JP2014236709A - 植物原料液、飲料及びこれらに関する方法 - Google Patents

植物原料液、飲料及びこれらに関する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ホップ由来の好ましくない香気に対して、香気が効果的に向上した植物原料液、飲料及びこれらに関する方法を提供する。【解決手段】アルコール発酵を行うことなく、ホップ原料を含む原料を使用して調製された第一の植物原料液にバブリング処理を施して、第二の植物原料液を製造する。前記第二の植物原料液を使用して飲料を製造する。バブリング処理に用いるガスは酸素を実質的に含まない炭酸ガス及び/又は不活性ガスを使用する。【選択図】図1

Description

本発明は、植物原料液、飲料及びこれらに関する方法に関し、特に、ホップ原料を使用して製造される植物原料液及び飲料の香気の向上に関する。
従来、麦芽及びホップを使用して製造されるノンアルコール飲料が提案されている(例えば、特許文献1)。
特許第4615058号公報
しかしながら、従来、例えば、アルコール発酵を行うことなくホップを使用して製造された植物原料液、及びアルコール発酵を行うことなく当該植物原料液を使用して製造された飲料は、アルコール発酵を行って製造された植物原料液及び飲料に比べて、当該ホップに由来する好ましくない香気を強く有することとなっていた。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、香気が効果的に向上した植物原料液、飲料及びこれらに関する方法を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る方法は、アルコール発酵を行うことなく、ホップ原料を含む原料を使用して調製された第一の植物原料液にバブリング処理を施して、第二の植物原料液を製造することを含むことを特徴とする。本発明によれば、香気が効果的に向上した植物原料液及び飲料を提供することができる。
また、前記バブリング処理において、前記第一の植物原料液に、酸素を実質的に含まない気体を吹き込むこととしてもよい。また、前記バブリング処理において、前記第一の植物原料液に、実質的に炭酸ガス及び/又は不活性ガスからなる気体を吹き込むこととしてもよい。
また、前記方法においては、前記第一の植物原料液に、0℃以上の温度で前記バブリング処理を施すこととしてもよい。また、前記方法においては、前記第一の植物原料液に、ゲージ圧50kPa以下の圧力下で前記バブリング処理を施すこととしてもよい。
また、前記方法は、前記バブリング処理によって前記第一の植物原料液の液面に形成された泡層の少なくとも一部を除去することを含むこととしてもよい。また、前記方法は、アルコール発酵を行うことなく、前記第二の植物原料液を使用して飲料を製造することを含むこととしてもよい。この場合、前記飲料は、ノンアルコール飲料であることとしてもよい。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る植物原料液は、飲料の製造に使用される植物原料液であって、前記いずれかの方法により製造されたことを特徴とする。本発明によれば、香気が効果的に向上した植物原料液を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る飲料は、植物原料液を使用して製造される飲料であって、前記いずれかの方法により製造されたことを特徴とする。本発明によれば、香気が効果的に向上した飲料を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る方法は、飲料の製造に使用される植物原料液の香味を向上させる方法であって、アルコール発酵を行うことなく、ホップ原料を含む原料を使用して調製された植物原料液にバブリング処理を施すことにより、前記バブリング処理を施す前に比べて、前記植物原料液の香味を向上させることを特徴とする。本発明によれば、植物原料液の香気を効果的に向上させる方法を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る方法は、植物原料液を使用して製造される飲料の香味を向上させる方法であって、アルコール発酵を行うことなく、ホップ原料を含む原料を使用して調製された第一の植物原料液にバブリング処理を施すことにより製造された第二の植物原料液を使用することにより、前記第二の植物原料液に代えて前記バブリング処理が施されていない前記第一の植物原料液を使用する場合に比べて、前記飲料の香味を向上させることを特徴とする。本発明によれば、飲料の香気を効果的に向上させる方法を提供することができる。
本発明によれば、香気が効果的に向上した植物原料液、飲料及びこれらに関する方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係るバブリング処理の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る実施例1においてバブリング処理の前後でホップ原料に由来する香気成分の含有量の変化を評価した結果の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る実施例2においてバブリング処理の前後でホップ原料に由来する香気成分の含有量の変化を評価した結果の一例を示す説明図である。
