JP2014228180A - ボイラシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】負荷変動に対してボイラの負荷率を追従させる際にシステム全体における圧力安定性を高めることのできるボイラシステムを提供すること。【解決手段】複数のボイラ20を備えるボイラ群2と、ボイラ群2の燃焼状態を制御する制御部4と、を備えるボイラシステム1であって、複数のボイラ20には、それぞれ、所定の負荷率の範囲に対応して複数の運転ゾーンが個別に設定されており、制御部4は、必要蒸発量が出力蒸発量よりも大きい場合に運転ゾーンの下限値又は上限値以外の負荷率に位置するボイラを蒸気量を増加するボイラとして選択する第1増加選択部451と、必要蒸発量が出力蒸発量よりも小さい場合に運転ゾーンの下限値又は上限値以外の負荷率に位置するボイラを蒸気量を減少するボイラとして選択する第1減少選択部461と、選択されたボイラの蒸気量を増加又は減少させる出力制御部48と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、負荷率を連続的に変更して燃焼可能なボイラを複数有するボイラ群を備えるボイラシステムに関する。
従来、複数のボイラを燃焼させて蒸気を発生させるボイラシステムとして、ボイラの燃焼量を連続的に増減させて蒸気の発生量を制御する、いわゆる比例制御方式のボイラシステムが提案されている。
例えば、特許文献1には、燃焼している複数のボイラを均等な負荷率で運転させ、また、燃焼しているボイラの台数が変動が生じた場合には、変動後に燃焼している全てのボイラを均等な負荷率で運転させる比例制御ボイラの制御方法が提案されている。
特開平11−132405号公報
ところで、特許文献1で提案されている手法は、全てのボイラを均等な負荷率で運転させるため、負荷変動に対して全てのボイラを追従させる必要があり、負荷率の変更頻度が高くなってしまう。その結果、ボイラシステム全体としてみた場合に、圧力安定性が低下してしまうおそれがある。
その一方で、複数のボイラの負荷率のバラツキを考慮せず、負荷変動に対して1のボイラを追従させて対応した場合には、各ボイラの運転効率が大きく異なることになり、ボイラシステム全体におけるボイラ効率(ボイラによる熱の利用効率)が低下してしまう。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、複数のボイラにより構成されるボイラシステムにおいて、負荷変動に対してボイラの負荷率を追従させる際にシステム全体におけるボイラ効率を低下させることなく圧力安定性を高めることのできるボイラシステムを提供することを目的とする。
本発明は、負荷率を連続的に変更して燃焼可能な複数のボイラを備えるボイラ群と、要求負荷に応じて前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、前記複数のボイラには、それぞれ、所定の負荷率の範囲に対応して複数の運転ゾーンが個別に設定されており、前記制御部は、前記要求負荷に応じて必要とされる蒸気量である必要蒸気量を算出する必要蒸気量算出部と、前記ボイラ群により出力される蒸気量である出力蒸気量を算出する出力蒸気量算出部と、前記必要蒸気量と前記出力蒸気量との偏差量を算出する偏差算出部と、前記必要蒸気量と前記出力蒸気量との大小を判定する大小判定部と、前記大小判定部により前記必要蒸気量が前記出力蒸気量よりも大きいと判定された場合に、蒸気量を増加させるボイラを選択する燃焼増加ボイラ選択部と、前記大小判定部により前記必要蒸気量が前記出力蒸気量よりも小さいと判定された場合に、蒸気量を減少させるボイラを選択する燃焼減少ボイラ選択部と、前記燃焼増加ボイラ選択部により選択されたボイラの蒸気量を増加させ、又は前記燃焼減少ボイラ選択部により選択されたボイラの蒸気量を減少させる出力制御部と、を備え、前記燃焼増加ボイラ選択部は、前記複数のボイラから、前記運転ゾーンに対応する範囲の下限値又は上限値以外の負荷率に位置するボイラを、前記蒸気量を増加させるボイラとして選択する第1増加選択部を備え、前記燃焼減少ボイラ選択部は、前記複数のボイラから、前記運転ゾーンに対応する範囲の下限値又は上限値以外の負荷率に位置するボイラを、前記蒸気量を減少させるボイラとして選択する第1減少選択部を備え、前記出力制御部は、前記燃焼増加ボイラ選択部又は前記燃焼減少ボイラ選択部により選択されたボイラの蒸気量を、当該ボイラが位置する運転ゾーンに対応する負荷率の範囲内で変動させるボイラシステムに関する。
また、複数の前記ボイラには、変動可能な蒸気量の単位である単位蒸気量が設定され、前記制御部は、前記偏差算出部により算出された前記偏差量が前記燃焼増加ボイラ選択部又は前記燃焼減少ボイラ選択部により選択されたボイラの単位蒸気量以上であるかを判定する偏差量判定部を更に備え、前記出力制御部は、前記偏差量判定部により前記偏差量が前記単位蒸気量以上であると判定された場合に、前記燃焼増加ボイラ選択部により選択されたボイラの蒸気量を前記単位蒸気量分増加させ、又は前記燃焼減少ボイラ選択部により選択されたボイラの蒸気量を前記単位蒸気量分減少させることが好ましい。
また、前記燃焼増加ボイラ選択部は、前記複数のボイラの全てが運転ゾーンに対応する範囲の下限値又は上限値の負荷率に位置している場合に、前記複数のボイラから、前記複数の運転ゾーンのうち最も低い負荷率の範囲に対応する運転ゾーンに位置するボイラを選択する第2増加選択部を更に備え、前記燃焼減少ボイラ選択部は、前記複数のボイラの全てが運転ゾーンに対応する範囲の下限値又は上限値の負荷率に位置している場合に、前記複数のボイラから、前記複数の運転ゾーンのうち最も高い負荷率の範囲に対応する運転ゾーンに位置するボイラを選択する第2減少選択部を更に備えることが好ましい。
