JP2014226581A - 乾式クリーニング装置性能評価装置及び洗浄媒体の選定方法 - Google Patents

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Shozo Murata
省蔵 村田
種子田 裕介
Yusuke Taneda
裕介 種子田
渕上 明弘
Akihiro Fuchigami
明弘 渕上
興治 塚原
Koji Tsukahara
興治 塚原
格二 村上
Kakuji Murakami
格二 村上
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Abstract

【課題】乾式クリーニング装置の性能を定性的に評価することができ、種々の洗浄対象物に対する最適な洗浄媒体の選定を容易にできる乾式クリーニング装置性能評価装置を提供する。
【解決手段】乾式クリーニング装置性能評価装置50は、乾式クリーニング装置2と、洗浄対象物の代替モデルとしてのテープ状のフィルム52と、支持台54と、引っ張り手段としてのエアースライダー56等を有している。フィルム52に所定のテンションを付与した状態で、乾式クリーニング装置2による洗浄動作を行う。洗浄動作の開始からフィルム52が破断するまでの時間を評価値とする。洗浄媒体の種類毎の評価値と、実際の洗浄対象物とのクリーニング性との相関をとることで、種々の洗浄対象物に適した洗浄媒体を容易に選定することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、乾式クリーニング装置の性能を評価するための乾式クリーニング装置性能評価装置及び洗浄媒体の選定方法に関する。
製品の製造やリサイクルにおいて、洗浄工程は不可欠であり、溶剤や界面活性剤等の洗浄液を用いた洗浄が一般的に行われている。
しかしながら、大量の溶剤や洗浄液を消費しており、廃液による地球環境面への悪影響、薬液使用による作業者の負荷が大きい、などの問題を抱えている。
このような問題に対処すべく、特許文献1には、洗浄液を用いずに、薄片状の洗浄媒体を飛翔させ、洗浄対象物に衝突させてクリーニングを行う乾式クリーニング装置が提案されている。
この乾式クリーニング装置は、吸引手段で筐体内部を負圧化して旋回気流を発生させ、旋回気流で薄片状の洗浄媒体を循環飛翔させる構成を有している。
筐体には、開口部と通気口が設けられており、開口部が洗浄対象物に当接して塞がれると、通気口(インレット)から外部空気が高速で流入して旋回し、この旋回気流で洗浄媒体が飛翔する。
循環飛翔する洗浄媒体が開口部で洗浄対象物に繰り返し衝突することにより、汚れが除去され、洗浄が可能となる。
吸引による負圧化で旋回気流を発生させているため、開口部を洗浄対象物から離しても、洗浄媒体は筐体内に保持され、外部に飛散することもない。
特許文献1に記載の乾式クリーニング装置によれば、溶剤や洗浄液等の液体を使用しないため、作業性や環境性に優れている。
ところで、この種の乾式クリーニング装置が対象とする洗浄対象物には、トナー等の汚れが付着したものや、フラックスが堆積して固化したものなど種々のものがある。
フラックスを例にとると、プリント基板製造におけるフローはんだ槽によるはんだ付け工程において、はんだ付け処理する領域以外をマスクする治具が多く用いられている。
このようなマスク治具(ディップパレット、キャリアパレットと呼ばれる)は、繰り返し使用されるうちに、表面にフラックスが堆積して固着しマスクの精度を下げるために、定期的に洗浄する必要がある。
上記乾式クリーニング装置では、洗浄媒体の洗浄対象物に対する衝突エネルギーを利用して汚れを除去するのであるが、洗浄対象物の種類、すなわち汚れの種類によって、良好な洗浄機能を得るための洗浄媒体の種類が異なることが知られている。
洗浄媒体の種類とは、形状や厚み、材質、硬さなどであるが、これまではある汚れに対してどのような洗浄媒体が適しているかを判断する場合、洗浄媒体の種類を変えながら実際に洗浄を行い、その結果によって経験則を積むしかなかった。
このため、最適な洗浄媒体を決定するまでに、試行錯誤による無駄な時間を費やしていた。
