JP2014206393A - Mmp−3の測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、EDTAを含む試料中のMMP−3濃度を正確に測定するための免疫測定方法、免疫測定試薬及び免疫測定キットを提供することを課題とする。
【解決手段】EDTA共存下とEDTA非共存下での抗体の反応性を指標とすることで、EDTA共存下とEDTA非共存下の反応性が同等のモノクロ−ナル抗体を特別に選別できることを見出し、本発明を完成するに至った。このように選別されたEDTA共存下でEDTA非共存下と同等の反応性を有するモノクロ−ナル抗体同士を組み合わせることによって、EDTAを含む試料中でも測定値が低値化することなく、正確にMMP−3濃度を測定できることを見出した。
【選択図】なし

Description

本発明は、ヒトMMP−3と特異的に反応し、かつEDTA共存下でEDTA非共存下と同等のヒトMMP−3に対する反応性を有するモノクロ−ナル抗体を使用するMMP−3の測定方法及び該測定方法に用いられる測定試薬・測定試薬キットに関する。また、前記モノクローナル抗体、前記モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ、前記モノクローナル抗体の製造方法に関する。
MMP−3(マトリクスメタロプロテイナ−ゼ3)は滑膜細胞や軟骨細胞で産生され、その特異的基質が軟骨を構成するプロテオグリカンであること、他のMMPsを活性化する作用も有することから、関節リウマチ(RA)罹患時の関節組織破壊において中心的な役割を担っている酵素として知られている。
一般に慢性関節リウマチの病態の進展に伴い、滑膜は炎症反応を起こして増殖する。MMP−3は滑膜の増殖に伴い滑膜表層細胞で産生されて関節液中に貯留し、血管やリンパ管を経由して血中に移行すると考えられている。このことから、血中MMP−3濃度は関節リウマチの診断補助や治療効果、疾患活動性、関節破壊の指標として、その臨床的有用性が広く知られている。ヒトMMP−3測定試薬、測定試薬キットとして、以下の非特許文献に示すような試薬が知られている。
非特許文献1−4に示す試薬及びキットでは、EDTA血漿では検出されるべきMMP−3濃度に対して、検出されるMMP−3濃度が低値化するため、EDTA血漿の使用は推奨しないと記載されている。さらに、非特許文献5では、非特許文献4記載のキットを用いて、各種採血管由来の試料測定値についての検討を実施し、EDTAを用いた場合にMMP−3測定値が低値化したという実験報告がなされている。
また、非特許文献6に示すキットでは、正常検体を測定したデ−タが記載されているが、8項に記載されているように、EDTA血漿測定値はその他検体種と比較すると、測定値が低値化する傾向にあることが明示されている。
このように、EDTA血漿中のMMP−3濃度測定値の正確性に言及している例はこれまではなかった。しかしながら、慢性関節リウマチの診断補助や治療効果判定、疾患活動性、関節破壊の指標としてMMP−3を用いるには、正確な測定値が得られることが極めて重要であり、そして検体の種類を問わずに正確な測定値が得られる臨床検査薬は極めて有用である。
パナクリアMMP−3プレ−ト添付文書 (第一ファインケミカル) パナクリアMMP−3ラテックス添付文書 (第一ファインケミカル) ELISA kit KAC1541添付文書(Invitrogen) Quantikine ELISA Human Total MMP−3 Immunoassay(DMP300) (R&D SYSTEMS) Clinical chemistry 54:4 (2008) Impact of Blood Sampling on the CirculatingMetalloproteinase 1,2,3,7,8,and 9 Amersham Matrix metalloproteinase−3 Human Biotrack ELISA System (RPN2613)Product Booklet (GE Healthcare) The Journal of BiologicalChemistry Vol 261,No30(1986)A Metalloproteinase from HumanRheumatoid Synavial Fibroblasts thatDigests Connective Tissue MatrixComponents
本発明は、ヒトMMP−3と特異的に反応し、かつEDTA共存下でEDTA非共存下と同等のヒトMMP−3に対する反応性を有することを特徴とする抗MMP−3モノクロ−ナル抗体、該モノクロ−ナル抗体に由来する機能性断片、さらに該モノクロ−ナル抗体を産生するハイブリド−マを提供することを課題とする。
また、本発明は、EDTAを含む試料中のMMP−3濃度を正確に測定するための免疫測定方法、免疫測定試薬及び免疫測定キットを提供することを課題とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行ったところ、ヒトMMP−3に対するモノクロ−ナル抗体の選別において、EDTA共存下とEDTA非共存下での抗体の反応性を指標とすることで、EDTA共存下とEDTA非共存下の反応性が同等のモノクロ−ナル抗体を特別に選別できることを見出し、本発明を完成するに至った。このようにして得られたモノクロ−ナル抗体は、EDTA共存下での反応性に着目したことがなかった従来の方法では特別に選別されることはなかった。
