JP2014500786A - 液体又は蒸気から汚染物質を分離するための方法及び構成 - Google Patents

液体又は蒸気から汚染物質を分離するための方法及び構成 Download PDF

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Abstract

本発明は、蒸発装置において凝縮水などの液体又は蒸気から汚染物質を分離するための方法及び構成に関する。蒸気ダクト内を流れる蒸気又は蒸気ダクト内の壁面に汚染物質の濃度が高い液体を噴霧又は分散させることによって液体を蒸気と直接接触させ、したがって、噴霧された液体の汚染物質含有量を低減させ、より清浄な液体を生成する際に、ストリッピングによって汚染物質が液体から分離される。汚染物質は蒸気に濃縮される。蒸気ダクト内を流れる汚染物質の濃度が高い蒸気又は前記蒸気ダクト内の壁面により清浄な液体を噴霧又は分散させることによって蒸気を液体と直接接触させ、したがって、液体の汚染物質含有量を増大させ、より清浄な蒸気を生成する際に、吸収によって蒸気から汚染物質が分離される。

Description

本発明は、蒸発装置において凝縮水などの液体又は蒸気から汚染物質を分離するための方法及び構成に関する。
メタノール(MeOH)は、バイオマス廃水流又は黒液流における化学的酸素要求量(COD)及び生物学的酸素要求量(BOD)の最も重要な要因の1つである。環境規制が厳しくなっているため、活性メタノールの分離及び抑制が必須になっている。パルプ工場において木片をアルカリ蒸解すると、通常、パルプ1トン当たり5〜20kgのMeOHが形成され、したがって、メタノールは蒸解装置からのすべてのオフストリーム中に様々な量で存在し、最も重要なオフストリームは弱黒液流である。弱黒液は、蒸発することによって凝縮していわゆる燃焼黒液になり、次いで回収ボイラ内で燃焼する際、同時にパルプ工場において重要なエネルギー源を形成するので、再使用可能な清浄な水を生成するうえで必須の液流である。現代の回収プロセスでは、最新のパルプ工場において、熱と電気の両方が過度に生成されることがある。
蒸発装置内の弱黒液から除去された水は、メタノール、エタノール、アセトン、テレピン、及びいくつかの硫黄化合物のような多数の揮発性化合物を含むことがある。その場合、すべてのこれらの化合物は、一部が燃焼黒液に含有されるが、大部分は二次凝縮水及び不凝縮オフガスとして分離される。
エバポレータにおける現代の分離プロセスは、目標として、二次凝縮水を分離して、大部分のメタノールを、許容されるコストで浄化できる比較的小さい1つの凝縮水留分(汚染凝縮水と呼ばれることが多い)の中で、濃縮させるようにする必要がある。その場合、凝縮されたメタノール及びその他の揮発性有機化合物を、回収ボイラ、専用不凝縮ガス焼却炉、又は石灰窯で燃焼させてもよい。これによって、バイオマス由来のメタノールの環境に対する影響が軽減され、また、真水消費量が減少する際にメタノールの蓄積量が低減する。
現代のパルプ工場では、高度のプロセス統合がなされており、黒液の蒸発は、現代の化学物質循環、水循環、及びエネルギー循環の非常に本質的な部分である。このことは、中央に多重効用エバポレータ列を有する現代のパルプ工場によっても証明されている。
黒液蒸発装置は、通常、3つから7つの効用を有する多重効用蒸発装置を備える(図1)。多重効用蒸発は、ほぼすべての硫酸塩パルプ工場において使用されている。スチームシーケンスは、直線状に下流側に向かう。ほぼ必ずこの構成が使用される。生スチームは、工場の低圧スチーム分配システムから0.35〜0.45MPaの圧力(絶対圧力)で供給される。これは、139℃〜148℃の飽和温度に相当する。生スチームは、第1の効用(図1には示されていない)の発熱体に送り込まれる。効用1の液側で発生した蒸気は、配管15を通して効用2の発熱体に導かれ、配管16によって示されているように、そこから効用3に導かれ、さらに次の効用へと導かれる。最終的に、温度が57℃〜60℃の最後の効用6から得られた蒸気が、表面凝縮器8内で凝縮する。ほぼすべての場合に、スチーム流シーケンスには番号が付され、したがって、スチーム流シーケンスは、効用1から、効用2と番号が付された次の効用に進み、さらに次の効用へと進み、黒液は、通常、逆方向に流れる。図1において、エバポレータの発熱体は互いに取り付けられた2枚のプレートで形成された層板である。蒸発されるべき液体は、層板の外面に当たり、蒸気などの加熱媒体が層板の内側を流れる。これについては、図2において詳しく説明する。
蒸発装置内の液流シーケンスの配置については、いくつかの可能性が存在する。効用の最適な数は、発電量、電気代などのような境界条件を有する工場のスチームバランスによって決まる。スチームを節約することが必ずしも経済的ではなく、個別的に最適な解決策を見つけるには工場全体のコストを計算する必要がある。図1の応用例は、軟材を原材料として使用する北部のパルプ工場に典型的な応用例である。
