JP2014217693A - 歩行姿勢計およびプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】手軽に歩行中の重心が進行方向に対して前寄り/後寄りであるか否かを評価できる装置を提供する。【解決手段】被測定者の歩行姿勢を評価する歩行姿勢計100であって、被測定者の腰の正中線上に装着される加速度センサ112と、加速度センサが出力する上下軸加速度の時間的な変化波形を用いて、被測定者の歩行中の重心の位置が前後方向に関して前記被測定者に対し前寄りに偏っている程度を示す量、および、前記重心の位置が前後方向に関して前記被測定者に対し後寄りに偏っている程度を示す量の少なくともいずれか一方を算出する第1演算部を備える。【選択図】図1

Description

この発明は歩行姿勢計に関し、より詳しくは、ヒトの歩行姿勢が正しい姿勢であるか否かを定量的に評価する歩行姿勢計に関する。
また、この発明はヒトの歩行姿勢が正しい姿勢であるか否かを定量的に評価する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関する。
従来、ヒトの歩行中の姿勢を評価する場合には、例えば特許文献1(特開2009−125270号公報)に開示されているように、先ず、被評価者の歩行動作を撮影して、当該映像を専門家が観察することにより歩行姿勢の評価がなされている。あるいは、専門家が被評価者の歩行動作を実地で観察して評価を下すこともしばしば行われている。
特開2009−125270号公報
しかしながら、上記した従来の方法では、専門的知識を有さない一般の人が手軽に自身の歩行姿勢についての評価を得ることができない。
ここで、ヒトの歩行姿勢の正しさ(あるいは美しさ)を評価するポイントとして、そのヒトの重心が、全身において前寄り過ぎずかつ、後寄り過ぎずに、進行方向に関してヒトの身体の中央付近に位置する状態で歩くことができているか否かという観点がある。
以上を鑑み、本発明の一態様により、歩行時のヒトの重心の位置が進行方向に関して当該ヒトに対し、前寄りに偏っているか、または、後寄りに偏っているか、を手軽に評価できる歩行姿勢計が提供される。
また、本発明の別の一態様により、歩行時のヒトの重心の位置が進行方向に関して当該ヒトに対し、前寄りに偏っているか、または、後寄りに偏っているか、を手軽に評価する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
上記課題を解決するため、本発明の一態様による歩行姿勢計は、被測定者の歩行姿勢を評価する歩行姿勢計であって、被測定者の腰の正中線上に装着される加速度センサと、前記加速度センサが出力する上下軸加速度の時間的な変化波形を用いて、前記被測定者の歩行中の重心の位置が前後方向に関して前記被測定者に対し前寄りに偏っている程度を示す量、および、前記重心の位置が前後方向に関して前記被測定者に対し後寄りに偏っている程度を示す量の少なくともいずれか一方を算出する第1演算部と、を備える。
本明細書で、歩行中の重心の位置の「前寄り」/「後寄り」とは、歩行中のヒトの重心が、進行方向に関し、ヒトの身体の中央領域よりも前/後にある状態を意味する。また、「前寄りに偏っている程度」/「後寄りに偏っている程度」とは、重心の位置が中心領域から前方向に/後方向に乖離している距離的な隔たりの程度を意味する。なお、ヒトの身体の「中央領域」(「中央付近」)とは、歩行の進行方向(前後方向)に関して、ヒトの身体の中心を含みかつ所定の幅を持った領域である。例えば、中央領域は、ヒトが良い(あるいは美しい)歩行姿勢で歩くことができていると評価されたときに当該ヒトの重心が含まれる領域と一致されればよい。
また、一歩行周期においてヒトの重心は前後方向におよそ規則的に移動を繰り返すが、本発明の一態様においては、所定の脚位相もしくは所定の脚位相と他の所定の脚位相との間の期間にあるときの重心の位置について「前寄り」/「後寄り」を評価することで、歩行時の重心位置の傾向を評価する。例えば、本発明の一実施形態は、遊脚である前脚の踵が初めて移動面に接地するタイミングから遊脚としての後脚が立脚である前脚に進行方向に沿って一致するタイミングまでの期間について、ヒトの歩行時の重心の位置について「前寄り」/「後寄り」の傾向を評価する。
本発明の一態様による歩行姿勢計では、加速度センサが腰の正中線上に装着される。第1演算部は、加速度センサが出力する上下軸加速度の時間的な変化波形を用いて、被測定者の歩行中の重心の位置が前後方向に関して被測定者に対し前寄りに偏っている程度を示す量、および、重心の位置が前後方向に関して被測定者に対し後寄りに偏っている程度を示す量の少なくともいずれか一方を算出する。第1評価部は、前記第1演算部が算出した量に基づいて、前記被測定者の歩行中の重心の位置が前記被測定者に対して前後方向に関して前寄りに偏っているか否か、前記被測定者に対して前後方向に関して後寄りに偏っているか否かの少なくともいずれか一方を判断する。したがって、算出された量に応じて、歩行中の被測定者の重心の位置の前後方向に関する偏りの程度を評価することができる。また、この歩行姿勢計では、被測定者の腰の正中線上に装着された加速度センサの出力に基づいて上記したような評価が可能であるため、歩行動作の撮影や、専門家による示唆を要さずに、重心の位置の前後方向に関する偏りを手軽に評価することが可能である。
一実施形態による歩行姿勢計では、前記第1演算部が算出した量に基づいて、前記被測定者の歩行中の重心の位置が前記被測定者に対して前後方向に関して前寄りに偏っているか否か、前記被測定者に対して前後方向に関して後寄りに偏っているか否かの少なくともいずれか一方を判断する第1評価部を備える。
この一実施形態による歩行姿勢計では、第1評価部は、前記第1演算部が算出した量に基づいて、前記被測定者の歩行中の重心の位置が前記被測定者に対して前後方向に関して前寄りに偏っているか否か、前記被測定者に対して前後方向に関して後寄りに偏っているか否かの少なくともいずれか一方を判断する。この判断結果は、ユーザにとって分かり易い。
一実施形態による歩行姿勢計では、前記第1演算部は、上方を正とする前記上下軸加速度の時間的な変化波形において加速度値が負から正へ変化するゼロクロス点の出現タイミングから次の負から正へ変化するゼロクロス点の出現タイミングまでの期間を、前記被測定者の1歩分に相当する基準期間として求め、前記基準期間において前記ゼロクロス点の後で最初に現れる第1の極大点の値と、前記第1の極大点の次の極大点である第2の極大点の値との比に基づいて、前記前寄りに偏っている程度を示す量を算出するとともに、前記第2の極大点の値と、前記基準期間において前記第2の極大点の次の極大点である第3の極大点の値との比に基づいて、前記後寄りに偏っている程度を示す量を算出し、前記第1評価部は、前記前寄りに偏っている程度を示す量と前記後寄りに偏っている程度を示す量とに基づいて、前記被測定者の歩行中の重心の位置が前記被測定者に対して前後方向に関して前寄りに偏っているか、前記被測定者に対して前後方向に関して後寄りに偏っているか、前記前寄りと前記後寄りの中間にあって所定の幅を有する中央領域に位置するか、を判断することを特徴とする。
この一実施形態による歩行姿勢計では、前記被測定者の歩行中の重心の位置が前記被測定者に対して前後方向に関して前寄りに偏っているか、前記被測定者に対して前後方向に関して後寄りに偏っているか、前記前寄りと前記後寄りの中間にあって所定の幅を有する中央領域に位置するか、が判断される。したがって、歩行中の被測定者の重心の位置の前後方向に関する偏りの程度が分かり易く評価される。
一実施形態による歩行姿勢計では、前記第1評価部は、前記前寄りに偏っている程度を示す量を予め定められた第1閾値と比較して、前記被測定者の歩行中の重心の位置が前後方向に関して前寄りに偏っているか否かを判断するとともに、前記後寄りに偏っている程度を示す量を予め定められた第2閾値と比較して、前記被測定者の歩行中の重心の位置が前後方向に関して後寄りに偏っているか否かを判断することを特徴とする。
この一実施形態による歩行姿勢計では、前記前寄りに偏っている程度を示す量を予め定められた第1閾値と比較することで、前寄りに偏っているか否かが判断される。また、前記後寄りに偏っている程度を示す量を予め定められた第2閾値と比較することで、後寄りに偏っているか否かが判断される。つまり、2つの判断がそれぞれ互いに独立して行われる。したがって、判断の処理が容易になる。
一実施形態による歩行姿勢計では、前記第1評価部は、前記前寄りに偏っている程度を示す量と前記後寄りに偏っている程度を示す量とを比較して、前記被測定者の歩行中の重心の位置が前後方向に関して前寄りに偏っているか、前記被測定者に対して前後方向に関して後寄りに偏っているか、前記前寄りと前記後寄りの中間にあって所定の幅を有する中央領域に位置するか、を判断することを特徴とする。
この一実施形態による歩行姿勢計では、前記前寄りに偏っている程度を示す量と前記後寄りに偏っている程度を示す量とが比較されるので、判断の精度が高まる。
一実施形態による歩行姿勢計では、前記第1評価部は、前記前寄りに偏っている程度を示す量を表すための第1座標軸と、前記後寄りに偏っている程度を示す量を表すための第2座標軸とによって直交座標平面を設定するとともに、前記直交座標平面を、前記第1座標軸と前記第2座標軸との交点を通る予め定められた2本の境界線によって3つの領域に区画し、前記第1演算部が算出した前記前寄りに偏っている程度を示す量と前記後寄りに偏っている程度を示す量とで定まる特徴点が、前記3つの領域のいずれに含まれるかを判断することにより、前記被測定者の歩行中の重心の位置が前記前寄りであるか、前記後寄りであるか、前記中央領域に位置するか、を判断する、ことを特徴とする。
この一実施形態による歩行姿勢計では、前記第1評価部は、被測定者の歩行中の重心の前寄り/後寄りに関する特徴を、平面上の点として把握する。そのため、歩行姿勢計は、当該把握に基づき、評価結果をユーザがわかりやすいかたちで示すことができる。