また、本発明者らは、上記で選別されたEDTA共存下でEDTA非共存下と同等の反応性を有するモノクロ−ナル抗体同士を組み合わせることによって、EDTAを含む試料中でも測定値が低値化することなく、正確にMMP−3濃度を測定できることを見出した。したがって、本発明の別の目的は、抗原抗体反応を利用した免疫測定方法において、EDTA共存下でも強い反応性を有する抗体同士を組み合わせることにより、EDTAを含む試料中でもMMP−3濃度を正確に得られることを特徴とする免疫測定方法、測定試薬及び測定キットに関する。
具体的には、本発明は以下の構成を有する。
<1>試料中のMMP−3を測定する方法であって、
EDTA共存下においてEDTA非共存下と同等の反応性を有する抗MMP−3モノクロ−ナル抗体と試料中のMMP−3を接触させる工程を含む、測定方法。
<2>EDTA共存下においてEDTA非共存下と同等の反応性を有する抗MMP−3モノクロ−ナル抗体が、2種以上の抗体である、前記<1>に記載の測定方法。
<3>2種以上の抗体が、MMP−3に対する認識部位が互いに異なる抗体である、前記<2>に記載の測定方法。
<4>2種以上の抗体が、以下の(1)及び(2)を満たす抗体である、前記<2>又は<3>に記載の測定方法。
(1)EDTA共存下におけるヒトMMP−3との反応平衡定数(KD値)が、EDTA非共存下におけるKD値に対して200%未満
(2)EDTA共存下におけるヒトMMP−3との結合量を示すRmaxが、EDTA非共存下でのRmaxに対して65%以上
<5>2種以上の抗体が、寄託番号FERM P−22219(82208)、FERM P−22131(82211)、FERM P−22132(82213)、FERM BP−11486(82216)、FERM P−22133(82245)からなる群より選ばれるハイブリド−マにより産生されるものである、前記<2>〜<4>のいずれか一項に記載の測定方法。
<6>試料がEDTAを含むものである、前記<1>〜<5>のいずれか一項に記載の測定方法。
<7>前記<1>〜<6>のいずれか一項に記載の測定方法に用いられる、試料中のMMP−3を測定する測定試薬および測定試薬キット。
<8>EDTA共存下においてEDTA非共存下と同等の反応性を有することを特徴とする抗ヒトMMP−3モノクロ−ナル抗体。
<9>EDTA共存下においてEDTA非共存下と同等のヒトMMP−3との反応性が以下の(1)及び(2)を満たすことを特徴とする前記<8>記載の抗MMP−3モノクロ−ナル抗体。
(1)EDTA共存下におけるヒトMMP−3との反応平衡定数(KD値)が、EDTA非共存下におけるKD値に対して200%未満
(2)EDTA共存下におけるヒトMMP−3との結合量を示すRmaxが、EDTA非共存下でのRmaxに対して65%以上
<10>以下の工程を含む方法によって選択された前記<8>又は<9>に記載の抗MMP−3モノクロ−ナル抗体。
工程1:MMP−3を免疫源として、非ヒト動物に免疫する工程
工程2:MMP−3に対する反応性が高い抗体を産生する免疫担当細胞を選択する工程
工程3:工程2で選択した免疫担当細胞を使用してハイブリドーマを取得する工程
工程4:工程3で取得したハイブリドーマを使用して抗MMP−3モノクロ−ナル抗体を取得する工程
工程5:前記工程2〜4のいずれか一工程において、EDTA共存下とEDTA非共存下それぞれの条件におけるヒトMMP−3に対する反応性を評価し、EDTA共存下とEDTA非共存下で反応性が同等のクローンを選択する工程
<11>寄託番号FERM P−22219(82208)、FERM P−22131(82211)、FERM P−22132(82213)、FERM BP−11486(82216)、FERM P−22133(82245)であるハイブリド−マにより産生される、モノクロ−ナル抗体。
<12>前記<8>〜<11>のいずれかに記載の抗MMP−3モノクロ−ナル抗体に由来するFab部位を含む、モノクロ−ナル抗体断片。
<13>前記<8>又は<9>に記載のモノクロ−ナル抗体を産生することを特徴とするハイブリド−マ。
<14>FERM P−22219(82208)、FERM P−22131(82211)、FERM P−22132(82213)、FERM BP−11486(82216)、FERM P−22133(82245)である前記<8>又は<9>に記載のハイブリド−マ。
<15>以下の工程を含む前記<8>又は<9>に記載の抗MMP−3モノクロ−ナル抗体を製造する方法。
工程1)ヒトMMP−3を免疫源として、抗MMP−3抗体産生ハイブリド−マを取得する工程
工程2)工程1で取得したハイブリド−マが産生する抗体を、ヒトMMP−3と接触させて、反応性が強い抗体を産生するハイブリド−マを選択し、このハイブリド−マが産生する抗体を取得する工程
工程3)工程2で取得した抗体について、EDTA共存下とEDTA非共存下それぞれのヒトMMP−3に対する反応性を評価し、EDTA共存下とEDTA非共存下で反応性が同等のクローンを選択する工程
本発明のEDTA共存下でも非共存下と同等の反応性を有する抗MMP−3モノクロ−ナル抗体を用いることで、EDTAを含む試料中のMMP−3濃度を正確に測定できる免疫測定試薬及び測定キットが提供可能になった。また、本発明のモノクロ−ナル抗体の選択方法は、EDTA非共存下とEDTA共存下での抗体の反応性を指標に選択されるため、高精度に目的とするモノクロ−ナル抗体を得ることができ、効率的である。本発明の免疫測定試薬及びキットを用いることで、EDTA血漿中のMMP−3濃度も正確に測定することができ、検体種を選ばないことから、慢性関節リウマチの臨床検査薬として用いるのに好適である。
