JP2014198988A - 蝶番付き扉ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】開き戸等の扉体の厚さ方向、幅方向及び高さ方向の扉位置調整が容易に実施できるとともに、上側蝶番において蝶番軸の抜け止め機能を向上させて安全性及び操作性を高めた蝶番付き扉ユニットを提供する。【解決手段】膨出部45bがリング受け金具153の大径部153bに挿入されるまで抜け止めリング45を回転操作し、抜け止めリング45の下方移動ができない状態にセットする。上側蝶番4においては、抜け止めリング45の膨出部45bがリング受け金具153の大径部153bに挿入されて抜け止めリング45の下方移動が阻止された状態でのみ収納ケース50に収納ケースカバー151を装着することができる。【選択図】図8

Description

本発明は、蝶番(特に開き戸用の蝶番)付きの扉ユニットに関する。
例えば、部屋への出入り用扉等の開き戸を、蝶番(ヒンジ)を介して固定枠等の扉取付部に取付施工する際に、扉をスムーズに開閉できるように扉と固定枠との相互間隔(隙間)を所定範囲内に調整する必要がある。また、使用によって扉や固定枠が変形したり扉の取付位置がずれたりしたときにも、扉と固定枠との相互間隔を調整し直す必要がある。そこで、本願出願人は、扉の厚さ方向(扉正面に対峙する作業者の前後)、扉の幅方向(同じく左右)及び扉の高さ方向(同じく上下)の3方向での位置調整(隙間調整)を各々独立して行なえる蝶番及び蝶番付き扉ユニットを提案した(特許文献1,2参照)。
さらに、特許文献3では、扉を勢いよく頻繁に開閉しても上側蝶番における蝶番軸の下方へのずれ(外れ)を抑止できる、抜け止め機能が付加された蝶番付き扉ユニットが開示されている。特許文献3に開示された抜け出し防止機構は、ねじ先端での締め付けによって蝶番軸(枠側保持軸)の周面を圧接保持したり、長孔に嵌挿したねじの締め付けによって蝶番軸の下端面をL字形規制板で持ち上げ保持したりするものであって、扉取付部(固定枠)に対して扉を着脱する際に、蝶番軸を出し入れするたびにねじを緩めて締め付ける所作を伴うものである。したがって、ねじの締め忘れや締め付け不足により依然として蝶番軸の抜け出しが発生するおそれがあり、更なる改善の余地がある。
特許第3798416号公報 特許第4669798号公報 特開2012−021307号公報
本発明の課題は、開き戸等の扉体の厚さ方向、幅方向及び高さ方向の扉位置調整が容易に実施できるとともに、上側蝶番において蝶番軸の抜け止め機能を向上させて安全性及び操作性を高めた蝶番付き扉ユニットを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の前提となる蝶番付き扉ユニットは、
扉取付部に対して開閉可能な扉体の下部に下側蝶番が取り付けられる一方、その扉体の上部に上側蝶番が取り付けられ、これらの下側蝶番及び上側蝶番はそれぞれ、前記扉取付部に装着される取付部側ヒンジプレートと、前記扉体に装着される扉側ヒンジプレートと、それら両ヒンジプレートを前記扉体の開閉方向において相対的に回動可能に連結する蝶番軸とを有する蝶番付き扉ユニットにおいて、
前記下側蝶番は、
前記扉側ヒンジプレートに取り付けられるとともに、前記扉体を前記蝶番軸の軸線に直交する面において厚さ方向へ移動させ、かつその直交面において前記厚さ方向に直交する前記扉体の幅方向及び前記蝶番軸の軸線に沿う前記扉体の高さ方向への前記扉体の移動をそれぞれ許容するための第一の調整機構と、
前記扉側ヒンジプレートに取り付けられるとともに、前記扉体を前記幅方向へ移動させ、かつ前記厚さ方向及び前記高さ方向への前記扉体の移動をそれぞれ許容するための第二の調整機構と、
前記蝶番軸に取り付けられるとともに、前記扉体を前記高さ方向へ移動させ、かつ前記取付部側ヒンジプレート及び前記扉側ヒンジプレートの相対的な回動を許容するための第三の調整機構とを備え、
一方、前記上側蝶番は、
前記第一の調整機構と、前記第二の調整機構と、前記蝶番軸に組み込まれるとともに前記扉体の高さ方向への移動に追従する弾発部材を有し、かつ前記取付部側ヒンジプレート及び前記扉側ヒンジプレートの相対的な回動を許容するための追従移動機構とを備え、
さらに、前記上側蝶番には、前記蝶番軸を構成し前記弾発部材で上向きの弾発力を付与された軸状部材と、その軸状部材の下端に固定され、当該軸状部材の軸線周りで一体的に回転操作可能であり、かつ前記弾発部材の弾発力に抗して前記軸状部材とともに軸線に沿って下方移動操作可能な操作部材と、前記第一の調整機構と前記第二の調整機構と前記追従移動機構とを収容するケース体と、前記ケース体に固定され、前記軸状部材が挿通された状態で、前記弾発部材の上向きの弾発力により前記操作部材を着座させるための受け部材と、前記ケース体に被せられ前記操作部材及び受け部材を覆うためのカバー体とが設けられ、
前記操作部材は周方向の所定位置において前記受け部材により下方移動を阻止され、前記カバー体は前記操作部材が下方移動を阻止された状態でのみ前記操作部材及び受け部材を覆いかつ前記ケース体に装着可能である。
このような蝶番付き扉ユニットによれば、操作部材と軸状部材とを一体的に回転操作すると、操作部材の下方移動が受け部材により阻止され、上側蝶番における蝶番軸の抜け止め(抜け出し防止)を図ることができる。すなわち、従来のように扉の着脱のために蝶番軸を出し入れするたびにねじを緩めて締め付ける作業を要しないから、操作性が向上するとともに、ねじの締め忘れや締め付け不足による蝶番軸の抜け出しはきわめて発生しにくくなり、安全性を高めることができる。しかも、操作部材が下方移動を阻止された状態でのみ、カバー体はケース体に装着可能であるから、安全性の一層の向上を図るとともに、抜け止め操作の完了を作業者に報知することができる。例えば、操作部材が下方移動を阻止された状態でない場合に、カバー体のケース体への装着が不完全な状態を留める(カバー体がケース体をカバーできない、ケース体から落下する等)ようにすれば、蝶番軸の抜け止め不完全状態が作業者には一目瞭然となる。
なお、上記蝶番付き扉ユニットでは、扉体(例えば開き戸)の厚さ方向、幅方向及び高さ方向の3方向の位置調整が、各々独立して、かつ扉取付部(例えば固定枠)を閉鎖する状態で扉体の内側又は外側で一括して行なえる。つまり、作業者は、扉体の位置調整作業の途中で扉体を開閉し、作業位置を扉体(部屋出入口)の内側と外側との間で変更する必要がない。また、扉体の3方向の位置調整を各々独立して行なえるので、例えば幅方向の位置調整に伴って生じる厚さ方向のずれを再調整したりする必要がなく、位置調整の手順(順序)を予め決めておく必要もない。したがって、扉体と扉取付部との相互間隔(隙間)の調整が短時間で効率的に行なえるようになる。さらに、これら扉体の3方向の位置調整は、扉体が扉取付部を閉鎖する状態ですべて行なわれるので、扉体と扉取付部との相互間隔(隙間)を実際に視認しながら、適正な隙間を効率よく見出して調整することができる。
操作部材には、筒状部の周面の一部が半径方向外側に向かい扇状あるいは庇状に延びて膨出部が形成される一方、
受け部材には、操作部材の膨出部が挿入可能な大径部が形成され、
操作部材の回転操作に伴い、膨出部が受け部材の大径部に挿入されたとき、操作部材は下方移動を阻止される。
このように、操作部材と軸状部材とを一体に回転し、操作部材の筒状部から延びる膨出部を受け部材の大径部に挿入するだけの簡単な構造と操作によって、蝶番軸の抜け止め(抜け出し防止)機能を実現することができる。
