本発明の開示では、上記の目的のうちの1つまたは複数のものに取り組み、または下記の開示ならびに例示的な実施形態の説明から明らかな目的に取り組む、態様および実施形態が説明される。
本発明の原理を用いる薬物送達デバイスでは、ピストン移動は、ユーザが操作可能な作動要素によって制御され、この作動要素は、薬物容器の一般軸線に対して垂直な軸線の周りに回転可能である。それによって、ユーザは、ピストンに加えられる力プロファイルについてより大きな制御性を有し、一方、同時に、反復運動が、容器内での1つの増分よりも大きくピストンを前進させまたは後退させるのに必要とされる。特に、この反復運動は、単一の指で行われ得る。
本発明の第1の態様では、薬物を保持するための容器であって、出口および一般軸線を有する容器と、一般軸線に沿って移動することができるピストンと、ピストンと協働するように適応されるピストン駆動体とを備える薬物送達デバイスが提供される。薬物送達デバイスは、作動部材の少なくとも一部が突出するハンドル部分をさらに備えている。作動部材は、それによって容器内のピストンについてユーザ選択的な移動が可能になるように、ピストン駆動体と動作可能に連結され、一般軸線に対して垂直の軸線の周りに回転可能に配置される。
ユーザは、指のうちの1本、たとえば親指または人差し指で作動部材を操作しながら、彼/彼女の手の手のひらでハンドル部分を保持することができるので、作動部材の特定の回転配置は、薬物送達デバイスの片手での操作が可能になる。
好ましい実施形態では、容器は、ハンドル部分に対して静止して配置され、すなわちハンドル部分に対する容器の位置が固定される。これにより、デバイスの長さが変化しないのでユーザは操作時にデバイスの制御が快適であり得るようになる。換言すれば、ユーザは、作動部材の操作に集中するだけでよく、デバイス寸法の変更を運動性で考慮に入れる必要がない。
その態様では、薬物送達デバイスは、ピストン駆動体を収容するためのハンドル部分および容器の少なくとも一部と一体化したハウジングをさらに備えることができる。
ハウジングの少なくとも一部は、ハンドル部分と容器との間の非可変の軸線方向距離を画定するように、固定された軸線方向寸法を有する単一体の要素、または機械的に接合された要素を備えることができる。
あるいは、ウェブ状の支持構造物が、ハンドル部分に対して容器の固定された配置に供せられる。
作動部材は、ユーザがそれの各操作と同時にその位置の方へ制限された角度変化しか生じることができないように、配置され得る。これは、たとえば、作動部材のセグメントだけがユーザ操作にアクセス可能であるようになっているハンドル部分に開口を設けることによって行われ得る。作動部材とピストン駆動体との間の連結のため、作動部材の位置に対する制限された角度変化により、容器内でのピストンの制限された軸線方向変位が生じる。それによって、ピストンは、作動部材の単一の操作に応じて容器内の全体距離のほんの一部分よりも大きく無理に前進させられ、または後退させられ得ないことが確保される。
作動部材は、たとえば、ハンドル部分でシャフトに回転可能に取り付けられるホイール部材、またはディスク部材であり得る。ホイール部材は、直接に、あるいは1つまたは複数の力伝達要素を介してピストン駆動体と連結され得る。前者の場合には、ホイール部材は、たとえばそれの1つの平面、側面に配置され、かつピストン駆動体の一部に沿って配置されるそれぞれの相補形の係合セグメントと連続的に係合するように適応される、いくつかの係合セグメントを備えることができる。このタイプの連結は、いかなる追加の構成要素も必要とせず、さらにピストン駆動体をホイール部材の直径に沿って位置出しできるようになっており、それによって、対称のデバイス構成が可能になる。後者の場合には、ホイール部材は、たとえば、ホイール部材の回転運動が、ラック・ギアが設けられているピストン駆動体の少なくとも一部の並進運動に変換されるように、ピニオン・ギアを介してピストン駆動体と連結され得る。
作動部材がホイール部材である場合には、ホイール部材は、ホイール周縁のセグメントだけがいつでもユーザによる操作に対してアクセス可能であるように、ハンドル部分に配置され得る。たとえば、ホイール部材のセグメントが突出する、ハンドル部分のスロットが設けられ得る。上記に従って、次いで、スロットの長さが、たとえば指によるホイール部材の単一の操作中に、ユーザによって誘導できるホイール部材の最大角度変位を決定する。このように配置されるホイール部材は、デバイスが片手で操作され得ること、すなわち、ユーザが所期の簡単な方法でデバイスを直感的に操作できることを示している。
