JP2014214362A - 成膜装置 - Google Patents

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雅充 山下
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Abstract

【課題】1台の質量分析計(Q−MASS)で複数のチャンバのガス成分の検出が可能な成膜装置を提供する。
【解決手段】成膜装置Ad1a、Ad1b、Ad2、Ad3、Ad4は、基材Fに対して成膜を行う成膜手段を有する複数のチャンバC1、C2と、前記複数のチャンバ内のそれぞれに連通し、バルブVs1、Vs2を有する引出配管Pi1、Pc1;Pi2、Pc2と、一端が全ての前記引出配管に連通する共通配管Pccと、前記共通配管の他端に接続された質量分析計測手段Dmと、前記共通配管に連通した真空排気手段とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、チャンバ内でベース材に薄膜を形成させ、より詳しくは複数のチャンバそれぞれで薄膜を連続的に形成させる成膜装置に関する。
連続的に成膜する方法としては、スパッタ法やCVD法等が一般的に用いられている。CVD法の一例として、プラズマCVD装置においては、プラズマを発生させたチャンバ内に供給された原料ガスをプラズマと反応させてベースフィルム上に薄膜を形成するといったことが行われている。成膜状態は、原料ガスの供給量と温度とにより決定される。原料ガスが少ないと膜厚が薄くなり、原料ガスが多すぎると未反応のガスが発生して膜質が悪くなる。
つまり、高品位な膜生成のためには、膜生成に与る原料ガス量の管理が重要である。そのために、チャンバ内の原料ガス量を正確に知る必要がある。そのような手段として、俗にQ−MASSと呼ばれる質量分析計が用いられている。
スパッタリング法においても、成膜チャンバ内のガスの管理が重要である。図13に、特許文献1に提案されているスパッタリングによる成膜装置を示す。成膜装置10においては、基板Zの搬送方向に複数のターゲットTg−1、Tg−2を配置すると共に、成膜室中の放電ガスと基板成分由来の放出ガスとを質量分析手段(Q−MASS)58を用いて検出して、放電ガスの量に対する基板成分由来の放出ガスの量が1%以下となるように、最上流のターゲットに対する電力が制御されている。
特開2010−7113号公報
上述のように、成膜チャンバ内のガス成分の検出には、成膜チャンバ毎に質量分析計が用いられている。そのために、複数の薄膜を成膜させる成膜装置においては、膜数に対応したチャンバの数だけ、質量分析手段58を重複して備えるため、成膜コストを押し上げている。
よって本発明は、上述に鑑みて、1台の質量分析計(Q−MASS)で複数のチャンバのガス成分の検出が可能な、成膜装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決する為に、本発明の成膜装置は、
基材に対して成膜を行う成膜手段を有する複数のチャンバと、
前記複数のチャンバ内のそれぞれに連通し、バルブを有する引出配管と、
一端が全ての前記引出配管に連通する共通配管と、
前記共通配管の他端に接続された質量分析計測手段と、
前記共通配管に連通した真空排気手段とを有する。
本発明の成膜装置によると、複数のチャンバのガス成分を1台の質量分析計(Q−MASS)で検出できる。
本発明の実施の形態1に係る成膜装置の構成を示すブロック図である。 図1の成膜装置の主な動作を示すメインフローチャートである。 図2におけるサブルーチン#100の前半の詳細な処理を示すフローチャートである。 図2におけるサブルーチン#100の後半の詳細な処理を示すフローチャートである。 図2におけるサブルーチン#200の詳細な処理を示すフローチャートである。 図2におけるサブルーチン#300の詳細な処理を示すフローチャートである。 図2におけるサブルーチン#400の詳細な処理を示すフローチャートである。 図2におけるサブルーチン#500の詳細な処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1の変形例に係る成膜装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態2に係る成膜装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る成膜装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態4に係る成膜装置の構成を示すブロック図である。 従来の成膜装置の構成を示すブロック図である。
(実施の形態1)
以下に図1、図2、図3、図4、図5、図6、図7、図8、及び図9を参照して、本発明の実施の形態1に係る成膜装置の構成及び動作について説明する。
図1に、本実施の形態に係る成膜装置Ad1aを示す。成膜装置Ad1aは、長尺状の基材(ベースフィルム)であるフィルムFの表面に化学気相成長法(Chemical Vapor Deposition)によりロール・ツー・ロール(Roll to Roll)方式で連続的に薄膜の形成(以降、成膜)を行う装置(プラズマCVD装置)である。複数層の薄膜を形成する要求にロール・ツー・ロール方式で応えるために、成膜装置Ad1aは、形成する薄膜の層数以上の数の成膜チャンバを備える。
成膜装置Ad1aは、実際に内部で成膜を行う本体Bを含む成膜ユニットUfと、成膜ユニットUf(本体B)に原料ガスを供給する原料ガス供給ユニットUsと、成膜ユニットUf(本体B)内の原料ガスの状態を計測する成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUmと、成膜装置Ad1aの全体の動作を制御する制御器Conとを含む。原料ガス供給ユニットUsと、成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUmと、制御器Conとは、成膜チャンバ雰囲気調整ユニットUcを構成する。以下、成膜ユニットUf、原料ガス供給ユニットUs、成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUm、及び制御器Con、それぞれの構成及び動作について説明する。
成膜ユニットUfにおいては、本体Bは、内部にドラムRm、供給室Ca、チャンバC1、チャンバC2、及び巻取り室Czを収容している。供給室Ca及び巻取り室CzはそれぞれドラムRmの両側に配置される。供給室Caの内部に基材ロールWr1が配置され、巻取り室Czの内部に基材ロールWr2及びリールRpが配置されている。基材ロールWr1はフィルムFが巻回されて構成されている。チャンバC1及びC2の内部には、それぞれ電極E1及びE2が配されている。
チャンバC1及びC2は、互いに隣接した状態で、ドラムRmの円周面に対して開口している。チャンバC1及びチャンバC2は、内部でフィルムFの表面上に薄膜が生成される、成膜チャンバである。なお、本実施の形態においては、成膜チャンバの数は、チャンバC1及びC2の2であるが、生成される膜数に適宜決定される。
さらに、本体Bの外部には、真空ポンプP1及びP2、真空計Dv1及びDv2、圧力制御弁G1及びG2、真空ポンプP0、並びに真空計Dvmが設けられている。真空ポンプP0及び真空計Dvmは、好ましくはチャンバC1及びチャンバC2を避けた対称性のある位置で本体Bの内部に接続されている。なお、本例においては、真空ポンプP0は供給室Caと巻取り室Czの間で、真空計Dvmは真空ポンプP0の近傍で本体Bに接続されている。
