JP2014208989A - 風力発電装置用の吊り荷揺動抑制装置及び吊り荷昇降方法、並びに風力発電装置 - Google Patents

風力発電装置用の吊り荷揺動抑制装置及び吊り荷昇降方法、並びに風力発電装置 Download PDF

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Keisuke Ito
佳祐 伊東
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Abstract

【課題】風力発電装置のタワー上部、ナセル又はハブのような高所と地上又は水面付近の低所との間で吊り荷を昇降させる際における吊り荷の揺動を抑制可能な風力発電装置用の吊り荷揺動抑制装置及び吊り荷昇降方法、並びに風力発電装置を提供する。
【解決手段】
昇降機構により吊り荷を風力発電装置のタワーに沿って昇降させる際に、前記吊り荷の揺動を抑制するための吊り荷揺動抑制装置は、前記昇降機構によって吊られた状態における前記吊り荷の水平方向への揺れを規制するための揺動規制部と、前記昇降機構による前記吊り荷の前記タワーに沿った動きに合わせて前記揺動規制部を移動させるための移動機構と、前記移動機構により前記タワーに沿って前記揺動規制部が移動するように前記揺動規制部を案内するためのガイド部とを備える。
【選択図】 図2

Description

本開示は、風力発電装置のタワー上部、ナセル又はハブのような高所と地上又は水面付近の低所との間で吊り荷を昇降させる際における吊り荷の揺動を抑制するための風力発電装置用の吊り荷揺動抑制装置及び吊り荷昇降方法、並びに風力発電装置に関する。
従来、地球環境の保全の観点から風力発電装置の普及が進んでいる。近年は、発電効率の向上に有利な大型の風力発電装置を洋上や湖上等の水上に設置する計画も様々な場所で進められている。例えば特許文献1〜3には、水面に浮かぶ浮体上に風力発電装置を設置した浮体式風力発電装置が開示されている。
一般に、風力発電装置は、陸上又は洋上に立設されたタワーの上部にナセルが設けられた構成を有する。ナセルには、ハブを介してブレードが回転自在に支持されている。そして、ハブ及びブレードを含むロータの回転エネルギを用いて発電を行うようになっている。
このような風力発電装置においては、メンテナンス時や据え付け・解体時等において、タワー上部、ナセル又はハブのような高所に設置される部品を地上又は水面付近の低所まで吊り下ろす必要が生じる。例えば、特許文献1〜3に開示される浮体式風力発電装置では、部品を吊り下ろす際に、ナセル又はハブに設けられたウィンチやクレーンを用いて部品を吊り荷として水面付近まで吊り下ろし、部品搬送船に移送するようになっている。
特開2002−188557号明細書 国際公開第2009/048830号 特表2011−521820号明細書
ところで、風力発電装置の高所から部品(吊り荷)を吊った状態で昇降させる場合、風等の影響を受けて吊り荷が揺動することがある。一般に、単振り子の原理から、吊り荷の固有振動数は吊り荷を吊下げる吊り下げワイヤの長さと重力加速度のみで決定される。そのため、吊り荷を吊り下ろす過程で吊り下げワイヤがある長さに達した時、例えば風から吊り荷に与えられる加振力の周波数が吊り荷の固有振動数に一致して、吊り荷の揺動が増幅してしまうことが起こりうる。また、浮体式風力発電装置においては、風力発電装置が設置される浮体は水上に浮かんだ状態にあるので、波浪や潮流などの影響によって浮体が揺動し、その僅かな揺動で風力発電装置のタワー上方が大きく変位する。そのため、例えばウィンチやクレーンを用いてナセルから部品を吊り下ろす際に、部品がタワーに干渉してしまう可能性があり、また、部品をプラットホーム上に確実に載置するには高度な技術が必要となる。
こういった点で、従来から風力発電装置における吊り荷の昇降に関しては揺動に起因した問題を抱えていたものの、特許文献1〜3にはこれらの問題を解決するための具体的手法については何ら開示されていない。
本発明の少なくとも一実施形態の目的は、風力発電装置のタワー上部、ナセル又はハブのような高所と地上又は水面付近の低所との間で吊り荷を昇降させる際における吊り荷の揺動を抑制可能な風力発電装置用の吊り荷揺動抑制装置及び吊り荷昇降方法、並びに風力発電装置を提供することである。
本発明の少なくとも一実施形態に係る風力発電装置用の吊り荷揺動抑制装置は、
昇降機構により吊り荷を風力発電装置のタワーに沿って昇降させる際に、前記吊り荷の揺動を抑制するための吊り荷揺動抑制装置であって、
前記昇降機構によって吊られた状態における前記吊り荷の水平方向への揺れを規制するための揺動規制部と、
前記昇降機構による前記吊り荷の前記タワーに沿った動きに合わせて前記揺動規制部を移動させるための移動機構と、
前記移動機構により前記タワーに沿って前記揺動規制部が移動するように前記揺動規制部を案内するためのガイド部とを備える。
上記風力発電装置用の吊り荷揺動抑制装置は、吊り荷の揺動を抑制し、安定して吊り荷を昇降させるために、吊り荷の水平方向の揺れを規制する揺動規制部を備えている。この揺動規制部は、移動機構によって吊り荷のタワーに沿った動きに追従して移動するようになっているので、吊り荷の高さ位置に関わらず、吊り荷が昇降する間中、吊り荷の揺動を抑制できる。また、揺動規制部は、昇降機構によって吊られた状態における吊り荷の揺れを規制するように構成されている。そのため、吊り荷の重力荷重を主として受けるのは昇降機構であり、揺動規制部は重力荷重を積極的に受ける必要がない。したがって、揺動規制部、及び揺動規制部を案内するためのガイド部の強度設計を緩和でき、コンパクト化及び軽量化が可能となる。
なお、「タワーに沿って」とは、タワーに対して幾何学的な意味で厳密に平行である状態のみを指すものではなく、タワーに対してある程度の角度(例えば30度以内の角度)をなす状態をも包含する。
幾つかの実施形態において、前記揺動規制部は、少なくとも前記吊り荷と前記タワーの間に配置されるフレームを含み、前記ガイド部は、前記タワーの外周面又は前記フレームの一方に取り付けられるガイドレールと、前記タワーの前記外周面又は前記フレームの他方に取り付けられるとともに前記ガイドレールに係合する係合部とを含む。
このように、揺動規制部が少なくとも吊り荷とタワーの間に配置されるフレームを含むことにより、吊り荷がタワーと干渉することを確実に防止できる。また、タワーの外周面又はフレームの一方に取り付けられるガイドレールに沿ってフレームが移動するように構成されているので、タワーに沿って揺動規制部のフレームを円滑に移動させることができる。
幾つかの実施形態において、前記ガイドレールは、前記フレームに取り付けられており、前記係合部は、前記タワーの前記外周面に取り付けられ、互いに離間するように複数配置されており、前記ガイドレールは、前記タワーに沿った前記フレームの移動時に複数の前記係合部に順次当接するように構成される。
上記実施形態では、ガイドレールがフレームに取り付けられ、ガイドレールに係合する係合部がタワーの外周面に取り付けられている。係合部は互いに離間するようにタワーの外周面に複数配置される。ガイドレールは、フレームの移動時に、上下方向に隣り合う2つの係合部の間で受け渡されることによって、タワーの外周面に沿った昇降を案内されるようになっている。そのため、タワー外周面にガイドレールを取り付け、フレームに係合部を取り付ける場合に比べ、ガイドレールを短くすることができる。また、タワーに常時設置される係合部は、タワーの外周面に点在するように配置されるため、風等の周囲環境による影響を受けにくい構造とすることができる。
一実施形態において、前記ガイドレールは、前記フレームの上下方向移動範囲内のいずれの位置に前記フレームがあっても、上下方向に隣り合う少なくとも2つの前記係合部に当接するように構成される。なお、本明細書において「上下方向」との用語は、必ずしも鉛直方向のみを示すものではなく、例えば鉛直方向に対して30度以内の角度で傾斜した方向をも包含する。
例えば、フレームの移動時にガイドレールが1つの係合部のみによって1点支持される場合、ガイドレールの姿勢が定まらず次に当接すべき係合部にガイドレールが円滑に導かれない可能性がある。そこで、上記実施形態のように、ガイドレールが必ず2つ以上の係合部に当接するように構成することでガイドレールの姿勢を安定させることができ、次に当接すべき係合部へガイドレールが円滑に導かれる。
幾つかの実施形態において、前記ガイドレールは、前記タワーの前記外周面に取り付けられており、前記係合部は、前記フレームとともに前記ガイドレールに沿って移動するように前記フレームに取り付けられている。
上記実施形態では、ガイドレールがタワーの外周面に取り付けられ、ガイドレールに係合する係合部がフレームに取り付けられている。これにより、フレームの軽量化が図れ、フレームを移動させるため移動機構を簡素化できる。
一実施形態において、前記移動機構は、前記ガイドレールに形成されたラックに噛合する前記係合部としてのピニオンギヤを回動させるモータを含む。
これにより、ガイドレールに沿って確実に吊り荷を案内することができる。
一実施形態において、前記ガイド部は、前記タワーの外周面に取り付けられるチェーンを含み、前記揺動規制部は、少なくとも前記吊り荷と前記タワーの間に配置されるフレームを含み、前記移動機構は、前記チェーンに噛合するスプロケットと、前記スプロケットを回動させるためのモータとを含み、前記スプロケットの回転軸及び前記チェーンの一方が前記タワーに固定され、前記スプロケットの回転軸及び前記チェーンの他方が前記フレームに連結されており、前記フレームが、前記スプロケットの回転に伴って前記タワーに沿って移動するように構成される。
これにより、タワーに沿って確実に吊り荷を案内することができる。
一実施形態において、前記揺動規制部は、少なくとも前記吊り荷と前記タワーの間に配置されるフレームを含み、前記ガイド部は、前記タワーの外周面の複数箇所に当接するように前記フレームに回転可能に支持される複数のローラと、各々の前記ローラを前記タワーの前記外周面に押し付けるための押圧部材とを含み、前記フレームは、前記タワーに押し付けられる前記複数のローラによって、前記タワーに支持されるとともに前記タワーに沿って案内されるように構成される。
上記実施形態では、フレームを案内するガイド部が、押圧部材によってタワー外周面にローラを押し付けることでタワーに支持されるようになっている。そのため、タワーに沿ってガイド部を延在させる必要がなく、吊り荷揺動抑制装置のより一層の軽量化及びコンパクト化が可能となる。また、上記実施形態では、タワー外周面の複数箇所に当接するローラと、ローラをタワー外周面に押し付ける押圧部材とで揺動規制部のガイド部を構成するため、タワー外周面に取り付けられるガイドレールを含むガイド部を採用する場合とは異なり、風力発電装置のタワーに対するガイド部の設置工事は基本的には不要である。したがって、揺動規制部のガイド部として機能しうる部位(例えばガイドレール)を有しない既存の風力発電装置に対しても吊り荷揺動抑制装置を適用できる。
幾つかの実施形態において、前記ガイド部は、前記ガイドレール又は前記係合部の一方に回動自在に取り付けられたローラを含み、前記ローラは、前記ガイドレール又は前記係合部の他方に当接するように構成される。
