JP2014204471A - リニアモータ - Google Patents

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Masahiro Masuzawa
正宏 増澤
正裕 三田
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Abstract

【課題】リニアモータの全長が長くても磁石の使用量が増加せず、可動子の小型化及び軽量化を実現したリニアモータを提供する。
【解決手段】リニアモータにおいて、2つの板状部の互いに対向する面それぞれには、複数の歯部21a、22aが、一方の板状部21(22)の歯部21a(22a)と他方の板状部22(21)の歯部22a(21a)とで千鳥状となるように移動方向に並設してあり、可動子1はコイル1a内部に、それぞれ板状をなす2つの磁石1c、1d及び3つのヨーク1bが移動方向に沿って交互に縦姿勢で配列してあり、2つの磁石1c、1dは移動方向に沿って磁化してあり、磁化方向は互いに対向する。
【選択図】図1

Description

本発明は突極を有する固定子と、コイル及び磁石を有する可動子とを組み合わせてなるリニアモータに関する。
例えば、半導体製造装置、液晶表示装置の製造分野においては、大面積の基板等の処理対象物を高速度にて直線移動させ、適宜の移動位置にて高精度に位置決めすることができる送り装置が必要である。この種の送り装置は、一般的には、駆動源としてのモータの回転運動をボールねじ機構等の運動変換機構により直線運動に変換して実現されるが、運動変換機構が介在することから、移動速度の高速化に限界がある。また運動変換機構の機械的な誤差の存在により、位置決め精度も不十分であるという問題がある。
この問題に対応するため、近年においては、直線運動出力が直接的に取り出し可能なリニアモータを駆動源とする送り装置が使用されている。リニアモータは、直線状の固定子と該固定子に沿って移動する可動子とを備えている。前述した送り装置においては、板状の永久磁石を一定間隔毎に多数並設して固定子を構成し、磁極歯と通電コイルとを備える電機子を可動子としたムービングコイル型のリニアモータ(例えば、特許文献1参照)が使用されている。
特開平3−139160号公報
ムービングコイル型のリニアモータでは、固定子に磁石を配置するため、リニアモータの全長が長くなるほど(可動子の移動距離が長くなるほど)、使用する磁石の量が増える。近年、希土類の価格上昇に伴い、使用する磁石量の増加は、コスト増加の原因となっていた。
また、推力を増大させるためにはコイルの巻数を増やすことが必要であるが、巻枠の移動方向の寸法を増やすと、可動子の全体の移動方向の寸法が増加する。可動子の移動方向の寸法増加は、可動子の有効移動可能距離の低下を招いていた。
さらにまた、3相リニアモータでは可動子の位置により変動する3相の合成推力の変動幅を低減させるため、単相あたりの推力波形をほぼ正弦波とする必要がある。その手段の一つとして、各相に複数の磁極を設けて狭ピッチ化を図るのが一般的であり、そのことが可動子構造の簡素化や小型化、軽量化を阻んでいた。
本発明は上述のごとき事情に鑑みてなされたものであり、リニアモータの全長が長くても磁石の使用量が増加せず、可動子の小型化及び軽量化を実現したリニアモータを提供することを目的とする。
本発明に係るリニアモータは、固定子、及びコイルを有する可動子を備えたリニアモータにおいて、前記固定子は前記可動子の移動方向に長い2つの板状部を有し、2つの板状部は可動子の移動域を間にして、磁気的に結合するように対向して設けてあり、前記2つの板状部の互いに対向する面それぞれには、複数の歯部が、一方の板状部の歯部と他方の板状部の歯部とで千鳥状となるように前記移動方向に並設してあり、前記可動子は前記コイル内部に、それぞれ板状をなす2つの磁石及び3つのヨークが前記移動方向に沿って交互に縦姿勢で配列してあり、前記2つの磁石は前記移動方向に沿って磁化してあり、磁化方向は互いに対向することを特徴とする。
本発明にあっては、可動子はそれぞれ板状をなす磁石2つ、ヨーク3つを備えるという最小構成とし、それぞれを交互に縦姿勢で配列してあるので、可動子の移動方向の寸法をより小さくするとともに、コイルの巻数を稼ぐことができるので、大きな推力を得ることが可能となる。また、固定子には磁石を使用しないので、リニアモータの全長が長い場合であっても磁石の使用量が増加しない。
本発明に係るリニアモータは、前記各磁石及び各ヨークそれぞれの前記板状部の対向方向の高さは、前記それぞれの移動方向の幅の2倍から4倍であることを特徴とする。
本発明にあっては、各磁石及び各ヨークのそれぞれの板状部の対向方向の高さは、移動方向の幅の2倍から4倍としたので、固定子の移動方向の寸法を増加させること無く、コイルの巻枠を確保することが可能となる。
本発明に係るリニアモータは、前記2つの磁石に挟まれているヨークが他の2つのヨークより前記移動方向に長いことを特徴とする。
本発明にあっては、2つの磁石に挟まれているヨークは、1つの磁石としか接しない他の2つのヨークより移動方向に長くしてある。磁石とやり取りする磁束量に合わせて移動方向の長さ、すなわち歯部と対向する部分の長さを定めているので、コイルに流す電流量が増加しても、ヨークが磁気飽和をしにくくなる。
本発明のリニアモータは、前記2つの磁石に挟まれているヨークの前記移動方向の長さは、他の2つのヨークの2倍の長さであることを特徴とする。
本発明にあっては、2つの磁石に挟まれているヨークの前記移動方向の長さは、流れる磁束量に最適な他の2つのヨークの2倍の長さとしてあるので、可動子の移動方向長さを小さくしながら、ヨークの磁気飽和を緩和して大推力のリニアモータを得ることが可能となる。
本発明に係るリニアモータは、前記歯部の並設方向の幅が、歯部の並設間隔よりも長いことを特徴とする。
