JP2014233967A - 離型ポリエステルフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】離型層が被着体に移行しにくく、空気抜け性に優れた離型フィルムを提供する。
【解決手段】ポリエステルフィルム基材の少なくとも片面に樹脂層を形成させた離型フィルムであって、前記樹脂層が、エポキシ基を有するシリコーン系重合体およびメラミン樹脂を含有し、残留接着率が90%以上であって、樹脂層の中心線平均粗さ(SRa)が20nmを超えることを特徴とする離型ポリエステルフィルム、および樹脂層の剥離強度が0.01〜0.10N/cmである前記離型ポリエステルフィルム。

【選択図】図1

Description

本発明は、プリント配線基板積層体のキャリアフィルムに好適な離型ポリエステルフィルムに関する。
プリント配線基板積層体は、通常、多数のビアホールを形成した導体回路と、ガラスクロスにエポキシ樹脂等を含浸させたプリプレグを多層積層して形成される。その製造においては、キャリアフィルムによって上下から挟み込まれたプリント配線基板が搬送され、加熱真空プレスおよび高圧加熱プレスの工程を経て、積層体とする方法が一般的である。キャリアフィルムは、前記プレス工程を経た後はプリント配線基板積層体から剥がされ捲き取られる。
キャリアフィルムには、プレスした際にシワが発生することを防止するため、空気抜け性が高いことが求められている。そのため、従来から、適度な表面粗度を有するフィルムが用いられている。
また、キャリアフィルムには、プリント配線基板積層体からの離型性が高いことも求められている。離型層としては、例えば、特許文献1のようにエポキシ基を有したシリコーン系樹脂をUV硬化型硬化剤によって硬化させたものが挙げられる。しかしながら、特許文献1記載の離型層はプリント配線基板積層体に移行しやすく、品質を損ねるという問題があった。
特開平7−331175号公報
本発明の課題は、離型層が被着体に移行しにくく、空気抜け性に優れた離型フィルムを提供することである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、粗面化されたポリエステルフィルム基材表面に、エポキシ基を有するシリコーン系重合体とメラミン樹脂を併用した樹脂層を設けることにより、上記課題が解決されることを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)ポリエステルフィルム基材の少なくとも片面に樹脂層を形成させた離型フィルムであって、前記樹脂層が、エポキシ基を有するシリコーン系重合体およびメラミン樹脂を含有し、残留接着率が90%以上であって、樹脂層の中心線平均粗さ(SRa)が20nmを超えることを特徴とする離型ポリエステルフィルム。
(2)樹脂層の剥離強度が0.01〜0.10N/cmである(1)記載の離型ポリエステルフィルム。
(3)樹脂層に、さらに、アクリル系重合体またはポリエステル系重合体を含む(1)または(2)記載の離型ポリエステルフィルム。
(4)ポリエステルフィルム基材が、複層フィルムであることを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の離型ポリエステルフィルム。
(5)エポキシ基を有するシリコーン系重合体の水分散体およびメラミン樹脂の水分散体を含有した塗工液をポリエステルフィルム基材に塗布後、180℃以上の温度で加熱乾燥する工程を含むことを特徴とする(1)〜(4)いずれかに記載の離型ポリエステルフィルムの製造方法。
本発明によれば、離型層が被着体に移行しにくく、空気抜け性を有する離型フィルムを提供することができる。また、本発明の離型ポリエステルフィルムは、プリント配線基板積層体のキャリアフィルム等に好適に用いることができる。
空気抜け時間の測定装置の概略図である。
本発明の離型ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルム基材に、エポキシ基を有するシリコーン系重合体およびメラミン樹脂を主成分とする樹脂層を形成させたものである。
