JP2014223758A - 光学フィルムの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】2つのドラムの間のベルト上にドープを流延して製膜を行う際に、製膜速度を高速化する場合でも、減圧チャンバの後壁部近傍でのベルト振動を抑制して同伴風の強弱ムラを抑制し、同伴風による流延リボンの振動を抑制して膜厚ムラを改善する。
【解決手段】2つのドラム5・7の間のベルト6上に流延ダイ3からドープを流延する。流延ダイ3に対してベルト6の移動方向の上流側に、ベルト6との間隙が0.3〜3mmとなるように減圧チャンバ4を配置し、ベルト6を内周面側から支持するように少なくとも1本のサポートロール11を配置する。減圧チャンバ4の後壁部4aの中心位置から下流側に向かう方向を正、上流側に向かう方向を負としたとき、第1サポートロール11aを、ベルト6の移動方向におけるベルト6との接触範囲の中心が後壁部4aの中心位置を基準として+100mm〜−300mmの範囲内となるように位置させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶液流延法によって光学フィルムを製膜する光学フィルムの製造方法に関するものである。
液晶表示装置の画像表示領域には、種々の光学フィルム(例えば偏光板の偏光素子を保護するための透明保護フィルム)が配置されている。このような光学フィルムとしては、例えばセルロースエステルフィルムのような透明性に優れた樹脂フィルムが用いられている。
このような光学フィルムは、例えば溶液流延(製膜)法により、長尺状の樹脂フィルムとして製造されることが多い。溶液流延法とは、具体的には、原料樹脂である透明性樹脂を溶媒に溶解した樹脂溶液(ドープ)を、走行する支持体上に流延し、剥離可能な程度まで乾燥させて得られたウェブ(ドープ膜)を支持体から剥離し、剥離したウェブを搬送ローラで搬送しながら、乾燥や延伸等を施すことによって、長尺状の樹脂フィルムとする方法である。
溶液流延法には、回転駆動ステンレス鋼製エンドレスベルトよりなる支持体上にドープを流延するベルト式製膜法、あるいはステンレス鋼製の回転駆動ドラム上にドープを流延するドラム式製膜法等がある。
ベルト式製膜法では、図5に示すように、2つのロール105・107に巻きかけられた環状のエンドレスベルトを支持体106として用いる。そして、溶解釜101で調整されたドープを、加圧型定量ギヤポンプ102を通して流延ダイ103に送液し、ロール107に巻きかけられた支持体106上に、流延ダイ103からドープを流延する。このとき、流延ダイ103に対して支持体106の移動方向の上流側には減圧機構104が配置されており、減圧機構104によって流延ダイ103の上流側の空間を減圧しながら、流延ダイ103から支持体106上にドープを流延する。支持体106上に流延したドープは、乾燥後、自己支持性を持たせた流延膜としてのウェブ109となり、剥離ロール108によって支持体106から剥離される。一方、ドラム式製膜法は、支持体106として、エンドレスベルトの代わりにドラム状の支持体を用いることを除いて、ベルト式製膜法と同様である。このようなベルト式製膜法およびドラム式製膜法は、例えば特許文献1に開示されている。
また、近年では、ドープの流延位置とウェブの剥離位置とで、支持体の温度を別個に調整したいという要望がある。この点に関して、例えば特許文献2では、ベルトを張架する2本のロールの間のベルト上にドープを流延し、ウェブの乾燥から剥離までの間でロールを冷却して支持体を冷却する一方、剥離から流延までの間で支持体を加熱するようにしている。剥離前に支持体を冷却することにより、乾燥から剥離までに要する時間を短縮できるので、生産効率を向上することができる。
ところで、特許文献2のように、2つのロール(ドラム)の間のベルト上にドープを流延し、フィルムを作製すると、横段状の厚みムラが発生することがわかった。この原因は、(ベルトを張架する)ドラム上から流延位置を離したことにより、流延位置でのベルト振動が従来よりも大きくなり、流延ダイからベルトに着地するまでのドープ(流延リボン)を着地点で揺らしてしまうためであると考えらえる。
上記の厚みムラを抑制する方法としては、例えば流延位置の直下でベルトの内周面を支持するロールを配置することにより、ベルト振動を抑制する方法が考えられる。しかし、種々の検討を重ねた結果、ベルトの高速走行による高速製膜では、上記方法では膜厚ムラの抑制が不十分であり、流延リボンを揺らす要因としては、流延位置でのベルト振動以外の要因が支配的であることがわかった。
そして、流延位置でのベルト振動以外の要因について検討したところ、ベルトの移動速度が高速化するに伴い、ベルトの移動に伴って発生する同伴風(ベルト表面近傍の空気の流れ)が流延リボンにぶつかって着地前に揺らし、これが膜厚ムラを生じさせる主な要因であることがわかった。
同伴風対策としては、従来から、流延ダイの上流側に減圧チャンバを配置して同伴風を吸引する方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。しかし、2つのドラムの間のベルト上にドープを流延する製膜方法において、減圧チャンバとベルトとの間隙を狭めて同伴風の流入を低減しても、膜厚ムラの改善効果は十分ではなかった。これは、減圧チャンバの上流側の後壁部近傍でのベルト振動により、上記後壁部とベルトとの間隙(同伴風の流路断面積)が微小変動し、これによって上記間隙に流入する同伴風の強弱が発生し、流延リボンを振動させるためと考えられる。したがって、膜厚ムラの改善効果を十分に得るためには、同伴風の強弱に起因する流延リボンの振動を抑制するようにすることが必要である。
特開2010−253723号公報(図1、図5等参照) 特開2012−196858号公報(請求項1、図2等参照)
本発明の目的は、前記の事情に鑑み、2つのドラムの間のベルト上にドープを流延して製膜を行うとともに製膜速度を高速化する場合でも、減圧チャンバの後壁部近傍でのベルト振動を抑制して同伴風の強弱ムラを抑制し、これによって同伴風による流延リボンの振動を抑制して膜厚ムラの改善効果を十分に得ることができる光学フィルムの製造方法を提供することにある。
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
1.移動する支持体上に流延ダイからドープを流延し、流延膜を前記支持体から剥離する溶液流延法によって光学フィルムを製膜する光学フィルムの製造方法であって、
前記支持体は、2つのドラムで張架されるベルトであり、
前記ドープは、前記2つのドラムの間の前記ベルト上に流延され、
前記流延ダイに対して前記ベルトの移動方向の上流側に、前記ベルトとの間隙が0.3〜3mmとなるように減圧チャンバを配置し、
前記ベルトを内周面側から支持するように少なくとも1本のサポートロールを配置し、
前記ベルトの移動方向において、前記減圧チャンバの上流側の後壁部の中心位置を基準とし、前記基準に対して前記ベルトの移動方向の下流側に向かう方向を正とし、上流側に向かう方向を負としたとき、
前記サポートロールの一つを第1サポートロールとして、前記ベルトの移動方向における前記ベルトとの接触範囲の中心が前記後壁部の中心位置を基準として+100mm〜−300mmの範囲内となるように位置させることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
2.前記ベルトを介して前記流延ダイの直下に他のサポートロールを第2サポートロールとして配置し、前記ベルトにおいて前記第2サポートロールと接触する範囲内に、前記流延ダイから吐出されるドープを着地させることを特徴とする前記1に記載の光学フィルムの製造方法。
3.前記第1サポートロールを、前記ベルトの移動方向における前記ベルトとの接触範囲の中心が前記後壁部の中心位置を基準として+30mm〜−100mmの範囲内となるように位置させることを特徴とする前記1または2に記載の光学フィルムの製造方法。
4.前記減圧チャンバ内には、前記流延膜の幅方向に延びて該減圧チャンバ内を複数の空間に分離するとともに、前記ベルトとの間隙のみを介して前記複数の空間を連通する仕切り板が設けられていることを特徴とする前記1から3のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
5.前記減圧チャンバ内には、減圧時の該減圧チャンバ内の気流を制御するための構造物が前記流延膜の幅方向に延びて設けられていることを特徴とする前記1から3のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
6.前記ベルトの移動速度は、80m/分〜200m/分であることを特徴とする前記1から5のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
上記の製造方法によれば、2つのドラムの間のベルト上に、流延ダイからドープが流延される。このとき、流延ダイの上流側には、ベルトとの間隙が0.3〜3mmと狭くなるように減圧チャンバが配置されており、ベルトの移動に伴って発生する同伴風の減圧チャンバへの流入が低減される。
