JP2014192124A - 電池パック - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却に関する異常についてのより詳細な診断を行うことのできる電池パックを提供する。
【解決手段】電池パック10は、通風用の間隔を空けて配列された複数の電池モジュール21と、通風用の間隔に気体からなる冷却媒体を供給する供給ダクト33を有する冷却媒体通路と、供給ダクト33に冷却媒体を送り込む冷却ファン30とを備える。電池パック10は、供給ダクト33の冷却ファン30に近い位置Aに配置されて供給ダクト33内の冷却媒体の温度を測定する第1の温度センサ51と、供給ダクト33の第1の温度センサ51が配置された位置よりも冷却ファン30から離間した位置Bに配置されて供給ダクト33内の冷却媒体の温度を測定する第2の温度センサ52と、第1及び第2の温度センサ51,52によりそれぞれ測定された温度に応じて電池パック10に生じている異常の内容を診断する診断部50とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、二次電池からなる電池モジュールを複数連結させて収容する電池パックに関する。
周知のように、電気自動車やハイブリッド自動車では、動力源もしくは補助動力源として電動モータが用いられている。そして、この電動モータの電力源としては複数の電池モジュールが用いられ、これら電池モジュールが電気的に接続された状態で電池パックに収納されている。
ところで、充放電などに伴う温度上昇により性能が低下する電池モジュールは、温度上昇を抑制して性能維持を図るために、空冷等による冷却が施されることが一般的であり、特に多数の電池モジュールが収容される発熱量の大きい電池パックほどより適切な冷却が欠かせない。そして、もしも電池パックの冷却が正常に行われないようなことがあると、電池パックの性能が低下し、ひいては車両の運行に支障を及ぼすおそれもあることから、従来より、例えば特許文献1に記載のような電池パックの冷却が適切に行われているか否かを判断する技術が提案されている。
特許文献1に記載の技術は、車両に搭載されたバッテリを冷却ファンを用いて車室内の空気により冷却するシステムにおいて、その冷却システムの異常を検知する技術である。この冷却システムは、バッテリECU(電子制御装置)と、バッテリの温度を検知するバッテリ温度センサと、バッテリを冷却する空気の温度を検知するバッテリ冷却風温度センサと、車室内の温度を検知する車室内温度センサとを備える。そしてバッテリECUは、バッテリの温度が予め定められた温度よりも高いとき、車室内の温度とバッテリを冷却する空気の温度とに基づいて冷却システムの異常を検知する。
特開2004−291721号公報
ところで近年、電池パックは大型化や高容量化にともなって発熱量も増加する傾向にあることから、冷却の重要性がますます高まっているとともに、万一、電池パックの冷却に異常が生じたようなときには、その異常をより詳細に診断できることも重要になってきている。その意味では、特許文献1に記載の電池パック(バッテリ)も含めて、より詳細な異常診断機能を有する電池パックの開発が望まれている。
本発明は、このような実情に鑑みなされたものであって、その目的は、冷却に関する異常についてのより詳細な診断を行うことのできる電池パックを提供することにある。
上記課題を解決する電池パックは、通風用の間隔を空けて配列された複数の電池モジュールと、前記複数の電池モジュールに沿ってその配列方向に延設されて前記通風用の間隔に気体からなる冷却媒体を供給する供給通路を有する冷却媒体通路と、前記供給通路の基端部に接続されて該供給通路に冷却媒体を送り込むファン部とを備える電池パックであって、前記供給通路の前記ファン部に近い位置に配置されて前記供給通路内の冷却媒体の温度を測定する第1の温度センサと、前記供給通路の前記第1の温度センサが配置された位置よりも前記ファン部から離間した位置に配置されて前記供給通路内の冷却媒体の温度を測定する第2の温度センサと、前記第1及び第2の温度センサによりそれぞれ測定された温度に応じて当該電池パックに生じている異常の内容を診断する診断部とを備えることを要旨とする。
このような構成によれば、電池パックに生じている異常の内容を、2つの温度センサによりそれぞれ測定された温度に応じて種々診断することができるようになる。すなわち、2つの温度センサにより測定されたそれぞれの温度に応じて、電池パックの状態として、例えば「正常」、「ファン部の異常」、「冷却媒体通路の詰まり」、「電池モジュールの温度異常」等々、異常の有無に加えて、異常が生じている場合の異常内容まで詳細に診断することができるようになる。
好ましい構成として、前記診断部には、前記第1及び第2の温度センサによりそれぞれ測定された温度の正常/異常を判断するための閾値がそれぞれ設定されている。
このような構成によれば、第1及び第2の温度センサによりそれぞれ測定された測定温度の正常/異常が、測定温度に対応して設定された閾値以下であるか、又は閾値より高いかによって判断される。これにより、第1及び第2の温度センサによりそれぞれ測定された測定温度の正常/異常の判断が簡単かつ迅速に行われる。なお閾値として、通常では測定されることのない高い温度の値を設定することで、各測定温度を閾値と比較することに基づいて測定温度に異常が生じていることを判断することができる。
また、電池パックに生じている異常の内容を、2つの温度センサによりそれぞれ測定された温度の正常/異常の組み合わせに応じて種々診断することができるようにもなる。
好ましい構成として、前記診断部は、前記第1の温度センサによる測定温度が異常と判断されるとき、前記ファン部が異常である旨を診断する。
このような構成によれば、ファン部の異常を、ファン部に近い第1の温度センサの測定温度の異常によって診断することができる。これにより、異常の内容が絞り込まれ、迅速な対応も可能となる。
好ましい構成として、前記診断部は、前記第1の温度センサによる測定温度が正常と判断されてかつ、前記第2の温度センサによる測定温度が異常と判断されるとき、前記冷却媒体通路の詰まり、もしくは前記電池モジュールの温度異常である旨を診断する。
このような構成によれば、冷却媒体通路の詰まり、もしくは電池モジュールの温度異常を、ファン部に近い第1の温度センサの測定温度の正常、及びファン部から離れた第2の温度センサの測定温度の異常によって診断することができる。これにより、異常の原因が絞り込まれ、迅速な対応も可能となる。
