JP2014198290A - 有機性排水の処理装置及び処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】生物処理の後段に設置されたRO膜の洗浄排液を適切に処理するようにした有機性排水の処理装置及び処理方法を提供する。【解決手段】有機性排水を嫌気的に生物処理する嫌気性生物処理槽と、該嫌気性生物処理槽から流出する嫌気性生物処理水を好気的に生物処理する好気性生物処理槽と、該好気性生物処理槽から流出する好気性生物処理水を固液分離する固液分離手段と、該固液分離装置で分離された分離水に含まれる溶存物質を逆浸透膜により除去する逆浸透膜分離手段と、該逆浸透膜を薬剤を用いて洗浄する逆浸透膜洗浄手段とを有する。逆浸透膜洗浄排液のうち、アルカリ洗浄排液を前記嫌気性生物処理槽又はその前段側に導入し、酸洗浄排液を前記嫌気性生物処理槽を通さずに前記好気性生物処理槽に導入する。【選択図】図3
Description
本発明は、有機性排水を生物処理する装置及び方法に関するものであり、特に、有機性排水を生物処理した後、さらに逆浸透膜で処理を行って高水質の処理水を回収する装置及び方法に関する。
近年、水資源のリサイクルが重要視されるようになり、排水を処理して回収することが積極的に行われるようになってきている。
特許文献1には、有機物含有排水を嫌気的に生物処理する嫌気性生物処理手段と、該嫌気性生物処理手段から流出する嫌気性生物処理水を好気的に生物処理する好気性生物処理手段と、該好気性生物処理手段から流出する好気性生物処理水を固液分離する固液分離手段と、該固液分離手段で分離された分離水に含まれる溶存物質を除去する逆浸透(RO)膜装置とを有する有機性排水の処理装置が記載されている。
特許文献1の有機性排水の処理装置によれば、RO膜を汚染する生物代謝産物の生成が少ない嫌気性処理を好気性処理の前処理に適用することにより、RO膜汚染が少なくなり、長期に渡り安定した処理を継続することができるようになる。
RO膜は、生物処理水中に含まれる生物代謝産物などの有機物や無機物により汚染され、膜間差圧の上昇、透過水量の低下が生じるため、定期的に洗浄する必要がある。一般に有機物汚染に対しては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム水溶液などを用いたアルカリ洗浄が行われ、無機物汚染に対してはクエン酸やシュウ酸などの有機酸を用いた酸洗浄が行われる。これらの洗浄排水は、洗浄薬剤とともに、RO膜を汚染していた有機物を含むため、生物処理する必要があり、有機性排水と混合して処理されることが多い。
酸洗浄排水を嫌気処理前段の中和槽に導入すると、中和槽でのアルカリ添加量が増える。一方、酸洗浄排水中のクエン酸やシュウ酸などの有機酸は嫌気処理によりCO2まで分解され、嫌気処理水のアルカリ度が増加する。こうして、アルカリ度が高まった嫌気処理水が好気性処理槽に導入されて曝気されると、脱炭酸により槽内のpHが8〜9以上に高くなり、生物の活性が著しく低下してしまうという問題があった。
さらに、増加したアルカリ度が好気性生物処理の処理水にも多く残存するようになると、好気性生物処理の後段において、凝集処理での凝集剤がより多く必要になったり、RO膜の塩類負荷が増加して透過水量が低下したりする問題があった。
本発明は、生物処理の後段に設置されたRO膜の洗浄排液を適切に処理するようにした有機性排水の処理装置及び処理方法を提供することを目的とする。
本発明の有機性排水の処理装置は、有機性排水を嫌気的に生物処理する嫌気性生物処理槽と、該嫌気性生物処理槽から流出する嫌気性生物処理水を好気的に生物処理する好気性生物処理槽と、該好気性生物処理槽から流出する好気性生物処理水を固液分離する固液分離手段と、該固液分離装置で分離された分離水に含まれる溶存物質を逆浸透膜により除去する逆浸透膜分離手段と、該逆浸透膜を薬剤を用いて洗浄する逆浸透膜洗浄手段とを有する有機性排水の処理装置において、前記逆浸透膜洗浄手段における洗浄排液のうち、アルカリ洗浄排液を前記嫌気性生物処理槽又はその前段側に導入し、酸洗浄排液の一部又は全部を前記嫌気性生物処理槽を通さずに前記好気性生物処理槽に導入する洗浄排液返送手段を備えたことを特徴とするものである。