本発明のいくつかの実施形態では、ホイール周長の50%未満が、いつでもユーザ操作に対してアクセス可能である。
本発明のいくつかの実施形態では、ホイール周長の30%未満が、いつでもユーザ操作に対してアクセス可能である。
あるいは、作動部材は、たとえばホイールの一部、ノブ部材、レバー、ベルト、タッチ表面などであり得る。
作動部材は、ユーザ操作可能なセグメントが近位端から、および/またはハンドル部分の側面からアクセス可能であるように、かつ回転軸線の周りに両方向に操作可能であるように配置され得る。
たとえば押しボタンの代わりにピストン作動のために回転要素を操作する必要があることによって、ユーザが偶然にピストン駆動体に過度に大きな駆動力を加える危険が、著しく低減される。回転要素の配置は、ユーザに非常に大きい運動制御性を提供し、したがってピストンが最初は容器壁に固着する場合に、ユーザが静止摩擦力に打ち勝つように加えなければならない余分の力は、ピストンが突然高速で容器を通してかなりの距離だけ駆動されることになる危険にさらさないであろう。さらに、単一の操作時に作動部材の可能な回転の範囲を制限することによって、大きな回転力が加えられる場合に万一ピストンが突然容器壁を抜け出しても、この場合ピストンがその結果として移動できる軸線方向距離は、ピストンの可能な全移動距離のほんの一部分に制限される。
本発明の他の態様では、出口部分および近位端部分を備え、第1の軸線に沿って延在する容器と、出口部分と近位端部分との間で容器に配置される第1のピストンと、第1のピストンと近位端部分との間で容器に配置される第2のピストンとを備える、薬物混合および送達デバイスが提供される。それによって、第1のチャンバが、出口部分と第1のピストンとの間に設けられ、第2のチャンバが、第1のピストンと第2のピストンとの間に設けられる。未使用状況では、出口部分は、適切な開閉可能な、移動可能な、かつ/または貫通可能なクロージャ部によって閉鎖され得る。第1のチャンバは、第1の物質、たとえば粉末状薬剤、または液体を当初貯蔵するように適応され、第2のチャンバは、第2の物質、たとえば液体を当初貯蔵するように適応される。通路配置が、デバイスが混合状態にある場合に第2のチャンバから第1のチャンバへの流体通路を可能にするために設けられる。この通路配置は、たとえば、それによってバイパス・チャネルを形成するように、第1のピストンの軸線方向の大きさよりも僅かに長い容器のある一定の長さに沿って容器壁の半径方向の拡大部分を備え得る。デバイスは、第2のピストンと相互作用するように適応されるピストン駆動体、ハンドル部分、および、ハンドル部分によって支持される作動部材をさらに備える。作動部材は、ピストン駆動体と動作可能に連結され、第1の軸線に対して垂直な第2の軸線の周りに回転可能に配置される。作動部材の少なくとも一部は、容器内での第2のピストンのユーザ選択的な移動を可能にするようにハンドル部分の外部からアクセス可能である。それによって、デバイスのユーザは、たとえば、親指で第2の軸線の周りに作動部材を回転させながら手の手のひらでハンドル部分を保持することによって、片手でデバイスを操作することができる。
使用時に、この種のデバイスは、いくつかの異なる段階、たとえば、第1の物質と混合するように(たとえば第2のチャンバの崩壊によって)第2の物質が第2のチャンバから第1のチャンバに移動される混合段階、第1のチャンバが脱気されるプライミング段階、それによってデバイスの中にある容積の体液を吸引し、送達要素が位置出しされるその区画の目視検査を可能にするように、患者の身体に送達要素を挿入するのに続いて、ピストンが容器内で後退させられる吸引段階、および混合製品が患者に実際に投与される注入段階を経験する。
前記混合段階時に、第1のチャンバへの第2の物質の急速な移送は最終混合製品の所望しない発泡を生じそうであるので、第2のチャンバがあまりにも急速に崩壊されないことが非常に重要である。ピストンの前進が押しボタンを押し下げることによって促される混合デバイスでは、前述のスティックスリップ現象のため、特に長期間の保存後にデバイスを手に取って使用する場合に、第2のチャンバをあまりにも急速に崩壊させる大きな危険がある。
主要な容器軸線に対して垂直な軸線、またはピストンが移動する軸線の周りに回転することによって操作される作動部材を組み込むことにより、手術者は押しボタン運動の制御性よりも回転作動部材の移動のはるかに良好な制御性、およびそれによってピストン駆動体に加えられる力プロファイルのはるかに良好な制御性を有するので、この危険が著しく低減する。注目すべきことには片手操作を損なう必要がない。
