JP2014193726A - ガス貯蔵タンク - Google Patents

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Abstract

【課題】LNGタンクの大規模化に伴う施工を、コストを低減しつつ、安全性を低下させず、工期を実質的に短縮しながら実現することを可能とすること。
【解決方法】PC鋼材に対して略鉛直方向及び円周方向に予め圧縮力を与えたPC(プレストレストコンクリート)によってなる防液堤10と、防液堤の内側を略覆うように外槽側部ライナプレートが配列されてなる外槽103と、7%ニッケルを含む鋼によってなる複数の内槽側版104aが周回方向に連接されて構成される段が、鉛直方向の前記連接線が重ならないように複数段積層され、前記連接部を縦継手及び周継手において溶接されてなる内槽104と、内槽と外槽との間にパーライト及び/もしくはPUF(ポリウレタンフォーム)が充填されてなる断熱層105と、内槽及び/もしくは外槽によって画されるタンク底面を底部ライナプレート及び底部ライナアニュラプレートが埋めるように配列されてなる底部ライナ層とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明は、たとえばガス貯蔵タンクに係り、特に、LNG貯蔵タンクに関する。
世界におけるエネルギー需要が増大する状況にあって、地球環境問題への対処からクリーンエネルギーの利用が注目されている。こうした中、LNG(Liquefied Natural Gas:液化天然ガス)は石油や石炭に比べてCO排出量が少なく、また、長期供給の安定性が高いことから需要が急増している。これを貯蔵するためのLNGタンクは国内外で現在多くの機が稼働中であるが、LNGタンクには常に高い安全性が求められている。具体的には、LNGタンクの内槽材を形成すべき鋼材に対しては、LNG温度域(−162℃)での高い脆性亀裂発生抑制特性に加え、万一のLNGタンク破壊事故の重大性を考慮し、脆性亀裂伝搬停止特性が重要視されている。この点から、地上式LNGタンクの内槽材として、これまで、低温靱性に優れる9%Ni鋼板が使用されてきた。
こうした鋼材を用いたLNGタンク施工技術の例として特許文献1、2に示すようなものがある。
この特許文献1では、二重殻式LNGタンクの内槽材として、LNGに接触する面が冷熱衝撃に耐え得るように、低温での優れた強度と靱性とを有する9%Ni鋼の溶接構造が用いられている旨、9%Ni鋼は線膨張係数が低くLNGを液体状態に保持することができる−162℃以下の低温においても脆性破壊を起こすことがない材である旨が説明されている。
特許文献2はいわゆるPC防液堤・外槽一体型地上貯蔵式LNGタンクにおける外槽材と防液堤との取り合いについての技術的思想を開示したものであるが、内槽材に用いられるニッケル(Ni)鋼を利用する観点に関しては、特許文献1と同様なものがある。
特許文献2にあるように、従来、LNGやLPG(Liquefied Petroleum Gas:液化石油ガス)を低温状態で貯蔵するための貯蔵タンクには、一般に、同文献中の図4に示すような円筒型平底貯蔵タンクが用いられる。同文献中の図4に示す貯蔵タンクは、PC(プレストレストコンクリート)製の外槽103と、9%Ni鋼等の金属板からなる内槽104とを備えており、これら外槽103及び内槽104の上端にはドーム状の屋根Dが設置されている。外槽103は、筒状に形成された側壁部Sと、側壁部Sの内周面に設けられた炭素鋼等の金属薄板からなるライナプレート106とを有している。外槽103と内槽104との間にはパーライトやPUF(PolyUrethane Foam:ポリウレタンフォーム)等からなる保冷材(断熱材)105が設けられている。外槽103はタンク全体の強度を維持するものであり、ライナプレート106は、外部からの水分などの内部への侵入をおさえ、貯蔵物に対する密封性を維持するものである。
特許文献2中の図5はライナプレート106の展開図である。同文献中の図5に示すように、ライナプレート106は平面視直方形状の複数の金属製の板部材106aを長手方向を水平にして互いに接続させたものである。同文献中の図6に示すように、板部材106aの端面は傾斜面となっており、隣接する板部材106aの端面を突き合わせることによって開先形状が形成されるようになっている。一方、外槽103の側壁部Sの複数の所定位置にはアンカー部材107が設けられており、このアンカー部材107上に開先形状の突合せ部(開先部)108が配置される。そして、この突合せ部108に対してアーク溶接を施すことにより、それぞれの板部材106aはアンカー部材107を介して外槽103の側壁部Sに固定されるとともに、隣接する板部材106aも互いに接続される。
こうした現状にあって、その一方では、土地の有効活用や経済規模の増大に伴う合理化の観点から、LNGタンクの大容量化が求められている。現在のところ、18万mのLNGタンクが実現されているが、たとえば23万mといった大容量を持つLNGタンクが要望される傾向にある。この要望に応えるには、材料費を余計にかけて素材を増やし、施工工程を規模に合わせて長大化させることで対処することも可能ではある。しかしながら、経営資源の利用効率の向上が継続的に要請される現状においては、LNGタンクの大容量化施工を、コストを上げることなく行うことが理想的である。特に、ニッケル(Ni)はいわゆるレアメタルであり、入手に一定の困難性があるだけでなく、その消費は地球環境資源の消耗を伴うことになることからすれば、資源の有効活用や消費の抑制といった観点での配慮も必要である。