本発明の有機性排水の処理方法は、有機性排水を嫌気性生物処理槽で嫌気的に生物処理する嫌気性生物処理工程と、該嫌気性生物処理槽から流出する嫌気性生物処理水を好気性生物処理槽で好気的に生物処理する好気性生物処理工程と、該好気性生物処理槽から流出する好気性生物処理水を固液分離する固液分離工程と、該固液分離工程で分離された分離水に含まれる溶存物質を逆浸透膜により除去する逆浸透膜分離工程と、該逆浸透膜を薬剤を用いて洗浄する逆浸透膜洗浄工程とを有する有機性排水の処理方法において、前記逆浸透膜洗浄工程における洗浄排液のうち、アルカリ洗浄排液を前記嫌気性生物処理槽又はその前段側に導入し、酸洗浄排液の一部又は全部を前記嫌気性生物処理槽を通さずに前記好気性生物処理槽に導入することを特徴とするものである。
本発明では、RO膜を洗浄した際に発生する排水のうち、アルカリ洗浄排水は有機性排水とともに嫌気性生物処理槽に導入し、酸洗浄排水は好気性生物処理槽に導入して処理する。
この好気性生物処理槽において、酸洗浄排水は嫌気処理水のアルカリ度を使用して中和されるのに加え、好気性生物反応槽で排水中の有機酸が速やかに分解されるため、別途中和用のアルカリを添加する必要がなくなるか、又はアルカリ添加量が少量で済むようになる。このため、処理系へのアルカリ添加量を減少させることができる。また、この結果、処理系のアルカリ度が過度に増加することが防止され、従来、RO膜洗浄排水の流入によって生じていた生物処理や生物処理後段の凝集、RO膜への悪影響が抑制され、有機性排水の処理を安定して行うことができるようになる。
以下に図1〜3を参照して本発明の有機性排水の処理装置及び処理方法の実施の形態を詳細に説明する。
図1の有機性排水の処理装置では、有機性排水を中和槽1に導入し、必要に応じ酸又はアルカリを添加する。また、この中和槽1にはRO装置(逆浸透膜装置)6のアルカリ洗浄排液が返送ライン7を介して導入されると共に、必要に応じ、嫌気性処理槽2からの嫌気処理水の一部が返送ライン10を介して導入される。
中和槽1で中和された有機性排水は、嫌気性処理槽2にて処理され、嫌気性処理槽2の嫌気性処理水の一部(有機性排水量に対し50%以上、例えば100〜400%程度)は上記の通り中和槽1に返送され、残部は好気性処理槽3に導入され、好気性処理される。好気性処理は固液分離を膜で行うMBRであり、好気性処理水はRO装置6に導入され、透過水が処理水として取り出され、ブライン(濃縮水)は系外に取り出される。好気性処理槽3の余剰汚泥は系外に排出される。
RO装置6を間欠的に酸及びアルカリで洗浄し、このときに生じるアルカリ洗浄排液は返送ライン7によって中和槽1に返送され、酸洗浄排液は返送ライン8によって好気性処理槽2に返送される。
図2の有機性排水の処理装置は、図1の有機性排水の処理装置において、好気性処理槽3の後段に凝集槽4と固液分離手段5を設け、好気性処理水を凝集槽4で凝集剤添加により凝集処理した後、固液分離手段5で固液分離し、その後RO装置6に導入するようにしたものである。その他の構成は図1と同一である。
図3のフローは、図2の固液分離手段5を加圧浮上槽5Aと濾過器5Bにて構成したものである。その他の構成は図2と同一である。加圧浮上槽5Aの浮上スカム及び濾過器5Bの濾過逆洗排水はそれぞれ系外に排出される。
以下、上記フローにおける有機性排水及び各処理手段について詳細に説明する。
[有機性排水]
本発明において、処理対象となる有機性排水は、通常生物処理される有機物含有排水であれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、電子産業排水、化学工場排水、食品工場排水などが挙げられる。例えば、電子部品製造プロセスでは、現像工程、剥離工程、エッチング工程、洗浄工程などから各種の有機性排水が多量に発生し、しかも排水を回収して純水レベルに浄化して再使用することが望まれているので、これらの排水は本発明の処理対象排水として適している。
