JP2014233677A - 浄水器 - Google Patents
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Abstract
Description
一方、原水を浄化する浄化カートリッジを備える浄水器のうち、キッチン水栓等に取り付けられる元止め(原水の止水を)で使用される浄水器に比べ、先止めで使用される浄水器等においては、高い圧力(例えば0.10〜1.75MPa)の原水に対する耐圧強度を要求される。
このような浄水器として、原水の流入により比較的高い圧力が加えられた場合、当該圧力により蓋体と浄水器本体との連結が破れる、又は蓋体と浄水器本体とが変形することを防止すべく、蓋体と浄水器本体とをステンレス等の比較的強度の高い材料で作成すると共に、例えば、特許文献1に示すように、蓋体と浄水器本体との連結部位を、外部から締め付け固定するバンド機構を備えたものが知られている(特許文献1を参照)。
また、他の例では、特許文献2に例示されているように、蓋体と浄水器本体との連結部位の何れか一方に設けられる凸部が、他方に設けられる凹部に嵌入することで両者を連結するヘリコイド機構により、連結する構成を有するものが知られている(特許文献2を参照)。
更に、他の例としては、鋳造等の技術により比較的肉厚に構成された蓋体2に、切削等の機械加工により蓋体側螺合部を形成すると共に、当該蓋体側螺合部に螺合する本体側螺合部を浄水器本体の筒外周面に形成し、蓋体側螺合部と本体側螺合部とを螺合して、蓋体と浄水器本体との連結を維持するものが知られている(特許文献3を参照)。
また、特許文献2に例示されるように、蓋体と浄水器本体との固定に関し、ヘリコイド式を採用する場合にも、蓋体と浄水器本体の連結部位の一方に、凹部を形成する部材を設けると共に、他方に前記凹部に嵌合する凸部を形成する部材を設ける必要があり、部品点数の増加、及び構造の複雑化を避けることはできなかった。
更に、特許文献3に開示の技術にあっては、比較的高い圧力で原水が流入する原水流入部と浄水が流出する浄水流出部とを有する蓋体の耐圧性を高めるべく、鋳造等の方式で比較的肉厚に構成されており、それに対して切削等の機械加工によりネジ部を形成している。このように、切削等の機械加工が可能なように鋳造等の方式で成形された蓋体は、比較的大型で重く成らざるを得なかった。結果、コンパクト化及び軽量化の面で問題があり、蓋体と浄水器本体の組み付け操作性が良い浄水器には成り得なかった。
前記浄水器本体と前記蓋体との双方が、板状の構造材を成形した成型体から成り、
前記蓋体が、天面部と前記天面部の周縁から下垂して前記浄水器本体に螺合する蓋体側螺合部を備えて構成されると共に、前記浄水器本体が、底部の周縁から上方に延びて前記蓋体側螺合部に螺合する本体側螺合部を備えて構成されて成る点にある。
更に、蓋体と浄水器本体とが、蓋体側螺合部と本体側螺合部との螺合により、互いに接続する構成を採用しているから、従来技術の如く、バンド機構やヘリコイド機構を設ける必要がなく、部品点数を低減できる。
尚、浄水器本体と蓋体との双方を、板状体の構造材を成形した成型体から構成する場合、その強度は、鋳造等の方式により肉厚に成形された成型体に比べ低くなり、比較的高い圧力で原水が供給されたときには変形する虞がある。このような変形は、蓋体の天面等が平面である場合に、当該天面が蓋体の内側から外側へ膨出する形態で発生し易く、当該変形により、蓋体に形成される原水流入管及び浄水流出管の管軸方向が、当初の管軸方向と異なる方向となる等の問題が発生する虞がある。
そこで、本願の浄水器にあっては、例えば、蓋体の天面部に、天面部の周縁と流入流出管保持部との間を、蓋体内側から蓋体外側へ向けて膨出する中間膨出部で連結する構成を採用することで、予め蓋体内側から蓋体外側へ膨出する中間膨出部を設けて、比較的高い圧力で原水が供給され浄水器の内圧が高まった場合であっても、蓋体の変形を防止することができる。