(抗ヒトMMP−3モノクロ−ナル抗体)
本発明の抗ヒトMMP−3モノクロ−ナル抗体は、ヒトMMP−3と特異的に反応する抗体である。抗ヒトMMP−3モノクロ−ナル抗体を得るにあたって、ヒトMMP−3と抗原抗体反応を起こすことを指標とした選別はなされてきたが、EDTA共存下での反応性に注目した選別は例がなく、EDTA共存下でもEDTA非共存下と同等の反応性を有する本抗体はまったく新規である。
ここで、EDTA共存下でもEDTA非共存下と同等の反応性を有するとは、EDTA存在下でヒトMMP−3と反応させた場合と、EDTAを存在させずにヒトMMP−3と反応させた場合とで、反応性が同等であることをいい、反応性の指標としては、抗体のアフィニティ−の強さを示す反応平衡定数(KD値)、ヒトMMP−3との結合量を示すRmaxが挙げられる。また、固相抗体に対するヒトMMP−3との結合量、あるいは、抗体を結合させた担体の凝集度合いなどにより示すこともできる。

また、本発明の抗MMP−3モノクロ−ナル抗体で反応性が同等である抗体とは、KD値とRmaxを指標とした場合、以下の特徴をもつ抗体をいう。
1)EDTA共存下での、ヒトMMP−3との反応平衡定数KD値が、EDTA非共存下での反応平衡定数KD値に対して200%未満
また、Rmaxを指標とした場合、以下の特徴をもつ抗体をいう。
2)EDTA共存下での、ヒトMMP−3との結合量を示すRmaxが、EDTA非共存下でのRmaxに対して70%以上
また、固相抗体に対するヒトMMP−3との結合量を吸光度として測定した場合、以下の特長をもつ抗体をいう
3)EDTA共存下における吸光度がEDTA非共存下での吸光度に対して80〜120%。
抗体を結合させた担体同士の凝集度合いを指標とした場合、以下の特徴をもつ抗体をいう
4)抗体を結合させた担体同士が凝集反応を起こすことによって凝集する反応性が、EDTA存在下における凝集シグナルがEDTA非存在下における凝集シグナルに対して80-120%。
なお、本発明の抗ヒトMMP−3モノクロ−ナル抗体を作製する技術に関して特に制限はないが、マウスハイブリド−マを作製する方法が一般的である。また、本発明の抗ヒトMMP−3抗体調製後の遺伝子操作技術による構造改変や修飾に関して、該モノクロ−ナル抗体のヒトMMP−3抗体のヒトMMP−3との反応特性を大きく損なわない限り特に制限はない。
このような本発明の抗MMP−3モノクロ−ナル抗体の具体例としてはFERM P−22219(82208)、FERM P−22131(82211)、FERM P−22132(82213)、FERM BP−11486(82216)、FERM P−22133(82245)であるハイブリド−マにより産生される、モノクロ−ナル抗体が挙げられる。
(モノクロ−ナル抗体断片)
本発明には酵素的消化によって得られる該モノクロ−ナル抗体のFab部分を含む機能性断片や遺伝子組み換えによって作製される該モノクロ−ナル抗体のFab部分を含む機能性断片にかかわらず、該モノクロ−ナル抗体に由来するFab部分を含む機能性断片を有するものであれば利用できる。従って、本発明の機能性断片の「機能性」の意味は、具体的にはヒトMMP−3との結合能を有することをいう。
(測定対象試料)
本発明で述べるEDTA(エチレンジアミン四酢酸)としては、一般に抗凝固剤として採血管に添加、塗布等され広く用いられている、ナトリウム塩やリチウム塩を挙げることができるが、これに限定されるものではない。また、本発明の免疫測定方法で測定可能な試料としては、従来法で測定できなかったEDTAを含有する試料、より具体的には抗凝固剤にEDTAを用いて採血されたEDTA血漿だけでなく、血液、血清、血漿、尿、関節液などの生体試料も測定可能である。
(ハイブリド−マ)
本発明の抗ヒトMMP−3抗体を産生するために用いるハイブリド−マはヒトMMP−3と特異的に反応し、かつEDTA共存下で高い反応性を有する抗MMP−3抗体を産生できるハイブリド−マであれはいずれでもよく、本発明の抗MMP−3モノクロ−ナル抗体は以下の工程1)−4)を経て製造される。
工程1)精製ヒトMMP−3を免疫源として、抗ヒトMMP−3抗体産生ハイブリド−マを取得する工程
工程2)工程1)で取得したハイブリド−マが産生する抗体の中から、MMP−3に対する反応性の高い抗体を選択する工程
工程3)工程2で取得した抗体について、EDTA共存下とEDTA非共存下それぞれのヒトMMP−3に対する反応性を評価し、EDTA共存下とEDTA非共存下で反応性が同等のクローンを選択する工程。
工程4)工程3)で選択されたハイブリド−マを取得する工程
このような選択工程を経て得られた抗体は、MMP−3に特異的に反応し、かつEDTA共存下でもEDTA非共存下と同等の反応性を有する。
前記工程で選択された抗体として、例えばFERM P−22219(82208)、FERM P−22131(82211)、FERM P−22132(82213)、FERM BP−11486(82216)、FERM P−22133(82245)が産生する抗体が挙げられる。
(用途)
本発明のMMP−3モノクロ−ナル抗体を用いれば、試料中のEDTAの有無にかかわらず、MMP−3濃度を正確に測定することが可能になる。