その際、例えば、操作部材及び受け部材には、膨出部と大径部との相対回転位置を規制するための位置決め部(膨出部と大径部のうちのいずれか一方に位置決め凸部、他方に位置決め凹部)を各々形成することによって、抜け止め操作の完了を作業者に感覚的に伝達することができる。
操作部材の膨出部を除く筒状部の外周面には、軸線方向に沿って凹溝が形成される一方、
カバー体の内面には、凹溝に対応する突出壁が軸線方向に沿って形成され、
膨出部が受け部材の大径部に挿入されて、操作部材が下方移動を阻止された状態にあり、カバー体が軸線方向に沿ってスライド移動されたとき、突出壁は操作部材の凹溝に挿入される。
カバー体の突出壁は操作部材の凹溝をガイドとしてスライド移動することによって、上側蝶番の組立が終了すると同時に、抜け止め操作の完了を報知できる。なお、上記凹溝は、筒状部を貫通して軸線方向に形成された切欠溝、あるいは筒状部の外周面に非貫通で軸線方向に形成された樋状通路のいずれでもよい。
軸状部材の上端部は取付部側ヒンジプレートのプレート面よりも上方に突出するとともに、その突出部分には軸状部材の取付部側ヒンジプレートからの抜け出しを阻止する抜け止め部材が装着されている。
軸状部材の下端部に設ける操作部材と併せて、軸状部材の上端部に抜け止め部材を装着することによって、蝶番軸の抜け止めをより確実に行うことができる。
軸状部材の突出部分の外周面には所定深さの周溝が形成され、
抜け止め部材は、その周溝に対し軸線と交差する方向に着脱可能で、かつ軸線周りで回転自在に装着される抜け止めクリップであり、永久磁石の磁着力により取付部側ヒンジプレートのプレート面に吸着固定可能である。
抜け止めクリップは取付部側ヒンジプレートに吸着固定された状態を維持するので、扉体の開閉につれて抜け止めクリップが枠体等の扉取付部から突出せず見栄えがよい。
これらの抜け止めクリップ及び永久磁石が合成樹脂製のクリップケースに収容されるときには、上側蝶番のケース体の組立工程、扉体への上側蝶番の取付工程、扉取付部への扉ユニットの取付工程、及び扉位置の調整工程のいずれにおいても抜け止めクリップを紛失しにくくなり、また軸状部材の周溝への抜き差し作業が容易になり、作業ミスも減少する。
なお、上記クリップケースが抜け止めクリップ及び永久磁石をインサート金具とするインサート成形によって形成される場合には、部品点数を削減し、構造を簡素化することができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の蝶番付き扉ユニットは、
扉取付部に対して開閉可能な扉体の下部に下側蝶番が取り付けられる一方、その扉体の上部に上側蝶番が取り付けられ、これらの下側蝶番及び上側蝶番はそれぞれ、前記扉取付部に装着される取付部側ヒンジプレートと、前記扉体に装着される扉側ヒンジプレートと、それら両ヒンジプレートを前記扉体の開閉方向において相対的に回動可能に連結する蝶番軸とを有する蝶番付き扉ユニットにおいて、
前記下側蝶番は、
前記扉側ヒンジプレートに取り付けられるとともに、前記扉体が前記扉取付部を閉鎖する状態でその扉体を前記蝶番軸の軸線に直交する面において第一方向としての厚さ方向へ移動させ、かつその直交面において前記厚さ方向に直交する第二方向としての前記扉体の幅方向及び前記蝶番軸の軸線に沿う第三方向としての前記扉体の高さ方向への前記扉体の移動をそれぞれ許容する第一係合部が配置された第一の調整機構と、
前記扉側ヒンジプレートに取り付けられるとともに、前記扉体を前記幅方向へ移動させ、かつ前記厚さ方向及び前記高さ方向への前記扉体の移動をそれぞれ許容する第二係合部が、前記記高さ方向から見て前記第一係合部と直交状に重なり合う形態で配置された第二の調整機構と、
前記蝶番軸に組み込まれるとともに、前記扉体を前記高さ方向へ移動させ、かつ前記取付部側ヒンジプレートに対する前記扉側ヒンジプレートの回動を許容する第三係合部が、前記第一係合部及び前記第二係合部の重ね合わせ部分を貫通する形態で配置された第三の調整機構とを備え、
一方、前記上側蝶番は、
前記第一の調整機構と、前記第二の調整機構と、前記蝶番軸に組み込まれるとともに前記扉体の高さ方向への移動に追従する弾発部材を有し、かつ前記取付部側ヒンジプレート及び前記扉側ヒンジプレートの相対的な回動を許容するための追従移動機構とを備え、
前記下側蝶番及び上側蝶番にそれぞれ配置された前記第一の調整機構による前記扉体の厚さ方向への移動と、前記下側蝶番び上側蝶番にそれぞれ配置された前記第二の調整機構による前記扉体の幅方向への移動と、前記下側蝶番に配置された前記第三の調整機構による前記扉体の高さ方向への移動及び前記上側蝶番に配置された前記追従移動機構の弾発部材による追従移動とが各々他の調整に影響を与えることなく別々に、前記扉体が前記扉取付部を閉鎖する状態でその扉体の内側又は外側の同じ側から行なわれ、それら扉体部との相互間隔が微調整可能であり、
さらに、前記上側蝶番には、前記蝶番軸を構成し前記弾発部材で上向きの弾発力を付与された軸状部材と、その軸状部材の下端に固定され、当該軸状部材の軸線周りで一体的に回転操作可能であり、かつ前記弾発部材の弾発力に抗して前記軸状部材とともに軸線に沿って下方移動操作可能な操作部材と、前記軸状部材が挿通された状態で、前記弾発部材の上向きの弾発力により前記操作部材を着座させるための受け部材とが設けられ、
前記操作部材は周方向の所定位置において前記受け部材により下方移動を阻止されることを特徴とする。
上記蝶番付き扉ユニットにおいて、操作部材と軸状部材とを一体的に所定の位置まで回転操作したとき、操作部材の下方移動が受け部材により阻止されるので、上側蝶番における蝶番軸の抜け止め(抜け出し防止)を図ることができる。その際、従来の作業(すなわち、蝶番軸を出し入れして扉を着脱するたびにねじを緩めて締め付ける作業)を要しなくなるので、操作性が向上するとともに、ねじの締め忘れや締め付け不足による蝶番軸の抜け出しはきわめて発生しにくくなり、安全性を高めることができる。
操作部材は扁平な板状の環状部に形成され、その環状部の周方向の一部が半径方向外側に向かい扇状あるいは庇状に延びて膨出部が形成される一方、
受け部材には、操作部材の膨出部が挿入可能な大径部が形成され、
操作部材の回転操作に伴い、膨出部が受け部材の大径部に挿入されたとき、操作部材は下方移動を阻止される。
このように、操作部材と軸状部材とを一体に回転し、操作部材の環状部から延びる膨出部を受け部材の大径部に挿入するだけの簡単な構造と操作によって、蝶番軸の抜け止め(抜け出し防止)機能を実現することができ、蝶番の上下方向寸法(高さ)を抑制して小型化を図ることができる。
受け部材と操作部材との間の軸状部材には、弾発部材の弾発力に抗して操作部材を軸状部材とともに下方移動した仮止め状態を維持させておくための仮止め部材が設けられる。
蝶番軸を介して扉ユニットを扉取付部へ取り付けた後、仮止め部材を軸状部材から除去すれば、扉取付部への取付作業が完了するので、取付作業の容易化を図り、短時間で効率的に行うことができる。なお、仮止め部材として、合成樹脂製で環状又は筒状のクリップ又はリング(止め輪)、紙製で筒状のストッパ、金属製で軸状又は筒状の貫通部材等を用いることができる。
なお、操作部材と仮止め部材とを一体化すること(抜け止めと仮止めとの兼用構造)により、蝶番及び蝶番付き扉ユニットの構造を簡略化し、抜け止めや仮止めに要する作業時間を短縮することができる。