本発明にあっては、歯部の並設方向の幅が歯部の並設間隔よりも広くしてあるので、より大きな推力を得ることが可能となる。
本発明に係るリニアモータは、前記2つの磁石及び3つのヨークが直方体状をなし、各磁石及び各ヨークの前記移動方向側の面は、前記移動方向及び前記板状部の対向方向と直交する方向に傾斜していることを特徴とする。
本発明にあっては、各磁石及び各ヨークの前記移動方向側の面は、前記移動方向及び前記板状部の対向方向と直交する方向に傾斜している。すなわち所謂スキュー配置としてあるので、ディテント力が低減され、固定子と可動子の相対位置の違いによる推力むらを低減することが可能となる。
本発明に係るリニアモータは、前記歯部が直方体状をなし、前記歯部の前記板状部に平行な断面の向かい合ういずれかの2辺は前記移動方向に対し傾斜していることを特徴とする。
本発明にあっては、前記歯部が直方体状をなし、前記歯部の前記板状部に平行な断面の向かい合ういずれかの2辺は前記移動方向に対し傾斜している。すなわち歯部をスキュー配置としてあるので、ディテント力が低減され、固定子と可動子の相対位置の違いによる推力むらを低減することが可能となる。
本発明に係るリニアモータは、前記2つの板状部が有する歯部は、前記断面の前記2辺の傾斜方向が互いに逆であることを特徴とする。
本発明にあっては、前記2つの板状部が有する歯部は、前記断面の前記2辺の傾斜方向が互いに逆としてある。すなわち歯部の傾ける方向を板状部の一方と他方とで異なるようにしているので、可動子が移動方向に対して左右に傾くことにより生じるこじりを抑えることが可能となる。
本発明に係るリニアモータは、前記ヨーク及び磁石の前記移動方向に平行な側面と前記コイルとの間に設けられた板状の非磁性体板と該非磁性体板と前記ヨーク及び磁石を介して対向しかつ前記コイルとの間に設けられた板状の非磁性非導電性材からなる補助板を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、ヨークとコイルとの間に非磁性非導電性材を設けたので、ヨークに流れる渦電流の流路が部分的に遮断され、渦電流損を小さくすることが可能となる。
本発明に係るリニアモータは、前記非磁性体板に連結され、前記移動方向に配列される3つの可動子を連結する連結部をさらに備えることを特徴とする。
本発明にあっては、3つの可動子を連結しているので、可動子が1つの場合に比べて大きな推力を得ることが可能となる。
本発明に係るリニアモータは、前記非磁性体板は、前記コイルの巻線を間にして対向する板状の第1突出板部及び第2突出板部と、前記第1突出板部及び前記第2突出板部を結ぶ基部を有することを特徴とする。
本発明にあっては、コイルの外部に設けられた第2突出板部を備えているので、リニアモータの推力を容易に外部へ伝達することが可能となる。
本発明にあっては、可動子はそれぞれ板状をなす磁石2つ、ヨーク3つを備えるという最小構成とし、それぞれを交互に縦姿勢で配列してあるので、可動子の移動方向の寸法をより小さくするとともに、コイルの巻数を稼ぐことができるので、大きな推力を得ることが可能となる。また、固定子には磁石を使用しないので、リニアモータの全長が長い場合であっても磁石の使用量が増加しないという効果を奏する。
ここで本明細書及び請求項で使用する電機子ヨークとヨークとは同じ意味として使用する。
実施の形態1に係るリニアモータの概略構成の一例を示す部分破断斜視図である。 実施の形態1に係るリニアモータの可動子の構成例を示す平面図である。 実施の形態1に係るリニアモータの概略構成を示す断面図である。 実施の形態1に係るリニアモータの概略構成を示す側面図である。 実施の形態1に係るリニアモータの推力発生原理を説明するための図である。 実施の形態1に係るリニアモータの推力発生原理を説明するための図である。 実施の形態1に係るリニアモータの推力発生原理を説明するための図である。 実施の形態2に係るリニアモータの可動子を示す平面図である。 可動子の電機子ヨークの磁気飽和についての説明図である。 実施の形態1及び実施の形態2に係るリニアモータそれぞれについてコイルに流す電流と得られる推力との関係を示すグラフ図である。 実施の形態3に係るリニアモータの可動子の構成例を示す平面図である。 図11における断面線XII−XIIによる断面と固定子の断面とを示す断面図である。 実施の形態3に係るリニアモータの動作を説明するための図である。 実施の形態3に係るリニアモータの推力を示すグラフである。 実施の形態4に係るリニアモータの可動子の構成例を示す平面図である。 実施の形態5に係るリニアモータの固定子の構成を示す断面図である。 実施の形態6に係るリニアモータの固定子の構成を示す断面図である。
実施の形態1
図1は実施の形態1に係るリニアモータの概略構成の一例を示す部分破断斜視図である。図2は実施の形態1に係るリニアモータの可動子1の構成例を示す平面図である。図3は実施の形態1に係るリニアモータの概略構成を示す断面図である。図4は実施の形態1に係るリニアモータの概略構成を示す側面図である。
本実施の形態に係るリニアモータは可動子1と固定子2とを含む。可動子1はそれぞれ板状をなす電機子ヨーク(ヨーク)1b、永久磁石(磁石)1c、1dを縦姿勢で並べて連結させたものに、コイル1aを巻回した構成をなしている。電機子ヨーク1b、永久磁石1c、1dは板状をなしている。本実施の形態において、可動子1は電機子ヨーク1bを3つ、永久磁石1c、1dを各1つ備える最小構成としてある。図1又は図2に示すように電機子ヨーク1b、永久磁石1c、電機子ヨーク1b、永久磁石1d、電機子ヨーク1bと、電機子ヨーク1bと永久磁石1c又は1dは可動子1の移動方向に沿って交互に縦姿勢で配列されている。永久磁石1c及び永久磁石1dは中央の電機子ヨーク1bを挟むように配置されている。図2、図4に示す白抜き矢印は各永久磁石1c、1dの磁化方向を示している。白抜矢印の終点はN極、始点はS極を示す。永久磁石1c及び永久磁石1dは可動子1の移動方向に沿って磁化してあり、磁化方向が互いに対向している。以上のように配置された電機子ヨーク1b、永久磁石1c又は1dをコイル1aが囲繞している。電機子ヨーク1b、永久磁石1c又は1dそれぞれの歯部21a又は歯部22aと対向する面はコイル1aより若干突出している。
