JP2014195088A - ナノインプリントによるパターン形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モールドを保持するモールドチャックと、モールドチャックに対向し、転写基材を配置する転写基材ステージと、モールドチャック側あるいは転写基材側の少なくともいずれか一方の側に配置され、転写基材ステージに配置する転写基材に光を照射する光源と、光源と転写基材ステージの間に配置され、複数の可動部材501,502により構成されるアパーチャ500とを備え、複数の可動部材501,502を移動させることにより、転写基材ステージに照射される光照射量を制御するナノインプリントによるパターン形成装置。
【選択図】図12
Description
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本実施の形態に係るナノインプリントモールド(以下、モールドと呼ぶ)100について、図面を参照して説明する。図1は、ナノインプリントモールドの作用を説明するための模式図である。図1において、モールド100は、透明な基材101と、この基材101の一方の面に形成された凹凸パターン部101Aと、基材101の内部、基材101の一方の面、あるいは基材101の他方の面に形成された透過率調整部101Bと、を有する。基材101は、例えば石英ガラス、珪酸系ガラス、フッ化カルシウム、青板ガラス、ソーダガラス等の透明基材からなり、その厚さや大きさは用途等に応じて適宜設定することができる。また、モールド100の厚み、大きさ、形状は用途に応じて適宜設定することができる。凹凸パターン部101Aは、例えば、基材101にレジスト等をマスクとして形成しておき、そのマスクの露出部にエッチング等を施して形成されたナノ(nm)オーダーの微細な凹凸構造である。
OD=εcd=−log(T/100)・・・・(1)
なお、εは遮光膜の誘電率、cは光速、dは遮光膜の厚み、Tは光透過率(%)である。
T≧T0・・・・(2)
d≧d0・・・・(3)
例えば、d1=2×d0とした場合、最外周部の光透過率は、最も凹凸パターン部101Aに近い側の光透過率の10%になる。図中に示す最外周部からの位置Xにおける遮光膜の厚みがd=(d0/L)(L−X)のように線形関数に従って変化させれば、光透過率は、図3に示すように指数関数(曲線)で設定することができる。
モールド200の一方の面あるいは他方の面を平均粗さRaが0.1μm〜100μmの範囲で粗面化して、透過率調整部201Bとすることができる。モールド200の内側から外側に向けて平均粗さRaが小さくなるように、サンドブラストやエッチングといった処理を行う。なお、モールド200の外周から5mmの範囲内における表面を粗面化しないようにすることが好ましい。モールド200の外周から5mm以内の表面が粗面化されていると、モールドチャックによるチャック不良が生じる虞があるからである。
モールド200の内部に微小なクラックを形成して透過率調整部101Bとすることができる。クラックを形成する厚みを例えば、モールド200の内側から外側に向かって50μm〜500μmの範囲で漸次大きくなるように設定する。モールド200の内部に微小なクラックを作製するには、レーザー光としてYAGレーザー、YLFレーザー等を用い、収斂させた部位で基材の絶縁破壊が起こるような条件でレーザー光をモールドに照射する。
モールドの製造方法について図6を参照して説明する。図6はナノインプリントモールドの形成工程を示す図であり、図6(A)〜(E)では、モールド100に用いる基材101の断面を示す。
モールド100に用いる基材101を準備する。基材101は、例えば、石英、フッ化カルシウム、珪酸系ガラス等の透明材料を用いる。基材101の外形や厚みは、用途に応じて適宜設定する。
基材101をエッチング、研削、研磨等の加工により、図中に示す基材101の下面側の外周部を加工して、透過率調整部を配置するための切欠部102を形成する。切欠部102は後述する凹凸パターン部101Aを含む領域(パターン領域)の周囲に形成される。なお、この外形加工を行わず、所望の膜厚分布となるように成膜・エッチング等を施してもよい。
