JP2014219253A - 異物検出装置及び方法、並びに露光装置及び方法 - Google Patents

異物検出装置及び方法、並びに露光装置及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】物体の被検面の異物を確実に検出する。【解決手段】 異物検出装置は、物体Rの被検査面RGに測定光を照射する照射系と、被検査面RGからの散乱光L82を集光する集光光学系85及び該集光光学系85を介した散乱光L82を受光する受光素子84を有し、集光光学系85の少なくとも2つのフォーカス状態で散乱光L82を受光する受光系と、を備えている。そして、異物検出装置は、少なくとも2つのフォーカス状態のそれぞれについて、散乱光の強度分布に関する情報を求め、該情報を用いて、被検査面上の異物の有無を検出する。【選択図】図4

Description

本発明は、異物検出装置及び方法、並びに露光装置及び方法に係り、さらに詳しくは、物体の表面の異物を検出する異物検出装置及び方法、並びに異物検出装置を備える露光装置及び異物検出方法を用いる露光方法に関する。
従来、半導体素子(集積回路等)、液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するリソグラフィ工程では、主として、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(いわゆるステッパ)、あるいはステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置(いわゆるスキャニング・ステッパ(スキャナとも呼ばれる))などが用いられている。
この種の露光装置では、照明光がレチクル(又はマスク)及び投影光学系を介して、感応剤(レジスト)が塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)上に投射されることによって、レチクルに形成されたパターン(又はその縮小像)がウエハ上の複数のショット領域にそれぞれ転写される。ここで、レチクルの表面又はレチクル面に形成されたパターン面を保護するペリクル表面に塵等の異物が付着すると、その異物の像がレチクルパターンとともにウエハ上に転写されるおそれがある。かかる不都合を改善するため、従来、レチクルの表面又はペリクル表面に測定光(例えば、プローブ光)を照射し、そのガラス面からの散乱光を受光することで異物を光学的に検出する異物検出装置が用いられている。
しかるに、例えば、レチクルの表面に照射された測定光は、その殆どがレチクルの表面で反射される一方、一部がレチクルの内部を透過し、その反対側の面に形成されたパターンに照射され、このパターンからの回折光が異物検出装置の受光系で受光され、異物が存在しないにも拘わらず、異物があると誤検出される事態がしばしば生じていた。
かかる回折光に起因する異物の誤検出を防止するため、レチクルの被検査面(ガラス面)に波長の異なる複数の測定光を照射し、ガラス面からの散乱光を複数の受光角で受光し、受光した散乱光のそれぞれの強度を計測する異物検出方法及び装置が、本願出願人によって、先に提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1に記載の方法及び装置によると、ガラス面での測定光の照射位置と照射位置に対応する散乱光の強度の計測結果とから、複数の測定光の波長と複数の散乱光の受光角毎に、ガラス面についての散乱光の強度分布に関する情報を求め、求められた複数の強度分布に関する情報を相互に比較して解析することにより、レチクルパターンによる回折光とガラス面上に付着した異物による散乱光とを区別して検出することが可能になる。
しかしながら、レチクルのパターンは次第に微細化しており、特許文献1に開示される方法によっても、パターンによる回折光とガラス面上に付着した異物による散乱光とを区別することができず、誤検出が生じるおそれがある。
特開2010−133864号公報
発明者らは、上記特許文献1に開示される異物検出方法を用いても誤検出が生じる要因について鋭意研究した結果、レチクル内部で複数回回折したパターンからの回折光の場合、異物による散乱光と誤検出することがあることが判明した。
本発明は、上述の事情の下でなされたものであり、その第1の態様によれば、物体の表面の異物を検出する異物検出装置であって、前記物体の被検査面に測定光を照射する照射系と、前記被検査面からの散乱光を集光する集光光学系と、該集光光学系を介した前記散乱光を受光する受光素子とを有し、前記集光光学系の少なくとも2つのフォーカス状態で前記散乱光を受光する受光系と、前記少なくとも2つのフォーカス状態のそれぞれについて、前記散乱光の強度分布に関する情報を求める処理装置と、を備える異物検出装置が、提供される。
これによれば、処理装置では、物体の被検面に付着した異物からの散乱光と、物体からの回折光とを正確に分離することが可能になる。
本発明の第2の態様によれば、マスクに形成されたパターンを物体に転写する露光装置であって、上記第1の態様の異物検出装置を備え、該異物検出装置を用いて、前記パターンの転写に先立って、前記マスクに付着した異物を検出する露光装置が、提供される。
これによれば、異物検出装置を用いてマスクの被検査面の異物の付着の有無が検出され、露光に影響を与えるような異物の付着がないマスクを用いた露光が行われるので、異物の像が物体上に転写されることがなくなる。
本発明の第3の態様によれば、物体の表面の異物を検出する異物検出方法であって、前記物体の被検査面に測定光を照射し、前記被検査面からの散乱光を集光光学系を介して受光素子で受光することを、前記集光光学系の少なくとも2つのフォーカス状態で行う第1工程と、前記少なくとも2つのフォーカス状態のそれぞれについて、前記散乱光の強度分布に関する情報を求め、該情報を用いて、前記被検査面上の異物の有無を検出する第2工程と、を含む異物検出方法が、提供される。
これによれば、物体の被検面に付着した異物からの散乱光と、物体からの回折光とを正確に分離することが可能になり、結果的に被検査面上の異物を確実に安定して検出することが可能になる。
本発明は、第4の態様によれば、マスクに形成されたパターンを物体に転写する露光方法であって、上記第3の態様の異物検出方法により、前記パターンの転写に先立って、前記マスクに付着した異物を検出することを含む露光方法が、提供される。