また、前記燃焼増加ボイラ選択部は、前記第2増加選択部により複数のボイラが選択された場合に、選択された複数のボイラから、優先順位の高いボイラを選択する増加優先順位選択部を更に備え、前記燃焼減少ボイラ選択部は、前記第2減少選択部により複数のボイラが選択された場合に、選択された複数のボイラから、優先順位の低いボイラを選択する減少優先順位選択部を更に備えることが好ましい。
本発明によれば、負荷変動に対してボイラの負荷率を追従させる際にシステム全体におけるボイラ効率を低下させることなく圧力安定性を高めることのできるボイラシステムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るボイラシステムの全体構成を示す図である。 上記実施形態に係るボイラ群の概略を示す図である。 上記実施形態に係る台数制御装置の機能構成を示すブロック図である。 上記実施形態のボイラシステムの動作の概略を示す図である。 上記実施形態のボイラシステムの動作の概略を示す図である。 上記実施形態のボイラシステムの動作の概略を示す図である。 上記実施形態のボイラシステムの動作の概略を示す図である。 上記実施形態のボイラシステムの動作の概略を示す図である。 従来動作との比較を示すための上記実施形態のボイラシステムの動作の概略を示す図である。 従来動作との比較を示すための上記実施形態のボイラシステムの動作の概略を示す図である。 従来動作との比較を示すための上記実施形態のボイラシステムの動作の概略を示す図である。 上記実施形態のボイラシステムの処理の流れを示すフローチャートである。 上記実施形態のボイラシステムの処理の流れを示すフローチャートである。
以下、本発明のボイラシステムの好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。
まず、本発明のボイラシステム1の全体構成につき、図1を参照しながら説明する。
ボイラシステム1は、複数(5台)のボイラ20を含むボイラ群2と、これら複数のボイラ20において生成された蒸気を集合させる蒸気ヘッダ6と、この蒸気ヘッダ6の内部の圧力を測定する蒸気圧センサ7と、ボイラ群2の燃焼状態を制御する制御部4を有する台数制御装置3と、を備える。
ボイラ群2は、負荷機器としての蒸気使用設備18に供給する蒸気を生成する。
蒸気ヘッダ6は、蒸気管11を介してボイラ群2を構成する複数のボイラ20に接続されている。この蒸気ヘッダ6の下流側は、蒸気管12を介して蒸気使用設備18に接続されている。
蒸気ヘッダ6は、ボイラ群2で生成された蒸気を集合させて貯留することにより、複数のボイラ20の相互の圧力差及び圧力変動を調整し、圧力が調整された蒸気を蒸気使用設備18に供給する。
蒸気圧センサ7は、信号線13を介して、台数制御装置3に電気的に接続されている。蒸気圧センサ7は、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧(ボイラ群2で発生した蒸気の圧力)を測定し、測定した蒸気圧に係る信号(蒸気圧信号)を、信号線13を介して台数制御装置3に送信する。
台数制御装置3は、信号線16を介して、複数のボイラ20と電気的に接続されている。この台数制御装置3は、蒸気圧センサ7により測定される蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧に基づいて、各ボイラ20の燃焼状態を制御する。台数制御装置3の詳細については、後述する。
以上のボイラシステム1は、ボイラ群2で発生させた蒸気を、蒸気ヘッダ6を介して、蒸気使用設備18に供給可能とされている。
ボイラシステム1において要求される負荷(要求負荷)は、蒸気使用設備18における蒸気消費量である。台数制御装置3は、この蒸気消費量の変動に対応して生じる蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧の変動を、蒸気圧センサ7が測定する蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧(物理量)に基づいて算出し、ボイラ群2を構成する各ボイラ20の燃焼量(負荷率)を制御する。
具体的には、蒸気使用設備18の需要の増大により要求負荷(蒸気消費量)が増加し、蒸気ヘッダ6に供給される蒸気量(後述の出力蒸気量)が不足すれば、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧が減少することになる。一方、蒸気使用設備18の需要の低下により要求負荷(蒸気消費量)が減少し、蒸気ヘッダ6に供給される蒸気量が過剰になれば、蒸気ヘッダ6の内部の蒸気圧が増加することになる。従って、ボイラシステム1は、蒸気圧センサ7により測定された蒸気圧の変動に基づいて、要求負荷の変動をモニターすることができる。そして、ボイラシステム1は、蒸気ヘッダ6の蒸気圧に基づいて、蒸気使用設備18の消費蒸気量(要求負荷)に応じて必要とされる蒸気量である必要蒸気量を算出する。
ここで、本実施形態のボイラシステム1を構成する複数のボイラ20について説明する。図2は、本実施形態に係るボイラ群2の概略を示す図である。
ボイラ20は、負荷率を連続的に変更して燃焼可能な比例制御ボイラからなる。
比例制御ボイラとは、少なくとも、ボイラの燃焼を維持可能な最小燃焼状態S1からボイラを安全に燃焼可能な最大燃焼状態S2の範囲で、燃焼量が連続的に制御可能とされているボイラである。比例制御ボイラは、例えば、燃料をバーナに供給するバルブや、燃焼用空気を供給するバルブの開度(燃焼比)を制御することにより、燃焼量を調整するようになっている。
また、燃焼量を連続的に制御するとは、後述のローカル制御部22における演算や信号がデジタル方式とされて段階的に取り扱われる場合(例えば、ボイラ20の出力(燃焼量)が所定単位刻みで制御される場合)であっても、事実上連続的に出力を制御可能な場合を含む。