以上より、部品点数が少なく、コンパクトで簡易な構成を維持して製造コストの低減を図ることができながらも、高い耐圧性を有する浄水器を実現できる。
前記蓋体側螺合部が、円環状に成形された板状体の外周を転造により板状体の両側に螺子が形成されて成り、前記本体側螺合部が、円環状に成形された板状体の外周を転造により板状体の両側に螺子が形成されて成る点にある。
前記本体側螺合部の上方側に凹欠環状部を設け、前記凹欠環状部には、前記蓋体と前記浄水器本体との螺合状態において、前記蓋体と前記浄水器本体との間をシールする環状のシール部材が配設されている点にある。
本願の浄水器100は、部品点数が少なく、コンパクトで簡易な構成を維持して製造コストの低減を図ることができながらも、高い耐圧性を有するものに関し、特に、比較的高い圧力で原水が供給されることがあるカップベンダー式の自動販売機、その他の用途に好適に適用できるものである。
当該浄水器100は、原水を浄化する浄化カートリッジ30を内部に収納可能で上方に開口45を有する有底筒状の浄水器本体40と、当該浄水器本体40に上方より螺合して当該浄水器本体40の開口45を塞ぐ蓋体10とを備えている。
即ち、当該構成では蓋体10が、天面部19の周縁と流入流出管保持部11との間に中間膨出部12で連結する構成を採用しているから、比較的高い圧力で原水が供給される場合にも、蓋体10の天面部19が内側から外側への膨出変形を防止することができる。これにより、通常、平行状態で設けられる原水流入管24と浄水流出管25の平行状態を保つことができる。
ここで、流入流出管保持部11につき説明を加えると、原水流入管24と浄水流出管25とを平行状態で保持する板状体部11aと、板状体部11aの周縁から筒状に下垂する筒状下垂部11bとを備えて構成し、筒状下垂部11bの下垂側端に中間膨出部12が連結されている。筒状下垂部11bは、その内側面において、後述するアダプタ20の原水流入管24及び浄水流出管25への接続を案内する機能も有する。
原水流入管24及び浄水流出管25の双方は、流入流出管保持部11は、その一部が蓋体10の外側に位置すると共にその他部が蓋体10の内側に位置する状態で、流入流出管保持部11に対して溶接固定されている。原水流入管24及び浄水流出管25の蓋体10の外側に位置する部位は、その外周にネジが切られており、原水流入管24には、浄化される原水が供給される原水供給口(図示せず)が接続可能に構成されていると共に、浄水流出管25には、浄化された浄水の浄水受入口(図示せず)が接続可能に構成されている。
原水流入管24には、浄水器100の内部から原水流入管24の側への原水の逆流を防止する逆止弁24bが設けられている。これにより、残留塩素等が除去された浄水が、原水流入管24の上流側へ戻ることを防止できる。
当該構成により、比較的高い圧力で原水が供給される場合にも、浄水器本体40の底部43がその内側から外側へ膨出変形することを防止している。
浄水器本体40の開口端には、本体側螺合部42に連続して、その筒外周に沿って凹欠する環状部41が設けられており、当該凹欠環状部41に環状のシール部材44を配設可能に構成されている。当該シール部材44は、蓋体10の内面との間をシールするものであり、蓋体10の蓋体側螺合部13と浄水器本体40の本体側螺合部42との螺合の際の摩擦抵抗を低減すべく、接触面積の小さいXパッキンやVパッキン等が好適に用いられる。
当該アダプタ20は、原水流入管24の基端側端部に接続すると共に、当該原水流入管24の基端側端部からの原水を、浄水器100の内部で浄化カートリッジ30の外部に形成される外部流路50に導く第1接続部21と、浄水流出管25の基端側端部に接続する第2接続部22と、浄化カートリッジ30の浄水吐出口31aに接続する第3接続部23とを備えて構成されており、第2接続部22と第3接続部23とが連通接続されている。
当該アダプタ20の第1接続部21及び第2接続部22は、上述した流入流出管保持部11の筒状下垂部11bにて、原水流入管24の基端側端部及び浄水流出管25の基端側端部への接続が案内される。
