JP2014503204A - 香味粒体を含む喫煙物品 - Google Patents

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Abstract

喫煙物品(10、20、30)が、複数の香味粒体を含む香味放出セグメント(14、24)を有するフィルタ(4)を備える。香味粒体は、圧縮草本植物材料で形成され、1立方センチメートル当たり少なくとも0.35グラムのかさ密度を有する。植物材料は、ハーブ葉を含むことが好ましく、ペパーミント葉を含むことが最も好ましい。香味粒体は、繊維状濾過材料のプラグ内に分散させることもでき、フィルタ(4)内のキャビティ内に与えることもできる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、圧縮植物材料で形成された複数の香味粒体を含む喫煙物品に関する。
通常、フィルタ付きシガレットは、紙ラッパーによって取り巻かれたタバコカットフィラーのロッドと、この包装タバコロッドと端部を接した関係で整列し、チップペーパーによってタバコロッドに取り付けられた円筒状フィルタとを含む。従来のフィルタ付きシガレットでは、フィルタを、多孔質プラグラップで包まれたセルロースアセテートトウのプラグで構成することができる。主流煙の粒子成分及び気体成分を除去するための2又はそれ以上の濾過材料のセグメントを含む多要素フィルタを備えたフィルタ付きシガレットも知られている。
当業では、タバコを燃焼させるのではなく加熱する喫煙物品も数多く提案されてきた。加熱式喫煙物品では、タバコなどの香味発生基質を加熱することによってエアロゾルを発生させる。既知の加熱式喫煙物品には、例えば、電気加熱式喫煙物品、及び可燃性燃料要素又は熱源から物理的に分離されたエアロゾル形成材料に熱を伝達することによってエアロゾルを発生させる喫煙物品がある。喫煙中、燃料要素からの熱伝達により、エアロゾル形成材料から揮発性化合物が放出され、喫煙物品を通じて吸い込まれる空気に同伴する。この放出された化合物は、冷えるとともに凝縮してエアロゾルを形成し、これを消費者が吸入する。
主流煙の香味を強めるために、例えばフィルタ内に香味料を含む喫煙物品を提供することが知られている。具体的には、1又はそれ以上の種類の芳香植物から得られる葉、種子又は根などの植物材料の形の香味料を含めることが提案されてきた。
国際公開第2009/022232号 欧州特許出願公開第1,571,933号明細書 米国特許第4,281,671号明細書 米国特許第7,074,170号明細書 特許出願第10182842号公報
ASTM標準D6393−08 Chris Vervaetらによる「押し出し−球形化−文献レビュー(Extrusion−Spheronisation−A Literature Review)」、1995年、International Journal of Pharmaceutics、第116巻、131〜146頁
使用時に、消費者に改善された香味の強化を提供する、特に改善されたミント及びメントールの香味を送達する、喫煙物品のための香味放出手段を提供することが望ましいと思われる。さらに、例えば喫煙物品の保管中などの喫煙前の香味損失を最小限に抑える、喫煙物品のための香味放出手段を提供することが望ましいと思われる。
本発明によれば、喫煙物品によって生成される煙中に香味を放出できる圧縮草本植物材料で形成された複数の香味粒体を含む香味放出セグメントを有する喫煙物品が提供される。香味粒体のかさ密度は、1立方センチメートル当たり(g/cm3)少なくとも0.35グラムである。
本発明による喫煙物品は、エアロゾル発生基質と、このエアロゾル発生基質と軸方向に整列したマウスピースとを含むことが好ましい。本発明のいくつかの好ましい実施形態では、喫煙物品のエアロゾル発生基質が、タバコなどの喫煙可能材料のロッドを含み、マウスピースが、1又はそれ以上のフィルタセグメントを含むフィルタを備える。喫煙可能材料のロッドは、チップペーパーによってフィルタに取り付けられることが好ましい。
香味粒体は、喫煙物品のいずれかの好適な部分又は要素に含めることができる。例えば、香味粒体は、フィルタ付きシガレットなどの可燃性喫煙物品の喫煙可能材料のロッド又はフィルタに含めることもでき、或いは加熱式喫煙物品のエアロゾル発生基質又はフィルタに含めることもできる。本発明による喫煙物品の複数の部分又は要素に香味粒体を含めることができると理解されよう。
本発明の香味粒体は、圧縮草本植物材料で形成された個別の固体粒子である。「圧縮された」とは、植物材料が密度を高めるための機械的処理を受けたことを意味する。場合によっては、圧縮によって植物材料の細胞構造を破壊し、植物材料中の精油が少なくとも部分的に放出されるようにする。以下でさらに説明するように、1つの例では、植物材料を押し出すことができる。圧縮処理のための加工助剤として、粒体に水を含めることができる。香味粒体は、非水結合材料を含まないことが好ましい。
本明細書では「草本植物材料」という用語を使用が、これは草本植物の1又はそれ以上の部分から成る材料を意味する。「ハーブ葉」という用語は、草本植物の葉を意味する。
「草本植物」は、その葉又はその他の部分が医薬用、料理用又は芳香用に使用され、喫煙物品により生成される煙中に香味を放出できる芳香植物である。本発明で使用する香味粒体は、1又はそれ以上の種類の多年生又は一年生草本植物から得られた草本材料を含むことができる。例えば、香味粒体は、以下に限定されるわけではないが、ペパーミント及びスペアミントなどのミント類、レモンバーム、バジル、シナモン、レモンバジル、チャイブ、コリアンダー、ラベンダー、セージ、茶、タイム及びカルヴィなどの草本植物から得られたハーブ葉又はその他の草本材料を含むことができる。香味粒体は、非タバコ植物材料を含むことが好ましい。