そこで、たとえばニッケル(Ni)含有量を落とした素材を用いることが考えられるが、その分、素材の設計性能を落とすことがLNGタンクの品質の劣化に繋がってしまっては好ましくない。LNGタンクに限らず、使用鋼材の質の劣化が品質の劣化を招くことを避ける必要がある。
また、LNGタンクを大規模化するに当たって、これに伴って工期が延長されることは時代の要請に逆行する。換言すれば、大容量化を図りつつも、工期は同等か、もっといえばより短縮されるのが好ましいといえる。しかし、容量を巨大化すれば、使用材料は増大し、工程も輻輳する。現場の作業環境の規模が大きくなるから作業員数も増加し、その分各単位工事の取合いも増えて複雑化することになる。また、LNGタンクの場合にはコンクリートの打設を伴い、この養生期間が一定程度、コンクリート容量に応じて必要となる。これらの事情をとってみても、一般的に、規模を大容量化すれば工期期間は長期化する関係にあるものであるから、LNGタンクを大規模化しながらその工期を短縮するという要請はこうした一般的傾向に反し、通常では実現は困難であるといわざるを得ない。
特開2007−278400号公報 特開2002−128191号公報
本発明は、このような従来技術の問題点を解決するもので、LNGタンクの大規模化に伴う施工を、コストを低減しつつ、安全性を低下させず、工期を実質的に短縮しながら実現することを目的とする。さらに、そのようにして実現されるLNGタンクを提供することも目的とする。
かかる目的を達成するために、本発明に係るLNGタンクは、側板又はライナープレートが配列されてなる外槽と、前記外槽から一定の距離を置いて配設され、7%ニッケルを含む鋼によってなる複数の内槽側版が周回方向に連接されて構成される段が、鉛直方向の前記連接線が重ならないように複数段積層され、前記連接部を縦継手及び周継手において溶接されてなる内槽と、前記内槽と前記外槽との間断熱材が充填されてなる断熱層と、前記内槽及び/もしくは外槽によって画されるタンク底面を底部ライナプレート及び底部ライナアニュラプレートが埋めるように配列されてなる底部ライナ層とを具備して構成される。なお、前記外槽はたとえば炭素鋼を用いてもよい。
上記において、前記内槽は、内槽アニュラプレート上に複数の内槽側版が周回方向に連接されて形成される内槽側板1段目と、前記内槽側板1段目上に複数の内槽側版が該内槽側板1段目の各内槽側板の周継手位置とは継手位置がずれるように周回方向に連接されて形成される内槽側板2段目と、このように順次積層されて最上段の内槽側板最上段目と、前記内槽側板最上段目にナックルプレートを介して接合される内槽屋根とを具備し、前記内槽側版の連接に際し周継手において溶接され縦継手においてはスチフナを取り付けた後に溶接されてなるように構成するとより好ましい。
また、別に、上記において、前記内槽側板の厚さは、少なくとも、前記7%ニッケルを含む鋼材の許容引張応力及び該側板の最下部に作用する圧力、並びに前記溶接継手の効率がファクターとして考慮されて決定されるとより好ましい。
この場合、前記底部ライナ層は、前記内槽及び/もしくは外槽によって画されるタンク底面を底部ライナプレート及び底部ライナアニュラプレートが埋めるように配列され、前記底部ライナプレートもしくは前記底部ライナアニュラプレートに係る板材と板材とは突合せ溶接もしくは隅肉溶接にて形成される。
さらに、上記において、前記内槽は内槽屋根及び内槽側板を、前記外槽は外槽屋根を、それぞれ備え、前記内槽屋根は前記外槽屋根から吊り状部材にてデッキ板を垂下し前記内槽側板上部に被せられる構成とするとより好ましい。すなわち、内槽屋根がいわゆるサスペンション構造とすることになる。
また、上記において、前記外槽は外槽ライナ及び外槽屋根を備えてなり、前記外槽屋根と前記内槽屋根とは骨受けサポート材にて仮設連結されて浮上された後に前記内槽屋根が吊り降ろされて前記内槽側板最上段に連接されて形成されるようにするとより好ましい。
さらに、上記において、PC鋼材に対して略鉛直方向及び円周方向に予め圧縮力を与えたPC(プレストレストコンクリート)によってなる防液堤をさらに具備するようにするとより好ましい。防液堤は万一のLNG漏洩に対して設けられるものであり、漏洩検知設備、各種防災設備をさらに設置することもできる。
さらにまた、前記断熱材は、底部及び/もしくは屋根部及び/もしくは側部については、パーライト、パーライトコンクリート、PUF(ポリウレタンフォーム)、泡ガラス、グラスウール等を含む構造とする。
また、前記底部ライナアニュラプレート上に金網を敷設したパーライトコンクリートが複数層打設されてなる底部保冷層をさらに備えるようにしてもよい。
まず、本願発明者は、内槽材として、従来の9%ニッケル鋼に換えて、7%ニッケル鋼を使用できないかという点に着眼した。この際において、上述の品質劣化を避ける必要から、7%ニッケル鋼を用いても、品質に支障が出ないようにするための創意工夫を重ねた。また、その観点からさらに進め、タンクの容量を巨大化しても安全性に支障が出ないための創意工夫を重ねた。より具体的には、内槽において、内圧及び外圧に対して安全な構造を実現できる構成をとるような工夫を行った。
また、防液堤においても、容量巨大化に伴って増大する通常荷重(自重、プレストレス力、拘束荷重)、地震荷重、風荷重、液圧、熱荷重の組合せ荷重に耐え得るだけでなく、巨大化に伴う内圧増加による液漏対抗策として板材の溶接態様に工夫を与えた。