一実施形態において、前記ガイドレール又は前記係合部の一方は、鍛造により前記タワーと一体成形されたブラケットを介して前記タワーに取り付けられている。
これにより、溶接によってガイドレール又は係合部の一方をタワーに取り付ける場合に比べて、タワーへの取り付け時におけるタワーの強度低下を抑制できる。
一実施形態において、前記揺動規制部は、前記フレームの前記吊り荷側に設けられた緩衝材をさらに含み、前記緩衝材がエアバッグであり、前記エアバッグ内の空気量を増減することにより該エアバッグの表面と前記吊り荷との距離を調節可能に構成される。
このように緩衝材を設けることによって、吊り荷とフレームが接触した際の衝撃を緩和することができ、昇降時における吊り荷の損傷を防止できる。また、緩衝材がエアバッグであることから、揺動規制部をより一層軽量化できる。さらに、エアバッグ内の空気量によってエアバッグの表面と吊り荷との距離を調節可能なため、吊り荷の形状や大きさに関わらず、確実に吊り荷の揺動を抑制できる。また、エアバッグは内部の空気量を調節可能であるため、揺動規制部内に吊り荷を配置する時には、エアバッグの空気量を低減することにより吊り荷をエアバッグで囲まれる空間に配置しやすく、一方、吊り荷の昇降時にはエアバッグの空気量を増大することによって、エアバッグの衝撃吸収機能を向上できる。
幾つかの実施形態では、風力発電装置用の吊り荷揺動抑制装置は、前記揺動規制部に対する前記吊り荷の相対位置を検出するための検出部と、前記検出部で検出された前記相対位置に基づいて前記移動機構を制御するための制御部とをさらに備える。
このように、検出部により吊り荷の相対位置を検出し、相対位置に基づいて移動機構を制御してフレームを移動させることによって、吊り荷に対して正確にフレームを追従させることができる。
一実施形態において、前記移動機構は、前記揺動規制部に取り付けられたウィンチであり、前記ウィンチのワイヤの巻き取り量を調節することにより前記揺動規制部の位置を調整するように構成される。
このように、揺動規制部に取り付けられたウィンチの巻き取り量を調整することによって、簡単な装置構成で揺動規制部の位置を調整可能となる。
幾つかの実施形態において、前記揺動規制部は、前記フレームと前記タワーとの水平方向における距離を調節する水平距離調節機構をさらに含む。
通常、タワーは上部から下部に向かって拡径する構造を有しているので、吊り荷の高さ位置によってタワー外周面と吊り荷との距離が変化する。そこで、上記実施形態のように、水平距離調節機構によってフレームとタワーとの水平方向における距離を調節可能とすることにより、吊り荷に対するフレームの水平方向位置を適正に調節できる。
幾つかの実施形態において、前記吊り荷は、前記風力発電装置のブレードである。
これにより、ブレードを昇降させる際に、ブレードの揺動を抑制して安定してブレードの昇降させることができる。
一実施形態において、前記揺動規制部は、前記昇降機構によって吊られた前記ブレードに当接して、前記昇降機構による前記ブレードの吊り点周りの前記ブレードへのモーメント荷重を受けるための支持部を含み、前記吊り荷揺動抑制装置は、前記ブレードが前記吊り点周りに回動するように、前記ブレードに当接した前記支持部を水平方向に移動させるためのアクチュエータをさらに備える。
このように、ブレードへのモーメント荷重を支持部で受けながらアクチュエータによって支持部を水平方向に移動させることによって、吊り点周りにブレードを回動させ、ブレードの重心位置やブレードの姿勢を安定して調節できる。また、支持部はブレードへのモーメント荷重を受ける構成であるに過ぎず、ブレードの自重はあくまでブレードを吊る昇降機構によって支持される。そのため、揺動規制部(支持部)へ過大な荷重が加わることを防ぐことができる。
幾つかの実施形態では、上記風力発電装置の吊り荷揺動抑制装置は、前記揺動規制部と前記ガイド部との間に設けられ、前記ガイド部に対して前記揺動規制部を水平方向に沿った回動軸周りに回動させるための回動機構をさらに備える。なお、本明細書において「水平方向に沿った」との用語は、水平方向に対して幾何学的な意味で厳密に平行である状態のみを指すものではなく、水平方向に対してある程度の角度(例えば30度以内の角度)をなす状態をも包含する。
昇降装置によって吊り荷を搬送する際、昇降装置によって吊られた状態の吊り荷の姿勢を調整する場合がある。例えば、ハブに対するブレードの着脱時にハブとプラットホームとの間で吊り荷としてのブレードを昇降装置により搬送する場合、昇降装置によって吊られたブレードの姿勢をハブ近くでは鉛直姿勢としプラットホーム近くでは水平姿勢とすることがある。このように昇降装置で吊られた状態の吊り荷の姿勢を変更する際、揺動規制部と吊り荷との衝突に起因して、吊り荷の自重が揺動規制部に加わる可能性がある。揺動規制部は吊り荷の自重を支えることを前提とせずに設計されることがあり、この場合には、吊り荷の自重を受けることによって揺動規制部が損傷してしまうおそれがある。
そこで、上述の実施形態のように、ガイド部に対して揺動規制部を水平方向に沿った回動軸周りに回動させるための回動機構を設ければ、吊り荷の姿勢変化に追従して揺動規制部を回動させて、吊り荷の自重が許容範囲を超えて揺動規制部に加わらないようにすることができる。したがって、揺動規制部を設置した状態で吊り荷の姿勢調整が可能になり、吊り荷の搬送作業を容易に行うことができる。
幾つかの実施形態において、前記風力発電装置は、水面に浮かぶ浮体上に前記タワーが立設された浮体式風力発電装置である。
これにより、波浪や潮流などの影響によって浮体が揺動しやすい浮体式風力発電装置においても、安定して吊り荷を昇降させることができる。
本発明の少なくとも一実施形態に係る風力発電装置は、
ブレードが取り付けられるハブと、
前記ハブと共に回転するメインシャフトと、
前記ハブ及び前記メインシャフトを含むロータを回転可能に支持するナセルと、
前記ナセルが取り付けられるタワーと、
前記タワーに沿って吊り荷を昇降させる昇降機構と、
前記吊り荷の揺動を抑制するための吊り荷揺動抑制装置とを備え、
前記吊り荷揺動抑制装置は、
前記昇降機構によって吊られた状態における前記吊り荷の水平方向への揺れを規制するための揺動規制部と、
前記昇降機構による前記吊り荷の前記タワーに沿った動きに合わせて前記揺動規制部を移動させるための移動機構と、
前記移動機構により前記タワーに沿って前記揺動規制部が移動するように前記揺動規制部を案内するためのガイド部とを有する。
上記風力発電装置によれば、吊り荷の水平方向の揺れを規制する揺動規制部を備えているので、安定して吊り荷を昇降できる。また、揺動規制部は、移動機構によって吊り荷のタワーに沿った動きに追従して移動するようになっているので、吊り荷の高さ位置に関わらず、吊り荷が昇降する間中、吊り荷の揺動を抑制できる。さらに、揺動規制部は、昇降機構によって吊られた状態における吊り荷の揺れを規制するように構成されている。そのため、吊り荷の重力荷重を主として受けるのは昇降機構であり、揺動規制部は重力荷重を積極的に受ける必要がない。よって、揺動規制部、及び揺動規制部を案内するためのガイド部の強度設計を緩和でき、コンパクト化及び軽量化が可能となる。
本発明の少なくとも一実施形態に係る風力発電装置用の吊り荷昇降方法は、
昇降機構により吊り荷を風力発電装置のタワーに沿って昇降させる昇降ステップと、
前記昇降機構によって吊られた状態の前記吊り荷の水平方向への揺れを規制するための揺動規制部を、前記昇降ステップにおける前記吊り荷の前記タワーに沿った動きに合わせて移動させる移動ステップとを備え、
前記移動ステップでは、前記揺動規制部をガイド部によって案内しながら、前記タワーに沿って前記揺動規制部を移動させる。
上記風力発電装置用の吊り荷昇降方法によれば、揺動規制部によって吊り荷の水平方向の揺れを規制するようにしたので、安定して吊り荷を昇降できる。また、揺動規制部は、移動機構によって吊り荷のタワーに沿った動きに追従して移動するようになっているので、吊り荷の高さ位置に関わらず、吊り荷が昇降する間中、吊り荷の揺動を抑制できる。さらに、揺動規制部は、昇降機構によって吊られた状態における吊り荷の揺れを規制するように構成されている。すなわち、吊り荷の重力荷重を主として受けるのは昇降機構であり、揺動規制部は重力荷重を積極的に受ける必要がない。よって、揺動規制部、及び揺動規制部を案内するためのガイド部の強度設計を緩和でき、コンパクト化及び軽量化が可能となる。
本発明の少なくとも一実施形態によれば、揺動規制部によって吊り荷の水平方向の揺れを規制するようにしたので、安定して吊り荷を昇降できる。また、揺動規制部は、移動機構によって吊り荷のタワーに沿った動きに追従して移動するようになっているので、吊り荷の高さ位置に関わらず、吊り荷が昇降する間中、吊り荷の揺動を抑制できる。さらに、揺動規制部は、昇降機構によって吊られた状態における吊り荷の揺れを規制するように構成されている。すなわち、吊り荷の重力荷重を主として受けるのは昇降機構であり、揺動規制部は重力荷重を積極的に受ける必要がない。よって、揺動規制部、及び揺動規制部を案内するためのガイド部の強度設計を緩和でき、コンパクト化及び軽量化が可能となる。
第1実施形態に係る浮体式風力発電装置の構成例を示す斜視図である。 第1実施形態における吊り荷揺動抑制装置を備えた風力発電装置の側面図である。 第1実施形態における吊り荷揺動抑制装置の斜視図である。 図2の風力発電装置を示す横断面図である。 図2のフランジ部を示すA部拡大図である。 (A)は鍛造により形成されたブラケットの斜視図で、(B)はB−B線断面図である。 溶接により取り付けられたブラケットの斜視図である。 水平距離調節機構を備えた吊り荷揺動抑制装置の動作を説明するための側面図である。 エアバッグが設けられた揺動規制部の側面図である。 図10(A)〜(E)は、一実施形態における吊り荷の吊り下ろし手順を示す図である。 第1実施形態におけるローラ押圧式のガイド部を用いた吊り荷揺動抑制装置の側面図である。 第1実施形態におけるラックアンドピニオン式のガイド部を用いた吊り荷揺動抑制装置の側面図である。 第1実施形態におけるチェーンスプロケット式のガイド部を用いた吊り荷揺動抑制装置の側面図である。 第1実施形態におけるチェーンスプロケット式のガイド部を用いた吊り荷揺動抑制装置の側面図である。 第2実施形態における吊り荷揺動抑制装置を備えた風力発電装置の側面図である。 図14のB方向から視た吊り荷揺動抑制装置の正面図である。 係合部の構成例を示す斜視図である。 (A)は図14に示した吊り荷揺動抑制装置の構成例を示す水平断面図で、(B)は図14に示した吊り荷揺動抑制装置の他の構成例を示す水平断面図である。 第2実施形態の変形例における吊り荷揺動抑制装置の斜視図である。 第2実施形態の他の変形例における吊り荷揺動抑制装置の斜視図である。 (A)は図19に示した吊り荷揺動抑制装置の構成例を示す水平断面図で、(B)は図19に示した吊り荷揺動抑制装置の他の構成例を示す水平断面図である。 ブレードを昇降させる状態を示した風力発電装置の側面図である。 (A)はアクチュエータの動作を説明するために、ブレードを傾斜姿勢に支持した状態を示す図で、(B)はブレードを鉛直姿勢に支持した状態を示す図である。 アクチュエータ、回動機構及びその周辺構造を示す側面図である。 回動機構の構成例を示す斜視図である。 図25(A)〜(C)はブレード及びフレームの回転手順を示す図である。 ガイドワイヤを用いた吊り荷揺動抑制装置の構成例を示す斜視図である。