これによれば、マスクの被検査面の異物の有無が検出され、露光に影響を与えるような異物の付着がないマスクを用いた露光が行われるので、異物の像が物体上に転写されることがなくなる。
一実施形態に係る露光装置の構成を概略的に示す図である。 一実施形態の露光装置の制御系の主要な構成を示すブロック図である。 図3(A)及び図3(B)は、異物検出装置の概略構成を示す図である。 異物検出装置が有する受光系の概略構成を示す図である。 図5(A)〜図5(C)は、異物検出装置の処理系で求められた像強度分布に関する情報の一例を示す図である。 図5(A)〜図5(C)に示される像強度分布を重ねあわせた場合の強度分布に関する情報を示す図である。 処理系で実行される、ガラス面RG上に付着した異物検出に関する処理アルゴリズムに対応するフローチャートである。 図8(A)は異物検出装置が有する受光系の概略構成の他の例を示す図、図8(B)は他の例における異物検出装置が有する2次元CCDの検出面を示す図である。
以下、一実施形態について、図1〜図7に基づいて説明する。
図1には、一実施形態に係る露光装置100の概略的な構成が示されている。この露光装置100は、ステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、いわゆるスキャナである。後述するように、本実施形態では投影光学系PLが設けられており、以下においては、投影光学系PLの光軸AXと平行な方向をZ軸方向、これに直交する面内でレチクルとウエハとが相対走査される走査方向をY軸方向、Z軸及びY軸に直交する方向をX軸方向とし、X軸、Y軸、及びZ軸回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
露光装置100は、照明系IOP、レチクルRを保持するレチクルステージRST、レチクルRの表面に付着した異物を検出する異物検出装置80、レチクルRに形成されたパターンの像を感応剤(レジスト)が塗布されたウエハW上に投影する投影ユニットPU、ウエハWを保持してXY平面内を移動するウエハステージWST、及びこれらの制御系等を備えている。
照明系IOPは、光源、及び光源に送光光学系を介して接続された照明光学系を含み、レチクルブラインド(マスキングシステム)で規定されたレチクルR上でX軸方向(図1における紙面直交方向)に細長く伸びるスリット状の照明領域IARを、照明光(露光光)ILによりほぼ均一な照度で照明する。照明系IOPの構成は、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されている。ここで、照明光ILとして、一例として、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられる。
レチクルステージRSTは、照明系IOPの図1における下方に配置されている。レチクルステージRST上には、そのパターン面(図1における下面)に回路パターンなどが形成されたレチクルRが載置されている。レチクルRは、例えば真空吸着によりレチクルステージRST上に固定されている。なお、レチクルRについては、その表面に付着した異物を検出する異物検出装置80等とともに、さらに後述する。
レチクルステージRSTは、例えばリニアモータ等を含むレチクルステージ駆動系11(図1では不図示、図2参照)によって、水平面(XY平面)内で微小駆動可能であるとともに、走査方向(図1における紙面内左右方向であるY軸方向)に所定ストローク範囲で駆動可能となっている。レチクルステージRSTのXY平面内の位置情報(θz方向の回転情報を含む)は、レチクルレーザ干渉計(以下、「レチクル干渉計」という)14によって、移動鏡12(又はレチクルステージRSTの端面に形成された反射面)を介して、例えば0.25nm程度の分解能で常時検出される。レチクル干渉計14の計測情報は、主制御装置120(図1では不図示、図2参照)に供給される。
投影ユニットPUは、レチクルステージRSTの図1における下方に配置されている。投影ユニットPUは、鏡筒40と、鏡筒40内に保持された投影光学系PLとを含む。投影光学系PLとしては、例えば、Z軸方向と平行な光軸AXpに沿って配列される複数の光学素子(レンズエレメント)から成る屈折光学系が用いられている。投影光学系PLは、例えば両側テレセントリックで、所定の投影倍率(例えば1/4倍、1/5倍又は1/8倍など)を有する。このため、照明系IOPからの照明光ILによってレチクルR上の照明領域IARが照明されると、投影光学系PLの第1面(物体面)とパターン面がほぼ一致して配置されるレチクルRを通過した照明光ILにより、投影光学系PL(投影ユニットPU)を介してその照明領域IAR内のレチクルRの回路パターンの縮小像(回路パターンの一部の縮小像)が、投影光学系PLの第2面(像面)側に配置される、表面にレジスト(感応剤)が塗布されたウエハW上の前記照明領域IARに共役な領域(以下、露光領域とも呼ぶ)IAに形成される。そして、レチクルステージRSTとウエハステージWSTとの同期駆動によって、照明領域IAR(照明光IL)に対してレチクルRを走査方向(Y軸方向)に相対移動させるとともに、露光領域IA(照明光IL)に対してウエハWを走査方向(Y軸方向)に相対移動させることで、ウエハW上の1つのショット領域(区画領域)の走査露光が行われ、そのショット領域にレチクルRのパターンが転写される。
ウエハステージWSTは、リニアモータ等を含むステージ駆動系24によって、ステージベース22上をX軸方向、Y軸方向に所定ストロークで駆動されるとともに、Z軸方向、θx方向、θy方向、及びθz方向に微小駆動される。ウエハステージWST上に、ウエハWが、ウエハホルダ(不図示)を介して真空吸着等によって保持されている。なお、ウエハステージWSTに代えて、X軸方向、Y軸方向及びθz方向に移動する第1ステージと、該第1ステージ上でZ軸方向、θx方向及びθy方向に微動する第2ステージとを備える、ステージ装置を用いることもできる。