以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は本実施形態に限られるものではない。
本実施形態に係る方法(以下、「本方法」という。)は、例えば、アルコール発酵を行うことなく、ホップ原料を含む原料を使用して調製された第一の植物原料液にバブリング処理を施して、第二の植物原料液を製造することを含む。すなわち、本方法においては、飲料の製造に使用される植物原料液として、第二の植物原料液を製造する。したがって、本方法は、植物原料液の製造方法であるともいえる。
バブリング処理の対象となる第一の植物原料液は、ホップ原料を使用して調製された植物原料液であれば特に限られない。ホップ原料は、植物原料液又は飲料の製造に使用されるものであれば特に限られないが、例えば、プレスホップ(乾燥させたホップの毬花を圧縮して得られる)、ホップパウダー(乾燥させたホップの毬花を粉砕して得られる)、ホップペレット(当該ホップパウダーをペレット状に圧縮成形して得られる)、及びホップ抽出物(ホップを溶媒(例えば、水を含む溶媒)で抽出して得られる)からなる群より選択される1種以上を使用することとしてもよい。
第一の植物原料液は、ホップ原料と他の植物原料とを含む原料を使用して調製されることとしてもよい。他の植物原料は、植物原料液又は飲料の製造に使用されるものであれば特に限られないが、例えば、穀類(例えば、麦類、米類及びとうもろこしからなる群より選択される1種以上)、豆類及びいも類からなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。この場合、他の植物原料は、発芽させたものであることとしてもよく、発芽させていないものであることとしてもよく、発芽させたものと発芽させていないものとを含むこととしてもよい。
第一の植物原料液は、ホップ原料と麦類とを含む原料を使用して調製されることとしてもよい。麦類は、植物原料液又は飲料の製造に使用されるものであれば特に限られないが、例えば、大麦、小麦、ライ麦及び燕麦からなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。この場合も、麦類は、発芽させた麦類であることとしてもよく、発芽させていない麦類であることとしてもよく、発芽させた麦類と発芽させていない麦類とを含むこととしてもよい。
第一の植物原料液は、ホップ原料と発芽させた麦類(麦芽)とを含む原料を使用して調製されることとしてもよい。麦芽は、麦類を発芽させたものであれば特に限られないが、例えば、大麦麦芽及び/又は小麦麦芽が好ましく使用される。
第一の植物原料液が、ホップ原料と麦芽とを含む原料を使用して調製される場合、例えば、当該麦芽は、麦芽エキスを含むこととしてもよい。麦芽エキスは、麦芽から、糖分及び窒素分を含むエキス分を抽出することにより得られる。麦芽エキスとしては、市販の麦芽エキスを使用することとしてもよい。
第一の植物原料液は、ホップ原料のみを使用して調製されることとしてもよい。この場合、第一の植物原料液は、ホップ抽出液であることとしてもよい。ホップ抽出液は、例えば、ホップを溶媒(例えば、水を含む溶媒)で抽出することにより得られる。
第一の植物原料液は、ホップ原料と、上述した植物原料と、さらに他の原料とを含む原料を使用して調製されることとしてもよい。他の原料は、植物原料液又は飲料の製造に使用されるものであれば特に限られないが、例えば、糖類、食物繊維、酸味料、色素、香料、甘味料及び苦味料からなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。
第一の植物原料液の原料に含まれるホップ原料の量(重量%)は特に限られないが、当該第一の植物原料液は、例えば、0.01重量%〜100重量%のホップ原料を含む原料を使用して調製されることとしてもよい。
第一の植物原料液は、例えば、0.01重量%〜10重量%のホップ原料と0.01重量%〜50重量%の上述した他の植物原料とを含む原料を使用して調製されることとしてもよい。この場合、第一の植物原料液は、例えば、0.01重量%〜1重量%のホップ原料と5重量%〜30重量%の上述した麦類とを含む原料を使用して調製されることとしてもよい。また、第一の植物原料液は、0.01重量%〜1重量%のホップ原料と、5重量%〜30重量%の上述した植物原料と、0.001重量%〜50重量%のさらに他の原料とを含む原料を使用して調製されることとしてもよい。
第一の植物原料液は、ホップ原料を含む原料と水とを混合して調製される。第一の植物原料液は、ホップ原料を含む原料を使用して、糖化を行って調製されることとしてもよい。すなわち、例えば、第一の植物原料液が、ホップ原料と麦芽とを含む原料を使用して調製される場合、当該第一の植物原料液は、糖化を行って調製されることとしてもよい。具体的に、この場合、第一の植物原料液は、例えば、麦芽と水とを混合し、得られた混合液の糖化を行うことにより調製される。糖化は、例えば、麦芽と水とを含む混合液を、当該麦芽に含まれる消化酵素(例えば、デンプン分解酵素、タンパク質分解酵素)が働く温度(例えば、30〜80℃)に維持することにより行う。