本発明に係る蝶番付き扉ユニットを固定枠に取り付けた状態を示す、内側から見た正面図及び側面図。 図1の蝶番付き扉ユニットに用いられる下側蝶番の一例を拡大して示す斜視図。 図2に示す下側蝶番の分解斜視図。 図1の蝶番付き扉ユニットに用いられる上側蝶番の一例を拡大して示す斜視図。 図4に示す上側蝶番の分解斜視図。 固定枠に対する扉ユニットの取付工程を示す斜視図。 図6に続く取付工程を示す斜視図。 図7に続く取付工程を示す斜視図。 図8に続く取付工程を示す斜視図。 抜け止めクリップの組立工程を示す説明図。 図1の蝶番付き扉ユニットに用いられる上側蝶番の他の例を拡大して示す斜視図。 図11に示す上側蝶番の分解斜視図。 固定枠に対する扉ユニットの取付工程を示す斜視図。 図13に続く取付工程を示す斜視図。 図14に続く取付工程を示す斜視図。 図15に続く取付工程を示す斜視図。 図1の蝶番付き扉ユニットに用いられる上側蝶番のさらに他の例を部分拡大して示す説明図。 図17に続く取付工程を示す斜視図。
(実施例1)
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態について説明する。図1に示す蝶番付き扉ユニット(以下、単に扉ユニットという)1には、部屋出入口等を構成する縦長矩形状の固定枠5(扉取付部)に対して開閉可能な開き戸2(扉体)の右下部に下側蝶番3が取り付けられ、その右上部に上側蝶番4が取り付けられている。
図1、図2に示すように、下側蝶番3は、固定枠5に固定(装着)される枠側ヒンジプレート6(取付部側ヒンジプレート)と、開き戸2の下方(高さ方向)の木口2bに固定(装着)される扉側ヒンジプレート7と、両ヒンジプレート6,7を開き戸2の開閉方向において縦方向(上下方向)の軸線O3周りに相対的に回動可能に連結する蝶番軸8と、を有する。この下側蝶番3の扉側ヒンジプレート7には、後述する前後調整機構10(第一の調整機構)、左右調整機構20(第二の調整機構)及び上下調整機構30(第三の調整機構)を収納する収納ケース50(ケース体)が固定されている(図3参照)。そして、これらの各調整機構10,20,30によって、開き戸2の厚さ方向(開き戸2の正面に対峙する作業者の前後方向)O1、開き戸2の幅方向(同じく左右方向)O2及び開き戸2の高さ方向(同じく上下方向)O3の3方向での位置調整(隙間調整)が行なわれる。
図1、図4に示すように、上側蝶番4は、固定枠5に固定(装着)される枠側ヒンジプレート106(取付部側ヒンジプレート)と、開き戸2の上方(高さ方向)の木口2aに固定(装着)される扉側ヒンジプレート7と、両ヒンジプレート106,7を開き戸2の開閉方向において上下方向の軸線O3周りに相対的に回動可能に連結する蝶番軸8(図1参照)と、を有する。この上側蝶番4の扉側ヒンジプレート7には、後述する前後調整機構10(第一の調整機構)、左右調整機構20(第二の調整機構)及び上下移動機構40(追従移動機構)を収納する収納ケース50(ケース体)が固定されている(図5参照)。そして、これらの各調整機構10,20によって、開き戸2の厚さ方向(開き戸2の正面に対峙する作業者の前後方向)O1及び開き戸2の幅方向(同じく左右方向)O2の2方向での位置調整(隙間調整)が行なわれる。また、上下移動機構40は、上記した下側蝶番3の上下調整機構30による開き戸2の高さ方向(同じく上下方向)O3への位置調整(隙間調整)に追従して、開き戸2を高さ方向に移動・保持する。
なお、開き戸2の3方向の位置調整(隙間調整)は、開き戸2が固定枠5を閉鎖する状態で、開き戸2(部屋出入口)の内側又は外側の同じ側から行なえる。また、原則として以下の記載では、開き戸2の移動方向や位置を示すときには、厚さ方向O1、幅方向O2及び高さ方向O3と表わし、開き戸2と固定枠5との隙間(相互間隔)を示すときには、前後隙間S1、左右隙間S2及び上下隙間S3(図1参照)と表わす。
次に、下側蝶番3の具体的構成を図2、図3に基づいて説明する。図3に示すように、枠側ヒンジプレート6は、固定枠5に固定される固定片6aと、蝶番軸8を構成する枠側固定軸31(軸状部材;第三係合部;第三の作動部)を固定するための貫通孔6cが形成された保持片6bとがL字状(直角状)に形成されている。枠側固定軸31は、その先端部31a(支持体;第三係合部;第三の作動部)が曲面状(例えば半球面状)に形成され、その基端部31dが貫通孔6cに挿通後、カシメ等により保持片6b(貫通孔6c)に回転不能に固着されている。
図3に示すように、扉側ヒンジプレート7は、開き戸2の下端(高さ方向O3)に固定される固定片7aと、固定片7aから開き戸2の厚さ方向O1に突出してサイコロ状(擬似立方体形状)の収納ケース50を支持・固定する支持片7bとを有する。また、貫通孔7dは、後述する上下調整機構30(蝶番軸8)を挿入するために、支持片7bに高さ方向O3(軸線)に沿って非円形状(例えば四角形状)に貫通形成している。
2面(例えば正面、下面)に開口し残り4面を箱状の壁部50a〜50dに形成された擬似立方体形状の板金製収納ケース50に、3つの調整機構、すなわち前後調整機構10、左右調整機構20及び上下調整機構30がそれぞれ収納されている。収納ケース50は、下面の開口部が支持片7bで蓋をされる形態で、扉側ヒンジプレート7に固定されている。なお、収納ケース50の頂壁部50aには、上下調整機構30(蝶番軸8)を挿入するために、高さ方向O3(軸線)において支持片7bの貫通孔7dと一致する形態で、非円形状(例えば四角形状)の貫通孔50fが貫通形成されている。
そして、収納ケース50は、他物との接触による損傷、塵埃の侵入等から保護するために、相似形状の樹脂製収納ケースカバー51(カバー体)で覆われている。
3つの調整機構のうち、前後調整機構10は、収納ケース50に収納されるとともに、開き戸2を厚さ方向O1へ移動させ、かつ幅方向O2及び高さ方向O3への開き戸2の移動をそれぞれ許容する前後スライダ11(第一係合部;第一の作動部)を有している。
具体的には、前後スライダ11は、開き戸2の幅方向O2に沿って長孔状で高さ方向O3に貫通形成された貫通孔11aを有している。貫通孔11aは、後述するスリーブ32(蝶番軸8)と係合することによって開き戸2を厚さ方向O1へ移動させ、かつスリーブ32(蝶番軸8)との係合を回避することによって幅方向O2及び高さ方向O3への開き戸2の移動を許容する。前後スライダ11は、幅方向O2に突出する突片11cを有し、突片11cに厚さ方向O1に貫通形成された雌ねじ部11bを備える。したがって前後調整ねじ12(第一の操作部)を雌ねじ部11bに螺合して回動することによって、前後スライダ11が開き戸2の厚さ方向O1へ移動し、前後隙間S1が調整される(図1参照)。
また、左右調整機構20は、図3に示すように、収納ケース50に収納されるとともに、開き戸2を幅方向O2へ移動させ、かつ厚さ方向O1及び高さ方向O3への開き戸2の移動をそれぞれ許容する左右スライダ21(第二係合部;第二の作動部)を有している。
具体的には、左右スライダ21は、図3に示すように、開き戸2の厚さ方向O1に沿って長孔状で高さ方向O3に貫通形成された貫通孔21aを有し、高さ方向O3から見て前後スライダ11と直交状に重合する形態で配置されている。貫通孔21aは、後述するスリーブ32(蝶番軸8)と係合することによって開き戸2を幅方向O2へ移動させ、かつスリーブ32(蝶番軸8)との係合を回避することによって厚さ方向O1及び高さ方向O3への開き戸2の移動を許容する。左右スライダ21は、幅方向O2に貫通形成された雌ねじ部21bを備える。したがって左右調整ねじ22(第二の操作部)を雌ねじ部21bに螺合して回動することによって、左右スライダ21が開き戸2の幅方向O2へ移動し、左右隙間S2が調整される(図1参照)。
さらに、上下調整機構30は、図3に示すように、蝶番軸8に組み込まれるとともに、開き戸2を高さ方向O3へ移動させ、かつ枠側ヒンジプレート6に対する扉側ヒンジプレート7の回動を許容する第三係合部31〜33(第三の作動部)を有している。