一実施形態による歩行姿勢計では、前記第1評価部は、前記特徴点が前記3つの領域のいずれに含まれるかを判断する前に、前記第1演算部が算出した前記前寄りに偏っている程度を示す量および前記後寄りに偏っている程度を示す量に対し、ゼロ近傍および1近傍の値域において各量の変化を抑制する写像を適用することを特徴とする。
この一実施形態による歩行姿勢計では、前記第1評価部は、上記写像を用いることにより、極端に大きな/小さな値の範囲における前寄り/後寄りの程度の示す量の変動を抑制することができる。そうすることで、歩行姿勢計は、上記の両極端の間にある値域における前寄り/後寄りの程度の示す量の変動が適切に反映された評価結果を安定的に出力することができる。
一実施形態による歩行姿勢計では、前記3つの領域を区画する前記2本の境界線はそれぞれ直線形状を有する、ことを特徴とする。
この一実施形態による歩行姿勢計では、前記3つの領域を区画する前記2本の境界線はそれぞれ直線形状を有するため、歩行姿勢計が被測定者の特徴点がいずれの領域に属するかをグラフィカルにユーザに提示した場合に、ユーザは評価結果を理解しやすい。
一実施形態による歩行姿勢計では、前記上下軸加速度の時間的な変化波形と前記加速度センサが出力する前後軸加速度の時間的な変化波形とを用いて、前記被測定者の歩行中の姿勢の前後方向の傾きに対応する量を算出する第2演算部を備えたことを特徴とする。
本明細書で、歩行中の姿勢の「前後方向の傾き」とは、歩行中のヒトの上半身(骨盤から上の半身)の進行方向に沿った傾きを意味する。当該傾きは、歩容が一巡する間に現れる任意の姿勢(脚位相)についてのものでよい。例えば、傾きは、前脚の踵が路面に接地する時点近傍における被測定者の姿勢の傾きについてのものでよい。また例えば、傾きは、遊脚である後脚が立脚である前脚に進行方向に沿って一致する時点近傍における被測定者の姿勢の傾きについてのものでよい。
一実施形態による歩行姿勢計では、第2演算部は、前記上下軸加速度の時間的な変化波形と前記加速度センサが出力する前後軸加速度の時間的な変化波形とを用いて、前記被測定者の歩行中の姿勢の前後方向の傾きに対応する量を算出する。したがって、算出された量に応じて、歩行姿勢計は、重心位置の前後方向の偏りの評価とともに、被測定者の歩行中の姿勢の前後方向の傾きの程度を評価することができる。
一実施形態による歩行姿勢計では、前記姿勢の前後方向の傾きに対応する量に基づいて、前記被測定者の歩行中の姿勢が前傾しているか否か、後傾しているか否かの少なくともいずれか一方を判断する第2評価部を備えたことを特徴とする。
この一実施形態による歩行姿勢計では、第2評価部は、前記姿勢の前後方向の傾きに対応する量に基づいて、前記被測定者の歩行中の姿勢が前傾しているか否か、後傾しているか否かの少なくともいずれか一方を判断する。この判断結果は、ユーザにとって分かり易い。
本発明の別の一態様によるプログラムは、被測定者の歩行姿勢を評価する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、前記方法は、被測定者の腰の正中線上に装着された加速度センサの出力を取得するステップと、前記加速度センサが出力する上下軸加速度の時間的な変化波形を用いて、前記被測定者の歩行中の重心の位置が前後方向に関して前記被測定者に対し前寄りに偏っている程度を示す量、および、前記重心の位置が前後方向に関して前記被測定者に対し後寄りに偏っている程度を示す量の少なくともいずれか一方を算出するステップと、を備えたことを特徴とする。
当該プログラムを実行させることにより、コンピュータは、まず被測定者の腰の正中線上に装着された加速度センサの出力を取得する。そして、記加速度センサが出力する上下軸加速度の時間的な変化波形を用いて、被測定者の歩行中の姿勢の前後方向の傾きの程度に対応する量を算出する。したがって、算出された量に応じて、歩行中の被測定者の重心の位置の前後方向に関する偏りの程度を評価することができる。また、このプログラムでは、被測定者の腰の正中線上に装着された加速度センサの出力に基づいて上記したような評価が可能であるため、歩行動作の撮影や、専門家による示唆を要さずに、重心の位置の前後方向に関する偏りを手軽に評価することが可能である。
以上より明らかなように、この発明の一態様による歩行姿勢計によれば、歩行時のヒトの重心の位置が進行方向に関して当該ヒトに対し、前寄りに偏っているか、または、後寄りに偏っているか、を手軽に評価できる。
また、この発明の別の一態様によるプログラムをコンピュータに実行させることにより、歩行時のヒトの重心の位置が進行方向に関して当該ヒトに対し、前寄りに偏っているか、または、後寄りに偏っているか、を手軽に評価できる。
この発明の実施形態の歩行姿勢計のシステム構成を示す図である。 上記歩行姿勢計のシステムをなす活動量計のブロック構成を示す図である。 上記歩行姿勢計のシステムをなすスマートフォンのブロック構成を示す図である。 図4(A)は、上記活動量計が被測定者に装着される態様を示す図である。図4(B)は、X軸(前後軸)、Y軸(左右軸)、Z軸(上下軸)を説明する図である。 ヒトが歩行したときに腰に装着された加速度センサにより観測される上下軸加速度の例(時間領域)と、歩行周期のうち1歩分に相当する基準期間と、歩行一歩の歩容との関係を示す図である。 図6(A)、図6(B)、および、図6(C)は、ヒトの歩行中の姿勢(前脚の踵が接地したタイミング)を示す図である。図6(A)は、歩行中の重心位置が前寄りの位置にあるヒトを横から見たときの模式図である。図6(B)は、歩行中の重心位置が中央付近にあるヒトを横から見たときの模式図である。図6(C)は、歩行中の重心位置が後寄りの位置にあるヒトを横から見たときの模式図である。図6(D)、図6(E)、および、図6(F)は、前脚の踵が接地したタイミングから遊脚である後脚が進行方向に関して立脚である前脚と一致するタイミングまでの期間において加速度センサが出力する上下軸加速度の時間変化波形の典型例を示す図である。図6(D)は、重心位置が前寄りの位置にあるヒト(図6(A))の上下加速度時間変化波形の典型例である。図6(E)は、重心位置が中央付近にあるヒト(図6(B))の上下加速度時間変化波形の典型例である。図6(F)は、重心位置が後寄りの位置にあるヒト(図6(C))の上下加速度時間変化波形の典型例である。 第1の実施の形態において用いられる重心位置評価チャートの図である。 上記活動量計の制御部の動作フローを示す図である。 上記活動量計の制御部による前後方向重心位置推定処理のフローを示す図である。 第2の実施の形態において用いられる写像を表すグラフである。 第2の実施の形態において用いられる重心位置評価チャートの図である。 図12(A)は、歩行姿勢の前傾度(後傾度)と骨盤が水平となす角の関係を説明する図である。図12(B)、図12(C)、および、図12(D)は、ヒトの歩行中の姿勢(前脚の踵が接地したタイミング)を示す図である。図12(B)は、後傾で歩くヒトを横から見たときの模式図である。図12(C)は、後傾でも前傾でもない良好な姿勢で歩くヒトを横から見たときの模式図である。図12(D)は、前傾で歩くヒトを横から見たときの模式図である。 上記加速度センサが出力する上下軸加速度の時間変化の特徴を示す特徴パラメータについて説明する図(上下軸加速度時間変化波形図)である。 上記加速度センサが出力する上下軸加速度の時間変化の特徴を示す特徴パラメータについて説明する図(上下軸速度時間変化波形図)である。 上記加速度センサが出力する上下軸加速度の時間変化の特徴を示す特徴パラメータについて説明する図(上下軸軌道時間変化波形図)である。 上記加速度センサが出力する前後軸加速度の時間変化の特徴を示す特徴パラメータについて説明する図(前後軸加速度時間変化波形図)である。 上記加速度センサが出力する前後軸加速度の時間変化の特徴を示す特徴パラメータについて説明する図(前後軸速度時間変化波形図)である。 骨盤傾斜角の評価および重心位置の評価にもとづく歩行姿勢評価に用いる評価チャートの図である。 上記活動量計の制御部の動作フローを示す図である。 上記活動量計の制御部による骨盤傾斜角推定処理のフローを示す図である。 歩幅の大きさ、上記基準期間の長さに応じて使用する重み係数セットを変更するための参照テーブルの例を示す図である。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。先ず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1は、この発明の第1の実施の形態の歩行姿勢計(全体を符号1で示す。)のシステム構成を示している。この歩行姿勢計1は、活動量計100と、スマートフォン200とを含んでいる。活動量計100とスマートフォン200とは、この例ではBLE(Bluetooth low energy;低消費電力Bluetooth、Bluetooth Core Specification Ver. 4.0において規定。)通信によって互いに通信可能になっている。
図2に示すように、活動量計100は、ケーシング100Mと、このケーシング100Mに搭載された、制御部110と、発振部111と、加速度センサ112と、メモリ120と、操作部130と、表示部140と、BLE通信部180と、電源部190と、リセット部199とを含む。
ケーシング100Mは、この活動量計100を携帯し易いように、ヒトの手のひらに収まる程度の大きさに形成されている。
発振部111は、水晶振動子を含み、この活動量計100の動作タイミングの基準となるクロック信号を発生する。発振部111は、クロックジェネレータとしての機能を有するモジュールチップでよい。
加速度センサ112は、ケーシング100Mが受ける3軸(3方向)の加速度をそれぞれ検出して、制御部110へ出力する。加速度センサ112は、3軸加速度センサのモジュールチップでよい。