MMPファミリーは活性中心に亜鉛を配位し、構造の安定化にはカルシウムを必要とすることが知られている。MMP−3にも4か所のカルシウム結合部位が存在し、カルシウムやEDTAが酵素活性に影響をおよぼすことが報告されている(非特許文献7)。これらの事実から、EDTAの影響を受けない抗MMP-3抗体を作成することは不可能であると考えられており、実際にEDTAの影響を受けない免疫測定系は存在しなかった。
一価の抗原であるMMP−3を、抗原抗体反応を用いたサンドイッチ法で定量するには少なくとも2種類の抗体を用いる必要があり、いずれか一方がEDTAの影響を受けやすかった場合、測定系としてもEDTAの影響を受けてしまう。EDTA共存下と、EDTA非共存下のヒトMMP−3に対する抗体の反応性を評価する本発明によって、EDTA共存下でも非共存化でも同等の反応性を有する抗体を効率よく選別できるようになり、EDTA共存下で非共存化と同等の反応性を有する少なくとも2種類のクロ−ンのみを用いた測定系の構築が可能となった。このようにして、EDTAの影響を受けない免疫測定系を構築するに至った。
また本抗体を用いた免疫測定試薬では、EDTA含有試料中のMMP−3濃度、たとえばEDTA血漿も正確に測定することが可能となり、検体種を選ばないことから、慢性関節リウマチの臨床検査薬として用いるのに好適である。
以下、抗MMP−3モノクロ−ナル抗体の作製方法、該モノクロ−ナル抗体のなかからEDTAの共存下でも非共存下でも同等の反応性を有する抗体の探索方法、及び、該抗体同士を組み合わせての免疫学的測定方法の例を挙げて本発明の一部を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
〔比較例1〕
市販のヒトMMP−3測定キットを用いて、同一の健常人ドナ−より採取した血清、EDTA血漿、ヘパリン血漿についてMMP−3濃度を測定した(表1)。
使用したキットを以下に示す。
〈1〉Enzyme linked Immunosorbent Assay Kit For Matrix Metelloproteinase3
(USCN Life Science inc)
〈2〉Blue Gene ELISA kits Human Stromelysin ST−1 ELISA kit
(Life Sciences Advanced Technologies Inc)
〈3〉パナクリアMMP−3プレ−ト(第一ファインケミカル株式会社)
Figure 2014206393
キット〈1〉、〈3〉を用いた場合EDTA血漿は低値化、キット〈2〉を用いた場合EDTA血漿は高値化した。キット〈1〉、〈3〉は抗MMP−3抗体を用いたサンドイッチELISAを測定原理としており、抗体の反応性が低下すると、測定値が低値化すると考えられる。
一方キット〈2〉の測定原理は競合法であり、抗体の反応性が低下すると、測定値が高値化すると考えられる。
以上のことから、いずれのキットを用いても、EDTA血漿の値を正確に測定することはできないものと考えられた。
〔比較例2〕既存試薬に使用している抗体での影響評価)
比較例1で測定値が低値化した試薬のうち、キット〈3〉パナクリアMMP−3プレ−ト(第一ファインケミカル)の製品キットを用いて、試薬中に用いられている固相抗体と標識抗体それぞれのEDTA共存下での反応性を以下の方法で検証した。

1)固相抗体への影響評価
EDTA0mM :MMP−3濃度既知試料を、製品キット中の緩衝液で(50、100、200ng/mL)に希釈し、そのほかの工程は添付文書記載の方法に従った。
EDTA3mM :MMP−3濃度既知試料を、終濃度3mMとなるようEDTAを添加した製品キット中の緩衝液を用いて(50、100、200ng/mL)に希釈し、そのほかの工程は添付文書記載の方法に従った。
EDTA30mM:MMP−3濃度既知試料を、終濃度30mMとなるようEDTAを添加した製品キット中の緩衝液を用いて(50、100、200ng/mL)に希釈し、そのほかの工程は添付文書記載の方法に従った。

上記サンプルを測定して得られた測定波長450nmの吸光度(OD450)について、下式に基づいてEDTA無添加に対するEDTA共存下での反応性(%)を算出し、抗体反応性を評価した(表2)。

EDTA共存下での抗体の反応性(%)
=EDTA共存下でのOD450 ÷ EDTA非共存下でのOD450 × 100

EDTA共存下での反応性が非共存化での反応性に対して80%以上となった場合、同等と判断し、それ以下の場合はEDTAの影響を受けて反応性が低下すると判断した。
Figure 2014206393
2)標識抗体への影響評価
測定試料にはMMP−3濃度既知試料(50、100、200ng/mL)を用い、製品キットの二次抗体を以下の手順で調製した以外は製品キットの添付資料記載の方法に従った。
EDTA0mM :酵素標識抗体液を、製品キット中の緩衝液で希釈し、そのほかの工程は添付文書記載の方法に従った。
EDTA3mM :酵素標識抗体液を、終濃度3mMとなるようEDTAを添加した製品キット中の緩衝液を用いて希釈し、そのほかの工程は添付文書記載の方法に従った。
EDTA30mM:酵素標識抗体液を、終濃度30mMとなるようEDTAを添加した製品キット中の緩衝液を用いて希釈し、そのほかの工程は添付文書記載の方法に従った。
上記二次抗体溶液を用いて測定して得られた測定波長450nmの吸光度(OD450)について、下式に基づいてEDTA無添加に対するEDTA共存下での反応性(%)を算出し、抗体反応性を評価した(表3)。

EDTA共存下での抗体の反応性(%)
=EDTA共存下でのOD450 ÷ EDTA非共存下でのOD450 × 100
