JP2014202629A - 走査型プローブ顕微鏡および走査型プローブ検鏡法 - Google Patents

走査型プローブ顕微鏡および走査型プローブ検鏡法 Download PDF

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Abstract

【課題】硬い部分と柔らかい部分が混在する試料に対してもその表面形状を高い精度で安定して測定し得る走査型プローブ顕微鏡を提供する。【解決手段】走査型プローブ顕微鏡は、加振信号に基づいてカンチレバー12を振動させる加振部14と、カンチレバー12の変位を表す変位信号を出力する変位検出部15と、加振信号と変位信号の位相差に位相オフセットを与える位相調整部30と、加振信号と変位信号の位相差と位相オフセットの情報を含む位相信号を生成する位相信号生成部と、位相信号に基づいてプローブ11と試料19の間の距離を制御するコントローラ25を備えている。位相調整部30は、プローブ11と試料19が接触していない状態において存在する初期位相差をキャンセルする第一の位相量と、(0[rad])以上かつ(π/2[rad])以下の第二の位相量を合算して位相オフセットとして位相差に与える。【選択図】図1

Description

本発明は、走査型プローブ顕微鏡および走査型プローブ検鏡法に関する。
走査型プローブ顕微鏡(SPM)は、機械的プローブを走査しながら試料表面の情報を取得してマッピング表示する走査型顕微鏡の総称である。SPMには、走査型トンネリング顕微鏡(STM)、原子間力顕微鏡(AFM)、走査型磁気力顕微鏡(MFM)、走査型近接場光顕微鏡(SNOM)などがある。
AFMは、SPMの中で最も広く使用されており、機械的プローブをその自由端にもつカンチレバーと、カンチレバーの変位を検出する光学式変位センサーと、機械的プローブと試料を相対的に走査する走査機構を主要な要素として備えている。その光学式変位センサーには、構成が簡単でありながら検出感度が高いことから、光てこ式の光学式変位センサーが最も広く使われている。この光てこ式の光学式変位センサーは、カンチレバー上に直径が数μmから数十μmの光束を照射し、カンチレバーの反りの変化に応じた反射光の反射方向の変化を二分割光ディテクタなどによりとらえることにより、カンチレバーの自由端にある機械的プローブの動作を反映した電気信号を出力する。AFMは、走査機構によって、光学式変位センサーの出力が一定になるように機械的プローブと試料の間の相対距離をZ方向に制御しながら機械的プローブと試料の間の相対位置をXY方向に走査することにより、試料表面の凹凸の状態をマッピングしてコンピュータのモニター上に表示する。
AFMでは、カンチレバーを振動させ、その振動特性から試料とプローブの間に働く相互作用を検出する方式(ACモード)を採用することが多い。それは、試料とプローブの間に働く力を通常の方式(コンタクトモードと呼ばれる)に比べて弱く保つことができる利点があるからである。このACモードAFMでは、試料とプローブの間に働く相互作用により生じるカンチレバーの振動すなわち変位の振幅変化や位相変化の一方を検出し、その検出結果に基づいて試料の表面形状を測定している。
特開2008−232984号公報は、この種のACモードAFMのひとつを開示している。このACモードAFMは、振幅変化と位相変化の一方を切り換えて検出し得る構成となっている。
特開2008−232984号公報
ACモードAFMにおいては、試料とプローブの間に働く相互作用が斥力の領域において振動状態の変化(振幅変化や位相変化)を検出し、それに基づいて画像形成することが多い。カンチレバーの変位の振幅は、試料とプローブの間の斥力が大きくなるにつれて減少する。またカンチレバーの変位の位相は、斥力が大きくなるにつれて進む。
振幅の変化は、硬い試料においては変化率が大きく、柔らかい試料においては変化率が小さい。つまり振幅変化の検出感度は、硬い試料に対しては高く、柔らかい試料に対しては低い。反対に、位相の変化は、硬い試料においては振幅変化に比べて変化率が小さく、柔らかい試料に対しては振幅変化に比べて変化率が高い。つまり位相変化の検出感度は、硬い試料に対しては低く、柔らかい試料に対しては高い。
これまでのACモードAFMは、振幅変化と位相変化のどちらか一方に基づいて斥力を検出しているため、硬い部分と柔らかい部分が混在する試料に対しては、硬い部分と柔らかい部分の両方において斥力を高感度に検出することが難しい。これは、測定精度を低下させるだけでなく、制御を不安定にさせる要因にもなる。
本発明は、このような現状に鑑みてなされたものであり、その目的は、硬い部分と柔らかい部分が混在する試料に対してもその表面形状を高い精度で安定して測定し得る走査型プローブ顕微鏡および走査型プローブ検鏡法を提供することである。
本発明による走査型プローブ顕微鏡は、加振信号に基づいて前記カンチレバーを振動させる加振部と、前記カンチレバーの変位を検出し、その変位を表す変位信号を出力する変位検出部と、前記加振信号と前記変位信号の位相差に位相オフセットを与える位相調整部と、前記加振信号と前記変位信号の位相差と前記位相オフセットの情報を含む第一の位相信号を生成する位相信号生成部と、前記第一の位相信号に基づいて前記プローブと前記試料の間の距離を制御する制御部と、を備えている。前記位相調整部は、前記プローブと前記試料が接触していない状態において存在する前記加振信号と前記変位信号の初期位相差をキャンセルする第一の位相量と、(0[rad])以上かつ(π/2[rad])以下の第二の位相量を合算して位相オフセットとして前記位相差に与える。