メモリ120は、ROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とを含む。ROMは、この活動量計100を制御するためのプログラムのデータを記憶する。また、RAMは、この活動量計100の各種機能を設定するための設定データ、加速度測定結果および演算結果のデータなどを記憶する。
制御部110は、上記クロック信号に基づいて動作するCPU(Central Processing Unit;中央演算処理装置)を含み、メモリ120に記憶された活動量計100を制御するためのプログラムに従って、加速度センサ112からの検知信号に基づいて、この活動量計100の各部(メモリ120、表示部140およびBLE通信部190を含む。)を制御する。この制御部110は、少なくとも、上下軸加速度の時系列データを処理することができる信号処理系を含む。当該信号処理系は、前後軸加速度の時系列データを処理することも可能である。
操作部130は、この例ではボタンスイッチからなり、電源オン・オフ切り替えの操作、表示内容切り替えの操作など、適宜の操作入力を受け付ける。
表示部140は、この例ではLCD(液晶表示素子)または有機EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイからなる表示画面を含み、この表示画面に制御部110から受けた信号に従って所定の情報を表示する。表示部140は、電源のオン/オフ、動作状態等を点灯、消灯、点滅、等で表示するLED(発光ダイオード)であってもよい。
電源部180は、この例ではボタン電池からなり、この活動量計100の各部へ電力を供給する。
BLE通信部190は、スマートフォン200との間でリアルタイムで通信を行う。例えば、スマートフォン200へ測定結果を表す情報などを送信する。また、スマートフォン200から操作指示を受信する。BLE通信部190は、BLE機能を備えたモジュールチップでよい。
リセット部199は、スイッチからなり、制御部110の動作やメモリ120の記憶内容をリセットして初期化する。
図3に示すように、スマートフォン200は、本体200Mと、この本体200Mに搭載された、制御部210と、メモリ220と、操作部230と、表示部240と、BLE通信部280と、ネットワーク通信部290とを含む。このスマートフォン200は、市販のスマートフォンに、活動量計100への指示を行わせるようにアプリケーションソフトウェア(コンピュータプログラム)をインストールしたものである。
制御部210は、CPUおよびその補助回路を含み、スマートフォン200の各部を制御し、メモリ220に記憶されたプログラムおよびデータに従って処理を実行する。すなわち、操作部230、および、通信部280,290から入力されたデータを処理し、処理したデータを、メモリ220に記憶させたり、表示部240で表示させたり、通信部280,290から出力させたりする。
メモリ220は、制御部210でプログラムを実行するために必要な作業領域として用いられるRAMと、制御部210で実行するための基本的なプログラムを記憶するためのROMとを含む。また、メモリ220の記憶領域を補助するための補助記憶装置の記憶媒体として、半導体メモリ(メモリカード、SSD(Solid State Drive))などが用いられてもよい。
操作部230は、この例では、表示部240上に設けられたタッチパネルからなっている。なお、キーボードその他のハードウェア操作デバイスを含んでいてもよい。
表示部240は、表示画面(例えばLCDまたは有機ELディスプレイからなる)を含む。表示部240は、制御部210によって制御されて、所定の画像を表示画面に表示させる。
BLE通信部280は、活動量計100との間でリアルタイムで通信を行う。例えば、活動量計100へ操作指示を送信する。また、活動量計100から測定結果を表す情報などを受信する。
ネットワーク通信部290は、制御部210からの情報をネットワーク900を介して他の装置へ送信するとともに、他の装置からネットワーク900を介して送信されてきた情報を受信して制御部210に受け渡すことができる。
例えば図4(A)に示すように、この歩行姿勢計1が例えばユーザとしての被測定者90によって使用される場合、活動量計100が装着クリップ100C(図1中に示す)によって被測定者90の正中線91上の腰の背面側に装着される。
この例では、図4(B)に示すように、被測定者90にとって前後方向をX軸、左右方向をY軸、上下方向をZ軸とする。そして、活動量計100の加速度センサ112は、被測定者90が前方へ歩行するのに伴ってケーシング100Mが受けるX軸(前後軸)の加速度、Y軸(左右軸)の加速度、Z軸(上下軸)の加速度をそれぞれ出力するものとする。
この歩行姿勢計1によって測定を行う場合、被測定者90は、活動量計100とスマートフォン200の電源をオンする。それとともに、スマートフォン200のアプリケーションソフトウェアを起動して、操作部230、BLE通信部280を介して、活動量計100へ測定スタートを指示する。
その状態で、被測定者90は前方へ真っ直ぐに所定の歩数、この例では10歩だけ歩行する。そして、被測定者90は、スマートフォン200の操作部230、BLE通信部280を介して、活動量計100へ演算および演算結果の出力を指示する。
すると、活動量計100の制御部110は演算部として働いて、後述する演算を行う。そして、その演算結果を表す情報をBLE通信部180を介して、スマートフォン200へ送信する。
図8は、第1の実施の形態による活動量計100の制御部110による動作フローを示している。活動量計100の制御部110は、電源がオンされると、ステップS1に示すように、スマートフォン200からの測定スタートの指示を待つ。スマートフォン200からの測定スタートの指示を受信すると(ステップS1でYES)、ステップS2に示すように、制御部110は、加速度センサ112による3軸方向加速度の出力を取得する。加速度センサ112の出力の取得は、この例では10歩分の加速度時系列データを含む期間として、予め定められた期間(例えば14秒間)だけ行われる。取得された加速度の時系列データは、メモリ120に一旦記憶される。次に、制御部110は、ステップS3に示すように、スマートフォン200からの測定スタートの指示を待つ。スマートフォン200からの演算の指示を受信すると(ステップS3でYES)、ステップS4に示すように、制御部110は第1演算部として働いて、前後方向の重心位置の前寄り/後寄りの程度に対応する量の算出を行う。そして、ステップS5に示すように、制御部110は第1評価部として働いて、その演算結果(前後方向重心位置推定結果)を用いて、被測定者の歩行中の重心の前後方向の前寄り/後寄りの程度を多段的に評価する。その後、ステップS6に示すように、その評価の結果をスマートフォン200へ出力(送信)する。なお、制御部110は、少なくとも一歩分の加速度時系列データが得られ次第、ステップS4の処理を実行してもよい。その場合、ステップS3として示した判断のステップは省略されてもよい。
以下、図5、図6、図7、および、図9を参照して、図4のステップS4の処理(前後方向重心位置推定処理)を詳細に説明する。
図5は、ヒトの歩容と、歩行周期のうち1歩分に相当する基準期間(図中のT7(=StepT))の間に、腰に装着された活動量計100の加速度センサ112から出力される上下軸加速度(鉛直上方を正とするZ軸方向加速度)の時間変化波形の典型例との関係を示す図である。
繰り出された前足(図では右足)の踵が移動面と接地するタイミング(踵接地タイミング)の近傍において、上下軸加速度は、ゼロクロス点を通過して負から正へ転じる。
その後、上下軸加速度には、3つのピーク(極大点)(P(時間t=T)、P(時間t=T)、P(時間t=T))およびその間の谷(極小点)(V(時間t=T)、V(時間t=T))が現れる。歩容における、立脚(図では右足)と遊脚(図では左脚)とが進行方向に関して略一致するタイミング(立脚中期タイミング)は、第3のピークP3が現れたタイミング近傍と対応する。
歩容における立脚中期タイミングを超えると、上下軸加速度は、再びゼロクロス点を通過して正から負に転じ、最小点(V(時間t=T))を通過し、やがて時間t=Tにおいて再度ゼロクロス点(時間t=T)を通過して負から正へ転じる。時間t=Tにおけるゼロクロス点は、(図では左足を前足とする)次の一歩の踵接地タイミングと略対応する。
このように、上下軸加速度には、ヒトの歩行の一歩の間に図示して説明したような波形が現れる。本明細書では、前足の踵が接地したタイミング(踵接地タイミング)から次の踵接地タイミングまでの期間(StepT)を、基準期間として規定する。なお、以下の説明において特に区別する必要がある場合に限り、左足の踵接地タイミングから右足の踵接地タイミングまでの期間を左足基準期間と称し、右足の踵接地タイミングから左足の踵接地タイミングまでの期間を右足基準期間と称することとして、左足による一歩と右足による一歩のそれぞれの基準期間を区別する。
上方を正とする前記上下軸加速度の時間的な変化波形においては、加速度値が負から正へ変化するゼロクロス点の出現タイミングから次の負から正へ変化するゼロクロス点の出現タイミングまでの期間が一基準期間に相当する。
制御部110は、前後方向重心位置推定処理(図8のステップS4)として、一基準期間にわたる上下軸加速度の時間的な変化波形を用いて、被測定者の歩行中の重心の前後方向の位置の偏り(前寄り/後寄り)に対応する量(前寄り度/後寄り度)を算出する。ここでは、前後方向の位置の偏り(前寄り/後寄り)に対応する量(前寄り度/後寄り度)として、踵接地タイミングから同一基準期間における立脚中期タイミングまでの期間における被測定者の重心の前後方向の位置の偏りの程度に対応する量を用いる。なお、前後方向の重心の偏りの程度に対応する量は、踵接地タイミングから立脚中期タイミングまでの期間における被測定者の重心の前後方向の位置の偏りの程度に対応する量に限定されるものではない。
