JP2014190436A - 車両用電動アクチュエータ - Google Patents

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Abstract

【課題】車両に装備される電動アクチュエータを、直線状のコンパクトな構造とするとともに、速度や位置の正確な制御及び故障に対する適切な対処を可能とする。
【解決手段】円筒状のハウジング1を有する車両用の電動アクチュエータには、中空のスリーブ状回転子3を備えた電気モータ2が設置される。スリーブ状回転子3内には、ボールを介してナット部材5に嵌まり合うねじ軸4が置かれており、スリーブ状回転子3に連結されたナット部材5の回転により、ねじ軸4が往復動して対象物を駆動する。電気モータ2とナット部材5との間には、ブレーキ機構6と減速機構7とが設けてあり、スリーブ状回転子3が所定の回転位置となると、ブレーキ機構6が自動的に作動してねじ軸4を正確な位置で停止させる。ブレーキ機構6は手動による解除が可能であり、故障によりブレーキが作動したままになったときは、手動で解除してねじ軸4を動かすことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に積載された可動部品あるいは作業機器などを駆動するため、車両に装備される電動アクチュエータに関するものである。
車両には、様々な可動部品あるいは可動部を備えた作業機器を搭載することが多い。例えば、貨物輸送用の車両であるトラックの荷台には、可動式の屋根を設置して荷台の側方からも貨物の積み降ろしを可能としたウイングボディと呼ばれる荷台ある。ウイングボディでは、荷台の長手方向の中心線に沿って左右に分割された屋根パネルが側面パネルと一体となってウイングを構成しており、左右両側のウイングは、荷台の屋根中央のヒンジを中心としてアクチュエータにより跳ね上げ式に開閉される。ウイング開閉用のアクチュエータとしては、通常、油圧で作動する油圧シリンダが用いられる。
トラックに搭載された一般的なウイングボディの構造を図4に示す。荷台の前部には前面パネル101が、後部には後部フレーム102が配置され、後部フレーム102には観音開き式の後部扉103が取り付けてある。上部には2枚のウイング104が配置されており、これらは、分割された屋根パネル141と左右の側面パネル142の一方とが一体となった断面L字状のものである。荷台の側面の下方には、煽り板105がヒンジ106によって下側に回動可能に取り付けられている。
ウイング104を開閉するためのアクチュエータとして、後部フレーム102と左右のウイングの屋根パネル104との間をそれぞれ連結する2個の油圧シリンダ107が設置され、同様な油圧シリンダ107は、前面パネル101のフレーム上部にも設置されている。油圧シリンダ107に供給する作動油を制御してそのロッドを伸長すると、図の実線に示すように、ウイング104が上方に移動して荷台の側面が開放され、油圧シリンダ107のロッドを短縮すると、2点鎖線に示すように、ウイング104の側面パネル142の下端部が煽り板105の上端部に密着し、荷台は閉鎖される。
ウイング104の開閉速度は、その位置に応じて制御されており、開放開始時には、雨水が荷台内部に発生する負圧に巻き込まれて侵入するのを防止するよう、また、ウイング104の閉鎖終了時には、側面パネル142の下端部が衝撃的に煽り板105の上部に当接することのないよう、開閉速度が微速又は緩速となる。こうしたウイングの開閉操作方法及びそのための制御回路は、本出願人の先行出願に係る特許第4416805号公報に開示されている。
図4のように、アクチュエータとして油圧シリンダを用いてウイングを開閉するウイングボディでは、油圧シリンダに油圧を供給する油圧配管を配設する必要があり、油圧発生用の油圧ポンプを駆動する電気モータも必要となって、ウイングの開閉装置全体が複雑化する。これを避けるため、電動アクチュエータ、つまり、電気モータによりねじを形成した軸を回転し、ねじに嵌まり合う部材を直接的に進退させるアクチュエータ、を利用してウイングを開閉することも知られており、一例として、実開平6−61543号公報に示されている。