真空計Dv1はチャンバC1の内部に接続されている。真空ポンプP1は、圧力制御弁G1を介して、チャンバC1の内部に接続されている。真空計Dv2はチャンバC2の内部に直接接続され、真空ポンプP2は圧力制御弁G2を介してチャンバC2の内部に接続されている。
上述の如く構成された本体Bにおいて、フィルムFは基材ロールWr1から繰り出され、ドラムRm及びリールRpでガイドされて長手方向に搬送される。チャンバC1及びC2においてフィルムFに薄膜が形成される。成膜されたフィルムFはロール状に巻き取られ、基材ロールWr2の状態で保持される。
原料ガス供給ユニットUsは、マスフローコントローラR1及びR2と、バルブV1及びV2とを含む。マスフローコントローラR1はバルブV1を介してチャンバC1の内部に接続される。同様に、マスフローコントローラR2はバルブV2を介してチャンバC2の内部に接続される。マスフローコントローラR1及びR2はそれぞれ、外部の原料ガス源(不図示)に接続されている。
原料ガス供給ユニットUsは、チャンバC1及びC2に所定の量の原料ガスを個別に供給するガス供給手段である。マスフローコントローラR1は、原料ガス源からチャンバC1に供給されるガスの流量を制御(流量制御)する。バルブV1は、マスフローコントローラR1で流量制御されたガスのチャンバC1への流入を制御する。これにより、チャンバC1に供給される原料ガス量が制御される。同様に、マスフローコントローラR2、及びバルブV2によって、チャンバC2に供給される原料ガス量が制御される。マスフローコントローラR1及びR2は、図中では「MFC」と表記する。
成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUmは、質量分析計(Q−mass)Dmと、真空ポンプPmと、真空計Dvと、バルブVsと、バルブVs1と、バルブVs2とを含む。質量分析計Dmは、成膜チャンバ(チャンバC1及びC2)内の原料ガス中の各成分の質量量の計測(以降、雰囲気計測)に用いられる質量分析計測手段である。質量分析計Dmは、図中では「Q−mass」と表記する。
質量分析計Dmは、共通配管Pcc、分岐配管Pc1、バルブVs1、及び配管Pi1を介してチャンバC1の内部に接続される。なお、バルブVs1によって、質量分析計DmのチャンバC1への連通が制御される。同様に、質量分析計Dmは、共通配管Pcc、分岐配管Pc2、バルブVs2、及び配管Pi2を介してチャンバC2の内部に接続され、バルブVs2によって連通が制御される。配管Pi1と分岐配管Pc1とは、チャンバC1と共通配管Pccとを連通させる引出配管を構成する。同様に、配管Pi2と分岐配管Pc2とは、チャンバC2と共通配管Pccとを連通させる引出配管を構成する。
分岐配管Pc1及び分岐配管Pc2は、それぞれ図1において上端部がバルブVs1及びバルブVs2に接続され、下端は共通配管Pccの上端に接続されている。なお、共通配管Pccの下端は質量分析計Dmに接続されている。つまり、検出共用配管Pcによって、質量分析計DmはバルブVs1(チャンバC1)及びバルブVs2(チャンバC2)の両方に接続されている。質量分析計Dmは、バルブVs1及びVs2を開閉することにより、チャンバC1及びC2のいずれかに択一的に接続可能である。なお、図1における分岐配管Pc1、分岐配管Pc2、及び共通配管Pccそれぞれの上端側(チャンバC1あるいはC2に近接する側)を、以後必要に応じて、分岐配管Pc1、分岐配管Pc2、及び共通配管Pccの上流側と呼ぶ。
つまり、成膜チャンバ(チャンバC1及びC2)と質量分析計Dmとを接続する配管の内、配管Pi1及びPi2は特定の成膜チャンバの雰囲気計測の際にのみ質量分析計Dmに連通される配管であり、分岐配管Pc1及びPc2と共通配管Pccとは常に質量分析計Dmに連通される配管である。つまり、分岐配管Pc1及びPc2、及び共通配管Pccはすべての成膜チャンバの雰囲気計測の際に使用される。この意味において、分岐配管Pc1及びPc2、及び共通配管Pccを必要に応じて検出共用配管Pcと総称する。
真空計Dvは、配管Pcvによって共通配管Pccに連通されている。真空ポンプPmは、配管Pmpによって質量分析計Dmに連通されている。配管Pcvと配管Pmpとは、配管PvpによってバルブVsを介して連通されている。バルブVsを開放することにより、真空ポンプPmは配管Pvp及びPcvによって検出共用配管Pc(共通配管Pcc)に連通されて、検出共用配管Pcから質量分析計Dmを介してポンプPに至る吸気ラインに、検出共用配管Pcから直接検出共用配管Pcに至るバイパスラインが形成される。この状態で真空ポンプPmを稼働させると、検出共用配管Pcの真空排気が質量分析計Dmを介した吸気ラインのみにより行われる場合に比べて、検出共用配管Pc内の気体をより容易に且つ迅速に排出できる。真空計Dvは、検出共用配管Pcの真空度を計測する。
上述のように構成された成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUmは、質量分析計DmがチャンバC1及びC2のいずれかに択一的に接続されることにより、複数の成膜チャンバから選択(接続)されたチャンバの内部の雰囲気計測を行う。
制御器Conは、成膜装置Ad1aの全体の動作を制御する。なお、図1においては、図面における視認性及び説明の便宜上、成膜ユニットUfに対する制御信号Scfは省略されていると共に、成膜チャンバ雰囲気調整ユニットUc内の要部への各種制御信号のみが表示されている。制御器Conは、成膜装置Ad1aの成膜チャンバの雰囲気計測動作及び成膜チャンバに対する原料ガス供給動作を決定及び制御する。雰囲気計測動作の開始は、真空計Dvにより計測された検出共用配管Pcの真空度に基づいて決定される。原料ガス供給動作は、質量分析計Dmにより計測された成膜チャンバ内の雰囲気に基づいて決定される。雰囲気計測動作の制御は、制御器Conが、バルブVs、Vs1、及びVs2、質量分析計Dm、真空計Dv、並びに真空ポンプPmの動作を制御することにより行われる。原料ガス供給動作の制御は、制御器Conが、マスフローコントローラR1及びR2の動作を制御することにより行われる。
成膜装置Ad1aにおいては、バルブVs1及びVs2の開閉によって質量分析計Dmが任意の成膜チャンバに選択的に接続されると共に、バルブVsの開閉によって上述のバイパスラインが形成されて雰囲気計測が行われる。そして、雰囲気計測の結果に基づいて当該成膜チャンバに供給される原料ガスの流量が制御される。以下、図2〜図8に示すフローチャートを参照して、成膜装置Ad1aにおける制御器Conによる成膜チャンバの雰囲気計測動作及び原料ガス供給動作に重点をおいて説明する。
まず図2を参照して、成膜装置Ad1aの主な動作について説明する。処理が開始されると、まず、処理フロー#100において、チャンバC1及びC2を有する成膜装置Ad1aが起動され、チャンバC1及びC2に対する原料ガスの供給及びフィルムFに対する成膜が開始される。
処理フロー#200において、複数の成膜チャンバ(チャンバC1及びC2)のいずれか(図2においては、チャンバC1が例示)の内部の雰囲気計測(チャンバ内部の気体の成分の計測)の準備が行われる。準備とは、後続の処理フロー#300/#500で、対象チャンバの雰囲気計測の際に測定の擾乱要素となる、異なる(前回の計測対象)チャンバ(図2においては、チャンバC2が例示)の雰囲気ガスの残留成分の影響を排除(影響を無視できるほどに低減)することである。具体的には、検出共用配管Pc及び質量分析計Dmそれぞれの内部に残留している気体(以降、残留ガス)が、真空ポンプPmにより検出共用配管Pc及び質量分析計Dmの外部に排出される。