第一の植物原料液は、ホップ原料を含む原料を使用し、当該ホップ原料と水とを含む混合液を煮沸して調製されることとしてもよい。また、第一の植物原料液は、ホップ原料を含む原料を使用し、糖化を行い、その後、当該ホップ原料と水とを含む混合液を煮沸して調製されることとしてもよい。この場合、第一の植物原料液は、ホップ原料と麦芽とを含む原料を使用し、当該麦芽と水とを含む混合液の糖化を行い、その後、さらに当該ホップ原料を含む当該混合液を煮沸して調製されることとしてもよい。
第一の植物原料液は、アルコール発酵を行うことなく調製される。ここで、アルコール発酵とは、例えば、第一の植物原料液に酵母を添加して行うアルコール発酵である。このため、第一の植物原料液は、例えば、酵母を含まないこととしてもよい。この場合、第一の植物原料液は、例えば、アルコール発酵を行う生きた酵母を含まない。
第一の植物原料液は、エタノールを実質的に含有しないこととしてもよい。この場合、第一の植物原料液のエタノール含有量は、例えば、1体積%未満であることとしてもよく、0.05体積%未満であることとしてもよく、0.005体積%未満であることとしてもよい。
なお、本方法は、上述のようにして第一の植物原料液を調製することを含んでもよいし、当該第一の植物原料液を調製することを含まないこととしてもよい。本方法が第一の植物原料液を調製することを含まない場合、本方法では、まず、予め調製された第一の植物原料液を用意し、次いで、当該第一の植物原料液にバブリング処理を施す。
バブリング処理においては、第一の植物原料液に気体を吹き込む。すなわち、本方法においては、アルコール発酵を行うことなく、第一の植物原料液に気体を吹き込むバブリング処理を行って、第二の植物原料液を製造する。
ここで、図1には、バブリング処理の一例を示す。バブリング処理においては、図1に示すように、第一の植物原料液L中に泡B(bubble)が形成されるように、当該第一の植物原料液Lに気体を吹き込む。
図1に示す例では、容器Vに接続され第一の植物原料液L中で当該容器Vの内壁に開口する配管Pから、当該第一の植物原料液L中に気体を吹き込んでいる。第一の植物原料液L中に形成された泡Bは、浮力によって上昇し、当該第一の植物原料液Lの液面Sで破裂する。
第一の植物原料液に吹き込む気体は、バブリング処理による効果が得られるものであれば特に限られないが、例えば、バブリング処理においては、第一の植物原料液に、酸素を実質的に含まない気体を吹き込むこととしてもよい。すなわち、この場合、アルコール発酵を行うことなく、第一の植物原料液に酸素を実質的に含まない気体を吹き込むバブリング処理を行って、第二の植物原料液を製造する。
酸素を実質的に含まない気体は、例えば、酸素の含有量が5体積%以下(0体積%〜5体積%)の気体であることとしてもよく、酸素の含有量が1体積%以下(0体積%〜1体積%)の気体であることとしてもよく、酸素の含有量が0.1体積%以下(0体積%〜0.1体積%)の気体であることとしてもよい。
また、バブリング処理においては、第一の植物原料液に、実質的に炭酸ガス及び/又は不活性ガスからなる気体を吹き込むこととしてもよい。すなわち、この場合、アルコール発酵を行うことなく、第一の植物原料液に実質的に炭酸ガス及び/又は不活性ガスからな気体を吹き込むバブリング処理を行って、第二の植物原料液を製造する。
実質的に炭酸ガス及び/又は不活性ガスからなる気体は、炭酸ガス及び/又は不活性ガスの含有量(気体が実質的に炭酸ガス及び不活性ガスからなる場合、当該炭酸ガスの含有量と当該不活性ガスの含有量との合計)が95体積%以上(95体積%〜100体積%)の気体であることとしてもよく、炭酸ガス及び/又は不活性ガスの含有量が99.9体積%以上(99.9体積%〜100体積%)の気体であることとしてもよい。
また、バブリング処理においては、第一の植物原料液に、酸素を実質的に含まない、実質的に炭酸ガス及び/又は不活性ガスからなる気体を吹き込むこととしてもよい。すなわち、この場合、アルコール発酵を行うことなく、第一の植物原料液に酸素を実質的に含まない、実質的に炭酸ガス及び/又は不活性ガスからな気体を吹き込むバブリング処理を行って、第二の植物原料液を製造する。
また、本方法においては、例えば、第一の植物原料液に、0℃以上の温度でバブリング処理を施すこととしてもよい。この場合、バブリング処理を行う温度は、例えば、1℃以上であることとしてもよく、2℃以上であることとしてもよく、3℃以上であることとしてもよく、4℃以上であることとしてもよく、5℃以上であることとしてもよい。より具体的に、バブリング処理は、例えば、0℃以上、30℃以下の温度で行うこととしてもよく、1℃以上、30℃以下の温度で行うこととしてもよく、2℃以上、30℃以下の温度で行うこととしてもよく、3℃以上、30℃以下の温度で行うこととしてもよく、4℃以上、30℃以下の温度で行うこととしてもよく、5℃以上、30℃以下の温度で行うこととしてもよい。また、これらの場合、バブリング処理は、25℃以下の温度で行うこととしてもよく、10℃以下の温度で行うこととしてもよい。