次に、図6を参照し、発明者らによる鋭意研究によって明らかとなったヒトの重心位置の前後方向の偏りの違い(前寄り/中央付近/後寄り)と上下軸加速度の時間変化波形上に現れる特徴との関係について説明する。
図6に含まれる6図((A)〜(E))のうち、図6(A)、図6(B)、および、図6(C)は、ヒトの歩行中の姿勢(前脚の踵が接地したタイミング)を示す図である。図6(A)は、歩行中の重心位置が前寄りの位置にあるヒトを横から見たときの模式図であり、図6(B)は、歩行中の重心位置が中央付近にあるヒトを横から見たときの模式図であり、図6(C)は、歩行中の重心位置が後寄りの位置にあるヒトを横から見たときの模式図である。
図6(D)、図6(E)、および、図6(F)は、前脚の踵が接地したタイミングから遊脚である後脚が進行方向に関して立脚である前脚と一致するタイミングまでの期間において加速度センサが出力する上下軸加速度の時間変化波形の典型例を示す図である。図6(D)は、重心位置が前寄りの位置にあるヒト(図6(A))の上下軸加速度時間変化波形の典型例であり、図6(E)は、重心位置が中央付近にあるヒト(図6(B))の上下軸加速度時間変化波形の典型例であり、図6(F)は、重心位置が後寄りの位置にあるヒト(図6(C))の上下軸加速度時間変化波形の典型例である。
図6(D)、図6(E)、および、図6(F)を比較すればわかるように、重心位置を前寄りに偏らせて歩行するヒトの上下軸加速度の時間変化波形(図6(D))においては、重心位置を身体の中心部に近い領域に置いて歩行するヒトの上下軸加速度の時間変化波形(図6(E))との比較において、(負から正へ転じるゼロクロス点を始期とする)一基準期間において最初に現れる極大点の値ZAP1が小さくなり、3番目に現れる極大点の値ZAP3が大きくなる傾向がある。これらの傾向は、重心の前方向への偏りの程度が強くなるにつれ、より顕著になる。
逆に、重心位置を後寄りに偏らせて歩行するヒトの上下軸加速度の時間変化波形(図6(F))においては、重心位置を身体の中心部に近い領域に置いて歩行するヒトの上下軸加速度の時間変化波形(図6(E))との比較において、(負から正へ転じるゼロクロス点を始期とする)一基準期間において最初に現れる極大点の値ZAP1が大きくなり、3番目に現れる極大点の値ZAP3が小さくなる傾向がある。これらの傾向は、重心の後方向への偏りの程度が強くなるにつれ、より顕著になる。
これらの傾向をまとめると、以下のとおりである。
・(1)第1の極大点の値ZAP1を同一基準期間の第2の極大点の値ZAP2で除した値(前寄り度Kg1(Kg1=ZAP1/ZAP2))が大きいほど、歩行中のヒトの重心の位置の前方向への偏りの程度(前寄り度)は大きい。
・(2)第3の極大点の値ZAP3を同一基準期間の第2の極大点の値ZAP2で除した値(後寄り度Kg3(Kg3=ZAP3/ZAP2))が大きいほど、歩行中のヒトの重心の位置が後方向への偏りの程度(後寄り度)は大きい。
なお、上記前寄り度Kg1および後寄り度Kg3導出過程において第1の極大点の値ZAP1および第3の極大点の値ZAP3を同一基準期間における第2の極大点の値ZAP2で除しているのは、測定環境や被測定者の個体差による影響を低減させることを目的とする規格化である。
図7は、第1の実施の形態の制御部110が重心位置評価に用いるチャートの図である。第1の実施の形態においては、制御部110は、前寄り度Kg1が第1閾値(図では0.8)以上であれば(領域Rg3)、歩行中の被測定者の重心位置は前後方向に関して「前寄り」であると判断し、前寄り度Kg1が第1閾値(図では0.8)未満であれば、歩行中の被測定者の重心位置は前後方向に関して「前寄り」でない(領域1または領域2)と判断する。同様に、制御部110は、後寄り度Kg3が第2閾値(図では0.8)以上であれば(領域Rg1)、歩行中の被測定者の重心位置は前後方向に関して「後寄り」であると判断し、前寄り度Kg3が第2閾値(図では0.8)未満であれば、歩行中の被測定者の重心位置は前後方向に関して「後寄り」でない(領域2または領域3)と判断する。
図7より明らかだが、第1の実施の形態の制御部110は、歩行中の被測定者の重心位置が「前寄り」であるか否かについて、前寄り度Kg1のみに基づいて判断することができる。
同様に、図7より明らかだが、第1の実施の形態の制御部110は、歩行中の被測定者の重心位置が「後寄り」であるか否かについて、後寄り度Kg3のみに基づいて判断することができる。
そして、第1の実施の形態の制御部110は、前寄り度Kg1および後寄り度Kg3の両方に基づいて、歩行中の被測定者の重心位置が「前寄り」でも「後寄り」でもない(領域Rg2)と判断される場合に、歩行中の被測定者の重心位置は「中央付近」にあると判断することができる。上の例では、2つの判断が互いに独立して行われるので、判断の処理が容易になる。なお、「前寄り」と「後寄り」との両方の判断を行うのではなく、前寄り度Kg1のみに基づいて「前寄り」か否かのみを判断しても良いし、後寄り度Kg3のみに基づいて「後寄り」か否かのみを判断しても良い。
図9を参照すれば、前後方向受信位置推定処理において、制御部110は先ず、ステップS2において取得した三軸加速度の時間変化波形から、上下軸加速度時系列データを生成し、生成した上下軸加速度時系列データから負から正へ転じるゼロクロス点のタイミング(図5における時間t=0)を検出し、(当該ゼロクロス点が踵接地タイミングと略一致するという実験的事実に基づいて)検出したタイミングを踵接地タイミングとして特定する。制御部110は、次の負から正へ転じるゼロクロス点を同様にして検出し、当該タイミングを次の一歩の基準期間の始期として(現基準期間の終期として)特定する(ステップS41)。
次に、制御部110は、上下軸加速度時系列データに含まれる一基準期間において最初に現れる第1の極大点、第1の極大点の次の極大点(第2の極大点)、および、第2の極大点の次の極大点(第3の極大点)を特定し、それぞれの値(図6におけるZAP1、ZAP2、ZAP3)を取得する(ステップS42)。
次に、制御部110は、重心前寄り度評価パラメータ(上述した前寄り度Kg1=ZAP1/ZAP2)を算出する(ステップS43)。
次に、制御部110は、重心後寄り度評価パラメータ(上述した後寄り度Kg3=ZAP3/ZAP2)を算出する(ステップS44)。
そして、制御部110は、図7に示したチャートに従い、重心前寄り度評価パラメータ(前寄り度Kg1)および/または重心後寄り度評価パラメータ(後寄り度Kg3)に基づいて、歩行中のヒトの前後方向重心位置を推定する(ステップS45)。上述したように、制御部110は、重心前寄り度評価パラメータ(前寄り度Kg1)のみに基づいて、歩行中のヒトの前後方向重心位置が「前寄り」であるか否かを推定することができる。同様に、制御部110は、重心後寄り度評価パラメータ(後寄り度Kg3)のみに基づいて、歩行中のヒトの前後方向重心位置が「後寄り」であるか否かを推定することができる。制御部110は、重心前寄り度評価パラメータ(前寄り度Kg1)および重心後寄り度評価パラメータ(後寄り度Kg3)に基づくことにより、歩行中のヒトの前後方向重心位置が、「前寄り」か、「中央付近」か、「後寄り」か、を推定することができる。
図8を再度参照すれば、ステップS5に示すように、制御部110は評価部として働いて、ステップS4の推定結果(前後方向重心位置推定結果)を用いて、被測定者の歩行中の重心の前後方向の前寄り/後寄りの程度を多段的に(「前寄り」、「中央付近」、「後寄り」等として)評価する。その後、ステップS6に示すように、その評価の結果をスマートフォン200へ出力(送信)する。
スマートフォン200は、活動量計100からの情報を受信すると、評価の結果を表示部240に表示する。スマートフォン200の表示部240には、例えば「あなたの重心は、前寄りに偏る傾向があります。」というようにメッセージとして表示される。なお、表示部240には、イラストやアニメーション等を用いて前寄り/後寄りの傾向が直感的にわかるような表示を行ってもよい。また、表示部240には、ステップS43およびステップS44で得た重心前寄り度評価パラメータ(前寄り度Kg1)および重心後寄り度評価パラメータ(後寄り度Kg3)そのもの、あるいは、それらの値を適切に処理して得られる評価数値を表示してもよい。
この表示部240の表示内容を見て、ユーザは、歩行時に重心が前寄りに偏っているか、後寄りに偏っているか否かを知ることができる。
このように、発明者は、鋭意研究の結果、被測定者の腰部に装着された加速度センサから出力される加速度の時間変化波形の形状上の特徴と、歩行中の被測定者の重心の前後方向の位置との相関性を見出し、これに基づき、加速度センサから出力される加速度の時間変化波形から歩行中の被測定者の重心の前後方向の位置を推定することができる歩行姿勢計1の発明を完成させた。この歩行姿勢計1によれば、被測定者の歩行中の重心位置が前寄り/後寄りであるか否かを適切に評価できる。また、この歩行姿勢計1では、加速度センサ112の出力に基づいて評価を行っているので大がかりな設備を要さず、手軽に評価できる。
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態による歩行姿勢計1の構成は、第1の実施の形態による歩行姿勢計1と同様でよいため、ここではその説明を省略する。
第2の実施の形態は、第1の実施の形態との比較において、前後方向受診位置推定処理(図8のステップS4)に含まれるステップS43、ステップS44、および、ステップS45(図9)の処理内容が異なる。そのため、以下では、第2の実施の形態による重心前寄り度評価パラメータ算出処理(ステップS43(図9))、重心後寄り度評価パラメータ算出処理(ステップS44(図9))、および、前後方向重心位置推定処理(ステップS45(図9))について、説明する。