乾式クリーニング装置の性能を定性的に評価することができれば、洗浄媒体の種類を変えたデータを取得し、このデータと実際の洗浄対象物の種類とを関係付けることにより、容易に最適な洗浄媒体を選定することが可能となる。
本発明は、このような現状に鑑みて創案されたもので、乾式クリーニング装置の性能を定性的に評価することができ、種々の洗浄対象物に対する最適な洗浄媒体の選定を容易にできる乾式クリーニング装置性能評価装置の提供を、その主な目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、筐体内で旋回気流を生じさせて洗浄媒体を飛翔させ、洗浄対象物で塞がれた開口部にて洗浄媒体を洗浄対象物に繰り返し当てることにより洗浄対象物の洗浄を行う乾式クリーニング装置の性能を評価するための乾式クリーニング装置性能評価装置であって、洗浄対象物の代替モデルとしてのテープ状のフィルムと、前記フィルムの一端部を保持して固定する保持手段と、前記フィルムの他端部を把持し、前記フィルムに所定のテンションを付与する引っ張り手段と、を備え、テンションが付与された前記フィルムを前記開口部で覆った状態で前記乾式クリーニング装置により洗浄動作を行い、洗浄動作開始から前記フィルムが破断するまでの時間を評価値とすることを特徴とする。
本発明によれば、乾式クリーニング装置の洗浄性能を予め客観的に把握することができるので、洗浄対象物の種類に応じた最適な洗浄条件(洗浄媒体)を選定でき、無駄な試行錯誤を重ねることなく、確実に汚れを除去することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る乾式クリーニング装置性能評価装置の概要側面図で、乾式クリーニング装置の吸引力が立ち上がる前の状態を示す図である。 乾式クリーニング装置の開口部とフィルムとの位置関係を示す平面図である。 乾式クリーニング装置の洗浄動作中における乾式クリーニング装置性能評価装置の概要側面図である。 フィルムが破断したときの乾式クリーニング装置性能評価装置の概要側面図である。 乾式クリーニング装置の構成を示す断面図である。 乾式クリーニング装置の洗浄動作を説明する図である。 実施例1におけるフィルムの破断時間を示すグラフである。 実施例1における破断フィルムの概観を示す写真画像図である。 実施例1における洗浄対象物の洗浄後の概観を示す写真画像図である。 実施例2におけるフィルムの破断時間を示すグラフである。 実施例2における破断フィルムの概観を示す写真画像図である。 実施例2における洗浄対象物の洗浄後の概観を示す写真画像図である。 実施例3におけるフィルムの破断時間を示すグラフである。 実施例3における破断フィルムの概観を示す写真画像図である。 実施例3における洗浄対象物の洗浄後の概観を示す写真画像図である。 比較例1における洗浄対象物の洗浄後の概観を示す写真画像図である。 比較例3における破断しなかったフィルムの表面状態を示す写真画像図である。 比較例4における破断しなかったフィルムの表面状態を示す写真画像図である。
以下、本発明の一実施形態を図を参照して説明する。
まず、本実施形態に係る乾式クリーニング装置の構成及び機能について説明する。
図5は、ハンディタイプの乾式クリーニング装置2の構成の概要図で、図5(a)はA−A線での横断面図、(b)はB−B線での縦断面図である。
乾式クリーニング装置2は、内部に洗浄媒体5の飛翔空間を有する乾式クリーニング筐体(以下、単に「筐体」という)4と、筐体4内を負圧化する吸引手段6とを備えている。
筐体4は、筐体本体部としての円筒形状の上部筐体4Aと、逆円錐形状の下部筐体4Bとから一体として構成されている。ここでの上部、下部は図面上の便宜的呼称であって、実機上の上下とは必ずしも関係はない。
下部筐体4Bは、その円錐頂部に吸気口8を一体に備えており、吸引ダクトとして機能する。
吸引手段6は、吸気口8に一端を接続されたフレキシブルな吸引ホース10と、該吸引ホース10の他端に接続された吸引装置12とを有している。
吸引装置12としては、家庭用掃除機、真空モータや真空ポンプ、あるいは流体の圧送により間接的に低圧化ないし負圧化を生じさせる装置などを適宜用いることができる。なお、部材の上面、底面等の上下の位置関係は図面上の基準にすぎない。