また、本方法においては、例えば、第一の植物原料液に、ゲージ圧(絶対圧力から大気圧を減じて算出される圧力)50kPa以下の圧力下でバブリング処理を施すこととしてもよい。この場合、バブリング処理は、例えば、ゲージ圧40kPa(大気圧+40kPa)以下の圧力下で行うこととしてもよく、ゲージ圧30kPa以下の圧力下で行うこととしてもよく、ゲージ圧20kPa以下の圧力下で行うこととしてもよく、ゲージ圧15kPa以下の圧力下で行うこととしてもよい。より具体的に、バブリング処理は、例えば、ゲージ圧0kPa(大気圧)以上、50kPa以下の圧力下で行うこととしてもよく、ゲージ圧0kPa以上、40kPa以下の圧力下で行うこととしてもよく、ゲージ圧0kPa以上、30kPa以下の圧力下で行うこととしてもよく、ゲージ圧0kPa以上、20kPa以下の圧力下で行うこととしてもよく、ゲージ圧0kPa以上、15kPa以下の圧力下で行うこととしてもよい。
なお、このバブリング処理時の圧力は、当該バブリング処理中に第一の植物原料液が接している気相の圧力(バブリング処理を行う雰囲気の圧力)である。すなわち、例えば、図1に示す例のように、容器V内でバブリング処理を行う場合には、当該第一の植物原料液の液面Sと接している気相Gの圧力(当該容器Vの空寸部の気圧)が上述した範囲内である条件にてバブリング処理を行う。
また、本方法は、バブリング処理によって第一の植物原料液の液面に形成された泡層の少なくとも一部を除去することを含むこととしてもよい。すなわち、図1に示すように、第一の植物原料液Lにバブリング処理を施すことにより、当該第一の植物原料液Lの液面Sに泡(foam)の層Fが形成されることがある。そして、この場合、本方法においては、第一の植物原料液Lの液面Sに形成された泡層の一部又は全部を除去することとしてもよい。
バブリング処理によって第一の植物原料液の液面に形成された泡層を除去する方法は、当該泡層の一部又は全部を除去できるものであれば特に限られない。すなわち、例えば、図1に示すような容器V内でバブリング処理を行う場合、当該容器Vに接続され当該容器V内の気相Gに開口する除去用配管Dから、当該気相G中に形成されている泡層Fの少なくとも一部を当該容器V外に除去することとしてもよい。
また、例えば、図1に示すような容器V内でバブリング処理を行う場合、当該容器Vに接続され当該容器V内の第一の植物原料液L中(当該容器Vの下部)に開口する回収用配管Hから、バブリング処理後の当該第一の植物原料液Lを回収するとともに、当該第一の植物原料液Lの液面Lに形成されていた泡層Fの少なくとも一部を回収せずに当該容器V内に残し、当該第一の植物原料液Lの回収後、当該容器V内に残された当該泡層Fを除去することとしてもよい。
そして、本方法では、第二の植物原料液を製造する。すなわち、例えば、バブリング処理後の第一の植物原料液を、そのまま第二の植物原料液として得ることとしてもよい。また、例えば、バブリング処理後の第一の植物原料液と、他の原料とを混合して、第二の植物原料液を得ることとしてもよい。この場合、他の原料は、植物原料液又は飲料の製造に使用されるものであれば特に限られないが、例えば、糖類、食物繊維、酸味料、色素、香料、甘味料及び苦味料からなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。また、例えば、バブリング処理後の第一の植物原料液を濃縮又は希釈して、第二の植物原料液を得ることとしてもよい。
また、本方法においては、例えば、第一の植物原料液に加熱処理を施すことなく、当該第一の植物原料液にバブリング処理を施して、第二の植物原料液を製造することとしてもよい。すなわち、この場合、例えば、ホップ原料を含む原料を使用し当該ホップ原料と水とを含む混合液を煮沸して調製された第一の植物原料液に、その後は加熱処理を施すことなく、当該第一の植物原料液にバブリング処理を施して、第二の植物原料液を製造することとしてもよい。
この加熱処理は、例えば、殺菌用の加熱処理であることとしてもよい。また、例えば、第一の植物原料液に80℃以上の加熱処理を施すことなく、当該第一の植物原料液にバブリング処理を施して、第二の植物原料液を製造することとしてもよい。この場合、第一の植物原料液に65℃以上の加熱処理を施さないこととしてもよく、第一の植物原料液に50℃以上の加熱処理を施さないこととしてもよく、第一の植物原料液に40℃以上の加熱処理を施さないこととしてもよく、第一の植物原料液に30℃以上の加熱処理を施さないこととしてもよい。
本方法において、第二の植物原料液は、アルコール発酵を行うことなく製造される。すなわち、ホップ原料を含む原料を使用してアルコール発酵を行うことなく調製された第一の植物原料液に、アルコール発酵を行うことなくバブリング処理を施して、アルコール発酵を行うことなく第二の植物原料液を製造するこのため、第二の植物原料液は、例えば、酵母を含まないこととしてもよい。この場合、第二の植物原料液は、例えば、アルコール発酵を行う生きた酵母を含まない。
第二の植物原料液は、エタノールを実質的に含有しないこととしてもよい。この場合、第二の原料液のエタノール含有量は、例えば、1体積%未満であることとしてもよく、0.05体積%未満であることとしてもよく、0.005体積%未満であることとしてもよい。