第2のピストンは、第2の物質の第1のチャンバへの移送の完了時に、第1のピストンと着脱不能に連結するように適応され得る。その点において、第2のピストンには、たとえば、第2のチャンバの崩壊に続いて、直ちに第1のピストンに連動させることができるように連結部材が設けられ得る。これにより、2つのピストンのその後の移動すべてが相互に関係があることが確保される。
作動部材は、容器内での第2のピストンの遠位側、または前方への運動を生じるように第1の方向に回転され、さらに、容器内での第2のピストンの近位側、または後方への運動を生じるように第2の反対方向に回転されるように適応され得る。後進運動は、物質の混合および第1のチャンバの脱気の後の吸引段階に関して関連性がある。たとえば上記で説明したように、2つのピストンの着脱不能な連結により、それの相互の後退と、それによって送達要素が挿入される区画から体液を確実に吸い込むことができるように適切な真空が容器内に発生され得ることとが確保される。
吸引は、たとえば注入針が身体に正しく位置出しされることを確かめるように行われる。いくつかの場合には、薬物は、静脈内に投与されなければならず、したがって、注入針が実際に静脈の中に挿入されていることを検査することが重要である。容器内に真空を発生させることによって、注入針の直ぐ近くの体液が吸引され、ユーザは、容器内の流体が赤くなる場合に、血管が貫通されているという指示を検証することができる。実際には、これは、注入段階の開始前に吸引を行うことに関連性があるばかりではない。注入の際、たとえば薬物を収容する本体部の突然の移動により、注入針が自然に離脱している場合があるかどうかに関して疑いが生じた場合、これは、関連性があり得る。作動部材の回転配置により、ユーザはただ作動部材の彼/彼女の操作を逆にしなければならないだけであり、これはハンドル部分での手の位置を変化させることなく行われ得るので、注入と吸引との間で切り換えることが容易になる。
本発明の特定の実施形態では、本発明の第1の態様に関して上記で説明したように、作動部材はホイール部材である。ホイール部材は、ホイール部材を操作するユーザの重要部分の動きの方向が、ピストンと相互に作用するピストン駆動体の一部の動きの方向に等しいように、ピストン駆動体と連結される。これは、直感的な取扱い手順を必然的に伴い、なぜなら、ユーザは、ホイールが両方向に回転できることを期待し、それぞれの方向を結果として生じるピストン(複数のピストン)の運動に関連づけることができるからである。換言すれば、ユーザは、出口に向かう操作可能なホイール・セグメントの回転がピストン(複数のピストン)の遠位側、または前方への運動になること、および反対の回転がピストン(複数のピストン)の近位側、または後方への運動になるということを直感的に理解するであろう。
ホイール部材は、たとえばこれの一部が1つのハンドル部分側面および/またはハンドル部分端面の中間部分から突出するように、薬物送達デバイスの中間または中心の平面に配置され得る。それによって、ユーザがどちらの手を使用するかにかかわらず等しい容易さで操作できる、操作的に対称のデバイスが提供される。
あるいは、ホイール部材は、中間面の横方向に配置されることができ、それによってデバイスは、右利きの人または左利きの人のどちらかに適するようにテーラーメードされ得る。ホイール部材の横方向の配置が、下記から明らかであろうように、中間の配置よりも少ない構造構成部品しか必要としない場合がある。
ピストン駆動体は、直接に、または別個のピストン押動子を介して第2のピストンと相互に作用するように適応され得る。ピストン駆動体の一部が剛体であり、同時にこれ以外のものは可撓性であるという意味で、ピストン駆動体は、剛体であり、可撓性、または部分的に可撓性であり得る。ピストン駆動体は、たとえば、縁から縁までヒンジ結合された、いくつかの剛体のセグメントを備え、それによって、長手方向に剛体であるが横断方向に撓み可能な構造物を実現することができる。可撓性の、または部分的に可撓性のピストン駆動体により、より短い、一層コンパクトな薬物送達デバイスが可能になり、これは、いくつかの状況では望ましいものである。
可撓性、または部分的に可撓性のピストン駆動体は、デバイス、たとえばハンドル部分の溝などの専用の形状寸法によって案内され得る。形状寸法は、ピストン駆動体の非線形構成を促進するように設計されることができ、作動部材との操作連結を確実にするのに役立ち得る。ラックが、それと共に連結される作動部材またはインターフェース部材、たとえばギアと係合できるように、ピストン駆動体の少なくとも一部に沿って設けられ得る。特定の実施形態では、ピストン駆動体は、第2の軸線の周りに曲げ可能である。