上部筐体4Aの底面部は、下部筐体4Bの上端部を結合する嵌合凹部4A−1となっており、上部筐体4Aと下部筐体4Bは分離可能となっている。上部筐体4Aの上面4A−2は密閉されている。
上部筐体4Aの底面部における下部筐体4Bとの境界部分には、多孔手段としての多孔性の分離板14が設けられている。
分離板14は、パンチングメタルのような穴が空いた板状の部材である。分離板14は、吸引されたときの洗浄媒体5の下部筐体4B側への移動を阻止するものである。
図5(a)では分離板14の表示を一部省略している。なお、洗浄媒体5は分かり易くするためにその大きさを誇張表示している。
多孔手段としては、洗浄媒体5を通さずに空気及び粉塵(洗浄対象物から除去された除去物)を通過させる大きさの細孔を多く備える多孔形状であればよい。
したがって、スリット板や網などを用いてもよく、材質も滑らかな面を備えていれば、樹脂や金属などを自由に選択して良い。
多孔手段は旋回気流の中心軸と直交する面として配置されている。旋回気流の中心軸と直交することによって、多孔手段に沿う方向に気流が流れることにより、洗浄媒体5の滞留を防ぐ効果がある。
旋回気流の減衰を抑えるために、筐体内面は段差、凹凸がなく平滑であることが望ましい。
多孔手段は、旋回気流に沿った面に配置されることにより、表面に吸着した洗浄媒体を再飛翔させることができる。
筐体4の材質は特に限定されないが、異物の付着や洗浄媒体との摩擦による消耗を防ぐために、例えばアルミ二ウムやステンレスなどの金属製が好適であるが、樹脂製のものを用いることもできる。
上部筐体4Aの内部中心には、上部筐体4Aの円筒軸を共通の軸とするように、円筒状の流路制限部材16が筐体の一部として設けられ、流路制限部材16の下端は分離板14に固定されている。
流路制限部材16は旋回気流の流路断面積を絞って流速を向上させる目的で設けられている。流路制限部材16により上部筐体4A内には滑らかな壁面を有するリング状の旋回気流移動空間(洗浄媒体の飛翔空間)が形成されている。
上部筐体4Aの形状によっては、流路制限部材16の中心軸と上部筐体4Aの中心軸を必ずしも共通にする必要はなく、リング状の空間が確保できていれば偏芯していても良い。
上部筐体4Aの側面の一部には、旋回気流で飛翔する洗浄媒体5を洗浄対象物に接触ないし衝突させるための開口部18が形成されている。
上部筐体4Aは直径に対して高さが極めて小さい円筒形状であり、その高さを形成する側面の一部に開口部18を設けている。
これにより、筐体4全体としては、図5(b)に示すように、開口部18以外の外周部分が洗浄対象物20から大きく逃げる(離れる)レイアウトとなっている。
このため、洗浄対象物20に対する局所的当接、換言すればピンポイントクリーニングの自由度が高められている。
開口部18は、上部筐体4Aの側面を円筒軸に平行な平断面により切断した形状であり、円筒軸と直交する方向から見て矩形形状をなしている。
上部筐体4Aの側面には空気流入口22が形成されており、空気流入口22には、旋回気流発生手段で且つ通気路としてのインレット24が上部筐体4Aの外方から接続されて上部筐体4Aに一体に固定されている。
インレット24は分離板14に略平行に設定されており、その通気方向は、上部筐体4Aの半径方向に対して傾き、その通気路中心の延長線が開口部18に達するように位置している。
インレット24は、上部筐体4Aの高さ方向に延びる幅を有している。インレット24は上部筐体4Aの高さよりも径又は幅が小さいものを1つ配置してもよく、単体のインレットを高さ方向に複数配置する構成としてもよい。
図5に示すように、開口部18が洗浄対象物20に当接して塞がれると、筐体4内が閉空間としてなり、インレット24から外気が高速で流入する。
この高速気流は洗浄媒体5を開口部18へ向けて加速させるとともに旋回気流としての旋回気流30を生成する。
閉空間が形成された時に生じる旋回気流は、分離板14上に吸着した洗浄媒体を吹き払い、再飛翔させる効果を有する。
開口部18は、開放されたときに、空気流入口22における内圧を、大気圧もしくはその近傍にするために十分な大きさの面積を備える。また、空気流入口22も、開口部18の開放時に大気圧もしくはその近傍になりやすい位置に配置される。