また、本方法は、アルコール発酵を行うことなく、第二の植物原料液を使用して飲料を製造することを含むこととしてもよい。すなわち、この場合、本方法においては、上述のようにして製造された第二の植物原料液を使用して、飲料を製造する。したがって、この場合、本方法は、飲料の製造方法であるともいえる。
具体的に、本方法においては、例えば、上述のようにして製造された第二の植物原料液と、他の原料とを混合して、飲料を製造する。この場合、他の原料は、飲料の製造に使用されるものであれば特に限られないが、例えば、糖類、食物繊維、酸味料、色素、香料、甘味料及び苦味料からなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。また、第二の植物原料液を濃縮又は希釈して、飲料を製造することとしてもよい。
また、本方法においては、例えば、第二の植物原料液に加熱処理を施すことなく、当該第二の植物原料液を使用して、飲料を製造することとしてもよい。すなわち、この場合、本方法は、例えば、第一の植物原料液にバブリング処理を施して第二の植物原料液を製造することと、その後、当該第二の植物原料液に加熱処理を施すことなく、当該第二の植物原料液を使用して、飲料を製造することとを含むこととしてもよい。
また、本方法は、例えば、上述したように、第一の植物原料液に加熱処理を施すことなく、当該第一の植物原料液にバブリング処理を施して、第二の植物原料液を製造することと、その後、当該第二の植物原料液に加熱処理を施すことなく、当該第二の植物原料液を使用して、飲料を製造することとを含むこととしてもよい。
これらの場合、加熱処理は、例えば、殺菌用の加熱処理であることとしてもよい。また、例えば、第二の植物原料液に80℃以上の加熱処理を施すことなく、当該第二の植物原料液を使用して、飲料を製造することとしてもよい。この場合、第二の植物原料液に65℃以上の加熱処理を施さないこととしてもよく、第二の植物原料液に50℃以上の加熱処理を施さないこととしてもよく、第二の植物原料液に40℃以上の加熱処理を施さないこととしてもよく、第二の植物原料液に30℃以上の加熱処理を施さないこととしてもよい。
本方法において製造する飲料は、上述した第二の植物原料液を使用して製造されるものであれば特に限られないが、当該飲料は、例えば、ノンアルコール飲料であることとしてもよい。すなわち、本方法は、ノンアルコール飲料の製造方法であることとしてもよい。
ノンアルコール飲料は、エタノールの含有量が1体積%未満の飲料である。ノンアルコール飲料のエタノール含有量は、1体積%未満であれば特に限られないが、例えば、0.5体積%未満であることとしてもよく、0.05体積%未満であることとしてもよく、0.005体積%未満であることとしてもよい。
また、飲料は、アルコール飲料であることとしてもよい。アルコール飲料は、エタノール含有量が1体積%以上の飲料である。アルコール飲料のエタノール含有量は、例えば、1〜20体積%であることとしてもよい。アルコール発酵を行うことなくアルコール飲料を製造する方法は、特に限られないが、当該アルコール飲料は、例えば、エタノール含有量が、1体積%未満、0.5体積%未満、0.05体積%未満、又は0.005体積%未満である第二の植物原料液にエタノールを添加して製造することとしてもよい。
また、飲料は、発泡性飲料であることとしてもよい。発泡性飲料は、泡立ち特性及び泡持ち特性を含む泡特性を有する飲料である。すなわち、発泡性飲料は、例えば、炭酸ガスを含有する飲料であって、グラス等の容器に注いだ際に液面上部に泡の層が形成される泡立ち特性と、その形成された泡が一定時間以上保たれる泡持ち特性とを有する飲料である。
また、飲料は、発泡性ノンアルコール飲料であることとしてもよい。また、飲料は、発泡性アルコール飲料であることとしてもよい。発泡性ノンアルコール飲料及び発泡性アルコール飲料は、それぞれ上述した泡立ち特性及び泡持ち特性を含む泡特性を有するノンアルコール飲料及びアルコール飲料である。
なお、アルコール発酵を行うことなく飲料に発泡性を付与する方法は、特に限られないが、例えば、植物原料液と炭酸ガスとを接触させる方法(いわゆるガス付け(carbonation))及び/又は植物原料液と炭酸水とを混合する方法を使用することとしてもよい。
本方法によれば、香気が効果的に向上した植物原料液及び飲料を製造することができる。すなわち、本方法によれば、ホップに由来する好ましくない香気が効果的に低減された植物原料液及び飲料を製造することができる。
ここで、例えば、ホップ原料を含む原料を使用して調製した植物原料液に酵母を添加してアルコール発酵を行う場合には、当該アルコール発酵によって、当該アルコール発酵後の植物原料液、及び当該アルコール発酵後の植物原料液を使用して製造される飲料において、当該ホップに由来する好ましくない香気が低減される。
これに対し、アルコール発酵を行うことなくホップ原料を含む原料を使用して製造された植物原料液、及びアルコール発酵を行うことなく当該植物原料液を使用して製造された飲料は、アルコール発酵を行って製造された植物原料液及び飲料に比べて、当該ホップに由来する好ましくない香気を強く有することとなる。