基材101の切欠部102を形成した面に真空成膜法等により遮光膜103を成膜する。遮光膜103として前述の遮光材料を用いることができる。
遮光膜103の不要部分をエッチング、研磨等により除去する。遮光膜103の残った部分は透過率調整部101Bになる。外形加工を施して遮光膜形成面を平坦にすることにより、モールド100を保持するモールドチャックによるチャック不良、モールドチャックとの接触による異物の発生等を抑えることが可能になるため有利である。また、透過率調整部101Bを基材101の内部に形成した場合は、モールド100の表面に段差が生じないため、パターン形成装置(後述する)内においてモールド100をモールドチャック(後述する)で保持する際に、モールドチャックによるチャック不良の発生を低減できる。また、透過率調整部101Bがモールドチャックと接触しないので異物が発生しない。
基材101の遮光膜103を成膜した面と反対の面(図中の上面)に、凹凸パターン部101Aを形成する。基材101上にレジスト(図示せず)を塗布し、このレジスト(図示せず)に電子線を照射した後パターニングし、レジスト(図示せず)のパターンをマスクとして基材をエッチングし、レジスト(図示せず)を除去することで凹凸パターン部101Aを形成する。以上の工程により、透過率調整部101Bを有するモールド100が完成する。
モールドを用いたパターン形成方法について図7を参照して説明する。図7はナノインプリントモールドを用いたパターン形成工程を示す図であり、図7(A)〜(D)は、パターン形成方法の各工程に係る各部の断面図である。
モールドの凹凸パターン部の反転パターンが転写される転写基材301上に、光硬化樹脂をスピンコート法、インクジェット法等により塗布して樹脂層302を形成する。ここでは図5(A)に示したモールド200を用いる例について以下説明する。転写基材301は、石英やソーダライムガラス、ホウ酸系ガラス等のガラス、シリコンやガリウム砒素、窒化ガリウム等の半導体、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリエチレン等の樹脂基材、あるいは、これらの材料の組み合わせからなる複合材料基材からなる。転写基材301の厚み、大きさ、形状は用途に応じて適宜設定することができる。また樹脂層302は、光硬化性樹脂からなる。具体的には光ラジカル硬化樹脂やカチオン硬化樹脂等のインプリント材料からなる。
モールド200と転写基材301をそれぞれ位置決めを行った後、モールド200と樹脂層302を接触させてモールド200の押圧条件等を調整して、凹凸パターン部201A内に漏れなく光硬化樹脂を充填する。
透過率調整部201Bを有するモールド200を樹脂層302に接触させた状態で光を照射して樹脂層302の硬化を行う。このとき、凹凸パターン部201A下に存在する樹脂層302は一様に硬化する。一方、透過率調整部202A下に存在する樹脂層302は、モールド200の外側に向かって徐々に樹脂の硬化度が低くなり、凹凸パターン部201A下の樹脂層層302に比べて硬化が不足した硬化不足部302Aとなる。
所定量の光を照射した後、モールド200を樹脂層302から離型する。このとき、硬化不足部302Aが離型位置となり、スムーズな離型作業を行うことが可能になる。離硬化不足部302Aは、モールド200の外周に向かって樹脂の硬化度が低くなるように形成されているため、モールド200及び樹脂層302と転写基材301に急峻な力が加わることが緩和される。離型作業をモールド200の外周部から行うことでよりスムーズに離型することができる。モールド200の一方の外周部から内側へ向けて離型作業を開始し、さらにその後モールド200の内側から他方の外周部へ向けて離型作業を進行させることで、離型作業で急峻な応力が発生することを抑えることができる。したがって、モールド200、及び樹脂層302と転写基材301のいずれかに破損が生じることを防止できる。
本実施の形態では、パターン形成装置内に光透過率を調整するアパーチャを設けて、モールドを樹脂層に押し当てた状態で光を照射する際に、アパーチャを用いて凹凸パターン部の周囲に位置する樹脂の硬化度を調整することに特徴がある。