以下、添付図面に従って本発明の実施形態について説明する。ただし、実施形態として以下に記載され、あるいは、実施形態として図面で示された構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、本発明の範囲をこれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。
以下の説明では、風力発電装置の一例として浮体式風力発電装置について述べるが、本発明の実施形態に係る風力発電装置は陸上に設置される風力発電装置にも適用できる。
[第1実施形態]
図1は第1実施形態に係る浮体式風力発電装置の構成例を示す斜視図である。図2は第1実施形態における吊り荷揺動抑制装置を備えた風力発電装置の側面図である。
図1及び図2を参照して、一実施形態において浮体式風力発電装置1は、水面に浮かぶ浮体2と、浮体2上に立設されたタワー4と、タワー4の上部に支持されたナセル6と、ナセル6に回転自在に取り付けられたハブ8と、ハブ8に対して放射状に取り付けられたブレード10とを有している。タワー4は、円筒形状のセクション4aが鉛直方向に複数連結されることによって構成されてもよい。その場合、各セクション4aの上下端にはフランジ4bが設けられており、隣り合うセクション4aのフランジ4b同士がボルト締結により連結されてもよい。また、ナセル6はタワー4に対してヨー旋回可能であってもよく、典型的なアップウィンド風車の場合、風向きに応じてブレード10が風上側へ配向されるようにナセル6が旋回するようになっている。そして、風を受けたブレード10及びハブ8が回転することで、発電機によって発電が行われる。ナセル6内の具体的な構成例については後述する。
一実施形態において、浮体2は、平面視において仮想三角形の頂点位置に配置された柱状の3つのコラム21,22,23を有する。また、浮体2は、第1コラム21及び第2コラム22を接続する長尺状の第1ロワーハル25と、第1コラム21及び第3コラム23を接続する長尺状の第2ロワーハル26とを有する。そして、これら3つのコラム21,22,23と2つのロワーハル25,26とによって、平面視において浮体2は略V字状に形成されている。そして、平面視略V字状の真ん中に位置する第1コラム21の上面にはプラットホーム28が設けられ、プラットホーム28上に、上述した風力発電装置1が設置されている。
また、第1ロワーハル25と第2ロワーハル26とが直角に交わるとともに、第1ロワーハル25と第2ロワーハル26との交角の二等分線に対して左右対称をなす仮想直角二等辺三角形の頂点位置に、上述した3つのコラム21,22,23が配置されていてもよい。さらに、特に図示しないが、第2コラム22と第3コラム23とを接続する第3のロワーハルを更に有してもよい。さらにまた、第1ロワーハル25と第2ロワーハル26とが、補強用の梁部材によって連結されていてもよい。
なお、上記実施形態では、第1コラム21及び第2コラム22、第1コラム21及び第3コラム23をそれぞれ接続する連結部としてロワーハル25,26を例示したが、連結部はこれに限定されるものではない。
また、図1に示すように、浮体2は、その上面にタワー4が設置される第1コラム21が主風向Wに対して風上側に位置するように配置されてもよい。その場合、第2コラム22及び第3コラム23は、第1コラム21よりも主風向Wの風下側に位置するように配置される。このように、タワー4が設置されている第1コラム21を主風向Wの風上側に位置するように配置することで、風荷重を受けて背面側に傾倒しようとするタワー4の安定性を高めることが出来る。
図2に示すように、一実施形態において、風力発電装置1は、ハブ8に連結された回転シャフト11と、電力を生成する発電機12と、回転シャフト11の回転エネルギーを発電機12に伝えるドライブトレイン13とを含んでいる。なお、同図では一例としてドライブトレイン13及び発電機12がナセル6内に配置される場合を示しているが、これらの少なくとも何れかがタワー4側に配置されてもよい。
回転シャフト11は、ブレード10及びハブ8から構成されるロータ5と共に回転する。なお、ハブ8はハブカバー(スピナー)で覆われていてもよい。また、回転シャフト11は、一対の軸受(不図示)を介して回転自在にナセル6に支持されている。
ドライブトレイン13は、回転シャフト11に取り付けられた油圧ポンプ14と、高圧油ライン16及び低圧油ライン17を介して油圧ポンプ14に接続される油圧モータ15とを含んで構成される。油圧ポンプ14は、回転シャフト11によって駆動されて作動油を昇圧し、高圧の作動油(圧油)を生成する。油圧ポンプ14で生成された圧油は高圧油ライン16を介して油圧モータ15に供給され、この圧油によって油圧モータ15が駆動される。油圧モータ15で仕事をした後の低圧の作動油は、低圧油ライン17を経由して油圧ポンプ14に再び戻される。また、油圧モータ15の出力軸は発電機12の入力軸に接続されており、油圧モータ15の回転が発電機12に入力されるようになっている。なお、同図ではドライブトレイン13として油圧トランスミッションを用いた構成を例示したが、この構成に限定されるものではなく、ギヤ式増速機等の他のドライブトレインを用いてもよいし、ドライブトレイン13を設けずに、ハブ8又は回転シャフト11と発電機12とを直結させた構成であってもよい。
一実施形態において、風力発電装置1は、メンテナンス時や据え付け・解体時等において、上記したような風力発電装置1の種々の構成部品(吊り荷18)をタワー4に沿って移動させるための昇降機構30を有している。ナセル6内空間又はハブ8内空間と外部との間で吊り荷18を移動させるために、ナセル6又はハブ8の底面、側面又は上面に開閉部(不図示)が設けられていてもよい。図2には、一例としてウィンチ34を用いた昇降装置30を示している。この昇降装置30は、吊り荷18を吊下げるための吊下げワイヤ32と、吊下げワイヤ32が巻回されたウィンチ34と、ウィンチ34を駆動するための不図示のモータ(ウィンチ駆動モータ)とを有する。例えば、ウィンチ34及びウィンチ駆動モータは、ナセル6内空間に設置される。そして、吊下げワイヤ32に吊り荷18が吊られた状態で、ウィンチ駆動モータによりウィンチ34を駆動し、吊下げワイヤ32をウィンチ34に巻き上げ又は巻き下げることによって、吊り荷18を鉛直方向に移動させることができる。そのため、吊り荷18の昇降時、吊り荷18の重力荷重は主に昇降装置30が受けることとなる。なお、ウィンチ34及びウィンチ駆動モータは、タワー4内に設置されてもよい。その場合、ナセル6内に滑車を設け、この滑車により吊下げワイヤ32をタワー4内のウィンチ34からナセル6を通してタワー4の外側へ導くようにする。また、ウィンチ34及びウィンチ駆動モータはナセル6の外側に設けられてもよいし、ハブ8側に設けられてもよい。昇降装置30の別の構成例として、ナセル6の内部若しくは外部、又はハブ8に設けられたクレーンによって吊り荷18を昇降させてもよい。なお、ウィンチ34やクレーン等の昇降装置30はタワー4上部に設けられてもよい。上記したウィンチ34やクレーン等の昇降装置30は、風力発電装置1に常設されていてもよいし、吊り荷18の昇降時のみ設置(仮設)されてもよい。
本実施形態における昇降装置30によって昇降される部品(吊り荷18)としては、例えば、上記したようにナセル6内空間に配置されるドライブトレイン13の各部品(油圧ポンプ14、油圧モータ15等)や発電機12の他に、ブレード10、ナセル6を構成する各部品、変圧器、制御盤等の電気機器などの各種の部品が挙げられる。勿論、タワー4の上方空間に配置される各種の部品であってもよい。また、メンテナンス時に用いられる部品も含まれる。
次に、図2〜図5を参照して、第1実施形態における吊り荷揺動抑制装置20について詳細に説明する。なお、図3は第1実施形態における吊り荷揺動抑制装置の斜視図で、図4は図2の風力発電装置を示す横断面図で、図5は図2のフランジ部を示すA部拡大図である。
幾つかの実施形態において、吊り荷揺動抑制装置20は、昇降機構30によって吊られた状態における吊り荷18の水平方向への揺れを規制するための揺動規制部42と、揺動規制部42を移動させるための移動機構50と、揺動規制部42を案内するためのガイド部60とを備える。
一実施形態において、揺動規制部42は、少なくとも吊られた状態の吊り荷18とタワー4の間に配置されるフレーム44を含む。フレーム44は、吊られた状態の吊り荷18の周囲を囲むように構成されてもよいし、一部が開放したコの字状に構成されてもよい。また、フレーム44は、底面を有していてもよいが、吊り荷18の重力荷重を積極的に受けないような構造とする。例えば、作業者が同乗する際の作業用床としてフレーム44の一部にのみ底面を設けてもよい。フレーム44の上面は、吊り荷18をフレーム44内に収容するために、少なくとも一部が開放している。
このように、揺動規制部42が少なくとも吊り荷18とタワー4の間に配置されるフレーム44を含むことにより、吊り荷18がタワー4と干渉することを確実に防止できる。
一実施形態において、移動機構50は、昇降機構30による吊り荷18のタワー4に沿った動きに合わせて揺動規制部42(フレーム44)を移動させるように構成される。例えば移動機構50は、図2及び図3に示すように、フレーム44に取り付けられたウィンチ52と、ウィンチ52に巻回されるフレーム昇降用ワイヤ54とを有する。そして、ウィンチ52のワイヤの巻き取り量を調節することによりフレーム44の鉛直方向位置を調整するように構成される。このように、フレーム44に取り付けられたウィンチ52の巻き取り量を調整することによって、簡単な装置構成でフレーム44の鉛直方向位置を調整可能となる。また、図3に示すように、フレーム44を吊下げる滑車天秤56を設けて、滑車天秤56に吊りワイヤ55を接続し、ナセル6、ハブ8又はタワー4側に設けたウィンチ53(図10参照)によって滑車天秤56ごとフレーム44を昇降させるようにしてもよい。なお、滑車天秤56は、吊り金具19によって吊られた吊りワイヤ55を介してナセル4、ハブ8又はタワー4に固定される。