凝縮器効用1は、いくつかのサブユニットに分割され、サブユニットは、通常、スチーム側では並列に配置され、液側では直列に配置される。液側では、代表的なシーケンスは逆流シーケンス又は混合給液シーケンスである。給液温度が最後の効用における温度よりも高く、且つ逆流給液パターンが好ましい場合、液を最後の効用に送る前にフラッシングする必要がある。高温の弱液から得られたフラッシング後のスチームは、次いで、適切な二次スチーム流と混合され、より低温の効用に潜熱を与える。この黒液流を、図1に示す。配管10内の弱黒液(又は他のセルロースパルプ廃液)が効用4に送り込まれ、そこで液がフラッシングする。次いで、液は配管11を通過して効用5に至り、そこでさらにフラッシングされる。効用5から、液は配管12を通過して効用6に至り、蒸発する。液は、配管13によって示されるように、効用5、4、3、2においてさらに蒸発する。配管14内の蒸発後の液は、効用2から引き出され、効用1(図示せず)に送り込まれ、回収ボイラ内で燃焼させる生成液が形成される。
廃水処理工場に対するBOD(生物学的酸素要求量)及びCOD(化学的酸素要求量)負荷は、蒸発システム内で二次凝縮水を適切に浄化し分離することによって、大幅に低減させることができる。二次凝縮水の品質が十分な品質であると、すべての凝縮水を工場のプロセスで使用することができ、真水の取込みと置き換えることができる。これによって、環境負荷が著しく低減する。
効果的な液滴分離によって、現代のエバポレータから得られる二次凝縮水は、塩をほとんど含まず、通常、硬材用途では5〜10mgNa/lである。黒液から得られるすべての揮発性成分(メタノール、総還元性硫黄(TRS)化合物)を、蒸発装置内で二次凝縮水から効果的に分離することができる。
現代のエバポレータでは、二次凝縮水を層板の内側で清浄な凝縮水留分と汚染凝縮水留分に分留することができる(図1及び図2参照)。生成された汚染凝縮水は、通常、スチームストリッピングによってさらに処理される。ストリッピングプロセスによって、ストリッピングされた(清浄な)凝縮水及び液体メタノール燃料が生成される。各効用における分留としては、メタノールの回収率を最大にし、一方、汚染凝縮水流を最小限に抑えるような分留が選択される。蒸発装置から得られる汚染凝縮水量は、通常、総凝縮水量の約15%であり、70〜80%の全メタノール回収率を実現することができる。本(ダクトストリッピング)発明は、内部凝縮水分離機能を有するエバポレータと組み合わされたときにメタノール回収率をほぼ100%に向上させるのを助けることができる。凝縮水分離について以下に説明する。
層板20内部の蒸気空間は、傾斜溶接継目21によって下部22及び上部23に分割されている(図2)。配管28を通してエバポレータに送られた水蒸気の大部分は下部において凝縮され、清浄な凝縮水24が生成される。蒸気のより小さい留分は、大部分のメタノール及びTRS化合物と一緒に、上部23において凝縮され、汚染凝縮水25として収集される。汚染凝縮水の断面積は、層板表面の5〜30%であり、後端エバポレータ効用において最大になる。排出蒸気は、導管26から排出される。蒸発させるべき液は、配管29を通して導入され、蒸発後の液は配管30を介して排出される。エバポレータ内で生成された蒸気は、配管31を介して取り出される。
各効用における分留としては、メタノール回収率を最大にし、一方、汚染凝縮水流を最小限に抑える分留が選択される。各エバポレータ段から得られる汚染凝縮水量は、通常、総凝縮水量の5〜30%である。図2に示すエバポレータでは、汚染凝縮水の部分は総流入蒸気量の10%であり、そのMeOH流出質量流量は、MeOHの総流入質量流量の80%である。清浄な流出凝縮水の対応する数値は、総流入蒸気質量流量の89%であり、MeOH流出量はMeOHの総流入質量流量の10%に等しく、排出蒸気は総流入蒸気質量流量の1%であり、そのMeOH流出質量流量は、MeOHの総流入質量流量の10%である。
凝縮水の品質及びメタノール回収要件に応じて、分離効用の数及び分離面積を、各エバポレータにおいて自由に選択してもよい。6効用エバポレータ内の二次凝縮水留分を図1に示す。図1に示す6効用エバポレータは、効用2〜6及び表面凝縮器において分離を行う。対応する凝縮水流量及び組成を表1に示す。
図1で、効用2、3、4、5において形成された汚染凝縮水は、フラッシュタンク17に回収され、配管18を通して排出される。表面凝縮器8及び効用6から得られた汚染凝縮水(FC)も配管18に導かれる。効用2、3、及び4から得られた清浄な凝縮水は、二次凝縮水1(SC1)として配管9を通して排出される。効用5、6及び表面凝縮器8から得られた清浄な凝縮水は、二次凝縮水2(SC2)として配管27を通して排出される。