好ましい構成として、前記冷却媒体通路は、前記配列された複数の電池モジュールを挟んで前記供給通路と反対側の側面に延設されて電池モジュールに供給された冷却媒体を排出する排出通路をさらに有し、前記排出通路は、冷却媒体の出口に設けられて排出通路出口での冷却媒体の温度を測定する第3の温度センサを備え、前記診断部は、前記第2の温度センサによる測定温度と前記第3の温度センサによる測定温度との差に基づいて前記冷却媒体通路の詰まり及び前記電池モジュールの温度異常のいずれか一方を特定する。
このような構成によれば、冷却媒体通路の詰まり及び電池モジュールの温度異常のいずれか一方を、排出通路に設けられた第3の温度センサによる測定温度に基づいて特定することができるようになる。例えば、第2の温度センサによる測定温度よりも第3の温度センサによる測定温度が大幅に高いとき電池モジュールの温度異常と特定し、そうでないときは冷却媒体通路の詰まりと特定することができる。これにより、異常の内容がより絞り込まれ、異常に対して迅速な対応が可能となる。
好ましい構成として、前記供給通路における前記第1の温度センサと前記第2の温度センサとの中間にあって供給通路内の冷却媒体の温度を測定する第4の温度センサをさらに備え、前記診断部は、前記冷却媒体通路の詰まり及び前記電池モジュールの温度異常の少なくとも一方が、前記配列方向における前記第4の温度センサより前記第1の温度センサ側に生じた異常か、もしくは前記配列方向における前記第4の温度センサより前記第2の温度センサ側に生じた異常かを前記第4の温度センサにより測定された温度の正常/異常に応じて特定する。
このような構成によれば、冷却媒体通路の詰りや、電池モジュールの温度異常が、第1の温度センサと第4の温度センサとの間の位置に生じた異常か、又は、第4の温度センサと第2の温度センサとの間の位置に生じた異常かが特定される。これにより、異常の生じた位置がその内容とともに絞り込まれ、異常に対して迅速な対応が可能となる。
この電池パックによれば、冷却に関する異常についてのより詳細な診断を行うことができるようになる。
電池パックの一実施形態について、その端面構造を含む概略構造を模式的に示す模式図。 同電池パックにおける冷却用の空気の正常な流れを模式的に示す断面図。 同電池パックにおける冷却用の空気の異常な流れの一例を模式的に示す断面図。 同電池パックにおける冷却用の空気の異常な流れの他の例を模式的に示す断面図。 同電池パックの各温度センサの測定温度の正常/異常の組み合わせと、診断される電池パックの異常の詳細との関係を示す図。 同電池パックにて温度センサに基づいて異常の詳細を判定する処理を示すフローチャート。 電池パックの他の実施形態について、その電池パックの各温度センサの測定温度の正常/異常の組み合わせと、診断される電池パックの異常の詳細との関係を示す図。 電池パックのその他の実施形態について、その電池パックの各温度センサの測定温度の正常/異常の組み合わせと、診断される電池パックの異常の詳細との関係を示す図。
電池パックの一実施形態について、図に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の電池パック10は、電気自動車もしくはハイブリッド自動車の動力源もしくは補助動力源となる電動モータに電力を供給する電力源(電源)である電力ユニットとして用いられる。電池パック10は、その外装として図示しない収容ケースを備えている。その収容ケースは、金属材料などにより構成され、横長の箱形状に形成されている。収納ケースは、その内部に、電力を充放電する電池スタック20と、電池スタック20を冷却するための装置であるファン部としての冷却ファン30と、電池スタック20の電力の充放電を管理する電池制御装置40と、電池スタック20の冷却に関する各種の異常の診断などを行う診断部50とを備えている。
電池制御装置40は、いわゆるECU(電子制御装置)であって、電池スタック20の電力の充放電を管理することにより、電池スタック20の蓄電状態を電池の使用に適した状態に維持する。例えば、電池制御装置40は、電池スタック20の蓄電量(SOC:エスオーシー)を監視し、電池スタック20の蓄電量が所定の範囲に維持されるように電池スタック20の充放電を制御する。また、電池制御装置40は、電池モジュール21に設置された温度センサ(図示略)から検出される温度や診断部50から伝達される各種の異常の診断結果に基づいて、電池スタック20の電力の充放電を制御して、電池スタック20の温度を電池の使用に適した温度に維持させるようになっている。さらに、電池制御装置40は、上記電池モジュール21から検出される温度や上記各種の異常の診断結果に基づいて、冷却ファン30から電池スタック20へ供給される(送り込む)気体からなる冷却媒体としての空気の供給量を調節して、電池スタック20の温度を電池の使用に適した温度に維持させるようにもしている。
電池スタック20は、その長さ方向の両端の各ストッパ22の間に二次電池であるニッケル水素蓄電池からなる複数の電池モジュール21が配列されることにより構成されている。つまり、複数の電池モジュール21は、2つのストッパ22の間に挟まれるように配列されている。隣接する2つの電池モジュール21は、相互に対向する側面の間にそれら電池モジュール21を冷却する空気を流通させることのできる通風用の間隔を備えている。つまり2つの電池モジュール21が側面を対向させて配列されることで、それら電池モジュール21の対向する側面の間には、連通している通風用の間隔が形成される。つまり、各電池モジュール21は、その側面に沿う方向である配列方向に直交する方向における一方の端部側から他方の端部側へ連通する通風用の空間を隣接する他の電池モジュール21との間に備える。
電池スタック20は、複数の電池モジュール21の配列方向を長さ方向である、その長さ方向へ延びる一側面と、複数の電池モジュール21を挟んで反対側の他側面とを備えている。すなわち長さ方向の一側面は、各電池モジュール21の一方の端部により構成され、長さ方向の他側面は、各電池モジュール21の他方の端部により構成されている。電池スタック20は、長さ方向の一側面に沿って延設される筒状の供給通路を構成する供給ダクト33と、供給ダクト33を冷却ファン30に連通接続させる筒状の供給通路を構成する連絡ダクト32と、長さ方向の他側面に沿って延設される筒状の排出通路としての排出ダクト34とを備えている。つまり、冷却用の空気は、連絡ダクト32、供給ダクト33、及び排出ダクト34を含み構成される冷却媒体通路を介し、電池スタック20に対して供給及び排出が行なわれるようになっている。なお、連絡ダクト32や、供給ダクト33、排出ダクト34は、樹脂材料が成型されたものであるが、供給通路や排出通路を構成できるのであれば、樹脂材料以外の材料から形成されていてもよい。