本発明において、処理対象となる有機性排水は、通常生物処理される有機物含有排水であれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、電子産業排水、化学工場排水、食品工場排水などが挙げられる。例えば、電子部品製造プロセスでは、現像工程、剥離工程、エッチング工程、洗浄工程などから各種の有機性排水が多量に発生し、しかも排水を回収して純水レベルに浄化して再使用することが望まれているので、これらの排水は本発明の処理対象排水として適している。
このような有機性排水としては例えば、イソプロピルアルコール、エチルアルコールなどを含有する有機性排水、モノエタノールアミン(MEA)、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)などの有機態窒素、アンモニア態窒素を含有する有機性排水、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの有機硫黄化合物を含有する有機性排水が挙げられる。
[中和処理]
本発明では、この有機性排水のpHが中性ではない場合、中和手段によってpH5〜9好ましくは6〜8に中和する。中和手段としては、中和槽と、該中和槽に酸又はアルカリを添加する添加装置とを用いるのが好ましい。酸としては硫酸、塩酸などが好適であり、アルカリとしては水酸化ナトリウム、重炭酸ナトリウムなどが好適であるが、これに限定されない。
本発明では、この有機性排水のpHが中性ではない場合、中和手段によってpH5〜9好ましくは6〜8に中和する。中和手段としては、中和槽と、該中和槽に酸又はアルカリを添加する添加装置とを用いるのが好ましい。酸としては硫酸、塩酸などが好適であり、アルカリとしては水酸化ナトリウム、重炭酸ナトリウムなどが好適であるが、これに限定されない。
[嫌気性生物処理]
有機性排水をpH5〜9、好ましくは6〜8に中和してから嫌気性生物処理する。この嫌気性生物処理槽としては、有機物の分解効率に優れるものであればよく、各種の嫌気性生物処理方式の生物反応槽が使用できる。酸生成反応とメタン生成反応とを同一槽で行う一相式でも、各反応を別の槽で行う二相式でもよい。各反応槽は浮遊方式、汚泥床(スラッジブランケット)方式など任意の方式でよく、また、担体添加型であってもよい。酸生成槽と、UASB、EGSBのような汚泥床方式もしくは流動担体式の上向流型反応槽とを備えるものが、高負荷運転が可能であることから好ましい。前述のように、嫌気性処理水の一部を中和槽に循環してもよく、このようにすることで嫌気処理水のアルカリ度を利用して中和用アルカリ薬剤を削減することができる。
有機性排水をpH5〜9、好ましくは6〜8に中和してから嫌気性生物処理する。この嫌気性生物処理槽としては、有機物の分解効率に優れるものであればよく、各種の嫌気性生物処理方式の生物反応槽が使用できる。酸生成反応とメタン生成反応とを同一槽で行う一相式でも、各反応を別の槽で行う二相式でもよい。各反応槽は浮遊方式、汚泥床(スラッジブランケット)方式など任意の方式でよく、また、担体添加型であってもよい。酸生成槽と、UASB、EGSBのような汚泥床方式もしくは流動担体式の上向流型反応槽とを備えるものが、高負荷運転が可能であることから好ましい。前述のように、嫌気性処理水の一部を中和槽に循環してもよく、このようにすることで嫌気処理水のアルカリ度を利用して中和用アルカリ薬剤を削減することができる。
[好気性生物処理]
本発明では、嫌気処理水とともにRO膜の酸洗浄排水を好気性生物処理する。
本発明では、嫌気処理水とともにRO膜の酸洗浄排水を好気性生物処理する。