ここで、ベルトを内周面側から支持するサポートロールの一つが、減圧チャンバの上流側の後壁部の中心位置を基準として+100mm(下流側に100mm)〜−300mm(上流側に300mm)の範囲内に位置しているので、製膜速度を高速化する場合でも、減圧チャンバの後壁部近傍でのベルト振動を上記サポートロールによって抑制することができる。これにより、減圧チャンバの後壁部とベルトとの間隙の微小変動を抑えることができ、上記間隙に流入する同伴風の強弱ムラを抑えることができる。その結果、同伴風の強弱ムラによる流延リボンの振動を抑制できるので、膜厚ムラの改善効果を十分に得ることができる。
本発明の実施の形態に係る光学フィルムの製造装置の概略の構成を示す説明図である。 上記製造装置の主要部を拡大して示す説明図である。 上記製造装置が有する減圧チャンバの、図1とは異なる構成を示す説明図である。 上記減圧チャンバのさらに他の構成を示す説明図である。 従来の光学フィルムの製造装置の概略の構成を示す説明図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、本明細書において、数値範囲をA〜Bと表記した場合、その数値範囲に下限Aおよび上限Bの値は含まれるものとする。
〔本発明のポイントについて〕
本発明者が鋭意検討を重ねた結果、減圧チャンバとベルトの間隙位置で微小なベルト振動が起きており、それによる間隙面積の微小変動が、流入する同伴風の強弱を生み出しており、そのムラが品質故障を引き起こしていることがわかった。つまり、減圧チャンバとベルトとの間隙は、最小であると同時に一定に保つ必要があることに気付いた。
また、本発明者は、減圧チャンバの後壁部(バックプレート)の直下またはその近傍にベルトを裏から支えるロール(サポートロール)を配置することにより、ベルト振動を抑制して間隙を一定化させることができ、それによって膜厚ムラを抑制できるということを見出した。そして、このような知見に基づき、以下に示す光学フィルムの製造方法を導き出すに至った。
すなわち、本実施形態の光学フィルムの製造方法は、ポリマーと溶媒とを含むドープを、走行するベルト状の支持体上に流延ダイから流延した後にフィルムとして剥離する溶液製膜において、上記支持体として、2つのドラムで張架されるベルトを用い、上記ドープを、上記2つのドラムの間のベルト上に流延し、流延ダイの上流側にベルトとの間隙が0.3〜3mmとなるように減圧チャンバを設置し、ベルトの裏面を支えるように少なくとも1本のサポートロールを配置するとともに、そのサポートロールの一つを減圧チャンバの直下またはその近傍に配置することを特徴とするものである。より具体的には、ベルト搬送方向(移動方向)において、減圧チャンバの後壁部(バックプレート)の中心位置を基準(0mm)とし、ベルト搬送方向を正としたときに、そのサポートロールのベルトラップ位置(ベルトとの接触領域、接触範囲)の中心が+100mm〜−300mmの範囲内にあることを特徴とする。
この構成によれば、減圧チャンバのバックプレート直下のベルト振動を抑え、間隙面積を一定に保つことが可能となる。これは、サポートロールと接触して最も張力がかかる部分においてベルトの振動が小さくなるためである。サポートロールとベルトとが接触するベルトラップ範囲がバックプレート直下に近づく程、同伴風抑制効果が高くなるため、減圧チャンバとベルトとの間隙を狭めたうえで、サポートロールのベルトラップ位置の中心を+100mm〜−300mmの範囲内とすることで、厚みムラ故障を抑制することができる。
なお、ベルト搬送方向に対して、正の方向よりも負の方向にサポートロールの設置範囲が広いのは、フィルム剥離の関係上、振動は減圧チャンバの上流側から伝搬してくると考えられ、上流側にサポートロールを設置して振動を抑えたほうが、減圧チャンバの後壁部であるバックプレートの間隙面積が安定化するためである。しかし、可能であれば、前記のように、できる限りバックプレート直下にサポートロールを配置することが好ましい。
上記の製造方法においては、減圧チャンバ直下のサポートロールとは別のサポートロールが、流延位置の直下にあることが好ましい。そして、流延位置の直下のサポートロールのベルトラップ範囲内に、流延ダイからのドープ(流延リボン)が着地することが好ましい。これは、厚みムラの原因が、前述したように、(1)流延リボン着地点でのベルト振動、(2)着地前の流延リボンを揺らす同伴風、の2つあると考えられ、この2つの対処を同時に行うことにより、更なる効果が期待できるからである。通常、流延位置から減圧チャンバ後壁部までの距離は300mm以上あるが、減圧チャンバ直下に設置するサポートロールと、流延位置直下に設置するサポートロールとが互いに接触することのないように、互いのロール径や配置位置を決定することが好ましい。
また、前述した減圧チャンバ直下のサポートロール位置は、ベルト搬送方向において減圧チャンバの後壁部の中心位置を基準(0mm)とし、ベルト搬送方向を正としたときに、そのサポートロールのベルトラップ位置の中心が+30mm〜−100mmの範囲内にあることがより好ましい。
また、本実施形態の光学フィルムの製造方法は、減圧チャンバ自体の改良の公知技術、具体的には、特許第4400768号に記載の仕切り板や、特開2008−221760号公報に記載の遮風構造物等の従来技術と併用することが可能である。本実施形態の製法(サポートロールによる同伴風の制御)は、減圧チャンバの上流側の同伴風の流入口で作用するものであるため、本実施形態の製法を用いるとともに、その流入口の下流側に従来の改良施策(仕切り板や気流制御用遮風構造物など)を組み入れることにより、それらの効果をより増長させることができる。
さらに、本実施形態の光学フィルムの製造方法においては、支持体(ベルト)の移動速度が80m/分〜200m/分であることが好ましい。これは本発明の課題である厚みムラが製膜の高速化に伴って顕在化してくるため、高速生産の際により効果を発揮するからである。
以下、本実施形態の光学フィルムの製造方法および製造装置について、より具体的に説明する。
〔光学フィルムの製造装置〕
図1は、本実施形態の光学フィルムの製造装置の概略の構成を示す説明図である。この製造装置は、溶液流延法により光学フィルムを製造するものであって、流延装置10、延伸装置20、乾燥装置30、および巻取装置40を有している。
流延装置10は、流延ダイ3、支持体である無端状のベルト6、および剥離ロール8を備える。溶解釜1で原料の樹脂を溶媒に溶解し、必要に応じて、可塑剤、マット剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤等の各種の添加剤を加えて調製し、その樹脂溶液(ドープ)をポンプ2を通じて流延ダイ3から吐出し、移動(走行)するベルト6上に流延してウェブ(流延膜)9を形成する(流延工程)。
ベルト6は一対のドラム5・7で張架されており、上記のドープはドラム5・7間のベルト6上に流延される。このとき、ベルト6の移動方向において流延ダイ3の上流側には減圧チャンバ4が配置されており、減圧チャンバ4によって流延ダイ3の上流側の空間を減圧しながら、ベルト6上にドープを流延している。これにより、ベルト6の移動に伴って発生する同伴風を減圧チャンバ4で吸引、低減して、ベルト6への着地前のドープ(流延リボン)の振動をできるだけ抑えるようにしている。
ベルト6上へのドープの流延によって形成されたウェブ9は、ベルト6の走行によって搬送されるとともに、搬送中に温風の吹き付け等によってベルト6上である程度乾燥される。剥離ロール8は、搬送されてきたウェブ9をベルト6から剥離して延伸装置20に送る。
延伸装置20は、剥離されたウェブ9(樹脂フィルム)を、例えば図示しない搬送ロールなどの各種の搬送手段で搬送しつつ、クリップテンターやピンテンター等を用いて、長手方向(搬送方向(Machine Direction:MD方向))および/または幅手方向(搬送方向と直交する方向(Transverse Direction:TD方向))に延伸する。
乾燥装置30は、延伸された樹脂フィルムを搬送しつつ、所定温度に加温して溶媒を蒸発させる。巻取装置40は、乾燥された樹脂フィルムを光学フィルムFとしてロール状に巻き取る。
なお、本実施形態では、光学フィルムとして、セルローストリアセテート等のセルロースエステル樹脂(以下、単に、セルロースエステルという場合がある)を含む光学フィルム(セルローストリアセテートフィルムまたはセルロースエステルフィルム)が製造される。もっとも、これに限らず、例えば、アクリル樹脂とセルロースエステル樹脂とを含む光学フィルムが製造されてもよい。
(溶解)
流延ダイ3から吐出される樹脂溶液は、例えば、セルローストリアセテート等のセルロースエステル樹脂を、該セルロースエステル樹脂の良溶媒を含む溶媒に、溶解釜1を用いて溶解することにより調製される。樹脂溶液中のセルロースエステル樹脂の含有量は、例えば15〜30質量%であることが好ましい。
セルロースエステル樹脂の溶解には、常圧で行う方法、溶媒の沸点以下で行う方法、溶媒の沸点以上で加圧して行う方法、特開平9−95544号公報、特開平9−95557号公報、特開平9−95538号公報に記載されるように冷却溶解法で行う方法、特開平11−21379号公報に記載されるように高圧で行う方法等、種々の溶解方法を用いることができる。これらのうちでは、溶媒の沸点以上で加圧して行う方法が好ましい。樹脂が溶媒に溶解された後、樹脂溶液は、濾材で濾過され、かつ脱泡される。濾過においては、捕集粒子径が0.5〜5μmで、濾水時間が10〜25sec/100mlの濾材を用いることが好ましい。