喫煙物品内の香味粒体中の草本植物材料は、喫煙中に香味を放出することによって煙の香味特性を変化させる。香味粒体を含めた喫煙物品の香味特性を調整するために、香味粒体の植物材料を変更できることが有利である。植物材料の粒体を含めると、従来使用されている液体香味料に比べ、喫煙物品内の香味が長持ちするようにもなる。
香味粒体は、以下に限定されるわけではないが、葉、茎、根、花及び果実を含む、草本植物のあらゆる好適な部分から形成された粒子を含むことができる。香味粒体は、1又はそれ以上の種類の植物から得られた植物材料を含むことができる。
本発明の好ましい実施形態では、草本植物材料から放出される香味が、この材料中に含まれる油などの揮発性化合物によってもたらされる。この揮発性化合物は、喫煙前には植物材料内に閉じ込められた状態を保つ傾向にあるが、喫煙中に揮発することにより、香味によって煙を豊かなものにする。煙の香味特性は、香味粒体中に含めるために選択する植物材料に応じて変化することができる。
この草本植物材料を切断し、粉砕し、又は別様に縮小して粒子状材料を提供する。その後、1立方センチメートル当たり少なくとも0.35グラムのかさ密度を有する香味粒体を形成するために、この粒子状植物材料を圧縮して密度を高める。
場合によっては、圧縮前の元々の草本植物材料のかさ密度が、1立方センチメートル当たり約0.20〜0.30グラムである。植物材料を圧縮して香味粒体を形成することによって香味粒体のかさ密度が増し、元々の植物材料のかさ密度の好ましくは少なくとも1.5倍、より好ましくは少なくとも2倍になることが好ましい。場合によっては、植物材料を圧縮して、元々の植物材料のかさ密度の3倍を超えるかさ密度が得られるようにする。例えば、香味粒体のかさ密度は、1立方センチメートル当たり少なくとも0.40グラムであることが好ましく、1立方センチメートル当たり少なくとも0.50グラムであることがさらに好ましい。植物材料を圧縮して得られるかさ密度は、元々の植物材料のかさ密度の6倍未満であることが好ましい。例えば、香味粒体のかさ密度は、1立方センチメートル当たり2.0グラム未満であることが好ましい。
「かさ密度」という用語を使用しているが、これは複数の香味粒体を組み合わせたものの密度を意味し、複数の香味粒体の質量をこれらの香味粒体が占める容積で除算したものに相当する。本発明で言及するかさ密度の値は、粒体のCarr Looseかさ密度に対応する。香味粒体のCarr Looseかさ密度を求めるのに適した方法が、ASTM標準D6393−08に記載されている。この方法では、香味粒体のサンプルを振動シュートに通してふるいにかけ、既知の容積の計量カップに詰めることによって測定値を得る。その後、カップ内の香味粒体の質量を測定し、これをカップの容積で除算してかさ密度を得る。
草本植物材料を圧縮すると、植物材料内の香味料が濃縮され、喫煙物品の単位体積当たりに提供できる香味料の量が増加する。植物材料のかさ密度を高めることにより、同じ体積の喫煙物品により多くの植物材料を含めることが可能になる。これにより、喫煙中の主流煙内への香味送達を改善して強化することができる。また、植物材料を圧縮することにより、対応する元々の植物材料の質量よりも小さな喫煙物品の体積内に同じ質量の植物材料をより効率的に含めて、他の要素のために使用できる体積が増えるようにすることもできる。
香味粒体の形成中に密度を高めるために草本植物材料を圧縮する際に、植物材料をある程度押し潰して、細胞構造が少なくとも部分的に分解又は破壊されるようにすることができる。場合によっては、この結果、細胞構造内から植物材料中の精油が放出され、これにより喫煙中の主流煙内への放出に、より多くの割合の精油を利用できるようになる。
本発明の好ましい実施形態では、香味粒体が、ペパーミント葉などのメントール含有草本植物葉の圧縮粒子を含む。本発明の特に好ましい実施形態では、香味粒体が、ハッカ属の植物から得たミント葉の圧縮粒子を含む。例えば、好適な種類のミント葉は、以下に限定されるわけではないが、セイヨウハッカ、ニホンハッカ、エジプトミント、ベルガモットミント、ミドリハッカ、カーリーミント、ケンタッキーカーネルミント、ホースミント、メグサハッカ、マルバハッカ及びパイナップルミントを含む植物種から得ることができる。
ミント葉の油含有量は、少なくとも約0.6重量%であることが好ましい。本発明による喫煙物品で使用する香味粒体にペパーミント葉などのミント葉の粒子を含めることで、喫煙物品の煙にミント及びメントールの香味を与える改善された方法が有利に提供される。
「ミント香味」という用語は、ペパーミント植物及びスペアミントなどのミント植物内に存在する香味又は香味抽出物を意味するものである。「メントール」という用語は、ペパーミント油及びその他のミント油中に存在する特定の香味成分を意味するものである。
ミント葉を圧縮して香味粒体を形成すること、この香味粒体を含めた喫煙物品の喫煙中に煙内に移動するミント葉のメントール含有量の割合が増加することが判明した。従って、植物材料の圧縮により、喫煙物品の所与の体積に含まれる植物材料の質量を最大化できるようになるだけでなく、この圧縮により、煙中へのメントールの送達も改善される。従って、本発明による喫煙物品は、主流煙中に送達される香味のレベルを大幅に改善することができる。