ポリエステルフィルム基材に用いられるポリエステル樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレートが挙げられ、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。ポリエステル樹脂には、必要に応じて、他の成分を共重合してもよい。
他の成分としては、カルボン酸成分、ヒドロキシカルボン酸成分、アルコール成分が挙げられる。カルボン酸成分としては、例えば、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、無水マレイン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸成分としては、例えば、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトン、乳酸が挙げられる。アルコール成分としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールAやビスフェノールSのエチレンオキシド付加体、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトールが挙げられる。これらの共重合成分は2種以上併用してもよい。
フィルム基材として用いられるポリエステル樹脂の融点は、耐熱性の観点から230℃以上であることが好ましい。
ポリエステル樹脂の重合方法としては、例えば、直接エステル化法、エステル交換法等の公知の製造方法が挙げられる。直接エステル化法としては、例えば、必要なモノマー原料を反応缶内に注入し、エステル化反応をおこなった後、重縮合反応をおこなう方法が挙げられる。エステル化反応では、窒素雰囲気下、160℃以上の温度で4時間以上、加熱溶融して反応させる。その際、触媒として、マグネシウム、マンガン、亜鉛、カルシウム、リチウム、チタン等の酸化物、酢酸塩を用いてもよい。重縮合反応では、130Pa以下の減圧下で、220〜280℃の温度で所望の分子量に達するまで重縮合反応を進める。その際、触媒として、アンチモン、チタン、ゲルマニウム等の酸化物、酢酸塩を用いてもよい。重合後のポリエステル樹脂には、モノマーやオリゴマー、アセトアルデヒドやテトラヒドロフラン等の副生成物を含んでいるため、減圧または不活性ガス流通下、200℃以上の温度で固相重合することが好ましい。
ポリエステル樹脂を重合する際、必要に応じて、酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤等を添加してもよい。酸化防止剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物が挙げられる。熱安定剤としては、例えば、リン系化合物が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物を挙げることができる。
本発明の離型ポリエステルフィルムの製造方法としては、ポリエステルフィルム基材に、塗工液を塗布し加熱乾燥することにより樹脂層を形成させる方法を挙げることができる。
樹脂層は、インラインコート法またはポストコート法により形成させることができる。インラインコート法とは、未延伸フィルムまたは一軸延伸されたフィルムに、塗工液を塗布した後、加熱乾燥し、後延伸する方法である。一方、ポストコート法とは、未延伸フィルムを逐次二軸延伸法または同時二軸延伸法により二軸延伸フィルムとし、該二軸延伸フィルムに塗工液を塗布し、加熱乾燥する方法である。
塗工液の塗布方法としては、特に限定されないが、例えば、グラビアロール法、リバースロール法、エアーナイフ法、リバースグラビア法、マイヤーバー法、インバースロール法、またはこれらの組み合わせによる各種コート方式が挙げられる。また、各種噴霧方式も採用することができる。塗工厚みは、加熱乾燥後の厚みが0.01〜2μmとすることが好ましく、0.02〜1μmとすることがより好ましく、0.02〜0.5μmとすることがさらに好ましい。樹脂層の剥離強度を本発明で規定する範囲とするためには、加熱乾燥温度は、180〜240℃とすることが好ましく、200〜230℃とすることがより好ましい。加熱乾燥時間は、5〜60秒とすることが好ましく、20〜60秒とすることがより好ましい。