本実施の形態に係るパターン形成装置400の構成について、図8を参照して説明する。図8は、パターン形成装置400の概略構成を示す図である。図8において、パターン形成装置400は、ナノインプリントを実施する構成を処理室411に収納する。この処理室411は密閉チャンバとして図示したが、開放された空間であっても構わない。
パターン形成方法について図8〜図11を参照して説明する。図11はパターン形成工程を示す図であり、図11(A)〜(D)は、パターン形成方法の各工程に係る各部の断面図である。
転写基材401上にスピンコート法、インクジェット法等により光硬化樹脂を塗布して樹脂層402を形成する。
モールド401と転写基材403をそれぞれ位置決めを行った後、モールド401と樹脂層402を接触させモールド401の押圧条件等を調整して、凹凸パターン部402内に漏れなく樹脂を充填する。なお、モールド401は一般的な光インプリント用のモールドである。
モールド401を樹脂層404に接触させた状態で光源410により光を照射して樹脂層404の硬化を行う。アパーチャ409の開口部409Aの内側に位置する樹脂層404は一様に硬化する。一方、アパーチャ409の開口部4Aの外側に位置し、透過率調整部409B下の樹脂層404はモールド401の外側に向かって樹脂の硬化度が低くなり、硬化不足部404Aとなる。
所定量の光を照射した後、モールド401を樹脂層404から離型し、転写基材403を転写部外へ取り出す。このとき、硬化不足部404Aが離型位置となり、スムーズな離型作業を行うことが可能になる。硬化不足部404Aは、モールド401の外周に向かって樹脂の硬化度が低くなるように形成されているため、モールド401及び樹脂層404に急峻な力が加わることが緩和される。離型作業をモールド401の外周部から行うことでよりスムーズに離型することができる。モールド401の一方の外周部から内側へ向けて離型作業を開始し、さらにその後モールド401の内側から他方の外周部へ向けて離型作業を進行させることで、離型作業で急峻な応力が発生することを抑えることができる。したがって、モールド401、及び樹脂層404と転写基材403のいずれかに破損が生じることを防止できる。
本実施の形態では、パターン形成装置内に遮光用のアパーチャを有し、モールドを樹脂層に押し当てた状態で紫外線を照射する際に、アパーチャの開口の位置を変化させることによりモールド下の樹脂層の硬化度を調整することに特徴がある。
本実施の形態においてパターン形成装置の構成は、図7に示したものと略同様であるため、その図示及び構成説明は省略する。
次に、図11(C)に示したモールド401を樹脂層404に接触させた状態で光源410により光を照射して樹脂層404の硬化を行う際のアパーチャ500の動作例について図13〜図15を参照して説明する。
図13は可動部材501,502が所定の位置に移動する前の様子を示す平面図である。2つの可動部材501,502よりも内側の領域は透過率がほぼ一様である。図13では、B−B線による断面におけるアパーチャを通過する仮想的な透過光強度「透過しうる光強度」を模式的に示している。点線○部分は透過率調整領域A3を表している。このとき、透過率調整領域A3上には可動部材501,502が配置されておらず、光が透過できる状態である。
図14は、可動部材501,502が所定の位置に移動している段階を示す平面図である。図14では、C−C線による断面におけるアパーチャを通過する仮想的な透過光強度「透過しうる光強度(a.u.)」を模式的に示している。このとき、透過率調整領域A3の一部の上には可動部材501,502が配置されており、残りの一部において光が透過できる状態である。
図15は、可動部材501,502が所定の位置に達した様子を示す平面図である。図15では、D−D線による断面におけるアパーチャを通過する仮想的な透過光強度「透過しうる光強度(a.u.)」を模式的に示している。このとき、透過率調整領域A3全域の上には可動部材501,502が配置されており、2つのL字状の可動部材501,502により開口したパターン領域A2において光が透過できる状態である。
スライドガラス上に以下の材料からなる光硬化樹脂を滴下し、50μmのギャップを介してカバーガラスで挟んで複数の試料を作製した。
参考実験及び実施例に用いた光硬化樹脂は以下のとおりである。
