JP2014211851A - ロボット間の時間同期方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】互いに連携して同一の目的を達成する複数のロボット11からなるロボット群におけるロボット間の時間同期方法であって、複数のロボット11のうちの1つのロボットが他のロボットに対して通信を行う場合に中継するロボットの数をホップ数とした場合において、ロボット11は、ロボット群において他のロボット11と同期をとるための現在時間と、他のロボット11に対する各ホップ数と、を情報として有しており、ロボット群における各ロボット11について、それぞれが有する各ホップ数の合計値を算出し、合計値が最も小さいロボット11をマスターとし、かつ、マスター以外の全てのロボット11をスレーブとして定め、スレーブが有する現在時間をマスターが有する現在時間に置き換える。
【選択図】図2
Description
この際、移動目標を複数のロボットでトラッキング(位置評定)する場合、ロボット間において時間の同期が一致していないと、トラッキングの位置精度が低下することになり、目的とするミッションの達成ができないといった事態が発生する。そのため、各データの統合を行うためには、各ロボットに内蔵されているコンピュータの時間が同期していることが必須になる。
具体的には、例えば図1のように、ロボットAとロボットBがそれぞれ有する時間が同期していない場合、ロボットBからロボットAに同期されていない時間に従った情報が伝達することによって、ロボットAでは移動目標の位置を誤って認識する場合が発生する。
なお、BMCアルゴリズムとは、マスタークロックがネットワークから削除された場合や、特性の変更により品質がベストでなくなった場合には、ネットワーク内のクロックから新規マスタークロックを自動的に決定するというものである。また、この例において、スレーブでのマスターへの時間同期の方法については、クロックサーボと呼ばれる機構により実行するものを用いており、これは、マスターとスレーブ間の時間差(オフセット)と伝送遅延時間を計測し、PI制御器とlow−passフィルタにより、漸化的に目標時間に合わせて静定させている。
しかし、特許文献2に記載された手法では、時間同期をとる必要があるロボットの数が多い場合等において、静的なネットワークで静定するまで通常数分から10分程度の時間を要することがある。そのため、頻繁にロボットが離脱、加入する場合や、ネットワークトポロジーが変化する場合において、マスターの頻繁な交代によってネットワークの静定に多大な時間を要する場合があるという問題があった。
前記ロボットは、前記ロボット群において他のロボットと同期をとるための現在時間と、
前記他のロボットに対する各ホップ数と、を情報として有しており、
(A)前記ロボット群における各ロボットについて、それぞれが有する各ホップ数の合計値を算出し、
(B)前記合計値が最も小さいロボットをマスターとし、かつ、マスター以外の全てのロボットをスレーブとして定め、
(C)前記スレーブが有する現在時間を前記マスターが有する前記現在時間に置き換える、ことを特徴とするロボット間の時間同期方法が提供される。
(D−2)前記マスターが前記ロボット群を離脱した場合には、前記(A)及び前記(B)によって新しいマスターを決定する。
前記(A)を行う前に、前記複数のロボット群の中から基準となる1つのロボット群を選定し、前記選定されていないロボット群のマスターが有する現在時間を前記選定されたロボット群のマスターが有する現在時間に置き換える。
また、ロボット群からロボットが離脱又は加入した際において、マスターの変更回数を減らすことが可能になるため、ノードの離脱、加入及びネットワークトポロジーの変化が頻繁して発生する環境においても、短い時間でかつ誤差の少ない時間同期を実現することが可能になる。
さらに、他のロボット群との間で時間同期を行う場合には、ロボット群を跨いで同期を行う必要があるのはマスター間でのみであるため、複数のロボット群間において時間同期を行う場合においても効率的に行うことが可能になる。
この図において、11はロボット、12は各ロボットの監視エリア、14は通行可能領域、15は障害物である。
なお、図3においては、ロボット群相互の位置関係を明確にするために、図2の状態よりもロボット群相互の間隔を広く記載している。
この例において、ロボット11は、地上を走行する車両型ロボットや上空から監視可能なヘリコプター等を想定している。また、自律走行が可能なロボットであれば無人ロボットであってもよい。
監視エリア12が一部重複する複数のロボット11によってロボット群を編成することによって、一機のロボットによる監視エリアを超えた広範囲にわたる監視を行うことが可能になる。
この図において、11d、11eはロボット、16はターゲットであり、ターゲット16はあるロボット11の監視エリア12の中に複数存在する場合もある。