本発明で使用する香味粒体の改善された香味送達は、フィルタ付きシガレットのフィルタ内に香味粒体が与えられている場合に香味粒体から煙中に放出される草本植物材料のかさ容積単位当たりの成分量(本明細書では、かさ容積立方センチメートル当たり送達と呼ぶ)を計算することによって実証することができる。好適な試験を設定して、ISO条件下でシガレットを喫煙した場合のフィルタ付きシガレットの主流煙中に放出される総植物材料成分量をマイクログラム単位で測定することができる。例えば、喫煙中に、好適なトラップ又はフィルタ内に主流煙の粒子相を収集し、次にこの収集した煙のサンプルを好適な溶媒中で抽出し、ガスクロマトグラフィを使用して分析し、煙中の様々な成分レベルを特定することができる。
このような喫煙中に放出されたメントールの量を定量化する方法の1つの例に、煙中メントール(MIS)試験がある。当業者であれば、代わりに同様の試験を使用して、煙中に放出される植物材料の他の成分量を定量化できると理解するであろう。
煙中に放出された総香味成分量を測定したら、植物材料の重量(グラム)をかさ密度(立方センチメートル当たりグラム数)で除算することにより、フィルタ付きシガレット内の香味粒体の「かさ容積」(立方センチメートル単位)を計算する。その後、煙中に送達された総成分量(マイクログラム単位)をかさ容積(立方センチメートル)で除算することにより、単位かさ容積当たりの香味成分の送達を計算する。
草本植物材料のいくつかの香味成分のかさ容積立方センチメートル当たりの送達値は、元々の植物材料から生じる粒体よりも、圧縮植物材料から生じる粒体の方が高いことが判明した。実際には、驚くことに、圧縮又は高密度化ステップによって植物材料のかさ容積が約100%増加した場合、かさ容積立方センチメートル当たりの送達は、100%を上回って増加することが判明した。
香味粒体が圧縮ミント葉を含む本発明による喫煙物品では、かさ容積当たりのメントール送達が1立方センチメートル当たり少なくとも0.05マイクログラムであることが好ましく、1立方センチメートル当たり少なくとも0.06マイクログラムであることが好ましく、1立方センチメートル当たり少なくとも0.07マイクログラムであることがより好ましい。煙中に送達されるメントールの量は、1mgの植物材料当たり少なくとも130マイクログラムのメントールとすることができ、1mgの植物材料当たり少なくとも135マイクログラムのメントールであることが好ましく、1mgの植物材料当たり少なくとも140マイクログラムのメントールであることがより好ましい。この値は、元々の未圧縮のミント葉1mg当たりに放出されるメントールの量と比較して増えている。
提供する植物材料の粒子状材料の平均粒子サイズを0.2mm〜5mmとするために、香味粒体中の草本植物材料を圧縮前に切断することが好ましい。植物材料の粒子の平均粒子サイズは、1mm〜2mmであることがより好ましい。植物材料をこのサイズ範囲内の粒子に切断すると、香味粒体内の粒子同士の付着性が有利に改善されることが判明した。
香味粒体を形成するための草本植物材料の圧縮は、あらゆる好適な方法によって行うことができる。香味粒体は、植物材料を圧力下の押し出しダイに強制的に通すことにより同時に圧縮して粒体に成形する押し出し法によって形成されることが好ましい。当業者には、例えばスクリュー押し出し機を含む好適な押し出し装置が周知であろう。植物材料の圧縮を行った後に粒体を形成するのに適した技術としては、以下に限定されるわけではないが、高剪断粒状化及び球形化が挙げられる。
好適な押し出し及び球形化技術の詳細は、例えば、Chris Vervaetらによる「押し出し−球形化−文献レビュー(Extrusion−Spheronisation−A Literature Review)」、1995年、International Journal of Pharmaceutics、第116巻、131〜146頁に見出すことができる。
草本植物材料の粒子の含水量は、植物材料を圧縮して粒体を形成する前に、約35%オーブン揮発〜45%オーブン揮発に高めておくことが好ましい。圧縮処理中には、植物材料の含水量がこれらの範囲内に維持されることが好ましい。これを達成するために、例えば押し出し処理中には、植物材料の圧縮時に植物材料及び/又は圧縮装置を冷却ことが必要となり得る。
本明細書では、草本植物材料の含水量を「%オーブン揮発」として表すが、これは、材料をオーブン内で103℃で100分間乾燥させた時点における植物材料からの重量損失率を測定することによって求められる。香味材料からの重量損失の大部分は、植物材料からの水分の蒸発に起因すると考えられる。
香味粒体が形成されると、その中に存在する水分を少なくとも部分的に除去するために、通常は乾燥ステップを行う必要がある。形成された香味粒体は、室温で少なくとも6%オーブン揮発(o.v.)の含水量に乾燥されることが好ましく、少なくとも8%o.v.の含水量に乾燥されることがより好ましい。形成された乾燥後の香味粒体の含水量は、15%o.v.未満であることが好ましく、12%o.v.未満であることがより好ましく、10%o.v.未満であることが最も好ましい。例えば、乾燥後の香味粒体の含水量は、約6%o.v.〜約15%o.v.であることが好ましく、約8%o.v.〜約12%o.v.であることがより好ましく、約8%o.v.〜約10%o.v.であることが最も好ましい。
香味粒体は、あらゆる好適な形状に形成することができるが、概ね円筒形又は球形であることが好ましい。香味粒体の最大断面寸法は、平均して少なくとも0.1mmであることが好ましく、少なくとも0.2mmであることがより好ましい。香味粒体の最大断面寸法は、2.5mm未満であることが好ましく、1.5mm未満であることがより好ましい。例えば、最大断面寸法は、約0.1mm〜約2.5mmであることが好ましく、約0.2mm〜約1.5mmであることがより好ましい。香味粒体の粒子サイズ分布は最低限に抑えられることが好ましい。