汚染凝縮水は、通常、ストリッピングされる液体が重力によって下方に流れ、且つスチームが上昇する円筒形の容器である回収塔内でスチームによって浄化される。この質量移動プロセスは、液体の加熱及びガス抜きを各段階に分割する塔内の中間棚によって強化される。汚染凝縮水回収塔は、蒸発効用1と蒸発効用2の間又は蒸発効用2と蒸発効用3との間に配置される。前の効用から得られた二次蒸気が回収塔内の熱源として使用される。後続の効用は、MeOH及びTRS化合物が濃縮された、回収塔の頂部から得られる蒸気の一部が凝縮され(内側)、且つ黒液が蒸発する(外側)専用層板パッケージを有する。不凝縮蒸気は、液予熱器内でさらに一部が凝縮され、回収塔の気体の残りはトリムコンデンサを通って流れる。ストリッパーオフガス(SOG)中のMeOH含有量は、ガスがさらに液体メタノールとして処理される場合には約30%に調整され、或いはガスが気相において焼却される場合には約30〜50%に調整される。回収塔底部から得られたストリッピングされた清浄な凝縮水を、清浄な二次凝縮水と混合してもよい。
ストリッパーオフガスを(専用不凝縮ガス焼却炉/石灰窯/回収ボイラ内で)燃焼させるか又はメタノール塔内で液体メタノールに精留してもよい。貯留し、その後制御しながら燃焼させることができる液化メタノールは、通常、含水量が約20%であり、約15MJ/kgを実現する良好な燃料である。
汚染凝縮水の統合的なストリッピングは、代替システムに勝る大きな利点を有し、すなわち、汚染凝縮水を浄化するのに必要なすべてのエネルギーをエバポレータ内で利用することができ、ストリッピングは、エバポレータの経済性をそれほど低下させない。
内部分離と外部分離はいくつかの周知のプロセスにおいて組み合わされている。Honkanen等は、前の効用から得られた汚染凝縮水が回収塔内でフラッシングされる米国特許第6,797,125号の方法によって特許を取得している。エバポレータDから得られた純凝縮水留分は、フラッシングされた蒸気によって回収塔内で浄化され、得られた高純度凝縮水留分が回収塔の底部から取り出される。
Olausson等(6)は、米国特許第6,258,206号において以下の方法を提案した。内部分離が使用されるエバポレータ列において、効用1から得られた汚染凝縮水が、効用2のスチーム側の上部に送られる。効用3から得られた清浄な凝縮水留分が、効用2のスチーム側の下部に循環させる。MeOH及びその他のVOCは、最後の効用から得られる汚染留分に濃縮される。異なる純度の凝縮水をスチーム側に送り込むと、まず、不純物を収集するがそれにもかかわらず伝熱部の上部においてより汚染度の高い凝縮水を浄化することができる清浄な二次蒸気によって、最も汚染度の低い凝縮水がストリッピングされる。
最も汚染度の高い凝縮水留分は凝縮水処理装置に送られる。凝縮水処理装置は、通常、エバポレータ列と一体化され、回収塔と、2効用エバポレータと、MeOH液化塔と、テルペンデカンタとを含む。
図10に示す代表的な構成では、まず、配管200内の汚染凝縮水が、回収塔204の底部から得られた配管206内のストリッピングされた凝縮水と一緒に予熱器202内で予熱される。回収塔204は、段塔であり、通常、効用1から得られる配管228内の二次蒸気を使用して凝縮水から不純物が除去される。汚染された回収塔塔頂蒸気208を使用して分離された伝熱部内の第2の効用210が加熱され、凝縮水がフラッシングされ、配管212を介して回収塔に環流として再循環される。第2の効用の分離された伝熱領域から得られる不凝縮ガス(NCG)を使用して効用2と効用3との間で(予熱器214内で)液を予熱してもよい。すべてのNCG及びフラッシングされた蒸気は、最後にトリムコンデンサ216に送られ、配管218内の水を冷却することによって最終的な凝縮が行われる。配管230内の得られた凝縮水は、回収塔の環流と混合される。トリムコンデンサ216から得られたNCGを、回収ボイラ、石灰窯、又は専用NCG焼却炉内で燃焼させてもよい。代替として、MeOH塔222内で、蒸気238によって、(配管220内の)NCGをストリッピングしてもよい。MeOHから得られた塔頂蒸気232は、凝縮器224内で、冷却水240によって、一部が液体MeOHとして凝縮され、液体MeOHが配管236を介して取り出される。軟材装置におけるテルペンデカンタ内でテルペンを分離してもよい。MeOH塔から得られた塔底流、及び凝縮水回収塔から得られた凝縮された塔頂蒸気を、デカンタシステム内で分留してもよい。
蒸発凝縮水などの液体流又は蒸気流から、蒸発装置におけるメタノール及びTRSのような汚染物質を分離することを、向上させることが望ましい。この新規の方法及び構成はパルプ工場で実施することができるが、それに限定されない。本発明の目的は、蒸気ダクト内の正味質量及び伝熱を最適化することにより、液滴又は液膜中の液体(二次凝縮水)からメタノール及びTRSなどの汚染物質を蒸気としてストリッピングすることによって、汚染物質の分離を強化することである。このことは、二次凝縮水などの液体をエバポレータの蒸気流に噴霧することによって可能になることが分かっている。新規の方法によって浄化される液体をダクトストリッピングされた液体と呼ぶ。
少なくとも、たとえば大量の二次凝縮水流を前処理する必要があるか、或いは、ダクトストリッピングされた二次凝縮水流を、直接、高温の真水の代替物として使用することができるか、或いは、非常に清浄であり、したがって回収塔内で処理する必要がまったくないより清浄な二次凝縮水留分にダクトストリッピングされた凝縮水を添加する場合、蒸気ダクト内の液体をストリッピングすることは、二次凝縮水を回収塔内で直接処理することよりも好ましい。したがって、ダクトストリッピングは、主として、回収塔への汚染凝縮水又は二次凝縮水の流量を最小限に抑え、それによって回収塔の熱エネルギー消費量を最小限に抑えるのに使用される。ダクトストリッピングは、高温の真水の代替物として使用できる清浄な凝縮水を生成するのに使用されてもよい。