供給ダクト33は、電池スタック20の長さ方向の一側面に沿うことによって、複数の電池モジュール21の一方の端部に沿って延設される。また供給ダクト33は、複数の電池モジュール21の配列方向における両端部のうち基端部が外部と供給ダクト33の内部空間とを連通させるように開放されている一方、先端部は閉鎖されている。さらに供給ダクト33は、複数の電池モジュール21の一方の端部に対向する側、つまり電池スタック20の長さ方向の一側面側が開放されおり、供給ダクト33の内部空間を各電池モジュール21の間の通風用の間隔に連通させている。なお、供給ダクト33は、基端側から先端側に向けて徐々に狭くなるなど、基端部から送り込まれた空気が開放された一側面から略均等に流出されるようになっている。
排出ダクト34は、電池スタック20の長さ方向の他側面に沿うことによって、複数の電池モジュール21の他方の端部に沿って延設される。また排出ダクト34は、複数の電池モジュール21の配列方向における両端部のうち基端部が外部と排出ダクト34の内部空間とを連通させるように開放されている一方、先端部は閉鎖されている。さらに排出ダクト34は、複数の電池モジュール21の他方の端部に対向する側、つまり電池スタック20の長さ方向の他側面側が開放されており、排出ダクト34の内部空間を各電池モジュール21の間の通風用の間隔に連通させている。
よって、供給ダクト33の内部空間と排出ダクト34の内部空間とが各電池モジュール21の間の通風用の間隔を介して連通される。これにより、供給ダクト33内に供給される冷却用の空気が、供給ダクト33の内部空間から各電池モジュール21の間の通風用の間隔を通過して排出ダクト34内へ排出されるようになる。
供給ダクト33の開放された基端部は、連絡ダクト32を介して冷却ファン30に接続されている。連絡ダクト32は、基端側が冷却ファン30の出口部31の形状に適合する形状に形成されているとともに、先端側が供給ダクト33の基端部の形状に適合する形状に形成されることによって、冷却ファン30と供給ダクト33とを連通接続させている。
冷却ファン30は、電池スタック20に外気を冷却用の空気として供給する。冷却ファン30は、収容ケースに形成された開口部から吸入した外気を排出する出口部31を備えている。つまり冷却ファン30は、出口部31が連絡ダクト32を介して供給ダクト33に連通接続されている。
また、冷却ファン30は、外気を強制吸入する電動ファン(図示略)とその電動ファンの回転速度を制御する制御装置(図示略)とを備えている。制御装置は、電池制御装置40から入力される空気の供給量を指示する信号に応じて電動ファンの回転速度を調節する。そして冷却ファン30は、電動ファンの回転速度を調節することによって電池スタック20へ供給する(送り込む)空気の供給量を調節する。こうして冷却ファン30は、収容ケースの開口部から強制吸入した外気を冷却用の空気として出口部31から強制排出する。
つまり電池パック10では、冷却ファン30から供給される冷却用の空気によって電池スタック20が冷却される。また、冷却ファン30の回転速度によって冷却用の空気の供給量が調節される。
電池パック10は、冷却用の空気の温度を測定する第1〜第4の温度センサ51〜54を備えている。第1〜第4の温度センサ51〜54はそれぞれ、サーミスタなどの温度測定用の素子を備え、冷却用の空気が流通する各ダクト内に配置された先端を介して各ダクト内を流通する空気の温度を測定する。また、第1〜第4の温度センサ51〜54はそれぞれ、配線51C〜54Cを介して診断部50に電気的に接続されている。第1〜第4の温度センサ51〜54は、サーミスタにより測定された温度を電気信号として配線51C〜54Cを介して診断部50へ出力する。
第1の温度センサ51は、連絡ダクト32内の位置である位置Aに設けられている。つまり、第1の温度センサ51は、冷却ファン30に最も近い位置において冷却ファン30から供給されている空気の温度であって、電池スタック20を冷却する前の空気の温度を測定温度TAとして測定する。なお、第1の温度センサ51は、冷却ファン30から供給されている空気の温度を測るためのものであるため、電池モジュール21の温度の影響の小さい位置に設けられることが好ましい。
第2の温度センサ52は、供給ダクト33の先端部に近い位置である位置Bに設けられている。つまり、第2の温度センサ52は、冷却ファン30から供給された後、供給ダクト33を基端部から先端部近傍まで流通してきた空気の温度を測定することで電池スタック20の長さ方向全体からの温度による影響を受けた空気の温度を測定温度TBとして測定する。
第3の温度センサ53は、排出ダクト34の開放された基端部近傍の位置である位置Dに設けられている。つまり、第3の温度センサ53は、供給ダクト33に供給された後、複数の電池モジュール21の間の通風用の間隔を通過することにより電池モジュール21の温度の影響を大きく受けてきた空気の温度を測定する。換言すれば、第3の温度センサ53は、電池スタック20を冷却した後の空気の温度を測定温度TDとして測定する。
第4の温度センサ54は、供給ダクト33において電池スタック20の長さ方向の中間付近の位置である位置Cに設けられている。つまり、第4の温度センサ54は、冷却ファン30から供給された後、供給ダクト33を基端部から先端部の方向へ半分程度まで流通してきた空気の温度を測定することで電池スタック20の長さ方向半分からの温度による影響を受けた空気の温度を測定温度TCとして測定する。