具体的には、上下調整機構30は、枠側ヒンジプレート6に固定された枠側固定軸31(軸状部材;第三係合部;第三の作動部)と、枠側固定軸31に同芯状に被せられて係合するとともに扉側ヒンジプレート7に保持されたスリーブ32(筒状部材;第三係合部;第三の作動部)とを有する。枠側固定軸31及びスリーブ32は、前後スライダ11と左右スライダ21との重合部分、すなわち貫通孔11a,21aを貫通する形態で配置されている。
スリーブ32は、その内周面の一部(上半部)に高さ方向O3に沿って形成された雌ねじ部32aを備えている。一方、枠側固定軸31とスリーブ32との間には後述するピボット軸受33が設けられ、そのピボット軸受33の外周面に上下調整ねじ33a(第三の操作部)が形成されている。したがって、上下調整ねじ33aが雌ねじ部32aと螺合することによって、スリーブ32が開き戸2の高さ方向O3へ移動し、上下隙間S3が調整される(図1参照)。
さらに、図3に示すように、スリーブ32の本体部32bの外周面は、軸線O3方向から見て、先端部32b1のみが円形状に形成され、貫通孔11a,21aを貫通する部分を含む残余部32b2が非円形状(例えば擬似四角形状)に形成されている。また、枠側固定軸31とスリーブ32との間には、扉側ヒンジプレート7の回動に伴うスリーブ32の回転変位を受け止めるピボット軸受33(軸受体;第三係合部;第三の作動部)が設けられている。これらの構成により、固定枠5に対する開き戸2の開閉に基づいて、扉側ヒンジプレート7及びスリーブ32は、ピボット軸受33とともに枠側固定軸31の軸線O3周りに、前後スライダ11及び左右スライダ21と一体的に回動する。
ここで、ピボット軸受33は、その外周面に形成された上下調整ねじ33aによりスリーブ32の所定高さ位置に固定・維持され、開き戸2の開閉に基づいてスリーブ32とともに一体的に回動する。そして、枠側固定軸31の先端部31aが保持されている。一方、ピボット軸受33の軸受本体33bは樹脂製とされ、枠側固定軸31の先端部31aとの接触面33cは曲面状(例えば球面状)に形成されている。このように、先端部31aが曲面状の接触面33cと接してピボット軸受33を支持することによって、ピボット軸受33と枠側固定軸31との間の摩擦が低減され、ピボット軸受33は軸線O3周りで円滑に回転するようになる。
なお、ピボット軸受33の上下調整ねじ33aが金属製、軸受本体33bが樹脂製にて各々構成されるように、上下調整ねじ33aの一部を軸受本体33bとともにインサート成形してもよい。
以上のような構成を有する下側蝶番3の組立方法について説明する。
(1−1)収納ケース50組立工程<図3>
前後スライダ11と左右スライダ21とを高さ方向O3から見て直交状に重ね合わせて収納ケース50内に収納する。前後調整ねじ12を、前後スライダ11の雌ねじ部11bに螺合し、左右調整ねじ22を左右スライダ21の雌ねじ部21bに螺合する。
(1−2)収納ケース50セット工程<図3>
扉側ヒンジプレート7の支持片7bに収納ケース50を載置・固定する。スリーブ32の本体部32bを、支持片7bの貫通孔7dに高さ方向O3に沿って挿入し、フランジ部32cを扉側ヒンジプレート7に着座させる。収納ケース50の貫通孔50fから突出したスリーブ32の先端部32b1は、頂壁部50aの上面に位置させた四角孔付き座金53と座金54とに挿通され、座金53,54はともに皿状に加締められて収納ケース50の頂壁部50aに固定される。これによって、スリーブ32は、扉側ヒンジプレート7(開き戸2)とともに一体的に回動可能となる。なお、座金54側(貫通孔50f側)から、ピボット軸受33の上下調整ねじ33aをスリーブ32の雌ねじ部32aに螺合させておく。
次に、上側蝶番4では、図4、図5に示すように、下側蝶番3の上下調整機構30の代わりに、上下移動機構40(追従移動機構)を備えている。上下移動機構40は、蝶番軸8に取り付けられるとともに、開き戸2の高さ方向O3への移動に追従し、かつ枠側ヒンジプレート106に対する扉側ヒンジプレート7の回動を許容する。
上下移動機構40は、枠側ヒンジプレート106の貫通孔106aに上端(先端)が挿入される枠側保持軸41(軸状部材)と、枠側保持軸41に同芯状に被せられたスリーブ42(筒状部材)と、枠側保持軸41及びスリーブ42の間に介装された圧縮コイルばね43(弾発部材)とを有する。下側蝶番3の上下調整機構30によって、開き戸2が高さ方向O3へ移動したとき、圧縮コイルばね43の弾発力によって開き戸2を枠側ヒンジプレート106側(上方側)に保持しつつ、枠側保持軸41は開き戸2の高さ方向O3への移動に追従する。
図5に示すように、枠側保持軸41は、一端側(上端側)に本体部41bよりも大径に形成された大径部41aを有している。一方、スリーブ42は、その内周面に高さ方向O3に沿って形成された円形孔部42aを有している。また,圧縮コイルばね43は、枠側保持軸41の本体部41bとスリーブ42の円形孔部42aとの間に配置され、その両端は、枠側保持軸41の大径部41a及びスリーブ42の円形孔部42aの各々の段部で保持されている。
さらに、図5に示すように、スリーブ42の本体部42bの外周面は、軸線O3方向から見て、先端部42b1のみが円形状に形成され、貫通孔11a,21aを貫通する部分を含む残余部42b2が非円形状(例えば擬似四角形状)に形成されている。これにより、固定枠5に対する開き戸2の開閉に基づいて、扉側ヒンジプレート7及びスリーブ42は、蝶番軸8の軸線O3周りに、前後スライダ11及び左右スライダ21と一体的に回動する。
なお、枠側保持軸41及びスリーブ42は、前後スライダ11と左右スライダ21との重合部分、すなわち貫通孔11a,21aを貫通する形態で配置されている。その他、前後調整機構10,左右調整機構20,収納ケース50の構成は下側蝶番3と同様であるので、説明を省略する。
ところで、図5に示すように、枠側ヒンジプレート106に形成された高さ方向O3の貫通孔106aには、プラスチック製で円筒状のスリーブ106bが嵌め込まれている。枠側保持軸41はスリーブ106bの内側を通り、その上端部(先端部)は枠側ヒンジプレート106の上面であるプレート面106pから突出している。また、枠側保持軸41は、大径部41aの形成側とは反対側の本体部41bの端面(下端面)に形成された雌ねじ部41cを有している。固定用ねじ44(取付具)が雌ねじ部41cと螺合することによって、操作部材45(通常は扁平なリング状である)が枠側保持軸41に固定されている。
したがって、開き戸2は圧縮コイルばね43の弾発力によって枠側ヒンジプレート106側(上方側)に保持されているので、通常の取付状態及び使用状態(開閉状態)においては、枠側保持軸41が枠側ヒンジプレート106から外れることはない。そして、圧縮コイルばね43の弾発力に抗して操作部材45を下方に引き、枠側保持軸41の大径部41aを枠側ヒンジプレート106のスリーブ106bから抜き出せば、開き戸2を固定枠5から外すことができる。しかしながら、枠側保持軸41の枠側ヒンジプレート106(貫通孔106a)への取り付け(嵌め込み)が不十分であったり、開き戸2の開閉が激しく頻繁になされたりした場合には、枠側保持軸41が枠側ヒンジプレート106(貫通孔106a)から抜け出すおそれがある。そこで、この実施例では、操作部材45等に次のような工夫を加えてある。
操作部材45は、枠側保持軸41と共通の軸線Oを有する筒状部45aと、その筒状部45aの周面の一部が所定角度範囲(例えば90°)にわたって半径方向外側に向かい扇状(又は庇状)に延びて形成された膨出部45bとを有し、枠側保持軸41の抜け出しを防止する抜け止めリングとして機能する。