ウエハステージWSTのXY平面内の位置情報(回転情報(ヨーイング量(θz方向の回転量θz)、ピッチング量(θx方向の回転量θx)、ローリング量(θy方向の回転量θy))を含む)は、レーザ干渉計システム(以下、「干渉計システム」と略述する)18によって、移動鏡16(又はウエハステージWSTの端面に形成された反射面)を介して、例えば0.25nm程度の分解能で常時検出される。
干渉計システム18の計測情報は、主制御装置120に供給される(図2参照)。主制御装置120は、干渉計システム18の計測情報に基づいて、ステージ駆動系24を介してウエハステージWSTのXY平面内の位置(θz方向の回転を含む)を制御する。
また、図1では図示が省略されているが、ウエハWの表面のZ軸方向の位置及び傾斜量は、例えば米国特許第5,448,332号明細書等に開示される斜入射方式の多点焦点位置検出系から成るフォーカスセンサAFS(図2参照)によって計測される。このフォーカスセンサAFSの計測情報も主制御装置120に供給される(図2参照)。
また、ウエハステージWST上には、その表面がウエハWの表面と同じ高さである基準板FPが固定されている。この基準板FPの表面には、アライメント検出系ASのベースライン計測等に用いられる第1基準マーク、及び後述するレチクルアライメント検出系で検出される一対の第2基準マークなどが形成されている。
投影ユニットPUの鏡筒40の側面には、ウエハWに形成されたアライメントマーク及び第1基準マークを検出するアライメント検出系ASが設けられている。アライメント検出系ASとして、一例としてハロゲンランプ等のブロードバンド(広帯域)光でマークを照明し、このマーク画像を画像処理することによってマーク位置を計測する画像処理方式の結像式アライメントセンサの一種であるFIA(Field Image Alignment)系が用いられている。
露光装置100では、さらに、レチクルステージRSTの上方に、例えば米国特許第5,646,413号明細書等に開示される、露光波長の光を用いたTTR(Through The Reticle)アライメント系から成る一対のレチクルアライメント検出系13(図1では不図示、図2参照)が設けられている。レチクルアライメント検出系13の検出信号は、主制御装置120に供給される(図2参照)。
さらに、露光装置100では、図1に示されるように、レチクルステージRSTの上方で、照明光ILを遮らない位置(図1では光軸AXpの−Y側)に、レチクルRに付着した異物を検出する異物検出装置80が配置されている。異物検出装置80の検出信号は、主制御装置120に供給される(図2参照)。異物検出装置80の詳細は、後述する。
図2には、露光装置100の制御系の主要な構成が示されている。制御系は、装置全体を統括制御するマイクロコンピュータ(あるいはワークステーション)などを含む主制御装置120を中心として構成されている。
次に、本実施形態の異物検出装置80の構成、異物の検出原理、及び検出方法等について詳述する。
異物検出装置80は、図2に示されるように、照射系81、受光系82、及び処理系83を備えている。このうち、受光系82は、受光素子84及び駆動系86等を備えている。図2において、受光素子84から処理系83に向かう点線矢印は、受光素子84の出力信号の流れを示す。また、図3(A)及び図3(B)には、異物検出装置80の一部を構成する照射系81と受光系82とが、レチクルRと共に示されている。
異物検出装置80の説明に先立って、レチクルRについて説明する。レチクルRのパターン面(−Z側の面)には、図3(A)に示されるように、パターンCPが形成され、該パターンCPが形成されたパターン領域を取り囲むように、ペリクル枠PFrが接着等により取り付けられている。ペリクル枠PFrの下端面には、パターンCPを保護するための(パターンCPへの異物の付着を防ぐための)ペリクルPFiが接着等によって取り付けられている。
レチクルRは、パターン面と反対側の面(以下、ガラス面RGと呼ぶ)を上方に、ペリクルPFiの表面(以下、ペリクル面RPとも呼ぶ)を下方に向けた状態で、レチクルステージRSTに載置されている。この場合、レチクルステージRSTには、ペリクル枠PFrより一回り大きな開口(不図示)が形成され、該開口の内部にペリクル枠PFrが挿入され、ペリクル枠PFrの周囲のパターン面の領域が、レチクルステージRSTに設けられたバキュームチャック(不図示)等により吸着保持されている。
このように、レチクルRはレチクルステージRSTに保持されているが、図3(A)及び図3(B)においては、図面の錯綜を避けるため、レチクルステージRSTは、図示が省略されている。
照射系81は、図3(A)に示されるように、レチクルR(レチクルステージRST)の−X側であって、レチクルRのガラス面RGよりも上方(+Z側)に配置されている。照射系81は、図3(A)に示されるように、レチクルRの表面(ガラス面RG)に対して、微少角度(鋭角)を成して入射するように、測定光L81を照射する。この場合、図3(B)に示されるように、測定光L81は、レチクルRのガラス面RG上の領域A81、すなわちX軸方向に関してほぼガラス面RGの幅に等しい長さとY軸方向に関して測定光L81のビーム径に等しい幅を有する矩形状の領域、に照射される。
レチクルR(レチクルステージRST)は、前述の通り、レチクルステージ駆動系11により、走査方向(図3(B)中の白抜き矢印方向、すなわちY軸方向)に駆動される。主制御装置120は、異物検出装置80の照射系81からレチクルRに測定光L81を照射した状態で、レチクルステージ駆動系11を介してレチクルR(レチクルステージRST)を走査方向に駆動することにより、レチクルRのガラス面RGの全領域に測定光L81を照射する。なお、測定光L81の射出方向とレチクルRの移動方向(移動軸)が平面視で(上方から見て)平行とならないようにてしておけば、測定光L81の射出方向と移動方向とを、露光装置100の構成に応じて、任意に設定しても良い。
照射系81は、測定光L81として、例えば波長635nm又は785nmの測定光を照射する。ただし、照射系81から照射される測定光の波長は、これらに限らず、レチクルRのパターン、特に、その微細度(例えば、ラインアンドスペースパターンのピッチなど)に応じて、適宜変更が可能である。