EDTA共存下での反応性が非共存化での反応性に対して80%以上となった場合、同等と判断し、それ以下の場合はEDTAの影響を受けて反応性が低下すると判断した。
Figure 2014206393
1)、2)の結果から、既存試薬に使用されている抗体は、EDTA添加によって、反応性は80%以下となり、いずれの抗体もEDTAの影響を受けて反応性が低下していることがわかった。
(評価例1 MMP−3抗体の樹立)
1.抗MMP−3モノクローナル抗体の作製
(1)ハイブリドーマの作製
a.材料
・ヒトMMP−3:正常ヒト線維芽細胞NB1RGB,理研RCB,#RCB022 2の培養上清より精製
・フロインド完全アジュバント:和光純薬工業社製,014−09541
・ミエローマ細胞(SP2/O)
・RPMI1640, GlutaMAX:GIBCO社製,61870−036
・Fetal Bovine Serum (FBS):BIOLOGICAL I NDUSTRIES社製,04−001−1A
・ポリエチレングリコール溶液(PEG):SIGMA,P7306
・HAT 培地:コスモバイオ社製,16213004
・96穴プレート:NUNC,167008
・HRP標識ヤギ抗マウスIgG(γ)抗体:Southern Biotech社 製,1030−05
b.方法
(動物への免疫)
ヒトMMP−3とフロインド完全アジュバンドを等量ずつ混合して調製したエマルジョンを用い、オスのBALB/cマウスの腹腔もしくはフットパットに1匹あたり30μgを注射した。さらに、1週間の間隔で2〜7回、該エマルジョンの注射を繰り返した。マウス眼底静脈より採血して得た抗血清中の抗体価を、後述する抗原固相化ELISA法にて測定した。
(抗体価の確認(抗原固相化ELISA法))
上述のマウス抗血清中の抗MMP−3抗体の存在を、ヒトMMP−3を固相化したELISA法(抗原固相化ELISA法)で確認した。抗原固相化ELISA法の詳細は以下である。
先ず、1μg/mLになるようヒトMMP−3を、150mM塩化ナトリウムを含む10mMリン酸緩衝液(pH7.2;以下、PBSという)に溶解してMMP−3溶解液とし、該溶解液50μLを96穴マイクロプレートの各ウェルに分注して、4℃で1晩静置した。
前記各ウェルを0.05%Tween(登録商標)20を含むPBS(以下、PBSTという)300μLで3回洗浄した後、1%牛血清アルブミンを含むPBST(以下、BSA−PBSTという)300μLを加え、室温で1時間ブロッキングを行った。
前記各ウェルをBSA−PBSTで3回洗浄した後、BSA−PBSTで10倍から100倍に希釈したマウス抗血清50μLを前記各ウェルに添加し、室温で1時間静置した。
前記各ウェルをPBSTで3回洗浄した後、5000倍希釈したHRP標識ヤギ抗マウスIgG(γ)を50μL前記各ウェルに分注し、室温で1時間静置した。
前記各ウェルをPBSTで3回洗浄した後、0.2%オルトフェニレンジアミン及び0.02%過酸化水素を含むクエン酸緩衝液(pH5.0)50μLを加え、室温で10分間放置後、4.5N硫酸50μLを加えて酵素反応を停止させ、波長492nmにおける吸光度を測定した。測定の結果、抗体価の高かったマウスから、脾臓もしくはリンパ節を摘出して、脾臓由来細胞もしくはリンパ節由来細胞を調製し、細胞融合に用いた。
(細胞融合)
前記脾臓由来細胞もしくはリンパ節由来細胞のいずれかとミエローマ細胞を細胞数で6対1の割合で混合し、PEGを添加して細胞融合させた。該融合させた細胞をHAT培地に懸濁し、CO2インキュベータ内で37℃、5%CO2にて8日間培養して、融合細胞(ハイブリドーマ)を得た。
(2)ハイブリドーマの選別
(抗原固相化ELISA法での選別)
上述の抗原固相化ELISA法において、マウス抗血清の代わりに融合細胞の培養上清を用いた以外は、同様の方法を行った。測定の結果、吸光度の高いウェルを抗MMP−3抗体産生ハイブリドーマの存在するウエル(陽性ウエル)として選択し、抗MMP−3抗体産生株を選抜した。
(競合ELISA法での選別)
上述の抗原固相化ELISA法において、ヒトMMP−3を共存させて、競合ELISA法を行った。
測定の結果、吸光度の高いウェルを抗MMP−3抗体産生ハイブリドーマの存在するウエル(陽性ウエル)として選択し、抗MMP−3抗体産生株を選抜した。
上述の2種類の選別方法でともに抗MMP−3抗体産生株として選択されたハイブリドーマを用いて、ハイブリドーマの単クローン化とモノクローナル抗体の精製を行った。
(3)モノクローナル抗体の精製
単クローン化は定法(限界希釈法)で行い、上述の2種類のELISA法と同様の方法で陽性ウェルを選別し、最終的に26種の抗MMP−3モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを得た。
各細胞の約105個をプリスタン前処理したマウス腹腔に投与し、生成した腹水をそれぞれ採取した。採取した各腹水から遠心分離により不溶物を除去し、等量の飽和硫安液を加え、撹拌しながら1晩放置後、遠心分離で沈殿を回収した。回収した沈殿を20mM Tris緩衝液(pH8.0)に溶解し、同緩衝液で透析した。透析内容物それぞれを同緩衝液で平衡化したDEAE−セファロースカラムに別個に吸着させた後、それぞれ同緩衝液中の塩化ナトリウム0〜300mMの濃度勾配で溶出させて得たIgG画分を50mMグリシン緩衝液で透析して、26種の抗体を得た。
(4)抗体の組み合わせの評価
上記26種クロ−ンのなかから、さらに以下の方法で、各抗体の組み合わせを評価した。