(流延ダイ)
樹脂溶液は、例えば加圧型定量ギヤポンプ等の送液用のポンプ2により、流延ダイ3に送られる。流延ダイ3は、吐出口の形状が調整可能なものが好ましい。また、流延ダイ3としては、ウェブ9の膜厚を均一にし易い加圧ダイが好ましい。加圧ダイには、コートハンガーダイやTダイ等があり、いずれも好ましく用いられる。
流延ダイ3の角度に関しては、支持体(ベルト)の表面を0°とした際に、吐出流路となるリップ間隙の角度が45°〜90°の範囲で支持体に対して起立(傾斜)するように設置することが好ましく、55°〜75°の範囲で設置することがさらに好ましい。この範囲を外れると、リップ先端へのメヤニ付着(液だれによる付着)を有効に防止することができたとしても、吐出時にドープがリップ先端に接触して、製品フィルムの表面に流延方向の縦スジが現れてしまい、品質を低下させるおそれがある。
流延ダイ3から樹脂溶液を吐出する吐出速度は、ベルト6によるウェブ9の搬送速度との兼ね合いや生産性等を考慮して、例えば30m/分〜200m/分程度であることが好ましく、80m/分〜200m/分程度であることがより好ましい。
流延ダイ3によるドープの流延幅は、ベルト6の幅を有効活用する観点から、ベルト6の幅に対して80〜99%の幅であることが好ましく、例えば1000mm〜2500mmである。こうすることで、光学フィルムの広幅化に寄与し、保護フィルムや偏光板ひいては液晶表示装置の大型化に寄与し得る。
(ベルト)
ベルト6は、表面が鏡面仕上げされた金属製のベルトである。ベルト6は、ウェブ9の剥離性の観点から、例えばステンレス鋼製が好ましい。ベルト6は、ドラム5・7の回転により、上側走行部および下側走行部がそれぞれ反対方向に水平移動し、上側走行部に流延ダイ3から流延されて支持されているウェブ9を、下側走行部から上側走行部への湾曲移行部の途中まで搬送する。
ベルト6の振動および蛇行を抑制することを目的として、ドラム5・7の間のベルト6を裏面側(内周面側)から支えるサポートロール11が少なくとも1本設置されている。サポートロール11は、ドラム5・7と略平行になるように配置される。サポートロール11は、表面に硬質クロムメッキ等の処理を行った金属ロールでもよいし、金属製のベルト6との摩擦力を上げてスリップを抑制するとともに、金属同士の接触を避けて磨耗粉の発生を少なくするために、表面にゴムライニングや樹脂ライニングが施されていてもよい。本実施形態では、サポートロール11は、減圧チャンバ4に対応して位置する第1サポートロール11aと、流延ダイ3に対応して位置する第2サポートトール11bとを含んでいるが、その詳細については後述する。
ウェブ9は、搬送中にベルト6上である程度まで乾燥される。この乾燥は、一般には、例えば、ベルト6の上方から温風を吹き付けて加温する方法、ベルト6の裏面に温風を吹き付けて加温する方法、ベルト6の上方にヒータを配置して加温する方法、ベルト6の裏面にヒータを配置して加温する方法等によって行われ、必要に応じて適宜選択し、組み合わせることが可能である。
乾燥の際のウェブ9の温度は、溶媒の蒸発に要する時間や搬送速度や生産性等を考慮して、−5〜70℃であることが好ましく、0〜60℃であることがより好ましい。ウェブ9の温度が高すぎると、ウェブ9が発泡したり、ウェブ9の平面性が劣化する傾向がある。
温風を吹き付ける場合、その風圧は、溶媒蒸発の均一性等を考慮して、50〜5000Paであることが好ましい。また、温風の吹き付けは、温風の温度を一定にして行ってもよいし、ベルト6の走行方向に数段階の温度に分けて行ってもよい。温風の温度は、例えば20〜60℃程度であることが好ましい。
ベルト6の上にウェブ9を形成した後、ベルト6からウェブ9を剥離するまでの時間は、作製する光学フィルムの膜厚、使用する溶媒によっても異なるが、ベルト6からの剥離性を考慮して、0.5〜5分間の範囲であることが好ましい。
ベルト6によるウェブ9の搬送速度(つまりベルト6の移動速度)は、光学フィルムの高速生産に寄与し得る観点から、例えば80m/分〜200m/分程度の高速域であることがより好ましい。また、流延ダイ3からの樹脂溶液の吐出速度に対する、ベルト6によるウェブ9の搬送速度の比(ドラフト比)は、0.8〜3.0程度であることが好ましい。ドラフト比がこの範囲内であると、安定してウェブ9を形成することができる。なお、ドラフト比が大きすぎると、ウェブ9が幅手方向に収縮するネックインという現象が発生する傾向があり、そうなると広幅の光学フィルムの製造が困難となる。
(剥離ロール)
剥離ロール8は、ベルト6の表面に加圧された状態で接しており、乾燥されたウェブ9をベルト6から剥離する。この剥離時の剥離張力は、20〜400N/mの範囲であることが好ましい。また、剥離時のウェブ9の残留溶媒量は、ベルト6からの剥離性、剥離後の搬送性、製造される光学フィルムの物理特性等を考慮して、30〜200質量%であることが好ましい。
ここで、残留溶媒量は、次式で定義される。
残留溶媒量(%)={(流延膜の加熱処理前の質量−流延膜の加熱処理後の質量)/流延膜の加熱処理後の質量}×100
なお、残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、115℃で1時間の加熱処理である。
(延伸装置)
延伸装置20は、ベルト6から剥離されたウェブ9である樹脂フィルムの幅手方向の両端部を、クリップテンターやピンテンター等で把持して樹脂フィルムを長手方向(MD方向)および/または幅手方向(TD方向)に延伸する。
樹脂フィルムのTD方向の延伸率は、0〜50%程度であることが好ましい。一般に、延伸率を高くすると、光学フィルムの光学値が不均一になり易い。上記延伸率を0〜50%にすることで、光学フィルムの光学値が不均一になることを抑制でき、光学値が均一で、かつ広幅の光学フィルムを得ることができる。また、光学フィルムの幅が広いと、大型の液晶表示装置への使用、偏光板加工時のフィルムの使用効率、生産効率の点からも好ましい。
ここで、TD方向の延伸率は、次式で定義される。
TD方向の延伸率(%)={(フィルムの所定位置における延伸後の幅手方向の長さ−フィルムの所定位置における延伸前の幅手方向の長さ)/フィルムの所定位置における延伸前の幅手方向の長さ}×100
なお、フィルムの幅手方向の長さは、C型JIS1級の鋼製スケールで測定した値である。
また、MD方向の延伸率は、次式で定義される。
MD方向の延伸率(%)={(延伸後のフィルムの搬送速度−延伸前のフィルムの搬送速度)/延伸前のフィルムの搬送速度}×100
(乾燥装置)
乾燥装置30は、複数の搬送ロールを備え、各搬送ロールによって樹脂フィルムを蛇行状に通過させ、その間に樹脂フィルムを乾燥させる。その際、加熱空気、赤外線等を単独で用いて樹脂フィルムを乾燥させてもよいし、加熱空気と赤外線とを併用して乾燥させてもよい。簡便さの点から、加熱空気を用いることが好ましい。乾燥温度としては、樹脂フィルムの残留溶媒量によって好適温度が異なるが、乾燥時間、収縮ムラ、伸縮量の安定性等を考慮し、30〜180℃の範囲で適宜選択して決めればよい。また、一定の温度で樹脂フィルムを乾燥させてもよいし、数段階(例えば2〜4段階)の温度に分けて乾燥させてもよい。
(巻取装置)
巻取装置40は、延伸装置20で延伸され、乾燥装置30で乾燥させた樹脂フィルムを、光学フィルムFとして必要量の長さで巻き芯に巻き取る。なお、巻き取る際の温度は、巻き取り後の収縮による擦り傷や巻き緩み等を防止するために、室温(例えば20℃)まで冷却することが好ましい。巻き取りに使用する機器は、特に限定なく使用でき、一般的に使用されているものでよく、定テンション法、定トルク法、テーパーテンション法、内部応力一定のプログラムテンションコントロール法等の巻き取り方法で巻き取ることができる。
ここで、巻き取る光学フィルムFの幅は、例えば1000mm〜2500mmであることが好ましい。このような広幅の光学フィルムは、大型の液晶表示装置への使用、偏光板加工時のフィルムの使用効率、生産効率の点から好ましい。また、光学フィルムFの膜厚は、偏光板や液晶表示装置の薄型化(薄膜化)や、フィルムの生産安定化等に寄与し得る観点から、例えば15μm〜60μmであることが好ましい。ここで、膜厚とは、平均膜厚のことであり、例えば東京精密株式会社製の膜厚測定器DH−150や、株式会社ミツトヨ製の接触式膜厚計等を用いて、光学フィルムFの長手方向および幅手方向に20〜200箇所、膜厚を測定し、その測定値の平均値を膜厚として示した値である。
また、光学フィルムFの幅手方向および長手方向の膜厚偏差は、光学フィルムFの良好な平面性が確実に維持されて、光学フィルムFの光学特性がより一層優れるという観点から、0.1μm〜1.5μmであることが好ましい。
〔減圧チャンバおよびサポートロールの詳細について〕
図2は、上記した光学フィルムの製造装置の主要部を拡大して示す説明図である。減圧チャンバ4の後壁部4aとベルト6との間隙tは、0.3〜3mmとなっている。なお、減圧チャンバ4の後壁部4aとは、ベルト6の移動方向において、減圧チャンバ4の最も上流側の端部(後端)に位置する壁部を指す。