処理フロー#300において、対象チャンバ内の雰囲気が計測されると共に調整される。具体的には、複数のチャンバC1及びC2の何れかが計測対象として選択(本実施の形態においては、C1→C2→C1の繰り返し)される。選択されたチャンバ(チャンバC1)の内部の雰囲気計測が、質量分析計Dmにて行われる。雰囲気計測の結果に基づいて制御器ConがマスフローコントローラR1の動作を制御することにより、チャンバC1に供給される原料ガスの流量が制御されてチャンバC1内の雰囲気が調整される。
処理フロー#400において、別のチャンバ(実施の形態においては、C2→C1→C2の繰り返し)の内部の雰囲気計測の準備、つまり計測対象チャンバの変更(切替)の準備が行われる。上述の処理フロー#200ではチャンバC1の計測のための準備処理であるのに対して、本フローにおいてはチャンバC2の計測のための準備処理であるが、同じ動作(ステップS202〜S212)が行われる。
処理フロー#500において、対象チャンバ(チャンバC2)内の雰囲気が計測されると共に調整される。処理フロー#300と実質的に同じ動作の結果、チャンバC2内の雰囲気が計測及び調整される。
次に、ステップS600において、フィルムFに対する成膜が完了しているか否かが判断される。フィルムFに対する成膜が完了していなければ、処理は処理フロー#200に戻って、成膜チャンバ内部の雰囲気の計測及び調整が継続される。フィルムFに対する成膜が完了していれば、処理は終了する。
次に図3〜図8を順次参照して、上述の処理フロー#100、#200、#300、#400、及び#500それぞれにおける成膜装置Ad1aの詳細な動作について説明する。処理フロー#100の詳細な処理は、図3及び図4に分割して示されている。
処理フロー#100においては、図3に示すステップS302〜S312によって、先ずチャンバC1の内部の気体成分が計測される。その後、図4に示すステップS502〜S506、S308〜S310、及びS512によって、チャンバC2の内部の気体成分が計測される。そして、ステップS110〜S114によって成膜が実行される。以下に、処理フロー#100における詳細な動作について説明する。
成膜装置Ad1aの動作が開始すると、ステップS102において、本処理における各種パラメータが初期化される。具体的には、測定スキャンカウンタCs、C1計測値総和SQc1、及びC2計測値総和SQc2がそれぞれ0にセットされる。さらに、最大測定スキャン値Csmax、配管真空度基準値Vpp、配管成分量基準値Qpp、C1基準圧力Pc1s、C2基準圧力Pc2s、C1成分量最小許容値MQc1min、C1成分量最大許容値MQc1max、C1基準濃度Qc1s、C2成分量最小許容値MQc2min、C2成分量最大許容値MQc2max、及びC2基準濃度Qc2sがそれぞれ所定の値に設定される。
測定スキャンカウンタCsは、質量分析計Dmによる雰囲気測定(以降、測定スキャン)動作の回数を示す。本明細書において、質量分析計Dmがチャンバ内の雰囲気測定を1回行うことを1測定スキャンと言う。本実施の形態においては、後述するステップS304〜S308(図3)或いはステップS504〜S308(図4)における処理が1測定スキャンに相当する。雰囲気計測は、測定スキャンを所定回数(Csmax)行い、所定回数の測定スキャン結果の平均値(MQc1、MQc2)を算出することにより行われる。C1計測値総和SQc1、及びC2計測値総和SQc2はそれぞれ、後述するチャンバC1及びC2の測定スキャン結果の平均値算出に用いられるパラメータである。
最大測定スキャン値Csmaxは、上述の1回の雰囲気計測において行われる測定スキャン回数を示す。配管真空度基準値Vpp及び配管成分量基準値Qppは、後述する検出共用配管Pcの真空度及び計測される成分量の目標値である。擾乱が無いと判定される基準値であり、対象チャンバ内の雰囲気計測(測定)開始の可否の判定値である。C1基準圧力Pc1s及びC2基準圧力Pc2sはそれぞれ、チャンバC1及びC2それぞれにおける成膜作業開始可を示すチャンバ内部の圧力の基準値である。
C1成分量最小許容値MQc1min及びC1成分量最大許容値MQc1maxはそれぞれ、後述するチャンバC1の雰囲気計測結果の最小許容値及び最大許容値である。C1基準濃度Qc1sは、チャンバC1の計測される成分量の基準値である。同様に、C2成分量最小許容値MQc2min及びC2成分量最大許容値MQc2maxはそれぞれ、後述するチャンバC2の雰囲気計測結果の最小許容値及び最大許容値であり、C2基準濃度Qc2sはチャンバC2の計測される成分量の基準値である。
ステップS104において、成膜装置Ad1aの真空排気が開始される。具体的には、制御器Conから成膜ユニットUfに対して制御信号Scfが出力され、成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUmに対して制御信号Scs、Scs1、及びScs2が出力される。制御信号Scs1及びScs2に応答して、バルブVs1及びVs2が閉鎖される。制御信号Scsに応答して、バルブVsが開放される。結果、検出共用配管PcはチャンバC1及びC2に対して遮断されると共に、真空ポンプPmに対しては直接接続される。
制御器Conから出力された制御信号Scf及びScpに応答して、成膜ユニットUfの真空ポンプP0、真空ポンプP1、真空ポンプP2、及び成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUmの真空ポンプPmが稼働することにより、供給室Ca、チャンバC1、チャンバC2、巻取り室Cz、及び検出共用配管Pcの真空排気が開始される。
ステップS106において、チャンバC1及びC2の真空度が計測される。チャンバC1の真空度は真空計Dv1にて、チャンバC2の真空度は真空計Dv2にて、それぞれ計測される。真空ポンプPmによる真空排気は、チャンバC1及びC2の真空度排気に寄与しておらず、後述の測定スキャン(ステップS302〜S308)の前準備として検出共用配管Pc、質量分析計Dm、及び真空計Dvで形成される測定系の内部を排気(負圧)にしている。
ステップS108において、ステップS106で計測されたチャンバC1及びC2の真空度がそれぞれ所定値に達しているか否かが制御器Conによって判断される。チャンバC1及びC2双方の真空度が所定値に達していなければ、処理はステップS106に戻って、チャンバC1及びC2の真空排気及び真空度の計測が継続される。チャンバC1及びC2双方の真空度が所定値に達していれば、処理はステップS302に進み、測定スキャンが開始される。
ステップS302においては、成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUmにおいて、チャンバC1の雰囲気計測の準備が行われる。まず、バルブVs1、Vs2、及びVsが開閉される。バルブVs1は、制御信号Scs1に応答して開放される。バルブVs2及びVsは、制御信号Scs2及びScsにそれぞれ応答して閉鎖される。結果、検出共用配管Pcは、チャンバC1に対しては連通され、チャンバC2に対しては遮断される。また検出共用配管Pcは、真空ポンプPmに対しては質量分析計Dmを介してのみ連通される。この時、真空ポンプPmによって検出共用配管Pc内の圧力がチャンバC1内の圧力より低く引かれており、チャンバC1中の気体が検出共用配管Pcを介して質量分析計Dmに流れ込む。質量分析計Dmによって、流れ込んだチャンバC1中の気体成分が測定される。
以下に述べるステップS304〜S312においては、チャンバC1の内部の気体の成分の1測定スキャン(S304〜S308)が所定回数(Csmax)繰り返される(S310)。そして、測定結果(Qc1)の平均値(MQc1)を算出されて、チャンバC1の内部の気体成分の測定結果が得られる(S312)。以下に、各ステップ毎に詳述する。