第2の実施の形態においては、制御部110は、ステップS43(図9)において、図10(A)に示されるような、上述の前寄り度Kg1のゼロ近傍および1近傍の値域において重心前寄り度評価パラメータの変化を抑制する単射写像(図10(A)のf)を適用する。そして、f(Kg1)を重心前寄り度評価パラメータとして算出する。
ステップS44(図9)においては、制御部110は、図10(B)に示されるような、上述の後寄り度Kg3のゼロ近傍および1近傍の値域において重心後寄り度評価パラメータの変化を抑制する単射写像(図10(B)のg)を適用する。そして、g(Kg3)を重心後寄り度評価パラメータとして算出する。
なお、ここでの閾値1〜閾値4は、実験的に求めた値であり、当該閾値を境に写像f、gは、直線形状から曲線形状に、または、曲線形状から直線形状に変化する。
このような写像fおよびgを前寄り度Kg1および後寄り度Kg3に適用することにより、第1に、前寄り度Kg1および後寄り度Kg3がゼロ値近傍の値を有する場合に重心前寄り度評価パラメータ(f(Kg1))および重心後寄り度評価パラメータ(g(Kg3))の変動が抑制され、第2に、前寄り度Kg1および後寄り度Kg3が1近傍以上の値を有する場合に重心前寄り度評価パラメータ(f(Kg1))および重心後寄り度評価パラメータ(g(Kg3))の変動が抑制される。そうすることで、前寄り度Kg1および後寄り度Kg3がゼロ値近傍でなくかつ、1に満たない値を有する場合における重心前寄り度評価パラメータ(f(Kg1))および重心後寄り度評価パラメータ(g(Kg3))の値の変動が相対的に強調され、重心の前寄り/後寄りの程度の評価が精細に行えるようになるとともに、後述する図11に示すようなチャートを用いて被測定者の重心の位置の前後方向の偏りを評価することができるようになる。
第2の実施の形態においては、制御部110は、ステップS45(図9)において、図11に示すようなチャートを用いて被測定者の重心の位置の前後方向の偏りを推定する。
図11に示すように、制御部110は、重心前寄り評価パラメータ(f(Kg1))を表すための横軸(第1座標軸)と、重心後寄り評価パラメータ(g(Kg3))を表すための縦軸(第2座標軸)とによって直交座標平面を設定する。この直交座標平面を、原点(横軸と縦軸との交点)0を通る予め定められた2本の境界線(直線A,B)によって3つの領域Rg11,Rg12,Rg13に区画する。制御部110は、ステップS45(図9)において、当該チャートを用いることで、特徴点(点(f(Kg1),g(Kg3)))が傾き45度の直線を中心に正負両方向に角度α度の広がりを有するくさび形状領域Rg12に含まれる場合に、被測定者の重心は中央付近にあると推定する。また、特徴点が領域Rg11に含まれる場合には、制御部110は、被測者の重心は後寄りであると推定し、特徴点が領域Rg13に含まれる場合には、制御部110は、被測定者の重心は前寄りであると推定する。
図8を再度参照すれば、ステップS6に示すように、評価結果をスマートフォン200へ出力(送信)する。
スマートフォン200は、活動量計100からの情報を受信すると、評価の結果を表示部240に表示する。スマートフォン200の表示部240には、第1の実施の形態と同様に、例えば「あなたの重心は、前寄りに偏る傾向があります。」というようにメッセージとして表示される。なお、表示部240には、図11のチャートに被測定者の特徴点をプロットしたグラフを用いて前寄り/後寄りの傾向が直感的にわかるような表示を行うこともできる。また、表示部240には、ステップS43およびステップS44で得た重心前寄り度評価パラメータ(f(Kg1))および重心後寄り度評価パラメータ(g(Kg3))そのもの、あるいは、それらの値を適切に処理して得られる評価数値を表示してもよい。
この表示部240の表示内容を見て、ユーザは、歩行時に重心が前寄りに偏っているか、後寄りに偏っているか否かをより直感的に分かりやすく知ることができる。
最後に、本発明の第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態による歩行姿勢計1の構成は、第1および第2の実施の形態による歩行姿勢計1と同様でよいため、ここではその説明を省略する。
第3の実施の形態による歩行姿勢計1は、第1および第2の実施の形態と同様にして歩行中のヒトの重心の位置の前後方向に関する偏りの程度を評価するとともに、さらに被測定者の歩行中の姿勢の前後方向の傾きを評価し、両評価に基づいてヒトの歩行姿勢を総合的に評価する。
図19は、第3の実施の形態による活動量計100の制御部110による動作フローを示している。本図のステップS11、ステップS12、ステップS13はそれぞれ、第1および第2の実施の形態におけるステップS1、ステップS2、ステップS3(図8)と同様でよい。また、ステップS14の処理は、第1および第2の実施の形態におけるステップS4(図8および図9)と同様でよく、ステップS15の処理は、第1および第2の実施の形態におけるステップS5(図8)と同様でよいため、ここではそれらの説明を省略する。
第3の実施の形態においては、上述した重心位置にかかる推定および評価に加え、さらに、被測定者の骨盤の傾斜角の推定(ステップS16)および評価(ステップS17)を行うことで被測定者の歩行中の姿勢の前後方向の傾きを評価し、両評価に基づいて、被測定者の歩行姿勢を総合的に評価する(ステップS18)。
以下、上記したステップS16、ステップS17、および、ステップS18において制御部110がする処理について詳細に説明する。
図12(A)は、骨盤傾斜角の定義を説明する図である。本図は、ヒトの腰部を横から見たときの模式図であって、骨盤PVが、三角形で表現されている。本明細書において、骨盤傾斜角θは、時計回転方向を正として、上前腸骨棘ASIS(ASIS: Anterior Superior Iliac Spine)から上後腸骨棘PSIS(PSIS: Posterior Superior Iliac Spine)に向かう線分が水平Hとなす角である。また、以下の説明では、+3度未満の骨盤傾斜角θを歩行姿勢「後傾」と対応付け、+3度以上+12度未満の骨盤傾斜角θを、歩行姿勢「真中」と対応付け、+12度以上の骨盤傾斜角θを、歩行姿勢「前傾」と対応付けすることとする。なお、上記境界値は一例であって、その他の境界値であってもよい。また、上記例では、姿勢を「前傾」「真中」「後傾」の三段階に区分けしているが、その他の段数であってもよい。
図12(B)〜(D)は、それぞれ、ヒトの歩行姿勢「後傾」、「真中」、「前傾」の例を示す模式図である。図12(B)を参照すれば判るように、歩行姿勢「後傾」で歩く傾向を有するヒトは、反っくり返ったような姿勢で歩行する。(ほかに、「後傾」のヒトには、極めて強い猫背姿勢で歩行するヒトもいる。)図12(C)は、歩行姿勢「真中」の例図である。このように、歩行姿勢「真中」で歩くヒトは、背中がまっすぐに上方に伸びており、正しく(美しく)歩くことができている。図12(D)を参照すれば、歩行姿勢「前傾」で歩く傾向を有するヒトは、前かがみでうつむき気味の姿勢で歩行する。(ほかに、「前傾」のヒトには、おなかを突き出した姿勢で歩行するヒトもいる。)
上述の制御部110は、図19のステップS16の処理(骨盤傾斜角推定処理)において、少なくとも一基準期間にわたる上下軸加速度の時間的な変化波形と前後軸加速度の時間的な変化波形とを用いて、被測定者の歩行中の姿勢の前後方向の傾きに対応する量を算出する。ここでは、進行方向の前傾/後傾の程度に対応する量として、踵接地タイミングにおける被測定者の骨盤傾斜角θと、同一基準期間における立脚中期タイミングにおける被測定者の骨盤傾斜角θとの平均骨盤傾斜角θ(θ=(θ+θ)/2)を用いる。なお、前後方向の傾きの程度に対応する量は、平均骨盤傾斜角θに限定されるものではない。
以下、図19のステップS16の処理(骨盤傾斜角推定処理)について、図13〜図17のグラフ、図20のフローチャート、および、図21の参照表を参照して詳細に説明する。図20のフローチャートの各ステップは、上述の制御部110が第2演算部として働いて実行する。なお、当該各ステップの実行主体は、制御部110に代えて、制御部210であってもよい。
図20のフローチャートを参照すれば、ステップS61において、制御部110は、ステップS2(図8)において取得した三軸加速度の時間変化波形から、上下軸(Z軸)加速度時系列データ(図13)および前後軸(X軸)加速度時系列データ(図16)を生成し、生成した上下軸加速度時系列データから負から正へ転じるゼロクロス点のタイミング(図13における下横軸の時間t=約6.2(上横軸における時間t=0))を検出する。そして、当該ゼロクロス点が踵接地タイミングと略一致するという実験的事実に基づいて、検出したタイミングを踵接地タイミングとして特定する。制御部110は、次の負から正へ転じるゼロクロス点を同様にして検出し、当該タイミングを次の一歩の基準期間の始期として(現基準期間の周期)特定する。これにより、基準期間(StepT)が確定される。
次に、ステップS62において、制御部110は、上下軸加速度時系列データ(図13)から上下軸速度時系列データ(図14)および上下軸軌道時系列データ(図15)を算出する。
次に、ステップS63において、制御部110は、前後軸加速度時系列データ(図16)から前後軸速度時系列データ(図17)を算出する。
次に、ステップS64において、制御部110は、上下軸加速度の時間変化および前後軸加速度の時間変化の特徴を示す特徴パラメータを導出する。制御部110は、上下軸加速度の時系列データ、上下軸速度の時系列データ、および、上下軸軌道の時系列データの少なくともいずれか1つを用いて上下軸加速度の時間変化の特徴を示す特徴パラメータを導出する。同様に、制御部110は、前後軸加速度の時系列データ、および、前後軸速度の時系列データの少なくともいずれか1つを用いて前後軸加速度の時間変化の特徴を示す特徴パラメータを導出する。ステップS64において導出すべき対象は、各軸加速度の時間変化の特徴を表す特徴量であるが、特徴量によっては、各軸速度、軌道の時間変化の時系列データを用いる方が導出容易である場合がある。そのため、制御部110は、各軸の速度の時系列データや軌道の時系列データを用いて、各軸の加速度の時間変化の特徴を表す量(特徴パラメータ)を導出する。