本発明によれば、硬い部分と柔らかい部分が混在する試料に対してもその表面形状を高い精度で安定に測定し得る走査型プローブ顕微鏡および走査型プローブ検鏡法が提供される。
第一実施形態の走査型プローブ顕微鏡の構成を示している。 第一実施形態における位相調整部の構成を示している。 Acos(φ)とAcos(φ+π/2)のグラフを示している。 Acos(φ+π/4)のグラフを示している。 第二実施形態の走査型プローブ顕微鏡の構成を示している。 第二実施形態における位相調整部の構成を示している。 第三実施形態の走査型プローブ顕微鏡の構成を示している。 第四実施形態の走査型プローブ顕微鏡の構成を示している。 第四実施形態における位相調整部の構成を示している。 第五実施形態の走査型プローブ顕微鏡の構成を示している。 第五実施形態における位相調整部の構成を示している。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
<第一実施形態>
本実施形態の走査型プローブ顕微鏡の構成を図1に示す。図1に示すように、走査型プローブ顕微鏡は、自由端にプローブ11をもつカンチレバー12を有している。このカンチレバー12は、試料19に正対するようにホルダ13に保持され得る。
走査型プローブ顕微鏡はまた、カンチレバー12の変位を検出し、その変位を表す変位信号を出力する変位検出部15を有している。変位検出部15は、光てこ式の光学式変位センサーで構成されており、カンチレバー12の背面に集束されたレーザ光を照射するレーザ光源16と、カンチレバー12の背面から反射されたレーザ光を受ける分割ディテクタ17と、分割ディテクタ17の出力からカンチレバー12の変位信号を生成する演算アンプ18から構成されている。
走査型プローブ顕微鏡はまた、加振信号に基づいてカンチレバー12を振動させる加振部14と、加振部14に加振信号を供給する信号発生部28を有している。加振部14は、たとえば、ホルダ13に設けられている。加振部14は、たとえば圧電素子で構成され、カンチレバー12をその機械的共振周波数近傍の周波数で所定の振幅で振動させ得る。信号発生部28は、加振信号を出力するほか、加振信号に同期した第一の同期信号を出力する。この第一の同期信号は、加振信号と同一の周波数で同位相のたとえば方形波信号(ロジック信号)で構成され得る。
走査型プローブ顕微鏡はまた、位相調整部30と位相信号生成部31を有している。位相調整部30は、信号発生部28から供給される第一の同期信号の位相に所定の位相オフセットを与え、第二の同期信号を生成して位相信号生成部31へ供給する。位相信号生成部31は、変位検出部15から供給されるカンチレバー12の変位信号と位相調整部30から供給される第二の同期信号の位相差の情報、言い換えれば、カンチレバー12の変位信号と第一の同期信号の位相差と、位相オフセットの情報を含む位相信号を生成して出力する。この位相信号は位相調整部30へ供給され、第二の同期信号を生成するための参照信号として用いられる。図2に位相調整部30の構成を示す。図2に示すように、位相調整部30は、位相調整器32と位相調整器33から構成される。つまり位相調整部30は2段階の位相調整機能を備えている。
走査型プローブ顕微鏡はまた、試料19とプローブ11を三次元的に相対的に移動させる走査部20を有している。走査部20は、Zスキャナ21とXYスキャナ22から構成されている。Zスキャナ21はXYスキャナ22上に配置されており、Zスキャナ21上には、図示しない試料台を介して試料19が載置され得る。Zスキャナ21は、Zドライバ23により駆動され、プローブ11に対して試料19をZ方向に移動させ得る。またXYスキャナ22は、XYドライバ24により駆動され、プローブ11に対して試料19をXY方向に移動させ得る。
走査型プローブ顕微鏡はまた、Zドライバ23とXYドライバ24を制御するコントローラ25と、試料19の表面の画像を形成するホストコンピュータ27を有している。コントローラ25は、試料19の表面に沿ってプローブ11を二次元的に走査するためのXY走査信号と、プローブ11と試料19の間の距離を制御するためのZ制御信号を生成し得る。コントローラ25は、位相信号からZ制御信号を生成するZ制御部26を有している。ホストコンピュータ27は、コントローラ25で生成されるXY走査信号とZ制御信号を用いて試料19の表面の画像を形成し得る。
ここで信号の流れについて詳細に説明する。
加振信号をAsinωtとおく。ここで、Aは、加振信号の振幅、ωは、加振信号の角振動数、tは時間である。ωは、カンチレバー12の共振周波数をfとすると、2π・fとほぼ等しい値をもつ。
第一の同期信号は、加振信号と同一の周波数(すなわち角振動数ω)で同位相のたとえば方形波信号とする。
カンチレバー12の変位信号をAsin(ωt+φ+φ)とおく。ここで、Aは、変位信号の振幅、φは、プローブ11と試料19が接触していない状態で存在する変位信号の初期位相差、φは、プローブ11と試料19が接触したことに起因して発生する変位信号の位相差である。以下では、この位相差を、便宜上、位相シフト量と呼ぶ。プローブ11と試料19が接触していないとき、φは0である。