永久磁石1c、1dは、ネオジム(Nd)、鉄(Fe)、ボロン(B)を主成分とするネオジム磁石である。ネオジム磁石に限らず、アルニコ磁石、フェライト磁石、サマリウムコバルト磁石などを用いても良い。
本実施の形態において、電機子ヨーク1bの移動方向の幅W1は永久磁石1cの幅W2よりも短くしてある。電機子ヨーク1bは上板部21と下板部22との対向方向(図4の上下方向)の高さh1が、移動方向(図4の左右方向)の幅W1の2から4倍程度としてある。同様に永久磁石1cは上板部21と下板部22との対向方向の高さh2が、移動方向の幅W2の2から4倍程度としてある。永久磁石1dは永久磁石1cと同一である。これは可動子1の移動方向の長さをなるべく短くしつつ、コイル1aの巻線数を確保するためである。リニアモータにおいて、可動子1の移動方向の長さは有効可動域に影響を与える。可動子1の移動方向の長さが長いほど、固定子2の長手方向における可動子1の有効可動域が短くなるからである。そこで、本実施の形態においては、可動子1の図4における高さ方向の寸法を長くすることでコイル1aの巻線枠を確保するとともに、移動方向の長さを短くすることを実現している。
図3に示すように、固定子2は断面コの字状(U字状)である。固定子2は2つの板状部、上板部21、下板部22を含む。上板部21と下板部22とは可動子1の移動域を間にして、互いに板面が対向している。板状をなす側板部23は上板部21と下板部22を結合している。図1に示すように、固定子2は可動子1の移動方向に長くなっている。上板部21は下板部22と対向する一面に複数の歯部21aを備えている。歯部21aは可動子1の移動方向に沿って上板部21に並置してある。下板部22は上板部21に対向する面に複数の歯部22aを備えている。歯部22aは可動子1の移動方向に沿って下板部22に並置してある。歯部21a、歯部22aはそれぞれ略直方体状をなしている。固定子2は軟磁性金属、例えば平板状の圧延鋼材を折り曲げることにより形成する。固定子2は折り曲げにより形成する他に平板状の圧延鋼材を溶接等の接合やねじ止め等により固定して形成しても良い。固定子2の上板部21と下板部22とは側板部23により磁気的に結合してある。歯部21a、歯部22aについても、それぞれ軟磁性金属板、例えば鋼板等を積層して直方体状に形成する。直方体状に形成した歯部21a、歯部22aはそれぞれ、上板部21、下板部22に溶接等による接合又はねじ止め等により固定する。
また略コの字に形成した磁性鋼板の歯部となる部位を残し歯部となる部位の両側に溝を掘り込み加工により形成し、歯部21a、歯部22aとしてもよい。このようにすると、歯部を溶接等で接合又はねじ止め等により固定する場合に比べて、固定子2のコストダウンが可能となる。さらにまた、板状部材で歯部21a、歯部22aとなる部分を残しスリットを形成しても良い。または歯部21a、歯部22aとなる部分をくし歯状に形成したりしても良い。歯部21a、22aの形状は直方体状としたが、それに限られない。電機子ヨーク1bと磁束のやり取りが行えるのであれば、歯部21a、22aを直方体状以外の形状としても良い。例えば半円柱状、台形柱状でも良い。なお、図3に示す向きで設置されることが固定子2の必須の要件ではない。設置可能な如何なる向きで使用することも可能である。上板部21が下側や左右側となるように設置しても良い。
図3及び図4に示すように、歯部21a及び歯部22aは同一形状、同一寸法であることが望ましい。本実施の形態に係るリニアモータは可動子1が備える電機子ヨーク1bが3個という最小構成である。
図5、図6及び図7は実施の形態1に係るリニアモータの推力発生原理を説明するための図である。可動子1の移動方向に沿う部分は説明の都合上、省略して移動方向と直交する部分の断面のみ表示してある。可動子1のコイル1aに交流電流を流す。図5、6のコイル1aに示す黒丸印は紙面の裏から表への通電、バツ印は紙面の表から裏への通電を表している(交流電流を流した際のある時点の電流の向きを示した)。コイル1aの通電により、図5に点線で示したような磁束の流れが発生する。
可動子1が備える電機子ヨーク1bの個数が3個の場合、図5に示す様に歯部22aから流れる磁束が両端部の電機子ヨーク1bに流れ込み、磁石1c又は1d内を通ってから中央部の電機子ヨーク1bに集まり、歯部21aへ抜けてゆく。
この様にすると、図4に示すように並設する歯部21aの並設方向中央部の間隔(ピッチ)(L1+L2)よりも、両端部の電機子ヨーク1bの移動方向中央部の間隔(L3)を小さくすることができる。すなわち、可動子1の移動方向の長さをより小さくすることが可能となり有効可動域を広くすることができる。
これに対して、可動子1が備える電機子ヨーク1bの個数が4個以上の場合には、並設する歯部21aの移動方向中央部の間隔(ピッチ)(L1+L2)に対して、それぞれの電機子ヨーク1bの移動方向中央部の間隔を1/2とする必要がある。
図4でたとえるならL1+L2=L3/2+L3/2=L3にする必要があるため、可動子1の移動方向の長さを小さくすることが困難になる。
つまり電機子ヨーク1bが4個以上の場合には次のような問題がある。L1+L2>L3にすると、隣り合う電機子ヨーク1bの間隔が小さくなる。永久磁石1c、1dを介して隣り合う電機子ヨーク1bの永久磁石1c、1dによる界磁方向はそれぞれ異なるので、一つの歯部21a(22a)との間で吸引と反発が短い距離で行われることとなり、可動子1と固定子2との間で発生する推力を低下させる。