円筒状の浄化部は、その軸径方向外側から順に、不織布等から成る外側フィルタ33a、粒状活性炭又は繊維状活性炭からなる第1濾材33b、不織布等から成る内側フィルタ33c、筒状芯材33d、中空糸膜から成る第2濾材33gを内部に備える第2濾材筐体33eが、設けられている。
原水流入管24から流入した原水は、アダプタ20の第1接続部21を介して外部流路50に導かれ、浄化カートリッジ30を軸径方向(図2中で矢印Y方向)で、外側フィルタ33a、第1濾材33b、内側フィルタ33cを通過して浄化される。更に、筒状芯材33dを通過した後、第2濾材筐体33eに設けられる開口部32hを介して、第2濾材筐体33eの内部に流入し、第2濾材33gにより主に濁りが除去されて浄水となる。当該浄水は、アダプタ20の第3接続部23、第2接続部22を介して浄水流出管25から流出する。
本発明の浄水器100では、上述したように、浄水器本体40と蓋体10との双方が、板状の構造材を成形した複数の成型体を相互に連結して構成しており、先行技術文献3に記載された技術の如く、鋳造等の方式により製造されたものに比べ、コンパクト化及び軽量化を図ることができ、組み付け操作性を向上できる。以下、その製造工程を、図3、4に基づいて説明する。
底部43は、円盤状の板状体S1を、絞り加工により外縁に周縁部49を形成し、中央側が当該周縁部49から板厚方向の一方側(図3の♯301で矢印X側)に、底部として、中央側に向かうに従って引退量の大きい絞り加工引退部43aを形成し(♯301)、周縁部49の径方向の外側に形成された外縁部を、突切加工により取り除く(♯302)ことで得る。
尚、上記絞り加工引退部43aは、浄水器本体40の外径(図3でL1)が80〜90mmの場合、曲率半径R1が55〜65mm程度、好ましくは60mmの球体にて絞り加工を行うことにより形成する。当該加工により、加工引退部43aの絞り深さ(図3でL2)は、15mm程度となる。
次に、本体側螺合部42は、長方形状の板状体S2を、その短軸方向の端部を溶接して円環状に成形し(♯303)、その外周の一部を絞り加工により径方向外側へ膨出させ(♯304)、当該膨出部分に転造により螺子42aを形成し(♯305)、当該螺子42aの一端側に形成される筒部を突切加工により取り除くことで得る(♯306)。
次に、円環状の凹欠環状部41は、円盤状の板状体S3を、絞り加工により皿縁部46を有すると共に、皿の径方向外側に延びる外縁部位47を有する浅皿形状とし(♯307)、皿底を穴あけ加工により取り除き(♯308)、穴縁部48を皿縁部46の外側へ倒し加工し(♯309)、皿縁部46の外縁部位47と穴縁部48とを対向する状態となるまでつぶし加工する(♯310)ことで得る。
最後に、上記底部43と本体側螺合部42と凹欠環状部41とを溶接接続して、浄水器本体40を成形する(♯311)。
天面部19は、円盤状の板状体S5を絞り加工により外縁に円環状の周縁部15を形成し、中央側が周縁部15から板厚方向の一方側(図4の♯401で矢印X先端側)に、中央側に向かうに従って膨出量が大きい絞り加工膨出部16を形成し(♯401)、絞り加工膨出部16の中央側に段付け加工を行い、流入流出管保持部11を形成すると共に、当該流入流出管保持部11への穴あけ加工により原水流入管24及び浄水流出管25を溶接する穴部17を形成し(♯402)、♯401の絞り加工により周縁部15の外側に形成された外側端部を突設加工により取り除き(♯403)、♯402の穴あけ加工により形成された穴部17に原水流入管24及び浄水流出管25を溶接することで得る(♯404)。
尚、上記加工により、絞り加工膨出部16のうち、流入流出管保持部11を除く部位が中間膨出部12となる。また、上記絞り加工膨出部16は、蓋体10の外径(図4でL3)が80〜90mmの場合、曲率半径R2が60mm〜70mm程度の球体にて絞り加工を行うことにより形成する。
次に、蓋体側螺合部13は、長方形状の板状体S4を、その短軸方向の端部を溶接して円環状に成形し(♯405)、その外周に転造により螺子が形成する(♯406)と共に、当該螺子の両端部が突設加工により取り除く(♯407)ことで得る。