本発明の離型ポリエステルフィルムのポリエステルフィルム基材は、未延伸フィルムであっても、延伸フィルムであってもよい。未延伸フィルムは、十分に乾燥されたポリエステル樹脂原料を押出機に供給し、流動性を示す温度以上で溶融し、必要に応じてフィルターを通過させた後、Tダイから、ポリエステル樹脂のガラス転移点(Tg)以下に温度調節した冷却ドラム上に押出すことにより得ることができる。
一軸延伸法では、未延伸フィルムをポリエステル樹脂のTg〜(Tg+50℃)の温度範囲で、横方向または縦方向にそれぞれ2〜6倍程度の延伸倍率となるように延伸する。また、同時二軸延伸法では、未延伸フィルムをポリエステル樹脂のTg〜(Tg+50℃)の温度範囲で、横方向および縦方向にそれぞれ2〜4倍程度の延伸倍率となるよう二軸延伸する。この場合、同時二軸延伸機に導く前に、1〜1.2倍程度の予備縦延伸を施しておいてもよい。また、逐次二軸延伸法では、上記未延伸フィルムをロール、赤外線等で加熱し、縦方向に延伸して縦延伸フィルムを得る。延伸は2個以上のロール周速差を利用し、ポリエステル樹脂のTg〜(Tg+40℃)の温度範囲で2.5〜4.0倍とすることが好ましい。縦延伸フィルムは、さらに横延伸、熱固定、熱弛緩の処理を順次施して二軸延伸フィルムとする。横延伸は、ポリエステル樹脂のTg〜(Tg+40℃)の温度範囲で開始し、最高温度は、ポリエステル樹脂の(Tm−100℃)〜(Tm−40℃)の温度範囲であることが好ましい(Tmはポリエステル樹脂の融点)。横延伸の倍率は最終的なフィルムの要求物性に依存し調整されるが、3.5倍以上とすることが好ましく、3.8倍以上とするのがより好ましく、4.0倍以上とするのがさらに好ましい。縦方向と横方向に延伸後、さらに、縦方向および/または横方向に再延伸することにより、フィルムの弾性率を高めたり寸法安定性を高めたりすることができる。延伸に続き、ポリエステル樹脂の(Tm−50℃)〜(Tm−10℃)の温度範囲で数秒間の熱固定処理と、熱固定処理と同時にフィルム横方向に1〜10%の弛緩することが好ましい。
一般に、インラインコート法は、ポストコート法に比べて生産性が高く、経済性に優れている。また、インラインコート法では、延伸したフィルムに塗工液を塗布するため、高温で加熱することができる。本発明においては、樹脂層を180〜240℃で熱処理することが好ましいことから、高温で加熱することができるインラインコート法が好ましい。
樹脂層を形成するための塗工液としては、エポキシ基を有するシリコーン系重合体の水分散体とメラミン樹脂の水分散体を混合して用いることが好ましい。
エポキシ基を有するシリコーン系重合体とは、シリコーン化合物をエポキシ化合物と反応させることにより得られる。シリコーン化合物としては、例えば、各種アルコキシシラン、ハイドロジェンシラン、シクロシロキサン化合物が挙げられる。エポキシ化合物としては、例えば、グリシジルエーテル、グリシジルエステル、グリシジルアミン、脂肪族エポキシド、脂環式エポキシドが挙げられる。
エポキシ基を有するシリコーン系重合体の水分散体は、エポキシ基を有するシリコーン系単量体を水中で乳化重合、懸濁重合、溶液重合して製造してもよいし、エポキシ基を有するシリコーン系単量体を重合体としたのち通常用いられる水性化技術により分散して製造してもよい。
前記塗工液には、エポキシ基を有するシリコーン系重合体のほかに、基材フィルムとの密着性向上、あるいは塗布後のコート外観向上のため、アクリル系重合体やポリエステル系重合体を含んでいてもよい。
エポキシ基を有するシリコーン系重合体の水分散体としては、例えば、竹本油脂社製パイオニンUNX−001が挙げられる。エポキシ基を有するシリコーン系重合体とアクリル系重合体を含有する水分散体としては、例えば、竹本油脂社製パイオニンXC−109が挙げられる。エポキシ基を有するシリコーン系重合体とポリエステル系重合体を含有する水分散体としては、例えば、竹本油脂社製パイオニンXC−133が挙げられる。
メラミン樹脂としては、特に限定されないが、例えば、メチロール化型、完全アルキル型のメラミン樹脂が挙げられる。中でも、反応性の観点から、メチロール型のメラミン樹脂が好ましい。
塗工液の調製に用いられるメラミン樹脂の水分散体としては、例えば、大日本インキ化学工業社製ベッカミンAPM、住友化学社製スミマールM−30W、M−50W、三井サイテック社製サイメル325、アデカ社製アデカレジンEM−0103、竹本油脂社製パイオニンXC−101K、エレカットC−K01が挙げられる。
