JP2014231445A - スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物及びその製造方法 - Google Patents

スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物を高温環境下に置いたときの充放電サイクルに伴う放電容量、容量維持率の向上を、ジルコニウムアルコキシドを用いて修飾することによって図る。【解決手段】本発明に係るスピネル型リチウムマンガン複合酸化物は、スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物の粉砕物であり、二次粒子における体積平均粒子径D50が5〜30μm、D90が50μm以下の粒度を有するものであり、修飾ジルコニア層は、ジルコニウムのアルコキシドの分解生成物によって形成され、修飾量が、前記スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物に対してジルコニアに換算して0.1〜1mol%の範囲であり、かつ、比表面積が1.0cm2/g以下であることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物、特にジルコニアで被覆(修飾)されたスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物及びその製造方法に関する。
リチウム二次電池は起電力やエネルギー密度の点で優れており、小型ビデオカメラ、携帯電話、ノートパソコンなどの携帯電子・通信機器用の電池として広く使用されている。近年では携帯用の電子機器のみならず自転車や電動バイク、自動車用などの移動体向け電源としても注目されてきており、これらの分野向けのリチウム二次電池の開発も活発に進められてきている。
現在リチウム二次電池用の正極活物質としては、コバルト酸リチウム(LiCoO)が広く利用されているが、主原料であるコバルトがレアメタルであり、高価である上に資源の枯渇化等による供給不安が指摘されている。これに対して、スピネル型リチウムマンガン酸化物(化学式:LiMn,マンガン酸リチウム、リチウムマンガンスピネルとも称される)の主原料となるマンガンはコバルトと比べ資源量が豊富である上に経済性の面からも有利であり、その将来性が期待されている。
携帯用電子機器用などの電源では、機器の電源を入れてから使用可能となるまでの時間の短縮が求められており、自動車用についても移動体の急激な加減速に対応するため瞬間的に大電流を通電できる電池が必要とされる状況にある。
通常、リチウムと遷移金属の複合酸化物は、スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物も含め、一般に導電性が低く、二次電池用正極活物質として用いる場合には、一般に、導電性を確保するために、カーボンブラックや黒鉛等の導電材及び結着材を混合してスラリーを調製し、これをアルミニウム箔に塗工することによって作製される。このようにして作成された正極は、負極活物質粉末を含む負極、非水系電解液とともにセパレータ、ガスケット等の部材によって、例えば、コインセル型有機電解液二次電池に組立てられる。
しかしながら、スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物を正極活物質とする非水電解質二次電池は、高温環境下での充放電サイクルに伴う容量低下が大きいことが問題とされている。その原因は、正極活物質と、非水系電解液のフッ化水素と接触する表面反応により、3価のMnが2価のMnと4価のMnに変化する不均化反応を起こし、2価のMnが電解液中へ溶出するため、結晶構造が崩れ、上記サイクル劣化が起こることであると推定されている。
このような正極活物質と非水系電解液との接触を抑制するため、正極活物質の表面を酸化ジルコニウムで被覆することが公知である。例えば、特許文献1には、下記一般式LiMn1.5Ni0.54−w(式中、0<x<2、0≦w<2である。)で表わされるリチウムマンガンニッケル系複合酸化物の粒子表面をMg、Al、Ti、Zr及びZnから選ばれる少なくとも1種以上の金属元素を含む金属酸化物で被覆されていることを特徴とする改質リチウムマンガンニッケル系複合酸化物が開示されている。また、特許文献2には、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、電解質塩を溶解した非水溶媒からなる非水電解質を備える非水電解質二次電池おいて、前記正極活物質が平均粒径の異なる2種のスピネル型マンガン酸リチウムを含み、大粒径に係る活物質Xは、Mg又はAlの少なくとも一方とBとFを含み、平均粒径X(D50)が10〜30μmで、小粒径に係る活物質Yは、Mg又はAlの少なくとも一方とBを含み、表面の少なくとも一部がTiO又はZrOの少なくとも一方で被覆されており、平均粒径Y(D50)が1〜10μmで、前記正極活物質に含まれる前記活物質Xと前記活物質Yの質量比が6:4〜9:1であり、X(D50)とY(D50)が、1.5≦(X(D50)/Y(D50))≦4.0であることを特徴とする非水電解質二次電池が開示されている。