本実施形態では、ボイラ20の燃焼停止状態S0と最小燃焼状態S1との間の燃焼状態の変更は、ボイラ20(バーナ)の燃焼をオン/オフすることで制御される。そして、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲においては、燃焼量が連続的に制御可能となっている。
より具体的には、図2に示すように、複数のボイラ20それぞれには、変動可能な蒸気量の単位である単位蒸気量Uが設定されている。これにより、ボイラ20は、最小燃焼状態S1から最大燃焼状態S2の範囲においては、単位蒸気量U単位で、蒸気量を変動可能となっている。
単位蒸気量Uは、ボイラ20の最大燃焼状態S2における蒸気量(最大蒸気量)に応じて適宜設定できるが、ボイラシステム1における出力蒸気量の必要蒸気量に対する追従性を向上させる観点から、ボイラ20の最大蒸気量の0.1%〜20%に設定されることが好ましく、1%〜10%に設定されることがより好ましい。一例として、本実施形態では、単位蒸気量Uを100kg/h(最大蒸気量の4%)としている。
なお、出力蒸気量とは、ボイラ群2により出力される蒸気量を示し、この出力蒸気量は、複数のボイラ20それぞれから出力される蒸気量の合計値により表される。
また、本実施形態では、複数のボイラ20には、所定の範囲のボイラ効率で燃焼する場合における負荷率の範囲に対応する複数の運転ゾーンを設定し、ボイラ20の燃焼を運転ゾーン単位で扱う。複数の運転ゾーンにおいてもボイラ20は、単位蒸気量U単位で蒸気量を変動可能であるため、これら複数の運転ゾーンは、それぞれ独立した仮想的なボイラとみなすことができる。
本実施形態では、第1運転ゾーンZ1と、第2運転ゾーンZ2と、第3運転ゾーンZ3と、第4運転ゾーンZ4と、第5運転ゾーンZ5と、の5つの運転ゾーンを設定することとしているため、各ボイラは、物理的に1台であっても仮想的な5台の仮想ボイラを含むことになる。
各運転ゾーンが設定される負荷率の範囲は、単位蒸気量U、必要蒸気量の変動頻度、及び必要蒸気量の変動幅等に応じて適宜設定できるが、複数のボイラ20間における負荷率の平準化、及び負荷率の変更頻度の観点から、本実施形態では、単位蒸気量Uの5倍(500kg/h(最大蒸気量の20%))に設定している。すなわち、最大蒸気量の0%〜20%の範囲に第1運転ゾーンZ1が設定され、最大蒸気量の20%〜40%の範囲に第2運転ゾーンZ2が設定され、最大蒸気量の40%〜60%の範囲に第3運転ゾーンZ3が設定され、最大蒸気量の60%〜80%の範囲に第4運転ゾーンZ4が設定され、最大蒸気量の80%〜100%の範囲に第5運転ゾーンZ5が設定されている。
なお、本実施形態では、運転ゾーンの境界(20%、40%、60%、80%)については、上方にある運転ゾーンに対応するものとして説明する。
また、図2に示す運転ゾーンの設定は一例に過ぎず、図2に示す以外の範囲を設定することとしてもよい。このとき複数の運転ゾーンのそれぞれを異なる範囲に設定することとしてもよく、また、複数のボイラのそれぞれにおいて異なる範囲の運転ゾーンを設定することとしてもよい。
また、ボイラ効率が低い負荷率の範囲に第1運転ゾーンを設定し、ボイラ効率が通常の負荷率の範囲に第2運転ゾーンを設定し、ボイラ効率が高い負荷率の範囲に第3運転ゾーンを設定する等のように、ボイラ効率に応じて運転ゾーンを設定することしてもよい。
また、複数のボイラ20には、それぞれ優先順位が設定されている。優先順位は、燃焼指示や燃焼停止指示を行うボイラ20を選択するために用いられる。優先順位は、例えば整数値を用いて、数値が小さいほど優先順位が高くなるよう設定することができる。図2に示すように、1号機ボイラから5号機ボイラのそれぞれに「1」〜「5」の優先順位が割り当てられている場合、1号機ボイラの優先順位が最も高く、5号機ボイラの優先順位が最も低い。この優先順位は、通常の場合、後述の制御部4の制御により、所定の時間間隔(例えば、24時間間隔)で変更される。
なお、本実施形態では、負荷率を増加させる場合には、優先順位の高い順にボイラ20を選択することとし、負荷率を減少させる場合には、優先順位の低い順にボイラ20を選択することとしている。
以上説明したボイラ20は、図1に示すように、燃焼が行われるボイラ本体21と、ボイラ20の燃焼状態を制御するローカル制御部22と、を備える。
ローカル制御部22は、要求負荷に応じてボイラ20の燃焼状態を変更させる。具体的には、ローカル制御部22は、信号線16を介して台数制御装置3から送信される台数制御信号に基づいて、ボイラ20の燃焼状態を制御する。
また、ローカル制御部22は、台数制御装置3で用いられる信号を、信号線16を介して台数制御装置3に送信する。台数制御装置3で用いられる信号としては、ボイラ20の実際の燃焼状態、及びその他のデータが挙げられる。
次に、台数制御装置3の詳細について説明する。
台数制御装置3は、蒸気圧センサ7からの蒸気圧信号に基づいて、要求負荷に応じたボイラ群2の必要燃焼量、及び必要燃焼量に対応する各ボイラ20の燃焼状態を算出し、各ボイラ20(ローカル制御部22)に台数制御信号を送信する。この台数制御装置3は、図1に示すように、記憶部5と、制御部4と、を備える。
記憶部5は、台数制御装置3(制御部4)の制御により各ボイラ20に対して行われた指示の内容や、各ボイラ20から受信した燃焼状態等の情報、複数のボイラ20の運転ゾーンの設定に関する情報、複数のボイラ20の単位蒸気量Uの設定に関する情報、複数のボイラ20の優先順位の設定に関する情報、優先順位の変更(ローテーション)に関する設定の情報等を記憶する。
制御部4は、信号線16を介して各ボイラ20に各種の指示を行ったり、各ボイラ20から各種のデータを受信したりして、5台のボイラ20の燃焼状態や優先順位を制御する。各ボイラ20は、台数制御装置3から燃焼状態の変更指示の信号を受けると、その指示に従って当該ボイラ20を制御する。