この公報に記載された電動アクチュエータは、図5に示すとおり、円筒状のハウジング201内にスリーブ状の摺動筒202を嵌め込んだ構造を備え、ハウジング201の端部203がウイングボディの後部フレームに、摺動筒202の端部204が可動部(駆動対象物)であるウイングにそれぞれ連結される。ハウジング201の中心には、ねじを形成したねじ軸205が設置されるとともに、このねじ軸205に嵌まり合うナット部材206が摺動筒202に固着されており、ねじ軸205の正転・逆転により摺動筒202が往復動するよう構成されている。ハウジング201の外側には、ねじ軸205と平行な回転軸を有する電気モータ207取り付けてあり、電気モータ207の回転軸は、減速歯車列208を介してねじ軸205と連結される。
上述の電動アクチュエータは、ウイングボディにおけるウイング開閉用のアクチュエータとして用いられるものであるが、当然、電動アクチュエータを他の装置に利用することもできる。貨物輸送用の車両であるトラックには、貨物の積み降ろしを行うための作業機器であるテールゲートを装備するものがあり、電動アクチュエータは、テールゲートにおいて、貨物積載用プラットフォームを荷台と地上との間に昇降させるアクチュエータとしても使用することが可能である。
特許第4416805号公報 実開平6−61543号公報
電動アクチュエータは、電気モータの回転を機械的な機構のみにより直接ロッド等の往復動に変換するアクチュエータであり、油圧シリンダのように流体部分を介在させていないので、装置が簡素化されると同時に保守点検等の作業も容易となる。
しかし、電動アクチュエータでは、動力源である電気モータがアクチュエータに一体化されているので、アクチュエータが大型となりコンパクトに構成することが困難である。ことに、車両に装備されるアクチュエータ、例えば、ウイングボディのフレームの上部に装着されるウイング開閉用アクチュエータは、搭載スペースが非常に限定される関係上、小型でコンパクトなものが望ましい。特許文献2に記載の電動アクチュエータでは、電気モータがアクチュエータの横に張り出すように取り付けてあり、ウイングボディに装着すると、その分、荷台の貨物を搭載する部分が削減されることとなる。
また、電気モータの回転子(電機子)は、重量が大きく慣性モーメントの大きいものが多いため、電気モータの通電を制御するのみでは、アクチュエータの停止位置を正確に制御することが困難である。停止位置の正確な制御には、電気モータにブレーキ機構を組み合わせ、電気モータへの通電が遮断されたときに自動的に制動力を作用させることが有効である。しかし、このような作動を行うブレーキ機構を電動アクチュエータに組み込んだ場合、万一、電気モータや通電系統等に故障が生じたときには、ウイング等の駆動対象物の位置が固定されたままとなり、駆動対象物を故障の修理に適した位置に手動で動かすことができなくなる。車両に装備される電動アクチュエータであると、車両には大掛かりな修理用装置は備えていないため、道路上などで故障が生じた場合には、修理のために整備工場に持ち込むことも困難な事態に陥る。
本発明の課題は、車両に装備される電動アクチュエータを、直線状の形態を有する小型でコンパクトな構造とし、しかも、駆動対象物の速度や位置の正確な制御と同時に故障への対処も可能であるように構成して、上述の問題点を解決することにある。
上記の課題に鑑み、本発明は、正転・逆転可能な電気モータを備えた車両用の電動アクチュエータにおいて、電気モータにねじ軸が貫通する中空の回転子を設けるとともに、手動解除装置付きのブレーキ機構及びナット部材回転用の減速機構を同軸状に配置したものである。すなわち、本発明は、
「ねじを形成したねじ軸と前記ねじに嵌め合わされるナット部材とが設置され、ハウジングに固定された正転・逆転可能な電気モータにより前記ナット部材を回転して前記ねじ軸を往復動させる電動アクチュエータであって、
前記電動アクチュエータは、車両に装備され、
前記電気モータは、前記ねじ軸が貫通する中空のスリーブ状回転子を備えるとともに、前記スリーブ状回転子が、入出力軸の回転中心軸が同軸である減速機構を介して前記ナット部材に接続されており、
前記スリーブ状回転子と前記減速機構との間には、前記電気モータへの通電が遮断されたときに自動的に制動力を作用させるブレーキ機構が設置され、前記ブレーキ機構は、手動で解除可能である」