可動子1のコイル1aを除く移動方向の幅は、歯部21a(22a)の幅L1と2つの歯部21a(22a)の間隔L2とを合わせた幅(L1+L2)より、狭くしてある。図3において歯部21a及び歯部22aの紙面左右方向の長さは、電機子ヨーク1b、永久磁石1c、1dよりも、やや長くしてある。この場合フリンジング磁束により仮想的にエアギャップが短くなり、可動子1の永久磁石1c、1dからの磁束を効率よく固定子2に流すことができる。また、歯部21a、22aの長さと、電機子ヨーク1b、永久磁石1c、1dとの長さを同じとしても良い。
歯部21aと歯部22aとはそれぞれ、等間隔(L2)で固定子2の対向する上板部21、下板部22の対向面側にそれぞれ配置してある。歯部21a、歯部22aの長手方向は、可動子1の移動方向に略直角に配置してある。また、歯部21aと歯部22aは互いに対向する面の可動子1の移動方向の中央部が重ならないように可動子1の移動方向に沿って互い違いに(千鳥状に)並設してある。なお、歯部21aと歯部22aは互いに対向する面の全面が重なると可動子1には推力が発生しない。
以上のように構成された固定子2に上述の可動子1を配置する。図4に示すように、可動子1の一方の面が歯部21aに対向し、他方の面が歯部22aに対向する。移動方向の前後に配置してある電機子ヨーク1bは一方が歯部21aと対向し、他方が歯部22aと対向している。中央の電機子ヨーク1bは歯部21aに対向している。歯部21a、22aは1磁気周期毎に1つずつ設けてある。歯部21aと歯部22aとは電気角で180度の異なる位置(1/2磁気周期ずれた位置)に設けられている。
次に図5、図6及び図7を参照して、実施の形態1に係るリニアモータの推力発生原理について説明する。上述したように図5において可動子1には、点線で示したような磁束の流れが発生する。すなわち、左右の電機子ヨーク1bに発生した磁束は永久磁石1c又は1dを通り、中央の電機子ヨーク1bより歯部21aに流れ込む。歯部21aに流れ込んだ磁束は上板部21、側板部23、下板部22を通り歯部22aより左右の電機子ヨーク1bに流れ込み上記のような磁束ループが発生する。磁束ループにより、歯部21aはS極に励磁され、歯部22aはN極に励磁される。
次に、永久磁石による磁極の発生と推力の発生を、図6を用いて説明する。図6に示すように永久磁石1c、1dが電機子ヨーク1bに対して着磁方向が対向して配置してある場合、各電機子ヨーク1b全体が単極となる。中央の電機子ヨーク1bはN極に励磁され、左右の電機子ヨーク1bはS極に励磁される。
一方、固定子2の歯部21aはS極、歯部22aはN極に励磁されている。歯部21a、22aに発生した磁極と、永久磁石1c、1dにより励磁された電機子ヨーク1bの磁極が吸引又は反発することにより、可動子1には図6の紙面左向きの推力が発生する。
図6の状態から、可動子1が電気角180度に相当する距離を進んだ場合の状態を示しているのが図7である。図7ではコイル1aに流す電流の向きが逆向きとなる。この結果、図5の紙面において点線で示した下側から上側へ向かう磁束の流れが逆になる。このため、歯部21aはN極に励磁され、歯部22aはS極に励磁されたことと等しくなる。永久磁石1c、1dによる電機子ヨーク1bの励磁は変わらないため、図6の場合と吸引/反発する歯部21a、22aが逆の関係となる。図7に示した矢印の方向に吸引力が発生し、可動子1は図7において紙面左向きの推力が発生する。図7の状態から、可動子1が電気角180度に相当する距離を進んだ場合、図6と同様な状態となる。以上の動作を繰り返すことにより、可動子1は移動を継続する。
次に端効果による影響の改善について説明する。端効果とは、リニアモータにおいて、可動子両端に発生する磁気的な吸引、反発力の影響がモータの推力特性(コギング特性、ディテント特性)に影響を及ぼすことを言う。従来、端効果を減少させるために、両端の歯部の形状を、他の形状と異なるようにするなどの対策が取られている。端効果が発生するのは、磁束ループが移動方向と同じ方向に流れるためである(特許文献1の第2図参照)。しかしながら、実施の形態1に係るリニアモータでは、固定子2を通る磁路を含めたループ(磁束ループ)は進行方向と直角な方向に流れるため、端効果の影響を低減させることが可能となる。
以上のように、実施の形態1に係るリニアモータでは、永久磁石1c、1dは可動子1のみに使用するので、リニアモータの全長を長くした場合においても、使用する永久磁石の量は増加せず一定となり、コストを低減させることが可能となる。加えて、端効果の影響を低減させることが可能となる。
また、可動子1は電機子ヨーク1bを3個、永久磁石1c、1dを各1個の計2個という最小の構成としている。そのため、可動子1の備える永久磁石1c、1dの移動方向の幅を広くすること、及び歯部21a、22aの可動子1の移動方向の幅を大きくすることも可能となる。それによって、電機子ヨーク、永久磁石の数が多い同一サイズの固定子よりも大きな推力を得ることが可能となる。
さらにまた、電機子ヨーク1b、永久磁石1c、1dそれぞれは上板部21と下板部22との対向方向(図4の高さ方向)の高さが、移動方向(図4の左右方向)の幅の2〜4倍程度とするのが好ましい。それによって、固定子1の移動方向の長さを増やすこと無く、コイル1aの巻線の巻き数を増やすことが可能となる。
なお、実施の形態1では可動子1がすべて上板部21と下板部22とに挟まれている形態を示したが、本発明においては可動子1のうち永久磁石1c、1dと電機子ヨーク1bが固定子2に挟まれていればよく、コイル1aの一部が固定子2から突出していてもよい。
実施の形態2
