JP2014220262A - リソグラフィ装置、リソグラフィ方法、及びデバイスの製造方法 - Google Patents

リソグラフィ装置、リソグラフィ方法、及びデバイスの製造方法 Download PDF

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渉 山口
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Koichi Chitoku
孝一 千徳
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Satoru Oishi
哲 大石
敏彦 西田
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敏彦 西田
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Takeshi Tsuchiya
剛 土屋
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Abstract

【課題】 高精度に、ビームと基板との位置合わせ及び各層の重ね合わせをすることが可能なリソグラフィ装置を提供すること。
【解決手段】 本発明に係るリソグラフィ装置は、基板の表面にビームを照射するための光学系と、ビームが照射される位置を制御する制御部と、基板上に形成されているマークの位置を計測するための第1の計測部及び第2の計測部を有する。第2の計測部は第1の計測部よりも、光学系の光軸に近い位置に配置されている。制御部は、第1の計測部を用いた位置計測値と、第2の計測部を用いたビームの照射前後における同一のマーク又は隣接するショット領域を共有しているマークに対する位置計測値とに基づいて、基板に照射されるビームの位置を制御する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、基板に対してビームを照射するリソグラフィ装置、該リソグラフィ装置によるリソグラフィ方法、及びデバイスの製造方法に関する。
近年、半導体集積回路の高集積化や微細化により、基板上に形成されるパターンの線幅は非常に狭くなってきている。これに伴って、リソグラフィ工程で形成するパターンの、更なる微細化が要求されている。
ビーム(例えば、KrFやEUV等の光線、電子線やイオンビーム等の荷電粒子線を含む)を用いたリソグラフィ装置では、基板上にビームを集束させ、そのビームの照射される位置を制御することにより、基板上に所望のパターンを転写する。このため、パターンの微細化の要求を満たすためには、いかに精度良く基板とビームの相対位置を合わせることができるかが重要となる。
しかしながら、リソグラフィ工程に伴う熱の影響により、基板の歪みや変形が生じることが知られている。これに伴い、基板とビームの相対位置にずれが生じ、位置合わせの精度が低下する。さらに、位置合わせの精度が低下すると、各層のパターンを重ね合わせる精度が悪化するという問題もある。
従来、グローバル・アライメント方式による位置合わせが行われている。グローバル・アライメント方式とは、新しい層のパターン形成に先だって基板上のショット領域付近に形成されているアライメントマークの位置を検出して、ショット領域の配列(以下、格子配列と称す)を求めることで位置合わせをする方法である。
しかし、基板の熱歪みや熱変形は、パターンを形成している最中にも、徐々に進行するものである。そのため、近年のパターンサイズの要求が厳しくなってきていることを鑑みると、一つの層のパターン形成中にも随時位置合わせをする技術が必要とされている。
そこで、特許文献1には、ビームの照射前後において相当離れた2つの位置にあるマークを電子線で検出することにより、基板の熱膨張に起因するパターン像の回転や倍率の変動を計測する技術が記載されている。
特開2000−228351号公報
しかし、特許文献1に記載の技術では、基板の一端にあるマークの位置が一定時間ビームを照射している間にずれていくことを考慮していない。そのため、ビームの照射前後で計測される相当離れた2つの異なるマークの位置に基づいて位置合わせを行っても、位置合わせの精度に課題がある。
そこで、本発明は上記の課題を鑑みてなされたものであり、高精度に、ビームと基板の位置合わせ及び各層の重ね合わせをすることが可能なリソグラフィ装置を提供することを目的とする。
本発明のリソグラフィ装置は、基板の表面にビームを照射する光学系と、前記基板上に形成されているマークの位置を計測するための、第1の計測部及び前記第1の計測部よりも前記光学系の光軸に近い位置に配置されている第2の計測部と、前記第1の計測部を用いた位置計測値、及び前記第2の計測部を用いた前記ビームの照射前後における複数の位置計測値に基づいて、前記基板の表面に照射される前記ビームの位置を制御する制御部とを有し、前記複数の位置計測値は、同一のマーク又は隣接するショット領域を共有しているマークに対する値であることを特徴とする。
本発明によれば、リソグラフィ工程に伴う熱に起因する基板の歪みや変形を高精度に計測し、基板に対するビームの位置のずれを精度良く補正することが可能となる。
熱に起因する重ね合わせの精度の低下を説明する図 第1の実施形態における電子線描画装置の構成を示す図 アライメントマーク及び位置補正用マークについて説明する図 αだけ傾いた、アライメントマーク及び位置補正用マークについて説明する図 実施形態1における、電子線と基板の相対位置の補正処理を説明するためのフローチャート 電子線の照射エネルギーと基板の変形量の関係を示す図 第2の実施形態における、1つのカラムに複数の位置補正用センサを有する電子線描画装置の構成を示す図 第3の実施形態における、ステップアンドスキャン動作を示す図 実施形態1における、電子線と基板の相対位置の補正処理を説明するためのフローチャート 第4の実施形態における、複数のカラムを有する電子線描画装置の構成を示す図