受光系82は、図3(A)及び図3(B)に示されるように、レチクルR(レチクルステージRST)の上方(+Z側)、すなわち、レチクルRのガラス面RGに対向して配置されている。ここで、レチクルRのガラス面RGには異物APが付着している。ガラス面RGに照射された測定光L81は、その一部が異物APにより散乱される。受光系82は、その散乱光L82を光学系を介して受光素子84(図2及び図4参照)で受光し、受光した散乱光L82の受光素子84の受光面上での強度分布に関する情報を求める。
また、ガラス面RGに照射された測定光L81の別の一部は、ガラス面RGからレチクルRの内部に進入し、パターン面に形成されたパターンCPに照射される。この場合、パターンCPから発生する回折光を、受光系82が受光することが考えられる。ここで、パターンから発生する回折光は、受光系82を構成する後述する集光光学系85(図4参照)を通っても集光されることはなく、屈折により進行方向が変化するのみである。この一方、異物APからの散乱光は、集光光学系85によって集光され、その焦点位置(焦点面)に異物APの像を結像させる。
本実施形態では、受光系82の受光素子84(図4参照)は、図3(B)に示される受光系82の配置から明らかなように、平面視において、測定光L81のガラス面RG上の照射領域A81を基準として、測定光L81の進行方向及びそのガラス面RGでの反射光の進行方向であるX軸方向に対して垂直な方向(−Y方向)の所定の位置に、配置されている。
本実施形態の異物検出装置80では、昨今の半導体素子の高集積化に伴うレチクルパターンCPの微細化のため、レチクルパターンCPからの回折光と、付着物APによる散乱光とを、より確実に、分離して、検出するため、上記の受光素子の配置を採用するのに加えて、受光系82が、一例として集光光学系85の異なる3つのフォーカス状態で前記散乱光を受光する構成が採用されている。以下、これについて詳述する。
図4には、受光系82の構成の一例が、簡略化して示されている。受光系82は、レチクルRのガラス面RGからの散乱光等を集光する集光光学系85と、集光光学系85で集光された光を受光する受光素子84とを備えている。図4では、簡略化のため、集光光学系85として1枚のレンズが示されているが、集光光学系85は、複数枚のレンズから成るレンズ系によって構成しても良いし、これに加えて少なくとも1つのミラーを含んで構成しても良い。受光素子84としては、ここでは、一例としてレチクルRのパターン面とほぼ同等のX軸方向の長さの受光面を有する1次元CCD(Charge Coupled Device)、すなわちCCDラインセンサが用いられている。受光素子84として、例えばレチクルRのパターン面とほぼ同等のX軸方向の長さの受光面を有する2次元CCD(CCDイメージセンサ)を用いても良い。
本実施形態では、受光素子84は、図4中に矢印Aで示されるように、集光光学系85の合焦位置(合焦面)、すなわち同図中に実線で示される位置を中心とする前側及び後側にΔの範囲内(±Δの範囲内)で、例えば、Z軸方向に沿って移動可能に構成されている。この受光素子84の駆動は、処理系83からの指令に応じて、駆動系86によって行われる。駆動系86は、例えば受光素子84を、集光光学系85の光軸方向(例えば、Z軸方向)に案内するガイド部材と、受光素子84をガイド部材に沿って駆動する駆動機構とを含んで構成することができる。なお、受光素子84は、上記範囲内で連続的にその位置を任意に設定可能な構成に限らず、合焦位置と上記範囲の両端の位置との3点でのみ位置設定が可能な構成であっても良い。
このように、受光系82では、レチクルRのガラス面RGからの散乱光等を、集光光学系85を介して受光素子84で受光する。
図4では、測定光L81は、紙面奥側から手前に向かってガラス面RGに照射され、ガラス面RGに付着した異物APによって散乱されている。異物APからの一部の散乱光L82は、集光光学系85を介して集光され、1次元CCDから成る受光素子84によって受光(検出)される。図4中の破線BPは、レチクルパターンCPからの回折光を示す。
受光素子84は、X軸方向を長手方向とする長方形状の受光面を有する。この場合、受光面の長手方向は、ガラス面RG上の測定光L81の照射領域A81の長手方向と平行である。従って、受光素子84は、散乱光L82の強度を、X軸方向に関する受光位置の関数として計測する。受光素子84からの出力信号は、処理系83(図2参照)に送られる。
処理系83(図2参照)は、マイクロコンピュータを含み、主制御装置120からの指示に応じて、照射系81及び駆動系86を制御する。処理系83は、受光素子84からの出力信号を受信して得られた受光系82の散乱光L82の強度の計測結果、すなわち受光素子84の受光領域における光強度分布(この場合、X軸方向の直線上の分布)に関する情報と、これに対応するレチクルRのガラス面RG上での測定光L81の照射位置(Y軸方向に関する位置)とから、ガラス面RGについての散乱光L82の強度分布に関する情報を求め、求められた強度分布に関する情報を解析してガラス面RG上に付着した異物を検出する。測定光L81の照射位置(Y軸方向に関する位置)は、レチクル干渉計14で計測されたレチクルステージRSTのY軸方向の位置から求められる。
本実施形態では、ガラス面RGの異物検査に際して、主制御装置120は、異物検出装置80の照射系81からレチクルRのガラス面RG(上の領域A81)に測定光L81を照射させながら、レチクルステージ駆動系11を介してレチクルRが載置されたレチクルステージRSTをY軸方向(走査方向)に駆動し、この駆動と並行して、受光系82を用いて散乱光L82の強度に関する情報を求める。主制御装置120は、上記のレチクルステージRSTのY軸方向への駆動中、レチクル干渉計14の計測値(Y位置)を処理系83に供給する。
処理系83は、主制御装置120から受信したレチクル干渉計14の計測値に対応付けて、受光系82から散乱光L82の強度の計測結果を受信する。処理系83は、レチクル干渉計14の計測値から測定光L81の照射位置(Y位置)を求め、求められた照射位置とそれに対応する散乱光L82の強度の計測結果とに基づいて、ガラス面RGの全領域についての散乱光L82の強度分布に関する情報を求める。