ことを特徴とする電動アクチュエータとなっている。
請求項2に記載のように、前記ブレーキ機構を無励磁作動形の乾式単板ブレーキ、つまり、前記スリーブ状回転子に固定されたブレーキ用ディスクと、前記ブレーキ用ディスクに摩擦板を押し付けて制動力を作用させる押圧ばねと、前記電気モータへの通電中に前記ブレーキ用ディスクと前記摩擦板とを離間させる励磁コイルとを有するブレーキ機構とすることが好ましい。
請求項3に記載のように、前記ナット部材と前記ねじ軸に形成したねじとの間にボールを介在させることが好ましい。
請求項4に記載のように、前記ハウジングには、前記電動モータの回転位置を検出する回転位置検出器を設置するとともに、前記電動モータを制御するモータ制御装置を設置することができる。そして、前記電動アクチュエータが、ウイングボディのウイング開閉用アクチュエータである場合には、請求項5に記載のように、前記モータ制御装置には、複数のアクチュエータを同期して駆動する同期制御部を設けることが好ましい。
車両に装備される本発明の電動アクチュエータでは、電動アクチュエータのハウジングの内部に固定された正転・逆転可能な電気モータが動力源として設置される。この電気モータは中空のスリーブ状回転子を備え、スリーブ状回転子の内部には、ウイング等の駆動対象物に連結されるねじ軸が貫通する。ねじ軸のねじに嵌め合わされたナット部材は、回転中心が同軸である減速機構を介してスリーブ状回転子と接続される。
電気モータによりスリーブ状回転子が回転すると、減速機構によって減速された回転速度でナット部材が回転して、スリーブ状回転子を貫通するねじ軸を変位させる。このように、本発明の電動アクチュエータでは、電気モータ、スリーブ状回転子、減速機構及びナット部材は、全て同心状にハウジングの内部に収容され、その中心に配置されたねじ軸を往復動させるので、アクチュエータを直線状のコンパクトな形態とすることができる。
そして、本発明の電動アクチュエータには、ブレーキ機構が設置され、電気モータの通電が遮断されたときに自動的にスリーブ状回転子に対し制動力を作用させる。そのため、スリーブ状回転子(電気モータの電機子)の慣性モーメントが大きくとも、電気モータの通電を遮断すると直ちにスリーブ状回転子の回転が止まり、スリーブ状回転子の慣性によりねじ軸が回転を続け駆動対象物の位置がずれるのを防止できる。
このブレーキ機構は、スリーブ状回転子と減速機構との間に設置され、減速機構により伝達トルクが増大される以前に制動力を作用させるから、スリーブ状回転子を停止するのに要する制動トルクは小さいものでよい。また、ブレーキ機構は手動で解除可能となっているので、万一、電気モータや通電系統に故障が生じたときには、制動力を解除することにより、ねじ軸に連結された駆動対象物を故障の修理に適した位置に手動で動かすことができる。あるいは、ウイング等の駆動対象物を車両の走行に支障のない状態として、修理のために整備工場に持ち込むことも可能となる。
請求項2の発明のように、本発明の電動アクチュエータのブレーキ機構として無励磁作動形の乾式単板ブレーキを採用する、つまり、スリーブ状回転子にブレーキ用ディスクを固定し、これに摩擦板を押し付けて制動力を作用させる押圧ばねと、電気モータへの通電中に摩擦板を離間させる励磁コイルとによりブレーキ機構を構成すると、簡易な構造で信頼性の大きいブレーキ機構を得ることができる。
請求項3の発明は、回転するナット部材と、往復動するねじ軸のねじとの間にボールを介在させるもの、つまり、回転運動を直線運動に変換する部分にいわゆるボールねじ機構を採用するものである。ボールねじ機構を用いると、摺動部材間の摩擦の低減によって伝達効率が高くなるので、電動アクチュエータの円滑な作動が可能となるとともに、消費電力を低減することも可能となる。
ここで、ボールねじ機構を用いて摩擦の低減を図ると、駆動対象物に作用する重力等により、電気モータのスリーブ状回転子が逆に回転駆動される恐れがあるが、本発明の電動アクチュエータにはブレーキ機構が設置されているため、こうした事態は生じない。