本発明のリソグラフィ装置の実施形態を説明する前に、熱に起因するパターンの重ね合わせ精度の悪化について図1を用いて詳述する。
図1では、第1層のパターンを四角形で、第2層のパターンを三角形で表現している。図1(A)は第1層のパターン101及び102が正しく形成された状態であり、図1(B)では第2層のパターン103及び104が正しく形成され、第1層のパターンに対する相対的な位置のずれが無い状態を示す。
一方、図1(C)は、第1層のパターン101及び102を形成して第2層のパターン103を形成した状態を示す。パターン103を形成した際に基板の熱に起因して、パターン102に歪みが生じている。このまま、ビームと基板との位置合わせを行わずに予定通りに第2層のパターン104を形成すると、図1(D)のようにパターン102と104に重ね合わせ誤差が生じてしまう。
そこで、図1(D)に示すような熱歪みや熱変形に起因する重ね合わせ誤差が生じないようにするため、パターンの102の歪みを考慮してパターン104を形成する位置を補正する必要がある。例えば図1(C)の段階で、パターン102の位置を計測等で把握しておけば、ビームと基板との相対位置を調整して図1(E)に示すようにパターン104を形成でき、重ね合わせの誤差を防ぐことができる。
このように、ある層を形成している間に熱歪みや熱変形の影響が懸念される場合は、一層分のビームの照射中にパターンの位置を高精度に計測して、随時補正を行っていくことが必要となる。以下に、2種類のマークの位置計測センサを用いてこれを実現するリソグラフィ装置の例を説明する。
本発明に係るリソグラフィ装置の実施形態として、電子線をビームとして用いてパターンを描画する電子線描画装置を例に挙げて説明をする。ただし、本発明のリソグラフィ装置は必ずしもこれに限定されるものではなく、前述のその他のビームを用いてパターンを露光するリソグラフィ装置にも適用できるものである。
(第1の実施形態)
まず第1の実施形態として、ステージを往復運動させて基板と電子線の相対位置を変化させながら、1本の電子線を用いて描画する場合について説明する。
図2は、本発明の電子線描画装置1の構成を示す図である。電子線描画装置1は、大別して、電子源2、電子光学系3、基板4、ステージ6、干渉計10、アライメントセンサ12、位置補正用センサ14、フォーカスセンサ15、真空チャンバー18から構成されている。
電子源2は電子線を放出し、放出された電子線は電子光学系3を介して基板4の表面に照射される。電子光学系3は、電子光学系3aと偏向器3bから構成される。電子源2及び電子光学系3は、電子光学系制御部5によって制御される。
電子光学系制御部5は、電子光学系3aに電子線を集束させたり、集束された電子線を偏向器3bによって偏向させたりすることで、基板4の表面に照射される電子線の位置を制御する。
また、電子源のON/OFFだけでなく、偏向器3bによる偏向の度合いを大きくして金属などで電子線を遮蔽すれば、基板4への照射のON/OFFを高速に制御することも可能となる。そのため、電子光学系制御部5は、電子源2や偏向器3bを制御することで照射のタイミングを制御することを可能とする。
ステージ6は、Xステージ6a、Yステージ6b、及び不図示のZステージから構成されている。基板4はステージ6により保持され、Xステージ6aによってX軸方向に、Yステージ6bによってY軸方向に、そしてZステージによってZ軸方向に移動する。後述のステージ位置検出部11や計測系制御部13から送られてくる基板の位置情報に基づいて、ステージ制御部7が基板4の表面に照射される電子線の位置を制御される。
ステージ6上の基板4と異なる位置には、基準マークが形成されている基準板8が設けられている。また、Xステージ6a上の一端には、基板4のX軸方向の位置を決めるためのX軸用移動鏡9が設けられている。Yステージ6b上にも同様にして、不図示のY軸用移動鏡が設けられている。なお、基板を保持するステージ6がX,Y及びZ軸方向に移動可能な構成となっていれば、ステージ6は本実施形態の構成に限られるわけではない。
干渉計10は、レーザビームを測定光と参照光とに分割し、測定光をX軸用移動鏡9に、参照光を干渉計10の内部に設けられている参照鏡にそれぞれ入射させる。そして反射された測定光と参照光を重ねて干渉させる。ステージ位置検出部11は、干渉光の強度を検出することにより、参照鏡を基準としてX軸用移動鏡9の位置を計測する。同様にして、ステージ6のY軸方向の位置は、ステージ6のY軸方向の位置を検出する干渉計(不図示)によって計測される。
第1の計測部であるアライメントセンサ12は、基板4上に形成されている複数のアライメントマークや、基準板6上に形成されている基準マークに対して光を照射してその位置を計測する。ここで、基板4のプロセスに起因する計測誤差を少なくするためにも、アライメントセンサ12の光源は複数のピーク波長を含む広帯域波長を出力できるものが好ましい。さらに、基板4上のレジストが感光されない波長帯域の光を出力できるものが好ましい。そのため、400nm以上、特に450nmから800nmの波長帯域の光を連続的に含む光であることが好ましい。
そして、アライメントマークや位置補正用マークからの反射光をアライメントセンサ12の受光センサに結像させることで各種マークの像を検出し、計測系制御部13によって、アライメントマークや基準マークの位置を求める。その後、後述の主制御部16は、ステージ位置検出部11により計測されたステージ6の位置情報と、計測系制御部13によるによる複数のアライメントマークの計測値に基づいて統計処理を行い、基板4の位置合わせを行う。
第2の計測部である位置補正用センサ14は、基板4上に形成されている複数の位置補正用マークの位置を光を用いて計測する。また、この位置補正用マークの位置計測は、アライメントセンサ12による計測よりも高頻度で行われる。