このような構成を備えることにより、乾式クリーニング装置2を洗浄対象物に当てていない間は、空気流入口22が大気圧に近づくことによって、外部との差圧が低下し、その結果流入する気流が劇的に低減する。
一方、開口部18から流入する気流は多くなるため、洗浄媒体5が筐体4内から漏れ出ることを防ぐことができる。
また、開口部18が開放されている状態では、閉塞されている場合に比べて流入する気流の総量が2〜3倍になるため、とくに薄片状の洗浄媒体では多孔手段上に吸着されるため、再飛翔せず筐体の外に漏れることがない。
これを開口部開放時における洗浄媒体吸着効果という。
洗浄媒体5は、薄片状の洗浄片の集合であるが、ここでは薄片状の洗浄片単体としての意味でも用いている。
薄片状の洗浄媒体とは面積が1mm以上200mm以下の薄片である。また、洗浄媒体の材質はポリカーボネート、ポリエチレンテレフタラート、アクリル、セルロース樹脂などの耐久性のある素材からなるフィルムであり、厚みは0.02mm以上0.1mm未満である。
但し、洗浄対象物によっては洗浄媒体の厚みやサイズや材質を変えることが効果的な場合もあり、前記洗浄媒体条件には限定されない。
洗浄媒体の材質に関しては、樹脂だけにとどまらず、紙、布などの薄片や、あるいは、雲母などの鉱物、セラミックやガラス、金属箔であっても、薄く軽量で飛翔しやすい形状にすることで使用することができる。
上部筐体4Aのリング状の内部空間26は、旋回気流によって洗浄媒体5を飛翔させて開口部18に対向する洗浄対象物20に接触させる機能を担う空間である。
流路制限部材16の内部空間34は、旋回気流が作用しない空間である。
以上のように構成される乾式クリーニング装置2による洗浄動作(以下、クリーニング動作という)を、図6を参照して説明する。
なお、図6では、部材の厚み等を省略し、分かり易くするために静空間としての内部空間34をハッチングで表示している。
図6(b)は、開口部18を洗浄対象物20から離して開口部18を開放し吸気を行っている状態を、図6(a)は、開口部18を洗浄対象物20に当てて閉塞した状態を示している。
クリーニング動作に先立って、洗浄媒体5を筐体4内に供給する。筐体4内に供給された洗浄媒体5は、図6(b)下図に示すように、分離板14に吸い付けられて筐体4内に保持される。
筐体4内は吸気により負圧状態となっているので、筐体外部の空気がインレット24を通して筐体4内に流入する。
このときのインレット24内の流れは流速・流量ともに小さいので、筐体4内に発生する旋回気流30は洗浄媒体5を飛翔させる強さには至らない。
筐体4内に洗浄媒体5が供給・保持されたら、図6(a)に示すように、開口部18を洗浄対象物20の表面のクリーニングすべき部位に当てて閉塞状態にする。
開口部18が塞がれると、開口部18からの吸気が止まるので、筐体4内の負圧は一気に増大し、インレット24を通じて吸い込まれる空気量・流速ともに増大し、インレット24内で整流される。
その後、インレット出口(空気流入口22)から筐体4内に高速空気流となって吹き出す。
吹き出した空気流は、分離板14上に保持されている洗浄媒体5を開口部18に対向する洗浄対象物20の表面に向けて飛翔させる。
上記空気流は、旋回気流30となって、筐体4の内壁に沿って円環状に流れつつ、一部は分離板14の穴を通って吸引手段6により吸気される。
このように筐体4内を円環状に流れた旋回気流30がインレット24の出口部に戻ると、インレット24から入り込む空気流が旋回気流30に合流しつつ加速する。このようにして筐体4内に安定した旋回気流30が形成される。
洗浄媒体5は、この旋回気流により筐体4内で旋回し、洗浄対象物20の表面に繰り返し衝突する。この衝突による衝撃で、洗浄対象物20の表面から汚れが微小粒状あるいは粉状となって分離する。
分離した汚れは、分離板14の穴を通って吸引手段6により筐体4の外部へ排出される。
筐体4内に形成される旋回気流30は、その旋回軸が、分離板14の表面に直交しており、旋回気流30は分離板14の表面に平行方向の気流となる。
このため、旋回気流30は分離板表面に吸い着けられた洗浄媒体5に、横方向から吹き付けて洗浄媒体5と分離板14の間に入り込み、分離板14に吸い付けられている洗浄媒体5を分離板14から引き剥がして再度飛翔させる効果が生じる。