本発明の方法によれば、汚染された液体を、蒸気ダクト内を流れる蒸気に噴霧するようにして、蒸発装置において液体を蒸気と直接接触させ、したがって、噴霧された液体の汚染物質含有量を低減させ、汚染物質が蒸気に濃縮されるように清浄な液体を生成することにより、ストリッピングによって汚染物質が液体から分離される。浄化された液体は、処理の観点から蒸気ダクトの最も有利な部分に収集される。上述のように汚染物質を蒸気に濃縮させることをストリッピングと呼ぶ。
本発明の方法によれば、蒸発装置において液体を凝縮蒸気と直接接触させ、汚染物質の濃度が低い液体を、蒸気ダクト内を流れる蒸気又はダクトの壁面に噴霧するか又は分散させ、したがって、噴霧された液体の汚染物質含有量を増大させて浄化された蒸気を生成し、汚染物質の濃度の高い液体を収集することによって、汚染物質が蒸気からも分離される。上述のように、汚染物質を液体に濃縮させることを吸収と呼ぶ。粒子及び/又は酸及びアルカリのようなキャリオーバ成分を蒸気から分離してもよい。
蒸気ダクトを備える少なくとも1つの蒸発缶を有する蒸発装置において液体又は蒸気を浄化するための本発明の構成を開示する。好ましい実施例によれば、蒸気ダクトは、液体を蒸気ダクト内を流れる蒸気又はダクトの壁面に噴霧するか又は分散させて液体を蒸気と直接接触させ、したがって、液体又は蒸気の汚染物質含有量を低減させるためのデバイスを備える。
蒸気ダクトは、エバポレータに連結され、エバポレータ内で形成された蒸気が導き出されるダクトである。蒸気ダクトは、蒸気が別の蒸発缶に導かれ、同じエバポレータに戻るか、又はさらなる処理段階に導かれるように構成されてもよい。ストリッピング又は吸収のいずれかによる汚染物質の分離は、ダクト内における凝縮水などの液体の滞留時間を延ばすことによって強化することができる。蒸気ダクトのガス容積及び湿潤面積(すなわち、液滴面積+膜面積)が可能な限り大きいときに好ましい分離が実現される。これは、エバポレータ用途のいくつかは、他のものよりもダクトストリッピングより適していることを意味する。分離効率に影響を与える他の重要な変数は噴霧特性及び二次凝縮水の方向である。
汚染物質の分離は、噴霧の前に蒸気の飽和温度又は蒸気の飽和温度よりも5〜10℃高い温度まで噴霧された液体を加熱することによって強化される。
この新規の方法では、様々な種類の汚染物質を液体から分離することができる。好ましい実施例によれば、汚染物質は、パルプ工場における凝縮水中の一般的な揮発性汚染物質であるメタノール及び/又はTRS(総還元性硫黄)化合物である。通常、前記噴霧すべき液体は凝縮水であり、前記汚染物質はメタノール及びTRSの少なくとも一方である。
メタノール及び/又はTRSの濃度が高い液体のような汚染された液体は、蒸気流に並流的に噴霧されても、又は蒸気ダクト内の蒸気に向流的に噴霧されても、又は蒸気流に対して任意の他の方向に噴霧されてもよい。向流によって分離が向上することが多い。
本発明の実施例によれば、多効用蒸発装置内で汚染物質(メタノール及び/又はTRS)の濃度が高い凝縮水が形成され、凝縮水は、その凝縮水を生成したエバポレータ或いは先行するエバポレータ又は後続のエバポレータから蒸気ダクト内に噴霧される。メタノール及び/又はTRSの濃度が高い液体のような汚染された液体を、多重効用装置又はファン若しくはスチームエゼクタによって駆動される蒸気再圧縮装置のような単一効用装置であるエバポレータプロセスのどちらのプロセスにおいて浄化してもよい。
浄化された液体は、工場内の真水の代替液体として使用されてもよい。
本発明による方法は、すべての周知のエバポレータ用途に適用可能である。
本発明の方法では、汚染された液体又は蒸気を低圧力と高蒸気圧のどちらで処理してもよい。
垂直蒸気ダクト内の浄化/汚染された液体(凝縮水など)の収集点は、カーブの後の、蒸気ダクト流出口の底部に配置されることが好ましい。
汚染物質の濃度が高い液体は、任意の硬材パルプ化プロセスから得られる廃液、又は任意のバイオマスプロセスから得られる廃液若しくは廃水流(スラッジ流など)であってもよい。
ダクトストリッピングを使用して、バイオマスによる任意のパルプ化プロセスから得られる廃液凝縮水汚染物質を浄化してもよい。燃料、食品、又は化学物質を生成する任意のバイオマスプロセスの蒸発装置において汚染された蒸気流から汚染物質を吸収する方法としてこの新規の方法を使用してもよい。この新規の方法を実施する構成は、この新規の蒸発装置でも既存の蒸発装置でも容易に設置することができる。主要な構成部材は、いくつかの追加的なパイプラインと、液体を適切な蒸気ダクトに届けるための連結部である。