位置補正用センサ14はアライメントセンサ12に比べて、電子光学系3との距離が近い位置に配置される。そのためであれば、位置補正用センサ14のほうがアライメントセンサ12に比べて、光を投影するためのレンズの枚数を少なくすることで、レンズ群の構成が小規模となっても構わない。また、それによって、アライメントセンサ12に比べてマークの検出領域が狭くなっても構わないし、検出用のセンサに結像される像が低倍率となってしまっても構わない。
あるいは、アライメントセンサ12が有するような光源波長帯域の切り替え機能が無くても、光源の選択肢が数種類の波長に限られてしまっても構わない。
位置補正用センサ14を以上のような構成にすると、マークの位置検出の際に、レンズや光源の違いから計測誤差が生じやすくなる。しかしその一方で、非常にコンパクトな構成となるように設計することが可能であり、アライメントセンサ12を配置することが困難なスペース、例えば電子光学系3等を有するカラム下に配置することも可能となる。
また、位置補正用センサ14の検出部は、ラインセンサやTDI(Time Delay Integration)センサを備え、マークからの反射光を検出してマークの位置を計測することが好ましい。これらのセンサを用いることにより、例えば、電子線による描画中であっても、位置補正用センサ14を用いて基板4上のマークの位置を計測することが可能となる。あるいは、位置補正用センサ14の計測方式は、マークからの回折光の強度を検出して、検出信号の強度変化からマークの位置を求める方式でも良い。
このように、位置補正用センサ14を電子光学系3に近い位置に配置すれば、アライメントセンサ12で複数回マークの位置を計測する場合に比べて、位置補正用マークの位置を計測する際に要する基板4の移動量及び移動時間を減少させることができる。位置補正用のマークの位置によっては、電子線による描画の中断回数を減少させたり基板4を移動させたりせずに計測することも可能である。さらに、位置補正用センサ14を1つの電子光学系3に対して複数配置することによって、これらの効果を高めることもできる。
ただし、位置補正用センサ14の光源としては、基板4上のレジストが感光されないように450nm以上の波長の光を用いることが好ましい。なお、位置補正用センサ14で計測するマークは、アライメントマークと異なるものであっても兼用であっても構わない。
フォーカスセンサ15は、計測系制御部13からの指示を受けて、基板4の面位置を計測する。フォーカスセンサ15としては、光学式のセンサや静電容量センサを使用することが好ましい。
本実施形態における電子線描画装置1における制御部は、電子光学系制御部5、ステージ制御部7、計測系制御部13、ステージ位置検出部11及び主制御部16を含む。ただし、本発明の制御部としては、これらのうち少なくとも電子光学系制御部5、ステージ制御部7、及び主制御部16を含むものであれば良い。なお、各々の制御部の機能が損なわれないのであれば、図2に示すように各々の制御部が独立して配置されていても構わないし、一つの回路基板上に一体となって配置されていても構わないものとする。
計測系制御部13は、アライメントセンサ12、位置補正用センサ14、及びフォーカスセンサ15に接続されている。主制御部16からの指示を受けてこれらのセンサに対して計測の実行を指示し、得られた計測結果を主制御部16に送る。
主制御部16は、電子光学系制御部5、ステージ位置検出部7及び計測系制御部8に接続されている。主制御部16はその内部に保持されているCPU(Central Processing Unit)により、メモリ17に記憶されているプログラムを他の制御部に実行させる。その際に、メモリ17に記憶されているプログラムを読み込んだり、他の制御部から要求される演算を実行したり、計測系制御部13や位置検出部11から送られてきたデータをメモリ17に記憶させたりする。
メモリ17には図5や図8のフローチャートに示すプログラム、アライメントセンサ12や位置補正用センサ14を用いて計測されるマークの位置計測値、及び位置合わせのための補正係数等が記憶される。さらに、電子線の照射エネルギーと基板4の変形量の関係を示すデータも記憶される。
真空チャンバー18内には、電子源2、電子光学系3、ステージ4、干渉計10、アライメントセンサ12、位置補正用センサ14、フォーカスセンサ15が配置されている。真空チャンバー18の内部は不図示の真空ポンプによって真空に排気されている。
まず、本発明の電子線描画装置1の動作について説明する前に、図3(A)を用いて電子線描画装置1による描画方法について説明する。電子線描画装置1のカラム30の中央には、電子線の描画スリット31が空いている。この描画スリット31から電子線が射出され、基板4上の複数のパターン描画領域32内にパターンの描画を行う。
偏向器3bがY軸と平行方向に電子線を偏向させ、かつステージ制御部7がステージをX軸方向あるいはY軸方向に移動させることで描画は行われる。このとき、X軸方向にステージを移動させながら描画するスキャン描画と、Y軸方向にステージを移動させるステップ移動とを合わせて、ステップアンドスキャン動作と呼ぶ。図3では、ステップ描画を実線で、スキャン動作を点線で表している。
次に、アライメントセンサ12によるアライメントマークならびに位置補正用センサ14による位置補正用マークについて説明する。
図3(B)は、図3(A)に示すパターン描画領域32のうち一つのショット領域33の境界付近を拡大した図である。ショット領域33の周囲には、スクライブライン34があり、スクライブライン34上にはアライメントマーク35a,35bや、位置補正用マーク36a,36bが形成されている。
これらの位置補正用マーク36a、36bは電子線の描画方向(X軸方向)に対して垂直、あるいは平行なマークであるが、本発明における位置補正用マークはこれに限るものではない。信号強度が強いことから好ましい実施形態は、図3(B)に示す通りであるが、図4(A)(B)に示すマークように、パターンの長手方向を電子線の描画方向(X軸方向)に対してαだけ傾けて配置しても良い。