具体的には、この抜け止めリング45は、収納ケース50から突出した枠側保持軸41の本体部41bの下端面との接触状態にて固定用ねじ44で固定され、収納ケース50の頂壁部50aの上面に加締められた、リング受け金具153(受け部材)の四角孔付き座金部153aと座金54とに着座する。リング受け金具153には、座金部153aの周方向の一部が軸線O方向に折り曲げられて、抜け止めリング45の膨出部45bが挿入可能な大径部153bが形成され、さらに周方向の一部が大径部153bと同幅で軸線O方向に折り曲げられて、抜け止めリング45の筒状部45aが挿入可能な小径部153cが形成されている。
これによって、抜け止めリング45は、軸線O周りで枠側保持軸41と一体的に回転操作可能であり、圧縮コイルばね43の弾発力に抗して枠側保持軸41とともに軸線Oに沿って下方への移動操作可能である。さらに、枠側保持軸41及びスリーブ42は、扉側ヒンジプレート7(開き戸2)とともに一体的に回動可能となり、枠側保持軸41は、収納ケース50及びスリーブ42に対して軸線Oに沿って移動可能となる。そして、抜け止めリング45の回転操作に伴い、膨出部45bがリング受け金具153の大径部153bに挿入されたとき、抜け止めリング45は下方移動を阻止される。
抜け止めリング45及びリング受け金具153には、膨出部45bと大径部153bとの相対回転位置を規制するための位置決め部が各々形成されている。具体的には、抜け止めリング45の膨出部45bに位置決め凸部45dが形成される一方、リング受け金具153の大径部154bに位置決め凹部153dが形成されている。膨出部45bが大径部153bに挿入されたとき、位置決め凸部45dと位置決め凹部153dとが係合することによって、作業者は抜け止め操作の完了位置を知覚することができる。
上記した抜け止めリング45の膨出部45bを除く筒状部45aの外周面には、筒状部45aの一部を除きほぼ全長にわたり、軸線O方向に沿って切欠溝45c(凹溝)が形成されているので、筒状部45aは断面C字状に開口する。一方、収納ケースカバー151の内面には、切欠溝45cに対応する上部壁151a(突出壁)及び下部壁151bが軸線O方向に沿って各々形成されている。膨出部45bがリング受け金具153の大径部153bに挿入されて、抜け止めリング45が下方移動を阻止された状態にあり、収納ケースカバー151が軸線O方向に沿ってスライド移動されたとき、上部壁151aは抜け止めリング45の切欠溝45cに挿入される。なお、このとき下部壁151bは筒状部45a及び大径部153bの背面側を通り抜ける。その結果、収納ケースカバー151は抜け止めリング45及びリング受け金具153を覆い、収納ケース50に装着される。
既述の通り、図5において、枠側保持軸41の上端部は枠側ヒンジプレート106のプレート面106pよりも上方に突出している。そして、その突出部分には枠側保持軸41の枠側ヒンジプレート106からの抜け出しを阻止する、二股状の抜け止めクリップ46(抜け止め部材)が装着されている。枠側保持軸41の下端部に設ける抜け止めリング45と併せて、枠側保持軸41の上端部に抜け止めクリップ46を装着することによって、蝶番軸8の抜け止めが二重に図られている。
具体的には、枠側保持軸41の突出部分(上端部)の外周面には所定深さの周溝41dが形成され、二股状の抜け止めクリップ46は、その周溝41dに対し軸線Oと直交(交差)する半径方向に着脱可能で、かつ軸線O周りで回転自在に装着される。このような抜け止めクリップ46は、永久磁石48の磁着力により枠側ヒンジプレート106のプレート面106pに吸着固定可能である。抜け止めクリップ46は永久磁石48の磁着力で枠側ヒンジプレート106に吸着固定された状態を維持するので、開き戸2が開閉しても抜け止めクリップ46は固定枠5から突出せず見栄えがよい。
図10に示すように、抜け止めクリップ46及び永久磁石48は、合成樹脂製のクリップケース47のクリップ収容凹部47a及び永久磁石収容凹部47bに各々収容されているので、抜け止めクリップ46を紛失しにくくなり、また枠側保持軸41の周溝41dへの抜き差し作業が容易になる。なお、このようなクリップケース47が抜け止めクリップ46及び永久磁石48をインサート金具とするインサート成形によって形成される場合には、部品点数を削減し、構造を簡素化することができる。
図5に戻り、枠側保持軸41には、扉ユニット1の固定枠5への取付作業時において、その枠側保持軸41を圧縮コイルばね43の弾発力に抗して下方に突出・維持させておくために、合成樹脂製の仮止めリング9(仮止め部材)が収納ケース50の頂壁部50a(リング受け金具153の座金部153a及び座金54)と抜け止めリング45との間に介装されている。この仮止めリング9の先端側には枠側保持軸41が嵌りこむためにC字状に開口するリング部9aが形成されるとともに、リング部9aと連続して一体成形される基端側には円盤状の摘み部9bを形成している。
そして、抜け止めリング45を下方に引いた状態で、仮止めリング9のリング部9aを枠側保持軸41に嵌合させるようにC字状の開口を押し込んで装着することにより、枠側保持軸41を下方に突出・維持させた状態にできる。さらに、蝶番軸8(枠側保持軸41)を介して扉ユニット1を固定枠5へ取り付けた後、仮止めリング45を枠側保持軸41から除去すれば、固定枠5への取付作業が完了するので、取付作業の容易化を図り、短時間で効率的に行うことができる。
以上のような構成を有する上側蝶番4の組立方法について説明する。
(2−1)収納ケース50組立工程<図5>
下側蝶番3の収納ケース50組立工程と同様であるので、説明を省略する。
(2−2)収納ケース50セット工程<図5>
扉側ヒンジプレート7の支持片7bに収納ケース50を載置・固定する。スリーブ42の本体部42bを、支持片7bの貫通孔7dに軸線Oに沿って挿入し、支持片7bの上面にフランジ部42cを着座させる。収納ケース50から突出した枠側保持軸41の本体部41bは、頂壁部50aの上面に位置させたリング受け金具153の四角孔付座金部153aと座金54とに挿通され、座金部153aと座金54とは、ともに皿状に加締められて収納ケース50の頂壁部50aに固定される。一方、固定用ねじ44によって抜け止めリング45は枠側保持軸41の本体部41bに固定される。これによって、枠側保持軸41及びスリーブ42は、扉側ヒンジプレート7(開き戸2)とともに一体的に回動可能となり、枠側保持軸41及び抜け止めリング45は、収納ケース50及びスリーブ42に対して高さ方向O3に沿って移動可能となる。
次に、扉ユニット1を固定枠5に対して取り付ける方法について説明する。
(3−1)準備工程<図1;図5>
下側蝶番3において、一方の枠側ヒンジプレート6を固定枠5に固定するとともに、他方の扉側ヒンジプレート7を開き戸2の下方の木口2bに固定する(図1参照)。同様に、上側蝶番4において、一方の枠側ヒンジプレート106を固定枠5に固定するとともに、他方の扉側ヒンジプレート7を開き戸2の上方の木口2aに固定する(図1参照)。なお、上側蝶番4の抜け止めリング45を下方に引いた状態で、仮止めリング9のリング部9aを枠側保持軸41に嵌合させるように押し込んで装着するとともに、枠側保持軸41の周溝41dに抜け止めクリップ46を押し込んで装着しておく(図5参照)。
(3−2)下側蝶番3取付工程<図3、図2>