内槽に用いられる7%ニッケルを含む鋼は、低温靱性が一定程度以上確保されている材である。7%ニッケルを含む鋼は、不純物低減、製法の工夫等が行われた結果、本願発明を構成するLNG内槽板材としての的確性を十分有していると判断した。これには製鋼上の工夫等によってもたらされた、微細な残留オーステナイト相の増加による母材及び溶接継手における低温靱性の向上が背景にある。7%ニッケル鋼を巨大化したLNGタンクの内槽板として用いることでもたらされる本願独自の副次的効果もある。すなわち、いわゆるレアメタルであるニッケルの消費量が相対的に減少することで地球環境の保護に資することになる。さらに、このようなレアメタルであるために国際的な価格動向が産業界の動向に影響を与えるものであるニッケルの含有分が低減されることでコスト低減が果たされる。この点は、現実的に産業上のインパクトが大きい。
内槽は、耐震性に優れた(ドーム型)屋根を有した平底円筒型竪型タンク形状を有するものとする。高度の安全性を要求されるLNGの貯蔵・保存を直接的に担うためである。内槽の側部には後述する保冷材が配置・設営される。
防液堤は、LNG等の液が万が一漏れ出した際に、その設備、装置以外 の箇所に漏れ出て行ってしまうことを防止する機能を有するものであり、通常PC(プレストレストコンクリート)にて製作されることが一般的である。なお、PCとは、PC鋼材を使って、荷重が作用する前にコンクリート部材に圧縮力がかかった状態(プレストレスト)とし、荷重を受けたときにコンクリートに引張応力が発生しないようにするか引張応力を制御することができるようにしたものである。コンクリートには圧縮力に強く引張力に弱いという特性があるがこれを補い、鉄筋コンクリートに比べ、引張応力によるひび割れを防ぐことができるようにしたものである。上記荷重としては、自重(内槽、外槽、保冷材、配管、機器付属品の自重)、内槽ガス圧力、内外槽間ガス圧力、静液圧、保冷材圧力(内外槽間の保冷材により内槽又は外槽の側板に作用する圧力及び摩擦力)、熱(温度)荷重(配管の温度収縮により内槽に作用する荷重)、積雪荷重(多雪地域の場合)を考慮する。防液堤は、構造的な観点からの機能だけでなく、内槽からの漏液を防ぐという機能を発揮できることが必要である。たとえば23万mといった容量に相応する漏液が、内槽から万一起こり、これに対応する液圧が防液堤に作用した場合においても液密性を確保する必要がある。このために、上記のPC鋼材へは略鉛直方向及び円周方向に予め圧縮力を与える構成を採用する。なお、コンクリート構造によってなる防液堤としては、PCに限られるものではなく、RC(鉄筋コンクリート)、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)等を用いることがあってもよい。この場合には、必要な強度を発現できることが条件となる。或いはまた、PCa(プレキャストコンクリート)とし、たとえば防液堤の内側にプレキャスト型枠として外槽材と一体化したものを仕込む工法によって実現する構造であってもよい。
外槽は、防液堤に直接的にもしくは間接的に内接されるように配置される側部ライナプレートによって構成される。側部ライナプレートは、多段構成され、各段においては、各ライナプレートが周回方向に接合されている。LNGの蒸発を抑制するために、内槽側部及び屋根部の周囲にはたとえば粒状パーライトなどの保冷材が充填され、防湿のための窒素ガスが封入される。外槽は、こうした保冷材を保持し、窒素ガスを密閉する機能を担っている。外槽屋根端部は防液堤の頂部に固定される。
上記構成によれば、PC鋼材に対して略鉛直方向及び円周方向に予め圧縮力を与えたPC(プレストレストコンクリート)によってなる防液堤とすることで、LNGタンクの巨大化に対しても、漏液が発生した場合でも十分な液圧対抗力を保持することができる。また、内槽において、7%ニッケル鋼によってなる複数の内槽側版が周回方向に連接されて構成される段が、鉛直方向の前記連接線が重ならないように複数段積層され、前記連接部を縦継手及び周継手において溶接されて構成されることで、従来の9%ニッケル鋼に7%ニッケル鋼を代替させても、品質に支障が出ずに、母材及び継手における材料強度を確保できることから同等以上の安全性能が実現される。
ここで、内槽として、内槽アニュラプレート上に複数の内槽側版が周回方向に連接されて形成される内槽側板1段目と、前記内槽側板1段目上に複数の内槽側版が該内槽側板1段目の各内槽側板の周継手位置とは継手位置がずれるように周回方向に連接されて形成される内槽側板2段目と、このように順次積層されて最上段の内槽側板最上段目と、前記内槽側板最上段目にナックルプレートを介して接合される内槽屋根とを具備し、前記内槽側版の連接に際し周継手において溶接され縦継手においてはスチフナを取り付けた後に溶接されるように構成することで、上記の効果に加えて、さらに溶接継手における耐荷重を強度のものとすることができる。
また、内槽側板の厚さは、少なくとも、前記7%ニッケルを含む鋼材の許容引張応力及び該側板の最下部に作用する圧力、並びに前記溶接継手の効率がファクターとして考慮されて決定されるように構成することで、強度確保がより目に見える形で実現でき、検証することも可能となる。
さらに、底部ライナ層は、前記内槽及び/もしくは外槽によって画されるタンク底面を底部ライナプレート及び底部ライナアニュラプレートが埋めるように配列され、前記底部ライナプレートもしくは前記底部ライナアニュラプレートに係る板材と板材とが突合する箇所は開先溶接され、該板材が3枚重ねとなる箇所は最下材と中間材との重なりによって形成される板厚部分が隅肉溶接された上を最上材が覆うように重層されてなる構成をとることで、従来の9%ニッケル鋼に7%ニッケル鋼を代替させても、品質に支障が出ずに、同等以上の安全性能が実現される。