また、本発明において計測される、アライメントマークと位置補正用マークのパターンは、同一でも異なるものでも構わない。各々のセンサにとって最適なマークパターンがある場合は区別して異なるマークを使用すべきだし、スクライブライン24のスペースを考慮する場合は同一のマークを、各センサが共有して使用すべきである。例えば形成すべき層の数が多く、検査用等位置合わせ以外の目的に使用されるマークも形成するためのスペースを確保することが必要な場合は、アライメントマークを位置補正用マークとして兼用すると良い。
スクライブライン24上における、アライメントマークと位置補正用マークの配置場所については、共通のショット領域23に対するものであっても、互いに異なるショット領域に対するものであっても構わない。
続いて、熱に起因する歪みや変形を計測し補正するために電子線描画装置1が実行する処理内容について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。図5に示すフローチャートは、図3(A)と同様に、基板に対して+X方向及び−X方向に電子線をスキャン描画する場合の一連の描画方法を示す。
S101では、基準板8に形成されている基準マークを用いて、アライメントセンサ12と電子光学系3の光軸との距離、すなわちベースラインを決定する。
まず、設計上の座標系に基づいて、基準マークがアライメントセンサ12の光軸上に位置するように、ステージ制御部7はステージ4を移動させる。ここで、設計上の座標系は、主制御部16が認識している座標系であり、実際にステージ位置検出部11が認識するステージ座標系からずれている場合もある。
そして、計測系制御部13は、アライメントセンサ12に基準マークの位置を計測させる。これにより、光軸に対する基準マークの位置ずれを計測する。そのずれに基づいて、ステージ座標系の原点が光軸と一致するようにステージ座標系を再設定する。
続いて、設計上の座標系において基準マークが電子光学系3の光軸上に位置するように、ステージ6を移動させる。電子線を基準マークに対して走査し、二次電子を検出して基準マークの位置を計測する。以上をもって、電子光学系3の光軸とアライメントセンサ12の光軸との基準ベースラインを決定する。同様にして、電子光学系3の光軸と位置補正用センサ14との距離を求めて、両者の基準ベースラインを決定する。
S102では、アライメントセンサ12の光軸上にアライメントマークが位置するようにステージ6を移動させる。計測系制御部13によって計測されるアライメントマークの位置と、設計上の位置のずれを求める。
S103では、主制御部がグローバル・アライメント法によって、基板4上格子配列を決定する。具体的には、S102の計測結果に基づいて、各々のショット領域33のシフト(移動)・マグ(倍率)・ローテーション(回転)・台形成分を計算して各項目の補正を行う。
その後、S104では、主制御部16はS103において決定された格子配列と基準ベースラインから補正係数を求め、その補正係数に基づいて電子線と基板4の位置合わせを行う。ここで求めた補正係数は、主制御部16によってメモリ17に記憶される。
S105では、電子線による描画(照射)開始前に、1つの位置補正用センサ14が位置補正用マークの位置を計測する。ここで計測対象となる位置補正用マークは、後述のS109において再度計測する位置補正用マーク全てである。また、それらの位置計測値は、メモリ17に記憶される。なお、位置補正用センサ14の構造上、アライメントセンサ12で計測する場合に比べてレンズ構成や光源に起因する計測誤差は生じるが、その点が後工程に及ぼす影響は無視できる程度に小さい。その理由は後の工程を説明する際に詳述する。
また、計測する位置補正用マークの数は、アライメントマークと同じでなくても良い。例えば、位置補正用センサ14がアライメントセンサ12に比べて、多くのアライメントマークを計測しても良い。これにより、後のスキャン描画工程における描画熱に起因して生じる基板の熱歪みや熱変形を高精度に補正することが可能となる。あるいは、位置補正用センサ14がアライメントセンサに比べて少ない数のアライメントマークを計測することで、主制御部16における位置補正のためのデータ処理の負荷や計測時間の増加を抑制しても良い。
S106では、主制御部16からの指示を受けた電子光学系制御部5、ステージ制御部7及びステージ位置検出部11によって、ステップアンドスキャン動作によるパターンの描画が開始される。なお、描画に先立ちパターン描画領域32の一端に描画スリット31が位置するよう、偏向器3b又はステージ6の少なくとも一方を動作させる。
S107では、主制御部16が、描画が完了したかどうかを判断する。基板4上の全てのパターン領域25について描画が完了した(YES)と判断された場合には、描画動作を終了し、図5のフローチャートに示すプログラムを終了する。一方、描画が完了していない(NO)と判断された場合には、S108へと進む。
S108では、主制御部16が、描画を開始してから基板4に対して照射されたエネルギー量が所定値以上かどうかを判断する。所定値以上である(YES)と判断された場合には、S109に進み、位置補正用マークの計測が行われる。所定値未満(NO)と判断された場合には、引き続き描画を続ける。
ここで、照射されるエネルギー量をS109に進むための判断材料とした理由は、基板4に蓄積される熱は電子線の照射によるエネルギーに起因するものだからである。
図6は電子線のエネルギー量と基板4の変形量との関係を示しており、あらかじめメモリ17に保存されているデータである。また、図6中のプロットが示す電子線のエネルギー量E1〜E7は、位置補正用マークの計測を行うかどうかを判断するための所定値であり、この値は、予めメモリ17に設定されているものであっても、ユーザが設定するものであっても構わない。また各所定値に相当する基板4の変形量D1〜D7は、一定量毎に設定されるものでなくても構わない。