なお、処理系83は、受信したレチクル干渉計14の計測値と受光系82の強度の計測結果とをリアルタイムで処理しても良いし、受信した計測結果を一旦、不図示の記憶装置に保存し、計測終了後に保存した計測結果を処理しても良い。また、上記の説明では、処理系83は、レチクル干渉計14によるレチクルステージRSTの位置の計測値からガラス面RG上での測定光L81の照射位置を求めるものとしたが、これに限らず、レチクル干渉計14とは別にレチクルステージRSTの位置を計測する計測系を異物検出装置80に搭載し、その計測系の計測値から測定光L81の照射位置を求めても良い。すなわち、ガラス面RG上での測定光L81の照射位置に対応付けて受光系82の計測結果を処理することができれば、照射位置の計測方法は特に限定されない。
本実施形態では、主制御装置120は、前述した受光系82内の受光素子84のフォーカス状態を変更しながら、上述の如くして、レチクルRのガラス面RGの全領域についての散乱光L82の強度分布に関する情報を求めることを複数回繰り返す。
ここで、図4中に実線で示される受光素子84の合焦位置と、同図中に点線で示される−Δの前ピン位置と、+Δの後ピン位置とにそれぞれ対応するフォーカス状態で、同一のレチクルRのガラス面RGの全領域についての散乱光L82の強度分布に関する情報を求めた場合を例にとって、説明する。
この場合に処理系により求められた、像強度分布に関する情報の一例が、図5(A)〜図5(C)に示されている。これら図5(A)〜図5(C)には、いずれの図にも、異物(ゴミ等)の像AP’とレチクルパターンからの回折光に起因する像BP’とが示されている。このうち、図5(A)は、マイナスデフォーカス状態(受光素子84が前ピン位置にある状態)における強度分布に関する情報の一例を示し、図5(B)は、ベストフォーカス状態(受光素子84が合焦位置にある状態)における強度分布に関する情報の一例を示し、図5(C)は、プラスデフォーカス状態(受光素子84が後ピン位置にある状態)における強度分布に関する情報の一例を示す。
これら図5(A)〜図5(C)から明らかなように、異物の像AP’は、フォーカス状態が変化しても、同一位置に現れるのに対して、レチクルパターンからの回折光に起因する像BP’は、フォーカス状態が変化するとその変化に応じて位置が変化している。また、異物の像AP’は、フォーカス状態が変化すると、コントラストが変化し、ベストフォーカス状態に比べてマイナスデフォーカス状態及びプラスデフォーカス状態では、いずれもコントラストが低下する(像がボケる)のに対し、レチクルパターンからの回折光に起因する像BP’は、フォーカス状態が変化しても、コントラストが殆ど変化しない。
図6には、図5(A)〜図5(C)に示される像強度分布を重ねあわせた場合の強度分布に関する情報が示されている。この図6からわかるように、フォーカス状態の異なるレチクルパターンからの回折光に起因する像BP’は、一直線上に重なる。
そこで、本実施形態では、処理系83は、受光素子84の複数のフォーカス状態、例えば前述の合焦状態を含む3つのフォーカス状態のそれぞれについて、散乱光L82の強度分布に関する情報を求め、その求めた散乱光L82の強度分布に関する情報を解析して、ガラス面RG上に付着した異物を検出する。図7には、処理系83で実行される、ガラス面RG上に付着した異物検出に関する処理アルゴリズムに対応するフローチャートが示されている。
処理系83は、まず、ステップ102において、求められた複数の強度分布のうち少なくとも2つの強度分布内に、所定の閾値を超えるピーク(強度信号のピーク)が共通して存在するか否かを判断する。このステップ102における判断が否定された場合は、対象となっているレチクルRのガラス面RGには異物の付着はないと判断できるので、処理を終了する。一方、ステップ102における判断が肯定された場合は、ステップ104に進む。
ステップ104では、処理系83は、その共通の閾値を超えるピークは、同一位置にあるか否かを判断する。そして、このステップ104における判断が否定された場合には、その共通のピークは、異物からの散乱光に起因するピークではないと判断できるので、処理を終了し、肯定された場合には、ステップ106に進む。このステップ104における判断により、パターンCPからの回折光に起因するピークと、ガラス面RG上に付着した異物APによる散乱光に起因するピークとを、分離し、パターンCPからの回折光に起因する誤検出を防止している。
ステップ106では、その共通のピークの周辺の強度値(信号レベル)の変化の状態は、強度分布毎に異なるか否かを判断することで、その共通のピークを含む像のコントラストが、像強度分布毎に異なるか否かを判断する。このステップ106の判断は、必ずしも必要ではないが、何からの理由により、異物からの散乱光以外に起因して、例えばパターンの異なる部分からの回折光が同一の位置に入射するなどにより、ステップ104における判断が肯定される可能性が全くないとは言い切れない。そこで、異物からの散乱光に起因するピークのみを確実に検出するため、ステップ106の判断を行なっている。従って、このステップ106における判断が否定された場合は、処理を終了し、一方肯定された場合には、ステップ108に進んで、その共通のピークの位置に異物があると決定した後、処理を終了する。その理由は、ステップ106の判断が肯定されるのは、フォーカス状態が変化しても、ピークが同一位置に現れ、かつフォーカス状態が変化するとその変化に応じてコントラストが変化するという、異物の像AP’の要件を満たしているからである。
なお、先に説明したように、フォーカス状態の異なるレチクルパターンからの回折光に起因する像BP’が一直線上に重なることを考慮して、上記の処理アルゴリズムの一部に、一例としてステップ102とステップ104との間に、共通の閾値を超えるピークが、一直線上に並んでないか否かの判断をするステップを加えても良い。そして、この判断が否定された場合、すなわち共通の閾値を超えるピークが、一直線上に並んでいる場合には、処理を終了し、肯定された場合には、ステップ104に進むこととしても良い。
以上説明した処理系83による処理アルゴリズムにより、レチクルRのガラス面RG上の異物の有無、その位置等が検出される。処理系83の検出結果は、異物検出装置80の出力として、主制御装置120に送信される(図2参照)。