幾つかの実施形態において、図2に示すように、吊り荷揺動抑制装置40は、揺動規制部42(フレーム44)に対する吊り荷18の相対位置を検出するための検出部58と、検出部58で検出された相対位置に基づいて移動機構50を制御するための制御部59とをさらに備える。具体的に、検出部58は、フレーム44に設けられて、フレーム44に対する吊り荷18の相対位置を検出する構成であってもよい。また、検出部58は、フレーム44及び吊り荷18の両方に設けられて、フレーム44及び吊り荷18の各位置を検出し、これらの位置信号に基づいてフレーム44に対する吊り荷18の相対位置を算出してもよい。さらに、吊り荷18を昇降させるためのウィンチ34及びフレーム44を昇降させるためのウィンチ52のそれぞれに、検出部58としてのロータリエンコーダを設けて、これらのロータリエンコーダの検出結果に基づいて吊り荷18と揺動規制部42(フレーム44)とのタワー4に沿った移動距離が一致するように、制御部59によってフレーム44を昇降させるためのウィンチ52の回転を制御してもよい。さらにまた、フレーム44の底部に検出部58としてのスイッチ(例えばリミットスイッチ)を設けて、スイッチのON/OFF信号に基づいて、制御部59によりウィンチ52を制御し、フレーム44の高さ位置を調節してもよい。例えば、吊り荷18を吊下げる時、吊り荷18の下降速度の方がフレーム4の下降速度よりも速いと、吊り荷18がフレーム44の底部に達してスイッチが押される。このとき、スイッチのON信号を受けた制御部59は、フレーム44の下降速度を大きくする。これにより、フレーム44を吊り荷18の動きに合わせて正確に追従させることができる。
また、フレーム44の高さ位置を検出する第2の検出部(不図示)を設けてもよい。第2の検出部は、少なくともフレーム44の上方制限位置と下方制限位置とを検出可能に構成される。例えば、ナセル6に近い上方制限位置又はプラットホーム28に近い下方制限位置までフレーム44が到達したら、制御部59から停止指令が出力される。
一実施形態において、ガイド部60は、タワー4の外周面に取り付けられるガイドレール62と、フレーム44に取り付けられるとともにガイドレール62に係合するローラ65とを含む。例えば、ガイドレール62は、フレーム44の幅に合わせて2本設置される。また、図4に示すように、各ガイドレール62は、断面H形状であってもよく、断面H形状の少なくとも一方の凹部にローラ65が係合するようになっている。勿論、断面H形状の両側の凹部に一対のローラ65が係合し、これらの一対のローラ65によって各ガイドレール62を挟むように構成してもよい。なお、ローラ65の替わりに、ガイドレール62と摺動する摺動部を設けてもよい。このように、タワー4の外周面に取り付けられるガイドレール62に沿ってフレーム44が移動するように構成することで、タワー4に沿ってフレーム44を円滑に移動させることができる。なお、ガイドレール62は、タワー4の外周面に鉛直方向に沿って取り付けられてもよい。
図4に示すように、タワー4の外周面にブラケット64を設けて、ブラケット64を介してガイドレール62をタワー4に取り付けてもよい。図5に示すように、タワー4のセクション4a同士の接合強度向上を目的として、タワー4の外周側に張り出した外フランジ4b1と、タワー4の内周側に張り出した内フランジ4b2とによって、タワー4のセクション4a同士を接合する場合、外フランジ4b1にブラケット68を取り付けてもよい(図3参照)。これにより、タワー4の強度低下を招くことなくガイドレール62をタワー4に取り付けることができる。
上記のような外フランジ4b1を有しない場合、あるいは、上下方向において隣り合う外フランジ4b1間の距離が長い場合、図6及び図7に示すように、セクション4aの外周面にブラケット66,68を取り付けてもよい。ここで、図6(A)は鍛造により形成されたブラケットの斜視図で、(B)はB−B線断面図である。図7は溶接により取り付けられたブラケットの斜視図である。
図6(A)及び(B)に示す構成例では、タワー4のセクション4aの外表面に、鍛造によりブラケット66が形成されている。ブラケット66は、セクション4aの他の外周面よりタワー4外周側に突出した形状を有し、ガイドレール62を取り付けるための複数のボルト穴66aが設けられている。このように、鍛造によりタワー4のセクション4aと一体成形されたブラケット66を介してガイドレール62をタワー4に取り付けることにより、ガイドレール62をタワー4に取り付ける際におけるタワー4の強度低下を抑制できる。
図7に示す構成例では、タワー4のセクション4aに対して、溶接によりブラケット68を取り付けている。ブラケット68には、ガイドレール62を取り付けるためのボルト穴68aが設けられている。このように、溶接によりタワー4のセクション4aにブラケット68を接合することにより、ブラケット68の取り付け作業を簡素化できる。また、ブラケット6とタワー4との溶接部69は容易に補修可能であるため、メンテナンス作業性に優れた構造とすることができる。
図8は水平距離調節機構を備えた吊り荷揺動抑制装置の動作を説明するための側面図である。一実施形態において、吊り荷揺動抑制装置20の揺動規制部42は、フレーム44とタワー4との水平方向における距離を調節するための水平距離調節機構を備えている。例えば、水平距離調節機構は、ガイドレール62に係合するローラ65とフレーム44との間に伸縮自在に設けられるアーム70と、アーム70を伸縮させてフレーム44とタワー4との水平方向における距離を調節するためのアクチュエータ71とを含む。通常、タワー4は上部から下部に向かって拡径する構造を有しているので、吊り荷18の高さ位置によってタワー4外周面と吊り荷18との距離が変化する。例えば、図8の実線で示す位置から二点鎖線で示す位置まで吊り荷18を吊り下ろす場合、吊り荷18は鉛直方向下方に移動するのに対して、タワー4外周面に沿って傾斜したガイドレール62上をフレーム44は移動するので、吊り荷18とフレーム44との相対位置は変化する。
そこで、上記構成のように、水平距離調節機構によってフレーム44とタワー4との水平方向における距離を調節可能とすることにより、吊り荷18に対するフレーム44の水平方向位置を適正に調節できる。すなわち、吊り荷18の高さとともに変化する吊り荷18とタワー4との水平方向における距離に応じて、フレーム44の水平方向位置を調節することによって、吊り荷18とフレーム44との相対位置を一定に保持できる。なお、図8において、移動後の各部品には、それぞれ、移動前の各部品に対応した符号(吊り荷18’、揺動規制部42’、フレーム44’、ローラ65’、アーム70’、アクチュエータ71’)を付している。
また、図2、図4及び図8に示すように、揺動規制部42は、フレーム44の吊り荷18側に設けられた緩衝材46をさらに含んでもよい。緩衝材46は衝撃吸収機能を有し、例えばウレタンやゴム等の弾性部材で形成されてもよいし、発泡スチロールや気泡緩衝材等のエアを含有した部材で形成されてもよい。このように緩衝材46を設けることによって、吊り荷18とフレーム44が接触した際の衝撃を緩和することができ、昇降時における吊り荷18の損傷を防止できる。
さらに、図9に示すように、緩衝材としてエアバッグ48を用いてもよい。なお、図9はエアバッグが設けられた揺動規制部の側面図である。エアバッグ48は、フレーム44の内周面、すなわちフレーム44の吊り荷18側の面に配置される。エアバッグ48は、内部の空気量を調節可能となっている。したがって、フレーム44内に吊り荷18を配置する時には、エアバッグ48の空気量を低減することにより吊り荷18をエアバッグ48で囲まれる空間に配置しやすく、一方、吊り荷18の昇降時にはエアバッグ48の空気量を増大することによって、エアバッグ48の衝撃吸収機能を向上できる。また、エアバッグ48内の空気量を増減することにより、エアバッグ48の表面と吊り荷18との距離を調節してもよい。すなわち、吊り荷18の大きさや形状に応じてエアバッグ48に注入する空気量を調節することによって、エアバッグ48の表面と吊り荷18との距離を適切に保つことができ、高い衝撃吸収機能を得ることができる。このとき、吊り荷18に接触するまでエアバッグ48を膨らませて吊り荷18を固定してもよい。これにより、吊り荷18の揺動を効果的に防止できる。
以下、一実施形態に係る風力発電装置用の昇降方法について詳述する。図10(A)〜(E)は、一実施形態における吊り荷の吊り下ろし手順を示す図である。
幾つかの実施形態では、昇降機構30により吊り荷18を風力発電装置1のタワー4に沿って昇降させる昇降ステップと、昇降ステップにおける吊り荷18のタワー4に沿った動きに合わせて揺動規制部42を移動させる移動ステップとを備える。移動ステップでは、揺動規制部42をガイド部60によって案内しながら、タワー4に沿って揺動規制部42を移動させる。なお、昇降ステップと移動ステップとは同時に実行される。
例えば、風力発電装置1のナセル6内の部品(吊り荷18)を吊り下ろす場合、以下の手順を行う。最初に、図10(A)に示すように、ナセル6、タワー4の上部又はハブ4に設置された仮設ウィンチ53を駆動して吊りワイヤ55を巻き取り、滑車天秤56をタワー4の上部まで移動させる。この後、図10(B)に示すように、吊りワイヤ55の先端のフックを吊り金具19に仮設ウィンチ53からナセル6内に固定された吊り金具19に付け替える。そして、ウィンチ52を駆動してフレーム昇降用ワイヤ54を巻き取り、フレーム44をタワー4の上部まで移動させる。こうして、滑車天秤56及びフレーム44の重力荷重は、主にナセル6によって支持される。次いで、図10(C)に示すように、ナセル6内に配置されたクレーン36を用いて、吊下げワイヤ32に吊られた状態の吊り荷18をフレーム44の高さまで吊り下ろし、フレーム44内に収容する。そして、図10(D)に示すように、吊下げワイヤ32に吊られた状態の吊り荷18をクレーン36で降下させながら、ウィンチ52によってフレーム44も吊り荷18に追従させて下降させる。図10(E)に示すように、フレーム44及び吊り荷18がプラットホーム28上まで到達したら、今度はプラットホーム28上に設置されたクレーン75によって吊り荷18を部品搬送船(不図示)に移送する。
なお、ここでは吊り荷18を吊り下ろす際の手順について説明したが、吊り荷18を吊り上げる際も同様の手順にて行うことができる。
以上説明したように、上述の実施形態によれば、揺動規制部42(例えばフレーム44)によって吊り荷18の水平方向の揺れを規制するようにしたので、安定して吊り荷18を昇降できる。また、揺動規制部42は、移動機構50(例えばウィンチ52)によって吊り荷18のタワー4に沿った動きに追従して移動するようになっているので、吊り荷18の高さ位置に関わらず、吊り荷18が昇降する間中、吊り荷18の揺動を抑制できる。さらに、揺動規制部42は、昇降機構30(例えばウィンチ34)によって吊られた状態における吊り荷18の揺れを規制するように構成されている。すなわち、吊り荷18の重力荷重を主として受けるのは昇降機構30であり、揺動規制部42は重力荷重を積極的に受ける必要がない。よって、揺動規制部42、及び揺動規制部42を案内するためのガイド部60(例えばガイドレール62)の強度設計を緩和でき、コンパクト化及び軽量化が可能となる。
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのはいうまでもない。
例えば、図1〜図10に示す実施形態では、フレーム44を案内するガイド部60としてガイドレール62を用いた吊り荷揺動抑制装置40を例示して説明したが、図11〜図14に示すように、他の構成のガイド部60を用いてもよい。
図11は、一実施形態におけるローラ押圧式のガイド部を用いた吊り荷揺動抑制装置の側面図である。なお、図11においてフレーム44を移動させるための移動機構は図示を省略している。