好気性生物処理手段としては有機物の分解効率に優れるものであればよく、各種の好気性生物処理方式の生物反応槽が使用できる。例えば、活性汚泥を槽内に浮遊状態で保持する浮遊方式、活性汚泥を担体に付着させて保持する生物膜方式などを採用することができる。生物膜方式では、固定床式、流動床式など任意の微生物床方式でよく、さらに担体として、活性炭、種々のプラスチック担体、スポンジ担体などがいずれも使用できる。スポンジ担体であれば微生物を高濃度に維持することができることから好ましい。スポンジ素材も特に限定されないが、エステル系ポリウレタンが好適である。担体の投入量としても特に制限はないが、通常、生物反応槽の槽容量に対する担体の見掛け容量で10〜50%程度、特に30〜50%程度とすることが好ましい。また、好気性生物反応槽は1槽式でも多槽式でもよい。
[凝集処理]
有機性排水を嫌気的に生物処理した後好気的に生物処理して得られる好気性生物処理水は、後段の固液分離手段でSS成分や高分子有機成分を確実に除去するため、固液分離に先立って凝集処理してもよい。凝集処理に用いる無機凝集剤は、塩化第二鉄、ポリ硫酸鉄などの鉄系凝集剤、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムなどのアルミニウム系凝集剤を用いることができる。凝集処理時は、必要に応じてpH調整剤を添加することにより、無機凝集剤に好適なpH(例えば5.0〜7.5)に調整するのが好ましい。
有機性排水を嫌気的に生物処理した後好気的に生物処理して得られる好気性生物処理水は、後段の固液分離手段でSS成分や高分子有機成分を確実に除去するため、固液分離に先立って凝集処理してもよい。凝集処理に用いる無機凝集剤は、塩化第二鉄、ポリ硫酸鉄などの鉄系凝集剤、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウムなどのアルミニウム系凝集剤を用いることができる。凝集処理時は、必要に応じてpH調整剤を添加することにより、無機凝集剤に好適なpH(例えば5.0〜7.5)に調整するのが好ましい。
[固液分離]
好気生物処理水、または好気性生物処理水を凝集処理して得られる凝集処理水の固液分離手段としては、沈殿槽、浮上槽、浸漬膜などの膜分離手段など特に限定されない。生物処理水の凝集フロックは浮上分離しやすく、また沈殿槽に比べ小さい面積の装置でよいことから、加圧浮上槽が好ましい。また、浸漬膜などの膜分離手段であれば、凝集処理がなくても確実に固液分離を行うことができる。
好気生物処理水、または好気性生物処理水を凝集処理して得られる凝集処理水の固液分離手段としては、沈殿槽、浮上槽、浸漬膜などの膜分離手段など特に限定されない。生物処理水の凝集フロックは浮上分離しやすく、また沈殿槽に比べ小さい面積の装置でよいことから、加圧浮上槽が好ましい。また、浸漬膜などの膜分離手段であれば、凝集処理がなくても確実に固液分離を行うことができる。
このような固液分離処理を行った後、RO処理に先立って、処理水中に残留する水中のSSを濾過器によって除去することが好ましい。
濾過器としては、砂、アンスラサイト等の濾材を充填した充填層型濾過装置、精密濾過(MF)膜、限外濾過(UF)膜などの膜を用いた膜濾過装置等を用いることができる。
[RO]
ROにより、溶存有機物及び溶解塩類を除去する。定期的に、もしくは、膜の閉塞(モジュール圧や膜間差圧の上昇、フラックスの低下)度合いによってRO膜の薬品洗浄を行う。薬品洗浄は酸洗浄、アルカリ洗浄の順に行うのが好ましい。
ROにより、溶存有機物及び溶解塩類を除去する。定期的に、もしくは、膜の閉塞(モジュール圧や膜間差圧の上昇、フラックスの低下)度合いによってRO膜の薬品洗浄を行う。薬品洗浄は酸洗浄、アルカリ洗浄の順に行うのが好ましい。
酸洗浄としては、1〜5%濃度のクエン酸またはシュウ酸水溶液に2〜8hr、好ましくは2〜4hr浸漬するのが好ましい。
アルカリ洗浄としては、0.01N程度の水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム水溶液(pH12程度)に半日以上、好ましくは1日程度浸漬するのが好ましい。アルカリ溶液に殺菌剤などを含ませてもよい。
このアルカリ洗浄によって生じる排液については、前述の通り、中和槽に返送する。