また、この図においては、時間t0においては、ロボット11eの監視エリア12内にターゲット16が存在しており、時間t0から時間t1経過後において、ターゲット16はロボット11dとロボット11eの監視エリア12が重複する位置に移動している状況を表している。
具体的には、ターゲット16の監視を行っているロボット11の情報を、所定の間隔をもって同一ロボット群内の他のロボット11に送る必要がある。
(1)ヘッダ(データを発信するロボット11のID等)
(2)現在時間
(3)データを発信するロボット11の現在位置(緯度、経度等)
(4)ターゲットのID
(5)ターゲットの現在位置
(6)ターゲットの進行方向
(7)フッタ(セキュリティを含めたデータ認証用)
これによって、ロボット群内の各ロボット11は、他のロボット11が監視していたターゲット16について、過去の監視データを引継ながら監視を継続することが可能になる。
(手順1)
実際の各ロボット11の現在位置と各ロボット11間における通信可能範囲の情報(この場合においては図3の状態についての情報)を元に、図5に記載するような模式図を作成する。
図5において、21はロボット11に該当するノードであり、22はロボット11間において通信可能な状態にあることを示す直線(以下、枝と呼ぶ)である。
この図において、ロボット群Aにおけるノード21をノードA1〜A5とし、ロボット群Bにおけるノード21をノードB1〜B5とし、ロボット群Cにおけるノード21をノードC1〜C5として表記した場合、例えばノードA3は、ノードA2及びノードA4と通信可能な状態にあることを示しており、また、ノードC3は、ノードC1、ノードC4及びノードC5と通信可能な状態にあることを示している。なお、図5における各ノード21の番号は図3における各ロボット11に付した番号に対応している。
また、後述するように複数のロボット群は協調してミッションを行う場合もあるため、ロボット群を跨いだノード間であっても通信可能な場合には枝22が存在するものとして考える。この例においては、ノードA1とノードB4、及びノードB3とノードC2が通信可能であるということになる。
次に、ロボット群内の各ノードにおいて、ロボット群内の他のノードまでのホップ数の合計値をそれぞれ算出する。
ここで、ホップ数とは、あるロボットが別のロボットに対して通信を行う場合において、中継する必要があるロボットの数のことである。例えば、ノードA5において、ノードA2と通信するためにはノードA4及びノードA3を中継する必要があるため、ホップ数は「2」になる。また、ノードC4において、ノードC1と通信するためにはノードC3を中継する必要があるため、ホップ数は「1」となる。
具体的に、例えばノードA2においては以下のようにホップ数の計算を行う。
(1)ノードA2からノードA1までのホップ数「0」
(2)ノードA2からノードA3までのホップ数「0」
(3)ノードA2からノードA4までのホップ数「1」
(4)ノードA2からノードA5までのホップ数「2」
よって、ノードA2についてのホップ数の合計値は「0」+「0」+「1」+「2」より「3」となる。
同様にロボット群AのノードA2以外のノードについてもホップ数の合計値を求めると、以下のようになる。
ノードA1:「0」+「1」+「2」+「3」=「6」
ノードA3:「0」+「1」+「1」+「0」=「2」
ノードA4:「2」+「1」+「0」+「0」=「3」
ノードA5:「3」+「2」+「1」+「0」=「6」
次に、手順2で求めたロボット群Aにおける各ノードのホップ数の合計値のうち、これが最少であったノードをマスターとして決定し、それ以外のノードをスレーブとして決定する。
上記の例においては、ノードA3のホップ数の合計値である「2」は最少となるため、ロボット群AにおいてはノードA3がマスターとなる。
また、ロボット群B及びロボット群Cにおいても同様に計算すると、ロボット群BのマスターはB5になり、ロボット群CのマスターはC3となる。
なお、ホップ数の合計値が最少になるノードが複数存在する場合には、例えばノードの番号が最も若いものをマスターとする等の方法によって、マスターとなる1つのノードを決定する方法を採用してもよい。
手順3において決定したマスターからそのロボット群におけるスレーブに対して、マスターが有する現在時間のデータをスレーブに送信することによって、同一ロボット群内の時間同期を図る。同一ロボット群内でこの時間同期を所定の時間間隔において行うことによって各ロボット11が有する現在時間のずれを解消することが可能になる。
なお、この方法においては時間同期をロボット群ごとに行うため、複数ロボット群が存在する場合においては、各ロボット群内で同期している時間に誤差がある可能性があるということになる。