本実施の形態においては、特徴パラメータは33種(特徴パラメータPRM1〜PRM33、即ち、PRMi(i:1〜33の整数。))存在する。以下、各特徴パラメータについて詳細に説明する。なお、特徴パラメータの種類の数、および、各特徴パラメータの定義は、一例であって、異なる種類数および定義の特徴パラメータを用いてもよい。
先ず、図13を参照し、第1の特徴パラメータPRM1から第12の特徴パラメータPRM12までの12種類の特徴パラメータについて説明する。
第1の特徴パラメータPRM1(Z軸加速度第1極大点タイミング比)について:
特徴パラメータPRM1は、上下軸加速度について基準期間における最初のピーク、即ち、負から正に転じるゼロクロス点を基準としたとき最初に現れる極大点の出現タイミングに関するパラメータである。例えば、PRM1は、当該タイミングTZAP1を基準期間StepTで規格化することで得られる無次元量TZAP1/StepTである。
第2の特徴パラメータPRM2(Z軸加速度第2極大点タイミング比)について:
特徴パラメータPRM2は、上下軸加速度について基準期間における第2のピーク、即ち、負から正に転じるゼロクロス点を基準としたとき2番目に現れる極大点の出現タイミングに関するパラメータである。例えば、PRM2は、当該タイミングTZAP2を基準期間StepTで規格化することで得られる無次元量TZAP2/StepTである。
第3の特徴パラメータPRM3(Z軸加速度第3極大点タイミング比)について:
特徴パラメータPRM3は、上下軸加速度について基準期間における第3のピーク、即ち、負から正に転じるゼロクロス点を基準としたとき3番目に現れる極大点の出現タイミングに関するパラメータである。例えば、PRM3は、当該タイミングTZAP3を基準期間StepTで規格化することで得られる無次元量TZAP3/StepTである。
第4の特徴パラメータPRM4(Z軸加速度第2極小点タイミング比)について:
特徴パラメータPRM4は、上下軸加速度について基準期間における第2の谷、即ち、負から正に転じるゼロクロス点を基準としたとき2番目に現れる極大点と3番目に現れる極大点との間に存在する極小点の出現タイミングに関するパラメータである。例えば、PRM4は、当該タイミングTZAV2を基準期間StepTで規格化することで得られる無次元量TZAV2/StepTである。
第5の特徴パラメータPRM5(Z軸加速度第1極大点振幅比)について:
特徴パラメータPRM5は、上下軸加速度について基準期間における最初のピーク、即ち、負から正に転じるゼロクロス点を基準としたとき最初に現れる極大点の大きさに関するパラメータである。例えば、PRM5は、当該点の値ZAP1を2番目に現れる極大点の値ZAP2で規格化することで得られる無次元量ZAP1/ZAP2である。
第6の特徴パラメータPRM6(Z軸加速度第3極大点振幅比)について:
特徴パラメータPRM6は、上下軸加速度について基準期間における第3のピーク、即ち、負から正に転じるゼロクロス点を基準としたとき3番目に現れる極大点の大きさに関するパラメータである。例えば、PRM6は、当該点の値ZAP3を2番目に現れる極大点の値ZAP2で規格化することで得られる無次元量ZAP3/ZAP2である。
第7の特徴パラメータPRM7(Z軸加速度第2極小点振幅比)について:
特徴パラメータPRM7は、上下軸加速度について基準期間における第2の谷、即ち、負から正に転じるゼロクロス点を基準としたときに2番目に現れる極大点と3番目に現れる極大点との間に存在する極小点の大きさに関するパラメータである。例えば、PRM7は、当該点の値ZAV2を2番目に現れる極大点の値ZAP2で規格化することで得られる無次元量ZAV2/ZAP2である。
第8の特徴パラメータPRM8(Z軸加速度最小点タイミング比)について:
特徴パラメータPRM8は、上下軸加速度について基準期間における最小点の出現タイミングに関するパラメータである。例えば、PRM8は、当該タイミングTZAMNを基準期間StepTで規格化することで得られる無次元量TZAMN/StepTである。
第9の特徴パラメータPRM9(Z軸加速度最小点値)について:
特徴パラメータPRM9は、上下軸加速度について基準期間における最小点の大きさに関するパラメータである。例えば、PRM8は、当該点の値ZAMN(単位は[m/sec])である。
第10の特徴パラメータPRM10(Z軸加速度第1極大点最小点差)について:
特徴パラメータPRM10は、上下軸加速度について基準期間における最初のピーク、即ち、負から正に転じるゼロクロス点を基準としたとき最初に現れる極大点の大きさと同一基準期間における最小点の大きさの差に関するパラメータである。例えば、PRM10は、ZAP1−ZAMN(単位は[m/sec])である。
第11の特徴パラメータPRM11(Z軸加速度第2極大点最小点差)について:
特徴パラメータPRM11は、上下軸加速度について基準期間における第2のピーク、即ち、負から正に転じるゼロクロス点を基準としたとき2番目に現れる極大点の大きさと同一基準期間における最小点の大きさの差に関するパラメータである。例えば、PRM11は、ZAP2−ZAMN(単位は[m/sec])である。
第12の特徴パラメータPRM12(Z軸加速度第3極大点最小点差)について:
特徴パラメータPRM12は、上下軸加速度について基準期間における第3のピーク、即ち、負から正に転じるゼロクロス点を基準としたとき3番目に現れる極大点の大きさと同一基準期間における最小点の大きさの差に関するパラメータである。例えば、PRM12は、ZAP3−ZAMN(単位は[m/sec])である。
次に、図14を参照し、第13の特徴パラメータPRM13から第16の特徴パラメータPRM16までの4種類の特徴パラメータについて説明する。
第13の特徴パラメータPRM13(Z軸速度最大点タイミング比)について:
特徴パラメータPRM13は、上下軸加速度の一階積分(上下軸速度)についての基準期間における最大点の出現タイミングに関するパラメータである。例えば、PRM13は、当該タイミングTZVMXを基準期間StepTで規格化することで得られる無次元量TZVMX/StepPである。
第14の特徴パラメータPRM14(Z軸速度最大点前90%タイミング比)について:
特徴パラメータPRM14は、上下軸加速度の一階積分(上下軸速度)について基準期間において初めて最大点の90%に到達したタイミングに関するパラメータである。例えば、PRM14は、当該タイミングTZVMX90を基準期間StepTで規格化することで得られる無次元量TZVMX90/StepPである。
第15の特徴パラメータPRM15(Z軸速度最大点前80%タイミング比)について:
特徴パラメータPRM15は、上下軸加速度の一階積分(上下軸速度)について基準期間において初めて最大点の80%に到達したタイミングに関するパラメータである。例えば、PRM15は、当該タイミングTZVMX80を基準期間StepTで規格化することで得られる無次元量TZVMX80/StepPである。
第16の特徴パラメータPRM16(Z軸速度最大点前50%タイミング比)について:
特徴パラメータPRM16は、上下軸加速度の一階積分(上下軸速度)について基準期間において初めて最大点の50%に到達したタイミングに関するパラメータである。例えば、PRM16は、当該タイミングTZVMX50を基準期間StepTで規格化することで得られる無次元量TZVMX50/StepPである。
次に、図15を参照し、第17の特徴パラメータPRM17から第22の特徴パラメータPRM22までの6種類の特徴パラメータについて説明する。
第17の特徴パラメータPRM17(Z軸軌道最大点タイミング比)について:
特徴パラメータPRM17は、上下軸加速度の二階積分(上下軸軌道)についての基準期間における最大点の出現タイミングに関するパラメータである。例えば、PRM17は、当該タイミングTZTMXを基準期間StepTで規格化することで得られる無次元量TZTMX/StepTである。
第18の特徴パラメータPRM18(Z軸軌道最小点タイミング比)について:
特徴パラメータPRM18は、上下軸加速度の二階積分(上下軸軌道)についての基準期間における最小点の出現タイミングに関するパラメータである。例えば、PRM18は、当該タイミングTZTMNを基準期間StepTで規格化することで得られる無次元量TZTMN/StepTである。
第19の特徴パラメータPRM19(Z軸軌道中立点タイミング比)について:
特徴パラメータPRM19は、上下軸加速度の二階積分(上下軸軌道)について(期間境界を含まない)基準期間におけるゼロ点(軌道中立点)の出現タイミングに関するパラメータである。例えば、PRM19は、当該タイミングTZTNTLを基準期間StepTで規格化することで得られる無次元量TZTNTL/StepTである。
第20の特徴パラメータPRM20(Z軸軌道最大点値)について:
特徴パラメータPRM20は、上下軸加速度の二階積分(上下軸軌道)についての基準期間における最大点の大きさに関するパラメータである。例えば、PRM20は、当該点の値ZTMX(単位は[m])である。
第21の特徴パラメータPRM21(Z軸軌道最小点値)について:
特徴パラメータPRM21は、上下軸加速度の二階積分(上下軸軌道)についての基準期間における最小点の大きさに関するパラメータである。例えば、PRM21は、当該点の値ZTMN(単位は[m])である。
第22の特徴パラメータPRM22(Z軸軌道最大点最小点差)について:
特徴パラメータPRM22は、上下軸加速度の二階積分(上下軸軌道)について基準期間における最大点の大きさと同一基準期間における最小点の大きさの差に関するパラメータである。例えば、PRM22は、ZTMX−ZTMN(単位は[m])である。