そこで、本発明の発明者らは、アルコール発酵を行うことなくホップ原料を含む原料を使用して製造される植物原料液及び飲料が有する、当該ホップに由来する好ましくない香気を低減する技術的手段について鋭意検討を重ねた結果、当該植物原料液に、上述したようなバブリング処理を施すことにより、当該好ましくない香気を効果的に低減できることを独自に見出した。
具体的に、例えば、植物原料液にバブリング処理を施すことによって、当該植物原料液における、ホップに由来する青臭の成分の含有量を効果的に低減することができる。ホップに由来する青臭の成分は、例えば、テルペン類である。ホップに由来するテルペン類は、例えば、ミルセン及び/又はフムレンである。
また、本方法によれば、ホップに由来する好ましくない香気が効果的に低減され、且つ当該ホップに由来する好ましい香気が効果的に維持された植物原料液及び飲料を製造することができる。すなわち、本方法によれば、ホップに由来する香気のうち、当該ホップに由来する好ましくない香気が選択的に低減された植物原料液及び飲料を製造することができる。
具体的に、例えば、植物原料液にバブリング処理を施すことによって、当該植物原料液における、ホップに由来するフルーティ、シトラス、フローラル等の香りの成分の含有量を効果的に維持しつつ、当該ホップに由来する青臭の成分の含有量を効果的に低減することができる。ホップに由来する柑橘系の香りの成分は、例えば、モノテルペンアルコールである。ホップに由来するモノテルペンアルコールは、例えば、リナロールである。
したがって、本方法は、例えば、飲料の製造に使用される植物原料液の香味を向上させる方法であって、アルコール発酵を行うことなく、ホップ原料を含む原料を使用して調製された植物原料液にバブリング処理を施すことにより、当該バブリング処理を施す前に比べて、当該植物原料液の香味を向上させる方法であることとしてもよい。
また、本方法は、例えば、植物原料液を使用して製造される飲料の香味を向上させる方法であって、アルコール発酵を行うことなく、ホップ原料を含む原料を使用して調製された第一の植物原料液にバブリング処理を施すことにより製造された第二の植物原料液を使用することにより、当該第二の植物原料液に代えて当該バブリング処理が施されていない当該第一の植物原料液を使用する場合に比べて、当該飲料の香味を向上させる方法であることとしてもよい。
バブリング処理によってホップに由来する好ましくない香気が低減されるメカニズムは明らかではないが、例えば、当該バブリング処理によって、植物原料液に含まれる、当該好ましくない香気の成分が効果的に揮発することが考えられる。
すなわち、例えば、当該植物原料液に含まれる、ホップに由来する好ましくない香気の成分が、気体の吹き込みによって植物原料液中に形成された泡とともに当該植物原料液の液面に上昇し、当該泡の破裂によって当該液面と接する気相中に拡散することが考えられる。
そこで、バブリング処理を行う温度は、植物原料液に発泡性を付与し又は高める目的で当該植物原料液に炭酸ガスを溶解させる場合(いわゆるガス付けの場合)に好ましく採用される温度より高い温度、例えば、上述した範囲の温度であることとしてもよい。
また、バブリング処理を行う雰囲気の圧力(例えば、タンク等の容器内の気相の圧力)は、上述の植物原料液に炭酸ガスを溶解させる場合に好ましく採用される圧力に比べて低い圧力、例えば、上述した範囲の圧力であることとしてもよい。
また、上述したように、バブリング処理によって第一の植物原料液の液面に形成された泡層の少なくとも一部を除去することで、ホップに由来する好ましくない香気をより効果的に低減することができる。すなわち、この場合、第一の植物原料液の液面に形成された泡層に含まれる、ホップに由来する好ましくない香気の成分を効果的に除去することができる。
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
[第一の植物原料液の調製]
アルコール発酵を行うことなく、ホップ原料(具体的には、ホップ原料及び麦芽を含む原料)を含む原料を使用して、第一の植物原料液を調製した。具体的に、粉砕した大麦麦芽に50℃の湯を加え、得られた混合液を65℃で維持することにより、糖化を行った。その後、煮沸及びホップ原料(プレスホップ及びホップ抽出物)の添加を行い、麦汁である第一の植物原料液を調製した。なお、第一の植物原料液のエタノール含有量は、0.005体積%未満であった。
[第二の植物原料液の製造]
アルコール発酵を行うことなく、上述のようにして調製した第一の植物原料液にバブリング処理を施して、第二の植物原料液を製造した。具体的に、まず、容積10Lの樹脂製容器に、8Lの第一の植物原料液を入れた。
次いで、容器内の第一の植物原料液中に、一方端がガスボンベと接続されたガス不透過性の樹脂製チューブの他方端を浸漬した。さらに、このチューブを介して、ガスボンベ内の気体を400L/minの流量で第一の植物原料液中に吹き込むことにより、バブリング処理を行った。バブリング処理は、約15℃の温度、大気圧(ゲージ圧0kPa)(容器内の気相の圧力)下で、20時間行った。