さらに、電子線によって照射されたエネルギー量が所定値に達したかどうかの判断は、計算によるものであっても実測によるものでも良い。例えば、主制御部16が、単位時間当たりに照射するエネルギーと描画パターンを加味すれば総エネルギー量は計算により求められる。あるいは、照射エネルギー量を計測する計測器を偏向器3bの下部に配置して、電子線の一部を実測することも可能である。
また、計測される位置補正用マークの位置や描画パターン、実測する照射エネルギー量等の値に基づいて、次回の判断基準となる所定値を徐々に変更させることも可能である。
S109では、計測系制御部13が位置補正用センサ14に、S105で計測したマークと同一の位置補正用マークの位置を計測させる。ただし、ここで計測する位置補正用マークの総数はS105で計測したときよりも少なくて構わない。例えば、未描画領域のうちの、数箇所の位置補正用マークでも良い。そして、計測される位置補正用マークの位置や数は、その時点において描画しているショット領域23の位置や描画パターンによって、毎回異なっていても構わない。
位置補正用マークの位置計測は、ステップアンドスキャン動作中に実行されることが好ましい。スキャン描画中に、電子線の照射と並行して、未描画領域に配置されている位置補正用マークの位置計測を行うことで、計測時間の増大を抑制することができる。あるいは、ステップ動作と並行して位置補正用マークの位置計測を行う場合には、そのマークが位置補正用センサ14の計測領域を通過するようにステージ6を制御すれば良い。
S110では、主制御部16が、S105で計測される位置補正用マークの位置と、S109で計測される位置補正用マークの位置との差分ΔDが、予め設定された所定値以上であるか否かを判断する。
前述のように、位置補正センサ14による計測値には、アライメントセンサ12に比べて計測誤差が生じる可能性が高い。しかしながら、S110で比較する位置補正用のマークは同じものであり、同じセンサで計測を行っているため、センサ固有の計測誤差は同程度と考えられる。そこで、S105とS108において計測されるマーク位置の差分ΔDを求めることにより、計測誤差の影響は無視できる程度に小さくなり、その差分ΔDは基板4の熱歪みや熱変形の量にのみ相当すると考えられる。
基板4の変形等の量に相当する差分ΔDが所定値以上である(YES)と判断された場合には、S111へと進み、電子線と基板4との相対位置を補正する。また、所定値未満である(NO)と判断される場合には、引き続き描画動作に戻る。
なお、この所定値は許容されるずれ量を示すものであり、電子線描画装置1における描画精度の要求や描画データに基づいて、設定されることが好ましい。また、本所定値は必ずしも毎回同じ値である必要は無い。例えば、電子線と基板4との相対位置の補正を繰り返すたび、その回数に応じて所定値を低くなるよう設定することもできる。
なお、S109では複数の位置補正用マークを計測するため、マークの位置によっては差分ΔDが所定値以上となる箇所と所定値未満となる可能性もある。このような場合、1箇所でも所定値以上となったらYESと判断するとしても構わない。あるいは、半分以上の計測箇所で所定値以上となったらYESと判断するとしても構わない。
S111では、主制御部16が、複数の差分ΔDに基づいて各未描画領域における補正量を求めてステージ制御部7にステージ6を制御させる。これにより、電子線と基板4との相対位置を制御して位置合わせを行い、重ね合わせ精度の低下を抑制する。
具体的には、各計測点における差分ΔDを元に、まだ描画を行っていない描画領域について必要な補正量を計算する。そしてアライメントセンサ12による計測結果を受けて位置合わせを行ったときの補正データ(S104)に、さらに差分ΔDから求められる補正量を加味して描画されるようにする。なお、電子線の照射される位置の制御は、ステージ制御部によるだけなく、電子光学系制御部5が偏向器3bを制御することによって行われても良い。また、それらの組み合わせにより、基板4と電子線の相対位置が制御されても良い。
S111で電子線と基板4の相対位置を補正したのちは、引き続き描画動作を続ける。
その後は、S107において主制御部16が、描画が完了したと判断するまでS107〜S111に示す処理が実行される。S109において計測される位置補正用マークは、S107〜S111の処理が繰り返される度に異なるものでも構わない。
また、2回目以降に位置補正用マークを計測するかどうか判断するタイミングとして、基板4に対して照射される電子線のエネルギー量を示した。しかし、判断を実行するタイミングはこれに限るわけではない。
基板4に入射するエネルギーの量や時間、領域等に応じて、基板の歪みや変形量は変化する。そのため、計測実施を判断するタイミングとして例えば、一定時間毎、所定のショット領域数を描画する毎、ショット領域一列分の描画終了毎等が挙げられる。
S105及びS109において計測される位置補正用マークは必ずしも同一のマークでなくても良く、熱に起因する変形量が同程度となる位置にあるマークであれば同様の効果を得ることは可能である。描画パターン次第ではあるが、S105で計測されるマークとS109で計測されるマークが隣接する場合や、S105で計測されるマークに隣接するショット領域33とS109で計測されるマークに隣接するショット領域の一部が共有されている程度の近さである場合も本発明に含まれる。
ここで、隣接するショット領域とは、位置補正用マークを中心としてそのマークの形成されているスクライブラインと直交方向に接しているショット領域を意味する。
ただし、電子線の照射前後において隣接するマークを計測する場合は、先に計測をされるマークの位置と後に計測されるマークの位置とのおおよその位置関係をオフセットデータとして把握しておく必要がある。