ここで、図3を参照して制御部4の詳細について説明する。図3は、制御部4の構成を示す機能ブロック図である。制御部4は、必要蒸気量算出部41と、出力蒸気量算出部42と、偏差算出部43と、大小判定部44と、燃焼増加ボイラ選択部45と、燃焼減少ボイラ選択部46と、偏差量判定部47と、出力制御部48と、を備える。
必要蒸気量算出部41は、蒸気ヘッダ6の蒸気圧に基づいて、要求負荷に応じた必要蒸気量を算出する。
出力蒸気量算出部42は、ローカル制御部22から送信される各ボイラ20の燃焼状態に基いて、ボイラ群2により出力される蒸気量である出力蒸気量を算出する。
偏差算出部43は、必要蒸気量と出力蒸気量との偏差量を算出する。また、偏差算出部43は、後述の出力制御部48により、選択されたボイラ20の蒸気量が変動された場合には、必要蒸気量と、蒸気量変動後のボイラ群2の出力蒸気量と、の偏差量を算出する。
大小判定部44は、必要蒸気量と出力蒸気量との大小を判定する。
燃焼増加ボイラ選択部45は、第1増加選択部451と、第2増加選択部452と、増加優先順位選択部453と、を含んで構成され、大小判定部44により必要蒸気量が出力蒸気量よりも大きいと判定された場合に、蒸気量を増加(負荷率を増加)させるボイラを選択する。
具体的には、第1増加選択部451は、必要蒸気量が出力蒸気量よりも大きいと判定された場合に、複数のボイラ20から運転ゾーンに対応する範囲の下限値又は上限値以外の負荷率に位置するボイラを、蒸気量を増加させるボイラとして選択する。本実施形態では、複数のボイラ20に対して、最大蒸気量の0%〜20%の範囲に第1運転ゾーンZ1を設定し、最大蒸気量の20%〜40%の範囲に第2運転ゾーンZ2を設定し、最大蒸気量の40%〜60%の範囲に第3運転ゾーンZ3を設定し、最大蒸気量の60%〜80%の範囲に第4運転ゾーンZ4を設定し、最大蒸気量の80%〜100%の範囲に第5運転ゾーンZ5を設定することとしている。そのため、第1増加選択部451は、複数のボイラ20のうち、負荷率が最大蒸気量の0%、20%、40%、60%、80%、100%以外のボイラ20を、蒸気量を増加させるボイラとして選択する。
ここで、上述のように運転ゾーンは、それぞれ独立した仮想的なボイラとしてみなすことができる。そのため、第1増加選択部451による選択(運転ゾーンに対応する範囲の下限値又は上限値以外の負荷率に位置するボイラの選択)は、負荷率が0%又は100%以外の仮想的なボイラ(燃焼途中の仮想的なボイラ)を選択することといえる。
また、第2増加選択部452は、複数のボイラ20の全てが運転ゾーンに対応する範囲の下限値又は上限値(最大蒸気量の0%、20%、40%、60%、80%、100%)の負荷率に位置している場合に、複数の運転ゾーンのうち最も低い負荷率の範囲に対応する運転ゾーンに位置するボイラを、蒸気量を増加させるボイラとして選択する。本実施形態では、対応する負荷率の範囲は、第1運転ゾーンZ1が最も低く、第2運転ゾーンZ2が次に低く、第3運転ゾーンZ3が次に低く、第4運転ゾーンZ4が次に低く、第5運転ゾーンZ5が最も高い。そのため、例えば、1号機ボイラ〜4号機ボイラが第4運転ゾーンZ4の下限値の負荷率に位置し、5号機ボイラが第3運転ゾーンZ3の下限値の負荷率に位置している場合には、第2増加選択部452は、最も低い負荷率の範囲に対応する第3運転ゾーンZ3に位置する5号機ボイラを、蒸気量を増加させるボイラとして選択する。
また、増加優先順位選択部453は、第2増加選択部452により複数のボイラ20が選択された場合(全てのボイラ20が運転ゾーンの下限値又は上限値の負荷率に位置し、かつ、最も低い負荷率の範囲に対応する運転ゾーンに位置するボイラ20が複数存在する場合)に、これら複数のボイラ20の中から最も優先順位の高いボイラ20を、蒸気量を増加させるボイラとして選択する。
燃焼減少ボイラ選択部46は、第1減少選択部461と、第2減少選択部462と、減少優先順位選択部463と、を含んで構成され、大小判定部44により必要蒸気量が出力蒸気量よりも小さいと判定された場合に、蒸気量を減少(負荷率を減少)させるボイラを選択する。
具体的には、第1減少選択部461は、必要蒸気量が出力蒸気量よりも小さいと判定された場合に、複数のボイラ20から運転ゾーンに対応する範囲の下限値又は上限値以外の負荷率に位置するボイラを、蒸気量を減少させるボイラとして選択する。すなわち、燃焼途中の仮想的なボイラを、蒸気量を減少させるボイラとして選択する。
また、第2減少選択部462は、複数のボイラ20の全てが運転ゾーンに対応する範囲の下限値又は上限値の負荷率に位置している場合に、複数の運転ゾーンのうち最も高い負荷率の範囲に対応する運転ゾーンに位置するボイラを、蒸気量を減少させるボイラとして選択する。例えば、2号機ボイラ〜5号機ボイラが第4運転ゾーンZ4の下限値の負荷率に位置し、1号機ボイラが第5運転ゾーンZ5の下限値の負荷率に位置している場合には、第2減少選択部462は、最も高い負荷率の範囲に対応する第5運転ゾーンZ5に位置する1号機ボイラを、蒸気量を減少させるボイラとして選択する。
また、減少優先順位選択部463は、第2減少選択部462により複数のボイラ20が選択された場合(全てのボイラ20が運転ゾーンの下限値又は上限値の負荷率に位置し、かつ、最も高い負荷率の範囲に対応する運転ゾーンに位置するボイラ20が複数存在する場合)に、これら複数のボイラ20の中から最も優先順位の低いボイラ20を、蒸気量を減少させるボイラとして選択する。
偏差量判定部47は、偏差算出部43により算出された偏差量が燃焼増加ボイラ選択部45又は燃焼減少ボイラ選択部46により選択されたボイラ20の単位蒸気量U以上であるかを判定する。
出力制御部48は、偏差量判定部47により偏差量が単位蒸気量U以上であると判定された場合に、燃焼増加ボイラ選択部45又は燃焼減少ボイラ選択部46により選択されたボイラ20の蒸気量を変動させる。具体的には、出力制御部48は、必要蒸気量が出力蒸気量よりも大きい場合、燃焼増加ボイラ選択部45により選択されたボイラ20の蒸気量を単位蒸気量U分増加させ、また、必要蒸気量が出力蒸気量よりも小さい場合、燃焼減少ボイラ選択部46により選択されたボイラ20の蒸気量を単位蒸気量U分減少させる。