また、外槽は外槽ライナ及び外槽屋根を備えてなり、前記外槽屋根と前記内槽屋根とは骨受けサポート材にて仮設連結されて浮上された後に前記内槽屋根が吊り降ろされて前記内槽側板最上段に連接されて形成されることで、内外屋根を同時に吊り上げることができ、工期の短縮が実現される。
底部ライナアニュラプレート上に金網を敷設したパーライトコンクリートが複数層打設されてなる底部保冷層をさらに備える構成とすることで、タンク底部の一定温度に保持する機能が実現される。
本発明に係るLNGタンクでは、容量の規模を大きく(たとえば23万m)した場合であっても、コストが規模に伴って増大することを抑え、工期の実質的短縮を図ることが可能となる。
特に、コストの実質的削減を果たすと共に、一定品質の保持、安全性の維持・向上を図ることができる。
本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1の概略断面図である。 本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの内槽側板の施工に係る工程を示した概念的斜視図である。 本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちのナックルプレート取付に係る工程を示した概念的斜視図である。 本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの内槽アニュラ板(アニュラプレート)の施工に係る工程を示した概念的斜視図である。 本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの外槽側部ライナプレートの施工に係る工程を示した概念的斜視図であり、(a)はその1〜4段目の組み立て施工(屋根浮上前)に係るもの、(b)はその最下段の組み立て施工(屋根浮上後)に係るものを示した図である。 本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの内槽屋根内周部の施工に係る工程を示した概念的斜視図であり、(a)はその概要、(b)はその屋根ブロック搭載順序を示した図である。 本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの内槽屋根外周部の施工に係る工程を示した概念的斜視図であり、(a)はその概要、(b)はその屋根ブロック搭載順序を示した図である。 本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの外槽屋根部の施工に係る工程を示した概念的斜視図であり、(a)はその概要、(b)はその屋根ブロック搭載順序を示した図である。 本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの屋根浮上工程を示した概念的斜視図である。 本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの内槽側板1〜8段目に係る施工工程を示した概念的斜視図である。 本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの内槽屋根吊り降ろし工程を示した概念的斜視図であり、(a)はその概要、(b)はその吊りサポートの詳細を示した図である。 本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの底部保冷(中央部)施工に係る工程を示した概念的斜視図である。 本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの内槽底板の施工に係る工程を示した概念的斜視図である。 本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの保冷部の施工に係る工程を示した概念的斜視図である。 本発明の別の実施形態に係るLNGタンク(構築物)の概念的断面図である。
以下、図面を参照し、本発明の一実施形態に係るLNGタンクに係る構造及びその施工法について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
図1は、本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1の概略断面図である。LNGタンク(構築物)1は好適には、耐震性に優れた(ドーム型)屋根を有した平底円筒型竪型タンク形状を有するが、高度の安全性を要求されるLNGの貯蔵・保存を直接的に担うのに適している。同図に示されるように、本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1は、PCによってなる(PC)防液堤10、基礎コンクリート20、防液堤10と結合されて剛構造の躯体を形成する基礎スラブ22を備えてなる外殻体の中に、防液堤10に(直接的もしくは間接的に)一面を覆うように内接されて形成される外槽(構造体)103と、外槽103に内包されるように形成される内槽(構造体)104と、外槽103及び内槽104のそれぞれの頂部に接合される外槽屋根(体)110及び内槽屋根(体)112と、基礎スラブ22上に積層して内槽の底板を形成する底板ライナプレート201、底部保冷層203、内槽底板205と、外槽103及び内槽104の間に充填されて断熱層105を形成するグラスウール(ボード層)105a、PUF(ポリウレタンフォーム)層105b、パーライト105cを備えて構成される。なお、付属設備として、LNGタンク(構築物)1には、ポンプバレル30及び外部階段40並びに外部昇降路42が備えられる。