各クロ−ンの抗MMP−3モノクロ−ナル抗体を、2μg/mLになるようPBSに希釈してMMP−3抗体液とし、該溶解液50μLを96穴マイクロプレ−トの各ウェルに分注して、4℃で1晩静置した。
前記各ウェルをPBST400μLで3回洗浄した後、BSA−PBST100μLを加え、室温で1時間ブロッキングを行った。
BSA−PBSTにて100ng/mLに希釈した抗原50μLを前記各ウェルに添加し、室温で1時間静置した。
前記各ウェルをPBSTで3回洗浄した後、あらかじめビオチン標識した各モノクロ−ナル抗体をPBSTで1.5μg/mLに希釈し、50μL前記各ウェルに分注して、室温で1時間静置した。
前記各ウェルをPBSTで3回洗浄した後、0.2%オルトフェニレンジアミン及び0.02%過酸化水素を含むクエン酸緩衝液(pH5.0)50μLを加え、室温で10分間放置後、4.5N硫酸50μLを加えて酵素反応を停止させ、波長492nmにおける吸光度(OD492)を測定した。このなかからOD492が0.5以上となる組み合わせが可能な10抗体を選別した。このとき吸光度を認めた組み合わせを表4に示す。
なお、各組み合わせについて、OD492が0.2以上:+、0.5以上:++、1.0以上:+++と判定した。
Figure 2014206393
(評価例2 EDTA共存下でも非共存下と同等の反応性を有する抗体の選別(2次抗体に市販ポリクロ−ナル抗体を用いた評価))
2μg/mLになるよう各クロ−ンの抗MMP−3モノクロ−ナル抗体を、PBSに希釈してMMP−3抗体液とし、該溶解液50μLを96穴マイクロプレ−トの各ウェルに分注して、4℃で1晩静置した。
前記各ウェルをPBST 400μLで3回洗浄した後、BSA−PBST100μLを加え、室温で1時間ブロッキングを行った。
4000ng/mLの抗原液をBSA−PBST、あるいは3mMEDTAを含むBSA−PBSTで400ng/mLに希釈した抗原50μLを前記各ウェルに添加し、室温で1時間静置した。
前記各ウェルをPBSTで3回洗浄した後、0.2μg/mLに調製したウサギ抗MMP−3ポリクロ−ナル抗体(Santacruz sc6839−R)を50μL前記各ウェルに分注し、室温で1時間静置した。
3000倍希釈したHRP標識抗ウサギ抗体(BIO−RAD Laboratories.Inc Goat anti−Rabbit IgG (H+L)−HRP conjugate #172−1019)を50μL前記各ウェルに分注し、室温で1時間静置した。
前記各ウェルをPBSTで3回洗浄した後、0.2%オルトフェニレンジアミン及び0.02%過酸化水素を含むクエン酸緩衝液(pH5.0)50μLを加え、室温で10分間放置後、1.5N硫酸50μLを加えて酵素反応を停止させ、波長492nmにおける吸光度OD492を測定した。
得られたOD492から、下式に基づいてEDTA共存下での抗体の反応性(%)を算出した。
EDTA共存下での抗体の反応性(%)
=EDTA共存下でのOD492 ÷ EDTA非共存下でのOD492 × 100

EDTA非共存下に対して80〜120%の反応性の高い反応性を有したクロ−ンは+、80%以下と反応性が低かったクロ−ンは−と判定した(表5)。このなかでクロ−ン82216、82245に関してはEDTA非共存下でも反応性を確認することができなかった。これらの抗体は市販のウサギポリクローナル抗体と抗原との反応性を妨害している可能性が考えられたため、該抗体を含め引き続き本発明のモノクローナル抗体同士を組み合わせたサンドイッチELISAにおけるEDTAの影響を評価した
Figure 2014206393
(評価例3 EDTA共存下でも非共存下と同等の反応性を有する抗体の選別(二次抗体にモノクローナル抗体を用いた評価))
) 固相状態でのEDTAの影響評価 一次スクリ−ニング〈2〉
上記(評価例2)において、反応性を認めなかった抗体については、評価例1で示す、各モノクロ−ナル抗体同士の事前検討で、サンドイッチELISAが成立した組み合わせの抗体を用いて再評価した。
具体的な方法としては、評価例2で用いたウサギ抗MMP−3ポリクロ−ナル抗体を、評価クロ−ンとサンドイッチが形成できるクロ−ン(ここでは82208、82211、82213を使用した)に置き換えた以外は、(評価例2)と同様にした。
82216、82245はいずれもEDTA共存下で非共存下と同等の反応性を有することを確認した。
Figure 2014206393
〔実施例、比較例〕
以上の評価結果に基づき、サンドイッチが成立し、かつEDTAの影響を受けにくい抗体同士を組み合わせて、同一の健常人ドナ−から採取した血清、血漿(ヘパリン、EDTA)ペア検体を測定した。血清検体の測定値と、血漿検体の測定値から、次式に基づいて
対血清測定値比(%)を算出した。なお、測定値比(%)が80%〜120%の場合に測定が正確と判定した。
比較例1 82212抗体と82216抗体の組み合わせでは、対血清の測定値比(%)が26.8−71.3%と、いずれの検体でも血漿測定値が低値化していることがわかる。一方実施例1−6で示すように、EDTA共存下とEDTA非共存化で反応性が同等の抗体同士を組み合わせた場合、対血清の測定値比は80〜120%となり、血漿検体が正確に測定できていることがわかった。
以上のことから、評価例1−4で評価した方法で、EDTA共存下でEDTA非共存下と同等の反応性を有する抗体を選別し、このクロ−ンを組み合わせた測定系を用いることで、EDTA含有試料でも正確に測定値が得られることが確認できた。
Figure 2014206393
(評価例4) BIA法(Biacore)を用いた生体分子間相互作用の解析