ステップS304において、制御器Conから出力される制御信号Scmに応答して、質量分析計DmはバルブVs1(開)によって導通されているチャンバC1の内部の気体成分を計測して、計測結果Smcを制御器Conに出力する。制御器Conは、計測結果Smcに基づいて、気体成分の計測値Qc1を取得し、制御器ConによるC1平均計測値MQc1の算出処理(S306〜S312)が開始される。
ステップS306において、C1計測値総和SQc1に、計測値Qc1が加算される(SQc1=SQc1+Qc1)。
ステップS308において、測定スキャンカウンタCsに1が加算される(Cs=Cs+1)。加算後の測定スキャンカウンタCsは、現在行われているチャンバC1の気体成分計測において、既に完了している計測の回数を表す。
ステップS310において、測定スキャンカウンタCsを参照して、気体成分計測が所定の回数完了したか否かが判断される。測定スキャンカウンタCsが最大測定スキャン値Csmaxに達していなければ、処理はステップS304に戻って、チャンバC1の気体成分計測が継続される。測定スキャンカウンタCsが最大測定スキャン値Csmaxに達していれば、処理はステップS312に進む。
ステップS312において、計測値Qc1の平均値であるC1平均計測値MQc1が算出される(MQc1=SQc1/Csmax)。以上、図3に示すステップS102〜S312において、チャンバC1の内部の気体成分の検出が完了する。そして、図4に示す、チャンバC2の内部の気体成分の計測(ステップS502〜S512)及び成膜実行(ステップS110〜S114)が開始される。
ステップS502〜S512においては雰囲気計測対象が、チャンバC1の代わりにチャンバC2である点に起因する相違を除いて、チャンバC1を雰囲気計測の対象とするステップS302〜S312のそれぞれにおけるのと同様の処理が行われるので、以下に処理内容を簡単に述べる。
ステップS502において、バルブVs1及びVsが閉鎖され、バルブVs2が開放される。結果、検出共用配管Pcは、チャンバC1に対しては遮断され、チャンバC2に対しては連通される。これにより、チャンバC1の代わりにチャンバC2が雰囲気計測対象となる。
ステップS504において、チャンバC2の内部の気体成分の量を表す計測値Qc2が取得される。ステップS506において、C2計測値総和SQc2が計測値Qc2によって更新される(SQc2=SQc2+Qc2)。
ステップS308において、測定スキャンカウンタCsに1が加算される(Cs=Cs+1)。ステップS310を経て、処理はステップS504に戻る、あるいはステップS512に進む。
ステップS512において、計測値Qc2の平均値であるC2平均計測値MQc2が算出される(MQc2=SQc2/Csmax)。これにより、チャンバC1及びチャンバC2の両方の気体成分量の計測が完了する。
そして、ステップS110において、気体成分量計測の完了したチャンバC1及びC2それぞれに対する原料ガスの供給が開始される。まず、チャンバC1への原料ガスの供給について述べる。制御器ConからバルブV1に対して、バルブを開くように要求する制御信号が出力される。バルブV1がこの制御信号に応答して、マスフローコントローラR1をチャンバC1の内部に連通させる。同様に、制御器ConからマスフローコントローラR1に対して、原料ガスを供給するように要求する制御信号が出力される。
マスフローコントローラR1は、制御信号に応答して、チャンバC1への原料ガスの所定の流量での供給を開始する。チャンバC1に対する所定流量での原料ガスの供給が継続される一方で、真空ポンプP1とチャンバC1との間に配置された圧力制御弁G1が排気量を調整しているので、チャンバC1の内部は所定の圧力で維持できる。
チャンバC2への原料ガスの供給に際しては、バルブV2、マスフローコントローラR2、真空ポンプP2、及び圧力制御弁G2が、制御器Conによって、チャンバC1に関して行われたのと同様に制御される。結果、チャンバC2の内部は所定の圧力で維持できる。
ステップS112において、チャンバC1及びC2それぞれの内部の圧力が、チャンバC1及びC2のそれぞれにおける成膜作業のための基準値であるC1基準圧力Pc1s及びC2基準圧力Pc2sに達した時点で、チャンバC1及びC2へのフィルムFの供給が開始され、フィルムFの表面に対する成膜が開始される。
ステップS114において、成膜装置Ad1aの起動からの経過時間が所定値に達しているか否かが判断される。経過時間が所定値に達していなければ、フィルムFの供給及び成膜が継続される。経過時間が所定値に達していれば、処理は処理フロー#200(ステップS202及びS206〜S212)に進む。
次に図5を参照して、上述の処理フロー#200における成膜装置Ad1aの詳細な動作について説明する。処理フロー#200の詳細な処理は、図5のフローチャートにおけるステップS202及びS206〜S212で表わされる。
ステップS202及びS206〜S212においては、成膜チャンバ内部の雰囲気計測の準備として、検出共用配管Pc及び質量分析計Dmそれぞれの残留ガスが外部に排出される。残留ガスの排出が達成されたか否かは、検出共用配管Pc及び質量分析計Dmを含む測定系の真空度及び測定系内の気体成分に基づいて判定される。
ステップS202において、バルブVs1及びVs2が閉鎖され、バルブVsが開放される。結果、検出共用配管PcはチャンバC1及びC2に対して遮断されると共に、真空ポンプPmに対しては配管Pcv及びPvpを介して連通される。つまり検出共用配管Pcは、真空ポンプPmに対しては質量分析計Dmをバイパスして接続される。測定系内の気体は、質量分析計Dm及びバイパスを介して、真空ポンプPmによって急速に吸引排気される。
ステップS206において、検出共用配管Pc(測定系)の真空度が計測される。具体的には、制御器Conから真空計Dvに対して、検出共用配管Pc(測定系)の真空度を計測するように要求する制御信号Scvが出力される。真空計Dvが制御信号Scvに応答して動作することにより、検出共用配管Pc(測定系)の真空度が計測され、計測値Vpが取得される。真空計Dvは、計測値Vpに基づき作成された制御信号Svcを出力して、検出共用配管Pcの真空度(計測値Vp)を制御器Conに知らせる。
ステップS208において、ステップS206で取得された検出共用配管Pcの真空度の計測値Vpが、配管真空度基準値Vpp以下であるか否かが判断される。計測値Vpが配管真空度基準値Vpp以下でなければ、処理はステップS206に戻って、検出共用配管Pcの真空排気及び真空度の計測が継続される。計測値Vpが配管真空度基準値Vpp以下であれば、処理はステップS210に進む。配管真空度基準値Vppは、C1基準圧力Pc1s及びC2基準圧力Pc2sのいずれよりも低い値に設定される。なお、本実施の形態における測定系は、質量分析計Dmにバイパスを設けることによって、質量分析計Dmだけの場合に比べてより短い時間で所望の真空状態を達成できる。
ステップS210において、検出共用配管Pcの内部の気体の成分が、質量分析によって計測される。これにより、成膜チャンバ内の成分測定を行う際に、擾乱要素となる共用配管内の残留ガスの残量を高精度に確認するものである。具体的には、制御器Conから質量分析計Dmに対して、検出共用配管Pcの内部の気体の成分を計測するように要求する制御信号Scmが出力される。制御信号Scmに応答して、質量分析計Dmは測定系(検出共用配管Pc)内部の気体成分を計測して、計測結果Smcを制御器Conに出力する。制御器Conは、計測結果Smcに基づいて、検出共用配管Pc内部の気体成分の計測値を表す計測値Qpを取得する。