さらに、正極活物質の表面を酸化ジルコニウムで被覆する手段として、特許文献3には、リチウム及び遷移金属からなる複合酸化物を正極活物質とする非水系リチウム二次電池において、前記複合酸化物はその粒子表面に厚さ10nm〜70nmのAl、Mg、Sn、Ti、Zn、及びZrのうち少なくとも一種を含有する金属化合物膜を表面修飾するための手段として、これら金属のアルコキシド溶液を前記複合酸化物と混合、超音波照射を行い、ろ過、回収して乾燥の後、大気中、窒素雰囲気中あるいは酸素雰囲気中にて300℃以上700℃以下の温度で熱処理を行う手段が開示されている。また、特許文献4には、コア粒子であるリチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物を含む水懸濁液に、Zr等の金属元素のアルコキシドを用いるとともに、中和剤としてフッ素含有の溶液を用いて、リチウム−遷移金属元素(TM)からなる複合酸化物の粒子表面にZrとフッ素とを含有する表面処理成分を析出させた後、酸素雰囲気の下300〜700℃の温度範囲で加熱処理する方法が開示されている。
また、特許文献5には、ジルコニウム水溶液からリチウム複合酸化物を分離することで得られる正極材料の開示がある。
特開2006−36545号公報 特開2012−9270号公報 特開2005−310744号公報 特開2010−86922号公報 WO2011/052607 A1 公報
しかしながら、特許文献1,2に開示の手段は、スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物を修飾するに当たり、固体粉末のZrの金属酸化物が用いられるので、その被覆・拡散が一様に行われないおそれがあり、特性改善の効果が十分でないという問題がある。一方、特許文献3に開示の手段は、一般的な金属アルコキシドの使用を、超音波照射とともに示唆するに過ぎず、金属アルコキシドを用いてジルコニウムの酸化物を被覆する具体的手段について記載されていない。特許文献4に開示の手段は、ジルコニウムを含む金属アルコキシドを用いて複合酸化物の表面を修飾することを開示するものであるが、その処理過程において、中和剤とフッ素含有の溶液と組み合わせて用いるものであり、工程が煩瑣であるという問題がある。また、ジルコニウムのアルコキシドを用いてZrの酸化物を修飾したときの具体的効果について記載されていない。
本発明は、スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物をジルコニウムアルコキシド用いて酸化ジルコニウムを修飾する具体的手段を提供し、これによって、高温環境下に置いたときの充放電サイクルに伴う放電容量、容量維持率の向上を図ることを目的とする。
本発明者は、スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物をジルコニアで修飾する際の手段について種々検討し、二次粒子における体積平均粒子径D50(定義:粉体の集団の全体積を100%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブが50%となる点の粒子径であり、以下同様とする。)が5〜30μm、D90(定義:粉体の集団の全体積を100%として累積カーブを求めたとき、その累積カーブが90%となる点の粒子径であり、以下同様とする。)が50μm以下に調整された複合酸化物に対し、ジルコニウムのアルコキシドを湿式混合して乾燥、熱処理することが極めて効果的であることを見出し、本発明を完成した。
本発明に係るスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物の製造方法は、
一般式Li(1+x)Mn(2−x−y)
ここに、x及びyは、それぞれ下記条件を満たし、Mは、B,Al,Co,Ni,Mg,Ca,Zn,及びTiからなる群から選択される少なくとも1つの元素である。Mとして加えたAl,Co,Ni,Mg及びZnはスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物内に固溶することでMn価数の安定によるMn溶出の低減が期待できる。またB,Ca及びTiはスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物に被覆することでMn溶出の低減が期待できる。
x:0以上0.33以下
y:0以上0.2以下
で表わされ、体積平均粒子径D50が5〜30μm、体積平均粒子径D90が50μm以下に調整されたスピネル型リチウムマンガン複合酸化物の粉砕物を準備する段階と、
溶媒に分散したジルコニウムのアルコキシドを前記スピネル型リチウムマンガン複合酸化物の粉砕物に対して、ジルコニアに換算して、0.1〜1mol%の範囲で添加後、湿式混合する段階と、得られた湿式混合物を乾燥後、300〜700℃の温度下で熱処理する段階とを、順次行うことを特徴とする。