位相調整部30は、信号発生部28から出力される第一の同期信号の位相に位相オフセットψを与える。すなわち、位相調整部30は、第一の同期信号の位相を(+ψ)だけシフトさせる。これは、カンチレバー12の変位信号と第一の同期信号(つまり加振信号)の位相差に、位相オフセット(−ψ)を与えることと等価である。位相信号生成部31は、カンチレバー12の変位信号Asin(ωt+φ+φ)と第二の同期信号(つまり位相オフセットψが与えられた第一の同期信号)との位相差の情報を含む位相信号、すなわちAcos(φ+φ−ψ)を生成して出力する。
位相調整部30は、位相調整器32と位相調整器33により、2段階で位相オフセットψを与える。位相調整器32が与える位相量をψ、位相調整器33が与える位相量をψとおくと、ψ=ψ+ψとなる。
詳しくは、位相調整器32は、プローブ11と試料19が接触していない状態、すなわちφ=0のときに、プローブ11と試料19が接触していない状態で存在する変位信号の初期位相差φをキャンセルする位相量ψ(=φ)を第一の同期信号に与える。このとき、位相信号であるAcos(φ+φ−ψ)の大きさはAcos(0)=Aとなる。言い換えれば、位相調整器32は、プローブ11と試料19が接触していない状態において、位相信号であるAcos(φ+φ−ψ)の大きさが最大となるような位相量ψ=φを第一の同期信号に与える。そして位相調整器33は、位相調整器32の出力に、(−π/2[rad])以上(0[rad])以下の位相量を与える。つまりψは、(−π/2[rad])≦ψ≦(0[rad])を満たす所定量である。このとき位相信号生成部31から出力される位相信号は、Acos{φ+φ−(ψ+ψ)}=Acos(φ−ψ)となる。ここでψは、(−π/2[rad])≦ψ≦(0[rad])である。
このAcos(φ−ψ)は、図3Aに示すグラフAcos(φ−ψ)=Acos(φ+π/2)=−Asin(φ)とグラフAcos(φ−ψ)=Acos(φ)の間に入るグラフとなる。図3Bは、図3Aに示す2つのグラフの中間、すなわちψ=−π/4のときのグラフAcos(φ−ψ)=Acos(φ+π/4)である。図3Aのグラフ中のα点はψ=0のときのY軸とのクロス点であり、β点はψ=−π/2のときのY軸とのクロス点である。また図3Bのγ点はψ=−π/4のときのY軸とのクロス点である。
図3Aと図3Bのグラフからわかるように、α点の位置では、位相シフト量φの変化に対して一番鈍感(低感度)になる。つまりAcos(φ−ψ)=Acos(φ)のときは、プローブ11と試料19が接触して発生する位相シフト量φに対して最も鈍感(低感度)になる。またβ点の位置では、位相シフト量φの変化に対して一番敏感(高感度)になる。つまりAcos(φ−ψ)=Acos(φ+π/2)=−Asin(φ)のときは、プローブ11と試料19が接触して発生する位相シフト量φに対して最も敏感(高感度)になる。そしてγ点の位置では、α点とβ点の中間程度、正確にはβ点の約0.7倍の感度になる。つまりAcos(φ−ψ)=Acos(φ+π/4)のときは、プローブ11と試料19が接触して発生する位相シフト量φに対して中間程度の感度になる。
ここでAcos(φ−ψ)は、Acos(φ−ψ)=Acos(φ)cos(−ψ)−Asin(φ)sin(−ψ)と記述できる。そしてcos(−ψ)とsin(−ψ)は定数として扱える。
この式より、Acos(φ−ψ)は、Acos(φ)と−Asin(φ)を混成したものとして扱える。そしてcos(−ψ)とsin(−ψ)の定数は、Acos(φ)と−Asin(φ)の混成比を決めるものとなる。例えば、ψ=0のときは、Acos(φ)と−Asin(φ)の混成比は1:0となる。またψ=−π/2のときは、Acos(φ)と−Asin(φ)の混成比は0:1となる。そしてψ=−π/4のときは、Acos(φ)と−Asin(φ)の混成比は1:1となる。
測定部分が硬い場合には、カンチレバー12の変位信号は、位相よりも振幅が大きく変化する。この振幅は、試料19とプローブ11の間に作用する斥力が大きくなるにつれて減少する。反対に、測定部分が柔らかい場合には、カンチレバー12の変位信号は、振幅よりも位相が大きく変化する。この位相は、試料19とプローブ11の間に作用する斥力が大きくなるにつれて進む(+φの方向にシフトする)。
従って、測定部分が硬い場合、すなわち振幅の変化が位相シフト量φよりも大きい場合の信号の変化量は、φの変化が小さい場合はcosφ≒1とおけることから、Acosφ≒A、すなわちAcosφはほぼAと同じと見なすことができるので、Acos(φ)は大きく変化するが、−Asin(φ)の変化は小さい。また測定部分が柔らかい場合には、−Asin(φ)は大きく変化するが、Acos(φ)の変化は小さい。
以上より、測定部分が硬い場合には、ψ=0となるようにψを調整すれば、位相信号であるAcos(φ−ψ)はAcos(φ)となるので、試料19とプローブ11の間に働く斥力を高感度で検出することができる。
また測定部分が柔らかい場合には、ψ=−π/2となるようにψを調整すれば、位相信号であるAcos(φ−ψ)は−Asin(φ)となるので、試料19とプローブ11の間に働く斥力を高感度で検出することができる。