この酸洗浄によって生じる排液については、嫌気性生物処理槽を経ることなく、そのまま好気性生物処理槽に供給する。前述の通り、好気性生物処理槽には嫌気性生物処理槽の処理液が流入するので、この嫌気性生物処理液のアルカリ度を利用して酸洗浄排液が中和される。また、好気性生物処理槽で、有機酸が速やかに分解される。このため、好気性生物処理槽に中和用のアルカリを添加する必要がなくなるか、又はアルカリ添加量が少量で足りるようになる。これにより、有機性排水の処理装置システム全体におけるアルカリ度が少なくなり、生物処理や、凝集処理及びRO処理を効率よく安定して行うことが可能となる。
[実施例1]
図3に示すフローに従って原水(有機性排水)を処理した。この実施例では、濾過器5BとしてMF膜装置を用いた。即ち、原水(有機性排水)を原水→中和槽→嫌気性処理槽→好気性処理槽→凝集槽→加圧浮上槽→MF→RO→処理水のフローに従って処理を行った。
図3に示すフローに従って原水(有機性排水)を処理した。この実施例では、濾過器5BとしてMF膜装置を用いた。即ち、原水(有機性排水)を原水→中和槽→嫌気性処理槽→好気性処理槽→凝集槽→加圧浮上槽→MF→RO→処理水のフローに従って処理を行った。
原水として半導体製造工場の模擬排水(主成分:TMAH、IPA、TOC濃度:200mg/L、pH9〜10、水温:25℃)を用い、50L/hにて処理した。各槽の条件は以下の通りとした。
中和槽:原水と嫌気処理水(循環水)及びROのアルカリ洗浄排液を受けて、HCl/NaOHでpH7〜8に調整
嫌気性処理槽:容積150LのUASB。ビール工場排水処理設備のグラニュールを種汚泥として50L投入し、原水を3ヶ月通水して馴養。
嫌気処理水の循環比:200%(原水の2倍量を循環)
好気性処理槽:各75Lの直列2槽の流動床。3mm角のスポンジを40%(30L)投入。NaOHでpH6.5を下回らないように調整。
凝集槽:FeCl3(38%)80ppm添加後、NaOHでpH5.5に調整。
MF:孔径10μm
RO:2インチスパイラルモジュール(膜面積:2.5m2)、栗田工業株式会社製スライム抑制剤EC−503を3ppm添加。
ROの洗浄:1回/月の頻度で(30、60、90日の3回)、酸洗浄(3%クエン酸に4hr浸漬)→薬液排出→アルカリ洗浄(0.01N NaOH溶液に一晩(12hr)浸漬→薬液排出を実施。
酸洗浄排水:好気性処理槽の前段に返送
アルカリ洗浄排水:中和槽に返送
加圧浮上槽処理水のSSの経時変化を図4に示し、RO給水(MF濾過水)のTOCの経時変化を図5に示す。
中和槽:原水と嫌気処理水(循環水)及びROのアルカリ洗浄排液を受けて、HCl/NaOHでpH7〜8に調整
嫌気性処理槽:容積150LのUASB。ビール工場排水処理設備のグラニュールを種汚泥として50L投入し、原水を3ヶ月通水して馴養。
嫌気処理水の循環比:200%(原水の2倍量を循環)
好気性処理槽:各75Lの直列2槽の流動床。3mm角のスポンジを40%(30L)投入。NaOHでpH6.5を下回らないように調整。
凝集槽:FeCl3(38%)80ppm添加後、NaOHでpH5.5に調整。
MF:孔径10μm
RO:2インチスパイラルモジュール(膜面積:2.5m2)、栗田工業株式会社製スライム抑制剤EC−503を3ppm添加。
ROの洗浄:1回/月の頻度で(30、60、90日の3回)、酸洗浄(3%クエン酸に4hr浸漬)→薬液排出→アルカリ洗浄(0.01N NaOH溶液に一晩(12hr)浸漬→薬液排出を実施。
酸洗浄排水:好気性処理槽の前段に返送
アルカリ洗浄排水:中和槽に返送
加圧浮上槽処理水のSSの経時変化を図4に示し、RO給水(MF濾過水)のTOCの経時変化を図5に示す。
[比較例1]
比較例1では、ROの酸洗浄排液も中和槽1に戻すようにしたこと以外は実施例1と同一条件とした。加圧浮上槽処理水のSSの経時変化を図4に示し、RO給水(MF濾過水)のTOCの経時変化を図5に示す。