一実施形態において、図11に示すガイド部80は、タワー4の外周面の複数箇所に当接するようにフレーム44に回転可能に支持される複数のローラ82と、各々のローラ82をタワー4の外周面に押し付けるためのバネ84とを含む。フレーム44はタワー4の周囲を囲むように配置されてもよく、その場合、タワー4の周方向に複数のローラ82を配置する。そして、フレーム44を案内するガイド部80が、バネ84によってタワー4の外周面にローラ82を押し付けることでタワー4に支持されるようになっている。そのため、タワーに沿ってガイド部を延在させる必要がなく、吊り荷揺動抑制装置のより一層の軽量化及びコンパクト化が可能となる。また、上記実施形態では、タワー4の外周面の複数箇所に当接するローラ82と、ローラ82をタワー4の外周面に押し付けるバネ84とでガイド部80を構成するため、タワー4の外周面に取り付けられるガイドレールを含むガイド部を採用する場合とは異なり、風力発電装置1のタワー4に対するガイド部80の設置工事は基本的には不要である。したがって、ガイド部80として機能しうる部位(例えばガイドレール)を有しない既存の風力発電装置1に対しても吊り荷揺動抑制装置40を適用できる。なお、バネ84の替わりに他の押圧部材を用いてもよい。
図12は、一実施形態におけるラックアンドピニオン式のガイド部を用いた吊り荷揺動抑制装置の側面図である。
一実施形態における吊り荷揺動抑制装置40は、ガイド部85として、タワー4の外周面に取り付けられ、ラック86aが形成されたガイドレール86と、フレーム44に支持されてガイドレール86のラック86aに噛合するピニオンギヤ88とを含む。なお、ガイドレール86は、タワー4の外周面に鉛直方向に沿って取り付けられていてもよい。また、移動機構50は、ピニオンギヤ88を回動させるモータ(図示略)を含む。この吊り荷揺動抑制装置40は、モータを駆動してピニオンギヤ88を回動させることによって、ピニオンギヤ88がガイドレール86に沿って移動するようになっている。この構成により、ガイドレール86に沿って確実に吊り荷18を案内することができる。
図13A及び図13Bは、チェーンスプロケット式のガイド部を用いた吊り荷揺動抑制装置の側面図である。
一実施形態において、図13Aに示す吊り荷揺動抑制装置40のガイド部90は、タワー4の外周面に取り付けられるチェーン92と、フレーム44に回転自在に支持され、チェーン92に噛合するスプロケット94とを含む。チェーン92の上端及び下端は、タワー4、ナセル6、ハブ8又はプラットホーム28に固定され、チェーン92の位置は固定されている。なお、チェーン92は、タワー4の外周面に鉛直方向に沿って取り付けられていてもよい。吊り荷揺動抑制装置40の移動機構は、スプロケット94を回転させるためのモータを含む。そして、モータによって回転するスプロケット94は、チェーン92に噛合しているのでタワー4に沿って移動し、スプロケット94に連結されたフレーム44も同時にタワー4に沿って移動する。これにより、タワー4に沿って確実に吊り荷18を案内することができる。
他の実施形態において、図13Bに示す吊り荷揺動抑制装置40のガイド部95は、タワー4の外周面の上部及び下部に配置された一対のスプロケット96,96と、一対のスプロケット96,96間に架け渡されて、タワー4の外周面に回転自在に取り付けられる環状のチェーン97とを含む。チェーン97の任意の部位にはフレーム44が連結されている。なお、チェーン97は、タワー4の外周面に鉛直方向に沿って取り付けられていてもよい。吊り荷揺動抑制装置40の移動機構は、スプロケット96を回転させるためのモータを含む。そして、モータによって回転するスプロケット94によってチェーン97が回転し、チェーン97に連結されたフレーム44も同時にタワー4に沿って移動する。これにより、タワー4に沿って確実に吊り荷18を案内することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の構成について説明する。本第2実施形態の基本構成は、上述の第1実施形態とは異なるガイド部を採用したことを除けば、既に説明した第1実施形態と同様である。したがって、ここでは、第1実施形態と共通する部材には同一の符号を付してその説明を省略し、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図14は第2実施形態における吊り荷揺動抑制装置を備えた風力発電装置の側面図である。図15は図14のB方向から視た吊り荷揺動抑制装置の正面図である。図16は係合部の構成例を示す斜視図である。図17(A)は図14に示した吊り荷揺動抑制装置の構成例を示す水平断面図で、図17(B)は図14に示した吊り荷揺動抑制装置の他の構成例を示す水平断面図である。
図14に示す風力発電装置1は、メンテナンス時や据え付け・解体時等において、昇降機構30により吊り荷18をタワー4に沿って昇降させる際に、吊り荷18の揺動を抑制するための吊り荷揺動抑制装置100を備えている。
吊り荷揺動抑制装置100は、昇降機構30によって吊られた状態における吊り荷18の水平方向への揺れを規制するための揺動規制部42と、揺動規制部42を移動させるための移動機構50と、揺動規制部42を案内するためのガイド部110とを備える。なお、昇降機構30、揺動規制部42及び移動機構50の構成は第1実施形態と同様であるため、その説明を省略する。また、図14及び図15に示す移動機構50において、フレーム昇降用ワイヤ54を巻き取るためのウィンチは図示を省略している。
幾つかの実施形態において、図14,図15及び図17(A)に示すガイド部110は、タワー4に取り付けられた複数の係合部112と、揺動規制部42のフレーム44に取り付けられた少なくとも一つのガイドレール120とを含む。
図14〜図17(A)に示す係合部112は、タワー4の外周面に取り付けられ、離間するように複数配置されている。各係合部112は、ガイドレール120に当接することによってフレーム44のタワー外周面に沿った昇降を案内する。
一実施形態において、図14,図15及び図17(A)には、上下方向に配列された複数の係合部112からなる係合部列が、タワー4の周方向にずれて2列設けられた構成を例示している。係合部列の各々を構成する複数の係合部112は、ガイドレール120の移動経路(タワー4の上端側と下端側の間を昇降するための経路)に沿って並んでいる。係合部112の配列を2列あるいは3列以上とすることで、水平方向においてフレーム44を複数点で支持する構成となり、フレーム44を安定して支持可能となる。また、図15に示す各係合部列において、複数の係合部112は一定のピッチPで配置されてもよい。また、2つの係合部列が同一のピッチPを有してもよい。その場合、2つの係合部列における複数の係合部112の各高さ方向位置が一致するように複数の係合部112をそれぞれ配置してもよい。すなわち、2つの係合部列において同一高さに位置する一対の係合部112,112のグループが、一定のピッチで複数設けられていてもよい。
図16及び図17(A)に示すように、係合部112は、断面Uの字形(U字の隅が丸みを帯びていてもよいし、U字の隅が丸みを帯びていなくてもよい。)に形成されてもよい。その場合、断面矩形状のガイドレール120の3つの側面が係合部112の内側の3面に当接することによって、ガイドレール120の水平方向の移動が規制され、ガイドレール120がタワー4の外周面に沿って上下方向に円滑に導かれるようになっている。タワー4の周方向にずれて2列の係合部列が設けられている場合、2列の係合部列のうち一方の係合部列における各係合部112は、断面Uの字形の開放した面112cが、他方の係合部列が位置する方向とは反対側に向くように配置されてもよい。また、断面Uの字形の係合部112は、鉛直方向の中央部から上端112a側に向けて拡径したテーパ形状を有していてもよい。同様に、係合部112は、鉛直方向の中央部から下端112b側に向けて拡径したテーパ形状を有していてもよい。このように、係合部112の上端112a又は下端112bの少なくとも一方が拡径していることにより、フレーム44の移動時、ガイドレール120が係合部112へスムーズに挿入される。なお、図示では断面Uの字形の場合を例示したが、断面C字形、断面L字形等の他の断面形状を有してもよい。
係合部112は、それぞれ取付部114によってタワー4の外周面に支持される。取付部114は、溶接によってタワー4の外周面に取り付けられてもよいし、鍛造によりタワー4と一体成形されたブラケット(不図示)を介してタワー4の外周面に取り付けられてもよい。また、取付部114は、タワー4の2つのセクション4a,4a(図14参照)同士を接合するフランジにボルト締結によって取り付けてられてもよい。なお、各係合部112は、ガイドレール120を案内する目的で取り付けられるものであり、ガイドレール120及びフレーム44の自重や吊り荷18の自重を受けるものではないため、タワー4の大幅な強度低下を招く程の大掛かりな取付構造は必要としない。
タワー4の上下方向に配列された複数の係合部112において、取付部114の長さ、すなわちタワー4の外周面から係合部112までの長さは、タワー4の外周面の傾斜に応じて変化させてもよい。通常、タワー4の外周面は、下方から上方に向けて縮径するように傾斜している。そこで、同一の係合部列に属する係合部112を鉛直方向に配置するために、タワー4の外周面の傾斜に応じて、下方の取付部114は短くし、上方に向かうにつれて取付部114の長さが長くなるようにしてもよい。また別の構成として、取付部114の長さは、全ての係合部112において略同一としてもよい。
図14及び図15に示すガイドレール120は、フレーム44に取り付けられている。一実施形態では、少なくとも一つのガイドレール120は、タワー4の周方向に並ぶ一対のガイドレール120を含む。ガイドレール120は、断面矩形状で長尺に形成される。なお、ガイドレール120の形状は、断面矩形状に限定されるものではなく、例えば断面円形状のように他の形状であってもよい。
フレーム44には、移動機構50のフレーム昇降用ワイヤ54が取り付けられている。例えば移動機構50は、揺動規制部42(フレーム44)を昇降させる際に吊り点として用いられる滑車天秤56と、滑車天秤56に取り付けられた定滑車57aと、フレーム44に取り付けられた動滑車57bとを含んでいる。滑車天秤56は、タワー4の外周面に沿って上下方向に昇降自在であり、タワー4の上部位置でタワー4又はナセル6に固定可能に構成される。フレーム44を昇降させる際、まず滑車天秤56がタワー4の上方位置にて固定される。次いでフレーム昇降用ワイヤ54の一端が滑車天秤56(又はタワー4の上部若しくはナセル6)に取り付けられ、他端側は動滑車57b、定滑車57aの順に経由してウィンチ(不図示)に取り付けられる。そして、ウィンチ(不図示)によりフレーム昇降用ワイヤ54を巻き上げ又は巻き下げることによって、動滑車57bに取り付けられたフレーム44がタワー4の外周面に沿って昇降するようになっている。なお、フレーム昇降用ワイヤ54は、ガイドレール120に取り付けられていてもよい。