上記実施例及び比較例に用いた抗体について、生体分子間相互作用解析法をもちいて、EDTA共存下及び非共存下での、各モノクロ−ナル抗体とMMP−3抗原とのアフィニティについて評価した
測定にはBiacore T100(GE Healthcare)を用いた。Human Antibody Capture Kitの推奨プロトコ−ルに従って、抗ヒトIgG抗体をSensor Chip CM5に固定化し、測定に使用した。
10mMHEPESpH7.4、150mMNaCl、0.005%Tween20からなるHBS緩衝液、あるいは3mM EDTAを含むHBS緩衝液をランニングバッファ−として、以下の方法で抗体のKD値を算出した。まず、HBSで5μg/mLに調製した各モノクロ−ナル抗体マイクロ流路系に流し、固定化した抗IgG抗体にキャプチャ−させた。
引き続きランニングバッファ−で0、2.5、5μg/mLに調製したMMP−3抗原をマイクロ流路系に流し、抗MMP−3抗体にキャプチャ−させた。このときの表面プラズモン共鳴RUを測定、結合測定定数ka、Rmaxを測定した。引き続き、ランニングバッファ−のみを流し、キャプチャ−させた抗原をしばらく遊離させ、解離速度定数kd値を算出した。描かれたセンサ−グラムの形状から、抗体−抗原の解離定数KD値を次式に基づき算出した。
KD = kd / ka
なお、このka、kd、KD、RmaxはBiacoreT100にて自動算出される。この際、必要となるMMP−3の分子量については、潜在型MMP−3の分子量57,000に設定した。その後再生バッファ−を流して、チップを再生し、チップは繰り返し使用した。
このようにしてえられた、EDTA非共存下とEDTA共存下でのそれぞれのKDとRmaxから、次式の通り、EDTA共存下での非共存下に対する割合を算出した。

EDTA共存下での非共存下に対する割合 %
=各EDTA濃度での値÷EDTA非共存下での値×100

抗体のアフィニティ−の強さを示すKD値と、抗原の結合量を示すRmaxの、EDTA無添加に対するEDTA添加時の割合がそれぞれ200%未満、65%以上のとき、その抗体はEDTA共存下で同等の反応性を示すと判断した。結果を表8に示す。
Figure 2014206393
この判定結果は評価例2、3での評価結果と合致する結果となり、EDTA非共存下とEDTA共存下で反応性が同等の抗体は、
1)EDTA共存下での、ヒトMMP−3との反応平衡定数KD値が、EDTA非共存下での反応平衡定数KD値に対して200%未満。
2)EDTA共存下での、ヒトMMP−3との結合量を示すRmaxが、EDTA非共存下でのRmaxに対して65%以上。
と特徴付けられることを確認した。
本発明のモノクロ−ナル抗体は、EDTA共存下におけるヒトMMP−3と反応性を指標に選択されるため、EDTA含有試料中でも正確にMMP−3濃度を定量することが可能となる。
また、本発明のモノクロ−ナル抗体により、EDTA含有試料、たとえばEDTA血漿中のMMP−3濃度を正確に定量するヒトMMP−3の免疫凝集測定試薬及び測定キットを提供する。
本発明のモノクロ−ナル抗体を用いた免疫学的測定方法、免疫学的測定試薬、測定キットでは、1試薬で血清、ヘパリン血漿、EDTA血漿のMMP−3濃度を正確に測定することができるようになり、慢性関節リウマチの臨床診断薬としてより正確なMMP−3測定値を提供することが可能となる。
[寄託生物材料への言及]
(1)82208抗体を産生するハイブリドーマ82208
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央6(郵便番号305−8566)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
平成24年1月27日(2012年1月27日)
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
FERM P−22219(82208)
(2)82211抗体を産生するハイブリドーマ82211
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央6(郵便番号305−8566)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
平成23年6月16日(2011年6月16日)
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
FERM P−22131(82211)
(3)82213抗体を産生するハイブリドーマ82213
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央6(郵便番号305−8566)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
平成23年6月16日(2011年6月16日)
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
FERM P−22132(82213)
(4)82216抗体を産生するハイブリドーマ82216
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央6(郵便番号305−8566)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
平成22年4月27日(2010年4月27日)(原寄託日)