液体は、蒸気ダクト壁を貫通して蒸気ダクトまで延び、液体が蒸気流に液滴として噴霧されるように少なくとも1つのノズルを備える給水管を介して供給されることが好ましい。複数のノズルがある場合、ノズルはダクトの幅にわたって均等に分配される。液体は、ダクトの周囲のダクトの内壁から液体を供給できるように構成されたノズルの形をした開口部を介して噴霧されてもよい。液体は、ダクト壁のそのような開口部を通して供給されてもよく、それによって、液体は、ダクトに分散され、ダクトの内壁に沿った膜として流れる。開口部は、ダクトの周囲に配置される。
適切に動作するダクトストリッピング又は吸収システムの重要な変数は、蒸気及び汚染(又は清浄)凝縮水の質量流量(m、m)、スプレーノズル上の圧力降下(p3〜p5)、ノズル特性、(すなわち、噴霧形状(中空の円錐又は中実の円錐)、液滴直径分布(平均直径)、噴霧の開口部角度(α)、液滴の速度(w))、液滴温度及び液滴飽和温度(T3、p6)、液滴及び蒸気速度(w、w)、ダクト内の滞留時間(τ)、ダクト形状、蒸気と液体の平衡(x及びy)、界面平衡(水蒸気の正味質量移動、これはメタノールの移動に影響を与える)、液滴内部とダクト壁上の両方での伝熱及び質量移動(水蒸気の正味質量移動に影響を与える)である。用語については表2及び図3を参照されたい。5mmよりも小さい液滴を生成し、開口部角度が20°〜180°である市販のノズルを使用すると好ましい動作が実現される。蒸気ダクトガス容積及び湿潤面積(=液滴面積+膜面積)が可能な限り大きいときにさらに好ましい分離が実現される。適切なノズルサイズ及びノズル数は、処理の規模と噴霧される液体の体積流量によって決まる。
ダクト内の膜面積は、内部ダクト部材によって広くすることができる。膜面積は、たとえば蒸気ダクト内部の管によって広くすることができる。内部ダクト部材は、単純な構成を有する。内部ダクト部材は、液体又は気体の流量パターンにそれほど影響を与えず、また圧力損失をそれほど生じさせない。充填塔に使用される充填部材は使用されず、蒸気ダクトの断面には蒸気流がほとんど存在しない。
上記の重要な変数をできる限り費用効率が高くなるように最適化し、しかも最大限の分離を可能にし、たとえばメタノールをほぼ100%除去する(以下の例を参照されたい)ことによってメタノールの正味質量移動速度が最高になるように、ダクトストリッピングシステムを設計すると有利である。ほぼ100%の除去は本発明を利用することによって実現することができる。
本発明の方法及び構成について、添付の図面を参照してさらに説明する。
黒液の周知の多重効用蒸発装置を概略的に示す図である。 凝縮水が清浄な凝縮水と汚染凝縮水に分離される周知の層板エバポレータの構造を示す図である。 本発明によるダクトストリッピング構成を概略的に示す図である。 本発明の試験構成を概略的に示す、実験構成の原則図である。 本発明の試験構成を概略的に示し、フィールドテストのサンプリングポイント並びに測定ポイントを示す図である。 本発明の試験結果を示す図である。 本発明の試験結果を示す図である。 本発明の試験結果を示す図である。 本発明の試験結果を示す図である。 統合された汚染凝縮水回収塔と液体メタノール装置を示す図である。 蒸発容量が80%であるときの二次凝縮水2の伝導率試験の結果を示す図である。
この新規のストリッピングプロセスを実施するための構成を図3に示す。多重効用蒸発装置の効用x及びx+1が示されている。これらの効用は、たとえば、黒液蒸発装置の効用V及びVIであってもよい。黒液は効用xにおいて蒸発し、それによって蒸気が形成される。蒸気は、ダクト100を通って、次の効用x+1に導かれる。メタノール及びその他の揮発性化合物を含む汚染凝縮水は、配管102を通過し、1つ又は複数のノズル104によって蒸気ダクト100に噴霧される。凝縮水の液滴が蒸気に直接接触し、それによって、メタノール及びその他の汚染物質が蒸気流によって吸収される。浄化された凝縮水は、ダクトストリッピングされた凝縮水と呼ばれ、蒸気ダクトの壁に沿って下降し、好ましくは、カーブ106の後で、効用x+1に流入する前に蒸気ダクトの底部108に収集される。揮発性汚染物質の含有量が増した蒸気は、ダクト100内を次の蒸発効用x+1まで流れ、そこで凝縮される。効用x+1の発熱体は、図2に関連して説明したように層板110であり、それによって、凝縮水の分離が行われ、層板110内に清浄な凝縮水114及び汚染凝縮水112が形成される。汚染凝縮水を工場の回収塔装置においてさらに処理してもよい。配管116内のダクトストリッピングされた凝縮水を蒸気ダクト100から、凝縮水がプロセス用水として使用されるプロセスに直接送り出してもよい。ダクトストリッピングされた凝縮水と清浄な凝縮水114を混合してもよいが、これは、これらの凝縮水におけるメタノールなどの汚染物質の含有量と、さらなるプロセスにおける凝縮水の最適な使用法によって決まる。
汚染凝縮水は、蒸気ダクト100に噴霧される前に直接加熱されてもよく、或いは、熱交換機118内で間接的に加熱されてもよい。加熱は、ダクト内のストリッピング効果に寄与する。
大規模なパルプ工場の蒸発装置でのフィールドテストを実施した。メタノール含有量が多い凝縮水を用いた大規模な工場の試験によるメタノール及びCOD(化学的酸素要求量)の分析を、フィンランドのEspooのVTT Expert Services Oy によって実施した。MeOHをGC−FIDガスクロマトグラフィによって分析し、CODを標準化されたSFS5504:1988滴定方法によって分析した。MeOH及びCOD除去率を以下の数式によって算出した。