診断部50は、第1〜第4の温度センサ51〜54により測定された各測定温度TA,TB,TD,TCに対応する電気信号が入力される。また診断部50は、いわゆるECU(電子制御装置)であって、入力された各測定温度TA,TB,TD,TCに基づいて電池スタック20の冷却に関する異常を診断するとともに、この診断結果を電池制御装置40に伝達する。例えば、電池制御装置40は、診断部50から電池スタック20の温度が高い旨の診断結果が伝達されると、冷却ファン30から電池スタック20へ供給される冷却用の空気の供給量を増加させたり、電池スタック20の充放電を抑制させたりする。一方、電池制御装置40は、診断部50から電池スタック20の温度が低い旨の診断結果が伝達されると、冷却ファン30から電池スタック20へ供給される冷却用の空気の供給量を減少させたりする。なお、電池制御装置40は、診断部50から入力された診断結果を、車両の他のECU(電子制御装置)やユーザインターフェースなどに出力することもできる。例えば、電池スタック20の温度が高い旨の診断結果が伝達された車両のECUは電力消費量を抑えたりすることができ、ユーザインターフェースは運転者に異常診断の結果を伝達することができる。
診断部50は、第1〜第4の温度センサ51〜54のそれぞれに対応する閾値を保持している。各閾値は、通常であれば、第1〜第4の温度センサ51〜54によって測定されることはない高い温度の値が設定されており、その値は、実験値や経験値、もしくは設計値や理論値などにより定められている。なお、各閾値は、同じ値となることがあってもよいし、異なる値であってもよい。
診断部50は、第1の温度センサ51により測定される測定温度TAをその測定温度TAに対応する閾値との比較により正常/異常を判断する。すなわち、測定温度TAは、その値が対応する閾値以下であるとき「正常」であると判断され、その値が対応する閾値より高いとき「異常」であると判断される。同様に、診断部50は、第2の温度センサ52により測定された測定温度TBをその測定温度TBに対応して定められた閾値との比較により正常/異常を判断し、第4の温度センサ54により測定された測定温度TCをその測定温度TCに対応して定められた閾値との比較により正常/異常を判断する。また、診断部50は、第3の温度センサ53により測定された測定温度TDを測定温度TDに対応して定められた閾値との比較により正常/異常を判断する。すなわち、各測定温度TB,TC,TDはそれぞれ、その値が対応する閾値以下であるとき「正常」であると判断され、その値が対応する閾値より高いとき「異常」であると判断される。
また、診断部50は、第2の温度センサ52が測定する測定温度TBと第3の温度センサ53が測定する測定温度TDとの差において、正常であると判断する値を保持しているとともに、後述する「ダクトの詰まり(冷却媒体通路の詰まり)」と「電池モジュールの温度異常」とを区別するための一定の値を保持している。これらの正常であると判断する値と、区別するための一定の値とは、実験値や経験値、もしくは設計値や理論値などにより定められている。
診断部50は、測定温度TBと測定温度TDとの差の値を正常であると判断する値と比較することにより正常/異常を判断する。すなわち、測定温度TBと測定温度TDとの差の値は、正常であると判断する値以下であるとき「正常」であると判断され、正常であると判断する値より高いとき「異常」であると判断される。さらに、診断部50は、測定温度TBと測定温度TDとの差の値を区別するための一定の値と比較することにより「ダクトの詰まり」と「電池モジュールの温度異常」とを判断する。すなわち、測定温度TBと測定温度TDとの差の値は、区別するための一定の値以下であるとき「ダクトの詰まり」であると判断され、区別するための一定の値より高いとき「電池モジュールの温度異常」であると判断される。
次に、電池パック10の冷却に関する異常について、図2〜図4を参照して説明する。なお、図2〜図4中の矢印付きの実線は、電池パック10内の冷却用の空気の流れを模式的に示している。矢印付きの実線のうち、図2〜図4において下側の横線は供給ダクト33内を流れる空気を示し、上側の横線は排出ダクト34内を流れる空気を示し、下から上に向かう縦線は電池モジュール21間の通風用の間隔を流れる空気を示す。また、図2〜図4の下側の横線において、「A」は位置Aに、「B」は位置Bに、「C」は位置Cにそれぞれ対応するとともに、図2〜図4の上側の横線において、「D」は位置Dに対応する。なお、説明の便宜上、上記縦線の数は、各電池モジュール21の間の通気用の間隔の数とは異なる数、本実施形態では少ない数で示している。
図2に示すように、通常、冷却ファン30から供給された冷却用の空気は、供給ダクト33から各電池モジュール21の間の各通風用の間隔に分流される。なお、分流される空気の量は略均等な量になるようにされている。つまり電池パック10は、その全電池モジュール21に分流される冷却用の空気によって、その全体の温度が適切な温度になるようになっている。
一方、図3では、供給ダクト33において、位置Aと位置Cとの間の阻害位置P1にて位置Aから位置C及び位置Bへの空気の流通が阻害されるようになる(つまり、位置Aと位置Cとの間のダクトの詰まりが生じる)。このとき供給ダクト33において冷却用の空気は、阻害位置P1の手前にある各通風用の間隔を流れて排出ダクト34に到達して位置Dに至るようになるとともに、これら通風用の間隔を流れる空気の量が多くなる。これにより、電池パック10としては、位置Aから阻害位置P1までの間の各通風用の間隔を構成する各電池モジュール21の温度は通常の値に維持される。その一方、阻害位置P1の先の位置C及び位置Bまでの間の各通風用の間隔には空気が流れなくなる、又は少なくなる。これにより、阻害位置P1から先端部までの各電池モジュール21は空冷されなくなる、又は空冷が弱くなるため温度が上昇し、温度上昇した電池モジュール21の近くに配置される第2の温度センサ52、及び第4の温度センサ54により測定される測定温度TB,TCが、通常では測定されることのない高い温度まで上昇することになる。
また、図4では、供給ダクト33において、位置Cと位置Bとの間の阻害位置P2にて位置Cから位置Bへの空気の流通が阻害されるようになる(つまり、位置Cと位置Bとの間のダクトの詰まりが生じる)。このとき供給ダクト33において冷却用の空気は、阻害位置P2の手前にある各通風用の間隔を流れて排出ダクト34に到達して位置Dに至るようになるとともに、これら通風用の間隔を流れる空気の量が多くなる。これにより、電池パック10としては、位置Aから阻害位置P2までの間の各通風用の間隔を構成する各電池モジュール21の温度は通常の値に維持される。その一方、阻害位置P2の先の位置Bまでの間の各通風用の間隔には空気が流れなくなる、又は少なくなる。これにより、阻害位置P2から先端部までの各電池モジュール21は空冷されなくなる、又は空冷が弱くなるため温度が上昇し、温度上昇した電池モジュール21の近くに配置される第2の温度センサ52により測定される測定温度TBが、通常では測定されることのない高い温度まで上昇することなる。