上記の間隙tが広すぎると、ベルト6の走行に伴って間隙tに流入する同伴風が増加し、この同伴風が流延リボンを揺らして厚みムラが大きくなる。このため、間隙tは狭いほどよいが、狭すぎると、ベルト6の表面と減圧チャンバ4の表面(後壁部4aの底面)とが接触し合い、ベルト6の表面に傷がついて光学フィルムが良好に得られなくなる(例えば傷の形状がフィルム表面に転写されてしまう)。以上の点から、間隙tが上記範囲内に収まるように減圧チャンバ4を配置するのがよい。
また、本実施形態では、減圧チャンバ4とベルト6との間隙を一定にし、そこから流入する同伴風の強弱ムラを無くすため、ベルト6を介して減圧チャンバ4の後壁部4aの直下またはその近傍に第1サポートロール11aを配置して、後壁部4aの直下またはその近傍でのベルト6の振動を抑えるようにしている。
ここで、ベルト6の移動方向において、減圧チャンバ4の後壁部4aの中心位置を基準(0mm)とし、この基準に対してベルト6の移動方向の下流側に向かう方向を正とし、上流側に向かう方向を負とする。本実施形態では、第1サポートロール11aを、ベルト6の移動方向におけるベルトラップ範囲(ベルト6との接触範囲)R1の中心が後壁部4aの中心位置を基準として+100mm〜−300mmの範囲内となるように位置させている。なお、図2では、第1サポートロール11aのベルトラップ範囲R1の中心が0mmの位置にある、つまり上記基準の位置と合致している場合を示している。
第1サポートロール11aを上記のように配置することにより、高速製膜を行うべく、ベルト6を高速走行させる場合でも、減圧チャンバ4の後壁部4aの直下またはその近傍でのベルト6の振動を抑えて、間隙t(または流路断面積)を一定に保つことが可能となる。これにより、間隙tから流入する同伴風の強弱ムラを十分に抑えることが可能となり、同伴風による流延リボンの振動を抑えて厚みムラ故障を十分に抑えることができる。
同伴風の強弱ムラを抑える効果は、第1サポートロール11aのベルトラップ範囲R1の中心が後壁部4aの位置(直下)に近づくほど高くなるため、ベルトラップ範囲R1の中心が+30mm〜−100mmの範囲内にあれば、厚みムラ故障をより一層抑えることができる。
上記の厚みムラ故障は、製膜の高速化に伴って顕在化してくるため、本実施形態の製法は、高速生産の際により効果を発揮する。すなわち、ベルト6の移動速度が80m/分〜200m/分と高速である場合には、厚みムラを抑える上述した本実施形態の製法が非常に有効となる。
また、本実施形態では、第1サポートロール11aの設置範囲を、後壁部4aの中心位置に対して正の方向(下流側)よりも負の方向(上流側)に広くとっている。その理由は以下の通りである。
図1に示すように、減圧チャンバ4のさらに上流側では、ベルト6からのウェブ9の剥離が行われるが、この剥離に伴うベルト6の振動が減圧チャンバ4の方向に(すなわち上流側から)伝搬してくる。このため、減圧チャンバ4の後壁部4aの中心位置(基準)から上流側に第1サポートロール11aがずれて位置していても、振動を効率よく抑えて、後壁部4aとベルト6との間の間隙面積を安定化させることができる。このため、第1サポートロール11aの設置範囲を負の方向に広くとっている。なお、上記間隙面積を確実に最小でかつ安定化させるためには、後壁部4aの直下に第1サポートロール11aを位置させることが好ましい。
また、本実施形態では、図2に示すように、ベルト6を介して流延ダイ3の直下に他のサポートロールを第2サポートロール11bとして配置している。そして、ベルト6において第2サポートロール11bと接触する範囲(ベルトラップ範囲R2)内に、流延ダイ3から吐出されるドープを着地させている。このようにすることで、流延位置でのベルト6の振動を第2サポートロール11bによって抑えて、流延リボンを着地点で揺らさないようにすることが可能となる。したがって、上記した第1サポートロール11aと合わせて第2サポートロール11bを用いることで、厚みムラ故障の抑制においては一層効果的となる。
〔減圧チャンバの他の構成について〕
図3は、上記した減圧チャンバ4の他の構成を示す説明図である。同図に示すように、減圧チャンバ4内には、仕切り板4bが設けられていてもよい。仕切り板4bは、ウェブ9の幅方向に延びて減圧チャンバ4内を複数の空間S1・S2に分離するとともに、ベルト6との間隙のみを介して複数の空間S1・S2を連通している。なお、減圧チャンバ4内に仕切り板4bを設ける構成は、例えば特許第4400768号でも開示されている。
仕切り板4bを設けない場合は、減圧チャンバ4内での減圧時に、流延リボン付近から吸引口4cに直接向かう風の流れが生じ、これが流延リボンを揺らす原因となる。しかし、ベルト6に対して起立した姿勢で仕切り板4bを設けることで、減圧時には、空間S1内の空気が、仕切り板4bとベルト6との間隙および空間S2を介して、吸引口4cから吸引される。つまり、流延リボン付近から吸引口4cに直接向かう風の流れが生じることがない。その結果、吸引風による流延リボンの振動およびそれに伴う膜厚ムラを低減することができる。つまり、減圧チャンバ4の後壁部4aとベルト6との間隙を最小かつ一定にして同伴風の強弱ムラを低減した上で、仕切り板4bにより流延リボンに吹き込む風の影響を少なくすることが可能となり、膜厚ムラの抑制効果が一層大きくなる。
図4は、減圧チャンバ4のさらに他の構成を示す説明図である。同図に示すように、減圧チャンバ4内には、減圧時の減圧チャンバ4内の気流を制御するための構造物4dが、ウェブ9の幅方向に延びて設けられていてもよい。なお、減圧チャンバ4内に構造物4dを設ける構成は、例えば特開2008−221760号公報でも開示されている。
このように減圧チャンバ4内に構造物4dを配置して、減圧時の減圧チャンバ4内の気流を制御することで、減圧チャンバ4の内部下流側(すなわち流延リボンの近傍)で減圧時に渦流が発生するのを抑えることができる。その結果、渦流によって流延リボンが振動して膜厚ムラが生じるのを低減することが可能となる。したがって、本実施形態の上述した第1サポートロール11aの設置と、減圧チャンバ4内への構造物4dの設置とを併用することによっても、膜厚ムラの抑制効果が一層大きくなる。
なお、減圧チャンバ4内での構造物4dの設置位置は、渦流の発生を抑えることができる位置であればよく、流延リボンの近傍であってもよいし、吸引口4cの直下であってもよいし、その他の位置であってもよい。また、構造物4dの断面形状は、気流を制御できる形状であればよく、三角形であってもよいし、四角形や円形等のその他の形状であってもよい。
〔光学フィルムの材料について〕
本実施形態の溶液流延法による光学フィルムの製造方法においては、フィルム材料として、種々の樹脂を用いることができるが、中でもセルロースエステルが好ましい。
セルロースエステルは、セルロース由来の水酸基がアシル基などで置換されたセルロースエステルである。例えば、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネートブチレートなどのセルロースアシレートや、脂肪族ポリエステルグラフト側鎖を有するセルロースアセテートなどが挙げられる。中でも、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、脂肪族ポリエステルグラフト側鎖を有するセルロースアセテートが好ましい。本発明の効果を阻害しない範囲であれば、その他の置換基が含まれていてもよい。
セルローストリアセテートの例としては、アセチル基の置換度が2.0以上3.0以下であることが好ましい。置換度をこの範囲にすることで、良好な成形性が得られ、かつ所望の面内方向リタデーション(Ro)、及び厚み方向リタデーション(Rt)を得ることができるのである。アセチル基の置換度が、この範囲より低いと、光学フィルムとしての耐湿熱性、特に湿熱下での寸法安定性に劣る場合があり、置換度が大きすぎると、必要なリタデーション特性が発現しなくなる場合がある。
本実施形態に用いられるセルロースエステルの原料のセルロースとしては、特に限定はないが、綿花リンター、木材パルプ、ケナフなどを挙げることができる。また、それらから得られたセルロースエステルは、それぞれ任意の割合で混合使用することができる。
本実施形態において、セルロースエステルの数平均分子量は、得られるフィルムの機械的強度が強い点で、20000〜300000の範囲が好ましく、40000〜200000の範囲がさらに好ましい。
本実施形態において、セルロースエステルには、種々の添加剤を配合することができる。
本実施形態による光学フィルムの製造方法では、セルロースエステルと厚み方向リタデーション(Rt)を低減する添加剤とを含有するドープ組成物を用いることができる。
本実施形態による光学フィルムの製造方法において、上記セルロース誘導体に対して良好な溶解性を有する有機溶媒を良溶媒という。
良溶媒の例としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類、テトラヒドロフラン(THF)、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタンなどのエーテル類、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、γ−ブチロラクトン等のエステル類の他、メチルセロソルブ、ジメチルイミダゾリノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、アセトニトリル、ジメチルスルフォキシド、スルホラン、ニトロエタン、塩化メチレン、アセト酢酸メチルなどが挙げられるが、1,3−ジオキソラン、THF、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸メチル及び塩化メチレンが好ましい。