以上の装置構成説明や実行される処理内容が、本実施形態の説明である。
本実施形態によれば、描画開始前、すなわち基板が変形等していない状態でアライメントセンサ12を用いてアライメントマークを計測し、基板4との相対位置のずれを補正する。
一方で位置補正用センサ14は、電子線の照射前後で同一又は隣接するショット領域を共有しているマークの位置を計測する。位置補正用センサ14による計測のうち1回は、基板4が熱の影響により変形等していない状態で行われる。そして、基板4に電子線が照射され、基板4に熱歪みや熱変形等が生じた後で計測される計測結果との差分に基づいて、各制御部が再度電子線と基板4との相対位置のずれを補正する。
このように、位置合わせの補正精度の高いアライメントセンサ12による補正結果に対して、位置補正用センサ14による計測によって求められる基板の変形量を考慮して、描画と並行して随時位置合わせをしていくことが可能となる。
また、熱に起因する歪みや変形が生じる前後で同一のマークの位置を比較するため、電子線を用いて位置合わせを行う場合よりも高精度に位置合わせをすることが可能となる。
なお、本発明は1種類のセンサのみからでは実現することは難しい。アライメントセンサ12のみを配置した場合は、任意のタイミングで計測する際のステージ6の移動量が多くなってしまう。一方、位置補正用センサのみを使用したとしても、位置補正用センサ14自体のレンズ構成や光源に起因して計測誤差を含みやすく、高精度な位置合わせを実行することは困難である。
なお、スキャン描画中、あるいはステップ動作中に位置補正用センサで位置補正用マークの位置を計測する例を示したとしたが、描画を中断して基板4を移動させて、光軸から離れた位置にある位置補正用マークを計測する動作を含んでも構わない。たとえ描画の中断行為が含まれたとしても、位置補正用センサ14の代わりにアライメントセンサ12で計測する場合よりは基板4の移動時間は短縮できるため、本発明の効果を得ることはできる。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態の電子線描画装置1は、1つの電子光学系3に対して、複数の位置補正用センサ14a〜14cを有する点において、第1の実施形態とは異なる。また、各制御部により行われる処理に関して図5に示すフローチャートと異なる点は、位置補正用マークの計測方法のみである。よって、処理内容が同じ部分については説明を省略する。
図7は、本実施形態の電子線描画装置による描画の様子を示す図である。1つの電子光学系3に対して、3つの位置補正用センサ14a〜14cを有することを特徴とする。位置補正用センサ14a〜14cは、描画スリット31に対して+X、−X、及び−Y方向に配置されている。
位置補正用センサ14の数を増やすことにより、例えば、描画中であっても一度に3つの位置補正用マーク36a〜36cを計測することが可能となる。短い時間だけ描画を中断するのであれば、電子線と基板4との位置を相対的に移動させて、未描画領域の3点の位置補正用マークを計測することも可能となる。
このようにして、本実施形態では複数の位置補正用センサ14a〜14cを配置することを特徴とする。位置補正用センサ14が一つしかない第1の実施形態の場合に比べて、描画の中断回数を減らし、より多くのマークの位置の計測点を確保することが可能となる。これにより、第1や第2の実施形態による補正精度を保ちつつ、スループットの向上させることが可能となる。この際、複数の位置補正用センサ14により複数の位置補正用マークを計測するのに要するステージ6の移動距離の合計が最も短くなることが好ましい。よって、主制御部16が、計測に用いる位置補正用センサ14と計測される位置補正用マークとを予め選択することが好ましい。
また、複数の位置補正用センサ14の数は3つに限られるものではない。さらに、位置補正用センサ14の配置は図7に示すような配置に限定されるものでもなく、非対称に配置されたり、描画の進行方向側に偏っていたりしても構わない。
なお、電子線と基板4との位置合わせにおいて、複数の位置補正用センサ14を配置する構成は複数のアライメントセンサ12を配置する構成に比べて、装置のコストが低いという利点もある。
ただし、本実施形態のように複数の位置補正用センサ14を用いてマークの位置計測を行う場合には、事前にセンサの個体差に起因する位置補正用センサ同士の計測誤差を求めておくことが好ましい。本発明は同じ位置補正用マークの位置計測の結果の差分を求めることで、位置補正用センサ14で計測する際の計測誤差を相殺させていることを特徴としているためである。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。第2の実施形態では、図8に示すように、スキャン描画(実線)が+X方向にのみ実施される。すなわち、描画開始位置に描画スリット31の位置を合わせて+X方向にスキャン描画を行った後に、基板4に対して−Y方向かつ−X方向に描画スリット31が位置するよう、ステップ移動をするという点で第1の実施形態とは異なる。さらに、図9のフローチャートに示すプログラムがメモリ17に記憶されている点において第1の実施形態とは異なる。その他の装置構成は実施形態1と同様である。
図9のフローチャートにおけるS201〜S208の処理は、図5のS101〜S108の処理と同様であり、図8におけるS210〜S212は図5のS110〜S112と同様であるため、説明を省略する。
図8に示すS209における処理において、位置補正用センサ14が位置補正用マークを計測するタイミングはステップ動作中に実施される。これにより、第1の実施形態の描画方法に比べて、(A)ステップ移動中に位置補正用マーク計測する際の移動ルートの自由度が高い(B)熱の影響を受けにくい、という二つの特徴がある。以下、これらの特徴について説明する。