具体的には、ロボット群からスレーブが離脱した場合においては、ロボット群の中でマスターのホップ数が最少であることに変化はないため、マスターの変更は行わないが、ロボット群からマスターが離脱した場合においては、新たなマスターを決定する必要があるため、上記手順に従って再度マスターの決定を行うことになる。
なお、上記手順によってマスターを決定している最中に、ノードの加入又は離脱が発生してネットワークトポロジーが変更された場合には、マスターが離脱したためにやむを得ない場合を除き、ネットワークの安定性を考慮する観点からマスターの再決定は行わない方法を採用してもよい。
図5の状態からロボット群AのノードA3がロボット群Bに移動した状態(ノードA3がロボット群Aから離脱し、かつ、ロボット群Bに加入した状態)について表示している。
複数のロボット11(この例においては車両11)がロボット群を組んで高速道路を走行している場合を考える。図7(a)に示すように10台の車両11が、それぞれ5台ずつロボット群Aとロボット群Bに分かれて走行している場合、上記手順2によるとロボット群A及びロボット群Bのマスターはそれぞれ真中を走行する車両になる。
図8は、本発明における複数ロボット群間における時間同期についての説明図である。この図において、31はマスター、32はスレーブである。
しかし、かかる場合、ロボット群の数やノードの総数によっては、マスターの決定及びスレーブに向けた時間同期に膨大な時間を要する場合があり、時間同期を行う可能性のあるロボット群数やノードの総数が不確定な状況においては妥当な方法ではない場合があるものと考えられる。
このマスター31間での同期は、例えば、複数のロボット群の中から基準となる1つのロボット群を選定し、選定されていないロボット群のマスター31が有する現在時間を選定されたロボット群のマスターが有する現在時間に置き換えることによって行うものであってよい。
なお、このロボット群の選定については、例えば、複数のロボット群のマスターのみで1つのロボット群を形成したと仮定し、それぞれのマスターのホップ数の合計値を求めて、この合計値が最も小さいマスターをこのロボット群におけるマスター(マスターオブマスター)として決定して、そのマスター(マスターオブマスター)のロボット群を選定する方法であってよい。
具体的には、例えば以下の手順で時間同期を行う。
(1)複数ロボット群間における時間同期を行う場合において、複数ロボット群の各マスター31の所有する時計の時間差をオフセットとしてそれぞれ取得する。なお、ここでは各マスター31間での時間同期は行わない。
(2)各ロボット群において各マスター31と同一ロボット群内のスレーブ32との間で時間同期を行う。
(3)異なるロボット群間において通信をする場合には、各マスター31を介して行い、ここで上記オフセットの加算又は減算処理を行ってから通信を行う。
12 監視エリア、14 通行可能領域、15 障害物、
16 ターゲット、
21 ノード、22 枝、
31 マスター、32 スレーブ
Claims (4)
- 互いに連携して同一の目的を達成する複数のロボットからなるロボット群におけるロボット間の時間同期方法であって、前記複数のロボットのうちの1つのロボットが他のロボットに対して通信を行う場合に中継するロボットの数をホップ数とした場合において、
前記ロボットは、前記ロボット群において他のロボットと同期をとるための現在時間と、
前記他のロボットに対する各ホップ数と、を情報として有しており、
(A)前記ロボット群における各ロボットについて、それぞれが有する各ホップ数の合計値を算出し、
(B)前記合計値が最も小さいロボットをマスターとし、かつ、マスター以外の全てのロボットをスレーブとして定め、
(C)前記スレーブが有する現在時間を前記マスターが有する前記現在時間に置き換える、ことを特徴とするロボット間の時間同期方法。 - (D−1)前記スレーブが前記ロボット群を離脱した場合には、前記マスターの変更は行わず、
(D−2)前記マスターが前記ロボット群を離脱した場合には、前記(A)及び前記(B)によって新しいマスターを決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の時間同期方法。 - (D−3)新たなロボットが前記ロボット群に加入する場合においては、前記新たなロボットは前記スレーブとする、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の時間同期方法。
- 複数のロボット群における各ロボットについて時間同期を行う場合においては、
前記(A)を行う前に、前記複数のロボット群の中から基準となる1つのロボット群を選定し、前記選定されていないロボット群のマスターが有する現在時間を前記選定されたロボット群のマスターが有する現在時間に置き換える、ことを特徴とする請求項1乃至3のうちいずれか一項に記載の時間同期方法。
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