ドープには、上記有機溶媒の他に、1〜40質量%の炭素原子数1〜4のアルコールを含有させることが好ましい。これらは、ドープを支持体に流延した後、溶媒が蒸発し始めてアルコールの比率が多くなることで、ウェブをゲル化させ、ウェブを丈夫にして、支持体から剥離することを容易にするゲル化溶媒として用いられたり、セルロース誘導体の溶解を促進したりする役割もある。
炭素原子数1〜4のアルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルを挙げることができる。これらのうち、ドープの安定性に優れ、沸点も比較的低く、乾燥性も良く、かつ毒性がないことなどからエタノールが好ましい。これらの有機溶媒は、単独ではセルロース誘導体に対して溶解性を有しておらず、貧溶媒という。
このような条件を満たす好ましい高分子化合物であるセルロース誘導体を高濃度に溶解する溶媒として最も好ましい溶媒は、塩化メチレン:エチルアルコールの比が95:5〜80:20の混合溶媒である。あるいは、酢酸メチル:エチルアルコール60:40〜95:5の混合溶媒も好ましく用いられる。
本実施形態におけるフィルムには、フィルムに加工性・柔軟性・防湿性を付与する可塑剤、フィルムに滑り性を付与する微粒子(マット剤)、紫外線吸収機能を付与する紫外線吸収剤、フィルムの劣化を防止する酸化防止剤等を含有させてもよい。
本実施形態において使用する可塑剤としては、特に限定はないが、フィルムにヘイズを発生させたり、フィルムからブリードアウトあるいは揮発しないように、セルロース誘導体や加水分解重縮合が可能な反応性金属化合物の重縮合物と、水素結合などによって相互作用可能である官能基を有していることが好ましい。
このような官能基としては、水酸基、エーテル基、カルボニル基、エステル基、カルボン酸残基、アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、シアノ基、ニトロ基、スルホニル基、スルホン酸残基、ホスホニル基、ホスホン酸残基等が挙げられるが、好ましくはカルボニル基、エステル基、ホスホニル基である。
このような可塑剤の例として、リン酸エステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、トリメリット酸エステル系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、多価アルコールエステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤、クエン酸エステル系可塑剤、脂肪酸エステル系可塑剤、カルボン酸エステル系可塑剤、ポリエステル系可塑剤などを好ましく用いることができるが、特に好ましくは多価アルコールエステル系可塑剤、グリコレート系可塑剤、多価カルボン酸エステル系可塑剤等の非リン酸エステル系可塑剤である。
多価アルコールエステルは、2価以上の脂肪族多価アルコールとモノカルボン酸のエステルよりなり、分子内に芳香環またはシクロアルキル環を有することが好ましい。
本実施形態に用いられる多価アルコールは、つぎの一般式(3)で表される。
一般式(3):R1−(OH)n
式中、R1はn価の有機基、nは2以上の正の整数を表わす。
好ましい多価アルコールの例としては、例えば以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
好ましい多価アルコールの例としては、アドニトール、アラビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ジブチレングリコール、1,2,4−ブタントリオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ガラクチトール、マンニトール、3−メチルペンタン−1,3,5−トリオール、ピナコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、キシリトール等を挙げることができる。特に、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、キシリトールが好ましい。
本実施形態の多価アルコールエステルに用いられるモノカルボン酸としては、特に制限はなく、公知の脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸等を用いることができる。脂環族モノカルボン酸、芳香族モノカルボン酸を用いると透湿性、保留性を向上させる点で好ましい。
好ましいモノカルボン酸の例としては、以下のようなものを挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
脂肪族モノカルボン酸としては、炭素数1〜32の直鎖または側鎖を有する脂肪酸を好ましく用いることができる。炭素数は1〜20であることがさらに好ましく、1〜10であることが特に好ましい。酢酸を含有させると、セルロース誘導体との相溶性が増すため好ましく、酢酸と他のモノカルボン酸を混合して用いることも好ましい。
好ましい脂肪族モノカルボン酸の例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、2−エチル−ヘキサンカルボン酸、ウンデシル酸、ラウリン酸、トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等の飽和脂肪酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、ソルビン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸等の不飽和脂肪酸等を挙げることができる。
好ましい脂環族モノカルボン酸の例としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロオクタンカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができる。
好ましい芳香族モノカルボン酸の例としては、安息香酸、トルイル酸等の安息香酸のベンゼン環にアルキル基を導入したもの、ビフェニルカルボン酸、ナフタリンカルボン酸、テトラリンカルボン酸等のベンゼン環を2個以上有する芳香族モノカルボン酸、またはそれらの誘導体を挙げることができるが、特に安息香酸が好ましい。
多価アルコールエステルの分子量は、特に制限はないが、300〜1500であることが好ましく、350〜750であることがさらに好ましい。分子量が大きい方が揮発し難くなるため好ましく、透湿性、セルロース誘導体との相溶性の点では、分子量が小さい方が好ましい。
多価アルコールエステルに用いられるカルボン酸は1種類でもよいし、2種以上の混合であってもよい。また、多価アルコール中のOH基は、全てエステル化してもよいし、一部をOH基のままで残してもよい。
グリコレート系可塑剤は、特に限定されないが、分子内に芳香環またはシクロアルキル環を有するグリコレート系可塑剤を、好ましく用いることができる。好ましいグリコレート系可塑剤としては、例えばブチルフタリルブチルグリコレート、エチルフタリルエチルグリコレート、メチルフタリルエチルグリコレート等を用いることができる。
リン酸エステル系可塑剤では、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジフェニルビフェニルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブチルホスフェート等、フタル酸エステル系可塑剤では、ジエチルフタレート、ジメトキシエチルフタレート、ジメチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート等を用いることができるが、本実施形態では、リン酸エステル系可塑剤を実質的に含有しないことが好ましい。
ここで、「実質的に含有しない」とは、リン酸エステル系可塑剤の含有量が1質量%未満、好ましくは0.1質量%であり、特に好ましいのは添加していないことである。
これらの可塑剤は、単独あるいは2種以上混合して用いることができる。
可塑剤の使用量は、1〜20質量%が好ましく、6〜16質量%がさらに好ましく、特に好ましくは8〜13質量%である。可塑剤の使用量が、セルロース誘導体に対して1質量%未満では、フィルムの透湿度を低減させる効果が少ないため、好ましくなく、20質量%を越えると、フィルムから可塑剤がブリードアウトし、フィルムの物性が劣化するため、好ましくない。
本実施形態におけるセルロース誘導体には、滑り性を付与するために、マット剤等の微粒子を添加するのが好ましい。微粒子としては、無機化合物の微粒子または有機化合物の微粒子が挙げられる。