必要に応じて、香味粒体を形成するための混合物中に追加試薬を含めて、例えば固体と液体が分離するのを防ぐこと、又は最小限に抑えること、或いは混合物の流動性を高めることにより、押し出し処理、球形化処理又は粒状化処理を支援することができる。当業者には、好適な押し出し、球形化及び粒状化支援試薬が周知である。しかしながら、上述したように、香味粒体に含める唯一の追加試薬は水であることが好ましい。
香味粒体の香味充填量をさらに増やすことが望ましい場合、乾燥後に香味粒体内又は香味粒体上に液体メントール香味料などの液体香味料を含めることができる。これとは別に又はこれに加えて、香味粒体を取り入れたフィルタ内の濾過材料に液体メントール香味料などの液体香味料を添加することもできる。
任意に、香味粒体は、コーティングをさらに含むことができる。好ましいコーティングは、低分子量キトサン溶液(0.5〜1.0%)から形成することができる。香味粒体の外面にコーティングを施すと、喫煙前に香味粒体内の液体香味料及び植物材料の粒子から揮発性香味が移動して揮発することが大幅に抑えられるという利点が得られることが判明した。コーティングを施すことにより、液体香味料を多孔質支持材料の細孔内に閉じ込める効果がさらに強化され、香味粒体から香味が早い段階で放出されてしまうのを最小限に抑えることができるようになる。
香味粒体上にコーティングを施す場合、押し出し、球形化又は粒状化処理から得られた乾燥粒体に、例えば流動床噴霧器などのあらゆる好適な装置を使用してコーティングを施すことができる。好適な流動床噴霧器は、ドイツのGlatt GmbH社から市販されている。
複数の香味粒体を含む本発明による喫煙物品は、喫煙中その煙の香味を強化するのに適したあらゆる数の香味粒体を含むことができる。例えば、本発明による喫煙物品は、約2〜約25,000個の香味粒体、例えば約2〜15,000個の香味粒体を含むことができる。
香味粒体は、様々な異なる種類の喫煙物品に有利に含めることができる。例えば、喫煙中に燃焼するタバコカットフィラー又はその他の喫煙可能材料のロッドをエアロゾル発生基質とするフィルタ付きシガレットなどの可燃性喫煙物品にこれらの香味粒体を含めることができる。或いは、エアロゾルを形成するためにエアロゾル発生基質が燃焼するのではなく加熱される上述した種類の加熱式喫煙物品に香味粒体を含めることもできる。例えば、本発明による香味粒体を、国際公開第2009/022232号に開示されるような、可燃性熱源と、この可燃性熱源の下流にあるエアロゾル発生基質とを含む、可燃性熱源を含む加熱式喫煙物品に含めることもできる。例えば、化学的熱源又は電気抵抗加熱素子のような電気熱源などの不燃性熱源を含む加熱式喫煙物品にも、香味粒体を含めることができる。
本明細書では「煙」という用語を使用しているが、これは、フィルタ付きシガレットなどの可燃性喫煙物品により発生する煙、及び上述した種類の加熱式喫煙物品などの不燃性喫煙物品により発生するエアロゾルを示すものである。
本発明の好ましい実施形態では、喫煙物品が、複数の香味粒体を含む香味放出セグメントを有するフィルタを含むことができる。これとは別に又はこれに加えて、この喫煙物品は、複数の香味粒体が分散した喫煙可能材料のロッドを含むこともできる。
本発明の第1の態様では、フィルタの香味放出セグメント内に複数の香味粒体が提供され、これらの香味粒体は、セルロースアセテートトウ又は紙などの繊維状濾過材料のプラグ内に分散する。香味粒体は、繊維状濾過材料のプラグの長さに沿ってほぼ均等に分散することが好ましい。
繊維状濾過材料内の繊維は、実質的にフィルタの長手方向に整列し、実質的に繊維状濾過材料のプラグの全長に沿って延びることができる。或いは、繊維状濾過材料内の繊維がランダムに配向され、繊維状濾過材料のプラグの長さに沿って途中まで延びることもできる。この繊維状濾過材料には、分離した繊維上への吹き付けにより、従来の方法で任意にフィルタ可塑剤を加えることができる。繊維状濾過材料には、その中に香味粒体を分散させる前にフィルタ可塑剤を加えることが好ましい。
本発明の第1の態様による喫煙物品では、香味セグメントの長さが約5mm〜約22mmであることが好ましく、約10mm〜約15mmであることがより好ましく、約12mmであることが最も好ましい。
以下でより詳細に説明するように、本発明の第1の態様による喫煙物品は、香味放出セグメントの下流に、口側端部セグメント又は口側端部キャビティをさらに含むことが好ましい。
本発明の第2の態様では、フィルタの香味放出セグメント内に複数の香味粒体が提供され、これらの香味放出セグメントは、香味粒体で少なくとも部分的に満たされたキャビティを含む。このキャビティは、例えば後述するロッド側端部セグメントのいずれかである上流セグメントと、例えば後述する口側端部セグメントのいずれかである下流セグメントとの間に設けられる。キャビティの少なくとも40%が香味粒体で満たされることが好ましく、少なくとも60%が香味粒体で満たされることがより好ましい。キャビティの最大80%が香味粒体で満たされることが好ましく、最大100%が香味粒体で満たされることがより好ましい。本発明の第2の態様による喫煙物品のキャビティフィルタは、欧州特許出願公開第1,571,933号に記載されるような既知のチャコールフィルタ製造機を使用して製造することができる。このような機械は、英国のFiltrona International社から市販されている。
このキャビティは、1立方ミリメートルのキャビティ当たり、少なくとも平均0.5mgの植物材料を含むことが好ましい。