さらに測定部分に硬い部分と柔らかい部分が同じくらい存在する場合は、ψ=−π/4となるようにψを調整すれば、位相信号であるAcos(φ−ψ)は、(21/2/2)×{Acos(φ)−Asin(φ)}となるので、硬い部分と柔らかい部分の両方に対して高感度で試料19とプローブ11の間に働く斥力を検出することができる。
以上のように、本発明の第一実施形態によれば、位相調整部30により、Acos(φ)と−Asin(φ)からなる混成信号を生成でき、さらにそれらの混成比を調整できる。硬い部分が多い試料に対しては、ψを0に近づけるとよい。柔らかい部分が多い試料に対しては、ψを−π/2に近づけるとよい。硬い部分と柔らかい部分が同程度に存在する試料に対しては、ψを−π/4に近づけるとよい。その結果、硬い部分と柔らかい部分が混在する試料に対してその表面形状を高精度で測定することができる。また硬い部分と柔らかい部分の混在比がいかなる場合でも、位相調整部30の調整により高精度な測定が可能となる。
なお、本発明の第一実施形態においては、位相調整部30の調整動作は、アナログ回路、デジタル回路、ソフトウエアなど、何を用いてもよい。
また、本発明の第一実施形態においては、位相調整を第一の同期信号に対して行ったが、変位信号に対して行っても同様の効果が得られる。この場合は、変位信号に対して与える位相オフセットは(−ψ=−ψ−ψ)となる。
<第二実施形態>
図4に示す本実施形態の走査型プローブ顕微鏡は、位相調整部40の構成が異なるほかは、第一実施形態の走査型プローブ顕微鏡と同じである。したがって、ここでは、位相調整部40の構成と作用を説明する。
図5は、位相調整部40の構成を示している。図5に示すように、位相調整部40は、位相調整器41と入力部42と位相表示部43から構成されている。
入力部42は、第一の同期信号に与える位相オフセットの情報を入力するためのものであり、例えば数値入力方式のインターフェースを備えている。位相調整器41は、入力部42に入力された情報に対応する位相量を第一の同期信号に与えるものである。位相表示部43は、位相信号を表示するものであり、たとえば、位相信号の大きさを表示する数値メータである。
本実施形態の走査型プローブ顕微鏡においては、まず位相表示部43に表示される位相信号の大きさをモニターしながら、プローブ11と試料19が接触していない状態、すなわちφ=0のときに、位相信号が最大となるような位相量を入力部42に入力する。すなわち、第一の同期信号の位相を(φ)だけシフトさせ、プローブ11と試料19が接触していない状態で存在する変位信号の初期位相差をキャンセルする位相量を入力部42に入力する。その状態からさらに、(−π/2[rad])以上(0[rad])以下の位相量を入力部42に追加する。すなわち入力部42には、第一実施形態に示した位相量ψと位相量ψを加算した位相オフセット(ψ=ψ+ψ)と同等の位相量を入力することになる。そして位相調整器41では、入力部42に入力された位相量に従って、第一の同期信号に位相オフセット(ψ=ψ+ψ)を与える。
従って第二実施形態では、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに第二実施形態では、位相信号の大きさをモニターできるので、直感的に位相調整ができる。
<第三実施形態>
図6に示す本実施形態の走査型プローブ顕微鏡は、第一実施形態の走査型プローブ顕微鏡に対して、位相調整部30が位相調整部50に置き換えられているとともに、位相信号生成部51が追加されている点において相違している。そのほかの構成は、第一実施形態の走査型プローブ顕微鏡と同様である。
位相調整部50は、信号発生部28から供給される第一の同期信号の位相に所定の位相オフセットを与え、第二の同期信号を生成して位相信号生成部31と位相信号生成部51へ供給する。
位相信号生成部51は、位相加算部52を有している。位相加算部52は、位相調整部50から供給される第二の同期信号に(π/2[rad])を加算する。
位相信号生成部51では、変位検出部15供給されるカンチレバー12の変位信号と、第二の同期信号に位相量(π/2)を加算したものとの位相差の情報、言い換えれば、カンチレバー12の変位信号と第一の同期信号の位相差と、位相調整部50で第一の同期信号に与える位相オフセットと、位相加算部52で第二の同期信号に与える位相量(π/2)のすべての情報を含む第二の位相信号を生成して出力する。この第二の位相信号は、第一の位相信号に対して位相を(π/2)だけ遅らせたものと等価である。
この第二の位相信号は、第一の位相信号とともに位相調整部50へ供給され、第二の同期信号を生成するための参照信号として用いられる。
ここで信号の流れについて詳細に説明する。
加振信号をAsinωtとおく。ここで、Aは、加振信号の振幅、ωは、加振信号の角振動数、tは時間である。ωは、カンチレバー12の共振周波数をfとすると、2π・fとほぼ等しい値をもつ。
第一の同期信号は、加振信号と同一の周波数(すなわち角振動数ω)で同位相のたとえば方形波信号とする。
カンチレバー12の変位信号をAsin(ωt+φ+φ)とおく。ここで、Aは、変位信号の振幅、φは、プローブ11と試料19が接触していない状態で存在する変位信号の初期位相差、φは、プローブ11と試料19が接触したことに起因して発生する変位信号の位相差である。以下では、この位相差を、便宜上、位相シフト量と呼ぶ。プローブ11と試料19が接触していないとき、φは0である。