・ウレタンアクリレート・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・35質量%
(日本合成化学工業(株)製、ゴーセラックUV−7500B)
・1,6−ヘキサンジオールジアクリレート(日本化薬(株)製)・・35質量%
・ペンタエリスリトールトリアクリレート(東亜合成(株)製)・・・10質量%
・ビニルピロリドン(東亜合成(株)製)・・・・・・・・・・・・・15質量%
・1−ヒドロキシシクロへキシルフェニルケトン・・・・・・・・・・・2質量%
(チパ・スペシャルテイ・ケミカルズ(株)製、「イルガキュア184」を使用)
・ベンゾフェノン(日本化薬(株)製)・・・・・・・・・・・・・・・2質量%
・ポリエーテル変性シリコーン・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1質量%
(GE東芝シリコーン(株)製、TSF4440)
厚み6.35mmの石英ガラス(65mm角)をナノインプリントモールド用基材として準備し、基材の中央部1.0mm×1.0mmの領域に深さ100nmのライン/スペースが100nm/100nmのライン形状パターンを形成し、ナノインプリントモールドを得た。このナノインプリントモールドにシランカップリング剤(信越化学工業(株)製KBM−403)からなる離型剤を表面に塗布し、ナノインプリント装置内に搬入したシリコン基板(転写基材)上に形成した上記の光硬化樹脂にナノインプリントモールドを押圧した状態で波長365nmの紫外線を照射した。初期状態として基材の中央20mm×20mmの領域に開口が存在するようにアパーチャを設定し、照射時間に伴ってナノインプリントモールドの外周側へ退避するようにアパーチャを0.5mm/secで移動させた。露光終了後、モールドを光硬化樹脂から離型した。形成されたパターンについて、欠陥率を測定した。その結果、欠陥率は0.09であり、良好なインプリント転写が行われたことが確認された。なお、欠陥率は光学顕微鏡でパターン領域内を観察し、観察箇所(1.0mm×1.0mm)内で、樹脂層の剥がれや、パターン欠損が確認できた面積の割合を測定した。したがって、この欠陥率が大きい程、欠陥が多いことを意味し、本発明では、欠陥率が0.1未満を実用レベルと判定した。
実施例1と略同様の条件で、アパーチャをナノインプリントモールドの領域外に配置し、露光、離型を行った。形成されたパターンについて、欠陥率を測定した。その結果、欠陥率は0.21であり、実用レベルを満たさないことが確認された。
Claims (6)
- モールドを保持するモールドチャックと、
前記モールドチャックに対向し、転写基材を配置する転写基材ステージと、
前記モールドチャック側あるいは前記転写基材側の少なくともいずれか一方の側に配置
され、前記転写基材ステージに配置する転写基材に光を照射する光源と、
前記光源と前記転写基材ステージの間に配置され、複数の可動部材により構成されるアパーチャと、を備え、
前記複数の可動部材が、前記転写基材ステージに照射される光照射量を制御するように移動することを特徴とするナノインプリントによるパターン形成装置。 - 前記光源から前記転写基材ステージに配置する転写基材に光を照射するとき、前記複数の可動部が移動することを特徴とする請求項1記載のナノインプリントによるパターン形成装置。
- 前記複数の可動部材が漸次移動することを特徴とする請求項1又は2に記載のナノインプリントによるパターン形成装置。
- 前記光源から前記転写基材ステージに配置する転写基材に照射される光は、前記複数の可動部材を組合わせて構成された開口部を透過することを特徴とする請求項1又は2記載のナノインプリントによるパターン形成装置。
- 前記アパーチャは、L字状の前記可動部材を組合わせて構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のナノインプリントによるパターン形成装置。
- 前記アパーチャは、矩形状の前記可動部材を組合わせて構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のナノインプリントによるパターン形成装置。
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