(A):第1の実施形態では、ステップ動作が−Y方向に限られ、かつその移動距離が短いため、ステップ移動中に計測可能な位置補正用マークの数や位置は限られてしまう。一方、本実施形態の場合は、−Y方向だけでなく−X方向にもステップ移動が実施されるので、ステップ移動の距離が長い。そのため、ステップ移動によって次のスキャン描画開始位置まで移動する際に、複数の位置補正用マークを計測することができる。
また、どのようなルートによって次のスキャン描画開始位置まで移動するかの自由度が高いため、計測するマークの多さや、計測したいマークの位置に応じて、適宜ステップ移動中のルートを選択することが容易である。これにより、シフト(移動)。マグ(倍率)・ローテーション(回転)等を計算して補正する際に、高精度な補正をすることが可能となる。
(B):第1の実施形態のような往復スキャン描画の場合、ショット領域33一列分の描画を終了した位置と、次の描画が始まる位置が近い。このため、一列分の描画を終了した位置における熱の影響を受けやすく、その熱が十分に拡散していない場合は、次の描画開始位置において熱歪みや熱変形が進行している可能性がある。
一方、本実施形態の場合は、ショット領域33一列分の描画を終了した位置と、次の描画が始まる位置が十分に離れている。さらに、主にステップ移動中に位置補正用マークの位置を計測する。そのため、第1の実施形態に比べれば、第3の実施形態では時間の経過によって基板4における熱の拡散や冷却が進んでいる状態で位置補正用マークの計測が行われることとなる。よって、位置補正用マークの計測後に生じる歪みや変形は第1の実施形態に比べて小さいと考えられるため、電子線と基板4との相対位置のずれを精度良く補正することができる。
以上の理由により、本実施形態では、スキャン描画のためのステージ6の移動は多くなり、スループットは低下するものの、電子線と基板4の相対位置ずれを高精度に補正することが可能である。このため、ユーザから要求されるスループットや重ね合わせ精度に応じて、第1の実施形態と本実施形態とを使い分けることが好ましい。
なお、ステップ移動の動作中に位置補正用センサ14を用いてマークの位置を計測する場合についてのみ説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。例えば、スキャン描画とステップ移動のそれぞれの動作中にマークの位置計測を行い、両方の位置計測値の比較から、計測後のスキャン描画の熱による影響を求めても良い。これにより、第1の実施形態の用に、スキャン描画の動作中にマークの位置計測を実施する場合においても、計測後のスキャン描画の熱による影響を考慮して、基板4と電子線の相対位置のずれを補正することが可能となる。
(第4の実施形態)
続いて、本発明の第4の実施形態について説明する。図10は、複数の電子光学系を有する電子線描画装置1による描画の様子を示す図である。第4の実施形態における電子線描画装置1は、複数の電子光学系3a,3bをY軸方向に対して並列に配置されているという点で、第1、第2及び第3の実施形態とは異なる。また、各制御部により行われる処理に関して図5又は図9に示すフローチャートと異なる点は、位置補正用マークの計測方法のみである。よって、処理内容が同じ部分については説明を省略する。
電子光学系3a,3bの下端に設けられている描画スリット31a、31bより電子線を射出させて、パターン領域32内に基板4に対して所望のパターンを描画する。そのため、他の実施形態に比べ短い時間で所望のパターンを描画し終えることが可能となる。
さらに図10に示すように、第3の実施形態と組み合わせれば、スループットを向上させることができる。図10は第3の実施形態との組み合わせ例であり、各電子光学系3a、3bに対して位置補正用センサ14a〜14dが2つずつ配置されている。複数の位置補正用マーク36a〜36dの位置を一度に計測できるという利点がある。さらに、それらのマークが基板4上において、ある程度離れた場所に配置されていることによって、より全体的な熱歪みや熱変形を把握することが可能となる。これにより、熱に起因する歪みや変形を考慮して電子線と基板4の位置合わせを高精度かつ高速に行うことができる。
最後に、第1〜第4の実施形態に共通の補足説明をする。
位置補正用センサ14で初めて計測をするタイミングとして、電子線による描画開始前(照射開始前)を示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。描画開始前か、描画開始後(照射開始後)であっても描画の熱に起因する基板4の歪みや変形が極めて微小であると考えられる所定のタイミングまでの間に、少なくとも1回計測されれば構わない。
描画開始前に位置補正用センサ14が初めて計測をする場合は、アライメントセンサ12による計測と位置補正用センサ14による初めての計測のどちらが先に行われても構わない。
また、専用の移動ステージを配置することで位置補正用センサ14を可動にして、位置補正用マークの位置計測とスキャン描画を並行的に実行できる装置構成にしても良い。これにより、スキャン描画を中断して位置補正用センサ14の計測を行う時間を抑制でき、スループットを向上させることが可能となる。
位置補正用マークの計測に際して、X位置補正用マークの計測回数とY位置補正用マークの計測回数が異なっていても良い。あるいは、1回の位置補正用マークの計測に際して、片方の種類のマークを多く計測してもよい。X方向の熱歪みや熱変形がY方向に比べて大きい場合等に、電子線と基板4の装置位置のずれを高精度に補正することが可能となるからである。一定方向に歪みや変形が生じやすい実施形態としては、例えば、実施形態4のようにY軸方向に一列に並んだ描画スリット31を用いて描画するような場合や、描画パターンの一定方向に偏りがある場合等が挙げられる。
(第5の実施形態)
本発明におけるデバイスの製造方法は、前述の実施形態に基づいて描画中の発熱に起因する重ね合わせ精度の低下を補償できるように電子線を走査させる工程と、パターンが描画された基板を現像する工程とを含む。さらに、他の周知の工程(酸化、成膜、蒸着、ドーピング、平坦化、エッチング、レジスト剥離、ダイシング、ボンディング、パッケージング等)を含んでも良い。