位相調整部50は、信号発生部28から出力される第一の同期信号の位相に位相オフセットψを与える。すなわち、位相調整部50は、第一の同期信号の位相を(+ψ)だけシフトさせる。これは、カンチレバー12の変位信号と第一の同期信号(つまり加振信号)の位相差に、位相オフセット(−ψ)を与えることと等価である。
位相信号生成部31は、カンチレバー12の変位信号Asin(ωt+φ+φ)と第二の同期信号(つまり位相オフセットψが与えられた第一の同期信号)との位相差の情報を含む第一の位相信号、すなわちAcos(φ+φ−ψ)を生成して出力する。
位相信号生成部51は、カンチレバー12の変位信号Asin(ωt+φ+φ)と、第二の同期信号(つまり位相オフセットψが与えられた第一の同期信号)に位相量(π/2)を加算したものとの位相差の情報を含む第二の位相信号、すなわちAcos(φ+φ−ψ−π/2)=Asin(φ+φ−ψ)を生成して出力する。
位相調整部50は、第一の位相信号と第二の位相信号を参照して、所定の位相オフセットを第一の同期信号に与える。
詳しくは、位相調整部50は、プローブ11と試料19が接触していない状態、すなわちφ=0のときにAcos(φ+φ−ψ)とAsin(φ+φ−ψ)がともに0以上となるような、すなわちAcos(φ−ψ)とAsin(φ−ψ)がともに0以上となるような位相オフセットを第一の同期信号に与える。
Acos(φ−ψ)とAsin(φ−ψ)がともに0以上となる(φ−ψ)の範囲は、(0[rad])≦(φ−ψ)≦(π/2[rad])である。(φ−ψ)=(0[rad])のときは、ψ=φとなる。また(φ−ψ)=(π/2[rad])のときは、ψ=φ−π/2となる。つまり位相調整部50が与える位相オフセットψは、{φ+(−π/2)}≦ψ≦{φ+(0)}となる。これは、第一実施形態で与える位相オフセット(ψ+ψ)と全く等価である。
つまり、硬い部分が多い試料に対しては、Asin(φ−ψ)を0に近づけるように、たとえばψ=φとなるように、ψを調整するとよい。柔らかい部分が多い試料に対しては、Acos(φ−ψ)を0に近づけるように、たとえばψ=φ−π/2となるように、ψを調整するとよい。硬い部分と柔らかい部分が同程度に存在する試料に対しては、たとえばAcos(φ−ψ)とAsin(φ−ψ)が等しくなるように、すなわちψ=φ−π/4となるように、ψを調整するとよい。
従って、本発明の第三実施形態によれば、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに第三実施形態では、第一実施形態で用いられた二段階調整が必要なく、容易に位相調整が可能になる。
<第四実施形態>
図7に示す本実施形態の走査型プローブ顕微鏡は、位相調整部60の構成が異なるほかは、第三実施形態の走査型プローブ顕微鏡と同じである。したがって、ここでは、位相調整部60の構成と作用を説明する。
図8は、位相調整部60の構成を示している。図8に示すように、位相調整部60は、位相調整器61と入力部62と位相表示部63と位相表示部64から構成されている。
入力部62は、第一の同期信号に与える位相オフセットの情報を入力するためのものであり、例えば数値入力方式のインターフェースを備えている。位相調整器61は、入力部62に入力された情報に対応する位相量を第一の同期信号に与えるものである。位相表示部63は、第一の位相信号の大きさを表示する数値メータである。また位相表示部64は、第二の位相信号を表示するものであり、第二の位相信号の大きさを表示する数値メータである。
本実施形態の走査型プローブ顕微鏡においては、位相表示部63に表示される第一の位相信号の大きさと、位相表示部64に表示される第二の位相信号の大きさをモニターしながら、プローブ11と試料19が接触していない状態、すなわちφ=0のときに、第一の位相信号と第二の位相信号がそれぞれ0以上となるような位相量を入力部62に入力する。すなわち入力部62には、第一実施形態に示した位相量ψと位相量ψを加算した位相オフセット(ψ=ψ+ψ)と同等の位相量を入力することになる。そして位相調整器61では、入力部62に入力された位相量に従って、第一の同期信号に(ψ=ψ+ψ)と同等の位相オフセットを与える。
詳しくは、硬い部分が多い試料のために、第一の位相信号の大きさが最大に、第二の位相信号の大きさが0に調整されるときは、位相調整部60は第一の同期信号に位相オフセット(ψ=ψ+ψ=φ)を与える。また、柔らかい部分が多い試料のために、第一の位相信号の大きさが0に、第二の位相信号の大きさが最大に調整されるときは、位相調整部60は第一の同期信号に位相オフセット(ψ=ψ+ψ=φ−π/2)を与える。さらに、硬い部分と柔らかい部分が同程度に存在する試料のために、第一の位相信号の大きさと第二の位相信号の大きさが等しく調整されるときは、位相調整部60は第一の同期信号に位相オフセット(ψ=ψ+ψ=φ−π/4)を与える。
従って第四実施形態では、第一実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに第四実施形態では、第一の位相信号の大きさと第二の位相信号の大きさをそれぞれモニターできるので、第三実施形態よりも直感的に位相調整ができる。また、熱ドリフトなどに起因する第一の位相信号と第二の位相信号の変動にも容易に対応できる。