そして、下側蝶番3の枠側ヒンジプレート6に固定された枠側固定軸31を扉側ヒンジプレート7に保持されたスリーブ32に挿通し、枠側固定軸31の先端部31aとピボット軸受33の接触面33cとを接触させ、下側蝶番3を枠側ヒンジプレート6に保持させる(図3、図2参照)。
(3−3)上側蝶番4取付工程<図6、図7>
仮止めリング9により枠側保持軸41が下方に突出した状態の上側蝶番4を、枠側保持軸41の大径部41aと枠側ヒンジプレート106のスリーブ106bとの中心位置を合わせるように移動する(図6参照)。その後、抜け止めクリップ46を枠側保持軸41の周溝41dから外し、仮止めリング9を枠側保持軸41から外すことにより、枠側保持軸41は圧縮コイルばね43の弾発力によって枠側ヒンジプレート106のスリーブ106bに挿入され、上側蝶番4が扉側ヒンジプレート7に保持される。これによって扉ユニット1が固定枠5に対して取り付けられて開閉可能となる(図7参照)。
(3−4)上側蝶番4抜け止めセット工程<図8>
枠側保持軸41の周溝41dに抜け止めクリップ46を再び装着する。また、膨出部45bがリング受け金具153の大径部153bに挿入されるまで(例えば180°)抜け止めリング45を回転操作し、抜け止めリング45の下方移動ができない状態にセットする。
次に、扉ユニット1を固定枠5に対して位置調整する方法(隙間調整する方法)について、図1、図2、図4を参照しつつ説明する。
(4−1)厚さ方向O1調整工程(前後隙間S1調整工程)
開き戸2が固定枠5を閉鎖する状態に維持する。下側蝶番3及び上側蝶番4に備えられた前後調整機構10により、開き戸2をそれぞれ厚さ方向O1へ移動して位置調整する。これによって、開き戸2と固定枠5との前後隙間S1(図1(B)参照)が調整される。
(4−2)幅方向O2調整工程(左右隙間S2調整工程)
下側蝶番3及び上側蝶番4に備えられた左右調整機構20により、開き戸2をそれぞれ幅方向O2へ移動して位置調整する。これによって、開き戸2と固定枠5との左右隙間S2(図1(A)参照)が調整される。
(4−3)高さ方向O3調整工程(上下隙間S3調整工程)
下側蝶番3に備えられた上下調整機構30により、開き戸2を高さ方向O3へ移動して位置調整する。このとき、上側蝶番4に備えられた上下移動機構40は、開き戸2の高さ方向O3への移動に追従する。これによって、開き戸2と固定枠5との上下隙間S3(図1(A)参照)が調整される。
(4−4)収納ケースカバー51,151セット工程
3方向の位置調整を終えた下側蝶番3の収納ケース50に収納ケースカバー51を被せるとともに(図2参照)、上側蝶番4の収納ケース50に収納ケースカバー151を被せる(図4、図9参照)。なお、上側蝶番4においては、抜け止めリング45の膨出部45bがリング受け金具153の大径部153bに挿入されて抜け止めリング45の下方移動が阻止された状態(図8参照)でのみ収納ケース50に収納ケースカバー151を装着することができる。
このように、抜け止めリング45と枠側保持軸41とを一体に回転し、抜け止めリング45の筒状部45aから延びる膨出部45bをリング受け金具153の大径部153bに挿入するだけの簡単な構造と操作によって、蝶番軸8の抜け止め(抜け出し防止)機能を実現することができる。
(実施例2)
図11は本発明に係る蝶番付き扉ユニットに用いられる上側蝶番の他の例を示す斜視図、図12はその上側蝶番の分解斜視図である。この実施例に示す上側蝶番4は図1及び図2(実施例1)とは次の点で異同がある。
(a)図11、図12に示すように、抜け止めリング145(操作部材)は、枠側保持軸41と共通の軸線Oを有する扁平な板状の環状部145aと、その環状部145aの周方向の一部が所定角度範囲(例えば90°)にわたって半径方向外側に向かい扇状(又は庇状)に延びて形成された膨出部145bとを有し、枠側保持軸41(軸状部材)の抜け出しを防止する機能を有する。そして、抜け止めリング145の回転操作に伴い、膨出部145bがリング受け金具253(受け部材)の大径部253bに挿入されたとき、抜け止めリング145は下方移動を阻止される。なお、本実施例の抜け止めリング145及びリング受け金具253にも、膨出部145bと大径部253bとの相対回転位置を規制するための位置決め部145d,253dが各々形成されている。
この抜け止めリング145は筒状部を有しないので、軸線方向の切欠溝(凹溝)も存在せず、収納ケースカバー51(カバー体)の内面には突出壁が設けられていない。したがって、実施例2では大径部253bを設ける位置は周方向において自由に選択できる。
(b)リング受け金具253には、抜け止めリング145の膨出部145bが挿入可能な大径部253bが座金部253aに接続して形成されている。しかし、抜け止めリング145が扁平形状であるため、リング受け金具253には実施例1のように筒状部に対応する小径部が形成されていない。実施例2の抜け止めリング145や収納ケースカバー51の上下方向寸法(高さ)は実施例1よりも小さく、小型コンパクトに形成できる。
(c)枠側ヒンジプレート106(取付部側ヒンジプレート)には高さ方向O3の貫通孔106aを塞ぐようにプラスチック製のキャップ106c(蓋部材)が嵌め込まれている。具体的には、キャップ106cは頂部が閉じて下方側に開口するように形成され、枠側保持軸41の先端(上端)が下方側の開口から挿入されるので、実施例2の枠側保持軸41の上端部には周溝が形成されず、実施例1の抜け止めクリップは設けられていない。
実施例2において、「下側蝶番3の組立方法」及び「上側蝶番4の組立方法」は実施例1と同様である。次に、実施例2における「扉ユニット1を固定枠5に対して取り付ける方法」について説明する。
(3−1)準備工程<図1;図12>
下側蝶番3において、一方の枠側ヒンジプレート6を固定枠5に固定するとともに、他方の扉側ヒンジプレート7を開き戸2の下方の木口2bに固定する(図1参照)。同様に、上側蝶番4において、一方の枠側ヒンジプレート106を固定枠5に固定するとともに、他方の扉側ヒンジプレート7を開き戸2の上方の木口2aに固定する(図1参照)。なお、上側蝶番4の抜け止めリング145を下方に引いた状態で、仮止めリング9のリング部9aを枠側保持軸41に嵌合させるように押し込んで装着する(図12参照)。
(3−2)下側蝶番3取付工程<図3、図2>
実施例1の下側蝶番3取付工程と同様である。
(3−3)上側蝶番4取付工程<図13、図14>
仮止めリング9により枠側保持軸41が下方に突出した状態の上側蝶番4を、枠側保持軸41の大径部41aと枠側ヒンジプレート106のキャップ106cとの中心位置を合わせるように移動する(図13参照)。その後、仮止めリング9を枠側保持軸41から外すことにより、枠側保持軸41は圧縮コイルばね43の弾発力によって枠側ヒンジプレート106のキャップ106cに挿入され、上側蝶番4が扉側ヒンジプレート7に保持される。これによって扉ユニット1が固定枠5に対して取り付けられて開閉可能となる(図14参照)。
(3−4)上側蝶番4抜け止めセット工程<図15>
膨出部145bがリング受け金具253の大径部253bに挿入されるまで(例えば180°)抜け止めリング145を回転操作し、抜け止めリング145の下方移動ができない状態にセットする。
次に、実施例2において、「扉ユニット1を固定枠5に対して位置調整する方法(隙間調整する方法)」は実施例1と同様である。
このように、抜け止めリング145と枠側保持軸41とを一体に回転し、抜け止めリング145の環状部145aから延びる膨出部145bをリング受け金具253の大径部253bに挿入するだけの簡単な構造と操作によって、蝶番軸8の抜け止め(抜け出し防止)機能を実現することができ、蝶番の上下方向寸法(高さ)を抑制して小型化を図ることができる。しかも、大径部253bを設ける位置は周方向において自由に選択し設定できるので、この点からもさらに蝶番の小型化に寄与できる。