無機化合物の微粒子の例としては、二酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化錫等の微粒子が挙げられる。この中では、ケイ素原子を含有する化合物の微粒子であることが好ましく、特に二酸化ケイ素微粒子が好ましい。二酸化ケイ素微粒子としては、例えば日本アエロジル株式会社製のアエロジル200、200V、300、972、972V、974、202、812,805、OX50、TT600などが挙げられる。
有機化合物の微粒子の例としては、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フッ素化合物樹脂、ウレタン樹脂等の微粒子が挙げられる。
微粒子の1次粒径は、特に限定されないが、最終的にフィルム中での平均粒径は、0.05〜5.0μm程度が好ましく、0.1〜1.0μmがさらに好ましい。
微粒子の平均粒径は、セルロースエステルフィルムを電子顕微鏡や光学顕微鏡で観察した際に、フィルムの観察場所における、粒子の長軸方向の長さの平均値を指す。フィルム中で観察される粒子であれば、1次粒子であっても、1次粒子が凝集した2次粒子であってもよいが、通常観察される多くは2次粒子である。
測定方法の一例としては、1つのフィルムにつき、ランダムに10箇所の垂直断面写真を撮影し、各断面写真について、長軸長さが、0.05〜5μmの範囲にある100μm2中の粒子個数をカウントする。このときカウントした粒子の長軸長さの平均値を求め、10箇所の平均値を平均した値を平均粒径とする。
微粒子の場合は、1次粒径、溶媒に分散した後の粒径、フィルムに添加された粒径が変化する場合が多く、重要なのは、最終的にフィルム中で微粒子がセルロースエステルと複合し凝集して形成される粒径をコントロールすることである。
ここで、微粒子の平均粒径が、5μmを超えた場合は、ヘイズの劣化等が見られたり、異物として巻状態での故障を発生する原因にもなる。また、微粒子の平均粒径が、0.05μm未満の場合は、フィルムに滑り性を付与するのが難しくなる。
上記の微粒子は、セルロースエステルに対して、0.04〜0.8質量%添加して使用される。好ましくは、0.05〜0.5質量%、さらに好ましくは0.05〜0.35質量%添加して使用される。微粒子の添加量が0.04質量%未満では、フィルム表面粗さが平滑になりすぎて、摩擦係数の上昇によりブロッキングを発生する。微粒子の添加量が0.8質量%を超えると、フィルム表面の摩擦係数が下がりすぎて、巻き取り時に巻きズレが発生したり、フィルムの透明度が低く、ヘイズが高くなるため、液晶表示装置用フィルムとしての価値を持たなくなるので、上記の範囲が必須である。
微粒子の分散は、微粒子と溶媒を混合した組成物を高圧分散装置で処理することが好ましい。高圧分散装置とは、微粒子と溶媒を混合した組成物を、細管中に高速通過させることで、高剪断や高圧状態など特殊な条件を作りだす装置である。
高圧分散装置で処理することにより、例えば、管径1〜2000μmの細管中で装置内部の最大圧力条件が980N/cm2以上であることが好ましい。さらに好ましくは、装置内部の最大圧力条件が1960N/cm2以上である。またその際、最高到達速度が100m/sec以上に達するもの、伝熱速度が100kcal/hr以上に達するものが、好ましい。
上記のような高圧分散装置としては、例えばMicrofluidics Corporation社製の超高圧ホモジナイザー(商品名、マイクロフルイダイザー)あるいはナノマイザー社製ナノマイザーが挙げられ、他にもマントンゴーリン型高圧分散装置、例えばイズミフードマシナリ製ホモゲナイザーなどが挙げられる。
本実施形態において、低級アルコール類を25〜100質量%含有する溶媒中で微粒子を分散した後、セルロースエステル(セルロース誘導体)を溶媒に溶解したドープと混合し、該混合液を支持体上に流延し、乾燥してセルロースエステルフィルムを製膜する。
ここで、低級アルコールの含有比率としては、好ましくは25〜100質量%、さらに好ましくは50〜100質量%である。
また、低級アルコール類の例としては、好ましくはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等が挙げられる。
低級アルコール以外の溶媒としては、特に限定されないが、セルロースエステルの製膜時に用いられる溶媒を用いることが好ましい。
微粒子は、溶媒中で1〜30質量%の濃度で分散される。これ以上の濃度で分散すると、粘度が急激に上昇し、好ましくない。分散液中の微粒子の濃度は、好ましくは、5〜25質量%、さらに好ましくは、10〜20質量%である。
フィルムの紫外線吸収機能は、液晶の劣化防止の観点から、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、光学補償フィルムなどの各種光学フィルムに付与されていることが好ましい。このような紫外線吸収機能は、紫外線を吸収する材料をセルロース誘導体中に含ませても良く、セルロース誘導体からなるフィルム上に紫外線吸収機能のある層を設けてもよい。
本実施形態において、使用し得る紫外線吸収剤としては、例えば、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等を挙げることができるが、着色の少ないベンゾトリアゾール系化合物が好ましい。また、特開平10−182621号公報、特開平8−337574号公報に記載の紫外線吸収剤、特開平6−148430号公報に記載の高分子紫外線吸収剤も好ましく用いられる。
紫外線吸収剤としては、偏光子や液晶の劣化防止の観点から、波長370nm以下の紫外線の吸収能に優れており、かつ液晶表示性の観点から、波長400nm以上の可視光の吸収が少ないものが好ましい。
本実施形態において、有用な紫外線吸収剤の具体例としては、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−(3″,4″,5″,6″−テトラヒドロフタルイミドメチル)−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2−メチレンビス(4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール、オクチル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートと2−エチルヘキシル−3−〔3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェニル〕プロピオネートの混合物等を挙げることができるが、これらに限定されない。
また、紫外線吸収剤の市販品として、チヌビン109、チヌビン171、チヌビン326(いずれもBASFジャパン社から商業的に入手し得る)を、好ましく使用できる。
また、本実施形態において使用し得る紫外線吸収剤であるベンゾフェノン系化合物の具体例として、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、ビス(2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイルフェニルメタン)等を挙げることができるが、これらに限定されない。
本実施形態において、これらの紫外線吸収剤の配合量は、セルロースエステル(セルロース誘導体)に対して、0.01〜10質量%の範囲が好ましく、さらに0.1〜5質量%が好ましい。紫外線吸収剤の使用量が少なすぎると、紫外線吸収効果が不充分の場合があり、紫外線吸収剤の使用量が多すぎると、フィルムの透明性が劣化する場合があるので、好ましくない。紫外線吸収剤は熱安定性の高いものが好ましい。
また、本実施形態の光学フィルムに用いることのできる紫外線吸収剤としては、特開平6−148430号公報及び特開2002−47357号公報に記載の高分子紫外線吸収剤(または紫外線吸収性ポリマー)を好ましく用いることができる。とりわけ特開平6−148430号公報に記載の一般式(1)、あるいは一般式(2)、あるいは特開2002−47357号公報に記載の一般式(3)(6)(7)で表される高分子紫外線吸収剤が、好ましく用いられる。
酸化防止剤は、一般に、劣化防止剤ともいわれるが、光学フィルムとしてのセルロースエステルフィルム中に含有させるのが好ましい。すなわち、液晶画像表示装置などが高湿高温の状態に置かれた場合には、光学フィルムとしてのセルロースエステルフィルムの劣化が起こる場合がある。酸化防止剤は、例えばフィルム中の残留溶媒中のハロゲンやリン酸系可塑剤のリン酸などによりフィルムが分解するのを遅らせたり、防いだりする役割を有するので、フィルム中に含有させるのが好ましい。