<第五実施形態>
図9に示す本実施形態の走査型プローブ顕微鏡は、位相調整部70の構成が異なるほかは、第三実施形態の走査型プローブ顕微鏡と同じである。したがって、ここでは、位相調整部70の構成と作用を説明する。
図10は、位相調整部70の構成を示している。図10に示すように、位相調整部70は、位相調整器71と位相値検出部72と入力部73と位相制御部74から構成されている。そして位相値検出部72は、除算部72Aと位相値算出部72Bを備えている。
除算部72Aには第一の位相信号と第二の位相信号が供給され、そこで(第二の位相信号/第一の位相信号)を算出する。そして位相値算出部72Bは、除算部72Aで算出された(第二の位相信号/第一の位相信号)の位相値を算出する。例えば第一の位相信号と第二の位相信号がそれぞれAcos(θ)とAsin(θ)であるとすると、除算部72Aでは(第二の位相信号/第一の位相信号)、すなわちtan(θ)を算出する。そして位相値算出部72Bでは、(第二の位相信号/第一の位相信号)であるtan(θ)の位相値、すなわち(θ)を算出する。従って位相値検出部72は、第一の位相信号の位相値を求め得る。
入力部73は、プローブ11と試料19が接触していないときの第一の位相信号の位相値が所望となるよう第一の同期信号に与える位相オフセットを指示するものである。入力部73には、所定の位相量を、例えば数値入力方式のインターフェースにより入力される。
位相制御部74は、プローブ11と試料19が接触していないときにおいて、位相値検出部72で求めた第一の位相信号の位相値と、入力部73に入力された位相量とを比較し、それらが一致するような位相オフセットを求めるものである。
位相調整器71は、位相制御部74で求めた位相オフセットを第一の同期信号に与えるものである。
ここで信号の流れについて詳細に説明する。
加振信号をAsinωtとおく。ここで、Aは、加振信号の振幅、ωは、加振信号の角振動数、tは時間である。ωは、カンチレバー12の共振周波数をfとすると、2π・fとほぼ等しい値をもつ。
第一の同期信号は、加振信号と同一の周波数(すなわち角振動数ω)で同位相のたとえば方形波信号とする。
カンチレバー12の変位信号をAsin(ωt+φ+φ)とおく。ここで、Aは、変位信号の振幅、φは、プローブ11と試料19が接触していない状態で存在する変位信号の初期位相差、φは、プローブ11と試料19が接触したことに起因して発生する変位信号の位相差である。以下では、この位相差を、便宜上、位相シフト量と呼ぶ。プローブ11と試料19が接触していないとき、φは0である。
位相調整部70は、信号発生部28から出力される第一の同期信号の位相に位相オフセットψを与える。すなわち、位相調整部70は、第一の同期信号の位相を(+ψ)だけシフトさせる。これは、カンチレバー12の変位信号と第一の同期信号(つまり加振信号)の位相差に、位相オフセット(−ψ)を与えることと等価である。
位相信号生成部31は、カンチレバー12の変位信号Asin(ωt+φ+φ)と第二の同期信号(つまり位相オフセットψが与えられた第一の同期信号)との位相差の情報を含む第一の位相信号、すなわちAcos(φ+φ−ψ)を生成して出力する。
位相信号生成部51は、カンチレバー12の変位信号Asin(ωt+φ+φ)と、第二の同期信号(つまり位相オフセットψが与えられた第一の同期信号)に位相量(π/2)を加算したものとの位相差の情報を含む第二の位相信号、すなわちAcos(φ+φ−ψ−π/2)=Asin(φ+φ−ψ)を生成して出力する。
位相調整部70では、まず除算部72Aが(第二の位相信号/第一の位相信号)、すなわちAsin(φ+φ−ψ)/Acos(φ+φ−ψ)=tan(φ+φ−ψ)を算出する。そして位相値算出部72Bでは、tan(φ+φ−ψ)の位相値、すなわち(φ+φ−ψ)を算出する。すなわち位相値検出部72では、(φ+φ−ψ)を算出する。算出した位相値(φ+φ−ψ)は位相制御部74に供給される。一方、入力部73には、位相量ψが入力される。ここでψは、(0[rad])≦ψ≦(π/2[rad])である。入力された位相量ψは、位相制御部74に供給される。位相制御部74では、プローブ11と試料19が接触していないとき、すなわちφ=0のときの(φ+φ−ψ)=(φ−ψ)とψを比較し、それらが一致するような位相オフセットψを求める。求められた位相オフセットψは、φ−ψ=ψより、ψ=φ−ψとなる。そして位相調整器71は、位相制御部74で求めた位相オフセットψ=φ−ψを第一の同期信号に与える。
従って、プローブ11と試料19が接触していない状態、すなわちφ=0のときの第一の位相信号と第二の位相信号は、それぞれAcos(φ+φ−ψ)=Acos(ψ)、Asin(φ+φ−ψ)=Asin(ψ)となる。ここでψは、(0[rad])≦ψ≦(π/2[rad])であるので、本実施形態で与える位相オフセットψは、第一実施形態や第三実施形態で与える位相オフセットと全く等価となる。