図8は実施の形態2に係るリニアモータの可動子1を示す平面図である。固定子2については、実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
実施の形態2においては、可動子1の移動方向に沿って並ぶ3つの電機子ヨーク1b、10bのうち、2つの磁石に挟まれている中央に位置する電機子ヨーク10bは左右に位置する他の2つの電機子ヨーク1bより移動方向に長い(移動方向の幅が異なる)ことを特徴とする。図8に示すように、電機子ヨーク10bの幅d2は電機子ヨーク1bの幅d1の2倍としてある。これはコイル電流増加に伴い電機子ヨーク1b、10bを流れる磁束が増加した場合において、磁気飽和を起きにくくするためである。左右に位置する電機子ヨーク1bは1つの永久磁石1c又は1dからの磁束を歯部21a又は22aとやり取りするのに対して、中央に位置する電機子ヨーク10bは2つの永久磁石1c及び1dからの磁束を歯部21a又は22aとやり取りをする。そのため、中央に位置する電機子ヨーク10bの幅d2は左右に位置する電機子ヨーク1bの幅d1の2倍とすることが好適である。
図9は可動子の電機子ヨーク1bの磁気飽和についての説明図である。図9Aは本実施の形態2に係る可動子1の場合を示している。図9Bは上述の実施の形態1に係る可動子1の場合を示している。図9Bは図5を再掲したものである。歯部22aから電機子ヨーク1b、永久磁石1c又は1dを通り、電機子ヨーク1b又は10bを経て歯部21aに至る点線が磁束の流れを示している。本実施の形態2において、2つの永久磁石1c、1dに挟まれている電機子ヨーク、すなわち中央に位置する電機子ヨーク10bは実施の形態1における電機子ヨーク1bよりも移動方向の幅が広く(移動方向の長さが長く)なっているため、歯部21aに流れこむ電機子ヨーク10bの磁束の密度が高くなり難くなっており、磁気飽和が起きにくくなっている。このように、コイル1aの電流を増加した場合であっても電機子ヨーク10bが磁気飽和を起こしにくくなるので、リニアモータの電流増加時における推力リニアリティが改善される。なお、図9に示した磁束の流れは一例として示したものである。
なお、幅d2は幅d1の2倍に限られない。幅d2が2倍以上であれば、電機子ヨーク10bが飽和しにくくなる。しかしながら、電機子ヨーク10bで磁気飽和が起きない場合であっても、両端の電機子ヨーク1bで飽和するので、幅d2は幅d1の2倍が好適である。幅d2が2倍以下である場合は、幅d2と幅d1とが等しい場合よりも電機子ヨーク10bで磁気飽和が起きにくくなるが、両端の電機子ヨーク1bが磁気飽和を起こす前に、電機子ヨーク10bで磁気飽和が起こることとなる。幅d1、d2により可動子1の移動方向の長さが決まるので、幅d1、d2をどのように設定するかは、上述した点を考慮して決定すれば良い。
図10は実施の形態1及び実施の形態2に係るリニアモータそれぞれについてコイル1aに流す電流と得られる推力との関係を示すグラフ図である。横軸が電流値で単位はアンペア(A)である。縦軸が推力で単位はニュートン(N)である。図10に示すように実施の形態1に係るリニアモータに比べて本実施の形態(実施の形態2)に係るリニアモータの方が推力リニアリティに優れている。
上述のように実施の形態2に係るリニアモータは実施の形態1に係るリニアモータの奏する効果に加えて、次の効果を奏する。中央に位置する電機子ヨーク10bの幅d2は左右に位置する電機子ヨーク1bの幅d1の2倍としたので、可動子1の移動方向の長さを小さくしながらも、電機子ヨーク10bの磁気飽和を緩和して大推力を得ることが可能となる。すなわち、可動子1の小型化と推力の増大というトレードオフの関係にある2つの事項を最適化したリニアモータを得ることが可能となる。それにより、電流増加時におけるリニアリティにより優れるという効果を奏する。
実施の形態3
実施の形態1及び実施の形態2においては、単相のリニアモータ(単相分のユット)について説明した。しかしこれに限られるものではない。例えば3相駆動のリニアモータを構成する場合には、その3個の各可動子間のピッチを、固定子歯部のピッチの2/3のn倍にすれば良い。またこの場合、各可動子の長手方向の長さを考慮して整数nを設定すれば良い。
図11は実施の形態3に係るリニアモータの可動子1の構成例を示す平面図である。図12は図11における断面線XII−XIIによる断面と固定子2の断面とを示す断面図である。図12では固定子2と可動子1の位置関係を示すために、図11では記載していない固定子2の断面を記載している。本実施の形態に係るリニアモータは3相モータである。可動子1は実施の形態2における可動子1と同様な3つの単相ユニット1U、1V、1Wを移動方向に沿って配置したものである。U相に対応する単相ユニットが1U、V相に対応する単相ユニットが1V、W相に対応する単相ユニットが1Wである。3つの単相ユニット1U、1V、1Wは共に同じ構成である。各々の構成で図8に示したものと同様なものは、図8と同じ符号を付している。図8に示した可動子1と各単相ユニット1U、1V、1Wを比較すると、各単相ユニット1U、1V、1Wはそれぞれ、補助板31及び出力部32を含んでいる。補助板31は矩形板状である。補助板31は例えばエンジニアリングプラスチック(ポリアミド、ポリカーボネイト)あるいは非磁性のセラミックなど非磁性かつ非導電体(非磁性非導電性材)で構成する。補助板31を非磁性かつ非導電体(非磁性非導電性材)にて形成すると、電機子ヨーク1b、10bに流れる渦電流の流路を部分的に遮断できるため、渦電流損を小さくすることが可能となり、出力効率が向上する。補助板31は縦姿勢で電機子ヨーク1b、10b、永久磁石1c、1dの短手方向の側板部23に近い側面(移動方向に平行な側面)とコイル1aとの間に配されている。補助板31は電機子ヨーク1b、10b、永久磁石1c、1dの短手方向の側面と密着している。