本明細書を通じて「上流」及び「下流」という用語を使用しているが、これは、使用中に喫煙物品を通じて吸い込まれる煙の方向との関連における、本発明による喫煙物品のセグメント又は要素の相対的位置を示すものである。例えば、香味放出セグメントが口側端部セグメントの上流に存在するフィルタでは、最初に煙が香味放出セグメントを通り、その後口側端部セグメントを通って吸い込まれる。
本発明の第2の態様による喫煙物品では、香味放出セグメントの長さが約2mm〜約12mmであることが好ましく、3mm〜8mmであることがより好ましく、4mm〜7mmであることが最も好ましい。
本発明による喫煙物品のフィルタの香味放出セグメント内の香味粒体の充填量は、直径が約7.5mm〜約7.85mmのフィルタでは、少なくとも2mg/mmであることが好ましく、少なくとも5mg/mmであることがより好ましく、少なくとも8mg/mmであることが最も好ましい。香味放出セグメント内の香味粒体の充填量は、直径が約7.5mm〜約7.85mmのフィルタでは、最大16mg/mmであることが好ましく、最大20mg/mmであることがより好ましく、又は場合によっては最大30mg/mmであることがより好ましい。
正規化した充填量(1mm当たりのmg)は、通常、本発明の第1の態様に従って香味粒体が繊維状濾過材料のプラグを通じて分散している場合よりも、本発明の第2の態様に従って香味粒体がキャビティ内に提供されている場合の方が高くなる。本発明の第1の態様による喫煙物品では、香味放出セグメント内の香味粒体の充填量が2mg/mm〜20mg/mmであることが好ましい。本発明の第2の態様による喫煙物品のフィルタでは、キャビティ内の香味粒体の充填量が20mg/mm〜30mg/mmであることが好ましい。
香味放出セグメント内の香味粒体の総充填量は、少なくとも20mgであることが好ましく、少なくとも50mgであることがより好ましく、少なくとも75mgであることが最も好ましい。香味粒体の総充填量は、最大150mgであることが好ましく、最大180mgであることがより好ましく、最大200mgであることが最も好ましい。
複数の香味粒体を含む香味放出セグメントを有する本発明による喫煙物品は、香味放出セグメントのみから成る単一セグメントフィルタとすることもできる。或いは、本発明による喫煙物品は、2又はそれ以上のセグメントを含む多要素フィルタを含むこともできる。例えば、本発明による喫煙物品は、本発明の第2の態様に関して上述したような、香味放出セグメント上流のロッド側端部セグメント、及び香味放出セグメント下流の口側端部セグメントの少なくとも一方をさらに含む多要素フィルタを有することができる。第1の香味放出セグメント内の香味粒体の植物材料と同じ植物材料又は異なる植物材料で形成された複数の香味粒体を含む1又はそれ以上のさらなる香味放出セグメントを任意に設けることもできる。
口側端部セグメント(存在する場合)は、濾過材料を含むことが好ましい。口側端部セグメントは、粒子相濾過効率が実質的にゼロの、又は粒子相濾過効率が非常に低い濾過材料を含むことがより好ましい。口側端部セグメントは、例えばセルロースアセテートトウなどのセルロース系材料、又はその他の好適な低濾過効率の繊維状濾過材料を含むことができる。口側端部セグメントを繊維状濾過材料で形成する場合、その中の繊維は、実質的に口側端部セグメントの全長に沿って延びるとともに、実質的にフィルタの長手方向に整列することができる。或いは、これらの繊維は、プラグの長さに沿って途中まで延び、フィルタの長手軸に対してランダムに配向されていてもよい。
本発明による喫煙物品内の多要素フィルタの口側端部セグメントは、いくつかの実施形態では、香味放出セグメント内の香味粒体又はその一部が、喫煙中に喫煙者の口に到達するのを有利に防ぐことができる。
口側端部セグメントが濾過材料を含む場合、口側端部セグメントの長さは、約3mm〜約12mmであることが好ましく、約6mm〜約8mmであることがより好ましい。
本発明による喫煙物品は、香味放出セグメントの下流に口側端部キャビティを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、本発明による喫煙物品の多要素フィルタが、上述した口側端部セグメントの下流にさらに口側端部キャビティを含むことができる。口側端部キャビティは、例えばフィルタを取り巻くチップペーパーによって形成することができる。口側端部キャビティの長さは、6mm又はそれ以下であることが好ましい。
ロッド側端部セグメント(存在する場合)は、繊維状濾過材料を含むことが好ましい。ロッド側端部セグメントは、例えば、セルロースアセテートトウなどのセルロース系材料、又は紙などの他の好適な繊維状濾過材料を含むことができる。ロッド側端部セグメントを繊維状濾過材料で形成する場合、その中の繊維は、実質的にロッド側端部セグメントの全長に沿って延びるとともに、実質的にフィルタの長手方向に整列することができる。或いは、これらの繊維は、プラグの長さに沿って途中まで延び、フィルタの長手軸に対してランダムに配向されていてもよい。
ロッド側端部セグメントは、フィルタを通じて吸い込まれる主流煙から少なくとも1種類の気相成分を除去できる少なくとも1種類の吸着剤を含むことができる。この少なくとも1種類の吸着剤は、活性炭、活性アルミナ、ゼオライト類、セピオライト類、分子ふるい類及びシリカゲルから成る群から選択されることが好ましい。