本発明の離型ポリエステルフィルムは、離型層が被着体に移行しにくい。そのため、本発明の離型ポリエステルフィルムの樹脂層の後述の測定方法による残留接着率は、90%以上であり、92%以上であることがより好ましい。残留接着率が90%未満の場合は、被着体に離型層が移り、離型フィルムを剥離した後の被着体の物性に影響が出るので好ましくない。
本発明の離型ポリエステルフィルムの樹脂層の後述の測定方法による剥離強度は、0.01〜0.10N/cmであることが好ましく、0.01〜0.05N/cmであることがより好ましい。剥離強度が0.01N/cm未満の場合、フィルムが滑って捲き取ることができない場合がある。一方、剥離強度が0.10N/cmを超える場合、剥離性が不十分になり、離型ポリエステルフィルムとして用いることができない場合がある。剥離強度は、塗工液に使用するエポキシ基を有するシリコーン系樹脂の種類、加熱乾燥温度、樹脂層の厚み、硬化剤の含有量等を調整することにより制御することができる。
本発明の離型ポリエステルフィルムの樹脂層の後述する測定方法による空気抜け時間は、1秒以下であることが好ましく、0.8秒以下であることがより好ましく、0.5秒以下であることがさらに好ましい。空気抜け時間を1秒以下とするには、表面粗度を高くすることが必要で、具体的には、樹脂層の中心面表面粗さ(SRa)は、0.02μm以上であることが必要で、0.05〜0.5μmであることが好ましく、0.1〜0.4μmであることがより好ましく、0.2〜0.4μmであることがさらに好ましい。また、樹脂層のピークカウント(SPc)は、3000個/mm2以上であることが好ましく、5000個/mm2以上であることがより好ましく、10000個/mm2以上であることがさらに好ましい。SRaが、0.02μm未満の場合、空気抜け時間が1秒を超え、本発明の離型ポリエステルフィルムを、プレス加工した際に、空気だまりによる圧力斑が生じて、フィルムの平面性が低下しシワが発生するので好ましくない。また、離型ポリエステルフィルムを剥がす際に、剥がすのが困難となったり、剥がす際の張力によってフィルムにシワが発生したり、破断したりする場合がある。剥がす際の張力を低くしたとしても、フィルムにシワが発生する場合がある。
空気抜け時間やSRaやSPcは、ポリエステル樹脂および/または塗工液に不活性粒子を含有させ、その不活性粒子の量や種類を変更することにより制御することができる。不活性粒子の量が多いほど、空気抜け時間は短く、SRaやSPcは大きくなる傾向がある。不活性粒子としては、例えば、有機高分子、無機粒子が挙げられ、無機粒子としては、例えば、シリカ、炭酸カルシウムが挙げられる。不活性粒子の平均粒子径は、特に限定されないが、2.0〜4.5μmであることが好ましく、2.0〜3.0μmであることがより好ましい。不活性粒子は、異なる平均粒子径のものを併用してもよい。ポリエステル樹脂に不活性粒子を含ませるには、重合時やコンパウンド時に添加すればよい。また、事前に不活性粒子を高濃度に含ませたマスターバッチを作製しておき、それを、フィルムの製造時に、不活性粒子を含んでいないポリエステル樹脂で希釈してもよい。塗工液に不活性粒子を含ませるには、塗工液の作製時に、混合すればよい。なお、作製時に、不活性粒子が沈殿したり浮遊したりすることがないようにするため、不活性粒子の比重は、0.5〜1.5であることが好ましく、0.7〜1.3であることがより好ましく、0.9〜1.2であることがさらに好ましい。
本発明の離型ポリエステルフィルムの層構成としては、単層、二種二層、二種三層、三種三層等のどのような層構成であってもよいが、片面ごとに表面粗度を制御することができるので、複層であることが好ましい。樹脂層に接している層は、全体の5〜50質量%とすることが好ましく、10〜40質量%とすることがより好ましく、20〜30質量%とすることがさらに好ましい。樹脂層に接している層の不活性粒子の含有量は、1〜5質量%であることが好ましく、1.5〜3質量%であることがより好ましい。一方、樹脂層に接しない層の不活性粒子の含有量は、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以下であることがさらに好ましい。