ステップS212において、ステップS210で取得された検出共用配管Pcの内部の気体の特定成分の成分量の計測値Qpが、配管成分量基準値Qpp以下であるか否かが判断される。計測値Qpが配管成分量基準値Qpp以下でなければ、処理はステップS210に戻って、検出共用配管Pcの、真空排気及び内部の気体の特定成分の成分量の計測が継続される。計測値Qpが配管成分量基準値Qpp以下であれば、処理は処理フロー#300(ステップS302〜S320)に進む。これにより、検出共用配管Pcの内部の残留ガスが、質量分析計Dmによるチャンバ内雰囲気測定を擾乱しない程度まで排気されたことが確認された後に、成膜チャンバの雰囲気ガスを調整する処理フロー#300が実行される。なお、配管成分量基準値Qppは、複数の特定成分でもよい。また特定成分は、測定するチャンバ毎に変わってもよい。
なお、計測値Qpは、処理フロー#300で行われる成膜チャンバC内の原料ガス分析及び調整にとする擾乱要素である、処理フロー#200が開始される直前に検出共用配管Pc(測定系)が接続されていた成膜チャンバCの内部気体の成分量を表している。よって、計測値Qpが配管成分量基準値Qpp以下になるように排気することにより、今回選択された成膜チャンバC内の原料ガス分析及び調整に好適である。
次に図6を参照して、上述の処理フロー#300における成膜装置Ad1aの詳細な動作について説明する。処理フロー#300の詳細な処理は、図6のフローチャートにおけるステップS302〜S320で表わされる。
ステップS302〜S320においては、計測対象のチャンバ(処理フロー#300においては、チャンバC1)の内部の雰囲気計測が、質量分析計Dmにて行われる(ステップS302〜S312)。雰囲気計測の結果に基づいて、制御器ConがマスフローコントローラR1の動作を制御することにより、チャンバC1内の雰囲気(原料ガスの濃度)が調整される(ステップS314〜S316)。
ステップS302〜S312においては計測対象とされる成分が、装置起動時の気体成分の代わりにチャンバC1内で使用している原料ガスの成分である点に起因する相違を除いて、処理フロー#100におけるステップS302〜S312(図3)のそれぞれにおけるのと同様の処理が行われるので、以下に処理内容を簡単に述べる。
ステップS302において、バルブVs1が開放され、バルブVs2及びVsが閉鎖される。結果、検出共用配管Pcは、チャンバC1に対しては連通され、チャンバC2に対しては遮断される。これにより、チャンバC1中の気体が検出共用配管Pcを介して質量分析計Dmに流れ込み、チャンバC1が雰囲気計測対象となる。
ステップS304〜S312において、チャンバC1の内部の気体の成分が、質量分析計Dmによる質量分析によって計測される。計測の対象とされる成分は、チャンバC1内で使用している原料ガスの成分である。質量分析計Dmは、所定範囲の質量と各質量における検知強度を計測するが、その中の特定質量およびその強度(量)を計測値Qc1としてよい。
ステップS304において、チャンバC1の内部の原料ガスの成分の量を表す計測値Qc1が取得される。ステップS306において、C1計測値総和SQc1が計測値Qc1によって更新される(SQc1=SQc1+Qc1)。
ステップS308において、測定スキャンカウンタCsに1が加算される(Cs=Cs+1)。ステップS310を経て、処理はステップS304に戻る、あるいはステップS312に進む。
ステップS312において、計測値Qc1の平均値であるC1平均計測値MQc1が算出される(MQc1=SQc1/Csmax)。後述するステップS314〜S316において、平均計測値MQc1がC1成分量最小許容値MQc1min及びC1成分量最大許容値MQc1maxと比較され、比較結果に基づいて制御器ConがマスフローコントローラR1の動作を制御することによりチャンバC1内の雰囲気(原料ガスの濃度)が調整される。
ステップS314において、計測された特定成分(チャンバC1内で使用している原料ガスの成分)の平均計測値MQc1が、MQc1min以上かつMQc1max以下である(MQc1min≦MQc1≦MQc1max)か否かが判断される。特定成分が複数種類ある場合は、個々の特定成分について上記の判断を行う。Yesと判断される場合はチャンバC1内の雰囲気(原料ガスの濃度)の調整は不要であり、処理はステップS320に進む。Noと判断される場合はチャンバC1内の雰囲気の調整が必要であり、処理はステップS316に進む。なお、MQc1<MQc1minあるいはMQc1max<MQc1である場合でも、C1平均計測値MQc1の値は後述の処理によって調整可能な範囲内の値であることは、工程能力により保証される。
ステップS316において、C1平均計測値MQc1が、製造仕様などで予め決められたチャンバC1内の原料ガスの濃度の基準値を表すC1基準濃度Qc1sと比較される。比較結果に基づいて、チャンバC1内雰囲気フィードバックデータDaQc1(以降、「C1フィードバックデータDaQc1」)が作成される。制御器Conは、C1フィードバックデータDaQc1に基づいて制御信号Scr1を作成し、マスフローコントローラR1に対して出力する。マスフローコントローラR1が制御信号Scr1に応答して原料ガスの流量を調整することにより、チャンバC1内の雰囲気が調整される。C1フィードバックデータDaQc1は、謂わば、C1基準濃度Qc1sに対するC1平均計測値MQc1の差分信号であり、制御信号Scr1は差分値がゼロになるようにマスフローコントローラR1を駆動制御する。
ステップS318において、測定スキャンカウンタCs及びC1計測値総和SQc1が初期化される(Cs=0、SQc1=0)。その後処理はステップS304に戻り、平均計測値MQc1がMQc1min≦MQc1≦MQc1maxの条件を満たすまでチャンバC1内の雰囲気の調整が繰り返される。このチャンバC1内の雰囲気の調整を繰り返さずに、直接ステップS320に進んでも良い。
ステップS320においてチャンバC1の雰囲気計測結果をメモリなどに記録し、所定の時間Tpが経過するまで待機する。その後、処理は処理フロー#400(図7)に進む。上述のように、処理フロー#400における処理(ステップS202及びS206〜S212)は記述の処理フロー#200における処理と同じであるので説明を省く。計測対象チャンバ変更(切替)の準備が完了したら、処理は処理フロー#500に進む。
次に図8を参照して、上述の処理フロー#500における成膜装置Ad1aの詳細な動作について説明する。処理フロー#500の詳細な処理は、図8のフローチャートにおけるステップS502〜S506、S308〜S310、S512〜S518、及びS320で表わされる。
ステップS502〜S506、S308〜S310、S512〜S518、及びS320においては、計測対象のチャンバ(処理フロー#500においては、チャンバC2)の内部の雰囲気計測が行われ(ステップS502〜S512)、計測結果に基づいてチャンバC2内の雰囲気(原料ガスの濃度)が調整される(ステップS514〜S516)。
ステップS502〜S512においては計測対象とされる成分が、装置起動時の気体成分の代わりにチャンバC2内で使用している原料ガスの成分である点に起因する相違を除いて、処理フロー#100におけるステップS502〜S512(図4)のそれぞれにおけるのと同様の処理が行われるので、以下に処理内容を簡単に述べる。