平成24年5月25日(2012年5月25日)(原寄託によりブタペスト条約に基づく寄託への移管日)
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
FERM BP−11486(82216)
(5)82245抗体を産生するハイブリドーマ82245
イ 当該生物材料を寄託した寄託機関の名称及び住所
独立行政法人 産業技術総合研究所 特許生物寄託センター
日本国茨城県つくば市東1丁目1番地1中央6(郵便番号305−8566)
ロ イの寄託機関に生物材料を寄託した日付
平成23年6月16日(2011年6月16日)
ハ イの寄託機関が寄託について付した受託番号
FERM P−22133(82245)

Claims (15)

  1. 試料中のMMP−3を測定する方法であって、
    EDTA共存下においてEDTA非共存下と同等の反応性を有する抗MMP−3モノクロ−ナル抗体と試料中のMMP−3を接触させる工程を含む、測定方法。
  2. EDTA共存下においてEDTA非共存下と同等の反応性を有する抗MMP−3モノクロ−ナル抗体が、2種以上の抗体である、請求項1に記載の測定方法。
  3. 2種以上の抗体が、MMP−3に対する認識部位が互いに異なる抗体である、請求項2に記載の測定方法。
  4. 2種以上の抗体が、以下の(1)及び(2)を満たす抗体である、請求項2又は3に記載の測定方法。
    (1)EDTA共存下におけるヒトMMP−3との反応平衡定数(KD値)が、EDTA非共存下におけるKD値に対して200%未満
    (2)EDTA共存下におけるヒトMMP−3との結合量を示すRmaxが、EDTA非共存下でのRmaxに対して65%以上
  5. 2種以上の抗体が、寄託番号FERM P−22219(82208)、FERM P−22131(82211)、FERM P−22132(82213)、FERM BP−11486(82216)、FERM P−22133(82245)からなる群より選ばれるハイブリド−マにより産生されるものである、請求項2〜4のいずれか一項に記載の測定方法。
  6. 試料がEDTAを含むものである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の測定方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の測定方法に用いられる、試料中のMMP−3を測定する測定試薬および測定試薬キット。
  8. EDTA共存下においてEDTA非共存下と同等の反応性を有することを特徴とする抗ヒトMMP−3モノクロ−ナル抗体。
  9. EDTA共存下においてEDTA非共存下と同等のヒトMMP−3との反応性が以下の(1)及び(2)を満たすことを特徴とする請求項8記載の抗MMP−3モノクロ−ナル抗体。
    (1)EDTA共存下におけるヒトMMP−3との反応平衡定数(KD値)が、EDTA非共存下におけるKD値に対して200%未満
    (2)EDTA共存下におけるヒトMMP−3との結合量を示すRmaxが、EDTA非共存下でのRmaxに対して65%以上
  10. 以下の工程を含む方法によって選択された請求項8又は9に記載の抗MMP−3モノクロ−ナル抗体。
    工程1:MMP−3を免疫源として、非ヒト動物に免疫する工程
    工程2:MMP−3に対する反応性が高い抗体を産生する免疫担当細胞を選択する工程
    工程3:工程2で選択した免疫担当細胞を使用してハイブリドーマを取得する工程
    工程4:工程3で取得したハイブリドーマを使用して抗MMP−3モノクロ−ナル抗体を取得する工程。
    工程5:前記工程2〜4のいずれか一工程において、EDTA共存下とEDTA非共存下それぞれの条件におけるヒトMMP−3に対する反応性を評価し、EDTA共存下とEDTA非共存下で反応性が同等のクローンを選択する工程
  11. 寄託番号FERM P−22219(82208)、FERM P−22131(82211)、FERM P−22132(82213)、FERM BP−11486(82216)、FERM P−22133(82245)であるハイブリド−マにより産生される、モノクロ−ナル抗体。
  12. 請求項8〜11のいずれかに記載の抗MMP−3モノクロ−ナル抗体に由来するFab部位を含む、モノクロ−ナル抗体断片。
  13. 請求項8又は9に記載のモノクロ−ナル抗体を産生することを特徴とするハイブリド−マ
  14. FERM P−22219(82208)、FERM P−22131(82211)、FERM P−22132(82213)、FERM BP−11486(82216)、FERM P−22133(82245)である請求項8又は9記載のハイブリド−マ。
  15. 以下の工程を含む請求項8又は9記載の抗MMP−3モノクロ−ナル抗体を製造する方法。
    工程1)ヒトMMP−3を免疫源として、抗MMP−3抗体産生ハイブリド−マを取得する工程
    工程2)工程1で取得したハイブリド−マが産生する抗体を、ヒトMMP−3と接触させて、反応性が強い抗体を産生するハイブリド−マを選択し、このハイブリド−マが産生する抗体を取得する工程
    工程3)工程2で取得した抗体について、EDTA共存下とEDTA非共存下それぞれのヒトMMP−3に対する反応性を評価し、EDTA共存下とEDTA非共存下で反応性が同等のクローンを選択する工程
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