上式で、S3及びS5が分析される(サンプリングポイントS3及びS5におけるMeOH濃度及びCOD濃度、図3及び図4参照)。液滴質量がわずかに変化しても結果は影響を受けないものと仮定する。どの実験も平衡除去率を超えなかった。メタノールの測定値が不確かであるのは、CODの除去と比較して除去されるメタノールの変動が大きいためであるとみなされる。
図4は、2つの黒液エバポレータV及びVIを示している。効用Vにおいて形成された蒸気は、蒸気ダクト120を通して効用VIに導かれる。図1に関連して説明したように、表面凝縮器において凝縮水SC及びSC1が生成される。凝縮水SCは、配管124を通過し、蒸気ダクト120に噴霧される。各蒸発効用及び表面凝縮器から得られた汚染凝縮水は、配管126を通過し、効用Vから得られた二次凝縮水は配管128を通過する。ダクトストリッピングされた凝縮水は、効用VIに導かれ、効用VIにおいて形成された二次凝縮水と一緒に効用VIから配管130に排出される。
汚染凝縮水を、黒液蒸発装置の効用Vから蒸気ダクト内に噴霧した。この試験稼働は、80%又は100%のいずれかの蒸発容量で動作する蒸発装置において実施された。試験中は、蒸発装置を安定状態に維持した。試験プロセスについては図4及び図5で説明する。
図5において、図3の多重効用蒸発装置の効用x及びx+1が示されている。これらの効用は、黒液蒸発装置の効用V及びVIである。黒液は効用5において蒸発し、それによって蒸気が形成される。蒸気はダクト100を通って次の効用6に導かれる。効用6から得られた配管134内の蒸気が凝縮される表面凝縮器132から得られたメタノール及びその他の揮発性化合物を含む汚染凝縮水は、配管102を通過し、1つ又は複数のノズル104によって蒸気ダクト100に噴霧される。凝縮水の液滴が蒸気に直接接触し、それによって、メタノール及びその他の汚染物質が蒸気流によって吸収される。浄化された凝縮水は、ダクトストリッピングされた凝縮水と呼ばれ、蒸気ダクト100の壁に沿って下降し、好ましくは、効用6の底部を通して収集される。揮発性汚染物質の含有量が増した蒸気は、蒸気ダクト100から次の蒸発効用6の発熱体に流入し、そこで凝縮される。効用6の発熱体は、図2に関連して説明したように層板110であり、それによって、凝縮水の分離が行われ、層板110内に清浄な凝縮水114及び汚染凝縮水112が形成される。配管112内の汚染凝縮水を、工場の回収塔装置においてさらに処理してもよい。ダクトストリッピングされた凝縮水は、効用6に導かれ、さらに、後続のエバポレータ6から得られた蒸気凝縮水と一緒に、配管114を通して、プロセス用水として使用できるプロセスに導かれる。
汚染凝縮水を、蒸気ダクト100に噴霧する前に、配管136からのスチームを添加することによって配管102内で直接加熱してもよい。この加熱はダクト内のストリッピング作用に寄与する。
図5におけるサンプリングの位置及び測定を表3に示す。
試験結果を図6〜図9に示す。図6及び図7は、蒸発装置が80%の蒸発容量で動作したときの、様々な凝縮水温度(℃)でのメタノール及びCOD除去率を示している。図6は、蒸発装置が80%の蒸発容量で動作したときのメタノール除去率を示しており、パラメータは二次凝縮水流量と蒸発速度との比である。図7は、蒸発装置が80%の蒸発容量で動作したときのCOD除去率を示しており、パラメータは二次凝縮水流量と蒸発速度との比である。
図8及び図9は、蒸発装置が100%の蒸発容量で動作したときの、様々な凝縮水温度(℃)でのメタノール及びCOD除去率を示している。図8は、蒸発装置が100%の蒸発容量で動作したときのMeOH除去率を示しており、パラメータは二次凝縮水流量と蒸発速度との比である。図9は、蒸発装置が100%の蒸発容量で動作したときのCOD除去率を示しており、パラメータは二次凝縮水流量と蒸発速度との比である。図6〜図9の凡例パラメータ100%は、蒸発装置の容量が80%又は100%であるときに、噴霧される凝縮水質量流量が効用5から得られる水蒸気の質量流量と等しくなることを意味する。同様に、図6〜図7の凡例名(50%、75%、115%)は、蒸発装置の容量が80%であるときに、噴霧される凝縮水質量流量と効用5から得られる蒸気の質量流量が(50%、75%、115%)であることを意味する。
これらの結果によれば、加熱された凝縮水(「高温」噴霧)からの除去率は、低温噴霧凝縮水からの除去率よりも高い。これは、「平衡」凝縮水又は「高温」噴霧凝縮水では、MeOHを与えることのできる蒸気がより多く、解消すべき水蒸気の正味質量移動がより少ないからである。図6〜図9を参照されたい。蒸発容量が100%であるときに除去率が低くなるのは、反応炉の体積が小さくなり(高速に流れる蒸気によって液滴が運ばれる)、壁の湿潤面積が狭くなり、噴霧された凝縮水の滞留時間τが短くなるからである。
