もしくは分枝状の非環式もしくは環式の脂肪族、芳香脂肪族もしくは芳香族残基を表しており、個々の炭素原子は互いに独立して−O−および>N−基から選択されたヘテロ基で置換されていてもよく、かつ前記の2個もしくは全3個の残基は少なくともそのつど4個の原子を含む鎖を形成して相互に結合されてもよいが、但し前記第3級アミンは1分子当たり少なくとも12個の炭素原子を含有する]のアミンが使用されることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
  5. 第3級アミンとして一般式(Ia)で示され、その式中、残基R1〜R3が、互いに独立して、C1−C12−アルキル、C5−C8−シクロアルキル、ベンジルおよびフェニル基の群から選択されるアミンが使用されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 第3級アミンとして一般式(Ia)の飽和アミンが使用されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  7. 第3級アミンとして、一般式(Ia)で示され、その式中、残基R1〜R3が、互いに独立して、C5−およびC6−アルキルから選択されるアミンが使用されることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  8. 極性溶媒としてメタノール、エタノール、プロパノールおよびブタノールから選択される1つ以上のモノアルコールと水からの混合物が使用されることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一項に記載の方法。
  9. 極性溶媒としてメタノールおよび/またはエタノールと水からの混合物が使用されることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法。
  10. 極性溶媒としてメタノールおよび/またはエタノールが使用されることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一項に記載の方法。
  11. 方法工程1)において得られるラフィネート(5)が、前記ラフィネートの全質量に基づいて0.1〜50質量%の範囲内、好ましくは2〜30質量%の範囲内の含水量を有することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記触媒は、均一系触媒であることを特徴とする請求項1から11までのいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記均一系触媒は、周期律表の第8族、第9族または第10族からの1つの元素および1〜12個の炭素原子を有する非分枝状もしくは分枝状、非環式もしくは環式の少なくとも1つの脂肪族残基を有する少なくとも1つのホスフィン基を有する錯化合物であり、個々の炭化水素原子は>P−と置換されてもよい、請求項9に記載の方法。
  14. 前記水素化反応器(I)内での反応は、20〜200℃の範囲内の温度および絶対圧で0.2〜30MPaの範囲内の圧力で実施されることを特徴とする請求項1から13までのいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記抽出は、40〜80℃の範囲内の温度において実施されることを特徴とする請求項1から14までのいずれか一項に記載の方法。
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