PC防液堤10は、プレストレストコンクリートによって構成されている。PC鋼材には略鉛直方向及び円周方向に予め圧縮力を導入されている。より具体的には、23万mといった大容量を実現するタンクであったとしても、自重(内槽、外槽、保冷材、配管、機器付属品の自重)、内槽ガス圧力、内外槽間ガス圧力、静液圧、保冷材圧力(内外槽間の保冷材により内槽又は外槽の側板に作用する圧力及び摩擦力)、熱(温度)荷重(配管の温度収縮により内槽に作用する荷重)、積雪荷重(多雪地域)に耐え得るような強度を発現できる圧縮力を導入する。さらに、PC防液堤10は、内槽からの漏液が万が一起こった場合に、これがたとえば23万mといった大容量に相応する漏液であったとしても、これに対応する液圧が防液堤に作用した場合においても液密性が確保されるようにすべく、本稿に規定する構造及び施工法を採用する。
なお、防液堤の構造としては、上記と同程度以上の強度が確保される限りにおいて、PCに限らず、RC(鉄筋コンクリート)、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)、PCa(プレキャストコンクリート)等を採用したものであってもよい。
外槽103は、PC防液堤10に内接されるように配置される側部ライナプレート103aが略水平方向に周回を形成する様に連接されて構成される単段構造が略鉛直方向に積層されて形成される。側部ライナプレート103aは、各段において、各ライナプレートが突合され、開先溶接されるものである。溶接は好適には、溶接棒1本分の飛び石法もしくはバックステップ法によって行う(以下同じ)。
内槽104は、内槽アニュラプレート123上に複数の内槽側版104aが周回方向に連接されて形成される内槽側板1段目104a−1と、内槽側板1段目104a−1上に複数の内槽側版104aが1段目の各内槽側板の周継手位置とは継手位置がずれるように周回方向に連接されて形成される内槽側板2段目104a−2と、このように順次積層されて最上段の内槽側板最上段目104a−9と、内槽側板最上段104a−9にナックルプレート104nを介して接合される内槽屋根112とを具備して構成される。内槽側版104aの連接に際し周継手において溶接され縦継手においては好適にはスチフナ(図示しない)を取り付けた後に溶接する。内槽104には、7%ニッケルを含む鋼を用いるのが好ましい。7%ニッケルを含む鋼は、低温靱性が一定程度以上確保されている材である。本願発明者は、本願の課題とする大容量LNGタンク、特に23万mといった容量をコストの実質削減、工期の実質短縮、安全性等の品質の維持を堅持して実現するためには、7%ニッケルを含む鋼がLNGタンク内槽板材としての的確性を十分有していると判断した。製鋼上の工夫等によってもたらされた、微細な残留オーステナイト相の増加による母材及び溶接継手における低温靱性の向上等を総合的に判断した結果である。7%ニッケル鋼を用いることで、いわゆるレアメタルであるニッケルの消費量が相対的に減少し、地球環境の保護に資することにもなる。さらに、このようなレアメタルであるために、一般的に価格が高騰しやすいところ、本願では相対的にその使用量を低減させることで、コスト低減を実現するものである。
本願においては、7%ニッケル鋼としては、Ni:6.00%〜7.50%のものを採用するのが好適である。
ここで、内槽側板は、内圧及び外圧(保冷材圧力等)に対して安全な構造を実現する必要がある。そこで、好適には、内槽側板の厚さとして、次の式に基づいた数値を採用する。
Figure 2014193726
ここで、
t:内槽側板の最小厚さ(mm)
P:側板の各段最下部に作用する圧力(MPa)で静液圧及び最高使用圧力とする
:内槽内径(mm)
:材料の許容引張応力(N/mm
η:溶接継手の効率
C:腐れ代(mm)
これにより、安全性が確保される。
断熱層105は、LNGの蒸発を抑制するための機能を保持する層である。具体的には、内槽側部及び屋根部の周囲には保冷材としてパーライトが用いられる。外槽103は、こうした保冷材105を保持し、窒素ガス(図示しない)を密閉する機能を担っている。外槽屋根110の端部は防液堤10の頂部に固定される。断熱層105は、万が一、内槽104からLNGが漏洩した場合に、冷熱抵抗緩和材として機能するものであり、PUF(ポリウレタンフォーム)を導入する。なお、断熱材105としては、グラスウール(ボード層)105a、PUF層105b、パーライト105cを構成として備えるものを例にとって説明しているが、同等或いは類似の機能を備える材料であればこれらに限定されることなく本願を構成するものとして採用することが可能である。
次に、本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1の施工方法の概略を説明する。図2は、本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの内槽側板の施工に係る工程を示した概念的斜視図であり、図3は、本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちのナックルプレート取付に係る工程を示した概念的斜視図であり、図4は、本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの内槽アニュラ板(アニュラプレート)の施工に係る工程を示した概念的斜視図である。