試験稼働時の伝導率傾向:蒸発容量が80%である試験時に装置の全二次凝縮水流から伝導率データを収集した。図11を参照されたい。この場合、伝導率の記録された変化は主として、MeOHよりも伝導率の高いTRS化合物の変化によるものである。二次凝縮水2の伝導率が、噴霧が開始された直後(点「Ref 1」)に低下し、噴霧体積が50%から115%の流れに増大すると引き続き低下する(噴霧を点「Ref 2」で停止させた)ことが分かる。したがって、点2〜点11は、二次凝縮水と蒸気流の比及び噴霧される二次凝縮水の温度が変化する1組のフィールドテストの試験稼働番号である。したがって、蒸発装置を100%の容量で動作させる後半の試験において伝導率の変化を検査した。蒸発装置を100%の容量で動作させたときに、蒸気ダクトフィールドテストによるTRS除去率の試験室測定値を計算したところ、95%よりも高くなった。
エバポレータの上部には、通常、液滴分離器が備えられる。汚染された蒸気がエバポレータ内に形成され、エバポレータの蒸発ダクトを通過するときに、汚染物質の濃度が低い液体が蒸気流に噴霧され、有害な粒子及び成分を蒸気から分離する。このことは、少なくともある程度、液滴分離器の動作に寄与するか、動作置き換わることもできる。
ダクト回収塔機能を向上させる重要な因子は以下の通りである。
A)ダクト表面(壁膜)上の液膜及び壁膜の形成(膜の開始点)の重要性
B)高速の蒸気流に対して向流的に噴霧すると液滴直径の減少が推進される。
C)蒸発容量を増大させて蒸気ダクト内の滞留時間を短くすると、除去効率が低下する。
本発明の新規の分離方法は、メタノール及び/又はTRSの濃度が高い凝縮水を蒸気ダクト内に噴霧し、清浄な凝縮水を、エバポレータの前の蒸気ダクト底部から収集するか又はエバポレータの清浄な凝縮水と一緒に収集することによって、より清浄な二次凝縮水を確保する。
フィールド測定値は、ダクト回収塔のメタノール除去効率がMeOH分離に対して工場全体において有効であることを示している。大規模な工場におけるダクト回収塔分離率測定値は約70%〜90%であることが証明されている。このため、パルプ1トン当たりのメタノール回収量を1〜3kgだけ増大させることが可能である。したがって、この方法は、フィンランドにおけるメタノール燃料の回収量を年数百万トン増大させることができる。それに加えて、臭気の排出量が低下するとともに、臭気を放つ凝縮水の使用が許容されない場所、たとえば、パルプ工場の苛性化装置における石灰泥フィルタで真水の原水を使用する必要性が低下する。したがって、この方法は、真水消費量を削減し、プロセス温度までの真水の加熱を低減させる。したがって、この方法は、廃水流量及び対応する廃水処理コストを低減させるのを助けることもできる。ダクトストリッピングは、費用効率が高い方法であり、年間パルプ生産量を考慮すると場合によってはパルプ1トン当たり1ユーロになることもある分離システムへの投資の動機付けを可能にし、すなわち、年間1000000トンのパルプ生産量は、1000000ユーロの凝縮水分離システムへの全体的な投資の動機付けを可能にする。
本発明について、現在最も実際的で好ましい実施例とみなされているものに関連して説明したが、本発明が開示した実施例に限定されず、逆に、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲内に含まれる様々な変形例及び均等構成を対象とするものであることを理解されたい。本発明は、層板エバポレータにおける黒液蒸発に関連して上記により詳しく説明した。本発明は、液体が蒸気ダクト内の蒸気に噴霧される発明であり、すべての周知の種類のエバポレータに適用可能である。エバポレータプロセスは、多重効用蒸発装置において実施されても、或いはファン又はスチームエゼクタによって駆動される蒸気再圧縮装置のような単一エバポレータ効用装置において実施されてもよい。

Claims (23)

  1. 蒸発装置において液体又は蒸気を浄化するための方法であって、蒸気ダクト内を流れる蒸気又は前記蒸気ダクト内の壁面に汚染物質の濃度が高い液体を噴霧又は分散させることによって、前記液体を前記蒸気と直接接触させ、したがって、汚染物質が前記蒸気に濃縮されるようにして、前記噴霧された液体の汚染物質含有量を低減させ、より清浄な液体を生成し、前記浄化された液体を収集する際に、ストリッピングによって前記液体から前記汚染物質を分離するか、或いは、
    蒸気ダクト内を流れる蒸気又は前記蒸気ダクト内の壁面上に汚染物質の濃度が低い液体を噴霧又は分散させることによって、前記液体を前記汚染された蒸気と直接接触させ、したがって汚染物質が前記液体に濃縮されるようにして、前記噴霧された液体の前記汚染物質含有量を増大させ、清浄な蒸気を生成し、前記汚染物質の濃度が高い液体を収集する際に、吸収によって前記蒸気から前記汚染物質を分離することを特徴とする方法。