以上、第1の特徴パラメータPRM1から第22の特徴パラメータPRM22は、上下軸加速度の時間変化の特徴を示す特徴パラメータである。以下では、前後軸加速度の時間変化の特徴を示す特徴パラメータについて説明する。
図16を参照し、第23の特徴パラメータPRM23から第28の特徴パラメータPRM28までの6種類の特徴パラメータについて説明する。
第23の特徴パラメータPRM23(X軸加速度第1極大点タイミング比)について:
特徴パラメータPRM23は、前後軸加速度について基準期間において最小点の後で現れる最初のピーク、即ち、最小点負から正に転じるゼロクロス点を基準としたとき最初に現れる極大点の出現タイミングに関するパラメータである。例えば、PRM23は、当該タイミングTXAP1を基準期間StepTで規格化することで得られる無次元量TXAP1/StepTである。
第24の特徴パラメータPRM24(X軸加速度第2極大点タイミング比)について:
特徴パラメータPRM24は、前後軸加速度について基準期間において最小点の後で2番目に現れるピーク、即ち、最小点負から正に転じるゼロクロス点を基準としたとき2番目に現れる極大点の出現タイミングに関するパラメータである。例えば、PRM24は、当該タイミングTXAP2を基準期間StepTで規格化することで得られる無次元量TXAP2/StepTである。
第25の特徴パラメータPRM25(X軸加速度最小点タイミング比)について:
特徴パラメータPRM25は、前後軸加速度について基準期間において現れる最小点の出現タイミングに関するパラメータである。例えば、PRM25は、当該タイミングTXAMNを基準期間StepTで規格化することで得られる無次元量TXAMN/StepTである。
第26の特徴パラメータPRM26(X軸加速度第1極大点値)について:
特徴パラメータPRM26は、前後軸加速度について基準期間において最小点の後で現れる最初のピーク、即ち、最小点負から正に転じるゼロクロス点を基準としたとき最初に現れる極大点の大きさに関するパラメータである。例えば、PRM26は、当該点の値XAP1(単位は[m/sec])である。
第27の特徴パラメータPRM27(X軸加速度第2極大点振幅比)について:
特徴パラメータPRM27は、前後軸加速度について基準期間において最小点の後で2番目に現れるピーク、即ち、最小点負から正に転じるゼロクロス点を基準としたとき2番目に現れる極大点の大きさに関するパラメータである。例えば、PRM27は、当該点の値XAP2を1番目の極大点の値で規格化することで得られる無次元量XAP2/XAP1である。
第28の特徴パラメータPRM28(X軸加速度最小点値)について:
特徴パラメータPRM28は、前後軸加速度について基準期間における最小点の大きさに関するパラメータである。例えば、PRM28は、当該点の値XAMN(単位は[m/sec])である。
最後に、図17を参照し、第29の特徴パラメータPRM29から第33の特徴パラメータPRM33までの5種類の特徴パラメータについて説明する。
第29の特徴パラメータPRM29(X軸速度最大点タイミング比)について:
特徴パラメータPRM29は、前後軸加速度の一階積分(前後軸速度)についての基準期間における最大点の出現タイミングに関するパラメータである。例えば、PRM29は、当該タイミングTXVMXを基準期間StepTで規格化することで得られる無次元量TZVMX/StepPである。
第30の特徴パラメータPRM30(X軸速度最大点前90%タイミング比)について:
特徴パラメータPRM30は、前後軸加速度の一階積分(前後軸速度)について基準期間において初めて最大点の90%に到達したタイミングに関するパラメータである。例えば、PRM30は、当該タイミングTXVMX90を基準期間StepTで規格化することで得られる無次元量TXVMX90/StepTである。
第31の特徴パラメータPRM31(X軸速度最大点前80%タイミング比)について:
特徴パラメータPRM31は、前後軸加速度の一階積分(前後軸速度)について基準期間において初めて最大点の80%に到達したタイミングに関するパラメータである。例えば、PRM31は、当該タイミングTXVMX80を基準期間StepTで規格化することで得られる無次元量TXVMX80/StepTである。
第32の特徴パラメータPRM32(X軸速度最小点タイミング比)について:
特徴パラメータPRM32は、前後軸加速度の一階積分(前後軸速度)についての基準期間における最小点の出現タイミングに関するパラメータである。例えば、PRM32は、当該タイミングTXVMNを基準期間StepTで規格化することで得られる無次元量TXVMN/StepTである。
第33の特徴パラメータPRM33(X軸速度最小点前50%タイミング比)について:
特徴パラメータPRM33は、前後軸加速度の一階積分(前後軸速度)について基準期間において初めて最小点の50%に到達したタイミングに関するパラメータである。例えば、PRM33は、当該タイミングTXVMN50を基準期間StepTで規格化することで得られる無次元量TXVMN50/StepTである。
以上が本実施の形態において制御部110が導出する33種類の特徴パラメータである。これらの特徴パラメータPRM1〜PRM33は、後述するようにステップS66(図20)において、重み付け加算される。本実施の形態においては、次式で表される特徴パラメータPRM1〜PRM33についての重み付け加算、
Figure 2014217693
により、上述した平均骨盤傾斜角θ[degree]が得られる。ここで重み付け加算に用いられる重み係数(k,k,...,k32,k33)および定数項k(k〜k33は、ゼロを含む実定数。)は、後述するようにステップS65a〜S65c(図20)において、被測定者の歩幅および/または基準期間に応じて適切に決定される。
図20に戻り、特徴パラメータ導出後の処理について説明する。ステップS65aにおいて、制御部110は、上下軸軌道時系列データ(図15)を用いて、被測定者の歩幅の広狭を評価する。制御部110は、例えば、一基準期間における上下軸軌道の最大値と最小値との差(図15におけるZTPP)の大きさに基づいて、被測定者の歩幅を推定する。当該推定は、予め実験的に求めた、上下軸軌道の最大値と最小値との差ZTPPと、歩幅との変換テーブル(変換式)等を用いて行えばよい。
次に、ステップS65bにおいて、制御部110は、上下軸加速度時系列データ(図13)を用いて、被測定者の歩行周期のうち1歩分に相当する基準期間を求める。制御部110は、例えば、負から正へ転じるゼロクロス点と、負から正へ転じるゼロクロス点と、の間の時間間隔、即ち、基準期間StepTを求めればよい。
次に、ステップS65cにおいて、制御部110は、上記式1による平均骨盤傾斜角θの算出に用いる重み係数を決定する。図21は、重み係数セットの決定に用いる参照テーブルである。制御部110は、先ず、ステップS65aで評価した被測定者の歩幅の広狭にもとづき、被測定者の歩幅が「小さい」か、「中程度」か、「大きい」かを判定する。次に、制御部110は、上記した歩幅の判定を踏まえ、さらに、基準期間が「短い」か、「中程度」か、「長い」か、を判定することにより、使用する重み係数セットKmn(m:1,2,3、n:1,2,3)を決定する。重み係数セットKmnは、それぞれ、式1で用いられる重み係数(k,k,...,k32,k33)および定数項kを備えたセットである。例えば、重み係数セットK11は、歩幅が比較的小さくかつ基準期間が比較的短いという共通の特徴を備えた数多くの被測定者からなる群について式1により平均骨盤傾斜角θが精度良く算出できるように、実験的に求めた重み係数および定数項の値の集合である。同様、重み係数セットK33は、式1により平均骨盤傾斜角θが精度良く算出できるように、歩幅が比較的大きくかつ基準期間が比較的長いという共通の特徴を備えた数多くの被測定者からなる群について実験的に求めた重み係数および定数項の値の集合である。他の重み係数セットも、それぞれ、同様にして実験的に得た重み係数の値および定数項の値の集合である。
なお、ステップS65a〜S65cまでの処理は、被測定者の歩幅および/または基準期間に応じて複数の重み係数セットを備える場合に式1の評価に用いる重み係数を選択するために行う処理である。したがって、制御部110が用いる重み係数セットが1つである場合には、ステップS65a〜S65cまでの処理はスキップされてよい。
ステップS66において、制御部110は、ステップS64で算出した特徴パラメータPRM1〜PRM33と、ステップS65cにおいて決定した重み係数セットKmnとを用いて、次式
Figure 2014217693
ここで、PRM(i:1〜33の整数)は、ステップS64で求めた特徴パラメータであり、kmn,0およびkmn,i(i:1〜33の整数)は、重み係数セットKmnに含まれる定数項および重み係数である。
図19に戻り、ステップS17において、制御部110は第2評価部として働いて、ステップS16で求めた平均骨盤傾斜角θにもとづき、被測定者の歩行中の姿勢が、「前傾」であるか、「真中」であるか、「後傾」であるか、判定する(図12(A)参照。)。
そして、ステップS18において、制御部110は、ステップS15で求めた重心の前寄り/後寄りの程度に関する評価と、ステップS17で求めた歩行姿勢(歩行時骨盤傾斜)の前傾/後傾の程度に関する評価とに基づき、被測定者の歩行姿勢について総合的な評価を行う。
図18に示す3行3列のマトリクスは、制御部110がステップS18において歩行姿勢の総合評価に用いる評価チャートである。制御部110は、ステップS15で求めた重心位置に関する評価とステップS17で求めた骨盤傾斜角に関する評価とから、被測定者の姿勢の傾向を、当該マトリクスの1つに特定する。そして、特定した歩行姿勢傾向を歩行姿勢の総合評価結果としてスマートフォン200へ出力(送信)する。