また、本発明に係るスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物は、一般式Li(1+x)Mn(2−x−x)で表されるスピネル型リチウムマンガン複合酸化物の粉砕物の表面に、修飾ジルコニア層を有するスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物であって、前記スピネル型リチウムマンガン複合酸化物の粉砕物は、体積平均粒子径D50が5〜30μm、体積平均粒子径D90が50μm以下の粒度を有するものであり、修飾ジルコニア層は、ジルコニウムのアルコキシドの分解生成物によって形成され、修飾量が、前記スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物に対して、ジルコニア(二酸化ジルコニウム)に換算して、0.1〜1mol%の範囲であり、かつ、スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物は、比表面積(BET値)が1.0cm/g以下であることを特徴とする。
本発明により、スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物をジルコニアで修飾することにより、得られたスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物を正極材料とする二次電池を高温環境下においたときの充放電サイクルに伴う放電容量、容量維持率の向上を図ることが可能になる。この効果が得られる理由は不明であるが、スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物をジルコニウムのアルコキシドを用いてジルコニアを修飾することにより、二次電池の電解液中に含まれるフッ素がジルコニウムと反応してフッ化ジルコニウムが生成することで、水と反応することによって発生するフッ化水素の生成が抑制され、その結果、二次電池の充放電中に発生するマンガンの還元による溶出が抑制され、スピネル型の結晶構造が崩れにくくなることによって生ずるものと推定される。また、ジルコニウムのアルコキシドの炭素成分が焼結助剤としての役割を果たし、これによりタップ密度の高いスピネル型リチウムマンガン複合酸化物を得ることができるようになると考えられる。
図1は、実施例4に係るスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物の60℃における放電容量の100サイクルまでの変化を示すグラフである。 図2は、実施例4に係るスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物の60℃における放電容量維持率の100サイクルまでの変化を示すグラフである。
本発明によりジルコニアで被覆(修飾)されたスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物を製造するに当たっては、まず、化学組成が一般式:Li(1+x)Mn(2−x−y)で表されるスピネル型リチウムマンガン酸化物を準備する。上記一般式から明らかなように、典型的なリチウムマンガン複合酸化物(化学式:LiMn)のMnの一部を第三の金属元素Mに置換したものも含まれ、また、Mnに対してLiをやや過剰に含むものも含まれる。
上記Mnに対する置換元素Mは、電池内部へのマンガン成分の溶出抑制や高温特性の改善に効果があるものとして選択され、B,Al,Co,Ni,Mg,Ca,Zn,及びTiから選ばれた元素の1種又は2種以上を充当することができる。置換元素Mの置換量は、上記一般式:Li(1+x)Mn(2−x−y)において、yを0≦y≦0.2の範囲とする。置換量が多すぎると、これらを正極活物質として利用した二次電池の放電容量が低下する傾向があるためであり、放電容量の極端な低下は好ましくないため、y≦0.2に制限する。また、本発明のスピネル型リチウムマンガン酸化物においては、Mn(置換された金属元素Mを含む)に対するLi原子の過剰量、xは0≦x≦0.33に制限される。Mnに対するLiの比が大きくなるにしたがい、リチウムマンガン二次電池の放電容量が低下し、例えばx:0.33では、Li:1.33となり、Mn価数がほぼ4となって理論上4V領域では充放電しなくなるためである。
上記スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物は、如何なる製造方法で得られるものであってもよく、例えば、特開2008−156163号公報に示すスピネル型リチウムマンガン系酸化物を製造する工程によればよい。その際、マンガン原料を電解二酸化マンガンとすることにより、炭酸マンガンなどを用いた場合と比べ、タップ密度の向上が期待できる。
合成されたスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物は、平均粒子径D50が5〜30μm、D90が50μm以下に粉砕される。平均粒子径D50が5μm未満であるとタップ密度が低下する。一方、30μmを超えると導電性が低下する問題を生ずる。また、D90が50μmを超えると、粒子のばらつきが大きくなり、充放電中に熱が発生しやすくなり劣化してしまうという問題を生ずる。なお、粉砕手段は、特に問うことなく、例えば、ジェットミル等を用いることができる。
合成後粒度の調整されたスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物は、ジルコニウムアルコキシドを湿式混合した後、乾燥、熱処理に付される。
ジルコニウムアルコキシド(一般式:Zr(OR))としては、例えば、Zr(OPr)、Zr(OBu)等を選択することができる。これらをエタノール等の有機溶媒によって十分に希釈し、前記調整されたスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物に添加・混合する。ここで、Rは炭素数1から10のアルキル基であり、Prはプロピル基、Buはブチル基である。