ここで、ボイラシステム1による複数のボイラ20の燃焼状態の制御の詳細について説明する。図4〜図8は、それぞれ、本実施形態に係るボイラシステム1の動作の概略を示す図である。
図4に示すように、現在(基準時)において、1号機ボイラ及び2号機ボイラが第5運転ゾーンZ5の下限値の負荷率(80%)で運転しており、3号機ボイラが第4運転ゾーンZ4の下限値又は上限値以外の負荷率(64%)で運転しており、4号機ボイラ及び5号機ボイラが第4運転ゾーンZ4の下限値(60%)の負荷率で運転している。このとき、出力蒸気量が8600kg/hである状態において、必要蒸気量が9200kg/hに増加した場合(図5、図6参照)、必要蒸気量が8300kg/hに減少した場合(図7,図8参照)について考える。
必要蒸気量の増加時には、偏差算出部43は、出力蒸気量と必要蒸気量との偏差量(600kg/h)を算出し、大小判定部44は、出力蒸気量と必要蒸気量との大小から蒸気量を増加する必要があると判定する。
すると、燃焼増加ボイラ選択部45の第1増加選択部451は、1号機ボイラから5号機ボイラのうち運転ゾーンに対応する範囲の下限値又は上限値以外の負荷率に位置するボイラを、蒸気量を増加させるボイラとして選択する。図4では、3号機ボイラが第4運転ゾーンZ4の下限値又は上限値以外の負荷率(64%)に位置しているため、第1増加選択部451は、3号機ボイラを蒸気量を増加させるボイラとして選択する。
続いて、偏差量判定部47は、偏差量が3号機ボイラの単位蒸気量U以上であるか判定するところ、図2を参照すると3号機ボイラの単位蒸気量Uは100kg/hであるため、偏差量判定部47は、偏差量(600kg/h)が3号機ボイラの単位蒸気量U以上であると判定する。その結果、出力制御部48は、3号機ボイラの蒸気量を単位蒸気量U分増加(1600kg/hから1700kg/hに増加)させる。
これにより、出力蒸気量が8600kg/hから8700kg/hに増加することになるが、依然として必要蒸気量(9200kg/h)に満たないため、燃焼増加ボイラ選択部45は、出力蒸気量が必要蒸気量に達するまで蒸気量を増加させるボイラの選択を繰り返す。ここで、蒸気量が増加したものの依然として3号機ボイラが第4運転ゾーンZ4の下限値又は上限値以外の負荷率(68%)に位置しているため、3号機ボイラが第4運転ゾーンZ4の上限値(第5運転ゾーンZ5の下限値)の負荷率に位置するまで、3号機ボイラが選択されることになる。すなわち、図5に示すように、3号機ボイラの蒸気量は、1600kg/hから2000kg/hまで増加されることになる。
図5を参照して、3号機ボイラの蒸気量が2000kg/hまで増加されると、出力蒸気量は、8600kg/hから9000kg/hに増加することになるが、依然として必要蒸気量(9200kg/h)に満たないため、燃焼増加ボイラ選択部45は、蒸気量を増加させるボイラを選択する。このとき、1号機ボイラ〜5号機ボイラの全てが運転ゾーンの下限値又は上限値の負荷率に位置しているため、燃焼増加ボイラ選択部45の第2増加選択部452は、最も低い負荷率の範囲に対応する運転ゾーンに位置するボイラを、蒸気量を増加させるボイラとして選択する。図5では、4号機ボイラ及び5号機ボイラの第4運転ゾーンZ4が最も低い負荷率の範囲に対応する運転ゾーンであるため、第2増加選択部452は、4号機ボイラ及び5号機ボイラを選択することになる。
第2増加選択部452により複数のボイラ20(4号機ボイラ及び5号機ボイラ)が選択されたため、増加優先順位選択部453は、これら複数のボイラ20の中から最も優先順位の高いボイラ20を、蒸気量を増加させるボイラとして選択する。図5では、4号機ボイラの優先順位(4位)の方が5号機ボイラの優先順位(5位)よりも高いため、増加優先順位選択部453は、4号機ボイラを蒸気量を増加させるボイラとして選択する。
続いて、偏差量判定部47は、偏差量が4号機ボイラの単位蒸気量U以上であるか判定するところ、4号機ボイラの単位蒸気量U(100kg/h)は、偏差量(200kg/h)以下であるため、出力制御部48は、4号機ボイラの蒸気量を単位蒸気量U分増加(1500kg/hから1600kg/hに増加)させる。
これにより、出力蒸気量が9000kg/hから9100kg/hに増加することになるが、依然として必要蒸気量(9200kg/h)に満たないため、燃焼増加ボイラ選択部45は、出力蒸気量が必要蒸気量に達するまで蒸気量を増加させるボイラの選択を繰り返す。
このとき、4号機ボイラは、蒸気量が増加した結果、第4運転ゾーンZ4の下限値又は上限値以外の負荷率(64%)に位置しているため、燃焼増加ボイラ選択部45の第1増加選択部451は、4号機ボイラを蒸気量を増加させるボイラとして選択する。
続いて、選択された4号機ボイラの単位蒸気量U(100kg/h)が偏差量(100kg/h)以下であるため、図6に示すように出力制御部48は、4号機ボイラの蒸気量を単位蒸気量U分増加(1600kg/hから1700kg/hに増加)させる。これにより、出力蒸気量が9100kg/hから9200kg/hに増加し、必要蒸気量(9200kg/h)に達したため、必要蒸気量の増加時の動作が終了する。
図4に戻り、必要蒸気量の減少時には、偏差算出部43は、出力蒸気量(8600kg/h)と必要蒸気量(8300kg/h)との偏差量(300kg/h)を算出し、大小判定部44は、出力蒸気量と必要蒸気量との大小から蒸気量を減少する必要があると判定する。
すると、燃焼減少ボイラ選択部46の第1減少選択部461は、1号機ボイラから5号機ボイラのうち運転ゾーンに対応する範囲の下限値又は上限値以外の負荷率に位置するボイラを、蒸気量を減少させるボイラとして選択する。図4では、3号機ボイラが第4運転ゾーンZ4の下限値又は上限値以外の負荷率(64%)に位置しているため、第1減少選択部461は、3号機ボイラを蒸気量を減少させるボイラとして選択する。