請求項4の発明は、電動モータ(スリーブ状回転子)の回転位置を検出する回転位置検出器、例えば、ロータリーエンコーダをハウジング内に設置するとともに、電動モータを制御するモータ制御装置も設置するものである。このような回転位置検出器を設けて電動モータを制御するようにすると、電動モータとして一般的なDCモータ又はACモータを用いたとしても、電動モータの回転状態を調整して駆動対象物の位置や速度を制御することが可能となり、駆動対象物がウイングであれば、特許文献1のような、微速の動き出しと停止(スロースタート、スローストップ)の制御を容易に実行することができる。さらに、請求項5の発明のように、モータ制御装置に複数のアクチュエータを同期して駆動する同期制御部を設けたときは、ウイングボディの前後のフレーム上部に設置される計4個の電動アクチュエータの作動が同期して、ウイングの開閉中に前後方向に傾いて捩れるなどの作動不良を起こすことが防止される。
本発明の電動アクチュエータを全体的に示す図である。 図1の電動アクチュエータのブレーキ機構を示す詳細図である。 図1の電動アクチュエータの減速機構を示す詳細図である。 一般的なウイング及びその開閉用油圧アクチュエータを示す図である。 従来の電動アクチュエータの一例を示す図である。
以下、図面に基づいて、本発明の電動アクチュエータについて説明する。
図1の全体図に示すように、本発明の電動アクチュエータでは、円筒状のハウジング1の内部に正転・逆転可能な電気モータ2が設置される。電気モータ2は、詳細な図示は省略するが、一般的なDCモータ又はACモータと同じく、ハウジング1に固定されたステータの内側に回転するロータ(電機子)が配置されたもので、ロータの内側には、中空のスリーブ状回転子3が固着されている。そして、円筒状のハウジング1の中心には、中空のスリーブ状回転子3を貫通して延びるねじ軸4が配置され、ねじ軸4に形成されたねじには、ハウジング1の軸方向の一端に置かれたナット部材5が嵌め合わされる。
ナット部材5は、ブレーキ機構6及び減速機構7を介してスリーブ状回転子3に連結され、電気モータ2により回転されて、ねじ軸4を直線運動させる。ナット部材5とねじとの間にはボール51が介在されてボールねじ機構を構成しており、回転運動を直線運動へ変換する際の摩擦損失を低減する。
ねじ軸4は、電動アクチュエータの出力部材となるものであり、駆動対象物がウイングボディのウイングである場合には、ねじ軸4の先端のクレビス(接続金具)41がウイングに連結されるとともに、ハウジング1に固定された反対側のクレビス11がウイングボディの後部フレーム等の上部に枢着される。ねじ軸4のクレビス41とハウジング1との間には、塵埃等の侵入を防止するため、伸縮する蛇腹状のゴム管を設けてもよい。また、ねじ軸4のクレビス41の反対の端部には、抜け止め用ガイド42が固定されている。
本発明の電動アクチュエータにおいて、電気モータ2のスリーブ状回転子3に接続されるブレーキ機構6は、この実施例では、無励磁作動形の乾式単板ブレーキとなっている。このブレーキ機構6は、図2に示すように、スリーブ状回転子3に固定されたブレーキ用ディスク61と、ブレーキ用ディスク61を収容するブレーキ作動体62を備える。ブレーキ作動体62は、磁性体で製作され、ブレーキ用ディスク61を挟んで配置された2枚の円板の外周を連結した部材であり、一方の円板のブレーキ用ディスク61と対向する面には摩擦ライニング63が施されて、その円板が摩擦板を構成している。
さらに、ブレーキ機構6は、ハウジング1に固定される固定部材を有し、この固定部材には、ブレーキ作動体62の摩擦ライニング63をブレーキ用ディスク61に押し付ける押圧ばね64と、ブレーキ作動体62を磁気力で吸引し摩擦ライニング63を離間させる励磁コイル65とが取り付けられる。
そして、ブレーキ機構6には、ブレーキを手動で解除可能するための手動解除装置が設けられる。手動解除装置は、ブレーキ作動体62を押圧ばね64と反対方向に押すための押圧ボール66と、これを移動するため、ハウジング1のねじ穴に嵌め込まれた解除ねじ67からなる。解除ねじ67の先端には円錐体が形成してあり、円錐体の側面が押圧ボール66に接触している。
ここで、本発明の電動アクチュエータのブレーキ機構6の作動について説明する。