出力部32(非磁性体板)は縦断面コの字状(U字状)であり、第1突出板部32a、基部32b、第2突出板部32cを含む。出力部32は、例えばアルミニウム、非磁性体ステンレス鋼などの非磁性体で構成する。
非磁性体とすることで可動子1内に発生した磁束の短絡を防止できる。
第1突出板部32a、第2突出板部32cはそれぞれ矩形板状をなしている。第1突出板部32a、第2突出板部32cは矩形板状をなす基部32bから略垂直上に突出している。第1突出板部32a及び第2突出板部32cはコイル1aの巻線を間にして対向している。第1突出板部32aは電機子ヨーク1b、10b、永久磁石1c、1dの短手方向の側面(移動方向に平行な側面)とコイル1aの巻線との間に配されている。基部32bの長手方向(図11の左右方向)の長さは、電機子ヨーク1b、10b、永久磁石1c、1dの短手方向の長さを加算した値と略同一である。第1突出板部32aは、電機子ヨーク1b、10b、永久磁石1c、1dの短手方向の側面のうち、補助板31が密着している側面と対向する面と密着している。補助板31と第1突出板部32aとにより、電機子ヨーク1b、10b、永久磁石1c、1dが相互にズレないようにしている。可動子1は移動方向に長い連結板4(連結部)を含んでいる。各単相ユニットは連結板4と各単相ユニットが備える第2突出板部32cとがネジ等で固定されることにより連結される。
可動子1の支持は非磁性体である第1突出板部32aから、基部32b、第2突出板部32cを介して可動可能に行われる。
第1突出板部32aは電機子ヨーク1b、10bとコイル1aとの間にあるため、たとえば可動子1を支持する際にコイル1aの側面を支持する場合に比べて可動子1を小型化できる。
3つの単相ユニット1U、1V、1Wのコイル1aに流す電流は3相交流(対称3相交流)である。図11に示す白抜き矢印は図8と同様に永久磁石1c、1dの磁化方向を示している。実施の形態3において、固定子2は実施の形態1及び実施の形態2と同様であるので、説明を省略する。
図13は実施の形態3に係るリニアモータの動作を説明するための図である。図13はリニアモータを側面から見た図である。図13の紙面左右方向に通るコイル1aのコイル線は説明のため記載していない。図13に示すように可動子相ピッチP2は歯部21a(22a)のピッチP1の3分の4倍(2/3×2倍)の値と等しい値としてある。また、歯部21a(22a)の可動子1の並設方向(図13の左右方向)の幅L1は隣り合う歯部21a(22a)の間隔L2(並設間隔)よりも長くしてある。それにより、より大きな推力を得ることが可能となる。図13に示す状態はU相とW相のコイル1aに電流が流れ、V相のコイル1aに電流が流れていない状態を示している。このとき、W相の可動子1Wが推力を発生する原理は、図5の場合と同様である。U相の可動子1Uが推力を発生する原理は、図7の場合と同様である。本実施の形態においては、図13に示すように歯部21a(歯部22a)の可動子1の移動方向に沿う長さL1と、2つの歯部21a(歯部22a)の間隔L2との比は6対4としてある。すなわち、歯部21a(歯部22a)の並設方向の幅L2は歯部21a(22a)の並設間隔L1よりも長くなっている。
U相、V相、W相のコイル1aに流れる交流電流は3相交流であるので、V相の次にW相に流れる電流が0となる状態となる。その次にU相に流れる電流が0となる状態となり、再び図13に示すV相に流れる電流が0となる状態となる。これを繰り返すことにより可動子1は移動を継続する。
図14は実施の形態3に係るリニアモータの推力を示すグラフである。横軸は可動子1の移動距離であり、単位はミリメートル(mm)である。縦軸は推力であり、単位はニュートン(N)である。図14に示すように3相の合成推力が単相ピーク推力の2.5倍程度となっている。一般的には単相あたりの推力波形を略正弦波状にして、3相合成後の推力波形を平滑化し、推力脈動を除去する。しかし、この場合に3相合成推力は単相ピーク推力の1.4倍程度に留まる。これに対して、本実施の形態のリニアモータは図13に示す歯部21a(歯部22a)の可動子1の移動方向に沿う長さL1と、2つの歯部21a(歯部22a)の間隔L2との比を6対4にしているので、固定子2に対して可動子1の相対位置が変化したときの推力波形の分布が、正弦波状から台形波状に変化する。その結果、推力脈動は大きくなるものの、3相合成推力を大幅に高められている。つまり、リニアモータの小型化と高推力化の両立を可能にしている。
なお、合成推力は移動距離により周期的に変動しているが、PID(Proportional Integral Derivative)制御により適切なフィードバックを掛けることにより、変動幅が小さくなるように電流を制御すれば良い。
本実施の形態においては、実施の形態1又は実施の形態2に係るリニアモータにおける効果に加え、次の効果を奏する。電機子ヨーク1b、10bとコイル1aとの間に非導電体で形成した補助板31を設けたので、電機子ヨーク1b、10bに流れる渦電流の流路が部分的に遮断され、渦電流損を小さくすることが可能となる。単相ユニットを3つ連結したものを可動子とするので、単相ユニット1つの場合に比べて大きな推力を得ることが可能となる。第2突出板部32cを設けたことより、リニアモータの推力を容易に外部へ伝達することが可能となる。
本実施の形態において、各単相ユニット1U、1V、1Wが備える第2突出板部32cと連結板4とをネジ等で固定することにより、単相ユニット同士を連結することとした。それに限られず、連結板4を備えない構成でも良い。すなわち、各単相ユニットの第2突出板部32cを一体で形成するようにすれば、連結板4は不要となる。
図12に示すように出力部32は断面U字状としたが、基部32bを上にした構成、すなわち、断面逆U字状としても良い。