ガスボンベとしては、炭酸ガスボンベ又は窒素ガスボンベを使用した。すなわち、第一の植物原料液に炭酸ガス又は窒素ガスを吹き込むバブリング処理を行った。使用した炭酸ガスは、酸素を実質的に含まず実質的に炭酸ガスからなる気体(炭酸ガス99.98体積%以上、酸素ガス0.01体積%以下)であった。使用した窒素ガスは、酸素を実質的に含まず実質的に窒素ガスからなる気体(窒素ガス99.99体積%以上、酸素ガス0.01体積%以下)であった。
第一の植物原料液中に吹き込まれた気体は、当該第一の植物原料液中で連続的に泡を形成し、当該泡は当該第一の植物原料液中を上昇し、当該第一の植物原料液の液面で破裂した。バブリング処理によって、容器内の第一の植物原料液の液面には、泡の層が形成された。
このようなバブリング処理が施された第一の植物原料液を、そのまま第二の植物原料液として得た。なお、第二の植物原料液のエタノール含有量は、0.005体積%未満であった。
[ホップ由来成分の分析]
バブリング処理が施される前の第一の植物原料液、当該第一の植物原料液に炭酸ガスを使用したバブリング処理を施して製造された第二の植物原料液、及び当該第一の植物原料液に窒素ガスを使用したバブリング処理を施して製造された第二の植物原料液のそれぞれについて、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)装置を使用して、ホップ由来成分であるフムレン、ミルセン及びリナロールの含有量を測定した。なお、フムレン及びミルセンは、ホップに由来する青臭の成分として知られている。また、リナロールは、ホップに由来する柑橘系の香りの成分として知られている。
[結果]
図2には、ホップ由来成分の分析結果を示す。図2において、横軸は測定されたホップ由来成分の種類を、縦軸はホップ由来成分の含有量(ppb)を、白抜き棒グラフはバブリング処理が施される前の第一の植物原料液の結果(バブリング処理前)を、黒塗り棒グラフは炭酸ガスを使用したバブリング処理により製造された第二の植物原料液の結果(バブリング処理後(CO))を、ハッチング棒グラフは窒素ガスを使用したバブリング処理により製造された第二の植物原料液の結果(バブリング処理後(N))をそれぞれ示す。
図2に示すように、炭酸ガス及び窒素ガスのいずれを使用した場合でも、第二の植物原料液のフムレン及びミルセンの含有量は、バブリング処理前の第一の植物原料液のそれより顕著に小さかった。すなわち、バブリング処理によって、植物原料液における、ホップに由来する好ましくない香気の成分の含有量が効果的に低減された。
一方、図2に示すように、炭酸ガス及び窒素ガスのいずれを使用した場合でも、第二の植物原料液のリナロールの含有量は、バブリング処理前の第一の植物原料液のそれと同等であった。すなわち、バブリング処理後も、植物原料液における、ホップに由来する好ましい香気の成分の含有量は効果的に維持された。
このように、第一の植物原料液にバブリング処理を施すことにより、当該バブリング処理が施される前の第一の植物原料液に比べて、ホップに由来する香気成分のうち、ホップに由来する好ましくない香気成分の含有量が選択的に低減された。
すなわち、第一の植物原料液にバブリング処理を施すことにより、当該バブリング処理が施される前の第一の植物原料液に比べて、ホップに由来する好ましくない香気成分の含有量が効果的に低減され、且つホップに由来する好ましい香気成分の含有量が効果的に維持された第二の植物原料液を製造できた。
なお、アルコール発酵を行うことなく、このような第二の植物原料液を使用することにより、当該第二の植物原料液と同様、ホップに由来する好ましくない香気成分の含有量が効果的に低減された飲料(例えば、ノンアルコール飲料)を製造することができる。
[第二の植物原料液の製造及びホップ由来成分の分析]
アルコール発酵を行うことなく、上述の実施例1において調製した第一の植物原料液にバブリング処理を施して、第二の植物原料液を製造した。具体的に、まず、容積330kLのステンレス製タンクに、90kLの第一の植物原料液を入れた。
次いで、タンクに接続され第一の植物原料液中で当該タンクの内壁に開口する配管から、当該第一の植物原料液中に、65t/hrの流量で、上述の実施例1で使用した炭酸ガスを吹き込むことにより、バブリング処理を行った。
バブリング処理は、1℃の温度、ゲージ圧10kPa(大気圧+10kPa)の圧力(タンクの空寸部における気相の圧力)下で、11時間行った。上述の実施例1と同様、バブリング処理によって、タンク内の植物原料液の液面には、泡の層が形成された。なお、本実施例においては、好ましくない微生物の繁殖の可能性を低減するため、1℃という比較的低い温度でバブリング処理を行ったが、バブリング処理は、上述のとおり、2℃以上等、より高い温度で行うことが好ましい。
そして、上述の実施例1と同様、バブリング処理が施される前の第一の植物原料液、及び当該第一の植物原料液に炭酸ガスを使用したバブリング処理を施して製造された第二の植物原料液のそれぞれについて、ガスクロマトグラフィー/質量分析(GC/MS)装置を使用して、ホップ由来成分であるフムレン、ミルセン及びリナロールの含有量を測定した。
[結果]