ブレーキ機構6のブレーキ作動体62は、通常は押圧ばね64に押されていて、その摩擦ライニング63がブレーキ用ディスク61に圧着され、電気モータ2のスリーブ状回転子3には制動力が作用している。このブレーキ機構6では、ウイング等の駆動対象物を変位させるよう電気モータ2に通電したときは、それに連動して励磁コイル65にも電流が流れて励磁されるように制御回路が構成されている。したがって、電気モータ2に通電されると、ブレーキ作動体62が吸引されて摩擦ライニング63とブレーキ用ディスク61とが離間し、ねじ軸4の移動に対する制動力が解除される。これに対し、電気モータ2の通電が遮断されると、電気モータ2のスリーブ状回転子3には直ちに制動力が作用してねじ軸4が停止するため、スリーブ状回転子3の慣性モーメントが大きくとも、電気モータ2の通電とその遮断により駆動対象物の位置を正確に制御することができる。
万一、電気モータ2や励磁コイル65の通電系統などに故障が生じ、スリーブ状回転子3に制動力が作用したままとなったときには、手動解除装置の解除ねじ67をドライバーでハウジング1の中心に向けてねじ込む。これにより、押圧ボール66が解除ねじ67の先端の円錐体に押されて孔の中を図2の右方に移動し、ブレーキ作動体62を押圧ばね64に抗して移動させ、摩擦ライニング63とブレーキ用ディスク61とを強制的に離間させる。スリーブ状回転子3に作用する制動力が消失するため、ねじ軸4の拘束が解除されて、駆動対象物を修理に適した位置に手動で動かすことができるようになる。
手動解除装置としては、図2下部の変形例に示すように、押圧ボールに代えて斜面を形成したピン66Aを孔内に挿入し、ピン66Aの斜面と接触するカム体を取り付けた解除ねじ67Aを押し込むようにしてもよい。
本発明のブレーキ機構6は、減速機構7により回転速度の減少する前の位置、つまり、回転トルクが増大する前の位置に置かれているので、ブレーキ用ディスク61の制動に要する摩擦力は小さい。また、スリーブ状回転子3の外周部の径が大きい部分に作用させるので、この点からも制動に要する摩擦力は小さいものとなる。図2の実施例では、スリーブ状回転子3を延長しその延長部にブレーキ用ディスク61を形成しているが、図の2点鎖線に示すように、スリーブ状回転子に固定した別体の中空軸にブレーキ用ディスクを形成することもできる。
図3に示すように、この実施例では、本発明の電動アクチュエータの減速機構7として遊星歯車式減速装置が採用されている。
図3の遊星歯車式減速装置においては、太陽歯車SGを形成した中空の太陽歯車軸71がスリーブ状回転子3にフランジ結合される。ハウジング1には、内歯歯車であるリング歯車RGが固定され、太陽歯車SGとリング歯車RGとの間には、両方の歯車と噛み合う遊星歯車PGが配置される。そして、遊星歯車PGを支持する支持軸52がナット部材5に固着されている。
遊星歯車PGを支持するナット部材5は、一般の遊星歯車装置におけるプラネット・キャリアに相当するものであって、遊星歯車PGの公転と同一速度で回転する。つまり、この減速機構7は、太陽歯車軸71を入力軸とし、これと回転中心軸が同軸であるナット部材5(支持軸52)を出力軸とする減速装置であり、その減速比は、よく知られているように、次の式で表される。
減速比:1/(1+(ZRG/ZSG))
ZSG;太陽歯車の歯数、ZRG;リング歯車の歯数
このように、この実施例の電動アクチュエータでは、電気モータ2の回転速度が上記の減速比に従って減速され、ナット部材5を回転させる。スリーブ状回転子3、減速機構7及びナット部材5は、全て同心状にハウジング1の内部に収容され、その中心に配置されたねじ軸4を往復動させるので、本発明では、電動アクチュエータを直線状のコンパクトな形態として、車両への搭載性を向上させることができる。
再び図1を参照して、本発明の電動アクチュエータにおける制御装置の概要について説明する。
電動アクチュエータのハウジング1の内部には、電気モータ2を挟んでブレーキ機構6等とは反対側に、スリーブ状回転子3の回転位置を検出するロータリーエンコーダ8が設置されるとともに、電動モータ2を制御するモータ制御装置9も設置されている。回転位置検出器であるロータリーエンコーダ8を設け、電動モータ2の通電電流のチョッパ制御や周波数のインバータ制御を実施すると、一般的なDCモータ又はACモータを用いたとしても、駆動対象物の位置や速度を容易に制御することができる。駆動対象物がウイングである場合には、スロースタート、スローストップの制御を容易に実行して、開放開始時の雨水の巻き込み防止、閉鎖時の衝撃防止を図ることができる。