上述のように構成されたガイドレール120は、タワー4に沿ったフレーム44の移動時に複数の係合部112に順次当接するように構成される。すなわち、ガイドレール120は、フレーム44の移動時に、上下方向に隣り合う2つの係合部112の間で受け渡されることによってタワー4の外周面に沿った昇降が案内されるようになっている。そのため、タワー4の外周面にガイドレール120を取り付け、フレーム44に係合部112を取り付ける場合に比べ、ガイドレール120を短くすることができる。また、タワー4に常時設置される係合部112は、タワー4の外周面に点在するように配置されるため、風等の周囲環境による影響を受けにくい構造とすることができる。
一実施形態において、ガイドレール120は、フレーム44の上下方向移動範囲内のいずれの位置にフレーム44があっても、上下方向に隣り合う少なくとも2つの係合部112に当接するように構成される。
一実施形態では、図15に示すように、上下方向に並ぶ複数の係合部112が所定のピッチPで配列されている場合、ガイドレール120の長さLは、係合部112のピッチPの2倍の距離、即ち2つ分のピッチPの距離よりも長い(L>2P)。これにより、フレーム44の移動時、1本のガイドレール120は必ず2つ以上の係合部112に当接する。
例えば、フレーム44の移動時にガイドレール120が1つの係合部112のみによって1点支持される場合、ガイドレール120の姿勢が定まらず次に当接すべき係合部112にガイドレール120が円滑に導かれない可能性がある。そこで、上述のように、ガイドレール120が必ず2つ以上の係合部112に当接するように構成することでガイドレール120の姿勢を安定させることができ、次に当接すべき係合部112へガイドレール120が円滑に導かれる。
また、図14〜図17(A)に示す構成例では、ガイド部110によって、タワー4の外周面に沿ったフレーム44の昇降が案内される構成となっているのは上述した通りであるが、これと同様に、フレーム44を吊下げるための滑車天秤56もタワー4の外周面に沿って案内される構成を有している。なお、上述の第1実施形態においても以下の構成を適用できる。
具体的に、滑車天秤56は、それぞれ、タワー4の外周面に沿って上下方向に延在する一対の天秤レール56a,56aと、一対の天秤レール56a,56aに架け渡されたレール連結部56bとを含んでいる。滑車天秤56は、一対の天秤レール56a,56aがレール連結部56bで互いに連結されることによって一体的に動くように構成されている。
タワー4の外周面には、天秤レール56aに当接することによって、タワー4の外周面に沿った滑車天秤56の昇降を案内するための天秤係合部113が設けられている。天秤係合部113は、断面Uの字形(U字の隅が丸みを帯びていてもよいし、U字の隅が丸みを帯びていなくてもよい。)に形成されてもよい。その場合、断面矩形状の天秤レール56aの3つの側面が天秤係合部113の内側の3面に当接することによって、天秤レール56aの水平方向の移動が規制され、天秤レール56aがタワー4の外周面に沿って円滑に導かれるようになっている。なお、図示では断面Uの字形の場合を例示したが、断面C字形、断面L字形等の他の断面形状を有してもよい。
図示した構成例では、滑車天秤56を案内するための天秤係合部113が、フレーム44を案内するための係合部112と一体的に設けられた場合を示している。すなわち、取付部114によってタワー4の外周面に取り付けられた係合部112に対して、接続部115を介して天秤係合部113が接続されている。さらに、図示のようにタワー4の周方向にずれて2列の係合部列が設けられる場合、2列の係合部列のうち一方の係合部列における各天秤係合部113は、断面Uの字形の開放した面113cが、他方の係合部列が位置する方向に向くように配置されている。すなわち、天秤係合部113の開放した面113cと、係合部112の開放下面112cは、互いに離れて位置するように構成される。
また、各天秤レール56aは、その上端56a又は下端56aの少なくとも一方が、端部に向けて断面積が減少する(縮径する)テーパ状に形成されてもよい。これにより、滑車天秤56の移動時、天秤レール56aの天秤係合部113への挿入を一層円滑にできる。さらに、上下方向に並ぶ複数の天秤係合部113(又は係合部112)が所定のピッチPで配列されている場合、天秤レール56aの長さは、天秤係合部113のピッチPの2倍の距離、すなわち2つ分のピッチPの距離よりも長くなるように構成してもよい。これにより、滑車天秤56の移動時、1本の天秤レール56aは必ず2つ以上の天秤係合部113に当接し、天秤レール56aの姿勢を安定させた状態で上下方向に案内することができる。
一実施形態において、図17(A)に示す係合部112は、断面Uの字形に形成された一対の係合部112,112の内面に、ガイドレール120との当接面における摺動性を向上させるための摺動部材116が設けられている。摺動部材116は、シート状の摺動部材116を係合部112の内面に貼り付けてもよいし、液状又はスラリ状の摺動部材116を塗布してこれを固化させることで形成してもよい。例えば摺動部材116には、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、PEEK樹脂(ポリエーテルエーテルケトン)、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ナイロン樹脂等のエンジニアリングプラスチックなどを用いることができる。このように、係合部112の内面に摺動部材116を設けることにより、ガイドレール120と係合部112との摺動性を向上させ、ガイドレール120の円滑な移動を可能とする。また、係合部112の内側にガイドレール120を係合させる構成を採用し、摺動部材116を係合部112の内面に設けることで、紫外線による摺動部材116の劣化を抑制できる。なお、摺動部材116は、係合部112とガイドレール120との摺動部に位置していれば係合部112に設ける必要はなく、ガイドレール120側に設けられてもよい。
他の実施形態において、図17(B)に示す係合部112’は、断面Uの字形に形成された一対の係合部112’,112’の内面にローラ118,118が設けられた構成を有する。各ローラ118は、係合部112’の内面とガイドレール120の側面との間に位置し、転動自在に係合部112’に取り付けられている。そして、フレーム44の移動時、ガイドレール120はローラ118に当接してタワー4の外周面に沿って昇降する。ローラ118は転動しながらガイドレール120を上下方向に導く。このように、係合部112の内面にローラ118を設けることにより、ガイドレール120の円滑な移動を可能とする。また、紫外線に弱い材質でローラ118を形成する場合であっても、ローラ118が係合部112の内面に設けられることで、紫外線によるローラ118の劣化を抑制できる。なお、ローラ118は、ガイドレール120側に設けられてもよい。すなわち、ガイドレール120のうち係合部112と当接する面に複数のローラが所定のピッチで設けられてもよい。
図18は第2実施形態の変形例における吊り荷揺動抑制装置の斜視図である。
本変形例に係る吊り荷揺動抑制装置100において、タワー4の周方向に並べられた一対の係合部112,112は、互いに対向する側が開放された断面Uの字形に形成されてもよい。この場合、一方の係合部112は、タワー4の周方向に隣接する他方の係合部112に対向する側が開放されているため、この方向へのガイドレール120の動きは前記一方の係合部112によって規制されることにはならない。しかし、2本のガイドレール112同士がフレーム114を介して連結される等によって一体になっていれば、前記他方の係合部112によって上記方向への2本のガイドレール120の移動が規制されることになる。これにより、水平方向のいずれの方向に対してもガイドレール120が揺動することを防ぎ、安定してガイドレール120を案内できる。なお、図示では断面Uの字形の場合を例示したが、断面C字形、断面L字形等の他の断面形状を有してもよい。
また、一対のガイドレール120によって形成されるレールアセンブリは、ガイドレール中央部における幅Wに比べて少なくとも一方のガイドレール端部における幅Wの方が小さくなるように構成されてもよい。これにより、フレーム44の移動時、ガイドレール120が係合部112へスムーズに挿入される。レールアセンブリの幅を上述した関係(W>W)にするためには、例えば、ガイドレール120は、その上端120a側又は下端120b側の少なくとも一方が、端部に向けて断面積が減少する(縮径する)テーパ状に形成されてもよい。また、レールアセンブリの幅を上述した関係(W>W)にするために、一対のガイドレール120は、それぞれ、その上端120a側又は下端120b側の少なくとも一方が、これに対向する他方のガイドレール120に向けて湾曲した形状を有していてもよい。これにより、フレーム44の移動時、ガイドレール120の係合部112への挿入を一層円滑にできる
次に、図19及び図20を参照して、上述の第2実施形態の他の変形例における吊り荷揺動抑制装置の構成について説明する。なお、図19は第2実施形態の他の変形例における吊り荷揺動抑制装置の斜視図である。図20(A)は図19に示した吊り荷揺動抑制装置の構成例を示す水平断面図で、図20(B)は図19に示した吊り荷揺動抑制装置の他の構成例を示す水平断面図である。
一実施形態において、図19及び図20(A)に示す吊り荷揺動抑制装置120が有するガイド部122は、1本のガイドレール126と、複数の係合部124とを含む。
ガイドレール126は、フレーム44に取り付けられる。例えば、ガイドレール126は、断面I字形で長尺に形成される。このガイドレール126は、断面I字形の一方の端部にフレーム44が取り付けられ、他方の端部が係合部124に係合するようになっている。図20に示す例示的な実施形態では、断面I字形の一方の端部にフレーム取付面126aが設けられ、他方の端部に係合部当接面126bが設けられている。
係合部124は、タワー4の外周面に取り付けられ、互いに離間するように複数配置される。複数の係合部124は、タワー4の周方向に並ぶ一対の係合部124,124からなるグループが、タワー4の外周面に上下方向に複数配列された構成としてもよい。各係合部124は、例えば断面L字形に形成されてもよく、一対の係合部124,124を有する場合、互いに対向する方向へ端部が突出するように構成される。
また、図20(B)に示すガイド部122’のように、ガイドレール128は断面T字形で長尺に形成されてもよい。このガイドレール128は、断面T字形の端面にフレーム取付面128aが設けられ、他方の端部にローラ129が取り付けられている。そして、フレーム44の移動時、ガイドレール128に当接してローラ129が転動することによって、ガイドレール128のタワー4外周面に沿った昇降が案内される。
上記構成を有するガイド部120によれば、ガイドレール126を1本にできるので、装置構成を簡素化できる。
図21は、吊り荷揺動抑制装置を用いてブレードを昇降させる状態を示した側面図である。なお、ここでは一例として、吊り荷揺動抑制装置130は、図18で説明したガイド部110を具備した場合を示している。