(実施例3)
図17、図18は本発明に係る蝶番付き扉ユニットに用いられる上側蝶番のさらに他の例を示す説明図である。この実施例に示す上側蝶番4では、抜け止めリングと仮止めリングの機能を兼ね備えた兼用リング245(操作部材)を用いる。
図17、図18に示すように、兼用リング245(操作部材)は、軸線O周りで枠側保持軸41(軸状部材)と一体的に回転操作可能であり、圧縮コイルばね43(弾発部材)の上向きの弾発力によって、又はその弾性力に抗して枠側保持軸41とともに軸線Oに沿って上下方向への移動操作可能である。兼用リング245は、枠側保持軸41と共通の軸線Oを有する扁平な板状の環状部245aと、その環状部245aの周方向の一部が所定角度範囲(例えば90°)にわたって半径方向外側に向かい扇状(又は庇状)に延びて形成された膨出部245bとを有する。さらに、枠側保持軸41及びスリーブ42は、扉側ヒンジプレート7(開き戸2;図1参照)とともに一体的に回動可能であり、枠側保持軸41は、収納ケース50及びスリーブ42に対して軸線Oに沿って移動可能である。
リング受け金具353(受け部材)では、座金部353aの周方向の一部が軸線O方向に折り曲げられて、兼用リング245の膨出部245bが挿入可能な抜け止め用大径部353b2が形成され、その下方に形成された抜け止め用小径部353c2を挟んで、さらに周方向の一部が軸線O方向に折り曲げられて、兼用リング245の膨出部245bが挿入可能な仮止め用大径部353b1が形成され、その下方には仮止め用小径部353c1が形成されている。
兼用リング245及びリング受け金具353には、膨出部245bと仮止め用大径部353b1及び抜け止め用大径部353b2との相対回転位置を規制するための位置決め部が各々形成されている。具体的には、兼用リング245の膨出部245bに位置決め凸部245d(位置決め部)が形成される一方、リング受け金具353の仮止め用大径部353b1及び抜け止め用大径部353b2に仮止め用位置決め凹部353d1(位置決め部)及び抜け止め用位置決め凹部353d2(位置決め部)が各々形成されている。膨出部245bが仮止め用大径部353b1又は抜け止め用大径部353b2に挿入されたとき、位置決め凸部245dと仮止め用大径部353b1又は抜け止め用大径部353b2とが係合することによって、作業者は仮止め操作又は抜け止め操作の完了位置を知覚することができる。
そして、兼用リング245の回転操作及び移動操作により、膨出部245bがリング受け金具353の仮止め用大径部353b1に挿入されたとき、兼用リング245は弾発部材43の上向きの弾発力により仮止め用大径部353b1の仮止め位置L1に着座して上方移動を阻止される。一方、兼用リング245の回転操作及び移動操作により、膨出部245bがリング受け金具353の抜け止め用大径部353b2に挿入されたとき、兼用リング245は弾発部材43の上向きの弾発力により抜け止め用大径部353b2の抜け止め位置L2に着座して下方移動を阻止される。
このように、兼用リング245が仮止め操作と抜け止め操作を兼用するので、上側蝶番4ひいては蝶番付き扉ユニット1を小型でシンプルな構造にできる。
以上の実施例では開き戸2の3方向の位置調整(隙間調整)は、開き戸2が固定枠5を閉鎖する状態で、開き戸2(部屋出入口)の内側から行なうようにしたが、開き戸2の外側から行なうようにしてもよい。また、蝶番3,4を開き戸2の左側に設けてもよい。さらに、実施例2(図11〜図16)及び実施例3(図17,図18)において、実施例1(図1〜図10)と共通する機能を有する部位には同一符号を付して詳細な説明を割愛したものがある。なお、各実施例に記載された事項は、技術的な矛盾を生じない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
ところで、図3、図5に示すように、扉側ヒンジプレート7の貫通孔7dの形状、スリーブ32の残余部32b2の外形形状、及びスリーブ42の残余部42b2の外形形状はいずれも(擬似)四角形状に形成されているが、これらは他の(擬似)多角形状、(擬似)楕円形状等であってもよい。すなわち、これらの形状は、開き戸2の位置調整時にスリーブ32,42がスライダ11,21(の貫通孔11a,21a)に対して幅方向O2,厚さ方向O1に各々相対的に移動でき、かつ開き戸2の開閉時にスリーブ32,42がスライダ11,21(の貫通孔11a,21a)と一体的に回動できる形状であればよい。
ところで、次のような蝶番付き扉ユニットも他の独立した発明として把握できる。
扉取付部5に対して開閉可能な扉体2の下部に下側蝶番3が取り付けられる一方、その扉体2の上部に上側蝶番4が取り付けられ、これらの下側蝶番3及び上側蝶番4はそれぞれ、前記扉取付部5に装着される取付部側ヒンジプレート6,106と、前記扉体2に装着される扉側ヒンジプレート7,7と、それら両ヒンジプレートを前記扉体2の開閉方向において相対的に回動可能に連結する蝶番軸8とを有する蝶番付き扉ユニット1において、
前記下側蝶番3は、
前記扉側ヒンジプレート7に取り付けられるとともに、前記扉体2を前記蝶番軸8の軸線Oに直交する面において厚さ方向O1へ移動させ、かつその直交面において前記厚さ方向O1に直交する前記扉体2の幅方向O2及び前記蝶番軸8の軸線Oに沿う前記扉体2の高さ方向O3への前記扉体2の移動をそれぞれ許容するための第一の調整機構10と、
前記扉側ヒンジプレート7に取り付けられるとともに、前記扉体2を前記幅方向O2へ移動させ、かつ前記厚さ方向O1及び前記高さ方向O3への前記扉体2の移動をそれぞれ許容するための第二の調整機構20と、
前記蝶番軸8に取り付けられるとともに、前記扉体2を前記高さ方向O3へ移動させ、かつ前記取付部側ヒンジプレート6及び前記扉側ヒンジプレート7の相対的な回動を許容するための第三の調整機構30とを備え、
一方、前記上側蝶番4は、
前記第一の調整機構10と、前記第二の調整機構20と、前記蝶番軸8に組み込まれるとともに前記扉体2の高さ方向O3への移動に追従する弾発部材43を有し、かつ前記取付部側ヒンジプレート106及び前記扉側ヒンジプレート7の相対的な回動を許容するための追従移動機構40とを備え、
前記軸状部材41の上端部は前記取付部側ヒンジプレート106のプレート面106pよりも上方に突出するとともに、その突出部分には前記軸状部材41の前記取付部側ヒンジプレート106からの抜け出しを阻止する抜け止め部材46が装着され、
前記軸状部材41の突出部分の外周面には所定深さの周溝41dが形成され、
前記抜け止め部材46は、その周溝41dに対し前記軸線Oと交差する方向に着脱可能で、かつ前記軸線O周りで回転自在に装着される抜け止めクリップであり、永久磁石48の磁着力により前記取付部側ヒンジプレート106のプレート面106pに吸着固定可能であることを特徴とする蝶番付き扉ユニット1。
これによって、抜け止めクリップが永久磁石の磁着力で取付部側ヒンジプレートに吸着固定された状態を維持するので、扉体の開閉につれて抜け止めクリップが枠体等の扉取付部から突出せず見栄えがよい。
さらに、次のような蝶番付き扉ユニットも他の独立した発明として把握できる。
扉取付部5に対して開閉可能な扉体2の下部に下側蝶番3が取り付けられる一方、その扉体2の上部に上側蝶番4が取り付けられ、これらの下側蝶番3及び上側蝶番4はそれぞれ、前記扉取付部5に装着される取付部側ヒンジプレート6,106と、前記扉体2に装着される扉側ヒンジプレート7,7と、それら両ヒンジプレートを前記扉体2の開閉方向において相対的に回動可能に連結する蝶番軸8とを有する蝶番付き扉ユニット1において、