本実施形態では、主制御装置120は、レチクルステージRST上のレチクルRが交換され、その交換後のレチクルRを用いたウエハWに対する露光処理が開始される前等に、異物検出装置80を用いてレチクルRのガラス面RG上の異物を検出する。なお、これに限られず、主制御装置120は、レチクルRを用いた露光中、常時、異物を検出することとしても良い。主制御装置120は、異物が検出された際には、不図示のレチクル洗浄機を用いてレチクルRを洗浄する等してレチクルRから異物を取り除き、再度、異物検出装置80を用いて異物を検出する。異物が検出されなければ、主制御装置120は、レチクルRを用いてウエハWに対する露光処理を開始する。
以上詳細に説明したように、本実施形態に係る露光装置100が備える異物検出装置80によると、処理系83により、受光素子84の複数のフォーカス状態、例えば前述の合焦状態を含む3つのフォーカス状態毎に作成されるガラス面RGの全領域についての散乱光L82の強度分布に関する情報が、相互に比較され、解析されるので、レチクルRのパターンによる回折光と異物APによる散乱光とを区別して検出することが可能になる。従って、異物検出装置80によると、レチクルRのガラス面RG上の異物APを、精度良く検出することが可能となる。また、本実施形態に係る露光装置100によると、異物検出装置80を用いて検査を行った検査済みのレチクルRを用いてウエハWに露光処理を行うので、異物の影響等を受けることなく、レチクルRのパターンをウエハW上に精度良く転写することが可能となる。
なお、上記実施形態では、異物検出装置80の照射系81及び受光系82は、レチクルステージRSTの上方に配置され、レチクルステージRSTに載置されたレチクルRに対する付着物を検出する構成が採用されたが、これに限らず、異物検出装置80の照射系81及び受光系82がレチクルライブラリからレチクルステージRSTへのレチクルRの搬送経路に配置され、搬送されるレチクルRに対する付着物を検出する構成が採用されても良い。この場合、照射系81及び受光系82は、上記搬送経路の上方は勿論、下方、側方などのいずれに配置しても良い。
また、上記実施形態の異物検出装置80は、レチクルRのガラス面RGの付着物を検出する構成が採用されたが、同様にペリクル面RPの付着物を検出する構成が採用されても良い。
また、上記実施形態では、照射系81(及び受光系82)が固定され、レチクルRがY軸方向(走査方向)に移動されることで、レチクルRのガラス面RGの全領域に測定光L81が照射される構成の異物検出装置80について説明したが、異物検出装置の構成がこれに限定されるものではない。例えば、ガラス面に測定光がスポット状に照射され、レチクルがY軸方向(走査方向)及びX軸方向(非走査方向)に移動されることで、ガラス面の全領域に測定光が照射される構成の異物検出装置を採用することもできる。また、異物検出装置の構成としては、固定のレチクル(レチクルステージ)に対して照射系を移動させる構成、あるいは、レチクル及び照明系の両方を移動(相対移動)させる構成などを採用することもできる。また、異物検出装置は、レチクル(レチクルステージ)と照射系の両方が固定され、凹レンズ等を用いて測定光のビーム径が広げられることによって、あるいは可動式の光学素子(ミラー等)を用いて測定光が散逸されることによって、ガラス面の全領域に測定光が照射される構成であっても良い。
また、上記実施形態では、一例として、集光光学系85の合焦位置を含む3箇所に受光素子84の受光面を配置して、ベストフォーカス状態と、マイナスデフォーカス状態と、プラスデフォーカス状態との3つのフォーカス状態で、それぞれレチクルRのガラス面RGに対して測定光を照射して、強度分布に関する情報を取得し、その3つの強度分布に関する情報を解析して異物を検出する場合について説明した。しかしながら、強度分布に関する情報の取得の対象となるフォーカス状態は、必ずしも合焦状態を含まなくても良く、前ピン状態における異なる2つのマイナスデフォーカス状態のみ、あるいは後ピン状態における異なる2つのプラスデフォーカス状態のみであっても良い。これらのフォーカス状態の設定も、前述した構成の受光系82により容易に実現できる。
また、異物検出装置の受光系の構成は、上記実施形態で説明した構成のものに限られず、適宜変形が可能である。例えば、図8(A)には、上記実施形態の異物検出装置に適用可能な受光系の構成の他の一例が示されている。図8(A)に示される受光系82’は、集光光学系85で集光された光の光路上に配置された平行平板から成る分岐光学素子(ビームスプリッタ)87と、該分岐光学素子で分岐された複数(ここでは3つ)の光路上にそれぞれその受光面が配置された、例えばCCDラインセンサから成る複数(3つ)の受光素子84、84、84とを有している。このうち、受光素子84は、集光光学系85の合焦位置(合焦面、より正確には、後側焦点面)にその受光面が配置され、受光素子84は、集光光学系85の前ピン位置(−Δ)にその受光面が配置され、受光素子84は、集光光学系85の後ピン位置(+Δ)にその受光面が配置されている。このようにして構成された受光系82’を有する異物検出装置を備えた露光装置によれば、前述した実施形態と同等の効果を得ることができる他、レチクルRのY軸方向の一度のスキャンにより、前述の3つのフォーカス状態の強度分布に関する情報を取得することが可能になる。
図8(B)には、上記実施形態の異物検出装置に適用可能な受光系の構成の他の一例が示されている。図8(B)に示される受光系82”は、不図示の駆動系により矢印B方向に駆動されて、集光光学系85で集光された光の光路上に挿入・離脱される平行平板88が設けられている。平行平板88が、集光光学系85と受光素子84との間に挿入されていない状態では、集光光学系85の合焦位置が受光素子84の受光面に一致し(同図中の二点鎖線参照)、平行平板88が、集光光学系85と受光素子84との間に挿入されると、集光光学系85の合焦位置は、受光素子84の受光面からずれる。すなわち、受光系82”では、平行平板88の上記光路上に対する挿入・離脱により、受光素子84の異なる2つのフォーカス状態の設定が可能である。複数の平行平板88を個別に上記露光上に挿入・離脱可能に構成すれば、受光素子84の異なる3つ以上のフォーカス状態の設定が可能である。
なお、上記実施形態において、異物検出装置80の処理系83の少なくとも一部の機能を、主制御装置120によって実現することとしても良い。