  2. 前記浄化された液体若しくは汚染物質の濃度が高い液体は、前記蒸気ダクトから除去されるか、又は後続のエバポレータから得られた前記蒸気凝縮水と一緒に除去されるか、或いは、前記浄化された液体若しくは汚染物質の濃度が高い液体は、蒸気ダクト及び後続のエバポレータから除去されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 汚染物質の前記分離は、前記ダクト内の前記液体の滞留時間を延ばすことによって強化されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ストリッピングによる汚染物質の前記分離は、前記汚染物質の濃度が高い液体を噴霧の前に前記蒸気の飽和温度又は飽和温度よりも高い温度に加熱することによって強化されることを特徴とする、請求項1、2、又は3に記載の方法。
  5. ストリッピングされるべきメタノール又は/及びTRSの濃度が高い液体は、向流的又は並流的に噴霧されることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記メタノール及び/又はTRSの濃度が高い凝縮水は、バイオマス工場の蒸発装置内に収集され、前記凝縮水は蒸気ダクト内に噴霧されることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記メタノール及び/又はTRSの濃度が高い凝縮水は、ファン若しくはスチームエゼクタによって駆動される蒸気再圧縮装置などの多重効用装置又は単一効用装置であるエバポレータプロセスにおいて浄化されることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法。
  8. ストリッピングされるべき前記液体は凝縮水であり、前記汚染物質は、メタノール及びTRSの少なくとも一方であることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一項に方法。
  9. 前記浄化された液体は、工場内で真水の代替液体として使用されることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記垂直ダクト内の前記浄化された凝縮水の収集点は、前記蒸気ダクトの流出口の底部にあるカーブの後に配置されることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法。
  11. 任意のバイオマスによるパルプ化プロセスにおいて廃液凝縮水から汚染物質をストリッピングすることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一項に記載の方法。
  12. 任意のバイオマスプロセスにおいて汚染された蒸気流から汚染物質を吸収することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか一項に記載の方法。
  13. 汚染された液体又は蒸気は、低圧と高蒸気圧の両方で処理されることを特徴とする、請求項1から12までのいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記液体は、前記蒸気ダクトの表面から噴霧されるか又は前記蒸気ダクトの表面を通して噴霧されることを特徴とする、請求項1から13までのいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記液体は、2つ以上のスプレーノズルから供給されることを特徴とする、請求項1から14までのいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記ダクト内の膜面積は、内部ダクト部材によって広くされることを特徴とする、請求項1から15までのいずれか一項に記載の方法。
  17. 蒸気ダクトを備える少なくとも1つの蒸発缶を有する蒸発装置において液体又は蒸気を浄化する構成であって、前記蒸気ダクトは、蒸気ダクト内を流れる前記蒸気又は前記蒸気ダクト内の壁面に液体を噴霧又は分散させて前記液体を前記蒸気と直接接触させ、したがって、前記液体又は前記蒸気の汚染物質含有量を低減させるためのデバイスを備えることを特徴とする構成。
  18. 前記デバイスは、蒸気ダクト壁を貫通して前記蒸気ダクトまで延び、前記液体を噴霧するための少なくとも1つのノズルを備える供給管を備えることを特徴とする、請求項17に記載の構成。
  19. 前記デバイスは、前記液体を前記蒸気ダクトに分散させるための開口部を前記ダクト壁に備えることを特徴とする、請求項17に記載の構成。
  20. 前記蒸気ダクトは、前記液体を除去するための導管に連結されることを特徴とする、請求項17、18、又は19に記載の構成。
  21. 前記蒸気ダクトは、多重効用蒸発装置の2つの蒸発缶の間に配置されることを特徴とする、請求項1から20までのいずれか一項に記載の構成。
  22. 前記液体の収集点は、カーブの後の、前記蒸気ダクトの流出口の底部に配置されることを特徴とする、請求項20に記載の構成。
  23. 前記デバイスは、凝縮水を前記蒸気ダクトに導くための前記蒸発装置の凝縮水システムに連結されることを特徴とする、請求項1から22までのいずれか一項に記載の構成。
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