図3には、ホップ由来成分の分析結果を示す。図3に示すように、上述の実施例1と同様、第二の植物原料液のフムレン及びミルセンの含有量は、バブリング処理前の第一の植物原料液のそれより顕著に小さく、当該第二の植物原料液のリナロールの含有量は、バブリング処理前の当該第一の植物原料液のそれと同等であった。
すなわち、第一の植物原料液にバブリング処理を施すことにより、当該バブリング処理が施される前の第一の植物原料液に比べて、ホップに由来する好ましくない香気成分の含有量が効果的に低減され、且つホップに由来する好ましい香気成分の含有量が効果的に維持された第二の植物原料液を製造できた。
ホップに由来する青臭の成分の一つであるミルセンについて、官能検査を行った。すなわち、まず、アルコール発酵を行うことなく、ホップ原料を含む原料(具体的には、ホップ原料及び麦芽を含む原料)を使用して調製された植物原料液を使用して、発泡性ノンアルコール飲料(エタノール含有量は0.005体積%未満)を製造した。
次いで、この発泡性ノンアルコール飲料に、市販の精製されたミルセンを40ppb、300ppb又は1000ppb添加し、ミルセンが異なる濃度で外的に添加された3種類の発泡性ノンアルコール飲料を得た。
そして、この3種類の発泡性ノンアルコール飲料と、ミルセンが外的に添加されていない発泡性ノンアルコール飲料(ミルセンを添加する前の発泡性ノンアルコール飲料)とのそれぞれについて、熟練したパネリスト14人による官能検査を行った。
その結果、ミルセンが外的に添加された発泡性ノンアルコール飲料については、ミルセンが外的に添加されていない発泡性ノンアルコール飲料に比べて、ホップに由来する青臭が強く、また、外的に添加されたミルセンの濃度が大きくなるにつれて、当該青臭が強くなるという評価が得られた。すなわち、ミルセンがホップに由来する青臭の原因成分の一つであることが確認された。
B 植物原料液中に形成された泡、D 除去用配管、F 植物原料液の液面に形成された泡層、G 容器内の気相、H 回収用配管、L 植物原料液、P 気体吹き込み用配管、S 植物原料液の液面、V 容器。

Claims (12)

  1. アルコール発酵を行うことなく、ホップ原料を含む原料を使用して調製された第一の植物原料液にバブリング処理を施して、第二の植物原料液を製造すること
    を含む
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記バブリング処理において、前記第一の植物原料液に、酸素を実質的に含まない気体を吹き込む
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記バブリング処理において、前記第一の植物原料液に、実質的に炭酸ガス及び/又は不活性ガスからなる気体を吹き込む
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記第一の植物原料液に、0℃以上の温度で前記バブリング処理を施す
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記第一の植物原料液に、ゲージ圧50kPa以下の圧力下で前記バブリング処理を施す
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記バブリング処理によって前記第一の植物原料液の液面に形成された泡層の少なくとも一部を除去することを含む
    ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の方法。
  7. アルコール発酵を行うことなく、前記第二の植物原料液を使用して飲料を製造することを含む
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
  8. 前記飲料は、ノンアルコール飲料である
    ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 飲料の製造に使用される植物原料液であって、
    請求項1乃至6のいずれかに記載の方法により製造された
    ことを特徴とする植物原料液。
  10. 植物原料液を使用して製造される飲料であって、
    請求項7又は8に記載の方法により製造された
    ことを特徴とする飲料。
  11. 飲料の製造に使用される植物原料液の香味を向上させる方法であって、
    アルコール発酵を行うことなく、ホップ原料を含む原料を使用して調製された植物原料液にバブリング処理を施すことにより、前記バブリング処理を施す前に比べて、前記植物原料液の香味を向上させる
    ことを特徴とする方法。
  12. 植物原料液を使用して製造される飲料の香味を向上させる方法であって、
    アルコール発酵を行うことなく、ホップ原料を含む原料を使用して調製された第一の植物原料液にバブリング処理を施すことにより製造された第二の植物原料液を使用することにより、前記第二の植物原料液に代えて前記バブリング処理が施されていない前記第一の植物原料液を使用する場合に比べて、前記飲料の香味を向上させる
    ことを特徴とする方法。
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