当該蓋体側螺合部13と天面部19とを溶接接続して、蓋体10を成形する(♯408)。
(1)上記実施形態では、シール部材44としては、本体側螺合部42と蓋体側螺合部13との螺合の際の摩擦抵抗を低減すべく、VシールやXシールを設けることが好ましい点を説明したが、Oリングの他、KシールやDシール等の形状のシール部材を用いても、浄水器100の機能を良好に発揮することができる。
(2)上記実施形態では、浄化カートリッジ30として、中空糸膜からなる第2濾材33gを備える例を示したが、当該第2濾材33gは別に設けなくても良い。この場合、原水は、粒状活性炭及び繊維状活性炭等からなる第1濾材33bのみにて浄化される。
(3)上記実施形態では、図4に示す蓋体10の製造工程において、蓋体10を、長方形状の板状体S4と円盤状の板状体S5とを成形加工して溶接することにより得る例を示した。
しかしながら、当該蓋体10は、製造の工程数を減らしコストダウンを図る観点からは、以下の図5に示すように、円盤状の板状体S6のみを成形加工等して得ることが好ましい。
当該製造工程では、円盤状の板状体S6に絞り加工により外縁に円環状で大径(図5でL4で示される内径)の大径周縁部61を形成した後、その中央側に、大径周縁部61よりも小径(図5でL3で示される内径、L3<L4)の小径周縁部15を形成し、中央側が小径周縁部15から板厚方向の一方側(図5で矢印X先端側)に、中央側に向かうに従って膨出量が大きい絞り加工膨出部16を形成する(♯501)。
次に、大径周縁部61に転造により蓋体側螺合部13として螺子を形成すると共に(♯502)、当該蓋体螺合部13の下方側(図5で矢印Xの基端側)を、突切加工により取り除く(♯503)。
この後、絞り加工膨出部16に、原水流入管24及び浄水流出管25を設けるべく、♯402〜♯404と同様の工程を実行し、蓋体10を得る。
11 :流入流出管保持部
11a :板状体部
11b :筒状下垂部
12 :中間膨出部
13 :蓋体側螺合部
15 :周縁部
16 :絞り加工膨出部
19 :天面部
24 :原水流入管
25 :浄水流出管
30 :浄化カートリッジ
40 :浄水器本体
41 :凹欠環状部
42 :本体側螺合部
42a :螺子
43 :底部
43a :絞り加工引退部
44 :シール部材
45 :開口
46 :皿縁部
49 :周縁部
100 :浄水器
Claims (4)
- 原水を浄化する浄化カートリッジを内部に収納可能で上方に開口を有する有底筒状の浄水器本体と、当該浄水器本体に上方より螺合して当該浄水器本体の開口を塞ぐ蓋体とを備えて成る浄水器であって、
前記浄水器本体と前記蓋体との双方が、板状の構造材を成形した成型体から成り、
前記蓋体が、天面部と前記天面部の周縁から下垂して前記浄水器本体に螺合する蓋体側螺合部を備えて構成されると共に、前記浄水器本体が、底部の周縁から上方に延びて前記蓋体側螺合部に螺合する本体側螺合部を備えて構成されて成る浄水器。 - 前記蓋体側螺合部が、円環状に成形された板状体の外周を転造により板状体の両側に螺子が形成されて成り、前記本体側螺合部が、円環状に成形された板状体の外周を転造により板状体の両側に螺子が形成されて成る請求項1に記載の浄水器。
- 前記本体側螺合部の上方側に凹欠環状部を設け、前記凹欠環状部には、前記蓋体と前記浄水器本体との螺合状態において、前記蓋体と前記浄水器本体との間をシールする環状のシール部材が配設されている請求項2に記載の浄水器。
- 前記天面部が、前記天面部に、原水が流入する原水流入管と浄水が流出する浄水流出管とを平行状態で保持する流入流出管保持部を設け、前記天面部の周縁と前記流入流出管保持部との間を、蓋体内側から蓋体外側へ向けて膨出する中間膨出部で連結して構成されている請求項1〜3の何れか一項に記載の浄水器。
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