また、上記実施形態は、レチクルの表面に付着した異物の検出の他にも、ペリクルPFiの表面に付着した異物を検出できるように異物検出装置を配置してもよい。さらに、例えば、レチクルに形成されたパターン自体にキズ等による欠陥が生じた場合、その欠陥を検出するパターン欠陥の検出方法として適用させてもよい。この場合、パターン欠陥部に照射した測定光によって散乱光が発生するので、その散乱光の強度分布に関する情報を求めることで、そのパターン欠陥部を異物と見なして、正常なパターンと区別することが可能である。
なお、上記実施形態では、露光装置が、スキャニング・ステッパである場合について説明したが、これに限らず、ステッパなどの静止型露光装置に上記実施形態を適用しても良い。また、ショット領域とショット領域とを合成するステップ・アンド・スティッチ方式の縮小投影露光装置にも上記実施形態は適用することができる。
また、上記実施形態の露光装置における投影光学系は縮小系のみならず等倍及び拡大系のいずれでも良いし、投影光学系PLは屈折系のみならず、反射系及び反射屈折系のいずれでも良いし、この投影像は倒立像及び正立像のいずれでも良い。また、液体を介して基板の露光を行う液浸露光装置にも適用することができる。
また、照明光ILは、ArFエキシマレーザ光(波長193nm)に限らず、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)などの紫外光や、F2レーザ光(波長157nm)などの真空紫外光であっても良い。例えば米国特許第7,023,610号明細書に開示されているように、真空紫外光としてDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
また、上記実施形態では、露光装置の照明光ILとしては波長100nm以上の光に限らず、波長100nm未満の光を用いても良いことはいうまでもない。例えば、軟X線領域(例えば5〜15nmの波長域)のEUV(Extreme Ultraviolet)光を用いるEUV露光装置に本発明を適用することができる。その他、電子線又はイオンビームなどの荷電粒子線を用いる露光装置にも、上記実施形態は適用できる。
さらに、例えば米国特許第6,611,316号明細書に開示されているように、2つのレチクルパターンを、投影光学系を介してウエハ上で合成し、1回のスキャン露光によってウエハ上の1つのショット領域をほぼ同時に二重露光する露光装置にも上記実施形態を適用することができる。
なお、上記実施形態でパターンを形成すべき物体(エネルギビームが照射される露光対象の物体)はウエハに限られるものでなく、ガラスプレート、セラミック基板、フィルム部材、あるいはマスクブランクスなど他の物体でも良い。
また、レチクルステージ、ウエハステージの位置情報の計測には、レーザ干渉計に替えてエンコーダを用いるようにしても良い。
露光装置の用途としては半導体製造用の露光装置に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに液晶表示素子パターンを転写する液晶用の露光装置や、有機EL、薄膜磁気ヘッド、撮像素子(CCD等)、マイクロマシン及びDNAチップなどを製造するための露光装置にも広く適用できる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置、EUV露光装置、X線露光装置、及び電子線露光装置などで使用されるレチクル又はマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも上記実施形態を適用できる。
半導体素子などの電子デバイスは、デバイスの機能・性能設計を行うステップ、この設計ステップに基づいたレチクルを製作するステップ、シリコン材料からウエハを製作するステップ、前述した実施形態の露光装置(パターン形成装置)及びその露光方法によりマスク(レチクル)のパターンをウエハに転写するリソグラフィステップ、露光されたウエハを現像する現像ステップ、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去るエッチングステップ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くレジスト除去ステップ、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程を含む)、検査ステップ等を経て製造される。この場合、リソグラフィステップで、上記実施形態の露光装置を用いて前述の露光方法が実行され、ウエハ上にデバイスパターンが形成されるので、高集積度のデバイスを生産性良く製造することができる。
本発明の異物検出装置及び方法は、物体の表面の異物を検出するのに適している。また、本発明の露光装置及び方法は、物体に設けられたパターンを基板に転写するのに適している。
11…レチクルステージ駆動系、14…レチクル干渉計、80…異物検出装置、81…照射系、82…受光系、83…処理系、84、84、84、84…受光素子、85…集光光学系、86…駆動系、87…ビームスプリッタ、88…平行平板、100…露光装置、120…主制御装置、AP…異物、L81…測定光、L82…散乱光、R…レチクル、RG…ガラス面、RST…レチクルステージ、W…ウエハ。

Claims (29)

  1. 物体の表面の異物を検出する異物検出装置であって、
    前記物体の被検査面に測定光を照射する照射系と、
    前記被検査面からの散乱光を集光する集光光学系と、該集光光学系を介した前記散乱光を受光する受光素子とを有し、前記集光光学系の少なくとも2つのフォーカス状態で前記散乱光を受光する受光系と、
    前記少なくとも2つのフォーカス状態のそれぞれについて、前記散乱光の強度分布に関する情報を求める処理装置と、を備える異物検出装置。
  2. 前記処理装置は、前記少なくとも2つのフォーカス状態のそれぞれについて求めた複数の強度分布に関する情報を用いて、前記被検査面上の異物の有無を検出する請求項1に記載の異物検出装置。
  3. 前記処理装置は、前記少なくとも2つのフォーカス状態のそれぞれについて求めた複数の強度分布上で共通して現れる所定のスレッショルドレベル以上の強度の像の状態から、前記異物の有無を検出する請求項1又は2に記載の異物検出装置。
  4. 前記処理装置は、前記複数の強度分布上で同一位置に共通して前記像が現れる場合に異物がありと判断する請求項3に記載の異物検出装置。