まず、上述した防液堤10のコンクリート打設を行う(図示しない)。この打設に当たっては、事前にPC鋼材に所定の圧縮力(23万m等の大容量LNGタンクに相応する各種荷重に耐え得る強度に係る圧縮力で上述のとおり)を導入しておく。コンクリート打設の前・後等に行われる基礎工事との取り合い、内槽アンカーストラップ等の施工については記載を省略する。
次に、外槽底部ライナプレートを敷設する(図示しない)。この施工にあたっては、適宜、タワークレーン等の重機を使用し、底部ライナアニュラプレート(図示しない)を配列しながら行う。
次に、図2に示されるように、内槽側板104aの施工を行う。当該施工にあたっては、PC防液堤10の内面下部に側板ナックル架台50を組み立てた後、各種クレーンCl等を使用してタンク内に側板104a(本図においては内槽側板9段目としての104a−9)を取り込み、(油圧)クレーンCl等を用いて組み立てる。組み立てた後は、縦継手の肌合せ、開先溶接等を行う。
次に、図3に示されるように、ナックルプレート104nの施工を行う。この施工にあたっては、内槽側板9段目104a−9の上端に、ナックルプレート104nの板割を行い、各種クレーンCl等を使用してナックルプレート104nを取り込み、(油圧)クレーンCl等を用いて組み立て、縦継手の肌合せ、開先溶接等を行う。ナックルプレート104nの板割の際には、内槽側板9段目104a−9における継手線と内槽側板9段目104a−9における継手線とが重ならないようにするのが好適である。
次に、底部の保冷層203(図1)を施工する。これはバケット等を用いて、金網敷設、パーライトコンクリート打設、メッシュライニングシートの敷設、保護シートの敷設等を行うことで実施する。
次に、内槽アニュラ板(アニュラプレート)の施工を行う。図4に示されるように、パーライトブロック121上に架台(図示しない)を設置し、タワークレーンC2等を使用してタンク内にアニュラ板123を工事口(図示しない)より取り込み、フォークリフトF等を使用してこの架台上に配列、敷込を行ったのち、肌合せ、開先溶接等を行う。
外槽側部ライナプレートの施工について説明する。図5は本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの外槽側部ライナプレートの施工に係る工程を示した概念的斜視図であり、(a)はその1〜4段目の組み立て施工(屋根浮上前)に係るもの、(b)はその最下段の組み立て施工(屋根浮上後)に係るものを示した図である。これらの両図に示されるように、クローラクレーンCCを用いて側部ライナプレート1段目103a−1を取り込み、配列、組み立て、肌合せ、開先溶接等を行う。同じ要領で、2段目(103a−2)〜4段目(103a−4)の組み立て等を行う。これら作業に当たっては、適宜、ブラケット足場BRを作業足場として用いてもよい。側部ライナプレート1段目103a−1〜4段目103a−4の組み立て等は屋根浮上(後述する)前に行う。側部ライナプレート最下段103a−Lの組み立てについては、屋根浮上(後述する)後に、たとえばホイストクレーンHC等を使用して取り込み、配列、組み立て、肌合せ、開先溶接等を行う。なお、側部ライナプレート1段目103a−1〜4段目103a−4の組み立て工程と、外槽屋根(内周部)110bの組み立て工程とは並行作業とすることもできる。これら作業には、図示されるトップアングルANから支保されるゴンドラレールGNからゴンドラGを適宜吊り下げて作業足場とすることもできる。
次に、内槽屋根内周部の施工を行う。図6は、本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの内槽屋根内周部の施工に係る工程を示した概念的斜視図であり、(a)はその概要、(b)はその屋根ブロック搭載順序を示した図である。これらの両図に示されるように、底部ライナプレート上に、屋根架台(中間支柱)112d及び屋根架台(センター支柱)112eを組み立てる。その上でタワークレーンTC等を使用して屋根架台(センター支柱)112e上に内槽センターリング112aを搭載し、ボルト締め等した後、内槽屋根内周部ブロック112bを同図(b)に示すような順序で搭載し、センターリング112aとボルトで取合い、適宜高所作業車WV等を利用して肌合せ、溶接等を行う。
次に、内槽屋根外周部の施工を行う。図7は、本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの内槽屋根外周部の施工に係る工程を示した概念的斜視図であり、(a)はその概要、(b)はその屋根ブロック搭載順序を示した図である。内槽屋根外周部112cのブロックを同図(b)に示されるような順序で搭載し、内周部112bとボルトで取合う。内槽屋根外周部112cのナックルプレート側の端部は、ナックルプレート104nに取り付ける。内槽屋根内周部112bのセンター側端部はセンタープレート112CPに取り付ける。取付に当たっては、適宜高所作業車WV等を利用する。搭載完了後、順次、肌合せ、溶接等を行う。