ステップS502において、バルブVs1及びVsが閉鎖され、バルブVs2が開放される。結果、検出共用配管Pcは、チャンバC1に対しては遮断され、チャンバC2に対しては連通される。これにより、チャンバC2中の気体が検出共用配管Pcを介して質量分析計Dmに流れ込み、チャンバC2が雰囲気計測対象となる。
ステップS504〜S512において、チャンバC2の内部の気体の成分が、質量分析によって計測される。計測の対象とされる成分は、チャンバC2内で使用している原料ガスの成分である。
ステップS504において、チャンバC2の内部の原料ガスの成分の量を表す計測値Qc2が取得される。ステップS506において、C2計測値総和SQc2が計測値Qc2によって更新される(SQc2=SQc2+Qc2)。
ステップS308において、測定スキャンカウンタCsに1が加算される(Cs=Cs+1)。ステップS310を経て、処理はステップS504に戻る、あるいはステップS512に進む。
ステップS512において、計測値Qc2の平均値であるC2平均計測値MQc2が算出される(MQc2=SQc2/Csmax)。後述するステップS514〜S516において、C2平均計測値MQc2がC2成分量最小許容値MQc2min及びC2成分量最大許容値MQc2maxと比較され、比較結果に基づいて制御器ConがマスフローコントローラR2の動作を制御することによりチャンバC2内の雰囲気(原料ガスの濃度)が調整される。
ステップS514〜S320においては雰囲気調整対象が、チャンバC1の代わりにチャンバC2である点に起因する相違を除いて、チャンバC1を雰囲気調整の対象とするステップS314〜S320(図6)のそれぞれにおけるのと同様の処理が行われるので、以下に処理内容を簡単に述べる。
ステップS514において、測定された特定成分(チャンバC2内で使用している原料ガスの成分)について、その平均計測値MQc2が、最小許容値であるMQc2min以上かつ最大許容値であるMQc2max以下である(MQc2min≦MQc2≦MQc2max)か否かが判断される。判断結果に基づいてチャンバC2内の雰囲気調整の要否が決定され、処理はステップS320に進む、あるいはステップS516に進む。
ステップS516において、C2平均計測値MQc2と、予め決められたチャンバC2内の原料ガスの濃度の基準値を表すC2基準濃度Qc2sとが比較され、比較結果に基づいてチャンバC2内雰囲気フィードバックデータDaQc2(以降、「C2フィードバックデータDaQc2」)が作成される。制御器Conは、C2フィードバックデータDaQc2に基づいて作成した制御信号Scr2を、マスフローコントローラR2に対して出力する。マスフローコントローラR2が制御信号Scr2に応答して原料ガスの流量を調整することにより、チャンバC2内の雰囲気が調整される。
ステップS518において、測定スキャンカウンタCs及びC2計測値総和SQc2が初期化される(Cs=0、SQc2=0)。その後処理はステップS504に戻り、C2平均計測値MQc2が、MQc2min≦MQc2≦MQc2maxの条件を満たすまでチャンバC2内の雰囲気の調整が繰り返される。また、ステップS518の処理後、直接ステップS320に進むようにしてもよいことは、処理フロー#300に関して説明したのと同様である。
ステップS320においてチャンバC2の雰囲気計測結果をメモリなどに記録し、所定の時間Tpが経過するまで待機する。その後、処理はステップS600に進む。
ステップS600において、フィルムFに対する成膜が完了したか否かが判断される。成膜が完了していれば、処理は終了する。成膜が完了していなければ、処理はステップS202(処理フロー#200)に戻って、計測対象チャンバの変更(切替)の準備が行われる。
次に、図9を参照して、成膜装置Ad1aの変形例について説明する。成膜装置Ad1bは、成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUmが成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUmbに置き換えられている点を除いて上述の成膜装置Ad1a(図1)と同様に構成されている。以降、成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUmbに関して重点的に述べる。
成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUmbは、上述の成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUm(図1)に真空ポンプPbが追加されて構成されている。成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUmにおいて真空ポンプPmが質量分析計Dm及び配管Pcvに接続されているのと異なり、成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUmbにおいては、真空ポンプPmは質量分析計Dmに接続され、真空ポンプPbは配管Pcvに接続されている。真空ポンプPbは、制御器Conから出力される制御信号Scpaに応答して動作する。
成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUmbにおいて、検出共用配管Pcは、質量分析計Dmを介して配管Pmpbにより真空ポンプPmに接続されると共に、配管Pcv及びPvpbによりバルブVsを介して真空ポンプPbに接続されている。つまり、検出共用配管Pcの真空排気に用いられる真空ポンプは2個ある。検出共用配管Pcの真空排気に用いられる吸気ラインは、検出共用配管Pcから質量分析計Dmを介して真空ポンプPmに至る吸気ラインと、検出共用配管Pcから直接真空ポンプPbに至る吸気ラインとを含む。これにより、成膜装置Ad1a(図1)の吸気ラインにおけるバイパスラインを独立させたと言える。
成膜装置Ad1bにおける制御器Conによる成膜チャンバの雰囲気計測動作及び雰囲気調整動作は、検出共用配管Pcの真空排気が真空ポンプPmに加えて真空ポンプPbによって行われる点に起因する相違を除いて、上述の成膜装置Ad1aにおける雰囲気計測動作及び調整動作(図2〜図8)と同様である。具体的には、成膜装置Ad1bにおける処理は、処理フロー#100のステップS104を除いて成膜装置Ad1aにおける処理と同様である。
つまり成膜装置Ad1bにおける処理は、図3に示す処理フロー#100のステップS104(成膜装置の真空排気開始)において、真空ポンプP0、P1、P2、及びPmに加えて真空ポンプPbが稼働する。真空ポンプPbは、ステップS104において制御器Conから出力される制御信号Scpaに応答して稼働する。
上述のように構成された成膜装置Ad1bにおいては、検出共用配管Pc(測定系)は、真空ポンプPmに対しては質量分析計Dmを介して常時接続される上に、バルブVsが開放されることによって真空ポンプPbに直接接続される。測定系内の気体は、必要に応じて、2個の真空ポンプPm及びPbによって吸引排気され、測定系の真空排気に要する時間が短縮される。
(実施の形態2)
以下に図10を参照して、本発明の実施の形態2に係る成膜装置の構成及び動作について説明する。成膜装置Ad2は、図1を参照して説明した成膜装置Ad1aにおいて、成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUmが成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUm2に置き換えられている。以降、成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUm2に関して重点的に述べる。