電機子ヨーク1b、10b、永久磁石1c、1dの短手方向の側面とコイル1aとの間に補助板31を設ける構成は、上述の実施の形態1及び2においても適用可能である。
また、本実施の形態においては実施の形態2における可動子と同様なものを単相ユニットとし、それを複数連結したもので可動子を構成した。それに限られず、実施の形態1における可動子と同様なものを単相ユニットとし、それを複数連結したもので可動子を構成しても良い。
一方、歯部21a(22a)の可動子1の移動方向の幅L1を隣り合う歯部21a(22a)の間隔L2よりも大きくする本実施の形態の固定子2の構成を、実施の形態1又は2においても、採用可能である。その場合、電機子ヨーク1b、10b、永久磁石1c、1dの幅は歯部21a(22a)の並設方向の幅、並設間隔に合わせて適宜決定すれば良い。
又歯部21a(22a)の可動子1の移動方向の幅L1を隣り合う歯部21a(22a)の間隔L2よりも小さくする実施の形態1又は2の固定子2の構成を、本実施の形態においても、採用可能である。その場合、電機子ヨーク1b、永久磁石1c、1dの幅は歯部21a(22a)の並設方向の幅、並設間隔に合わせて適宜決定すれば良い。
実施の形態4
可動子1に永久磁石1c、1dと電機子ヨーク1bとが配列されている場合、移動方向で比透磁率が周期的に変化するため、高次のディテント力高調波成分が顕著になる。一般に相独立型の駆動では、3相合成時に基本波及び2次、4次の高調波は打ち消されるが、3次、6次、9次、12次などの3の倍数の高調波は強め合うこととなる。
図15は実施の形態4に係るリニアモータの可動子1の構成例を示す平面図である。永久磁石1c、1d、電機子ヨーク1bの移動方向側の面は、移動方向並びに上板部21及び下板部22の対向方向と直交する方向に傾斜している。所謂スキュー配置としている。スキュー配置は、移動方向の垂直方向に対して傾斜(角度)をつけて永久磁石1c、1d及び電機子ヨーク1bの長辺を配置することである。すなわち、永久磁石1c、1d及び電機子ヨーク1bの長手方向両端部は、移動方向の位置が互いに異なることとなる。これにより、12次以上の高調波成分を低減することが可能である。なお、スキューさせる角度(スキュー角度)は0〜6度程度である。固定子2は実施の形態1と同様であるので、説明を省略する。
以上のように実施の形態4に係るリニアモータは、実施の形態1に係るリニアモータが奏する効果に加え、ディテント力の高調波成分を低減するという効果を奏する。
また、電機子ヨーク1b、永久磁石1c、1dは、直方体状のものを配置しているが、コイル1aの内周面と対向する電機子ヨーク1b、永久磁石1c、1dのそれぞれの2面を、コイル1aの内周面と平行となるよう構成しても良い。すなわち、電機子ヨーク1b、永久磁石1c、1dの一つの断面が平行四辺形となるようにしても良い。
実施の形態2又は実施の形態3においても、永久磁石1c、1d及び電機子ヨーク1b、10bをスキュー配置することにより12次以上の高調波成分を低減することが可能である。
実施の形態5
図16は実施の形態5に係るリニアモータの固定子2の構成を示す断面図である。図16はリニアモータの固定子2を移動方向に沿って切断した横断面図である。歯部の21a、22aの上板部21又は下板部22に平行な断面の向かい合う二組の2辺のうち短辺(いずれかの2辺)は移動方向に対し傾斜している。上板部21が有する歯部21a及び下板部22が有する歯部22aを所謂スキュー配置している。図16の左から3番目の歯部21aを用いて説明する。歯部21aの断面は長方形である。点線で示す長方形は歯部21aをスキュー配置していない場合を示している。図16において、可動子1の移動方向は左右の方向である。スキュー配置していない場合、点線で示す歯部21aの断面短辺は可動子1の移動方向に対して、平行である。スキュー配置した場合、断面短辺E1とE2は可動子1の移動方向に対して傾斜していることとなる。図16では歯部22aは突出方向先端の端面が現れている。図16の左から二番目の歯部22aにおいて、点線で示す長方形は歯部22aがスキュー配置していない場合を示している。端面の短辺は可動子1の移動方向と平行であり、傾斜していない。スキュー配置した場合、端面の短辺E3、E4は可動子1の移動方向に対して傾斜している。歯部22aの断面は端面と同一形状であるから、断面短辺も同様に可動子1の移動方向に対して傾斜することとなる。
可動子1については、上述の実施の形態1から実施の形態4のいずれかと同様であるので、説明を省略する。実施の形態5においては、固定子2の歯部21a及び歯部22aをスキュー配置することにより、可動子1の電機子ヨーク1b(10b)、永久磁石1c、1dをスキューさせなくても、ディテント力の12次以上の高調波成分を低減することが可能となる。なお、可動子1として上述の実施の形態4と同様なものを用いる場合、ディテント力の低減には、固定子2の歯部21a及び22a並びに可動子1の電機子ヨーク1b、永久磁石1c及び1dのなす角度が関係する。当該なす角度が適切な値となるように、固定子2の歯部21a及び22a並びに可動子1の電機子ヨーク1b、永久磁石1c及び1dのそれぞれをスキューさせれば良い。
実施の形態6
図17は実施の形態6に係るリニアモータの固定子2の構成を示す断面図である。リニアモータの固定子2を移動方向に沿って切断した横断面図である。上板部21が有する歯部21a及び下板部22の有する歯部22aをスキュー配置している。すなわち、固定子2の歯部21a及び歯部22aは、可動子1の移動方向に対して傾斜するように配置してある。可動子1については、上述の実施の形態1から実施の形態4のいずれかと同様であるので、説明を省略する。