また、開口部18が塞がれて上部筐体4A内の負圧が増大して、下部筐体4B内の負圧に近くなるため、洗浄媒体5を分離板14の表面に吸い付ける力も低下して、洗浄媒体5の飛翔がより容易になる効果が生じる。
旋回気流30は、一定の方向に気流が加速されるため高速の気流が生成しやすく、洗浄媒体5の高速飛翔運動も容易となる。
高速で旋回移動する洗浄媒体5は、分離板14に吸い付けられにくく、洗浄媒体5に付着した汚れが、遠心力により洗浄媒体5から分離され易い。
筐体の吸気口から筐体内部を吸引する、すなわち筐体の開口部を洗浄対象物に宛がうと、筐体内部に負圧が生じ、通気路を通して外部の空気が筐体内部に吸い込まれる。
図1乃至図4に基づいて、本実施形態に係る乾式クリーニング装置性能評価装置を説明する。
図1に示すように、乾式クリーニング装置性能評価装置50は、乾式クリーニング装置2と、洗浄対象物の代替モデルとしてのテープ状のフィルム52と、支持台54と、引っ張り手段としてのエアースライダー56等を有している。
フィルム52の大部分は支持台54上に載置され、その一端部が保持手段58で支持台54上に固定されている。
フィルム52の他端部は、把持部材60で把持され、把持部材60にはエアースライダー56のフック56aが引っ掛けられている。
乾式クリーニング装置2の筐体4側の吸引ホース10Aと吸引装置12側の吸引ホース10Bとの間には、三方弁62が設けられている。
支持台54上におけるフィルム52の長さ方向の一部分を開口部18で覆うように乾式クリーニング装置2の筐体4が設置される。
図2に示すように、フィルム52の幅wは、開口部18で覆うことが可能な大きさに設定されている。
エアースライダー56によりフィルム52に所定のテンションを付与した状態で、乾式クリーニング装置2による洗浄動作を行う。
この洗浄動作は、換言すれば、フィルム52に対するダメージ付与動作である。
図1に示すように、最初は三方弁62を大気側と吸引側とが連通するようにし、筐体4の開口部18をフィルム52に押し当てる。
吸引装置12の吸引力が安定して定常状態になってから、図3に示すように、三方弁62を筐体側と吸引側とが連通するように切り替える。
この切り替え時点が、乾式クリーニング装置2の洗浄動作の開始時点である。
時間が経つにつれ、洗浄媒体5の衝突によってフィルム52の表面が削られ、図4に示すようにやがて破断する。
洗浄動作開始からフィルム52が破断するまでの時間を手動又は自動で計測し、これを評価値とすることにより、乾式クリーニング装置2のクリーニング性能を客観的に把握することができる。
この評価値は、用いる洗浄媒体により異なる。したがって、洗浄媒体の種類を変えて評価値を得ることにより、洗浄媒体の種類別のクリーニング性能を数値として把握することができる。
フラックスや固着トナーのような厚く硬い汚れに対しては、その汚れ物性に近いフィルムを準備してフィルムが破断するまでの時間を計測することで、汚れ除去の事前評価となる。
これにより、どのような汚れに対してどのような洗浄媒体が適しているかを事前に知ることができる。
[実施例1]
厚み50μm、幅6mmのポリイミド(PI;鉛筆硬度F)のフィルムをセットして、エアースライダーにより20Nのテンションを付与した。
洗浄媒体は、厚み250μm、サイズが6×3mmのトリアセチルセルロース(TAC;鉛筆硬度2H)を所定量秤量して用いた。
したがって、フィルムの硬さは洗浄媒体よりも小さい。
洗浄動作が開始されると、洗浄媒体(TAC)が内部空間へ導入されて飛翔する。開口部でPIフィルムに対して、TAC洗浄媒体が衝突を繰り返すことによりPIフィルムが磨耗していく。
PIフィルムが破断するまでの時間を計測する。7回繰り返し実験を行った結果を図7に、破断したフィルム外観を図8に示す。
図7から明らかなように、洗浄性能のばらつきは小さく、この洗浄媒体が有効な洗浄対象物では安定した洗浄機能を得ることができることとなる。
洗浄対象物を、上記条件の洗浄媒体が有効であることが予めわかっている、フラックス残渣が付着したメタルマスクとして、洗浄動作を行った結果を図9に示す。