本実施の形態では、検出共用配管Pc中を排気する際に、成膜成分以外のガス(以後「キャリアガス」と呼ぶ。)を流しながら排気を行う。キャリアガスを流すのは、排気の際にガスの流れを作り、成膜成分のガスを排気しやすくすることと、検出共用配管Pcの内壁にキャリアガスの吸着を高め、成膜成分が内壁に吸着しにくくするためである。
このようにすることで、計測中に成膜成分が内壁から放出され計測の擾乱要因となることを抑制することができる。キャリアガスは、質量分析計Dmにおいて、HO若しくは成膜成分と検出ピークが重ならないガスが望ましい。以下ではキャリアガスとして不活性ガスを用いる場合で説明するが、HO若しくは成膜成分と検出ピークが重ならなければ、不活性ガスに限定されるものではない。
成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUm2は、上述の成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUm(図1)において、真空計Dvが設けられず、マスフローコントローラR3が追加されて構成されている。マスフローコントローラR3は、配管PcraによりバルブVs3aを介して分岐配管Pc1に接続されると共に、配管PcrbによりバルブVs3bを介して、分岐配管Pc2に接続されている。マスフローコントローラR3は、外部の不活性ガス源(不図示)に接続されている。必要に応じて、バルブVs3a及びVs3bをバルブVs3と総称する。また配管Pcra及びPcrbを配管Pcrと総称する。
このように、不活性ガス(キャリアガス)は、検出共用配管Pc(分岐配管Pc1、分岐配管Pc2、及び共通配管Pcc)の上流側から流すのが望ましい。ここで上流側とは、チャンバからの配管のバルブの直後から下流側の検出共用配管を含んでよい。なお図10においては視認性のために、配管Pcraと分岐配管Pc1とが接続される位置と、配管Pcrbと分岐配管Pc2とが接続される位置とを異ならせて表示している。
マスフローコントローラR3は、不活性ガス源から検出共用配管Pcに供給されるガスの流量を制御(流量制御)する。バルブVs3は、マスフローコントローラR3で流量制御されたガスの検出共用配管Pcへの流入を制御する。これにより、検出共用配管Pcに供給される不活性ガス量が制御される。マスフローコントローラR3は、図中では「MFC」と表記する。マスフローコントローラR3及びバルブVs3(バルブVs3a及びVs3b)はそれぞれ、制御器Conから出力される制御信号Scr3及びScs3に応答して動作する。
真空ポンプPmは、成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUm(図1)においてと同様に、質量分析計Dm及び検出共用配管Pcに接続されている。これにより、検出共用配管Pcから質量分析計Dmを介して真空ポンプPmに至る吸気ラインに、検出共用配管Pcから直接真空ポンプPmに至るバイパスラインが形成される。検出共用配管Pcと真空ポンプPmとは、配管Pvp2によりバルブVsを介して接続されている。
上述のように構成された成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUm2において、成膜チャンバの雰囲気計測の準備として行われる、検出共用配管Pc及び質量分析計Dmを含む測定系内の残留ガスの排出は、質量分析計Dm及びバイパスラインを介した真空ポンプPmによる吸引排気によって行われる。さらに、マスフローコントローラR3から検出共用配管Pcに供給される不活性ガスが、残留ガスに対するキャリアガスとして機能することにより、測定系内の残留ガスの排出が促進される。また、検出共用配管Pcの内壁に残留ガスが吸着するのを抑制する。残留ガスの排出が達成されたか否かは、測定系内の気体成分に基づいて判定される。
成膜装置Ad2における制御器Conによる成膜チャンバの雰囲気計測動作及び雰囲気調整動作は、測定系に残留ガスのキャリアガスが供給される点、及び測定系内の残留ガスの排出達成の判定が、測定系の真空度には基づかず、測定系内の気体成分に基づいて判定される点に起因する相違を除いて、上述の成膜装置Ad1aにおける雰囲気計測動作及び調整動作(図2〜図8)と同様である。以下、必要に応じて図2〜図8を援用して、成膜装置Ad2の動作を説明する。
成膜装置Ad2の動作の成膜装置Ad1aの動作との相違点は、図3に示す処理フロー#100のステップS104(成膜装置の真空排気開始)において、バルブVs3の開放とマスフローコントローラR3の稼働動作が追加される点である。さらに、図5に示す処理フロー#200(成膜チャンバの雰囲気計測の準備)において、ステップS206及びS208の処理が行われない点である。なお、本実施の形態に固有のバルブVs3及びマスフローコントローラR3、及びそれらの動作を上述の成膜装置Ad1aあるいはAd1bに適応してもよい。
(実施の形態3)
以下に図11を参照して、本発明の実施の形態3に係る成膜装置の構成及び動作について説明する。成膜装置Ad3は、図10を参照して説明した成膜装置Ad2において、成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUm2が成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUm3に置き換えられている。以降、成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUm3に関して重点的に述べる。本実施の形態では、検出共用配管Pcに温度調節装置TCを設け、残留ガスの影響を低減する。
成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUm3は、上述の成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUm2(図10)において、マスフローコントローラR3と配管PcrとバルブVs3とが設けられず、温度調節装置TCが追加されて構成されている。温度調節装置TCは、検出共用配管Pcの近傍に配置されて、検出共用配管Pcの温度の調節(加熱あるいは冷却)を行う温度調節手段である。
温度調節装置TCは、制御器Conから出力される制御信号Schに応答して動作する。また、温度調節装置TCは、別途起動されてもよい。本実施の形態において、温度調節装置TCは、加熱装置(ヒーター)あるいは冷却装置(クーラー)である。より具体的には、加熱装置としては、帯ヒーターや、検出共用配管Pcの周囲に配管を配し、高温の媒体を流してもよい。
また、冷却装置としては、検出共用配管Pcの周囲にバッファ空間を配し、その空間に液体窒素を貯留できるようにしたものであってよい。
加熱装置は、検出共用配管Pcを加熱することによって、検出共用配管Pcの内壁に付着しているガス成分(擾乱要素)を早急に脱離させるか、あるいは付着自体を防止するために用いられる。これにより、計測準備時間の短縮及び計測精度の向上が図れる。
同様に、冷却装置は、検出共用配管Pcを冷却することによって、検出共用配管Pcの内壁にガス成分(擾乱要素)を吸着固定し、内壁からの脱離を防止する。これにより、計測準備時間の短縮及び計測精度の向上が図れる。
なお、冷却装置を設けた場合は、検出共用配管Pc内に、ガス成分が吸着されている。そのため、フィルムFに対する成膜が完了した後で、検出共用配管Pcを加熱して内壁に付着しているガス成分を脱離させ、測定系の外部に排出することが望ましい。温度調節装置TCは、上述のステップS104(図3)において稼働される。
なお、本実施の形態に固有の温度調節装置TC及びその動作を上述の成膜装置Ad1aあるいはAd1bに適応してもよい。