このような酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物が好ましく用いられ、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサンジオール−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、2,4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、2,2−チオ−ジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ−ヒドロシンナマミド)、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、トリス−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−イソシアヌレイト等を挙げることができる。特に、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコール−ビス〔3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕が好ましい。また例えば、N,N′−ビス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル〕ヒドラジン等のヒドラジン系の金属不活性剤やトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系加工安定剤を併用してもよい。
これらの化合物の添加量は、セルロース誘導体に対して質量割合で1ppm〜1.0質量%が好ましく、10〜1000ppmがさらに好ましい。
本実施形態において、最終的に製造された光学フィルムとしてのセルロースエステルフィルムは、含水率としては0.1〜5%が好ましく、0.3〜4%がより好ましく、0.5〜2%であることがさらに好ましい。
本実施形態において、最終的に製造された光学フィルムとしてのセルロースエステルフィルムは、透過率が88%以上であることが望ましく、さらに好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは92%以上である。
本発明が対象とする光学フィルムは、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ等の各種ディスプレイ、特に液晶ディスプレイに用いられる機能フィルムのことであり、偏光板保護フィルム、位相差フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム、視野角拡大等の光学補償フィルムを含むものである。
本実施形態に係る光学フィルムは、上記のような物性を満たしていれば、大型の液晶表示装置や屋外用途の液晶表示装置用の偏光板用保護フィルムとして特に好ましく用いることができる。
〔偏光板〕
本実施形態に係る光学フィルムを偏光板用の透明保護フィルムとして用いる場合、偏光板は一般的な方法で作製することができる。本実施形態に係る光学フィルムの裏面側に粘着層を設け、沃素溶液中に浸漬延伸して作製した偏光子の少なくとも一方の面に貼り合わせることが好ましい。
本実施形態に係る偏光板は、偏光子と、前記偏光子の表面上に配置された透明保護フィルムとを備え、前記透明保護フィルムが、前記光学フィルムである。前記偏光子とは、入射光を偏光に変えて射出する光学素子である。
前記偏光板としては、例えば、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素溶液中に浸漬して延伸することによって作製される偏光子の少なくとも一方の表面に、完全ケン化型ポリビニルアルコール水溶液を用いて、前記光学フィルムを貼り合わせたものが好ましい。また、前記偏光子のもう一方の表面にも、前記光学フィルムを積層させてもよいし、別の偏光板用透明保護フィルムを積層させてもよい。この別の偏光板用透明保護フィルムとしては、例えば、市販のセルロースエステルフィルムとして、KC8UX2M、KC4UX、KC5UX、KC4UY、KC8UY、KC12UR、KC8UY−HA、KC8UX−RHA(以上、コニカミノルタオプト株式会社製)等が好ましく用いられる。あるいは、セルロースエステルフィルム以外の環状オレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート等の樹脂フィルムを用いてもよい。この場合は、ケン化適性が低いため、適当な接着層を介して偏光板に接着加工することが好ましい。
前記偏光板は、上述のように、偏光子の少なくとも一方の表面側に積層する保護フィルムとして、前記光学フィルムを使用したものである。その際、前記光学フィルムが位相差フィルムとして働く場合、光学フィルムの遅相軸が偏光子の吸収軸に実質的に平行または直交するように配置されていることが好ましい。
また、前記偏光子の具体例としては、例えば、ポリビニルアルコール系偏光フィルムが挙げられる。ポリビニルアルコール系偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと二色性染料を染色させたものとがある。前記ポリビニルアルコール系フィルムとしては、エチレンで変性された変性ポリビニルアルコール系フィルムが好ましく用いられる。
前記偏光子は、例えば、以下のようにして得られる。まず、ポリビニルアルコール水溶液を用いて製膜する。得られたポリビニルアルコール系フィルムを一軸延伸させた後染色するか、染色した後一軸延伸する。そして、好ましくはホウ素化合物で耐久性処理を施す。
前記偏光子の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、5〜30μmであることがより好ましく、5〜20μmであることがより好ましい。
該偏光子の表面上に、セルロースエステル系樹脂フィルムを貼り合わせる場合、完全ケン化ポリビニルアルコール等を主成分とする水系の接着剤によって貼り合わせることが好ましい。また、セルロースエステル系樹脂フィルム以外の樹脂フィルムの場合は、適当な粘着層を介して偏光板に接着加工することが好ましい。
本実施形態の光学フィルムは、同伴風の強弱ムラによる膜厚ムラが抑制されて製造されたものであり、横段の発生が抑制され、良好な平面性を有し、光学特性に優れている。よって、このような光学フィルムを偏光板の透明保護フィルムに適用することにより、高品質な偏光板を実現できる。
<液晶表示装置>
本実施形態に係る光学フィルムを液晶偏光板用保護フィルムとして貼合した偏光板を液晶表示装置に組み込むことによって、種々の視認性に優れた液晶表示装置を作製することができる。特に、上記の偏光板は、大型の液晶表示装置やデジタルサイネージ等の屋外用途の液晶表示装置に好ましく用いられる。本実施形態に係る偏光板は、粘着層等を介して液晶セルに貼合される。
本実施形態に係る偏光板は、反射型、透過型、半透過型LCDまたはTN型、STN型、OCB型、HAN型、VA型(PVA型、MVA型)、IPS型(FFS方式も含む)等の各種駆動方式のLCDで好ましく用いられる。特に画面が30型以上、特に30型〜54型の大画面の表示装置では、画面周辺部での白抜け等もなく、その効果が長期間維持される。また、色ムラ、ギラツキや波打ちムラが少なく、長時間の鑑賞でも目が疲れないという効果もある。
〔実施例〕
以下、本実施形態の実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<実施例1>
(ドープの調製)
下記の材料を密閉容器に投入し、加熱し、撹拌しながら、完全に溶解し、濾過して、ドープを調製した。
〈ドープ組成〉
セルローストリアセテート(アセチル置換度2.88) 100重量部
トリフェニルホスフェート 8重量部
エチルフタリルエチルグリコレート 2重量部
チヌビン326 1重量部
AEROSIL 200V 0.1重量部
メチレンクロライド 418重量部
エタノール 23重量部
(セルロースエステルフィルムの製造)
次に、図1で示した光学フィルムの製造装置を用い、光学フィルムとしてのセルロースエステルフィルムを製造した。上記のドープを流延するベルト6としては、SUS316製、走査型原子間力顕微鏡(AFM)による3次元表面粗さ(Ra)が平均1.0nmの、超鏡面に研磨したエンドレスベルトを用いた。
続いて、上記のように濾過したドープを、ドープ温度30℃で、温度25℃のベルト6上にコートハンガーダイよりなる流延ダイ3により均一に流延し、ベルト6上にウェブ9を形成した。このとき、ベルト6の裏面側には、ベルト6を支えるサポートロール11を複数本設置し、それらのうちの1本(第1サポートロール11a)を、流延ダイ3の上流側に設置された減圧チャンバ4の直下に配置した。その際に、ベルト6の移動方向において、減圧チャンバ4の後端部4aの中心位置を基準(0mm)とし、ベルト移動方向を正としたときに、第1サポートロール11aのベルトラップ範囲R1の中心が上記基準から−200mmの位置になるように第1サポートロール11aを設置した。また、ベルト6の移動速度は100m/分とし、減圧チャンバ4の減圧度は−500Paとした。
こうして、ベルト6上に形成されたウェブ9を、ベルト6上で搬送しながら温度40℃で一定とした乾燥風により乾燥した後、剥離ロール8によってベルト6から剥離した。その後、延伸装置20により、残留溶媒量10%のとき100℃の雰囲気内で幅方向に1.1倍延伸した後、幅保持を解放して、ロール搬送しながら、125℃の乾燥装置30で乾燥を終了させ、巻取装置40により巻き取った。得られたセルローストリアセテートフィルム(光学フィルムF)の膜厚は40μmであり、フィルム幅は2000mmであり、フィルムの巻取り長は3000mであった。
<実施例2>
実施例2では、ベルトラップ範囲R1の中心が上記基準から−280mmの位置になるように第1サポートロール11aを設置して光学フィルムを製造した。それ以外は、実施例1と同様である。