比較例1では、ROの酸洗浄排液も中和槽1に戻すようにしたこと以外は実施例1と同一条件とした。加圧浮上槽処理水のSSの経時変化を図4に示し、RO給水(MF濾過水)のTOCの経時変化を図5に示す。
この比較例1では、ROの酸洗浄排水を中和槽に戻した際、加圧浮上処理水のSSが増加した。好気処理水のアルカリ度が上昇し、通常の凝集条件(FcCl380ppm)では凝集が不充分となったためと見られる。さらに、二槽からなる好気処理槽の前段のpHが通常の7.5〜8.0に対し、半日程度の間8.5〜8.8まで上昇したため、嫌気処理水のTOCは実施例、比較例ともに35〜40mg/Lでほとんど差がなく推移していたにもかかわらず、比較例では好気処理後のTOCが最大で10mg/L程度まで上昇し、酸洗浄排水を排出した後の数日間、TOCが高い状態が続いた。これに伴い、RO処理水のTOC濃度も通常の500ppb前後が1,000ppbを超えてしまった。一方、実施例では、酸洗浄水排出時も凝集不良やTOCの残留などなく、安定した処理が行われ、RO処理水のTOCも常時500ppb前後で推移した。
この実施例1及び比較例1より、本発明によると、嫌気→好気→固液分離→ROのフローでROの酸洗浄排液を嫌気処理せずに好気処理することにより、酸洗浄排水流入時の嫌気処理水のアルカリ度増加による好気槽のpH上昇、固液分離時の凝集性悪化、ROの塩類負荷増加などを抑制できることが認められた。
1 中和槽
2 嫌気性処理槽
3 好気性処理槽
6 RO装置
2 嫌気性処理槽
3 好気性処理槽
6 RO装置
Claims (6)
- 有機性排水を嫌気的に生物処理する嫌気性生物処理槽と、
該嫌気性生物処理槽から流出する嫌気性生物処理水を好気的に生物処理する好気性生物処理槽と、
該好気性生物処理槽から流出する好気性生物処理水を固液分離する固液分離手段と、
該固液分離装置で分離された分離水に含まれる溶存物質を逆浸透膜により除去する逆浸透膜分離手段と、
該逆浸透膜を薬剤を用いて洗浄する逆浸透膜洗浄手段とを
有する有機性排水の処理装置において、
前記逆浸透膜洗浄手段における洗浄排液のうち、アルカリ洗浄排液を前記嫌気性生物処理槽又はその前段側に導入し、酸洗浄排液の一部又は全部を前記嫌気性生物処理槽を通さずに前記好気性生物処理槽に導入する洗浄排液返送手段を備えたことを特徴とする有機性排水の処理装置。 - 前記嫌気性生物処理槽の前段に、前記有機性排水を中和処理する中和手段が設けられており、前記嫌気性生物処理槽の処理水の一部と前記アルカリ洗浄排液とが該中和手段に導入されることを特徴とする有機性排水の処理装置。
- 前記嫌気性生物処理槽が汚泥床方式又は流動担体式の上向流型嫌気性処理槽であることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機性排水の処理装置。
- 有機性排水を嫌気性生物処理槽で嫌気的に生物処理する嫌気性生物処理工程と、
該嫌気性生物処理槽から流出する嫌気性生物処理水を好気性生物処理槽で好気的に生物処理する好気性生物処理工程と、
該好気性生物処理槽から流出する好気性生物処理水を固液分離する固液分離工程と、
該固液分離工程で分離された分離水に含まれる溶存物質を逆浸透膜により除去する逆浸透膜分離工程と、
該逆浸透膜を薬剤を用いて洗浄する逆浸透膜洗浄工程とを
有する有機性排水の処理方法において、
前記逆浸透膜洗浄工程における洗浄排液のうち、アルカリ洗浄排液を前記嫌気性生物処理槽又はその前段側に導入し、酸洗浄排液の一部又は全部を前記嫌気性生物処理槽を通さずに前記好気性生物処理槽に導入することを特徴とする有機性排水の処理方法。 - 前記有機性排水を中和槽で中和してから前記嫌気性生物処理工程に供給する方法であって、前記アルカリ洗浄排液を該中和槽に導入することを特徴とする請求項4に記載の有機性排水の処理方法。
- 前記酸洗浄排液の主成分がクエン酸またはシュウ酸であることを特徴とする請求項4又は5に記載の有機性排水の処理方法。
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