本発明の離型ポリエステルフィルムの厚みは、特に限定されないが、20〜75μmであることが好ましい。厚みを20〜75μmとすることにより、生産性よくフィルムを作製することができる。
本発明の離型ポリエステルフィルムは、少なくとも一方向に延伸されていることが好ましい。延伸されることにより、フィルムの平面性や耐熱性を向上させることができる。
本発明の離型ポリエステルフィルムは、プリント配線基板積層体のキャリアフィルム等に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
1.評価方法
(1)固有粘度
ポリエステル樹脂を1,1,2,2−テトラクロロエタンに溶解し、濃度1g/dLの試料溶液を作製した。続いて、ウベローデ型粘度計を用い、25℃の温度にて試料溶液および溶媒の落下時間を測定し、以下の式を用いて固有粘度を求めた。
固有粘度=ln[(試料溶液の落下時間/溶媒のみの落下時間)/樹脂濃度(g/dL)]
(2)ガラス転移温度、融点
ポリエステル樹脂10mgをサンプルとして用いて、示差走査型熱量計(Perkin Elmer社製 Pyris1 DSC)を用いて昇温速度20℃/分で260℃まで昇温し、昇温曲線中のガラス転移に由来する2つの折曲点温度の中間値をガラス転移温度とし、吸熱ピークのトップを融点とした。
(3)剥離強度
日東電工社製粘着テープ31B(テープ幅50mm)をフィルムの樹脂層面に貼り、20g/cm2の荷重下、70℃で20時間放置した後、23℃、50%RHの雰囲気で調湿した。その後、調湿したサンプルについて、オートグラフを用いて、クロスヘッド速度300mm/分で、樹脂層表面から粘着テープを剥がした際の180°剥離強度を測定した。
(4)表面粗度
TAYLOR/Hobson社製タリサーフCCI6000を用いて、下記の条件で離型面のSRa、SPcを測定し、10点平均して求めた。
測定長:0.66mm×0.66mm
カットオフ:ロバストガウシアンフィルタ、0.25mm
ピークカウントレベル:1.0μm
(5)空気抜け時間
図1に示す測定装置を用いた。台1の中央部に直径60mm円形のガラス板2を取り付け、取り付けたガラス板2の外周に沿って5mm幅の空気溝1(X)及び空気孔1(Y)を形成させた。次に、その空気孔1(Y)と真空ポンプ5をコック4のついたホース3で接続し、台1の上部に、ガラス板2を覆い隠す大きさのフィルム(概ね100mm×100mm以上)6を粘着テープ7で固定し、真空ポンプ5を駆動させ、コック4を開き、ガラス板2の外周に干渉縞が出現してからガラス板2全体に広がり、最終的にその移動が止まるまでの時間(秒)を測定し、それを空気抜け時間とした。
(6)残留接着率
(3)の剥離強度の試験により離型フィルム表面から剥離した日東電工社製31B粘着テープ(テープ幅50mm)を、SUS板に貼付し、23℃、50%RHの雰囲気で調湿した。その後、前記31B粘着テープとSUS板との剥離強度F1を(3)と同様にして測定した。
一方、未使用の31B粘着テープ(テープ幅50mm)を、SUS板に貼付し、23℃、50%RHの雰囲気で調湿した。その後、前記31B粘着テープとSUS板との剥離強度F2を(3)と同様にして測定した。得られたF1とF2より、下記式を用いて残留接着率を計算した。
残留接着率(%)=(F1/F2)×100
2.材料
実施例および比較例に用いた材料は、以下のとおりである。
<ポリエステル樹脂>
・ポリエステル樹脂A:ポリエチレンテレフタレート(PET)、固有粘度0.62、Tg78℃、Tm255℃、含有シリカの平均粒径5.1μm、含有量1.5質量%
・ポリエステル樹脂B:PET、固有粘度0.62、Tg78℃、Tm255℃、含有シリカの平均粒径2.3μm、含有量1.5質量%
・ポリエステル樹脂C:PET、固有粘度0.62、Tg78℃、Tm255℃、含有シリカの平均粒径2.3μm、含有量0.05質量%
・ポリエステル樹脂D:PET、固有粘度0.62、Tg78℃、Tm255℃、含有シリカの平均粒径1.0μm、含有量0.15質量%
・ポリエステル樹脂E:PET、固有粘度0.62、Tg78℃、Tm255℃、シリカ非含有
<塗工液>
・塗工液(S−1)