口側端部セグメント及びロッド側端部セグメントの少なくとも一方は、喫煙中における喫煙者への香味送達をさらに強化するために、1又はそれ以上の種類の香味料、好ましくは1又はそれ以上の種類の液体香味料を含むことができる。口側端部セグメント及びロッド側端部セグメントが、いずれも少なくとも1種類の香味料を含む場合、口側端部セグメント内の少なくとも1種類の香味料は、ロッド側端部セグメント内の少なくとも1種類の香味料と同じものであっても、又は異なるものであってもよい。さらに、口側端部セグメント及びロッド側端部セグメント内の液体香味料は、フィルタの香味放出セグメント内の香味粒体の香味と同じ香味を与えるものであっても、又は異なる香味を与えるものであってもよい。
本発明による喫煙物品の多要素フィルタの口側端部及びロッド側端部セグメント内の液体香味料によって与えるのに適した香味としては、以下に限定されるわけではないが、ペパーミント、スペアミント、コーヒー、茶、(シナモン、クローブ及び生姜などの)スパイス類、ココア、バニラ、果実香味、チョコレート、ユーカリ、ゼラニウム、リナロール、及び天然又は合成メントールが挙げられる。
例えば、口側端部セグメント及びロッド側端部セグメントの少なくとも一方は、液体香味料を含浸させた1本又はそれ以上の糸を含む濾過材料のプラグを含むことができる。本発明による喫煙物品の多要素フィルタで使用するのに適した香味料含有糸を含むフィルタプラグ、及びこのようなプラグを製造する方法及び装置が、米国特許第4,281,671号及び米国特許第7,074,170号に記載されており、米国バージニア州リッチモンドのAmerican Filtrona社から市販されている。
これとは別に又はこれに加えて、口側端部セグメント及びロッド側端部セグメントの少なくとも一方は、液体香味料を含浸させた複数のビーズを含むこともできる。これらのビーズは、例えばポリ酢酸ビニル結合剤で結合されたセルロース系材料から、又は微結晶性セルロースで結合されたタバコ粉末から形成することができる。本発明による喫煙物品の多要素フィルタで使用するのに適したビーズは、日本のレンゴー株式会社によりViscopearl(登録商標)の商標名で製造及び販売されている。特許出願第10182842号に、このようなビーズを製造する方法及び装置も記載されている。
香味粒体がペパーミント葉などのミント葉の圧縮粒子を含む本発明の好ましい実施形態では、口側端部セグメント及びロッド側端部セグメントの少なくとも一方が、液体天然又は合成メントール香味料を含むことが好ましい。これにより、喫煙中にフィルタを通じて吸い込まれる煙中に放出される香味がさらに強化されるとともに、香味放出セグメント内に存在する香味粒体により、煙中に放出されるメントール及びミントの香味が補完される。
本発明による喫煙物品の多要素フィルタは、喫煙中に喫煙者に対して香味をさらに強化するために、第2の香味放出セグメントをさらに含むことができる。この第2の香味放出セグメントは、第1の香味放出セグメントで使用するものとして上述したような複数の香味粒体を含むことができる。これとは別に又はこれに加えて、第2の香味放出セグメントは、タバコ葉又は非タバコ植物葉、或いは口側端部セグメント及びロッド側端部セグメントに関連して上述したいずれかの形の1又はそれ以上の種類の液体香味料を含むことができる。第2の香味放出セグメントは、第1の香味放出セグメントの上流に設けても、又は下流に設けてもよい。
本発明による喫煙物品の多要素フィルタは、多要素フィルタの各個々のセグメントに対応する別個の連続する濾過材料のロッドを形成することにより製造することができる。次に、この連続ロッドを切断して濾過材料の個々の部分を形成し、次にこれらの部分を既知の方法で組み合わせて、多要素フィルタの繰り返しユニットを含む連続フィルタロッドを形成する。その後、この連続フィルタロッドを切断機構により等間隔に分断して、一連の個別の多要素フィルタを生産することができる。
いくつかの実施形態では、タバコロッドを包装するために使用するラッパーを、ベータシクロデキストリンに封入した香味の溶液でコーティングし、これにより喫煙中に主流煙に香りを付けることができる。このようなコーティングの好適な例として、ユージノールなどの様々なベータシクロデキストリン包接錯体から成る製品であるEmanate(登録商標)(フランスのV. Mane Fils社から市販)がある。
本発明による喫煙物品は、最大約10mg、好ましくは最大約6mg、より好ましくは最大約1mgの完全ニコチンなし乾燥粒状物質(NFDPM)又は「タール」送達を行う。この「タール」送達は、1mgほどの低さとすることができ、より好ましくは0.1mgほどの低さとすることができる。「タール」送達は、0.1mg〜10mgであることが好ましく、1mg〜10mg又は0.1mg〜6mgであることがより好ましく、1mg〜6mgであることが最も好ましい。
本発明による喫煙物品の全長は、約70mm〜約128mmであることが好ましく、約84mmであることがより好ましい。
本発明による喫煙物品の外径は、約5mm〜約8.5mmであることが好ましく、約7.9mmであることがより好ましい。
本発明による喫煙物品がフィルタを含む場合、フィルタの全長は、約18mm〜約36mmであることが好ましく、約27mmであることがより好ましい。
本発明による喫煙物品が多要素フィルタを含む場合、フィルタの各個々のセグメントの長さは、約5mm〜約22mmであることが好ましい。
本発明による喫煙物品は、例えば内側ライナを1又はそれ以上の種類の香味料でコーティングしたソフトパック又はヒンジ蓋パックなどの容器に入れて包装することができる。
添付図面を参照しながら、本発明をほんの一例としてさらに説明する。
本発明の第1の態様の第1の実施形態による、単一セグメントフィルタを含むフィルタ付きシガレットの側面図である。 本発明の第1の態様の第2の実施形態による、多要素フィルタを含むフィルタ付きシガレットの側面図である。 本発明の第2の態様の1つの実施形態による、多要素フィルタを含むフィルタ付きシガレットの側面図である。