次に、外槽屋根部の施工を行う。図8は、本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの外槽屋根部の施工に係る工程を示した概念的斜視図であり、(a)はその概要、(b)はその屋根ブロック搭載順序を示した図である。外槽屋根部は、内槽屋根と同じ要領で、内周部、外周部に分けて搭載する。センタープレート112CP上に受け架台110KD、内槽屋根112上に骨受けサポート110SPを設置し、タワークレーンTC等を使用して、受け架台110KD上に外槽センターリング110aを搭載した後、外槽屋根内周部ブロック110bを同図(b)に示されるような順序で搭載し、外槽センターリング110aとボルトで取合う。このように順次、屋根ブロックを搭載しブロック同士をガーターで取合い、配置完了後に、順次、肌合せ、溶接等を行う。こうして屋根ブロックの内周部の組み立てが完了すると、センタープレート(図示しない)の搭載を行い、順次、肌合せ、溶接等を行う。外槽屋根外周部110cも内周部110bと同様に搭載し、順次、肌合せ、溶接等を行う。
次に、屋根浮上工程を行う。図9は、本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの屋根浮上工程を示した概念的斜視図である。同図に示されるように、工事口10xの近傍に配置されるステージSTにブロワーBLを設置する。外槽屋根110に浮上用シール110Sを取り付け、側部ライナプレートとの間隙をシールする。次に、PC防液堤10の天端に上部ワイヤー取付材53、屋根浮上用アンカーボルト(図示しない)上に下部ワイヤー取付材52を取り付け、レベリングワイヤーLWを敷設する。その他の必要な浮上用機器の取付の後、仮浮上、本浮上を行う。屋根が所望の位置に到達したら、芯の確認、屋根板とトップアングルの肌合せ、溶接等を行う。
次に、内槽側板1〜8段目の施工を行う。図10は、本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの内槽側板1〜8段目に係る施工工程を示した概念的斜視図である。同図に示されるように、工事口10xの近傍に配置されるステージSTに側板搬入台車D、ゴンドラレールGNにホイストクレーンHCを設置し、(図示しない)クレーン等にて側板搬入台車D上に側板104aを載せタンク1内に搬入し、ホイストクレーンHCにかける。次に、ホイストクレーンHCで側板104aを所望の位置まで移動し組み立てし、縦継手の開先溶接を行う。側板1段目104a−1の組み立てを完了した後に、側板2段目104a−2の組み立てを1段目と同様に行う。側板2段目104a−2の縦継手溶接完了後に、側板1段目104a−1の周継手の肌合せ、開先溶接等を行う。なお、側板1段目104a−1の縦継手の線と、側板2段目104a−2の縦継手の線とが重ならないようにずらす。以降、側板8段目104a−8まで繰り返す。
次に、内槽屋根吊り降ろし工程を行う。図11は、本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの内槽屋根吊り降ろし工程を示した概念的斜視図であり、(a)はその概要、(b)はその吊りサポートの詳細を示した図である。内槽側板8段目104a−8の施工完了後に、浮上前に取り付けたジャッキ架台JKDに油圧ジャッキJKを取り付け、油圧装置と配管で接続する。しかる後、屋根内外槽間に取り付けられている吊りサポートSPを外周から内周へ向かって切断し、解体する。次に、油圧ジャッキJKを操作して、ジャッキダウン量を数回に分け(J)、内槽屋根112の吊り降ろしを行う。内槽屋根112の吊り降ろし完了後、(降ろされたナックルプレート104n、側板9段目104a−9の下端と)側板8段目104a−8の周継手の肌合せ、開先溶接等を行う。
次に、中央部の底部保冷施工について説明する。図12は、本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの底部保冷(中央部)施工に係る工程を示した概念的斜視図である。同図に示されるように、底部ライナプレート上に保冷用型枠を設置した後、仮設ミキサープラント(図示しない)よりバケット等を使用して、タンク中央部型枠内にパーライトコンクリート203aの打設、乾燥養生後にメッシュライニング203bの敷設、メッシュライニング203b上にキャッピング材203c及びあわガラス203dを交互に敷設する。しかる後に、3層目キャッピング材203c上にALC(軽量気泡コンクリート)(図示しない)を打設した上で、ALC上に耐熱ボード(図示しない)を敷設する。
次に、内槽底板の施工について説明する。図13は、本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの内槽底板の施工に係る工程を示した概念的斜視図である。同図に示されるように、工事口10xのステージSTにローラコンベアRoC、タンク1内の工事口10xにスロープSLを設置する。クレーン(図示しない)等を使用し内槽底板205をステージST上のコンベアRoCに載せてスロープSL上に引き込む。しかる後に、スロープSLで降下させ、内槽底板205を所定位置まで移動させ、マーキングMkgに沿って配列する。配列が完了した箇所から順次肌合せ、開先溶接等を行う。