つまり、硬い部分が多い試料に対しては、たとえばAsin(ψ)=0、すなわちψ=0となるように、ψを調整するとよい。柔らかい部分が多い試料に対しては、たとえばAcos(ψ)=0、すなわちψ=π/2となるように、ψを調整するとよい。硬い部分と柔らかい部分が同程度に存在する試料に対しては、たとえばAcos(ψ)とAsin(ψ)が等しくなるように、すなわちψ=π/4となるように、ψを調整するとよい。
従って、本発明の第五実施形態によれば、第一実施形態および第三実施形態と同様の効果を得ることができる。
さらに第五実施形態では、第一実施形態で用いられた二段階調整が必要なく、容易に位相調整が可能になる。
これまで、図面を参照しながら本発明の実施形態を述べたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。ここにいう様々な変形や変更は、上述した実施形態を適当に組み合わせた実施も含み得る。また本発明は、実施形態で説明された構成に関連する装置や実施形態で説明された動作に関連する方法を含み得る。
11…プローブ、12…カンチレバー、13…ホルダ、14…加振部、15…変位検出部、16…レーザ光源、17…分割ディテクタ、18…演算アンプ、19…試料、20…走査部、21…Zスキャナ、22…XYスキャナ、23…Zドライバ、24…XYドライバ、25…コントローラ、26…Z制御部、27…ホストコンピュータ、28…信号発生部、30…位相調整部、31…位相信号生成部、32…位相調整器、33…位相調整器、40…位相調整部、41…位相調整器、42…入力部、43…位相表示部、50…位相調整部、51…位相信号生成部、52…位相加算部、60…位相調整部、61…位相調整器、62…入力部、63…位相表示部、64…位相表示部、70…位相調整部、71…位相調整器、72…位相値検出部、72A…除算部、72B…位相値算出部、73…入力部、74…位相制御部。

Claims (12)

  1. 自由端にプローブをもつカンチレバーを用いて試料表面の情報を取得する走査型プローブ検鏡法であって、
    加振信号に基づいて前記カンチレバーを振動させるステップと、
    前記カンチレバーの変位を表す変位信号を得るステップと、
    前記加振信号と前記変位信号の位相差に位相オフセットを与えるステップと、
    前記加振信号と前記変位信号の位相差と前記位相オフセットの情報を含む第一の位相信号を得るステップと、
    前記第一の位相信号に基づいて前記プローブと前記試料の間の距離を制御するステップを備えており、
    前記位相オフセットを与えるステップは、前記プローブと前記試料が接触していない状態において存在する前記加振信号と前記変位信号の初期位相差をキャンセルする第一の位相量と、(0[rad])以上かつ(π/2[rad])以下の第二の位相量の合算量を与えるステップである、走査型プローブ検鏡法。
  2. 前記第一の位相信号を得るステップは、前記加振信号と前記変位信号の位相差と前記位相オフセットの余弦(cos)情報を得るステップを含んでおり、
    前記位相オフセットは、前記プローブと前記試料が接触していない状態において前記第一の位相信号の大きさが最大となる第一の位相量と、(0[rad])以上かつ(π/2[rad])以下の第二の位相量の合算量である、請求項1記載の走査型プローブ検鏡法。
  3. 前記第一の位相信号に対して位相が(π/2[rad])遅れた第二の位相信号を得るステップを備えており、
    前記第一の位相信号を得るステップは、前記加振信号と前記変位信号の位相差と前記位相オフセットの余弦(cos)情報を得るステップを含んでおり、
    前記第二の位相信号を得るステップは、前記加振信号と前記変位信号の位相差と前記位相オフセットの正弦(sin)情報を得るステップを含んでおり、
    前記位相オフセットは、前記プローブと前記試料が接触していない状態において前記第一の位相信号の大きさと前記第二の位相信号の大きさがともに0以上となる位相量である、請求項1記載の走査型プローブ検鏡法。
  4. カンチレバーの自由端に設けられたプローブと試料の相互作用を検出する走査型プローブ顕微鏡であって、
    加振信号に基づいて前記カンチレバーを振動させる加振部と、
    前記カンチレバーの変位を検出し、その変位を表す変位信号を出力する変位検出部と、
    前記加振信号と前記変位信号の位相差に位相オフセットを与える位相調整部と、
    前記加振信号と前記変位信号の位相差と前記位相オフセットの情報を含む第一の位相信号を生成する位相信号生成部と、
    前記第一の位相信号に基づいて前記プローブと前記試料の間の距離を制御する制御部と、を備え、
    前記位相調整部は、前記プローブと前記試料が接触していない状態において存在する前記加振信号と前記変位信号の初期位相差をキャンセルする第一の位相量と、(0[rad])以上かつ(π/2[rad])以下の第二の位相量を合算して位相オフセットとして前記位相差に与える、走査型プローブ顕微鏡。
  5. 前記第一の位相信号は、前記加振信号と前記変位信号の位相差と前記位相オフセットの余弦(cos)情報を含んでおり、
    前記位相オフセットは、前記プローブと前記試料が接触していない状態における前記第一の位相信号の大きさが最大となる第一の位相量と、(0[rad])以上かつ(π/2[rad])以下の第二の位相量の合算量である、請求項4記載の走査型プローブ顕微鏡。