なお上記では、供給ダクト33の詰まりが、位置Aと位置Cとの間、又は位置Cと位置Bとの間に生じた場合についてそれぞれ例示したが、詰まりが排出ダクト34に生じた場合も同様できる。すなわち、排出ダクト34において、電池モジュール21の配列方向(図2〜図4において横方向)における位置Aと位置Cとの間、又は位置Cと位置Bとの間にそれぞれ詰まりが生じた場合、供給ダクト33の空気の流れはそれぞれ、供給ダクト33の位置Aと位置Cとの間、又は位置Cと位置Bとの間に詰まりが生じた場合と同様になる。そのため、第2の温度センサ52や第4の温度センサ54により測定される測定温度TB,TCにも、上述と同様の変化が生じる。なお以下では、説明の便宜上、供給ダクト33の詰まりについて説明し、供給ダクト33の詰まりと同様の温度変化を生じさせる排出ダクト34の詰まりについての説明は割愛する。
続いて、第1〜第4の温度センサ51〜54により測定された測定温度TA,TB,TD,TCに基づいて診断することのできる電池パック10の異常について説明する。
図5に示すように、各測定温度TA,TB,TC,TDのすべてが「正常」と判断されるとともに、測定温度TBと測定温度TDとの差が「正常」と判断される場合について説明する。この場合、診断部50は、すべての判断が「正常」であることに基づいて、電池パック10は「正常」であると診断する。
また、測定温度TAが「正常」、各測定温度TB,TCが「異常」、測定温度TDが「正常」又は「異常」と判断されるとともに、測定温度TBと測定温度TDとの差が「正常」又は「一定の値以下」と判断される場合について説明する。この場合、診断部50は、測定温度TAは「正常」であり、かつ各測定温度TB,TCが「異常」であることに基づいて次の判断を行う。すなわち診断部50は、異常が生じている位置を「電池モジュール21の配列方向(図1の横方向)における位置Aから位置Cまでの間」(以下単に、「位置Aから位置Cまでの間」と記す。)と判断するとともに、電池パック10には「ダクトの詰まり」又は「電池モジュールの温度異常」が生じていると判断する。このとき、測定温度TAは「正常」であり測定温度TCは「異常」であることに基づいて異常が生じている位置が「位置Aから位置Cまでの間」と判断される。また、各測定温度TB,TCが「異常」であることに基づいて、「ダクトの詰まり」又は「電池モジュールの温度異常」が生じていると判断される。各測定温度TB,TCの「異常」は、位置Aと位置Cとの間における前述のダクトの詰まりの影響による各測定温度TB,TCの温度上昇、又は端部が位置Aから位置Cまでの間の供給ダクト33に接している電池モジュールの温度上昇の影響で空気の温度が上昇したことによる各測定温度TB,TCの温度上昇が原因と考えられるからである。続いて、診断部50は、測定温度TBと測定温度TDとの差が「正常」又は「一定の値以下」と判断されることに基づいて、電池パック10には「ダクトの詰まり」が生じていると判断する。これは、例えば、阻害位置P1(図3参照)で供給ダクト33が詰まると各測定温度TB,TCが上昇するものの阻害位置P1より先から排出ダクト34へ流れる空気の量は少ない一方、阻害位置P1より手前から排出ダクト34へ流れる空気の量は多い。つまり、排出ダクト34には、阻害位置P1より手前からの空気が多く流れるため、排出ダクト34で測定される測定温度TDは、各測定温度TB,TCが測定する温度上昇された空気の影響よりも、通常の温度である空気の影響の方が大きく、測定温度TDの上昇は一定の値以下に抑えられるためである。これにより、電池パック10には「位置Aから位置Cまでの間にダクトの詰まり」が生じていると診断される。
さらに、各測定温度TA、TCが「正常」、測定温度TBが「異常」、測定温度TDが「正常」又は「異常」と判断されるとともに、測定温度TBと測定温度TDとの差が「通常」又は「一定の値以下」と判断される場合について説明する。この場合、診断部50は、各測定温度TA、TCは「正常」であり、かつ測定温度TBは「異常」であることに基づいて次の判断を行う。すなわち診断部50は、異常が生じている位置を「電池モジュール21の配列方向(図1の横方向)における位置Cから位置Bまでの間」(以下単に、「位置Cから位置Bまでの間」と記す。)と判断するとともに、電池パック10には「ダクトの詰まり」又は「電池モジュールの温度異常」が生じていると判断する。このとき測定温度TCは「正常」であり測定温度TBは「異常」であることに基づいて異常が生じている位置が「位置Cから位置Bまでの間」と判断される。また、測定温度TBが「異常」であることに基づいて、「ダクトの詰まり」又は「電池モジュールの温度異常」が生じていると判断される。測定温度TCの「正常」かつ測定温度TBの「異常」は、位置Cと位置Bとの間における前述のダクトの詰まりの影響による測定温度TBの温度上昇、又は端部が位置Cから位置Bまでの間の供給ダクト33に接している電池モジュールの温度上昇の影響で空気の温度が上昇したことによる測定温度TBの温度上昇が原因と考えられるからである。続いて、診断部50は、測定温度TBと測定温度TDとの差が「通常」又は「一定の値以下」と判断されることに基づいて、電池パック10には「ダクトの詰まり」が生じていると判断する。これは、例えば、阻害位置P2(図4参照)で供給ダクト33が詰まると測定温度TBが上昇するものの阻害位置P2より先から排出ダクト34へ流れる空気の量は少ない一方、阻害位置P2より手前から排出ダクト34へ流れる空気の量は多い。つまり、排出ダクト34には、阻害位置P2より手前からの空気が多く流れるため、排出ダクト34で測定される測定温度TDは、測定温度TBが測定する温度上昇された空気の影響よりも、通常の温度である空気の影響の方が大きく、測定温度TDの上昇は一定の値以下に抑えられるためである。これにより、電池パック10には「位置Cから位置Bまでの間のダクトの詰まり」が生じている診断される。