一実施形態において、昇降装置30による吊り下ろし対象又は吊り上げ対象である吊り荷18は、風力発電装置1のブレード10である。この場合、ハブ8の内部に設けられたウィンチ34によって吊下げワイヤ32を巻き下ろし又は巻き上げて、ブレード10を昇降させる。なお、ブレード10を昇降させるためのウィンチ34は、ハブ8の周囲、ナセル6の内部又は周囲、タワー4の内部又は周囲、あるいは、プラットホーム上のいずれの位置に配置されてもよい。ただし、吊下げワイヤ32を介してウィンチ34側に支持されるブレード10の吊り点Sは、ブレード10より上方に存在する。
ブレード10の鉛直方向に沿った移動時、ブレード10の軸線が鉛直方向に沿った姿勢で該ブレード10の一部を揺動規制部42のフレーム44内に挿入する。そして、ブレード10の一部を収容したフレーム44を、ブレード10の昇降に追従させて昇降させる。このとき、フレーム44が取り付けられたガイドレール120は、タワー4の外周面に取り付けられた係合部112に順次当接する。これにより、ブレード10の鉛直方向の移動に追従して、フレーム44をタワー4の外周面に沿って昇降させることができる。
上記実施形態によれば、ブレード10を昇降させる際に、ブレード10の揺動を抑制して安定してブレード10の昇降させることができる。
図22(A)はアクチュエータの動作を説明するために、ブレードを傾斜姿勢に支持した状態を示す図で、図22(B)はブレードを鉛直姿勢に支持した状態を示す図である。
一実施形態において、図22(A),(B)に示す吊り荷揺動抑制装置130は、揺動規制部42と、ガイド部110と、アクチュエータ134とを備えている。
揺動規制部42は、上述したフレーム44の他に、フレーム44に取り付けられた少なくとも一つの支持部132を有している。
支持部132は、昇降機構30によって吊られた状態のブレード10に当接して、ブレード10の吊り点S周りのブレード10へのモーメント荷重Mを受けるように構成されている。ここで、図21に示すブレード10の吊り点Sとは、ブレード10が吊下げられた吊下げワイヤ32の風力発電装置1側の支点である。少なくとも一つの支持部132は、例えば、ブレード10を挟むようにタワー4の径方向に配置される少なくとも一対の支持部132を含む。ブレード10は吊り点Sを中心として回動するように略水平方向に移動するので、支持部132は、ブレード10の外表面の角度変化に応じて支持面の角度が調整可能に構成されてもよい。また、支持部132がブレード10の自重の影響を大きく受けないように、支持部132には、ブレード10の外周面との当接面に摺動部材(不図示)が設けられてもよい。摺動部材によって、支持部132とブレード10の外周面との摩擦は小さくなり、支持部132はブレード10の自重を殆ど受けない構成とすることができる。さらに、ブレード10の損傷防止を目的として、支持部132は、ブレード10の外周面との当接面に緩衝材が設けられてもよい。
また、一実施形態において、吊り荷揺動抑制装置130は、ブレード10が吊り点S周りに回動するように、ブレード10に当接した支持部132を水平方向に移動させるためのアクチュエータ134をさらに備えている。
ブレード10は、ブレード10の重心Cが吊り点Sの鉛直方向下方に位置する姿勢で安定となる。図22(A)に示すようにブレード10の重心Cが吊り点Sの鉛直方向下方からずれている場合、ブレード10には、吊り点S周りのモーメント荷重Mが加わり、ブレード10を前述の姿勢に移行してブレード10が大きく揺動してしまう。そこで、支持部132でブレード10のモーメント荷重Mを支持した状態で、図22(B)に示すように、吊り点Sの鉛直下方に重心Cが位置するように、アクチュエータ134を図中X方向に動かす。なお、吊り点Sから支持部132までの距離は十分に大きいため、支持部132から見ればブレード10はモーメントMにより略水平方向に移動しようとする。そのため、支持部132は、ブレード10の動きに合わせて略水平方向に移動させればよい。
上述のように、ブレード10へのモーメント荷重を支持部132で受けながらアクチュエータ134によって支持部132を水平方向(矢印X方向)に移動させることによって、吊り点S周りにブレード10を緩やかに回動させ、ブレード10の重心位置Cやブレード10の姿勢を安定して調節できる。また、支持部132はブレード10へのモーメント荷重を受ける構成であるに過ぎず、ブレード10の自重はあくまでブレード10を吊る昇降機構30によって支持される。そのため、揺動規制部42(支持部132)へ過大な荷重が加わることを防ぐことができる。
なお、ブレード10とハブ8によって構成されるロータ7は、鉛直方向に対してロータ回転面が5〜10°程度のチルト角をなすように構成されることがある。この場合、ハブ8の鉛直方向下方に位置する翼取付け部に取り付けられた略鉛直姿勢のブレード10は、鉛直方向に対してチルト角だけ傾斜している。そのため、ハブ8の鉛直方向下方に位置する翼取付け部に対するブレード10の着脱時、ブレード10の姿勢が、一時的に、ブレード10の重心Cが吊り点Sの鉛直方向下方からずれた不安定な姿勢になってしまうことがある。例えば、ハブ8からブレード10を取り外した直後ではブレード10は鉛直方向に対してチルト角だけ傾斜しており、ブレード10の重心Cは吊り点Sの鉛直方向下方からずれている。同様に、ハブ8にブレード10を取り付ける直前では鉛直方向に対してチルト角だけ傾斜させる必要があり、ブレード10の重心Cは吊り点Sの鉛直方向下方からずれている。
このような場合であっても、上述のように、ブレード10へのモーメント荷重を支持部132で受けながらアクチュエータ134で支持部132を動かして吊り点S周りにブレード10を緩やかに回動させれば、ブレード10の姿勢を安定して調整でき、揺動規制部42(支持部132)へ過大な荷重が加わることを防止しながら、ブレード10の揺動を抑制できる。
図23はアクチュエータ、回動機構及びその周辺構造を示す側面図である。
他の実施形態では図23に示すように、タワー4の径方向においてブレード10を挟んで一側に一対の支持部132a,132a及び一対のアクチュエータ134a,134aが配置され、他側に一対の支持部132b,132b及び一対のアクチュエータ134b,134bが配置されてもよい。これらの支持部132a,132a,132b,132b及びアクチュエータ134a,134a,134b,134bはフレーム44に取り付けられている。アクチュエータ134a,134aの伸縮量及びアクチュエータ134b,134bの伸縮量をそれぞれ独立して調節することによって、ブレード10の鉛直方向に対する角度を調節可能となる。これにより、ブレード10を吊り点S周りに徐々に回動させることができる。
幾つかの実施形態では、吊り荷揺動抑制装置130は、揺動規制部42を水平方向に沿った回動軸136周りに回動させるための回動機構140をさらに備える。
図24は回動機構の構成例を示す斜視図である。
図23及び図24に示すように、回動機構140は、揺動規制部42とガイド部110との間に設けられ、ガイド部110に対して揺動規制部42を水平方向に沿った回動軸136周りに回動させる構成となっている。
一実施形態において、回動機構140は、ガイドレール120に固定されたフレーム取付部45に取り付られた回動ディスク142と、回動ディスク142を回動させるためのターニングモータ144とを含む。
回動ディスク142は、フレーム取付部45に対して複数のディスク支持部143によって回動自在に取り付けられている。ディスク支持部143は、回動ディスク142の外周に沿って複数配置され、例えばフレーム取付部45にボルト止めされている。回動ディスク142の外周にはギヤが形成されている。なお、図24に示す例示的な実施形態では、回動ディスク142の外周のうち、ディスク支持部143に接触しない領域にギヤが形成されている。ターニングモータ144には回動ギヤ(ピニオンギヤ)146が連結されており、この回動ギヤ146は回動ディスク142のギヤと噛合している。そして、ターニングモータ144が駆動されることによって回動ギヤ146が回転し、回転ギヤ146に噛合した回動ディスク142が回動軸136周りに回動されるようになっている。
ここで、図25を参照して、ブレード10の吊り下ろし作業におけるブレードの回転手順について説明する。なお、図25(A)〜(C)はブレード及びフレームの回転手順を示す図である。
ブレード10は、ハブ8の鉛直方向下方に位置する翼取付け部から取り外された後、鉛直方向に沿って吊り下ろされ、タワー4の上部に待機していたフレーム44内に挿入される。あるいは、ハブ8の鉛直方向下方に位置する翼取付け部に取り付けられたブレード10がフレーム44内に挿入されるように、タワー4に沿ってフレーム44を上昇させてもよい。そして、図25(A)に示すように、ブレード10がフレーム44に挿入された状態で、昇降装置30によりブレード10を吊り下ろす。このとき、吊り点S周りのモーメント荷重Mを支持部132によって受けながら、支持部132をアクチュエータ134によって水平方向に移動させて、ブレード10の姿勢を調節してもよい。なお、昇降装置30のよるブレードの吊り下し時、ブレード10の吊り下ろしに追従させて、移動機構50によりフレーム44を吊り下ろす。このとき、フレーム44に取り付けられたガイドレール120が、係合部112に順次当接することによって、フレーム44はタワー4の外周面に沿って昇降するように案内される。
タワー4の途中までブレード10及びフレーム44が吊り下ろされたら、ブレード10及びフレーム44の鉛直方向への移動を一旦停止して回動作業に移る。回動作業では、回動機構140によってブレード10の回動に追従するようにフレーム44を回動させる。図25(B)に示すように、回動機構140は、ターニングモータ144を駆動して回動ディスク142を回動させ、回動軸136によって回動ディスク142に連結されたフレーム44を回動させる。なお、回動機構140はブレード10を回動させるためのものではなく、ブレード10の回動に追従してフレーム44を回動させるためのものである。そのため、ブレード10を回動させるためには、フレーム44の回動機構140とは別に設けられたブレード回動機構(不図示)が用いられる。例えば回動作業では、昇降機構30によって吊られたブレード10に取り付けられたワイヤをクレーンで引っ張ることによりブレード10の姿勢が調整される。例えば、ブレード10は鉛直姿勢から水平姿勢となるように略90°回動される。そして、図25(C)に示すように、水平姿勢となるように略90°回動されたブレード10に合わせて、鉛直方向に対して略90°回動されたフレーム44は、回動された状態のままブレード10に追従してさらに吊り下ろされる。こうして、ブレード10は水平姿勢でプラットホーム28上に載置される。
このように、ガイドレール120に対してフレーム44を水平方向に沿った回動軸36周りに回動させるための回動機構140を設ければ、ブレード10の姿勢変化に追従してフレーム44を回動させて、ブレード10の自重が許容範囲を超えてフレーム44に加わらないようにすることができる。したがって、フレーム44を設置した状態でブレード10の姿勢調整が可能になり、ブレード10の搬送作業を容易に行うことができる。
なお、上述したアクチュエータ134(134a,134a,134b,134b)及び回動機構140は、第1実施形態にも適用可能である。