作動部材がデバイスの中間平面に配置されるホイール部材である場合には、ツーピース・ピストン駆動体が、第2のピストンでの対称な力分布を可能にするように組み込まれ得る。対称な力分布は、ピストン運動に必要とされる全軸線方向力を低減させ、さらに容器内での第2のピストン可能性のある傾斜を除去する。2つのピストン駆動体ピースは、ホイール部材のどちらの側にも平行に配置されることができ、ホイール部材の第2のピストンへの運動の伝達を可能にするように、ホイール部材上のピニオン・ギアとそれぞれ係合させておくことができる。
作動部材が中間平面について横向きに配置されるホイール部材である場合には、単一体のピストン駆動体は、第2のピストンに非対称な力分布を与えるのに十分であり、なぜなら、ホイール部材の中間側面に位置出しされるピストン駆動体が、容器の中心軸線に沿って運動するように配置され得るからである。
2つのピストン間の第2の、または後方のチャンバは、デバイスの最初の使用の前に液体で充填され得る。その場合は、デバイスがその周囲の温度の変動に曝されるならば、ピストンは、それらの初期位置から幾分変位する場合がある。たとえば、デバイスが霜に曝される場合には、第2のチャンバ内の液体が膨張し、2つのピストンに反発力を加える場合がある。予め取り付けられたピストン駆動体を有するデバイスでは、ピストン駆動体システムは、通常、操作される後方ピストンの近位側、または後方への運動に抵抗し、それによって、液体の膨張全体が前方ピストンの変位によって受け入れられる。しかし、この場合には、短いデバイスを可能にするために、第1の、または前方ピストンは、最初はバイパス・チャネルの近くに配置されることができ、したがって、前方ピストンの早期の遠位側への移動の大きさは、これがバイパス・チャネルにピストンを別様に配置し、その結果、2つの物質の制御できないかつ潜在的に早期のその後の混合を必然的に伴う場合があるので、最小にされるべきである。
ピストン駆動体と第2の、または後方のピストンとの間の初期の隙間が、たとえば膨張する液体からの力に応じて、デバイスの使用前に後方ピストンの自由な近位側への変位を可能にするように設けられ得る。それによって、液体の膨張は、互いに反対方向への、両方のピストンの変位によって受け入れられることができ、それにより、前方ピストンがバイパス・チャネルの方へ早期に変位される危険が低減される。デバイスを手に取って使用する場合には、手術者は、まず、これが後方ピストンと、または後方ピストンと連結される中間部材と係合するまで、ピストン駆動体を前進させるように作動部材を操作しなければならない。その時以降にのみ、作動部材の操作が、後方ピストンに影響を及ぼす。
あるいは、前方ピストンは、これが早期にバイパス・チャネルの中へ自然に変位させられる可能性を排除するように、当初、バイパス・チャネルから十分遠くに配置され得る。その場合は、ピストン駆動体は、デバイスが製造業者から供給されるときに後方ピストンと連結され得る。
いったん物質が混合され、デバイスが脱気されると、前方ピストンの前方部分は、バイパス・チャネルの遠位側に位置出しされる。ユーザが吸引を行うように決定すると、作動部材は、ピストン駆動体を後退させるように操作され、それによってピストンもまた、後退させられる。しかし、前方ピストンの前方部分がバイパス区画内にもう一度位置出しされる点まで、ピストンが偶然に後退させられ得ないことが確保されることが望ましく、なぜなら、これにより、少量の最終混合製品がバイパス・チャネルを充填できるようなことになるからである。このような量は、潜在的に浪費され、結果として、送達可能な投与量は、所期の投与量よりも少ない。さらに、最終混合製品は非常に高価であり得るので、たとえ少量しか浪費されないとしても、これは全く高価になる。
したがって、デバイスには、これの少なくとも一部がバイパス・チャネルの遠位側の大部分を覆う位置を越えて前方ピストンが後退させられることを防止する、戻り防止機構が設けられ得る。
戻り防止機構は、いったんピストン駆動体がピストン前進動作の際にこの点を通過すると、ある点を越えて後者が後退するのを防止するようにピストン駆動体の一部に係合するように適応された、たとえば、爪部材などの係合要素を備えることができる。係合要素は、たとえば内部ケーシングの一体の可撓性アームのように、またはハンドル部分に固定的に取り付けられる別個の要素のようにハンドル部分と関連することができ、ピストン駆動体は、係合要素によって係合されるのに適した突出部分を備えることができる。