中央部はフラックス残渣の付着状態を示すために、意図的に未洗浄部分としている。洗浄した部分は良好にクリーニングされていることが確認できる。
従来では、適切な洗浄媒体の選定までに試行錯誤により長時間を要していたが、性能評価装置により予め評価済みのものを用いることにより、短時間で洗浄対象面の汚れを除去することが可能となる(以下の他の実施例において同じ)。
上記乾式クリーニング装置性能評価装置50により洗浄媒体の種類毎の評価値(破断までの時間)を取得し、実際の洗浄対象物の種類との間における良好なクリーニングが行える相関表を作成する。
すなわち、得られた洗浄媒体の種類毎の評価値を、実際の洗浄対象物の種類に対応付けて相関表を作成する。
相関表を作成した後は、洗浄対象物の汚れの種類に最適な洗浄媒体の種類が一目瞭然となる。
また、相関表に無い新たな洗浄媒体を用いる場合でも、予め上記乾式クリーニング装置性能評価装置50により性能を評価しておけば、どのような汚れまで対応可能かどうかがわかり、無駄な時間を回避することができる。
ここでは、洗浄媒体の種類(形状、厚み、材質、面積等)とフィルムとの相関としたが、旋回気流の流速等のデータも加味してもよい。
[実施例2]
実施例1と同様の方法で、乾式クリーニング装置性能評価装置により洗浄条件を選定する。
装置にセットするフィルムは、厚み50μm、幅12mmのポリイミドブラック(PIB;鉛筆硬度B)であり、エアースライダーにより30Nのテンションを付与する。
洗浄媒体として、粒径2mmのメラミンショット材(鉛筆硬度6H)を所定量秤量して用いた。
PIBフィルムが破断するまでの時間を計測する。7回繰り返し実験を行った結果を図10に、破断したフィルム外観を図11に示す。
図10から明らかなように、洗浄性能のばらつきは小さく、この洗浄媒体が有効な洗浄対象物では安定した洗浄機能を得ることができることとなる。
洗浄対象物を、上記条件の洗浄媒体が有効であることが予めわかっている、焼付け塗装板(ミスミ;表面メラミン塗料,下地;カチオン樹脂電着塗装;合計塗膜厚み 約40μm)とし、その塗装剥離を実施した。
その洗浄動作の結果を図12に示す。
[実施例3]
実施例1と同様の方法で、乾式クリーニング装置性能評価装置により洗浄条件を選定する。
装置にセットするフィルムは、厚み75μm、幅12mmのポリイミドブラック(PIB)であり、エアースライダーにより20Nのテンションを付与する。
洗浄媒体として、厚み250μm、サイズが12×12mmのアクリル(鉛筆硬度2H)を所定量秤量して用いた。
PIBフィルムが破断するまでの時間を計測する。7回繰り返し実験を行った結果を図13に、破断したフィルム外観を図14に示す。
図13から明らかなように、洗浄性能のばらつきは小さく、この洗浄媒体が有効な洗浄対象物では安定した洗浄機能を得ることができることとなる。
洗浄対象物を、上記条件の洗浄媒体が有効であることが予めわかっている、金型より転写形成されるポリイミドベルトの金型のポリイミド残渣とした。
その洗浄動作の結果を図15に示す。
[比較例1]
洗浄対象として焼付け塗装板を、サイズが6×3mmのTAC洗浄媒体を所定量秤量して、塗装の除去を実施した。
すなわち、上記条件の洗浄媒体の性能を把握しない状態で洗浄対象物を決定して洗浄を行ったものである。
乾式クリーニング装置の性能評価を実施していないので、塗膜除去に対するTAC洗浄媒体による剥離性能を予め予測することができず、結果的には、図16に示すように、塗装を完全に剥離除去することができなかった。
[比較例2]
洗浄対象としてメタルマスク上のフラックス残渣を、粒径2mmのメラミンショット材を所定量秤量して、フラックス残渣除去を実施した。
乾式クリーニング装置の性能評価を実施していないので、塗膜除去に対するメラミン洗浄媒体による剥離性能を予め予測することができず、結果的には、フラックス残渣を完全に除去できなかった。
これだけでなく、メタルマスクの表面に打痕を形成してしまい、メタルマスクとしての使用が困難となってしまった。
[比較例3]
実施例1と同様の方法で、乾式クリーニング装置性能評価装置により洗浄条件を選定する。
装置にセットするフィルムは、厚み100μm、幅12mmのポリイミド(PI;鉛筆硬度F)であり、エアースライダーにより20Nのテンションを付与する。