また、従来の方法に比べて、デバイスの性能・品質・生産性・生産コストの少なくとも1つにおいて有利である。
1 電子線描画装置
2 電子源
3 電子光学系
4 基板
5 電子光学系制御部
6 ステージ
7 ステージ制御部
8 基準板
9 X軸用移動鏡
10 干渉計
11 ステージ位置検出部
12 アライメントセンサ
13 計測系制御部
14 位置補正用センサ
15 フォーカスセンサ
16 主制御部
17 メモリ
18 真空チャンバー
また、電子源のON/OFFだけでなく、偏向器3bによる偏向の度合いを大きくして金属などで電子線を遮蔽すれば、基板4への照射のON/OFFを高速に制御することも可能となる。そのため、電子光学系制御部5は、電子源2や偏向器3bを制御することで照射のタイミングを制御することを可能とする。
ステージ6は、Xステージ6a、Yステージ6b、及び不図示のZステージから構成されている。基板4はステージ6により保持され、Xステージ6aによってX軸方向に、Yステージ6bによってY軸方向に、そしてZステージによってZ軸方向に移動する。後述のステージ位置検出部11や計測系制御部13から送られてくる基板の位置情報に基づいて、基板4の表面に照射される電子線の位置をステージ制御部7が制御する。
偏向器3bがY軸と平行方向に電子線を偏向させ、かつステージ制御部7がステージをX軸方向あるいはY軸方向に移動させることで描画は行われる。このとき、X軸方向にステージを移動させながら描画するスキャン描画と、Y軸方向にステージを移動させるステップ移動とを合わせて、ステップアンドスキャン動作と呼ぶ。図3では、スキャン描画を実線で、ステップ動作を点線で表している。

Claims (12)

  1. 基板の表面にビームを照射する光学系と、
    前記基板上に形成されているマークの位置を計測するための、第1の計測部及び前記第1の計測部よりも前記光学系の光軸に近い位置に配置されている第2の計測部と、
    前記第1の計測部を用いた位置計測値、及び前記第2の計測部を用いた前記ビームの照射前後における複数の位置計測値に基づいて、前記基板の表面に照射される前記ビームの位置を制御する制御部とを有し、
    前記複数の位置計測値は、同一のマーク又は隣接するショット領域を共有しているマークに対する値であることを特徴とするリソグラフィ装置。
  2. 前記第1の計測部および前記第2の計測部は、光を用いて前記マークの位置を計測することを特徴とする請求項1に記載のリソグラフィ装置。
  3. 前記複数の位置計測値に基づいて前記マークの位置ずれを示す補正量を求め、前記補正量により前記第1の計測部の計測値を補正した結果に基づいて、前記制御部が前記基板の表面に照射される前記ビームの位置を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載のリソグラフィ装置。
  4. 前記マークの位置ずれを示す補正量は、前記複数の位置計測値の差分であることを特徴とする請求項3に記載のリソグラフィ装置。
  5. 前記第2の計測部は、前記ビームの照射開始前又は照射開始後の所定のタイミングまでの間に少なくとも1回計測をすることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
  6. 複数の前記第2の計測部を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
  7. 前記光学系から前記マークまでの距離に基づいて、計測に使用する前記第2の計測部を選択することを特徴とする請求項6に記載のリソグラフィ装置。
  8. 前記第1の計測部は前記第2の計測部よりも、多くのピーク波長を含む光を放出することを特徴とする請求項2に記載のリソグラフィ装置。
  9. 前記ビームの照射中に前記光学系に対して前記基板が移動する方向が一定である場合に、前記第2の計測部による計測が前記基板のステップ移動中に行われることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のリソグラフィ装置。
  10. 基板の表面にビームを照射する光学系と、
    前記基板上に形成されているマークの位置を計測するための、第1の計測部及び前記第1の計測部よりも前記光学系の光軸に近い位置に配置されている第2の計測部と、
    前記第1の計測部を用いた位置計測値、及び前記第2の計測部を用いた前記ビームの照射前後における複数の位置計測値に基づいて、前記基板の表面に照射される前記ビームの位置を制御する制御部とを有し、
    前記複数の位置計測値は、同一の又は隣接するマークに対する値であることを特徴とするリソグラフィ装置。
  11. 光学系を介して基板の表面にビームを照射するステップを有するリソグラフィ方法において、
    第1の計測位置と前記第1の計測位置よりも前記光学系の光軸に近い第2の計測位置とで前記基板上に形成されているマークの位置を計測するステップと、
    前記第1の計測位置での位置計測値、及びビームの照射前後における前記第2の計測位置での複数の位置計測値に基づいて、前記基板の表面に照射される前記ビームの位置を制御するステップとを有し、
    前記複数の位置計測値は、同一のマーク又は隣接するショット領域を共有しているマークに対する値であることを特徴とするリソグラフィ方法。
  12. 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の露光装置を用いて対してビームを照射する工程と、
    前記工程で照射される前記基板を現像する工程とを含むことを特徴とするデバイスの製造方法。
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