続いて、選択された3号機ボイラの単位蒸気量U(100kg/h)が偏差量(300kg/h)以下であるため、図7に示すように出力制御部48は、3号機ボイラの蒸気量を単位蒸気量U分減少(1600kg/hから1500kg/hに減少)させる。これにより、出力蒸気量が8600kg/hから8500kg/hに減少するものの、必要蒸気量(8300kg/h)まで減少していないため、燃焼減少ボイラ選択部46は、蒸気量を減少させるボイラの選択を繰り返す。
このとき、蒸気量が減少した結果、3号機ボイラは第4運転ゾーンZ4の下限値の負荷率(60%)に位置しているため、1号機ボイラ〜5号機ボイラの全てが運転ゾーンの下限値又は上限値の負荷率に位置していることになる。そこで、燃焼減少ボイラ選択部46の第2減少選択部462は、最も高い負荷率の範囲に対応する運転ゾーンに位置するボイラを、蒸気量を減少させるボイラとして選択する。
図7では、1号機ボイラ及び2号機ボイラの第5運転ゾーンZ5が最も高い負荷率の範囲に対応する運転ゾーンであるため、第2減少選択部462は、1号機ボイラ及び2号機ボイラを選択することになる。
第2減少選択部462により複数のボイラ20(1号機ボイラ及び2号機ボイラ)が選択されたため、減少優先順位選択部463は、これら複数のボイラ20の中から最も優先順位の低いボイラ20を、蒸気量を減少させるボイラとして選択する。図7では、2号機ボイラの優先順位(2位)の方が1号機ボイラの優先順位(1位)よりも低いため、減少優先順位選択部463は、2号機ボイラを蒸気量を減少させるボイラとして選択する。
続いて、選択された2号機ボイラの単位蒸気量U(100kg/h)が偏差量(200kg/h)以下であるため、出力制御部48は、2号機ボイラの蒸気量を単位蒸気量U分減少(2000kg/hから1900kg/hに減少)させる。これにより、出力蒸気量が8500kg/hから8400kg/hに減少するものの、必要蒸気量(8300kg/h)まで減少していないため、燃焼減少ボイラ選択部46は、蒸気量を減少させるボイラの選択を繰り返す。
このとき、蒸気量が減少した結果、2号機ボイラは第4運転ゾーンZ4の下限値又は上限値以外の負荷率(76%)に位置しているため、第1減少選択部461は、2号機ボイラを蒸気量を減少させるボイラとして選択する。
その後、選択された2号機ボイラの単位蒸気量U(100kg/h)が偏差量(100kg/h)以下であるため、図8に示すように出力制御部48は、2号機ボイラの蒸気量を単位蒸気量U分減少させる。これにより、出力蒸気量が8300kg/hとなり、必要蒸気量まで減少されたため、必要蒸気量の減少時の動作が終了する。
このような動作により、本実施形態のボイラシステム1では、必要蒸気量が変動した場合に、複数のボイラ20の負荷率の変更頻度を抑えつつ、ボイラシステム1全体における圧力安定性を高く維持することができる。
ここで、本実施形態のボイラシステム1による動作と、全てのボイラ20を均等な負荷率で運転させる従来の動作との比較を図9〜図11に示す。図9に示すように、現在(基準時)において、1号機ボイラ〜5号機ボイラの全てが第4運転ゾーンZ4の下限値の負荷率(60%)に位置しており、必要蒸気量が7500kg/hから8000kg/hに増加した場合について考える。
本実施形態のボイラシステム1では、1号機ボイラ〜5号機ボイラの全てが第4運転ゾーンZ4の下限値の負荷率に位置しているため、まず、最も優先順位の高い1号機ボイラが蒸気量を増加させるボイラとして選択される。この選択により1号機ボイラの負荷率が第4運転ゾーンZ4の下限値ではなくなるため、1号機ボイラの負荷率が第4運転ゾーンZ4の上限値に達するまで、又は出力蒸気量が必要蒸気量に達するまで、1号機ボイラが繰り返し蒸気量を増加させるボイラとして選択されることになる。
図9及び図10を参照して、この例では、1号機ボイラが蒸気量を増加させるボイラとして5回選択されることになり、1号機ボイラの蒸気量が単位蒸気量Uの5倍分増加される。
他方、全てのボイラ20を均等な負荷率で運転させる従来の動作では、必要蒸気量の増加(偏差量(500kg/h))に伴い、図11に示すように全てのボイラ20の蒸気量を100kg/h増加させることになる。
このような従来の動作によれば、必要蒸気量の変動に対して全てのボイラ20の負荷率が変更されることになり、負荷率の変更頻度が増大してしまう。この点、本実施形態のボイラシステム1によれば、運転ゾーンの下限値又は上限値以外の負荷率に位置するボイラ20(すなわち、燃焼途中の仮想的なボイラ)から優先して負荷率を変更するため、必要蒸気量の変動に対して負荷率の変更頻度を抑えることができる。
他方、従来の動作によれば、全てのボイラ20が同じ状態で燃焼することになるため、各ボイラ20の負荷率(運転効率)をそろえることができるものの、本実施形態のボイラシステム1では、運転ゾーンの下限値又は上限値以外の負荷率に位置するボイラ20から優先して負荷率を変更するため各ボイラ20の運転効率を完全に一致できるとは限らない。
しかしながら、本実施形態のボイラシステム1では、優先して負荷率を変更したボイラ20が運転ゾーンの下限値又は上限値の負荷率に位置することになると、このボイラ20以外のボイラ20の負荷率が変更されることになる。そのため、本実施形態のボイラシステム1では、運転ゾーンの範囲において運転効率を平準化することができ、各ボイラ20の運転効率を大きく異ならせることがないため、ボイラシステム1全体におけるボイラ効率を高く維持することができる。
続いて、本実施形態のボイラシステム1の動作を実現するための処理の流れについて、図12、図13を参照して説明する。図12、図13は、ボイラシステム1の処理の流れを示すフローチャートである。