洗浄媒体として、厚み50μm、サイズが6×3mmのポリイミドブラック(PIB;鉛筆硬度B)を所定量秤量して用いた。
図17に示すように、PIフィルムが破断することはなかった。したがって、評価値の取得には至らなかった。
この結果は、フィルムの硬度が高いため、これに対応した洗浄媒体を使用しないと相関表作成のためのデータを得ることができないことを意味する。
また、このフィルムに対応した洗浄対象物に対し、上記条件の洗浄媒体を用いても汚れの除去はできないことを意味する。
[比較例4]
実施例1と同様の方法で、乾式クリーニング装置性能評価装置により洗浄条件を選定する。
装置にセットするフィルムは、厚み100μm、幅12mmのポリイミドブラック(PIB)である。
この時、フィルムにはテンションを付与しなかった。
洗浄媒体として、厚み250μm、サイズが12×12mmのPMMA(アクリル樹脂)を所定量秤量して用いた。
図18に示すように、PIBフィルムが破断することはなかった。したがって、評価値の取得には至らなかった。
この結果は、フィルムの硬度が高いため、これに対応した洗浄媒体を使用しないと相関表作成のためのデータを得ることができないことを意味する。
また、このフィルムに対応した洗浄対象物に対し、上記条件の洗浄媒体を用いても汚れの除去はできないことを意味する。
上記実施形態では、フィルム52の幅を開口部18で覆うことが可能な大きさとしたが、フィルム52の一部分を覆って洗浄を行い、破断させるようにしてもよい。
2 乾式クリーニング装置
4 筐体
5 洗浄媒体
6 吸引手段
18 開口部
30 旋回気流
52 フィルム
56 引っ張り手段としてのエアースライダー
58 保持手段
62 三方弁
特開2012−050973号公報

Claims (5)

  1. 筐体内で旋回気流を生じさせて洗浄媒体を飛翔させ、洗浄対象物で塞がれた開口部にて洗浄媒体を洗浄対象物に繰り返し当てることにより洗浄対象物の洗浄を行う乾式クリーニング装置の性能を評価するための乾式クリーニング装置性能評価装置であって、
    洗浄対象物の代替モデルとしてのテープ状のフィルムと、
    前記フィルムの一端部を保持して固定する保持手段と、
    前記フィルムの他端部を把持し、前記フィルムに所定のテンションを付与する引っ張り手段と、
    を備え、テンションが付与された前記フィルムを前記開口部で覆った状態で前記乾式クリーニング装置により洗浄動作を行い、洗浄動作開始から前記フィルムが破断するまでの時間を評価値とすることを特徴とする乾式クリーニング装置性能評価装置。
  2. 請求項1に記載の乾式クリーニング装置性能評価装置において、
    前記乾式クリーニング装置が、吸引手段による吸引で前記筐体内を負圧化することにより旋回気流を生じさせる構成を有していることを特徴とする乾式クリーニング装置性能評価装置。
  3. 請求項2に記載の乾式クリーニング装置性能評価装置において、
    前記吸引手段と前記筐体との間に三方弁が設けられ、
    前記吸引手段による吸引力が定常状態になってから前記筐体内の負圧化を開始して洗浄動作を行うことを特徴とする乾式クリーニング装置性能評価装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の乾式クリーニング装置性能評価装置において、
    前記引っ張り手段がエアースライダーであることを特徴とする乾式クリーニング装置性能評価装置。
  5. 筐体内で旋回気流を生じさせて洗浄媒体を飛翔させ、洗浄対象物で塞がれた開口部にて洗浄媒体を洗浄対象物に繰り返し当てることにより洗浄対象物の洗浄を行う乾式クリーニング装置を用いた乾式クリーニングにおける洗浄媒体の選定方法であって、
    請求項1〜4のいずれか1つに記載の乾式クリーニング装置性能評価装置により得られた洗浄媒体の種類毎の評価値を、実際の洗浄対象物の種類に対応付けて相関表を作成し、該相関表に基づいて洗浄対象物に対する洗浄媒体の種類を決定することを特徴とする洗浄媒体の選定方法。
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