前記下側蝶番3は、
前記扉側ヒンジプレート7に取り付けられるとともに、前記扉体2を前記蝶番軸8の軸線Oに直交する面において厚さ方向O1へ移動させ、かつその直交面において前記厚さ方向O1に直交する前記扉体2の幅方向O2及び前記蝶番軸8の軸線Oに沿う前記扉体2の高さ方向O3への前記扉体2の移動をそれぞれ許容するための第一の調整機構10と、
前記扉側ヒンジプレート7に取り付けられるとともに、前記扉体2を前記幅方向O2へ移動させ、かつ前記厚さ方向O1及び前記高さ方向O3への前記扉体2の移動をそれぞれ許容するための第二の調整機構20と、
前記蝶番軸8に取り付けられるとともに、前記扉体2を前記高さ方向O3へ移動させ、かつ前記取付部側ヒンジプレート6及び前記扉側ヒンジプレート7の相対的な回動を許容するための第三の調整機構30とを備え、
一方、前記上側蝶番4は、
前記第一の調整機構10と、前記第二の調整機構20と、前記蝶番軸8に組み込まれるとともに前記扉体2の高さ方向O3への移動に追従する弾発部材43を有し、かつ前記取付部側ヒンジプレート106及び前記扉側ヒンジプレート7の相対的な回動を許容するための追従移動機構40とを備え、
さらに、前記上側蝶番4には、前記蝶番軸8を構成し前記弾発部材43で上向きの弾発力を付与された軸状部材41と、その軸状部材41の下端に固定され、当該軸状部材41の軸線O周りで一体的に回転操作可能であり、かつ前記弾発部材43の弾発力によって又はその弾性力に抗して前記軸状部材41とともに軸線Oに沿って移動操作可能な操作部材245と、前記軸状部材41が挿通された状態で、前記弾発部材43の上向きの弾発力により前記操作部材245を着座させるための受け部材353とが設けられ、
前記操作部材245は、軸線方向の下方に移動しかつ周方向に所定範囲回転した仮止め位置L1において前記受け部材353により上方移動を阻止される一方、軸線方向の上方に移動しかつ周方向に所定範囲回転した抜け止め位置L2において前記受け部材353により下方移動を阻止されることを特徴とする蝶番付き扉ユニット1。
これによって、操作部材が仮止め操作と抜け止め操作を兼用するので、蝶番ひいては蝶番付き扉ユニットを小型でシンプルな構造にできる。
1 扉ユニット
2 開き戸(扉体)
3 下側蝶番
4 上側蝶番
5 固定枠(扉取付部)
6,106 枠側ヒンジプレート(取付部側ヒンジプレート)
106p プレート面
7 扉側ヒンジプレート
8 蝶番軸
9 仮止めリング(仮止め部材)
10 前後調整機構(第一の調整機構)
11 前後スライダ(第一係合部;第一の作動部)
20 左右調整機構(第二の調整機構)
21 左右スライダ(第二係合部;第二の作動部)
30 上下調整機構(第三の調整機構)
31 枠側固定軸(軸状部材;第三係合部;第三の作動部)
32 スリーブ(筒状部材;第三係合部;第三の作動部)
33 ピボット軸受(軸受体;第三係合部;第三の作動部)
40 上下移動機構(追従移動機構)
41 枠側保持軸(軸状部材)
41d 周溝
43 圧縮コイルばね(弾発部材)
45 抜け止めリング(操作部材)
45a 筒状部
45b 膨出部
45c 切欠溝(凹溝)
145 抜け止めリング(操作部材)
145a 環状部
145b 膨出部
46 抜け止めクリップ(抜け止め部材)
47 クリップケース
48 永久磁石
50 収納ケース(ケース体)
51,151 収納ケースカバー(カバー体)
151a 上部壁(突出壁)
153 リング受け金具(受け部材)
153b 大径部
253 リング受け金具(受け部材)
253b 大径部
O 軸線
O1 厚さ方向
O2 幅方向
O3 高さ方向

Claims (3)

  1. 扉取付部に対して開閉可能な扉体の下部に下側蝶番が取り付けられる一方、その扉体の上部に上側蝶番が取り付けられ、これらの下側蝶番及び上側蝶番はそれぞれ、前記扉取付部に装着される取付部側ヒンジプレートと、前記扉体に装着される扉側ヒンジプレートと、それら両ヒンジプレートを前記扉体の開閉方向において相対的に回動可能に連結する蝶番軸とを有する蝶番付き扉ユニットにおいて、
    前記下側蝶番は、
    前記扉側ヒンジプレートに取り付けられるとともに、前記扉体が前記扉取付部を閉鎖する状態でその扉体を前記蝶番軸の軸線に直交する面において第一方向としての厚さ方向へ移動させ、かつその直交面において前記厚さ方向に直交する第二方向としての前記扉体の幅方向及び前記蝶番軸の軸線に沿う第三方向としての前記扉体の高さ方向への前記扉体の移動をそれぞれ許容する第一係合部が配置された第一の調整機構と、
    前記扉側ヒンジプレートに取り付けられるとともに、前記扉体を前記幅方向へ移動させ、かつ前記厚さ方向及び前記高さ方向への前記扉体の移動をそれぞれ許容する第二係合部が、前記記高さ方向から見て前記第一係合部と直交状に重なり合う形態で配置された第二の調整機構と、
    前記蝶番軸に組み込まれるとともに、前記扉体を前記高さ方向へ移動させ、かつ前記取付部側ヒンジプレートに対する前記扉側ヒンジプレートの回動を許容する第三係合部が、前記第一係合部及び前記第二係合部の重ね合わせ部分を貫通する形態で配置された第三の調整機構とを備え、
    一方、前記上側蝶番は、
    前記第一の調整機構と、前記第二の調整機構と、前記蝶番軸に組み込まれるとともに前記扉体の高さ方向への移動に追従する弾発部材を有し、かつ前記取付部側ヒンジプレート及び前記扉側ヒンジプレートの相対的な回動を許容するための追従移動機構とを備え、
    前記下側蝶番及び上側蝶番にそれぞれ配置された前記第一の調整機構による前記扉体の厚さ方向への移動と、前記下側蝶番び上側蝶番にそれぞれ配置された前記第二の調整機構による前記扉体の幅方向への移動と、前記下側蝶番に配置された前記第三の調整機構による前記扉体の高さ方向への移動及び前記上側蝶番に配置された前記追従移動機構の弾発部材による追従移動とが各々他の調整に影響を与えることなく別々に、前記扉体が前記扉取付部を閉鎖する状態でその扉体の内側又は外側の同じ側から行なわれ、それら扉体部との相互間隔が微調整可能であり、
    さらに、前記上側蝶番には、前記蝶番軸を構成し前記弾発部材で上向きの弾発力を付与された軸状部材と、その軸状部材の下端に固定され、当該軸状部材の軸線周りで一体的に回転操作可能であり、かつ前記弾発部材の弾発力に抗して前記軸状部材とともに軸線に沿って下方移動操作可能な操作部材と、前記軸状部材が挿通された状態で、前記弾発部材の上向きの弾発力により前記操作部材を着座させるための受け部材とが設けられ、
    前記操作部材は周方向の所定位置において前記受け部材により下方移動を阻止されることを特徴とする蝶番付き扉ユニット。
  2. 前記操作部材は扁平な板状の環状部に形成され、その環状部の周方向の一部が半径方向外側に向かい扇状あるいは庇状に延びて膨出部が形成される一方、
    前記受け部材には、前記操作部材の膨出部が挿入可能な大径部が形成され、
    前記操作部材の回転操作に伴い、前記膨出部が前記受け部材の大径部に挿入されたとき、前記操作部材は下方移動を阻止される請求項1に記載の蝶番付き扉ユニット。
  3. 前記受け部材と操作部材との間の軸状部材には、前記弾発部材の弾発力に抗して操作部材を前記軸状部材とともに下方移動した仮止め状態を維持させておくための仮止め部材が設けられる請求項1又は2に記載の蝶番付き扉ユニット。
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