  6. 前記変位信号の振幅値をA、前記初期位相差をφ、前記位相オフセットを(−ψ)とすると、前記プローブと前記試料が接触していない状態における前記第一の位相信号はAcos(φ−ψ)であり、
    前記位相オフセット(−ψ)は、前記プローブと前記試料が接触していない状態における前記第一の位相信号の大きさが最大となる第一の位相量(−φ)と、(0[rad])以上かつ(π/2[rad])以下の第二の位相量の合算量である、請求項5に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  7. 前記位相調整部は、
    前記位相オフセットの情報を入力する入力部と、
    前記第一の位相信号を表示する位相表示部と、を有し、
    前記位相調整部は、前記入力部によって入力された前記位相オフセットの情報に従って前記位相オフセットを前記位相差に与える、請求項4〜請求項6のいずれかに記載の走査型プローブ顕微鏡。
  8. 前記加振信号と前記変位信号の位相差と前記位相オフセットの情報を含み、前記第一の位相信号に対して位相が(π/2[rad])遅れた第二の位相信号を生成する第二の位相信号生成部を備えており、
    前記第一の位相信号は、前記加振信号と前記変位信号の位相差と前記位相オフセットの余弦(cos)情報を含んでおり、
    前記第二の位相信号は、前記加振信号と前記変位信号の位相差と前記位相オフセットの正弦(sin)情報を含んでおり、
    前記位相オフセットは、前記プローブと前記試料が接触していない状態における前記第一の位相信号の大きさと前記第二の位相信号の大きさがともに0以上となる位相量である、請求項4記載の走査型プローブ顕微鏡。
  9. 前記変位信号の振幅値をA、前記初期位相差をφ、前記位相オフセットを(−ψ)とすると、前記プローブと前記試料が接触していない状態における前記第一の位相信号はAcos(φ−ψ)であり、
    前記プローブと前記試料が接触していない状態における前記第二の位相信号はAcos(φ−ψ−π/2)=Asin(φ−ψ)であり、
    前記位相オフセット(−ψ)は、前記プローブと前記試料が接触していない状態における前記第一の位相信号Acos(φ−ψ)の大きさと前記第二の位相信号Asin(φ−ψ)の大きさがともに0以上となる位相量、すなわち(φ−ψ)が(0[rad])以上かつ(π/2[rad])以下となる位相量である、請求項8に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  10. 前記位相調整部は、
    前記位相オフセットの情報を入力する入力部と、
    前記第一の位相信号を表示する第一の位相表示部と、
    前記第二の位相信号を表示する第二の位相表示部と、を有し、
    前記位相調整部は、前記入力部によって入力された前記位相オフセットの情報に従って前記位相オフセットを前記位相差に与える、請求項8または請求項9に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  11. 前記加振信号と前記変位信号の位相差と前記位相オフセットの情報を含み、前記第一の位相信号に対して位相が(π/2[rad])遅れた第二の位相信号を生成する第二の位相信号生成部を備えており、
    前記第一の位相信号は、前記加振信号と前記変位信号の位相差と前記位相オフセットの余弦(cos)情報を含んでおり、
    前記第二の位相信号は、前記加振信号と前記変位信号の位相差と前記位相オフセットの正弦(sin)情報を含んでおり、
    前記位相調整部は、
    (0[rad])以上(π/2[rad])以下の位相量を入力する入力部と、
    前記第一の位相信号と前記第二の位相信号に基づいて、前記第一の位相信号の位相値を求めて出力する位相値検出部と、
    前記プローブと前記試料が接触していない状態において前記位相量と前記位相値を比較し、前記位相値が前記位相量に一致するような前記位相オフセットを求める位相値制御部と、を有し、
    前記位相調整部は、前記位相値制御部で得られた前記位相オフセットを前記位相差に与える、請求項4に記載の走査型プローブ顕微鏡。
  12. 前記変位信号の振幅値をA、前記初期位相差をφ、前記位相オフセットを(−ψ)とすると、前記プローブと前記試料が接触していない状態における前記第一の位相信号はAcos(φ−ψ)であり、
    前記プローブと前記試料が接触していない状態における前記第二の位相信号はAcos(φ−ψ−π/2)=Asin(φ−ψ)であり、
    前記位相値検出部は、前記第二の位相信号を前記第一の位相信号で除算して{Asin(φ−ψ)}/{Acos(φ−ψ)}=tan(φ−ψ)を求め、tan(φ−ψ)から前記第一の位相信号の位相値(φ−ψ)を算出し、
    前記位相制御部は、前記入力部に入力された(0[rad])以上(π/2[rad])以下の前記位相量と、前記第一の位相信号の位相値(φ−ψ)が一致するような前記位相オフセット、すなわち(φ−ψ)が(0[rad])以上(π/2[rad])以下となる前記位相オフセットを求める、請求項11に記載の走査型プローブ顕微鏡。
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