図1〜図3に示すフィルタ付きシガレットは、いくつかの要素が共通しており、これらの要素には同じ参照数字を付けている。これらの側面図の各々では、フィルタの内部の詳細を示すために一部を剥離している。
各フィルタ付きシガレットは、一般に細長い円筒状の包装タバコロッド2を含み、その一端が、軸方向に整列した細長い円筒状フィルタ4に取り付けられる。包装タバコロッド2及びフィルタ4は、フィルタの全長及び包装タバコロッド2の隣接部分を取り巻くチップペーパー6により従来の方法で接合される。包装タバコロッド4の燃焼中に発生する主流煙に周囲空気を混合するために、フィルタ4に沿った位置にチップペーパー6を貫いて複数の環状穿孔8が設けられる。
各フィルタ4は、総重量が約25mgの複数の香味粒体を含む香味放出セグメント14を有する。香味粒体は円筒形であり、その平均最大寸法は約0.8mmである。
香味粒体はミント葉から形成され、このミント葉は、最初に0.2mm〜0.5mmの粒子サイズに切断した後に蒸気を吹き付けて、含水量を35%オーブン揮発〜45%オーブン揮発に増加させたものである。次に、ミント葉の密度を高めるとともに望ましい粒体断面形状に成形するために、切断したミント葉の湿塊をスクリュー押し出し機によって押し出してミント葉を圧縮する。次に、結果として得られたミント葉粒体の押し出し塊を切断して0.8mm前後のサイズの粒体を形成し、その後この粒体を室温で乾燥させることができる。
図1に示す本発明の第1の実施形態によるフィルタ付きシガレット10のフィルタ4は、包装タバコロッド2に隣接して当接する香味放出セグメント14から成る単一セグメントフィルタである。香味放出セグメント14は、複数の香味粒体が内部にほぼ均等に分散したセルロースアセテートトウのプラグを含む。
図2に示すフィルタ付きシガレット20は、端部を接した関係で当接する3つのセグメント、すなわちタバコロッド2から遠くに位置する口側端部セグメント12と、口側端部セグメントの上流に位置する香味放出セグメント14と、香味放出セグメント14の上流に位置するとともに包装タバコロッド2に隣接して当接するロッド側端部セグメント16とを含む多要素フィルタ4を有する。
口側端部セグメント12は、グリセロールトリアセテートで可塑化させた低濾過効率のセルロースアセテートトウのプラグを含む。香味放出セグメント14は、図1に示すフィルタ付きシガレット10に関連して上述した構造と同じ構造を有する。
ロッド側端部セグメント16は、使用時に主流煙の粒子相成分を部分的に濾過して除去する、中濾過効率から高濾過効率のセルロースアセテートトウのプラグを含む。
図3に示すフィルタ付きシガレット30は、端部を接した関係で当接する3つのセグメント、すなわちタバコロッド2から遠くに位置する口側端部セグメント12と、口側端部セグメント12の上流に位置する香味放出セグメント24と、香味放出セグメント24の上流に位置するとともに包装タバコロッド2に隣接して当接するロッド側端部セグメント16とを含む、図2に示すフィルタ付きシガレット20の多要素フィルタ4と同様の構造の多要素フィルタ4を有する。口側端部セグメント12及びロッド側端部セグメント16は、図2に示すフィルタ付きシガレット20に関連して上述した構造と同じ構造を有する。香味放出セグメント24は、複数の香味粒体を含むキャビティを有する。
図1〜図3に示す本発明の実施形態によるフィルタ付きシガレット10、20、30を形成するには、フィルタ4を作成した後に、これを従来の方法で製作された包装タバコロッド2に既知のフィルタ付きシガレット製造装置を使用してチップペーパー6によって接合する。
図2に示すフィルタ付きシガレット20の多要素フィルタ4を製作するには、多要素フィルタ4の各セグメント12、14、16の複数のユニットを含む別個の連続ロッドを既知の方法で作成し、次にこれらを組み合わせて、多要素フィルタ4の複数のユニットを含む連続フィルタロッドを形成する。その後、この連続フィルタロッドを切断機構によって等間隔に分断して、一連の個別の多要素フィルタを生産する。
図3に示すフィルタ付きシガレット30の多要素フィルタ4を形成するには、多要素フィルタ4の各セグメント12、16の複数のユニットを含む別個の連続ロッドを既知の方法で作成する。次に、セグメント12、16間に空間を形成するようにして、これらのセグメント12、16をプラグラップ材料内に配置する。この空間に粒体を充填し、その後セグメント12、16にプラグラップ材料を巻き付けて空間内の粒体を封入する。
以下の比較例は、本発明による喫煙物品の改善された香味送達を実証するものである。
比較例
元々の平均かさ密度が1立方センチメートル当たり0.28グラム前後のペパーミント葉から香味粒体を形成した。このペパーミント葉を0.2mm〜0.5mmの粒子サイズに切断し、切断したペパーミント葉の粒子に蒸気を吹き付けて、含水量が35%オーブン揮発〜45%オーブン揮発のペーストを形成した。次に、このペーストをスクリュー押し出し機に通して高圧で押し出して植物材料の密度を高め、1立方センチメートル当たり0.54グラム前後のかさ密度を有する複数の香味粒体を形成した。その後、この香味粒体を乾燥させて切断し、0.2mm〜1.5mmの粒子サイズを有する円筒状粒体を形成した。
タバコロッドと、口側端部セグメントとロッド側端部セグメントの間のキャビティに植物材料を含むフィルタとを有する3つのフィルタ付きシガレットサンプルを作成した(表1を参照)。第1のフィルタ付きシガレット(サンプル1)では、切断した乾燥ペパーミント葉を圧縮せずにキャビティに含めた。他の2つのフィルタ付きシガレット(サンプル2及びサンプル3)では、キャビティ内に複数の香味粒体を与えた。ISO条件下(60秒毎に、各々2秒間にわたって35mlを吸煙)で各フィルタ付きシガレットを喫煙し、主流煙を収集して有機溶媒中に抽出した。この液体抽出物をガスクロマトグラフィにより分析して、喫煙中に各フィルタ付きシガレット内の植物材料から放出されたメントールの量を求めた。この試験の結果を以下の表1に示す。