また、電動アクチュエータの駆動対象物がウイングであれば、制御装置9には、複数のアクチュエータを同期して駆動する同期制御部が設けられる。同期制御部は、例えば、2個の電動アクチュエータにおける電気モータの回転量を比較し、回転量が少ない方のアクチュエータの通電量を増加させる補正を実行するよう構成されたもので、これにより、ウイングボディの前後のフレーム上部に設置される電動アクチュエータを同期して、ウイングの開閉中の捩りなどの作動不良を防止できる。
なお、電気モータとしてパルスモータを用い、発生したパルス数に応じた回転角度となる構成としたときは、ロータリーエンコーダ等の回転数検出器は不要となる。サーボモータを用いたときは、1個の電気モータの回転位置を、他のアクチュエータにおける電気モータの回転位置に追随させることが可能となる。
以上詳述したように、本発明の車両用の電動アクチュエータは、電気モータにねじ軸が貫通する中空の回転子を設けるとともに、手動解除装置付きのブレーキ機構及びナット部材回転用の減速機構を同軸状に配置したものである。上述の実施例では、電動アクチュエータをウイングの駆動装置として用いた場合について説明しているが、本発明の車両用の電動アクチュエータは、テールゲートの昇降用装置等の可動部分に適用できるのは言うまでもない。また、実施例のブレーキ機構である乾式単板ブレーキに代えて、スリーブ状回転子の円周面にブレーキシューを押し付ける形式のブレーキを採用する、減速機構である遊星歯車装置に代えて、両面に歯数の異なる歯形が形成された弾性リングを設置する、いわゆるハーモニック型(ハーモニックは登録商標)の減速装置を採用するなど、上述の実施例に対し種々の変形が可能であることは明らかである。
1 ハウジング
2 電気モータ
3 スリーブ状回転子
4 ねじ軸
5 ナット部材
6 ブレーキ機構
61 ブレーキ用ディスク
63 摩擦ライニング
65 励磁コイル
67 解除ねじ(手動解除用)
7 減速機構
8 ロータリーエンコーダ

Claims (5)

  1. ねじを形成したねじ軸と前記ねじに嵌め合わされるナット部材とが設置され、ハウジングに固定された正転・逆転可能な電気モータにより前記ナット部材を回転して前記ねじ軸を往復動させる電動アクチュエータであって、
    前記電動アクチュエータは、車両に装備され、
    前記電気モータは、前記ねじ軸が貫通する中空のスリーブ状回転子を備えるとともに、前記スリーブ状回転子が、入出力軸の回転中心軸が同軸である減速機構を介して前記ナット部材に接続されており、
    前記スリーブ状回転子と前記減速機構との間には、前記電気モータへの通電が遮断されたときに自動的に制動力を作用させるブレーキ機構が設置され、前記ブレーキ機構は、手動で解除可能であることを特徴とする電動アクチュエータ。
  2. 前記ブレーキ機構は、無励磁作動形の乾式単板ブレーキであって、前記スリーブ状回転子に固定されたブレーキ用ディスクと、前記ブレーキ用ディスクに摩擦板を押し付けて制動力を作用させる押圧ばねと、前記電気モータへの通電中に前記ブレーキ用ディスクと前記摩擦板とを離間させる励磁コイルとを有する請求項1に記載の電動アクチュエータ。
  3. 前記ナット部材と前記ねじ軸に形成したねじとの間にボールが介在される請求項1又は請求項2に記載の電動アクチュエータ。
  4. 前記ハウジングには、前記電動モータの回転位置を検出する回転位置検出器が設置されるとともに、前記電動モータを制御するモータ制御装置が設置される請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の電動アクチュエータ。
  5. 前記電動アクチュエータが、車両に積載されるウイングボディのウイング開閉用アクチュエータであって、前記電動モータを制御するモータ制御装置には、複数のアクチュエータを同期して駆動する同期制御部が設けられる請求項4に記載の電動アクチュエータ。
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