また、測定温度TAが「正常」、各測定温度TB,TCが「異常」、測定温度TDが「異常」と判断されるとともに、測定温度TBと測定温度TDとの差が「一定の値より大きい」と判断される場合について説明する。この場合、診断部50は、上述と同様に、異常が生じている位置を「位置Aから位置Cまでの間」と判断するとともに、電池パック10には「ダクトの詰まり」又は「電池モジュールの温度異常」が生じていると判断する。続いて、診断部50は、測定温度TBと測定温度TDとの差が「一定の値より大きい」と判断されることに基づいて、電池パック10には「電池モジュールの温度異常」が生じていると判断する。これは、例えば、通常通りに空気が流通している状態(図2参照)において一部の電池モジュール21の温度が上昇すると、その温度上昇した当該一部の電池モジュール21を冷却した空気及び、供給ダクト33や排出ダクト34を通り当該一部の電池モジュール21の近傍を通過した空気の温度が上昇する。こうして温度上昇する空気の量も、通常の量である。つまり、排出ダクト34には、温度上昇した一部の電池モジュール21にも通常通り供給された空気が排出されるため、排出ダクト34で測定される測定温度TDは、温度上昇した一部の電池モジュール21による空気の温度上昇の影響が比較的大きく現れ、測定温度TDが一定の値よりも大きい値まで上昇するためである。これにより、電池パック10には「位置Aから位置Cまでの間に電池モジュールの温度異常」が生じていると診断される。
さらに、各測定温度TA、TCが「正常」、測定温度TBが「異常」、測定温度TDが「異常」と判断されるとともに、測定温度TBと測定温度TDとの差が「一定の値より大きい」と判断される場合について説明する。この場合、診断部50は、上述と同様に、異常が生じている位置を「位置Cから位置Bまでの間」と判断するとともに、電池パック10には「ダクトの詰まり」又は「電池モジュールの温度異常」が生じていると判断する。続いて、診断部50は、測定温度TBと測定温度TDとの差が「一定の値より大きい」と判断されることに基づいて、上述した理由と同様に、電池パック10には「電池モジュールの温度異常」が生じていると判断する。これにより、電池パック10には「位置Cから位置Bまでの間に電池モジュールの温度異常」が生じていると診断される。
そして、各測定温度TA,TB,TC,TDのすべてが「異常」と判断される場合について説明する。この場合、診断部50は、測定温度TAが「異常」であることに基づいて、電池パック10における異常は「冷却ファンの異常」と判断する。これは、冷却ファン30の、例えばファンの目詰まりによる空気の供給量の減少が空気の温度上昇を大きくして測定温度TAを上昇させるからである。これにより、電池パック10には「冷却ファンの異常」が生じていると診断される。
この電池パック10の異常診断処理の動作についてフローチャートに従って説明する。この異常診断処理は、診断部50にて周期的に実行される。
図6に示すように、異常診断処理が開始されると、診断部50は測定温度TAが正常か否かを判断する(ステップS10)。測定温度TAが正常であると判断された場合(ステップS10でYES)、診断部50は測定温度TCが正常であるか否かを判断する(ステップS20)。そして測定温度TCが正常であると判断された場合(ステップS20でYES)、診断部50は測定温度TBが正常であるか否かを判断する(ステップS30)。そして測定温度TBが正常であると判断された場合(ステップS30でYES)、診断部50は電池パック10には冷却に関する異常は生じていない、つまり電池パック10の冷却は「正常」であると診断するとともに、この診断結果を電池制御装置40に出力するなどの処理を実行してから(ステップS31)、異常診断処理を終了する。
一方、上記ステップS10の判断において、測定温度TAが正常ではないと判断された場合(ステップS10でNO)、診断部50は電池パック10には「冷却ファンの異常」(ファンの目詰まり)が生じていると診断するとともに、この診断結果を電池制御装置40に出力するなどの処理を実行してから(ステップS11)、異常診断処理を終了する。
また、上記ステップS20の判断において、測定温度TCが正常ではないと判断された場合(ステップS20でNO)、診断部50は測定温度TBと測定温度TDとの差が一定の値以下であるか否かを判断する(ステップS21)。なお、測定温度TAは「正常」であり、かつ測定温度TCが「異常」であることから、異常の生じている位置が「位置Aから位置Cまでの間」であると判断される。そして、測定温度TBと測定温度TDとの差が一定の値以下であると判断された場合(ステップS21でYES)、診断部50は「ダクトの詰まり」と判断する(ステップS23)。すなわち、診断部50は、「位置Aから位置Cまでの間にダクトの詰まり」が生じていると診断するとともに、こうした診断結果を電池制御装置40に出力させる処理などを実行してから、異常診断処理を終了する。
他方、測定温度TBと測定温度TDとの差が一定の値以下ではないと判断された場合(ステップS21でNO)、診断部50は「電池モジュールの温度異常」と判断する(ステップS22)。すなわち、診断部50は、「位置Aから位置Cまでの間に電池モジュールの温度異常」が生じていると診断するとともに、こうした診断結果を電池制御装置40に出力させる処理などを実行してから、異常診断処理を終了する。
また、上記ステップS30の判断において、測定温度TBが正常ではないと判断された場合(ステップS30でNO)、診断部50は測定温度TBと測定温度TDとの差が一定の値以下であるか否かを判断する(ステップS32)。なお、測定温度TCは「正常」であり、かつ測定温度TBが「異常」であることから、異常の生じている位置が「位置Cから位置Bまでの間」であると判断される。そして、測定温度TBと測定温度TDとの差が一定の値以下であると判断された場合(ステップS32でYES)、診断部50は「ダクトの詰まり」と判断する(ステップS34)。すなわち、診断部50は「位置Cから位置Bまでの間にダクトの詰まり」が生じていると診断するとともに、こうした診断結果を電池制御装置40に出力する処理などを実行してから、異常診断処理を終了する。
他方、測定温度TBと測定温度TDとの差が一定の値以下ではないと判断された場合(ステップS32でNO)、診断部50は「電池モジュールの温度異常」と判断する(ステップS33)。すなわち、診断部50は「位置Cから位置Bまでの間に電池モジュールの温度異常」が生じていると診断するとともに、こうした診断結果を電池制御装置40に出力させる処理などを実行してから、異常診断処理を終了する。