主剤の「パイオニンXC−109(竹本油脂社製、エポキシ基を有するシリコーン系重合体とアクリル系重合体を含有する水分散体)」と、硬化剤の「パイオニンXC−101K(竹本油脂社製メラミン樹脂水溶液)」を固形分比(質量比)が100/5になるように混合し、固形分濃度を3質量%になるように純水で希釈した後、室温で十分に撹拌し、均一な塗工液を得た。
・塗工液(S−2)
主剤の「パイオニンXC−133(竹本油脂社製、エポキシ基を有するシリコーン系重合体とポリエステル系重合体を含有する水分散体)」と、硬化剤の「パイオニンXC−101K」を固形分比(質量比)が100/5になるように混合し、固形分濃度を3質量%になるように純水で希釈した後、室温で十分に撹拌し、均一な塗工液を得た。
・塗工液(S−3)
主剤の「パイオニンUNX−001(竹本油脂社製、シリコーン系重合体の水分散液)」と、硬化剤の「パイオニンXC−101K」を固形分比(質量比)が100/5になるように混合し、固形分濃度を5質量%になるように純水で希釈した後、室温で十分に撹拌し、均一な塗工液を得た。
・塗工液(S−4)
主剤の「パイオニンXC−109」と、硬化剤の「パイオニンXC−101K」を固形分比(質量比)が100/10になるように混合し、固形分濃度を3質量%になるように純水で希釈した後、室温で十分に撹拌し、均一な塗工液を得た。
・塗工液(S−5)
主剤の「TPR6500(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、エポキシ基を有するシリコーン系重合体、無溶剤)」と、UV硬化型硬化剤の「UV9380C(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製、ハロゲン原子を含む光開始剤)」を固形分比(質量比)が100/3になるように混合、撹拌して均一な塗工液を得た。
・塗工液(S−6)
主剤の「パイオニンXC−109」に硬化剤を添加しなかったこと以外は、塗工液(S−1)と同様にして均一な塗工液を得た。
・塗工液(S−7)
主剤の「パイオニンXC−109」と、硬化剤の「ベッカミンAPM(大日本インキ化学工業社製、メラミン樹脂の水分散体)」を固形分比(質量比)が100/10になるように混合し、固形分濃度を3質量%になるように純水で希釈した後、室温で十分に撹拌し、均一な塗工液を得た。
実施例1
ポリエステル樹脂Bをスクリュー径50mmの押出機に投入して280℃で溶融した樹脂(a層)と、ポリエステル樹脂Dをスクリュー径65mmの押出機に投入して280℃で溶融した樹脂(b層)をフィードブロック内で合流させ、a/b/aの層の厚み構成比が2/6/2、総厚みが380μmとなるよう調整してTダイから押出し、静電ピニング方式でキャスティングドラムに密着急冷し、未延伸フィルムを得た。
得られた未延伸フィルムをロール式縦延伸機で85℃の条件下、3.5倍に延伸し、続いて、a層表面にコロナ処理を施した。その後、a層表面に、マイヤーバーを用いて塗工液(S−1)を熱処理後の樹脂層の厚みが0.02μmになるようにインラインコートし、50℃の熱風乾燥炉で20秒通過させた。その後、連続的にシート端部をフラット式延伸機のクリップに把持させ、100℃の条件下、横方向に4.5倍に延伸し、続いて、横方向の弛緩率を3%として、230℃で3秒間の熱処理を施して、コートフィルムを得た。
実施例2〜5、比較例4
二層フィルムのa層に用いる樹脂とインラインコートの塗工液の種類を表1のように変更する以外は、実施例1と同様にして、コートフィルムを得た。
実施例6
ポリエステル樹脂Aをスクリュー径50mmの押出機に投入して280℃で溶融した樹脂(a層)と、ポリエステル樹脂Dをスクリュー径65mmの押出機に投入して280℃で溶融した樹脂(b層)をフィードブロック内で合流させ、a/bの厚み構成比が4/6、総厚みが380μmとなるよう調整してTダイから押出し、静電ピニング方式でキャスティングドラムに密着急冷し、未延伸フィルムを得た。
その後、実施例1と同様に、縦延伸、コロナ処理、インラインコート、横延伸、熱処理をおこなって、コートフィルムを得た。
実施例7、比較例5
基材に用いる樹脂を表1のように変更する以外は、実施例6と同様の操作をおこなって、コートフィルムを得た。
実施例8
ポリエステル樹脂Aをスクリュー径50mmの押出機に投入して280℃で溶融した樹脂を、厚みが380μmとなるよう調整してTダイから押出し、静電ピニング方式でキャスティングドラムに密着急冷し、未延伸フィルムを得た。