次に、ポンプバレルの吊り込み、設置を行い(図示しない)、必要に応じて所定の検査等を行い(図示しない)、保冷部の施工を行う。図14は、本発明の一実施形態に係るLNGタンク(構築物)1のうちの保冷部の施工に係る工程を示した概念的斜視図である。同図に示されるように、内外槽間に設置される長尺ゴンドラ(図示しない)等を使用して内槽側板外面にアンカーピンを取り付け(図示しない)、このアンカーピンにグラスウールブランケット105aを差し込み固定する。次に、タンク1近傍にパーライト焼成設備PL1を設置する。その後に、パーライト移送菅PL2、最外周のパーライト充填マンホールPL3より、焼成パーライト105cを内外槽間側部へ充填する。この際に、内外槽間側部への充填は円周方向に略均等に行う。密な充填が期待できる。内外槽間側部への充填が完了したら、内外槽間屋根部への充填を行う。この際には、外周部から頂部へ向かい、リング状に充填を行う。
以上、詳細に説明したように、本願発明によれば、LNGタンクの巨大化に対しても、漏液が発生した場合でも十分な液圧対抗力を保持することができる。また、内槽において、従来の9%ニッケル鋼に7%ニッケル鋼を代替させても、品質に支障が出ずに、母材及び継手における材料強度を確保できることから同等以上の安全性能が実現される。さらに、巨大化したLNGタンクの施工においても工期を実質的に短縮することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定される必要はなく、同等の技術思想の範囲内で、種々の代替、置換、追加、拡大、縮小等が可能である。たとえば、上記では、内槽材として7%ニッケル鋼を採用する形態を例にとって説明したが、本願に係る技術思想はこの素材に限定することなく同等の材料特性を有するものに対して適用が可能である。
たとえば、内槽屋根については、いわゆるサスペンション構造のものを採用する態様も可能である。たとえば図15に示されるように、内槽屋根を、外槽屋根110から吊り状部材50にてデッキ板60を垂下して内槽側板104a上部に被せてあたかも蓋をしたような構成とすることもできる。
このように、巨大化したLNGタンク及びその施工をコストの実質的低減、工期の実質的短縮、安全性等の品質の保持・向上を図りつつ実現するものである。
したがって、本発明は、建設業をはじめとして、造船、エネルギー産業等において多大な利用可能性を有している。
1 LNGタンク
10 (PC)防液堤
20 基礎コンクリート
22 基礎スラブ
30 ポンプバレル
40 外部階段
42 外部昇降路
103 外槽(構造体)
103a 側部ライナプレート
104 内槽(構造体)
104a 内槽側版
104a−1 内槽側板1段目
104a−2 内槽側板2段目
104n ナックルプレート
105 断熱層(保冷材)
105a グラスウール(ボード層)
105b PUF(ポリウレタンフォーム)層
105c パーライトコンクリート
110 外槽屋根(体)
112 内槽屋根(体)
123 内槽アニュラプレート
201 底板ライナプレート
203 底部保冷層
205 内槽底板

Claims (8)

  1. 側板又はライナープレートが配列されてなる外槽と、
    前記外槽から一定の距離を置いて配設され、7%ニッケルを含む鋼によってなる複数の内槽側版が周回方向に連接されて構成される段が、鉛直方向の前記連接線が重ならないように複数段積層され、前記連接部を縦継手及び周継手において溶接されてなる内槽と、
    前記内槽と前記外槽との間に断熱材が充填されてなる断熱層と、
    前記内槽及び/もしくは外槽によって画されるタンク底面を底部ライナプレート及び底部ライナアニュラプレートが埋めるように配列されてなる底部ライナ層と
    を具備することを特徴とするLNGタンク。
  2. 前記内槽は、内槽アニュラプレート上に複数の内槽側版が周回方向に連接されて形成される内槽側板1段目と、前記内槽側板1段目上に複数の内槽側版が該内槽側板1段目の各内槽側板の周継手位置とは継手位置がずれるように周回方向に連接されて形成される内槽側板2段目と、このように順次積層されて最上段の内槽側板最上段目と、前記内槽側板最上段目にナックルプレートを介して接合される内槽屋根とを具備し、前記内槽側版の連接に際し周継手において溶接され縦継手においてはスチフナを取り付けた後に溶接されてなることを特徴とする請求項1記載のLNGタンク。
  3. 前記内槽側板の厚さは、少なくとも、前記7%ニッケルを含む鋼材の許容引張応力及び該側板の最下部に作用する圧力、並びに前記溶接継手の効率がファクターとして考慮されて決定されることを特徴とする請求項1記載のLNGタンク。
  4. 前記内槽は内槽屋根及び内槽側板を、前記外槽は外槽屋根を、それぞれ備え、
    前記内槽屋根は前記外槽屋根から吊り状部材にてデッキ板を垂下し前記内槽側板上部に被せられることを特徴とする請求項1記載のLNGタンク。
  5. 前記外槽は金属によってなることを特徴とする請求項1記載のLNGタンク。
  6. PC鋼材に対して略鉛直方向及び円周方向に予め圧縮力を与えたPC(プレストレストコンクリート)によってなる防液堤をさらに具備することを特徴とする請求項1記載のLNGタンク。
  7. 前記外槽は外槽ライナ及び外槽屋根を備えてなり、
    前記外槽屋根と前記内槽屋根とは骨受けサポート材にて仮設連結されて浮上された後に前記内槽屋根が吊り降ろされて前記内槽側板最上段に連接されて形成されることを特徴とする請求項2記載のLNGタンク。
  8. 前記底部ライナアニュラプレート上に金網を敷設したパーライトコンクリートが複数層打設されてなる底部保冷層をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項記載のLNGタンク。
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