  5. 前記処理装置は、前記複数の強度分布上で異なる位置に共通して前記像が現れる場合に異物なしと判断する請求項3又は4に記載の異物検出装置。
  6. 前記受光系は、前記集光光学系の合焦位置を含む前記少なくとも2つのフォーカス状態で前記散乱光を受光する請求項1〜5のいずれか一項に記載の異物検出装置。
  7. 前記受光系は、少なくとも3つのフォーカス状態で前記散乱光を受光する請求項6に記載の異物検出装置。
  8. 前記少なくとも3つのフォーカス状態は、プラスデフォーカス状態とマイナスデフォーカス状態とを含む請求項7に記載の異物検出装置。
  9. 前記受光系は、前記受光素子を前記集光光学系の光軸方向に関して駆動する駆動系をさらに有し、前記少なくとも2つのフォーカス状態は、前記駆動系によって前記集光光学系を駆動することで設定される請求項1〜8のいずれか一項に記載の異物検出装置。
  10. 前記受光系は、前記集光光学系から前記受光素子に向かう前記散乱光の光路上に挿入及び離脱される光学素子をさらに有し、前記少なくとも2つのフォーカス状態は、前記光路上に前記光学素子を挿入及び離脱することで設定される請求項1〜8のいずれか一項に記載の異物検出装置。
  11. 前記受光系は、複数の前記受光素子と、前記集光光学系から前記各受光素子に向かう前記散乱光の光路上に配置された分岐光学素子を有し、前記少なくとも2つのフォーカス状態は、前記分岐光学素子で分岐された前記散乱光の前記複数の受光素子それぞれの受光面までの光路長を前記複数の受光素子間で異ならせることで設定される請求項1〜8のいずれか一項に記載の異物検出装置。
  12. 前記物体と前記照射系は、相対的に、前記物体の被検査面にほぼ平行な面内の少なくとも一軸方向に移動可能であり、
    前記照射系は、前記被検査面に、前記測定光を前記一軸と非平行に照射する請求項1〜11のいずれか一項に記載の異物検出装置。
  13. 前記物体を保持して移動する移動体をさらに備え、
    前記受光系による前記散乱光の受光を、前記移動体を介して前記照射系に対して、前記物体を相対的に移動しつつ行う制御装置をさらに備える請求項12に記載の異物検出装置。
  14. 前記移動体の位置情報を計測する計測系をさらに備え、
    前記処理装置は、前記計測系により計測された前記移動体の位置情報に基づいて、前記被検査面上での前記測定光の照射位置を求める請求項13に記載の異物検出装置。
  15. マスクに形成されたパターンを物体に転写する露光装置であって、
    請求項1〜14のいずれか一項に記載の異物検出装置を備え、
    該異物検出装置を用いて、前記パターンの転写に先立って、前記マスクに付着した異物を検出する露光装置。
  16. 物体の表面の異物を検出する異物検出方法であって、
    前記物体の被検査面に測定光を照射し、前記被検査面からの散乱光を集光光学系を介して受光素子で受光することを、前記集光光学系の少なくとも2つのフォーカス状態で行う第1工程と、
    前記少なくとも2つのフォーカス状態のそれぞれについて、前記散乱光の強度分布に関する情報を求め、該情報を用いて、前記被検査面上の異物の有無を検出する第2工程と、を含む異物検出方法。
  17. 前記第2工程では、前記少なくとも2つのフォーカス状態のそれぞれについて求めた複数の強度分布上で共通して現れる所定のスレッショルドレベル以上の強度の像の状態から、前記異物の有無を検出する請求項16に記載の異物検出方法。
  18. 前記第2工程では、前記複数の強度分布上で同一位置に共通して前記像が現れる場合に異物がありと判断する請求項17に記載の異物検出方法。
  19. 前記第2工程では、前記複数の強度分布上で異なる位置に共通して前記像が現れる場合に異物なしと判断する請求項17又は18に記載の異物検出方法。
  20. 前記第1工程では、前記受光することを、前記集光光学系の合焦位置を含む前記少なくとも2つのフォーカス状態で行う請求項16〜19のいずれか一項に記載の異物検出方法。
  21. 前記第1工程では、前記受光することを、少なくとも3つのフォーカス状態で行う請求項18に記載の異物検出方法。
  22. 前記少なくとも3つのフォーカス状態は、プラスデフォーカス状態とマイナスデフォーカス状態とを含む請求項21に記載の異物検出方法。
  23. 前記第1工程では、前記受光素子を前記集光光学系の光軸方向に関して駆動することで、前記少なくとも2つのフォーカス状態は設定される請求項16〜22のいずれか一項に記載の異物検出方法。
  24. 前記第1工程では、前記集光光学系から前記受光素子に向かう前記散乱光の光路上に光学素子を挿入及び離脱することで、前記少なくとも2つのフォーカス状態は設定される請求項16〜22のいずれか一項に記載の異物検出方法。
  25. 前記第1工程では、前記集光光学系により集光された後、分岐光学素子で分岐された前記散乱光の複数の前記受光素子それぞれの受光面までの光路長を前記複数の受光素子間で異ならせることで、前記少なくとも2つのフォーカス状態は設定される請求項16〜22のいずれか一項に記載の異物検出方法。
  26. 前記第1工程では、前記物体と前記測定光とを、相対的に、前記物体の被検査面にほぼ平行な面内の少なくとも一軸方向に移動するとともに、前記被検査面に、前記測定光を前記一軸と非平行に照射する請求項16〜25のいずれか一項に記載の異物検出方法。
  27. 前記第1工程では、前記受光系による前記散乱光の受光を、前記物体を保持して移動する移動体を介して前記測定光に対して、前記物体を前記一軸方向に相対的に移動しつつ行う請求項26に記載の異物検出方法。
  28. 前記第1工程では、前記移動体の位置情報が計測され、
    前記第2工程では、計測された前記移動体の位置情報に基づいて、前記被検査面上での前記測定光の照射位置が求められる請求項27に記載の異物検出方法。
  29. マスクに形成されたパターンを物体に転写する露光方法であって、
    請求項16〜28のいずれか一項に記載の異物検出方法により、前記パターンの転写に先立って、前記マスクに付着した異物を検出することを含む露光方法。
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