その後、実施例1と同様に、縦延伸、コロナ処理、インラインコート、横延伸、熱処理をおこなって、コートフィルムを得た。
実施例9、10
未延伸単層フィルムに用いる樹脂、インラインコートの塗工液の種類を表2のように変更する以外は、実施例8と同様にして、コートフィルムを得た。
比較例1
実施例1と同様にして得た未延伸二層フィルムを用いて、インラインでのコロナ処理とコート処理をおこなわずに実施例1と同様の逐次二軸延伸をおこなって、厚さ25μmの二軸延伸フィルムを得た。その後、a面に濡れ性が54mN/mとなるようにコロナ処理を施した後、コロナ処理面にNo.2のマイヤーバーを用いて、塗工液(S−6)をポストコートし、3000mJ/cm2のUV照射処理を施して、コートフィルムを得た。
比較例2
実施例1と同様にして厚さ25μmの二軸延伸フィルムを得た。その後、a面に濡れ性が54mN/mとなるようにコロナ処理を施した後、コロナ処理面にNo.2のマイヤーバーを用いて、塗工液(S−7)をポストコートし、120℃×30秒で加熱乾燥して、コートフィルムを得た。
比較例3
実施例1と同様にして厚さ25μmの二軸延伸フィルムを得た。その後、a面に濡れ性が54mN/mとなるようにコロナ処理を施した後、コロナ処理面にNo.2のマイヤーバーを用いて、塗工液(S−8)をポストコートし、220℃×30秒で加熱乾燥して、コートフィルムを得た。
フィルム構成およびその特性値を、表1、2に示す。
実施例1〜10のコートフィルムは、離型層が、エポキシ基を有するシリコーン系重合体とメラミン樹脂から構成されるものであったため、離型層の残留接着率が90%以上であり、剥離性にも優れていた。また、いずれも、ポリエステルフィルム基材の樹脂層と接する層に、平均粒子径が2〜4.5μmの不活性粒子が含まれていたため、樹脂層の空気抜け性にも優れていた。
比較例1のコートフィルムは、ハロゲン元素を含む硬化剤を用いたため、残留接着率が低かった。
比較例2のコートフィルムは、メラミン樹脂を併用しなかったため、残留接着率が低かった。
比較例3のコートフィルムは、硬化剤の添加量が多く、乾燥温度が低かったため、残留接着率が低かった。
比較例4のコートフィルムは、樹脂層と接する層に不活性粒子の含有量が少なかったため、樹脂層のSRaが小さかった
比較例5のコートフィルムは、ポリエステルフィルム基材の樹脂層と接する層において、含有する不活性粒子の平均粒径が小さかったため、樹脂層のSRaが小さかった
1・・・台
1(X)・・・空気溝
1(Y)・・・空気孔
2・・・ガラス板
3・・・ホース
4・・・コック
5・・・真空ポンプ
6・・・フィルム(サンプル)
7・・・粘着テープ

Claims (5)

  1. ポリエステルフィルム基材の少なくとも片面に樹脂層を形成させた離型フィルムであって、前記樹脂層が、エポキシ基を有するシリコーン系重合体およびメラミン樹脂を含有し、残留接着率が90%以上であって、樹脂層の中心線平均粗さ(SRa)が20nmを超えることを特徴とする離型ポリエステルフィルム。
  2. 樹脂層の剥離強度が0.01〜0.10N/cmである請求項1記載の離型ポリエステルフィルム。
  3. 樹脂層に、さらに、アクリル系重合体またはポリエステル系重合体を含む請求項1または2記載の離型ポリエステルフィルム。
  4. ポリエステルフィルム基材が、複層フィルムであることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の離型ポリエステルフィルム。
  5. エポキシ基を有するシリコーン系重合体の水分散体およびメラミン樹脂の水分散体を含有した塗工液をポリエステルフィルム基材に塗布後、180℃以上の温度で加熱乾燥する工程を含むことを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の離型ポリエステルフィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016194687A (ja) * 2015-03-31 2016-11-17 株式会社巴川製紙所 異方性光学フィルムの製造方法

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