本発明の他の態様では、ある容積の薬物を投与する方法が提供され、この方法は、回転軸線の周りに第1の方向に操作可能な部材(たとえばホイール要素またはディスク要素)を回転させるステップを含み、操作可能な部材は、少なくとも一部が、それに応じて、薬物を含むリザーバの出口に向かって回転軸線に対して垂直な一般軸線に沿って移動を行う、そのアクチュエータと(たとえばラックおよびピニオン・インターフェースを介して)連結され、それによってリザーバの可動壁部材がリザーバの容積を減少させることになる。
この方法は、操作可能な部材を反対方向に回転させるステップをさらに含み、それによってアクチュエータの少なくとも一部が、呼応して、一般軸線に沿って出口から遠ざかる移動を行い、それによって可動壁部材がリザーバの容積を増加させることになる。
本発明のさらなる態様は、第1の軸線に沿って少なくとも1つのピストンの移動を生じるための、薬物送達デバイスのホイール要素の使用法に関し、ホイール要素は、第1の軸線に対して垂直な第2の軸線の周りに回転可能である。この少なくとも1つのピストンは、たとえば、初期位置から、少なくともある容積の薬物が容器から放出されている位置まで薬物容器内で移動され得る。
特定の実施形態では、ホイール要素は、ピストン運動をもたらすための薬物送達デバイスの作動ボタンとして使用され、この使用法は、その回転軸線の周りにホイール要素を回転させ、それによって回転軸線に対して垂直な軸線に沿ってピストンを移動するように、ピストン駆動体を作動させるステップを含む。ホイール要素の周長全体よりもっと少量が、いつでもユーザ操作に対してアクセス可能であり得る。
使用法は、ピストン駆動体を作動させて回転軸線に垂直な軸線に沿って第1の方向にピストンを移動させるように、ホイール要素を第1の方向に回転させるステップと、ピストン駆動体を作動させてピストンの移動を逆にするように、第1の方向と逆の第2の方向にホイール要素を回転させるステップとをさらに含むことができる。
本明細書で説明された様々なタイプの薬物送達デバイスは、純粋に機械的、すなわちいかなる電子機器も全くない場合があり、またはこれらは、電気−機械的である場合がある。純粋に機械的なデバイスは、通常、電子部品を所持するデバイスよりも製造するのにあまり費用がかからず、したがって、通常使い捨て医療機器セグメントと比べてより魅力的である。さらに、混合デバイスは、一体化されたデバイスであることができ、すなわち、これらは、外部部品または外部デバイスを使用することなく、物質混合および最終製品送達を行うのに必要な諸構成すべてを個々に備えることができる。
混合されるべき物質は、たとえば、2つの液体、または、たとえば凍結乾燥薬剤と溶媒などの乾燥粉末と液体であることができる。最終製品は、単回投与量で送達されるように適応されることができ、たとえば、容器は、物質の混合後に一気に、または複数投与量で空にされ、または実質的に空にされ得る。
本文において「垂直の」という用語は、厳密に数学的な意味で垂直であることに適用されるばかりでなく、機械構造の範囲内で実際に起こり得る直角からの任意の僅かなずれを許容する「実質的に垂直の」にも適用されることが当業者には明らかであろう。
さらに、本文脈において、「ユーザ操作可能な」という用語は、「ユーザ操作のためのインターフェースを有する」として理解されるべきであり、すなわちユーザ操作可能な要素は、少なくともその一部が患者による接触および直接操作に対してアクセス可能である要素である。
本明細書では、ある一定の態様またはある一定の実施形態(たとえば「態様」、「第1の態様」、「1つの実施形態」、「例示的な実施形態」、等)の参照は、それぞれの態様または実施形態に関連して説明した特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくともその1つの態様または実施形態に含まれており、あるいはそれについて固有であるが、必ずしも本発明のすべての態様または実施形態に含まれており、あるいはそれについて固有であるとは限らないことを意味する。しかし、本発明に関して説明した特徴、構造、および/または特性の任意の組合せは、本明細書において明示的に述べられまたは明らかに文脈と矛盾しない限り本発明によって包含されることが強調される。
本明細書において任意のおよびすべての例または例示的な言い回し(たとえば、などの等)の使用は、本発明を明らかにすることだけが意図され、別段の主張がされない限り、本発明の範囲に制限を設けるものではない。さらに、本明細書におけるいかなる言い回しまたは文言も、本発明の実施に不可欠である請求項に記載されていない任意の要素を示すものと解釈されるべきではない。
以下では、図面を参照して、本発明をさらに説明する。