これにより、本実施形態の電池パックは、冷却に関する異常についてのより詳細な診断を行うことができるようになる。
以上説明したように、本実施形態の電池パックによれば、以下に列記するような効果が得られるようになる。
(1)電池パック10に生じている異常の内容を、4つの温度センサ51〜54によりそれぞれ測定された温度に応じて種々診断することができるようになる。すなわち、4つの温度センサ51〜54による測定温度TA,TB,TD,TCに応じて、電池パック10の状態として、例えば「正常」、「ファン部の異常」、「冷却媒体通路(ダクト)の詰まり」、「電池モジュールの温度異常」等々、異常の有無に加えて、異常が生じている場合の異常内容まで詳細に診断することができるようになる。
(2)各測定温度TA,TB,TD,TCの正常/異常が、その測定温度TA,TB,TD,TCに対応して設定された閾値以下であるか、又は閾値より高いかによって判断される。これにより、各測定温度TA,TB,TD,TCの正常/異常の判断が簡単かつ迅速に行われる。なお閾値として、通常では測定されることのない高い温度の値を設定することで、各測定温度TA,TB,TD,TCを閾値と比較することに基づいて各測定温度TA,TB,TD,TCに異常が生じていることを判断することができる。
また、電池パック10に生じている異常の内容を、4つの温度センサ51〜54によりそれぞれ測定された測定温度TA,TB,TD,TCの正常/異常の組み合わせに応じて種々診断することができる。
(3)冷却ファン30の異常(ファンの目詰まり)を、冷却ファン30に近い第1の温度センサ51の測定温度TAの異常によって診断することができる。なお、冷却ファン30から離れた第2の温度センサ52の測定温度TBも異常であれば冷却ファン30の異常を確定することもできる。これにより、異常の内容が絞り込まれ、迅速な対応も可能となる。
(4)冷却媒体通路の詰まり、もしくは電池モジュール21の温度異常を、冷却ファン30に近い第1の温度センサ51の測定温度TAの正常、及び冷却ファン30部から離れた第2の温度センサ52の測定温度TBの異常によって診断することができる。これにより、異常の原因が絞り込まれ、迅速な対応も可能となる。
(5)冷却媒体通路の詰まり及び電池モジュール21の温度異常のいずれか一方を、排出通路(排出ダクト34)に設けられた第3の温度センサ53による測定温度TDに基づいて特定することができるようになる。例えば、第2の温度センサ52による測定温度TBよりも第3の温度センサ53による測定温度TDが大幅に高いとき電池モジュール21の温度異常と特定し、そうでないときは冷却媒体通路の詰まりと特定することができる。これにより、異常の内容がより絞り込まれ、異常に対して迅速な対応が可能となる。
(6)冷却媒体通路の詰りや電池モジュール21の温度異常が、第1の温度センサ51と第4の温度センサ54との間の位置(位置Aから位置Cまでの間)に生じた異常か、又は、第4の温度センサ54と第2の温度センサ52との間の位置(位置Cから位置Bまでの間)に生じた異常かが特定される。これにより、異常の生じた位置がより絞り込まれ、異常に対して迅速な対応が可能となる。
(その他の実施形態)
なお上記実施形態は、以下の態様で実施することもできる。
・上記実施形態では、電池制御装置40と診断部50とが別々に設けられている場合について例示した。しかしこれに限らず、各温度センサに基づいて異常をより詳細に診断することができるのであれば、診断部が電池制御装置に含まれるような構成であってもよい。これにより、電池パックの設計や構成の自由度の向上が図られるようになる。
・上記実施形態では、各温度センサ51〜54にはサーミスタが設けられている場合について例示したが、これに限らず、温度を測定することができれば、各温度センサにはサーミスタ以外の温度検出素子などが設けられていてもよい。これにより電池パックの設計自由度の向上が図られるようになる。
・上記実施形態では、供給通路が連絡ダクト32及び供給ダクト33から構成される場合について例示した。しかしこれに限らず、供給通路は単一のダクトから構成されていても複数のダクトから構成されていてもよい。これにより、電池パックとしての設計自由度の向上を図ることができるようになる。
・上記実施形態では、供給ダクト33には3つの温度センサ、つまり第1,第2,第4の温度センサ51,52,54が取り付けられる場合について例示した。しかしこれに限らず、供給ダクトに取り付けられている温度センサの数は2つでもよいし、4つ以上でもよい。温度センサの数が少なくなれば、コスト抑制や制御の簡易化が図られるようになる。温度センサの数が多くなれば、異常の生じた場所をより細かく特定することができるようになる。これにより電池パックの設計の自由度の向上を図ることができるようになる。
・上記実施形態では、排出ダクト34には1つの温度センサ、つまり第3の温度センサ53が取り付けられる場合について例示した。しかしこれに限らず、排出ダクトに取り付けられている温度センサの数は2つ以上でもよい。温度センサの数が2つ以上の場合、異常の生じた場所をより細かく特定することができるようになる。これにより電池パックの設計の自由度の向上を図ることができるようになる。
・上記実施形態では、位置A、位置B、位置C及び位置Dにそれぞれ温度センサが設けられている場合について例示した。しかしこれに限らず、温度センサが、位置A、位置B、及び位置Dのみに設けられていてもよい。
図7に示すように、例えば、各位置A,B,Dにて測定される各測定温度TA,TB,TDと、測定温度TBと測定温度TDとの差に基づいて、電池パック10の冷却に関する異常を詳細に診断することができる。
つまり、各測定温度TA,TB,TDがすべて「正常」のとき、測定温度TAが「正常」であるとともに、測定温度TBと測定温度TDとの差が「正常」であることに基づいて、電池パック10は「正常」であると診断してもよい。
また、測定温度TAが「正常」、測定温度TBが「異常」、測定温度TDは「正常」又は「異常」のとき、測定温度TBが「異常」であるとともに、測定温度TBと測定温度TDとの差が「正常」又は「一定の値以下」であることに基づいて、電池パック10には「ダクトの詰まり」が生じていると診断してもよい。
さらに、測定温度TAが「正常」、各測定温度TB,TDが「異常」と判断されるとき、測定温度TB、TDが「異常」であるとともに、測定温度TBと測定温度TDとの差が「一定の値より大きい」と判断されることに基づいて、電池パック10には「電池モジュールの温度異常」が生じていると診断してもよい。