表1から、香味粒体内のペパーミント葉が、香味粒体のかさ密度が元々のペパーミント葉のかさ密度の約2倍になるように圧縮されていることが分かる。驚くことに、ISO条件(植物材料の単位体積当たり)下におけるサンプル喫煙中の香味粒体から煙中へのメントールの送達は、未圧縮のペパーミント葉からのメントール送達の2倍を上回ることが判明した。具体的には、サンプル1及びサンプル2のメントール送達の測定値を比較することにより、サンプル1のペパーミント葉を圧縮香味粒体中の同じ質量のペパーミント葉に置き換えた場合には、単位体積当たりのメントール送達が150%を超えて増加することが分かる。従って、メントール送達の改善は、ペパーミント葉のかさ密度の増加に基づいて行った93%前後に相当する予想を大幅に上回る。
表1
Figure 2014503204
この比較例は、圧縮草本植物材料で形成した複数の香味粒体を含む本発明の喫煙物品により、香味送達の大幅な改善がもたらされることを示すものである。
2 タバコロッド
4 フィルタ
6 チップペーパー
8 環状穿孔
12 口側端部セグメント
14 香味放出セグメント
16 ロッド側端部セグメント
20 フィルタシガレット

Claims (15)

  1. 喫煙物品であって、
    前記喫煙物品により生成される煙中に香味を放出できる圧縮草本植物材料で形成された複数の香味粒体を含み、
    前記香味粒体のかさ密度が、1立方センチメートル当たり少なくとも0.35グラムである、
    ことを特徴とする喫煙物品。
  2. 前記複数の香味粒体を含む香味放出セグメントを有するフィルタを備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の喫煙物品。
  3. 前記香味放出セグメントは、前記香味粒体を分散させた繊維状濾過材料のプラグを含み、該繊維状濾過材料は、実質的に前記フィルタの長手方向に整列するとともに実質的に前記繊維状濾過材料のプラグの全長に沿って延びる繊維を含む、
    ことを特徴とする請求項2に記載の喫煙物品。
  4. 前記香味放出セグメントは、前記香味粒体を分散させた繊維状濾過材料のプラグを含み、該繊維状濾過材料のプラグは、該繊維状濾過材料のプラグの長さに沿って途中まで延びるランダムに配向された繊維を含む、
    ことを特徴とする請求項2に記載の喫煙物品。
  5. 前記香味放出セグメントは、前記香味粒体で少なくとも部分的に満たされたキャビティを含む、
    ことを特徴とする請求項2から4のいずれかに記載の喫煙物品。
  6. 前記キャビティは、該キャビティの1立方ミリメートル当たり、平均して少なくとも0.5mgの植物材料を含む、
    ことを特徴とする請求項5に記載の喫煙物品。
  7. 前記フィルタは、
    前記香味放出セグメントの下流の口側端部セグメントと、
    前記香味放出セグメントの上流のロッド側端部セグメントと、
    のうちの少なくとも一方をさらに含む、
    ことを特徴とする請求項2から6のいずれかに記載の喫煙物品。
  8. 複数の前記香味粒体を分散させた喫煙可能材料のロッドを備える、
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の喫煙物品。
  9. 前記草本植物材料は、ハーブ葉、好ましくはペパーミント葉を含む、
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の喫煙物品。
  10. 前記植物材料を、該植物材料の前記かさ密度が元々のかさ密度の約2倍になるように圧縮する、
    ことを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の喫煙物品。
  11. 前記香味粒体は、押し出し粒体である、
    ことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の喫煙物品。
  12. 前記香味粒体は、非水結合材料を含まない、
    ことを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載の喫煙物品。
  13. 前記香味粒体は、圧縮されたペパーミント葉を含むとともに、ISO条件下における前記喫煙物品の喫煙中に、植物材料のかさ立法センチメートル当たり少なくとも0.05マイクログラムのメントールを放出する、
    ことを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の喫煙物品。
  14. 前記香味粒体は、圧縮されたペパーミント葉を含むとともに、ISO条件下における前記喫煙物品の喫煙中に、植物材料のかさ立法センチメートル当たり少なくとも0.06マイクログラムのメントールを放出する、
    ことを特徴とする請求項13に記載の喫煙物品。
  15. 喫煙物品内における複数の香味粒体の使用であって、該香味粒体は、喫煙物品により生成される煙中に香味を放出できる圧縮草本植物材料で形成され、1立方センチメートル当たり少なくとも0.35グラムのかさ密度を有する、
    ことを特徴とする香味粒体の使用。
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