<実施例3>
実施例3では、ベルトラップ範囲R1の中心が上記基準から−120mmの位置になるように第1サポートロール11aを設置して光学フィルムを製造した。それ以外は、実施例1と同様である。
<実施例4>
実施例4では、ベルトラップ範囲R1の中心が上記基準から−80mmの位置になるように第1サポートロール11aを設置して光学フィルムを製造した。それ以外は、実施例1と同様である。
<実施例5>
実施例5では、ベルトラップ範囲R1の中心が上記基準から−50mmの位置になるように第1サポートロール11aを設置して光学フィルムを製造した。それ以外は、実施例1と同様である。
<実施例6>
実施例6では、ベルトラップ範囲R1の中心が上記基準から20mmの位置になるように第1サポートロール11aを設置して光学フィルムを製造した。それ以外は、実施例1と同様である。
<実施例7>
実施例7では、ベルトラップ範囲R1の中心が上記基準から50mmの位置になるように第1サポートロール11aを設置して光学フィルムを製造した。それ以外は、実施例1と同様である。
<実施例8>
実施例8では、ベルトラップ範囲R1の中心が上記基準から80mmの位置になるように第1サポートロール11aを設置して光学フィルムを製造した。それ以外は、実施例1と同様である。
<比較例1>
比較例1では、ベルトラップ範囲R1の中心が上記基準から−320mmの位置になるように第1サポートロール11aを設置して光学フィルムを製造した。それ以外は、実施例1と同様である。
<比較例2>
比較例2では、ベルトラップ範囲R1の中心が上記基準から120mmの位置になるように第1サポートロール11aを設置して光学フィルムを製造した。それ以外は、実施例1と同様である。
(評価方法)
〈横段評価〉
製造された光学フィルムに幅手方向に延びる横段(光学フィルムの長手方向の膜厚ムラ)が発生しているか否かを目視で観察し、下記の基準で評価した。その結果を表1に示す。
〈評価基準〉
A:横段を確認できない。
B:横段を確認でき、そのピッチが3mm未満である。
C:横段を確認でき、そのピッチが3mm以上である。
Figure 2014223758
表1より、実施例1〜8では、横段ムラの評価結果がAまたはBであり、製造される光学フィルムの膜厚ムラ(横段ムラ)が低減できていることがわかる。これは、実施例1〜8では、ベルトラップ範囲R1の中心が上記基準から+80mm〜−280mmの範囲内となるように第1サポートロール11aを位置させていることで、ベルト6を高速走行させた場合でも、減圧チャンバ4の後壁部4aの直下またはその近傍でのベルト6の振動が第1サポートロール11aによって抑えられ、これによって、後壁部4aとベルト6との間隙が一定となって上記間隙から流入する同伴風の強弱ムラが抑えられ、同伴風による流延リボンの振動が抑えられているためと考えられる。特に、実施例4〜6では、横段ムラの評価結果がAとなっているが、これは、ベルト6の移動方向において第1サポートロール11aが減圧チャンバ4の後壁部4aの直下に近づくことで、ベルト6の振動を抑えて同伴風の強弱ムラを抑える効果が高くなり、流延リボンの振動を抑える効果が高くなっているためと考えられる。
これに対して、比較例1〜2では、横段ムラの評価結果がCとなっている。比較例1〜2では、ベルトラップ範囲R1の中心が上記基準の位置から離れすぎているため、ベルト6を高速走行させた場合に、減圧チャンバ4の後壁部4aの直下またはその近傍でのベルト6の振動を第1サポートロール11aによって効率よく抑えることができず、その結果、同伴風の強弱ムラによって流延リボンの振動が起きているためと考えられる。
なお、実施例8(第1サポートロール位置:80mm)と比較例2(第1サポートロール位置:120mm)との間、および実施例2(第1サポートロール位置:−280mm)と比較例1(第1サポートロール位置:−320mm)との間が、横段の発生を抑えることができる第1サポートロール位置の境界とそれぞれ考えられる。したがって、ベルトラップ範囲R1の中心が上記基準から+100mm〜−300mmの範囲内となるように第1サポートロール11aを位置させれば、横段の発生を抑えることができると考えられる。
また、実施例6(第1サポートロール位置:20mm)と実施例7(第1サポートロール位置:50mm)との間、および実施例4(第1サポートロール位置:−80mm)と実施例3(第1サポートロール位置:−120mm)との間が、横段の評価結果Aが得られる第1サポートロール位置の境界とそれぞれ考えられる。したがって、ベルトラップ範囲R1の中心が上記基準から+30mm〜−100mmの範囲内となるように第1サポートロール11aを位置させれば、横段の発生をより抑えることができると考えられる。
<実施例9>
実施例9では、図2に示すように、ベルト6を介して流延ダイ3の直下に第2サポートロール12aをさらに配置し、第2サポートロール11bのベルトラップ範囲R2内のベルト6上に、流延ダイ3から吐出されるドープを着地させて光学フィルムを製造した。それ以外は、実施例1と同様である。
<実施例10>
実施例10では、図3に示すように、減圧チャンバ4内に仕切り板4bを配置して減圧を行いながら光学フィルムを製造した。それ以外は、実施例1と同様である。
<実施例11>
実施例11では、図4に示すように、減圧チャンバ4内に構造物4dを配置して減圧を行いながら光学フィルムを製造した。それ以外は、実施例1と同様である。
実施例1、9〜11についての横段の評価結果を表2に示す。
Figure 2014223758
表2より、実施例9〜11では、実施例1に比べて、横段の評価結果が1ランク上がってAとなっている。したがって、第1サポートロール11aに加えて、第2サポートロール11b、仕切り板4b、構造物4dのいずれかを併せて配置することにより、横段の発生をより抑えることができると言える。
なお、以上では、液晶表示装置(LCD,液晶ディスプレイ)に用いられる偏光板用保護フィルムとしての光学フィルムの製造方法について説明したが、上述した製造方法は、液晶表示装置に用いられる位相差フィルム、視野角拡大フィルム、プラズマディスプレイに用いられる反射防止フィルムなどの各種機能フィルムの製造にも適用することができる。
本発明は、例えば液晶表示装置に用いられる偏光板用保護フィルム、位相差フィルム、視野角拡大フィルム、プラズマディスプレイに用いられる反射防止フィルムなどの各種機能フィルムの製造に利用可能である。
3 流延ダイ
4 減圧チャンバ
4a 後壁部
4b 仕切り板
4d 構造物
5 ドラム
6 ベルト(支持体)
7 ドラム
9 ウェブ(流延膜)
11 サポートロール
11a 第1サポートロール
11b 第2サポートロール
F 光学フィルム

Claims (6)

  1. 移動する支持体上に流延ダイからドープを流延し、流延膜を前記支持体から剥離する溶液流延法によって光学フィルムを製膜する光学フィルムの製造方法であって、
    前記支持体は、2つのドラムで張架されるベルトであり、
    前記ドープは、前記2つのドラムの間の前記ベルト上に流延され、
    前記流延ダイに対して前記ベルトの移動方向の上流側に、前記ベルトとの間隙が0.3〜3mmとなるように減圧チャンバを配置し、
    前記ベルトを内周面側から支持するように少なくとも1本のサポートロールを配置し、
    前記ベルトの移動方向において、前記減圧チャンバの上流側の後壁部の中心位置を基準とし、前記基準に対して前記ベルトの移動方向の下流側に向かう方向を正とし、上流側に向かう方向を負としたとき、
    前記サポートロールの一つを第1サポートロールとして、前記ベルトの移動方向における前記ベルトとの接触範囲の中心が前記後壁部の中心位置を基準として+100mm〜−300mmの範囲内となるように位置させることを特徴とする光学フィルムの製造方法。
  2. 前記ベルトを介して前記流延ダイの直下に他のサポートロールを第2サポートロールとして配置し、前記ベルトにおいて前記第2サポートロールと接触する範囲内に、前記流延ダイから吐出されるドープを着地させることを特徴とする請求項1に記載の光学フィルムの製造方法。
  3. 前記第1サポートロールを、前記ベルトの移動方向における前記ベルトとの接触範囲の中心が前記後壁部の中心位置を基準として+30mm〜−100mmの範囲内となるように位置させることを特徴とする請求項1または2に記載の光学フィルムの製造方法。
  4. 前記減圧チャンバ内には、前記流延膜の幅方向に延びて該減圧チャンバ内を複数の空間に分離するとともに、前記ベルトとの間隙のみを介して前記複数の空間を連通する仕切り板が設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
  5. 前記減圧チャンバ内には、減圧時の該減圧チャンバ内の気流を制御するための構造物が前記流延膜の幅方向に延びて設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
  6. 前記ベルトの移動速度は、80m/分〜200m/分であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光学フィルムの製造方法。
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