初めに、処理の前準備として各ボイラ20に対して単位蒸気量Uの設定(ステップST1)及び運転ゾーンの設定(ステップST2)を行い、記憶部5の所定の領域に記憶する。
続いて、ステップST3において、制御部4は、必要蒸気量及び偏差量を算出する。すなわち、必要蒸気量算出部41が蒸気ヘッダ6の蒸気圧に基づいて要求負荷に応じた必要蒸気量を算出し、出力蒸気量算出部42が各ボイラ20の燃焼状態に基いて出力蒸気量を算出すると、偏差算出部43は、必要蒸気量と出力蒸気量との偏差量を算出する。
続いて、ステップST4において、制御部4は、蒸気量の変動が必要であるか否かを判定する。本実施形態では、制御部4は、偏差量が0である場合に蒸気量の変動が必要でないと判定し、偏差量が0でない場合に蒸気量の変動が必要であると判定する。蒸気量の変動が必要でない場合には、ステップST3の処理に戻り、蒸気量の変動が必要な場合には、続いてステップST5の処理に移る。
ステップST5において、制御部4は、蒸気量を変動するボイラ20を選択する変動ボイラ選択処理を行う。なお、変動ボイラ選択処理の詳細については、図12で後述する。
続いて、ステップST6において、制御部4は、各ボイラ20へ燃焼指示を出力し、各ボイラ20から出力される蒸気量を制御する。すなわち、出力制御部48は、ステップST5において選択されたボイラ20の蒸気量を単位蒸気量Uに基づき増加又は減少させる。
ステップST6の処理が終わると、制御部4は、ステップST3の処理に戻り、ステップST3〜ステップST6の処理を繰り返す。
次に、ステップST5における変動ボイラ選択処理の詳細について、図13を参照して説明する。
初めに、ステップST51において、制御部4は、蒸気量を増加する必要があるか、蒸気量を減少する必要があるかを判定する。この判定は、大小判定部44が判定した必要蒸気量と出力蒸気量との大小に基づいて行われる。すなわち、必要蒸気量の方が大きい場合には、蒸気量を増加する必要があると判定され、出力蒸気量の方が大きい場合には、蒸気量を減少する必要があると判定される。
蒸気量を増加する必要がある場合、ステップST52において、制御部4は、蒸気量増加候補ボイラを選択する。蒸気量増加候補ボイラの選択については、上述した通りであり、燃焼増加ボイラ選択部45は、運転ゾーンの下限値又は上限値以外の負荷率に位置するボイラ20から優先して、蒸気量を増加する候補となるボイラ20として選択する。
続いて、ステップST53において、制御部4(偏差量判定部47)は、偏差量が蒸気量増加候補ボイラとして選択されたボイラ20の単位蒸気量U以上であるか判定する。このとき、偏差量が単位蒸気量U以上である場合には、制御部4は、続いてステップST54の処理に移る。
ステップST54では、制御部4は、出力蒸気量を増加し、偏差量を減算する。すなわち、ステップST52で選択されたボイラ20に設定された単位蒸気量Uに基づき、出力蒸気量算出部42及び偏差算出部43は、出力蒸気量の増加及び偏差量の減算を行う。
ステップST54の処理が終わると、制御部4は、ステップST52の処理に戻り、ステップST53において偏差量が単位蒸気量U以上でないと判定されるまで、ステップST52〜ステップST54の処理を繰り返す。なお、ステップST53において偏差量が単位蒸気量U以上でないと判定されると、制御部4は、変動ボイラ選択処理を終了し、図12のステップST6の処理に移る。すなわち、ステップST6では、繰り返し行われたステップST52〜ステップST54(後述のステップST55〜ステップST57も同様)の処理に伴い選択された回数分だけ単位蒸気量Uに基づく蒸気量の変動が行われる。一般に、燃焼指示を受けてから実際にボイラ20から出力される蒸気量が変化するまでにはタイムラグがあるため、このような処理の流れによりこのタイムラグを考慮することなく蒸気量を変動するボイラ20を選択することができる。
続いて、蒸気量を減少する必要がある場合、すなわちステップST51においてNOと判定された場合、ステップST55において、制御部4は、蒸気量減少候補ボイラを選択する。蒸気量減少候補ボイラの選択については、上述した通りであり、燃焼減少ボイラ選択部46は、運転ゾーンの下限値又は上限値以外の負荷率に位置するボイラ20から優先して、蒸気量を減少する候補となるボイラ20として選択する。
続いて、ステップST56において、制御部4(偏差量判定部47)は、偏差量が蒸気量減少候補ボイラとして選択されたボイラ20の単位蒸気量U以上であるか判定する。このとき、偏差量が単位蒸気量U以上である場合には、制御部4は、続いてステップST57の処理に移る。他方、偏差量が単位蒸気量U以上でないと判定されると、制御部4は、変動ボイラ選択処理を終了し、図12のステップST6の処理に移る。
ステップST57では、制御部4は、出力蒸気量を減少し、偏差量を減算する。すなわち、ステップST52で選択されたボイラ20に設定された単位蒸気量Uに基づき、出力蒸気量算出部42及び偏差算出部43は、出力蒸気量の減少及び偏差量の減算を行う。
ステップST57の処理が終わると、制御部4は、ステップST55の処理に戻り、ステップST56において偏差量が単位蒸気量U以上でないと判定されるまで、ステップST55〜ステップST57の処理を繰り返す。
以上説明した第1実施形態のボイラシステム1によれば、以下のような効果を奏する。
(1)複数のボイラ20のそれぞれに運転ゾーンを設定し、制御部4は、必要蒸気量が出力蒸気量と異なる場合に、複数のボイラのうち運転ゾーンに対応する範囲の下限値又は上限値以外の負荷率に位置するボイラの蒸気量を増加又は減少させることとした。これにより、運転ゾーンの範囲において同じボイラ20の蒸気量が連続して変動されることになるため、必要蒸気量の変動に伴うボイラ20の負荷率の変更頻度を抑えることができる。
(2)また、ボイラシステム1では、複数のボイラ20のそれぞれに単位蒸気量Uを設定し、制御部4は、選択したボイラ20の蒸気量を単位蒸気量U分変動させることとした。これにより、必要蒸気量が変動した場合のボイラ20の蒸気量の変動を単位蒸気量U毎に行うことができるため、複数のボイラ20の負荷率を平準化でき、ボイラシステム1の圧力安定性を向上させることができる。