ジルコニウムアルコキシドの添加量は、前記スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物の粉砕物に対して、ジルコニアに換算して、0.1〜1mol%とする。添加量が、0.1mol%より小さいと、後に実施例で示すように、組立てられた二次電池を高温環境下に置いたときの充放電サイクルに伴う放電容量、容量維持率の十分な向上を図ることが不可能になり、一方、1mol%より大きい場合では導電性が低下してしまい、十分な容量が得られなくなり、また相対的に初期容量が低下してしまうという問題を生ずる。なお、ジルコニウムのアルコキシドの添加量を上記範囲内で高くすることは、製品のタップ密度の向上に寄与する。
ジルコニウムアルコキシド溶液の添加・混合の手段については、一般に使用される湿式混合の手段、例えば、撹拌羽根を用いて熱しながら混合するなどの手法を利用することができる。
得られた湿式混合物は、乾燥後、熱処理に付される。乾燥温度は、有機溶媒が十分に揮発する100〜200℃程度で行い、熱処理は、アルコキシドがジルコニア(ZrO)に転換され、さらにスピネル型リチウムマンガン酸化物と十分に焼結させることができるよう、300〜700℃の温度で行う。熱処理温度が300℃未満ではZrOが十分に焼結せず、効果が得られない。逆に700℃より高い場合ではスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物内に酸素欠陥が発生してしまい、十分な効果が得られない。なお、熱処理時間は、上記結晶構造の乱れの回復を達成できればよく、また熱処理雰囲気は大気雰囲気でよい。
上記のようにして熱処理されたリチウムマンガン系複合酸化物は、篩い分けされて製品とされ、二次電池の正極材料として提供される。この篩い分けは上記粒径が得られるように行えばよく、その手段に特に制限はない。
本発明に係る上記リチウムマンガン系複合酸化物を正極活物質として使用する場合にも、通常のリチウムマンガン系複合酸化物と同様、負極活物質には炭素材料、リチウム吸蔵合金等のリチウム吸蔵放出可能な物質を用い、電解液としてはリチウム塩を非水系電解液または樹脂に溶解した非水系電解液を用いる。すなわち、リチウム塩として六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を用い、非水系電解液としてエチレンカーボネートとジメチルカーボネートの混合溶液を用いた。このほかにもリチウム塩としてLiClO、LiAsF、LiBF、LiSOCF、LiN(SOCFなどやそれらの混合物が用いられる。また、非水電解液としてはジエチルカーボネート、プロピレンカーボネート等やその混合物及びポリエチレンイミン等を主鎖とした高いイオン伝導性を有する高分子固体電解質(樹脂)等を用いることが可能である。
(正極活物質の調整)
炭酸リチウム、電解二酸化マンガン及び必要に応じて第三金属元素を含有する物質を所定の比率になるように精密混合機で乾式混合、焼成をしてスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物を合成した。得られたスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物を、ジェットミルを用いて粉砕した後、ジルコニウムアルコキシドをスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物に対し加えた後、湿式混合後、80〜200℃で乾燥、所定温度で熱処理を行って製品とした。得られたスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物の組成式、平均粒子径(D50,D90)、ジルコニウムアルコキシドの添加量及び熱処理温度を、比較例とともに表1に示す。なお、平均粒子径は、島津製作所製SALD-2000J(レーザ回折式粒子径分布測定装置 測定範囲:0.03 〜 700μm)を使用して測定した。
Figure 2014231445
得られた製品を正極活物質として用い、導電材としてアセチレンブラック、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)を含んだクレハ株式会社製のKFポリマー#1120、活物質:導電材:結着材の比を90:6:4(質量比)で混練し、正極スラリーとした。このスラリーをアルミニウム製の集電体にドクターブレード法により塗布をし、直径10.6mm、厚さ0.3mmの円盤状の正極を作製した。正極板を圧力20MPaで加圧成形し、120℃で8時間の減圧乾燥を行い、正極板とした。負極には厚さ0.21mmの金属リチウムを約15mm四方に切り抜いたものを使用し、電解液にはエチレンカーボネートとジエチルカーボネートの体積比3:7の混合溶媒1Lに溶質LiPFを1モルの割合で溶解して調製したものを使用し、セパレータには多孔質ポリプロピレン膜を使用し、直径20mm、高さ3.2mmのCR2032タイプ(宝泉株式会社製の部品キャップ、ケース、ガスケット、スペーサ、及びウェーブワッシャーを使用)のコイン型リチウム二次電池を作製した。