そして、各測定温度TA,TB,TDのすべてが「異常」のとき、測定温度TAが「異常」であることに基づいて、電池パック10には「ファンの異常」(ファンの目詰まり)が生じていると診断してもよい。
これによっても、電池パック10の冷却に関する異常を詳細に診断することができる。
・また、これに限らず、温度センサが、位置A、及び位置Bのみに設けられていてもよい。
図8に示すように、例えば、各位置A,Bにて測定される各測定温度TA,TBに基づいて、電池パック10の冷却に関する異常を詳細に診断することができる。
つまり、各測定温度TA,TBがともに「正常」のとき、測定温度TAが「正常」であることに基づいて、電池パック10は「正常」であると診断してもよい。
また、測定温度TAが「正常」、測定温度TBが「異常」のとき、測定温度TBが「異常」であることに基づいて、電池パック10には「ダクトの詰まり」又は「電池モジュールの温度異常」が生じていると診断してもよい。
さらに、各測定温度TA,TBが共に「異常」のとき、測定温度TAが「異常」であることに基づいて、電池パック10には「ファンの異常」が生じていると診断してもよい。
つまり、電池パックに生じている異常の内容を、2つの温度センサによりそれぞれ測定された温度に応じて、例えば温度の正常/異常の組み合わせに応じて種々診断することができるようになる。すなわち、2つの温度センサによるそれぞれの測定温度に応じて、例えば各測定温度の正常/異常の組み合わせにより、電池パックの状態が診断されるようになる。詳述すると、電池パックの状態として、例えば「正常」、「ファンの異常」(ファンの目詰まり)、「ダクトの詰まり」、「電池モジュールの温度異常」等々、異常の有無に加えて、異常が生じている場合の異常内容まで詳細に診断することができるようになる。
これによっても、電池パック10の冷却に関する異常を詳細に診断することができる。
・上記実施形態では、電池モジュール21はニッケル水素蓄電池により構成される場合について例示したが、電池モジュールは、ニッケルカドミウム電池や、リチウムイオン電池等の二次電池(蓄電池)であってもよいし、一次電池であってもよい。すなわち、これらの電池モジュールからなる電池パックであっても異常についてのより詳細な診断を行うことができるようになる。
・上記実施形態では、気体からなる冷却媒体は空気である場合について例示したが、これに限らず、気体からなる冷却媒体は電池パックを冷却することのできる気体であれば、空気以外の気体であってもよい。これにより、電池パックの適用範囲の拡大が図れるようになる。
・上記実施形態では、電池パックが自動車に用いられる場合について例示した。しかしこれに限らず、電池パックは、電源として必要とされるのであれば、自動車以外の移動体や、固定設置される電源として用いられてもよい。また、モータ以外の電源としてもちいてもよい。これにより、電池パックの適用範囲の拡大が図られるようになる。
10…電池パック、20…電池スタック、21…電池モジュール、22…ストッパ、30…冷却ファン、31…出口部、32…連絡ダクト、33…供給ダクト、34…排出ダクト、40…電池制御装置、50…診断部、51…第1の温度センサ、52…第2の温度センサ、53…第3の温度センサ、54…第4の温度センサ、51C〜54C…配線、A,B,C,D…位置、P1,P2…阻害位置、TA,TB,TC,TD…測定温度。

Claims (6)

  1. 通風用の間隔を空けて配列された複数の電池モジュールと、前記複数の電池モジュールに沿ってその配列方向に延設されて前記通風用の間隔に気体からなる冷却媒体を供給する供給通路を有する冷却媒体通路と、前記供給通路の基端部に接続されて該供給通路に冷却媒体を送り込むファン部とを備える電池パックであって、
    前記供給通路の前記ファン部に近い位置に配置されて前記供給通路内の冷却媒体の温度を測定する第1の温度センサと、
    前記供給通路の前記第1の温度センサが配置された位置よりも前記ファン部から離間した位置に配置されて前記供給通路内の冷却媒体の温度を測定する第2の温度センサと、
    前記第1及び第2の温度センサによりそれぞれ測定された温度に応じて当該電池パックに生じている異常の内容を診断する診断部とを備える
    ことを特徴とする電池パック。
  2. 前記診断部には、前記第1及び第2の温度センサによりそれぞれ測定された温度の正常/異常を判断するための閾値がそれぞれ設定されている
    請求項1に記載の電池パック。
  3. 前記診断部は、前記第1の温度センサによる測定温度が異常と判断されるとき、前記ファン部が異常である旨を診断する
    請求項2に記載の電池パック。
  4. 前記診断部は、前記第1の温度センサによる測定温度が正常と判断されてかつ、前記第2の温度センサによる測定温度が異常と判断されるとき、前記冷却媒体通路の詰まり、もしくは前記電池モジュールの温度異常である旨を診断する
    請求項2に記載の電池パック。
  5. 前記冷却媒体通路は、前記配列された複数の電池モジュールを挟んで前記供給通路と反対側の側面に延設されて電池モジュールに供給された冷却媒体を排出する排出通路をさらに有し、
    前記排出通路は、冷却媒体の出口に設けられて排出通路出口での冷却媒体の温度を測定する第3の温度センサを備え、
    前記診断部は、前記第2の温度センサによる測定温度と前記第3の温度センサによる測定温度との差に基づいて前記冷却媒体通路の詰まり及び前記電池モジュールの温度異常のいずれか一方を特定する
    請求項4に記載の電池パック。
  6. 前記供給通路における前記第1の温度センサと前記第2の温度センサとの中間にあって供給通路内の冷却媒体の温度を測定する第4の温度センサをさらに備え、
    前記診断部は、前記冷却媒体通路の詰まり及び前記電池モジュールの温度異常の少なくとも一方が、前記配列方向における前記第4の温度センサより前記第1の温度センサ側に生じた異常か、もしくは前記配列方向における前記第4の温度センサより前記第2の温度センサ側に生じた異常かを前記第4の温度センサにより測定された温度の正常/異常に応じて特定する
    請求項4又は5に記載の電池パック。
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