(3)また、ボイラシステム1では、複数のボイラ20の全てが運転ゾーンに対応する範囲の下限値又は上限値に位置する場合には、複数の運転ゾーンのうち最も低い負荷率の範囲に対応する運転ゾーンに位置するボイラを蒸気量を増加するボイラとして選択し、複数の運転ゾーンのうち高い低い負荷率の範囲に対応する運転ゾーンに位置するボイラを蒸気量を減少するボイラとして選択することとした。これにより、蒸気量の増加又は減少に伴い運転ゾーンの下限値又は上限値の負荷率に位置することとなったボイラ20は、蒸気量を増加又は減少させるボイラとして再度選択されることがないため、複数のボイラ20の負荷率(運転効率)を運転ゾーンの範囲で平準化することができる。そのため、各ボイラ20の運転効率が大きく異なることがなく、ボイラシステム1全体におけるボイラ効率を高く維持することができる。
(4)なお、制御部4は、複数の運転ゾーンのうち最も低い又は高い負荷率の範囲に対応する運転ゾーンに位置するボイラが複数存在する場合に、選択された複数のボイラ20のうち、優先順位に基づいて蒸気量を変動させるボイラを選択することとしてもよい。
以上、本発明のボイラシステム1の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
1…ボイラシステム、2…ボイラ群、20…ボイラ、3…台数制御装置、4…制御部、41…必要蒸気量算出部、42…出力蒸気量算出部、43…偏差算出部、44…大小判定部、45…燃焼増加ボイラ選択部、451…第1増加選択部、452…第2増加選択部、453…増加優先順位選択部、46…燃焼減少ボイラ選択部、461…第1減少選択部、462…第2減少選択部、463…減少優先順位選択部、47…偏差量判定部、48…出力制御部

Claims (4)

  1. 負荷率を連続的に変更して燃焼可能な複数のボイラを備えるボイラ群と、要求負荷に応じて前記ボイラ群の燃焼状態を制御する制御部と、を備えるボイラシステムであって、
    前記複数のボイラには、それぞれ、所定の負荷率の範囲に対応して複数の運転ゾーンが個別に設定されており、
    前記制御部は、
    前記要求負荷に応じて必要とされる蒸気量である必要蒸気量を算出する必要蒸気量算出部と、
    前記ボイラ群により出力される蒸気量である出力蒸気量を算出する出力蒸気量算出部と、
    前記必要蒸気量と前記出力蒸気量との偏差量を算出する偏差算出部と、
    前記必要蒸気量と前記出力蒸気量との大小を判定する大小判定部と、
    前記大小判定部により前記必要蒸気量が前記出力蒸気量よりも大きいと判定された場合に、蒸気量を増加させるボイラを選択する燃焼増加ボイラ選択部と、
    前記大小判定部により前記必要蒸気量が前記出力蒸気量よりも小さいと判定された場合に、蒸気量を減少させるボイラを選択する燃焼減少ボイラ選択部と、
    前記燃焼増加ボイラ選択部により選択されたボイラの蒸気量を増加させ、又は前記燃焼減少ボイラ選択部により選択されたボイラの蒸気量を減少させる出力制御部と、を備え、
    前記燃焼増加ボイラ選択部は、
    前記複数のボイラから、前記運転ゾーンに対応する範囲の下限値又は上限値以外の負荷率に位置するボイラを、前記蒸気量を増加させるボイラとして選択する第1増加選択部を備え、
    前記燃焼減少ボイラ選択部は、
    前記複数のボイラから、前記運転ゾーンに対応する範囲の下限値又は上限値以外の負荷率に位置するボイラを、前記蒸気量を減少させるボイラとして選択する第1減少選択部を備え、
    前記出力制御部は、前記燃焼増加ボイラ選択部又は前記燃焼減少ボイラ選択部により選択されたボイラの蒸気量を、当該ボイラが位置する運転ゾーンに対応する負荷率の範囲内で変動させるボイラシステム。
  2. 複数の前記ボイラには、変動可能な蒸気量の単位である単位蒸気量が設定され、
    前記制御部は、
    前記偏差算出部により算出された前記偏差量が前記燃焼増加ボイラ選択部又は前記燃焼減少ボイラ選択部により選択されたボイラの単位蒸気量以上であるかを判定する偏差量判定部を更に備え、
    前記出力制御部は、前記偏差量判定部により前記偏差量が前記単位蒸気量以上であると判定された場合に、前記燃焼増加ボイラ選択部により選択されたボイラの蒸気量を前記単位蒸気量分増加させ、又は前記燃焼減少ボイラ選択部により選択されたボイラの蒸気量を前記単位蒸気量分減少させる、請求項1に記載のボイラシステム。
  3. 前記燃焼増加ボイラ選択部は、
    前記複数のボイラの全てが運転ゾーンに対応する範囲の下限値又は上限値の負荷率に位置している場合に、前記複数のボイラから、前記複数の運転ゾーンのうち最も低い負荷率の範囲に対応する運転ゾーンに位置するボイラを選択する第2増加選択部を更に備え、
    前記燃焼減少ボイラ選択部は、
    前記複数のボイラの全てが運転ゾーンに対応する範囲の下限値又は上限値の負荷率に位置している場合に、前記複数のボイラから、前記複数の運転ゾーンのうち最も高い負荷率の範囲に対応する運転ゾーンに位置するボイラを選択する第2減少選択部を更に備える請求項1又は2に記載のボイラシステム。
  4. 前記燃焼増加ボイラ選択部は、
    前記第2増加選択部により複数のボイラが選択された場合に、選択された複数のボイラから、優先順位の高いボイラを選択する増加優先順位選択部を更に備え、
    前記燃焼減少ボイラ選択部は、
    前記第2減少選択部により複数のボイラが選択された場合に、選択された複数のボイラから、優先順位の低いボイラを選択する減少優先順位選択部を更に備える請求項3に記載のボイラシステム。
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