さらに別の実施形態では、図26に示す吊り荷揺動抑制装置40’は、吊り荷18を吊下げるための吊下げワイヤ32とは別に、風力発電装置1のナセル6とプラットホーム28(図1及び図2参照)との間に張設された2本のガイドワイヤ49を備える。そして、吊下げワイヤ32で重力荷重を支持しながらガイドワイヤ49に沿って吊り荷18を昇降させるようになっている。これにより、吊り荷18の水平方向の揺動を抑制でき、安定して吊り荷18を昇降できる。また、吊り荷18の重力荷重を主として受けるのは吊下げワイヤ32であり、ガイドワイヤ49は重力荷重を積極的に受ける必要がない。そのため、吊り荷揺動抑制装置40’の強度設計を緩和でき、コンパクト化及び軽量化が可能となる。
なお、上述の実施形態を説明する際に用いた「沿って」との用語は、基準となる方向又は物に対して幾何学的な意味で厳密に平行である状態のみを指すものではなく、基準となる方向又は物に対してある程度の角度(例えば30度以内の角度)をなす状態をも包含する。
1 風力発電装置
2 浮体
4 タワー
6 ナセル
7 ロータ
8 ハブ
10 ブレード
11 回転シャフト
12 発電機
13 ドライブトレイン
14 油圧ポンプ
15 油圧モータ
16 高圧油ライン
17 低圧油ライン
18 吊り荷
19 吊り金具
21 第1コラム
22 第2コラム
23 第3コラム
25 第1ロワーハル
26 第2ロワーハル
28 プラットホーム
30 昇降機構
32 吊下げワイヤ
34 ウィンチ
36 クレーン
40,100,130 吊り荷揺動抑制装置
42 揺動規制部
44 フレーム
45 フレーム取付部
46 緩衝材
48 エアバッグ
50 移動機構
52,53 ウィンチ
54 フレーム昇降用ワイヤ
55 吊りワイヤ
56 滑車天秤
56a, 天秤レール
56b レール連結部
58,58’ 検出部
59 制御部
60,80,85,90,95,110,122 ガイド部
62,86,120,126,128 ガイドレール
64,66,68 ブラケット
65,82 ローラ
66a,68a ボルト穴
69 溶接部
70 アーム
71,71’ アクチュエータ
75 クレーン
84 バネ
86a ラック
88 ピニオンギヤ
92,97 チェーン
94,96 スプロケット
112,124 係合部
113 天秤係合部
114 取付部
115 接続部
116 摺動部
118 ローラ部
126a フレーム取付面
126b 係合部当接面
128a フレーム取付面
128b ローラ取付部
129 ローラ
132,132a,132a,132b,132b 支持部
134,134a,134a,134b,134b アクチュエータ
136 回動軸
140 回動機構
142 回動ディスク
143 ディスク支持部
144 ターニングモータ
146 回動ギヤ
C ブレード重心
S ブレード吊り点

Claims (20)

  1. 昇降機構により吊り荷を風力発電装置のタワーに沿って昇降させる際に、前記吊り荷の揺動を抑制するための吊り荷揺動抑制装置であって、
    前記昇降機構によって吊られた状態における前記吊り荷の水平方向への揺れを規制するための揺動規制部と、
    前記昇降機構による前記吊り荷の前記タワーに沿った動きに合わせて前記揺動規制部を移動させるための移動機構と、
    前記移動機構により前記タワーに沿って前記揺動規制部が移動するように前記揺動規制部を案内するためのガイド部とを備えることを特徴とする風力発電装置用の吊り荷揺動抑制装置。
  2. 前記揺動規制部は、少なくとも前記吊り荷と前記タワーの間に配置されるフレームを含み、
    前記ガイド部は、前記タワーの外周面又は前記フレームの一方に取り付けられるガイドレールと、前記タワーの前記外周面又は前記フレームの他方に取り付けられるとともに前記ガイドレールに係合する係合部とを含むことを特徴とする請求項1に記載の風力発電装置用の吊り荷揺動抑制装置。
  3. 前記ガイドレールは、前記フレームに取り付けられており、
    前記係合部は、前記タワーの前記外周面に取り付けられ、互いに離間するように複数配置されており、
    前記ガイドレールは、前記タワーに沿った前記フレームの移動時に複数の前記係合部に順次当接するように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の風力発電装置の吊り荷揺動抑制装置。
  4. 前記ガイドレールは、前記フレームの上下方向移動範囲内のいずれの位置に前記フレームがあっても、上下方向に隣り合う少なくとも2つの前記係合部に当接するように構成されたことを特徴とする請求項3に記載の風力発電装置の吊り荷揺動抑制装置。
  5. 前記ガイドレールは、前記タワーの前記外周面に取り付けられており、
    前記係合部は、前記フレームとともに前記ガイドレールに沿って移動するように前記フレームに取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載の風力発電装置用の吊り荷揺動抑制装置。
  6. 前記移動機構は、前記ガイドレールに形成されたラックに噛合する前記係合部としてのピニオンギヤを回動させるモータを含むことを特徴とする請求項5に記載の風力発電装置用の吊り荷揺動抑制装置。
  7. 前記ガイド部は、前記タワーの外周面に取り付けられるチェーンを含み、
    前記揺動規制部は、少なくとも前記吊り荷と前記タワーの間に配置されるフレームを含み、
    前記移動機構は、前記チェーンに噛合するスプロケットと、前記スプロケットを回動させるためのモータとを含み、
    前記スプロケットの回転軸又は前記チェーンの一方が前記タワーに固定され、前記スプロケットの回転軸又は前記チェーンの他方が前記フレームに連結されており、前記フレームが、前記スプロケットの回転に伴って前記タワーに沿って移動するように構成されたことを特徴とする請求項5に記載の風力発電装置用の吊り荷揺動抑制装置。
  8. 前記揺動規制部は、少なくとも前記吊り荷と前記タワーの間に配置されるフレームを含み、
    前記ガイド部は、前記タワーの外周面の複数箇所に当接するように前記フレームに回転可能に支持される複数のローラと、各々の前記ローラを前記タワーの前記外周面に押し付けるための押圧部材とを含み、
    前記フレームは、前記タワーに押し付けられる前記複数のローラによって、前記タワーに支持されるとともに前記タワーに沿って案内されるように構成されたことを特徴とする請求項5に記載の風力発電装置用の吊り荷揺動抑制装置。
  9. 前記ガイド部は、前記ガイドレール又は前記係合部の一方に回動自在に取り付けられたローラを含み、
    前記ローラは、前記ガイドレール又は前記係合部の他方に当接するように構成されたことを特徴とする請求項2乃至8のいずれか一項に記載の風力発電装置の吊り荷揺動抑制装置。
  10. 前記ガイドレール又は前記係合部の一方は、鍛造により前記タワーと一体成形されたブラケットを介して前記タワーに取り付けられていることを特徴とする請求項2乃至9のいずれか一項に記載の風力発電装置の吊り荷揺動抑制装置。
  11. 前記揺動規制部は、前記フレームの前記吊り荷側に設けられた緩衝材をさらに含み、
    前記緩衝材がエアバッグであり、前記エアバッグ内の空気量を増減することにより該エアバッグの表面と前記吊り荷との距離を調節可能に構成されたことを特徴とする請求項2乃至10のいずれか一項に記載の風力発電装置の吊り荷揺動抑制装置。
  12. 前記揺動規制部に対する前記吊り荷の相対位置を検出するための検出部と、
    前記検出部で検出された前記相対位置に基づいて前記移動機構を制御するための制御部とをさらに備えることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の風力発電装置の吊り荷揺動抑制装置。
  13. 前記移動機構は、ワイヤの巻き取り量を調節することにより前記揺動規制部の位置を調整するように構成されたウィンチを含むことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の風力発電装置の吊り荷揺動抑制装置。
  14. 前記揺動規制部は、前記フレームと前記タワーとの水平方向における距離を調節する水平距離調節機構をさらに含むことを特徴とする請求項2乃至13のいずれか一項に記載の風力発電装置の吊り荷揺動抑制装置。
  15. 前記吊り荷は、前記風力発電装置のブレードであることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の風力発電装置の吊り荷揺動抑制装置。
  16. 前記揺動規制部は、前記昇降機構によって吊られた前記ブレードに当接して、前記昇降機構による前記ブレードの吊り点周りの前記ブレードへのモーメント荷重を受けるための支持部を含み、
    前記吊り荷揺動抑制装置は、前記ブレードが前記吊り点周りに回動するように、前記ブレードに当接した前記支持部を水平方向に移動させるためのアクチュエータをさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の風力発電装置の吊り荷揺動抑制装置。
  17. 前記揺動規制部と前記ガイド部との間に設けられ、前記ガイド部に対して前記揺動規制部を水平方向に沿った回動軸周りに回動させるための回動機構をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至16の何れか一項に記載の風力発電装置の吊り荷揺動抑制装置。
  18. 前記風力発電装置は、水面に浮かぶ浮体上に前記タワーが立設された浮体式風力発電装置であることを特徴とする請求項1乃至17に記載の風力発電装置用の吊り荷揺動抑制装置。
  19. ブレードが取り付けられるハブと、
    前記ハブと共に回転するメインシャフトと、
    前記ハブ及び前記メインシャフトを含むロータを回転可能に支持するナセルと、
    前記ナセルが取り付けられるタワーと、
    前記タワーに沿って吊り荷を昇降させる昇降機構と、
    前記吊り荷の揺動を抑制するための吊り荷揺動抑制装置とを備え、
    前記吊り荷揺動抑制装置は、
    前記昇降機構によって吊られた状態における前記吊り荷の水平方向への揺れを規制するための揺動規制部と、
    前記昇降機構による前記吊り荷の前記タワーに沿った動きに合わせて前記揺動規制部を移動させるための移動機構と、
    前記移動機構により前記タワーに沿って前記揺動規制部が移動するように前記揺動規制部を案内するためのガイド部とを有することを特徴とする風力発電装置。
  20. 昇降機構により吊り荷を風力発電装置のタワーに沿って昇降させる昇降ステップと、
    前記昇降機構によって吊られた状態の前記吊り荷の水平方向への揺れを規制するための揺動規制部を、前記昇降ステップにおける前記吊り荷の前記タワーに沿った動きに合わせて移動させる移動ステップとを備え、
    前記移動ステップでは、前記揺動規制部をガイド部によって案内しながら、前記タワーに沿って前記揺動規制部を移動させることを特徴とする風力発電装置用の吊り荷昇降方法。
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