スマートフォン200は、活動量計100からの情報を受信すると、総合評価の結果を表示部240に表示する。スマートフォン200の表示部240には、例えば「あなたの歩行姿勢は、骨盤が前傾し、重心が前寄りになる傾向があります。」というようにメッセージとして表示される。なお、表示部240には、イラストやアニメーション等を用いて骨盤の前傾/後傾、および、重心の前寄り/後寄りの傾向が直感的にわかるような表示を行ってもよい(図18のイラスト参照)。また、表示部240には、ステップS15で得た重心位置の前寄り/後寄りの程度を示す量、および、ステップS16で得た平均骨盤傾斜角θそのもの、あるいは、θの値を適切に処理して得られる評価数値を表示してもよい。
この表示部240の表示内容を見て、ユーザは、歩行時の重心が前寄りであるか、後寄りであるか、および、歩行時の姿勢が前傾ぎみであるか、後傾ぎみであるか否かを知ることができる。
このように、発明者は、鋭意研究の結果、被験者の腰部に装着された加速度センサから出力される加速度の時間変化の波形の形状の特徴を捉えた1つまたは複数の特徴量(特徴パラメータ)の重み付け加算の結果が、被験者の歩行時における骨盤の傾斜角とよい相関性を有することを実験的に見いだした。この歩行姿勢計1によれば、被測定者の歩行中の重心位置や、姿勢の前傾/後傾の程度を適切に評価できる。また、この歩行姿勢計1では、加速度センサ112の出力に基づいて評価を行っているので、モーションキャプチャのような大がかりな設備によらず、手軽に評価できる。
上述の第3の実施の形態では、33種類の特徴パラメータPRM1〜PRM33を算出したが、これに限られるものではない。例えば、33種類の特徴パラメータPRM1〜PRM33全てを算出するのではなく、一部のみを算出し、その特徴パラメータのみを用いて、被測定者の歩行中の前傾/後傾の傾向を評価してもよい。
上述の第3の実施の形態では、被測定者の歩幅および/または基準期間に応じてそれぞれ重み係数セットKmnを設定したが、これに限られるものではない。基準期間に代えて歩行周期(左足基準期間と右足基準期間とを併せた2歩分の期間に相当する)を用い、被測定者の歩幅および/または歩行周期に応じてそれぞれ重み係数セットKmnを設定してもよい。
上述の実施形態では、活動量計100とスマートフォン200とは、BLE通信によって互いに通信を行ったが、これに限られるものではない。例えば、活動量計100とスマートフォン200とは、NFC(Near Field Communication;近距離無線通信)によって、スマートフォン200と活動量計100とが互いに接近したときに通信を行うようにしてもよい。
また、上述の実施形態では、本発明の歩行姿勢計を、活動量計100とスマートフォン200とを含むシステムとして構成したが、これに限られるものではない。
例えば、本発明の歩行姿勢計を、スマートフォン200のみで構成しても良い。その場合、スマートフォン200が加速度センサを含むものとする。また、スマートフォン200のメモリ220には、制御部210に、ヒトの歩行姿勢が正しい姿勢であるか否かを定量的に評価するプログラム、より詳しくは、歩行中の姿勢の前傾/後傾の程度を評価するプログラムをインストールする。これにより、本発明の歩行姿勢計を小型かつコンパクトに構成することができる。
また、そのプログラムは、アプリケーションソフトウェアとして、CD、DVD、フラッシュメモリなどの記録媒体に記録することができる。この記録媒体に記録されたアプリケーションソフトウェアを、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、PDA(パーソナル・デジタル・アシスタンツ)などの実質的なコンピュータ装置にインストールすることによって、それらのコンピュータ装置に、ヒトの歩行姿勢が正しい姿勢であるか否かを定量的に評価する方法を実行させることができる。
1 歩行姿勢計
100 活動量計
112 加速度センサ
110 制御部CPU
120 メモリ
180 BLE通信部
200 スマートフォン
210 制御部
220 メモリ
290 ネットワーク通信部
230 操作部
240 表示部
280 BLE通信部

Claims (11)

  1. 被測定者の歩行姿勢を評価する歩行姿勢計であって、
    被測定者の腰の正中線上に装着される加速度センサと、
    前記加速度センサが出力する上下軸加速度の時間的な変化波形を用いて、前記被測定者の歩行中の重心の位置が前後方向に関して前記被測定者に対し前寄りに偏っている程度を示す量、および、前記重心の位置が前後方向に関して前記被測定者に対し後寄りに偏っている程度を示す量の少なくともいずれか一方を算出する第1演算部と、
    を備えたことを特徴とする歩行姿勢計。
  2. 請求項1に記載の歩行姿勢計において、
    前記第1演算部が算出した量に基づいて、前記被測定者の歩行中の重心の位置が前記被測定者に対して前後方向に関して前寄りに偏っているか否か、前記被測定者に対して前後方向に関して後寄りに偏っているか否かの少なくともいずれか一方を判断する第1評価部を備えたことを特徴とする歩行姿勢計。
  3. 請求項2に記載の歩行姿勢計において、
    前記第1演算部は、
    上方を正とする前記上下軸加速度の時間的な変化波形において加速度値が負から正へ変化するゼロクロス点の出現タイミングから次の負から正へ変化するゼロクロス点の出現タイミングまでの期間を、前記被測定者の1歩分に相当する基準期間として求め、
    前記基準期間において前記ゼロクロス点の後で最初に現れる第1の極大点の値と、前記第1の極大点の次の極大点である第2の極大点の値との比に基づいて、前記前寄りに偏っている程度を示す量を算出するとともに、
    前記第2の極大点の値と、前記基準期間において前記第2の極大点の次の極大点である第3の極大点の値との比に基づいて、前記後寄りに偏っている程度を示す量を算出し、
    前記第1評価部は、前記前寄りに偏っている程度を示す量と前記後寄りに偏っている程度を示す量とに基づいて、前記被測定者の歩行中の重心の位置が前記被測定者に対して前後方向に関して前寄りに偏っているか、前記被測定者に対して前後方向に関して後寄りに偏っているか、前記前寄りと前記後寄りの中間にあって所定の幅を有する中央領域に位置するか、を判断することを特徴とする歩行姿勢計。
  4. 請求項3に記載の歩行姿勢計において、
    前記第1評価部は、
    前記前寄りに偏っている程度を示す量を予め定められた第1閾値と比較して、前記被測定者の歩行中の重心の位置が前後方向に関して前寄りに偏っているか否かを判断するとともに、
    前記後寄りに偏っている程度を示す量を予め定められた第2閾値と比較して、前記被測定者の歩行中の重心の位置が前後方向に関して後寄りに偏っているか否かを判断することを特徴とする歩行姿勢計。
  5. 請求項3に記載の歩行姿勢計において、
    前記第1評価部は、前記前寄りに偏っている程度を示す量と前記後寄りに偏っている程度を示す量とを比較して、前記被測定者の歩行中の重心の位置が前後方向に関して前寄りに偏っているか、前記被測定者に対して前後方向に関して後寄りに偏っているか、前記前寄りと前記後寄りの中間にあって所定の幅を有する中央領域に位置するか、を判断することを特徴とする歩行姿勢計。
  6. 請求項5に記載の歩行姿勢計において、
    前記第1評価部は、
    前記前寄りに偏っている程度を示す量を表すための第1座標軸と、前記後寄りに偏っている程度を示す量を表すための第2座標軸とによって直交座標平面を設定するとともに、
    前記直交座標平面を、前記第1座標軸と前記第2座標軸との交点を通る予め定められた2本の境界線によって3つの領域に区画し、
    前記第1演算部が算出した前記前寄りに偏っている程度を示す量と前記後寄りに偏っている程度を示す量とで定まる特徴点が、前記3つの領域のいずれに含まれるかを判断することにより、前記被測定者の歩行中の重心の位置が前記前寄りであるか、前記後寄りであるか、前記中央領域に位置するか、を判断する、ことを特徴とする歩行姿勢計。
  7. 請求項6に記載の歩行姿勢計において、
    前記第1評価部は、前記特徴点が前記3つの領域のいずれに含まれるかを判断する前に、前記第1演算部が算出した前記前寄りに偏っている程度を示す量および前記後寄りに偏っている程度を示す量に対し、ゼロ近傍および1近傍の値域において各量の変化を抑制する写像を適用することを特徴とする歩行姿勢計。
  8. 請求項7に記載の歩行姿勢計において、
    前記3つの領域を区画する前記2本の境界線はそれぞれ直線形状を有する、ことを特徴とする歩行姿勢計。
  9. 請求項1に記載の歩行姿勢計において、
    前記上下軸加速度の時間的な変化波形と前記加速度センサが出力する前後軸加速度の時間的な変化波形とを用いて、前記被測定者の歩行中の姿勢の前後方向の傾きに対応する量を算出する第2演算部を備えたことを特徴とする歩行姿勢計。
  10. 請求項9に記載の歩行姿勢計において、
    前記姿勢の前後方向の傾きに対応する量に基づいて、前記被測定者の歩行中の姿勢が前傾しているか否か、後傾しているか否かの少なくともいずれか一方を判断する第2評価部を備えたことを特徴とする歩行姿勢計。
  11. 被測定者の歩行姿勢を評価する方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記方法は、
    被測定者の腰の正中線上に装着された加速度センサの出力を取得するステップと、

    前記加速度センサが出力する上下軸加速度の時間的な変化波形を用いて、前記被測定者の歩行中の重心の位置が前後方向に関して前記被測定者に対し前寄りに偏っている程度を示す量、および、前記重心の位置が前後方向に関して前記被測定者に対し後寄りに偏っている程度を示す量の少なくともいずれか一方を算出するステップと、
    を備えたことを特徴とするプログラム。
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