実施の形態6において、一方の板状部21が備える歯部21aと他方の板状部22が備える歯部22aとでは、断面短辺の傾斜の方向を逆にしてある。図17に示すように、歯部21aの断面短辺E1、E2と歯部22aの端面短辺E3、E4とは可動子1の移動方向に対して傾斜している。その点は上述の実施の形態5と同様である。実施の形態6では、歯部21aと歯部22aとで傾斜する方向を逆にしている。すなわち、歯部21aの断面短辺E1、E2の傾斜方向と歯部22aの端面短辺E3、E4とは傾斜方向が互いに逆にしてある。これは、スキュー配置したことによるこじりを抑えることを目的としている。歯部21a、22aをスキュー配置することにより、リニアモータに発生する推力は、移動方向からスキュー角度分傾く方向に生じるので、可動子1全体が傾きこじりを発生する場合がある。歯部21aと歯部22aの傾斜方向を逆にすることにより、歯部21aと歯部22aにより発生する移動方向に垂直な方向(横方向)の推力成分が逆向きとなる。そのため、横方向の推力成分は、互いに打ち消しあい、こじりを防止することが可能となる。
以上のように、実施の形態6においては、実施の形態1から実施の形態4に係るリニアモータにおける効果に加え、次の効果を奏する。固定子2の歯部21a及び歯部22aをスキュー配置することにより、可動子1の電機子ヨーク1b(10b)、永久磁石1c、1dをスキューさせなくても、ディテント力の12次以上の高調波成分を低減することが可能となる。また、歯部21aと歯部22aの傾ける向きを逆方向にすることにより、こじりを防止するという効果を奏する。
なお、実施の形態6においても、実施の形態5と同様に、実施の形態4における可動子1を用いることも可能であり、可動子1の電機子ヨーク1b、永久磁石1c及び1d並びに固定子2の歯部21a及び22aのそれぞれのスキュー角度は適宜定めれば良い。
各実施例で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組合せ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 可動子
1a コイル
1b、10b 電機子ヨーク(ヨーク)
1c、1d 永久磁石(磁石)
2 固定子
21 上板部
21a 歯部
22 下板部
22a 歯部
23 側板部
31 補助板
32 出力部(非磁性体板)
32a 第1突出板部
32b 基部
32c 第2突出板部
4 連結板(連結部)

Claims (11)

  1. 固定子、及びコイルを有する可動子を備えたリニアモータにおいて、
    前記固定子は前記可動子の移動方向に長い2つの板状部を有し、2つの板状部は可動子の移動域を間にして、磁気的に結合するように対向して設けてあり、
    前記2つの板状部の互いに対向する面それぞれには、複数の歯部が、一方の板状部の歯部と他方の板状部の歯部とで千鳥状となるように前記移動方向に並設してあり、
    前記可動子は前記コイル内部に、それぞれ板状をなす2つの磁石及び3つのヨークが前記移動方向に沿って交互に縦姿勢で配列してあり、
    前記2つの磁石は前記移動方向に沿って磁化してあり、磁化方向は互いに対向すること
    を特徴とするリニアモータ。
  2. 前記各磁石及び各ヨークそれぞれの前記板状部の対向方向の高さは、前記それぞれの移動方向の幅の2倍から4倍であること
    を特徴とする請求項1に記載のリニアモータ。
  3. 前記2つの磁石に挟まれているヨークが他の2つのヨークより前記移動方向に長いこと
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリニアモータ。
  4. 前記2つの磁石に挟まれているヨークの前記移動方向の長さは、他の2つのヨークの2倍の長さであること
    を特徴とする請求項3に記載のリニアモータ。
  5. 前記歯部の並設方向の幅が、歯部の並設間隔よりも長いこと
    を特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のリニアモータ。
  6. 前記2つの磁石及び3つのヨークが直方体状をなし、各磁石及び各ヨークの前記移動方向側の面は、前記移動方向及び前記板状部の対向方向と直交する方向に傾斜していること
    を特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載のリニアモータ。
  7. 前記歯部が直方体状をなし、
    前記歯部の前記板状部に平行な断面の向かい合ういずれかの2辺は前記移動方向に対し傾斜していること
    を特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載のリニアモータ。
  8. 前記2つの板状部が有する歯部は、前記断面の前記2辺の傾斜方向が互いに逆であること
    を特徴とする請求項7に記載のリニアモータ。
  9. 前記ヨーク及び磁石の前記移動方向に平行な側面と前記コイルとの間に設けられた板状の非磁性体板と該非磁性体板と前記ヨーク及び磁石を介して対向しかつ前記コイルとの間に設けられた板状の非磁性非導電性材からなる補助板を備えること
    を特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載のリニアモータ。
  10. 前記非磁性体板に連結され、前記移動方向に配列される3つの可動子を連結する連結部をさらに備えること
    を特徴とする請求項9に記載のリニアモータ。
  11. 前記非磁性体板は、
    前記コイルの巻線を間にして対向する板状の第1突出板部及び第2突出板部と、
    前記第1突出板部及び前記第2突出板部を結ぶ基部を有すること
    を特徴とする請求項10に記載のリニアモータ。
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