作製したコイン型リチウム二次電池を、60℃の恒温槽内にて、充電、放電条件を0.5C、電位範囲3.0V〜4.3Vとして100サイクルの充放電を行った。結果は表2にまとめて示す。また、表1に示す実施例4に係る放電容量及び容積維持率の100サイクルまでの変化を図1、図2に示す。
Figure 2014231445
表1及び表2から、本件発明により、スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物の平均粒子径D50及びD90をそれぞれ5〜30μm、50μm以下に制限し、さらに修飾ジルコニア層が前記スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物に対してジルコニウムのアルコキシドの分解生成物によって形成され、修飾量をジルコニアに換算して0.1〜1mol%の範囲とすることにより、発明例を見ると、
(1)初期放電容量が101mAh/gを超え、さらに100サイクルの充放電繰返し後の放電容量が97mAh/gを超えること(一方、比較例は97.0mAh/g以下。)
(2)100サイクルの充放電繰返し後の容量維持率が95%を超えること(一方、比較例は94.7%以下。)
(3)ジルコニウムのアルコキシドの添加量を上記範囲内で高くすることにより、製品スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物のタップ密度の向上(1.55g/cm3以上)に寄与することなど、発明の効果が確認された。
これに対して、スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物に対するアルコキシド分解生成物の修飾量が不足する場合には、初期放電容量、100サイクル後の容量維持率の十分な改善効果が得られず、過剰な場合には、初期放電容量、100サイクル後の容量維持率はともに、悪化することを確認された。なお、並行して行った実験により、スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物に対して固体ジルコニア粉末を用いて修飾した場合には、修飾量が適正であっても、初期放電容量、100サイクル後の容量維持率の十分な改善効果が得られないことが確認できた。
また、平均粒子径D50が5μmを下回る場合には、タップ密度が低下することが確認され、また、D90が50μmを超えると、正極活物質粉末からペースト状にして正極を作成する上で、ペーストに粗大粒子が見られ、均一なペーストの作成が困難になるという問題が生じ、また、粒子のばらつきが大きくなり、充放電中に熱が発生しやすくなり劣化してしまうという問題を生ずる。

Claims (2)

  1. 一般式Li(1+x)Mn(2−x−y)
    ここに、x及びyは、それぞれ下記条件を満たし、Mは、B,Al,Co,Ni,Mg,Ca,Zn,及びTiからなる群から選択される少なくとも1つの元素である;
    x:0以上0.33以下
    y:0以上0.2以下
    で表されるスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物の粉砕物、
    の表面に修飾ジルコニア層を有するスピネル型リチウムマンガン複合酸化物であって、前記スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物の粉砕物は、平均粒子径D50が5〜30μm、D90が50μm以下の粒度を有するものであり、修飾ジルコニア層は、ジルコニウムのアルコキシドの分解生成物によって形成され、修飾量が、前記スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物に対してジルコニアに換算して0.1〜1mol%の範囲であり、かつ、比表面積が1.0cm/g以下であることを特徴とするスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物。
  2. 一般式Li(1+x)Mn(2−x−y)
    ここに、x及びyは、それぞれ下記条件を満たし、Mは、B,Al,Co,Ni,Mg,Ca,Zn,及びTiからなる群から選択される少なくとも1つの元素である。
    x:0以上0.33以下
    y:0以上0.2以下で表され、平均粒子径D50が5〜30μm、D90が50μm以下に調整されたスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物の粉砕物を準備する段階と、
    溶媒に分散したジルコニウムのアルコキシドを前記スピネル型リチウムマンガン系複合酸化物の粉砕物に対してジルコニアに換算して0.1〜1mol%の範囲で添加後、湿式混合する段階と、得られた湿式混合物を乾燥後、300〜700℃の温度下で熱処理する段階とを、順次行ってジルコニアで被覆(修飾)されたスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物を得ることを特徴とするジルコニアで被覆(修飾)されたスピネル型リチウムマンガン系複合酸化物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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