(実施の形態4)
以下に図12を参照して、本発明の実施の形態4に係る成膜装置の構成及び動作について説明する。成膜装置Ad4は、図10を参照して説明した成膜装置Ad2において、成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUm2が成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUm4に置き換えられている。以降、成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUm4に関して重点的に述べる。
本実施の形態では、排気する際に、残留ガスと反応する成分のガスをイオン化させて、検出共用配管Pc内に流す。このイオン化されたガスをクリーニングガスと呼ぶ。クリーニングガスは、イオン化された物質であるため、残留ガスと結合する。したがって、内壁に吸着していた残留ガスを放出しやすくする。つまり、クリーニングする。また、仮に内壁に吸着し、他のチャンバ内の測定時に、質量分析計Dmまで流れてきたとしても、質量分析計Dmでは、他の物質として検出されるので、擾乱要因とならない。したがって、クリーニングガスは、残留ガスと結合した際に、擾乱要素とならない物質になるガスが望ましい。
成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUm4は、上述の成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUm2(図10)において、マスフローコントローラR3とバルブVs3a及びVs3bとが設けられず、プラズマ発生用チャンバCPと、バルブVs4a及びVs4bと、バルブVs5a及びVs5bと、マスフローコントローラR4a及びR4bとが追加されて構成されている。必要に応じて、バルブVs4a及びVs4bをバルブVs4と総称すると共に、バルブVs5a及びVs5bをバルブVs5と総称する。また、マスフローコントローラR4a及びR4bをマスフローコントローラR4と総称する。
プラズマ発生用チャンバCP(以降、「チャンバCP」)は、配管Pcr(配管Pcra及びPcrb)によりバルブVs4を介して、分岐配管Pc1及び分岐配管Pc2に接続されている。チャンバCPの内部には、電極(不図示)が配されている。マスフローコントローラR4a及びR4bは、配管Pcr4a及びPcr4bによりバルブVs5を介して、チャンバCPに接続されている。マスフローコントローラR4は、外部のガス源(不図示)に接続されている。このように、クリーニングガスは、検出共用配管Pcの上流側から流すのが望ましい。
マスフローコントローラR4は、ガス源からチャンバCPに供給されるガスの流量を制御(流量制御)する。バルブVs5は、マスフローコントローラR4で流量制御されたガスのチャンバCPへの流入を制御する。チャンバCPに流入したガスとチャンバCPの内部で発生したプラズマとが反応して、クリーニングガスが生成される。バルブVs4は、生成されたクリーニングガスの検出共用配管Pcへの流入を制御する。これにより、検出共用配管Pcに供給されるクリーニングガス量が制御される。マスフローコントローラR4は、図中では「MFC」と表記する。
バルブVs4及びVs5はそれぞれ、制御器Conから出力される制御信号Scs4及びScs5に応答して動作する。マスフローコントローラR4は、制御器Conから出力される制御信号Scr4に応答して動作する。
上述のように構成された成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUm4において、測定系内の残留ガスの排出は、成膜チャンバ雰囲気計測ユニットUm2(図10)と同様に、質量分析計Dm及びバイパスラインを介した真空ポンプPmによる吸引排気によって行われる。さらに、検出共用配管Pcの内壁に付着したガス成分(ガス成分により生成された膜)をプラズマクリーニングにより分解し、内壁を洗浄することによって、内壁から残留ガスを剥離する。プラズマクリーニング手段は、上述のチャンバCPと、マスフローコントローラR4a及びR4bとを含む。また、残留ガスと結合することで、測定系にとって擾乱要因とならない物質に変化し、仮に測定中に内壁から離れて質量分析計Dmに検出されても擾乱要因とならないようにする。バルブVs4及びVs5の開放及びマスフローコントローラR4の稼働は、上述の処理フロー#200(図5)及び#400(図7)におけるステップS202において行われる。
測定系からの残留ガスの排出が達成されたか否かは、測定系内の気体成分に基づいて判定される。例えば、Si系の膜に対してF系のガスを用いて膜を分解すると、検出共用配管Pcの内部でSiFが生成される。測定系内の気体に含まれるSiFの量を質量分析計Dmにて計測し、SiFの量が所定値以下となった時点で内壁の洗浄が完了したと判断する。
なお、本実施の形態に固有のバルブVs4及びVs5、マスフローコントローラR4、及びチャンバCP、及びそれらの動作を上述の成膜装置Ad1aあるいはAd1bに適応してもよい。
上述の実施の形態1〜4においてはプラズマCVD装置である成膜装置Ad1a、Ad1b、Ad2、Ad3、及びAd4を例として説明したが、本発明は、複数のチャンバのガス成分の検出を1台の質量分析計(Q−MASS)で行う装置に適用できる。例えば、スパッタリングにより成膜を行う装置に本発明を適用してもよい。
本発明は、成膜装置に適用できる。
Ad1a、Ad1b、Ad2、Ad3、Ad4 成膜装置
Uf 成膜ユニット
Us 原料ガス供給ユニット
Um、Umb、Um2、Um3、Um4 成膜チャンバ雰囲気計測ユニット
Uc 成膜チャンバ雰囲気調整ユニット
P0、P1、P2、Pm、Pb 真空ポンプ
Dm 質量分析計
R1、R2、R3、R4a、R4b マスフローコントローラ
Con 制御器
F フィルム
B 本体
C1、C2 チャンバ
Dv1、Dv2、Dvm、Dv 真空計
G1、G2 圧力制御弁
V1、V2、Vs、Vs1、Vs2、Vs3、Vs4、Vs5 バルブ
Pc 検出共用配管
Pcc 共通配管
Pc1、Pc2 分岐配管
Pi1、Pi2 配管
Pcv、Pmp、Pvp 配管
CP (プラズマ発生用)チャンバ
TC 温度調節装置

Claims (6)

  1. 基材に対して成膜を行う成膜手段を有する複数のチャンバと、
    前記複数のチャンバ内のそれぞれに連通し、バルブを有する引出配管と、
    一端が全ての前記引出配管に連通する共通配管と、
    前記共通配管の他端に接続された質量分析計測手段と、
    前記共通配管に連通した真空排気手段とを有することを特徴とする成膜装置。
  2. 前記共通配管の上流側に、キャリアガスを供給するガス供給手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載された成膜装置。
  3. 少なくとも前記共通配管の温度を調整する温度調節手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載された成膜装置。
  4. 前記温度調節手段は、加熱装置であることを特徴とする請求項3に記載された成膜装置。
  5. 前記温度調節手段は、冷却装置であることを特徴とする請求項3に記載された成膜装置。
  6. 前記共通配管の上流側に、クリーニングガスを供給するプラズマクリーニング手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載された成膜装置。
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